【実施例】
【0035】
以下の実施例は、様々な実施形態を示すために提供されるものであり、特許請求の範囲の限定することを意図するものではない。特に指示がない限り、全ての割合及びパーセントは重量に基づく。様々な実施例、比較例、ならびに実施例及び比較例に使用される材料に関して、大体の特性、特質、パラメータなどが以下に提供される。さらに、実施例に使用される原料の説明は以下の通りである。
【0036】
PARALOID(商標)AU−830は、メチルn−アミルケトン(MAK)溶媒中に分散した77重量%の固体、固体ベースで500g/モル当量のヒドロキシル当量、固体ベースで3mgKOH/gの酸価、固体ベースで7,000g/モルの数平均分子量、及び25℃で15,000mPa*sの供給された状態の粘度を有するアクリルポリオールであり、The Dow Chemical Company(Midland,MI)から入手可能である。
【0037】
PARALOID(商標)AU−1453は、酢酸n−ブチル溶媒中に分散した70重量%の固体、固体ベースで460g/モル当量のヒドロキシル当量、固体ベースで2mgKOH/g未満の酸価、固体ベースで10,000g/モルの数平均分子量、及び25℃で4500mPa*sの供給された状態の粘度を有するアクリルポリオールであり、The Dow Chemical Company(Midland,MI)から入手可能である。
【0038】
VORAPEL(商標)T5001は、3の公称ヒドロキシル官能価、275mgKOH/gのヒドロキシル価、600g/モルの数平均分子量、及び25℃で322mPa*sの粘度を有するポリエーテルポリオールであり、The Dow Chemical Company(Midland,MI)から入手可能である。
【0039】
VORANOL(商標)CP450は、3の公称ヒドロキシル官能価、370〜396mgKOH/gのヒドロキシル価、450g/モルの数平均分子量、及び25℃で300〜360mPa*sの粘度を有するポリエーテルポリオールであり、The Dow Chemical Company(Midland,MI)から入手可能である。
【0040】
VORANOL(商標)2070は、3の公称ヒドロキシル官能価、238mgKOH/gのヒドロキシル価、700g/モルの数平均分子量、及び25℃で238mPa*sの粘度を有するポリエーテルポリオールであり、The Dow Chemical Company(Midland,MI)から入手可能である。
【0041】
CAPA(商標)3050は、540g/モルの分子量を有するポリエステルポリオール(ポリカプロラクトン)であり、Perstorp Polyols,Inc.から入手可能である。
【0042】
Desmodur(登録商標)N3390は、酢酸ブチル(90%固体)中に供給されるヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)由来の予備成形されたポリイソシアネートトリマーであり、Bayer Corporationから入手可能である。
【0043】
DBTDLは、酢酸ブチル中1重量%の固体として入手可能なジブチルスズジラウレートである。
【0044】
以下の表1は、ポリエステルポリオールに対してポリエーテルポリオールの使用による全体粘度への効果を示すために、反応性希釈剤としてポリエーテルポリオールを含む本配合物の4つの実施形態の例である実施例1〜4、ならびにポリエーテルポリオールの代わりにポリエステルポリオールを含む比較例1及び2を列挙する。
【0045】
表1の組成物は、アクリルポリオール(PARALOID(商標)AU−830またはPARALOID(商標)AU−1453)を、ポリオール希釈剤(VORAPEL(商標)T5001、VORANOL(商標)CP450、またはCAPA(商標)3050)と合わせ、1700rpmで1分間混合することによって調製した。
【0046】
【表1】
【0047】
図1及び2は、反応性希釈剤ポリオールのそれぞれの濃度(x軸)の関数としての粘度(y軸)を示す。特に、
図1は、PARALOID(商標)AU−830に添加された反応性希釈剤ポリオールの粘度対濃度のプロットであり、
図2は、PARALOID(商標)AU−1453に添加された反応性希釈剤ポリオールの粘度対濃度のプロットである。
図1及び2に示すように、実施例1〜4は、比較例1または2と比較してコーティング組成物の粘度が低下する。したがって、コーティング組成物へのポリエーテルポリオールの添加は、カプロラクトンポリエステルポリオール(CAPA(商標)3050)の添加と比較して、コーティング組成物の粘度を大きく低下させる。
