特許第6873896号(P6873896)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6873896
(24)【登録日】2021年4月23日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】血圧測定装置及びコネクタ
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/022 20060101AFI20210510BHJP
【FI】
   A61B5/022 300F
   A61B5/022 400A
   A61B5/022 100A
【請求項の数】4
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-253188(P2017-253188)
(22)【出願日】2017年12月28日
(65)【公開番号】特開2019-118439(P2019-118439A)
(43)【公開日】2019年7月22日
【審査請求日】2020年11月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】503246015
【氏名又は名称】オムロンヘルスケア株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】西岡 孝哲
(72)【発明者】
【氏名】小野 貴史
(72)【発明者】
【氏名】ブリガム ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】佐野 佳彦
【審査官】 清水 裕勝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−019457(JP,A)
【文献】 特開2015−112156(JP,A)
【文献】 独国実用新案第20219565(DE,U1)
【文献】 国際公開第2017/119370(WO,A1)
【文献】 国際公開第2018/123374(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/022
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
手首の周方向に倣って湾曲するとともに、一端と他端とが離間して形成され、前記装置本体に固定されるカーラと、
前記装置本体の外側面の対称位置に設けられ、前記カーラの外面を覆うベルトと、
前記カーラの内周面に設けられ、流体により膨張するカフ構造体と、
前記カーラに設けられた給電部と、
を備える、血圧測定装置。
【請求項2】
前記給電部は、前記カーラの外面又は内面に設けられる、請求項1に記載の血圧測定装置。
【請求項3】
前記カーラは、一端側の外面が前記装置本体に固定され、前記一端が前記装置本体から突出するとともに、前記一端及び前記他端が隣接し、
前記給電部は、前記カーラの前記装置本体から突出する前記一端側に設けられる、請求項2に記載の血圧測定装置。
【請求項4】
前記カーラは、前記装置本体から突出する前記一端の外面に窪みを有し、
前記給電部は、前記窪みに設けられた配線部、及び、前記窪みに設けられ、前記配線部に接続された給電端子を備える、請求項3に記載の血圧測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血圧を測定する血圧測定装置及びコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
血圧の測定に用いる血圧測定装置は、医療設備においてのみならず、家庭内においても、健康状態を確認する手段として利用されている。血圧測定装置は、例えば、カフを生体の上腕又は手首等に巻き付け、カフを膨張及び収縮させ、圧力センサによりカフの圧力を検出することで、動脈壁の振動を検出して血圧を測定する。
【0003】
血圧測定装置は、例えば、カフとカフに流体を供給する装置本体とが一体に構成された所謂一体型と呼ばれるものが知られている。一体型の血圧測定装置は、例えば、装置本体に電源を供給する手段として、一次電池や二次電池等を用いる構成が知られている。
【0004】
昨今、血圧測定装置は、ウェアラブルデバイスとして小型化が求められており、このような血圧測定装置には、電源を供給する手段として二次電池が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−175185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的には、ウェアラブルデバイスの血圧測定装置は、小型化の要望が高いことから、外部電源と接続するための給電部を設ける場所に制約が生じる。例えば、装置本体のケースに給電部を設けることも考えられるが、給電部が外部に露出することから、装置本体の意匠性が損なわれる虞がある。また、給電部が外部に露出すると、使用者が血圧測定装置を装着して行動すると、給電部に水やほこり等が付着する虞や給電部を損傷する虞もある。例えば、給電部を外部に露出することを防止するために、給電部をカバー等で覆うことも考えられるが、血圧測定装置は繰り返し充電することを要するところ、充電ごとにカバーを着脱させる構成であると、充電のために給電部と給電用のケーブルとを接続する作業が煩雑になり、使用性が悪いという問題もある。
【0007】
