(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
無線周波数(RF)エネルギー及び超音波エネルギーを外科用器具に送達するための発生器であって、前記外科用器具は、閉鎖位置と開放位置との間の枢動運動のために構成された第1のジョー及び第2のジョーを備え、前記発生器は、
第1の選択肢及び第2の選択肢の一方のユーザ選択を示す第1の入力を受信することと、
前記第1のジョー及び前記第2のジョーが前記閉鎖位置にあるのか又は前記開放位置にあるのかを示す第2の入力を受信することと、
前記外科用器具のRFエネルギー出力部での電気的インピーダンスを示す第3の入力を受信することと、
前記第1の入力、前記第2の入力及び前記第3の入力に少なくとも部分的に基づいて、動作の複数のモードから、組織を治療するための動作のモードを選択することと、を行うように構成され、前記動作の複数のモードは、
前記発生器がRFエネルギーを前記外科用器具に送達する第1のモードと、
前記発生器が超音波エネルギーを前記外科用器具に送達する第2のモードと、を含み、
前記第1の選択肢は、封止のみの選択肢であり、前記第2の選択肢は、封止及び切断の選択肢であり、
前記電気的インピーダンスは、ステープル留めされた組織によって生じ得る短絡状態を示す低インピーダンス、組織がステープルなしで存在していることを示す中インピーダンス、開放回路状態を示す高インピーダンスに、区分され、
前記発生器は、前記第1の入力、前記第2の入力及び前記第3の入力に少なくとも部分的に基づいて決定されるレベルで、超音波エネルギーを前記外科用器具に送達するように更に構成され、
超音波エネルギーは、組織の封止を少なくとも行うための低レベル超音波エネルギーと、組織の切断または切開を行うための高レベル超音波エネルギーとに区分され、
前記発生器は、前記第1の入力、前記第2の入力及び前記第3の入力に少なくとも部分的に基づいて決定されるレベルで、RFエネルギーを前記外科用器具に送達するように更に構成され、
RFエネルギーは、組織の封止を少なくとも行うための低レベルRFエネルギーと、組織のスポット凝固を行うための高レベルRFエネルギーとに区分され、
前記発生器は、前記第2の入力が前記開放位置を示し、前記第3の入力が前記中インピーダンスの電気的インピーダンスを示す場合に、前記発生器が前記第1のモードを選択するように構成され、かつRFエネルギーの前記レベルが、前記高レベルRFエネルギーとして決定され、
前記発生器は、前記第2の入力が前記閉鎖位置を示し、前記第3の入力が前記低インピーダンスを示す場合に、前記第2のモードを選択し、前記低レベル超音波エネルギーを供給するように構成される、発生器。
【発明を実施するための形態】
【0013】
超音波外科用器具の様々な形態について詳細に説明する前に、図示されている形態は、その応用又は用途において、添付図面及び説明において例示されている構成要素の構造及び配列の詳細に限定されないことに留意すべきである。例示的な形態は、他の形態、変形、及び修正で実行されるか、又はそれらに組み込まれてもよく、様々な手段で実施又は行われてもよい。更に、特に明記しない限り、本明細書で用いる用語及び表現は、読者の便宜のために例示的な形態を説明する目的で選ばれており、それらを限定するためのものではない。
【0014】
更に、以下で記述する形態、形態の具現、実施例のうちの任意の1つ以上を、以下で記述する他の形態、形態の具現、実施例のうちの任意の1つ以上と組み合わせることができるものと理解されたい。
【0015】
様々な形態は、外科手技中の組織の切開、切断及び/又は凝固を達成するために構成された、改良された超音波外科用器具を対象とする。一形態において、超音波外科用器具装置は、切開外科手技における使用のために構成されているが、腹腔鏡、内視鏡及びロボット支援処置のような他のタイプの手術における用途も有する。超音波エネルギーの選択的な使用によって多方面の用途が容易になる。
【0016】
本願は、本願と共に同時に出願された以下の同一所有者の特許出願に関し、
代理人整理番号END7768USNP1/150449−1、Wiener et al.による、名称「CIRCUIT TOPOLOGIES FOR COMBINED GENERATOR」、
代理人整理番号END7768USNP2/150449−2、Wiener et al.による、名称「CIRCUITS FOR SUPPLYING ISOLATED DIRECT CURRENT(DC)VOLTAGE TO SURGICAL INSTRUMENTS」、
代理人整理番号END7768USNP3/150449−3、Yates et al.による、名称「FREQUENCY AGILE GENERATOR FOR A SURGICAL INSTRUMENT」、
代理人整理番号END7769USNP1/150448−1、Wiener et al.による、名称「GENERATOR FOR DIGITALLY GENERATING ELECTRICAL SIGNAL WAVEFORMS FOR ELECTROSURGICAL AND ULTRASONIC SURGICAL INSTRUMENTS」、
代理人整理番号END7769USNP2/150448−2、Wiener et al.による、名称「GENERATOR FOR DIGITALLY GENERATING COMBINED ELECTRICAL SIGNAL WAVEFORMS FOR ULTRASONIC SURGICAL INSTRUMENTS」、
代理人整理番号END7769USNP3/150448−3、Yates et al.による、名称「PROTECTION TECHNIQUES FOR GENERATOR FOR DIGITALLY GENERATING ELECTROSURGICAL AND ULTRASONIC DIGITAL ELECTRICAL SIGNAL WAVEFORMS」、
これらはそれぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0017】
本願はまた、2016年6月9日に出願された以下の同一所有者の特許出願に関し、
米国特許出願第15/177,430号、名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH USER ADAPTABLE TECHNIQUES」、
米国特許出願第15/177,439号、名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH USER ADAPTABLE TECHNIQUES BASED ON TISSUE TYPE」、
米国特許出願第15/177,449号、名称「SURGICAL SYSTEM WITH USER ADAPTABLE TECHNIQUES EMPLOYING MULTIPLE ENERGY MODALITIES BASED ON TISSUE」、
米国特許出願第15/177,456号、名称「SURGICAL SYSTEM WITH USER ADAPTABLE TECHNIQUES BASED ON TISSUE IMPEDANCE」、
米国特許出願第15/177,466号、名称「SURGICAL SYSTEM WITH USER ADAPTABLE TECHNIQUES EMPLOYING SIMULTANEOUS ENERGY MODALITIES BASED ON TISSUE PARAMETERS」、
これらはそれぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0018】
様々な形態が、本明細書に記述する超音波器具と組み合わせて記述される。そのような記載は限定するものではなく例として提供されており、その範囲及び適用を限定することを意図しない。例えば、記載される形態のうちの任意1つは、例えば、それぞれが参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,938,633号、同第5,935,144号、同第5,944,737号、同第5,322,055号、同第5,630,420号、及び同第5,449,370号に記載されるものを含む多様な超音波器具と組み合わせて有用である。
【0019】
以下の記述から明白となるように、本明細書に記述する外科用器具の形態は、外科用システムの発振器ユニットと関連付けて使用することができ、それにより、その発振器ユニットからの超音波エネルギーが所望の超音波作動を本明細書の外科用器具にもたらすように企図される。本明細書に記載される外科用器具の形態は、外科用システムの信号発生器ユニットと関連付けて使用されてもよく、それにより無線周波数(RF)の形態の電気エネルギーが、例えば、外科用器具に関してユーザにフィードバックを提供するために使用されることも企図される。超音波発振器及び/若しくは信号発生器は、取り外し不能に外科用器具と一体化されてもよく、又は外科用器具に電気的に取り付け可能であり得る分離したコンポーネントとして提供されてもよい。
【0020】
本明細書の外科用装置の一形態は、その単純な構造を利用した使い捨て用途のために特に構成されている。しかしながら、本外科用器具の他の形態は、使い捨てではないか又は複数回使用されるように構成され得ることも企図される。関連付けられる発振器及び信号発生器ユニットとの、本発明の外科用器具の取り外し可能な接続について、ここでは1人の患者用として、あくまで例示を目的として開示する。しかし、本外科用器具を、関連付けられる発振器及び/又は信号発生器ユニットと取り外し可能にせずに、一体化接続することも企図される。したがって、本明細書に記載される外科用器具の様々な形態は、限定されないが、取り外し可能及び/又は取り外し不能のいずれかの一体型発振器及び/又は信号発生器ユニットと共に、単回使用及び/又は複数回使用するように構成され得、そのような構成の全ての組み合わせは、本開示の範囲内にあることが企図される。
【0021】
一態様では、所望の波形状は、例えば、発生器のFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)を含むDDSテーブル(直接デジタル合成テーブル)などのテーブルに記憶されている1024個の点でデジタル化されてもよい。発生器ソフトウェア及びデジタル制御は、FPGAに対して、関心周波数でのこのテーブルにおけるアドレスをスキャンし、次いで、電力増幅器に供給を行うDACに可変のデジタル入力値を提供するように命令する。この方法により、組織に供給される任意の(又は多くの)種類の波形状を実用的に生成することができる。更に、複数の波形状テーブルを作成し、記憶し、組織に適用することができる。
【0022】
様々な態様によると、方法は、例えば、直接デジタルシンセサイザ(DDS)によって生成され、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)内に記憶されているルックアップテーブルなどの様々な種類のルックアップテーブルを、メモリ内に作成することを含む。波形は、特定の波形状として、DDSテーブル(単数又は複数)に記憶されてもよい。RF/電気外科組織治療分野における波形状の例としては、例えばRFモードでの表面凝固に使用可能な波高率の高いRF信号と、例えばRFモードでの組織へのより深い穿通に使用可能な波高率の低いRF信号と、例えば効率的なタッチアップ凝固(touch-up coagulation)を促す波形と、が挙げられる。
【0023】
本開示は、所望の組織結果に基づいて波形状間のフライを、手動で又は自動で、切り替え可能な、複数の波形状テーブルの作成のために提供される。切り替えは、例えば、組織インピーダンス及び/又は他の因子などの組織パラメータに基づき得る。従来の正弦波形状に加えて、一態様では、発生器は、サイクルごとに組織への電力を最大化する波形状を提供するように構成されてもよい。一態様によると、波形状は、台形波、正弦若しくは余弦波、方形波、三角波、又はそれらの任意の組み合わせであってもよい。一態様では、発生器は、RFエネルギーモダリティ及び超音波エネルギーモダリティの両方が、同時に又は順次に、駆動されている場合に、最大電力送達を行えるように合成された、波形状(単数又は複数)を提供するように構成されてもよい。一態様では、発生器は、超音波周波数をロックしながら、超音波及びRFの両方の治療的エネルギーを同時に駆動させる波形を提供するように構成されてもよい。一態様では、発生器は、RFエネルギー及び超音波エネルギーを同時に駆動することができる回路トポロジを提供するデバイスを含んでもよいし、又はそれに関連付けられてもよい。一態様では、発生器は、外科用器具及びかかる外科用器具によってもたらされる組織結果に特異的なカスタム波形状を提供するように構成されてもよい。更に、波形は、例えばEEPROMなどの、発生器の不揮発性メモリ内又は器具のメモリ内に記憶されてもよい。波形(単数又は複数)は、器具を発生器に接続する際に取り出されてもよい。
【0024】
図1〜
図5を参照すると、超音波外科用器具を含む外科用システム1000の一形態が図示されている。
図1は、発生器100及びそれと共に使用可能な様々な外科用器具104、106、108を含む外科用システム1000の一形態を図示している。
図2は、
図1に示した超音波外科用器具108の図である。
図1及び
図2の両方を参照すると、発生器100は、様々な外科用器具と使用するために構成可能である。
【0025】
様々な形態によると、発生器100は、例えば、超音波デバイス104、RFデバイス106などの電気外科用又はRF外科用器具、並びに発生器100から同時に送達される電気外科用RF及び超音波エネルギーを統合する多機能デバイス108を含む、異なる種類の様々な外科用器具と共に使用するために構成可能であり得る。
図1の形態では、発生器100は、外科用器具104、106、108とは別個に示されているが、一形態では、発生器100は、外科用器具104、106、108のうちのいずれかと一体的に形成されて、一体型外科用システムを形成してもよい。発生器100は、発生器100のコンソールの前側パネル上に位置する入力デバイス112を含む。入力デバイス112は、発生器100の動作をプログラミングするのに好適な信号を生成する、任意の好適なデバイスを含んでもよい。
【0026】
図1は、複数の外科用器具104、106、108を駆動するように構成された発生器100を例示する。第1の外科用器具104は、ハンドピース105、超音波トランスデューサ120、シャフト126、及びエンドエフェクタ122を含む。エンドエフェクタ122は、トランスデューサ120と音響的に連結された超音波ブレード128と、クランプアーム140と、を含む。ハンドピース105は、クランプアーム140を動作させるトリガ143と、超音波ブレード128又は他の機能にエネルギー供給しかつ駆動するためのトグルボタン134a、134b、134cの組み合わせと、を含む。トグルボタン134a、134b、134cは、発生器100により超音波トランスデューサ120にエネルギー供給するように構成することができる。
【0027】
依然として
図1を参照すると、発生器100はまた、第2の外科用器具106を駆動するようにも構成されている。第2の外科用器具106は、RF電気外科用器具であり、ハンドピース107、シャフト127、及びエンドエフェクタ124を含む。エンドエフェクタ124は、クランプアーム143内の電極と、超音波ブレード149を通した帰路と、を含む。電極は、発生器100内の双極エネルギー源に連結され、双極エネルギー源によってエネルギー供給される。ハンドピース107は、クランプアーム145を動作させるためのトリガ147と、エンドエフェクタ124内の電極にエネルギー供給するためのエネルギースイッチを作動するためのエネルギーボタン135と、を含む。
【0028】
依然として
図1を参照すると、発生器100はまた、複合型電気外科・超音波器具108を駆動するようにも構成されている。複合型電気外科・超音波多機能外科用器具108は、ハンドピース109、シャフト129、及びエンドエフェクタ125を含む。エンドエフェクタ125は、超音波ブレード149及びクランプアーム146を含む。超音波ブレード149は、超音波トランスデューサ120と音響的に連結される。ハンドピース109は、クランプアーム145を動作させるためのトリガ147と、超音波ブレード149又は他の機能にエネルギー供給しかつ駆動するためのトグルボタン137a、137b、137cの組み合わせと、を含む。トグルボタン137a、137b、137cは、発生器100内で超音波トランスデューサ120にエネルギー供給し、かつ発生器100内に同様に収容された双極エネルギー源により超音波ブレード149にエネルギー供給するように構成することができる。
【0029】
図1及び
図2の両方を参照すると、発生器100は、様々な外科用装置と使用するために構成可能である。様々な形態によると、発生器100は、例えば、超音波外科用器具104、RF電気外科用器具106などの電気外科用又はRF外科用器具、並びに発生器100から同時に送達される電気外科用RF及び超音波エネルギーを統合する多機能外科用器具108を含む、異なる種類の様々な外科用器具と共に使用するために構成可能であり得る。
図1の形態では、発生器100は、外科用器具104、106、108とは別個に示されているが、一形態では、発生器100は、外科用器具104、106、108のうちのいずれかと一体的に形成されて、一体型外科用システムを形成してもよい。発生器100は、発生器100のコンソールの前側パネル上に位置する入力装置110を含む。入力装置110は、発生器100の動作をプログラミングするのに好適な信号を生成する、任意の好適な装置を含んでもよい。発生器100はまた、1つ以上の出力装置112を含んでもよい。
【0030】
ここで
図2を参照すると、発生器100は、複合型電気外科・超音波多機能外科用器具108に連結されている。発生器100は、ケーブル144を介して超音波トランスデューサ120に連結されている。超音波トランスデューサ120及びシャフト129を通って延在する導波管(導波管は
図2に示さず)は、エンドエフェクタ125の超音波ブレード149を駆動する超音波駆動システムを集合的に形成してもよい。エンドエフェクタ125は、クランプアーム146を更に含み、クランプアーム146と超音波ブレード149との間に位置する組織を把持してもよい。一形態では、発生器100は、段階式とすることができるか、又は別の方法で高分解能、精度及び繰り返し性により修正することができる特定の電圧、電流及び/又は周波数出力信号の駆動信号を発生させるように構成されてもよい。
【0031】
依然として
図2を参照すると、外科用器具108は、トグルボタン137a、137b、134cの任意の組み合わせを含んでもよいことが理解されよう。例えば、外科用器具104は、最大超音波エネルギー出力を発生させるためのトグルボタン134aと、最大電力レベル又は最大未満の電力レベルのいずれかでパルス状出力を発生させるためのトグルボタン134cと、の2つのトグルボタンのみを有するように構成され得る。このようにして、発生器100の駆動信号出力構成は、5個の連続信号及び、5又は4又は3又は2又は1個のパルス信号である場合がある。ある特定の形態では、特定の駆動信号構成は、例えば、発生器100におけるEEPROM設定及び/又はユーザ電力レベル選択(複数可)に基づいて制御されてもよい。
【0032】
特定の形態では、2位置スイッチは、トグルボタン134cの代替として提供されてもよい。例えば、外科用器具104は、最大電力レベルで連続出力を発生させるためのトグルボタン134aと、2位置トグルボタン134bと、を含んでもよい。第1の戻り止め位置では、トグルボタン134bは、最大未満の電力レベルで連続的な出力を生成することができ、第2の戻り止め位置では、トグルボタン134bは、(例えば、EEPROM設定値に応じて、最大電力レベル又は最大未満の電力レベルのいずれかで)パルス状出力を発生させることができる。
【0033】
依然として
図2を参照すると、発生器100の形態は、器具ベースのデータ回路との通信を可能にしてもよい。例えば、発生器100は、第1のデータ回路136及び/又は第2のデータ回路138と通信するように構成されてもよい。例えば、第1のデータ回路136は、本明細書に記載されたように、バーンイン周波数スロープを示してもよい。追加的に又は代替的に、任意の種類の情報は、データ回路インターフェースを介して(例えば、論理デバイスを使用して)第2のデータ回路に記憶するために第2のデータ回路に通信されてもよい。このような情報は例えば、器具が使用された最新の動作数、並びに/又は、その使用の日付及び/若しくは時間を含んでもよい。特定の形態では、第2のデータ回路は、1つ以上のセンサ(例えば、器具ベースの温度センサ)によって捕捉されたデータを伝達してもよい。特定の形態では、第2のデータ回路は、発生器100からデータを受信し、その受信データに基づいてユーザに表示(例えば、LED表示又はその他の可視表示)を提供してもよい。外科用器具の多機能外科用器具108に収容された第2のデータ回路138。いくつかの形態では、第2のデータ回路138は、本明細書に記載される第1のデータ回路136のものと類似した多くのものに実装される。器具インターフェース回路は、この通信を可能にするための第2のデータ回路インターフェースを含んでもよい。一形態では、第2のデータ回路インターフェースは、トライステートデジタルインターフェースを含んでもよいが、他のインターフェースも使用されてもよい。ある特定の形態では、第2のデータ回路は、一般にデータを送信かつ/又は受信するための任意の回路であってもよい。一形態では、例えば、第2のデータ回路は、第2のデータ回路が関連付けられた特定の外科用器具に関する情報を記憶してもよい。このような情報は、例えば、モデル番号、シリアル番号、外科用器具が使用された動作数及び/又は他の種類の情報を含んでもよい。いくつかの形態では、第2のデータ回路138は、関連するトランスデューサ120、エンドエフェクタ122、又は超音波駆動システムの電気的及び/又は超音波的特性に関する情報を記憶してもよい。本明細書に記載される様々なプロセス及び技法は、発生器によって実行され得る。しかしながら、ある特定の実施例の形態では、これらのプロセス及び技術の全て又は一部が多機能外科用器具108の内部論理139によって行われてもよいことが理解されよう。