【0048】
次に、表2及び3の組成物は、アクリルポリオール(PARALOID(商標)AU−830またはPARALOID(商標)AU−1453)を、ポリオール希釈剤(VORAPEL(商標)T5001、VORANOL(商標)CP450、またはCAPA(商標)3050)と合わせ、1700rpmで1分間混合することによって調製した。次いで、溶媒ブレンド(メチルイソブチルケトン(MIBK)、プロピオン酸ブチル、及びプロピオン酸プロピル[1:1:1]−重量比)を溶液に添加し、次いで、これを再度1500rpmで1分間撹拌した。次に、酢酸ブチル中、ジブチルスズジラウレートの1重量%溶液をポリオール溶液に添加し、1500rpmで1分間混合した。次いで、予備成形されたポリイソシアネートトリマー(Desmodur(登録商標)N3390)を溶液に添加し、1500rpmで1分間混合した。ドローダウンスクエア(draw down square)を使用して、得られた組成物をAL−412(アルミニウム)及びQD−412(鋼鉄)Qパネル上にすぐにコーティングして、3.0〜4.5ミリの乾燥した厚さを得た。フィルムをヒュームフード中で1日硬化させ、その後、測定に進む前に、周囲条件下でさらに6日間、カウンタートップ上で硬化させた。
【0049】
実施例5〜8、及び比較例3〜7は、以下の配合に従って調製した。特に、実施例5〜8は、数平均分子量が300超かつ700未満である実施形態によるポリエーテルポリオールを含む。比較例3は、任意の希釈剤ポリオールを除外する。比較例4及び5は、ポリエーテルポリオールの代わりにポリエステルポリオールを含む。比較例6及び7は、700の数平均分子量を有するポリエーテルポリオールを含む。
【0050】
【表2】
【0051】
実施例9〜12及び比較例8〜12は、以下の配合に従って調製した。特に、実施例9〜12は、数平均分子量が300超かつ700未満である実施形態によるポリエーテルポリオールを含む。比較例8は、任意の希釈剤ポリオールを除外する。比較例9及び10は、ポリエーテルポリオールの代わりにポリエステルポリオールを含む。比較例6及び7は、700の数平均分子量を有するポリエーテルポリオールを含む。
【0052】
【表3】
【0053】
得られたコーティングの特性の比較を、以下の表4及び5に示す。
【0054】
表4及び5の特性を参照すると、クロスハッチ接着は、ASTM試験法D3359に従って測定された。MEKダブルラブは、ASTM試験法D5402に従って測定した。ケーニッヒ硬度は、ASTM試験法D4366に従って測定された。鉛筆硬度(破れ(gouge)及びひっかきの両方)は、ASTM試験法D3363に従って測定された。光沢は、ASTM試験法D523に従って、20°、60°、及び85°で測定された。直接衝撃及び間接衝撃は、ASTM試験法D2794に従って測定された。
【0055】
【表4】
【0056】
表4を参照すると、アクリルポリオールPARALOID(商標)AU−1453を用いる実施形態に従うポリエーテルポリオールの使用が、反応性希釈剤を含まない比較例3より改善していないものの、それと類似したコーティング特性を提供することが示される。さらに、実施例5〜8におけるポリエーテルポリオールの使用は、より高い分子量のポリエーテルポリオールの使用と比較して、改善した硬度を提供する。
【0057】
【表5】
【0058】
上記と同様に、表5も、高粘度アクリルポリオールPARALOID(商標)AU−830を用いる実施形態に従うポリエーテルポリオールの使用が、反応性希釈剤を含まない比較例8より改善していないものの、それと類似したコーティング特性を提供することを示す。さらに、実施例9〜12におけるポリエーテルポリオールの使用は、より高い分子量のポリエーテルポリオールの使用と比較して、改善した硬度を提供する。
【0059】
したがって、表4及び5の結果は、ポリエーテルポリオールが、硬度、耐溶剤性を含むコーティング特性に悪影響を及ぼすことなく(MEKダブルラブ及び光沢によって示されるように)、アクリルポリウレタンコーティング組成物中に組み込まれ得ることを示す。
【0060】
耐湿性に関して、湿度試験は、疎水性ポリオールであるVORAPEL(商標)T5001を使用して調製した試料について、ASTM試験法D4585に従って測定された。特に、光沢保持率は、38℃で100%の湿度に96時間曝露された後、20°で測定された。測定は、周囲条件で、1時間の回復後、及び24時間の回復後に行った。結果を、表6に報告する。
