【実施例】
【0360】
以下は、本発明の方法及び組成物の実施例である。上に提供された一般的な説明を前提として、他の様々な実施態様が実施されうることが理解される。
【0361】
組み換えDNA技術
標準的な方法を使用して、Sambrook et al., Molecular cloning: A laboratory manual; Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York, 1989に記載されているようにDNAを操作した。分子生物学的試薬を、製造元の指示に従って使用した。ヒト免疫グロブリンの軽鎖及び重鎖のヌクレオチド配列に関する一般情報は以下に与えられている:Kabat, E.A. et al., (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Ed., NIH Publication No 91-3242。
【0362】
DNA配列決定
DNA配列は、二本鎖配列決定により決定された。
【0363】
遺伝子合成
所望の遺伝子セグメントは、適切なテンプレートを用いてPCRによって生成するか、又は自動化された遺伝子合成による合成オリゴヌクレオチド及びPCR生成物からGeneart AG(Regensburg,Germany)により合成した。正確な遺伝子配列が入手可能でない場合、最も近いホモログ由来の配列に基づいてオリゴヌクレオチドプライマーを設計し、適切な組織を起源とするRNAからRT−PCRによって遺伝子を単離した。特異な制限エンドヌクレアーゼ切断部位に隣接する遺伝子セグメントを、標準のクローニング/シーケンシングベクター中にクローニングした。形質転換した細菌からプラスミドDNAを精製し、UV分光法により濃度を決定した。サブクローニングされた遺伝子断片のDNA配列を、DNA配列決定によって確認した。遺伝子セグメントは、それぞれの発現ベクター中へのサブクローニングを可能にする適切な制限部位を用いて設計された。すべてのコンストラクトは、真核細胞内の分泌のためにタンパク質を標的とするリーダーペプチドをコードする5’末端DNA配列を含むように設計された。
【0364】
細胞培養技術
Current Protocols in Cell Biology(2000)、Bonifacino、J.S.、Dasso、M.、Harford、J.B.、Lippincott-Schwartz、J. and Yamada、K.M.(eds.)、John Wiley & Sons,Inc.に記載されているように、標準的な細胞培養技術を使用した。
【0365】
タンパク質精製
タンパク質は、標準プロトコールを参照して、濾過された細胞培養上清から精製された。簡単に説明すると、抗体をプロテインAセファロースカラム(GE healthcare)に適用し、PBSで洗浄した。抗体の溶出をpH2.8で行った後、直ちに試料を中和させた。凝集タンパク質を、PBS又は20mMのヒスチジン、150mMのNaCl(pH6.0)中でのサイズ排除クロマトグラフィー(Superde×200,GE Healthcare)により単量体抗体から分離した。単量体抗体の画分を、プールし、例えばMILLIPORE Amicon Ultra(30 MWCO)遠心濃縮機を用いて濃縮し(必要に応じて)、冷凍し、−20℃又は−80℃で貯蔵した。試料の一部は、例えばSDS−PAGE、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)又は質量分析によるその後のタンパク質分析及び分析的特徴付けのために提供された。
【0366】
SDS−PAGE
NuPAGE(R) Pre−Cast gelシステム(Invitrogen)を、製造元の指示に従って使用した。特に、10%又は4−12%のNuPAGE(登録商標)Novex(登録商標)ビス−TRIS Pre−Castゲル(pH6.4)及びNuPAGE(登録商標)MES(還元ゲル、NuPAGE(登録商標)抗酸化剤ランニングバッファー添加剤)又はMOPS(非還元ゲル)ランニングバッファーが使用された。
【0367】
分析的サイズ排除クロマトグラフィー
抗体の凝集及びオリゴマー状態の決定のためのサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)が、HPLCクロマトグラフィーにより実施された。簡単に説明すると、プロテインA精製抗体を、Agilent HPLC 1100システム上のTosoh TSKgel G3000SWカラムの300mMのNaCl、50mMのKH
2PO
4/K
2HPO
4(pH7.5)に、又はDione×HPLC−システム上のSuperde×200カラム(GE Healthcare)の2×PBSに適用した。溶出されたタンパク質を、UV吸光度及びピーク面積の積分により定量化した。BioRadゲル濾過標準151−1901が標準となった。
【0368】
質量分析
この項は、それらの正確な構築に重点を置いたVH/VL交換(VH/VL CrossMabs)による多特異性抗体の特徴付けについて記載する。予想される一次構造を、脱グリコシル化インタクトCrossMabs及び脱グリコシル化/プラスミン消化又は代替的脱グリコシル化/限定LysC消化CrossMabsのエレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI−MS)により分析した。
【0369】
VH/VL CrossMabsを、タンパク質濃度1mg/mlにおいて、37℃のホスフェート又はTrisバッファー中において17時間、N−グリコシダーゼFを用いて脱グリコシル化した。プラスミン又は限定LysC(Roche)の消化を、それぞれ室温で120時間、及び37℃で40分間、Trisバッファー(pH8)中において100μgの脱グリコシル化VH/VL CrossMabsを用いて実施した。質量分析に先立ち、試料を、Sephade×G25カラム(GE Healthcare)上でHPLCにより脱塩した。総質量を、TriVersa NanoMateソース(Advion)を備えたmaXis 4G UHR−QTOF MSシステム(Bruker Daltonik)上において、ESI−MSにより決定した。
【0370】
表面プラズモン共鳴(SPR)(BIACORE)を用いた各抗体に対する多特異性抗体の結合及び結合親和性の決定
生成された抗体の、各抗原に対する結合が、BIACORE機器(GE Healthcare Biosciences AB,Uppsala,Sweden)を用いた表面プラズモン共鳴により調査される。簡単に説明すると、親和性測定のために、各抗原に対する抗体を提示するためのアミンカップリングにより、ヤギ−抗ヒトIgG、JIR 109−005−098抗体がCM5チップ上に固定化される。結合が、HBSバッファー(HBS−P(10mMのHEPES、150mMのNaCl、0.005% Tween 20(ph7.4))、25℃(又は37℃)中において測定される。抗原(R&Dシステム又は社内精製品)を、様々な濃度で溶液に加えた。80秒から3分間の抗原注入により結合を測定し;HBSバッファーを用いて3〜10分間チップ表面を洗浄することにより解離を測定し、ラングミュア1:1結合モデルを用いてKD値を推定した。ネガティブコントロールデータ(例えばバッファー曲線)が、システムに固有のベースライン変動の修正のため、及びノイズシグナル低減のために、試料曲線から差し引かれる。対応のBiacore Evaluation Softwareが、センサーグラムの分析のため、及び親和性データの計算のために使用される。
【0371】
実施例1
1.1 標的化ヒト4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子の調製
ヒト4−1BBリガンドのエクトドメイン(アミノ酸71−254、52−254及び80−254)のDNA配列コード化部分の異なる断片を、UniprotデータベースのP41273配列(配列番号42)に従って合成した。
【0372】
TNFリガンド三量体含有抗原結合分子の構築のための成分として、(G4S)
2リンカーにより分離された4−1BBリガンドの二つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1−CH1又はCLドメインに融合したポリペプチドを、
図1A(ヒト4−1BBリガンド、(G
4S)
2コネクター、ヒト4−1BBリガンド、(G
4S)
2コネクター、ヒトCH1又はCL)に示されるように、又は
図1C(ヒトCH3、(G
4S)
2コネクター、ヒト4−1BBリガンド、(G
4S)
2コネクター、ヒト4−1BBリガンド)に示されるように、クローニングした。
【0373】
4−1BBリガンドの一つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1−CL又はCH1ドメインに融合したポリペプチドを、
図1B(ヒト4−1BBリガンド、(G
4S)
2コネクター、ヒトCL又はCH1)に記載のように、又は
図1D(ヒトCH3、(G
4S)
2コネクター、ヒト4−1BBリガンド)に示されるように、クローニングした。
【0374】
ポリペプチドを、例えばコンストラクト1のために、任意選択的なペプチドリンカーを用いて、ヒトIgG1重鎖CH2及びCH3ドメインとインフレームでサブクローニングし、ヒトCH1ドメインに融合した二量体4−1BBリガンドをコードするポリペプチドを、配列番号13のリンカー(G
4S)
2又は配列番号57のリンカー(GSPGSSSSGS)を用いて、ノブ上のヒトIgG1重鎖CH2及びCH3ドメインとインフレームでサブクローニングした(Merchant、Zhuら 1998)。
【0375】
線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)に特異的なバインダー、即ち28H1をコードする重鎖及び軽鎖DNA配列の可変領域を、ホールの定常重鎖(Carter, J. Immunol. Methods (2001), 248, 7-15)又はヒトIgG1の定常軽鎖と、インフレームでサブクローニングした。FAPバインダーの生成及び調製は、国際公開第2012/020006号に記載されており、この特許文献は参照により本明細書に包含される。
【0376】
表1に、生成されたコンストラクトの特性をまとめる。コンストラクト1から10は、その幾何学的形状、FAPの原子価、4−1BBリガンドエクトドメイン、CH1及びCLドメインのクロスオーバー(CrossMab技術)、CH1及びCLドメインの突然変異、及び4−1BBリガンド(単量体4−1BBL鎖)の一つのエクトドメインを含むポリペプチド内の異なるペプチドリンカーにおいて異なっている。
【0377】
表1:生成されたTNFリガンド三量体含有抗原結合分子(FAP分裂4−1BBL三量体)の特性
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【0378】
誤対合を回避するため、国際公開第2009/080253号に記載のようにして、大部分のコンストラクトにおいて一対のCH1及びCLドメインを互いに置き換えた(ドメインクロスオーバー)。
【0379】
正確な対合をさらに向上させるため、コンストラクト2から4及び6から10内の荷電残基として、交差又は非交差CH1及びCLドメインに異なる荷電アミノ酸置換を導入した。ヒトCLドメインに突然変異E123R及びQ124Kを導入し、突然変異K147E及びK213EをヒトCH1ドメイン中にクローニングした。
【0380】
すべてのコンストラクトについて、ノブ鎖のCH3ドメイン内のS354C/T366W突然変異及びそれに対応するホール鎖のCH3ドメイン内のY349C/T366S/L368A/Y407V突然変異による、ノブ・イントゥ・ホールヘテロ二量体化技術を用いた(Carter, J Immunol Methods 248, 7-15 (2001))。
【0381】
Fcガンマ受容体への結合を抑止するために、国際公開第2012/130831号に記載される方法に従って、Pro329Gly、Leu234Ala及びLeu235Ala突然変異をノブ及びホール重鎖の定常領域に導入された。
【0382】
例えば、コンストラクト1では、S354C/T366W突然変異を第1のCH3ドメインに含むリガンド−Fcノブ鎖と、Y349C/T366S/L368A/Y407V突然変異を第2のCH3ドメインに含む標的化抗FAP−Fcホール鎖の組み合わせが、構築された三量体ic 4−1BBリガンド及びFAP結合Fabを含むヘテロ二量体の生成を可能にする(
図2、グラフ1.1)。
【0383】
表2は、一価のFAP標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト1.1)のcDNA及びアミノ酸配列を示す。
【0384】
表2:FAP標的化ヒト4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合分子コンストラクト1.1の配列
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【0385】
表3は、CH1−CLクロスオーバー及び荷電残基を有する一価のFAP標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト1.2)のcDNA及びアミノ酸配列を示している。
【0386】
表3:FAP標的化ヒト4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合分子コンストラクト1.2の配列
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【0387】
表4は、一価のFAP標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合分子コンストラクト1.3(抗FAP Fab内のCH1−CLクロスオーバー及び4−1BBL含有鎖上の荷電残基を有するFAP分裂三量体)のcDNA及びアミノ酸配列を示している。
【0388】
表4:FAP標的化ヒト4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合分子コンストラクト1.3の配列
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【0389】
表5は、一価のFAP標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合分子コンストラクト1.4(抗FAP Fab、CH1−ノブ鎖に融合した単量体4−1BBリガンド及び4−1BB含有鎖上の荷電残基を有するFAP分裂三量体)のcDNA及びアミノ酸配列を示している。
【0390】
表5:FAP標的化ヒト4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合分子コンストラクト1.4の配列
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【0391】
表6は、二価のFAP標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合分子コンストラクト1.5(2つの抗FAP Fab、各重鎖のC末端にそれぞれ融合した二量体及び単量体4−1BBリガンドを有するFAP分裂三量体)のcDNA及びアミノ酸配列を示している。
【0392】
表6:FAP標的化ヒト4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合分子コンストラクト1.5の配列
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【0393】
表7は、一価のFAP標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合分子コンストラクト1.6(抗FAP Fab、(G4S)−リンカーを介してCL*に融合した単量体4−1BBリガンドを有するFAP分裂三量体)のcDNA及びアミノ酸配列を示している。
【0394】
表7:FAP標的化ヒト4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合分子コンストラクト1.6の配列
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【0395】
表8は、二価のFAP標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合分子コンストラクト7(Fcホール鎖のN末端上の二重抗FAP及び4−1BBリガンドに融合した交差CH1及びCL上の荷電残基を有するFAP分裂三量体)のcDNA及びアミノ酸配列を示している。
【0396】
表8:FAP標的化ヒト4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合分子コンストラクト1.7の配列
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【0397】
表9は、二価のFAP標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合分子コンストラクト1.8(ノブ鎖上の荷電残基と共に、抗FAP CrossFabに融合した4−1BBリガンドを有するFAP分裂三量体)のcDNA及びアミノ酸配列を示している。
【0398】
表9:FAP標的化ヒト4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合分子コンストラクト1.8の配列
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【0399】
表10は、一価のFAP標的化4−1BBリガンド(52−254)三量体含有Fc(kih)融合分子コンストラクト1.9(4−1BBLエクトドメインのアミノ酸52−254及びリガンド鎖上の荷電残基を有するFAP分裂三量体)のcDNA及びアミノ酸配列を示している。
【0400】
表10:FAP標的化ヒト4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合分子コンストラクト1.9の配列
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【0401】
表11は、一価のFAP標的化4−1BBリガンド(80−254)三量体含有Fc(kih)融合分子コンストラクト1.10(4−1BBLエクトドメインのアミノ酸80−254及びリガンド鎖上の荷電残基を有するFAP分裂三量体)のcDNA及びアミノ酸配列を示している。
【0402】
表11:FAP標的化ヒト4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合分子コンストラクト10の配列
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【0403】
1.2 FAP(28H1)標的化分裂三量体4−1BBリガンドFc融合コンストラクトの生成
標的化TNFリガンド三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子コード化配列を、プラスミドベクター中にクローニングした。これは、MPSVプロモーターから挿入物の発現を誘導するものであり、CDSの3’末端に位置する合成polyA配列を含む。加えて、このベクターは、プラスミドのエピソーム維持のためのEBV OriP配列を含む。
【0404】
標的化TNFリガンド三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子を、ポリエチレンイミンを用いてHEK293−EBNA細胞に哺乳動物の発現ベクターをコトランスフェクトすることにより生成した。コンストラクト1、2、3、4、6、7、8、9、10のために、細胞に、1:1:1:1の比で対応する発現ベクター(例えば「ベクター二量体リガンド−(CH1又はCL)−ノブ鎖」:「ベクター単量体リガンド 融合−(CL又はCH1)」:「ベクター抗FAP Fab−ホール重鎖」:「ベクター抗FAP軽鎖」)をトランスフェクトした。二価のコンストラクト5のために、1:1:1の比(「ベクターホール重鎖」:「ベクターノブ重鎖」:「ベクター抗FAP軽鎖」)を使用した。
【0405】
500mLの振盪フラスコ内での生成のために、3億個のHEK293 EBNA細胞をトランスフェクションの24時間前に播種した。トランスフェクションのために、細胞を10分間210×gで遠心分離し、上清を、20mLの予め温めたCD CHO培地により置き換えた。発現ベクター(200μgの全DNA)を20mLのCD CHO培地に混合した。540μLのPEIを加えた後、溶液を15秒間ボルテックスし、室温で10分間インキュベートした。その後細胞を、DNA/PEI溶液と混合し、500mlの振盪フラスコに移し、5%CO
2雰囲気のインキュベーター内において37℃で3時間インキュベートした。インキュベーション後、6mMのL−グルタミン、5g/LのPEPSOY及び1.2mMのバルプロ酸を補った160mLのExcell培地を加え、細胞を24時間培養した。トランスフェクションの一日後、12%のFeed 7及びグルコース(最終濃度3g/L)を加えた。7日間の培養後、上清を、30〜40分間400×gで遠心分離することにより収集した。溶液を滅菌濾過し(0.22μmのフィルター)、最終濃度0.01%(w/v)となるようにアジ化ナトリウムを補い、4℃に維持した。
【0406】
標的化TNFリガンド三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子を、プロテインAを用いるアフィニティークロマトグラフィーに続いてサイズ排除クロマトグラフィーを行うことにより、細胞培養物上清から精製した。アフィニティークロマトグラフィーのために、上清を、20mMのリン酸ナトリウム、20mMのクエン酸ナトリウムバッファー(pH7.5)で平衡化したMabSelect Sureカラム(CV=5−15mL,GE Healthcareの樹脂)に充填した。未結合のタンパク質を、少なくとも6カラム容積の同じバッファーによる洗浄により除去した。結合したタンパク質を、20mMのクエン酸ナトリウム、100mMの塩化ナトリウム、100mMのグリシンバッファー(pH3.0)による直線勾配(20CV)又は段階的溶出(8CV)を用いて溶出した。直線勾配については、さらに4カラム容積の段階的溶出を適用した。
【0407】
収集された画分のpHを、1/10(v/v)の0.5Mのリン酸ナトリウム(pH8.0)を加えることにより調節した。タンパク質を濃縮した後、20mMのヒスチジン、140mMの塩化ナトリウム、0.01%(v/v)のTween20 solution(pH6.0)で平衡化したHiLoad Superde×200カラム(GE Healthcare)に充填した。
【0408】
タンパク質濃度を、アミノ酸配列に基づいて計算されたモル吸光係数を用いて、280nmにおける光学濃度(OD)を測定することにより決定した。標的化TNFリガンド三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子の純度及び分子量を、還元剤(5mM 1,4−ジチオトレイトール(dithiotreitol))の存在下及び非存在下で、Coomassie SimpleBlue
TM SafeStain(Invitrogen USA)で染色し、SDS−PAGEにより又はCaliper LabChip GXII(Perkin Elmer)を用いるCE−SDSにより、分析した。試料の凝集物含有量を、25mMのK
2HPO
4、125mMのNaCl、200mMのL−アルギニン一塩酸塩、25℃の0.02%(w/v)NaN
3(pH6.7)ランニングバッファー中において平衡化した、TSKgel G3000 SW XL分析的サイズ除外カラム(Tosoh)を用いて分析した。
【0409】
表12は、FAP標的化4−1BBL三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子の収率及び最終的な単量体含有量をまとめたものである。
【0410】
表12:FAP(28H1)標的化4−1BBL三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子の生化学分析
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【0411】
1.3 標的化マウス4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子の調製
標的化ヒト4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子と同様に、マウスFAP標的化4−1BBL三量体含有Fc融合抗原結合分子を調製した。
【0412】
マウス4−1BBリガンドのエクトドメイン(アミノ酸104−309)のDNA配列コード化部分を、UniprotデータベースのQ3U1Z9−1配列(配列番号70)に従って合成した。コンストラクトM.1のために、137位、160位及び246位のシステインを、標準的なPCR法によりセリンに変異導入し、コンストラクトM.2のために、160位のシステインをセリンに変異導入した(C160S)。
【0413】
マウスリガンドを、ヒト4−1BBLについて記載し且つ
図3A及び3Bに示したようにして構築した。(G4S)
2リンカーによって分離された二量体4−1BBLを、マウスIgG1−CLドメイン(
図3A)に融合させ、単量体4−1BBLを、マウスIgG1−CHドメインに融合させた(
図3B)。マウスCLドメインに融合した二量体4−1BBリガンドをコードするポリペプチドを、マウスIgG1重鎖CH2及びCH3ドメインとインフレームでサブクローニングし、
図3Cに示すコンストラクトを構築した。
【0414】
マウスコンストラクトのために、突然変異Lys392Asp及びLys409Asp(DD)を、マウス4−1BBLを含む重鎖に導入し、突然変異Glu356Lys及びAsp399Lys(KK)を、抗FAP Fabを含む重鎖に導入し、非対称分子を得た(Gunasekaran K. et al, J Biol. Chem., 2010, Jun 18;285(25):19637-46)。
【0415】
突然変異Asp265Ala及びPro329Gly(DAPG)を、重鎖の定常領域に導入し、Fcガンマ受容体に対する結合を抑止した。
【0416】
表13は、FAP標的化マウス4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子コンストラクトM.1の、cDNA及びアミノ酸配列それぞれを示す。
【0417】
表13:FAP標的化マウスコンストラクトM.1の配列
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【0418】
表14は、非標的化(DP47)マウス4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子コントロールM.1のcDNA及びアミノ酸配列それぞれを示す。
【0419】
表14:非標的化マウスコントロールM.1の配列
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【0420】
表15は、FAP標的化マウス4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子コンストラクトM.2の、cDNA及びアミノ酸配列を示す。
【0421】
表15:FAP標的化マウスコンストラクトM.2の配列
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【0422】
表16は、DP47非標的化マウス4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子コンストラクトコントロールM.2の、cDNA及びアミノ酸配列を示す。
【0423】
表16:FAP標的化マウスコントロールM.2の配列
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【0424】
マウス4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子を、ヒト4−1BBLコンストラクトについて前述したように生成及び精製した。
【0425】
表17は、FAP標的化及び非標的化マウス4−1BBL三量体含有Fc融合抗原結合分子の収率及び最終的な単量体含有量をまとめたものである。
【0426】
表17:FAP標的化及び非標的化マウス4−1BBL三量体含有Fc融合抗原結合分子の生成のまとめ
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【0427】
1.4 非標的化ヒト4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子(コントロール分子)の調製及び精製
抗FAPバインダー(VH−VL)を生殖系列コントロール(DP47と呼ばれる、抗原に結合しない)により置き換えたことを除き、FAP標的化コンストラクト1及び2について上述したように、コントロール分子を調製した。コントロールは、非標的化一価分裂三量体ヒト4−1BBリガンドFc(kih)(コントロールA、
図5A)であり、コントロールBの場合、コンストラクトは、荷電残基を持つCH−CLクロスオーバーも含む(
図5B)。FAPバインダーの重鎖及び軽鎖DNA配列の可変領域を、生殖系列コントロール(DP47)の可変領域で置き換え、ホールの定常重鎖又はヒトIgG1の定常軽鎖とインフレームでサブクローニングした。
【0428】
非標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子を、FAP標的化コンストラクトについて上述したように生成した。細胞に、1:1:1:1の比で対応する発現ベクター(「ベクター二量体リガンド−CH1又はCL*−ノブ鎖」:「ベクター単量体リガンド融合−CL又はCH1*」:「ベクターDP47 Fab−ホール鎖」:「ベクターDP47軽鎖」)をトランスフェクトした。
【0429】
表18は、DP47非標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子コントロールAのcDNA及びアミノ酸配列それぞれを示す。
【0430】
表18:DP47非標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子(DP47分裂4−1BBL三量体)コントロールAの配列
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【0431】
表19は、4−1BBリガンド含有アームにCH1−CLクロスオーバー及び荷電残基を有するDP47非標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子のcDNA及びアミノ酸配列を示す(コントロールB)。
【0432】
表19:DP47非標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子(DP47分裂4−1BBL三量体)コントロールBの配列
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【0433】
表20は、DP47非標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子の収率及び最終的な単量体含有量をまとめたものである。
【0434】
表20:DP47非標的化4−1BBL三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子(コントロール分子)の生成特性
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【0435】
実施例2
2.1 FAP(4B9)標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子の調製
ヒト4−1BBリガンドのエクトドメイン(アミノ酸71−254、及び71−248)のDNA配列コード化部分の異なる断片を、UniprotデータベースのP41273配列(配列番号42)に従って合成した。
【0436】
2.1.1 荷電残基を持つ交差CH1−CLドメインを有する一価のFAP(4B9)標的化4−1BBリガンド(71−254)三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト2.1)の調製
(G4S)2リンカーにより分離された4−1BBリガンド(71−254)の二つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1−CLドメインに融合したポリペプチドを、
図1Aに示すように(ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒトCL)クローニングした。
【0437】
4−1BBリガンド(71−254)の一つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1−CH1ドメインに融合したポリペプチドを、
図1Bに示すように(ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒトCH)クローニングした。
【0438】
ヒトCLドメインに融合した二量体4−1BBリガンドをコードするポリペプチドを、リンカー(G4S)2、又は代替的に、(GSPGSSSSGS)を用いて、ノブ上のヒトIgG1重鎖CH2及びCH3ドメインとインフレームでサブクローニングした(Merchant, Zhu et al. 1998)。
【0439】
正確な対合を向上させるために、以下の突然変異が交差CH−CLに導入された。ヒトCLに融合した二量体4−1BBリガンド内に、突然変異E123R及びQ124Kを導入した。ヒトCH1に融合した単量体4−1BBリガンド内において、突然変異K147E及びK213EをヒトCH1ドメイン中にクローニングした。
【0440】
線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)に特異的なバインダーをコードする重鎖及び軽鎖DNA配列の可変領域(クローン4B9) を、ホールの定常重鎖又はヒトIgG1の定常軽鎖とインフレームでサブクローニングした。
【0441】
FAPバインダーの生成及び調製は、国際公開第2012/020006号に記載されており、この特許文献は参照により本明細書に包含される。
【0442】
Fcガンマ受容体への結合を抑止するために、国際公開第2012/130831号に記載される方法に従って、Pro329Gly、Leu234Ala及びLeu235Ala突然変異をノブ及びホール重鎖の定常領域に導入された。
【0443】
すべてのコンストラクトについて、ノブ鎖のS354C/T366W突然変異及びそれに対応するホール鎖内のY349C/T366S/L368A/Y407V突然変異による、ノブ・イントゥ・ホールヘテロ二量体化技術を用いた。
【0444】
S354C/T366W突然変異を含む二量体リガンド−Fcノブ鎖、単量体CH1融合体、Y349C/T366S/L368A/Y407V突然変異を含む標的化抗FAP−Fcホール鎖、及び抗FAP軽鎖の組み合わせが、構築された三量体4−1BBリガンド及びFAP結合Fabを含むヘテロ二量体の生成を可能にする(
図4、コンストラクト2.1)。
【0445】
表21は、CH1−CLクロスオーバー及び荷電残基を含む一価のFAP(4B9)−ヒト4−1BBリガンド(71−254)Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト2.1)のcDNA及びアミノ酸配列を示す。
【0446】
表21:一価のFAP(4B9)標的化ヒト4−1BBリガンド(71−254)含有Fc(kih)融合分子コンストラクト2.1の配列
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【0447】
2.1.2 荷電残基を持たない交差CH1−CLドメインを有する一価のFAP(4B9)標的化4−1BBリガンド(71−254)三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト2.2)の調製
(G4S)2リンカーにより分離された4−1BBリガンド(71−254)の二つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1−CLドメインに融合したポリペプチドを、
