(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6873951
(24)【登録日】2021年4月23日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】高電圧電池の動的平衡法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20210510BHJP
H02J 7/02 20160101ALI20210510BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20210510BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20210510BHJP
B60L 3/00 20190101ALN20210510BHJP
【FI】
H02J7/00 P
H02J7/02 H
H01M10/48 P
H01M10/44 P
!B60L3/00 S
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-167417(P2018-167417)
(22)【出願日】2018年9月7日
(65)【公開番号】特開2019-103384(P2019-103384A)
(43)【公開日】2019年6月24日
【審査請求日】2018年9月7日
(31)【優先権主張番号】15/834,102
(32)【優先日】2017年12月7日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514173696
【氏名又は名称】國家中山科學研究院
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 祈陞
(72)【発明者】
【氏名】游 國輝
(72)【発明者】
【氏名】江 ▲衒▼樟
(72)【発明者】
【氏名】戴 滄禮
【審査官】
坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2012/0274283(US,A1)
【文献】
特開2013−126343(JP,A)
【文献】
特開2017−131077(JP,A)
【文献】
特開2014−193016(JP,A)
【文献】
特開2013−066364(JP,A)
【文献】
特開2017−204925(JP,A)
【文献】
特開2013−179763(JP,A)
【文献】
特開2004−96812(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H01M 10/44
H01M 10/48
H02J 7/02
B60L 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高電圧電池管理及び平衡回路に用いる高電圧電池の動的平衡法であって、
前記高電圧電池管理及び平衡回路は、
複数の電池ユニットからなるバッテリーキャビネットであって、前記電池ユニットは、複数の電池グループからなり、前記電池グループは、複数の電池モジュールからなり、前記電池モジュールは、複数の電池セルからなる、バッテリーキャビネット;
電池セル監視ユニット及び電池管理ユニットを有する階層型電力管理システム;及び
各電池セル及び各電池モジュールの電量平衡動作をそれぞれ担当する電池セル平衡回路及びモジュール平衡回路を有する階層型エネルギー平衡システムを含み、
前記電池セル平衡回路の動作は、前記電池セル監視ユニットにより制御され、前記モジュール平衡回路の動作は、前記電池管理ユニットにより制御され、
前記高電圧電池の動的平衡法は、
前記電池セル監視ユニットにより、すべての電池セルの平衡状態をモニタリングし;
各電池セルの平衡状態が所定の許容値を超えた場合、前記電池セル平衡回路及び前記モジュール平衡回路により、それぞれ、電池セル階層及び電池モジュール階層において、電量補償動作を、すべての電池セルの電量のバランスが取れるまで行い;及び
各電池セルの平衡状態が前記所定の許容値を超えない場合、前記階層型電力管理システム及び前記階層型エネルギー平衡システムをオフし、そして、所定の待ち時間を経た後に再びすべての電池セルの平衡状態をモニタリングし始めるステップを含み、
前記待ち時間は、5分(min)であり、
電池グループ平衡回路(GBC)があり、前記(GBC)の入力は前記モジュール平衡回路の出力に接続され、
前記(GBC)は、アクティブクランプ電流供給プッシュプルコンバータ(71)及びフルブリッジコンバータ(72)を有し、