【0061】
【表6】
【0062】
表6に示すように、ポリエーテルポリオールを含む組成物は、1時間の回復後及び24時間の回復後の両方に、ポリオール希釈剤(比較例3及び8)またはポリエステルポリオール希釈剤(比較例4、5、9、及び10)を含まない組成物の光沢保持特性と類似した光沢保持特性を呈した。驚くべきことに、光沢保持試験は、水に対する引力を示さず、したがって当該技術分野で予測された耐湿性の減少を示さなかった。
【0063】
さらに、光沢保持率に関連して、(反応性希釈剤を含まない)実施例5〜12、ならびに比較例3及び8について、組成物のUV耐候性を試験した。特に、光沢保持率は、組成物のそれぞれについて、ASTM試験法D4587を使用して、8時間のUV曝露及び4時間の湿度曝露の5,000時間のQUV−Aサイクリング期間にわたって測定された。特に、試料を、QUVチャンバ内に設置し、そこで60℃で8時間、QUV−Aバルブによる発光に曝露する。8時間後、光を遮断し、試料を、50℃で4時間、湿度100%に曝露する。これらのサイクルを、500時間の試験にわたって繰り返す。各試料の光沢測定は、ASTM試験法D523を使用して、約250時間の間隔で取得される。光沢測定は、約250時間の間隔で取得される。結果を
図3及び4に示す。
【0064】
図3及び4に示すように、ポリエーテル成分の含有による光沢の顕著な低下を予測したにもかかわらず、ポリエーテルポリオールを含む全ての組成物(実施例5〜12)について、光沢保持率は80%より高いままであった。
【0065】
理論によって拘束されることなく、より高い濃度のポリオール及びイソシアネートが反応速度を促進させるため、典型的には、より高い固体はポットライフに悪影響を及ぼすことになる。本明細書で使用される場合、「ポットライフ」とは、室温で初期混合粘度が2倍になるまでにかかる時間を指す。当業者であれば、少なくとも30分のポットライフが望ましいが、少なくとも1時間のポットライフ値がより好ましく、2時間超のポットライフ値が最も好ましいことを理解するであろう。
【0066】
したがって、以下の実施例について、25℃で50〜60mPa*sの範囲内の初期粘度を達成するように、固体含量を調節した。溶媒ブレンド(MIBK、プロピオン酸ブチル、及びプロピオン酸プロピル[1:1:1](重量比))の部分を、所望の粘度が達成されるまで、配合物中に滴定した。特に、比較例3の固体含量を53%に調節することで、25℃で約52mPa*sの粘度がもたらされたことに留意されたい。
【0067】
図5を参照すると、53%の固体を有し、かつ様々なレベルのDBTDL触媒を含有する様々なコーティング組成物を調製し、乾燥時間測定によって分析した。乾燥時間は、BYK乾燥時間レコーダー(BYK−Gardnerから入手可能)を使用して測定した。乾燥時間は、ASTM試験法D5895に従って測定され、指触乾燥時間及びタックフリー時間の両方を
図5に示す。
【0068】
特に、
図5において、様々な組成物のBYK−2(タックフリー時間)及びBYK−3(硬化乾燥時間)を示す。0.025%DBTDLを含む組成物のBYK−3乾燥時間は、その配合物が6時間の実験ウィンドウ内で硬化乾燥しなかったため、
図5に示していない。0.025%の触媒レベルは、約3時間のBYK−2時間を示し、これは、1.4時間のターゲット値の約2倍であった。
図5に示すように、DBTDLの濃度を0.05%に倍増することにより、1.5時間のBYK−2及び3.6時間のBYK−3がもたらされ、これらはそれぞれ、1.4時間及び3.0時間のターゲット値に近い。触媒レベルの増加は、ターゲット値よりはるかに速い乾燥時間を示し続けた。
【0069】
図6を参照すると、上記から0.05%DBTDL及び0.025%DBTDLを(53%の固体分で)含む両方の組成物を、ポットライフについてさらに分析した。特に、
図6は、0.05%DBTDL及び0.025%DBTDLを53%の固形分で含む療法の組成物のポットライフ測定を示すグラフである。
図6に示すように、触媒濃度を倍増すると、ポットライフが50%減少した。具体的には、0.05%DBTDLを含む組成物のポットライフは、1時間10分であった。
【0070】
表7を参照すると、表2の組成物について粘度上昇を測定した。粘度上昇を測定する前に、溶媒ブレンド(MIBK、プロピオン酸ブチル、及びプロピオン酸プロピル[1:1:1](重量比))を添加することによって、表2の組成物のそれぞれの固形分を調節して、50mPa*s〜60mPa*sの初期粘度を得た。粘度測定は、20rpmに設定したS61スピンドルセットを有するブルックフィールド粘度計を使用して行った。全ての成分を混合することで測定された初期粘度は、表7に報告される。