図1Aに示すように(ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒトCL)クローニングした。
【0448】
4−1BBリガンド(71−254)の一つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1−CH1ドメインに融合したポリペプチドを、
図1Bに示すように(ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒトCH1)クローニングした。
【0449】
ヒトCLドメインに融合した二量体4−1BBリガンドをコードするポリペプチドを、リンカー(G4S)2又は代替的に、(GSPGSSSSGS)を用いて、ノブ上のヒトIgG1重鎖CH2及びCH3ドメインとインフレームでサブクローニングした(Merchant, Zhu et al. 1998)。
【0450】
線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)に特異的なバインダーをコードする重鎖及び軽鎖DNA配列の可変領域(クローン4B9)を、ホールの定常重鎖又はヒトIgG1の定常軽鎖とインフレームでサブクローニングした。
【0451】
Fcガンマ受容体への結合を抑止するために、Pro329Gly、Leu234Ala及びLeu235Ala突然変異がノブ及びホール重鎖の定常領域に導入された(国際公開第2012/130831号)。
【0452】
S354C/T366W突然変異を含む二量体リガンド−Fcノブ鎖、単量体CH1融合体、Y349C/T366S/L368A/Y407V突然変異を含む標的化抗FAP−Fcホール鎖、及び抗FAP軽鎖の組み合わせが、構築された三量体4−1BBリガンド及びFAP結合Fabを含むヘテロ二量体の生成を可能にする(
図4、コンストラクト2.2)。
【0453】
表22は、荷電残基を持たないCH1−CLクロスオーバーを含む一価のFAP(4B9)−ヒト4−1BBリガンド(71−254)Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト2.2)のcDNA及びアミノ酸配列を示す。
【0454】
表22:一価のFAP(4B9)標的化ヒト4−1BBリガンド(71−254)含有Fc(kih)融合分子コンストラクト2.2の配列
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【0455】
2.1.3 各重鎖のC末端に融合した二量体及び単量体4−1BBリガンドを含む二価のFAP(4B9)標的化4−1BBリガンド(71−254)三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト2.3)の調製
(G4S)2リンカーにより分離された4−1BBリガンド(71−254)の二つのエクトドメインを含むポリペプチドを、
図1Cに示すように(ヒトIgG1 Fcホール、(G4S)2コネクター、ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒト4−1BBリガンド)、ヒトIgG1 Fcホール鎖のC末端に融合させた。
図1Dに記載のように(ヒトIgG1 Fcノブ、(G4S)2コネクター、ヒト4−1BBリガンド)、4−1BBリガンド(71−254)の一つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1 Fcノブ鎖のC末端に融合したポリペプチド。
【0456】
二量体4−1BBリガンドをコードするポリペプチドを、(G4S)2コネクターを用いて、ホール上のヒトIgG1重鎖CH2及びCH3ドメインのC末端にインフレームでサブクローニングした(Merchant, Zhu et al. 1998)。単量体4−1BBリガンドをコードするポリペプチドを、(G4S)2コネクターを用いて、ノブ上のヒトIgG1重鎖CH2及びCH3ドメインのC末端にインフレームでサブクローニングした(Merchant, Zhu et al. 1998)。
【0457】
線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)に特異的なバインダーをコードする重鎖及び軽鎖DNA配列の可変領域(クローン4B9)を、ヒトIgG1の定常軽鎖、ノブ、又はホールの定常重鎖とインフレームでサブクローニングした。
【0458】
Fcガンマ受容体への結合を抑止するために、国際公開第2012/130831号に記載される方法に従って、Pro329Gly、Leu234Ala及びLeu235Ala突然変異がノブ及びホール重鎖の定常領域に導入された。
【0459】
Y349C/T366S/L368A/Y407V突然変異を含む抗FAP huIgG1ホール二量体リガンド鎖、S354C/T366W突然変異を含む抗FAP huIgG1ノブ単量体リガンド鎖、及び抗FAP軽鎖の組み合わせが、構築された三量体4−1BBリガンド及び二つのFAP結合Fabを含むヘテロ二量体の生成を可能にする(
図4、コンストラクト2.3)。
【0460】
表23は、二価のFAP(4B9)標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合分子コンストラクト2.3(2つの抗FAP Fab、各重鎖のC末端にそれぞれ融合した二量体及び単量体4−1BBリガンドを有するFAP分裂三量体)のcDNA及びアミノ酸配列を示している。
【0461】
表23:二価のFAP(4B9)標的化ヒト4−1BBリガンド(71−254)含有Fc(kih)融合分子コンストラクト2.3の配列
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【0462】
2.1.4 荷電残基を持つ交差CH1−CLドメインを有する一価のFAP(4B9)標的化4−1BBリガンド(71−248)三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト2.4)の調製
(G4S)2リンカーにより分離された4−1BBリガンド(71−248)の二つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1−CLドメインに融合したポリペプチドを、
図1Aに示すように(ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒトCL)クローニングした。4−1BBリガンド(71−248)の一つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1−CHドメインに融合したポリペプチドを、
図1Bに示すように(ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒトCH)クローニングした。
【0463】
ヒトCLドメインに融合した二量体4−1BBリガンドをコードするポリペプチドを、リンカー(G4S)2又は、代替的に(GSPGSSSSGS)を用いて、ノブ上のヒトIgG1重鎖CH2及びCH3ドメインとインフレームでサブクローニングした(Merchant, Zhu et al. 1998)。正確な対合を向上させるために、以下の突然変異が交差CH−CLに導入された。ヒトCLに融合した二量体4−1BBリガンド内において、E123R及びQ124K。ヒトCH1に融合した単量体4−1BBリガンド内において、K147E及びK213E。
【0464】
線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)に特異的なバインダーをコードする重鎖及び軽鎖DNA配列の可変領域(クローン4B9)を、ホールの定常重鎖又はヒトIgG1の定常軽鎖とインフレームでサブクローニングした。
【0465】
Fcガンマ受容体への結合を抑止するために、国際公開第2012/130831号に記載される方法に従って、Pro329Gly、Leu234Ala及びLeu235Ala突然変異がノブ及びホール重鎖の定常領域に導入された。
【0466】
S354C/T366W突然変異を含む二量体リガンド−Fcノブ鎖、単量体CH1融合体、Y349C/T366S/L368A/Y407V突然変異を含む標的化抗FAP−Fcホール鎖、及び抗FAP軽鎖の組み合わせが、構築された三量体4−1BBリガンド及びFAP結合Fabを含むヘテロ二量体の生成を可能にする(
図4、コンストラクト2.4)。
【0467】
表24は、荷電残基を持つCH1−CLクロスオーバーを含む一価のFAP(4B9)−ヒト4−1BBリガンド(71−248)Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト2.4)のcDNA及びアミノ酸配列を示す。
【0468】
表24:一価のFAP(4B9)標的化ヒト4−1BBリガンド(71−248)含有Fc(kih)融合分子コンストラクト2.4の配列
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【0469】
2.1.5 荷電残基を持たない交差CH1−CLドメインを有する一価のFAP(4B9)標的化4−1BBリガンド(71−248)三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト2.5)の調製
(G4S)2リンカーにより分離された4−1BBリガンド(71−248)の二つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1−CLドメインに融合したポリペプチドを、
図1Aに示すように(ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒトCL)クローニングした。4−1BBリガンド(71−248)の一つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1−CHドメインに融合したポリペプチドを、
図1Bに示すように(ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒトCH)クローニングした。
【0470】
ヒトCLドメインに融合した二量体4−1BBリガンドをコードするポリペプチドを、リンカー(G4S)2又は、代替的に(GSPGSSSSGS)を用いて、ノブ上のヒトIgG1重鎖CH2及びCH3ドメインとインフレームでサブクローニングした(Merchant, Zhu et al. 1998)。
【0471】
線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)に特異的なバインダーをコードする重鎖及び軽鎖DNA配列の可変領域(クローン4B9)を、ホールの定常重鎖又はヒトIgG1の定常軽鎖とインフレームでサブクローニングした。
【0472】
Fcガンマ受容体への結合を抑止するために、国際公開第2012/130831号に記載される方法に従って、Pro329Gly、Leu234Ala及びLeu235Ala突然変異がノブ及びホール重鎖の定常領域に導入された。
【0473】
S354C/T366W突然変異を含む二量体リガンド−Fcノブ鎖、単量体CH1融合体、Y349C/T366S/L368A/Y407V突然変異を含む標的化抗FAP−Fcホール鎖、及び抗FAP軽鎖の組み合わせが、構築された三量体4−1BBリガンド及びFAP結合Fabを含むヘテロ二量体の生成を可能にする(
図4、コンストラクト2.5)。
【0474】
表25は、荷電残基を持たないCH1−CLクロスオーバーを含む一価のFAP(4B9)−ヒト4−1BBリガンド(71−248)Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト2.5)のcDNA及びアミノ酸配列を示す。
【0475】
表25:一価のFAP(4B9)標的化ヒト4−1BBリガンド(71−248)含有Fc(kih)融合分子コンストラクト2.5の配列
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【0476】
2.1.6 各重鎖のC末端に融合した二量体及び単量体4−1BBリガンドを含む二価のFAP(4B9)標的化4−1BBリガンド(71−248)三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト2.6)の調製
(G4S)2リンカーにより分離された4−1BBリガンド(71−248)の二つのエクトドメインを含むポリペプチドを、
図1Cに示すように(ヒトIgG1 Fcホール、(G4S)2コネクター、ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒト4−1BBリガンド)、ヒトIgG1 Fcホール鎖のC末端に融合させた。
図1Dに記載のように(ヒトIgG1 Fcノブ、(G4S)2コネクター、ヒト4−1BBリガンド)、4−1BBリガンド(71−248)の一つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1 Fcノブ鎖のC末端に融合したポリペプチド。
【0477】
二量体4−1BBリガンドをコードするポリペプチドを、(G4S)2コネクターを用いて、ホール上のヒトIgG1重鎖CH2及びCH3ドメインのC末端にインフレームでサブクローニングした(Merchant、Zhuら 1998)。単量体4−1BBリガンドをコードするポリペプチドを、(G4S)2コネクターを用いて、ノブ上のヒトIgG1重鎖CH2及びCH3ドメインのC末端にインフレームでサブクローニングした(Merchant, Zhu et al. 1998)。
【0478】
線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)に特異的なバインダーをコードする重鎖及び軽鎖DNA配列の可変領域(クローン4B9)を、ヒトIgG1の定常軽鎖、ノブ、又はホールの定常重鎖とインフレームでサブクローニングした。
【0479】
Fcガンマ受容体への結合を抑止するために、国際公開第2012/130831号に記載される方法に従って、Pro329Gly、Leu234Ala及びLeu235Ala突然変異がノブ及びホール重鎖の定常領域に導入された。
【0480】
Y349C/T366S/L368A/Y407V突然変異を含む抗FAP huIgG1ホール二量体リガンド鎖、S354C/T366W突然変異を含む抗FAP huIgG1ノブ単量体リガンド鎖、及び抗FAP軽鎖の組み合わせが、構築された三量体4−1BBリガンド及び二つのFAP結合Fabを含むヘテロ二量体の生成を可能にする(
図4、コンストラクト2.6)。
【0481】
表26は、二価のFAP(4B9)標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合分子コンストラクト2.6(2つの抗FAP Fab、各重鎖のC末端にそれぞれ融合した二量体及び単量体4−1BBリガンドを有するFAP分裂三量体)のcDNA及びアミノ酸配列を示している。
【0482】
表26:二価のFAP(4B9)標的化ヒト4−1BBリガンド(71−248)含有Fc(kih)融合分子コンストラクト2.6の配列
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【0483】
2.2 非標的化ヒト4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子(コントロール分子)の調製
コントロールA及びBのために、さらなるコントロール分子を、上記実施例1.4に記載のように調製した。二価の変異体コントロールCを、二価のコンストラクト2.3及び2.6と同様に調製し、一価の変異体コントロールEを、コンストラクト2.5(4−1BBリガンド(71−248)三量体を含有)と同様に調製し、但し唯一の相違点として抗FAPバインダー(VH−VL)を生殖系列コントロール(DP47と呼ぶ、抗原に結合しない)により置き換えた。
【0484】
表27は、二価のDP47非標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−254)Fc(kih)融合分子コントロールCのcDNA及びアミノ酸配列を示す。表28は、一価のDP47非標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−248)Fc(kih)融合分子コントロールEのcDNA及びアミノ酸配列を示す。
【0485】
表27:二価のDP47非標的化ヒト4−1BBリガンド(71−254)含有Fc(kih)融合分子コントロールCの配列
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【0486】
表28:一価の非標的化ヒト4−1BBリガンド(71−248)含有Fc(kih)融合分子コントロールEの配列
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【0487】
2.3 コントロールFとしての非標的化ヒトIgG1の調製
アッセイに使用された追加のコントロール分子は、国際公開第2012/130831号に記載された方法に従ってFcガンマ受容体に対する結合を抑止するためにPro329Gly、Leu234Ala及びLeu235Ala突然変異を含む、非標的化DP47、生殖系列コントロール、ヒトIgG1であった。
【0488】
表29は、非標的化DP47 huIgG1 PGLALA(コントロールF)のcDNA及びアミノ酸配列を示す。
【0489】
表29:非標的化DP47 huIgG1(コントロールF)の配列
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【0490】
2.4 一価及び二価のFAP(4B9)標的化分裂三量体4−1BBリガンドFc融合コンストラクト及びコントロール分子の生成
標的化及び非標的化分裂三量体4−1BBリガンドFc(kih)融合コード化配列を、プラスミドベクター中にクローニングした。これは、MPSVプロモーターから挿入物の発現を誘導するものであり、CDSの3’末端に位置する合成polyA配列を含む。加えて、このベクターは、プラスミドのエピソーム維持のためのEBV OriP配列を含む。
【0491】
分裂三量体4−1BBリガンドFc(kih)融合体を、ポリエチレンイミンを用いてHEK293−EBNA細胞に哺乳動物発現ベクターをコトランスフェクトすることにより生成した。細胞には、対応する発現ベクターがトランスフェクトされた。コンストラクト2.1、2.2.、2.4及び2.5、並びに対応するコントロール分子のために、1:1:1:1の比(例えば「ベクター二量体リガンド−CL−ノブ鎖」:「ベクター単量体リガンド融合−CH1」:「ベクター抗FAP Fab−ホール鎖」:「ベクター抗FAP軽鎖」)を使用した。コンストラクト2.3及び2.6、並びにそのコントロール分子のために、1:1:1の比(「ベクターhuIgG1 Fcホール二量体リガンド鎖」:「ベクターhuIgG1 Fcノブ単量体リガンド鎖」:「ベクター抗FAP軽鎖」)を用いた。アッセイにおいてコントロールとして用いたヒトIgGは、二重特異性コンストラクトのためとして生成された(トランスフェクションのためにのみ、軽鎖のベクター及び重鎖のベクターを使用した)。
【0492】
500mLの振盪フラスコ内での生成のために、3億個のHEK293 EBNA細胞をトランスフェクションの24時間前に播種した。トランスフェクションのために、細胞を10分間210×gで遠心分離し、上清を、20mLの予め温めたCD CHO培地により置き換えた。発現ベクター(200μgの全DNA)を20mLのCD CHO培地に混合した。540μLのPEIを加えた後、溶液を15秒間ボルテックスし、室温で10分間インキュベートした。その後細胞を、DNA/PEI溶液と混合し、500mlの振盪フラスコに移し、5%CO2雰囲気のインキュベーター内において37℃で3時間インキュベートした。インキュベーション後、6mMのL−グルタミン、5g/LのPEPSOY及び1.2mMのバルプロ酸を補った160mLのExcell培地を加え、細胞を24時間培養した。トランスフェクションの一日後、12%のFeed 7及びグルコース(最終濃度3g/L)を加えた。7日間の培養後、上清を、30〜40分間少なくとも400×gで遠心分離することにより収集した。溶液を滅菌濾過し(0.22μmのフィルター)、最終濃度0.01%(w/v)となるようにアジ化ナトリウムを補い、4℃に維持した。
【0493】
標的化及び非標的化TNFリガンド三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子及びヒトIgG1を、プロテインAを用いるアフィニティークロマトグラフィーに続いてサイズ排除クロマトグラフィーを行うことにより、細胞培養物上清から精製した。アフィニティークロマトグラフィーのために、上清を、リン酸ナトリウム(20mM)、クエン酸ナトリウム(20mM)バッファー(pH7.5)で平衡化したMabSelect Sureカラム(CV=5−15mL,GE Healthcareの樹脂)に充填した。未結合のタンパク質を、少なくとも6カラム容積の同じバッファーによる洗浄により除去した。結合したタンパク質を、20mMのクエン酸ナトリウム、100mMの塩化ナトリウム、100mMのグリシンバッファー(pH3.0)による直線勾配(20CV)又は段階的溶出(8CV)を用いて溶出した。直線勾配については、さらに4カラム容積の段階的溶出を適用した。
【0494】
収集された画分のpHを、1/10(v/v)の0.5Mのリン酸ナトリウム(pH8.0)を加えることにより調節した。タンパク質を濃縮した後、20mMのヒスチジン、140mMの塩化ナトリウム、0.01%(v/v)のTween20溶液(pH6.0)で平衡化したHiLoad Superde×200カラム(GE Healthcare)に充填した。
【0495】
タンパク質濃度を、アミノ酸配列に基づいて計算されたモル吸光係数を用いて、280nmにおける光学濃度(OD)を測定することにより決定した。標的化三量体4−1BBリガンドFc(kih)融合体の純度及び分子量を、還元剤(5mM 1,4−ジチオトレイトール)の存在下及び非存在下で、Coomassie SimpleBlue
TM SafeStain(Invitrogen USA)で染色し、SDS−PAGEにより又はCaliper LabChip GXII(Perkin Elmer)を用いるCE−SDSにより、分析した。試料の凝集物含有量を、25mMのK
2HPO
4、125mMのNaCl、200mMのL−アルギニン一塩酸塩、0.02%(w/v)のNaN3(pH6.7、25℃)のランニングバッファー中において平衡化した、TSKgel G3000 SW XL分析的サイズ除外カラム(Tosoh)を用いて分析した。
【0496】
表30は、FAP(4B9)標的化及び非標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子及びコントロール分子の収率及び最終的な単量体含有量をまとめたものである。
【0497】
表30 FAP(4B9)標的化及び非標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子及びコントロール分子の生化学分析
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【0498】
実施例3
4−1Bbの調製、精製及び特徴付け
ヒト、マウス又はカニクイザル4−1BB(表31)のエクトドメインをコードするDNA配列を、ノブ上のヒトIgG1重鎖CH2及びCH3ドメインとインフレームでサブクローニングした(Merchant et al., 1998)。AcTEVプロテアーゼ切断部位を、ヒトIgG1のFcと抗原エクトドメインの間に導入した。目的とするビオチン化のためのAviタグを、抗原−FcノブのC末端に導入した。S354C/T366W突然変異を含む抗原−Fcノブ鎖と、Y349C/T366S/L368A/Y407V突然変異を含むFcホール鎖の組み合わせが、4−1BB エクトドメイン含有鎖の単一コピーを含むヘテロ二量体の生成を可能にし、したがってFc結合抗原のモノマー形態を生成する(
図5C)。表32は、抗原Fc融合コンストラクトのcDNA及びアミノ酸配列を示している。
【0499】
表31:抗原エクトドメイン(ECD)のアミノ酸番号付け及びその起源
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【0500】
表32:単量体抗原Fc(kih)融合分子のcDNA及びアミノ酸配列
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【0501】
すべての4−1BB−Fc融合分子コード化配列を、プラスミドベクター中にクローニングした。これは、MPSVプロモーターから挿入物の発現を誘導するものであり、CDSの3’末端に位置する合成polyAシグナル配列を含む。加えて、このベクターは、プラスミドのエピソーム維持のためのEBV OriP配列を含む。
【0502】
ビオチン化単量体抗原/Fc融合分子の調製のために、指数関数的に増殖するサスペンジョンHEK293 EBNA細胞に、融合タンパク質の二つの成分(ノブ及びホール鎖)と、BirA(ビオチン化反応に必要な酵素)をコードする三つのベクターをコトランスフェクトした。対応するベクターを、2:1:0.05の比(「抗原ECD−AcTEV−Fcノブ」:「Fcホール」:「BirA」)で使用した。
【0503】
500mlの振盪フラスコ内でのタンパク質生成のために、4億個のHEK293 EBNA細胞をトランスフェクションの24時間前に播種した。トランスフェクションのために、細胞を5分間210gで遠心分離し、上清を、予め温めたCD CHO培地により置き換えた。発現ベクターを、200μgのベクターDNAを含む20mLのCD CHO培地に再懸濁した。540μLのポリエチレンイミン(PEI)を加えた後、溶液を15秒間ボルテックスし、室温で10分間インキュベートした。その後細胞を、DNA/PEI溶液と混合し、500mlの振盪フラスコに移し、5%CO2雰囲気のインキュベーター内において37℃で3時間インキュベートした。インキュベート後、160mlのF17培地を加え、細胞を24時間培養した。生成培地に5μMのキフネンシンを補った。トランスフェクションの一日後、1mMのバルプロ酸及びサプリメントを含む7%のFeed 1を培養物に加えた。7日間の培養後、細胞上清を、15分間210gで細胞を遠心分離することにより収集した。溶液を滅菌濾過し(0.22μmのフィルター)、最終濃度0.01%(w/v)となるまでアジ化ナトリウムを補い、4℃に維持した。
【0504】
分泌タンパク質を、細胞培養物上清から、プロテインAを用いたアフィニティークロマトグラフィーと、それに続くサイズ排除クロマトグラフィーにより精製した。アフィニティークロマトグラフィーのために、上清を、40mL 20mMのリン酸ナトリウム、20mMのクエン酸ナトリウム(pH7.5)で平衡化したHiTrap ProteinA HPカラム(CV=5mL,GE Healthcare)に充填した。結合していないタンパク質を、少なくとも10カラム体積の20mMのリン酸ナトリウム、20mMのクエン酸ナトリウム、0.5 Mの塩化ナトリウム含有バッファー(pH7.5)で洗浄することにより除去した。結合タンパク質を、20カラム容積の、20mMのクエン酸ナトリウム、0.01%(v/v)のTween−20(pH3.0)で生成された塩化ナトリウム(0から500mM)の線形pH勾配を用いて溶出した。次いでカラムを、10カラム容積の、20mMのクエン酸ナトリウム、500mMの塩化ナトリウム、0.01%(v/v)のTween−20(pH3.0)で洗浄した。
【0505】
収集された画分のpHを、1/40(v/v)の2MのTris(pH8.0)を加えることにより調節した。タンパク質を濃縮及び濾過した後、2mMのMOPS、150mMの塩化ナトリウム、0.02%(v/v)のアジ化ナトリウム溶液(pH7.4)で平衡化したHiLoad Superde×200カラム(GE Healthcare)に充填した。
【0506】
また、ヒト受容体に対する親和性の決定のために、ヒト4−1BBのエクトドメインを、avi(GLNDIFEAQKIEWHE)及びヘキサヒスチジンタグと、インフレームでサブクローニングした。
【0507】
タンパク質生成を、Fc融合タンパク質について上記したように実施した。分泌タンパク質を、細胞培養物の上清から、キレートクロマトグラフィーと、それに続くサイズ排除クロマトグラフィーにより精製した。第1のクロマトグラフィ工程を、20mMのリン酸ナトリウム、500nMの塩化ナトリウム(pH7.4)で平衡化したNiNTA Superflow Cartridge(5ml、Qiagen)上で実施した。溶出は、12カラム容積で5%から45%の溶出バッファー(20mMのリン酸ナトリウム、500nMの塩化ナトリウム、500mMのイミダゾール(pH7.4))の勾配を適用することにより実施された。タンパク質を濃縮及び濾過した後、2mMのMOPS、150mMの塩化ナトリウム、0.02%(w/v)のアジ化ナトリウム溶液(pH7.4)で平衡化したHiLoad Superde×75カラム(GE Healthcare)に充填した(表33)。
【0508】
表33:単量体ヒト4−1BB His分子の配列
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【0509】
実施例4
表面プラズモン共鳴によるFAP標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子の生化学的特徴付け
組み換え4−1BBに対するFAP標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子の結合を、表面プラズモン共鳴(SPR)により評価した。すべてのSPR実験は、Biacore T100において、ランニングバッファーとしてHBS−EP(0.01MのHEPES(pH7.4)、0.15MのNaCl、3mMのEDTA、0.005%の界面活性剤P20、Biacore,Freiburg/Germany)を用いて25℃で実施した。
【0510】
FAP標的化又は非標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子と組み換え4−1BB(ヒト、カニクイザル、及びマウス)の間の相互作用の結合活性を、以下のように決定した。データは、標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子及び非標的化DP47 4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子の両方が、同等の結合活性でヒト及びカニクイザル4−1BBに結合するが、マウスホモログには結合しないことを実証した。
【0511】
組み換えビオチン化ヒト、カニクイザル及びマウス4−1BB Fc(kih)融合分子を、標準的なカップリング指示を用いてSAチップ上に直接結合させた(Biacore、Freiburg/Germany)。固定化レベルは約30RUであった。FAP標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子、又はDP47非標的化コントロールを、0.39から200nMの濃度範囲で、30μL/分のフローで、フローセルに120秒間通過させた。解離を180秒間モニターした。バルク屈折率の差異を、標準の空のフローセルで取得される応答を差し引くことにより修正した。
【0512】
親和性の測定のために、抗ヒトFc特異的抗体の約7200共鳴単位(RU)の直接結合を、pH5.0のCM5チップ上において、標準的アミンカップリングキットを用いて実施した(GE Healthcare)。50nMのFAP標的化又は非標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子を、30μl/分の流速で60秒間フローセル2上において捕獲した。ヒト4−1BB−avi−Hisの希釈系列(1.95から1000nM)を、30μl/分で180秒間両方のフローセル上に通過させ、結合相を記録した。解離相を180秒間モニターし、試料溶液からHBS−EPへと切り替えることによりトリガーした。チップ表面を、60秒間10mMのグリシン−HCl(pH2.1)の二重注入を用いて、各サイクル後に再生成した。バルク屈折率の差異を、基準フローセル1で取得される応答を差し引くことにより修正した。4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子とhu4−1BB avi Hisの間の相互作用のために、Biaeval software(GE Healthcare)を用いて1:1ラングミュア結合曲線にフィッティングすることにより親和定数を速度定数から誘導した。
【0513】
表34:1:1ラングミュア結合へのフィッティング及び親和定数
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【0514】
実施例5
標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子の機能的特徴付け
5.1.FAP標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子のナイーブヒトPMBCと活性化ヒトPMBCに対する結合の比較
バフィーコートをチューリッヒ献血センターから取得した。新鮮な末梢血単核細胞(PBMC)を単離するために、バフィーコートを同じ容積のDPBS(Gibco by Life Technologies,Cat.No.14190 326)で希釈した。50mLのポリプロピレン遠心分離管(TPP,Cat.−No.91050)に、15mLのHistopaque 1077(SIGMA Life Science,Cat.−No.10771、ポリスクロース及びジアトリゾ酸ナトリウム、1.077g/mLの密度に調整)を供給し、希釈したバフィーコート溶液をHistopaque 1077の上に重ねた。管を30分間400×gで遠心分離した。次いでPBMCを、接触面から収集し、DPBSで三度洗浄し、10%のウシ胎児血清(FBS、Gibco by Life Technology,Cat.No.16000−044、Lot941273、ガンマ線照射、マイコプラズマフリー、56℃で35分間熱失活)、1%(v/v)のGlutaMAX−I(GIBCO by Life Technologies,Cat.No.35050 038)、1mMのピルビン酸ナトリウム(SIGMA,Cat.No.S8636)、1%(v/v)のMEM非必須アミノ酸(SIGMA,Cat.−No.M7145)及び50μMのβ−メルカプトエタノール(SIGMA,M3148)を供給したRPMI 1640培地(Gibco by Life Technology,Cat.No.42401−042)からなるT細胞培地に再懸濁した。
【0515】
PBMCは、単離後直接用いるか、又は、4日間、6ウェル組織培養プレート内において、200U/mLのProleukin(Novartis Pharma Schweiz AG,CHCLB−P−476−700−10340)及び2μg/mLのPHA−L(SIGMA Cat.−No.L2769)を補ったT細胞培地で、次いで1日間、10ug/mLの抗ヒトCD3(クローンOKT3、BioLegend,Cat.−No.317315)及び2μg/mLの抗ヒトCD28(クローンCD28.2、BioLegend,Cat.−No.:302928)でコーティングした6ウェル組織培養プレートにおいて、T細胞培地で37℃及び5%のCO
2で培養することにより刺激して、T及びNK細胞の細胞表面に4−1BB発現を誘導した。
【0516】
ヒトPBMCに対する4−1BBL三量体含有Fc融合抗原結合分子の結合を決定するために、0.1x10
6ナイーブ又は活性化PBMCを、丸底サスペンジョン細胞96ウェルプレート(Greiner bio−one、cellstar,Cat.No.650185).の各ウェルに加えた。プレートを、4分間400×g及び4℃で遠心分離した。上清は捨てた。その後、細胞を、1:1000に希釈した、UV励起のためのLIVE/DEAD Fixable BlueDead Cell Stain Kit(Life Technologies,Molecular Probes,L−23105)又はFixable Viability Dye eF660(eBioscience 65−0864−18)又はLIVE/DEAD Fixable Green Dead Cell Stain Kit(Life Technologies,Molecular Probes,L−23101)を含む100μL/ウェルのDPBS中において、暗所で30分間4℃で染色した。Live/Death染色としてDAPIを使用した場合、この染色工程は省いた。細胞を200μLの冷たいFACSバッファー(2%(v/v)のFBS、5mMのEDTA(pH8)(Amresco,Cat.No.E177)及び7.5mMのアジ化ナトリウム(Sigma−Aldrich S2002)を供給したDPBS)で一度洗浄した。
【0517】
次に、異なる滴定濃度の4−1BBL三量体含有Fc融合抗原結合分子を含む50μL/ウェルの4℃の冷たいFACSバッファーを加え、細胞を、120分間4℃でインキュベートし、200μL/ウェルの4℃のFACSバッファーで四度洗浄し、再懸濁した。さらに細胞を、0.67μg/mLの抗ヒトCD3−PerCP−Cy5.5(クローンUCHT1、マウスIgG1κ、BioLegend,Cat.−No.300430)又は0.16μLの抗ヒトCD3−PE/Cy7(クローンSP34−2、マウスIgG1κ、BD Pharmingen,Cat.−No.557749、Lot33324597)、0.67μg/mLの抗ヒトCD45−AF488(クローンHI30、マウスIgG1κ、BioLegend,Cat.−No.304017)又は0.12μg/mLの抗ヒトCD56−FITC(クローンNCAM16.2、マウスIgG2bκ、BD Pharmingen,Cat.−No.345811)又は1μLの抗ヒトCD56−APC(クローンB159、マウスIgG1 κ、BD Pharmingen,Cat.−No.555518、Lot3098894)、0.25μg/mLの抗ヒトCD4−BV421(クローンRPA−T4、マウスIgG1κ、BioLegend,Cat.−No.300532)又は0.23μg/mLの抗ヒトCD4−BV421(クローンOKT4、マウスIgG2bκ、BioLegend,Cat.−No.317434)、0.25μLの抗ヒトCD8a−APC(クローンRPA−T8、マウスIgG1κ、BD Pharmingen,Cat.−No.555369)又は0.67μLの抗ヒトCD8a−APC/Cy7(クローンRPA−T8、マウスIgG1κ、BioLegend,Cat.−No.301016)又は0.83ng/mLの抗ヒトCD8a−BV711(クローンRPA−T8、マウスIgG1κ、BD Pharmingen,Cat.−No.301044)及び5μg/mLのPEコンジュゲートAffiniPure抗ヒトIgG Fcγ−断片特異的ヤギIgG F(ab’)2断片(Jackson ImmunoResearch,Cat.No.109 116 098 or 109 116 170)を含む、50μL/ウェルの4℃の冷たいFACSバッファーで染色した。細胞をFACSバッファーで二度洗浄した。定着可能な生存能力染料で染色する場合、細胞は、1%のホルムアルデヒドを含む50μL/ウェルのDPBS(Sigma、HT501320−9.5L)で固定した。細胞を、FACSバッファーに再懸濁し、翌日又は同日に、5レーザーLSR−Fortessa(DIVAソフトウェアを有するBD Bioscience)又は3レーザーMiltenyi Quant Analyzer 10(Mitenyi Biotec)及びFlow Jo(FlowJo X 10.0.7)を用いて獲得した。DAPI染色を使用して死細胞を検出する場合、細胞は、0.2μg/mLのDAPI(Santa Cruz Biotec,Cat.No.Sc−3598)を含む80μL/ウェルのFACSバッファーに再懸濁し、同日に5レーザーLSR−Fortessa(DIVAソフトウェアを有するBD Bioscience)を用いて獲得した。
【0518】
図6に示すように、FAP標的化又は非標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子はいずれも、休止ヒトCD4+ T細胞に結合せず、休止CD8+ T細胞及びNK細胞に対する検出可能な結合を示さなかった。対照的に、両方のコンストラクトは、活性化NK、CD8+又はCD4+ T細胞に強力に結合したが、CD4+ T細胞は、NK細胞と比較した場合、その約10分の一に相当する低い特異的蛍光を示し、CD8+ T細胞と比較した場合、特異的蛍光の強度はその20分の一に低下した。
【0519】
図7A及び7Bは、実施例1で調製されたコンストラクト1.1から1.10の、4−1BB発現活性化ヒトCD3+ CD8+ T細胞及び4−1BB発現活性化ヒトCD3+ CD4+ T細胞に対する結合をそれぞれ示している。表35は、コンストラクト1.1から1.10について測定されたEC
50値を示している。
【0520】
表35:活性化ヒトCD3+ CD8+ T細胞及びCD3+ CD4+ T細胞に対する結合
[この文献は図面を表示できません]
【0521】
図8A及び8Bは、実施例2で調製されたコンストラクト2.1、2.3、2.4、2.5及び2.6の、新鮮なヒト血液由来のCD4+及びCD8+、及び活性化4−1BB発現CD4+ T細胞及びCD8+ T細胞に対する結合をそれぞれ示している。生存CD45+ CD3+ CD4+又はCD45+ CD3+ CD8+ T細胞にゲートを設定し、PEコンジュゲートAffiniPure 抗ヒトIgG IgG Fcγ−断片特異的ヤギF(ab’)2断片のMFIを、標的化分裂三量体4−1BBリガンドFc融合変異体の滴定濃度に対してブロッティングした。表36は、コンストラクト2.1、2.3、2.4、2.5及び2.6について測定されたEC
50値を示している。
【0522】
表36:活性化4−1BB発現CD4+ T細胞及びCD8+ T細胞に対する結合
[この文献は図面を表示できません]
【0523】
5.2 活性化マウス脾細胞に対するFAP標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子の結合
マウスの脾臓を3mLのPBS中に収集し、単一細胞の懸濁液を、gentleMACSチューブ(Miltenyi Biotec Cat.−No.130−096−334)及びgentleMACS Octo Dissociator(Miltenyi Biotec)を用いて生成した。その後、脾細胞を、30μmのPre−Separation Filter(Miltenyi Biotec Cat.−No.130−041−407)を通して濾過し、7分間350×g及び4℃で遠心分離した。上清を吸出し、細胞を、10%(v/v)のFBS、1%(v/v)のGlutaMAX−I、1mMのピルビン酸ナトリウム、1%(v/v)のMEMの非必須アミノ酸、50μMのβ−メルカプトエタノール及び10%のPenicillin−Streptomycin(SIGMA,Cat.−No.P4333)を供給したRPMI 1640培地に再懸濁した。10
6個の細胞/mLを、10μg/mLの抗マウスCD3ε Armenian Hamster IgG(クローン145−2C11、BioLegend,Cat.−No.100331)及び2μg/mLの抗マウスCD28 Syrian Hamster IgG(クローン37.51、BioLegend,Cat.−No.102102)でコーティングした6ウェル組織培養プレートにおいて2日間培養した。
【0524】
活性化マウス脾細胞を、採取し、DPBS中で洗浄し、数え、0.1x10
6個の細胞を、96U字底型非組織培養物処理ウェルプレートの各ウェルに移した。上清を取り除き、細胞を、1:5000に希釈されたFixable Viability Dye eF660(Bioscience,Cat−No.65−0864−18)を含む100uL/ウェルのDPBS中において30分間4℃で染色した。細胞を、PBSで洗浄し、異なる濃度のFAP標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子(FAP分裂4−1BBL三量体)、非標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子(DP47分裂4−1BBL三量体)又は抗マウスCD137 ヒトIgG1P329G LALA mAb(クローンLob.12.3、BioXcell Catalog#:BE0169)を含む50uLのFACSバッファー中において染色した。細胞を、120分間4℃でインキュベートした。細胞を、FACSバッファーで四度洗浄し、10μg/mLの精製抗マウスCD16/CD32ラットIgG−Fc−Block(BD Pharmingen,Cat.−No.553142 クローン2.4G2)、5μg/mLの抗マウスCD8bラットIgG2bκ−FITC(BioLegend,Cat.−No.126606、クローンYTS156.7.7)、0.67μg/mLの抗マウスCD3ラットIgG2bκ−APC−Cy7(BioLegend,Cat.−No.100222、クローン17A2)、0.67μg/mLの抗マウスCD4ラットIgG2bκ−PE−Cy7(BioLegend,Cat.−No.100422、クローンGK1.5)、2μg/mLの抗マウスNK1.1マウス(C3H×BALB/c)IgG2aκ−PerCp−Cy5.5(BioLegend,Cat.−No.108728、クローンPK136)及び10μg/mLのPEコンジュゲートAffiniPureポリクローナルF(ab’)2断片ヤギ抗ヒトIgG(Fcγ断片特異性で、ウシ、マウス及びウサギ血清タンパク質に対して最小交差反応性)(Jackson ImmunoResearch,Cat.−No.109−116−170)を含む50μL/ウェルのFACSバッファー中において30分間4℃で染色した。細胞を、200μL/ウェルの冷たいFACSバッファーで二度洗浄した。細胞を、1%のホルムアルデヒドを含む50μL/ウェルのDPBSで固定した。細胞を、FACSバッファーに再懸濁し、翌日5レーザーLSR−Fortessa(DIVAソフトウェアを有するBD Bioscience)を用いて獲得した。
【0525】
図9に示すように、FAP標的化hu4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子(FAP分裂hu4−1BBL三量体)及び非標的化hu4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子(DP47分裂hu4−1BBL三量体)は、マウス4−1BBに結合しない。したがって、免疫担当マウスで活性化を試験することはできない。インビボモードの行動研究のためには、
図3に示すように、免疫能力のないマウスにおけるヒト化マウスモデル又はマウス4−1BBL三量体を含むサロゲートが使用されなければならない。
【0526】
5.3 FAP発現腫瘍細胞に対する結合
FAP発現細胞の結合アッセイのために、ヒトメラノーマ細胞株MV−3(Ruiter et al., Int. J. Cancer 1991, 48(1), 85-91参照)、WM−266−4(ATTC CRL−1676)又はNIH/3T3−huFAPクローン39細胞株を使用した。後者の細胞株を生成するために、NIH/3T3細胞にヒトFAP(NIH/3T3−huFAPクローン39)をトランスフェクトした。細胞は、CMVプロモーターの下、マウス胚性線維芽細胞NIH/3T3細胞(ATCC CRL−1658)への発現pETR4921プラスミドコード化ヒトFAPのトランスフェクションにより生成した。細胞を、1.5μg/mLのピューロマイシン(InvivoGen、Cat.−No.:抗pr−5)の存在下に維持した。0.1x10
6個のFAP発現腫瘍細胞を、丸底サスペンジョン細胞96ウェルプレート(Greiner bio−one、cellstar,Cat.−No.650185)の各ウェルに加えた。細胞を、200μLのDPBSで一度洗浄し、ペレットを再懸濁した。1:5000に希釈されたFixable Viability Dye eFluor eFluor 450(eBioscience,Cat.−No.65−0863−18)又はFixable Viability Dye eFluor eFluor 660(eBioscience,Cat.−No.65−0864−18)を含む、100μL/ウェルの4℃の冷たいDPBSバッファーを加え、ププレートを、30分間4℃でインキュベートした。細胞を、200μLの4℃の冷たいDPBSバッファーで一度洗浄し、異なる濃度の滴定された4−1BBL三量体含有Fc融合抗原結合分子を含む、50μL/ウェルの4℃の冷たいFACSバッファー(2%(v/v)のFBS、5mMのEDTA(pH8)(Amresco,Cat.−No.E177)、及び7.5mMのアジ化ナトリウム(Sigma−Aldrich S2002)を補ったDPBS) に再懸濁し、その後1時間にわたる4℃でのインキュベーションを行った。200μL/ウェルで四度の洗浄後、細胞を、30μg/mLのFITCコンジュゲートAffiniPure抗ヒトIgG Fcγ−断片特異的ヤギF(ab’)
2断片(Jackson ImmunoResearch、Cat.−No.109−096−098)又は5μg/mLのPEコンジュゲートAffiniPure抗ヒトIgG Fgγ−断片特異的ヤギF(ab’)2断片(Jackson ImmunoResearch,Cat.No.109−116−098又は109−116−170)を含む50μL/ウェルの4℃の冷たいFACSバッファーで30分間4℃で染色した。細胞を、200μLの4℃のFACSバッファーで二度洗浄し、次いで1%のホルムアルデヒドを含む50μL/ウェルのDPBSに再懸濁した。同日又は翌日、細胞を100μLのFACSバッファーに再懸濁し、5レーザーLSR−Fortessa(DIVAソフトウェアを有するBD Bioscience)又は3レーザーMiltenyi Quant Analyzer 10(Mitenyi Biotec)及びFlow Jo(FlowJo X 10.0.7)を用いて獲得した。
【0527】
図10に示すように、FAP標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子(FAP分裂4−1BBL三量体)コンストラクト1.1は、非標的化DP47−Fab含有コンストラクト(DP47分裂4−1BBL三量体)コントロールAとは異なり、効率的にヒト線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)発現メラノーマ(10A)MV−3細胞又は(10B)WM−266−4細胞に結合した。
【0528】
図11Aは、実施例1で調製されたコンストラクト1.1から1.10の、ヒト−FAP発現ヒトメラノーマMV−3細胞に対する結合を示し、
図11Bには、コンストラクト1.1.、1.2、1.3及び1.5の、ヒトFAP発現NIH/3T3−huFAPクローン39トランスフェクトマウス胚性線維芽細胞に対する結合を提示する。表37は、コンストラクト1.1から1.10について測定されたEC
50値を示す。
【0529】
表37:ヒトFAP発現腫瘍細胞に対する結合
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【0530】
図12は、異なるFAP(4B9)標的化又は非標的化分裂三量体ヒト4−1BBリガンドFc(kih)コンストラクトの、ヒト−FAP発現ヒトメラノーマMV−3細胞(
図12A)及びWM−266−4細胞(
図12B)に対する結合を示している。コンストラクト2.1、2.3、2.4、2.5及び2.6は、実施例2に記載のように調製され、コントロールは、上述のように調製された。ゲートを生存腫瘍細胞上に設定し、PEコンジュゲートAffiniPure抗ヒトIgG Fcγ−断片特異的ヤギF(ab’)2断片のMFIを、標的化分裂三量体4−1BBリガンドFc融合コンストラクトの滴定濃度に対してブロッティングした。表38は、測定されたEC
50値を示す。
【0531】
表38:ヒトFAP発現腫瘍細胞に対する結合
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【0532】
5.4 マウス標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子の機能的特徴付け
5.4.1 活性化マウス脾細胞に対する結合
マウスの脾臓を3mLのPBS中に収集し、単一細胞の懸濁液を、gentleMACSチューブ(Miltenyi Biotec Cat.−No.130−096−334)及びgentleMACS Octo Dissociator(Miltenyi Biotec)を用いて生成した。その後、脾細胞を、30μmのPre−Separation Filter(Miltenyi Biotec Cat.−No.130−041−407)を通して濾過し、7分間350×g及び4℃で遠心分離した。上清を吸出し、細胞を、10%(v/v)のFBS、1%(v/v)のGlutaMAX−I、1mMのピルビン酸ナトリウム、1%(v/v)のMEM非必須アミノ酸、50μMのβ−メルカプトエタノールを供給したRPMI 1640培地に再懸濁した。
【0533】
新鮮なマウス脾細胞上における結合を直接用いた。T細胞上にマウス4−1BB発現を誘導するために、マウス脾細胞を以下のように活性化した。10
6個の細胞/mLを、10μg/mLの抗マウスCD3ε Armenian Hamster IgG(クローン145−2C11、BioLegend,Cat.−No.100331)及び2μg/mLの抗マウスCD28 Syrian Hamster IgG(クローン37.51、BioLegend,Cat.−No.102102)でコーティングした6ウェル組織培養プレートにおいて2日間培養した。
【0534】
新鮮なマウス脾細胞又は活性化マウス脾細胞を収集し、DPBS(Gibco life technologies,Cat.−No.14190−136)中において洗浄し、数え、0.1x10
6個の細胞を96U字底型非組織培養処理ウェルプレート(Greiner bio−one,cell star,Cat.−No.650185)の各ウェルに移した。上清を取り除き、細胞を、1:1000に希釈されたLIVE/DEAD Fixable Aqua Dead Cell Stain Kit(Life Technologies,L34957)を含む、100uL/ウェルの4℃の冷たいDPBS中において、30分間4℃で染色した。細胞を、冷たいDPBSで洗浄し、異なる濃度のマウス4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合分子又はマウスIgG1 κアイソタイプコントロール(BioLegend,Cat.−No.400153、クローンMOPC−21)を含む、50uL/ウェルの冷たいFACSバッファー(2%(v/v)のFBS、5mMのEDTA(pH8)(Amresco,Cat.No.E177)及び7.5mM アジ化ナトリウム(Sigma−Aldrich S2002)を供給したDPBS)中で染色した。細胞を、120分間4℃でインキュベートし、冷たいDPBSで四度洗浄し、30μg/mLのFITCコンジュゲート抗マウスIgG Fc−ガンマ特異的ヤギIgG F(ab’)2(Jackson Immunoresearch,Cat.−No.115−096−071)を含む50μL/ウェルの冷たいFACSバッファー中で30分間4℃で染色した。その後、細胞を、冷たいDPBSで二度洗浄し、10μg/mLの精製抗マウスCD16/CD32ラットIgG−Fc−Block(BD Pharmingen,Cat.−No.553142クローン2.4G2)、0.67μg/mLの抗マウスCD8a−APC−Cy7(BioLegend,Cat.−No.100714、クローン53−6.7)、0.67μg/mLの抗マウスCD3ε−PerCP−Cy5.5(BioLegend,Cat.−No.100328、クローン145−2C11)、0.67μg/mLの抗マウスCD4ラットIgG2bκ−PE−Cy7(BioLegend,Cat.−No.100422、クローンGK1.5)を供給した50μL/ウェルのFACSバッファーで30分間4℃で染色した。細胞を、200μL/ウェルの冷たいDPBSで二度洗浄し、1%のホルムアルデヒドを含む50μL/ウェルのDPBSで固定し、FACSバッファーに再懸濁した。細胞を、3レーザーMACSQuant Analyzer 10(Miltenyi Biotech)及びFlow Jo v10.0.7(FlowJo LLC)を用いて獲得した。ゲートを、CD3
+ CD8
+又はCD3
+ CD4
+ T細胞上に設定し、FITCコンジュゲート抗マウスIgG Fc−ガンマ特異的ヤギIgG F(ab’)2のメジアン蛍光強度(MFI)を分析し、ブランクコントロール(マウス4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合分子を付加しない)のMFIを差し引くことにより正規化した。MFIを、使用したマウス4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合分子の濃度に対してブロッティングし、マウス4−1BB細胞結合分子に対する結合を示した。
【0535】
図13に示すように、マウス4−1BBLコンストラクトM.1及びM.2、並びに対応するコントロール分子のコントロールM.1及びコントロールM.2は、極めて類似した親和性でマウス4−1BBに結合する。表39は、コンストラクトM.1及びM.2と、コントロール分子について測定されたEC
50値を示す。
【0536】
表39:活性化4−1BB発現CD4+ T細胞及びCD8+ T細胞に対する結合
[この文献は図面を表示できません]
【0537】
5.4.2 FAP発現腫瘍細胞に対する結合
FAP発現細胞の結合アッセイのために、ヒトメラノーマ細胞株MV−3(Ruiter et al., Int. J. Cancer 1991, 48(1), 85-91参照)、及びWM−266−4(ATTC CRL−1676)を使用した(抗FAP特異的クローン28H1はマウス/ヒト交差反応性である)。0.1x10
6個のFAP発現腫瘍細胞を、丸底サスペンジョン細胞96ウェルプレート(Greiner bio−one、cellstar,Cat.−No.650185)の各ウェルに加えた。細胞を、200μLの冷たいDPBSで一度洗浄し、1:1000に希釈されたLIVE/DEAD Fixable Aqua Dead Cell Stain Kit(Life Technologies,L34957)を含む、100μL/ウェルの4℃の冷たいDPBSバッファーに再懸濁し、30分間4℃でインキュベートした。細胞を、200μLの冷たいDPBSバッファーで一度洗浄し、一連の濃度でマウス4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合分子を含む50μL/ウェルの冷たいFACSバッファー(2%(v/v)のFBS、5mMのEDTA(pH8)(Amresco,Cat.No.E177)及び7.5mMのアジ化ナトリウム(Sigma−Aldrich S2002)を供給したDPBS)に再懸濁した後、1時間4℃でインキュベートした。1ウェル当たり200μLのDPBSで四度洗浄した後、細胞を、30μg/mLのFITCコンジュゲート抗マウスIgG Fc−ガンマ特異的ヤギIgG F(ab’)2(Jackson Immunoresearch,Cat.−No.115−096−071)を含む、50μL/ウェルの4℃の冷たいFACSバッファーで30分間4℃で染色した。細胞を、200μL/ウェルの冷たいDPBSバッファーで二度洗浄し、1%のホルムアルデヒドを含む50μL/ウェルのDPBSで固定し、FACSバッファーに再懸濁した。細胞を、3レーザーMACSQuant Analyzer 10(Miltenyi Biotech)及びFlow Jo v10.0.7(FlowJo LLC)を用いて獲得した。ゲートを生存細胞上に設定し、FITCコンジュゲート抗マウスIgG Fc−ガンマ特異的ヤギIgG F(ab’)2のメジアン蛍光強度(MFI)を分析し、ブランクコントロール(マウス4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合分子を付加しない)のMFIを差し引くことにより正規化した。MFIを、使用したマウス4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合分子の濃度に対してブロッティングし、マウス4−1BB細胞結合分子に対する結合を示した。予想されるように、マウス4−1BBLコンストラクトM.1及びM.2は、極めて類似した親和性でFAPに結合し、一方コントロール分子は結合しない。
【0538】
図14は、FAP標的化又は非標的化分裂三量体マウス4−1BBリガンドFc(kih)コンストラクトM.1及びM.2の、ヒト−FAP発現ヒトメラノーマMV−3細胞(
図14A)及びWM−266−4細胞(
図14B)に対する結合を示す。表40は、測定されたEC
50値を示す。
【0539】
表40:ヒトFAP発現腫瘍細胞に対する結合
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【0540】
実施例6
標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子の生物活性
6.1.ヒト4−1BBを発現するHeLa細胞におけるNF−κB活性化
ヒト4−1BB及びNF−κB−ルシフェラーゼを発現するHeLa細胞の生成
頸部癌細胞株であるHeLa(ATCC CCL−2)に、発現ベクターpETR10829に基づくプラスミドを形質導入した。これは、CMV−プロモーター及びピューロマイシン耐性遺伝子の制御下にあるヒト4−1BB(Uniprot受託番号Q07011)の配列を含む。細胞を、10%(v/v)のFBS、1%(v/v)のGlutaMAX−I及び3μg/mLのピューロマイシンを補ったDMEM培地で培養した。
【0541】
4−1BB形質導入HeLa細胞を、4−1BBの発現についてフローサイトメトリーにより試験した。0.2x10
6個の生存細胞を、0.1μgのPerCP/Cy5.5コンジュゲート抗ヒト4−1BBマウスIgG1κクローン4B4−1(BioLegend Cat.−No.309814)又はそのアイソタイプコントロール(PerCP/Cy5.5コンジュゲートマウスIgG1κアイソタイプコントロール抗体クローンMOPC−21、BioLegend Cat.−No.400150)を含む100μLのFACSバッファーに再懸濁し、30分間4℃でインキュベートした。細胞を、FACSバッファーで二度洗浄し、0.06μgのDAPI(Santa Cruz Biotec,Cat.No.Sc−3598)を含む300μLのFACSバッファーに再懸濁し、5レーザーLSR−Fortessa(BD Bioscience,DIVAソフトウェア)を用いて獲得した。限界希釈を実施して、記載のように単一クローンを生成した:ヒト−4−1BB形質導入HeLa細胞を、10、5及び2.5個の細胞/mLの濃度となるまで培地に再懸濁し、200μlの細胞懸濁液を丸底組織培養処理96ウェルプレート 6のプレート/細胞の濃度、TPP Cat.−No.92697)に移した。上述のように、単一のクローンを採取し、拡大し、4−1BB発現について試験した。4−1BBの発現が最高であったクローン(クローン5)を、その後のNF−κB−ルシフェラーゼ発現−ベクター5495p Tranlucent HygBのトランスフェクションのために選択した。ベクターは、トランスフェクトされた細胞に、NF−kB−応答要素(HyB耐性が導入されたバックボーンベクターPanomics,Cat.−No.LR0051)の制御下において、Hygromycin Bに対する耐性と、ルシフェラーゼ発現能の両方を付与する。ヒト−4−1BB HeLaクローン5細胞を、70%コンフルエントになるまで培養した。50μg(40μL)の直線化された(制限酵素AseI及びSalI)5495p Tranlucent HygB発現ベクターを、滅菌された0.4cmのGene Pulser/MicroPulser Cuvette(Biorad,Cat.−No,165−2081)に加えた。400μlのサプリメントフリーDMEM培地中、2.5x10
6個のヒト−4−1BB HeLaクローン5細胞を加え、プラスミド溶液と注意深く混合した。細胞のトランスフェクションを、Gene Pulser Xcellトータルシステム(Biorad,Cat−No.165−2660)を用いて、以下の設定、即ち、指数形パルス、キャパシタンス500μF、電圧160V、抵抗∞下において実施した。パルスの直後に、トランスフェクトされた細胞を、10%(v/v)のFBS及び1%(v/v)のGlutaMAX−Iを供給した、15mLの37℃の温かいDMEM培地を有する75cm
2の組織培養フラスコ(TPP,Cat.−No.90075)に移した。翌日、3μg/mLのPuromycin及び200μg/mLのHygromycin B(Roche,Cat.−No.10843555001)を含む培地を加えた。生存細胞を拡大し、上述のように限界希釈を実施して、単一クローンを生成した。
【0542】
クローンを、4−1BB発現について上述のように試験し、NF−κB−ルシフェラーゼ活性について以下のように試験した。クローンを、選択培地において採取し、Cell Counter Vi−cell xr 2.03(Beckman Coulter,Cat.−No.731050)を用いて数えた。細胞を、0.33x10
6個の細胞/mLの細胞密度に設定し、150μLのこの細胞懸濁液を、蓋付きの滅菌白色96ウェル平底組織培養プレート(Greiner Bio−One,Cat.−No.655083)の各ウェルに、及びコントロールとして正規の96ウェル平底組織培養プレート(TPP Cat.−No.92096)の各ウェルにそれぞれ移し、生存及び細胞密度を翌日試験した。細胞を、37℃及び5%のCO
2で一晩インキュベートした。翌日、異なる濃度の組み換えヒト腫瘍壊死因子アルファ(rhTNF−α、PeproTech,Cat.−No.300−01A)を含む50μLの培地を、96ウェルプレートの各ウェルに加え、rhTNF−αの最終濃度を100、50、25、12.5、6.25及び0ng/ウェルとした。細胞を、6時間37℃及び5%のCO
2でインキュベートし、次いで200μL/ウェルのDPBSで二度洗浄した。Reporter Lysis Buffer(Promega,Cat−No:E3971)を、各ウェルに加え(40μl)、プレートを一晩−20℃で貯蔵した。翌日、凍結した細胞プレート及びDetection Buffer(Luciferase 1000 Assay System、Promega,Cat.−No.E4550)を、室温に温めた。100uL の検出バッファーを各ウェルに加え、プレートを、SpectraMa×M5/M5eマイクロプレートリーダー及びSoftMa×Pro Software(Molecular Devices)を用いて可能な限り迅速に測定した。コントロール(rhTNF−αなし)を上回る500ms/ウェル(URL)の放出光の測定された単位を、ルシフェラーゼ活性とした。最も高いルシフェラーゼ活性及び有意なレベルの4−1BB−発現を呈したNF−κB−luc−4−1BB−HeLaクローン26を、さらなる使用のために選択した。
【0543】
FAP発現腫瘍細胞と共培養されたヒト4−1BBを発現するHeLa細胞におけるNF−κB活性化
NF−κB−ルシフェラーゼヒト−4−1BB HeLa細胞を採取し、10%(v/v)のFBS及び1%(v/v)のGlutaMAX−Iを供給したDMEM培地に、0.2x10
6個の細胞/mLの濃度となるように再懸濁した。この細胞懸濁液100μl(2x10
4個の細胞)を、蓋付き滅菌白色96ウェル平底組織培養プレート(Greiner Bio−One,Cat.No.655083)の各ウェルに移し、プレートを37℃及び5%のCO
2で一晩インキュベートした。翌日、滴定濃度のFAP標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子(FAP分裂4−1BBL三量体)又はDP47非標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子(DP47分裂4−1BBL三量体)を含む50μLの培地を加えた。FAP発現腫瘍細胞(MV3、WM−266−4又はNIH/3T3−huFAPクローン39)を、10%(v/v)のFBS及び1%(v/v)のGlutaMAX−Iを供給したDMEM培地に、細胞2x10
6個/mLの濃度となるように再懸濁した。
【0544】
FAP発現腫瘍細胞(50μl、最終比1:5)の懸濁液又は培地のみを各ウェルに加え、プレートを6時間37℃及び5%CO
2でインキュベートした。細胞を、200μL/ウェルのDPBSで二度洗浄した。40μlの新しく調製したReporter Lysis Buffer(Promega,Cat−No:E3971)を各ウェルに加え、プレートを一晩−20℃で貯蔵した。翌日、凍結した細胞プレート及びDetection Buffer(Luciferase 1000 Assay System、Promega,Cat.−No.E4550)を、室温で温めた。100μLの検出バッファーを各ウェルに加え、ルシフェラーゼ活性を、SpectraMa×M5/M5eマイクロプレートリーダーと、発光をURL(0.5秒/ウェルの放出光の単位)でカウントするSoftMa×Pro Software(Molecular Devices)、又はVictor3 1420 マルチラベルカウンタープレートリーダー(Perkin Elmer)と、カウント毎秒(CPS)として発光をカウントするPerkin Elmer 2030 Manager Softwareandを用いて測定し、試験したコンストラクトの濃度に対してブロッティングした。
【0545】
FAP標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子(FAP分裂4−1BBL三量体)は、FAP発現腫瘍細胞の存在下において、レポーター細胞株内のNFκBシグナル伝達経路の活性化をトリガーした。対照的に、同じ分子の非標的化変異体は、試験された濃度のいずれにおいてもそのような効果をトリガーできなかった(
図16)。FAP標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子の存在下においてさえも、FAP陰性腫瘍細胞と共にNF−kBレポーター細胞株を培養した場合にNF−kB活性化は検出できず、このような標的化4−1BBLの活性は、腫瘍細胞の細胞表面におけるFAPの発現に依存していた。コンストラクト1.1から1.10について測定された活性を
図17に示し、コンストラクト2.1、2.4及び2.5について測定されたデータを
図18に提示する。
【0546】
6.2.カニクイザル 4−1BBを発現するHEK T293細胞におけるNFκB活性化
カニクイザル4−1BB及びNF−κB−ルシフェラーゼを発現するHEK T293細胞の生成
ウイルス様粒(VLP)の生成のために、ヒト胎児性/胚性腎臓(HEK)T293/17(ATCC CRL−11268)に、Lipofectamine(登録商標)LTX ReagentとPLUS
TM Reagent(Life Technologies,Cat.−No.15338100)とを用いてNFκB−ルシフェラーゼ−IRIS−GFPレポーター遺伝子カセット(NFκB−luc−GFP)をコードするベクターpETR14372を、製造者のプロトコールに従ってトランスフェクトした。6時間後、10%のFBS培地を供給したDMEMの交換を実施し、VLPを4日後に採取した。新鮮なHEK 293T細胞に、生成されたpETR14372−VLP及び4μg/mLのポリブレンを、70〜80%の培養密度で形質導入した。細胞を、24時間培養し、培地交換を実施した。形質導入HEK T293/17細胞を採取し、安定な単一クローンについてスクリーニングするために、1個の細胞/ウェルの限界希釈を実施した。培地中において単一クローンを25ng/mLのTNF−α(PeproTech Inc. Cat.−No.300−01A)で刺激し、Incuyte Zoom Fluorescence Microscope System(Essen Bioscience)を用いて経時的に陽性のGFPシグナルについてスクリーニングした。GFPシグナル記録細胞を、製造者のプロトコールに従ってNano Glo Luciferase Kit(Promega、N1120)を用いて、ルシフェラーゼ活性について試験した。ルシフェラーゼ活性は、Victor3 1420マルチラベルカウンタープレートリーダー(Perkin Elmer)及びPerkin Elmer 2030 Manager Softwareを用いて測定された。発光は、1ウェルにつき0.5秒間、カウント毎秒(CPS)でカウントされた。クローン61は、TNF−α活性化の後に、GFP及びルシフェラーゼの最も高い発現を示し、レポーター細胞株生成のためにさらに使用された。
【0547】