前記アクティブクランプ電流供給プッシュプルコンバータ(71)には、電圧制御器(73)、電流制御器(74)、PWMスイッチ(75)、アクティブクランプ素子(76)、一次側スイッチ(Q1,Q1p)、二次側スイッチ(Q2,Q2p)、及びコイル(78)を含み、
前記アクティブクランプ電流供給プッシュプルコンバータ(71)は、前記一次側スイッチ(Q1,Q1p)が双方向電力潮流制御を行うように制御し、
前記GBCの出力電圧(Vunit)は、直列接続型電池ユニットの電圧であり、
前記GBCは、前記電池グループの入力電圧(Vgroup)を維持する方式で前記GBCが充電又は放電の動作を行うかを決定し、前記電池グループ内の電池モジュールが平衡化のために放電を行う必要がある場合、前記電圧制御器(73)は、正の電流命令(Ibc)を生成して前記電流制御器(74)に送り、逆に、前記電池グループ内の電池モジュールが平衡化のために充電される必要がある場合、電圧制御器(73)は、負の電流命令(Ibc)を生成し、
前記電流制御器(74)は、入力されたインダクタ電流を双方向に流せることが可能であり、
前記電池グループの電圧命令(Vgc)は、前記電池管理ユニットにより設定され、また、前記電池グループの入力電圧(Vgroup)と一緒にフィードバックされ、これにより、電圧誤差制御が行われて前記電流命令(Ibc)を決定し、
前記フルブリッジコンバータ(72)は、同期整流回路とされ、同期整流器(77)及び4つのスイッチ(QA,QB,QC,QD)を有し、
前記フルブリッジコンバータ(72)は、前記同期整流器(77)により、前記アクティブクランプ電流供給プッシュプルコンバータ(71)が原因で生成した正、負の半波の波形を、方向が前記直列接続型電池ユニットの電圧の方向と同じである電圧に整流する、高電圧電池の動的平衡方法。
【請求項2】
請求項1に記載の高電圧電池の動的平衡法であって、
前記許容値の単位は、百分比(%)である、高電圧電池の動的平衡法。
【請求項3】
請求項2に記載の高電圧電池の動的平衡法であって、
前記許容値の計算公式は、
((VCH-VCL)/VCL)×%
であり、VCHは、同一電池モジュール中の電圧が最も高い電池セルの電圧であり、VCLは、該電池モジュール中の電圧が最も低い電池セルの電圧である、高電圧電池の動的平衡法。
【請求項4】
請求項3に記載の高電圧電池の動的平衡法であって、
前記許容値は、5%である、高電圧電池の動的平衡法。
【請求項5】
請求項1に記載の高電圧電池の動的平衡法であって、
前記電池セル平衡回路は、放電制御端、充電制御端、及びフライバックコンバータを有する、高電圧電池の動的平衡法。
【請求項6】
請求項1に記載の高電圧電池の動的平衡法であって、
前記モジュール平衡回路は、放電制御端、充電制御端、フライバックコンバータ、電圧制御器、及び光カプラを有する、高電圧電池の動的平衡法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車技術に関し、特に、電動バス又は大型エネルギー貯蔵装置に用いる高電圧電池の動的平衡法に関する。
【背景技術】
【0002】
高電圧電池システムでは、多くの電池モジュールが直列接続されており、長期間使用及び繰り返し充放電のため、電池モジュールの貯電量の不一致が生じることがある。幾つかのモジュールが過充電になる可能性があり、幾つかのモジュールが過放電になる可能性があり、これにより、電池システム全体のSOC容量を低減し、ひいては電池モジュールの寿命を短縮することもある。電池管理システムを用いて電池状態を監視することで電池モジュールに対して適時に保護動作を行うことができるが、上述のような問題を解決するために、依然として、電池平衡回路を用いて各電池の不一致を適時に解消することで電池モジュールの寿命及び容量を確保する必要がある。リチウムイオン電池パックにおける各電池セルの電圧の不平衡の問題を解決するために、電池パックに対して均衡動作を行えなければならない。その目的は、直列接続型電池パックにおける各電池セルが同じ電量の状態にあるはずであるが、直列接続型電池パックにおける各電池セルの電圧が異なり又は電量が不均一なときに、比較的高い電量又は電圧の電池セルに対して比較的少ないエネルギーで充電を行い、逆に、比較的低い電圧又は電量の電池セルに対して比較的高いエネルギーで充電を行うことで、電池パックにおける電池セルの電圧を均衡させることを達成できるということにある。今のところ、電池均衡技術は、主に、能動型技術及び受動型技術という2種類の平衡法がある。
【0003】