【0034】
図3は、
図1の外科用システム1000の図である。様々な形態では、発生器100は、モジュール及び/又はブロックなどのいくつかの別個の機能的要素を含んでもよい。異なる機能的要素又はモジュールは、異なる種類の外科用器具104、106、108を駆動するために構成されてもよい。例えば、超音波発生器モジュール1008は、ケーブル141を介して、超音波デバイス104などの超音波デバイスを駆動してもよい。電気外科用/RF発生器モジュール1010は、ケーブル143を介して、電気外科用デバイス106を駆動してもよい。各モジュール1008、1009、1010は、複合型RF発生器/超音波発生器モジュール1009として複合化されて、ケーブル144を介して、複合型RF電気外科用/超音波外科用器具108を駆動するための各駆動信号の両方を生成してもよい。様々な形態において、超音波発生器モジュール1008及び/又は電気外科用/RF発生器モジュール1010はそれぞれ、発生器100と一体的に形成されてもよい。あるいは、モジュール1008、1009、1010のうちの1つ以上が、発生器100と電気的に連結された別個の回路モジュールとして設けられてもよい。(モジュール1008、1009、1010は、この選択肢を例示するために仮想線で示されている。)また、いくつかの形態では、電気外科用/RF発生器モジュール1010は、超音波発生器モジュール1008と一体的に形成されてもよいし、又はその逆であってもよい。また、いくつかの形態では、発生器100は、完全に省略されてもよく、モジュール1008、1009、1010は、それぞれの器具104、106、108内のプロセッサ又は他のハードウェアによって実行されてもよい。
【0035】
他の形態では、超音波発生器モジュール1008及び電気外科用/RF発生器モジュール1010の電気出力部は、電気外科用RFエネルギー及び超音波エネルギーで同時に多機能デバイス108を駆動することができる単一の電気信号に合成されてもよい。多機能デバイス108は、電気外科用RFエネルギーを受け取るために、超音波ブレード及びエンドエフェクタ122、124内の1つ以上の電極に連結された超音波トランスデューサ120を備える。このような実装においては、合成RF/超音波信号は、多機能デバイス108に連結される。多機能デバイス108は、合成RF/超音波信号を分割する信号処理用の構成要素を含むため、RF信号を、エンドエフェクタ122内の電極に伝達することができ、超音波信号を、超音波トランスデューサ120に伝達することができる。
【0036】
記述する形態によると、超音波発生器モジュール1008は、特定の電圧、電流、及び周波数(例えば、毎秒55,500サイクル(Hz))の駆動信号(単数又は複数)を生成し得る。駆動信号(単数又は複数)は、超音波デバイス104、特に、例えば上記のように動作し得るトランスデューサ120に提供され得る。トランスデューサ120及びシャフト129を通って延在する導波管(導波管は
図2には示さず)は、エンドエフェクタ125の超音波ブレード1017を駆動する超音波駆動システムを集合的に形成してもよい。一形態では、発生器100は、段階式とすることができるか、又は別の方法で高分解能、精度及び繰り返し性により修正することができる特定の電圧、電流及び/又は周波数出力信号の駆動信号を発生させるように構成されてもよい。
【0037】
発生器100は、駆動信号を任意の好適な方法でトランスデューサ120に提供するように起動され得る。例えば、発生器100は、フットスイッチケーブル1022を介して発生器100に連結されたフットスイッチ1020を含んでもよい。臨床医は、フットスイッチ1020を押すことによって、トランスデューサ120を起動し得る。フットスイッチ1020に加えて、又はこの代わりに、超音波デバイス104のいくつかの形態は、ハンドピース上に位置付けられる1つ以上のスイッチを使用してもよく、これは、作動されると、発生器100にトランスデューサ120を作動させることができる。一形態では、例えば、1つ以上のスイッチは、例えば、デバイス104の動作モードを決定するために、1対のトグルボタン137a、137b(
図2)を含んでもよい。例えば、トグルボタン137aが押されると、超音波発生器100は、最大駆動信号をトランスデューサ120に提供して、トランスデューサ120に最大超音波エネルギー出力を生成させてもよい。トグルボタン137bを押すことにより、超音波発生器100がトランスデューサ120にユーザ選択可能な駆動信号を提供して、トランスデューサ120に最大未満の超音波エネルギー出力を生成させてもよい。デバイス108は、追加的に又は代替的に、第2のスイッチ(図示なし)を備えてもよく、例えば、エンドエフェクタ125のジョーを動作させるためのジョー閉鎖トリガの位置を表示してもよい。また、いくつかの形態では、超音波発生器100は、ジョー閉鎖トリガの位置に基づいて起動されてもよい(例えば、臨床医がジョー閉鎖トリガを押してジョーを閉じると、超音波エネルギーが印加され得る)。
【0038】
追加的に又は代替的に、1つ以上のスイッチは、押圧されたとき、発生器100にパルス状出力を提供させるトグルボタン137cを含んでもよい。パルスは、例えば、任意の好適な周波数及び分類で提供されてもよい。ある特定の形態では、パルスの電力レベルは、例えば、トグルボタン137a、137bに関連する電力レベル(最大、最大未満)であってもよい。
【0039】
デバイス108は、トグルボタン137a、137b、137cの任意の組み合わせを含み得ることが理解されよう。例えば、デバイス108は、最大超音波エネルギー出力を発生させるためのトグルボタン137aと、最大電力レベル又は最大未満の電力レベルのいずれかでパルス状出力を発生させるためのトグルボタン137cと、の2つのトグルボタンのみを有するように構成され得る。このようにして、発生器100の駆動信号出力構成は、5個の連続信号及び、5又は4又は3又は2又は1個のパルス信号である場合がある。ある特定の形態では、特定の駆動信号構成は、例えば、発生器100におけるEEPROM設定及び/又はユーザ電力レベル選択(複数可)に基づいて制御されてもよい。
【0040】
特定の形態では、2位置スイッチは、トグルボタン137cの代替として提供されてもよい。例えば、デバイス104は、最大電力レベルで連続出力を発生させるためのトグルボタン137aと、2位置トグルボタン137bと、を含んでもよい。第1の戻り止め位置では、トグルボタン137bは、最大未満の電力レベルで連続的な出力を生成することができ、第2の戻り止め位置では、トグルボタン137bは、(例えば、EEPROM設定値に応じて、最大電力レベル又は最大未満の電力レベルのいずれかで)パルス状出力を発生させることができる。
【0041】
記述する形態によれば、電気外科用/RF発生器モジュール1010は、無線周波数(RF)エネルギーを使用して、双極電気外科手術を行うために十分な出力電力で駆動信号(単数又は複数)を生成し得る。双極電気外科用途では、例えば、駆動信号は、例えば電気外科用デバイス106の電極へと提供されてもよい。したがって、発生器100は、組織を処置(例えば、凝固、焼灼、組織溶接)するために十分な電気エネルギーを組織に印加することによって、治療目的のために構成されてもよい。
【0042】
発生器100は、例えば、発生器100のコンソールの前側パネル上に位置する入力デバイス112(
図1)を含んでもよい。入力デバイス112は、発生器100の動作をプログラミングするのに好適な信号を生成する、任意の好適なデバイスを含んでもよい。動作中、ユーザは、入力デバイス112を使用して発生器100の動作をプログラムするか、又は別の方法で制御することができる。入力デバイス112は、発生器によって(例えば、発生器内に収容された1つ以上のプロセッサによって)発生器100の動作(例えば、超音波発生器モジュール1008、電気外科用/RF発生器モジュール1010、複合型RF/超音波発生器1009の動作)を制御するために使用することができる信号を生成する任意の好適なデバイスを含んでもよい。様々な形態では、入力デバイス112は、汎用又は専用のコンピュータへのボタン、スイッチ、サムホイール、キーボード、キーパッド、タッチスクリーンモニタ、ポインティングデバイス、リモート接続のうちの1つ以上を含む。他の形態では、入力デバイス112は、例えば、タッチスクリーンモニタ上に表示される1つ以上のユーザインターフェーススクリーンなどの好適なユーザインターフェースを含んでもよい。したがって、入力デバイス112により、ユーザは、例えば、超音波発生器モジュール1008及び/又は電気外科用/RF発生器モジュール1010によって生成される駆動信号(単数又は複数)の、電流(I)、電圧(V)、周波数(f)、及び/又は期間(T)などの、発生器の様々な動作パラメータを設定又はプログラミングすることができる。
【0043】
発生器100はまた、例えば、発生器100のコンソールの前側パネル上に位置する出力インジケータなどの出力デバイス110(
図1)を含んでもよい。出力デバイス110は、ユーザに感覚的フィードバックを提供するための1つ以上のデバイスを含む。かかるデバイスは、例えば、視覚的フィードバックデバイス(例えば、視覚的フィードバックデバイスは、白熱電灯、発光ダイオード(LED)、グラフィカルユーザインターフェース、ディスプレイ、アナログインジケータ、デジタルインジケータ、棒グラフ表示、デジタル文字数字表示、液晶ディスプレイ表示スクリーン、LEDインジケータを含み得る)、可聴フィードバックデバイス(例えば、可聴フィードバックデバイスは、スピーカ、ブザー、可聴式のコンピュータで生成された音、コンピュータ化されたスピーチ、音声/スピーチプラットフォームを介してコンピュータと相互作用するためのボイスユーザインターフェース(VUI)を含み得る)、又は触覚的フィードバックデバイス(例えば、触覚的フィードバックデバイスは、任意の種類の振動フィードバック、触覚アクチュエータを含む)を含み得る。
【0044】
発生器100の特定のモジュール及び/又はブロックが例として記述されてもよいが、より多くの又はより少ない数のモジュール及び/又はブロックが使用されてもよく、かつ依然として形態の範囲内にあることが理解できよう。更に、説明を容易にするために、モジュール及び/又はブロックに関して様々な形態が記載され得るが、そのようなモジュール及び/又はブロックは、1つ以上のハードウェアコンポーネント、例えば、プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、特定用途向け集積回路(ASIC)、回路、レジスタ及び/又はソフトウェアコンポーネント、例えば、プログラム、サブルーチン、ロジック、及び/又はハードウェアコンポーネントとソフトウェアコンポーネントとの組み合わせによって実施されてもよい。また、いくつかの形態では、本明細書に記載される様々なモジュールは、器具104、106、108内に位置付けられた同様のハードウェアを利用して実現されてもよい(すなわち、外部発生器100は省かれてもよい)。
【0045】
一形態では、超音波発生器駆動モジュール1008及び電気外科用/RF駆動モジュール1010は、ファームウェア、ソフトウェア、ハードウェア又はこれらの任意の組み合わせとして実装される1つ以上の内蔵型アプリケーションを含んでもよい。モジュール1008、1009、1010は、ソフトウェア、プログラム、データ、ドライバ、アプリケーションプログラムインターフェース(API)などのような様々な実行可能なモジュールを含んでもよい。ファームウェアは、ビットマスクされた読み出し専用メモリ(ROM)又はフラッシュメモリのような不揮発性メモリ(NVM)に記憶されてもよい。様々な実装では、ファームウェアをROMに記憶することにより、フラッシュメモリが保存されてもよい。NVMは、例えば、プログラミング可能ROM(PROM)、消去可能なプログラミング可能ROM(EPROM)、電気的に消去可能なプログラミング可能ROM(EEPROM)、又はダイナミックRAM(DRAM)、ダブルデータレートDRAM(DDRAM)、及び/若しくは同期DRAM(SDRAM)のような電池バックアップ式ランダムアクセスメモリ(RAM)を含む、他の種類のメモリを含んでもよい。
【0046】
一形態では、モジュール1008、1009、1010は、デバイス104、106、108の様々な測定可能な特性を監視し、かつデバイス104、106、108を動作させるための対応する出力制御信号を生成するためのプログラム命令を実行するために、プロセッサとして実装されるハードウェア構成要素を含む。発生器100がデバイス108と共に使用される形態では、出力制御信号は、切断及び/又は凝固動作モードで超音波トランスデューサ120を駆動してもよい。デバイス108及び/又は組織の電気的特性は、発生器100の動作態様を制御するために測定及び使用され、かつ/又はユーザにフィードバックとして提供されてもよい。発生器100がデバイス108と共に使用される形態では、出力制御信号は、切断、凝固及び/又は乾燥モードでエンドエフェクタ125に電気エネルギー(例えば、RFエネルギー)を供給してもよい。デバイス108及び/又は組織の電気的特性は、発生器100の動作態様を制御するために測定及び使用され、かつ/又はユーザにフィードバックとして提供されてもよい。様々な形態では、前述のように、ハードウェア構成要素は、DSP、PLD、ASIC、回路及び/又はレジスタとして実装されてもよい。一形態では、プロセッサは、コンピュータソフトウェアプログラム命令を記憶及び実行して、超音波トランスデューサ120及びエンドエフェクタ122、124、125などのデバイス104、106、108の様々な構成要素を駆動するための階段関数出力信号を生成するように構成されてもよい。
【0047】
図4は、一形態による、超音波トランスデューサ120などの超音波トランスデューサの等価回路1050を例示する。回路1050は、共振器の電気機械的性質を定義する、直列に接続されたインダクタンスL
s、抵抗R
s、及び容量C
sを有する第1の「動作」ブランチと、静的静電容量C
oを有する第2の容量性ブランチと、を含む。動作電流I
mが第1のブランチを通って流れ、電流I
g−I
mが容量性ブランチを通って流れる状態で、駆動電流I
gは、発生器から駆動電圧V
gで受信されてもよい。超音波トランスデューサの電気機械的性質の制御は、I
g及びV
gを好適に制御することによって達成されてもよい。上述のように、従来の発生器アーキテクチャは、発生器の電流出力I
gの実質的に全てが動作ブランチを通って流れるように、並列共振回路内で静的静電容量Coを共振周波数でチューンアウトする(tuning out)ための同調インダクタL
t(
図4に仮想線で示される)を含んでもよい。この方法では、動作ブランチの電流I
mの制御は、発生器の電流出力I
gを制御することによって達成される。同調インダクタL
tは、超音波トランスデューサの静的静電容量C
oに特有であるが、異なる静的静電容量を有する異なる超音波トランスデューサは、異なる同調インダクタL
tを必要とする。更に、同調インダクタL
tは、単一の共振周波数での静的静電容量Coの公称値と一致するため、動作ブランチ電流I
mの正確な制御は、その周波数でのみ保証され、トランスデューサの温度と共に周波数が下がると、動作ブランチ電流の正確な制御は損われる。
【0048】
発生器100の形態は、同調インダクタL
tに依存せずに動作ブランチ電流I
mを監視する。その代わりに、発生器100は、特定の超音波外科用器具104への電力の印加間の静電容量C
oの測定値(それと共に、駆動信号電圧及び電流フィードバックデータ)を使用して、動的かつ継続的に(例えば、リアルタイムで)動作分岐電流I
mの値を決定してもよい。したがって、そのような形態の発生器1002は、静的静電容量C
oの公称値によって決定される単一の共振周波数においてのみではなく、任意の周波数で任意の値の静的静電容量C
oと同調される又は共振するシステムをシミュレートするために、仮想同調を提供することが可能である。
【0049】
図5は、発生器100(
図1〜
図3)の一形態である発生器200の簡略化ブロック図である。発生器は、数ある利点の中で、上述したように、インダクタを用いない同調を提供するように構成されている。発生器200の更なる詳細は、本発明の譲受人に譲渡されかつ同時出願された「SURGICAL GENERATOR FOR ULTRASONIC AND ELECTROSURGICAL DEVICES」と題する米国特許第9,060,775号に記載されており、その開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図5を参照すると、発生器200は、電力変圧器1056を介して非絶縁段階1054と通信する患者絶縁段階1052を含んでもよい。電力変圧器1056の二次巻線1058は、絶縁段階1052に含まれ、かつタップ構成(例えば、センタータップ又は非センタータップ構成)を含んで、例えば、超音波外科用器具104、電気外科用デバイス106、及び複合型電気外科用/超音波デバイス108などの、異なる外科用器具に駆動信号を出力するための、駆動信号出力部1060a、1060b、1060cを画定してもよい。特に、駆動信号出力部1060a、1060cは、超音波駆動信号(例えば、420VのRMS駆動信号)を超音波外科用器具104に出力してもよく、駆動信号出力部1060b、1060cは、電気外科用駆動信号(例えば、100VのRMS駆動信号)を電気外科用デバイス106に出力してもよく、出力部1060bは、電力変圧器1056のセンタータップに対応する。
【0050】
特定の形態では、超音波駆動信号及び電気外科用駆動信号は、別個の外科用器具に、及び/又は多機能デバイス108(
図1〜
図3)などの、超音波エネルギー及び電気外科用エネルギーの両方を組織に送達する能力を有する単一の外科用器具に、同時に提供されてもよい。専用の電気外科用器具及び/又は複合型多機能超音波/電気外科用器具のいずれかに提供される電気外科用信号は、治療量のレベルの信号又は治療量以下のレベルの信号のいずれかであってもよいことが理解されよう。例えば、超音波及び無線周波数信号は、以下でより詳細に論じられるように、所望の出力信号を外科用器具に提供するために、単一の出力ポートを有する発生器から別個に又は同時に伝達され得る。したがって、発生器は、超音波エネルギー及び電気外科用RFエネルギーを組み合わせて、複合エネルギーを多機能超音波/電気外科用器具に送達することができる。双極電極は、エンドエフェクタの一方又は両方のジョーの上に配置することができる。一方のジョーは、同時に働く、電気外科用RFエネルギーに加えて超音波エネルギーによって駆動されてもよい。超音波エネルギーが組織を切開するために用いられてもよい一方で、電気外科用RFエネルギーは、血管封止に用いられてもよい。
【0051】
非絶縁段階1054は、電力変圧器1056の一次巻線1064に接続された出力部を有する電力増幅器1062を含んでもよい。ある特定の形態では、電力増幅器1062は、プッシュプル増幅器を含んでもよい。例えば、非絶縁段階1054は、対応するアナログ信号を電力増幅器1062の入力部に続いて供給するデジタル−アナログ変換器(DAC)1068に、デジタル出力を供給するための論理デバイス1066を更に備えてもよい。ある特定の形態では、論理デバイス1066は、数ある論理回路の中で、例えば、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル論理デバイス(PLD)を含んでもよい。したがって、論理デバイス1066は、DAC 1068を介して電力増幅器1062の入力を制御することにより、駆動信号出力部1060a、1060b、1060cで出現する駆動信号の多くのパラメータ(例えば、周波数、波形形状、波形振幅)のいずれかを制御することができる。特定の形態では、後述するように、論理デバイス1066は、プロセッサ(例えば、後述するデジタル信号プロセッサ)と共に、多くのデジタル信号処理(DSP)式及び/又はその他の制御アルゴリズムを実装して、発生器200によって出力される駆動信号のパラメータを制御してもよい。
【0052】
電力は、スイッチモードレギュレータ1070によって、電力増幅器1062の電力レールに供給され得る。ある特定の形態では、スイッチモードレギュレータ1070は、例えば、調整可能なバックレギュレータを含んでもよい。非絶縁段階1054は、第1のプロセッサ1074を更に含んでもよく、この第1のプロセッサは、一形態では、例えば、Analog Devices(Norwood,MA)から入手可能なAnalog Devices ADSP−21469 SHARC DSPなどのDSPプロセッサを含んでもよいが、様々な形態において、任意の好適なプロセッサが使用されてもよい。特定の形態では、プロセッサ1074は、電力増幅器1062からDSPプロセッサ1074がアナログ−デジタル変換器(ADC)1076を介して受信する電圧フィードバックデータに応答する、スイッチモード電力変換器1070の動作を制御し得る。一形態では、例えば、DSPプロセッサ1074は、電力増幅器1062によって増幅された信号(例えば、RF信号)の波形エンベロープを、ADC 1076を介して、入力として受信し得る。次いで、DSPプロセッサ1074は、電力増幅器1062に供給されるレール電圧が、増幅された信号の波形エンベロープを追跡するように、(例えば、パルス幅変調(PWM)出力を介して)スイッチモードレギュレータ1070を制御してもよい。波形エンベロープに基づいて、電力増幅器1062のレール電圧を動的に変調することにより、電力増幅器1062の効率は、固定レール電圧増幅器スキームに対して顕著に改善され得る。
