(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6873915
(24)【登録日】2021年4月23日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】状態ドメインにわたる欠落した定期的なアクションのトラッキング
(51)【国際特許分類】
G06F 11/07 20060101AFI20210510BHJP
【FI】
G06F11/07 154
G06F11/07 193
G06F11/07 140N
【請求項の数】24
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-556173(P2017-556173)
(86)(22)【出願日】2016年5月26日
(65)【公表番号】特表2018-525695(P2018-525695A)
(43)【公表日】2018年9月6日
(86)【国際出願番号】US2016034291
(87)【国際公開番号】WO2017003602
(87)【国際公開日】20170105
【審査請求日】2019年5月21日
(31)【優先権主張番号】14/752,841
(32)【優先日】2015年6月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ムッラ,ディーン
(72)【発明者】
【氏名】ボルコウスキ,ダニエル ジー.
(72)【発明者】
【氏名】シストラ,クリシュナカント ヴィー.
(72)【発明者】
【氏名】ウー,ヴィクター
(72)【発明者】
【氏名】ルトラ,マネヴ
【審査官】
多胡 滋
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−238159(JP,A)
【文献】
特開2007−102670(JP,A)
【文献】
特開2013−114435(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0304566(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリコントローラと、
前記メモリコントローラに接続されたメモリと、
前記メモリコントローラの状態を管理する電力管理サブシステムであって、前記電力管理サブシステムは、スケジューラ装置を有し、前記スケジューラ装置は、
前記メモリコントローラが前記状態にあることを判別する状態インタフェースと、
前記メモリコントローラが前記状態にある間に定期的なアクションが前記メモリコントローラにおいて生じるようにスケジュールされていることを判別する欠落アクション検出器と、
前記メモリコントローラに関する欠落イベントとして前記定期的なアクションを記録する欠落アクショントラッキング器と、
を含む、電力管理サブシステムと、
を備え、
前記欠落アクショントラッキング器は、欠落イベントカウンタをさらに含み、前記定期的なアクションを記録するために前記欠落イベントカウンタをインクリメントし、
前記スケジューラ装置は、
前記欠落イベントカウンタの値が閾値に達したことに応じて、前記状態から前記メモリコントローラを抜け出させるフロップコンポーネントと、
前記メモリコントローラにおいて生じるように前記定期的なアクションの1つ以上のインスタンスをトリガするトリガコンポーネントであって、前記1つ以上のインスタンスは、前記欠落イベントカウンタの前記値に基づいて、前記定期的なアクションに関連付けられたデフォルトレートに対して増大されたレートでトリガされる、トリガコンポーネントと、
をさらに含む、パトロールスクラビングコンピューティングシステム。
【請求項2】
前記フロップコンポーネントは、前記定期的なアクションの前記1つ以上のインスタンスが完了するまで、前記メモリコントローラが前記状態に再び入るのを防止する、請求項1記載のパトロールスクラビングコンピューティングシステム。
【請求項3】
メモリコントローラと、
前記メモリコントローラに接続されたメモリと、
前記メモリコントローラの状態を管理する電力管理サブシステムであって、前記電力管理サブシステムは、スケジューラ装置を有し、前記スケジューラ装置は、
前記メモリコントローラが前記状態にあることを判別する状態インタフェースと、
前記メモリコントローラが前記状態にある間に定期的なアクションが前記メモリコントローラにおいて生じるようにスケジュールされていることを判別する欠落アクション検出器と、
前記メモリコントローラに関する欠落イベントとして前記定期的なアクションを記録する欠落アクショントラッキング器と、
を含む、電力管理サブシステムと、
を備え、
前記欠落アクショントラッキング器は、欠落イベントカウンタをさらに含み、前記定期的なアクションを記録するために前記欠落イベントカウンタをインクリメントし、
前記スケジューラ装置は、
前記メモリコントローラが前記状態から出たという判定に応じて、前記メモリコントローラにおいて生じるように前記定期的なアクションの1つ以上のインスタンスをトリガするトリガコンポーネントであって、前記1つ以上のインスタンスは、前記欠落イベントカウンタの値に基づいて、前記定期的なアクションに関連付けられたデフォルトレートに対して増大されたレートでトリガされる、トリガコンポーネント、
をさらに含む、パトロールスクラビングコンピューティングシステム。
【請求項4】
前記スケジューラ装置は、
前記定期的なアクションの前記1つ以上のインスタンスが完了するまで、前記メモリコントローラが前記状態に再び入るのを防止するフロップコンポーネント、
をさらに含む、請求項3記載のパトロールスクラビングコンピューティングシステム。
【請求項5】
前記欠落アクショントラッキング器は、前記定期的なアクションの1つ以上のインスタンスの完了のアクノレッジメントを受信し、前記アクノレッジメントに応じて、前記欠落イベントカウンタをデクリメントする、請求項1乃至4いずれか一項記載のパトロールスクラビングコンピューティングシステム。
【請求項6】
前記定期的なアクションは、前記メモリコントローラが前記状態にある間に生じるのを妨げられ、前記状態は、低減された電力状態及び高められた性能状態のうちの1つである、請求項1乃至5いずれか一項記載のパトロールスクラビングコンピューティングシステム。
【請求項7】
第2のドメインの状態を管理する第1のドメインにおいて、前記第2のドメインが前記状態にあることを判別する状態インタフェースと、
前記第1のドメインにおいて、前記第2のドメインが前記状態にある間に定期的なアクションが前記第2のドメインにおいて生じるようにスケジュールされていることを判別する欠落アクション検出器と、
前記第2のドメインに関する欠落イベントとして前記定期的なアクションを記録する欠落アクショントラッキング器と、
を備え、
前記欠落アクショントラッキング器は、欠落イベントカウンタをさらに含み、前記定期的なアクションを記録するために前記欠落イベントカウンタをインクリメントし、
