特許第6873966号(P6873966)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6873966
(24)【登録日】2021年4月23日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】乗客コンベア
(51)【国際特許分類】
   B66B 23/04 20060101AFI20210510BHJP
【FI】
   B66B23/04 B
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-234170(P2018-234170)
(22)【出願日】2018年12月14日
(65)【公開番号】特開2020-93911(P2020-93911A)
(43)【公開日】2020年6月18日
【審査請求日】2018年12月14日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076314
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 正人
(74)【代理人】
【識別番号】100112612
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲士
(74)【代理人】
【識別番号】100112623
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 克幸
(74)【代理人】
【識別番号】100163393
【弁理士】
【氏名又は名称】有近 康臣
(74)【代理人】
【識別番号】100189393
【弁理士】
【氏名又は名称】前澤 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100203091
【弁理士】
【氏名又は名称】水鳥 正裕
(72)【発明者】
【氏名】藤原 尚人
(72)【発明者】
【氏名】堀合 英洋
(72)【発明者】
【氏名】石川 佳延
【審査官】 加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−087928(JP,A)
【文献】 実開昭47−016179(JP,U)
【文献】 特開2011−168369(JP,A)
【文献】 米国特許第05544730(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 23/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に配されたトラスと、
無端状に連結され、前記トラスに沿って走行する複数の踏段と、
前記踏段の左右両側に立設された左右一対の欄干と、
前記欄干の上部から下部を回って循環走行する無端状の手摺りベルトと、
前記欄干の内部に配された前記手摺りベルトのベルト駆動装置と、
を有し、
前記ベルト駆動装置は、
断面C字型の前記手摺りベルトの内周面に当接するn(n=>4)個の駆動ローラと、
前記手摺りベルトの外周面に当接し、かつ、前記各駆動ローラと上下対になったn個の従動ローラと、
n個の前記従動ローラの中の2個又は3個の前記従動ローラが一列に取り付けられたm(m=>2)組の左右一対の略長方形の第1連結板と、
全ての組の前記第1連結板を回転自在に、かつ、一体に連結する略長方形の第2連結板と、
前記第2連結板を回転自在に支持する移動部と、
前記移動部を前記駆動ローラ側である上方に押圧する押圧手段と、
を有し、
n個の前記駆動ローラは、一列に並んで配され、
m組の左右一対の前記第1連結板は、それぞれの前記従動ローラを長手方向に沿って回転自在に挟持すると共に、直線状に配され、
それぞれの前記第1連結板の中央部に前記第2連結板が連結されると共に、前記第2連結板の長手方向の延長線上にm組の前記第1連結板の長手方向が重なるように配され、
前記移動部は、一列に並んだ複数の前記従動ローラの間に設けられ、
前記移動部を挟んで存在する前記従動ローラの数に対応して、前記第2連結板と前記移動部との取り付け位置が設定されている、
乗客コンベア。
【請求項2】
前記従動ローラは4個であり、
2組の前記第1連結板に、2個の前記従動ローラがそれぞれ取り付けられ、
前記第2連結板の両端部に、2組の前記第1連結板の中央部がそれぞれ取り付けられ、
