(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6873973
(24)【登録日】2021年4月23日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】反射性配置部材を有する熱スリーブ、それを有するアセンブリ、およびその構築方法
(51)【国際特許分類】
H02G 3/04 20060101AFI20210510BHJP
H02G 15/013 20060101ALI20210510BHJP
【FI】
H02G3/04 081
H02G15/013
【請求項の数】12
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-505624(P2018-505624)
(86)(22)【出願日】2016年8月4日
(65)【公表番号】特表2018-525959(P2018-525959A)
(43)【公表日】2018年9月6日
(86)【国際出願番号】US2016045457
(87)【国際公開番号】WO2017024087
(87)【国際公開日】20170209
【審査請求日】2019年7月17日
(31)【優先権主張番号】15/227,210
(32)【優先日】2016年8月3日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/200,735
(32)【優先日】2015年8月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503170721
【氏名又は名称】フェデラル−モーグル・パワートレイン・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】FEDERAL−MOGUL POWERTRAIN LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デポンペオ,ニコラス
【審査官】
和田 財太
(56)【参考文献】
【文献】
特表2010−523000(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/04
H02G 15/013
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤハーネスに接続される電子部材を保護するための熱スリーブであって、
開放両端部間で中心長手方向軸に沿って延在する内側キャビティを画定する絶縁内層と、反射外層とを有する周方向に連続的な壁部を含む、管状部材と、
弾性のある反射性金属材料から構成される配置部材とを備え、前記配置部材は、管状部と、前記ワイヤハーネスに隣接する前記中心長手方向軸に対して前記管状部から斜めの方向に径方向内側に延在する複数の弾性のある指状部とを有し、前記複数の弾性のある指状部は、軸方向の断面視において、略円錐台形状を構成し、前記複数の弾性のある指状部は、ワイヤハーネスにわたって第1の軸設置方向における前記熱スリーブの設置の間、径方向外側に反り、前記ワイヤハーネスから径方向外側に前記複数の弾性のある指状部を手動で持ち上げない限り、径方向外側への曲げに抵抗して、第2の軸取り外し方向における前記熱スリーブの除去を阻み、前記管状部は、前記管状部材の前記壁部の前記開放両端部のうちの1つに固定的に取り付けられる、熱スリーブ。
【請求項2】
前記複数の弾性のある指状部は、長手方向に延在する縁部を有する、請求項1に記載の熱スリーブ。
【請求項3】
前記配置部材は、互いに向かって巻き付けられ、互いに固定される、長手方向に延在する縁部を有する、請求項1に記載の熱スリーブ。
【請求項4】
前記配置部材は、押出された金属の管である、請求項1に記載の熱スリーブ。
【請求項5】
センサと電気通信するように構成されたワイヤハーネスと組み合される熱スリーブであって、
開放両端部間で中心長手方向軸に沿って延在する内側キャビティを画定する絶縁内層と、反射外層とを有する周方向に連続的な壁部を含む、管状部材と、
弾性のある反射性金属材料から構成される配置部材とを備え、前記配置部材は、管状部と、前記ワイヤハーネスに隣接する前記中心長手方向軸に対して前記管状部から斜めの方向に径方向内側に延在する複数の弾性のある指状部とを有し、前記複数の弾性のある指状部は、軸方向の断面視において、略円錐台形状を構成し、前記複数の弾性のある指状部は、ワイヤハーネスにわたって第1の軸設置方向における前記熱スリーブの設置の間、径方向外側に反り、前記ワイヤハーネスから径方向外側に前記複数の弾性のある指状部を手動で持ち上げない限り、径方向外側への曲げに抵抗して、第2の軸取り外し方向における前記熱スリーブの除去を阻み、前記管状部は、前記管状部材の前記壁部の前記開放両端部のうちの1つに固定的に取り付けられる、熱スリーブ。