前記第1のドメインは、
前記欠落イベントカウンタの値が閾値に達したことに応じて、前記状態から前記第2のドメインを抜け出させるフロップコンポーネントと、
前記第2のドメインにおいて生じるように前記定期的なアクションの1つ以上のインスタンスをトリガするトリガコンポーネントであって、前記1つ以上のインスタンスは、前記欠落イベントカウンタの前記値に基づいて、前記定期的なアクションに関連付けられたデフォルトレートに対して増大されたレートでトリガされる、トリガコンポーネントと、
をさらに含む、スケジューラ装置。
【請求項8】
前記フロップコンポーネントは、前記定期的なアクションの前記1つ以上のインスタンスが完了するまで、前記第2のドメインが前記状態に再び入るのを防止する、請求項7記載のスケジューラ装置。
【請求項9】
第2のドメインの状態を管理する第1のドメインにおいて、前記第2のドメインが前記状態にあることを判別する状態インタフェースと、
前記第1のドメインにおいて、前記第2のドメインが前記状態にある間に定期的なアクションが前記第2のドメインにおいて生じるようにスケジュールされていることを判別する欠落アクション検出器と、
前記第2のドメインに関する欠落イベントとして前記定期的なアクションを記録する欠落アクショントラッキング器と、
を備え、
前記欠落アクショントラッキング器は、欠落イベントカウンタをさらに含み、前記定期的なアクションを記録するために前記欠落イベントカウンタをインクリメントし、
前記第1のドメインは、
前記第2のドメインが前記状態から出たという判定に応じて、前記第2のドメインにおいて生じるように前記定期的なアクションの1つ以上のインスタンスをトリガするトリガコンポーネントであって、前記1つ以上のインスタンスは、前記欠落イベントカウンタの値に基づいて、前記定期的なアクションに関連付けられたデフォルトレートに対して増大されたレートでトリガされる、トリガコンポーネント、
をさらに含む、スケジューラ装置。
【請求項10】
前記第1のドメインは、
前記定期的なアクションの前記1つ以上のインスタンスが完了するまで、前記第2のドメインが前記状態に再び入るのを防止するフロップコンポーネント、
をさらに含む、請求項9記載のスケジューラ装置。
【請求項11】
前記欠落アクショントラッキング器は、前記定期的なアクションの1つ以上のインスタンスの完了のアクノレッジメントを受信し、前記アクノレッジメントに応じて、前記欠落イベントカウンタをデクリメントする、請求項7乃至10いずれか一項記載のスケジューラ装置。
【請求項12】
前記定期的なアクションは、前記第2のドメインが前記状態にある間に生じるのを妨げられ、前記状態は、低減された電力状態及び高められた性能状態のうちの1つである、請求項7乃至11いずれか一項記載のスケジューラ装置。
【請求項13】
状態ドメインにわたる定期的なアクションをトラッキングする方法であって、
第2のドメインの状態を管理する第1のドメインにおいて、前記第2のドメインが前記状態にあることを判別するステップと、
前記第1のドメインにおいて、前記第2のドメインが前記状態にある間に定期的なアクションが前記第2のドメインにおいて生じるようにスケジュールされていることを判別するステップと、
前記第2のドメインに関する欠落イベントとして前記定期的なアクションを記録するステップと、
を含み、
前記定期的なアクションを記録することは、欠落イベントカウンタをインクリメントすることを含み、
当該方法は、
前記欠落イベントカウンタの値が閾値に達したことに応じて、前記状態から前記第2のドメインを抜け出させるステップと、
前記第2のドメインにおいて生じるように前記定期的なアクションの1つ以上のインスタンスをトリガするステップであって、前記1つ以上のインスタンスは、前記欠落イベントカウンタの前記値に基づいて、前記定期的なアクションに関連付けられたデフォルトレートに対して増大されたレートでトリガされる、ステップと、
をさらに含む方法。
【請求項14】
状態ドメインにわたる定期的なアクションをトラッキングする方法であって、
第2のドメインの状態を管理する第1のドメインにおいて、前記第2のドメインが前記状態にあることを判別するステップと、
前記第1のドメインにおいて、前記第2のドメインが前記状態にある間に定期的なアクションが前記第2のドメインにおいて生じるようにスケジュールされていることを判別するステップと、
前記第2のドメインに関する欠落イベントとして前記定期的なアクションを記録するステップと、
を含み、
前記定期的なアクションを記録することは、欠落イベントカウンタをインクリメントすることを含み、
当該方法は、
前記第2のドメインが前記状態から出たという判定に応じて、前記第2のドメインにおいて生じるように前記定期的なアクションの1つ以上のインスタンスをトリガするステップであって、前記1つ以上のインスタンスは、前記欠落イベントカウンタの値に基づいて、前記定期的なアクションに関連付けられたデフォルトレートに対して増大されたレートでトリガされる、ステップ
をさらに含む方法。
【請求項15】
前記定期的なアクションの前記1つ以上のインスタンスが完了するまで、前記第2のドメインが前記状態に再び入るのを防止するステップと、
をさらに含む、請求項13又は14記載の方法。
【請求項16】
前記定期的なアクションの1つ以上のインスタンスの完了のアクノレッジメントを受信するステップと、
前記アクノレッジメントに応じて、前記欠落イベントカウンタをデクリメントするステップと、
をさらに含む、請求項13又は14記載の方法。
【請求項17】
前記定期的なアクションは、前記第2のドメインが前記状態にある間に生じるのを妨げられ、前記状態は、低減された電力状態及び高められた性能状態のうちの1つである、請求項13乃至16いずれか一項記載の方法。
【請求項18】
コンピューティングシステムに、
第2のドメインの状態を管理する第1のドメインにおいて、前記第2のドメインが前記状態にあることを判別するステップと、
前記第1のドメインにおいて、前記第2のドメインが前記状態にある間に定期的なアクションが前記第2のドメインにおいて生じるようにスケジュールされていることを判別するステップと、
前記第2のドメインに関する欠落イベントとして前記定期的なアクションを記録するステップと、
前記定期的なアクションを記録するために欠落イベントカウンタをインクリメントするステップと、
前記欠落イベントカウンタの値が閾値に達したことに応じて、前記状態から前記第2のドメインを抜け出させるステップと、
前記第2のドメインにおいて生じるように前記定期的なアクションの1つ以上のインスタンスをトリガするステップであって、前記1つ以上のインスタンスは、前記欠落イベントカウンタの前記値に基づいて、前記定期的なアクションに関連付けられたデフォルトレートに対して増大されたレートでトリガされる、ステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項19】