上述のように、新規のVLPを、カニクイザル4−1BBをコードするベクターpETR14879を用いて生成し、ピューロマイシン耐性及びHEK 293T NFκB−fluc−GFP クローン61細胞株に、生成されたpETR14879−VLP及び4μg/mLのポリブレンを、70〜80%の培養密度で形質導入した。細胞を、24時間培養し、培地交換を実施した。形質導入の四日後、細胞を、1%のFBSを含むDPBS中において、PEコンジュゲート抗ヒトカニクイザル−交差反応性4−1BB抗体(マウスIgG1κ、クローンMOPC−21、BioLegend,Cat.−No.309804)で染色し、FACS(ARIA、BD)によりソートし、1μg/mLのPuromycineを含む10%のFBS培地を供給したDMEM中において、5細胞/ウェルで播種した(InvivoGen,Cat.−No.ant−pr)。増殖するクローンを、TNF−α刺激後のGFP及びルシフェラーゼ活性について、並びに高いカニクイザル 4−1BB発現について記載したように、フローサイトメトリーにより試験した。二重陽性クローンを、一価のFAP標的化コンストラクト2.1又はコントロールB及びFAP発現MV−3又はWM−266−4細胞の存在下におけるルシフェラーゼ活性のために選択し、試験した。HEK T293/17−NF−κB−luc−GFP−cy4−1BB発現クローン61−13を選択し、さらなる実験に使用した。
【0548】
FAP発現腫瘍細胞と共培養されたカニクイザル 4−1BBを発現するHEK T293/17レポーター細胞のNFκB活性化
HEK T293/17−NFκB−luc−GFP−cy4−1BB発現クローン61−13細胞を採取し、10%(v/v)のFBS及び1%(v/v)のGlutaMAX−Iを供給したDMEM培地に、0.2x10
6個の細胞/mLの濃度となるように再懸濁した。この細胞懸濁液100μl(2x10
4個の細胞)を、蓋付き滅菌白色96ウェル平底組織培養プレート(Greiner Bio−One,Cat.No.655083)の各ウェルに移し、プレートを37℃及び5%のCO
2で一晩インキュベートした。翌日、異なる滴定濃度のFAP標的化又は非標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子を含む培地50μLを加えた。FAP発現腫瘍細胞(MV3及びbWM−266−4)を、2x10
6個の細胞/mLの濃度となるように、培地に再懸濁した。FAP発現腫瘍細胞懸濁液(50μl)を各ウェルに加え、プレートを6時間37℃及び5%CO
2でインキュベートした。このアッセイの原理を
図19に示す。インキュベーション後、細胞を、200μL/ウェルのDPBSで三度洗浄した。40μlの新しく調製したReporter Lysis Buffer(Promega,Cat−No:E3971)を各ウェルに加え、プレートを一晩−20℃で貯蔵した。翌日、凍結した細胞プレート及び検出バッファー(Luciferase 1000 Assay System,Promega,Cat.−No.E4550)を室温に温めた。100μLの検出バッファーを各ウェルに加え、ルシフェラーゼ活性を、SpectraMa×M5/M5e(Molecular Devices)マイクロプレートリーダー(500ms積分時間刻み、全波長収集フィルターなし)を用いて可能な限り迅速に測定した。発光を、0.5秒/ウェルで放出光の単位(URL)でカウントし、試験されたFAP標的化又は非標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子の濃度に対してブロッティングした。実施例2のコンストラクトの結果を
図20に示す。
【0549】
6.3 抗原特異的CD8+ T細胞に基づくアッセイ
抗原特異的CD8 T細胞の単離及び培養
新鮮な血液を、HLA−A2+ CMVに感染したボランティアから得た。PBMCを、上述のように単離した。CD8 T細胞を、製造者の推奨に従ってネガティブ選択ヒトCD8 T細胞単離キットを用いて(Miltenyi Biotec,Cat.No.130−094−156)、PBMCから精製した。一千万個の単離されたCD8 T細胞を、CMVから得られたNLVPMVATVペプチド(ProImmune,Cat.No.F008−2B)を含む50μLのPE標識されたHLA−A2−五量体と共に1%(v/v)のFBSを補った1mLの滅菌DPBSに再懸濁し、10分間室温でインキュベートした。細胞を、1%(v/v)のFBSを供給した3mLの滅菌DPBSで二度洗浄した。細胞を、1μg/mLの抗ヒトCD8−FITC(クローンLT8、Abcam,Cat.No.Ab28010)を含む1%(v/v)のFBSを供給した1mLの細胞DPBSに再懸濁し、30分間4℃でインキュベートした。細胞を、二度洗浄し、5x10
6細胞/mLの濃度となるように、1%(v/v)のFBSを供給したDPBSに再懸濁し、30μmの事前分離ナイロンネット細胞ストレーナー(Miltenyi Biotec,Cat.No.130−041−407)を通して濾過した。NLV−ペプチド特異的CD8+ T細胞を、ARIAセルソーター(DIVAソフトウェアを有するBD Bioscience)を使用し、以下の設定で、FACSソーティングにより単離した:100μmノズル及び純度ソートマスク。ソートされた細胞を、10%(v/v)のFBS、1%(v/v)のGlutaMAX−I及び400U/mLのProleukinを供給した5mlのRPMI 1640培地を含む15mlのポリプロピレン遠心分離管(TPP,Cat.No.91015)に収集した。ソートされた細胞を、7分間350×g及び室温で遠心分離し、0.53x10
6細胞/mLの濃度となるように、同培地に再懸濁した。この細胞懸濁液100μL/ウェルを、事前に調製されたフィーダープレートの各ウェルに加えた。
【0550】
PHA−L活性化照射同種異系フィーダー細胞を、先述のようにPBMCから調製し(Levitsky et al., 1998)、96ウェル培養プレートに、1ウェル当たり2x10
5個のフィーダー細胞に分配した。
【0551】
培養の一日後、100μLの培地/ウェルを、ソートされたCD8+ T細胞を含むウェルから除去し、10%(v/v)のFBS及び1%(v/v)のGlutaMAX−I及び400U/mLのProleukinを補った新規のRPMI 1640培地により置き換え、これを培養中定期的に繰り返した(2〜4日毎)。細胞は、増殖を開始するとすぐに、24ウェル平底組織培養プレート(TPP、92024)に移した。細胞を、拡大/分裂させ、新規のフィーダー細胞調製物で定期的に再活性化した。
【0552】
抗原特異的CD8+ T細胞の活性化アッセイ
MV3細胞を採取し、DPBSで洗浄し、2x10
7個の細胞を、250μLのPKH−26 Red Fluorescence CellリンカーKit(Sigma,Cat.−No.PKH26GL)のC希釈剤に再懸濁した。1μLのPKH26−Red−染色溶液を、250μLのC希釈剤で希釈し、MV3細胞の懸濁液に加え、次いでこれを5分間室温で暗所でインキュベートした。続いてこれに0.5mLのFBSを加え、細胞を1分間インキュベートし、10%(v/v)のFBS、1%(v/v)のGlutaMAX−I、1mMのSodium−Pyruvate、1%(v/v)のMEM非必須アミノ酸及び50μMのβ−メルカプトエタノールを補ったRPMI 1640からなるT細胞培地で一度洗浄した。1x10
6個のMV3細胞/mLを、T細胞培地に再懸濁し、三つの管に分けた。合成NLVPMVATVペプチド(シンクペプチド(thinkpeptide)から得た)を、最終濃度が1x10
−9M又は1x10
−8Mとなるように加え、細胞を、90分間インキュベートした。MV3細胞を、T細胞培地で一度洗浄し、密度が0.5x10
6細胞/mLとなるように再懸濁し、96ウェル丸底細胞懸濁プレート(Greiner bio−one、cellstar,Cat.−No.650185)に分配し(100μL/ウェル)、一晩37℃及び5%のCO
2でインキュベートした。このアッセイの原理を
図21に示す。
【0553】
翌日、異なる滴定濃度の標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子を含むT細胞培地50μL/ウェルを加えた。NLV特異的CD8 T細胞を採取し、CFDA−SE(5(6)−カルボキシフルオレセイン二酢酸−N−スクシンイミジルエステル、SIGMA−Aldrich,Cat.−No.21888−25MG−F)を、最終濃度が40nMとなるように加え、細胞を、回転下で15分間37℃でインキュベートした。FBSを加えることにより標識化を停止し、細胞を、洗浄し、最終濃度が0.125x10
6細胞/mLとなるようにT細胞培地に再懸濁した。50μLのこのCFSE−標識CD8 T細胞懸濁液を各ウェルに加えた(最終的なE:T比=1:8)。細胞プレートを24時間インキュベートし、50μL/ウェルを除去し、2.64μL/mLのGolgiStop(Monesinを含むタンパク質輸送阻害剤、BD Bioscience,Cat.−No.554724)を含む50μLのT細胞培地を、各ウェルに加えた(最終濃度 0.66μL/mL)。細胞を4時間インキュベートした後、プレートを、200μL/ウェルのDPBSで洗浄し、1:5000に希釈されたFixable Viability Dye−eF450(eBioscience,Cat.−No.65−0864)を含む100μL/ウェルの4℃のDPBSで30分間4℃で染色した。細胞プレートを、200μL/ウェルのDPBSで洗浄した後、蛍光性染料コンジュゲート抗体、即ち、抗ヒトCD137−PerCP/Cy5.5(クローン4B4−1、マウスIgG1κ、BioLegend,Cat.−No.309814)、抗ヒトCD8−BV605(クローンRPA−T8、マウスIgG1κ、BioLegend,Cat.−No.301012)又は0.67μg/mLの抗ヒトCD8a−APC/Cy7(クローンRPA−T8、マウスIgG1κ、BioLegend,Cat.−No.301016)及び抗ヒトCD25 PE/Cy7(クローンBC96、マウスIgG1κ、BioLegend,Cat.−No.302612)で染色した。30分間4℃でのインキュベーション後、細胞を、200μL/ウェルのFACSバッファーで二度洗浄し、50μL/ウェルの新しく調製したFoxP3 Fix/Perm−Buffer(eBioscience Cat.−No.00−5123及び00−5223)に再懸濁し、30分間4℃でインキュベートした。プレートを、200μL/ウェルのPermバッファー(2%(v/v)のFBS、1%(w/v)のサポニン(Sigma Life Science,S7900)及び1%(w/v)のアジ化ナトリウム(Sigma−Aldrich,S2002)を供給したDPBS)で二度洗浄し、0.25μg/mLの抗ヒトIFNγ−APC(クローンB27、マウスIgG1κ、BioLegend,Cat.−No.506510)又は0.33μg/mLの抗ヒトIFNγ−BV510(クローン4S.B3、マウスIgG1κ、BioLegend,Cat.−No.502543)を含む50μL/ウェルのPerm−Buffer(eBioscience,Cat.−No.00−8333−56)で染色した。プレートを、1時間4℃でインキュベートし、200μL/ウェルのPerm−Bufferで二度洗浄した。固定化のために、1%のホルムアルデヒドを含む50μL/ウェルのDPBSを加えた。同日又は翌日、細胞を、100μL/ウェルのFACSバッファーに再懸濁し、5レーザーFortessaフローサイトメーター(DIVAソフトウェアを有するBD Bioscience)又は3レーザーMiltenyi Quant Analyzer 10(Miltenyi Biotec)及びFlow Jo(FlowJo X 10.0.7)を用いて獲得した。
【0554】
コンストラクト1.1から1.10について
図22及び23に、コンストラクト2.1、2.3及び2.4について
図24及び25に示すように、抗原特異的CD8+ T細胞(非刺激コントロール以外)は、FAP標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子(FAP分裂4−1BBL三量体)の存在下において、表面4−1BB発現のレベルの上昇を呈した。このような4−1BBLの効果は、用量依存性であり、非標的化コントロール分子の付加が4−1BB発現のレベルに影響しなかったことから、FAP標的化を必要とした。さらに、比較的高いペプチド濃度で活性化されたT細胞(1x10
−8M)は、FAP標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子(FAP分裂4−1BBL三量体)の存在下において、INFγの持続性の分泌を示した。つまり、これらデータは、抗原標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子が、表面表現型及び標的化依存性の抗原特異的T細胞の応答性を調節することを示している。
【0555】
6.4 細胞標的化及び非標的化マウス4−1BBLFc融合抗原結合分子の比較
標的化及び非標的化マウス4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子(FAP分裂マウス4−1BBL三量体及びDP47分裂 マウス4−1BBL三量体)を、実施例1.3に記載のように調製した。
【0556】
細胞標的化及び非標的化マウス4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子のバイオ活性を比較するために、Proliferation Dye eFlour670標識化(eBioscience,Cat.−No.65−0840−90)又はCellTrace Violet Cell Proliferation色素標識化(Cell tracer,Cat.−No.C34557)新規マウス脾細胞を、3〜4日間、96ウェル組織培養U字底型プレート(TTP,Cat.−No.92097)において、接着性の50Gy照射NIH/3T3−huFAPクローン39細胞(生成について5.3参照)と共に、10%(v/v)のFBS、1%(v/v)のGlutaMAX−I、1mMのSodium−Pyruvate、1%(v/v)のMEM非必須アミノ酸及び50μMのβ−メルカプトエタノールを供給したRPMI 1640培地(Gibco,Cat.−No.42401−042)中で、0.5μg/mLの抗マウスCD3 SyrianハムスターIgG(クローン145−2C11、BD,Cat.−No.553057)及び一定の濃度範囲で加えられた図示の薬物候補分子の存在下において共培養した(
図26)。三日又は四日後、細胞を、FACSバッファーで洗浄し、抗マウスCD8ラットIgG2a−BV711(BioLegend,Cat.−No.100747、クローン53−6.7,)及び抗マウスCD4ラットIgG2a−BV421(BioLegend,Cat.−No.100544、クローンRM4−5)及び0.67μg/mLの抗マウスCD137(4−1BB)SyrianハムスターIgG−PE(BioLegend,Cat.−No.106106、クローン17B5)及び抗マウスCD25−PErCP−Cy5.5ラットIgG2b(BioLegend,Cat.−No.1019112)を含む25uLのFACSバッファー/ウェル中において、30分間4℃で染色した。細胞を、洗浄し、調製されたFix/Perm Buffer(Foxp3/Transcription Factor Staining Buffer Set、eBioscience,Cat.−Ni. 00(−5523−00)中において、1時間室温でインキュベートした。細胞を、新しく調製されたPermバッファーで二度洗浄し、細胞傷害性系譜転写因子Eomes、即ち抗マウスEomesラットIgG2a−AlexaFluor488(eBioscience,Cat.−No.534875、クローンDan11mag)に対する蛍光標識化抗体、−CD137が染色されない場合は−細胞傷害性エフェクター分子グランザイムB、即ち抗マウスratIgG2aグランザイムB−PE(eBioscience,Cat.−No.128822,クローン16G6)に対する蛍光標識化抗体を含む25μL/ウェルのPermバッファーで、1時間室温で共染色した。次いで細胞を、二度洗浄し、FACSバッファーに再懸濁し、レーザーFortessaフローサイトメーター(DIVAソフトウェアを有するBD Bioscience)又は3レーザーMACSQuant Analyzer 10(Miltenyi Biotech)及びFlow Jo v10.0.7(FlowJo LLC)を用いて獲得した。ゲートを生存CD8+ T細胞及びCD4+ T細胞上に設定し、増殖細胞の頻度、並びにCD25、Eomes及びグランザイムB又はCD137の発現レベルを決定した。一又は複数の増殖頻度及び活性化マーカーのMFIを、使用したマウス4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合分子の濃度に対してブロットし、機能活性を示した。
図27に示すように、増殖CD8+ T細胞の増加が、コンストラクトM.1及びM.2について見られた。
【0557】
6.5 抗マウス4−1BB抗体Lob12.3(muIgG1 Wt)又はコンストラクトM.2で治療したマウスにおける肝臓の変化
MC38−muFAP(マウス結腸直腸がんモデル)s.c.を有するC57BL/6マウスを、週に一度3週間にわたりFAPに標的化されたアゴニスト抗マウス4−1BB抗体で治療した(効力試験020−GA1401:「C57B6マウスMC38−muFAP s.c. モデルにおけるa−PD−L1と組み合わせた4−1BB標的化療法の有効性を示すための実験」)。使用された抗体は、Lob12.3muIgG1 Wt(「野生型」Fcを有する、BioXcell Catalog#:BE0169のクローンLob12.3)又はDAPG突然変異(不活性Fc)を有するコンストラクトM.2であった。二つの抗体を、週に一度連続して三週間にわたり投与した。四の動物/群を、最後の治療の7日後に屠殺し、肝臓を顕微鏡により検査した。
【0558】
Lob12.3 muIgG1 Wtを投与した動物においてのみ肝臓の変化が観察され、それは、病巣における、F4/80陽性マクロファージ及び血管中心の分布を頻繁に示す炎症細胞(主にリンパ球)の少量の混合集団の蓄積による肝細胞の変性からなっていた。時に、肝細胞の単一細胞壊死、及び門脈空間における血管周囲の単核細胞浸潤が見られた。コンストラクトM.2を投与された動物の肝臓に、治療に関連する所見は観察されなかった(表41)。
【0559】
表41:病理組織学的所見の発生(n=4/群)
[この文献は図面を表示できません]
【0560】
肝臓内のFcγRによる架橋に起因する肝炎が、Urelumab BMS−663513で治療された患者(Ascierto P.A. et al. 2010)、及びマウスサロゲートを用いるマウスに観察された。不活性Fcを有する抗体により治療した動物に肝臓の所見がなかったことは、この仮説をサポートする。
【0561】
6.6 ヒト4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子の薬物動態パラメータの決定
本発明のヒト4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子が薬学的使用に適しているかどうかを試験するために、マウスにおける、クリアランス、分布容積又は排出半減期(t
1/2)などの薬物動態パラメータ(PKデータ)を決定した。したがって、以下の実験を実施した。
【0562】
実験A:健常なNOGマウスにおけるコンストラクト1.2及びコントロールBの単回投与のPK
実験開始時に平均週齢8〜10のNOGメスマウス;(Taconic,SOPF施設から購入)を、関連するガイドライン(GV−Solas;Felasa;TierschG)に従い、毎日12時間明所/12時間暗所のサイクルで、特定の病原体のいない条件下で維持した。実験的な研究プロトコールが審査され、地方自治体により承認された(P2011128)。動物は到着後1週間、新しい環境への馴致及び観察のために維持された。継続的な健康モニターが定期的に実施された。
【0563】
コンストラクト1.2及びコントロールBの曝露を評価するために、単回投与薬物動態試験(SDPK)を実施した。2.5mg/kgの静脈内ボーラス投与をNOGマウスに投与し、薬物動態評価のための選択された時点において血液試料を採取した。マウス血清試料をELISAにより分析した。ビオチン化ヒト4−1BB、試験試料、Digoxygenin標識抗huCH1抗体及び抗Digoxygenin検出抗体(POD)を、96ウェルストレプトアビジン被覆マイクロタイタープレートに段階的に加え、各段階後に1時間室温でインキュベートした。プレートを、各段階後に三度洗浄し、結合しなかった物質を除去した。最後に、ペルオキシダーゼ結合複合体を、ABTS基質溶液を加えて有色反応生成物を形成することにより可視化した。405nmにおいて測光法により決定された反応生成物の強度(490nmに基準波長を有する)は、血清試料中の被分析物濃度に比例している。コンストラクトの標準曲線の較正範囲は0.156から10ng/mlであった。ここで、3ng/mlが定量化の下限(LLOQ)である。
図28Aは、この実験において観察された経時的濃度の低下を示している。
【0564】
実験B:幹細胞によりヒト化された腫瘍を有するNOGマウスにおけるコンストラクト2.1、2.3、コントロールB及びコントロールCの単回投与のPK
コンストラクト2.1、2.3、コントロールB及びコントロールCの曝露を評価するために、単回投与薬物動態試験(SDPK)を実施した。ヒト幹細胞を移植したNSGメスマウスは、Jackson Laboratoriesにより送達された。マウスを、関連するガイドライン(GV−Solas;Felasa;TierschG)に従い、毎日12時間明所/12時間暗所のサイクルで、特定の病原体のいない条件下で維持した。実験的な研究プロトコールが審査され、地方自治体により承認された(ZH193−2014)。動物は到着後1週間、新しい環境への馴致及び観察のために維持された。継続的な健康モニターが定期的に実施された。
【0565】
ヒトMKN45細胞(ヒト胃癌)は、最初ATCCから取得され、拡大後にGlycart内部細胞バンクに寄託された。細胞を、10%FCSを含むDMEM中で培養した。細胞を、5%CO
2の水飽和雰囲気中で37℃で培養した。生存率97%において、皮下注射のためにインビトロ継代9を使用した。ヒト線維芽細胞NIH−3T3を、ヒトFAPを発現するようにRoche Nutleyにおいて操作した。クローン39をインビトロ継代番号12に、生存率98%で使用した。50マイクロリットルのマトリゲルと混合した50マイクロリットルの細胞懸濁液(1x106 MKN45細胞+1x106 3T3−huFAP )を、麻酔したマウスの側腹部に皮下注射した。腫瘍が平均サイズ190mm
3に達したとき、10mg/kgの静脈内ボーラス投与を、ヒト化マウスに投与した。血液試料を、薬物動態評価のための選択された時点において採取した。マウス血清試料をELISAにより分析した。ビオチン化ヒト4−1BB、試験試料、Digoxygenin標識抗huCH1抗体及び抗Digoxygenin検出抗体(POD)を、96ウェルストレプトアビジン被覆マイクロタイタープレートに段階的に加え、各段階後に1時間室温でインキュベートした。プレートを、各段階後に三度洗浄し、結合しなかった物質を除去した。最後に、ペルオキシダーゼ結合複合体を、ABTS基質溶液を加えて有色反応生成物を形成することにより可視化する。405nmにおいて測光法により決定される反応生成物の強度(490nmに基準波長を有する)は、血清試料中の被分析物濃度に比例している。コンストラクトの標準曲線の較正範囲は0.156から10ng/mlであった。ここで、3ng/mlが定量化の下限(LLOQ)である。
図28Bは、この実験において観察された経時的なコンストラクトの濃度の低下を示している。
【0566】
実験C:健常なNOGマウスにおけるコンストラクト2.1及び2.3の単回投与のPK
実験開始時に平均週齢8〜10のNOGメスマウス;(Taconic、SOPF施設から購入)を、関連するガイドライン(GV−Solas;Felasa;TierschG)に従い、毎日12時間明所/12時間暗所のサイクルで、特定の病原体のいない条件下で維持した。実験的な研究プロトコールが審査され、地方自治体により承認された(P 2011128)。動物は到着後1週間、新しい環境への馴致及び観察のために維持された。継続的な健康モニターが定期的に実施された。
【0567】
コンストラクト2.1及び2.3の曝露を評価するために、単回投与薬物動態試験(SDPK)を実施した。2.5mg/kgの静脈内ボーラス投与をNOGマウスに投与し、薬物動態評価のための選択された時点で血液試料を採取した。マウス血清試料をELISAにより分析した。ビオチン化ヒト4−1BB、試験試料、Digoxygenin標識抗huCH1抗体及び抗Digoxygenin検出抗体(POD)を、96ウェルストレプトアビジン被覆マイクロタイタープレートに段階的に加え、各段階後に1時間室温でインキュベートした。プレートを、各段階後に三度洗浄し、結合しなかった物質を除去する。最後に、ペルオキシダーゼ結合複合体を、ABTS基質溶液を加えて有色反応生成物を形成することにより可視化する。405nmにおいて測光法により決定される反応生成物の強度(490nmに基準波長を有する)は、血清試料中の被分析物濃度に比例している。コンストラクトの標準曲線の較正範囲は0.156から10ng/mlであった。ここで、3ng/mlが定量化の下限(LLOQ)である。
図28Cは、観察された経時的な濃度の低下を示している。
【0568】
試験されたコンストラクト2.1及び2.3は、身体中で十分に安定であり、製剤開発に適した範囲にPKパラメータを有している。また、結果からは、コンストラクト2.1の方がやや安定であると結論することができる。
【0569】
6.7 ヒト腫瘍におけるFAP保有率
FAP標的化コンストラクトの可能な臨床利用に関する理解を得るために、ヒト腫瘍におけるFAP保有率を、国際公開第2014/161845に記載のように評価した。
【0570】
Vitatex(MABS1001)からのRat抗ヒトセプラーゼ抗体(IgG2a、クローンD8)を使用して、Ventana Benchmark XTにおいて、様々な腫瘍徴候由来の2,5μmのFFPET切片を免疫染色した。切片を、標準的なCC1治療に供した後、抗体を、Dako抗体希釈剤(S3022)中において5μg/mLの濃度で60分間37℃でインキュベートし、Ultraview DAB検出システム(Ventana #760−4456)を用いて陽性染色を検出した。Abcam(ab18450)からの一致するアイソタイプ抗体をネガティブコントロールとして使用した。FAP+間質浸潤は、異なる徴候のヒト腫瘍に存在しており、これには、FAP標的化コンストラクトに関して潜在的に興味深い臨床徴候を示す、頭部及び頸部扁平上皮癌(HNSCC)、乳がん、結腸直腸がん(CRC)、膵臓がん(PAC)、胃がん、非小細胞肺癌(NSCLC)及び中皮腫が含まれた(表42)。
【0571】
表42:ヒト腫瘍におけるFAP保有率
[この文献は図面を表示できません]
【0572】
実施例7
7.1 CD19(8B8−018)標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子の調製
7.1.1 ファージディスプレイキャンペーンのためのCD19抗原Fc融合の調製、精製及び特徴付け
単量体状態のヒト及びカニクイザルCD19エクトドメインを発現させて精製するために(ヒトCD19、配列番号31参照)、対応するDNA断片を、「ノブ」突然変異(ヒト:配列番号186;カニクイザル:配列番号188)を含むヒトIgG1 Fc遺伝子断片に融合させ、「Fc−ホール」(配列番号86)カウンターパートをトランスフェクトした(Merchant et al., 1998)。IgA切断部位(PTPPTP)を、抗原エクトドメインとFcノブ鎖の間に導入した。目的とするビオチン化のためのAviタグを、抗原−Fcノブ鎖のC末端に導入し、突然変異H435R及びY436Fを、精製目的でFcホールに導入した(Jendeberg L. et al, J. Immunological methods, 1997)。S354C/T366W突然変異(ヒト:配列番号187;カニクイザル:配列番号189)を含む抗原−Fcノブ鎖と、Y349C/T366S/L368A/Y407V突然変異(配列番号90)を含むFcホール鎖の組み合わせは、CD19エクトドメインの単一コピーを含むヘテロ二量体Fc融合断片の生成を可能にする(
図5Cの4−1BBコンストラクトと同様)。表43は、抗原Fc融合コンストラクトのcDNA及びアミノ酸配列を列挙する。
【0573】
表43:単量体ヒト及びカニクイザルCD19抗原Fc(kih)融合分子のcDNA及びアミノ酸配列
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【0574】
単量体抗原/Fc融合分子の生成のために、指数関数的に増殖する懸濁CHO細胞に、標準の方法を用いて、融合タンパク質の二つの成分(ノブ及びホール鎖)をコードする二つのプラスミドをコトランスフェクトした。
【0575】
分泌タンパク質を細胞培養物の上清から、プロテインAを用いるアフィニティークロマトグラフィーと、それに続くサイズ排除クロマトグラフィーにより精製した。アフィニティークロマトグラフィーのために、上清を、Sodium Phosphate(20mM)、Sodium Citrate(20mM)、0.5Mの塩化ナトリウムバッファー(pH7.5)で平衡化したMabSelect Sureカラム容積(CV)=5−15mL,GE Healthcareの樹脂)に充填した。未結合のタンパク質を、少なくとも6カラム容積の同じバッファーによる洗浄により除去した。結合したタンパク質を、直線勾配を用いて溶出した;工程1、0から60%の溶出バッファー(20mMのクエン酸ナトリウム、500mMの塩化ナトリウムバッファー(pH2.5))から10CV;工程2、60から100%の溶出バッファーから2CV。直線勾配のために、100%溶出バッファーによりさらに2カラム容積の段階溶出を適用した。
【0576】
収集された画分のpHを、1/40(v/v)の2MのTris(pH8.0)を加えることにより調節した。タンパク質を濃縮及び濾過した後、2mMのMOPS、150mMの塩化ナトリウム、0.02%(v/v)のアジ化ナトリウム溶液(pH7.4)で平衡化したHiLoad Superde×200カラム(GE Healthcare)に充填した。
【0577】
表44は、単量体ヒト及びカニクイザルCD19抗原Fc(kih)融合タンパク質の収率及び最終的な単量体含有率をまとめたものである。
【0578】
表44−単量体ヒト及びカニクイザルCD19抗原Fc(kih)融合タンパク質の生化学分析
[この文献は図面を表示できません]
【0579】
精製された抗原の一部を、製造者の指示に従ってBirAビオチン−タンパク質リガーゼ標準反応キット(結合活性、Cat.#BirA500)を用いて、インビトロでビオチン化した。ヒトCD19含有融合のビオチン化の度合いは94%であり、対応するカニクイザルCD19コンストラクトの同度合いは100%であった。次いで、ビオチン化したタンパク質を、脱アミドホットスポットN27d及びN28を欠く親和性成熟8B8由来のクローンの選択、スクリーニング及び特徴付けに使用した。
【0580】
7.1.2 抗CD19クローン8B8−018の生成
7.1.2.1 マウス抗ヒトCD19抗体(ハイブリドーマ)の免疫化及び生成
Balb/cマウスを6度免疫化し、CD19トランスフェクトHEK293細胞(ミーン受容体密度35000/細胞)で追加免疫した。免疫応答を、ヒトCD19トランスフェクトNIH−3T3細胞上において血清試料をCD19−細胞−ELISAで試験することによりモニターした。十分な力価の抗ヒトCD19抗体を有するマウス由来の脾臓細胞を使用して、マウス骨髄腫細胞株P3X63 Ag8.653との融合により不死化した。三度の融合を実施し、ハイブリドーマ上清を、ヒトCD19トランスフェクトNIH−3T3細胞上における細胞−ELISAと、抗ヒトCD19特異的抗体のための、Daudi(CD19+)及びCD19細胞を用いたFACS結合アッセイによりスクリーニングした(国際公開第2011/147834号の実施例1参照)。
【0581】
7.1.2.2 抗CD19抗体のハイブリドーマスクリーニング及び細胞生物的機能的評価
ヒトCD19に対して抗体をスクリーニングするための細胞−ELISA
細胞ELISAを、ハイブリドーマのスクリーニングのため、及びヒト−CD19に対して抗体を分泌するそれらのハイブリドーマを同定するために適用した。ヒト−CD19をトランスフェクトされたNIH3T3細胞を、陽性細胞として使用し;非トランスフェクトNIH3T3細胞をネガティブコントロール細胞として使用した。ポジティブハイブリドーマの評価のために、トランスフェクトNIH3T3細胞と非トランスフェクトNIH3T3細胞のOD比を定量化した。
・培地:DMEM高グルコース(4.5mg/ml)、10%FCS、Na−Pyruvate、NEAA、グルタミン
・抗体ポジティブコントロール:抗CD19モノクローナル抗体(IgG1)Pharmingen Cat#555409c=1mg/ml
・検出抗体:ヤギ抗マウスIgG(H+L)HRPコンジュゲートBio−Rad Cat#170−06516
・希釈物1:1xELISAブロッキング試薬中2000
・その他の試薬:Fibronectin Roche Cat#838039c=1mg/ml
・グルタルジアルデヒド:25%保存溶液//Grade Agar Scientific#R102最終濃度:PBS中0.05%
・ELISAブロッキング試薬:10x保存溶液//Roche Cat#1112589
・TMB基質:Roche Cat#11432559
・停止液:1M H2SO4
・BioRad Cat#170−6516希釈物1:1xELISAブロッキング試薬中2000
【0582】
1日目:
・フィブロネクチンコーティング:PBS中5μg/cm
2;96ウェルプレート= 32cm
2;6ml中160μg/プレート
・PBS、50μl/ウェル
・45分間RTでインキュベート、コーティング溶液を吸引
・96ウェルプレートの50μlの培地に1.25x104細胞/ウェルで播種
・40時間37℃でインキュベート
・プレートの上半分に付加:CD19を発現するNIH3T3細胞
・プレートの下半分に付加:非トランスフェクトNIH3T3細胞
【0583】
3日目:
・50μlの培地にポジティブコントロール抗体又は試料(上清又はマウス血清)の追加
・2時間4℃でインキュベート
・培地を除去、100μlのGlutardialdehyde(PBS中0.05%)で細胞を固定
・200μlのPBSで二度洗浄
・検出抗体の付加1:2000、50μl/ウェル
・2時間RTでインキュベート
・200μlのPBSで三度洗浄
・50μlのTMBを付加、30分間RTでインキュベート
・1MのH2SO4を25μl付加することにより停止;450nm/620nmにおける死滅の読み取り
・結果の計算:比OD NIH3T3 CD19:OD NIH3T3非トランスフェクト
【0584】
選択された抗体は、非トランスフェクトNIH3T3細胞と比較した場合に、CD19トランスフェクトNIH3T3細胞に対する特異的結合を示した(国際公開第2011/147834の実施例2)。
【0585】
7.1.2.3 抗CD19抗体のヒト化
マウス抗体のCD19結合特異性をヒトアクセプターフレームワーク上に移し、ヒトの身体が異物として認識するであろう、配列ストレッチから生じうる免疫原性の問題を排除した。これは、マウス(ドナー)抗体の相補性決定領域(CDR)全体を、ヒト(アクセプター)抗体フレームワーク上に移植することにより行われたもので、CDR移植又は抗体ヒト化と呼ばれる。
【0586】
マウスアミノ酸配列を、ヒト生殖細胞系抗体V遺伝子の集合と整列させ、配列同一性及び相同性に従ってソートした。一つの特定のアクセプター配列を選択する前に、ドナー抗体のいわゆる正準ループ構造を決定しなければならない(Morea, V., et al., Methods, Vol 20, Issue 3 (2000) 267-279)。これら正準ループ構造は、いわゆる正準位置に存在する残基の種類により決定される。これら位置は、CDR領域の(部分的に)外側にあり、親(ドナー)抗体のCDRコンホメーションを保持するために、最終的なコンストラクト内に機能的に等価に保たれなくてはならない。ヒト生殖細胞系配列VBASE_VH1_1を、重鎖のアクセプターとして選択し、配列VBASE_VK2_5を、軽鎖のアクセプターとして選択した。