受動型平衡技術は、主に、長時間過充電及び電池エネルギー消費という2種類の方法で平衡の効果を実現するものであり、直列接続型電池パックにおける最も低い電圧又は電量のシングル電池セルの電量を自発的にプルアップしないため、受動型平衡法と称される。しかし、長時間過充電は、既に過充電電圧に達している電池セルの永久的且つ不可逆的な損傷を来すことができる。電池エネルギー消耗は、電池エネルギーを無意味に消費すると共に、貴重な平衡時間を浪費することもできる。例えば、平衡効率を強化して平衡時間を短縮しようとするために、負荷電力を上げなければならないが、このように装置の体積及び放熱メカニズムを設計することは、非常に困難である。よって、受動型平衡法は、電池平衡の効果を達成できるが、電池自身のエネルギー及び大切な時間を犠牲にしてしまい、全体的な効果について言えば、その平衡効率は、悪いものである。能動型平衡法は、電池パックにおける最も小さい電圧の電池セルに対して充電を行い、その電圧を最も大きい電圧と同じように上げ、その後、続いて他のセルに対して同様の操作を行い、また、すべての電池セルの電圧が平衡状態になるまでこのような処理を繰り返して行うものである。このような平衡法は、効率的に、電池パックが短時間でバランスを取るようにさせることができ、また、充電電流は、電源供給器の電力が十分に大きく且つ給電線が電流に耐えることができれば、電池の平衡速度を向上させることができる。長い待ち時間を要する受動型平衡法と異なり、能動型平衡法の効率は、受動型平衡法の効率よりも高い。
【0004】
従来では、能動型平衡法は、主に、電池モジュール内の複数の電池セルの平衡に対してのものであり、その回路は、概して、次のように2種類に分かることができる。
【0005】
<A、インダクタ型平衡法及びコンデンサ型平衡法>
インダクタ型平衡法又はコンデンサ型平衡法は、直列接続型電池パック中で、インダクタ又はコンデンサ、及びスイッチを有する均衡化副回路が並列接続され、最も高い電圧又は電量の電池セルを検出してそのエネルギーをインダクタ又はコンデンサに貯蓄し、そして、スイッチの効果により個別のセルに対して電量補償を行うことで、電池パック全体のバランスを取るものである。
【0006】
<B、独立型均衡化電源とスイッチ回路との組み合わせによる平衡法>
独立した均衡化電源、及び切り替えにより任意のシングル電池セルに対応し得るスイッチ回路を用いて、均衡化を行う方法である。独立型電源は、外設の電源供給器を使用し、又は、フライバック型電力電子変換器を用いて同一の充電用電源を隔離して接地させ、電圧をシングル電池セルの充電電圧に変換し、そして、比較的低い電圧又は電量の電池セルに対して比較的大きいエネルギーの均衡充電を直接行い、最も小さい電圧又は電量の電池セルを持続的に検出してその電量を最も大きい電圧又は電量のシングル電池セルと同じようにプルアップ(pull-up)することで、短時間で平衡の効果を達成することができる。
【0007】
しかし、上述の方法は、回路が耐える電圧及び電流により制限され、すべて、比較的小さい容量にのみ適しており、又は、モジュール内の電池セルの平衡にのみに適しているため、多くの電池モジュールが直列接続されることで形成される高電圧電池システムに拡張し、各電池モジュール及び各電池セルのバランスを併せて配慮することができない。特に、電動バスの場合、多くの電池モジュールが直列接続された高電圧電池システムが用いられ、電池の数量が多く、システムの電圧や電流が大きく、制御の困難度もそれに伴って高くなるので、従来の能動型平衡法だけで、電動バスにおける高電圧電池システムのエネルギー平衡及びインテリジェント管理のニーズを満足することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来技術の欠点を解決するために、本発明の目的は、電動バス走行中の高電圧動力用電池システムの管理及び平衡化に用いる、高電圧電池の動的平衡法(動的均等化法とも言う)を提供することにある。本発明は、迅速且つ正確に電動バスの高電圧電池システムを管理し、また、充放電時に各電池セルに対して充電又は放電の補償を行うことができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、高電圧電池の動的平衡法を提供し、前記高電圧電池の動的平衡法は、高電圧電池の管理及び平衡回路に用いられ、前記高電圧電池管理及び平衡回路は、複数の電池ユニットからなるバッテリーキャビネットであって、前記電池ユニットは、複数の電池グループからなり、前記電池グループは、複数の電池モジュールからなり、前記電池モジュールは、複数の電池セルからなる、バッテリーキャビネット;電池セル監視ユニット及び電池管理ユニットを有する階層型電力管理システム;及び、各電池セル及び各電池モジュールの電量平衡動作をそれぞれ担当する電池セル平衡回路及びモジュール平衡回路を有する階層型エネルギー平衡システムを含み、そのうち、前記電池セル平衡回路の動作は、前記電池セル監視ユニットにより制御され、前記モジュール平衡回路の動作は、前記電池管理ユニットにより制御され、前記高電圧電池の動的平衡法は、前記電池セル監視ユニットにより、すべての電池セルの平衡状態をモニタリングし;各電池セルの平衡状態が所定の許容値を超えた場合、前記電池セル平衡回路及び前記モジュール平衡回路により、それぞれ、電池セル階層及び電池モジュール階層において電量補償動作を、すべての電池セルの電量のバランスが取れるまで行い;各電池セルの平衡状態が前記所定の許容値を超えない場合、前記階層型電力管理システム及び前記階層型エネルギー平衡システムを、電力消費を抑えるためにオフし、そして、所定の待ち時間を経た後に再びすべての電池セルの平衡状態をモニタリングし始めるステップを含む。
【0010】
本発明の一実施例では、前記許容値の単位は、百分比(%)であり、前記許容値は、5%であっても良く、また、前記許容値の計算公式は、
((V
CH-V
CL)/V
CL)×%
である。
【0011】
そのうち、V
CHは、同一電池モジュール中の電圧が最も高い電池セルの電圧であり、V
CLは、該電池モジュール中の電圧が最も低い電池セルの電圧である。例えば、ある電池モジュールに4つの電池セルがあり、4つの電池の電圧がそれぞれ2.0V、2.03V、2.06V及び2.09Vである場合、最も高い電圧と最も低い電圧の電池セルの電圧差が0.09Vであり、すると、(0.09/2.0)=4.5%であり、即ち、許容値(閾値)の5%よりも低いため、対応する電池セル監視ユニット(CMU)は、該電池モジュール(その中の電池セルも含む)に対して電量補償動作(バランスを取るための電量補償動作)を行う必要があることを示す情報を電池管理ユニット(BMU)に送信しないので、平衡動作が行われない。
【0012】
本発明の一実施例では、前記許容値は、異なる階層に基づいてそれぞれ設定することができる。例えば、同一電池モジュール内の各電池セルの平衡許容値、同一電池グループ内の各電池モジュールの平衡許容値、同一電池ユニット内の各電池グループの平衡許容値などをそれぞれ設定し、そして、各階層に対してそれぞれモニタリング及び電量補償動作を行うことができる。
【0013】
本発明の一実施例では、前記待ち時間は、5分(min)である。
【0014】
本発明の一実施例では、前記電池セル監視ユニットは、すべての電池セルの電圧及び温度をモニタリングし、また、通信バス(bus)により前記電池管理ユニットと通信を行う。前記電池管理ユニットは、すべての電池セルの電量(State of Charge,SOC)、充放電電圧及び電流を測定及びモニタリングする。前記電池管理ユニットは、前記電池セル監視ユニットにより提供された電池温度パラメータに基づいて、何れか1つの電池セルの温度が高すぎるときに、保護動作を行う。
【0015】
本発明の一実施例では、前記電池セル平衡回路及び前記モジュール平衡回路は、それぞれ、隔離型双方向フライバックコンバータを有する。前記電池グループ平衡回路は、隔離型双方向プッシュプルコンバータを有する。
【0016】
以上の概要及び以下の詳細な説明及び図面は、すべて、本発明が所定の目的を達成するために採用する方法、手段、及び機能をさらに説明するためのものである。また、本発明の他の目的及び利点については、後続の説明及び図面において詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明によるバッテリーキャビネットの実施例の構成図である。
【
図2】本発明による階層型電力管理システムの第一実施例の構成図である。
【
図3】本発明による階層型電力管理システムの第二実施例の構成図である。
【
図4】本発明による階層型電力管理システムの第三実施例の構成図である。
【
図5】本発明による電池セル平衡回路(CBC)の制御回路の実施例を示す図である。
【
図6】本発明によるモジュール平衡回路(MBC)の制御回路の実施例を示す図である。
【
図7】本発明による電池グループ平衡回路(GBC)の制御回路の実施例を示す図である。
【
図8】本発明による高電圧電池の動的平衡法のフローチャートである。
【
図9】本発明による高電圧電池の動的平衡法における平衡ストラテジーの実施例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付した図面を参照しながら、本発明を実施するための好適な形態を詳細に説明する。なお、このような実施形態は、例示に過ぎず、本発明を限定するものでない。