【0071】
【表7】
【0072】
表7から見られるように、ポリエーテルポリオール希釈剤の低粘度は、固形分を、対照(比較例3)の53%の固形分に対して最大5%増加させる。
【0073】
表7の組成物について、ポットライフ値を測定した。結果を
図7及び8に示す。
図7及び8に示されるように、固形分の増加によって、より高い濃度のポリオール希釈剤及びイソシアネート成分のポットライフが短くなる。理論によって拘束されることなく、類似した固形分で測定したポットライフ時間について観察された差異は、ポリオール希釈剤が、親配合物の反応性を調整する場合があることを示す。例えば、10重量%のアルキレンオキシドポリオール(
図7に示される)の含量で、ポットライフ値は、48〜51分間の範囲で測定された。希釈剤ポリオールの含量を20重量%に増加させる(
図8に示される)と、47〜48分間のポットライフが得られ、これは、より高い濃度のポリオール及びイソシアネート成分によってポットライフがわずかに短くなることを示す。
【0074】
表8を参照すると、0.05%DBTDLを触媒として、及びPARALOID(商標)AU−1453をアクリルポリオールとして含むポリオール希釈剤配合物の粘度調節された組成物のそれぞれについて、ASTM試験標準D5895に従って乾燥時間を測定した。BYK乾燥時間レコーダーを使用して測定した乾燥時間、ならびに組成物のそれぞれのポリオール希釈剤及び固形分は、表8に報告される。
【0075】
【表8】
【0076】
VORANOL(商標)CP450、VORAPEL(商標)T5001、及びCAPA(商標)3050をポリオール希釈剤として用いる組成物間のポットライフ値は類似することが見出されたが、乾燥時間は、よりポリオール性質に依存するようであった。表8に示すように、ポリエーテルポリオール(VORANOL(商標)CP450及びVORAPEL(商標)T5001)を含む組成物に関連する乾燥時間は、対照組成物及びポリエステルポリオール(CAPA(商標)3050)を含む組成物の乾燥時間に匹敵した。とりわけ、ポリエーテルポリオールを用いた組成物は、カプロラクトンポリエステルポリオール(CAPA(商標)3050)を用いた組成物より低い可能性があるBYK−1乾燥時間(指触乾燥)を示した。VORAPEL(商標)T5001を含む組成物が、最も遅いBYK−1時間を示すことが見出された。理論によって拘束されることなく、より遅いBYK−1時間は、ポリオール中のいくらか立体障害のある第二級アルコールのより遅い反応速度に起因し得る。驚くべきことに、20重量%のVORANOL(商標)CP450を含有する試料は、VORANOL(商標)CP450中の第二級ヒドロキシルの含有にもかかわらず、対照とほとんど同一の挙動を示した。
【0077】
さらに、ポリエーテルポリオールを含む組成物は、比較組成物と等しいか、またはそれより多い量の固体を含み、これは、希釈剤としてのポリエーテルポリオールの使用が、乾燥時間を変えることなく配合物の固形分を上昇させるために有効であることを示す。
【0078】
より高い固体の配合物について測定したより短いポットライフ値を、乾燥時間を著しく変えることなく延長させることが望ましい。より高い固形の配合物のポットライフ値の延長に向けた1つのルートは、酸源の添加を伴う。酸源は、例えば、カルボン酸を含んでもよい。酸源は、添加剤として配合物中に組み込まれるか、またはアクリルポリオールのコモノマーとして存在してもよい。
【0079】
より高い固体の配合物のポットライフ延長は、安息香酸(配合物の総質量に対して0.4重量%及び0.8重量%含量)を、表8に示される20%のVORANOL(商標)CP450配合物(57%固体)に添加することによって評価した。配合物について、ポットライフ値を測定した。粘度測定は、30rpmに設定したS61スピンドルセットを有するブルックフィールド粘度計を使用して行った。ポットライフ値は、安息香酸を含まない場合の48分間から、0.4重量%の安息香酸の存在下で112分間に、及び0.8重量%の安息香酸の存在下で155分間に延長することが見出された。
【0080】
表9を参照すると、安息香酸を含有する試料のそれぞれについて、乾燥時間を測定した。驚くべきことに、ポットライフ値が少なくとも2倍に延長されたにもかかわらず、乾燥時間値は大幅に延長されなかった。理論によって拘束されることなく、これらの結果は、ポリオール希釈剤を使用して固形分を上昇させることによって生じたより短いポットライフ値をオフセットするために、様々な酸が使用され得ることを示す。