そこで本発明は、装着時に給電部が外部に露出することを防止し、高い使用性を有する血圧測定装置及びコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様によれば、装置本体と、前記装置本体の外側面の対称位置に設けられるベルトと、手首の周方向に倣って湾曲するとともに、一端と他端とが離間して形成され、前記装置本体に固定されるカーラと、前記カーラの内周面に設けられ、流体により膨張するカフ構造体と、前記カーラに設けられた給電部と、を備える、血圧測定装置が提供される。
【0009】
ここで、流体とは、液体及び空気を含む。カフ構造体とは、血圧を測定するときに生体の手首等に巻き付けられ、流体を供給することで膨張する空気袋等の袋状構造体を含むものである。
【0010】
この態様によれば、カーラはベルトに覆われるとともに、カーラに給電部が設けられることから、血圧測定装置を装着したときに給電部は外部に露出せず、充電時において給電部を外部に露出させることができる。結果、血圧測定装置1は、手首に装着したときに給電部を保護できるとともに、血圧測定装置1の外観の意匠性の低下を抑制できる。
【0011】
上記一態様の血圧測定装置において、前記給電部は、前記カーラの外面又は内面に設けられる血圧測定装置が提供される。
【0012】
この態様によれば、カーラの外面に給電部を設けることで、ベルトによりカーラに設けられた給電部を覆うことが可能となる。また、カーラの内面に給電部を設けることで、血圧測定装置の装着時に生体により覆われる。このため、血圧測定装置の装着時に給電部が外部に露出することを防止できる。また、充電時にカーラから離間する方向にベルトを回転させるだけで給電部を露出させることができることから、高い使用性を有する。
【0013】
上記一態様の血圧測定装置において、前記カーラは、一端側の外面が前記装置本体に固定され、前記一端が前記装置本体から突出するとともに、前記一端及び前記他端が隣接し、前記給電部は、前記装置本体の前記装置本体から突出する前記一端に設けられる、血圧測定装置が提供される。
【0014】
この態様によれば、給電部が装置本体に近い位置に設けられることから、装置本体から給電部までの長さを極力短くすることができる。
【0015】
上記一態様の血圧測定装置において、前記カーラは、前記装置本体から突出する前記一端の外面に窪みを有し、前記給電部は、前記窪みに設けられた配線部、及び、前記窪みに設けられ、前記配線部に接続された給電端子を備える、血圧測定装置が提供される。
【0016】
この態様によれば、カーラの窪みに配線部及び給電端子が設けられることから、血圧測定装置を装着したときに、ベルトが給電部と干渉することを防止できる。
【0017】
一態様によれば、充電用ケーブルの端部に設けられた矩形板状の本体と、手首の周方向に倣って湾曲するとともに、一端と他端とが離間して形成された、血圧測定装置に用いられるカーラの端部に設けられた給電部と電気的に接続する、前記本体に設けられた接続端子と、前記接続端子が前記給電部と電気的に接続した状態で前記カーラに前記本体を固定する固定手段と、を備えるコネクタが提供される。
【0018】
この態様によれば、コネクタは、固定手段によりカーラに固定され、接続端子が給電部と電気的に接続できることから、カーラの端部に給電部が設けられていても、接続端子及び給電部の電気的な接続が容易に行えることから高い使用性を有する。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、装着時に給電部が外部に露出することを防止し、高い使用性を有する血圧測定装置及びコネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1の実施形態に係る血圧測定装置の構成を示す斜視図。
図2】同血圧測定装置の構成を示す斜視図。
図3】同血圧測定装置の構成を示す分解図。
図4】同血圧測定装置の構成を示すブロック図。
図5】同血圧測定装置の構成の一部を省略して示す斜視図。
図6】同血圧測定装置の構成の一部を省略して示すとともに、給電部にコネクタを接続した使用の一例を示す斜視図。
図7】同血圧測定装置の構成の一部を省略して示すとともに、給電部に他の例のコネクタを接続した使用の一例を示す斜視図。
図8】同血圧測定装置の装置本体の構成を示す斜視図。
図9】同装置本体の内部の構成を示す平面図。
図10】同装置本体の内部の構成を示す平面図。
図11】同血圧測定装置のカフ構造体の構成を示す平面図。
図12】同血圧測定装置のカーラ及びカフ構造体の構成を示すとともに、動脈を圧迫した状態の一例を示す断面図。
図13】同血圧測定装置を手首に装着した一例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態に係る血圧測定装置1の一例について、図1乃至図13を用いて以下例示する。
【0022】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る血圧測定装置1の構成を、ベルト4を閉じた状態で示す斜視図である。図2は、血圧測定装置1の構成を、ベルト4を開いた状態で示す斜視図である。図3は、血圧測定装置1の構成を示す分解斜視図である。図4は、血圧測定装置1の構成を示すブロック図である。図5は、血圧測定装置1の風防32、表示部12及び第1ベルト61を省略して示す斜視図である。
【0023】