【0019】
図1は、本発明によるバッテリーキャビネットの実施例の構成図である。本発明に定義される高電圧電池とは、複数の従来の電池パックが直列接続されることで形成される高電圧システムを指し、例えば、電動バスの動力用電池システムは、数百ボルト(V)以上の高電圧を要し、これは、一般的に市販されている電圧が比較的低い電池を直列接続して1つの大型電池装置を形成しなければならないことを意味する。各構成ユニットの電池各自の充放電パフォーマンス及び使用状態が異なるので、如何に迅速且つ適切に充放電の平衡状態を管理するかは、この技術分野における難題の1つである。本発明によるバッテリーキャビネット(battery cabinet)は、階層型電池構造を有し、バッテリーキャビネット1は、複数の電池ユニット(battery unit)11、12からなり、電池ユニットは、複数の電池グループ(battery group)111、112、…からなり、電池グループは、複数の電池モジュール(battery module)111A、111B、111C、111Dからなる。なお、電池モジュールは、一般的な従来の複数の電池セル(battery cell)が直列接続されることで構成される電池パックである。本発明の一実施例では、14.7V 4S4P 200Ah(50Ah*4)の電池モジュール(battery module)を単位として電池管理を行っても良い。一例として、先ず、4組の電池モジュールにより1つの電池グループ(battery group)を形成し、そして、10組の電池グループを直列接続することにより1つの600V/120kWhの直列接続型電池ユニット(battery unit)を形成し、それから、2つの電池ユニットにより1つの240kWhのバッテリーキャビネット(battery cabinet)を構成することができる。以下、本発明による高電圧電池の動的平衡法に用いられる高電圧電池管理及び平衡回路を詳しく説明する。
【0020】
図2は、本発明による階層型電力管理システムの第一実施例の構成図である。
図2に示すように、本実施例は、本発明の電池グループ階層における管理及び平衡回路を示す。1つの電池ユニット(battery unit)に複数の電池グループが含まれ、各電池グループ211、212、213、…は、1組の電池グループ平衡回路GBC_1、GBC_2、GBC_3、…を有し、各電池グループ平衡回路は、隔離型双方向プッシュプルコンバータ(push-pull converter)を採用し、システムが充電又は放電を行うと同時に、電池グループの追加の充電及び放電電流を提供し、各電池グループ211、212、213、…の貯電量のバランスを加速化することができる。階層型電力管理システムHPMSは、各電池の電圧及び温度のモニタリングを担当すると共に、通信インターフェースによりBMUとのやり取り(interaction/communication)を行う電池監視ユニットCMUを有し、電池管理ユニットBMUは、すべての電池の電量(State of Charge,SOC)の計算、充放電電圧及び電流の測定、モジュール温度保護、内部に対してCMUとの通信、外部に対して電池ユニット(battery unit)階層全体の代表としてシステムとの通信などを担当する。なお、電池監視ユニットCMUの数量は、
図2に示す1組に限定されず、CMUは、電池セル(battery cell)階層の状態をモニタリングしなければならないので、実際には、複数の個別の制御ハードウェアCMU_1、CMU_2、…を含む可能性があり、これにより、すべての電池グループ中の各電池モジュールに対してそれぞれモニタリングを行い、電池グループ階層に対しての充放電管理及び平衡動作を達成することができる。また、電池ユニット中の電池グループの数量も、使用者がニーズに応じて確定することができ、即ち、本発明に開示の態様に限定されない。
【0021】
図3は、本発明による階層型電力管理システムの第二実施例の構成図である。