【0053】
特定の形態では、論理デバイス1066は、DSPプロセッサ1074と共に、直接デジタルシンセサイザ(DDS)(例えば、
図13、
図14を参照)制御スキームなどのデジタル合成回路を実装して、発生器200によって出力される駆動信号の波形形状、周波数及び/又は振幅を制御してもよい。一形態では、例えば、論理デバイス1066は、FPGA内に埋め込まれてもよいRAM LUTなどの、動的に更新されるルックアップテーブル(LUT)内に記憶された波形サンプルを呼び出すことによって、DDS制御アルゴリズムを実装してもよい。この制御アルゴリズムは、超音波トランスデューサ120などの超音波トランスデューサが、その共振周波数における明瞭な正弦波電流によって駆動されてもよい超音波用途に特に有用である。他の周波数が寄生共振を励起してもよいため、動作分岐電流の全歪みの最小化又は低減は、これに対応して望ましくない共振効果を最小化又は低減してもよい。発生器200によって出力される駆動信号の波形形状が、出力駆動回路内に存在する歪みの様々な発生源(例えば、電力変圧器1056、電力増幅器1062)によって影響されるため、駆動信号に基づいた電圧及び電流のフィードバックデータを、DSPプロセッサ1074によって実装される誤差制御アルゴリズムなどのアルゴリズムに入力することができ、このアルゴリズムは、動的かつ継続的に(例えば、リアルタイムで)、LUTに記憶された波形サンプルを好適に予め歪ませるか又は修正することによって、歪みを補償する。一形態では、LUTサンプルに加えられる予歪みの量又は程度は、計算された動作分岐電流と所望の電流波形との間の誤差に基づいてもよく、誤差は、サンプルごとに決定される。このようにして、予め歪ませたLUTサンプルは、駆動回路により処理されるとき、超音波トランスデューサを最適に駆動するために、所望の波形(例えば、正弦波形状)を有する動作ブランチ駆動信号を生じてもよい。そのような形態では、LUT波形サンプルは、したがって、駆動信号の所望の波形を表すのではなく、歪み効果を考慮した際の、動作分岐駆動信号の所望の波形を最終的に生成するために必要な波形を表す。
【0054】
非絶縁段階1054は、発生器200によって出力される駆動信号の電圧及び電流をそれぞれサンプリングするために、対応する絶縁変圧器1082、1084を介して電力変圧器1056の出力部に連結されたADC 1078及びADC 1080を更に含み得る。特定の形態では、ADC 1078、1080は、駆動信号のオーバーサンプリングを可能にするために、高速(例えば、80MSPS)でサンプリングするように構成され得る。一形態では、例えば、ADC 1078、1080のサンプリング速度は、(周波数に応じて)およそ200倍の駆動信号のオーバーサンプリングを可能にし得る。特定の形態では、ADC 1078、1080のサンプリング動作は、双方向マルチプレクサを介して、入力電圧及び電流信号を受信する単一のADCによって実施され得る。発生器200の形態での高速サンプリングの使用は、とりわけ、動作ブランチを通って流れる複素電流の計算(これは、上述のDDSベースの波形形状制御を実施するために、特定の形態で使用され得る)、サンプリングされた信号の正確なデジタルフィルタリング、及び高精度での実電力消費の計算を可能にし得る。ADC 1078、1080によって出力された電圧及び電流のフィードバックデータは、論理デバイス1066によって受信及び処理(例えば、FIFOバッファリング、マルチプレクシング)され、例えばDSPプロセッサ1074による後続の読み出しのために、データメモリに記憶されてもよい。上記のように、電圧及び電流のフィードバックデータは、動的及び進行に応じたベースで、LUT波形サンプルを予め歪ませるか又は修正するための、アルゴリズムへの入力として使用され得る。特定の形態では、これは、電圧及び電流のフィードバックデータ対が得られる場合に、論理デバイス1066によって出力された対応するLUTサンプルに基づき、又は別の方法でこれに関連して、記憶された各電圧及び電流のフィードバックデータ対が索引されることを必要とし得る。この方法によるLUTサンプルと電圧及び電流のフィードバックデータとの同期は、予歪みアルゴリズムの正確なタイミング及び安定性に寄与する。
【0055】
特定の形態では、電圧及び電流のフィードバックデータは、駆動信号の周波数及び/又は振幅(例えば、電流振幅)を制御するために使用されてもよい。例えば、一形態では、電圧及び電流のフィードバックデータは、インピーダンス相を決定するために使用されてもよい。駆動信号の周波数はその後、決定されたインピーダンス相とインピーダンス相設定点(例えば、0°)との間の差を最小化又は低減するように制御され得、それによって高調波歪みの影響を最小化又は低減し、これに対応してインピーダンス相の測定正確度を向上させる。相インピーダンス及び周波数制御信号の決定は、例えば、DSPプロセッサ1074に実装されてもよく、周波数制御信号は、論理デバイス1066によって実装されるDDS制御アルゴリズムへの入力として供給される。
【0056】
別の形態では、例えば、電流のフィードバックデータは、駆動信号の電流振幅を電流振幅設定点で維持するために監視されてもよい。電流振幅設定点は、直接指定されてもよく、又は指定された電圧振幅及び電流設定点に基づいて間接的に決定されてもよい。特定の形態では、電流振幅の制御は、例えば、プロセッサ1074内のPID制御アルゴリズムなどの、制御アルゴリズムによって実行され得る。駆動信号の電流振幅を好適に制御するために、制御アルゴリズムによって制御される変数には、例えば、論理デバイス1066に記憶されたLUT波形サンプルのスケーリング、及び/又はDAC 1086を介したDAC 1068(これは電力増幅器1062への入力を供給する)のフルスケール出力電圧を挙げることができる。
【0057】
非絶縁段階1054は、とりわけユーザインターフェース(UI)機能性を提供するために、第2のプロセッサ1090を更に含んでもよい。一形態では、UIプロセッサ1090は、例えば、Atmel Corporation(San Jose,CA)から入手可能な、ARM 926EJ−Sコアを有するAtmel AT91SAM9263プロセッサを含んでもよい。UIプロセッサ1090によってサポートされるUI機能性の例としては、可聴及び視覚的ユーザフィードバック、(例えば、Universal Serial Bus(USB)インターフェースによる)周辺デバイスとの通信、フットスイッチ1020との通信、入力デバイス112(例えば、タッチスクリーンディスプレイ)との通信、及び出力デバイス110(例えば、スピーカ)との通信を挙げてもよい。UIプロセッサ1090は、プロセッサ1074及び論理デバイス1066と(例えば、シリアル周辺インターフェース(SPI)バスを介して)通信し得る。UIプロセッサ1090は、UI機能性を主にサポートしてもよいが、特定の形態では、UIプロセッサ1090はまた、DSPプロセッサ1074と協調して、危険の緩和を実現してもよい。例えば、UIプロセッサ1090は、ユーザ入力及び/又はその他の入力(例えば、タッチスクリーン入力、フットスイッチ1020入力(
図3)、温度センサ入力)の様々な態様を監視するようにプログラミングされてもよく、誤った状態が検出されると、発生器200の駆動出力を無効にすることができる。
【0058】
特定の形態では、DSPプロセッサ1074及びUIプロセッサ1090の両方は、例えば、発生器200の動作状態を判定かつ監視してもよい。DSPプロセッサ1074に関し、発生器200の動作状態は、例えば、どの制御及び/又は診断プロセスがDSPプロセッサ1074によって実行されるかを表してもよい。UIプロセッサ1090に関し、発生器200の動作状態は、例えば、ユーザインターフェースのどの要素(例えば、ディスプレイスクリーン、音)がユーザに提示されるかを表してもよい。DSPプロセッサ1074及びUIプロセッサ1090はそれぞれ、発生器200の現在の動作状態を別個に維持し、現在の動作状態からの可能な遷移を、認識かつ評価してもよい。DSPプロセッサ1074は、この関係におけるマスターとして機能し、動作状態間の遷移が生じるときを決定してもよい。UIプロセッサ1090は、動作状態間の有効な遷移を認識してもよく、また特定の遷移が適切であるかを確認してもよい。例えば、DSPプロセッサ1074が、UIプロセッサ1090に特定の状態へと遷移するように命令すると、UIプロセッサ1090は、要求される遷移が有効であることを確認してもよい。要求される状態間の遷移がUIプロセッサ1090によって無効であると判定される場合、UIプロセッサ1090は、発生器200を故障モードにしてもよい。
【0059】
非絶縁段階1054は、入力デバイス112を監視するために、コントローラ1096を更に含んでもよい(例えば、発生器200をオンオフするために使用される容量性タッチセンサ、容量性タッチスクリーン)。特定の形態では、コントローラ1096は、少なくとも1つのプロセッサ及び/又はUIプロセッサ1090と通信する他のコントローラデバイスを含んでもよい。一形態では、例えば、コントローラ1096は、1つ以上の容量性タッチセンサを介して提供されるユーザ入力を監視するように構成されたプロセッサ(例えば、Atmelから入手可能なMega168 8ビットコントローラ)を含んでもよい。一形態では、コントローラ1096は、容量性タッチスクリーンからのタッチデータの取得を制御かつ管理するための、タッチスクリーンコントローラ(例えば、Atmelから入手可能なQT5480タッチスクリーンコントローラ)を含んでもよい。
【0060】
特定の形態では、発生器200が「電力オフ」状態にあるとき、コントローラ1096は、(例えば、後述の電源2011などの、発生器200の電源からのラインを介して)動作電力を受信し続けてもよい。このようにして、コントローラ196は、発生器200をオン及びオフにするために、入力デバイス112(例えば、発生器200の前側パネル上に位置する容量性タッチセンサ)を監視し続けてもよい。発生器200が電源オフ状態にあるとき、コントローラ1096は、ユーザによる「オン/オフ」入力デバイス112の起動が検出された場合、電源を起動してもよい(例えば、電源2011の1つ以上のDC/DC電圧変換器2013の動作を有効化する)。コントローラ1096は、したがって、発生器200を「電源オン」状態に遷移させるためのシーケンスを開始することができる。逆に、発生器200が電源オン状態にあるとき、コントローラ1096は、「オン/オフ」入力デバイス112の起動が検出された場合、発生器200を電源オフ状態に遷移させるためのシーケンスを開始することができる。特定の形態では、例えば、コントローラ1096は、「オン/オフ」入力デバイス112の起動をプロセッサ1090に報告することができ、その結果、発生器200を電力オフ状態へ遷移させるために必要なプロセスシーケンスを実行する。この形態では、コントローラ196は、発生器200の電源オン状態が確立された後に、発生器200から電力を排除するための別個の能力を有しないことがある。
【0061】
特定の形態では、コントローラ1096は、ユーザに電源オン又は電源オフシーケンスが開始されたことを警告するために、発生器200に可聴又は他の感覚的フィードバックを提供させてもよい。このような警告は、電源オン又は電源オフシーケンスの開始時、及びシーケンスと関連する他のプロセスの開始前に提供されてもよい。
【0062】
特定の形態では、絶縁段階1052は、例えば、外科用器具の制御回路(例えば、ハンドピーススイッチを含む制御回路)と、例えばプログラマブル論理デバイス1066、DSPプロセッサ1074及び/又はUIプロセッサ1090などの非絶縁段階1054の構成要素と、の間の通信インターフェースを提供するために、器具インターフェース回路1098を含んでもよい。器具インターフェース回路1098は、例えば、赤外線(IR)ベースの通信リンクなどの、段階1052と段階1054との間の好適な度合いの電気的絶縁を維持する通信リンクを介し、非絶縁段階1054の構成要素と情報を交換し得る。例えば、非絶縁段階1054から駆動される絶縁変圧器によって電力供給される低ドロップアウト電圧レギュレータを使用して、器具インターフェース回路1098に電力が供給されてもよい。
【0063】
一形態では、器具インターフェース回路1098は、信号調整回路2002と通信している論理デバイス2000(例えば、論理回路、プログラマブル論理回路、PGA、FPGA、PLD)を含み得る。信号調整回路2002は、同一の周波数を有する双極呼びかけ信号を生成するために、論理回路2000から周期信号(例えば、2kHz方形波)を受信するように構成されてもよい。呼びかけ信号は、例えば、差動増幅器により供給される双極電流源を使用して生成され得る。呼びかけ信号は、(例えば、発生器200を外科用装置に接続するケーブル内の導電ペアを使用して)外科用装置制御回路に通信され、制御回路の状態又は構成を判定するために監視されてもよい。制御回路は、多数のスイッチ、抵抗器及び/又はダイオードを含んで、制御回路の状態又は構成が1つ以上の特性に基づいて独自に識別可能であるように、呼びかけ信号の1つ以上の特性(例えば、振幅、整流)を修正してもよい。一形態では、例えば、信号調整回路2002は、呼びかけ信号が通過する経路から生じる制御回路の入力にわたって出現する電圧信号のサンプルを生成するために、ADCを含み得る。論理デバイス2000(又は、非絶縁段階1054の構成要素)はその後、ADCサンプルに基づいて制御回路の状態又は構成を決定し得る。
【0064】
一形態では、器具インターフェース回路1098は、第1のデータ回路インターフェース2004を含んで、論理回路2000(又は器具インターフェース回路1098のその他の要素)と、外科用器具内に配置されるか又は別の方法で関連付けられた第1のデータ回路と、の間の情報交換を可能にしてもよい。特定の形態では、例えば、第1のデータ回路2006(
図2)は、外科用器具ハンドピースに一体的に取り付けられたケーブル内、又は特定の外科用器具タイプ又はモデルを発生器200とインターフェース接続させるためのアダプタ内に配置されてもよい。データ回路2006は、任意の好適な方法で実装されてもよく、例えば、データ回路2006に関して本明細書に記述するものを含む任意の好適なプロトコルによって発生器と通信してもよい。特定の形態では、第1のデータ回路は、電気的に消去可能なプログラミング可能読み取り専用メモリ(EEPROM)デバイスなどの、不揮発性記憶デバイスを含み得る。特定の形態において、また
図5を再度参照すると、第1のデータ回路インターフェース2004は、論理デバイス2000とは別個に実装されてもよく、プログラマブル論理デバイス2000と第1のデータ回路との間の通信を可能にするための好適な回路(例えば、ディスクリートの論理デバイス、プロセッサ)を含んでもよい。他の形態では、第1のデータ回路インターフェース2004は、論理デバイス2000と一体であり得る。
【0065】
特定の形態では、第1のデータ回路2006は、第1のデータ回路が関連している特定の外科用器具に関する情報を記憶し得る。このような情報は、例えば、モデル番号、シリアル番号、外科用器具が使用された動作数、及び/又は任意の他の種類の情報を含んでもよい。この情報は、出力デバイス110を介してユーザに提示するために、及び/又は発生器200の機能又は動作を制御するために、器具インターフェース回路1098によって(例えば、論理デバイス2000によって)読み出され、非絶縁段階1054の構成要素(例えば、論理デバイス1066、DSPプロセッサ1074、及び/又はUIプロセッサ1090)に伝達され得る。加えて、任意の種類の情報が、第1のデータ回路インターフェース2004を介して(例えば、論理デバイス2000を使用して)回路内に記憶されるために、第1のデータ回路2006に伝達され得る。そのような情報は、例えば、外科用器具が使用された最新の手術数並びに/又はその使用の日付及び/若しくは時間を含んでもよい。
【0066】
上述のように、外科用器具は、器具の互換性及び/又は廃棄性を促進するために、ハンドピースから取り外し可能であり得る(例えば、器具108は、ハンドピース109から取り外し可能であり得る)。そのような場合、従来の発生器は、使用されている特定の器具構成を認識し、これに対応して制御及び診断プロセスを最適化する能力が制限されている場合がある。しかし、この問題に対処するために、外科用器具器具に読み取り可能なデータ回路を追加することは、互換性の観点から問題がある。例えば、必要なデータ読み取り機能性を欠く発生器との後方互換性を保つように外科用器具を設計することは、例えば、異なる信号スキーム、設計複雑性及び費用のために、実用的でない場合がある。本明細書で論じられる器具の形態は、既存の外科用器具に実装されてもよいデータ回路を経済的に使用し、外科用器具と最新の発生器プラットフォームとの適合性を維持するための設計変更を最小限にすることによってこれらの懸念に対処する。
【0067】
加えて、発生器200の形態は、器具ベースのデータ回路との通信を可能にしてもよい。例えば、発生器200は、外科用器具(
図2)の器具(例えば、器具108)内に収容される第2のデータ回路2007と通信するように構成され得る。いくつかの形態では、第2のデータ回路2007は、本明細書に記述するデータ回路6006のものとかなり類似して実行されてもよい。器具インターフェース回路1098は、この通信を可能にする第2のデータ回路インターフェース2010を含んでもよい。一形態では、第2のデータ回路インターフェース2010は、トライステートデジタルインターフェースを含んでもよいが、他のインターフェースも使用されてもよい。ある特定の形態では、第2のデータ回路は、一般にデータを送信及び/又は受信するための任意の回路であってもよい。一形態では、例えば、第2のデータ回路は、第2のデータ回路が関連付けられた特定の外科用器具に関する情報を記憶してもよい。このような情報は、例えば、モデル番号、シリアル番号、外科用器具が使用された動作数及び/又は他の種類の情報を含んでもよい。いくつかの形態では、第2データ回路2007は、関連するトランスデューサ120、エンドエフェクタ125、又は超音波駆動システムの電気的及び/又は超音波的特性に関する情報を記憶してもよい。例えば、第1のデータ回路2006は、本明細書に記載されたように、バーンイン周波数スロープを示してもよい。追加的に又は代替的に、任意の種類の情報が、第2のデータ回路インターフェース2010を介して(例えば、論理デバイス2000を使用して)第2のデータ回路内に記憶されるために、第2のデータ回路に伝達され得る。このような情報は例えば、器具が使用された最新の動作数、並びに/又は、その使用の日付及び/若しくは時間を含んでもよい。特定の形態では、第2のデータ回路は、1つ以上のセンサ(例えば、器具ベースの温度センサ)によって捕捉されたデータを伝達してもよい。ある特定の形態では、第2のデータ回路は、発生器200からデータを受信し、その受信データに基づいてユーザに表示(例えば、LED表示又はその他の可視表示)を提供してもよい。
【0068】
特定の形態では、第2のデータ回路及び第2のデータ回路インターフェース2010は、論理デバイス2000と第2のデータ回路との間の通信が、この目的のための追加的な導体(例えば、ハンドピースを発生器200に接続するケーブルの専用導体)の提供を必要とせずにもたらされ得るように構成され得る。一形態では、例えば、情報は、既存のケーブル(例えば、信号調整回路2002からハンドピース内の制御回路に呼びかけ信号を伝送するために使用される導体のうちの1つ)で実施される、1ワイヤバス通信スキームを使用して、第2のデータ回路に、かつそれから伝達され得る。このようにして、元来必要とされる場合がある外科用器具への設計変更又は修正は、最小化されるか又は低減される。更に、一般的な物理的チャネル上で実施される異なる種類の通信を周波数帯域分離することができるため、第2のデータ回路の存在は、必要なデータ読み取り機能を有しない発生器にとって「不可視」であり、したがって、外科用器具の後方互換性を可能にする。
【0069】
特定の形態では、絶縁段階1052は、直流電流が患者を通るのを防ぐために、駆動信号出力部1060bに接続された、少なくとも1つの阻止コンデンサ2096−1を含んでもよい。単一の阻止コンデンサは、例えば、医学的規制又は基準に準拠することが必要とされる場合がある。単一コンデンサ設計における故障は比較的稀であるが、それでもなおこのような故障は否定的な結果をもたらす恐れがある。一形態では、第2の阻止コンデンサ2096−2が、阻止コンデンサ2096−1と直列に設けられてもよく、阻止コンデンサ2096−1と阻止コンデンサ2096−2との間の点からの漏電が、例えば、漏洩電流によって誘導される電圧をサンプリングするためのADC 2098によって監視される。サンプルは、例えば、論理回路2000によって受信されてもよい。(
図5の形態における電圧サンプルによって示されるような)漏洩電流の変化に基づき、発生器200は、阻止コンデンサ2096−1及び阻止コンデンサ2096−2のうちの少なくとも一方が故障したときを決定してもよい。したがって、
図5の形態は、単一の破損点を有する単一コンデンサ設計に対して利益を提供する。
【0070】
特定の形態では、非絶縁段階1054は、好適な電圧及び電流でDC電力を出力するための電源2011を含み得る。電源は、例えば、48VDCシステム電圧を出力するための、400W電源を含み得る。電源2011は、発生器200の様々な構成要素によって必要とされる電圧及び電流にてDC出力を生成するために電源の出力を受信するための、1つ以上のDC/DC電圧変換器2013を更に含んでもよい。コントローラ1096と関連して上述されたように、DC/DC電圧変換器2013のうちの1つ以上は、ユーザによる「オン/オフ」入力デバイス112の起動がコントローラ1096によって検出されたとき、コントローラ1096から入力を受信し、DC/DC電圧変換器2013の動作又は起動を可能にしてもよい。