図6は、血圧測定装置1の風防32、表示部12及びベルト4の一部を省略して示すとともに、コネクタ210を給電部8に接続した使用の一例を示す斜視図、図7は、コネクタ210の他の例を示す斜視図である。図8は、血圧測定装置1の装置本体3の構成を裏蓋35側から示す斜視図である。図9及び図10は、装置本体3の内部の構成をそれぞれ風防32側及び裏蓋35側から示す平面図である。図11は、血圧測定装置1のカフ構造体6の構成をセンシングカフ73側から示す平面図である。図12は、血圧測定装置1のカーラ5及びカフ構造体6の構成を図11中XI−XI線断面で模式的に示す断面図である。
【0024】
血圧測定装置1は、生体に装着する電子血圧測定装置である。本実施形態においては、血圧測定装置1は、例えば、生体の手首100に装着するウェアラブルデバイスの態様をもつ電子血圧測定装置を用いて説明する。なお、血圧測定装置1は、上腕に装着する電子血圧測定装置であってもよい。図1乃至図13に示すように、血圧測定装置1は、装置本体3と、ベルト4と、カーラ5と、押圧カフ71及びセンシングカフ73を有するカフ構造体6と、流体回路7と、給電部8と、を備えている。
【0025】
図1乃至図9に示すように、装置本体3は、ケース11と、表示部12と、操作部13と、ポンプ14と、流路部15と、開閉弁16と、圧力センサ17と、電力供給部18と、振動モータ19と、制御基板20と、を備えている。装置本体3は、ポンプ14、開閉弁16、圧力センサ17及び制御基板20等によって、押圧カフ71に流体を供給する供給装置である。
【0026】
ケース11は、外郭ケース31と、外郭ケース31の上部開口を覆う風防32と、外郭ケース31の内部の下方に設けられた基部33と、基部33の裏面の一部を覆う流路カバー34と、外郭ケース31の下方を覆う裏蓋35と、を備えている。また、ケース11は、流体回路7の一部を構成する流路チューブ36を備えている。
【0027】
外郭ケース31は、円筒状に形成される。外郭ケース31は、外周面の周方向で対象位置にそれぞれ設けられた一対のラグ31aと、2つの一対のラグ31a間にそれぞれ設けられるバネ棒31bと、を備えている。風防32は、円形状のガラス板である。
【0028】
基部33は、表示部12、操作部13、ポンプ14、開閉弁16、圧力センサ17、電力供給部18、振動モータ19及び制御基板20を保持する。また、基部33は、流路部15の一部を構成する。
【0029】
流路カバー34は、基部33の裏蓋35側の外面である裏面に固定される。基部33及び流路カバー34は、一方又は双方に溝が設けられることで、流路部15の一部を構成する。
【0030】
裏蓋35は、外郭ケース31の生体側の端部を覆う。裏蓋35は、例えば4つのビス35a等によって外郭ケース31又は基部33の生体側の端部に固定される。
【0031】
流路チューブ36は、流路部15の一部を構成する。流路チューブ36は、例えば、開閉弁16及び基部33の流路部15を構成する一部を接続する。
【0032】
表示部12は、外郭ケース31の基部33上であって、且つ、風防32の直下に配置される。表示部12は、電気的に制御基板20に接続される。表示部12は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機エレクトロルミネッセンスディスプレイである。表示部12は、日時や最高血圧及び最低血圧などの血圧値や心拍数等の測定結果を含む各種情報を表示する。
【0033】
操作部13は、使用者からの指令を入力可能に構成される。例えば、操作部13は、ケース11に設けられた複数の釦41と、釦41の操作を検出するセンサ42と、表示部12又は風防32に設けられたタッチパネル43と、を備える。操作部13は、使用者が操作することで、指令を電気信号に変換する。センサ42及びタッチパネル43は、電気的に制御基板20に接続され、電気信号を制御基板20へ出力する。
【0034】
複数の釦41は、例えば3つ設けられる。釦41は、基部33に支持されるとともに、外郭ケース31の外周面から突出する。複数の釦41及び複数のセンサ42は、基部33に支持される。タッチパネル43は、例えば、風防32に一体に設けられる。
【0035】
ポンプ14は、例えば圧電ポンプである。ポンプ14は、空気を圧縮し、流路部15を介して圧縮空気をカフ構造体6に供給する。ポンプ14は、電気的に制御部55に接続される。
【0036】
流路部15は、基部33の裏蓋35側の主面及び基部33の裏蓋35側を覆う流路カバー34に設けられた溝等より構成された空気の流路である。流路部15は、ポンプ14から押圧カフ71へつながる流路、及び、ポンプ14からセンシングカフ73へつながる流路を構成する。また、流路部15は、押圧カフ71から大気へつながる流路、及び、センシングカフ73から大気へつながる流路を構成する。流路カバー34は、押圧カフ71及びセンシングカフ73がそれぞれ接続される被接続部34aを有する。被接続部34aは、例えば、流路カバー34に設けられた、円筒状のノズルである。
【0037】
開閉弁16は、流路部15の一部を開閉する。開閉弁16は、例えば、複数設けられ、各開閉弁16の開閉の組み合わせによりポンプ14から押圧カフ71へつながる流路、ポンプ14からセンシングカフ73へつながる流路、押圧カフ71から大気へつながる流路、及び、センシングカフ73から大気へつながる流路を選択的に開閉する。例えば、開閉弁16は、2つ用いられる。
【0038】
