(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記エンドエフェクタは、前記起動部材が第1の位置にあるときに前記起動部材が前記第2の方向に移動するのに応答して第1の起動モードで起動されるように構成されており、前記エンドエフェクタは、前記起動部材が第2の位置にあるときに前記起動部材が前記第2の方向に移動するのに応答して第2の起動モードで起動されるように構成されている、請求項1に記載の超音波器具。
前記起動部材は、第1の動作モードと第2の動作モードとの間で選択するように構成されており、前記エンドエフェクタは、前記第1の動作モードにおいて第1の電力レベルで組織に超音波エネルギーを印加するように構成されており、前記起動部材は、前記第2の動作モードにおいて第2の電力レベルで組織に超音波エネルギーを印加するように構成されている、請求項1に記載の超音波器具。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本技術の特定の実施例に関する以下の説明は、本技術の範囲を限定するために用いられてはならない。本技術のその他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、実例として、本技術を実施する上で想到される最良の態様の1つである以下の説明より当業者には明らかとなろう。理解されるように、本明細書に述べられる技術は、いずれもその技術から逸脱することなく、他の異なる明らかな態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく、例示的な性質のものと見なされるべきである。
【0010】
本明細書に述べられる教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ以上のものを、本明細書に述べられる他の教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ以上のものと組み合わせることができる点も更に理解される。したがって、以下に述べられる教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに分離して考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な適当な方法が、当業者には直ちに明らかとなろう。かかる改変例及び変形例は、「特許請求の範囲」内に含まれるものとする。
【0011】
本開示の明瞭さのために、「近位」及び「遠位」という用語は、遠位外科用エンドエフェクタを有する外科用器具を把持する一人の操作者又はその他の操作者に対して本明細書で定義される。「近位」という用語は、操作者又はその他の操作者により近い、要素の位置を指し、「遠位」という用語は、外科用器具の外科用エンドエフェクタにより近く、かつ操作者又はその他の操作者から更に離れた、要素の位置を指す。
【0012】
I.例示的な超音波外科用システムの概説
図1は、例示的な外科用システム(10)の構成要素を図形的ブロック形態で示したものである。示されるように、システム(10)は、超音波発生器(12)及び超音波外科用器具(20)を備える。以下でより詳細に記載されるように、器具(20)は、超音波振動エネルギーを使用して、実質的に同時に、組織を切開し、組織(例えば、血管など)を封着又は接合するように動作可能である。発生器(12)及び器具(20)は、ケーブル(14)を介して共に連結されている。ケーブル(14)は、複数の導線を含み得、発生器(12)から器具(20)への一方向の電気的導通、及び/又は発生器(12)と器具(20)との間の双方向の電気的導通を提供することができる。あくまで一例として、ケーブル(14)は、外科用器具(20)への電力のための「熱」線、アース線、及び外科用器具(20)から超音波発生器(12)に信号を送信するための信号線を備えてもよく、シールドが3本の導線を覆っている。いくつかの変形例において、別個の起動電圧に対して別個の「熱」線が使用される(例えば、第1の起動電圧に対して1本の「熱」線が使用され、第2の起動電圧に対して別の「熱」線が使用されるか、又はこれらの導線間で要求される出力に比例した可変電圧が使用される、など)。当然のことながら、任意のその他の好適な数又は構成の導線が使用されてもよい。ケーブル(14)が単に省略され得るように、システム(10)のいくつかの変形例は、発生器(12)を器具(20)内に組み込むことができることも理解されたい。
【0013】
あくまで一例として、発生器(12)は、Ethicon Endo−Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)により販売されているGEN04、GEN11、又はGEN300を備えてもよい。加えて又は代替として、発生器(12)は、2011年4月14日公開の「Surgical Generator for Ultrasonic and Electrosurgical Devices」と題される米国特許公開第2011/0087212号の教示の少なくともいくつかに従って構築され得、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。あるいは、任意のその他の好適な発生器(12)が使用されてもよい。以下でより詳細に記載されるように、発生器(12)は、電力を器具(20)に供給して超音波外科手術を行うように動作可能である。
【0014】
器具(20)は、外科手術中に操作者の片手(又は両手)で握られ、かつ当該操作者の片手(又は両手)で操作されるように構成されたハンドピース(22)を含む。例えば、いくつかの変形例では、ハンドピース(22)は、操作者によって鉛筆のように握られ得る。他のいくつかの変形例では、ハンドピース(22)は、操作者によってハサミのように握られ得るハサミグリップを含んでもよい。他のいくつかの変形例では、ハンドピース(22)は、操作者によってピストルのように握られ得るピストルグリップを含んでもよい。ハンドピース(22)が他の任意の好適な握り方で握られるように構成され得ることは言うまでもない。更に、器具(20)のいくつかの変形例では、ハンドピース(22)の代わりに、器具を(例えば、遠隔制御などを介して)動作させるように構成されたロボット外科用システムに連結された本体を使用することができる。本実施例では、ブレード(24)がハンドピース(22)から遠位に延びている。ハンドピース(22)は、超音波トランスデューサ(26)、及び超音波トランスデューサ(26)をブレード(24)と連結する超音波導波管(28)を含む。超音波トランスデューサ(26)は、ケーブル(14)を介して発生器(12)から電力を受け取る。超音波トランスデューサ(26)は、その圧電特性により、かかる電力を超音波振動エネルギーに変換するように動作可能である。
【0015】
超音波導波管(28)は、可撓性、半可撓性、剛性であってもよいし、又は任意のその他の好適な性質を有してもよい。上述したように、超音波トランスデューサ(26)は、超音波導波管(28)を介してブレード(24)と一体連結されている。具体的には、超音波トランスデューサ(26)が超音波周波数で振動するように起動している場合、かかる振動は、超音波導波管(28)を介してブレード(24)に伝達されて、ブレード(24)も超音波周波数で振動することになる。ブレード(24)が起動状態である(すなわち、超音波的に振動している)場合、ブレード(24)は、組織を効果的に切断し、組織を封着するように動作可能である。したがって、超音波トランスデューサ(26)、超音波導波管(28)、及びブレード(24)は共に、発生器(12)によって電力供給されると、外科手術を行うための超音波エネルギーを供給する音響アセンブリを形成する。ハンドピース(22)は、トランスデューサ(26)、超音波導波管(28)、及びブレード(24)によって形成される音響アセンブリの振動から操作者を実質的に隔離するように構成されている。
【0016】
いくつかの変形例において、超音波導波管(28)は、超音波導波管(28)を介してブレード(24)に伝達される機械的振動を増幅してもよい。超音波導波管(28)は、超音波導波管(28)に沿った長手方向振動の利得を制御するための特徴部、及び/又は超音波導波管(28)をシステム(10)の共振周波数と同調させるための特徴部を更に有してもよい。例えば、超音波導波管(28)は、ほぼ均一な断面などの任意の好適な断面寸法/構成を有してもよく、様々な部分で先細になっていてもよく、その全長に沿って先細になっていてもよく、又は任意のその他の好適な構成を有してもよい。超音波導波管(28)は、例えば、システムの波長の1/2の整数倍にほぼ等しい長さ(nλ/2)を有してもよい。超音波導波管(28)及びブレード(24)は、チタン合金(すなわち、Ti−6Al−4V)、アルミニウム合金、サファイア、ステンレス鋼、又は任意のその他の音響的に適合した材料若しくは材料の組み合わせなどの、超音波エネルギーを効率的に伝搬する材料又は材料の組み合わせから構築されたソリッドコアシャフトから製作されてもよい。
【0017】
本実施例では、ブレード(24)の遠位端は、組織による負荷が音響アセンブリに加えられていないとき、好ましい共振周波数f
oに音響アセンブリを同調させるために、導波管(28)を介して伝達される共振超音波振動に関連するアンチノードに対応する位置に(すなわち、音響アンチノードに)位置する。トランスデューサ(26)が通電されると、ブレード(24)の遠位端は、例えば、ピーク間で約10〜500マイクロメートル、場合によっては、例えば、55.5kHzの所定の振動周波数f