【0587】
7.1.2.4 脱アミドホットスポットの除去
野生型ヒト化抗ヒトCD19抗体はHVR−L1に三つの脱アミドホットスポット:
NS
NG
NT(配列番号190)を有することが判明した。加えて、HVR−H2には、さらなる脱アミドホットスポット:KF
NG(配列番号191)が存在することが判明した。HVR−H2中の脱アミドホットスポットに対処するために、64位(Kabatによる番号付け)にN(Asn)からQ(Gln)の点突然変異を導入した。したがって、本明細書に報告される抗体は、アミノ酸配列TEKFQGRVTM(配列番号192)を含むHVR−H2を有している。
【0588】
軽鎖の脱アミドホットスポットに対処し、改善された脱アミド安定性を有するヒト化抗ヒトCD19抗体を得るため、Kabat位置27d、27e、28及び29のそれぞれに一つの突然変異と、位置27e及び28(Kabatによる番号付け)に二重変異とを導入した。野生型ヒト化抗体(var.0)の合計9の変異体(var.1からvar.9)が生成された(表45参照)。
【0589】
表45:ヒト化野生型CD19抗体の変異体
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【0590】
Kabatによる27e位においてS(セリン)からP(プロリン)への単一の突然変異により、HVR−L1内のすべての脱アミドホットスポットに対処できることが判明した。これは、脱アミド傾向のN(アスパラギン)残基の突然変異ではなく、隣接残基の突然変異である。
【0591】
したがって、本明細書に報告される抗体は、アミノ酸配列LENPNGNT(配列番号193)を含むHVR−L1を有している。一実施態様では、ヒト化抗ヒトCD19抗体は、アミノ酸配列LENPSGNT(配列番号194)を有するHVR−L1を含む。
【0592】
加えて、これら抗体は、以下の表46に示すように、カニクイザルCD19に対する交差反応性を維持している。
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【0593】
野生型ヒト化抗ヒトCD19抗体(var.0)は、精製後に約7.5%の脱アミドを示す。二週間pH7.4での貯蔵後、脱アミドされた抗体の量は、約18.5%まで増加している。S27eP突然変異(var.5)を有する変異型抗体は、精製後に約2%の脱アミド及び2%のスクシンイミド形成を示す。pH7.4で二週間の貯蔵中には、約7.5%の脱アミド抗体しか存在していない。Var.5は、クローン8B8−018と命名され、CD19標的化TNFファミリーリガンド三量体含有抗原結合分子の調製のために選ばれた。
【0594】
7.1.3 荷電残基を含む交差CH1−CLドメインを有する一価のCD19(8B8−018)標的化4−1BBリガンド(71−254)三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト3.1)の調製
(G4S)2リンカーにより分離された4−1BBリガンド(71−254)の二つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1−CLドメインに融合したポリペプチドを、
図29Aに示すように(ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒトCL)クローニングした。4−1BBリガンド(71−254)の一つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1−CHドメインに融合したポリペプチドを、
図29Bに示すように(ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒトCH)クローニングした。
【0595】
ヒトCLドメインに融合した二量体4−1BBリガンドをコードするポリペプチドを、ノブ上のヒトIgG1重鎖CH2及びCH3ドメインとインフレームでサブクローニングした(Merchant, Zhu et al. 1998)。正確な対合を向上させるために、以下の突然変異が交差CH−CLに導入された。ヒトCLに融合した二量体4−1BBリガンド内において、E123R及びQ124K。ヒトCH1に融合した単量体4−1BBリガンド内において、K147E及びK213E。
【0596】
CD19に特異的なバインダーをコードする重鎖及び軽鎖DNA配列の可変領域(クローン8B8−018)を、ホールの定常重鎖又はヒトIgG1の定常軽鎖とインフレームでサブクローニングした。Fcガンマ受容体への結合を抑止するために、国際公開第2012/130831号に記載される方法に従って、Pro329Gly、Leu234Ala及びLeu235Ala突然変異をノブ及びホール重鎖の定常領域に導入された。
【0597】
S354C/T366W突然変異を含む二量体リガンド−Fcノブ鎖、単量体CH1融合体、Y349C/T366S/L368A/Y407V突然変異を含む標的化抗CD19−Fcホール鎖、及び抗CD19軽鎖の組み合わせが、構築された三量体4−1BBリガンド及びCD19結合Fabを含むヘテロ二量体の生成を可能にする(
図30、コンストラクト3.1)。
【0598】
表47は、交差CH−CL及び荷電残基を含む、一価のCD19(8B8−018)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−254)Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト3.1)のcDNA及びアミノ酸配列を示す。
【0599】
表47:荷電残基を含むCH−CLクロスを含む、一価のCD19(8B8−018)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−254)Fc(kih)融合体(コンストラクト3.1)のcDNA及びアミノ酸配列。*荷電残基
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【0600】
7.1.4 荷電残基のない交差CH1−CLドメインを有する一価のCD19(8B8−018)標的化4−1BBリガンド(71−254)三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト3.2)の調製
(G4S)2リンカーにより分離された4−1BBリガンド(71−254)の二つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1−CLドメインに融合したポリペプチドを、
図29Aに示すものと同様に、但しCLドメインにおけるアミノ酸突然変異なしで(ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒトCL)、クローニングした。4−1BBリガンド(71−254)の一つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1−CH1ドメインに融合したポリペプチドを、図(29B)に示すものと同様に、但しCH1ドメインにおけるアミノ酸突然変異なしで(ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒトCH1)、クローニングした。
【0601】
CD19に特異的なバインダーをコードする重鎖及び軽鎖DNA配列の可変領域(クローン8B8−018)を、ホールの定常重鎖又はヒトIgG1の定常軽鎖とインフレームでサブクローニングした。
【0602】
Fcガンマ受容体への結合を抑止するために、国際公開第2012/130831号に記載される方法に従って、Pro329Gly、Leu234Ala及びLeu235Ala突然変異をノブ及びホール重鎖の定常領域に導入された。S354C/T366W突然変異を含む二量体リガンド−Fcノブ鎖、単量体CH1融合体、Y349C/T366S/L368A/Y407V突然変異を含む標的化抗CD19−Fcホール鎖、及び抗CD19軽鎖の組み合わせが、構築された三量体4−1BBリガンド及びCD19結合Fabを含むヘテロ二量体の生成を可能にする(
図30、コンストラクト3.2)。
【0603】
表48は、荷電残基のない交差CH−CLクロスを含む、一価のCD19(8B8−018)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−254)Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト3.2)のcDNA及びアミノ酸配列を示す。
【0604】
表48:荷電残基のないCH−CLクロスを含む、一価のCD19(8B8−018)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−254)Fc(kih)融合体(コンストラクト3.2)のcDNA及びアミノ酸配列。
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【0605】
7.1.5 二価のCD19(8B8−018)標的化4−1BBリガンド(71−254)三量体含有Fc(kih)融合抗原結合(コンストラクト3.3)の調製
(G4S)2リンカーにより分離された4−1BBリガンド(71−254)の二つのエクトドメインを含むポリペプチドを、
図29Cに示すように(ヒトIgG1 Fcホール、(G4S)2コネクター、ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒト4−1BBリガンド)、ヒトIgG1 Fcホール鎖のC末端に融合させた。
図29Dに記載のように(ヒトIgG1 Fcノブ、(G4S)2コネクター、ヒト4−1BBリガンド)、4−1BBリガンド(71−254)の一つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1 Fcノブ鎖のC末端に融合したポリペプチド。
【0606】
CD19に特異的なバインダーをコードする重鎖及び軽鎖DNA配列の可変領域(クローン8B8−018)を、ホールの定常重鎖又はヒトIgG1のノブ又は定常軽鎖とインフレームでサブクローニングした。Fcガンマ受容体への結合を抑止するために、国際公開第2012/130831号に記載される方法に従って、Pro329Gly、Leu234Ala及びLeu235Ala突然変異をノブ及びホール重鎖の定常領域に導入された。Y349C/T366S/L368A/Y407V突然変異を含む抗CD19 huIgG1ホール二量体リガンド鎖、S354C/T366W突然変異を含む抗CD19 huIgG1ノブ単量体リガンド鎖、及び抗CD19軽鎖の組み合わせが、構築された三量体4−1BBリガンド及び二つのCD19結合Fabを含むヘテロ二量体の生成を可能にする(
図30、コンストラクト3.3)。
【0607】
表49は、二価のCD19(8B8−018)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−254)Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト3.3)のcDNA及びアミノ酸配列を示す。
【0608】
表49:二価のCD19(8B8−018)標的化分裂三量体4−1BBリガンドFc(kih)PGLALA融合体(コンストラクト3.3)の塩基対配列
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【0609】
7.1.6 荷電残基を含む交差CH1−CLドメインを有する一価のCD19(8B8−018)標的化4−1BBリガンド(71−248)三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト3.4)の調製
(G4S)2リンカーにより分離された4−1BBリガンド(71−248)の二つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1−CLドメインに融合したポリペプチドを、
図29Aに示すものと同様に(ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒトCL)クローニングした。4−1BBリガンド(71−248)の一つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1−CHドメインに融合したポリペプチドを、
図29Bに示すものと同様に(ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒトCH)クローニングした。
【0610】
ヒトCLドメインに融合した二量体4−1BBリガンドをコードするポリペプチドを、ノブ上のヒトIgG1重鎖CH2及びCH3ドメインとインフレームでサブクローニングした(Merchant, Zhu et al. 1998)。正確な対合を向上させるために、以下の突然変異が交差CH−CLに導入された。ヒトCLに融合した二量体4−1BBリガンド内において、E123R及びQ124K。ヒトCH1に融合した単量体4−1BBリガンド内において、K147E及びK213E。
【0611】
CD19に特異的なバインダーをコードする重鎖及び軽鎖DNA配列の可変領域(クローン8B8−018)を、ホールの定常重鎖又はヒトIgG1の定常軽鎖とインフレームでサブクローニングした。国際公開第2012/130831号に記載される方法に従ってFCガンマ受容体に対する結合を抑止するために、Pro329Gly、Leu234Ala及びLeu235Alaの突然変異がノブ及びホール重鎖の定常領域に導入された。S354C/T366W突然変異を含む二量体リガンド−Fcノブ鎖、単量体CH1融合体、Y349C/T366S/L368A/Y407V突然変異を含む標的化抗CD19−Fcホール鎖、及び抗CD19軽鎖の組み合わせが、構築された三量体4−1BBリガンド及びCD19結合Fabを含むヘテロ二量体の生成を可能にする(
図30、コンストラクト3.4)。
【0612】
表50は、交差CH−CL及び荷電残基を含む、一価のCD19(8B8−018)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−248)Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト3.4)のcDNA及びアミノ酸配列を示す。
【0613】
表50:荷電残基を含むCH−CLクロスを含む、一価のCD19(8B8−018)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−248)Fc(kih)融合体(コンストラクト3.4)のcDNA及びアミノ酸配列。*荷電残基
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【0614】
7.1.7 荷電残基のない交差CH1−CLドメインを有する一価のCD19(8B8−018)標的化4−1BBリガンド(71−248)三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト3.5)の調製
(G4S)2リンカーにより分離された4−1BBリガンド(71−248)の二つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1−CLドメインに融合したポリペプチドを、
図29Aに示すものと同様に、但しCDドメインにおけるアミノ酸突然変異なしで(ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒトCL)クローニングした。4−1BBリガンド(71−248)の一つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1−CH1ドメインに融合したポリペプチドを、図(29B)に示すものと同様に、但しCH1ドメインにおけるアミノ酸突然変異なしで(ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒトCH1)クローニングした。
【0615】
CD19に特異的なバインダーをコードする重鎖及び軽鎖DNA配列の可変領域(クローン8B8−018)を、ホールの定常重鎖又はヒトIgG1の定常軽鎖とインフレームでサブクローニングした。Fcガンマ受容体への結合を抑止するために、国際公開第2012/130831号に記載される方法に従って、Pro329Gly、Leu234Ala及びLeu235Ala突然変異をノブ及びホール重鎖の定常領域に導入された。S354C/T366W突然変異を含む二量体リガンド−Fcノブ鎖、単量体CH1融合体、Y349C/T366S/L368A/Y407V突然変異を含む標的化抗CD19−Fcホール鎖、及び抗CD19軽鎖の組み合わせが、構築された三量体4−1BBリガンド及びCD19結合Fabを含むヘテロ二量体の生成を可能にする(
図30、コンストラクト3.5)。
【0616】
表51は、荷電残基のない交差CH−CLクロスを含む、一価のCD19(8B8−018)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−248)Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト3.5)のcDNA及びアミノ酸配列を示す。
【0617】
表51:荷電残基のないCH−CLクロスを含む、一価のCD19(8B8−018)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−248)Fc(kih)融合体(コンストラクト3.5)のcDNA及びアミノ酸配列。
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【0618】
7.1.8 二価のCD19(8B8−018)標的化4−1BBリガンド(71−248)三量体含有Fc(kih)融合抗原結合(コンストラクト3.6)の調製
(G4S)2リンカーにより分離された4−1BBリガンド(71−248)の二つのエクトドメインを含むポリペプチドを、
図29Cに示すように(ヒトIgG1 Fcホール、(G4S)2コネクター、ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒト4−1BBリガンド)、ヒトIgG1 Fcホール鎖のC末端に融合させた。
図29Dに記載のように(ヒトIgG1 Fcノブ、(G4S)2コネクター、ヒト4−1BBリガンド)、4−1BBリガンド(71−254)の一つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1 Fcノブ鎖のC末端に融合したポリペプチド。
【0619】
CD19に特異的なバインダーをコードする重鎖及び軽鎖DNA配列の可変領域(クローン8B8−018)を、ヒトIgG1の定常軽鎖、ノブ又はホールの定常重鎖とインフレームでサブクローニングした。Fcガンマ受容体への結合を抑止するために、国際公開第2012/130831号に記載される方法に従って、Pro329Gly、Leu234Ala及びLeu235Ala突然変異をノブ及びホール重鎖の定常領域に導入された。Y349C/T366S/L368A/Y407V突然変異を含む抗CD19 huIgG1ホール二量体リガンド鎖、S354C/T366W突然変異を含む抗CD19 huIgG1ノブ単量体リガンド鎖、及び抗CD19軽鎖の組み合わせが、構築された三量体4−1BBリガンド及び二つのCD19結合Fabを含むヘテロ二量体の生成を可能にする(
図30、コンストラクト3.6)。
【0620】
表52は、二価のCD19(8B8−018)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−248)Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト3.6)のcDNA及びアミノ酸配列を示す。
【0621】
表52:二価のCD19(8B8−018)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−248)Fc(kih)融合体(コンストラクト3.6)のcDNA及びアミノ酸配列。
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【0622】
7.2 CD19(8B8由来親和性成熟)標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子及び対応するコントロール分子の調製
7.2.1 ホットスポットのない8B8由来親和性成熟抗CD19バインダーの生成
7.2.1.1 親和性成熟CD19特異的抗体の選択
ヒト化クローン8B8の軽鎖のCDR1に位置する27d位及び28位におけるアスパラギン残基の脱アミド化は、生物活性を有意に低下させる。したがって、改善された親和性を有する8B8変異体について選択するために、a)27d位及び28位両方のアスパラギン残基が削除され、b)重鎖及び軽鎖の追加のCDRが無作為化された、2つのファージディスプレイライブラリが生成された。
【0623】
7.2.1.2 LCDR1ホットスポットのない8B8親和性成熟ライブラリの生成
LCDR1に位置する、脱アミド部位N27d及びN28のない親和性成熟8B8由来抗体の生成を、標準のプロトコールを用いるファージディスプレイにより実施した(Silacci et al, 2005)。第1の工程において、ヒト化親クローン8B8のVL及びVH DNA配列(配列番号215及び配列番号216)を、本発明のファージミド中にクローニングし、次いでこれを無作為化のテンプレートとして使用した。次の工程では、ファージディスプレイにより好ましいクローンの選択のために二つのライブラリを生成した。上記ホットスポットの位置を除去するために、27d位及び28位にアミノ酸S T Q Eのみを可能にするLCDR1無作為化プライマー(配列番号217)を両ライブラリに使用した。突然変異のライブラリ1を、軽鎖及び重鎖両方のCDR1及び2において無作為化し、突然変異ライブラリ2を、軽鎖のCDR1及び3及び重鎖のCDR3において無作為化した。それぞれのCDR領域における無作為化位置を
図31Aに示す。軽鎖及び重鎖両方のCDR1及び2において無作為化された、突然変異ライブラリ1の生成のために、三つの断片を、「重複伸展によるスプライシング」(SOE)PCRにより構築し、ファージベクター中にクローニングした(
図31B)。以下のプライマーの組み合わせが、ライブラリの断片を生成するために使用された:断片1(LMB3(配列番号222)及びCD19L1リバースランダム(配列番号217)、断片2(CD19L2フォワードランダム(表中「順ランダム」)(配列番号218)及びCD19H1リバースランダム(表中「逆ランダム」)(配列番号219)、及び断片3(CD19H2フォワードランダム(配列番号220)及びCD19H3逆定常(配列番号221)(表53)。十分な量の完全長無作為化断片の構築後、同じ処理を施したアクセプターファージミドベクターと共にNcoI/NheIで消化させた。3倍過剰モルのライブラリ挿入物を、10μgのファージミドベクターでライゲートした。精製したライゲーションを、20の形質転換体に使用し、2×10のexp9形質転換体を得た。8B8親和性成熟ライブラリを示すファージミド粒子を救済し、PEG/NaCl精製により精製し、選択に使用した。
【0624】
軽鎖のCDR1及び3と重鎖のCDR3において無作為化された第2のライブラリの生成を、同様に実施した。以下のプライマーの組み合わせが、ライブラリの断片を生成するために使用された:断片1(LMB3(配列番号222)及びCD19L1リバースランダム(配列番号217)、断片2(CD19L1順定常(配列番号223)及びCD19L3リバースランダム(配列番号224)、及び断片3(CD19L3順定常(配列番号225)及びCD19H3リバースランダム(配列番号226)(表54)。十分な量の完全長無作為化断片の構築後、同じ処理を施したアクセプターファージミドベクターと共にNcoI/KpnIで消化させた。3倍過剰モルのライブラリ挿入物を、20μgのファージミドベクターでライゲートした。精製したライゲーションを、40の形質転換体に使用し、2×10のexp9形質転換体を得た。8B8親和性成熟ライブラリを示すファージミド粒子を救済し、PEG/NaCl精製により精製し、選択に使用した。
【0625】
表53:8B8親和性成熟のプライマー及びホットスポット除去ライブラリL1_L2/H1_H2
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【0626】
表54:8B8親和性成熟のプライマー及びホットスポット除去ライブラリL1_L3/H3
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【0627】
7.2.1.3 LCDR1ホットスポットN27d及びN28を持たない親和性成熟8B8由来クローンの選択
LCDR1ホットスポットN27d及びN28を持たない親和性成熟クローンの選択のために、ファージディスプレイによる二つの選択手法を実施した。
【0628】
第1の手法では、選択は、両方のファージディスプレイライブラリを用いてヒトCD19−Fc融合タンパク質において実施された。以下のパターンに従って、溶液中においてパニングラウンドを実施した。1.〜10
12個のファージミド粒子を、30nMのビオチン化CD19−Fcタンパク質に、0.5時間1mlの総体積において結合させ、2.ビオチン化CD19−Fcタンパク質及び特異的に結合したファージ粒子を、5.4×10
7個のストレプトアビジン被覆磁気ビーズを10分間加えることにより捕捉し、3.ビーズを、5×1mlのPBS/Tween−20及び5×1mlのPBSを用いて洗浄し、4.ファージ粒子を、1mlの100mM TEAを加えることにより10分間溶出し、500μlの1M Tris/HCl(pH7.4)を加えることにより中和させ、5.指数関数的に増殖する大腸菌TG1細菌を再感染させ、6.ヘルパーファージVCSM13で感染させた後、ファージミド粒子をPEG/NaCl沈降させて次の選択ラウンドに使用する。選択は、抗原濃度を低下させながら(30x10
−9M、10x10
−9M、及び3x10
−9M)、3ラウンドにわたって実施した。2及び3ラウンド目では、ストレプトアビジンビーズの代わりにニュートラアビジンプレートを用いて抗原:ファージ複合体の捕捉を行った。ニュートラアビジンプレートを、5×PBS/Tween20及び5×PBSで洗浄した。ラウンド3では、ファージをプレートから溶出する前に、ニュートラアビジンプレートを一晩2リットルのPBS中においてインキュベートし、「オフレート」選択した。さらに、交差反応性バインダーを濃縮するために、カニクイザルCD19−Fcタンパク質をラウンド2に使用した。
【0629】
第2の選択法において、ファージパニングを、細胞表面上にヒト又はカニクイザルCD19 ECDを一過性に発現する細胞上で実施した。HEK細胞の一過性のトランスフェクションのために、以下のタンパク質部分のDNA配列(5’から3’末端)を担持する発現プラスミドを生成した:Flagタグ、SNAPタグ、ヒト又はカニクイザル起源のCD19 ECD、及び血小板由来成長因子受容体(PDGFR)(配列番号227及び228)の膜貫通領域。細胞表面上における反応性タンパク質(配列番号229及び230)の発現を、検出用の抗Flag抗体を用いるフローサイトメトリーにより確認した。両方のライブラリを、第1の選択ラウンドにおいて、ヒト又はカニクイザルCD19 ECD含有タンパク質融合体を発現する細胞に対して曝露した。続くパニングラウンドのために、CD19 ECDの種をそれに応じて交換した。不適切な膜タンパク質で一過性にトランスフェクトされた細胞を、事前クリアリングに使用した。
【0630】
以下のパターンに従ってパニングラウンドを実施した:
1.先述の標準手順による、CD19 ECD又は不適切な膜貫通タンパク質を発現するコンストラクトを用いたHEK細胞のトランスフェクション、
2.5% CO
2雰囲気を用いるインキュベーター内での37℃で合計48時間にわたる細胞のインキュベーション、3.遠心分離(250×gで3分)よる細胞の単離、及びPBS/5% BSA中での、それぞれ1×10E7のCD19 ECD陽性細胞及び1×10E7の陰性細胞の再懸濁、
3.ゆっくりと回転する管回転装置を用いて1×107のCD19陰性細胞を含むファージライブラリを60分間4℃でインキュベートすることによる非特異的ファージの事前クリアリング、
4.250×gで3分間の細胞の遠心分離及び新規管への上清の輸送及び1×10E7のCD19陽性細胞の付加及び管回転装置での低速回転による60分間4℃でのインキュベーション、
5.1分間250×gでの遠心分離による細胞の洗浄、上清の吸引、及び1mlのPBS中への再懸濁(8回)、
6.100mMのTEAを1mlを用いるファージ溶出、5分間RTでのインキュベーション、及び1MのTris−HCl(pH7.6)を500ul用いる溶出液の中和、
7.指数関数的に増殖する大腸菌TG1細菌の再感染、並びに
8.ヘルパーファージVCSM13による感染及びそれに続く、その後の選択ラウンドに使用されるファージミド粒子のPEG/NaCl沈殿。選択は3ラウンドにわたって実施された。
【0631】
両方の選択法のために、特異的バインダーをELISAにより以下のようにして同定した:1ウェルあたり100ulの30nMビオチン化CD19−Fcタンパク質を、ニュートラアビジンプレートにコーティングした。Fab含有細菌の上清を加え、抗Flag/HRP二次抗体を用いて、結合するFabをそれらのFlagタグにより検出した。
【0632】
組み換えヒトCD19上においてELISA陽性であるクローンを、ヒトCD19ECD含有発現プラスミド(配列番号227)が一過性にトランスフェクトされた細胞を用いる細胞ベースELISAにおいてさらに試験した。この分析は以下のように実施された:トランスフェクションの48時間後、HEK細胞を採取し、250xgで5分間遠心分離した。次いで細胞を、氷冷のPBS BSA 2%において4x10
6細胞/mlに再懸濁し、20分間氷上でインキュベートし、非特異的結合部位をブロックした。100ul中、4×0
5個の細胞を、96ウェルプレートの各ウェルに分配し、250xg及び4℃で3分間遠心分離した。上清を、吸引し、可溶型Fab断片を含む50ulの細菌上清を、50ulの氷冷PBS/BSA 2%で希釈し、プレートに加え、細胞と混合して1時間4℃でインキュベートした。その後、細胞を3℃の氷冷PBSで洗浄してから、1:2000希釈の抗Fab−HRP抗体を含む1ウェル当たり100ulのPBS BSA 2%を加えた。1時間のインキュベーション時間の後、細胞を、再び氷冷のPBSで3度洗浄した。発生のために、1ウェル当たり100ulの「1工程超TMB−ELISA」基質を加えた。10分間のインキュベーション時間の後、上清を、1ウェル当たり40ulのH
2SO4 1Mを含む新規の96ウェルプレートに移し、吸光度を450nMで測定した。背景上に有意なシグナルを呈するクローンを、ProteOn XPR36を用いるSPR分析により動態スクリーニング実験に供した。
【0633】
7.2.1.4 SPRによる親和性成熟8B8由来変異体の同定
さらにELISA陽性クローンの特徴を明らかにするために、オフレートを表面プラズモン共鳴により測定し、親ヒト化クローン8B8と比較した。
【0634】
この実験のために、7000RUのポリクローナル抗ヒトFab抗体を、GLMチップの6チャネルすべてにアミド結合(NaAcetate(pH4.5)、25μl/分、240s)(垂直配向)により固定化した。各抗体含有細菌上清を、濾過し、PBSで2倍に希釈し、次いで360秒間25μl/分で注入し、垂直配向において100から400反応単位(RU)の固定化レベルを達成した。単量体CD19−Fcの注入:ワンショットの反応速度論的な測定のために、注入方向を水平配向に変更し、三倍の希釈系列の精製された単量体CD19−Fc(150から6nMの間で変動する濃度)を、結合時間180秒及び解離時間300秒で、別々のチャネル1−4に50μl/分で同時注入した。ヒトIgG Fc断片(150nM)をチャネル5にネガティブコントロールとして注入し、単量体CD19−Fcに特異的に結合させた。バッファー(PBST)を六番目のチャネルに注入し、参照用の「インライン」ブランクを提供した。30秒間90ul/分(水平配向)で10mMのグリシン(pH1.5)及び50mMのNaOHの二つのパルスにより再生成を実施した。解離速度定数(k
off)を、センサーグラムを同時にフィッティングすることにより、ProteOn Manager v3.1ソフトウェアで、単純な1対1ラングミュア結合モデルを用いて計算した。最も遅い解離速度定数でFabを発現するクローンを同定した(表55)。ここで、クローン5A07及び5B08の解離速度定数は、不十分なフィッティングにより決定することができなかった。それでも、得られた結果が極めて遅い解離を示したため、両方のクローンが選択された。対応するファージミドの可変ドメインを配列決定した。重要なのは、LCDR1の両方のアスパラギン残基(27d位及び28位)が、セリン又はスレオニンで置き換えられたことであり、これにより両方の脱アミド部位が除去されたことが示された。配列比較を
図32に示す。最良のクローンのCDRを表56(軽鎖の可変領域)及び表57(重鎖の可変領域)に示す(クローン5H09:(配列番号231−236);クローン7H07:(配列番号237−242);クローン2B03:(配列番号243−248);クローン2B11:(配列番号249−254);クローン5A07:(配列番号255−260);クローン5B08:(配列番号261−266);クローン5D08:(配列番号267−272)。
【0635】
表55:細菌上清によるふるい分析法において得られた選択されたクローンの解離定数
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【0636】
表56:選択された8B8軽鎖のCDR配列
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【0637】
表57:選択された8B8重鎖のCDR配列
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【0638】
7.2.2 親和性成熟8B8由来抗体の特徴付け
7.2.2.1 可変抗体ドメインの発現ベクター中へのクローニング
選択された抗CD19バインダーの重鎖及び軽鎖のDNA配列の可変領域を、ヒトIgG1の定常重鎖又は定常軽鎖とインフレームでサブクローニングした。重鎖において、国際公開第2012/130831号に記載された方法により、Fcガンマ受容体に対する結合を抑止するためにPro329Gly、Leu234Ala及びLeu235Ala突然変異を導入した。
【0639】
抗CD19 IgGのcDNA及びアミノ酸配列を、表58及び表59にそれぞれ示す。すべての抗体コード化配列を、発現ベクター中にクローニングした。これは、キメラMPSVプロモーターによる挿入物の転写を誘導するものであり、CDSの3’末端に位置する合成polyAシグナル配列を含む。加えて、このベクターは、プラスミドのエピソーム維持のためのEBV OriP配列を含む。
【0640】
表58:P329GLALAヒトIgG1フォーマットにおける抗CD19クローン8B8のcDNA及びアミノ酸配列
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【0641】
表59:P329GLALAヒトIgG1フォーマットにおける親和性成熟抗CD19クローンのcDNA及びアミノ酸配列
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【0642】
7.2.2.2 SPRによる選択された抗体の親和性の決定
SPRによる親和性の正確な決定のために、選択された抗CD19抗体を、ポリエチレンイミンを用いて、HEK293−EBNA細胞に哺乳動物の発現ベクターをコトランスフェクトすることにより生成した。細胞に、標準の手続きにより、対応する発現ベクターを1:1の比(「ベクター重鎖」:「ベクター軽鎖」)でトランスフェクトした。トランスフェクションの7日後、上清の抗体価を測定し、すべての力価を10μg/mlに平衡化した。
【0643】
親抗体8B8の親和性(K