圧力センサ17は、押圧カフ71及びセンシングカフ73の圧力を検出する。圧力センサ17は、電気的に制御基板20に接続される。圧力センサ17は、電気的に制御基板20に接続され、検出した圧力を電気信号に変換し、制御基板20へ出力する。圧力センサ17は、例えば、ポンプ14から押圧カフ71へつながる流路、及び、ポンプ14からセンシングカフ73へつながる流路に設けられる。これらの流路は押圧カフ71及びセンシングカフ73と連続することから、これら流路内の圧力を押圧カフ71及びセンシングカフ73の内部空間の圧力となる。
【0039】
電力供給部18は、例えば、リチウムイオンバッテリ等の二次電池である。電力供給部18は、制御基板20に電気的に接続される。電力供給部18は、制御基板20に電力を供給する。
【0040】
図4及び図6に示すように、制御基板20は、例えば、基板51と、加速度センサ52と、通信部53と、記憶部54と、制御部55と、を備えている。制御基板20は、加速度センサ52、通信部53、記憶部54及び制御部55が基板51に実装されることで構成される。
【0041】
基板51は、ケース11の基部33にビス等によって固定される。
【0042】
加速度センサ52は、例えば、3軸加速度センサである。加速度センサ52は、装置本体3の互いに直交する3方向の加速度を表す加速度信号を制御部55に出力する。例えば、加速度センサ52は、検出された加速度から血圧測定装置1を装着した生体の活動量を測定するために用いられる。
【0043】
通信部53は、外部の装置と無線又は有線によって情報を送受信可能に構成される。通信部53は、例えば、制御部55によって制御された情報や測定された血圧値及び脈拍等の情報を、ネットワークを介して外部の装置へ送信し、また、外部の装置からネットワークを介してソフトウェア更新用のプログラム等を受信して制御部に送る。
【0044】
本実施形態において、ネットワークは、例えばインターネットであるが、これに限定されず、病院内に設けられたLAN(Local Area Network)等のネットワークであってもよく、また、USB等の所定の規格の端子を有するケーブルなどを用いた外部の装置との直接的な通信であってもよい。このため、通信部53は、無線アンテナ及びマイクロUSBコネクタ等の複数を含む構成であってもよい。
【0045】
記憶部54は、血圧測定装置1全体及び流体回路7を制御するためのプログラムデータ、血圧測定装置1の各種機能を設定するための設定データ、圧力センサ17で測定された圧力から血圧値や脈拍を算出するための算出データ等を予め記憶する。また、記憶部54は、測定された血圧値や脈拍等の情報を記憶する。
【0046】
制御部55は、単数又は複数のCPUにより構成され、血圧測定装置1全体の動作、及び、流体回路7の動作を制御する。制御部55は、表示部12、操作部13、ポンプ14、各開閉弁16及び各圧力センサ17に電気的に接続されるとともに、電力を供給する。制御部55は、給電部8と電気的に接続される。制御部55は、給電部8から供給された電力により、電力供給部18を充電する。
【0047】
また、制御部55は、操作部13及び圧力センサ17が出力する電気信号に基づいて、表示部12、ポンプ14及び開閉弁16の動作を制御する。
【0048】
例えば、制御部55は、図4に示すように、血圧測定装置1全体の動作を制御するメインCPU56及び流体回路7の動作を制御するサブCPU57を有する。例えば、サブCPU57は、操作部13から血圧を測定する指令が入力されると、ポンプ14及び開閉弁16を駆動して押圧カフ71及びセンシングカフ73に圧縮空気を送る。また、例えば、メインCPU56は、電力供給部18の放電可能な量を検出し、充電量を管理する。
【0049】
また、サブCPU57は、圧力センサ17が出力する電気信号に基づいて、ポンプ14の駆動及び停止、並びに、開閉弁16の開閉を制御し、圧縮空気を押圧カフ71及びセンシングカフ73に選択的に送るとともに、押圧カフ71及びセンシングカフ73を選択的に減圧する。また、メインCPU56は、圧力センサ17が出力する電気信号から、最高血圧及び最低血圧などの血圧値や心拍数などの測定結果を求め、この測定結果に対応した画像信号を表示部12へ出力する。
【0050】
図1乃至図3に示すように、ベルト4は、一方の一対のラグ31a及びバネ棒31bに設けられた第1ベルト61と、他方の一対のラグ31a及びバネ棒31bに設けられた第2ベルト62と、を備える。ベルト4の幅は、カーラ5の長手方向の幅よりも大きく構成され、ベルト4は、カーラ5を覆う。
【0051】
第1ベルト61は、所謂親と呼ばれ、帯状に構成される。第1ベルト61は、一方の端部に設けられ、第1ベルト61の長手方向に直交する第1孔部61aと、他方の端部に設けられ、第1ベルト61の長手方向に直交する第2孔部61bと、第2孔部61bに設けられた尾錠61cと、を有する。第1孔部61aは、バネ棒31bを挿入可能、且つ、バネ棒31bに関して第1ベルト61が回転可能な内径を有する。即ち、第1ベルト61は、一対のラグ31aの間であって、且つ、バネ棒31bに第1孔部61aが配置されることで、外郭ケース31に回転可能に保持される。
【0052】
第2孔部61bは、第1ベルト61の先端に設けられる。
【0053】
尾錠61cは、矩形枠状の枠状体61dと、枠状体61dに回転可能に取り付けられたつく棒61eを有する。枠状体61dは、つく棒61eが取り付けられた一辺が第2孔部61bに挿入され、第1ベルト61に関して回転可能に取り付けられる。
【0054】
第2ベルト62は、所謂剣先と呼ばれ、枠状体61dに挿入可能な幅を有する帯状に構成される。また、第2ベルト62は、つく棒61eが挿入される小孔62aを複数有する。
【0055】