【請求項6】
前記複数の弾性のある指状部は、長手方向に延在する縁部を有する、請求項5に記載の熱スリーブ。
【請求項7】
前記配置部材は、互いに重なる関係で巻き付けられる対向する縁部を有する、請求項5に記載の熱スリーブ。
【請求項8】
前記配置部材は、押出された金属の管である、請求項5に記載の熱スリーブ。
【請求項9】
熱に曝されることからワイヤハーネスに接続される電子部材を保護するためのスリーブの構築方法であって、
開放両端部間で中心長手方向軸に沿って延在する内側キャビティを画定する絶縁内層と、反射外層とを有する周方向に連続的な壁部を含む、管状部材を提供することと、
弾性のある反射性金属材料から構成される配置部材を提供することとを含み、前記配置部材は、管状部と、前記ワイヤハーネスに隣接する前記中心長手方向軸に対して前記管状部から斜めの方向に径方向内側に延在する複数の弾性のある指状部とを有し、前記複数の弾性のある指状部は、軸方向の断面視において、略円錐台形状を構成し、前記方法はさらに、
前記配置部材の前記管状部を前記管状部材の前記壁部の前記開放両端部のうちの1つに固定することを含む、方法。
【請求項10】
長手方向に延在する縁部を有する前記複数の弾性のある指状部を提供することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
互いに重なる関係に巻き付けられる対向する縁部を有する前記配置部材を提供することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記配置部材を、押出された金属の管として提供することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2015年8月4日に提出された米国仮出願番号第62/200,735号および2016年8月3日に提出された米国特許出願番号第15/227,210号の利益を主張し、参照によりその内容全体がここに組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景
1.技術分野
この発明は、概して、その中に収容される電気物体に対する熱保護を提供するための管状スリーブアセンブリに関し、より特定的には、その中に収容される電気物体の周りに選択的に解放可能に固定された位置でアセンブリを維持するための配置部材を含む管状スリーブアセンブリに関する。
【0003】
2.関連技術
エンジン動作および性能を制御するためにデータを提供する酸素センサなどの、自動車用途において用いられるセンサは、車両の動作中の急激な放射熱、摩耗源および振動を含む過酷な環境要素を受ける車両のエンジン部品内にしばしば設置される。過酷な環境要素に起因して、振動を減衰し、摩耗に対する保護を提供し、および放射熱がセンサに達するのを防ぐために、比較的繊細で温度に敏感なセンサを保護スリーブで被覆することが有利であり、多くの場合要求される。このようなスリーブは、一般的に、両開放自由端部間に延在する細長い円筒形状の管を備える。円筒形状の管は、一般的に、たとえばポリエステルフェルトの不織材料などの減衰性内層と、たとえば内層の外面に積層されるアルミ箔層を備える反射外層とを含む。
【0004】
保護円筒形状スリーブの構成およびその過酷環境のために、センサを機能させるために容易にスリーブを移動可能とする機構を提供すると同時に、スリーブが所望の位置に容易に確保され維持されることを可能にする態様で、センサの周りにスリーブを組み立てることは、典型的には困難である。接着剤、テープ、およびスリーブの円筒形状壁部の内面全体の締り嵌めが取付けを有効にするために用いられるが、これらの機構のそれぞれは、様々な不都合を被る。しっかり固定した間、少なくとも初めのうち一時的には、センサの周りのスリーブの接着剤の付着はスリーブをセンサに取り付けるため、将来的にセンサを機能させることを複雑にし、加えて、接着剤が時間が経つにつれて劣化することにより、スリーブがセンサの周りのその所望の保護位置から移動させられる。その結果、その初めのうちは接着された位置にある一方、この方法は、接着剤の接着接合を崩壊させることを要求するため、センサの機能のためのスリーブの容易な除去またはスリーブの再利用を可能としない。加えて、テープおよび締り嵌めは、エンジン部品内で直面する熱および振動の観点から信頼できず、テープはさらに部分的に取付けの負担となり、特に干渉が大きすぎる場合、またはスリーブがたとえばコネクタなどのアセンブリの経路に沿って増加した直径の障害物を横切ることが必要である場合、摩擦嵌めは部品公差の変化および組立の困難性に悩まされる。