コンピューティングシステムに、
第2のドメインの状態を管理する第1のドメインにおいて、前記第2のドメインが前記状態にあることを判別するステップと、
前記第1のドメインにおいて、前記第2のドメインが前記状態にある間に定期的なアクションが前記第2のドメインにおいて生じるようにスケジュールされていることを判別するステップと、
前記第2のドメインに関する欠落イベントとして前記定期的なアクションを記録するステップと、
前記定期的なアクションを記録するために欠落イベントカウンタをインクリメントするステップと、
前記第2のドメインが前記状態から出たという判定に応じて、前記第2のドメインにおいて生じるように前記定期的なアクションの1つ以上のインスタンスをトリガするステップであって、前記1つ以上のインスタンスは、前記欠落イベントカウンタの値に基づいて、前記定期的なアクションに関連付けられたデフォルトレートに対して増大されたレートでトリガされる、ステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項20】
前記プログラムは、前記コンピューティングシステムに、
前記定期的なアクションの前記1つ以上のインスタンスが完了するまで、前記第2のドメインが前記状態に再び入るのを防止するステップ、
を実行させる、請求項18又は19記載のプログラム。
【請求項21】
前記プログラムは、前記コンピューティングシステムに、
前記定期的なアクションの1つ以上のインスタンスの完了のアクノレッジメントを受信するステップと、
前記アクノレッジメントに応じて、前記欠落イベントカウンタをデクリメントするステップと、
を実行させる、請求項18又は19記載のプログラム。
【請求項22】
前記定期的なアクションは、前記第2のドメインが前記状態にある間に生じるのを妨げられ、前記状態は、低減された電力状態及び高められた性能状態のうちの1つである、請求項18乃至21いずれか一項記載のプログラム。
【請求項23】
請求項13乃至17いずれか一項記載の方法を実行する手段を備えるスケジューラ装置。
【請求項24】
請求項18乃至22いずれか一項記載のプログラムを記憶している記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、一般に、定期的なアクション又はアクティビティのスケジューリングに関する。より詳細には、実施形態は、状態ドメインにわたる欠落した定期的なアクションをトラッキングすることに関する。
【0002】
(関連出願との相互参照)
本出願は、2015年6月27日に出願された米国特許出願第14/752841号に対する優先権の利益を主張する。
【背景技術】
【0003】
現代のコンピュータメモリチップの高集積密度に起因して、個々のメモリセル構造は、温度効果、近傍セル構造活性、宇宙線、及び/又はアルファ粒子放出に脆弱であるほど十分に小さいことがある。これらの現象によって引き起こされる誤りは、「メモリスクラビング」によって訂正され得る「ソフト誤り」とみなされる。メモリスクラビングは、各メモリ位置から読み出すこと、(存在すれば)ビット誤りを、誤り訂正符号(ECC)を用いて訂正すること、及び訂正されたデータを同じメモリ位置に書き込むことを含み得る。所定のタイプのハイエンドサーバは、24時間ごと等、定期的に生じるようにメモリスクラビングを保証しようと試みることがある。しかしながら、そのような保証を満たすことは、メモリサブシステムが、長期の時間期間の間、低減された電力状態(reduced power states)(例えば、メモリサブシステムクロックが非アクティブ化されるACPI(advanced configuration and power interface)パッケージC状態)に入るのを妨げてしまうことがある。結果として、電力消費に悪影響が及ぼされる可能性がある。さらに、従来のメモリスクラビングソリューションは、スクラビングスケジューリングロジックが、低減された電力状態に入る、メモリサブシステムの部分に配置されていることに起因して、欠落したスクラビング動作を認識しないことがある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
実施形態の様々な利点が、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲を読み、図面を参照することにより、当業者に明らかになるであろう。
【
図1】実施形態に従った、状態ドメインにわたる欠落した定期的なアクションをトラッキングする方法の例のフローチャート。
【
図2A】実施形態に従った、欠落した定期的なアクションの完了を速める例のフローチャート。
【
図2B】実施形態に従った、欠落した定期的なアクションの完了を速める例のフローチャート。
【
図3】実施形態に従ったスケジューラ装置の例のブロック図。
【
図4】実施形態に従ったスケジューラ装置のより詳細な例の図。
【
図5】実施形態に従ったコンピューティングシステムの例の図。
【発明を実施するための形態】
【0005】
次に
図1を参照すると、状態ドメインにわたる欠落した定期的なアクションをトラッキングする方法10が示されている。方法10は、概して、低減された電力状態、高められた性能状態(increased performance states)等によって生じるのを妨げられる且つ/又は不可能にされる可能性がある定期的なアクション又はアクティビティを行う任意のタイプのシステムにおいて実施され得る。したがって、方法10は、コンピューティングシステム、車両システム、ウェアラブルデバイス等、又はこれらの任意の組合せにおいて、実施され得る。図示される処理ブロック12は、第2のドメインの状態を管理する第1のドメイン(例えば、「常時オン」クロックドメイン)において、第2のドメインがこの状態にあることを判別する。この状態は、一般に、この状態にある、システムの部分によって、定期的なアクションを完了することができない任意のタイプの状態及び/又は条件であり得る。既に説明されたように、この状態は、低減された電力状態(例えば、第2のドメインに対するクロックが非アクティブ化されるACPIパッケージC状態)、高められた性能状態(例えば、ターボ周波数状態)等であり得る。
【0006】
ブロック14は、第1のドメインにおいて、第2のドメインがこの状態にある間に定期的なアクションが第2のドメインにおいて生じるようにスケジュールされていることを判別し得る。定期的なアクションは、第2のドメインがこの状態にある間に生じるのを不可能にされる且つ/又は妨げられる任意のタイプのアクションを含み得る。したがって、定期的なアクションは、第2のドメインが低減された電力状態又は高められた性能状態にある間には生じないメモリスクラビング動作、較正、補償値再評価(compensation value reevaluation)等であり得る。ブロック16において、定期的なアクションが、第2のドメインに関する欠落イベントとして記録され得る。以下でより詳細に説明されるように、ブロック16は、欠落イベントを記録するために欠落イベントカウンタをインクリメントすることを含み得る。したがって、当該状態に入り得ない第1のドメインにおいて欠落イベントを検出することは、図示される方法10が、欠落した定期的なアクションをトラッキングして欠落した定期的なアクションの完了を速めることを可能にし、これにより、低減された電力及び/又は高められた性能を実現するシステムの能力を妨げることなく、例えばパトロールスクラビング保証等の保証が満たされ得る。