【0081】
【表9】
【0082】
従来、製造業者は、他の望ましい特性を犠牲にすることなくポリウレタンコーティング組成物の粘度を調節するための反応性希釈剤としてポリエステル及びカプロラクトンポリオールの使用に限定されてきた。具体的には、ポリエーテルポリオールの使用が、耐湿性、UV耐候性、または耐溶剤性などの1つ以上の望ましい特性を犠牲にすることが必要であると従来は考えられてきた。しかしながら、本明細書に示すように、ポリエステルポリオールを含む組成物から形成されたアクリルポリウレタンコーティングは、高い固形分も維持しながら、望ましいコーティング特性、及び様々な用途に望ましい乾燥時間値を示す。
【0083】
さらに、「好ましくは」、「一般的に」、「通常」、及び「典型的に」などの用語は、本明細書において、特許請求される発明の範囲を限定するか、または特許請求される発明nの構造または機能についてある特定の特徴が必須、本質的、もしくはさらには重要であることを示唆するために用いられるものではないことに留意されたい。むしろ、これらの用語は、本開示の特定の実施形態で利用される可能性のある代替または追加の特徴を強調することを単に意図したものである。
【0084】
添付の特許請求の範囲に定義された本開示の範囲から逸脱することなく、変更及び修正が可能であることが明らかであろう。より具体的には、本開示のいくつかの態様が、好ましいかまたは特に有利であるものとして本明細書において特定されているものの、本開示が必ずしもこれらの態様に限定されないことが企図される。
なお、本発明には、以下の態様が含まれることを付記する。
〔態様1〕
アクリルポリウレタンコーティング組成物であって、
少なくとも1つの脂肪族ポリイソシアネートトリマーまたはビウレットを含むイソシアネート成分と、
イソシアネート反応混合物であって、前記イソシアネート反応混合物が、前記アクリルポリウレタンコーティング組成物の総重量に基づいて、25重量%〜80重量%のアクリルポリオール、及び1重量%〜30重量%のポリエーテルポリオールを含み、前記アクリルポリオールが、前記アクリルポリオールの総重量に基づいて、少なくとも50重量%の固形分を有し、前記ポリエーテルポリオールが、25℃で500mPa*s未満の粘度、及び300超かつ700未満の数平均分子量を有する、イソシアネート反応混合物と、を含む、アクリルポリウレタン組成物。
〔態様2〕
前記ポリエーテルポリオールが、トリオールであり、250mgKOH/g〜450mgKOH/gのヒドロキシル価を有する、態様1に記載のアクリルポリウレタンコーティング組成物。
〔態様3〕
前記アクリルポリオールが、固体ベースで、350〜550g/モル当量のヒドロキシル当量を有する、態様1または態様2に記載のアクリルポリウレタンコーティング組成物。
〔態様4〕
前記イソシアネート反応混合物の総重量に基づいて、22重量%未満の量で有機溶媒をさらに含む、態様1〜3のいずれか一項に記載のアクリルポリウレタンコーティング組成物。
〔態様5〕
前記ポリエーテルポリオールが、ポリオキシブチレンポリオールである、態様1〜4のいずれか一項に記載のアクリルポリウレタンコーティング組成物。
〔態様6〕
前記ポリエーテルポリオールが、ポリオキシプロピレンポリオールである、態様1〜4のいずれか一項に記載のアクリルポリウレタンコーティング組成物。
〔態様7〕
前記イソシアネート反応混合物が、カルボン酸源をさらに含み、2.5mgKOH/g〜8.0mgKOH/gの酸価値を有する、態様1〜6のいずれか一項に記載のアクリルポリウレタンコーティング組成物。
〔態様8〕
前記アクリルポリオールの前記ポリエーテルポリオールに対する比率が、5〜15である、態様1〜7のいずれか一項に記載のアクリルポリウレタンコーティング組成物。
〔態様9〕
前記イソシアネート成分が、前記ポリウレタンコーティング組成物に基づいて15重量%〜40重量%の量で存在し、前記イソシアネート反応混合物が、前記ポリウレタンコーティング組成物に基づいて25重量%〜60重量%の量で存在し、
前記ポリウレタンコーティング組成物が、50%超の固形分を有する、態様1〜8のいずれか一項に記載のアクリルポリウレタンコーティング組成物。
〔態様10〕
態様1〜9のいずれか一項に記載のアクリルポリウレタンコーティング組成物の前記イソシアネート成分及び前記イソシアネート反応混合物を可能にすることを含む、アクリルポリウレタンコーティングの形成方法。