oにて約20〜約200マイクロメートルの範囲で長手方向に移動するように構成されている。本実施例のトランスデューサ(26)が起動しているとき、これらの機械的な振動は、ブレード(24)に到達するように導波管(28)を介して伝達され、それにより共振超音波周波数でブレード(24)の振動をもたらす。このため、ブレード(24)の超音波振動が、組織の切断と隣接した組織細胞内のタンパク質の変性とを同時に行い、それにより比較的少ない熱拡散で凝固効果を提供することができる。いくつかの変形例においては、更に組織を焼灼するために、電流がブレード(24)を介して提供されてもよい。
【0018】
あくまで一例として、超音波導波管(28)及びブレード(24)は、Ethicon Endo−Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)により製品コードSNGHK及びSNGCBとして販売されている構成要素を備えてもよい。あくまで更なる一例として、超音波導波管(28)及び/又はブレード(24)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2002年7月23日発行の「Ultrasonic Surgical Blade with Improved Cutting and Coagulation Features」と題された米国特許第6,423,082号の教示に従って構築され、動作可能であり得る。別のあくまで例示的な例として、超音波導波管(28)及び/又はブレード(24)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1994年6月28日発行の「Ultrasonic Scalpel Blade and Methods of Application」と題された米国特許第5,324,299号の教示に従って構築され、動作可能であり得る。超音波導波管(28)及びブレード(24)のその他の好適な特性及び形態は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。
【0019】
本実施例のハンドピース(22)はまた、制御セレクタ(30)及び作動スイッチ(32)も含み、これらはそれぞれ回路基板(34)と通信している。あくまで一例として、回路基板(34)は、従来のプリント回路基板、フレックス回路、リジッドフレックス回路を備えてもよく、又は任意のその他の好適な構造を有してもよい。制御セレクタ(30)及び起動スイッチ(32)は、1つ以上の導線、回路基板若しくはフレックス回路に形成された配線を介して、及び/又は任意のその他の好適な方法で、回路基板(34)と連通していることができる。回路基板(34)は、ケーブル(14)と連結されており、ケーブル(14)は、次いで、発生器(12)内の制御回路(16)と連結されている。起動スイッチ(32)は、超音波トランスデューサ(26)への電源を選択的に起動するように動作可能である。具体的には、スイッチ(32)が起動すると、かかる起動によってケーブル(14)を介して超音波トランスデューサ(26)に適切な電力が伝達される。あくまで一例として、起動スイッチ(32)は、本明細書で引用される様々な参照文献の教示のうちのいずれかに従って構築されてもよい。起動スイッチ(32)が採り得る他の様々な形態は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。
【0020】
本実施例では、外科用システム(10)は、少なくとも2つの異なるレベル又は種類の超音波エネルギー(例えば、異なる周波数及び/又は振幅など)をブレード(24)において供給するように動作可能である。そのために、制御セレクタ(30)は、操作者が所望のレベル/振幅の超音波エネルギーを選択することができるように動作可能である。あくまで一例として、制御セレクタ(30)は、本明細書で引用される様々な参照文献の教示のうちのいずれかに従って構築されてよい。制御セレクタ(30)が採り得る他の様々な形態は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。いくつかの変形例において、操作者が制御セレクタ(30)によって選択を行うと、操作者の選択は、ケーブル(14)を介して発生器(12)の制御回路(16)に戻して伝達され、これに従って、次回操作者が起動スイッチ(32)を作動させるときに、制御回路(16)が発生器(12)から伝達される電力を調節する。
【0021】
ブレード(24)において供給される超音波エネルギーのレベル/振幅は、発生器(12)からケーブル(14)を介して器具(20)に伝達される電力の特性の関数であり得ることを理解されたい。したがって、発生器(12)の制御回路(16)は、制御セレクタ(30)を通じて選択された超音波エネルギーのレベル/振幅又は種類に関連した特性を有する電力を(ケーブル(14)を介して)供給することができる。したがって、発生器(12)は、制御セレクタ(30)を介して操作者によって行われる選択に基づいて異なる種類又は程度の電力を超音波トランスデューサ(26)に伝達するように動作可能であり得る。具体的には、かつあくまで一例として、発生器(12)は、印加される信号の電圧及び/又は電流を増大させて、音響アセンブリの長手方向振幅を増大させることができる。あくまで例示的な一例として、発生器(12)は、それぞれが約50マイクロメートル及び約90マイクロメートルのブレード(24)の振動共振振幅に対応し得る「レベル1」と「レベル5」との間の選択可能性を提供することができる。制御回路(16)が構成され得る様々な方法は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。制御セレクタ(30)及び起動スイッチ(32)の代わりに、2つ以上の起動スイッチ(32)が使用され得ることも理解されたい。いくつかのかかる変形例では、ある起動スイッチ(32)は、ある電力レベル/種類でブレード(24)を起動させるように動作可能である一方で、別の起動スイッチ(32)は、別の電力レベル/種類などでブレード(24)を起動させるように動作可能である。
【0022】
いくつかの代替変形例では、制御回路(16)はハンドピース(22)内に位置する。例えば、いくつかのかかる変形例では、発生器(12)は1つのタイプの電力のみ(例えば、利用可能な1つの電圧及び/又は電流のみ)をハンドピース(22)に送信し、ハンドピース(22)内の制御回路(16)は、電力が超音波トランスデューサ(26)に到達する前に、制御セレクタ(30)を介して操作者によって行われる選択に従って電力(例えば、電力の電圧)を修正するように動作可能である。更に、発生器(12)は、外科用システム(10)の他の全ての構成要素と共にハンドピース(22)内に組み込まれてもよい。例えば、1つ以上の電池(図示せず)又は他の携帯型電源がハンドピース(22)内に設けられてもよい。
図1に示される構成要素が再配置されるか、又は他の方法で構成若しくは修正され得る更なる他の好適な方法が、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。
【0023】
II.例示的な超音波外科用器具の概要
以下の考察は、器具(20)の様々な例示的な構成要素及び構成に関するものである。以下に記載される器具(20)の様々な実施例を、上述の外科用システム(10)に容易に組み込むことができることを理解されたい。また上述した器具(20)の様々な構成要素及び操作性を、後述する器具(110)の例示的な変形例に容易に組み込むことができることも理解されたい。上記及び下記の教示を組み合わせ得る様々な好適な方法が、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。また、以下の教示が、本明細書で引用される参考文献の様々な教示と容易に組み合わせられ得ることも理解されたい。
【0024】
いくつかの例では、単一の外科用器具に様々な機能性を含めるのが有利であり得る。例えば、超音波外科用器具を使用する場合、いくつかの例では、様々なレベルの電力又はエネルギーを組織に送達するのが有用であり得る。特に、いくつかの例では、組織の切断及び封止の両方を必要とする場合があり、他の例では、組織の封止のみを必要とする場合がある。「封止」モード並びに「切断及び封止」モードで適用され得るエネルギー及び/又は電力のレベルは、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。様々なモードで動作するように外科用器具の機能性を高めることは有利であり得るが、そうすることで、操作者が理解し利用する必要があるボタン、スイッチ、及びその他の制御機構の数が増加することになり得る。したがって、使用の複雑さを増大させることなく、外科用器具の機能性を増大させることが望ましい。以下の実施例では、過度に複雑なユーザインタフェースを設けることなく、器具(20)の変形例における電力モードの改善された制御を提供する。
【0025】
A.操作者の特性を検知するためのセンサを含む器具
図2は、例示的な超音波外科用器具(110)を示す。器具(110)の少なくとも一部分は、以下の教示の少なくとも一部分に従って構築され、かつ動作可能であり得る:米国特許第5,322,055号、同第5,873,873号、同第5,980,510号、同第6,325,811号、同第6,773,444号、同第6,783,524号、同第8,461,744号、米国特許公開第2009/0105750号、同第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2010/0069940号、同第2012/0112687号、同第2012/0116265号、同第2014/0005701号、同第2014/0114334号、同第14/028,717号、及び/又は米国特許出願第61/410,603号。前述の特許、特許出願公開、及び特許出願の各々の開示は参照により本明細書に組み込まれる。その中に記載され、以下により詳細に記載されるように、器具(120)は、実質的に同時に、組織を切断し、組織を封着又は接合するように動作可能である。また、器具(120)が、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesとの種々の構造的及び機能的な類似性を有し得ることも理解されたい。更に、器具(120)は、本明細書で引用され参照により本明細書に組み込まれる他の参考文献のうちのいずれかにおいて教示される装置との種々の構造的及び機能的な類似性を有し得る。