【0071】
外科用システム1000(
図1)の様々な形態の動作に関する詳細を説明してきたが、上述の外科用システム1000の動作は、入力デバイス112及び発生器100を含む外科用器具を用いて組織を切断及び凝固させるプロセスの点から一般に更に説明することができる。特定のプロセスが動作の詳細に関連して説明されるが、本明細書で説明される全体的な機能性が外科用システム10によってどのように実施され得るかを示す例をこのプロセスが提供しているにすぎないことは理解できよう。更に、所与のプロセスは、特に指定されない限り、必ずしも本明細書に提示されている順序で実施されなくてもよい。前述のように、入力デバイス112を使用して、外科用器具104、106、108(
図1)の出力(例えば、インピーダンス、電流、電圧、周波数)をプログラムすることができる。
【0072】
図6は、発生器100(
図1〜
図3)の一形態である発生器300の駆動システム32の一形態を示す。発生器300は、超音波トランスデューサ(例えば、
図1〜
図3の超音波トランスデューサ120)を駆動するための、駆動信号とも称される超音波電気信号を生成するように構成されている。発生器300は、発生器100、200(
図1〜
図3及び
図5)に類似しており、互換性であってもよい。駆動システム32は、柔軟性があり、超音波電気駆動信号416を、超音波トランスデューサ50を駆動するための所望の周波数及び電力レベル設定で生成することができる。様々な形態では、発生器300は、モジュール及び/又はブロック等の複数の別個の機能的要素を含んでもよい。特定のモジュール及び/又はブロックが一例として説明されてもよいが、それより多い又は少ないモジュール及び/又はブロックが使用されてもよく、やはり形態の範囲内に含まれることは理解できよう。更に、説明を容易にするために、モジュール及び/又はブロックに関して様々な形態が記載されてもよいが、そのようなモジュール及び/又はブロックは、1つ以上のハードウェアコンポーネント、例えば、プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、特定用途向け集積回路(ASIC)、回路、レジスタ及び/又はソフトウェアコンポーネント、例えば、プログラム、サブルーチン、ロジック及び/又はハードウェアコンポーネントとソフトウェアコンポーネントとの組み合わせによって実装されてもよい。
【0073】
一形態では、発生器300の駆動システム32は、ファームウェア、ソフトウェア、ハードウェア又はこれらの任意の組み合わせとして実装される1つ以上の埋め込みアプリケーションを含んでもよい。発生器300の駆動システム32は、ソフトウェア、プログラム、データ、ドライバ、アプリケーションプログラムインターフェース(API)などの様々な実行可能なモジュールを含んでもよい。ファームウェアは、ビットマスクされた読み出し専用メモリ(ROM)又はフラッシュメモリのような不揮発性メモリ(NVM)に記憶することができる。様々な実現形態では、ファームウェアをROMに格納することにより、フラッシュメモリが保存され得る。NVMは、例えば、プログラミング可能ROM(PROM)、消去可能なプログラミング可能ROM(EPROM)、電気的に消去可能なプログラミング可能ROM(EEPROM)、又はダイナミックRAM(DRAM)、ダブルデータレートDRAM(DDRAM)、及び/若しくは同期DRAM(SDRAM)のような電池バックアップ式ランダムアクセスメモリ(RAM)を含む、他の種類のメモリを含んでもよい。
【0074】
一形態では、発生器300の駆動システム32は、超音波外科用器具104(
図1)の様々な測定可能な特性を監視し、かつ切断及び/又は凝固動作モードで超音波トランスデューサを駆動するための階段関数出力信号を生成するためのプログラム命令を実行するために、プロセッサ401として実施されるハードウェア構成要素を含む。当業者であれば、発生器300及び駆動システム32が追加的な構成要素又はより少ない構成要素を含んでもよいこと、また、正確さと明瞭さのために本明細書には簡易版の発生器300及び駆動システム32だけが記述されていることを理解するであろう。様々な形態では、前述のように、ハードウェア構成要素は、DSP、PLD、ASIC、回路及び/又はレジスタとして実装されてもよい。一形態では、プロセッサ401は、トランスデューサ、エンドエフェクタ、及び/又はブレードなどの超音波外科用器具104の様々な構成要素を駆動するための階段関数出力信号を生成するコンピュータソフトウェアプログラム命令を記憶及び実行するように構成され得る。
【0075】
一形態では、1つ以上のソフトウェアプログラムルーチンの制御下で、プロセッサ401は、記述する形態による方法を実行して、様々な時間間隔又は期間(T)についての電流(I)、電圧(V)、及び/又は周波数(f)を含む駆動信号の階段状波形によって形成される階段関数を生成する。駆動信号の階段状波形は、発生器30の駆動信号、例えば、出力駆動電流(I)、電圧(V)及び/又は周波数(f)を階段状にすることによって、複数の時間間隔にかけての定数関数の区分的線形の組み合わせを形成することによって生成されてもよい。時間間隔又は期間(T)は、既定(例えば、ユーザによって固定かつ/又はプログラム)されていてもよいし、可変であってもよい。可変時間間隔は、駆動信号を第1の値に設定し、かつ監視される特性に変化が検出されるまで駆動信号をその値に維持することによって定義されてもよい。監視される特性の例としては、例えば、トランスデューサインピーダンス、組織インピーダンス、組織加熱、組織離断、組織凝固などが挙げられてもよい。発生器300によって生成される超音波駆動信号は、限定されないが、例えば、プライマリ縦モード及びその高調波、並びに曲げ及びねじれ振動モードのような様々な振動モードで超音波トランスデューサ50を励起することができる超音波駆動信号を含む。
【0076】
一形態では、実行可能なモジュールは、メモリに記憶された1つ以上のアルゴリズム402を含み、このアルゴリズムは、実行されると、プロセッサ401に、様々な時間間隔又は期間(T)についての電流(I)、電圧(V)、及び/又は周波数(f)を含む駆動信号の階段状波形によって形成された階段関数を生成させる。駆動信号の階段状波形は、発生器300の出力駆動電流(I)、電圧(V)及び/又は周波数(f)を階段状にすることによって作り出される2つ以上の時間間隔にわたる定数関数の区分的線形の組み合わせを形成することによって生成されてもよい。駆動信号は、1つ以上のアルゴリズム402に従って所定の固定時間間隔若しくは期間(T)又は変動時間間隔若しくは期間のいずれかにわたって生成されてもよい。プロセッサ401の制御下で、発生器100は、既定期間(T)にわたって、又は監視される特性(例えば、トランスデューサインピーダンス、組織インピーダンス)における変化などの既定条件が検出されるまで、特定の分解能で電流(I)、電圧(V)、及び/又は周波数(f)を上又は下に階段状にする(例えば、インクリメント又はデクリメントする)。これらの階段は、プログラムされたインクリメント又はデクリメントにおいて変化することができる。他の階段が望まれる場合は、発生器300は、測定されたシステムの特性に基づき適合して階段を増加又は減少させることができる。
【0077】
動作中、ユーザは、発生器300のコンソールの前側パネル上に位置する入力デバイス406を使用して発生器300の動作をプログラムすることができる。入力デバイス406は、プロセッサ401に適用して発生器300の動作を制御することができる信号408を生成する任意の好適なデバイスを含んでもよい。様々な形態では、入力デバイス406は、汎用又は専用のコンピュータへのボタン、スイッチ、サムホイール、キーボード、キーパッド、タッチスクリーンモニタ、ポインティングデバイス、リモート接続を含む。他の形態では、入力デバイス406は、好適なユーザインターフェースを含んでもよい。したがって、入力デバイス406を使用して、ユーザは、発生器300の階段関数出力をプログラムするための電流(I)、電圧(V)、周波数(f)、及び/又は期間(T)を設定又はプログラムすることができる。次いで、プロセッサ401は、ライン410で信号を出力インジケータ412に送ることによって、選択された電力レベルを表示する。
【0078】
様々な形態では、出力インジケータ412は、視覚的、可聴かつ/又は触覚的なフィードバックを外科医に提供して、超音波外科用器具104の測定された特性、例えば、トランスデューサインピーダンス、組織インピーダンス又は後に説明するようなその他の測定値に基づいて、例えば、組織切断及び凝固の完了時など、外科手技の状況を示してもよい。限定ではなく例示として、視覚的フィードバックには、白熱電灯又は発光ダイオード(LED)、グラフィカルユーザインターフェース、ディスプレイ、アナログインジケータ、デジタルインジケータ、棒グラフ表示、デジタル文字数字表示を含む、任意の種類の視覚的指示デバイスが挙げられる。限定ではなく例示として、可聴フィードバックには、音声/発話プラットフォームを介してコンピュータと相互作用するための任意のタイプのブザー、コンピュータで生成されたトーン、コンピュータ化された発話、ボイスユーザインターフェース(VUI)が挙げられる。限定ではなく例示として、触覚的フィードバックには、器具ハウジングのハンドルアセンブリを介して提供される任意のタイプの振動フィードバックが挙げられる。
【0079】
一形態では、プロセッサ401は、デジタル電流信号414及びデジタル周波数信号418を生成するように構成されるか又はプログラムされてもよい。これらの信号414、418は、トランスデューサへの電流出力信号416の振幅及び周波数(f)を調整するために、直接デジタルシンセサイザ(DDS)回路420などのデジタル合成回路(例えば、
図13、
図14を参照)に適用される。DDS回路420の出力は、増幅器422に適用され、増幅器422の出力は、変圧器424に適用される。変圧器424の出力は、導波管によってブレードに連結されている超音波トランスデューサに適用される信号416である。DDS回路420の出力は、揮発性(RAM)メモリ回路及び不揮発性(ROM)メモリ回路を含む1つ以上のメモリ回路に記憶されてもよい。
【0080】
一形態では、発生器300は、超音波器具104(
図1、
図2)又は複合型電気外科用/超音波器具108(
図1〜
図3)の測定可能な特性を監視するように構成され得る1つ以上の測定モジュール又は構成要素を含む。図示の形態では、プロセッサ401は、システムの特性を監視かつ算出するために使用されてもよい。示されるように、プロセッサ401は、トランスデューサ50に供給される電流及びトランスデューサに印加される電圧を監視することによってトランスデューサのインピーダンスZを測定する。一形態では、電流検知回路426がトランスデューサを流れる電流を検知するために使用され、電圧検知回路428がトランスデューサ50に印加される出力電圧を検知するために使用される。これらの信号は、アナログマルチプレクサ430回路又はスイッチ回路構成を介してアナログ−デジタル変換器432(ADC)に適用されてもよい。アナログマルチプレクサ430は、変換される適切なアナログ信号をADC 432に送る。他の形態では、マルチプレクサ430回路の代わりに、複数のADC 432を各測定された特性のために使用することができる。プロセッサ401は、ADC 432のデジタル出力433を受信し、電流及び電圧の測定値に基づいてトランスデューサインピーダンスZを計算する。プロセッサ401は、負荷曲線に対する望ましい電力を生成することができるように出力駆動信号416を調整する。プログラムされたアルゴリズム402に従って、プロセッサ401は、トランスデューサインピーダンスZに応答して、駆動信号416(例えば、電流又は周波数)を任意の適したインクリメント又はデクリメントで階段状にすることができる。
【0081】
外科用システム1000の様々な形態の動作に関する詳細を説明してきたが、上述の外科用システム1000の動作は、入力デバイス112及び
図6を参照して説明されたトランスデューサインピーダンス測定能力を含む外科用器具を用いて血管を切断及び凝固するプロセスの点から更に説明することができる。特定のプロセスが動作の詳細に関連して説明されるが、本明細書で説明される全体的な機能性が外科用システム1000によってどのように実施され得るかを示す例をこのプロセスが提供しているにすぎないことは理解できよう。更に、所与のプロセスは、特に指定されない限り、必ずしも本明細書に提示されている順序で実施されなくてもよい。
【0082】
図7は、発生器100(
図1〜
図3)の一形態である発生器400の駆動システム320の一態様を示す。発生器400は、組織インピーダンスモジュール502を含む。駆動システム320は、超音波電気駆動信号416を生成して、超音波トランスデューサ50を駆動するように構成されている。一形態では、組織インピーダンスモジュール502は、ブレード79とクランプアームアセンブリ451との間に把持された組織のインピーダンスZtを測定するように構成されてもよい。組織インピーダンスモジュール502は、RF発振器506と、電圧感知回路508と、電流感知回路510と、を備える。電圧感知回路508及び電流感知回路510は、ブレード79の電極に印加されたRF電圧Vrfと、ブレード79の電極、組織、及びクランプアームアセンブリ451の導電部分を通って流れるRF電流irfとに、応答する。検知された電圧Vrf及び電流Irfは、ADC432によって、アナログマルチプレクサ430を介してデジタル形式に変換される。プロセッサ401は、ADC432のデジタル化された出力433を受信し、組織インピーダンスZtを、電圧検知回路508及び電流検知回路510によって測定されるRF電圧Vrf対電流Irfの比率を計算することによって決定する。一態様では、内側筋肉層及び組織の離断は、組織インピーダンスZtを感知することによって検出されてもよい。したがって、組織インピーダンスZtの検出を自動プロセスと統合して、通常なら共振で生じる有意な量の加熱を引き起こさずに、組織を離断する前に内側筋肉層を外膜層から分離することができる。
【0083】
一形態では、ブレード79の電極に印加されたRF電圧Vrfと、ブレード79の電極、組織及びクランプアームアセンブリ451の導電部分を通って流れるRF電流Irfとは、血管の封止及び/又は切開に好適である。したがって、発生器400のRF電力出力は、組織インピーダンス測定などの非治療的機能並びに血管封止及び/又は切開などの治療的機能のために選択することができる。本開示の文脈において、超音波及びRF電気外科用エネルギーが、個々又は同時のいずれかで発生器により供給され得ることが理解されよう。
【0084】
様々な形態では、フィードバックは、
図6及び
図7に示される出力インジケータ412によって提供される。出力インジケータ412は、エンドエフェクタによって操作されている組織がユーザの視野から外れており、組織の状態の変化がいつ発生するかをユーザが見ることができない用途で特に有用である。出力インジケータ412は、組織状態における変化が生じたことをユーザに通信する。前述のように、出力インジケータ412は、視覚的、可聴かつ/又は触覚的なフィードバックを含むが、それらに限定されない様々な種類のフィードバックをユーザに提供して、組織が組織の状態又は状況の変化を経たことをユーザ(例えば、外科医、臨床医)に示すように構成されてもよい。限定ではなく例示として、前述のように、視覚的フィードバックには、白熱電灯又はLED、グラフィカルユーザインターフェース、ディスプレイ、アナログインジケータ、デジタルインジケータ、棒グラフ表示、デジタル英数字表示を含む、任意のタイプの視覚的指示装置が挙げられる。限定ではなく例示として、可聴フィードバックには、音声/スピーチプラットフォームを介してコンピュータと相互作用するために任意のタイプのブザー、コンピュータで生成されたトーン、コンピュータ化されたスピーチ、VUIが挙げられる。限定ではなく例示として、触覚的フィードバックには、器具ハウジングのハンドルアセンブリを介して提供される任意のタイプの振動フィードバックが挙げられる。組織の状態の変化は、先に記載したトランスデューサ及び組織インピーダンス測定値に基づいて決定されてもよく、又は電圧、電流、及び周波数測定値に基づいて決定されてもよい。
【0085】
一形態では、コンピュータ可読命令を含む様々な実行可能なモジュール(例えば、アルゴリズム)は、発生器300、400(
図6及び
図7)のプロセッサ401(
図6及び
図7)の部分によって実行され得る。様々な形態では、アルゴリズムに関して記載された動作は、例えば、プログラム、サブルーチン、論理である1つ以上のソフトウェアコンポーネント、例えば、プロセッサ、DSP、PLD、ASIC、回路、レジスタである1つ以上のハードウェアコンポーネント及び/又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせとして実装されてもよい。一形態では、アルゴリズムを行う実行可能な命令は、メモリに記憶されてもよい。実行されると、それらの命令により、プロセッサ401は、組織の状態の変化を決定し、出力インジケータ412によってユーザにフィードバックを提供する。そのような実行可能命令に従って、プロセッサ401は、発生器400から入手可能な電圧、電流、及び/又は周波数の信号サンプルを監視及び評価し、そのような信号サンプルの評価に従って、組織の状態の変化が生じたかどうかを決定する。下記に詳述するように、組織の状態の変化は、超音波器具のタイプと、その器具が受けている電力レベルとに基づいて判定されてもよい。フィードバックに応答して、超音波外科用器具104の動作モードは、ユーザによって制御され得るか、又は自動的若しくは半自動的に制御され得る。
【0086】
図8は、発生器100(
図1〜
図3)の一形態である発生器500の例を示す。発生器500は、複数のエネルギーモダリティを外科用器具に送達するように構成されている。発生器500は、
図5〜
図7に示した発生器200、300、400の機能を含む。発生器500は、エネルギーを外科用器具に送達するための無線周波数信号及び超音波信号を提供する。無線周波数信号及び超音波信号は、単独で又は組み合わせて提供されてもよく、また、同時に提供されてもよい。上述の通りに、少なくとも1つの発生器出力は、単一のポートを通して複数のエネルギーモダリティ(例えば、とりわけ、超音波、双極又は単極のRF、不可逆及び/若しくは可逆電気穿孔法並びに/又はマイクロ波エネルギー)を送達することができ、これらの信号は、組織を治療するために、別個に又は同時にエンドエフェクタに送達することができる。発生器500は、波形発生器504に連結されたプロセッサ502を含む。プロセッサ502及び波形発生器504は、プロセッサ502に連結されたメモリに格納された情報(開示を明瞭にするために示されず)に基づいて、様々な信号波形を発生するように構成されている。波形に関連するデジタル情報は、デジタル入力をアナログ出力に変換する1つ以上のデジタル−アナログ(DAC)変換器を含む、波形発生器504に提供される。アナログ出力は、信号調節及び増幅のために、増幅器1106に供給される。増幅器506の調節かつ増幅された出力は、電力変圧器508に連結される。信号は、電力変圧器508にわたって患者絶縁側にある二次側に連結される。第1のエネルギーモダリティの第1の信号は、ENERGY1及びRETURNとラベルされた端子間の外科用器具に提供される。第2のエネルギーモダリティの第2の信号は、コンデンサ510にわたって連結され、ENERGY2及びRETURNとラベルされた端子間の外科用器具に提供される。2つを超えるエネルギーモダリティが出力されてもよく、したがって添え字「n」は、最大n個のENERGYn端子が提供され得ることを表示するために使用することができ、このnは、1超の正の整数であることが理解されよう。最大「n」個のリターンパス(RETURNn)が、本開示の範囲から逸脱することなく提供されてもよいことも理解されよう。
【0087】
第1の電圧感知回路512は、ENERGY1及びRETURNパスとラベルされた端子にわたって連結され、それらの間の出力電圧を測定する。第2の電圧感知回路524は、ENERGY2及びRETURNパスとラベルされた端子にわたって連結され、それらの間の出力電圧を測定する。電流感知回路514は、いずれかのエネルギーモダリティの出力電流を測定するために、図示した電力変圧器508の二次側のRETURN区間と直列に配設される。異なるリターンパスが各エネルギーモダリティに対して提供される場合、別個の電流感知回路が、各リターン区間で提供されねばならない。第1及び第2の電圧感知回路512、524の出力が対応の絶縁変圧器516、522に提供され、電流感知回路514の出力は、別の絶縁変圧器518に提供される。電力変圧器508の一次側(非患者絶縁側)における絶縁変圧器516、518、522の出力は、1つ以上のアナログ−デジタル変換器526(ADC)に提供される。ADC 526のデジタル化された出力は、更なる処理及び計算のためにプロセッサ502に提供される。出力電圧及び出力電流のフィードバック情報は、外科用器具に提供される出力電圧及び電流を調整するために、またいくつかあるパラメータの中で出力インピーダンスを計算するために使用することができる。プロセッサ502と患者絶縁回路との間の入力/出力通信は、インターフェース回路520を通して提供される。センサはまた、インターフェース520を介してプロセッサ502と電気通信してもよい。
【0088】