図3に示すように、本実施例は、本発明の電池モジュール(battery module)階層における管理及び平衡回路を示す。本実施例では、電池グループ311に4つの電池モジュールが含まれ、各電池モジュール311A、311B、311C、311Dは、それぞれ、1組のモジュール平衡回路MBC_1、MBC_2、MBC_3、MBC_4を有すると同時に、電池監視ユニットCMU_1、CMU_2、CMU_3、CMU_4も有し、また、電池グループ311の貯電量の平衡化を担当する電池グループ平衡回路GBC_1及び電池管理ユニットBMUもあり、これにより、電池モジュール階層の充放電管理及び平衡動作を達成することができる。該モジュール平衡回路は、隔離型双方向フライバックコンバータ(flyback converter)を採用し、システムが充電又は放電を行うと同時に、電池モジュールの追加の充電及び放電電流を提供し、各電池モジュールの貯電量のバランスを加速化することができる。なお、各電池グループに含まれる電池モジュールの数量は、使用者がニーズに応じて確定することができ、即ち、本発明に開示の態様に限定されない。
【0022】
図4は、本発明による階層型電力管理システムの第三実施例の構成図である。
図4に示すように、本実施例は、本発明の電池セル(battery cell)階層における管理及び平衡回路を示す。本実施例では、電池モジュール411Aに4つの電池セルが含まれ、各電池セル411A_1、411A_2、411A_3、411A_4は、それぞれ、1組の電池セル平衡回路CBC_1、CBC_2、CBC_3、CBC_4を有し、また、電池モジュールに属するモジュール平衡回路MBC_1、電池グループに属する電池グループ平衡モジュールGBC_1、電池監視ユニットCMU_1、及び電池管理ユニットBMUもある。該電池セル平衡回路は、隔離型双方向フライバックコンバータ(flyback converter)を採用し、システムが充電又は放電を行うと同時に、電池セルの追加の充電及び放電電流を提供し、各電池セルの貯電量のバランスを加速化することができる。なお、各電池モジュールに含まれる電池セルの数量は、使用者が必要に応じて確定することができ、即ち、本発明に開示の態様に限定されない。
【0023】
本発明の一実施例では、複数組の電池セル平衡回路(CBC)の出力が同一組のモジュール平衡回路(MBC)の入力に接続され、複数組のモジュール平衡回路(MBC)の出力が同一組の電池グループ平衡回路(GBC)の入力に接続され、よって、モジュール平衡回路(MBC)は、その担当する複数組の電池セル平衡回路(CBC)間のエネルギー交換を提供し、電池グループ平衡回路(GBC)は、その担当する複数組のモジュール平衡回路(MBC)間のエネルギー交換を提供し、これらの階層の変換器により、各電池セルは、すべて、エネルギーを電池ユニットのエネルギープールに伝達し、電池ユニットのエネルギープールからエネルギーを得ることもでき、また、これらの平衡回路の変換器が同時に動作し得るので、システム全体は、最速の方式で平衡を達成することができる。
【0024】
図5は、本発明による電池セル平衡回路(CBC)の制御回路の実施例を示す図である。
図5に示すように、電池セル平衡回路(CBC)50は、CBC放電制御端51、CBC充電制御端52、及び変圧器を有するフライバックコンバータ53を含み、そのワーキング範囲は、例えば、15W、3.7V⇔15Vであり、フライバックコンバータ53は、その一次側及び二次側では、すべて、ピーク電流制御方法を採用し、受信した充電命令(I
cc)又は放電命令(I
dc)に基づいて、電池セル411A_1に対して充電又は放電動作を行い、また、充電動作を行う時に、二次側でのCBC充電制御端52のみが動作し、一次側でのスイッチS1がオフになり、そのバイパスにあるダイオードを用いて整流動作を行う。逆に、放電動作を行う時に、一次側でのCBC放電制御端51のみが動作し、二次側でのスイッチS2がオフになり、そのバイパスにあるダイオードを用いて整流動作を行う。充電命令(I
cc)又は放電命令(I
dc)は、CMU(図未せず)により生成される。
【0025】
図6は、本発明によるモジュール平衡回路(MBC)の制御回路の実施例を示す図である。
図6に示すように、モジュール平衡回路(MBC)は、MBC放電制御端61、MBC充電制御端62、変圧器を有するフライバックコンバータ63、電圧制御器64、及び光カプラ65を含み、その一次側及び二次側では、すべて、ピーク電流制御方法を採用し、MBCの制御目的は、所在する電池モジュールの電力平衡を維持することにあり、その出力電圧(60V)は、GBCにより維持され、それ自身は、モジュールの入力電圧V
moduleを維持する方式で、MBCが充電又は放電の動作を行うかを決定する。所在する電池モジュール内の電池セルCBCが電池平衡化のために放電を行う必要がある場合、電圧制御器64は、一次側放電電流命令(I
dc)を生成して一次側のMBC放電制御端(ピーク電流制御器であっても良い)に送信することができ、所在する電池モジュール内の電池セルCBCが電池平衡化のために充電される必要がある場合、電圧制御器64は、二次側放電電流命令(I