【0026】
本明細書に引用される参考文献の教示と、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesと、器具(120)に関する以下の教示と、の間に何らかの重複が存在する場合、本明細書のいかなる説明も、認められた従来技術と見なす意図はない。本明細書のいくつかの教示は、実際には、本明細書に引用した参考文献の教示、並びにHARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及びHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesの範囲を超えるであろう。
【0027】
本実施例の器具(110)は、ハンドルアセンブリ(120)と、シャフトアセンブリ(130)と、エンドエフェクタ(140)と、を含む。ハンドルアセンブリ(120)は、ピストルグリップ(124)と一対のボタン(126)とを含む本体(22)を備えている。ハンドルアセンブリ(120)は、ピストルグリップ(124)に向かうように、またそれから離れるように枢動可能なトリガ(128)を更に含む。しかしながら、はさみグリップ構成が挙げられるがこれに限定されない、様々なその他の好適な構成が使用され得ることを理解されたい。エンドエフェクタ(140)は、超音波ブレード(160)と、枢動クランプアーム(144)と、を含む。超音波ブレード(160)は、上述の超音波ブレード(24)と同様に構成され、動作可能であってもよい。
【0028】
クランプアーム(144)はトリガ(128)と連結され、その結果、クランプアーム(144)は、ピストルグリップ(124)に向かうトリガ(128)の枢動に応答して超音波ブレード(160)に向かって枢動可能となり、また、クランプアーム(144)は、ピストルグリップ(124)から離れるトリガ(128)の枢動に反応して、超音波ブレード(160)から離れるように枢動可能となる。このように、クランプアーム(144)は、超音波ブレード(160)と協働して組織を把持及び解放するように動作可能である。更に、クランプアーム(144)は、超音波ブレード(160)に対して組織を圧縮し、それによって超音波ブレード(160)から組織への超音波振動の伝達を高めるように動作可能である。本明細書の教示を考慮すれば、クランプアーム(144)をトリガ(128)と連結させ得る様々な好適な手段が当業者に明らかとなるであろう。いくつかの変形例では、クランプアーム(144)及び/又はトリガ(128)を
図2に示す開放位置に付勢するために、1つ以上の弾性部材が使用される。
【0029】
超音波トランスデューサアセンブリ(112)は、ハンドルアセンブリ(120)の本体(122)から近位に延在する。トランスデューサアセンブリ(112)は、上述のトランスデューサ(26)と同様に構成され、動作可能であってもよい。トランスデューサアセンブリ(112)は、ケーブル(114)を介して発生器(116)と連結されている。トランスデューサアセンブリ(112)は発生器(116)から電力を受け取り、圧電原理によってその電力を超音波振動に変換することを理解されたい。発生器(116)は、上述した発生器(12)と同様に構成され、動作可能であってよい。このため、発生器(116)は、電源と、トランスデューサアセンブリ(112)による超音波振動の生成に特に適した電力プロファイルをトランスデューサアセンブリ(112)に提供するように構成された制御モジュールと、を含み得る。更に、発生器(116)の機能の少なくとも一部がハンドルアセンブリ(120)に組み込まれていてもよく、またハンドルアセンブリ(120)は更に電池又はその他の搭載された電源を含んで、その結果ケーブル(114)を省略してよいことも理解されたい。発生器(116)が取り得る更に他の好適な形態、並びに発生器(116)が提供し得る様々な特徴及び操作性は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0030】
図2に示すように、例として、クランプアーム(144)とブレード(160)との間に組織が挟まれているときにボタン(126)の特定の1つを作動させても、組織を封止するだけで組織を切断しないように、ボタン(126)のうちの1つは「封止」モードと関連付けられていてもよい。具体的には、ボタン(136)のうちの第1のボタンを起動させることにより、超音波ブレード(160)の振動を比較的低い振幅で生じさせることができる。同様に、更なる例として、クランプアーム(144)とブレード(160)との間に組織が挟まれているときにボタン(126)の特定の1つを作動させると、組織を封止かつ切断し得るように、他のボタン(126)は「切断及び封止」モードと関連付けられていてもよい。具体的には、ボタン(136)のうちの第2のボタンを起動させることにより、超音波ブレード(160)の振動を比較的高い振幅で生じさせることができる。ボタン(126)と関連付けることができるその他の好適な動作モードは、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなろう。
【0031】
図2を更に参照すると、ボタン(126)に関連付けられる動作モードは、器具(110)が感知する特定の特性に応じて変化させることができる。本実施例では、器具(110)は、操作者が左利きであるか右利きであるかを感知するように構成されたセンサ(180)を含む。具体的には、本実施例では、センサ(180)は、1つ以上の様々な適切な感知モダリティを使用して、操作者が器具(110)を左手で保持しているのか又は右手で保持しているのかを検知又は判定するように構成されている。好適な感知モダリティとしては、これらに限定するものではないが、誘導性、容量性、抵抗性、熱的、反射性、圧力、密度、赤外線/熱、トリガの横荷重、トリガの横振れ、トリガ閉鎖時の加速度計感知、及び本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなろう様々なその他の好適な感知モダリティが挙げられる。このような感知モダリティを器具(110)組み込むことができる様々な適切な方法、及び操作者がハンドルアセンブリ(120)を左手で把持しているのか又は右手で把持しているのか感知するためにこのような感知モダリティを使用することができる様々な適切な方法は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0032】
本実施例では1つのセンサ(180)が示されているが、他の変形例は、同じ又は異なるタイプの種々のセンサを含むことができる。更に、センサ(180)は、どの感知モダリティが利用されるかに応じて、例えばハンドルアセンブリ(120)内に配置され得ることが理解されよう。しかしながら、いくつかの実施例では、センサ(180)は、器具(110)の異なる部分の中、例えば、シャフトアセンブリ(130)、エンドエフェクタ(140)、及び/又は器具(110)のその他の適切な部品内に位置付けられてもよい。いくつかの実施例では、ボタンがトランスデューサ(112)を起動させるのではなく、トリガ(128)の閉鎖がトランスデューサ(112)を起動させてもよい。そのような実施例では、センサ(180)は、例えば、ピストルグリップ(124)のような器具(110)の特定の構成要素に対するトリガ(128)の角度を感知してもよい。トリガ(128)の閉鎖がトランスデューサ(112)の起動を開始させる実施例では、トランスデューサ(112)の早期又は意図しない起動の防止を防止することができる。トランスデューサ(112)を起動させるためのその他の好適な方法は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなろう。
【0033】
図示されるように、センサ(180)はコントローラ(190)と通信しているが、コントローラ(190)は、センサ(180)から感知/検知情報を受信することに応答して、ボタン(126)の作動時に器具(110)が動作すべき動作モードを、ボタン(126)、トランスデューサ(112)、及び/又は器具(110)のその他の構成要素に伝達することができる。例えば、操作者が特定の手でハンドルアセンブリ(120)を把持していることを感知すると、センサ(180)及びコントローラ(190)は、ボタン(126)のうちの1つの作動がトランスデューサ(112)及びブレード(160)を第1の動作モードで起動すべきであり、ボタン(126)のうちのもう一方の作動がトランスデューサ(112)及びブレード(160)を第2の動作モードで起動すべきであることを、器具(110)に伝達する。
【0034】