一態様では、インピーダンスは、ENERGY1/RETURNとラベルされた端子にわたって連結された第1の電圧感知回路512又はENERGY2/RETURNとラベルされた端子にわたって連結された第2の電圧感知回路524を、電力変圧器508の二次側のRETURN区間と直列に配置された電流感知回路514の出力で割ることによって、プロセッサ502により決定されてもよい。第1及び第2の電圧感知回路512、524の出力は、別個の絶縁変圧器516、522に提供され、電流感知回路514の出力は、別の絶縁変圧器516に提供される。ADC 526からのデジタル化された電圧及び電流感知測定値は、インピーダンスを計算するためにプロセッサ502に提供される。一例として、第1のエネルギーモダリティENERGY1は、超音波エネルギーであってもよく、第2のエネルギーモダリティENERGY2は、RFエネルギーであってもよい。それでも、超音波エネルギーモダリティ及び双極若しくは単極RFエネルギーモダリティに加えて、他のエネルギーモダリティには、数ある中でも不可逆並びに/又は可逆電気穿孔法及び/若しくはマイクロ波エネルギーが挙げられる。また、
図8に例示された例は、単一のリターンパス(RETURN)が2つ以上のエネルギーモダリティに提供され得ることを示しているが、他の態様では、複数のリターンパスRETURNnが、各エネルギーモダリティENERGYnに提供されてもよい。したがって、本明細書に記載されるように、超音波トランスデューサのインピーダンスは、第1の電圧感知回路512の出力を電流感知回路514の出力で割ることによって測定されてもよく、組織のインピーダンスは、第2の電圧感知回路524の出力を電流感知回路514の出力で割ることによって測定されてもよい。
【0089】
図8に示すように、少なくとも1つの出力ポートを含む発生器500は、実行される組織の治療の種類に応じて、とりわけ、超音波、双極若しくは単極RF、不可逆並びに/又は可逆電気穿孔法、及び/若しくはマイクロ波エネルギーなどの1つ以上のエネルギーモダリティの形態で電力を、例えば、エンドエフェクタに提供するために、単一の出力部を有しかつ複数のタップを有する電力変圧器508を含むことができる。例えば、発生器500は、超音波トランスデューサを駆動するために高電圧かつ低電流で、組織封止のためのRF電極を駆動するために低電圧かつ高電流で、又は単極若しくは双極RF電気外科用電極のいずれかを用いてのスポット凝固のための凝固波形で、エネルギーを送達することができる。発生器500からの出力波形は、誘導され、切り替えられ又はフィルタ処理されて、周波数を外科用器具のエンドエフェクタに提供することができる。超音波トランスデューサの発生器500の出力部への接続部は、好ましくは、
図8に示したENERGY1とラベルされた出力部とRETURNとラベルされた出力部との間に位置するであろう。一例では、RF双極電極の発生器500の出力部への接続部は、好ましくは、ENERGY2とラベルされた出力部とRETURNとラベルされた出力部との間に位置するであろう。単極出力の場合、好ましい接続部は、ENERGY2出力部及びRETURN出力部に接続された好適なリターンパッドへの活性電極(例えば、ペンシル型又は他のプローブ)であろう。
【0090】
他の態様では、
図1〜
図3及び
図5〜
図8に関連して説明された発生器100、200、300、400、500、並びに
図3に関連して説明された超音波発生器駆動回路114及び/又は電気外科用/RF駆動回路116は、
図1及び
図2に関連して説明された外科用器具104、106、108のうちの任意の1つと一体に形成されてもよい。したがって、発生器100、200、300、400、500のうちの任意の1つに関連して説明されたプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、回路、コントローラ、論理デバイス、ADC、DAC、増幅器、変換器、変圧器、信号調整器、データインターフェース回路、電流及び電圧感知回路、直接デジタル合成回路、マルチプレクサ(アナログ若しくはデジタル)、波形発生器、RF発生器、メモリなどのうちの任意は、外科用器具104、106、108内に位置することができるか、又は外科用器具104、106、108からは遠隔に位置し、有線及び/又は無線の電気的接続を介して外科用器具に連結されてもよい。
【0091】
図9は、発生器9001上の2つのポートが利用でき、2つの外科用器具9007、9008の間の電気絶縁を構成する電気外科用システム9000の図を示す。2つの器具9007、9008の間の電気絶縁を、それらの器具が同じ患者絶縁回路上に位置するときに提供される配置である。
図9に示した構成によると、意図しない電力フィードバックは、電気外科用システム9000を通して防止される。様々な態様では、電力用FET又はリレーは、各器具9007、9008に対する全ての電力線を電気的に絶縁するために使用される。一態様によると、電力用FET又はリレーは、1ワイヤ通信プロトコルによって制御される。
【0092】
図9に示したように、発生器100(
図1〜
図3)の一形態である発生器9001は、電力切替機構9003及び通信システム9005に連結されている。一態様では、電力切替機構9003は、MOSFETなどの電力用FET及び/又は電気機械式リレーなどのリレーを含む。一態様では、通信システム9005は、D1エミュレーション、FPGA拡張及びタイムスライス機能用のコンポーネントを含む。電力切替機構9003は、通信システム9005に連結されている。電力切替機構9003及び通信システム9005はそれぞれ、(装置1及び装置2とラベルされた)外科用器具9007、9009に連結されている。外科用器具9007、9009はそれぞれ、複合型RF及び超音波エネルギー入力部9011、HSW 1ワイヤプロトコルインターフェース9013、HP 1ワイヤプロトコルインターフェース9015及びプレゼンス抵抗器インターフェース9017用の構成要素を含む。電力切替機構9003は、外科用器具9007、9008のそれぞれに対してRFエネルギー及び超音波エネルギー入力9011に連結されている。通信システム9005は、外科用器具9007、9008のそれぞれにおける、HSW 1ワイヤインターフェース9013、9014、HP 1ワイヤインターフェース9015、9016及びプレゼンスインターフェース9017、9018に連結されている。2つの外科用器具が
図9に示されているが、様々な態様による3つ以上の装置が存在してもよい。
【0093】
図10〜
図12は、2つの器具を同時に支援する発生器を備えるインターフェースの態様を示し、その発生器は、器具が無菌領域においてユーザにより作動/非作動間で速やかに切り替えられるようにする。
図10〜
図12は、超コンデンサ/バッテリ充電器及びデュアル外科用器具を利用可能にするであろう複数の通信スキームを説明する。
図10〜
図12の態様は、少なくとも1つの通信ポートを備える発生器から手術野にある2つの外科用器具への通信を可能にし、無菌領域にいるオペレータが、例えば、外科用器具を修正することなく装置間で切り替えできるようにする。
【0094】
図10は、発生器100(
図1〜
図3)の一形態である発生器1003及び
図9に示した外科用器具9007、9008を含むシステム1001の通信アーキテクチャの図である。
図10によると、発生器9001は、複数のエネルギーモダリティを複数の外科用器具に送達するために構成されている。本明細書において論じたように、様々なエネルギーモダリティには、限定せずに、超音波、双極又は単極のRF、不可逆及び/若しくは可逆電気穿孔法並びに/又はマイクロ波エネルギーモダリティが挙げられる。発生器9001は、複合エネルギーモダリティ電力出力1005、通信インターフェース1007及びプレゼンスインターフェース1049を含む。
図10の態様によると、通信インターフェース1007は、ハンドスイッチ(HSW)シリアルインターフェース1011及びハンドピース(HP)シリアルインターフェース1013を含む。シリアルインターフェース1011、1013は、I
2C、半二重SPI及び/若しくは汎用非同期送受信(UART)の構成要素並びに/又は機能を含んでもよい。発生器1003は、複合エネルギーモダリティ電力出力1005をアダプタ1015、例えば、パススルー充電器(PTC)に提供する。アダプタ1015は、エネルギー保存回路1071、制御回路1019、固有プレゼンス要素1021及び以下で論ずる関連回路を含む。一態様では、プレゼンス要素1021は、抵抗器である。別の態様では、プレゼンス要素1021は、バーコード、クイックレスポンス(QR)コード若しくは類似のコード、又は、例えば、NVMに記憶された値などのメモリに記憶された値であってもよい。プレゼンス要素1021は、アダプタ1015に対して固有であってもよいため、同じワイヤインターフェースを使用しなかった別のアダプタが固有プレゼンス要素1021を使用できなかったイベントにおいて。一態様では、固有プレゼンス要素1021は、抵抗器である。エネルギー保存回路1071は、切替機構1023、エネルギー保存デバイス1025、保存制御1027、保存監視コンポーネント1029及びデバイス電力監視コンポーネント1031を含む。制御回路1019は、例えば、プロセッサ、FPGA、PLD、CPLD、マイクロコントローラ、DSP及び/又はASICを含んでもよい。
図10に示した態様によると、FPGA又はマイクロコントローラは、既存の類似のコンピューティングハードウェアの拡張として作動すると思われ、情報がエンティティ上から別のエンティティにリレーできるようにする。
【0095】
切替機構1023は、発生器1003から複合エネルギー電力出力1005を受信するように構成され、その複合エネルギー電力出力は、エネルギー保存デバイス1025、外科用器具9007及び/又は外科用器具9008に提供されてもよい。デバイス電力監視コンポーネント1031は、エネルギー保存デバイス1025用のチャネル、外科用器具9007、外科用器具9008に連結され、電力が流れる個所を監視してもよい。制御回路1019は、発生器1003のハンドスイッチシリアルインターフェース1011及びハンドピースシリアルインターフェース1013に連結された通信インターフェース1033を含む。制御回路1019はまた、エネルギー保存回路1071の保存制御1027、保存監視コンポーネント1029及びデバイス電力監視コンポーネント1031に連結されている。
【0096】
制御回路1019は、ハンドスイッチ(HSW)#1回路1037及びハンドスイッチ(HSW)#2回路1038に連結されているシリアルマスタインターフェース1035を更に含み、電圧源又は電流源及びADCを含む、付属器具(プレゼンス)#1回路1041及びプレゼンス#2回路1042の存在を検知するための方法と共に、生成及びメモリ(非揮発性又はフラッシュ)1039の形態のADCを含む。シリアルマスタインターフェース1035はまた、シリアルマスタインターフェース1035をハンドスイッチ#1回路1037及びハンドスイッチ#2回路1038の出力にそれぞれ連結するハンドスイッチNVMバイパスチャネルを含む。ハンドスイッチ#1回路1037及びハンドスイッチ#2回路1038は、それぞれ外科用器具9007、9008のハンドスイッチシリアルインターフェース9013、9014に連結されている。シリアルマスタインターフェース1035は、それぞれ外科用器具9007、9008のハンドピースシリアルインターフェース9015、9016に連結されている、ハンドピースシリアルチャネルを更に含む。更に、プレゼンス#1回路1041及びプレゼンス#2回路1042は、それぞれ外科用器具9007、9008のプレゼンスインターフェース9017、9018に連結されている。
【0097】
システム1001は、FPGAなどの制御回路1019が、拡張アダプタデバイスとして作動するアダプタ1015を使用するより多くの外科用器具と通信できるようにする。様々な態様によると、アダプタ1015は、発生器1003の制御の入力/出力(I/O)機能を拡張する。アダプタ1015は、中央処理ユニットの拡張として機能してもよく、その中央処理ユニットは、アダプタ1015と発生器1003との間のバスにわたって伝送されることとなる命令を配分し、その命令を解凍して、その命令を使用して、インターフェースにわたってビットバンギングするか又は接続されたアナログ回路を制御する。アダプタ1015はまた、接続された外科用器具9007、9008からADC値を読み込み、その情報を生成器制御にリレーできるようにし、次いで、生成器制御は、2つの外科用器具9007、9008を制御するであろう。様々な態様によると、発生器1003は、外科用器具9007、9008を2つの別個の状態機械として制御してもよく、データを記憶してもよい。
【0098】
既存のインターフェース(発生器1003から並ぶハンドスイッチシリアルインターフェース1011及びハンドピースシリアルインターフェース1013)は、発生器1003の制御が、ユニバーサルシリアルバス(USB)ハブのトポロジと類似する、デュアルポートインターフェースに接続された複数の外科用器具と通信できるようにする2ワイヤ通信プロトコルにおいて使用されてもよい。これは、2つの別個の外科用器具を同時にインターフェース接続することを可能にする。システム1001は、ハンドスイッチ波形を生成かつ読み取ることができてもよく、受信するハンドピースバスを操作できてもよい。システム1001はまた、外科用器具9007、9008内の2つの別個のプレゼンス素子を監視するであろう。一態様では、システム1001は、固有プレゼンス要素を含んでもよく、それ自体のNVMを有してもよい。
【0099】
更に、様々な態様によると、制御回路1019は、発生器1003によって制御されてもよい。アダプタ1015と、接続された外科用器具9007、9008との間の通信は、発生器制御へとリレーされてもよい。生成器1003は、アダプタ1015に接続された波形生成回路を制御して、外科用器具9007、9008用のハンドスイッチ信号を同時に生成するであろう。
【0100】
システム1001は、動作中であっても、2つの外科用器具について同時に検知/監視することができる外科用器具動作を可能にしてもよい。更新可能である場合、アダプタ1015は、新規外科用器具通信プロトコルの操作ができるであろう。更に、外科用器具間の高速切替が達成されてもよい。
【0101】
図11は、発生器100(
図1〜
図3)の一形態である発生器1103及び
図9に示した外科用器具9007、9008のシステム1101の通信アーキテクチャの図である。
図11によると、発生器1103は、複数のエネルギーモダリティを複数の外科用器具に送達するために構成されている。本明細書において論じたように、様々なエネルギーモダリティには、限定せずに、超音波、双極又は単極のRF、不可逆及び/若しくは可逆電気穿孔法並びに/又はマイクロ波エネルギーモダリティが挙げられる。
図11に示すように、発生器1103は、複合エネルギーモダリティ電力出力1105、ハンドスイッチ(HSW)シリアルインターフェース1111、ハンドピース(HP)シリアルインターフェース1113及びプレゼンスインターフェース1109を含む。発生器1103は、アダプタ1115に電力出力1105を提供する。
図11に示す態様によると、アダプタ1115と発生器1103との間の通信は、ハンドスイッチシリアルインターフェース1111及びハンドピースシリアルインターフェース1113などのシリアルインターフェースを通してのみ行われてもよい。発生器1103は、これらのハンドスイッチシリアルインターフェース1111及びハンドピースシリアルインターフェース1113を使用して、どの器具と発生器1103が通信しているのかを制御する。更に、器具間の切替は、ハンドスイッチフレーム間で又はより遅い速度で生じる場合がある。
【0102】
アダプタ1115は、エネルギー保存回路1117、制御回路1119、アダプタメモリ1121(例えば、EEPROMなどのNVM)、シリアルプログラマブル入力/出力(PIO)集積回路1133、ハンドスイッチ切替機構1135、ハンドピース切替機構1137、プレゼンス切替機構1139及び汎用アダプタ1141を含む。一態様では、シリアルPIO集積回路1133は、アドレス可能スイッチであってもよい。エネルギー保存回路1117は、切替機構1123、エネルギー保存デバイス1125、保存制御コンポーネント1127、保存監視コンポーネント1129及びデバイス電力監視コンポーネント1131を含む。制御回路1119は、例えば、プロセッサ、FPGA、CPLD、PLD、マイクロコントローラ、DSP及び/又はASICを含んでもよい。
図11の態様によると、FPGA又はマイクロコントローラは、限定的機能を有してもよく、エネルギー保存を監視かつ通信するための機能を含むのみであってもよい。
【0103】
切替機構1123は、発生器1103から複合エネルギー電力出力1105を受信するように構成され、その複合エネルギー電力出力1105は、エネルギー保存デバイス1125、外科用器具9007及び/又は外科用器具9008に提供されてもよい。デバイス電力監視コンポーネント1131は、エネルギー保存デバイス1125用のチャネル、外科用器具9007、外科用器具9008に連結され、電力が流れる個所を監視してもよい。
【0104】
制御回路1119は、シリアルPIO集積回路1133に連結され、シリアルPIO集積回路1133は、発生器1103のハンドピースシリアルインターフェース1113に連結されている。制御回路1119は、充電器状態フラグ及び切替制御に関する情報をシリアルPIO集積回路1133から受信してもよい。更に、制御回路1119は、ハンドスイッチ切替機構1135、ハンドピース切替機構1137及びプレゼンス切替機構1139に連結されている。
図11の態様によると、制御回路1119は、デバイス選択のためにハンドスイッチ(HSW)切替機構1135及びハンドピース切替機構1137に連結されてもよく、制御回路1119は、プレゼンス選択のためにプレゼンス切替機構1139に連結されてもよい。
【0105】
ハンドスイッチ切替機構1135、ハンドピース切替機構1137及びプレゼンス切替機構1139は、それぞれ発生器1103のハンドスイッチシリアルインターフェース1111、ハンドピースシリアルインターフェース1113及びプレゼンスインターフェース1109に連結されている。更に、ハンドスイッチ切替機構1135、ハンドピース切替機構1137及びプレゼンス切替機構1139は、それぞれ、外科用器具9007、9008のハンドスイッチシリアルインターフェース9013、9014、ハンドピースシリアルインターフェース9015、9016及びプレゼンスインターフェース9017、9018に連結されている。更に、プレゼンス切替機構1139は、汎用アダプタ1141に連結されている。
【0106】
発生器1103は、外科用器具9007、9008の監視の間を切り替える。様々な態様によると、この切替は、外科用器具9007、9008の追跡を保って2つの別個の状態機械を動かすために、発生器1103の制御を必要としてもよい。制御回路1119は、どの外科用器具が接続されているかを記憶する必要があるため、適切な波形を適切なポートに出力することができる。発生器1103は、アダプタメモリ1121などのシリアルNVMデバイスとの通信と同時に、ハンドスイッチ信号を発生/監視してもよい。発生器1103は、作動の継続時間にわたって作動中外科用器具と継続的通信を維持してもよい。
【0107】
システム1101はまた、汎用アダプタプレゼンス素子を可能にする。初めて差し込まれるか又は電源がオンになったとき、アダプタ1115は、このアダプタ抵抗を発生器1103に提示するであろう。次いで、発生器1103は、命令をアダプタにリレーし、接続された異なる外科用器具9007、9008に対応する異なるプレゼンス素子間で切り替えてもよい。したがって、発生器1103は、その既存のプレゼンス抵抗回路を使用することができる。NVMメモリ1121は、アダプタの追加の識別のためにアダプタ1115上に存在し、あるレベルのセキュリティを提供する。加えて、アダプタ1115は、シリアルI/Oデバイス、すなわち、シリアルPIO集積回路1133を有する。シリアルPIO集積回路1133は、発生器1103とアダプタ1155との間の通信リンクを提供する。
【0108】
ハンドピースNVMに対するシリアル通信及び制御回路1119に対するUART形式通信を使用するハンドピースシリアルバスを通じて通信することが可能であってもよい。一態様によると、低速シリアル通信が使用され(すなわち、オーバーライドしない)、高速シリアルプロトコルが使用される場合、システム1101は、通信プロトコルがシリアルリセットパルスのように見える信号を確実に発生しないことを必要とする場合がある。このことは、発生器1103がアダプタ1115により良好に通信すること及び外科用器具9007、9008間のより速い切替時間を可能にするであろう。
【0109】
システム1101は、発生器通信プロトコル及びアナログ回路を使用し、発生器が意思決定を達成できるようにする。これは、少ない個数の回路デバイスを使用する簡単かつ効果的な解決策である。
【0110】
図12は、発生器100(
図1〜
図3)の一形態である発生器1203及び
図9に示した外科用器具9007、9008のシステム1201の通信アーキテクチャの図である。
図12によると、発生器1205は、複数のエネルギーモダリティを複数の外科用器具に送達するために構成されている。本明細書において論じたように、様々なエネルギーモダリティには、限定せずに、超音波、双極又は単極のRF、不可逆及び/若しくは可逆電気穿孔法並びに/又はマイクロ波エネルギーモダリティが挙げられる。