【0005】
さらなる周知の機構には、管状スリーブと別個の部品として作製されたエンドキャップの使用が含まれ、エンドキャップは、ホチキス、テープおよび/または接着剤などの別個の二次的な固定用具の使用を介してスリーブに固定される。別個の固定用具は機能的に有用であることを示し得るが、別個の固定部品を維持し、使用しなければならないこと、および用具を組み立て、固定するためのプロセスの結果、組立の費用および複雑さを付加することにより、絶縁スリーブの製造および組立の複雑さおよび費用が付加される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の概要
本発明の1つの局面に従えば、熱に曝されることからワイヤハーネスに接続される電子部材を保護するための熱スリーブが提供される。熱スリーブは、開放両端部間で中心長手方向軸に沿って延在する内側キャビティを画定する絶縁内層と、反射外層とを有する周方向に連続的な壁部を含む、管状部材を有する。スリーブは、弾性のある反射性金属材料から構成される配置部材をさらに含む。配置部材は、管状部と、ワイヤハーネスに隣接する管状部から径方向内側に延在する少なくとも1つの弾性のある指状部とを有する。管状部は、管状部材の壁部の両端部のうちの1つに固定的に取り付けられる。
【0007】
本発明の別の局面に従えば、少なくとも1つの弾性のある指状部は、管状部材の壁部から離れるように略円錐形の形状で延在する。
【0008】
本発明の別の局面に従えば、少なくとも1つの弾性のある指状部は、複数の弾性のある指状部を含む。
【0009】
本発明の別の局面に従えば、弾性のある指状部は、互いに重なる側縁部を有する。
本発明の別の局面に従えば、センサと電気通信するように構成されたワイヤハーネスと組み合される熱スリーブが提供される。熱スリーブは、開放両端部間で中心長手方向軸に沿って延在する内側キャビティを画定する絶縁内層と、反射外層とを有する周方向に連続的な壁部を含む、管状部材を有する。スリーブは、弾性のある反射性金属材料から構成される配置部材をさらに有し、配置部材は、管状部と、ワイヤハーネスに隣接する管状部から径方向内側に延在する少なくとも1つの弾性のある指状部とを有し、管状部は、管状部材の壁部の両端部のうちの1つに固定的に取り付けられる。
【0010】
本発明の別の局面に従えば、外部の熱の影響からワイヤハーネスに接続される電子部材を保護するためのスリーブの構築方法が提供される。当該方法は、開放両端部間で中心長手方向軸に沿って延在する内側キャビティを画定する絶縁内層と、絶縁内層の周りに固定された反射外層とを有する周方向に連続的な壁部を含む、管状部材を提供することを含む。さらに、弾性のある反射性金属材料から構成される配置部材を提供することを含み、配置部材は、管状部と、ワイヤハーネスに隣接する管状部から径方向内側に延在する少なくとも1つの弾性のあるフランジとを有する。またさらに、配置部材の管状部を前記管状部材の壁部の両端部のうちの1つに固定することを含む。
【0011】
本発明の別の局面に従えば、当該方法は、平坦な金属材料片から配置部材を形成することと、平坦な材料片を管状構造に巻くこととをさらに含んでもよい。
【0012】
本発明の別の局面に従えば、当該方法は、押出された管状の金属材料片から配置部材を形成することをさらに含んでもよい。
【0013】
これらのおよび他の構成および本発明の利点は、現在好ましい実施形態およびベストモードの以下の詳細な説明、添付された請求項ならびに添付の図面の記載と結び付けて考慮したとき、より容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】電子部品に接続されるワイヤハーネスの周りに配置されるように示される電子部品を保護するための、本発明の1つの局面に従って構築された熱スリーブアセンブリの斜視図である。
【
図2】部分的に展開された状態における
図1の熱スリーブアセンブリを示す断面側面図である。
【
図3】組み立てられた状態における熱スリーブアセンブリを示す
図2に類似の図である。
【
図4】部分的に構築された状態で示される
図1の保護スリーブアセンブリの配置部材の平面図である。
【
図5】部分的に構築された状態で示される
図1の保護スリーブアセンブリの本発明の別の局面に従って構築された配置部材の等角図である。
【
図6】部分的に構築された状態で示される
図1の保護スリーブアセンブリの本発明のさらに別の局面に従って構築された配置部材の等角図である。
【
図7】完全に構築された状態で示される
図6の配置部材の等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