ボタン(126)に加えて、本実施例の器具(110)は、ハンドルアセンブリ(120)の各側にボタン(192)を更に含む。このようなボタン(192)は、いずれか1つのボタン(124)がピストルグリップ(124)を把持している手の親指によって係合され得るように位置決めされ、この特定のボタン(192)は、操作者がピストルグリップ(124)を把持するために使用しているのがどちらの手であるかに応じて異なる。ボタン(192)はハンドルアセンブリ(120)の片側に示されているが、ハンドルアセンブリ(120)の図示されていない他方の側に別のボタン(192)が配置されていることが理解される。いくつかの変形例では、ボタン(192)は、トランスデューサ(112)を起動してブレード(160)が超音波周波数で振動するようにブレード(160)を駆動するように動作可能である。いくつかのそのような変形例では、ボタン(126)のうちの1つ又は両方が省略される。例えば、1つのボタン(126)は、ある電力レベルにおいて超音波エネルギーを提供することができ、他方のボタン(192)は、別の電力レベルにおいて超音波エネルギーを提供することができる。いくつかの他の変形例では、ボタン(192)は、エンドエフェクタ(140)を介してRF電気外科エネルギーを組織に印加するように構成された特徴部を起動するように動作可能である。ほんの一例として、ボタン(192)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年5月21日公開の「Ultrasonic Surgical Instrument with Electrosurgical Feature」と題された米国特許公開第2015/0141981号の教示の少なくとも一部に従って構成され、動作可能であってもよい。更に単なる例示として、エンドエフェクタ(140)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年3月4日発行の「Ultrasonic Surgical Instruments」と題された米国特許第8,663,220号の教示の少なくとも一部に従って、RF電気外科的機能を組み込んでもよい。ボタン(192)に関連し得る他の好適な機能、及びエンドエフェクタ(140)がRF電気外科的機能を組み込むことができる他の好適な方法は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0035】
本実施例では、コントローラ(190)は、センサ(180)によって検知された際に、ハンドルアセンブリ(120)を把持するために操作者がどちらの手を使用しているかに基づいて、一方のボタン(192)を選択的に有効にし、他方のボタン(192)を無効にするように構成されている。例えば、コントローラ(190)は、操作者が操作者の左手でハンドルアセンブリ(120)を把持していることを検知すると、ハンドルアセンブリ(120)の右側(すなわち、操作者の左手の親指が位置するであろう場所)にあるボタン(192)を有効にし、ハンドルアセンブリ(120)の左側にあるボタン(192)を無効にすることができる。これにより、左手でハンドルアセンブリ(120)を把持している操作者が、ハンドルアセンブリ(120)の右側にあるボタン(192)を作動させると、右側ボタン(192)の作動によりブレード(160)の超音波振動及び/又はエンドエフェクタ(140)を介した組織へのRFエネルギーの印加が引き起こされる。左手でハンドルアセンブリ(120)を把持している同じ操作者が、ハンドルアセンブリ(120)の左側にあるボタン(192)を偶発的に作動させたとしても、左側ボタン(192)の作動は効力を有さない。
【0036】
逆に、右手でハンドルアセンブリ(120)を把持している操作者が、ハンドルアセンブリ(120)の左側(すなわち、操作者の右手の親指が位置するであろう場所)にあるボタン(192)を作動させると、左側ボタン(192)の作動によりブレード(160)の超音波振動及び/又はエンドエフェクタ(140)を介した組織へのRFエネルギーの印加が引き起こされる。右手でハンドルアセンブリ(120)を把持している同じ操作者が、ハンドルアセンブリ(120)の右側にあるボタン(192)を偶発的に作動させたとしても、右側ボタン(192)の作動は効力を有さない。
【0037】
別のあくまで例示的な変形例として、コントローラ(190)は、器具(110)の作動中に両方のボタン(192)を依然として有効にし、なおかつ、操作者がハンドルアセンブリ(120)を把持するために使用する手に基づいて、各ボタン(192)の作動に応答して、異なる機能を提供してもよい。例えば、コントローラ(190)は、操作者が左手でハンドルアセンブリ(120)を把持しているときに、左側ボタン(192)の作動に応答して第1の機能を提供し、右側ボタン(192)の作動に応答して第2の機能を提供してもよい。センサ(180)によって感知されたデータに応答して器具(110)が動作し得るその他の適切な動作モード、及びセンサ(180)によって感知されたデータに基づいて器具(110)が提供し得るその他の応答は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなろう。
【0038】
B.多位置にトグルする作動ボタンを備えた外科用器具
図3〜
図4Cは、外科用器具(110)と実質的に同様に動作するように構成された例示的な代替の外科用器具(210)を示している。このため、同一又は類似の構造体には同様の参照番号が付されており、以下で詳細に説明しない。
図3にはエンドエフェクタは示されていないが、器具(210)は、上記に述べたエンドエフェクタ(140)と同様のエンドエフェクタを含んでいることが理解されるであろう。トランスデューサ(112)はケーブル(14)を介して発生器(12、116)と通信していてもよいことが更に理解されるであろう」。本実施例の外科用器具(210)は、様々な位置の間を遷移するように構成された単一の起動ボタン(226)を含む。詳細に後述するように、器具(210)は、起動ボタン(226)が作動される際の起動ボタン(226)の位置に応じて異なる動作モードで動作するように構成されている。
【0039】
本実施例では、ボタン(226)は、それぞれが異なる動作モードに関連付けられた3つの位置の間でトグルするように構成されている。ボタン(226)を(双方向矢印(228)に沿って)3つの位置のうちの1つに位置付けたら、ボタンを押圧して、ないしは別の方法で作動させて(例えば、矢印(230)の方向に)、トランスデューサ(112)を起動させ、それによってブレード(160)を起動させることができる。図の実施例では、第1の位置では(
図4A)、ボタン(226)は横方向の中心にある。第2の位置では、
図4Bに示すように、ボタン(226)が器具の長手方向軸線に垂直な軸を中心に第1の方向に枢動されており、これによりボタン(226)は、横方向の中心位置の第1の側に偏っている。
図4Cに示す第3の位置では、ボタン(226)が器具(210)の長手方向軸線に垂直な軸を中心に第2の方向(第1の方向と反対側)に枢動されており、これによりボタン(226)は、横方向の中心位置の第2の側に偏っている。ボタン(226)は、第1の位置と第2の位置と第3の位置との間を遷移するように、軸を中心に枢動するように示されているが、他の変形例は、ボタン(226)の純粋な横移動(すなわち、真っすぐな線状経路に沿った横移動)をもたらして、第1の位置と第2の位置と第3の位置との間で遷移させてもよい。
【0040】
いくつかの変形例では、ボタン(226)は、第1、第2、及び第3の位置から選択された位置にボタン(226)の位置を選択的に維持する戻り止め特徴部を含む。このような戻り止め特徴部は、第1の位置と第2の位置と第3の位置との間の移動に対するある程度の抵抗を提供する(すなわち、第1の位置と第2の位置と第3の位置との間の意図しない移動を防止する)ことができ、なおかつ、第1の位置と第2の位置と第3の位置との間の意図される移動を可能にする。こうした戻り止め特徴部が採り得る様々な好適な形態は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。追加的にあるいは代替的に、ボタン(226)は、第2の位置又は第3の位置を実現するために操作者が弾性付勢を克服しなければならないように、第1の位置に向かって弾性的に付勢されてもよい。そのようないくつかの変形例では、操作者は、第2の位置又は第3の位置を維持するために、保持力を維持する必要がある。操作者が保持力を取り除くと、ボタン(226)が第1の位置に戻るように弾性的に付勢される。
【0041】
ボタン(226)は、3つの位置の間で遷移するように動作可能であるように示されているが、ボタン(226)は、3つを超える位置又は3つよりも少ない位置をとるように動作可能であり得ることが理解されるであろう。ボタン(226)は、器具(210)の長手方向軸線に垂直な軸に沿って回転又は枢動して、第1の位置と第2の位置と第3の位置との間で移動するように示されているが、ボタンは、様々な動作モードに関連する様々な位置をとるように、異なる向きの軸を中心に回転可能であってもよい及び/又は異なる軸に沿って並進してもよいことが理解されるであろう。ボタン(226)のその他の好適な構成は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなろう。
【0042】
図の実施例では、ボタン(226)が第1の位置にあるとき、ボタン(226)はトランスデューサ(112)及びブレード(160)を作動させることができない。いくつかの変形例では、器具(210)は、ボタン(226)が第1の位置にあるときに、ボタン(226)を作動させることによって矢印(230)の方向に移動することを物理的に抵抗又は阻止するロック要素を含む。いくつかの他の変形例では、ボタン(226)が第1の位置にある間にボタン(226)を矢印(230)の方向に物理的に作動させることができるが、第1の位置にあるボタン(226)のそのような作動は、トランスデューサ(112)及びブレード(160)の起動を引き起こさない。例えば、ボタン(226)は、ボタン(226)が第1の位置にあるときに起動回路を閉じることができない場合がある。更に他の実施例では、ボタン(226)が第1の位置にある間にボタン(226)が作動されると、ボタン(226)は、第1の動作モード(例えば、低超音波エネルギー、高超音波エネルギー、RFエネルギーなど)でエンドエフェクタ(140)を起動させる。
【0043】