前記移動部は、前記第2連結板の中央部を支持している、
請求項1に記載の乗客コンベア。
【請求項3】
前記従動ローラは5個であり、
第1組の前記第1連結板に、3個の前記従動ローラが取り付けられ、
第2組の前記第1連結板に、2個の前記従動ローラが取り付けられ、
第1組の前記第1連結板の中央部に、前記第2連結板の一端が取り付けられ、
第2組の前記第1連結板の中央部に、前記第2連結板の他端が取り付けられ、
前記第2連結板の中央部から第1組の前記第1連結板の中央部までの距離と、前記第2連結板の中央部から第2組の前記第1連結板の中央部までの距離とが、2:3の位置になるように前記移動部は前記第2連結板を支持している、
請求項1に記載の乗客コンベア。
【請求項4】
前記トラスの上部に支持台が設けられ、
前記支持台に基板が縦方向に設けられ、
複数の前記駆動ローラが前記基板に一列に横方向に設けられ、
複数の前記駆動ローラの下方で、かつ、横方向に走行する前記手摺りベルトを挟んで前記従動ローラが一列に横方向に配され、
前記移動部は、前記支持台に沿って上下動し、
前記押圧手段は、前記移動部と前記支持台の間に設けられている、
請求項1に記載の乗客コンベア。
【請求項5】
前記支持台には、前記移動部の上方への一定以上の移動を規制する規制手段が設けられている、
請求項4に記載の乗客コンベア。
【請求項6】
前記押圧手段は、コイル状のバネである、
請求項1に記載の乗客コンベア。
【請求項7】
前記押圧手段は、ソレノイドである、
請求項1に記載の乗客コンベア。
【請求項8】
前記乗客コンベアは、エスカレータ、又は動く歩道である、
請求項1に記載の乗客コンベア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、乗客コンベアに関するものである。
【背景技術】
【0002】
エスカレータや動く歩道などの乗客コンベアにおいて、踏段の幅が狭い機種では、トラス内のスペースが少なく、手摺りベルトがトラスを跨ぐことができないため、トラスの上方に配されている。そのため、トラス内に手摺りベルトを入れてベルトスプロケットで巻き付け駆動することができず、手摺りベルトは、トラスの上方にある一列に並んだ駆動ローラと従動ローラの間を通して走行させるベルト駆動装置が採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭61−148877号公報
【特許文献2】特開平5−208789号公報
【特許文献3】特開2000−198658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のようなベルト駆動装置であると、一列に並んだ従動ローラの押圧力を1個ずつ調整する必要があり、作業の手間が掛かるという問題点があった。
【0005】
そこで本発明の実施形態は上記問題点に鑑み、一列に並んだ駆動ローラと一列に並んだ従動ローラで手摺りベルトを挟んで駆動させる構造において、従動ローラの押圧力を簡単に調整できる乗客コンベアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は、前後方向に配されたトラスと、無端状に連結され、前記トラスに沿って走行する複数の踏段と、前記踏段の左右両側に立設された左右一対の欄干と、前記欄干の上部から下部を回って循環走行する無端状の手摺りベルトと、前記欄干の内部に配された前記手摺りベルトのベルト駆動装置と、を有し、前記ベルト駆動装置は、断面C字型の前記手摺りベルトの内周面に当接するn(n=>4)個の駆動ローラと、前記手摺りベルトの外周面に当接し、かつ、前記各駆動ローラと上下対になったn個の従動ローラと、n個の前記従動ローラの中の2個又は3個の前記従動ローラが一列に取り付けられたm(m=>2)組の左右一対の略長方形の第1連結板と、全ての組の前記第1連結板を回転自在に、かつ、一体に連結する略長方形の第2連結板と、前記第2連結板を回転自在に支持する移動部と、前記移動部を前記駆動ローラ側である上方に押圧する押圧手段と、を有し、n個の前記駆動ローラは、一列に並んで配され、m組の左右一対の前記第1連結板は、それぞれの前記従動ローラを長手方向に沿って回転自在に挟持すると共に、直線状に配され、それぞれの前記第1連結板の中央部に前記第2連結板が連結されると共に、前記第2連結板の長手方向の延長線上にm組の前記第1連結板の長手方向が重なるように配され、前記移動部は、一列に並んだ複数の前記従動ローラの間に設けられ、前記移動部を挟んで存在する前記従動ローラの数に対応して、前記第2連結板と前記移動部との取り付け位置が設定されている、乗客コンベアである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態のエスカレータの側面説明図。