このようなベルト4は、第2ベルト62が枠状体61dに挿入され、小孔62aにつく棒61eが挿入されることで、第1ベルト61及び第2ベルト62が一体に接続され、外郭ケース31とともに、手首100の周方向に倣った環状となる。
【0056】
カーラ5は、樹脂材料で構成される。カーラ5は、手首の周方向に倣って湾曲する帯状に構成される。具体例として、カーラ5は、手首の周方向に沿って湾曲する帯状であって、一端と他端が隣接し、且つ、所定の間隔を開けて離間する。カーラ5は、一端側の外面が装置本体3の例えば裏蓋35に固定される。また、カーラ5の一端側は、装置本体3から突出する。
【0057】
カーラ5は、湾曲する外面又は内面に給電部8が設けられる。具体例として、カーラ5は、一端側の外面に、給電部8が設けられる窪み5aを有する。窪み5aは、裏蓋35の下方から一端に向かって形成される。窪み5aは、設けられた給電部8がカーラ5の外面から突出しない深さ、換言すると、当該給電部8がカーラ5の外面よりも内面側に位置する深さに構成される。
【0058】
具体例として、図1乃至図6図13に示すように、カーラ5は、例えば、手首の周方向に対して直交する方向、換言すると手首の長手方向からの側面視で手首100の周方向に沿って湾曲する形状を有する。カーラ5は、例えば、装置本体3から手首100の手の甲側及び手首100の一方の側方側を通って手首100の手の平側へと渡り、手首100の他方の側方側へと延びる。即ち、カーラ5は、手首の周方向に沿って湾曲することで、手首100の周方向の大半に渡るとともに、両端が所定の間隔を有して離間する。また、カーラ5は、装置本体3から一端が突出するとともに、当該一端側の外面に給電部8が設けられる。
【0059】
カーラ5は、可撓性及び形状保持性を有する硬さを有する。ここで、可撓性とは、カーラ5に外力が印加されたときに径方向に形状が変形することをいい、例えば、ベルト4によってカーラ5が押圧されたときに、手首に近接するか、手首の形状に沿うか、又は、手首の形状に倣うように側面視の形状が変形することをいう。また、形状保持性とは、外力が印加されないときに、カーラ5が予め賦形された形状を維持できること、本実施形態においてはカーラ5の形状が手首の周方向に沿って湾曲する形状を維持できることである。カーラ5は、樹脂材料で構成される。カーラ5は、例えば、ポリプロピレンによって厚さが1mm程度に形成される。カーラ5は、カーラ5の内面形状に沿ってカフ構造体6を保持する。
【0060】
図1乃至図6図11乃至図13に示すように、カフ構造体6は、押圧カフ71と、背板72と、センシングカフ73と、を備えている。カフ構造体6は、押圧カフ71、背板72、及びセンシングカフ73が積層され、一体に構成される。カフ構造体6は、カーラ5の内面に固定される。
【0061】
押圧カフ71は、カフの一例である。押圧カフ71は、流路部15を介してポンプ14に流体的に接続される。押圧カフ71は、膨張することで背板72及びセンシングカフ73を生体側に押圧する。押圧カフ71は、複数の空気袋81と、空気袋81と連通するチューブ82と、チューブ82の先端に設けられた接続部83と、を含む。
【0062】
ここで、空気袋81とは、袋状構造体であり、本実施形態においては血圧測定装置1がポンプ14により空気を用いる構成であることから、空気袋を用いて説明するが、空気以外の流体を用いる場合には、袋状構造体は液体袋等の流体袋であってもよい。
【0063】
複数の空気袋81は、積層され、積層方向に流体的に連通する。具体例として、押圧カフ71は、積層方向に流体的に連通する二層の空気袋81と、一方の空気袋81の長手方向の一方の端部に設けられたチューブ82と、チューブ82の先端に設けられた接続部83と、を備える。
【0064】
押圧カフ71は、一方の空気袋81の主面がカーラ5の内面に固定される。例えば、押圧カフ71は、カーラ5の内面に両面テープや接着剤により貼付される。
【0065】
二層の空気袋81は、一方向に長い矩形状に構成される。空気袋81は、例えば、一方向に長い二枚のシート部材86を組み合わせ、縁部を熱により溶着することで構成される。具体例として、二層の空気袋81は、図10乃至図12に示すように、生体側から、第1シート部材86aと、第1シート部材86aと一層目の空気袋81を構成する第2シート部材86bと、第2シート部材86bと一体に接着される第3シート部材86cと、第3シート部材86cと二層目の空気袋81を構成する第4シート部材86dと、を備える。
【0066】
第1シート部材86a及び第2シート部材86bは、四辺の周縁部が溶着されることで空気袋81を構成する。第2シート部材86b及び第3シート部材86cは、対向して配置され、それぞれ、二つの空気袋81を流体的に連続させる複数の開口86b1、86c1を有する。第4シート部材86dは、カーラ5側の外面に接着剤層や両面テープが設けられ、この接着剤層や両面テープによりカーラ5に貼付される。
【0067】
第3シート部材86c及び第4シート部材86dは、四辺の周縁部が溶着されることで空気袋81を構成する。また、例えば、第3シート部材86c及び第4シート部材86dの一辺に、空気袋81の内部空間と流体的に連続するチューブ82が配置され、溶着により固定される。例えば、第3シート部材86c及び第4シート部材86dは、第3シート部材86c及び第4シート部材86dの間にチューブ82が配置された状態で四辺の周縁部を溶着して空気袋81を成形することで、チューブ82が一体に溶着される。
【0068】