dc)を生成して光カプラ65を経由して二次側のMBC充電制御端62(ピーク電流制御器であってもよい)に送信することができる。なお、モジュールの電圧命令(V
mc)は、電池管理ユニット(BMU)(図示せず)により設定される。
【0026】
図7は、本発明による電池グループ平衡回路(GBC)の制御回路の実施例を示す図である。
図7に示すように、電池グループ平衡回路(GBC)は、アクティブクランプ電流供給プッシュプルコンバータ(active-clamped current-fed push-pull converter,ACCFPPC)71及びフルブリッジコンバータ72を有し、その回路の一次側では、アクティブクランプ電流供給プッシュプルコンバータ(active-clamped current-fed push-pull converter,ACCFPPC)を採用し、二次側では、フルブリッジコンバータを同期整流回路として採用し、アクティブクランプ電流供給プッシュプルコンバータには、電圧制御器73、電流制御器74、PWMスイッチ75、アクティブクランプ素子76、一次側スイッチ(Q
1,Q
1p)、二次側スイッチ(Q
2,Q
2p)、及びコイルを含み、フルブリッジコンバータは、同期整流器77及び4つのスイッチを有し、このような設計は、一次側のスイッチが双方向電力潮流制御を行うように制御することができる。GBCの制御の目的は、所在する電池グループ(battery group)の電力平衡を維持することにあり、その出力電圧(600V)は、直列接続型電池ユニット(battery unit)の電圧であり、それ自身は、電池グループの入力電圧(V
group)を維持すする方式でGBCが充電又は放電の動作を行うかを決定する。所在する電池グループ内の電池モジュールMBCが平衡化のために放電を行う必要がある場合、電圧制御器73は、正の電流命令(I
bc)を生成して電流制御器74に送信することができ、逆に、所在する電池グループ内の電池モジュールMBCが平衡化のために充電される必要がある場合、電圧制御器73は、負の電流命令(I
bc)を生成することができる。電流制御器74により、入力されたインダクタ電流を双方向に流せることができる。なお、電池グループの電圧命令(V
gc)は、電池管理ユニット(BMU)(図示せず)により設定される。
【0027】
上述の各階層の平衡回路により構成された階層型エネルギー平衡システム(Hierarchical Energy Balance System,HEBS)により、本発明は、電池ユニット(battery unit)内の各階層の各電池セル、電池モジュール、電池グループが同時にエネルギー平衡動作を行い、且つすべてのCBC、MBC、GBCが充電又は放電を許可する最大容量を有するようにさせることができるので、最速ですべての電池セルのエネルギーのバランスを取ることができる。しかし、回路がワーキングする時に依然として電力が消費されることを考慮して、本発明は、インテリジェントなエネルギー節約の判断、ワーキングモードを考慮した平衡回路動作モードを加えることにより、電池の貯電能力及び寿命を向上させることができる。
【0028】
上述の高電圧電池管理及び平衡回路に基づいて、本発明は、電動バス走行中に用いられる高電圧電池の動的平衡法を提供する。実際の応用では、前述の階層型電力管理システム(HPMS)は、車上に設けられて高電圧バッテリーキャビネットの状態を随時に監視するが、階層型エネルギー平衡システム(HEBS)の電池セル平衡回路(CBC)及びモジュール平衡回路(MBC)は、車上に設けられ、電池グループ平衡回路(GBC)は、修理工場又は充電ステーションに設けられ、即ち、CBC及びMBCだけで、車両走行中に平衡化を行い、これは、電動バスが走行中に持続的に大電量の放電を行い、平衡化動作(比較的高い階層(電池グループ)の平衡化動作)が多くなると、車全体の電力の消費が増えてしまうからである。よって、本発明の動的平衡法は、比較的低い階層(電池セル及び電池モジュール)に着目し、平衡化のために消費される電量が比較的低くなると共に、車上に設けられる平衡回路のハードウェア装置の体積及び重量を抑えることもできる。GBC回路を有しないため、電気エネルギーの平衡化は、各電池グループ中の各電池セルにのみ限定され、各電池グループ間は、電気エネルギー交換能力を有しない。また、走行中に平衡化を行う時に、各平衡回路は、電池セルの平衡の程度に従って、動作するかを確定し、不平衡の程度が一定の範囲に達しない時に、回路は、エネルギー消費を低減するために完全にオフされる。本発明は、実際の応用では、5分毎に1回モニタリングを行い、不平衡が許容範囲を超えたら、関連する部分の少数の回路をオンして平衡化を行う。平衡化のための電力の供給源は、バッテリーキャビネット自身であっても良く、増設の電力装置、例えば、貯電電池、グリーンエネルギー発電装置などであっても良い。