図2】ベルト駆動装置の斜視図。
図3】ベルト駆動装置の左側面図。
図4図3におけるA−A線断面図。
図5図3におけるB−B線断面図。
図6】駆動ローラの駆動方法を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態の乗客コンベアについて図1図6に基づいて説明する。本実施形態では乗客コンベアとしてエスカレータ10で説明する。
【0009】
(1)エスカレータ10
エスカレータ10の構造について、図1に基づいて説明する。図1はエスカレータ10を側面から見た説明図である。
【0010】
エスカレータ10の枠組みであるトラス12が、建屋1の上階と下階に跨がって支持アングル2,3を用いて支持されている。
【0011】
トラス12の上端部にある上階側の機械室14内部には、踏段30を走行させる駆動装置18、左右一対の踏段スプロケット24,24、左右一対のベルトスプロケット27,27が設けられている。この駆動装置18は、モータ20と、減速機と、この減速機の出力軸に取り付けられた出力スプロケットと、この出力スプロケットにより駆動する駆動チェーン22と、モータ20の回転を停止させ、かつ、停止状態を保持するディスクブレーキとを有している。この駆動チェーン22により左右一対の踏段スプロケット24,24が回転する。左右一対の踏段スプロケット24,24と左右一対のベルトスプロケット27,27とは、不図示の連結ベルトにより連結されて同期して回転する。また、上階側の機械室14内部には、モータ20やディスクブレーキなどを制御する制御部50が設けられている。
【0012】
トラス12の下端部にある下階側の機械室16内には、左右一対の踏段従動スプロケット26,26が設けられている。上階側の左右一対の踏段スプロケット24,24と下階側の左右一対の踏段従動スプロケット26,26との間には、左右一対の無端の踏段チェーン28,28が架け渡されている。左右一対の踏段チェーン28,28には、複数の踏段30が等間隔で取り付けられている。モータ20が回転すると踏段30の前輪301は、トラス12に固定された不図示の案内レールを走行し、後輪302はトラス12に固定された案内レール25を走行する。
【0013】
トラス12の左右両側には、左右一対の欄干36,36が立設されている。この欄干36の上部に手摺りレール39が設けられ、この手摺りレール39に沿って無端状の手摺りベルト38が移動する。欄干36の上階側の正面下部には上階側の正面スカートガード40が設けられ、下階側の正面下部には下階側の正面スカートガード42が設けられ、正面スカートガード40,42から手摺りベルト38の出入口であるインレット部46,48がそれぞれ突出している。
【0014】
欄干36の側面下部には、スカートガード44が設けられ、左右一対のスカートガード44,44の間を踏段30が走行する。上下階のスカートガード44の内側面には、操作盤52,56、スピーカ54,58がそれぞれ設けられている。
【0015】
左右一対の手摺りベルト38は、上階側のインレット部46から正面スカートガード40内にそれぞれ侵入し、各手摺りベルト38は、前記ベルトスプロケット27によって駆動するベルト駆動装置70に基づいて駆動し、その後にスカートガード44内を移動し、下階側のインレット部48から正面スカートガード42外に表れる。そして、手摺りベルト38は、ベルトスプロケット27が踏段スプロケット24と共に回転することにより踏段30と同期して移動する。ベルト駆動装置70については、後から詳しく説明する。
【0016】
上階側の左右一対のスカートガード44,44の乗降口であって、機械室14の天井面には、上階側の乗降板32が水平に設けられている。下階側の左右一対のスカートガード44,44の乗降口であって、機械室16の天井面には、下階側の乗降板34が水平に設けられている。上階側の乗降板32の先端には櫛歯状のコム60が設けられ、このコム60に踏段30が侵入する。また、下階側の乗降板34の先端にも櫛歯状のコム62が設けられている。