【0007】
方法10は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、プログラム可能なROM(PROM)、ファームウェア、フラッシュメモリ等といったマシン読み取り可能な記憶媒体又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるロジック命令のセットとして、1つ以上のモジュールにおいて、例えば、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)等の設定可能なロジックにおいて、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、相補型金属酸化物半導体(CMOS)又はトランジスタ−トランジスタロジック(TTL)技術等の回路技術を用いた固定機能ロジックハードウェアにおいて、又は、これらの任意の組合せにおいて、実装され得る。例えば、方法10に示される動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、JAVA(登録商標)、SMALLTALK(登録商標)、C++等といったオブジェクト指向プログラミング言語、及び、「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語等の従来の手続き型プログラミング言語を含む1つ以上のプログラミング言語の任意の組合せで記述され得る。
【0008】
図2Aは、例えば既に説明された方法10(
図1)等の方法を介して記録された欠落した定期的なアクションの完了を速める方法18に対する1つのアプローチを示している。方法18も、RAM、ROM、PROM、ファームウェア、フラッシュメモリ等といったマシン読み取り可能な記憶媒体又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるロジック命令のセットとして、1つ以上のモジュールにおいて、例えば、PLA、FPGA、CPLD等の設定可能なロジックにおいて、例えば、ASIC、CMOS又はTTL技術等の回路技術を用いた固定機能ロジックハードウェアにおいて、又は、これらの任意の組合せにおいて、実装され得る。図示される処理ブロック20は、欠落イベントカウンタが閾値に達したかどうかを判定する。そうである場合、ブロック22は、所与の状態から第2のドメインを抜け出させ得る。したがって、ブロック22は、第2のドメインを(例えば、低減された電力状態から)ウェイクさせること、(例えば、高められた性能状態のターボブースト周波数から)第2のドメインの動作周波数を下げること等を含み得る。
【0009】
ブロック24は、第2のドメインにおいて生じるように定期的なアクションの1つ以上のインスタンスをトリガすることを含み得、ここで、1つ以上のインスタンスは、欠落イベントカウンタの値に基づいて、定期的なアクションに関連付けられたデフォルトレートに対して増大されたレートでトリガされる。例えば、欠落イベントカウンタの値が、特定の数(例えば、10)である場合、ブロック24は、第2のドメインを元のスケジュールに戻す前に、定期的なアクションの10個以上のインスタンスをトリガすることを含み得る。この点に関して、ブロック24はまた、(例えば、未来の欠落した定期的なアクションを見込んで、)元のスケジュールよりも先に第2のドメインを配置するために、欠落イベントカウンタが負の値に達するまで、定期的なアクションをトリガし得る。したがって、ブロック24はまた、定期的なアクションのトリガされた1つ以上のインスタンスの完了のアクノレッジメントを受信すること、及び、アクノレッジメントに応じて、欠落イベントカウンタをデクリメントすること、を含み得る。特に注目すべきことは、定期的なアクションに関連付けられたデフォルトレートは、ブロック24が動作するレートよりもかなり低いものであり得ることである。例えば、定期的なアクションは、24時間ごとに少なくとも1回、各メモリ位置において生じるようにスケジュールされたパトロールスクラビングであり得るのに対し(例えば、1時間当たりのスクラビングの観点で、デフォルトレートは、メモリ位置の数/24時間に等しい)、ブロック24における図示されるトリガは、メモリスクラビングが行われ得るのと同じように迅速に(例えば、数十ナノ秒のオーダーで)生じ得る。図示されるブロック26はまた、定期的なアクションのトリガされた1つ以上のインスタンスが完了するまで、第2のドメインがこの状態に再び入るのを防止する。欠落した定期的なアクションが、速められたレートで行われ得るので、ブロック26に関連するあらゆる悪影響(例えば、電力、性能)を最小限に抑えることができる。
【0010】
図2Bは、欠落した定期的なアクションの完了を速める方法28に対する別のアプローチを示している。方法28も、RAM、ROM、PROM、ファームウェア、フラッシュメモリ等といったマシン読み取り可能な記憶媒体又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるロジック命令のセットとして、1つ以上のモジュールにおいて、例えば、PLA、FPGA、CPLD等の設定可能なロジックにおいて、例えば、ASIC、CMOS又はTTL技術等の回路技術を用いた固定機能ロジックハードウェアにおいて、又は、これらの任意の組合せにおいて、実装され得る。図示されるブロック30は、第2のドメインが、(例えば、何らかの他の条件及び/又はトリガに起因して)特定の状態から出たかどうかを判定する。そうである場合、ブロック32は、第2のドメインにおいて生じるように定期的なアクションの1つ以上のインスタンスを(例えば、日和見的に)トリガし得、ここで、1つ以上のインスタンスは、欠落イベントカウンタの値に基づいて、定期的なアクションに関連付けられたデフォルトレートに対して増大されたレートでトリガされる。したがって、欠落イベントカウンタの値が、特定の数(例えば、10)である場合、ブロック32は、第2のドメインを元のスケジュールに戻す又は元のスケジュールよりも先に第2のドメインを配置するために、定期的なアクションの10個以上のインスタンスをトリガすることを含み得る。したがって、ブロック32はまた、定期的なアクションのトリガされた1つ以上のインスタンスの完了のアクノレッジメントを受信すること、及び、アクノレッジメントに応じて、欠落イベントカウンタをデクリメントすること、を含み得る。ブロック34において、第2のドメインは、定期的なアクションのトリガされた1つ以上のインスタンスが完了するまで、この状態に再び入るのを防止され得る。