本実施例では、第2の位置におけるボタン(226)の作動は、トランスデューサ(112)及びブレード(160)を第1の電力レベルで起動させ、第3の位置におけるボタン(226)の作動は、トランスデューサ(112)及びブレード(160)を第2の電力レベルで起動させる。ほんの一例として、第1の電力レベルは、上述の「封止」モードを提供することができる。一方、第2の電力レベルは、上述の「切断及び封止」モードを提供することができる。他の変形例では、ボタン(226)の異なる位置は、その他の異なる電力レベル又は起動モードに関連付けられてもよい。更に、ボタン(226)の個別の位置を特定の動作モードと関連付けることに加えて、あるいはその代わりに、ボタンを第1又は第2の方向にトグルすることにより、電力レベルを段階状の代わりに連続した線形状に変化させてもよい。ボタン(226)の位置に基づいて上述した応答を提供するために器具(210)に組み込むことができる様々な構成要素及び構成は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0044】
C.調節可能なスクロール起動ボタンを備えた外科用器具
図5〜
図6は、外科用器具(110)と実質的に同様に動作するように構成された例示的な代替の外科用器具(310)を示している。このため、同一又は類似の構造体には同様の参照番号が付されており、以下で詳細に説明しない。
図4にはエンドエフェクタは示されていないが、器具(310)は、上記に述べたエンドエフェクタ(140)と同様のエンドエフェクタを含んでいることが理解されるであろう。トランスデューサ(112)はケーブル(14)を介して発生器(12、116)と通信していてもよいことが更に理解されるであろう。外科用器具(310)は、電力レベル表示装置(328)に示される電力レベル又は起動モードを選択するために回転可能な単一の起動ボタン(326)を含む。したがって、詳細に後述するように、器具(310)は、起動ボタン(326)が作動された際の起動ボタン(326)の回転位置に応じて異なる動作モードで動作するように構成されている。
【0045】
具体的には、ボタン(326)は、シャフトアセンブリ(130)の長手方向軸線に垂直な軸線を中心に回転可能である。図の実施例では、ボタン(326)を第1の方向(
図6に示すように左)に回転させることで、電力レベルを上昇させ、ボタンを第2の方向(
図4に示すように右)に回転させることで、電力レベルを低下させる。しかしながら、別の実施例では、第1の方向の回転が電力レベルを減少させ、第2の方向の回転が電力レベルを上昇させてもよい。本実施例では、ボタン(326)は、ボタン(326)が第1の方向又は第2の方向に回転されると電力レベルを直線的かつ連続的にそれぞれ増減させる、ポテンショメータに関連付けられる。
【0046】
しかしながら、いくつかの他の実施例では、ボタン(326)の回転は、個別の電力レベル又は動作モードの間での段階的な増減をもたらしてもよい。例えば、ボタン(326)の第1の方向の回転は、電力レベルを、ゼロから、上述の「封止」起動モードに関連付けられた電力レベルまで、上述の「切断及び封止」起動モードに関連付けられた電力レベルまで、及びゼロと「封止」との間、「封止」と「切断及び封止」との間、並びに上記「切断及び封止」の任意の好適な数のモードまで、上昇させてもよい。同様に、ボタン(326)の第2の方向の回転は、電力レベルを、例えば、「切断及び封止」起動モードに関連付けられた電力レベルから、「封止」起動モードまで、ゼロまで、並びに「切断及び封止」と「封止」との間並びに「封止」とゼロとの間の任意の好適な数のモードまで、減少させてもよい。ボタン(326)の位置決めに従って提供され得る他の好適な起動モードは、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなろう。ボタン(326)の回転が個別の電力レベル又は動作モードの間で段階的な増減をもたらす変形例では、戻り止め特徴部及び/又はその他の特徴部は、器具(310)が個別の電力レベル又は動作モードの間で遷移していることを操作者に示す触覚及び/又は可聴フィードバックを提供することができる。
【0047】
図示されるように、ボタン(326)が第1の方向に更に回転することが阻止される最大電力レベルに達するまで、ボタン(326)を回転させることができる。同様に、最小電力レベル(例えば、ゼロ電力)に達するまで、ボタンを第2の方向に回転させることができる。ボタン(326)の更なる回転を阻止する様々な好適な機構又は他の方法は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなろう。しかしながら、いくつかの実施例では、ボタン(326)は、電力レベルが最小及び最大に達した後に回転し続けることができる。そのような実施例では、器具(310)は、電力レベルが所定の最大電力レベルを超えて上昇することを防止するために、適切な電子制御を含んでもよい。
【0048】
ボタン(326)は、シャフトアセンブリ(130)の長手方向軸線に垂直な軸を中心に回転されて電力レベルを増減させるように示されているが、様々な電力レベルに関連する様々な位置をとるように異なって位置付けられた軸に沿ってボタン(326)を回転させてもよいことが理解されるであろう。更に、いくつかの実施例では、電力レベルを増減させるために、ボタン(326)を回転させるのではなく、並進させてもよい(例えば、長手方向軸線に対して平行、垂直、又は斜めに)。
【0049】
電力レベル表示装置(328)は、ボタン(326)の回転によって選択された電力レベルを示す視覚的フィードバックを操作者に提供するように構成されている。図示されるように、表示装置(328)は、低電力レベルに関連付けられた近位端(332)と、高電力レベルに関連付けられた遠位端(334)と、を含む。本実施例では、電力レベルが増加するにつれて、表示装置(328)の異なる部分が照明される。例えば、電力レベルが高くなるにつれて、表示装置(328)のより多くの遠位部分が漸次照明される。いくつかの実施例では、表示装置(328)は、電力レベルに関連付けられた色を含む。そのような実施例では、緑色及び黄色は、比較的低い電力レベルを示すことができ、橙色及び赤色は、比較的高い電力レベルを示すことができる。ほんの一例として、表示装置(328)は、LED又はその他の光源の線形アレイを含むことができる。表示装置(328)を提供するために使用可能な他の好適な構成要素及び構成は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなろう。
【0050】
D.連続的に可変な起動ボタンを備えた外科用器具
図7は、外科用器具(110)と実質的に同様に動作するように構成された例示的な代替の外科用器具(410)を示す。このため、同一又は類似の構造体には同様の参照番号が付されており、以下で詳細に説明しない。
図7にはエンドエフェクタは示されていないが、器具(410)は、上記に述べたエンドエフェクタ(140)と同様のエンドエフェクタを含んでいることが理解されるであろう。トランスデューサ(112)はケーブル(14)を介して発生器(12、116)と通信していてもよいことが更に理解されるであろう。図示されるように、外科用器具(410)は、個別のモード又は電力レベルで動作するのではなく、連続的に可変の電力レベルを提供するように構成された単一の起動ボタン(426)を含む。具体的には、図の実施例では、ボタン(436)の近位作動の深さが増大するにつれて、トランスデューサ(112)及びブレード(160)の電力レベルが増大する。
【0051】
本実施例では、
図8に示すように、ボタン(436)の押し込み深さが増加するにつれて、超音波ブレード(160)の電力設定又は変位が直線的に増加する。しかしながら、いくつかの他の実施例では、超音波ブレード(160)の電力設定又は変位は、段階的、急激等の非線形率で増加してもよい。超音波ブレード(160)の電力設定又は変位と、ボタン(426)の深さ又は圧力と、の間のその他の好適な関係は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなろう。いくつかの実施例では、操作者に触覚フィードバックを提供し、かつボタン(436)及び超音波ブレード(160)の動きをより制御するために、ボタン(436)の張力又は物理的抵抗は、押し込み距離(throw)にわたって(すなわち、ボタン(436)が移動する範囲にわたって)変化してもよい。電力レベルが連続的に可変であるボタン(436)を設けることにより、操作者は、個別の設定(最大、最小等)に制約されることなく一連のモード(例えば、電力レベル)にわたって操作することが可能となる。
【0052】
E.多機能の単一起動ボタンを備えた外科用器具
図9は、外科用器具(110)と実質的に同様に動作するように構成された例示的な代替の外科用器具(510)を示す。このため、同一又は類似の構造体には同様の参照番号が付されており、以下で詳細に説明しない。
図9にはエンドエフェクタは示されていないが、器具(510)は、エンドエフェクタ(140)と同様のエンドエフェクタを含んでいることが理解されるであろう。トランスデューサ(112)はケーブル(14)を介して発生器(12、116)と通信していてもよいことが更に理解されるであろう。
【0053】
図示されるように、機器(510)は、様々な動作モードに関連付けられた複数のスイッチを有する単一の起動ボタン(526)を含む。本実施例では、ボタン(526)は、第1の脚部(526a)、第2の脚部(526b)、第3の脚部(526c)、及び第4の脚部(526d)を有する多方向ボタンである。脚部(526a、526b、526c、526d)は、互いに垂直であり、それによって「+」構成を画定する。いくつかの他の変形例では、ボタン(526)は、円形又は他の何らかの形状を有する。各脚部(526a、526b、526c、526d)は別々に押圧されてもよく、又は一対の脚部(526a、526b、526c、526d)が同時に押圧されてもよいことを理解すべきである。より詳細に後述するように、1つ以上の脚部が押されると(526a、526b、526c、526d)、ボタン(526)は1つ以上の対応するスイッチを閉じ、それによってエンドエフェクタ(140)を起動させる。
【0054】
ほんの一例として、第1の脚部(526a)は「最大」設定に関連付けられていてよく、第2の脚部(526b)は「最小」設定に関連付けられていてよく、第3及び第4の脚部(526c、526d)は「止血」設定に関連付けられていてよい。「最小」、「最大」、及び「止血」モードで適用され得るエネルギー及び/又は電力のレベルは、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなろう。ボタン(526)は、超音波及びRF電力送達モードからの選択を提供するように動作可能であることも理解されたい。例えば、第1及び第2の脚部(526a、526b)は、2つの異なる電力レベルでエンドエフェクタ(140)で超音波エネルギーを提供するように動作可能であり得、第3及び第4の脚部(526c、526d)は、2つの異なる電力レベルでエンドエフェクタ(140)でRFエネルギーを提供するように動作可能であり得る。
【0055】
本実施例では、ボタン(526)は、少なくとも2つの動作モードを可能にする4つの脚部(526a、526b、526c、526d)を含む。第3及び第4の脚部(526c、526d)がそれぞれ「止血」動作モード(又は他の動作モード)を作動させる変形例では、第3及び第4の脚部(526c、526d)が互いに対向する横方向の位置にあることから、施術者は、操作者又は施術者が左利きであるか又は右利きであるかに関係なく「止血」動作モード(又は他の動作モード)を容易に利用することができる。すなわち、右利きの人にとっては、第4の脚部(526d)よりも第3の脚部(526c)の方がよりアクセスしやすい場合がある。同様に、左利きの人にとっては、第3の脚部(526c)よりも第4の脚部(526d)の方がよりアクセスしやすい場合がある。第1及び第2の脚部(526a、526b)の位置は器具(510)の長手方向軸線に一致するため、施術者が左利きであるか又は右利きであるかに関係なく、施術者は、第1及び第2の脚部(526a、526b)のどちらにも容易にアクセスすることができる。
図9に示すように、ボタン(526)は、シャフトアセンブリ(130)の長手方向軸線に垂直な平面に沿って延在する。しかしながら、他の実施例では、ボタン(526)は、シャフトアセンブリ(130)の長手方向軸線に対して斜めに向いている平面に沿って延在してもよい。
【0056】
図10は、ボタン(526)に関連付けられ得るスイッチ(550a、550b)のレイアウトの一実施例を示している。具体的には、ボタン(526)が作動されると少なくとも1つのスイッチ(550a、550b)が閉じるように、スイッチ(550a、550b)はボタン(526)の下に配置されてもよい。いくつかのそのような変形例では、スイッチ(550a)は、脚部(526a、526c、526d)のうちの少なくとも1つ又はボタン(526)の中心が作動されたときにはスイッチ(550a)が閉じるが、脚部(526b)が作動されたときには閉じないように位置付けられる。スイッチ(550b)は、脚部(526b、526c、526d)のうちの少なくとも1つ又はボタン(526)の中心が作動されたときにはスイッチ(550b)が閉じるが、脚部(526b)が作動されたときには閉じないように位置付けられる。したがって、ボタン(526)が作動されていなければ、両スイッチ(550a、550b)が開いていることを理解すべきである。操作者が脚部(526a)を作動させると、スイッチ(550a)が閉じる。操作者が脚部(526b)を作動させると、スイッチ(550b)が閉じる。操作者が脚部(526c)、脚部(526d)、又はボタン(526)の中心のいずれかを作動させると、両スイッチ(550a、550b)が閉じる。
【0057】
図10のスイッチ(550a、550b)のレイアウトを使用するいくつかの変形例では、制御ロジック(例えば、器具(510)内及び/又は発生器(116)内)は、単一のスイッチ(550a、550b)の閉鎖に応じて電力選択を提供し、両方のスイッチ(550a、550b)が同時に閉鎖されたことに応じて起動する、制御アルゴリズムでプログラムされる。例えば、操作者は、最初に脚部(526a)又は脚部(526b)のいずれかを押圧して、それぞれスイッチ(550a)のみ又はスイッチ(550b)のみを閉じることができる。操作者が脚部(526a)を作動させ、それによってスイッチ(550a)のみを閉じると、制御ロジックは第1の電力レベルを選択することができる。操作者が脚部(526b)を作動させ、それによってスイッチ(550b)のみを閉じると、制御ロジックは第2の電力レベルを選択することができる。操作者が脚部(526a)又は脚部(526b)のいずれかを作動させることによって電力レベルを選択した後、操作者は次に、脚部(526c)又は脚部(526d)のいずれかを作動させて、両方のスイッチ(550a、550b)を同時に閉じることができる。スイッチ(550a、550b)の同時閉鎖に応答して、制御ロジックは、操作者が脚部(526c)を作動させたか又は脚部(526d)を作動させたかにかかわらず、選択された電力レベルでエンドエフェクタの起動をもたらすことができる。
【0058】
図11は、ボタン(526)に関連付けられ得るスイッチ(552a、552b、552c)のレイアウトの別の実施例を示している。具体的には、ボタン(526)が作動されると少なくとも1つのスイッチ(552a、552b、552c)が閉じるように、スイッチ(552a、552b、552c)はボタン(526)の下に配置され得る。いくつかのそのような変形例では、スイッチ(552a)は、脚部(526a、526c、526d)のうちの少なくとも1つ又はボタン(526)の中心が作動されたときにスイッチ(552a)が閉じるが、脚部(526b)が作動されたときには閉じないように位置付けられる。スイッチ(552b)は、脚部(526b、526d)のうちの少なくとも1つ又はボタン(526)の中心が作動されたときにスイッチ(552b)が閉じるが、脚部(526a、526c)が作動されたときには閉じないように位置付けられる。スイッチ(552c)は、脚部(526b、526c)のうちの少なくとも1つ又はボタン(526)の中心が作動されたときにスイッチ(552c)が閉じるが、脚部(526a、526d)が作動されたときには閉じないように位置付けられる。したがって、ボタン(526)が作動されていなければ、全てのスイッチ(552a、552b、552c)が開いていることを理解すべきである。操作者が脚部(526a)を作動させると、スイッチ(552a)が閉じる。操作者が脚部(526b)を作動させると、スイッチ(552b、552c)が閉じる。操作者が脚部(526c)を作動させると、スイッチ(552a、552c)が閉じる。操作者が脚部(526d)を作動させると、スイッチ(552a、552b)が閉じる。操作者がボタン(526)の中心を作動させると、全てのスイッチ(552a、552b、552c)が閉じる。スイッチ(552a、552b、552c)閉鎖の様々な並べ替えに応じて実行することができる様々な好適な制御アルゴリズムは、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0059】
図12は、ボタン(526)に関連付けられ得るスイッチ(554a、554b、554c、554d)のレイアウトの別の実施例を示している。具体的には、ボタン(526)が作動されると少なくとも1つのスイッチ(554a、554b、554c、554d)が閉じるように、スイッチ(554a、554b、554c、554d)はボタン(526)の下に配置され得る。いくつかのそのような変形例では、スイッチ(554a)は、脚部(526a)又はボタン(526)の中心が作動されたときにスイッチ(554a)が閉じるように位置付けられる。スイッチ(554b)は、脚部(526d)又はボタン(526)の中心が作動されたときにスイッチ(554b)が閉じるように位置付けられる。スイッチ(554c)は、脚部(526c)又はボタン(526)の中心が作動されたときにスイッチ(554c)が閉じるように位置付けられる。スイッチ(554d)は、脚部(526b)又はボタン(526)の中心が作動されたときにスイッチ(554d)が閉じるように位置付けられる。したがって、ボタン(526)が作動されていなければ、全てのスイッチ(554a、554b、554c、554d)が開いている。
【0060】
図12の実施例を続けると、操作者が脚部(526a)を作動させると、スイッチ(554a)が閉じる。操作者が脚部(526b)を作動させると、スイッチ(554b)が閉じる。操作者が脚部(526c)を作動させると、スイッチ(554c)が閉じる。操作者が脚部(526c)を作動させると、スイッチ(554c)が閉じる。操作者が脚部(526a、526d)を同時に作動させると、スイッチ(554a、554b)が閉じる。操作者が脚部(526d、526b)を同時に作動させると、スイッチ(554b、554c)が閉じる。操作者が脚部(526b、526c)を同時に作動させると、スイッチ(554c、554d)が閉じる。操作者が脚部(526c、526a)を同時に作動させると、スイッチ(554d、554a)が閉じる。操作者がボタン(526)の中心を作動させると、全てのスイッチ(554a、554b、554c、554d)が閉じる。スイッチ(554a、554b、554c、554d)閉鎖の様々な並べ替えに応じて実行することができる様々な好適な制御アルゴリズムは、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0061】
ボタン及びスイッチの他の好適な構成、並びにそれに関連する電力レベル及び動作モードは、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなろう。
【0062】
F.2段スイッチを備えた外科用器具