D)とその誘導体を、ProteOn XPR36機器(Biorad)を用いて25℃でSPRにより測定した。7000RUのポリクローナル抗ヒトFab抗体を、アミン結合(NaAcetate(pH4.5)、25ul/分、240秒)(垂直配向)により、GLMチップの6チャネルすべてに固定化した。各抗体含有HEK上清を、濾過し、PBST(10mMのホスフェート、150mMの塩化ナトリウム(pH7.4)、0.005%のTween20)を用いて10ug/mlの濃度に希釈し、次いで360秒間25μl/分で注入し、垂直配向において500から800反応単位(RU)の固定化レベルを達成した。単量体CD19−Fcの注入:ワンショットの反応速度論的な測定のために、注入方向を水平配向に変更し、三倍希釈系列の精製された単量体CD19−Fc(150から6nMの範囲で変化する濃度)を、結合時間180秒、及び解離時間300秒で、50μl/分で別々のチャネル1−4に同時に注入した。ヒトIgG Fc断片(150nM)を、ネガティブコントロールとしてチャネル5に注入し、単量体CD19−Fcに特異的に結合させた。バッファー(PBST)を、六番目のチャネルに注入し、参照用の「インライン」ブランクを提供した。それぞれのセンサーグラムの概要を
図33に示す。30秒間90ul/分(垂直配向)で10mMのグリシン(pH1.5)及び50mMのNaOHの二つのパルスにより再生成を実施した。結合速度定数(k
on)及び解離速度定数(k
off)を、ProteOn Manager v3.1ソフトウェアにおいて単純な1対1ラングミュア結合モデルを用いて、結合及び解離センサーグラムを同時にフィッティングすることにより計算した。平衡解離定数(K
D)はk
off/k
on比として算出した。速度論的及び熱力学的データのまとめを表60に示す。すべての親和性成熟クローンの解離定数が、それらの親クローン8B8と比較して向上していた。
【0644】
表60:抗CD19 huIgG1とヒトCD19の相互作用に関する速度論的及び熱力学的データのまとめ
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【0645】
7.2.2.3 抗CD19 IgG1P329G LALAの調製及び精製
選択された抗CD19抗体を、ポリエチレンイミンを用いて、HEK293−EBNA細胞に哺乳動物の発現ベクターをコトランスフェクトすることにより精製した。細胞に、対応する発現ベクターを1:1の比(「ベクター重鎖」:「ベクター軽鎖」)でトランスフェクトした。
【0646】
500mLの振盪フラスコ内での生成のために、4億個のHEK293 EBNA細胞をトランスフェクションの24時間前に播種した。トランスフェクションの前に、細胞を5分間210×gで遠心分離し、上清を、予め温めたCD CHO培地により置き換えた。発現ベクター(200μgの全DNA)を20mLのCD CHO培地に混合した。540μLのPEIを加えた後、溶液を15秒間ボルテックスし、室温で10分間インキュベートした。その後細胞を、DNA/PEI溶液と混合し、500mlの振盪フラスコに移し、5%CO2雰囲気のインキュベーター内において37℃で3時間インキュベートした。インキュベート後、160mlのF17培地を加え、細胞を24時間培養した。トランスフェクションの一日後、1mMのバルプロ酸及びサプリメントを含む7%のFeedを加えた。7日間の培養後、上清を、15分間210×gで遠心分離することにより収集した。溶液を滅菌濾過し(0.22μmのフィルター)、最終濃度0.01%(w/v)となるようにアジ化ナトリウムを補い、4℃に維持した。
【0647】
細胞培養物上清由来の抗体分子の精製を、抗原Fc融合体の精製について上述したように、プロテインAを用いるアフィニティークロマトグラフィーにより実施した。タンパク質を濃縮及び濾過した後、20mMのヒスチジン、140mMのNaCl溶液(pH6.0)で平衡化したHiLoad Superde×200カラム(GE Healthcare)に充填した。
【0648】
精製された抗体のタンパク質濃度を、アミノ酸配列に基づいて計算されたモル吸光係数を用いて、280nmにおけるODを測定することにより決定した。抗体の純度及び分子量を、還元剤(Invitrogen、USA)の存在下及び非存在下において、LabChipGXII(Caliper)を用いるCE−SDSにより分析した。抗体試料の凝集物含有量を、25mMのK
2HPO
4、125mMのNaCl、200mMのL−アルギニン一塩酸塩、0.02%(w/v)のNaN
3、pH6.7、25℃のランニングバッファー中において平衡化したTSKgel G3000 SW XL分析的サイズ除外カラム(Tosoh)を用いて分析した。
【0649】
表61:抗CD19P329G LALA IgG1クローンの生化学分析
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【0650】
二重特異性コンストラクトの調製のために、三つの脱アミドホットスポットを欠くという理由でクローン2B11が選択された。
【0651】
ヒト4−1BBリガンドのエクトドメイン(アミノ酸71−254、及び71−248)のDNA配列コード化部分を、UniprotデータベースのP41273配列に従って合成した。
【0652】
7.2.3 荷電残基を含む交差CH1−CLドメインを有する一価のCD19(8B8−2B11)標的化4−1BBリガンド(71−254)三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト4.1)の調製
コンストラクト4.1を、コンストラクト3.1について記載したように(
図30)、但しCD19に特異的なバインダーをコードする重鎖及び軽鎖DNA配列の可変領域(クローン8B8−2B11)を用いて調製した。
【0653】
表62は、交差CH−CL及び荷電残基を含む、一価のCD19(8B8−2B11)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−254)Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト4.1)のcDNA及びアミノ酸配列を示す。
【0654】
表62:荷電残基を含むCH−CL交差を含む、一価のCD19(8B8−2B11)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−254)Fc(kih)融合体(コンストラクト4.1)のcDNA及びアミノ酸配列を示す。*荷電残基
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【0655】
7.2.4 荷電残基のない交差CH1−CLドメインを有する一価のCD19(8B8−2B11)標的化4−1BBリガンド(71−254)三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト4.2)の調製
コンストラクト4.2を、コンストラクト3.2について記載したように(
図30)、但しCD19に特異的なバインダーをコードする重鎖及び軽鎖DNA配列の可変領域(クローン8B8−2B11)を用いて調製した。
【0656】
表63は、荷電残基のない交差CH−CLクロスを含む、一価のCD19(8B8−2B11)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−254)Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト4.2)のcDNA及びアミノ酸配列を示す。
【0657】
表63:荷電残基のないCH−CLクロスを含む、一価のCD19(8B8−2B11)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−254)Fc(kih)融合体(コンストラクト4.2)のcDNA及びアミノ酸配列。
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【0658】
7.2.5 二価のCD19(8B8−2B11)標的化4−1BBリガンド(71−254)三量体含有Fc(kih)融合抗原結合(コンストラクト4.3)の調製
コンストラクト4.3を、コンストラクト3.3について記載したように(
図30)、但しCD19に特異的なバインダーをコードする重鎖及び軽鎖DNA配列の可変領域(クローン8B8−2B11)を用いて調製した。
【0659】
表64は、二価のCD19(8B8−2B11)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−254)Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト4.3)のcDNA及びアミノ酸配列を示す。
【0660】
表64:二価のCD19(8B8−2B11)標的化分裂三量体4−1BBリガンドFc(kih)PGLALA融合体(コンストラクト4.3)のcDNA及びアミノ酸配列
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【0661】
7.2.6 荷電残基を含む交差CH1−CLドメインを有する一価のCD19(8B8−2B11)標的化4−1BBリガンド(71−248)三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト4.4)の調製
コンストラクト4.4を、コンストラクト3.4について記載したように(
図30)、但しCD19に特異的なバインダーをコードする重鎖及び軽鎖DNA配列の可変領域(クローン8B8−2B11)を用いて調製した。
【0662】
表65は、交差CH−CL及び荷電残基を含む、一価のCD19(8B8−2B11)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−248)Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト4.4)のcDNA及びアミノ酸配列を示す。
【0663】
表65:荷電残基を含むCH−CLクロスを含む、一価のCD19(8B8−2B11)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−248)Fc(kih)融合体(コンストラクト4.4)のcDNA及びアミノ酸配列。*荷電残基
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【0664】
7.2.7 荷電残基のない交差CH1−CLドメインを有する一価のCD19(8B8−2B11)標的化4−1BBリガンド(71−248)三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト4.5)の調製
コンストラクト4.5を、コンストラクト3.5について記載したように(
図30)、但しCD19に特異的なバインダーをコードする重鎖及び軽鎖DNA配列の可変領域(クローン8B8−2B11)を用いて調製した。
【0665】
表66は、荷電残基のない交差CH−CLクロスを含む、一価のCD19(8B8−2B11)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−248)Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト4.5)のcDNA及びアミノ酸配列を示す。
【0666】
表66:荷電残基のないCH−CLクロスを含む、一価のCD19(8B8−2B11)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−248)Fc(kih)融合体(コンストラクト4.5)のcDNA及びアミノ酸配列。
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【0667】
7.2.8 二価のCD19(8B8−2B11)標的化4−1BBリガンド(71−248)三量体含有Fc(kih)融合抗原結合(コンストラクト4.6)の調製
コンストラクト4.6を、コンストラクト3.6について記載したように(
図30)、但しCD19に特異的なバインダーをコードする重鎖及び軽鎖DNA配列の可変領域(クローン8B8−2B11)を用いて調製した。
【0668】
表67は、二価のCD19(8B8−2B11)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−248)Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト3.6)のcDNA及びアミノ酸配列を示す。
【0669】
表67:二価のCD19(8B8−2B11)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−248)Fc(kih)融合体(コンストラクト4.6)のcDNA及びアミノ酸配列
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【0670】
7.3 コントロール分子としての非標的化分裂三量体4−1BBリガンドFc融合体及びヒトIgGの調製
7.3.1 非標的化ヒト4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子(コントロール分子)の調製
これらコントロール分子は、CD19標的化コンストラクト3.1(コントロールBと呼ぶ)、3.3(コントロールCと呼ぶ)、3.4(コントロールDと呼ぶ)及び3.5(コントロールEと呼ぶ)について上述したように調製し、但し唯一の相違点として、抗CD19バインダー(VH−VL)を、抗原に結合しない生殖系列コントロール(DP47と呼ぶ)により置き換えた(
図30参照)。
【0671】
表68は、荷電残基のある交差CH−CLを含む一価のDP47非標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−254)Fc(kih)融合体(コントロールB)のcDNA及びアミノ酸配列のそれぞれを示す。
【0672】
表69は、二価のDP47非標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−254)Fc(kih)融合体(コントロールC)のcDNA及びアミノ酸配列のそれぞれを示す。
【0673】
表70は、荷電残基のあるCH−CLクロスを含む一価のDP47非標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−248)Fc(kih)融合体(コントロールD)のcDNA及びアミノ酸配列のそれぞれを示す。
【0674】
表71は、CH−CLクロスに荷電残基のない一価のDP47非標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−248)Fc(kih)融合体(コントロールE)のcDNA及びアミノ酸配列のそれぞれを示す。
【0675】
表68:荷電残基を含みかつCH−CLクロスを含む一価のDP47非標的化分裂三量体ヒト4−1BBリガンド(71−254)Fc(kih)融合体(コントロールB)のcDNA及びアミノ酸配列。*荷電残基
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【0676】
表69:二価のDP47非標的化分裂三量体ヒト4−1BBリガンド(71−254)Fc(kih)融合体(コントロールC)のcDNA及びアミノ酸配列。
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【0677】
表70:荷電残基を含みかつCH−CLクロスを含む一価のDP47非標的化分裂三量体ヒト4−1BBリガンド(71−248)Fc(kih)融合体(コントロールD)のcDNA及びアミノ酸配列。*荷電残基
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【0678】
表71:CH−CLクロスを含み荷電残基を含まない一価のDP47非標的化分裂三量体ヒト4−1BBリガンド(71−248)Fc(kih)融合体(コントロールE)のcDNA及びアミノ酸配列。
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【0679】
7.3.2 コントロール分子としての抗体
PGLALAを含む二つのコントロールヒトIgG1を調製した。
【0680】
表72は、抗CD19 huIgG1 PGLALA(クローン8B8−018)、即ちコントロールGのcDNA及びアミノ酸配列を示す。
【0681】
表73は、生殖系列コントロールDP47 huIgG1 PGLALA(コントロールF)のcDNA及びアミノ酸配列を示す。
【0682】
表72:抗CD19(8B8−018)huIgG1 PGLALA(コントロールG)のcDNA及びアミノ酸配列
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【0683】
表73:生殖系列コントロールDP47 huIgG1 PGLALA(コントロールF)のcDNA及びアミノ酸配列
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【0684】
7.4 CD19標的化分裂三量体4−1BBリガンドFc融合抗原結合分子及びそのコントロール分子の調製
標的化及び非標的化分裂三量体4−1BBリガンドFc(kih)融合抗原結合分子コード化配列を、プラスミドベクター中にクローニングした。これは、MPSVプロモーターから挿入物の発現を誘導するものであり、CDSの3’末端に位置する合成polyA配列を含む。加えて、このベクターは、プラスミドのエピソーム維持のためのEBV OriP配列を含む。
【0685】
分裂三量体4−1BBリガンドFc(kih)融合抗原結合分子を、ポリエチレンイミンを用いてHEK293−EBNA細胞に哺乳動物発現ベクターをコトランスフェクトすることにより生成した。細胞には、対応する発現ベクターがトランスフェクトされた。変異体1,2,4,5及びそのコントロールB、D及びEのために、1:1:1:1の比(「ベクター二量体リガンド−CL−ノブ鎖」:「ベクター単量体リガンド融合−CH1」:「ベクター抗CD19 Fab−ホール鎖」:「ベクター抗CD19軽鎖」)で。 変異体3、6及びそのコントロールCのために、1:1:1の比(「ベクターhuIgG1 Fcホール二量体リガンド鎖」:「ベクターhuIgG1 Fcノブ単量体リガンド鎖」:「ベクター抗CD19軽鎖」)で。 アッセイにおいてコントロールとして用いたヒトIgGは、二重特異性コンストラクトのためとして生成された(トランスフェクションのためだけに、軽鎖のベクター及び重鎖のベクターを1:1の比で使用した)。
【0686】
500mLの振盪フラスコ内での生成のために、3億個のHEK293 EBNA細胞をトランスフェクションの24時間前に播種した。トランスフェクションのために、細胞を10分間210×gで遠心分離し、上清を、20mLの予め温めたCD CHO培地により置き換えた。発現ベクター(200μgの全DNA)を20mLのCD CHO培地に混合した。540μLのPEIを加えた後、溶液を15秒間ボルテックスし、室温で10分間インキュベートした。その後細胞を、DNA/PEI溶液と混合し、500mlの振盪フラスコに移し、5%CO2雰囲気のインキュベーター内において37℃で3時間インキュベートした。インキュベーション後、6mMのL−グルタミン、5g/LのPEPSOY及び1.2mMのバルプロ酸を補った160mLのExcell培地を加え、細胞を24時間培養した。トランスフェクションの一日後、12%のFeed(アミノ酸及びグルコース)を加えた。7日間の培養後、上清を、30〜40分間少なくとも400×gで遠心分離することにより収集した。溶液を滅菌濾過し(0.22μmのフィルター)、最終濃度0.01%(w/v)となるようにアジ化ナトリウムを補い、4℃に維持した。
【0687】
分裂三量体4−1BBリガンドFc(kih)融合抗原結合分子、並びにIgGを、プロテインAを用いるアフィニティークロマトグラフィーに続いてサイズ排除クロマトグラフィーを行うことにより、細胞培養物上清から精製した。アフィニティークロマトグラフィーのために、上清を、リン酸ナトリウム(20mM)、クエン酸ナトリウム(20mM)バッファー(pH7.5)で平衡化したMabSelect Sureカラム(CV=5−15mL,GE Healthcareの樹脂)に充填した。未結合のタンパク質を、少なくとも6カラム容積の同じバッファーによる洗浄により除去した。結合したタンパク質を、20mMのクエン酸ナトリウム、100mMの塩化ナトリウム、100mMのグリシンバッファー(pH3.0)による直線勾配(20CV)又は段階的溶出(8CV)を用いて溶出した。直線勾配については、さらに4カラム容積の段階的溶出を適用した。
【0688】
収集された画分のpHを、1/10(v/v)の0.5Mのリン酸ナトリウム(pH8.0)を加えることにより調節した。タンパク質を濃縮した後、20mMのヒスチジン、140mMの塩化ナトリウム、0.01%(v/v)のTween20 solution(pH6.0)で平衡化したHiLoad Superde×200カラム(GE Healthcare)に充填した。
【0689】
タンパク質濃度を、アミノ酸配列に基づいて計算されたモル吸光係数を用いて、280nmにおける光学濃度(OD)を測定することにより決定した。標的化三量体4−1BBリガンドFc(kih)融合体の純度及び分子量を、還元剤(5mM 1,4−ジチオトレイトール)の存在下及び非存在下で、Coomassie SimpleBlue
TM SafeStain(Invitrogen USA)で染色し、SDS−PAGEにより分析した。試料の凝集物含有量を、25mMのK
2HPO
4、125mMのNaCl、200mMのL−アルギニン一塩酸塩、0.02%(w/v)のNaN
3、pH6.7 25℃のランニングバッファー中において平衡化したTSKgel G3000 SW XL分析的サイズ除外カラム(Tosoh)を用いて分析した。
【0690】
表74は、CD19標的化分裂三量体4−1BBリガンドFc(kih)融合抗原結合分子の収率及び最終的な単量体含有量をまとめたものである。
【0691】
表74:CD19標的化分裂三量体4−1BBリガンドFc(kih)融合抗原結合分子の生化学分析
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【0692】
表75は、一価(コントロールB、D及びE)及び二価(コントロールC)両方の、DP47非標的化分裂三量体4−1BBリガンドFc(kih)融合体の収率及び最終的な単量体含有量をまとめたものである。
【0693】
表75:DP47非標的化分裂三量体4−1BBリガンドFc(kih)融合体の生化学分析
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【0694】
表76は、抗CD19(8B8−018)及び生殖系列DP47ヒトIgG1 PGLALA(コントロールF)の収率及び最終的な単量体含有量をまとめたものである。
【0695】
表76:コントロールヒトIgG1 PGLALAの生化学分析
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【0696】
実施例8
CD19標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子の機能的特徴付け
8.1.表面プラズモン共鳴(親和性)
組み換え4−1BB Fc(kih)及びCD19に対するCD19標的化分裂三量体4−1BBリガンドFc融合抗原結合分子(コンストラクト3.4及び3.6)の結合を、表面プラズモン共鳴(SPR)により評価した。すべてのSPR実験は、Biacore T200において、ランニングバッファーとしてHBS−EP(0.01MのHEPES(pH7.4)、0.15MのNaCl、3mMのEDTA、0.005%のSurfactant P20、Biacore、Freiburg/Germany)を用いて25℃で実施した。
【0697】
ヒト及びカニクイザル4−1BBとの相互作用
抗ヒトFab抗体(Biacore、Freiburg/Germany)を、標準のアミン結合キット(Biacore、Freiburg/Germany)を用いてpH5.0でCM5チップ上に直接結合させた。固定化レベルは約8000RUであった。CD19標的化分裂三量体4−1BBリガンドFc融合体を、60秒間2及び5nMで捕獲した(コントロールDも注入した)。組み換えヒト又はカニクイザル4−1BB avi Hisを、2.7から2000nMの濃度範囲(3倍希釈)及び30μL/分の流れでフローセルに120秒間通過させた。解離を180秒間モニターした。バルク屈折率の差異は、基準フローセルで取得される応答を差し引くことにより修正された。ここで、抗原は、固定化された抗ヒトFab抗体を有する表面に流したが、その上には、抗体ではなくHBS−EPが注入された。
【0698】
ヒトCD19との相互作用
抗ヒトFab抗体(Biacore、Freiburg/Germany)を、標準のアミン結合キット(Biacore、Freiburg/Germany)を用いてpH5.0でCM5チップ上に直接結合させた。固定化レベルは約8000RUであった。CD19標的化分裂三量体4−1BBリガンドFc融合、又はコントロール抗体(抗CD19(8B8−018)huIgG1 PGLALA)を、60秒間20nMで捕獲した。組み換えヒトCD19 Fc(kih)を、7.8から500nMの濃度範囲(2倍希釈)及び30μL/分の流れでフローセルに120秒間通過させた。解離を120/1800秒間モニターした。バルク屈折率の差異は、基準フローセルで取得される応答を差し引くことにより修正された。ここで、抗原は、固定化された抗ヒトFab抗体を有する表面上に流したが、その上には、抗体ではなくHBS−EPが注入された。
【0699】
速度定数を、Biacore T200 Evaluation Software(vAA,Biacore AB,Uppsala/Sweden)を用いて導出し、数値積分法により、1:1ラングミュア結合の反応速度式に当てはめた。
【0700】
二重特異性コンストラクト3.4、3.6及びコントロールDは、同様に4−1BBに結合する。表77は、二つの実験(2nM又は5nMのコンストラクト捕獲溶液を用いる)の平均を標準偏差(括弧内)と共に示している。二重特異性コンストラクト3.4及び3.6は、ヒトCD19に対してIgGと同様の親和性で結合する。相互作用の親和定数を、1:1ラングミュア結合に対するフィッティングにより決定した。hu4−1BB及びcy4−1BBによる測定について、平均及び標準偏差(括弧内)が示されている(2又は5nMの捕獲溶液を用いた二つの実験)
【0701】
表77:組み換えヒト(hu)4−1BB、カニクイザル(cy)4−1BB及びヒト(hu)CD19に対するCD19標的化分裂三量体4−1BBリガンドFc融合体の結合
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【0702】
8.2.表面プラズモン共鳴(同時結合)
ヒト4−1BB Fc(kih)及びヒトCD19に対する同時結合能を、表面プラズモン共鳴(SPR)により評価した。すべてのSPR実験は、Biacore T200において、ランニングバッファーとしてHBS−EP(0.01MのHEPES(pH7.4)、0.15MのNaCl、3mMのEDTA、0.005%のSurfactant P20、Biacore、Freiburg/Germany)を用いて25℃で実施した。ビオチン化ヒト4−1BB Fc(kih)を、ストレプトアビジン(SA)センサーチップのフローセルに直接結合させた。250共鳴単位(RU)以下の固定化レベルを用いた。
【0703】
CD19標的化三量体分裂4−1BBLコンストラクト(コンストラクト3.1、3.3、3.4、3.5、3.6、4.4)を、200nMの濃度範囲及び30μL/分の流れでフローセルに90秒間通過させ、解離をゼロ秒に設定した。ヒトCD19を、第2の被分析物として30μL/分の流れでフローセルに90秒間500nMの濃度で注入した(
図34A)。解離を120秒間モニターした。バルク屈折率の差異を、タンパク質が固定化されていない基準フローセルで得られる応答を差し引くことにより修正した。
【0704】
図35のグラフに見ることができるように、すべての二重特異性コンストラクトはヒト4−1BB及びヒトCD19に同時に結合することができた。
【0705】
実施例9
CD−19標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子の機能的特徴付け
9.1.CD19標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子の活性化ヒトPMBCに対する結合
4−1BBL三量体含有Fc融合抗原結合分子のヒトPBMCに対する結合を決定するために、異なる滴定濃度のCD19標的化4−1BBL三量体含有Fc融合抗原結合分子を、実施例5.2に記載のようにしてアッセイに用いた。
【0706】
図36A及び36Bは、実施例7で調製されたコンストラクト3.1、3.3、3.4、3.5及び3.6の、活性化4−1BB発現CD4+ T細胞及びCD8+ T細胞に対する結合をそれぞれ示している。生存CD45+ CD3+ CD4+又はCD45+ CD3+ CD8+ T細胞上にゲートを設定し、PEコンジュゲートAffiniPure抗ヒトIgG IgG Fcγ−断片特異的ヤギF(ab’)2断片のMFIを、標的化分裂三量体4−1BBリガンドFc融合変異体の滴定濃度に対してブロッティングした。表78は、コンストラクト3.1、3.3、3.4、3.5及び3.6と、コントロール分子について測定されたEC
50値を示している。
【0707】
表78:活性化4−1BB発現CD4+ T細胞及びCD8+ T細胞に対する結合
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【0708】
9.2 CD19発現腫瘍細胞に対する結合
CD19発現腫瘍細胞に対する結合アッセイのために、以下のヒトCD19発現リンパ腫細胞株を用いた:びまん性大非ホジキンB細胞リンパ腫(B−NHL)細胞株SU−DHL−8(DSMZ ACC573)、急性B細胞前駆体リンパ性白血病細胞株Nalm6(DSMZ ACC−128)、びまん性大細胞リンパ芽球性リンパ腫細胞株Toledo(ATCC CRL−2631)及びびまん性大B細胞型リンパ腫細胞株OCI−Ly18(DSMZ ACC−699)。アッセイを、実施例5.3においてFAP発現MV−3及びWM−266−4腫瘍細胞株について記載したようにして実施した。
【0709】
ゲートを生存腫瘍細胞上に設定し、PEコンジュゲートAffiniPure抗ヒトIgG IgG Fcγ−断片特異的ヤギF(ab’)2断片のMFIを、標的化分裂三量体4−1BBリガンドFc融合コンストラクトの滴定濃度に対してブロッティングした。
【0710】
図37Aは、実施例7.1において調製されたコンストラクト3.1、3.3、3.4、3.5及び3.6の、びまん性大非ホジキンB細胞リンパ腫(B−NHL)細胞株SU−DHL−8に対する結合を示し、また
図37Bには、コンストラクト3.1、3.3、3.4、3.5及び3.6の、急性B細胞前駆体リンパ性白血病細胞株Nalm6に対する結合が提示されている。
図37Cは、コンストラクト3.1、3.3、3.4、3.5及び3.6の、びまん性大細胞リンパ芽球性リンパ腫細胞株Toledoに対する結合を示しており、
図37Dは、コンストラクト3.1、3.3、3.4、3.5及び3.6の、びまん性大B細胞型リンパ腫細胞株OCI−Ly18に対する結合を示している。表79は、コンストラクト3.1、3.3、3.4、3.5及び3.6とコントロール分子について測定されたEC50値を示す。
【0711】
表79:CD19発現腫瘍細胞に対する結合
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【0712】
実施例10
CD19標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子の生物活性
10.1.ヒト4−1BBを発現するHeLa細胞におけるNF−κB活性化
ヒト4−1BB及びNF−κB−ルシフェラーゼを発現するHeLa細胞を、実施例6.1に記載のようにして生成した。
【0713】
CD19発現腫瘍細胞と共培養されたヒト4−1BBを発現するHeLa細胞におけるNF−κB活性化
NF−κB−ルシフェラーゼヒト−4−1BB HeLa細胞を採取し、10%(v/v)のFBS及び1%(v/v)のGlutaMAX−Iを供給したDMEM培地に、0.2x10
6細胞/1mlの濃度となるように再懸濁した。この細胞懸濁液100μl(2x10
4個の細胞)を、蓋付き滅菌白色96ウェル平底組織培養プレート(Greiner Bio−One,Cat.No.655083)の各ウェルに移し、プレートを37℃及び5%のCO
2で一晩インキュベートした。翌日、滴定濃度のCD19標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子(CD19分裂4−1BBL三量体)又はDP47非標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子(DP47分裂4−1BBL三量体)を含む50μLの培地を加えた。CD19発現B細胞リンパ腫細胞株(びまん性大非ホジキンB細胞リンパ腫(B−NHL)細胞株SU−DHL−8(DSMZ ACC573)及びヒト非ホジキンB細胞リンパ腫細胞株Pfeiffer(ATCC CRL−2632))を、2x10
6細胞/mlの濃度となるように10%(v/v)のFBS及び1%(v/v)のGlutaMAX−Iを供給したDMEM培地に再懸濁した。
【0714】
CD19発現B細胞リンパ腫細胞(50μl、最終比1:5)の懸濁液又は培地のみを各ウェルに加え、プレートを6時間37℃及び5%CO
2でインキュベートした。細胞を、200μL/ウェルのDPBSで二度洗浄した。40μlの新しく調製したReporter Lysis Buffer(Promega,Cat−No:E3971)を各ウェルに加え、プレートを一晩−20℃で貯蔵した。翌日、凍結した細胞プレート及びDetection Buffer(Luciferase 1000 Assay System,Promega,Cat.−No.E4550)を、室温で温めた。100μLの検出バッファーを各ウェルに加え、ルシフェラーゼ活性を、SpectraMa×M5/M5eマイクロプレートリーダー及び発光をURL(0.5秒/ウェルの放出光の単位)でカウントするSoftMa×Pro Software(Molecular Devices)又はVictor3 1420 マルチラベルカウンタープレートリーダー(Perkin Elmer)及びカウント毎秒(CPS)として発光をカウントするPerkin Elmer 2030 Manager Softwareandを用いて測定し、試験したコンストラクトの濃度に対してブロッティングした。
【0715】
CD19標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子コンストラクト3.1及び3.3は、CD19発現B細胞リンパ腫細胞の存在下で、レポーター細胞株内にNF−kBシグナル伝達経路の活性化をトリガーした。対照的に、非標的化コントロール分子は、試験された濃度のいずれにおいてもそのような効果をトリガーできなかった(
図38)。
【0716】
実施例11
11.1 CEA(T84.66−LCHA)標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子の調製
11.1.1 抗CEAクローンT84.66のヒト化
マウス抗体T84.66の新規ヒト化変異体(Wagener et al., J Immunol 130, 2308 (1983), Neumaier et al., J Immunol 135, 3604 (1985))を、ヒト生殖系列フレームワークアクセプター配列上にCDRを移植することにより発生させた。
【0717】
非ヒト起源の抗体のヒト化は、基本的に、CDR残基を非ヒト抗体(ドナー)からヒト(アクセプター)抗体のフレームワーク上に移植することからなる。通常、アクセプターフレームワークが、ドナーの配列をアクセプター配列候補の集合に合わせて整列させ、ドナーに対する妥当な相同性を有するか、又は構造及び活性に重要ないくつかの位置に類似のアミノ酸を示す一つを選ぶことにより、選択される。本例の場合、抗体アクセプターフレームワークのサーチは、マウスT84.66タンパク質(重鎖についてはNCBI Acc No:CAA36980(配列番号317)、及び軽鎖についてはCAA36979(配列番号318))配列を、ヒト生殖系列配列の集合に合わせて整列させ、高い配列同一性を示したヒト配列を選ぶことにより実施された。ここでは、IMGTデータベースから重鎖フレームワークアクセプター配列(IMGT Acc No.Z14309、配列番号319)として配列IGHV1−69*08が選ばれ、IGKV3−11*01配列(IMGT Acc No.X01668、配列番号320)が軽鎖のフレームワークアクセプターとして選ばれた。これら二つのアクセプターフレームワーク上に、マウス重鎖及び軽鎖可変ドメインの三つの相補性決定領域(CDR)を移植した。フレームワーク4(FR4)領域は生殖系列V遺伝子の可変領域の一部ではないため、その位置のための整列は個々に行われた。重鎖にはJH4配列が、軽鎖にはJK2配列が、それぞれ選ばれた。