好ましい実施形態の詳細な説明
図面をより詳細に参照すると、
図1〜
図3は、本発明の1つの実施形態に従って構築されたアセンブリ10を示す。アセンブリ10は、極度の放射熱、摩耗、汚染および振動の影響からスリーブ12内に少なくとも部分的に収容されるセンサなどの電子部材14を保護するための自己保持型の配置部材25を有する熱スリーブ12を含む。センサ14は、車両のエンジン部品18上のワイヤハーネス16の端部に接続されるものとして示される(
図2および
図3)。ワイヤハーネス16は、曝露され絶縁されたワイヤの束、または概ね滑らかであるまたは廻旋状の外面22を有する管などの、管20とも呼ばれる、外側保護スリーブ内に囲まれた、絶縁されたワイヤの束として設けられ得るが、これは例示であって限定ではない。スリーブ12は、ワイヤハーネス16および管20の長手方向軸24に沿った隙間嵌めおよび摺動運動のために構成され、それが設けられるとスリーブ12をセンサ14の周りのその所望の保護位置へ配置する。スリーブ12は、以下でさらに詳細に説明されるようなスリーブ12に固定的に取り付けられる反射性配置部材25を介して、センサを機能させるために望ましいであろうその保護位置から離れるようにスリーブ12を選択的に摺動させることが望ましいとされるまで、保護位置に固定されたままとなるように構成される。スリーブ12は、使用中、テープまたは接着剤などの二次的な固定具の必要なくその保護位置に維持されるため、アセンブリ10は製造及び使用において、簡単に、審美的に美しく、かつ経済的に作製される。
【0016】
スリーブ12は任意の所望な長さを有して構築されてもよい。スリーブ12は、内面30と外面31とを有する周方向に連続的な内壁28を含む管状部材26を有し、内面30は、内側キャビティ32を画定し、開放両端部36,38間で中心長手方向軸に沿って延在する。管状部材26は、外面31上に反射外面40をさらに含む。本発明の別の局面に従う内壁28は、撚り合わされる繊維の不織材料、織物材料、編物材料または編組材料から構築されてもよく、意図された環境における特質および熱曝露の厳しさに応じて、任意の所望な壁厚を有して構築されてもよい。
【0017】
反射外面40は、排気システムによって生成される温度など、エンジン区画に特有の極度の放射熱を反射するために設けられる。外層40は、アルミニウムまたは他の所望の金属の箔層など、任意の好適な金属材料で形成され得る。箔外層40は、比較的薄く、これによりスリーブ12が曲がりくねった経路および角部にわたって可撓性を維持することを可能とする。外層40は、所望のとおり、内壁28の周りに螺旋巻きまたはたばこ巻きされ得る。所望であれば、外層40を内壁28の外面31に接着することを容易にするために、任意の好適な耐熱性の接着剤が用いられてもよい。
【0018】
本明細書で単に配置部材25とも呼ばれる、反射性配置部材は、アルミニウムまたはばね鋼などの弾性のある反射性金属材料などから、たとえば約8〜12ミルの間の厚さで、管状部材26とは別個の材料片から構成される。配置部材25は、金属材料の単一片から単独で提供され得るため、保持および遮蔽機能を果たすためにそこに固定される追加の材料を必要としない。配置部材25は、略円筒形状の管状部42と、少なくとも1つの可撓性で弾性のあるフランジとを有し、フランジは、指状部44とも呼ばれ、それが設けられるとワイヤハーネス16またはワイヤハーネスの管20との隣接を維持する管状部42およびの壁部28から斜めの方向に径方向内側に延在する複数の指状部44として示される。管状部42は、略円筒形状であるものとして示され、管状部材26の開放端部36の外面の周りに閉じた比較的ぴったり合った受容のために寸法決めされ、その後、ホチキス、または高温耐性接着剤などの接着剤のような、機械的固定具を含む任意の好適な固定機構が用いられて配置部材25を管状部材26に対して固定してもよい。ここで、所望であれば、管状部42が内壁28の内部に閉じたぴったり合った受容のために寸法決めされてもよいことが考えられる。
【0019】