【0011】
次に
図3を参照すると、第1のドメイン36が示されており、第1のドメイン36は、第2のドメイン38の状態を管理する。図示される第1のドメイン36は、状態管理コンポーネント44からの状態情報42に基づいて、第2のドメイン38が、例えば、低減された電力状態、高められた性能状態等といった状態にあることを判別する状態インタフェース40aを有するスケジューラ装置40(40a〜40c)を含む。スケジューラ装置40はまた、第2のドメイン38がこの状態にある間に定期的なアクションが第2のドメイン38において生じるようにスケジュールされていることを判別する欠落アクション検出器40bを含み得る。定期的なアクションは、第2のドメイン38がこの状態にある間に生じるのを妨げられ得る。このため、欠落アクショントラッキング器40cは、第2のドメイン38に関する欠落イベントとして定期的なアクションを記録することができる。欠落アクショントラッキング器40cはまた、第2のドメイン38をこの状態に選択的に置くために1つ以上の状態制御信号46を発することに加えて、(例えば、定期的なアクションに関連付けられたデフォルトレートに対して速められたレートで)定期的なアクションの1つ以上のインスタンスをトリガするために1つ以上のアクション制御信号48を発することができる。この状態に入り得ない第1のドメイン36においてスケジューラ装置40を実装することは、例示されるソリューションが、最適な電力消費及び/又は性能を実現することを可能にする。
【0012】
図4は、スケジューラ装置50のより詳細な例を示している。したがって、スケジューラ装置50は、既に説明されたスケジューラ装置40(
図3)を容易に代替することができる。図示される例において、状態インタフェース52は、第2のドメインの状態(例えば、低減された電力状態、高められた性能状態)を管理する第1のドメインにおいて、第2のドメインがこの状態にあることを判別する。図示される例において、「InState」信号がアサートされることは、第2のドメインが当該状態にあることを示す。欠落アクション検出器54(54a〜54d)は、第1のドメインにおいて、第2のドメインがこの状態にある間にこの状態によって妨げられる定期的なアクションが、第2のドメインにおいて生じるようにスケジュールされていることを判別することができる。図示される例において、比較器54aは、アクション間隔設定54bをアクション間隔カウンタ54cと比較し(例えば、上位8ビットのみ)、ここで、定期的なアクションは、これらの2つの値が等しいときに生じるようにスケジュールされ得る。そのような場合、図示される例において、信号が、1)この条件をANDコンポーネント54dに通知するためにライン56上でアサートされ、2)アクション間隔カウンタ54cをリセットするためにライン58上でアサートされ、3)この条件をトリガコンポーネント62(62a、62b)に通知するためにライン60上でアサートされる。
【0013】
両方の入力が、図示されるANDコンポーネント54dにアサートされた場合、欠落アクション信号が、ライン64上で欠落アクショントラッキング器66(66a〜66g)にアサートされる。欠落アクショントラッキング器66は、概して、第2のドメインに関する欠落イベントとして定期的なアクションを記録することができる。より詳細には、図示される欠落アクショントラッキング器66は、欠落イベントとして定期的なアクションを記録するために、多重化器66eを介して、欠落イベントカウンタ66aをインクリメントするインクリメント器66fを含む。同様に、デクリメント器66dは、ライン68上で受信されたアクノレッジメント信号(「ACK」)に応じて、多重化器66eを介して、欠落イベントカウンタ66aをデクリメントすることができる。アクノレッジメント信号は、定期的なアクションの各インスタンスの完了をアクノレッジすることができる。さらに、第1の比較器66cは、欠落イベントカウンタ66aを欠落アクション閾値設定66bと比較し、欠落イベントカウンタ66aの値が閾値設定に達したときに、ライン70上で信号をフロップコンポーネント72にアサートすることができる。ライン70上で信号をアサートすることは、フロップコンポーネント72に、ライン74上で「ExitState」信号をアサートさせることができ、ここで、ExitState信号は、当該状態から第2のドメインを抜け出させる。したがって、ExitState信号は、既に説明された状態制御信号46(
図3)のうちの1つ以上と同様であってよい。
【0014】
欠落アクショントラッキング器66はまた、欠落イベントカウンタ66aを別の閾値(例えば、0、0より小さい値)と比較し、欠落イベントカウンタ66aが別の閾値までデクリメントされたときにフロップコンポーネント72をリセットする第2の比較器66gを含み得る。したがって、(図示される)0の値は、第2のドメインが、デフォルトスケジュールに追いつくことを可能にし得るのに対し、0より小さい値は、第2のドメインが、デフォルトスケジュールよりも先に進むことを可能にし得る。図示されるトリガコンポーネント62は、ExitState信号及びACK信号の両方が同時に検出されたときに、ライン76上で信号をアサートするANDコンポーネント62aを含む。したがって、図示されるライン76上でアサートされた信号は、第2のドメインが、スケジューラ装置50により当該状態から抜け出させられており、定期的なアクションのインスタンスが、ちょうど完了したことを示す。したがって、トリガコンポーネント62内のORコンポーネント62bは、ANDコンポーネント62aがライン76上で信号をアサートしたか又は欠落イベント検出器がライン60上で信号をアサートしたかのいずれかの場合、ライン78上で「DoAction」信号をアサートすることができる。
【0015】
図5は、コンピューティングシステム80を示している。コンピューティングシステム80は、演算機能を有する電子デバイス/プラットフォーム(例えば、携帯情報端末(PDA)、ノートブックコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバ)、通信機能を有する電子デバイス/プラットフォーム(例えば、無線スマートフォン)、撮像機能を有する電子デバイス/プラットフォーム、メディア再生機能を有する電子デバイス/プラットフォーム(例えば、スマートテレビジョン(TV))、ウェアラブル機能を有する電子デバイス/プラットフォーム(例えば、時計、眼鏡、帽子、履物、宝石)、車両機能を有する電子デバイス/プラットフォーム(例えば、自動車、トラック、オートバイ)等、又はこれらの機能の任意の組合せを有する電子デバイス/プラットフォームの一部であり得る。図示される例において、システム80は、システム80に電力を供給する電源82と、システムメモリ88と通信することができる統合メモリコントローラ(IMC)86を有するプロセッサ84と、を含む。システムメモリ88は、例えば、デュアルインラインメモリモジュール(DIMM)、スモールアウトラインDIMM(SODIMM)等といった1つ以上のメモリモジュールとして構成されたダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)を含み得る。