図12に示すように、発生器1203は、複合エネルギーモダリティ電力出力1205、ハンドスイッチシリアルインターフェース1211、ハンドピースシリアルインターフェース1213及びプレゼンスインターフェース1209を含む。一態様では、ハンドピースシリアルインターフェース1213は、外科用器具9007、9008のハンドピースラインとの通信を可能にし、アダプタ1215の制御もまた可能にする。生成器1203は、複合エネルギーモダリティ電力出力1205をアダプタ1215に提供する。アダプタ1215は、エネルギー保存回路1217、制御回路1219、シリアルPIO集積回路1233、ハンドスイッチ(HSW)#1回路1231、ハンドスイッチ(HSW)#2回路1271、ハンドピース切替機構1221、プレゼンス切替機構1239、切替機構1235、器具電力監視1237及び固有プレゼンス1241を含む。
図12に示すように、ハンドスイッチ#1回路1231及びハンドスイッチ#2回路1271は、発生回路及びADC回路を含んでもよい。一態様では、ハンドスイッチ#1回路1231及び/又はハンドスイッチ#2回路1271は、ハンドスイッチ波形を発生させる能力を有する発生回路を含む。
【0111】
制御回路1219が発生器1203のハンドスイッチシリアルインターフェース1211に連結されている一方で、シリアルPIO集積回路1233は、ハンドピース切替機構1221のようにハンドピースシリアルインターフェース1213に連結されている。更に、制御回路1119は、ハンドスイッチ#1回路1231及びハンドスイッチ#2回路1271に連結されている。制御回路1119は、例えば、プロセッサ、FPGA、CPLD、PLD、マイクロコントローラ及び/又はASICを含んでもよい。
図12に示す例では、制御回路1219は、2つのデバイスを、発生器1203がボタン監視及び意思決定を行えるようにする少なくとも1つのデジタル波形に変調する。制御回路1219はまた、いずれの波形も受信できる場合がある2つの独立した外科用器具への通信を可能にしてもよい。シリアルPIO集積回路1233は、ハンドピース切替機構1221、器具電力監視1237及びプレゼンス切替機構1239に更に連結されている。器具電力監視1237及びシリアルPIO集積回路1233は、発生器1203の結果及び不具合を通信してもよい。
【0112】
切替機構1223は、発生器1203から合成RF/超音波電力出力1205を受信するように構成され、その合成RF/超音波電力出力1205は、エネルギー保存デバイス1225又は切替機構1235に提供されてもよい。制御回路1219はまた、エネルギー保存回路1271の保存制御1227及び保存監視コンポーネント1229に連結されている。切替機構1235は、切替機構1223から受信した電力出力を外科用器具9007及び/又は外科用器具9008に提供してもよい。器具電力監視1237は、外科用器具9007及び外科用器具9008に対する電力出力用のチャネルに連結されている。器具電力監視1237はまた、切替機構1235が正確な位置に電力を確実に出力するようにしてもよい。
【0113】
ハンドスイッチ#1回路1231及びハンドスイッチ#2ブロック1271は、それぞれ外科用器具9007、9008のハンドスイッチシリアルインターフェース9013、9014に連結されている。ハンドピース切替機構1221は、発生器1203のハンドピースシリアルインターフェース1213に連結され、かつ外科用器具9007、9008のハンドピースシリアルインターフェース9015、9016にそれぞれ連結されている。更に、プレゼンス切替機構1239は、発生器1203のプレゼンスインターフェース1209に連結され、かつ外科用器具9007、9008のプレゼンスインターフェース9017、9018にそれぞれ連結されている。更に、プレゼンス切替機構は、固有プレゼンス1241に連結されている。一態様では、異なる器具プレゼンス素子は、シリアルI/O又はアダプタマイクロプロトコルを使用するオンデマンドで切り替えられてもよい。
【0114】
第1の通信プロトコルは、アダプタ1215上の制御回路1219に対する通信に使用されることとなる。発生器1205はまた、外科用器具9007、9008を一度に監視する能力を有してもよい。アダプタ1215は、ハンドスイッチ信号生成を(例えば、ハンドスイッチ#1回路1231及びハンドスイッチ#2回路1271において)提供するための回路を、このデータを翻訳するADCと共に含んでもよい。アダプタ1215は、2つの外科用器具信号を少なくとも第1の波形に変調してもよく、第1及び第2の波形を読み取る能力を有してもよい。様々な態様では、第2の波形は、第1の波形の形式に翻訳されるか又は変換されてもよい。更に、第1のプロトコルは、615ビット/秒で12ビットを送信する能力を有する。
【0115】
制御回路1219は、外科用器具9007、9008からハンドスイッチデータを取得して、ハンドスイッチデータを第1のプロトコルに変調してもよい。これを行う方法はわずかであるが、外科用器具9007、9008が第1のプロトコル機能を含んでもよいことを意味する。システム1201は、外科用器具9007からの4〜6個のボタン及び外科用器具9008からの4〜6個のボタンと第1のプロトコルフレームにおいて通信する場合がある。あるいは、システム1201は、外科用器具9007、9008にアクセスするためのアドレス指定のいくつかの形式を使用する場合がある。制御回路1219は、発生器1203を有することで制御回路1219に2つの異なるアドレス空間内に、1つは外科用器具9007に対して、1つは外科用器具9008に対して分割される異なるアドレスを送信する別個のデバイスにアドレス指定する能力を有してもよい。
【0116】
ハンドピース通信は、シリアルI/Oデバイスを介するか又は制御回路1219を通してのいずれかで、発生器1203から第1のプロトコル様式の通信インターフェースを介して制御できる場合がある、スイッチのいくつかの形式に関与してもよい。一態様では、エネルギー保存監視1229及び外科用器具9007、9008間の切替並びに状態の変更は、この方法で同様に扱うことができる場合がある。特定の第1のプロトコルアドレスは、エネルギー保存回路1225からのデータ及び外科用器具9007、9008自体に割り当てることができる場合がある。プレゼンス素子はまた、この形式より切り替えられる場合がある。更に、一態様では、制御回路1219は、フレームを別個の形式に変換してもよく、このことは、制御回路1219が外科用器具9007、9008上のボタン押圧が有効か又は無効かについていくらか決定する必要がある場合があることを意味してもよい。しかし、システム1201は、発生器1203のハンドスイッチシリアルインターフェース1211に新規通信プロトコルをスライシング又は操作して、発生器1203が外科用器具9007、9008を同時に完全に監視できるようにする。システム1201は、発生器通信を使用して、動作中であっても、2つの外科用器具の動作を同時に検出する。
【0117】
本開示のいくつかの態様によると、様々な入力を使用して、外科用器具の動作におけるユーザの意図を予測することができ、RF及び/又は超音波エネルギーを、ユーザの意図に従って送達することができる。
【0118】
図13は、様々な入力に基づく、外科用器具の動作の選択を示すブロック
図1300である。外科用器具は、RFエネルギー出力部と、超音波エネルギー出力部と、を含み得る。外科用器具は、閉鎖位置と開放位置との間の枢動運動のために構成された第1のジョー及び第2のジョーを更に含み得る。
【0119】
第1の選択肢及び第2の選択肢の一方のユーザ選択を示す第1の入力1310を受信し得る。例えば、第1の選択肢は、封止のみの選択肢であり得、第2の選択肢は、封止及び切断の選択肢であり得る。ユーザ選択は、ボタン選択として受信され得る。例えば、ボタンは、外科用器具のハンドルに位置するスイッチ又はトリガであってもよい。トリガ開口センサからの信号は、外科用器具内のASIC(特定用途向け集積回路)を介して、RF信号及び/又は超音波信号の発生器に供給され得る。
【0120】
第1のジョー及び第2のジョーが閉鎖位置にあるのか又は開放位置にあるのかを示す(1320)第2の入力1320を受信し得る。例えば、外科用器具内のジョー開口センサを使用して、開放位置又は閉鎖位置を検知してもよく、対応する信号は、外科用器具内のASICを介して、RF信号及び/又は超音波信号の発生器に供給され得る。
【0121】
RFエネルギー出力部での電気的インピーダンスを示す第3の入力1330を受信し得る。低い電気的インピーダンスは、ステープル留めされた組織によって生じ得る短絡状態を示し得る。中程度の電気的インピーダンスは、組織がステープルなしで存在していることを示し得る。高い電気的インピーダンスは、開放回路状態を示し得る。
【0122】
第1の入力1310、第2の入力1320及び第3の入力1330に少なくとも部分的に基づいて、組織を治療するための動作のモードが、動作の複数のモードから選択され得る(1340)。動作の複数のモードは、RFエネルギー出力部がRFエネルギーを組織に印加する第1のモードと、超音波エネルギー出力部が超音波エネルギーを組織に印加する第2のモードと、を含み得る。動作の複数のモードは、RFエネルギー出力部がRFエネルギーを組織に印加し、超音波エネルギー出力部が超音波エネルギーを組織に印加する第3のモードと、RFエネルギー又は超音波エネルギーのいずれも組織に印加されない第4のモードと、を更に含み得る。
【0123】
RFエネルギー出力部又は超音波エネルギー出力部によって印加されるエネルギーのレベルもまた、第1の入力、第2の入力及び第3の入力に少なくとも部分的に基づいて選択され得る(1350)。例えば、外科用器具に位置するEEPROM(電気的に消去可能なプログラミング可能読み取り専用メモリ)又は発生器に位置する不揮発性メモリは、所望の動作を最適な方法で行うために、波形状テーブル並びに電圧、電流、電力及びアルゴリズムなどの他のRFパラメータ及び/又は超音波パラメータを読み込むためにアクセスされ得る。
【0124】
本開示のいくつかの態様によると、第1の入力1310、第2の入力1320及び第3の入力1330は、RFエネルギー及び超音波エネルギーを外科用器具に提供するために発生器において受信され得、選択は、発生器において行われる。
【0125】
図14は、様々な入力に基づいて選択された外科用器具の特定の動作を示すロジック
図1400である。特に、ロジック
図1400は、
図1及び
図2に示す発生器100に連結された多機能外科用器具108によって実行されて、様々なユーザ意
図1490を達成し得る。本明細書に記載されるように、システムは、発生器100、プラグ若しくはアダプタ、及び/又は外科用器具108若しくはデバイスに収容され得る。ロジック
図1400によって説明されるロジックは、
図5〜
図12に関連して説明した処理回路のうちのいずれか(例えば、「システム」と総称される、プロセッサ、コントローラ、デジタル信号プロセッサ、制御回路及び/又は論理デバイス)によって実行することができる。
【0126】
したがって、ここで
図1、
図2及び
図14を参照すると、外科用器具108は、封止のみモード1414又は封止及び切断モード1418の一方を選択するためのモード選択ボタンを含む。ユーザが外科用器具108上のモード選択ボタンを押す(1410)と、システムは、ユーザが封止のみモード1414又は封止及び切断モード1418を採用する意図があるかどうかを判定する。封止のみモード1414のユーザ選択をまず説明する。
【0127】
したがって、封止のみモード1414が選択されると、システムは、外科用器具108のクランプアーム146が開放位置にあるのか又は閉鎖位置にあるのかを判定(1416)し、次いで、クランプアーム146と超音波ブレード149との間のインピーダンスを測定する。クランプアーム146が閉鎖位置にあり(1422)、クランプアーム146及び超音波ブレード149の電極間の測定した電気的インピーダンス(1424)が低いか又は短絡回路を示す(1438)場合、システムは、ステープル留めされた組織がジョー125間に存在すると推測して、クランプアーム146と超音波ブレード149との間に位置する組織に低い超音波エネルギーを印加する(1440)。これにより、外科用器具108は、クランプアーム146と超音波ブレード149との間に位置するステープル留めされた組織を封止する(1442)というユーザ意図を達成する。
【0128】
依然として封止のみモード1414シーケンスを参照すると、クランプアーム146が閉鎖位置にあり(1422)、測定した電気的インピーダンス(1424)が、組織がステープルなしでクランプアーム146と超音波ブレード149との間に存在することを示す(1444)範囲内である場合、システムは、所定の封止のみアルゴリズムに従ってRFエネルギーを印加する(1446)。これにより、外科用器具108は、クランプアーム146と超音波ブレード149との間に位置する血管又は組織束を封止するというユーザ意図(1448)を達成する。
【0129】
依然として封止のみモード1414を参照すると、封止のみモード1414が選択され、クランプアーム146が開放(1426)位置にあり、測定した電気的インピーダンス1428が高いか又は開放回路を示す(1450)場合、システムは、エラーが発生したと判定し、RF又は超音波エネルギーのいずれも送達せずにエラー表示を行う(1454)。これにより、外科用器具108は、ジョブ認識不可というユーザ意図(1454)を達成する。
【0130】
依然として封止のみモード1414シーケンスを参照すると、クランプアーム146が開放位置にあり(1426)、電気的インピーダンス(1428)が中程度であるか又はクランプアーム146と超音波ブレード149との間に位置する組織の存在を示す(1456)場合、システムは、ユーザがスポット凝固を行う意図があると判定し、高電圧RFエネルギーを組織に印加する(1458)。これにより、外科用器具108は、組織のスポット凝固を行うというユーザ意図(1460)を達成する。スポット凝固のために付与されたRFエネルギーもまた、
図21に関連して図示及び説明したように、高い波高率を有し得る。
【0131】
封止のみモード1414シーケンスを説明してきたが、ここから、封止及び切断モード1418シーケンスの説明に移る。封止及び切断モード1418の選択肢が選択されると、システムは、クランプアーム146が開放位置にあるのか又は閉鎖位置にあるのかを判定する(1420)。クランプアーム146が閉鎖位置にあり(1430)、測定した電気的インピーダンス(1432)が低いか又は短絡回路の存在を示す(1462)場合、システムは、ステープル留めされた組織がクランプアーム146と超音波ブレード149との間に位置していると判定し、低い超音波エネルギーをステープル留めされた組織に印加する(1464)。これにより、外科用器具108は、クランプアーム146と超音波ブレード149との間に位置するステープル留めされた組織を封止及び切断するというユーザ意図(1466)を達成する。
【0132】
依然として封止及び切断モード1418を参照すると、クランプアーム146が閉鎖しており(1430)、測定した電気的インピーダンス(1432)が中程度であるか又はステープルなしの組織がクランプアーム146と超音波ブレード149との間に存在することを示す(1468)場合、システムはまず、RFエネルギーを印加して組織を封止し(1470)、次いで超音波エネルギーを印加して組織を切断する(1470)。これにより、外科用器具108は、クランプアーム146と超音波ブレード149との間に位置する血管又は組織束を封止及び切断するというユーザ意図(1472)を達成する。
【0133】
依然として封止及び切断モード1418を参照すると、クランプアーム146が開放位置にあり(1434)、測定した電気的インピーダンス(1436)が高いか又は開放回路を示す(1474)場合、システムは、高い超音波エネルギーを組織に印加する(1476)。これにより、外科用器具108は、後方切断を行う又は切開を形成するというユーザ意図(1478)を達成する。
【0134】
依然として封止及び切断モード1418を参照すると、クランプアーム146が開放位置にあり(1434)、測定した電気的インピーダンス(1436)が中程度であるか又はクランプアーム146と超音波ブレード149との間に組織が存在することを示す(1480)場合、システムは、ユーザがスポット凝固を行う意図があると判定し、高電圧RFを組織に印加する(1482)。これにより、外科用器具108は、スポット凝固というユーザ意図(1484)を達成する。スポット凝固のために付与されたRFエネルギーは、
図21に関連して図示及び説明したように、高い波高率を有し得る。
【0135】
したがって、本開示の態様によると、様々な組織結果を自動的にもたらすことができる。それゆえ、ユーザは、所望の動作を行うために、複雑なボタンのセット又は他の入力部にアクセスする必要がない。
【0136】
図15及び
図16は、
図13及び
図14に関して図示及び記載した、例示的な回路トポロジ用のシステム構成を示す図である。システム構成は、複数のセクションを含み、複数のセクションは、(発生器とラベルされた)発生器と、(プラグ1とラベルされた)近位プラグと、ケーブルと、(プラグ2とラベルされた)遠位プラグと、外科用器具のハンドルと、外科用器具の(APPとラベルされた)印加部分と、を含む。様々な態様によると、近位プラグは、発生器の構成要素であってもよく、ケーブルの構成要素であってもよく、あるいは、別個の構成要素であってもよい。同様に、遠位プラグは、ケーブルの構成要素であってもよく、ハンドルの構成要素であってもよく、あるいは、別個の構成要素であってもよい。
【0137】
図15は、本開示の一態様による発生器によって出力されるRF電流及び超音波電流を管理するように構成された、ハンドル内にMOSFETスイッチ及び制御回路を含む、
図13及び
図14に関して図示及び記載した、例示的な回路トポロジ用のシステム6600の構成を示す図である。システム6600は、ハンドル内に、MOSFETスイッチなどの電子機械スイッチ又はソリッドステートスイッチと、制御回路と、を含む。発生器は、超音波信号用のインターフェース6601、RF信号用のインターフェース6603、一次リターン端子インターフェース6605、HSWインターフェース6607、二次リターン端子インターフェース6609、識別インターフェース6611、及びプレゼンスインターフェース6613を含む。近位プラグは、発生器、EEPROM 6617、及びプレゼンス抵抗器6619のインターフェースとの整合インターフェースを含む。近位プラグ出力は、ケーブル又は遠位プラグのいずれにもいかなるコンポーネント回路を有さずに、ケーブル及び遠位プラグを通してハンドルに搬送される。ハンドルは、整流回路6621にそれぞれ連結されたMOSFETスイッチ6615を含み、整流回路6621は、同じくハンドル内にある1対の結合インダクタ6623にそれぞれ連結されている。整流回路6621はそれぞれ、少なくとも1つのダイオード及び少なくとも1つのコンデンサを含む。制御回路6627(例えば、ASIC)は、MOSFETスイッチ6615の状態を制御するために結合インダクタ6623及び整流回路6621に供給を行う駆動回路6625に連結されている。駆動回路6625及び制御回路6627は、ハンドル内に位置する。ハンドルは、共振器6629、ダイオード及びキャパシタ回路6631、EEPROM 6635、及びスイッチアレイ6637を更に含む。スイッチアレイ6637は、電気機械式デバイス、トランジスタデバイスなどを含んでもよい。トランジスタデバイスは、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、FET、MOSFET又はそれらの組み合わせを含んでもよい。ダイオード及びキャパシタ回路6631の整流部分は、発生器のHSWインターフェース6607及び二次リターン端子インターフェース6609に連結され、制御回路6627に供給を行う。
【0138】
印加部分は、EEPROM 6639、プレゼンス抵抗器6641、RFエネルギー用出力部6643、及び超音波エネルギー用出力部6645を含む。EEPROM 6639及びプレゼンス抵抗器6241は、制御回路6627に連結されている。システム6600は、RFモードと超音波モードとの間の切替を可能にし、低コストケーブル構成を可能にする。
【0139】
図16は、本開示の一態様による発生器によって出力されるRF電流及び超音波電流を管理するように構成された、ハンドル内に帯域消去フィルタ及び制御回路を含む、
図13及び
図14に関して図示及び記載した、例示的な回路トポロジ用のシステム6900の構成を示す図である。システム6900は、ハンドル内に、帯域消去フィルタと制御回路とを含む。発生器は、超音波信号用のインターフェース6901、RF信号用のインターフェース6903、一次リターン端子インターフェース6905、HSWインターフェース6907、二次リターン端子インターフェース6909、識別インターフェース6911、及びプレゼンスインターフェース6913を含む。近位プラグは、発生器、EEPROM 6917、及びプレゼンス抵抗器6919のインターフェースとの整合インターフェースを含む。近位プラグ出力は、ケーブル又は遠位プラグのいずれにもいかなるコンポーネント回路を有さずに、ケーブル及び遠位プラグを通して搬送される。ハンドルは、一対の帯域消去フィルタ6915、整流回路6931、EEPROM 6935、制御回路6927、スイッチアレイ6937及び共振器6929を含む。整流回路6931は、少なくとも1つのダイオード及び少なくとも1つのコンデンサを含む。制御回路6927は、EEPROM 6935、スイッチアレイ6937及び整流回路6931に連結されている。スイッチアレイ6937は、電気機械式デバイス、トランジスタデバイスなどを含んでもよい。トランジスタデバイスは、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、FET、MOSFET又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0140】