例示であって限定ではないが、本明細書では複数形で示される、配置部材の単一の指状部または複数の指状部44は、それが設けられると、ワイヤハーネス16およびその管20の周りの閉じた隣接受容のために管状部42から斜めの方向に径方向内側に延在するように形成されて略円錐台形状を呈する。指状部44は、らせん環の態様で可撓性を有して弾性的であり、この場合、指状部はワイヤハーネス16および管20が指状部44の自由端部48の内周によって形成される開口部46を自由に通り抜けることを可能にし、すると指状部44の弾性は指状部44をワイヤハーネスまたは管20とのばねのような隣接で維持する。ワイヤハーネス16またはその管20とのばね付勢された隣接を維持することによって、配置部材25、したがって管状部材26は、ワイヤハーネス16および管20に対して所望の組み立てられた位置に固定される。電子部材14を機能させることを望む場合は、指状部44はワイヤハーネスまたは管20との接触から手動で離されてもよく、その後、そこへアクセスすることを可能にするためにスリーブ12は電子部材14から離れた方向に摺動されてもよい。配置部材25を形成する材料の厚さは、薄すぎる場合には、指状部がワイヤハーネスまたは管20とばねのような摩擦係合で維持するのに必要なばね状の弾性を有しないかもしれず、厚すぎる場合には、指状部44を硬くしすぎるとともに、過剰な重量を追加し逆に製造に影響を与えるかもしれないという点で、重要である。
【0020】
使用中、スリーブ12は、ワイヤハーネス16または管20にわたって容易に摺動され得、すると、指状部44の自由端部48は、ワイヤハーネス16または管20に対して係合し径方向および軸方向に屈曲する。指状部の端部48とワイヤハーネス16または管20との間の所定量の摩擦および干渉は、配置部材を形成するために用いられる金属材料の所望の厚さを選択することによって、ならびに指状部44の形状および構成を制御することなどによって、指状部44のばね定数を制御することによって提供され得る。ワイヤハーネス16または管20の周りに配置部材25を配置する前に、指状部44の自由端部48によって形成される開口部46がワイヤハーネス16または管20の最大有効直径Dよりも小さいことによって、ワイヤハーネスまたは管20との係合に持ち込まれるときに、指状部44は少なくともわずかに径方向外側に強制的に付勢される。このように、摩擦嵌めは、径方向内側に延在する付勢された指状部44とワイヤハーネス16または管20との間に確立される。指状部44の形状は、好ましくは、平坦な金属ストリップ(
図4)などの配置部材25の材料において形成される長手方向に延在する切込み50を介して規定され、それは、適切な矩形の大きさに切断され、切込み50を形成するように切断されて個々の指状部44を形成し、その後、管状にたばこ巻きされて隣接するまたはわずかに重なる関係に対向する縁部52,54を持ち込み、その後、たとえばリベット、ホチキスおよび/または接着剤などの任意の好適な機械固定具などを介して管状形態に固定される。ここで、配置部材25’が、ある長さの切込み50(
図5)に切断され、その後
図1のものと類似または同様に見えるように折り畳まれる押出された金属管から形成されてもよいことがさらに考えられる。示されるように、切込み50は、中心軸34に概ね平行に延在するため、指状部44は概ね矩形形状である。このように、
図1〜
図3に示されるように完成された円錐台形状に指状部44を曲げる際に、指状部44の長手方向に延在する縁部56が少なくともわずかに互いに重なることにより、起こり得る破片の侵入および熱に対する良好なバリアをもたらす。切込み50が別の方法で形成されることにより、
図6に示されるように台形に形作られた指状部44などの矩形ではない別の形状の指状部としてもよく、切込み50が三角形または台形の切欠き領域58を形成することにより、指状部44の長手方向に延在する縁部56が径方向内側に曲げられる際に互いに突合せ継手(
図7)を形成するまたは実質的に形成するように、互いと重ねることが低減されたまたは重なることのない指状部44としてもよいことが考えられる。切込み50は、
図6に示されるような
図4の平坦金属ストリップに形成されることにより、
図7に示されるように最終的に形成される指状部44としてもよいことが認識されるべきである。
【0021】
管20が波形の管として提供された場合、指状部44は、設置および除去の間には環状の波の山部C上で軸方向に屈曲するように付勢され得、波形の環状の谷部V内に少なくとも部分的に受けられるように所定の厚さを呈するように構築されてスリーブ12をセンサ14の周りのその意図された「使用時」の位置に維持することを容易にする。設置の間、指状部44は、曲げられた指状部44の自然のばね付勢に対して径方向外側に自動的に付勢されるようにされ、指状部44は、折り畳まれた領域62によって与えられるばね付勢の結果としてワイヤ16または管20の外面と摩擦係合で維持することにより、指状部44が概ね円錐形状を呈するようにされる。指状部44は光沢があり反射性であるため、外部の放射熱はキャビティ32から離れるように反射され、これにより、電子部材14を放射熱に曝されることから保護する。
【0022】
明らかに、上記の教示に照らせば、本発明の多くの改良および変形が可能である。したがって、添付の請求項の範囲内で本発明は特定的に説明された以外の方法で実施されてもよいことが理解されるべきである。