【0016】
図示されるシステム80はまた、システムオンチップ(SoC)としての半導体ダイ92上にプロセッサ84とともに実装された入出力(IO)モジュール90を含み、IOモジュール90は、ホストデバイスとして機能し、例えば、ディスプレイ94(例えば、タッチスクリーン、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ)、ネットワークコントローラ96、及び大容量ストレージ98(例えば、ハードディスクドライブ(HDD)、光ディスク、フラッシュメモリ等)と通信することができる。図示されるIOモジュール90は、第2のドメインの状態を管理する第1のドメインにおいて、第2のドメインがこの状態にあることを判別し、第1のドメインにおいて、第2のドメインがこの状態にある間に定期的なアクションが第2のドメインにおいて生じるようにスケジュールされていることを判別するロジック100を実行することができる。IOモジュール90はまた、第2のドメインに関する欠落イベントとして定期的なアクションを記録することができる。したがって、ロジック100は、既に説明された方法10(
図1)の1つ以上の態様を実行することができる。ロジック100はまた、方法18(
図2A)及び/又は方法28(
図2B)に示されるように、欠落した定期的なアクションの完了を速めることができる。一例において、定期的なアクションは、システムメモリ88に対して実行されるメモリスクラビングであり、第1のドメインは、電力管理サブシステム101であり、第2のドメインは、IMC86を含む。
【0017】
さらなる留意事項及び例
例1は、メモリコントローラと、前記メモリコントローラに接続されたメモリと、前記メモリコントローラの状態を管理する電力管理サブシステムであって、前記電力管理サブシステムが、スケジューラ装置を有し、前記スケジューラ装置が、前記メモリコントローラが前記状態にあることを判別する状態インタフェースと、前記メモリコントローラが前記状態にある間に定期的なアクションが前記メモリコントローラにおいて生じるようにスケジュールされていることを判別する欠落アクション検出器と、前記メモリコントローラに関する欠落イベントとして前記定期的なアクションを記録する欠落アクショントラッキング器と、を含む、電力管理サブシステムと、を備えるパトロールスクラビングコンピューティングシステムを含み得る。
【0018】
例2は、欠落イベントカウンタをさらに含み、前記欠落アクショントラッキング器が、前記定期的なアクションを記録するために前記欠落イベントカウンタをインクリメントする、例1のパトロールスクラビングコンピューティングシステムを含み得る。
【0019】
例3は、前記スケジューラ装置が、前記欠落イベントカウンタの値が閾値に達したことに応じて、前記状態から前記メモリコントローラを抜け出させるフロップコンポーネントと、前記メモリコントローラにおいて生じるように前記定期的なアクションの1つ以上のインスタンスをトリガするトリガコンポーネントであって、前記1つ以上のインスタンスが、前記欠落イベントカウンタの前記値に基づいて、前記定期的なアクションに関連付けられたデフォルトレートに対して増大されたレートでトリガされ、前記フロップコンポーネントが、前記定期的なアクションの前記1つ以上のインスタンスが完了するまで、前記メモリコントローラが前記状態に再び入るのを防止する、トリガコンポーネントと、をさらに含む、例2のパトロールスクラビングコンピューティングシステムを含み得る。
【0020】
例4は、前記スケジューラ装置が、前記メモリコントローラが前記状態から出たという判定に応じて、前記メモリコントローラにおいて生じるように前記定期的なアクションの1つ以上のインスタンスをトリガするトリガコンポーネントであって、前記1つ以上のインスタンスが、前記欠落イベントカウンタの値に基づいて、前記定期的なアクションに関連付けられたデフォルトレートに対して増大されたレートでトリガされる、トリガコンポーネントと、前記定期的なアクションの前記1つ以上のインスタンスが完了するまで、前記メモリコントローラが前記状態に再び入るのを防止するフロップコンポーネントと、をさらに含む、例2のパトロールスクラビングコンピューティングシステムを含み得る。
【0021】
例5は、前記欠落アクショントラッキング器が、前記定期的なアクションの1つ以上のインスタンスの完了のアクノレッジメントを受信し、前記アクノレッジメントに応じて、前記欠落イベントカウンタをデクリメントする、例2のパトロールスクラビングコンピューティングシステムを含み得る。
【0022】
例6は、前記定期的なアクションが、前記メモリコントローラが前記状態にある間に生じるのを妨げられ、前記状態が、低減された電力状態及び高められた性能状態のうちの1つである、例1〜5いずれかのパトロールスクラビングコンピューティングシステムを含み得る。
【0023】
例7は、第2のドメインの状態を管理する第1のドメインにおいて、前記第2のドメインが前記状態にあることを判別する状態インタフェースと、前記第1のドメインにおいて、前記第2のドメインが前記状態にある間に定期的なアクションが前記第2のドメインにおいて生じるようにスケジュールされていることを判別する欠落アクション検出器と、前記第2のドメインに関する欠落イベントとして前記定期的なアクションを記録する欠落アクショントラッキング器と、を備えるスケジューラ装置を含み得る。
【0024】
例8は、欠落イベントカウンタをさらに含み、前記欠落アクショントラッキング器が、前記定期的なアクションを記録するために前記欠落イベントカウンタをインクリメントする、例7のスケジューラ装置を含み得る。
【0025】
例9は、前記第1のドメインが、前記欠落イベントカウンタの値が閾値に達したことに応じて、前記状態から前記第2のドメインを抜け出させるフロップコンポーネントと、前記第2のドメインにおいて生じるように前記定期的なアクションの1つ以上のインスタンスをトリガするトリガコンポーネントであって、前記1つ以上のインスタンスが、前記欠落イベントカウンタの前記値に基づいて、前記定期的なアクションに関連付けられたデフォルトレートに対して増大されたレートでトリガされ、前記フロップコンポーネントが、前記定期的なアクションの前記1つ以上のインスタンスが完了するまで、前記第2のドメインが前記状態に再び入るのを防止する、トリガコンポーネントと、をさらに含む、例8のスケジューラ装置を含み得る。
【0026】