印加部分は、EEPROM 6939、プレゼンス抵抗器6941、RFエネルギー用出力部6943、及び超音波エネルギー用出力部6945を含む。一対の帯域消去フィルタ6915は、RFエネルギー及び超音波エネルギーの出力6943、6945に連結されている。EEPROM 6939及びプレゼンス抵抗器6941は、制御回路6927に連結されている。システム6900は、RFモードと超音波モードとの間の切替を可能にし、混合出力周波数をサポートする。混合出力周波数は、超音波出力が有効な状態で、組織インピーダンスセンシングを可能にする。システム6900はまた、低コストケーブル構成を提供する。
【0141】
発生器からの送達のためのエネルギーを表す波形の例を、
図17〜
図21に例示する。
図17は、比較の目的で、同じ時間及び電圧スケールで重ね合わせたRF出力信号602及び超音波出力信号604を表す第1及び第2の個々の波形を示す例示的グラフ600を示す。これらの出力信号602、604は、発生器100のENERGY出力部で提供される。時間(t)を水平軸に沿って示し、電圧(V)を垂直軸に沿って示す。RF出力信号602は、約330kHzのRFの周波数及び±1Vのピーク間電圧を有する。超音波出力信号604は、約55kHzの周波数及び±1Vのピーク間電圧を有する。水平軸に沿っての時間(t)スケール及び垂直軸に沿っての電圧(V)スケールは、比較の目的に正規化され、異なる実際の実装であり得るか、又は電流などの他の電気的パラメータを表してもよいことが理解されよう。
【0142】
図18は、
図17に示した2つの出力信号602、604の和を示す例示的グラフ610を図示する。時間(t)を横軸に沿って示し、電圧(V)を縦軸に沿って示す。
図17に示したRF出力信号602及び超音波出力信号604の和は、
図17に示した元々のRF信号及び超音波信号(1Vのピーク間電圧)の2倍の振幅である2Vのピーク間電圧を有する合成出力信号612を生成する。元々の振幅の2倍の振幅は、出力の歪み、飽和、クリッピング又は出力コンポーネントへの応力などの、発生器の出力部で問題を引き起こす恐れがある。したがって、複数の治療コンポーネントを有する単一の複合出力信号612の管理は、
図8に示した発生器500の重要な態様である。この管理を得るために様々な方法がある。一形態では、2つのRF出力信号又は超音波出力信号602、604のうちの1つは、他の出力信号のピークに依存する可能性がある。一態様では、RF出力信号602は、超音波信号604のピークに依存してもよく、出力は、ピークが予想されているときに減少する。かかる機能及び結果として得られる波形を、
図19に示す。
【0143】
例えば、
図19は、
図17に示した出力信号602、604の依存和を表す合成出力信号622を示す例示的グラフ620を示す。時間(t)を横軸に沿って示し、電圧(V)を縦軸に沿って示す。
図17に示すように、
図17のRF出力信号602成分は、依存和合成出力信号622のRF出力信号成分の振幅が、超音波ピークが予想されているときに減少するように、
図17の超音波出力信号604成分のピークに依存する。
図17における例示的グラフ620に示すように、これらのピークは、2から1.5まで減少している。別の形態では、出力信号のうちの1つは、他の出力信号の関数である。
【0144】
例えば、
図20は、
図17に示した出力信号602、604の依存和を表す出力信号632を示す類似波形を示す例示的グラフ630である。時間(t)を横軸に沿って示し、電圧(V)を縦軸に沿って示す。
図20に示すように、RF出力信号602は、超音波出力信号604の関数である。これが、出力の振幅に対してハードリミットを提供する。
図20に示すように、超音波出力信号604が正弦波として抽出可能である一方で、RF出力信号602は、歪みを有するが、RF出力信号602の凝固性能に影響を及ぼすものではない。
【0145】
様々な他の技法は、出力信号の波形を圧縮かつ/又は制限するために使用することができる。RF出力信号602が、神経筋刺激を回避するように安全な患者レベルのために低周波数成分を有する限り、超音波出力信号604(
図17)のインテグリティは、RF出力信号602(
図17)のインテグリティよりも重要であり得ることに留意するべきである。別の形態では、RF波形の周波数は、波形のピークを管理するために、継続的に変化させることが可能である。
図21に示したグラフ640に例示されるような凝固型波形642などのより複雑なRF波形が本システムで実行されるために、波形の制御は重要である。ここでも、時間(t)を水平軸に沿って示し、電圧(V)を垂直軸に沿って示す。
図21に示した凝固型波形642は、例えば、5.8の波高率を有する。
【0146】
上述の説明で様々な詳細が記載されてきたが、医療機器用の様々な態様のシリアル通信プロトコルがこれらの特定の詳細なしで実行され得ることが理解されるであろう。例えば、簡潔かつ明確にするために、選択された態様は、詳細に示すのではなく、ブロック図で示されている。本明細書に示した詳細な説明のいくつかの部分は、コンピュータメモリに格納されたデータに対して動作する命令という点で提示され得る。そのような説明及び表現は、当業者によって、自身の仕事の内容を当該技術分野の他者に説明及び伝達するために使用されているものである。一般に、アルゴリズムとは、所望の結果につながる工程の自己無撞着シーケンスを指し、「工程」とは、必ずしも必要ではないが、記憶、伝達、結合、比較及び別様に操作されることが可能な電気又は磁気信号の形態をとることができる物理量の操作を指す。これらの信号を、ビット、値、要素、記号、文字、用語、番号などで参照することが一般的な扱い方である。これらの及び類似の用語は、適切な物理量と関連付けられてもよく、また単に、これらの物理量に当てはめられる便利なラベルである。
【0147】
別段の明確な定めがない限り、前述の議論から明らかなように、説明の全体を通じて、「処理する」又は「計算する」又は「算出する」又は「決定する」又は「表示する」などの用語を使用する議論は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理(電子的)量として表現されるデータを、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ又はそのような情報記憶、伝送若しくは表示装置内で物理量として同様に表現される他のデータへと操作し変換する、コンピュータシステム又は類似の電子計算装置の動作及び処理を指していることが理解されよう。
【0148】
「一態様」、「態様」、「一形態」、又は「形態」と言う場合、その態様に関連して記載される特定の機構、構造、又は特性が少なくとも1つの態様に含まれるものであることを意味する点は特筆に値する。したがって、本明細書の全体を通じて様々な場所に見られる「一態様では」、「態様では」、「一形態では」、又は「形態では」なる語句は、必ずしも全てが同じ態様を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の態様において任意の適当な形で組み合わせることができる。
【0149】
いくつかの態様は、「連結された」及び「接続された」という表現を、それらの派生語と共に使用して記載されることがある。これらの用語は、互いに同義語であることは意図されないことを理解されたい。例えば、いくつかの態様は、2つ又は3つ以上の要素が互いに直接物理的又は電気的に接触していることを示すため、「接続された」という用語を使用して記載されることがある。別の例では、いくつかの態様は、2つ又は3つ以上の要素が直接物理的又は電気的に接触していることを示すため、「連結された」という用語を使用して記載されることがある。しかしながら、「連結された」という用語はまた、2つ又は3つ以上の要素が互いに直接接触はしないが、依然として互いに協働又は相互作用することを意味することがある。
【0150】
「一態様」、「態様」、「一形態」、又は「形態」と言う場合、その態様に関連して記載される特定の機構、構造、又は特性が少なくとも1つの態様に含まれるものであることを意味する点は特筆に値する。したがって、本明細書の全体を通じて様々な場所に見られる「一態様では」、「態様では」、「一形態では」、又は「形態では」なる語句は、必ずしも全てが同じ態様を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の態様において任意の適当な形で組み合わせることができる。
【0151】
以上、様々な形態について本明細書で述べたが、これらの形態に対する多くの改変例、変形例、代替例、変更例、及び均等物を実施することが可能であり、また、当業者には想到されるであろう。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。したがって、上記の説明文及び添付の「特許請求の範囲」は、全てのそのような改変例及び変形例を、開示される形態の範囲に含まれるものとして網羅することを目的としたものである点を理解されたい。以下の「特許請求の範囲」は、全てのそのような改変例及び変形例を網羅することを目的としたものである。
【0152】
一般的な意味で、多様なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はそれらの任意の組み合わせによって、個々にかつ/又は共同して実装することができる、本明細書で説明する様々な態様を、様々な種類の「電気回路」から構成されるものと見なすことができることを、当業者には理解されよう。その結果として、本明細書で使用されるとき、「電気回路」は、限定するものではないが、少なくとも1つの個々の電気回路を有する電気回路、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路、少なくとも1つの専用集積回路を有する電気回路、コンピュータプログラムで構成された汎用コンピューティングデバイス(例えば、本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムで構成された汎用コンピュータ、又は、本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムで構成されたマイクロプロセッサ)を形成する電気回路、メモリデバイスを形成する(例えばランダムアクセスメモリを形成する)電気回路、及び/又は、通信装置(例えばモデム、通信スイッチ又は光学的−電気的設備)を形成する電気回路を含む。本明細書で述べた主題は、アナログ若しくはデジタルの形式又はそれらのいくつかの組み合わせで実現されてもよいことを、当業者には理解されよう。
【0153】
上記の詳細な説明は、ブロック図、フローチャート、及び/又は実施例を用いてデバイス及び/又はプロセスの様々な形態について記載してきた。そのようなブロック図、フローチャート及び/又は実施例が、1つ以上の機能及び/又は動作を含む限り、当業者に理解されたいこととして、そのようなブロック図、フローチャート又は実施例に含まれる各機能及び/又は動作は、多様なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はそれらの事実上任意の組み合わせによって、個々にかつ/又は共同に実装することができる。一形態では、本明細書に記載された主題のいくつかの部分は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又は他の集積型の形式で実現され得る。しかしながら、当業者に理解されたいこととして、その全部か一部かを問わず、本明細書で開示される形態のいくつかの態様は、1台以上のコンピュータ上で稼働する1つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1台以上のコンピュータシステム上で稼働する1つ以上のプログラムとして)、1つ以上のプロセッサ上で稼働する1つ以上のプログラムとして(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ上で稼働する1つ以上のプログラムとして)、ファームウェアとして、あるいは、それらの実質的に任意の組み合わせとして、集積回路において等価に実現され得、また、回路を設計すること、並びに/又はソフトウェア及び/若しくはファームウェアのコードを記述することは、本開示を鑑みれば当業者の技能の範囲内に含まれる。加えて、当業者に明らかとなることとして、本明細書に記載した主題の機構は、多様な形式でプログラム製品として配布されることが可能であり、本明細書に記載した主題の具体的な形態は、配布を実際に行うために使用される信号搬送媒体の特定の種類にかかわらず用いられる。信号搬送媒体の例としては、フロッピーディスク、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、デジタルテープ、コンピュータメモリなどの記録可能型の媒体と、デジタル及び/又はアナログ通信媒体(例えば、光ファイバケーブル、導波管、有線通信リンク、無線通信リンク(例えば、送信機、受信機、送信ロジック、受信ロジックなど)など)などの伝送型の媒体と、が挙げられるが、これらに限定されない。
【0154】
全ての上述した米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、本明細書で引用された及び/若しくは任意の出願データシートに列挙された非特許刊行物又は任意のその他の開示文献は、本明細書と矛盾しない範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれるものとするが、既存の定義、記載又は本明細書に記載される他の開示文献と矛盾する任意の文献又はそれらの部分は、組み込まれた文献と既存の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ組み込まれるものとする。
【0155】
本明細書に記載される要素(例えば、動作)、装置、目的及びそれらに伴う考察は、構想を明らかにするための例として使用され、様々な構成の修正が想到されることが、当業者には認識されるであろう。その結果として、本明細書で使用されるとき、説明した特定の例及びそれらに伴う考察は、より一般的な種類を代表することを意図したものである。一般に、特定の代表例を用いることは、その種類を代表することを意図したものであり、また、特定の要素(例えば、動作)、装置、及び目的を含めないことは、限定と見なされるべきではない。
【0156】
本明細書における実質的に全ての複数形及び/又は単数形の用語の使用に関して、当業者であれば、文脈及び/又は用法に則して複数形から単数形に、及び/又は単数形から複数形に読み替えることができる。様々な単数形/複数形の置換えは、簡潔にするため、本明細書では明示的には記述されない。
【0157】
本明細書に記載する主題はときに、種々のその他の要素の中に含められた、又はそれらと結合された種々の要素を示す。そのように表現したアーキテクチャは単なる例であり、実際に、同じ機能性を達成する多数の他のアーキテクチャが実現され得ることを理解されたい。構想の意味で、同じ機能性を達成する要素の任意の配置は、所望の機能性が達成されるように効果的に「関連付け」られる。したがって、特定の機能性を達成するように組み合わされた本明細書での任意の2つの要素は、アーキテクチャ又は中間要素にかかわらず、所望の機能性が達成されるように互いと「関連付け」られていると見なすことができる。同様に、そのように関連付けられた任意の2つの要素はまた、所望の機能性を達成するように互いに「動作可能に接続」又は「動作可能に連結」されているものと見なすことができ、そのように関連付けることが可能な任意の2つの要素はまた、所望の機能性を達成するように互いに「動作可能に連結可能」であると見なすことができる。動作可能に連結可能であることの特定の例としては、物理的に噛み合い可能なかつ/若しくは物理的に相互作用するコンポーネント、並びに/又は無線式で相互作用可能なかつ/若しくは無線式で相互作用するコンポーネント、並びに/又は論理的に相互作用する、及び/若しくは論理的に相互作用可能なコンポーネントが挙げられるが、それらに限定されない。
【0158】
場合によっては、1つ以上の要素が、本明細書において、「ように構成される」、「ように構成可能である」、「ように動作可能である/動作する」、「適合される(adapted)/適合可能である」、「ことが可能である」、「ように適合可能である/適合される(conformed)」などと呼ばれることがある。当業者は、「ように構成される」は一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、アクティブ状態の要素及び/又は非アクティブ状態の要素及び/又はスタンドバイ状態の要素を包含し得ることを理解するであろう。
【0159】
本明細書に記述する主題の特定の態様が図示され記載されてきたが、本明細書の教示に基づいて、本明細書に記述する主題及びそのより広範な態様から逸脱することなく、変更及び修正が行われることができ、したがって添付の特許請求の範囲は、全てのかかる変更及び修正を、本明細書に記述する主題の真の趣旨及び範囲内にあるものとして、その範囲内に包含するものであることが、当業者には明白となるであろう。一般に、本明細書で使用され、かつ特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、概して「開放的」用語として意図されるものである(例えば、「含む(including)」という用語は、「〜を含むが、それらに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は「〜を少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は「〜を含むが、それらに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきであるなど)ことが、当業者には理解されるであろう。更に、導入されたクレーム記載(introduced claim recitation)において特定の数が意図される場合、かかる意図は当該クレーム中に明確に記載され、またかかる記載がない場合は、かかる意図は存在しないことが、当業者には理解されるであろう。例えば、理解を助けるものとして、後続の添付の特許請求の範囲は、「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ又は2つ以上の(one or more)」という導入句を、クレーム記載を導入するために含むことがある。しかしながら、かかる句の使用は、「a」又は「an」という不定冠詞によってクレーム記載を導入した場合に、たとえ同一のクレーム内に「1つ以上の」又は「少なくとも1つの」といった導入句及び「a」又は「an」という不定冠詞が含まれる場合であっても、かかる導入されたクレーム記載を含むいかなる特定のクレームも、かかる記載事項を1つのみ含むクレームに限定されると示唆されるものと解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は通常、「少なくとも1つの」又は「1つ以上の」を意味するものと解釈されるべきである)。定冠詞を使用してクレーム記載を導入する場合にも、同様のことが当てはまる。
【0160】
加えて、導入されたクレーム記載において特定の数が明示されている場合であっても、かかる記載は、通常、少なくとも記載された数を意味するものと解釈されるべきであることが、当業者には認識されるであろう(例えば、他に修飾語のない、単なる「2つの記載事項」という記載がある場合、一般的に、少なくとも2つの記載事項、又は2つ以上の記載事項を意味する)。更に、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。「A、B、又はCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。更に、典型的には、2つ又は3つ以上の選択的な用語を表すあらゆる選言的な語及び/又は句は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、説明文内であろうと、請求の範囲内であろうと、あるいは図面内であろうと、それら用語のうちの1つ、それらの用語のうちのいずれか、又はそれらの用語の両方を含む可能性を意図すると理解されるべきであることが、当業者には理解されるであろう。例えば、「A又はB」という句は、典型的には、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むものと理解されるであろう。
【0161】
添付の特許請求の範囲に関して言えば、当業者は、本明細書における引用した動作は一般に、任意の順序で実施され得ることを理解するであろう。また、様々な動作上の流れがシーケンスの形で提示されているが、様々な動作は、例示した以外の順序で行われてもよく、又は同時に行われてもよいことが理解されるべきである。かかる代替の順序付けの例は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、重複、交互配置、割込み、再順序付け、増加的、予備的、追加的、同時、逆又は他の異なる順序付けを含んでもよい。更に、「〜に応答する」、「〜に関連する」といった用語、又は他の過去時制の形容詞は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、かかる変化形を除外することが意図されるものではない。
【0162】
特定の場合には、コンポーネントが領域の外に位置している場合であっても、システム又は方法の使用がその領域で起こってもよい。例えば、分散コンピューティングの文脈において、システムの一部分が領域の外に位置している可能性があっても(例えば、継電器、サーバ、プロセッサ信号搬送媒体、送信コンピュータ、受信コンピュータなどが領域の外に位置している)、分散コンピューティングシステムの使用はその領域で起こってもよい。
【0163】