【0029】
本発明は、上述の高電圧電池管理及び平衡回路に用いられる電池の平衡法を提供する。
図8に示すように、この方法は、前記電池セル監視ユニットがすべての電池セルの平衡状態をモニタリングし(S001);各電池セルの平衡状態が所定の許容値を超えた場合、前記電池セル平衡回路及び前記モジュール平衡回路により、それぞれ、電池セル階層及び電池モジュール階層において電量補償動作を、すべての電池セルの電量のバランスが取れるまで行い(S002);各電池セルの平衡状態が所定の許容値を超えない場合、前記階層型電力管理システム及び前記階層型エネルギー平衡システムを、電力消費を抑えるためにオフし、そして、所定の待ち時間を経た後に再びすべての電池セルの平衡状態をモニタリングし始める(S003)ことを含む。
【0030】
本発明の高電圧電池の動的平衡法における平衡ストラテジーの実施例のフローチャートは、
図9に示されている。該フローチャートは、電池セル平衡監視機能を開始し、電池セル間の電圧差が所定の閾値(許容値)を超えたかを判断し(S101);平衡化すべき電池グループ中の各電池セルに必要な平均電圧を計算し(S102);電池セル及び電池モジュールの電量補償動作を行い(S103);システムが充電又は放電を行い(S104);各電池セル及び各電池モジュールの電量のバランスが取れたかを判断(測定)し、「いいえ」の場合、ステップS103に戻り(S105);平衡動作完成後に、5分毎に再びステップS101を実行する(S106)ステップを含む。
【0031】
以上のことから、本発明は、高電圧電池の動的平衡法を提供し、本発明は、階層型電池管理システム及びエネルギー平衡システムにより、迅速且つ正確に走行中の電動バス上での複数の電池パックが直列接続されて形成された高電圧動力用電池システムに対して充放電の動的平衡補償を行うことができる。インテリジェントな電気エネルギー管理及び完備な電池平衡回路により、すべての電池セルが直ぐにバランスを取ることができ、充放電下ですべての電池セルが完全に保護され得るようにさせることで、電池システムの貯電及び充放電能力、寿命及び安全性を確保することができる。従来の技術に比べ、本発明は、高電圧電池システム中の任意の電池セルの充放電状態をより正確に取得し、また、より迅速に補償を行うことができる。本発明の階層型電池管理システム及び階層型エネルギー平衡システムは、電池システムの電力消費を正確に管理し、制御補償用電力を節約する効果を実現することができ、また、単一装置(例えば、電動バス)又は異なる装置(例えば、電動バス及び修理工場にあるもの)に設けることができるので、利用上で高い柔軟性及び拡張性も有する。
【0032】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこの実施形態に限定されず、本発明の趣旨を離脱しない限り、本発明に対するあらゆる変更は本発明の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0033】
11、12 電池ユニット
111、112、211、212、213 電池グループ
111A、111B、111C、111D、311A、311B、311C、311D、411A 電池モジュール
411A_1、411A_2、411A_3、411A_4 電池セル
GBC_1、GBC_2、GBC_3 電池グループ平衡回路
MBC_1、MBC_2、MBC_3、MBC_4 モジュール平衡回路
CBC_1、CBC_2、CBC_3、CBC_4、50 電池セル平衡回路
CMU、CMU_1、CMU_2、CMU_3、CMU_4 電池セル監視ユニット
BMU 電池管理ユニット
51 CBC放電制御端
52 CBC充電制御端
53、63 フライバックコンバータ
I
cc 充電命令
I
dc 放電命令
S1 一次側スイッチ
S2 二次側スイッチ
61 MBC放電制御端
62 MBC充電制御端
64、73 電圧制御器
65 光カプラ
71 アクティブクランプ電流供給プッシュプルコンバータ
72 フルブリッジコンバータ
74 電流制御器
75 PWMスイッチ
76 アクティブクランプ素子
Q
1、Q
1p 一次側スイッチ
Q
2、Q
2p 二次スイッチ
S001〜S003 方法のステップ
S101〜S106 平衡化ストラテジーのステップ