図13は、外科用器具(110)と実質的に同様に動作するように構成された例示的な代替の外科用器具(610)を示す。このため、同一又は類似の構造体には同様の参照番号が付されており、以下で詳細に説明しない。
図13にはエンドエフェクタは示されていないが、器具(510)は、エンドエフェクタ(140)と同様のエンドエフェクタを含んでいることが理解されるであろう。トランスデューサ(112)はケーブル(14)を介して発生器(12、116)と通信していてもよいことが更に理解されるであろう。器具(610)は、図示されるように、第1のスイッチ(626a)と第2のスイッチ(626b)とを含む2段スイッチ(626)を含む。この実施例では、スイッチ(626a、626b)は同軸上に互いに整列されている。以下に更に詳細に説明するように、第1のスイッチ(626a)を作動又は押下することにより、トランスデューサ(112)は第1の動作モードで動作するように起動され、第1及び第2のスイッチ(626a、626b)の両方を一緒に押下することにより、トランスデューサ(112)は第2の動作モードで動作するように起動される。
【0063】
図示されるように、第1のスイッチ(626a)は、第1のスイッチ(626a)の遠位端(630)と近位端(632)との間に延在する中央開口部(628)を規定する。第1のスイッチ(626a)は近位フランジ(634)を含む。第2のスイッチ(626a)は、第1のスイッチ(626a)の開口部(628)に受容されるように形成されかつ構成されたロッド部材(636)を含む。第2のスイッチ(626b)は、ロッド部材(636)から半径方向外向きに延びる近位フランジ(638)を含む。図示されるように、開口部(628)は略正方形の断面形状を有しており、ロッド部材(636)も略正方形の断面形状を有している。しかしながら、他の実施例では、第1及び第2のスイッチ(626a、626b)の、開口部(628)及びロッド(636)を含む部分は、任意のその他の適切な断面形状(例えば円形等)を有してもよい。
【0064】
本実施例では、第1及び第2のスイッチ(626a、626b)は、操作者が望むなら第1及び第2のスイッチ(626a、626b)を同時に押すことができるように共同設置されている。より具体的には、第1及び第2のスイッチ(626a、626b)は、第1及び第2のスイッチがシャフトアセンブリ(130)の長手方向軸線に平行であるがオフセットされている軸に沿って延びるように、互いに対して同軸に配向される。他の実施例では、第1及び第2のスイッチ(626a、626b)は、共同設置されるが必ずしも互いに同軸でなくてもよい。図の実施例では、第1及び第2のスイッチ(626a、626b)はそれぞれ、対応する第1及び第2のスイッチ(626a、626b)をそれぞれがハウジング(122)に対して遠位に(例えば、エンドエフェクタ(40)の方に)に付勢する、対応する弾性部材(640a、640b)と連通している。
【0065】
本実施例のスイッチ(626)は、以下に更に詳細に説明するように、器具(610)を種々の動作モードの間で切り替えるために、3つの位置の間で移動可能である。
図14Aに示すスイッチ(626)の第1の位置では、第1及び第2のスイッチ(626a、626b)の両方がハウジング(122)に対して遠位に延在する位置にある。第1の位置において、スイッチ(626a、626b)は、ロッド部材(636)が遠位端(630)に近接している状態で、ロッド部材(636)が開口部(628)内の奥まった位置にあるように構成される。第2の位置では、
図14Bに示すように、第2のスイッチ(626b)は
図14Aに示すのと実質的に同じ位置にとどまり、第1のスイッチ(626a)は、第1の弾性部材(640a)の遠位付勢を克服するのに十分な力を付与した後、近位に作動又は押下されている。したがって、第1のスイッチ(626a)は、第2のスイッチ(626b)が静止している間に第1の可動域にわたって近位に並進するように構成されていることを理解すべきである。図示されるように、第1のスイッチ(626a)の近位フランジ(634)は、第1のスイッチ(626a)の更なる近位移動が第2のスイッチ(626b)を近位に駆動するように、第2の位置において第2のスイッチ(626b)の近位フランジ(638)に当接する。いくつかの実施例では、第2の弾性部材(640b)は、スイッチ(626)に対するユーザによる十分な付加的な力がないときは、第1のスイッチ(626a)が更に近接移動するのに抵抗するように構成されている。
【0066】
図14Bに示すように、第2の位置では、ロッド部材(636)の遠位部分(642)は、第1のスイッチ(626a)の遠位端(630)よりも僅かに遠位に延びている。したがって、スイッチ(626)の複数の特徴により、第1のスイッチ(626a)が第2のスイッチ(626b)に対して押下されると、操作者にスイッチ(626)の位置(したがって、更に後述される器具(610)の動作モード)を知らせる更なる触覚フィードバックが操作者に与えられる。最初に、操作者の指が、ロッド部材(636)の遠位部分(642)に接触し、ロッド部材(636)の遠位部分(642)が遠位端(630)の遠位に延びたことを感じることができる。更に、場合によっては、操作者は、弾性部材(640a、640b)からの付勢により、第1及び第2のスイッチ(626a、626b)が更に近位に動くことを防止する抵抗を感じることがある。追加的に又は代替的に、操作者は、互いに接触するフランジ(634、638)から触覚フィードバックを感知する又は感じることができる。
【0067】
図13Cに示すようにスイッチ(626)を第3の位置に移動させるために、操作者は、第1及び第2のスイッチ(626a、626b)の両方を一緒に近位に更に押下又は作動させることができる。上述したように、操作者は、スイッチ(626)を第3の位置に移行させるために、弾性部材(640a、640b)の遠位弾性付勢を克服するために、第1及び第2のスイッチ(626a、626b)を十分な力で押下する。いくつかの実施例では、器具(610)は、操作者が第1及び第2のスイッチ(626a、626b)を更に近位(例えば、
図13Cに示す第3の位置を越えて近位に)に後退させることを防ぐ別の有益な停止特徴部を含んで、スイッチ(626)の位置を操作者に知らせる別の触覚フィードバック特徴を提供してもよい。
【0068】
本実施例では、スイッチ(626)が第1の位置にあるとき、トランスデューサ(112)及びブレード(160)は非起動状態にある。スイッチ(626)が第2の位置にあるとき、トランスデューサ(112)及びブレード(160)は、第1の動作モード又は電力レベルで起動される。第1の動作モードは、本明細書で述べられている動作モードのいずれかであってもよいし、又は本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなる他の動作モードであってもよい。例えば、第1の動作モードは、上記の「封止」モードであってよい。スイッチ(626)が第3の位置にあるとき、トランスデューサ(112)及びブレード(160)は、第2の動作モード又は電力レベルで起動される。第2の動作モードは、本明細書で述べられている動作モードのいずれかであってもよいし、又は本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなる他の動作モードであってもよい。例えば、第2の動作モードは、上記の「切断及び封止」モードあってよい。スイッチ(626)の他の好適な動作モード及び構成は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなろう。
【0069】
III.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の出願におけるどの時点でも提示され得るいずれの請求項の適用範囲も限定することを目的としたものではないことを理解されたい。一切の権利放棄を意図するものではない。以下の実施例は単なる例証目的で与えられるものにすぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で配置及び適用され得ることが企図される。また、いくつかの変形形態では、以下の実施例で言及される特定の特徴を省略してもよいことも企図される。したがって、本発明者によって、又は本発明者の関係者たる継承者によって、後日、そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は特徴のいずれも重要なものとしてみなされるべきではない。以下に言及される特徴以外の更なる特徴を含む請求項が本出願において、又は本出願に関連する後の出願において示される場合、それらの更なる特徴は、特許性に関連するいずれの理由によっても追加されたものとしてみなされるべきではない。
【実施例】
【0070】
(実施例1)
超音波器具であって、(a)本体と、(b)作動アセンブリであって、作動アセンブリは起動部材を含み、起動部材は、動作モードを選択するために第1の方向に移動するように動作可能である、作動アセンブリと、(c)本体から遠位に延在するシャフトアセンブリであって、シャフトアセンブリは長手方向軸線を画定し、シャフトアセンブリは音響導波管を含む、シャフトアセンブリと、(d)超音波ブレードを含むエンドエフェクタであって、超音波ブレードは音響導波管と音響連通している、エンドエフェクタと、を含み、起動部材は、起動部材の第1の方向への移動によって選択された動作モードでエンドエフェクタを起動させるために、第2の方向に移動するように動作可能である、超音波器具。
【0071】
(実施例2)
エンドエフェクタは、起動部材が第1の位置にあるときに起動部材が第2の方向に移動するのに応答して第1の起動モードで起動されるように構成されており、エンドエフェクタは、起動部材が第2の位置にあるときに起動部材が第2の方向に移動するのに応答して第2の起動モードで起動されるように構成されている、実施例1に記載の超音波器具。