【0017】
(2)ベルト駆動装置70
次に、ベルト駆動装置70について図1図5を参照して説明する。なお、ベルト駆動装置70は、左右一対の手摺りベルト38に対応してそれぞれ設けられ、以下では上階から見て右側のベルト駆動装置70について説明する。この場合にベルト駆動装置70の左側が踏段30側となる。そして、手摺りベルト38は、図2図3において右から左に横方向に走行しているものとする。また、左側のベルト駆動装置70は、右側のベルト駆動装置70と左右対称の構造を有する。
【0018】
まず、手摺りベルト38は、図4に示すように、ゴム、又は、ウレタンゴム製であって断面C字型であり、中央の平らな部分と、その平らな部分の左右両側からそれぞれ湾曲するように延びた両端部とからなる。
【0019】
ベルト駆動装置70は、図1に示すように、トラス12の上方、すなわち、スカートガード44内部に設けられている。図2図4に示すように、トラス12の上部を構成する右側の枠体64の上面には、支持台86が固定されている。この支持台86は、枠体64に固定された台座88と、台座88の右端から上方に立設された支持部90と、この支持部90の上面から左側に突出した押さえ板92を有している。支持部90の左面の縦方向には、図5に示すように、突条100が形成されている。
【0020】
基板78が、図2図4に示すように、支持部90の右面に縦方向に不図示のボルトによって取り付けられている。
【0021】
支持部90の左面には、図2図5に示すように、移動部96が配され、図5に示すように、この移動部96には縦方向に溝98が形成され、突条100と係合している。これにより、支持部90に対し移動部96が上下方向に移動自在であるが、前後方向には移動しない。
【0022】
移動部96と台座88の間には、図2図4に示すように、雄ネジ部102が垂直方向に立設されている。この雄ネジ部102には、ナット104が螺合している。雄ネジ部102の外周には、コイル状のバネ106が縦方向に配され、ナット104と移動部96との間に設けられている。このバネ106は、移動部96を上方に付勢している。但し、移動部96は、押さえ板92によって一定以上は上方に移動しないよう規制されている。
【0023】
基板78の上部には、図2図3に示すように、4個の駆動ローラ72が一列に回転自在に横方向に配されている。上下が反転した手摺りベルト38がその下方を走行している。また、支持台86は、4個の駆動ローラ72の中央の下部に位置している。
【0024】
図3において左から2番目と3番目の駆動ローラ72,72の間には、補助チェーンスプロケット80が回転自在に設けられている。
【0025】
4個の駆動ローラ72の下方には、図2図3に示すように、それぞれ従動ローラ74が回転自在に配され、駆動ローラ72と従動ローラ74とが上下対になり、手摺りベルト38を挟持している。図2図3において左側の2個の従動ローラ74,74の両側が、左右一対を1組とした第1連結板108によって回転自在に支持されている。すなわち、左右一対の第1連結板108は、図5に示すように、左右一対の第1連結板108,108で2個の従動ローラ74,74の回転軸109,109を回転自在に挟むように支持している。
【0026】
図3において、右側の2個の従動ローラ74,74の回転軸111,111も、一対の第1連結板110,110によって回転自在に支持されている。
【0027】
支持部90の左側面には、横方向に長い第2連結板112が中心軸114を介して回転自在に取り付けられている。この第2連結板112の一端は、一対の第1連結板108の中央部において連結軸116を介して取り付けられ、第2連結板112の他端は一対の第2連結板112の中央部の連結軸118を介して回転自在に取り付けられている。
【0028】
移動部96が、バネ106の付勢力により上方に付勢されると第2連結板112が上方に付勢され、それと共に第1連結板108と第1連結板110も上方に付勢され、結果的に4個の従動ローラ74が均等な押圧力で、それぞれの駆動ローラ72に手摺りベルト38を挟んで押圧する。
【0029】
そして、手摺りベルト38は、上下反転した状態で、4個の駆動ローラ72と従動ローラ74の間を走行し、4個の駆動ローラ72は、断面C字型の手摺りベルト38の内周面に当接し、4個の従動ローラ74は、手摺りベルト38の外周面に当接する。
【0030】