システム又は方法のコンポーネントが領域の外に位置するかつ/又は外で使用される場合であっても、システム又は方法の売買は同様にその領域で起こってもよい。更に、1つの領域で方法を実行するためにシステムの少なくとも一部分を実現することは、システムを別の領域で使用することを排除しない。
【0164】
以上、様々な形態について本明細書で述べたが、これらの形態に対する多くの改変例、変形例、代替例、変更例、及び均等物を実施することが可能であり、また、当業者には想到されるであろう。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。したがって、上記の説明文及び添付の「特許請求の範囲」は、全てのそのような改変例及び変形例を、開示される形態の範囲に含まれるものとして網羅することを目的としたものである点を理解されたい。以下の「特許請求の範囲」は、全てのそのような改変例及び変形例を網羅することを目的としたものである。
【0165】
要約すると、本明細書に記載した構想を用いる結果として得られる多くの利益が記載されてきた。1つ以上の形態の上述の記載は、例示及び説明を目的として提示されているものである。包括的であることも、開示された厳密な形態に限定することも意図されていない。上記の教示を鑑みて、修正又は変形が可能である。1つ以上の形態は、原理及び実際の応用について例示し、それによって、様々な形態を様々な修正例と共に、想到される特定の用途に適するものとして当業者が利用できるようにするために、選択され記載されたものである。本明細書と共に提示される特許請求の範囲が全体的な範囲を定義することが意図される。
【0166】
いくつかの形態が例示され説明されてきたが、添付の「特許請求の範囲」をそのような詳述に制限又は限定することは、本出願人が意図するところではない。多くの変形例、変更例、及び代替例が、本発明の範疇から逸脱することなく当業者には思いつくであろう。更に、記述する形態に関連した各要素の構造は、その要素によって行われる機能を提供するための手段として代替的に説明することができる。したがって、記述する形態は、添付の「特許請求の範囲」によってのみ限定されるものとする。
【0167】
本明細書全体を通して、「様々な形態」、「いくつかの形態」、「一形態」、又は「形態」への言及は、その形態に関連して説明された特定の特徴、構造、又は特性が少なくとも1つの形態に含まれていることを意味する。したがって、本明細書全体を通して複数の場所に出現する「様々な形態では」、「いくつかの形態では」、「一形態では」、又は「形態では」という表現は、必ずしも全てが同じ形態を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、任意の好適なやり方で1つ以上の形態に組み合わせられてもよい。したがって、一形態に関連して例示された又は説明された特定の特徴、構造、又は特性は、無制限に、1つ以上のその他の形態の特徴、構造、又は特性と、全体的に又は部分的に、組み合わせられることができる。
【0168】
本明細書に記載される主題の様々な態様は、以下の付番された項目において説明される。
1.生成器によってRF信号出力及び超音波信号出力を管理するためのシステムは、RFエネルギー出力部と、超音波エネルギー出力部と、複合された無線周波数(RF)信号及び超音波信号を生成器から受信するように構成された回路と、を含む、外科用器具、を含み、回路は、複合信号の周波数成分をフィルタ処理するように構成され、第1のフィルタ処理信号をRFエネルギー出力部に、第2のフィルタ処理信号を超音波エネルギー出力部に、提供するように構成されている、システム。
2.回路は、共振器を含む、項目1に記載のシステム。
3.回路は、高周波帯域消去フィルタを含む、項目1又は2に記載のシステム。
4.高周波帯域消去フィルタは、第1のLCフィルタ回路と、第2のLCフィルタ回路と、を含む、項目1〜3に記載のいずれか一項に記載のシステム。
5.複合信号は、350kHz成分を含む、項目1〜4のいずれか一項に記載のシステム。
6.複合信号は、55kHz成分を含む、項目1〜5のいずれか一項に記載のシステム。
7.外科用器具は、RFエネルギー出力部及び超音波エネルギー出力部から同時に治療を適用するように構成されている、項目1〜6のいずれか一項に記載のシステム。
8.生成器によってRF信号出力及び超音波信号出力を管理するためのシステムは、RFエネルギー出力部と、超音波エネルギー出力部と、複合された無線周波数(RF)信号及び超音波信号を生成器から受信するように構成された回路と、を含み、回路は、発生器から受信した複合信号に従って、RFエネルギー出力部と超音波エネルギー出力部との間を切り替えるように構成されている、システム。
9.回路は、二対のMOSFETスイッチを含む、項目8に記載のシステム。
10.二対のMOSFETスイッチのそれぞれは、ソーストゥソースで接続されている、項目9に記載のシステム。
11.回路は、第1の結合インダクタ及び第2の結合インダクタを更に含む、項目9又は10に記載のシステム。
12.MOSFETスイッチの第1の対のそれぞれのMOSFETのゲートは、互いに連結され、かつ第1の連結インダクタに連結されている、項目11に記載のシステム。
13.MOSFETスイッチの第2の対のそれぞれのMOSFETのゲートは、互いに連結され、かつ第2の連結インダクタに連結されている、項目11又は12に記載のシステム。
14.第1のコンデンサと、第2のコンデンサと、を更に含み、第1のコンデンサは、第1の結合インダクタの一次側に連結され、第2のコンデンサは、第2の結合インダクタの一次側に連結されている、項目11〜13のいずれか一項に記載のシステム。
15.ASICと、第1のパルストランスと、第2のパルストランスと、を更に含み、ASICは、第1及び第2のパルストランスに連結され、第1のパルストランスは、2対のMOSFETスイッチの第1の対に連結され、第2のパルストランスは、2対のMOSFETスイッチの第2の対に連結されている、項目9〜14のいずれか一項に記載のシステム。
16.二対のMOSFETスイッチのそれぞれは、ソーストゥソースで接続されている、項目15に記載のシステム。
17.MOSFETスイッチの第1の対のそれぞれのMOSFETのゲートは、互いに連結され、かつ第1のパルス変圧器に連結されている、項目16に記載のシステム。
18.MOSFETスイッチの第2の対のそれぞれのMOSFETのゲートは、互いに連結され、かつ第2のパルス変圧器に連結されている、項目16又は17に記載のシステム。
19.回路は、RFエネルギー出力部に連結された第1の切替要素と、超音波エネルギー出力部に連結された第2の切替要素と、を含む、項目18に記載のシステム。
20.第1の切替要素及び第2の切替要素は、それぞれ電気機械式リレーである、項目19に記載のシステム。
21.第1の切替要素及び第2の切替要素は、ASICに連結されている、項目19又は20に記載のシステム。
22.第1の切替要素及び第2の切替要素を作動させるために切替機構を更に含む、項目19〜21のいずれか一項に記載のシステム。
23.切替機構は、機械式ロッカ様式の切替機構である、項目22に記載のシステム。
24.生成器によってRF信号出力及び超音波信号出力を管理するためのシステムは、RFエネルギー出力部と、超音波エネルギー出力部と、複合された無線周波数(RF)信号及び超音波信号を生成器から受信するように構成された回路と、を含む、外科用器具を含み、回路は、複合信号の周波数成分をフィルタ処理するように構成されたフィルタ回路と、発生器から受信した複合信号に従って、RFエネルギー出力部又は超音波エネルギー出力部のうちの1つに、オン状態とオフ状態との間で切り替えるように構成された切替要素と、を含む、システム。
25.フィルタ回路は、超音波エネルギー出力部に連結され、切替要素は、RFエネルギー出力部に連結された、項目24に記載のシステム。
26.外科用器具を動作させるための方法であって、外科用器具は、無線周波数(RF)エネルギー出力部と、超音波エネルギー出力部と、閉鎖位置と開放位置との間の枢動運動のために構成された第1のジョー及び第2のジョーと、を備え、方法は、第1の選択肢及び第2の選択肢の一方のユーザ選択を示す第1の入力を受信することと、第1のジョー及び第2のジョーが閉鎖位置にあるのか又は開放位置にあるのかを示す第2の入力を受信することと、RFエネルギー出力部での電気的インピーダンスを示す第3の入力を受信することと、第1の入力、第2の入力及び第3の入力に少なくとも部分的に基づいて、動作の複数のモードから、組織を治療するための動作のモードを選択することと、を含み、動作の複数のモードは、RFエネルギー出力部がRFエネルギーを組織に印加する第1のモードと、超音波エネルギー出力部が超音波エネルギーを組織に印加する第2のモードと、を含む、方法。
27.第1の選択肢は、封止のみの選択肢であり、第2の選択肢は、封止及び切断の選択肢である、項目26に記載の方法。
28.ユーザ選択は、ボタン選択である、項目26に記載の方法。
29.動作の複数のモードは、RFエネルギー出力部がRFエネルギーを組織に印加し、超音波エネルギー出力部が超音波エネルギーを組織に印加する第3のモードと、RFエネルギー又は超音波エネルギーのいずれも組織に印加されない第4のモードと、を更に含む、項目26に記載の方法。
30.第1の入力が第2の選択肢を示し、第2の入力が閉鎖位置を示し、第3の入力が中程度の電気的インピーダンスを示す場合に、第3のモードが選択され、RFエネルギーは、超音波エネルギーが印加される前に印加される、項目29に記載の方法。
31.第1の入力が第1の選択肢を示し、第2の入力が開放位置を示し、第3の入力が高い電気的インピーダンスを示す場合に、第4のモードが選択される、項目29に記載の方法。
32.第1の入力、第2の入力及び第3の入力に少なくとも部分的に基づいて、RFエネルギー出力部によって印加されるエネルギーのレベルを選択することを更に含む、項目26に記載の方法。
33.第2の入力が開放位置を示し、第3の入力が中程度の電気的インピーダンスを示す場合に、第1のモードが選択され、かつRFエネルギー出力部によって印加されるエネルギーのレベルが高として選択される、項目32に記載の方法。
34.第1の入力、第2の入力及び第3の入力に少なくとも部分的に基づいて、超音波エネルギー出力部によって印加されるエネルギーのレベルを選択することを更に含む、項目26に記載の方法。
35.第2の入力が閉鎖位置を示し、第3の入力が低い電気的インピーダンスを示す場合に、第2のモードが選択され、かつ超音波エネルギー出力部によって印加されるエネルギーのレベルが低として選択される、項目34に記載の方法。
36.第1の入力が第2の選択肢を示し、第2の入力が開放位置を示し、第3の入力が高い電気的インピーダンスを示す場合に、第2のモードが選択され、かつ超音波エネルギー出力部によって印加されるエネルギーのレベルが高として選択される、項目34に記載の方法。
37.第1の入力が第1の選択肢を示し、第2の入力が閉鎖位置を示し、第3の入力が中程度の電気的インピーダンスを示す場合に、第1のモードが選択される、項目26に記載の方法。
38.第1の入力、第2の入力及び第3の入力に少なくとも部分的に基づいて、RFエネルギー出力部又は超音波エネルギー出力部によって印加されるエネルギーの波形を選択することを更に含む、項目26に記載の方法。
39.無線周波数(RF)エネルギー及び超音波エネルギーを外科用器具に送達するための発生器であって、外科用器具は、閉鎖位置と開放位置との間の枢動運動のために構成された第1のジョー及び第2のジョーを備え、発生器は、第1の選択肢及び第2の選択肢の一方のユーザ選択を示す第1の入力を受信することと、第1のジョー及び第2のジョーが閉鎖位置にあるのか又は開放位置にあるのかを示す第2の入力を受信することと、外科用器具のRFエネルギー出力部での電気的インピーダンスを示す第3の入力を受信することと、第1の入力、第2の入力及び第3の入力に少なくとも部分的に基づいて、動作の複数のモードから、組織を治療するための動作のモードを選択することと、を行うように構成され、動作の複数のモードは、発生器がRFエネルギーを外科用器具に送達する第1のモードと、発生器が超音波エネルギーを外科用器に送達する第2のモードと、を含む、発生器。
40.動作の複数のモードは、発生器がRFエネルギー及び超音波エネルギーを外科用器具に送達する第3のモードと、発生器がRFエネルギー又は超音波エネルギーのいずれも外科用器具に送達しない第4のモードと、を更に含む、項目39に記載の発生器。
41.発生器は、第1の入力、第2の入力及び第3の入力に少なくとも部分的に基づいて決定されるレベルで、RFエネルギーを外科用器具に送達するように更に構成されている、項目39に記載の発生器。
42.第2の入力が開放位置を示し、第3の入力が中程度の電気的インピーダンスを示す場合に、発生器が第1のモードを選択するように構成され、かつRFエネルギーのレベルが高として決定される、項目41に記載の発生器。
43.発生器は、第1の入力、第2の入力及び第3の入力に少なくとも部分的に基づいて決定されるレベルで、超音波エネルギーを外科用器具に送達するように更に構成されている、項目39に記載の発生器。
44.第2の入力が閉鎖位置を示し、第3の入力が低い電気的インピーダンスを示す場合に、発生器が第2のモードを選択するように構成され、かつ超音波エネルギーのレベルが低として決定される、項目43に記載の発生器。
45.外科用器具であって、閉鎖位置と開放位置との間の枢動運動のために構成された第1のジョー及び第2のジョーと、少なくとも動作の第1のモードが選択された場合に、無線周波数(RF)エネルギーを組織に印加するように構成されたRFエネルギー出力部と、少なくとも動作の第2のモードが選択された場合に、超音波エネルギーを組織に印加するように構成された超音波エネルギー出力部と、を備え、動作のモードは、第1の入力、第2の入力及び第3の入力に少なくとも部分的に基づいて、第1のモード及び第2のモードを含む動作の複数のモードから選択され、第1の入力は、第1の選択肢及び第2の選択肢の一方のユーザ選択を示し、第2の入力は、第1のジョー及び第2のジョーが閉鎖位置にあるのか又は開放位置にあるのかを示し、第3の入力は、RFエネルギー出力部での電気的インピーダンスを示す、外科用器具。
【0169】
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具を動作させるための方法であって、前記外科用器具は、無線周波数(RF)エネルギー出力部と、超音波エネルギー出力部と、閉鎖位置と開放位置との間の枢動運動のために構成された第1のジョー及び第2のジョーと、を備え、前記方法は、
第1の選択肢及び第2の選択肢の一方のユーザ選択を示す第1の入力を受信することと、
前記第1のジョー及び前記第2のジョーが前記閉鎖位置にあるのか又は前記開放位置にあるのかを示す第2の入力を受信することと、
前記RFエネルギー出力部での電気的インピーダンスを示す第3の入力を受信することと、
前記第1の入力、前記第2の入力及び前記第3の入力に少なくとも部分的に基づいて、動作の複数のモードから、組織を治療するための動作のモードを選択することと、を含み、前記動作の複数のモードは、
前記RFエネルギー出力部がRFエネルギーを前記組織に印加する第1のモードと、
前記超音波エネルギー出力部が超音波エネルギーを前記組織に印加する第2のモードと、を含む、方法。
(2) 前記第1の選択肢は、封止のみの選択肢であり、前記第2の選択肢は、封止及び切断の選択肢である、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記ユーザ選択は、ボタン選択である、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記動作の複数のモードは、
前記RFエネルギー出力部がRFエネルギーを前記組織に印加し、前記超音波エネルギー出力部が超音波エネルギーを前記組織に印加する第3のモードと、
RFエネルギー又は超音波エネルギーのいずれも前記組織に印加されない第4のモードと、を更に含む、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記第1の入力が前記第2の選択肢を示し、前記第2の入力が前記閉鎖位置を示し、前記第3の入力が中程度の電気的インピーダンスを示す場合に、前記第3のモードが選択され、RFエネルギーは、超音波エネルギーが印加される前に印加される、実施態様4に記載の方法。
【0170】
(6) 前記第1の入力が前記第1の選択肢を示し、前記第2の入力が前記開放位置を示し、前記第3の入力が高い電気的インピーダンスを示す場合に、前記第4のモードが選択される、実施態様4に記載の方法。
(7) 前記第1の入力、前記第2の入力及び前記第3の入力に少なくとも部分的に基づいて、前記RFエネルギー出力部によって印加されるエネルギーのレベルを選択することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(8) 前記第2の入力が前記開放位置を示し、前記第3の入力が中程度の電気的インピーダンスを示す場合に、前記第1のモードが選択され、かつ前記RFエネルギー出力部によって印加される前記エネルギーのレベルが高として選択される、実施態様7に記載の方法。
(9) 前記第1の入力、前記第2の入力及び前記第3の入力に少なくとも部分的に基づいて、前記超音波エネルギー出力部によって印加されるエネルギーのレベルを選択することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(10) 前記第2の入力が前記閉鎖位置を示し、前記第3の入力が低い電気的インピーダンスを示す場合に、前記第2のモードが選択され、かつ前記超音波エネルギー出力部によって印加される前記エネルギーのレベルが低として選択される、実施態様9に記載の方法。
【0171】
(11) 前記第1の入力が前記第2の選択肢を示し、前記第2の入力が前記開放位置を示し、前記第3の入力が高い電気的インピーダンスを示す場合に、前記第2のモードが選択され、かつ前記超音波エネルギー出力部によって印加される前記エネルギーのレベルが高として選択される、実施態様9に記載の方法。
(12) 前記第1の入力が前記第1の選択肢を示し、前記第2の入力が前記閉鎖位置を示し、前記第3の入力が中程度の電気的インピーダンスを示す場合に、前記第1のモードが選択される、実施態様1に記載の方法。
(13) 前記第1の入力、前記第2の入力及び前記第3の入力に少なくとも部分的に基づいて、前記RFエネルギー出力部又は前記超音波エネルギー出力部によって印加されるエネルギーの波形を選択することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(14) 無線周波数(RF)エネルギー及び超音波エネルギーを外科用器具に送達するための発生器であって、前記外科用器具は、閉鎖位置と開放位置との間の枢動運動のために構成された第1のジョー及び第2のジョーを備え、前記発生器は、
第1の選択肢及び第2の選択肢の一方のユーザ選択を示す第1の入力を受信することと、
前記第1のジョー及び前記第2のジョーが前記閉鎖位置にあるのか又は前記開放位置にあるのかを示す第2の入力を受信することと、
前記外科用器具のRFエネルギー出力部での電気的インピーダンスを示す第3の入力を受信することと、
前記第1の入力、前記第2の入力及び前記第3の入力に少なくとも部分的に基づいて、動作の複数のモードから、組織を治療するための動作のモードを選択することと、を行うように構成され、前記動作の複数のモードは、
前記発生器がRFエネルギーを前記外科用器具に送達する第1のモードと、
前記発生器が超音波エネルギーを前記外科用器具に送達する第2のモードと、を含む、発生器。
(15) 前記動作の複数のモードは、
前記発生器がRFエネルギー及び超音波エネルギーを前記外科用器具に送達する第3のモードと、
前記発生器がRFエネルギー又は超音波エネルギーのいずれも前記外科用器具に送達しない第4のモードと、を更に含む、実施態様14に記載の発生器。
【0172】
(16) 前記発生器は、前記第1の入力、前記第2の入力及び前記第3の入力に少なくとも部分的に基づいて決定されるレベルで、RFエネルギーを前記外科用器具に送達するように更に構成されている、実施態様14に記載の発生器。
(17) 前記第2の入力が前記開放位置を示し、前記第3の入力が中程度の電気的インピーダンスを示す場合に、前記発生器が前記第1のモードを選択するように構成され、かつRFエネルギーの前記レベルが高として決定される、実施態様16に記載の発生器。
(18) 前記発生器は、前記第1の入力、前記第2の入力及び前記第3の入力に少なくとも部分的に基づいて決定されるレベルで、超音波エネルギーを前記外科用器具に送達するように更に構成されている、実施態様14に記載の発生器。
(19) 前記第2の入力が前記閉鎖位置を示し、前記第3の入力が低い電気的インピーダンスを示す場合に、前記発生器が前記第2のモードを選択するように構成され、かつ超音波エネルギーの前記レベルが低として決定される、実施態様18に記載の発生器。
(20) 外科用器具であって、
閉鎖位置と開放位置との間の枢動運動のために構成された第1のジョー及び第2のジョーと、
少なくとも動作の第1のモードが選択された場合に、無線周波数(RF)エネルギーを組織に印加するように構成されたRFエネルギー出力部と、
少なくとも動作の第2のモードが選択された場合に、超音波エネルギーを前記組織に印加するように構成された超音波エネルギー出力部と、を備え、
動作のモードは、第1の入力、第2の入力及び第3の入力に少なくとも部分的に基づいて、前記第1のモード及び前記第2のモードを含む動作の複数のモードから選択され、
前記第1の入力は、第1の選択肢及び第2の選択肢の一方のユーザ選択を示し、
前記第2の入力は、前記第1のジョー及び前記第2のジョーが前記閉鎖位置にあるのか又は前記開放位置にあるのかを示し、
前記第3の入力は、前記RFエネルギー出力部での電気的インピーダンスを示す、外科用器具。