例10は、前記第1のドメインが、前記第2のドメインが前記状態から出たという判定に応じて、前記第2のドメインにおいて生じるように前記定期的なアクションの1つ以上のインスタンスをトリガするトリガコンポーネントであって、前記1つ以上のインスタンスが、前記欠落イベントカウンタの値に基づいて、前記定期的なアクションに関連付けられたデフォルトレートに対して増大されたレートでトリガされる、トリガコンポーネントと、前記定期的なアクションの前記1つ以上のインスタンスが完了するまで、前記第2のドメインが前記状態に再び入るのを防止するフロップコンポーネントと、をさらに含む、例8のスケジューラ装置を含み得る。
【0027】
例11は、前記欠落アクショントラッキング器が、前記定期的なアクションの1つ以上のインスタンスの完了のアクノレッジメントを受信し、前記アクノレッジメントに応じて、前記欠落イベントカウンタをデクリメントする、例8のスケジューラ装置を含み得る。
【0028】
例12は、前記定期的なアクションが、前記第2のドメインが前記状態にある間に生じるのを妨げられ、前記状態が、低減された電力状態及び高められた性能状態のうちの1つである、例7〜11いずれかのスケジューラ装置を含み得る。
【0029】
例13は、状態ドメインにわたる定期的なアクションをトラッキングする方法であって、第2のドメインの状態を管理する第1のドメインにおいて、前記第2のドメインが前記状態にあることを判別するステップと、前記第1のドメインにおいて、前記第2のドメインが前記状態にある間に定期的なアクションが前記第2のドメインにおいて生じるようにスケジュールされていることを判別するステップと、前記第2のドメインに関する欠落イベントとして前記定期的なアクションを記録するステップと、を含む方法を含み得る。
【0030】
例14は、前記定期的なアクションを記録することが、欠落イベントカウンタをインクリメントすることを含む、例13の方法を含み得る。
【0031】
例15は、前記欠落イベントカウンタの値が閾値に達したことに応じて、前記状態から前記第2のドメインを抜け出させるステップと、前記第2のドメインにおいて生じるように前記定期的なアクションの1つ以上のインスタンスをトリガするステップであって、前記1つ以上のインスタンスが、前記欠落イベントカウンタの前記値に基づいて、前記定期的なアクションに関連付けられたデフォルトレートに対して増大されたレートでトリガされる、ステップと、前記定期的なアクションの前記1つ以上のインスタンスが完了するまで、前記第2のドメインが前記状態に再び入るのを防止するステップと、をさらに含む、例14の方法を含み得る。
【0032】
例16は、前記第2のドメインが前記状態から出たという判定に応じて、前記第2のドメインにおいて生じるように前記定期的なアクションの1つ以上のインスタンスをトリガするステップであって、前記1つ以上のインスタンスが、前記欠落イベントカウンタの値に基づいて、前記定期的なアクションに関連付けられたデフォルトレートに対して増大されたレートでトリガされる、ステップと、前記定期的なアクションの前記1つ以上のインスタンスが完了するまで、前記第2のドメインが前記状態に再び入るのを防止するステップと、をさらに含む、例14の方法を含み得る。
【0033】
例17は、前記定期的なアクションの1つ以上のインスタンスの完了のアクノレッジメントを受信するステップと、前記アクノレッジメントに応じて、前記欠落イベントカウンタをデクリメントするステップと、をさらに含む、例14の方法を含み得る。
【0034】
例18は、前記定期的なアクションが、前記第2のドメインが前記状態にある間に生じるのを妨げられ、前記状態が、低減された電力状態及び高められた性能状態のうちの1つである、例13〜17いずれかの方法を含み得る。
【0035】
例19は、命令のセットを含む少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記命令のセットが、コンピューティングシステムにより実行されたときに、前記命令のセットが、前記コンピューティングシステムに、第2のドメインの状態を管理する第1のドメインにおいて、前記第2のドメインが前記状態にあることを判別するステップと、前記第1のドメインにおいて、前記第2のドメインが前記状態にある間に定期的なアクションが前記第2のドメインにおいて生じるようにスケジュールされていることを判別するステップと、前記第2のドメインに関する欠落イベントとして前記定期的なアクションを記録するステップと、を実行させる、少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含み得る。
【0036】
例20は、前記命令のセットが、前記コンピューティングシステムにより実行されたときに、前記命令のセットが、前記コンピューティングシステムに、前記定期的なアクションを記録するために欠落イベントカウンタをインクリメントするステップを実行させる、例19の少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含み得る。
【0037】
例21は、前記命令のセットが、前記コンピューティングシステムにより実行されたときに、前記命令のセットが、前記コンピューティングシステムに、前記欠落イベントカウンタの値が閾値に達したことに応じて、前記状態から前記第2のドメインを抜け出させるステップと、前記第2のドメインにおいて生じるように前記定期的なアクションの1つ以上のインスタンスをトリガするステップであって、前記1つ以上のインスタンスが、前記欠落イベントカウンタの前記値に基づいて、前記定期的なアクションに関連付けられたデフォルトレートに対して増大されたレートでトリガされる、ステップと、前記定期的なアクションの前記1つ以上のインスタンスが完了するまで、前記第2のドメインが前記状態に再び入るのを防止するステップと、を実行させる、例20の少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含み得る。
【0038】
例22は、前記命令のセットが、前記コンピューティングシステムにより実行されたときに、前記命令のセットが、前記コンピューティングシステムに、前記第2のドメインが前記状態から出たという判定に応じて、前記第2のドメインにおいて生じるように前記定期的なアクションの1つ以上のインスタンスをトリガするステップであって、前記1つ以上のインスタンスが、前記欠落イベントカウンタの値に基づいて、前記定期的なアクションに関連付けられたデフォルトレートに対して増大されたレートでトリガされる、ステップと、前記定期的なアクションの前記1つ以上のインスタンスが完了するまで、前記第2のドメインが前記状態に再び入るのを防止するステップと、を実行させる、例20の少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含み得る。
【0039】