【0718】
11.1.2 細胞に対するT84.66 IgGの異なるヒト化変異体の結合
T84.66 IgGの異なるヒト化変異体の結合を、CEA発現ヒト胃腺癌細胞(MKN45、DSMZ ACC 409)上において試験した。
【0719】
細胞を、採取し、カウントし、生存能力をチェックし、FACSバッファー(100μlのPBS 0.1% BSA)中2x10
6細胞/mlで再懸濁した。100μlの細胞懸濁液(0.2x10
6個の細胞を含有)を、漸増濃度のCEA IgG(4ng/ml−60μg/ml)と共に丸底96ウェルプレートで30分間4℃でインキュベートし、冷たいPBS 0.1% BSAで2度洗浄し、PE−コンジュゲートAffiniPure F(ab’)2断片ヤギ抗ヒトIgG Fcg断片特異的二次抗体(Jackson Immuno Research Lab PE #109−116−170)と共にさらに30分間4℃で再インキュベートし、冷たいPBS 0.1% BSAで2度洗浄し、FACS CantoII(Software FACS Diva)を用いるFACSにより直ちに分析した。結合曲線及びEC50値を得て、GraphPadPrism5を用いて計算した。
【0720】
図39は、MKN45細胞上に発現された、T84.66 IgGの選択されたヒト化変異体の、ヒトCEAに対する異なる結合パターンを示している。計算されたEC50結合値(表80)に基づいて、ヒト化変異体1をさらなる評価のために選択した。
【0721】
表80:細胞に対するT84.66 IgGの異なるヒト化変異体の結合(EC50値、
図39に示される結合曲線に基づく、GraphPad Prismにより計算)
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【0722】
ヒト化変異体1は、以下のT84.66−LCHAに命名される。そのCDRとVH及びVLのアミノ酸配列、並びに親キメラT84.66クローンのVH及びVLドメインのアミノ酸配列を表81に示す。
【0723】
表81:CEAクローンT84.66−LCHA及びその親抗体T84.66の可変ドメインのアミノ酸配列
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【0724】
11.2 CEA(T84.66−LCHA)標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子の調製
ヒト4−1BBリガンドのエクトドメイン(アミノ酸71−254、及び71−248)のDNA配列コード化部分の異なる断片を、UniprotデータベースのP41273配列(配列番号42)に従って合成した。
【0725】
11.2.1 荷電残基を含む交差CH1−CLドメインを含む一価のCEA(T84.66−LCHA)標的化4−1BBリガンド(71−254)三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト5.1)の調製
(G4S)2リンカーにより分離された4−1BBリガンド(71−254)の二つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1−CLドメインに融合したポリペプチドを、
図29Aに示すように(ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒトCL)クローニングした。4−1BBリガンド(71−254)の一つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1−CHドメインに融合したポリペプチドを、
図29Bに示すように(ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒトCH)クローニングした。
【0726】
正確な対合を向上させるために、以下の突然変異が交差CH−CLに導入された。ヒトCLに融合した二量体4−1BBリガンド内において、E123R及びQ124K。ヒトCH1に融合した単量体4−1BBリガンド内において、K147E及びK213E。
【0727】
CEAに特異的なバインダーをコードする重鎖及び軽鎖DNA配列の可変領域(クローンT84.66−LCHA)を、ホールの定常重鎖又はヒトIgG1の定常軽鎖とインフレームでサブクローニングした。Fcガンマ受容体への結合を抑止するために、国際公開第2012/130831号に記載される方法に従って、Pro329Gly、Leu234Ala及びLeu235Ala突然変異をノブ及びホール重鎖の定常領域に導入された。
【0728】
S354C/T366W突然変異を含む二量体リガンド−Fcノブ鎖、単量体CH1融合体、Y349C/T366S/L368A/Y407V突然変異を含む標的化抗CEA−Fcホール鎖、及び抗CEA軽鎖の組み合わせが、構築された三量体4−1BBリガンド及びCEA結合Fabを含むヘテロ二量体の生成を可能にする(
図40、コンストラクト5.1)。
【0729】
表82は、交差CH−CL及び荷電残基を含む一価のCEA T84.66(T84.66−LCHA)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−254)Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト5.1)のcDNA及びアミノ酸配列を示す。
【0730】
表82:荷電残基を含むCH−CLクロスを含む一価のCEA(T84.66−LCHA)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−254)Fc(kih)融合体(コンストラクト5.1)のcDNA及びアミノ酸配列。*荷電残基
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【0731】
11.2.2 荷電残基のない交差CH1−CLドメインを含む一価のCEA(T84.66−LCHA)標的化4−1BBリガンド(71−254)三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト5.2)の調製
(G4S)2リンカーにより分離された4−1BBリガンド(71−254)の二つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1−CLドメインに融合したポリペプチドを、
図29Aに示すものと同様に、但しCDドメインにおけるアミノ酸突然変異(ヒト4−1BBリガンドなしで(G4S)2コネクター、ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒトCL)、クローニングした。4−1BBリガンド(71−254)の一つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1−CH1ドメインに融合したポリペプチドを、
図29Bに示すものと同様に、但しCH1ドメインにおけるアミノ酸突然変異(ヒト4−1BBリガンドなしで(G4S)2コネクター、ヒト4−1BBリガンド、(CH1)2コネクター、ヒトCL)、クローニングした。
【0732】
CEAに特異的なバインダーをコードする重鎖及び軽鎖DNA配列の可変領域(クローンT84.66−LCHA)を、ホールの定常重鎖又はヒトIgG1の定常軽鎖とインフレームでサブクローニングした。
【0733】
Fcガンマ受容体への結合を抑止するために、国際公開第2012/130831号に記載される方法に従って、Pro329Gly、Leu234Ala及びLeu235Ala突然変異をノブ及びホール重鎖の定常領域に導入された。S354C/T366W突然変異を含む二量体リガンド−Fcノブ鎖、単量体CH1融合体、Y349C/T366S/L368A/Y407V突然変異を含む標的化抗CEA−Fcホール鎖、及び抗CEA軽鎖の組み合わせが、構築された三量体4−1BBリガンド及びCEA結合Fabを含むヘテロ二量体の生成を可能にする(
図40、コンストラクト5.2)。
【0734】
表83は、荷電残基のない交差CH−CLクロスを含む一価のCEA(T84.66−LCHA)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−254)Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト5.2)のcDNA及びアミノ酸配列を示す。
【0735】
表83:荷電残基のないCH−CLクロスを含む一価のCEA(T84.66−LCHA)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−254)Fc(kih)融合体(コンストラクト5.2)のcDNA及びアミノ酸配列
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【0736】
11.2.3 二価のCEA(T84.66−LCHA)標的化4−1BBリガンド(71−254)三量体含有Fc(kih)融合抗原結合(コンストラクト5.3)の調製
(G4S)2リンカーにより分離された4−1BBリガンド(71−254)の二つのエクトドメインを含むポリペプチドを、
図29Cに示すように(ヒトIgG1 Fcホール、(G4S)2コネクター、ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒト4−1BBリガンド)、ヒトIgG1 Fcホール鎖のC末端に融合させた。
図29Dに記載のように(ヒトIgG1 Fcノブ、(G4S)2コネクター、ヒト4−1BBリガンド)、4−1BBリガンド(71−254)の一つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1 Fcノブ鎖のC末端に融合したポリペプチド。
【0737】
CEAに特異的なバインダーをコードする重鎖及び軽鎖DNA配列の可変領域(クローンT84.66−LCHA)を、ヒトIgG1の定常軽鎖、ノブ又はホールの定常重鎖とインフレームでサブクローニングした。Fcガンマ受容体への結合を抑止するために、国際公開第2012/130831号に記載される方法に従って、Pro329Gly、Leu234Ala及びLeu235Ala突然変異をノブ及びホール重鎖の定常領域に導入された。Y349C/T366S/L368A/Y407V突然変異を含む抗CEA huIgG1ホール二量体リガンド鎖、S354C/T366W突然変異を含む抗CEA huIgG1ノブ単量体リガンド鎖、及び抗CEA軽鎖の組み合わせが、構築された三量体4−1BBリガンド及び二つのCEA結合Fabを含むヘテロ二量体の生成を可能にする(
図40、コンストラクト5.3)。
【0738】
表84は、二価のCEA(T84.66−LCHA)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−254)Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト5.3)のcDNA及びアミノ酸配列を示す。
【0739】
表84:二価のCEA(T84.66−LCHA)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−254)Fc(kih)PGLALA融合体(コンストラクト5.3)のcDNA及びアミノ酸配列
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【0740】
11.2.4 荷電残基を含む交差CH1−CLドメインを含む一価のCEA(T84.66−LCHA)標的化4−1BBリガンド(71−248)三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト5.4)の調製
(G4S)2リンカーにより分離された4−1BBリガンド(71−248)の二つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1−CLドメインに融合したポリペプチドを、
図29Aに示すものと同様に(ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒトCL)クローニングした。4−1BBリガンド(71−248)の一つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1−CHドメインに融合したポリペプチドを、
図29Bに示すものと同様に(ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒトCH)クローニングした。
【0741】
ヒトCLドメインに融合した二量体4−1BBリガンドをコードするポリペプチドを、ノブ上のヒトIgG1重鎖CH2及びCH3ドメインとインフレームでサブクローニングした(Merchant, Zhu et al. 1998)。正確な対合を向上させるために、以下の突然変異が交差CH−CLに導入された。ヒトCLに融合した二量体4−1BBリガンド内において、E123R及びQ124K。ヒトCH1に融合した単量体4−1BBリガンド内において、K147E及びK213E。
【0742】
CEAに特異的なバインダーをコードする重鎖及び軽鎖DNA配列の可変領域(クローンT84.66−LCHA)を、ホールの定常重鎖又はヒトIgG1の定常軽鎖とインフレームでサブクローニングした。国際公開第2012/130831号に記載される方法に従って、FCガンマ受容体に対する結合を抑止するために、Pro329Gly、Leu234Ala及びLeu235Alaの突然変異がノブ及びホール重鎖の定常領域に導入された。S354C/T366W突然変異を含む二量体リガンド−Fcノブ鎖、単量体CH1融合体、Y349C/T366S/L368A/Y407V突然変異を含む標的化抗CD19−Fcホール鎖、及び抗CD19軽鎖の組み合わせが、構築された三量体4−1BBリガンド及びCEA結合Fabを含むヘテロ二量体の生成を可能にする(
図40、コンストラクト5.4)。
【0743】
表85は、交差CH−CL及び荷電残基を含む、一価のCEA T84.66(T84.66−LCHA)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−248)Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト5.4)のcDNA及びアミノ酸配列を示す。
【0744】
表85:荷電残基を含むCH−CLクロスを含む、一価のCEA(T84.66−LCHA)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−248)Fc(kih)融合体(コンストラクト5.4)のcDNA及びアミノ酸配列。*荷電残基
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【0745】
11.2.5 荷電残基のない交差CH1−CLドメインを含む一価のCEA(T84.66−LCHA)標的化4−1BBリガンド(71−248)三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト5.5)の調製
(G4S)2リンカーにより分離された4−1BBリガンド(71−248)の二つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1−CLドメインに融合したポリペプチドを、
図29Aに示すものと同様に、但しCLドメインにおけるアミノ酸突然変異なしで(ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒトCL)、クローニングした。4−1BBリガンド(71−248)の一つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1−CH1ドメインに融合したポリペプチドを、
図29Bに示すものと同様に、但しCH1ドメインにおけるアミノ酸突然変異なしで(ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒト4−1BBリガンド、(CH1)2コネクター、ヒトCL)、クローニングした。
【0746】
CEAに特異的なバインダーをコードする重鎖及び軽鎖DNA配列の可変領域(クローンT84.66−LCHA)を、ホールの定常重鎖又はヒトIgG1の定常軽鎖とインフレームでサブクローニングした。Fcガンマ受容体への結合を抑止するために、国際公開第2012/130831号に記載される方法に従って、Pro329Gly、Leu234Ala及びLeu235Ala突然変異がノブ及びホール重鎖の定常領域に導入された。S354C/T366W突然変異を含む二量体リガンド−Fcノブ鎖、単量体CH1融合体、Y349C/T366S/L368A/Y407V突然変異を含む標的化抗CEA−Fcホール鎖、及び抗CEA軽鎖の組み合わせが、構築された三量体4−1BBリガンド及びCD19結合Fabを含むヘテロ二量体の生成を可能にする(
図40、コンストラクト5.5)。
【0747】
表86は、荷電残基のない交差CH−CLクロスを含む、一価のCEA(T84.66−LCHA)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−248)Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト5.5)のcDNA及びアミノ酸配列を示す。
【0748】
表86:荷電残基のないCH−CL交差を含む、一価のCEA(T84.66−LCHA)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−248)Fc(kih)融合体(コンストラクト5.5)のcDNA及びアミノ酸配列。
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【0749】
11.2.6 二価のCEA(T84.66−LCHA)標的化4−1BBリガンド(71−248)三量体含有Fc(kih)融合抗原結合(コンストラクト5.6)の調製
(G4S)2リンカーにより分離された4−1BBリガンド(71−248)の二つのエクトドメインを含むポリペプチドを、
図29Cに示すように(ヒトIgG1 Fcホール、(G4S)2コネクター、ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒト4−1BBリガンド)、ヒトIgG1 Fcホール鎖のC末端に融合させた。
図29Dに記載のように(ヒトIgG1 Fcノブ、(G4S)2コネクター、ヒト4−1BBリガンド)、4−1BBリガンド(71−254)の一つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1 Fcノブ鎖のC末端に融合したポリペプチド。
【0750】
CEAに特異的なバインダーをコードする重鎖及び軽鎖DNA配列の可変領域(クローンT84.66−LCHA)を、ヒトIgG1の定常軽鎖、ノブ、又はホールの定常重鎖とインフレームでサブクローニングした。Fcガンマ受容体への結合を抑止するために、国際公開第2012/130831号に記載される方法に従って、Pro329Gly、Leu234Ala及びLeu235Ala突然変異をノブ及びホール重鎖の定常領域に導入された。Y349C/T366S/L368A/Y407V突然変異を含む抗CEA huIgG1ホール二量体リガンド鎖、S354C/T366W突然変異を含む抗CEA huIgG1ノブ単量体リガンド鎖、及び抗CEA軽鎖の組み合わせが、構築された三量体4−1BBリガンド及び二つのCEA結合Fabを含むヘテロ二量体の生成を可能にする(
図40、コンストラクト5.6)。
【0751】
表87は、二価のCEA(T84.66−LCHA)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−248)Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト5.6)のcDNA及びアミノ酸配列を示す。
【0752】
表87:二価のCEA(T84.66−LCHA)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−248)Fc(kih)融合体(コンストラクト5.6)のcDNA及びアミノ酸配列
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【0753】
11.2.7 荷電残基を含む交差CH1−CLドメインを含む、一価のCEA(T84.66)標的化4−1BBリガンド(71−254)三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト5.7)の調製
(G4S)2リンカーにより分離された4−1BBリガンド(71−254)の二つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1−CLドメインに融合したポリペプチドを、
図29Aに示すように(ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒトCL)クローニングした。4−1BBリガンド(71−254)の一つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1−CHドメインに融合したポリペプチドを、
図29Bに示すように(ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒトCH)クローニングした。
【0754】
正確な対合を向上させるために、以下の突然変異が交差CH−CLに導入された。ヒトCLに融合した二量体4−1BBリガンド内において、E123R及びQ124K。ヒトCH1に融合した単量体4−1BBリガンド内において、K147E及びK213E。
【0755】
CEAに特異的なバインダーをコードする重鎖及び軽鎖DNA配列の可変領域(クローンT84.66)を、ホールの定常重鎖又はヒトIgG1の定常軽鎖とインフレームでサブクローニングした。Fcガンマ受容体への結合を抑止するために、国際公開第2012/130831号に記載される方法に従って、Pro329Gly、Leu234Ala及びLeu235Ala突然変異をノブ及びホール重鎖の定常領域に導入された。
【0756】
S354C/T366W突然変異を含む二量体リガンド−Fcノブ鎖、単量体CH1融合体、Y349C/T366S/L368A/Y407V突然変異を含む標的化抗CD19−Fcホール鎖、及び抗CD19軽鎖の組み合わせが、構築された三量体4−1BBリガンド及びCEA結合Fabを含むヘテロ二量体の生成を可能にする。コンストラクト5.7は、
図40に示すコンストラクト5.1に対応する。
【0757】
表88は、交差CH−CL及び荷電残基を含む一価のCEA T84.66(T84.66)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−254)Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト5.7)のcDNA及びアミノ酸配列を示す。
【0758】
表88:荷電残基を含む交差CH−CLを含む、一価のCEA(T84.66)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−254)Fc(kih)融合体(コンストラクト5.7)のcDNA及びアミノ酸配列。*荷電残基
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【0759】
11.2.8 二価のCEA(T84.66)標的化4−1BBリガンド(71−254)三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト5.8)の調製
(G4S)2リンカーにより分離された4−1BBリガンド(71−254)の二つのエクトドメインを含むポリペプチドを、
図29Cに示すように(ヒトIgG1 Fcホール、(G4S)2コネクター、ヒト4−1BBリガンド、(G4S)2コネクター、ヒト4−1BBリガンド)、ヒトIgG1 Fcホール鎖のC末端に融合させた。
図29Dに記載のように(ヒトIgG1 Fcノブ、(G4S)2コネクター、ヒト4−1BBリガンド)、4−1BBリガンド(71−254)の一つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1 Fcノブ鎖のC末端に融合したポリペプチド。
【0760】
CEAに特異的なバインダーをコードする重鎖及び軽鎖DNA配列の可変領域(クローンT84.66)を、ヒトIgG1の定常軽鎖、ノブ又はホールの定常重鎖とインフレームでサブクローニングした。Fcガンマ受容体への結合を抑止するために、国際公開第2012/130831号に記載される方法に従って、Pro329Gly、Leu234Ala及びLeu235Ala突然変異をノブ及びホール重鎖の定常領域に導入された。Y349C/T366S/L368A/Y407V突然変異を含む抗CEA huIgG1ホール二量体リガンド鎖、S354C/T366W突然変異を含む抗CEA huIgG1ノブ単量体リガンド鎖、及び抗CEA軽鎖の組み合わせが、構築された三量体4−1BBリガンド及び二つのCEA結合Fabを含むヘテロ二量体の生成を可能にする。コンストラクト5.8は、
図40に示すコンストラクト5.3に対応する。
【0761】
表89は、二価のCEA(T84.66)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−254)Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト5.8)のcDNA及びアミノ酸配列を示す。
【0762】
表89:二価のCEA(T84.66)標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−254)Fc(kih)PGLALA融合体(コンストラクト5.8)のcDNA及びアミノ酸配列
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【0763】
11.3 コントロール分子としての非標的化分裂三量体4−1BBリガンドFc融合分子及びヒトIgGの調製
11.3.1 非標的化ヒト4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子(コントロール分子)の調製
これらコントロール分子は、CEA標的化コンストラクト3.1(コントロールBと呼ぶ)、3.3(コントロールCと呼ぶ)、3.4(コントロールDと呼ぶ)及び3.5(コントロールEと呼ぶ)について上述したように調製し、但し唯一の相違点として抗CD19バインダー(VH−VL)を、抗原に結合しない生殖系列コントロール(DP47と呼ぶ)により置き換えた(
図40参照)。コントロールB、即ち荷電残基を含む交差CH−CLを含む一価のDP47非標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−254)Fc(kih)融合体のcDNA及びアミノ酸配列が上記表68に示されている(実施例7.3.1参照)。表69は、二価のDP47非標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−254)Fc(kih)融合体(コントロールC)のcDNA及びアミノ酸配列を示す。表70は、荷電残基を含むCH−CLクロスを含む一価のDP47非標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−248)Fc(kih)融合体(コントロールD)のcDNA及びアミノ酸配列を示す。表71は、CH−CLクロスに荷電残基のない一価のDP47非標的化分裂三量体4−1BBリガンド(71−248)Fc(kih)融合体(コントロールE)のcDNA及びアミノ酸配列を示す。
【0764】
11.3.2 コントロール分子としての抗体
アッセイに使用されるさらなるコントロール(コントロールFと呼ぶ)は、Pro329Gly、Leu234Ala及びLeu235Ala突然変異を含む非標的化DP47、生殖系列コントロール、ヒトIgG1であり、Fcガンマ受容体に対する結合を抑止する。コントロールFのcDNA及びアミノ酸配列は、上記表73に見ることができる。
【0765】
11.4 CEA標的化分裂三量体4−1BBリガンドFc融合抗原結合分子及びそのコントロール分子の調製
標的化及び非標的化分裂三量体4−1BBリガンドFc(kih)融合抗原結合分子コード化配列を、プラスミドベクター中にクローニングした。これは、MPSVプロモーターから挿入物の発現を誘導するものであり、CDSの3’末端に位置する合成polyA配列を含む。加えて、このベクターは、プラスミドのエピソーム維持のためのEBV OriP配列を含む。
【0766】
分裂三量体4−1BBリガンドFc(kih)融合体を、ポリエチレンイミンを用いてHEK293−EBNA細胞に哺乳動物発現ベクターをコトランスフェクトすることにより生成した。細胞には、対応する発現ベクターがトランスフェクトされた。変異体1,2,4,5及びそのコントロールB、D及びEのために、1:1:1:1の比(「ベクター二量体リガンド−CL−ノブ鎖」:「ベクター単量体リガンド融合−CH1」:「ベクター抗CEA Fab−ホール鎖」:「ベクター抗CEA軽鎖」)で。変異体3、6及びそのコントロールCのために、1:1:1の比(「ベクターhuIgG1 Fcホール二量体リガンド鎖」:「ベクターhuIgG1 Fcノブ単量体リガンド鎖」:「ベクター抗CEA軽鎖」)で。アッセイにおいてコントロールとして用いたヒトIgGは、二重特異性コンストラクトのためとして生成された(トランスフェクションのためだけに、軽鎖のベクター及び重鎖のベクターを1:1の比で使用した)。
【0767】
500mLの振盪フラスコ内での生成のために、3億個のHEK293 EBNA細胞をトランスフェクションの24時間前に播種した。トランスフェクションのために、細胞を10分間210×gで遠心分離し、上清を、20mLの予め温めたCD CHO培地により置き換えた。発現ベクター(200μgの全DNA)を20mLのCD CHO培地に混合した。540μLのPEIを加えた後、溶液を15秒間ボルテックスし、室温で10分間インキュベートした。その後細胞を、DNA/PEI溶液と混合し、500mlの振盪フラスコに移し、5%CO2雰囲気のインキュベーター内において37℃で3時間インキュベートした。インキュベーション後、6mMのL−グルタミン、5g/LのPEPSOY及び1.2mMのバルプロ酸を補った160mLのExcell培地を加え、細胞を24時間培養した。トランスフェクションの一日後、12%のFeed(アミノ酸及びグルコース)を加えた。7日間の培養後、上清を、30〜40分間少なくとも400×gで遠心分離することにより収集した。溶液を滅菌濾過し(0.22μmのフィルター)、最終濃度0.01%(w/v)となるようにアジ化ナトリウムを補い、4℃に維持した。
【0768】
分裂三量体4−1BBリガンドFc(kih)融合体、並びにIgGを、プロテインAを用いるアフィニティークロマトグラフィーに続いてサイズ排除クロマトグラフィーを行うことにより、細胞培養物上清から精製した。アフィニティークロマトグラフィーのために、上清を、リン酸ナトリウム(20mM)、クエン酸ナトリウム(20mM)バッファー(pH7.5)で平衡化したMabSelect Sureカラム(CV=5−15mL,GE Healthcareの樹脂)に充填した。未結合のタンパク質を、少なくとも6カラム容積の同じバッファーによる洗浄により除去した。結合したタンパク質を、20mMのクエン酸ナトリウム、100mMの塩化ナトリウム、100mMのグリシンバッファー(pH3.0)による直線勾配(20CV)又は段階的溶出(8CV)を用いて溶出した。直線勾配については、さらに4カラム容積の段階的溶出を適用した。
【0769】
収集された画分のpHを、1/10(v/v)の0.5Mのリン酸ナトリウム(pH8.0)を加えることにより調節した。タンパク質を濃縮した後、20mMのヒスチジン、140mMの塩化ナトリウム、0.01%(v/v)のTween20溶液(pH6.0)で平衡化したHiLoad Superde×200カラム(GE Healthcare)に充填した。
【0770】
タンパク質濃度を、アミノ酸配列に基づいて計算されたモル吸光係数を用いて、280nmにおける光学濃度(OD)を測定することにより決定した。標的化三量体4−1BBリガンドFc(kih)融合抗原結合分子の純度及び分子量を、還元剤(5mM 1,4−ジチオトレイトール)の存在下及び非存在下で、Coomassie SimpleBlue
TM SafeStain(Invitrogen USA)で染色し、SDS−PAGEにより又はノギスLabChip GXII(Perkin Elmer)を用いるCE−SDSにより、分析した。試料の凝集物含有量を、25mMのK2HPO4、125mMのNaCl、200mMのL−アルギニン一塩酸塩、0.02%(w/v)のNaN、pH6.7 25℃のランニングバッファー中において平衡化したTSKgel G3000 SW XL分析的サイズ除外カラム(Tosoh)を用いて分析した。
【0771】
表90は、CEA標的化分裂三量体4−1BBリガンドFc(kih)融合抗原結合分子の収率及び最終的な単量体含有量をまとめたものである。
【0772】
表90:CEA標的化分裂三量体4−1BBリガンドFc(kih)融合体の生化学分析。
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【0773】
表91は、一価(コントロールB、D及びE)及び二価(コントロールC)両方のCP47非標的化分裂三量体4−1BBリガンドFc(kih)融合分子と、生殖系列DP47ヒトIgG1 PGLALA(コントロールF)の、収率及び最終的な単量体含有量をまとめたものである。
【0774】
表91:DP47非標的化分裂三量体4−1BBリガンドFc(kih)融合体の生化学分析
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【0775】
実施例12
CEA標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子の機能的特徴付け
12.1 表面プラズモン共鳴(同時結合)
CEA標的化三量体分裂4−1BBLコンストラクトの抗原としてのhu NA3B3A2の生成
SPRによるCEAへの結合を評価するために使用された抗原は、NABAについて記載されたもの(Durbin H. et al, Proc Natl Acad Sci U S A. 1994 May 10;91(10):4313-7)と同様に、ヒトCEACAM5(CEA)由来のA3及びB3ドメインと、ヒトCEACAM1(BGP1)由来のN及びA2ドメインからなるハイブリッド分子であった。この抗原は、本明細書でNA3B3A2と命名され、模式的説明を
図41Aに見ることができる。
【0776】
表92は、hu NA3B3A2−avi−Hisのヌクレオチド及びアミノ酸配列を示している。
【0777】
表92:hu NA3B3A2−avi−Hisのヌクレオチド及びアミノ酸配列
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【0778】
タンパク質生成を、Fc融合タンパク質について上記したように実施した(実施例7.1.1).。分泌タンパク質を、細胞培養物の上清から、キレートクロマトグラフィーと、それに続くサイズ排除クロマトグラフィーにより精製した。第1のクロマトグラフィ工程を、20mMのリン酸ナトリウム、500nMの塩化ナトリウム(pH7.4)で平衡化したNiNTA Superflow Cartridge(5ml、Qiagen)上で実施した。溶出は、5%から45%の溶出バッファー(20mMのリン酸ナトリウム、500nMの塩化ナトリウム、500mMのイミダゾール(pH7.4))の12カラム容積での勾配を適用することにより実施された。
【0779】
タンパク質を濃縮及び濾過した後、20mMのヒスチジン、140mMのNaCl、0.01% Tween−20(pH6.0)で平衡化したHiLoad Superde×75カラム(GE Healthcare)に充填した。表93は、ヒトNA3B3A2−avi−Hisの収率及び最終的な単量体含有量をまとめたものである。
【0780】
表93:ヒトNA3B3A2−avi−Hisの生化学分析
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【0781】