チューブ82は、二層の空気袋81の一方に接続されるとともに、空気袋81の長手方向の一方の端部に設けられる。具体例として、チューブ82は、二層の空気袋81のカーラ5側であって、且つ、装置本体3に近い端部に設けられる。チューブ82は、先端に、接続部83を有する。チューブ82は、流体回路7のうち、装置本体3と空気袋81との間の流路を構成する。接続部83は、流路カバー34の被接続部34aに接続される。接続部83は、例えばニップルである。
【0069】
背板72は、押圧カフ71の第1シート部材86aの外面86a1に、接着剤層や両面テープ等により貼付される。背板72は、樹脂材料で形成され、板状に形成される。背板72は、例えば、ポリプロピレンからなり、厚さが1mm程度の板状に形成される。背板72は、形状追従性を有する。
【0070】
ここで、形状追従性とは、配置される手首100の被接触箇所の形状を倣うように背板72が変形可能な機能をいい、手首100の被接触箇所とは、背板72と接触する領域をいい、ここでの接触とは、直接的な接触及び間接的な接触の双方を含む。
【0071】
このため、形状追従性とは、押圧カフ71に設けられた背板72が、又は、押圧カフ71及びセンシングカフ73の間に設けられた背板72が、背板72自身が又は背板72に設けられたセンシングカフ73が手首100に倣うか、又は、手首100に倣い密着する程度まで変形する機能である。
【0072】
例えば、背板72は、背板72の両主面に、それぞれ対向する位置にであって、且つ、背板72の長手方向に等間隔に配置された複数の溝72aを有する。これにより、背板72は、複数の溝72aを有する部位が溝72aを有さない部位に比べて薄肉となることで、複数の溝72aを有する部位が変形しやすいことから、手首100の形状に倣って変形する形状追従性を有する。背板72は、手首100の手の平側を覆う長さに形成される。背板72は、手首100の形状に沿った状態で、押圧カフ71からの押圧力をセンシングカフ73の背板72側の主面に伝達する。
【0073】
センシングカフ73は、背板72の生体側の主面に固定される。センシングカフ73は、図13に示すように、手首100の動脈が存する領域に直接接触する。センシングカフ73は、背板72の長手方向及び幅方向で、背板72と同一形状か、又は、背板72よりも小さい形状に形成される。センシングカフ73は、膨張することで手首100の手の平側の動脈110が存する領域を圧迫する。センシングカフ73は、膨張した押圧カフ71により、背板72を介して生体側に押圧される。
【0074】
具体例として、センシングカフ73は、一つの空気袋91と、空気袋91と連通するチューブ92と、チューブ92の先端に設けられた接続部93と、を含む。センシングカフ73は、空気袋91の一方の主面が背板72に固定される。例えば、センシングカフ73は、背板72の生体側の主面に両面テープや接着剤層等により貼付される。
【0075】
ここで、空気袋91とは、袋状構造体であり、本実施形態においては血圧測定装置1がポンプ14により空気を用いる構成であることから、空気袋を用いて説明するが、空気以外の流体を用いる場合には、袋状構造体は液体袋等であってもよい。このような複数の空気袋91は、積層され、積層方向に流体的に連通する。
【0076】
空気袋91は、一方向に長い矩形状に構成される。空気袋91は、例えば、一方向に長い二枚のシート部材を組み合わせ、縁部を熱により溶着することで構成される。具体例として、空気袋91は、図10及び図11に示すように、生体側から第5シート部材96a及び第6シート部材96bを備える。
【0077】
例えば、第5シート部材96a及び第6シート部材96bは、第5シート部材96a及び第6シート部材96bの一辺に、空気袋91の内部空間と流体的に連続するチューブ92が配置され、溶着により固定される。例えば、第5シート部材96a及び第6シート部材96bは、第5シート部材96a及び第6シート部材96b間にチューブ92が配置された状態で四辺の周縁部を溶着して空気袋91を成形することで、チューブ92が一体に溶着される。
【0078】
チューブ92は、空気袋91の長手方向の一方の端部に設けられる。具体例として、チューブ92は、空気袋91の装置本体3に近い端部に設けられる。チューブ92は、先端に、接続部93を有する。チューブ92は、流体回路7のうち、装置本体3と空気袋91との間の流路を構成する。接続部93は、流路カバー34の被接続部34aに接続される。接続部93は、例えばニップルである。
【0079】
また、押圧カフ71及びセンシングカフ73を形成する各シート部材86、96は、熱可塑性エラストマーにより構成される。シート部材86、96を構成する熱可塑性エラストマーとしては、例えば、熱可塑性ポリウレタン系樹脂(Thermoplastic PolyUrethane、以下TPUと表記する)、塩化ビニル樹脂(PolyVinyl Chloride)、エチレン酢酸ビニル樹脂(Ethylene-Vinyl Acetate)、熱可塑性ポリスチレン系樹脂(Thermoplastic PolyStyrene)、熱可塑性ポリオレフィン樹脂(Thermoplastic PolyOlefin)、熱可塑性ポリエステル系樹脂(ThermoPlastic Polyester)及び熱可塑性ポリアミド樹脂(Thermoplastic PolyAmide)を用いることができる。熱可塑性エラストマーとしては、TPUを用いることが好ましい。シート部材は、単層構造を有していても良く、また、複層構造を有していても良い。