例23は、前記命令のセットが、前記コンピューティングシステムにより実行されたときに、前記命令のセットが、前記コンピューティングシステムに、前記定期的なアクションの1つ以上のインスタンスの完了のアクノレッジメントを受信するステップと、前記アクノレッジメントに応じて、前記欠落イベントカウンタをデクリメントするステップと、を実行させる、例20の少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含み得る。
【0040】
例24は、前記定期的なアクションが、前記第2のドメインが前記状態にある間に生じるのを妨げられ、前記状態が、低減された電力状態及び高められた性能状態のうちの1つである、例19〜23いずれかの少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含み得る。
【0041】
例25は、第2のドメインの状態を管理する第1のドメインにおいて、前記第2のドメインが前記状態にあることを判別する手段と、前記第1のドメインにおいて、前記第2のドメインが前記状態にある間に定期的なアクションが前記第2のドメインにおいて生じるようにスケジュールされていることを判別する手段と、前記第2のドメインに関する欠落イベントとして前記定期的なアクションを記録する手段と、を備えるスケジューラ装置を含み得る。
【0042】
例26は、前記定期的なアクションを記録する前記手段が、欠落イベントカウンタをインクリメントする手段を含む、例25のスケジューラ装置を含み得る。
【0043】
例27は、前記欠落イベントカウンタの値が閾値に達したことに応じて、前記状態から前記第2のドメインを抜け出させる手段と、前記第2のドメインにおいて生じるように前記定期的なアクションの1つ以上のインスタンスをトリガする手段であって、前記1つ以上のインスタンスが、前記欠落イベントカウンタの前記値に基づいて、前記定期的なアクションに関連付けられたデフォルトレートに対して増大されたレートでトリガされる、手段と、前記定期的なアクションの前記1つ以上のインスタンスが完了するまで、前記第2のドメインが前記状態に再び入るのを防止する手段と、をさらに備える、例26のスケジューラ装置を含み得る。
【0044】
例28は、前記第2のドメインが前記状態から出たという判定に応じて、前記第2のドメインにおいて生じるように前記定期的なアクションの1つ以上のインスタンスをトリガする手段であって、前記1つ以上のインスタンスが、前記欠落イベントカウンタの値に基づいて、前記定期的なアクションに関連付けられたデフォルトレートに対して増大されたレートでトリガされる、手段と、前記定期的なアクションの前記1つ以上のインスタンスが完了するまで、前記第2のドメインが前記状態に再び入るのを防止する手段と、をさらに備える、例26のスケジューラ装置を含み得る。
【0045】
例29は、前記定期的なアクションの1つ以上のインスタンスの完了のアクノレッジメントを受信する手段と、前記アクノレッジメントに応じて、前記欠落イベントカウンタをデクリメントする手段と、をさらに備える、例26のスケジューラ装置を含み得る。
【0046】
例30は、前記定期的なアクションが、前記第2のドメインが前記状態にある間に生じるのを妨げられ、前記状態が、低減された電力状態及び高められた性能状態のうちの1つである、例25〜29いずれかのスケジューラ装置を含み得る。
【0047】
したがって、本明細書に記載の技術は、メモリスクラビングのより電力効率的な保証によるメモリ誤り処理のための信頼性機能、可用性機能、及び保守性機能をサポートすることができる。さらに、このような技術は、例えば、定期的な較正、補償値再評価等といった他の定期的な機能に適用されてもよい。
【0048】
実施形態は、全てのタイプの半導体集積回路(「IC」)チップとともに使用するのに適用可能である。これらのICチップの例は、プロセッサ、コントローラ、チップセットコンポーネント、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、メモリチップ、ネットワークチップ、システムオンチップ(SoC)、SSD/NANDコントローラASIC等を含むが、これらに限定されるものではない。さらに、図面のうちの一部において、信号ラインが、線で表されている。一部は、より多くの構成信号パスを示すように異なることがあり、構成信号パスの数を示すように数ラベルを有することがあり、且つ/又は、主要な情報フロー方向を示すように1つ以上の端部に矢印を有することがある。しかしながら、これは、限定的に解釈されるべきではない。そうではなく、そのような付加的な詳細は、回路のより容易な理解を促進するために、1つ以上の例示的な実施形態に関連して用いられ得る。示される信号ラインは、付加的な情報を有するか否かにかかわらず、実際には、複数の方向に移動し、例えば、差動ペアで実装されるデジタルライン又はアナログライン、光ファイバライン、及び/又はシングルエンドラインといった任意の適切なタイプの信号スキームで実装され得る1つ以上の信号を含み得る。
【0049】
サイズ/モデル/値/範囲の例が、与えられているかもしれないが、実施形態は、それらに限定されるものではない。製造技術(例えば、フォトリソグラフィ)が時間とともに成熟すると、より小さなサイズのデバイスが製造され得ることが予想される。さらに、ICチップ及び他のコンポーネントへの周知の電力/接地接続は、図示及び説明の簡潔さのために、且つ、実施形態の所定の態様を曖昧にしないようにするために、図面内に示されていることもあるし示されていないこともある。さらに、実施形態を曖昧にしないようにするために、配置/構成が、ブロック図の形態で示され得るが、そのようなブロック図の配置/構成の実装に関する仕様は、実施形態が実装されるプラットフォームに大きく依存するという事実に鑑みれば、そのような仕様は、十分に当業者の範囲内にあるべきである。例示的な実施形態を説明するために具体的な詳細(例えば、回路)が示されている場合、実施形態は、このような具体的な詳細を用いることなく実施されることが可能であり、また、このような具体的な詳細の変形を用いて実施されることも可能であることが、当業者には明らかであろう。したがって、本説明は、限定ではなく例示と考えられるべきである。
【0050】
「接続される、接続されている、接続された」という用語は、本明細書において、対象のコンポーネントの間の任意のタイプの直接的又は間接的な任意のタイプの関係を指すために使用され得、電気的接続、機械的接続、流体接続、光接続、電磁気的接続、電気機械的接続、又は他の接続に当てはまり得る。さらに、「第1」、「第2」等といった用語は、本明細書において、説明を容易にするためだけに使用され得、別途示されない限り、特定の時間的又は時系列的な意味を有しない。
【0051】
当業者であれば、上記の説明から、実施形態の広範な技術を様々な形で実施できることが認識されよう。したがって、実施形態が、その特定の例に関連して説明されているが、図面、明細書、及び特許請求の範囲を検討すれば、他の変更が当業者には明らかになるので、実施形態の真の範囲は、そのように限定されるべきではない。