4個の従動ローラ74の押圧力を調整する場合には、ナット104を上方に移動させればバネ106の付勢力は強くなって押圧力が強くなり、逆にナット104を雄ネジ部102に対し下方に移動させるとバネ106の付勢力が弱くなり、4個の従動ローラ74の付勢力も小さくなる。そして、この場合に1個のバネ106を調整するだけで全ての従動ローラ74の付勢力を調整できる。例えば、1個の従動ローラ74の付勢力をFとした場合には、それぞれの第1連結板108,110は、2Fの力で押圧する必要があり、そのためには第2連結板112を4Fの力でバネ106が押圧するように調整する。
【0031】
(3)駆動ローラ72の駆動方法
次に、4個の駆動ローラ72を駆動させる構造について、図2図3図6を参照して説明する。
【0032】
4個のチェーンスプロケット76が、駆動ローラ72と同軸に基板78にそれぞれ設けられている。補助チェーンスプロケット80が、2番目のチェーンスプロケット76と3番目のチェーンスプロケット76の間で、かつ、基板78に回転自在に設けられている。
【0033】
案内チェーンスプロケット82が、図6に示すように、ベルトスプロケット27とチェーンスプロケット76との間に回転自在に設けられている。
【0034】
無端状のベルト駆動チェーン84が、ベルトスプロケット27、案内チェーンスプロケット82、1番目と2番目のチェーンスプロケット76の上部、補助チェーンスプロケット80の下部、3番目と4番目のチェーンスプロケット76の上部に架け渡されている。なお、図2図3ではベルト駆動チェーン84の記載は省略している。
【0035】
踏段30を走行させる踏段スプロケット24が回転すると、不図示の連結ベルトによりベルトスプロケット27が同期して回転し、これによりベルト駆動チェーン84が駆動して、4個のチェーンスプロケット76と補助チェーンスプロケット80が回転する。4個のチェーンスプロケット76が回転すると、4個の駆動ローラ72も回転する。これにより、踏段スプロケット24の回転速度と同期して、4個の駆動ローラ72が回転する。
【0036】
なお、この構造はあくまでも例示であり、駆動ローラ72を回転させる構造は、他の構造であってもよい。
【0037】
(4)効果
本実施形態によれば、1個のバネ106によって、4個の駆動ローラが均等に手摺りベルト38を押圧するため、従来のように個々の従動ローラの押圧力を調整する必要がなく、保守員の作業が簡単になる。
【0038】
また、従来のように個々の従動ローラ74の押圧力を調整する構造が不要になるため、部品の削減と共にコストの削減にもなる。
【0039】
(5)変更例1
上記実施形態では、4個の従動ローラ74について説明したが、本変更例では5個の従動ローラ74で手摺りベルト38を押圧する場合について説明する。
【0040】
第1組の第1連結板108,108には3個の従動ローラ74を回転自在に取り付け、第2組の第1連結板110,110には2個の従動ローラ74を回転自在に取り付ける。
【0041】
第2連結板112の一端は、第1組の第1連結板108の中央部に回転自在に連結し、第2連結板112の他端は、第2組の第1連結板110の中央部に回転自在に取り付ける。
【0042】
第2連結板112を回転自在に支持する中心軸114は、中心軸114から第2連結板112の一端までの距離と、中心軸114から第2連結板112の他端までの距離の比率を、2対3にする。
【0043】
これによって、移動部96によって上方に押圧された力は、3個の従動ローラ74と2個の従動ローラ74に対し均等に分散され、手摺りベルト38を均等な押圧力で5個の駆動ローラ72に押圧できる。
【0044】
(6)変更例2
上記実施形態では、押圧手段としてコイル状のバネ106で説明したが、ソレノイドであってもよい。
【0045】
(7)その他
上記実施形態では、エスカレータ10に適用して説明したが、これに代えて動く歩道に適用してもよい。
【0046】
上記では本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0047】
10・・・エスカレータ、12・・・トラス、70・・・ベルト駆動装置、72・・・駆動ローラ、74・・・従動ローラ、78・・・基板、86・・・支持台、106・・・バネ、108・・・第1連結板、110・・・第1連結板、112・・・第2連結板
図1
図2
図3
図4
図5
図6