【0080】
なお、シート部材86、96は、熱可塑性エラストマーに限定されず、シリコーン等の熱硬化性エラストマーであってもよく、また、熱可塑性エラストマー(例えばTPU)と熱硬化性エラストマー(例えばシリコーン)との組み合わせであっても良い。
【0081】
シート部材86、96は、熱可塑性エラストマーを用いる場合には、Tダイ押し出し成形や射出成形等の成形方式が用いられ、熱硬化性エラストマーを用いる場合には、金型注型成形等の成形方式が用いられる。シート部材は、各成形方式で成形された後、所定の形状にサイジングされ、そして、サイジングした個片を接着や溶着等により接合することで空気袋81、91を構成する。接合の方式としては、熱可塑性エラストマーを用いる場合には、高周波ウェルダーやレーザー溶着が用いられ、熱硬化性エラストマーを用いる場合には、分子接着剤が用いられる。
【0082】
流体回路7は、ケース11、ポンプ14、流路部15、開閉弁16、圧力センサ17、押圧カフ71、及び、センシングカフ73によって構成される。流体回路7に用いられる二つの開閉弁16を第1開閉弁16A及び第2開閉弁16Bとし、二つの圧力センサ17を第1圧力センサ17A及び第2圧力センサ17Bとして、以下、流体回路7の具体例を説明する。
【0083】
流体回路7は、図4に示すように、例えば、ポンプ14から押圧カフ71を連続する第1流路7aと、第1流路7aの中途部が分岐されることで構成され、ポンプ14からセンシングカフ73を連続する第2流路7bと、第1流路7aと大気を接続する第3流路7cと、を備えている。また、第1流路7aは、第1圧力センサ17Aを含む。第1流路7a及び第2流路7bの間には第1開閉弁16Aが設けられる。第2流路7bは、第2圧力センサ17Bを含む。第1流路7a及び第3流路7cの間には、第2開閉弁16Bが設けられる。
【0084】
このような流体回路7は、第1開閉弁16A及び第2開閉弁16Bが閉じることで、第1流路7aのみがポンプ14と接続し、ポンプ14及び押圧カフ71が流体的に接続される。流体回路7は、第1開閉弁16Aが開き、そして、第2開閉弁16Bが閉じることで、第1流路7a及び第2流路7bが接続され、ポンプ14及び押圧カフ71、並びに、ポンプ14及びセンシングカフ73が流体的に接続される。流体回路7は、第1開閉弁16Aが閉じ、そして、第2開閉弁16Bが閉じることで、第1流路7a及び第3流路7cが接続され、押圧カフ71及び大気が流体的に接続される。流体回路7は、第1開閉弁16A及び第2開閉弁16Bが開くことで、第1流路7a、第2流路7b及び第3流路7cが接続され、押圧カフ71、センシングカフ73及び大気が流体的に接続される。
【0085】
給電部8は、図5に示すように、装置本体3から突出するカーラ5の一端側の外面に設けられた窪み5aに、カーラ5と一体に設けられる。例えば、給電部8は、カーラ5を成形するときにインサートされる。図6に示すように、充電器の充電ケーブル200の先端に設けられたコネクタ210と接続可能、且つ、コネクタ210を固定可能に構成される。
【0086】
給電部8は、配線部8aと、給電端子8bと、を備えている。配線部8aは、一端が給電端子8bに、他端が制御部55に接続される。給電端子8bは、例えば円形状に構成され、二つ設けられる。
【0087】
また、コネクタ210は、例えば、矩形板状に構成された本体211と、本体211の一方の主面に設けられ、給電端子8bと接続される接続端子212と、本体211の一方の主面に設けられ、カーラ5を挟む板状のクリップ部213と、カーラ5を給電位置に案内する案内部214と、を備えている。
【0088】
本体211は、充電ケーブル200の端部を覆うとともに、充電ケーブル200と接続される接続端子212を保持する。また、本体211には、案内部214が一体に成形され、そして、クリップ部213が回転可能に取り付けられる。接続端子212は、給電端子8bと同数設けられ、給電端子8bと電気的に接続される。接続端子212は、本体211内で充電ケーブル200と電気的に接続される。
【0089】
クリップ部213は、本体211を、案内部214により給電位置に配置されたカーラ5に固定するための固定手段である。クリップ部213は、先端が常時コネクタ210の一方の主面に付勢され、後端を押圧することで、コネクタ210の一方の主面から離間することが可能に、バネ等を含む回転軸213aを有する。案内部214は、例えば、コネクタ210の主面に設けられ、カーラ5の先端と当接する突起である。案内部214は、給電端子8bが接続端子212と対向する位置でカーラ5と当接することで、カーラ5を給電位置に案内する。
【0090】
なお、コネクタ210は、固定手段としてクリップ213を用いる例を挙げたが、図7に示すように、例えば、給電部8及びコネクタ210は、一方に永久磁石が設けられ、他方に磁性体を設けることで、給電部8にコネクタ210を固定可能な構成であってもよい。即ち、固定手段は、コネクタ210を給電部8に電気的に接続した状態で、本体211をカーラ5に固定できればよい。なお、永久磁石と磁性体を固定手段とする場合には、固定手段は、永久磁石と磁性体の大きさを同じにすることで、案内部214の機能も備えることになる。
【0091】
このように構成された血圧測定装置1によれば、ベルト4は、外郭ケース31の一対のラグ31a及びバネ棒31bに、第1ベルト61及び第2ベルト62がそれぞれ回転可能に保持され、カーラ5は、装置本体3の裏蓋35に固定される。このため、血圧測定装置1は、手首100に非装着のときには、即ち、ベルト4が開いた状態においては、カーラ5に対して第1ベルト61及び第2ベルト62が離間できるため、図6に示すように、充電ケーブル200のコネクタ210を給電部8に接続し、充電することができる。