ヒト4−1BB Fc(kih)及びヒトNA3B3A2に対する同時結合能を、表面プラズモン共鳴(SPR)により評価した。すべてのSPR実験は、Biacore T200において、ランニングバッファーとしてHBS−EP(0.01MのHEPES(pH7.4)、0.15MのNaCl、3mMのEDTA、0.005%のSurfactant P20、Biacore、Freiburg/Germany)を用いて25℃で行われた。ビオチン化ヒト4−1BB Fc(kih)を、ストレプトアビジン(SA)センサーチップのフローセルに直接結合させた。250共鳴単位(RU)以下の固定化レベルを用いた。
【0782】
CEA標的化三量体分裂4−1BBLコンストラクト(コンストラクト5.4、5.6、5.7及び5.8)を、200nMの濃度範囲及び30μL/分の流れで、フローセルに90秒間通過させ、解離をゼロ秒に設定した。ヒトNA3B3A2を、第2の被分析物として、30μL/分の流れでフローセルを通して90秒間500nMの濃度で注入した(
図41B)。解離を120秒間モニターした。バルク屈折率の差異は、タンパク質が固定化されていない基準フローセルで取得される応答を差し引くことにより修正された。
【0783】
図42のグラフに見ることができるように、すべての二重特異性コンストラクトはヒト4−1BB及びヒトNA3B3A2に同時に結合することができた。
【0784】
12.2.CEA標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc(kih)融合抗原結合分子の活性化ヒトPMBCに対する結合
4−1BBL三量体含有Fc融合抗原結合分子のヒトPBMCに対する結合を決定するために、異なる滴定濃度のCEA標的化4−1BBL三量体含有Fc融合抗原結合分子を、実施例5.2に記載のようにしてアッセイに用いた。
【0785】
図43は、実施例11で調製されたコンストラクト5.4、5.6、5.7及び5.8の、活性化4−1BB発現CD4+ T細胞及びCD8+ T細胞に対する結合をそれぞれ示している。ゲートを生存CD45+ CD3+ CD4+ or CD45+ CD3+ CD8+ T細胞上に設定し、PEコンジュゲートAffiniPure抗ヒトIgG IgG Fcγ−断片特異的ヤギF(ab’)2断片のMFIを、標的化分裂三量体4−1BBリガンドFc融合変異体の滴定濃度に対してブロッティングした。表94は、コンストラクト5.4、5.6、5.7及び5.8とコントロール分子について測定されたEC
50値を示す。
【0786】
表94:活性化4−1BB発現CD4+ T細胞及びCD8+ T細胞に対する結合
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【0787】
12.2 CEA発現腫瘍細胞に対する結合
CEA発現腫瘍細胞に対する結合アッセイのために、以下のヒトCEA発現リンパ腫細胞株を用いた:CEA発現腫瘍細胞株ヒト胃がん細胞株MKN−45(ATCC TCP−1008)及びヒト結腸直腸腺癌細胞株LS180(ATCC CL−187)。アッセイを、実施例5.3においてFAP発現MV−3及びWM−266−4腫瘍細胞株について記載したようにして実施した。
【0788】
ゲートを生存腫瘍細胞上に設定し、PEコンジュゲートAffiniPure抗ヒトIgG IgG Fcγ−断片特異的ヤギF(ab’)2断片のMFIを、標的化分裂三量体4−1BBリガンドFc融合コンストラクトの滴定濃度に対してブロッティングした。
【0789】
図44は、実施例11.2.7で調製されたコンストラクト5.7の、ヒト−CEA発現ヒト胃細胞株MKN−45(左)及びヒト結腸直腸腺癌細胞株LS180(右)に対する結合を示している。表95は、ヒト−CEA発現ヒト胃細胞株MKN−45に測定されたEC
50値を示している。
【0790】
表95:CEA発現腫瘍細胞に対する結合
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【0791】
実施例13
CEA標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子の生物活性
13.1.ヒト4−1BBを発現するHeLa細胞におけるNF−κB活性化
ヒト4−1BB及びNF−κB−ルシフェラーゼを発現するHeLa細胞を、実施例6.1に記載のようにして生成した。
【0792】
ヒトCEA発現腫瘍細胞と共培養されたヒト4−1BBを発現するHeLa細胞におけるNF−κB活性化
NF−κB−ルシフェラーゼヒト−4−1BB HeLa細胞を採取し、10%(v/v)のFBS及び1%(v/v)のGlutaMAX−Iを供給したDMEM培地に、0.2x10
6細胞/mlの濃度となるように再懸濁した。この細胞懸濁液100μl(2x10
4個の細胞)を、蓋付き滅菌白色96ウェル平底組織培養プレート(Greiner Bio−One,Cat.No.655083)の各ウェルに移し、プレートを37℃及び5%のCO
2で一晩インキュベートした。翌日、滴定濃度のCEA標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子(CEA分裂4−1BBL三量体)又はDP47非標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子(DP47分裂4−1BBL三量体)を含む50μLの培地を加えた。CEA発現腫瘍細胞株ヒト胃がん細胞株MKN−45(ATCC TCP−1008)を、10%(v/v)のFBS及び1%(v/v)のGlutaMAX−Iを供給したDMEM培地に、2x10
6細胞/mlの濃度となるように再懸濁した。
【0793】
CEA発現B細胞リンパ腫細胞(50μl、最終比1:5)の懸濁液又は培地のみを各ウェルに加え、プレートを6時間37℃及び5%CO2でインキュベートした。細胞を、200μL/ウェルのDPBSで二度洗浄した。40μlの新しく調製したReporter Lysis Buffer(Promega,Cat−No:E3971)を各ウェルに加え、プレートを一晩−20℃で貯蔵した。翌日、凍結した細胞プレート及びDetection Buffer(Luciferase 1000 Assay System,Promega,Cat.−No.E4550)を、室温で温めた。100μLの検出バッファーを各ウェルに加え、ルシフェラーゼ活性を、SpectraMa×M5/M5eマイクロプレートリーダー及び発光をURL(0.5秒/ウェルの放出光の単位)でカウントするSoftMa×Pro Software(Molecular Devices)又はVictor3 1420 マルチラベルカウンタープレートリーダー(Perkin Elmer)及びカウント毎秒(CPS)として発光をカウントするPerkin Elmer 2030 Manager Softwareandを用いて測定し、試験したコンストラクトの濃度に対してブロッティングした。
【0794】
CEA標的化4−1BBリガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子コンストラクト5.7及び5.8は、ヒト胃がん細胞株MKN−45細胞の存在下で、レポーター細胞株内にNF−kBシグナル伝達経路の活性化をトリガーした。対照的に、非標的化コントロール分子は、試験された濃度のいずれにおいてもそのような効果をトリガーできなかった(
図45)。表96は、対応するEC50値を示す。
【0795】
表96:CEA発現腫瘍細胞に対する結合
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【0796】
実施例14
14.1 FAP標的化OX40リガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子の調製
ヒトOX40リガンドのエクトドメイン(アミノ酸51−183)のDNA配列コード化部分を、UniprotデータベースのP23510配列に従って合成した。グリコシル化によるヒトOx40リガンドの不均一性を低下させるために、90位及び114位のアスパラギン残基を、部位特異的突然変異誘発によりアスパラギン酸に突然変異させた(Compaan D.M., Hymowitz S.G., Structure (2006) 14(8), 1321-30に従って)。
【0797】
(G4S)2リンカーにより分離されたOX40リガンドの二つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1−CLドメインに融合したポリペプチドを、
図46Aに示すように(ヒトOX40リガンド、(G4S)2コネクター、ヒトOX40リガンド、(G4S)2コネクター、ヒトCL)クローニングした。
【0798】
OX40リガンドの一つのエクトドメインを含み、ヒトIgG1−CHドメインに融合したポリペプチドを、
図46Bに示すように(ヒトOX40リガンド、(G4S)2コネクター、ヒトCH)クローニングした。
【0799】
正確な対合を向上させるために、以下の突然変異が交差CH−CLに導入された。ヒトCLに融合した二量体4−1BBリガンド内において、E123R及びQ124K。ヒトCH1に融合した単量体4−1BBリガンド内において、K147E及びK213E。
【0800】
FAPバインダーの生成及び調製は、国際公開第2012/020006号に記載されており、この特許文献は参照により本明細書に包含される。
【0801】
FAPに特異的なバインダーをコードする重鎖及び軽鎖DNA配列の可変領域(クローン28H11)を、ホールの定常重鎖又はヒトIgG1の定常軽鎖とインフレームでサブクローニングした。Fcガンマ受容体への結合を抑止するために、国際公開第2012/130831号に記載される方法に従って、Pro329Gly、Leu234Ala及びLeu235Ala突然変異がノブ及びホール重鎖の定常領域に導入された。
【0802】
S354C/T366W突然変異を含む二量体リガンド−Fcノブ鎖、単量体CH1融合体、Y349C/T366S/L368A/Y407V突然変異を含む標的化抗FAP−Fcホール鎖、及び抗FAP軽鎖の組み合わせが、構築された三量体OX40リガンド及びFAP結合Fabを含むヘテロ二量体の生成を可能にする(
図46C、コンストラクト6.1)。
【0803】
表97は、交差CH−CL及び荷電残基を含む一価のCEA T84.66(T84.66−LCHA)標的化分裂三量体OX40リガンド(51−183)Fc(kih)融合抗原結合分子(コンストラクト6.1)のcDNA及びアミノ酸配列を示す。
【0804】
表97:荷電残基を含むCH−CLクロスを含む、一価のFAP(28H1)標的化分裂三量体OX40リガンドFc(kih)融合体(コンストラクト6.1)のcDNA及びアミノ酸配列。*荷電残基
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【0805】
14.2 コントロールFとしての非標的化ヒトIgG1の調製
アッセイに使用されたコントロール分子(コントロールFと呼ぶ(
図46D))は、国際公開第2012/130831号に記載された方法に従ってFcガンマ受容体に対する結合を抑止するためにPro329Gly、Leu234Ala及びLeu235Ala突然変異を含む、非標的化DP47、生殖系列コントロール、ヒトIgG1であった。その調製は実施例2.3に記載されている。表29は、非標的化DP47 huIgG1 PGLALA(コントロールF)のcDNA及びアミノ酸配列を示す。
【0806】
14.3 FAP標的化分裂三量体OX40リガンドFc融合抗原結合分子及びそのコントロール分子の調製
標的化及び非標的化分裂三量体OX40リガンドFc(kih)融合コード化配列を、プラスミドベクター中にクローニングした。これは、MPSVプロモーターから挿入物の発現を誘導するものであり、CDSの3’末端に位置する合成polyA配列を含む。加えて、このベクターは、プラスミドのエピソーム維持のためのEBV OriP配列を含む。
【0807】
分裂三量体Ox40リガンドFc(kih)融合体を、ポリエチレンイミンを用いてHEK293−EBNA細胞に哺乳動物発現ベクターをコトランスフェクトすることにより生成した。細胞には、対応する発現ベクターがトランスフェクトされた。変異体1,2,4,5及びそのコントロールB、D及びEのために、1:1:1:1の比(「ベクター二量体リガンド−CL−ノブ鎖」:「ベクター単量体リガンド融合−CH1」:「ベクター抗FAP Fab−ホール鎖」:「ベクター抗FAP軽鎖」)で。変異体3、6及びそのコントロールCのために、1:1:1の比(「ベクターhuIgG1 Fcホール二量体リガンド鎖」:「ベクターhuIgG1 Fcノブ単量体リガンド鎖」:「ベクター抗FAP軽鎖」)で。アッセイにおいてコントロールとして用いたヒトIgGは、二重特異性コンストラクトのためとして生成された(トランスフェクションのためにのみ、軽鎖のベクター及び重鎖のベクターを1:1の比で使用した)。
【0808】
500mLの振盪フラスコ内での生成のために、3億個のHEK293 EBNA細胞をトランスフェクションの24時間前に播種した。トランスフェクションのために、細胞を10分間210×gで遠心分離し、上清を、20mLの予め温めたCD CHO培地により置き換えた。発現ベクター(200μgの全DNA)を20mLのCD CHO培地に混合した。540μLのPEIを加えた後、溶液を15秒間ボルテックスし、室温で10分間インキュベートした。その後細胞を、DNA/PEI溶液と混合し、500mlの振盪フラスコに移し、5%CO2雰囲気のインキュベーター内において37℃で3時間インキュベートした。インキュベーション後、6mMのL−グルタミン、5g/LのPEPSOY及び1.2mMのバルプロ酸を補った160mLのExcell培地を加え、細胞を24時間培養した。トランスフェクションの一日後、12%のFeed(アミノ酸及びグルコース)を加えた。7日間の培養後、上清を、30〜40分間少なくとも400×gで遠心分離することにより収集した。溶液を滅菌濾過し(0.22μmのフィルター)、最終濃度0.01%(w/v)となるようにアジ化ナトリウムを補い、4℃に維持した。
【0809】
分裂三量体OX40リガンドFc(kih)融合抗原結合分子、並びにIgGを、プロテインAを用いるアフィニティークロマトグラフィーに続いてサイズ排除クロマトグラフィーを行うことにより、細胞培養物上清から精製した。アフィニティークロマトグラフィーのために、上清を、リン酸ナトリウム(20mM)、クエン酸ナトリウム(20mM)バッファー(pH7.5)で平衡化したMabSelect Sureカラム(CV=5−15mL,GE Healthcareの樹脂)に充填した。未結合のタンパク質を、少なくとも6カラム容積の同じバッファーによる洗浄により除去した。結合したタンパク質を、20mMのクエン酸ナトリウム、100mMの塩化ナトリウム、100mMのグリシンバッファー(pH3.0)による直線勾配(20CV)又は段階的溶出(8CV)を用いて溶出した。直線勾配については、さらに4カラム容積の段階的溶出を適用した。
【0810】
収集された画分のpHを、1/10(v/v)の0.5Mのリン酸ナトリウム(pH8.0)を加えることにより調節した。タンパク質を濃縮した後、20mMのヒスチジン、140mMの塩化ナトリウム、0.01%(v/v)のTween20溶液(pH6.0)で平衡化したHiLoad Superde×200カラム(GE Healthcare)に充填した。
【0811】
タンパク質濃度を、アミノ酸配列に基づいて計算されたモル吸光係数を用いて、280nmにおける光学濃度(OD)を測定することにより決定した。標的化三量体4−1BBリガンドFc(kih)融合体の純度及び分子量を、還元剤(5mM 1,4−ジチオトレイトール)の存在下及び非存在下で、Coomassie SimpleBlue
TM SafeStain(Invitrogen USA)で染色し、SDS−PAGEにより又はCaliper LabChip GXII(Perkin Elmer)を用いるCE−SDSにより、分析した。試料の凝集物含有量を、25mMのK2HPO4、125mMのNaCl、200mMのL−Arginine Monohydrocloride、0.02%(w/v)のNaN、pH6.7 25℃のランニングバッファー中において平衡化したTSKgel G3000 SW XL分析的サイズ除外カラム(Tosoh)を用いて分析した。
【0812】
表98は、FAP標的化分裂三量体Ox40リガンドFc(kih)融合抗原結合分子と、生殖系列DP47ヒトIgG1 PGLALA(コントロールF)の、収率及び最終的な単量体含有量をまとめたものである。
【0813】
表98:CEA標的化分裂三量体4−1BBリガンドFc(kih)融合体の生化学分析。
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【0814】
実施例15
標的化OX40リガンド三量体含有Fc融合抗原結合分子の機能的特徴付け
15.1 ヒトFAP発現腫瘍細胞に対する結合
細胞表面FAPに対する結合を、WM−266−4細胞(ATCC CRL−1676)を用いて試験した。0.5x105個のWM−266−4細胞を、丸底サスペンジョン細胞96ウェルプレート(Greiner bio−one、cellstar,Cat.−No.650185)の各ウェルに加えた。細胞を、120分間4℃で暗所において、滴定された抗Ox40抗体コンストラクトを含む、50μL/ウェルの4℃の冷たいFACSバッファー(DPBS(Gibco by Life Technologies,Cat.No.14190 326)w/BSA(0.1% v/w、Sigma−Aldrich,Cat.No.A9418)中で染色した。過剰FACSバッファーにより三度洗浄した後、細胞を、45分間4℃で暗所において、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)コンジュゲートAffiniPure抗ヒトIgG Fcγ−断片特異的ヤギIgG F(ab’)2断片(Jackson ImmunoResearch,Cat.No.109 096 098)を含む、25μL/ウェルの4℃の冷たいFACSバッファー中で染色した。
【0815】
プレートは、最後に0.2μg/mLのDAPI(Santa Cruz Biotec,Cat.No.Sc−3598)を含む90μL/ウェルのFACSバッファーに再懸濁され、同日に5レーザーLSR−Fortessa(DIVAソフトウェアを有するBD Bioscience)を用いて獲得された。
【0816】
図47Aに示すように、一価のFAP(28H1)標的化分裂三量体Ox40リガンドFc(kih)融合抗原結合分子(FAP−OX40L)はヒトFAP発現標的細胞に効率よく結合したが、ネガティブコントロールFは結合しなかった。FAP陽性WM−266−4に対する結合のEC50値は[6.9nM]であった。
【0817】
15.2 OX40及びFAP陰性腫瘍細胞に対する結合
OX40陰性FAP陰性腫瘍細胞に対する結合の欠如を、非標識化ヒトFAP陽性WM266−4細胞からの分離を可能にする、核に限定されたNucLight Red蛍光タンパク質を発現するA549 NucLight
TM Red Cells(Essenbioscience,Cat.No.4491)を用いて試験した。親A549(ATCC CCL−185)に、Essen CellPlayer NucLight Red Lentivirus(Essenbioscience,Cat.No.4476;EF1α、ピューロマイシン)を、標準のEssenプロトコールに従い、8μg/mlのポリブレンの存在下において、3(TU/細胞)のMOIで形質導入した。
【0818】
FACSバッファー中、5x104個の非標識化WM266−4細胞と非標識化A549 NucLight
TM Red Cellsの混合物を、丸底サスペンジョン細胞96ウェルプレートの各ウェルに加え、セクション15.1に記載のようにして結合アッセイを実施した。
【0819】
図47Bに示すように、、FAP−OX40LはOX40陰性FAP陰性ヒト腫瘍細胞に結合しなかった。
【0820】
15.3 ヒトOX40発現細胞への結合:ナイーブ及び活性化ヒト末梢単核球白血球(PBMC)
バフィーコートをチューリッヒ献血センターから取得した。新鮮な末梢血単核細胞(PBMC)を単離するために、バフィーコートを同じ容積のDPBS(Gibco by Life Technologies,Cat.No.14190 326)で希釈した。50mLのポリプロピレン遠心分離管(TPP,Cat.−No.91050)に、15mLのHistopaque 1077(SIGMA Life Science,Cat.−No.10771、ポリスクロース及びジアトリゾ酸ナトリウム、1.077g/mLの密度に調整)を供給し、バフィーコート溶液をHistopaque 1077の上に重ねた。管を、30分間400×g、室温、及び低下速度で、中断なく遠心分離した。その後PBMCを、接触面から収集し、DPBSで三度洗浄し、10%のウシ胎児血清(FBS、Gibco by Life Technology,Cat.No.16000−044、Lot941273、ガンマ線照射、マイコプラズマフリー、56℃で35分間熱失活)、1%(v/v)のGlutaMAX−I(GIBCO by Life Technologies,Cat.No.35050 038)、1mMのピルビン酸ナトリウム(SIGMA,Cat.No.S8636)、1%(v/v)のMEM非必須アミノ酸(SIGMA,Cat.−No.M7145)及び50μMのβ−メルカプトエタノール(SIGMA、M3148)を供給した、RPMI 1640培地(Gibco by Life Technology,Cat.No.42401−042)からなるT細胞培地に再懸濁した。
【0821】
PBMCは、単離後直接使用された(休止ヒトPBMCに結合)か、又はT細胞の細胞表面上に強いヒトOx40の発現を受けるように刺激された(活性化ヒトPBMCに結合)。したがって、ナイーブPBMCを、6ウェル組織培養プレートにおいて、200U/mLのProleukin(Novartis)及び2ug/mLのPHA−L(Sigma−Aldrich、L2769−10)を供給したT細胞培地中で四日間、次いで事前コーティングした6ウェル組織培養プレート[4ug/mL]抗ヒトCD3(クローンOKT3、eBioscience,Ca.No.16−0037−85)において一晩培養し、[2ug/mL]抗ヒトCD28(クローンCD28.2、eBioscience,Cat No.16−0289−85)を、200U/mLのProleukinを供給したT細胞培地において37℃及び5% CO
2で培養した。
【0822】
Ox40の検出のために、ナイーブヒトPBMC及び活性化ヒトPBMCを混合した。活性化ヒトPBMCからナイーブを区別するために、ナイーブ細胞を、結合アッセイに先立ってeFluor670細胞増殖染料(eBioscience,Cat.−No.65−0840−85を用いて標識化した。
【0823】
標識化のために、細胞を、採取し、予め温めた(37℃)DPBSで洗浄し、DPBS中において細胞密度1x10
7細胞/mLに調整した。eFluor670細胞増殖染料(eBioscience,Cat.−No.65−0840−85)を、DPBS中、最終濃度2.5mM及び最終細胞密度0.5x10
7細胞/mLでナイーブヒトPBMCの懸濁液に加えた。次いで細胞を、10分間室温で暗所においてインキュベートした。標識化反応を止めるため、4mLの熱失活したFBSを加え、T細胞培地で細胞を三度洗浄した。次いで、1x10
5個の休止eFluor670標識化ヒトPBMCと0.5x10
5個の非標識化活性化ヒトPBMCの二対一の混合物を、丸底サスペンジョン細胞96ウェルプレート(greiner bio−one,cellstar,Cat.No.650185)の各ウェルに加えた。
【0824】
細胞を、120分間4℃で暗所において、滴定された抗Ox40抗体コンストラクトを含む、50μL/ウェルの4℃の冷たいFACSバッファー中で染色した。過剰FACSバッファーで三度洗浄した後、細胞を、45分間4℃で暗所において、蛍光標識された抗ヒトCD4(クローンRPA−T4、マウスIgG1k、BioLegend,Cat.−No.300532)、抗ヒトCD8(クローンRPa−T8、マウスIgG1k、BioLegend,Cat.−No.3010441)及びフルオレセインイソチオシアネート(FITC)コンジュゲートAffiniPure抗ヒトIgG Fcγ−断片特異的ヤギIgG F(ab’)2断片(Jackson ImmunoResearch,Cat.−No.109−096−098)の混合物を含む、25μL/ウェルの4℃の冷たいFACSバッファーで染色した。
【0825】
プレートは、最後に0.2μg/mLのDAPI(Santa Cruz Biotec,Cat.No.Sc−3598)を含む90μL/ウェルのFACSバッファーに再懸濁され、同日に5レーザーLSR−Fortessa(DIVAソフトウェアを有するBD Bioscience)を用いて獲得された。
【0826】
図48A及び48Bに示すように、FAP−OX40Lは、OX40に陰性である休止ヒトCD4+ T細胞又はCD8+ T細胞に結合しなかった。対照的に、FAP−OX40Lは、OX40を発現しない活性化CD8+又はCD4+ T細胞に結合した。CD4+ T細胞に対する結合は、CD8+ T細胞に対する結合よりもはるかに強かった。活性化ヒトCD8+ T細胞は、活性化CD4+ T細胞上において検出されるOX40の一部しか発現しない。OX40の発現レベルは、刺激の動力学及び強度に依存しており、本発明の条件は、CD4+ T細胞上におけるOX40発現について最適化されたが、CD8+ T細胞については最適化されなかった。したがって、OX40発現はCD8 T細胞上にほとんど誘導されなかった。OX40陽性CD4+又はCD8+ T細胞に対する結合のEC50値は[0.15nM]であった。
【0827】
15.4 ヒトOX40及びレポーター遺伝子NFκB−ルシフェラーゼを発現するHeLa細胞におけるNFκB活性化
Ox40のそのリガンドに対するアゴニスト結合は、核内因子カッパB(NFκB)の活性化により下流のシグナル伝達を誘導する(A. D. Weinberg et al., J. Leukoc. Biol. 2004, 75(6), 962-972)。組み換えレポーター細胞株HeLa_hOx40_NFkB_Luc1が、その表面上にヒトOx40を発現するように生成された。加えて、この細胞株は、NFκB−感受性エンハンサーセグメントの制御下において、ルシフェラーゼ遺伝子を含むレポータープラスミドを担持する。Ox40のトリガーは、用量依存性のNFκBの活性化を誘導し、NFκBは核内で位置を変え、そこでレポータープラスミドのNFκB感受性エンハンサーに結合し、ルシフェラーゼタンパク質の発現を増大させる。ルシフェラーゼは、ルシフェリンの酸化を触媒し、その結果発光するオキシルシフェリンを生じる。これは、ルミノメーターにより定量化することができる。したがって、様々な抗Ox40分子の、HeLa_hOx40_NFkB_Luc1レポーター細胞においてNFκB活性化を誘導する能力が、バイオ活性の評価基準として分析された。
【0828】
接着性のHeLa_hOx40_NFkB_Luc1細胞を、細胞解離バッファー(Invitrogen,Cat.−No.13151−014)を10分間37℃で使用して採取した。細胞を、DPBSで一度洗浄し、MEM(Invitrogen,Cat.−No.22561−021)、10%(v/v)の熱失活したFBS、1mMのSodium−Pyruvat及び1%(v/v)の非必須アミノ酸を含むアッセイ培地において細胞密度1.33x10
5個に調整した。細胞を、蓋付き滅菌白色96ウェル平底組織培養プレート(greiner bio−one,Cat.No.655083)内において1ウェル当たり0.2*10
5細胞の密度に播種し、インキュベーター(Hera Cell 150)内において一晩37℃及び5% CO
2に保持した。
【0829】
翌日、HeLa_hOx40_NFkB_Luc1を、5時間にわたり、滴定したFAP−Ox40L又はネガティブコントロールFを含むアッセイ培地を加えることにより刺激した。抗Ox40抗体に対する超架橋の効果を試験するために、二次抗体抗ヒトIgG Fcγ−断片特異的ヤギIgG F(ab’)2断片(Jackson ImmunoResearch,109−006−098)を含む、25μL/ウェルの培地を、1:2の比で加えた(一次抗体の2倍の二次抗体)。インキュベーションの後、上清を吸引し、プレートをDPBSで二度洗浄した。発光の定量化を、製造者の指示に従ってルシフェラーゼ100アッセイ系及びレポーター溶解バッファー(Promega,Cat.−No.E4550及びCat−No:E3971の両方)を用いて実施した。簡単に説明すると、細胞を、10分間にわたり−20℃で、1ウェル当たり30uLの1x溶解バッファーを加えることにより溶解した。細胞を、20分間にわたり37℃で解凍した後、1ウェル当たり90uLのルシフェラーゼアッセイ試薬を加えた。 すべての波長を収集するフィルターなしで500msの積分時間刻みを用いるSpectraMa×M5/M5eマイクロプレートリーダー(Molecular Devices、USA)により発光を直ちに定量化した。放射された発光量(relative light units(URL))を、HeLa_hOx40_NFkB_Luc1細胞の基礎発光により修正し、Prism4(GraphPad Software,USA)を用いて対数的な一次抗体濃度に対してブロットした。曲線は、組み込まれたシグモイド用量応答を用いてフィッティングされた。
【0830】
図49に示すように、限定された、用量依存性のNFkB活性化が、レポーター細胞株にFAP−Ox40L(左側)を加えることにより既に誘導されていた。抗ヒトIgG特異的二次抗体によるFAP−Ox40Lの超架橋は、濃度依存性にNFκB媒介性ルシフェラーゼ活性化の誘導を増加させた(右側)。
【0831】
その結果として、FAP+腫瘍細胞株によるコンストラクトの超架橋によるFAP−Ox40LのNFkB活性化能が試験された。
【0832】
試験した腫瘍細胞株はNIH/3T3−huFAPクローン39であった。NIH/3T3−huFAPクローン39は、マウス胚性線維芽細胞NIH/3T3細胞株(ATCC CRL−1658)に、1.5μg/mLのPuromycin選択の下でhuFAPを発現させる発現ベクターpETR4921をトランスフェクトすることにより、生成した。FAPの表面発現を、製造者の指示に従ってQuifikit(Dako Cat.No.K0078)を用いて定量化した。細胞表面のFAP発現を検出するために使用された一次抗体は、ヒト/マウス交差反応性クローンF11−24(マウスIgG1、Calbiochem,Ca.No.OP188)であった。NIH/3T3−huFAPクローン39上での表面発現は、細胞1つ当たりのhuFAPが約90000であった。
【0833】
本明細書に先述のように、接着性のHeLa_hOx40_NFkB_Luc1細胞を、一晩にわたり、1ウェル当たり細胞0.2*10
5個の細胞密度で培養し、5時間にわたり、滴定されたFAP−Ox40Lを含むアッセイ培地で刺激した。細胞表面FAP結合による超架橋の効果を試験するために、FAP+腫瘍細胞NIH/3T3−huFAPクローン39を含む、25μL/ウェルの培地を、3対1の比で(1ウェル当たり、レポーター細胞の三倍のFAP+腫瘍細胞)共培養した。活性化NFκBを、ルシフェラーゼ100アッセイ系及びレポーター溶解バッファー(Promega,Cat.−No.E4550及びCat−No:E3971の両方)を用いて発光を測定することにより定量化した。
【0834】
図50Aに示すように、FAP−Ox40Lを加えたとき、FAP発現腫瘍細胞の存在はNFκB媒介性ルシフェラーゼ活性化の誘導を強力に増大させた。それぞれのブロッティングされた用量−応答曲線の曲線下面積を、各コンストラクトのアゴニスト能に関するマーカーとして定量化した。
図50Aに示すように、細胞表面に提示されるFAPの存在は、より高い架橋を保証し、すなわちFAP−Ox40Lのアゴニスト効果を改善するもので、次いでFc特的二次抗体の追加を保証した。
【0835】
15.5 最適以下でTCRトリガーされた休止ヒトPBMCのOX40媒介性共刺激及び細胞表面FAPによる超架橋
実施例15.4において、FAP+腫瘍細胞の追加が、OX40受容体の強力なオリゴマー形成を提供することにより、ヒトOx40陽性レポーター細胞株においてFAP標的化OX40Lにより誘導されるNFkB活性を強力に増大させることができることが示された。同様に、NIH/3T3−huFAPクローン39細胞の存在下において、FAP−OX40Lコンストラクトを、休止ヒトPBMC細胞の準最適なTCR刺激を救済する能力について試験した。
【0836】
ヒトPBMC調製物は、(1)休止Ox40陰性CD4+及びCD8+ T細胞及び(2)細胞表面、例えばB細胞及び単球上に様々なFc−γ受容体分子を有する 抗原提示細胞を含む。ヒトIgG1アイソタイプの抗ヒトCD3抗体は、そのFc部分で本発明のFc−γ受容体分子に結合し、休止Ox40陰性CD4+及びCD8+ T細胞上において持続性のTCR活性化を媒介することができる。次いでこれら細胞は、数時間以内にOx40を発現し始める。Ox40に対する機能的アゴニスト化合物は、活性化CD8+及びCD4+ T細胞上に存在するOx40受容体を介してシグナル伝達し、TCR媒介性刺激を支持することができる。
【0837】
休止CFSE標識化ヒトPBMCを、放射されたFAP+ NIH/3T3−huFAPクローン39細胞及び滴定されたFAP−Ox40Lの存在下において、五日間にわたり準最適濃度の抗CD3抗体で刺激した。T細胞の生存及び増殖に対する効果を、フローサイトメトリーにより生存細胞中における総細胞数及びCFSE希釈をモニターすることにより分析した。
【0838】
マウス胚性線維芽細胞NIH/3T3−huFAPクローン39細胞(実施例15.4参照)を、細胞解離バッファー(Invitrogen,Cat.−No.13151−014)を用いて10分間37℃で採取した。細胞を、DPBSで一度洗浄した。NIH/3T3−huFAPクローン39細胞を、インキュベーター(Hera Cell 150)内の滅菌96ウェル丸底接着組織培養プレート(TPP,Cat.No.92097)のT細胞培地中で一晩37℃及び5% CO
2 で、1ウェル当たり 0.2*10
5細胞の密度で培養した。翌日、それら細胞を、4500 RADの線量を用いるエックス線照射器内で照射して、腫瘍細胞株によりヒトPBMCが後で過剰増殖することを防止した。
【0839】
ヒトPBMCを、実施例15.3に記載したフィコール密度遠心分離により単離した。次いで細胞を、最終濃度[50nM]でCFDA−SE(Sigma−Aldrich,Cat.−No.2188)を用いて、1x10
6細胞/mLの細胞密度のCFSEにより10分間37℃で標識した。その後、細胞を、FBS(10% v/v)を含む過剰DPBSにより二度洗浄した。標識された細胞を、T細胞培地中において37℃で30分間休止させた。その後、非転換CFDA−SEを、DPBSによる二度の追加的洗浄工程により除去した。CFSE標識された休止ヒトPBMCを、1ウェル当たり0.5*10
5細胞の密度で各ウェルに加えた。最終濃度[20nM]の抗ヒトCD3抗体(Rodrigues et al., Int J Suppl 7, 45-50 (1992)及び米国特許第6054297号に記載されるクローンV9、ヒトIgG1)及びFAP−OX40Lを、示された濃度で加えた。細胞を、インキュベーター(Hera Cell 150)内において、五日にわたり37℃及び5% CO
2で活性化した。次いで細胞を、蛍光性染料コンジュゲート抗体抗ヒトCD4(クローンRPA−T4、BioLegend,Cat.−No.300532)及びCD8(クローンRPa−T8、BioLegend,Cat.−No.3010441)を用いて、20分間4℃で表面染色した。FACSバッファーによる洗浄工程後、細胞を、85μL/ウェルのFACSバッファーに再懸濁し、5レーザーFortessaフローサイトメーター(DIVAソフトウェアを有するBD Bioscience)を用いて獲得した。
【0840】
図51に示すように、本発明のNIH/3T3−huFAPクローン39細胞によるFAP−OX40Lコンストラクトの超架橋は、TCR刺激ヒトCD4及びCD8 T細胞において、増殖(上部の「事象」グラフ参照)及び生存(下部の「増殖」グラフ参照)を強力に促進した。ヒトCD8+ T細胞上におけるOX40の低発現と一致して、CD8+ T細胞上におけるFAP−OX40Lのアゴニスト効果はCD4+ T細胞上よりも弱かった。
【0841】
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