【0092】
また、図13に示すように、血圧測定装置1が手首100に装着されたときに、ベルト4はカーラ5を覆うため、給電部8は、ベルト4に覆われることになる。即ち、給電部8が外部に露出することがないことから、給電部8はベルト4によって保護されるため、血圧測定装置1は、使用者が装着している間、給電部8が汚れることや損傷することを防止できる。また、例えば、本実施形態のように、カーラ5に窪み5aを設け、窪み5aに給電部8を配置する構成とすることで、ベルト4と給電部8が接触することを防止できるため、繰り返し装着したときに、ベルト4によって給電部8が損傷することも防止できる。
【0093】
また、カーラ5の装置本体3に近い一端に給電部8を設けることで、給電端子8bと装置本体3の例えば制御部55との距離を極力短くすることができることから、配線部8aの長さを抑えることができる。
【0094】
このように構成された血圧測定装置1は、カーラ5に対して近接及び離間可能なベルト4でカーラ5を覆うとともに、カーラ5の外面に給電部8を設ける構成とした。この構成により、給電部8は、血圧測定装置1を手首100に装着したときにベルト4によって覆われることから、当該装着時に給電部8が外部に露出することを防止できる。また、血圧測定装置1は、ベルト4が装置本体3に回転可能に取り付けられることから、血圧測定装置1の充電時において、ベルト4をカーラ5から離間させることが可能となり、充電ケーブル200のコネクタ210を給電端子8bに取り付けるときには、カーラ5からベルト4を離間させてコネクタ210を給電端子8bに固定すればよく、充電時において、高い使用性を有する。
【0095】
また、血圧測定装置1は、装置本体3に近接するカーラ5の一端の外面の窪み5aに給電部8を設けることで、給電部8の装置本体3からの長さを極力短くできるとともに、手首100へ装着したときにベルト4がカーラ5と干渉することを防止できる。
【0096】
さらに、カーラ5に設けられた給電部8に電気的に接続されるコネクタ210は、固定手段によって給電端子8bに接続端子212が接続された状態でカーラ5に本体211を固定する構成としたことで、カーラ5に容易に取り付けられる。このため、コネクタ210は、高い使用性を有する。また、給電端子8bに接続端子212が対向する給電位置にカーラ5を案内可能に、本体211にカーラ5と当接する案内部214を設けることで、給電端子8bに対して接続端子212を位置合わせすることが容易となり、高い使用性を有する。
【0097】
上述したように本実施形態に係る血圧測定装置1は、手首100へ装着したときに給電部8が外部に露出することを防止し、また、高い使用性を有する。
【0098】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、例えば、カーラ5の一端を覆うベルト4は、第1ベルト61であっても、第2ベルト62であってもよい。また、カーラ5は、一端が装置本体3から突出せずに、装置本体3の内部に固定される構成であってもよい。このような構成とした場合には、カーラ5の装置本体3に隣接する部位に窪み5a及び給電部8を設ければ、上述した血圧測定装置1と同様の効果を生じる。また、カーラ5の他端に給電部8を設ける構成であってもよく、さらに、給電部8は、配線部8aをカーラ5の内部に配置し、給電端子8bのみをカーラ5の外面から露出させる構成であってもよい。
【0099】
即ち、上述した各実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【符号の説明】
【0100】
1…血圧測定装置、3…装置本体、4…ベルト、5…カーラ、6…カフ構造体、7…流体回路、7a…第1流路、7b…第2流路、7c…第3流路、8…給電部、8a…配線部、8b…給電端子、11…ケース、12…表示部、13…操作部、14…ポンプ、15…流路部、16…開閉弁、16A…第1開閉弁、16B…第2開閉弁、17…圧力センサ、17A…第1圧力センサ、17B…第2圧力センサ、18…電力供給部、19…振動モータ、20…制御基板、31…外郭ケース、31a…ラグ、31b…バネ棒、32…風防、33…基部、34…流路カバー、34a…被接続部、35…裏蓋、35a…ビス、36…流路チューブ、41…釦、42…センサ、43…タッチパネル、51…基板、52…加速度センサ、53…通信部、54…記憶部、55…制御部、61…第1ベルト、61a…第1孔部、61b…第2孔部、61c…尾錠、61d…枠状体、61e…棒、62…第2ベルト、62a…小孔、71…押圧カフ、72…背板、72a…溝、73…センシングカフ、81…空気袋、82…チューブ、83…接続部、86…シート部材、86a…第1シート部材、86a1…外面、86b…第2シート部材、86b1…開口、86c…第3シート部材、86c1…開口、86d…第4シート部材、91…空気袋、92…チューブ、93…接続部、96…シート部材、96a…第5シート部材、96b…第6シート部材、100…手首、110…動脈、200…充電ケーブル、210…コネクタ、211…本体、212…接続端子、213…クリップ部(固定手段)、213a…回転軸、214…案内部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13