【0072】
(実施例3)
起動部材は回転可能なホイールを含み、回転可能なホイールは、シャフトアセンブリの長手方向軸線に垂直な回転軸を中心に回転して動作モードを選択するように構成されており、第2の方向は回転軸に対して横方向である、実施例1〜2のうちのいずれか1つ以上に記載の超音波器具。
【0073】
(実施例4)
起動部材はボタンを備え、ボタンは第1の方向に横方向に移動可能である、実施例1〜3のうちのいずれか1つ以上に記載の超音波器具。
【0074】
(実施例5)
ボタンは、シャフトアセンブリの長手方向軸線に垂直な枢動軸を中心に第1の方向に横方向に枢動可能である、実施例4に記載の超音波器具。
【0075】
(実施例6)
枢動可能なボタンは、第1の位置と第2の位置と第3の位置との間で第1の方向に枢動するように構成されており、第2の位置は第1の位置と第3の位置との間である、実施例5に記載の超音波器具。
【0076】
(実施例7)
枢動可能なボタンは第2の位置に弾性的に付勢されている、実施例6に記載の超音波器具。
【0077】
(実施例8)
枢動可能なボタンが第2の位置にあるとき、枢動可能なボタンは、エンドエフェクタを起動させるように動作できない、実施例6〜7のうちのいずれか1つ以上に記載の超音波器具。
【0078】
(実施例9)
起動部材は、第1の動作モードと第2の動作モードとの間で選択するように構成されており、エンドエフェクタは、第1の動作モードにおいて第1の電力レベルで組織に超音波エネルギーを印加するように構成されており、起動部材は、第2の動作モードにおいて第2の電力レベルで組織に超音波エネルギーを印加するように構成されている、実施例1〜8のうちのいずれか1つ以上に記載の超音波器具。
【0079】
(実施例10)
起動部材は、第1の動作モードと第2の動作モードとの間で選択するように構成されており、エンドエフェクタは、第1の動作モードにおいて組織に超音波エネルギーを印加するように構成されており、起動部材は、第2の動作モードにおいて組織にRFエネルギーを印加するように構成されている、実施例1〜9のうちのいずれか1つ以上に記載の超音波器具。
【0080】
(実施例11)
本体は、操作者の手で把持されるように構成されている、実施例1〜10のうちのいずれか1つ以上に記載の超音波器具。
【0081】
(実施例12)
センサを更に含み、センサは、本体が操作者の右手で把持されているのか又は左手で把持されているのかを感知するように構成されている、実施例11に記載の超音波器具。
【0082】
(実施例13)
センサと通信しているコントローラを更に含み、作動アセンブリは、第1の横方向アクチュエータと第2の横方向アクチュエータとを更に含み、第1及び第2の横方向アクチュエータは、本体の対向する側に設けられ、コントローラは、本体が操作者の右手によって把持されているのか又は左手によって把持されているのかを示すセンサからのデータに基づいて第1及び第2の横方向アクチュエータの機能を変化させるように動作可能である、実施例12に記載の超音波器具。
【0083】
(実施例14)
起動部材は、エンドエフェクタを起動させて超音波ブレードを介して組織に超音波エネルギーを印加するように動作可能であり、第1の横方向アクチュエータ又は第2の横方向アクチュエータは、エンドエフェクタを起動させて組織にRF電気外科エネルギーを印加するように動作可能である、実施例13に記載の超音波器具。
【0084】
(実施例15)
本体に視覚的表示器を更に備え、視覚的表示器は、起動部材の第1の方向への移動によって選択された動作モードを示す視覚的フィードバックを提供するように構成されている、実施例1〜14のうちのいずれか1つ以上に記載の超音波器具。
【0085】
(実施例16)
超音波器具であって、(a)本体と、(b)ボタンアセンブリであって、(i)開口部及び遠位面を画定する第1のボタン部材と、(ii)第1のボタン部材の開口部内に位置付けられた第2のボタン部材と、を含む、ボタンアセンブリと、(c)本体から遠位に延在するシャフトアセンブリと、(d)シャフトアセンブリの遠位端に位置付けられたエンドエフェクタであって、エンドエフェクタは、超音波エネルギー又はRF電気外科エネルギーの一方又は両方を組織に印加するように動作可能である、エンドエフェクタと、を含み、第1のボタン部材は、本体に対して第1の可動域にわたって並進して、エンドエフェクタを第1の動作モードで起動するように構成されており、第2のボタン部材は、第1のボタン部材が第1の可動域にわたって並進する際に本体に対して静止したままであるように構成されており、第1のボタン部材は、本体に対して第2の可動域にわたって並進して、エンドエフェクタを第2の動作モードで起動するように構成されており、第2のボタン部材は、第1のボタン部材が第2の可動域にわたって並進する際に本体に対して第1のボタン部材と共に並進するように構成されている、超音波器具。
【0086】
(実施例17)
第2のボタン部材は遠位端を有し、第1のボタン部材が第1の可動域にわたって並進するまで、遠位端は、第1のボタン部材の遠位面に対して、開口部内の奥まった位置にある、実施例16に記載の超音波器具。
【0087】
(実施例18)
第1のボタン部材は近位フランジを有し、第2のボタン部材は近位フランジを有し、第1のボタン部材の近位フランジは、第1のボタン部材による第1の可動域の終了時に第2のボタン部材の近位フランジに係合するように構成されている、実施例16〜17のうちのいずれか1つ以上に記載の超音波器具。
【0088】
(実施例19)
超音波器具であって、(a)本体と、(b)作動アセンブリであって、作動アセンブリは起動部材を含み、起動部材は、本体に対して可動域に沿って移動するように動作可能である、作動アセンブリと、(c)本体から遠位に延在するシャフトアセンブリであって、シャフトアセンブリは長手方向軸線を画定し、シャフトアセンブリは音響導波管を含む、シャフトアセンブリと、(d)超音波ブレードを含むエンドエフェクタであって、超音波ブレードは音響導波管と音響連通しており、起動部材は、本体に対する可動域に沿った起動部材の位置に基づいて、連続的な電力レベルの範囲に沿って徐々に増加する電力レベルで超音波ブレードを起動するように動作可能である、エンドエフェクタと、を含む、超音波器具。
【0089】
(実施例20)
起動部材は、本体に対する可動域に沿った起動部材の位置に比例する、連続的な電力レベルの範囲に沿って徐々に増加する電力レベルで、超音波ブレードを起動するように動作可能である、実施例19に記載の超音波器具。
【0090】
IV.その他
本明細書に記載される器具のいずれの変形例も、本明細書で上述されるものに加えて、又はそれらの代わりに、様々なその他の特徴を含み得ることを理解されたい。あくまで一例として、本明細書に記載される器具のいずれもが、参照することにより本明細書に組み込まれる様々な参考文献のいずれかで開示される様々な特徴のうちの1つ以上を含むこともできる。本明細書の教示は、本明細書の他の引用文献のいずれかに記載される器具のいずれにも容易に適用され得、そのため、本明細書の教示は、本明細書の引用文献のいずれかの教示と多くの方法で容易に組み合わせられ得ることが理解されよう。本明細書の教示が組み込まれ得る他の種類の器具が、当業者には明らかとなるであろう。
【0091】
また、本明細書で言及する値の一切の範囲は、かかる範囲の上下限を含むと読み取るべきであることも理解されたい。例えば、「およそ2.5センチメートル〜およそ3.8センチメートル(およそ1.0インチ〜およそ1.5インチ)」に及ぶとして表現された範囲は、それらの上下限の間の値を含むことに加えて、およそ2.5センチメートル及びおよそ3.8センチメートル(およそ1.0インチ及びおよそ1.5インチ)を含むと解釈されなければならない。
【0092】
参照により本明細書に援用されると言及されたいかなる特許、刊行物、又はその他の開示内容も、全体的に又は部分的に、援用された内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載されるその他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に援用されることを認識されたい。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に援用されるあらゆる矛盾する記載にも優先するものとする。参照により本明細書に援用されるものとするが、既存の定義、見解、又は本明細書に記載されるその他の開示内容と矛盾する任意の文献、又はそれらの部分は、援用文献と既存の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ援用されるものとする。
【0093】
上述の装置の変形例は、医療専門家によって行われる従来の治療及び処置での用途だけでなく、ロボット支援された治療及び処置での用途も有することができる。あくまでも一例として、本明細書の様々な教示は、ロボット外科用システム、例えばIntuitive Surgical,Inc.(Sunnyvale,California)によるDAVINCI(商標)システムに容易に組み込まれ得る。同様に、当業者には明らかとなることであるが、本明細書の様々な教示は、2004年8月31日公開の「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」と題された米国特許第6,783,524号(その開示は、参照により本明細書に組み込まれる)の様々な教示と容易に組み合わされ得る。
【0094】
上記の変形例は、1回の使用後に廃棄されるように設計されてもよく、あるいは、それらは複数回使用されるように設計されてもよい。いずれか又は両方の場合において、様々な変形例は、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整は、装置の分解工程、それに続く特定の部分の洗浄又は交換工程、及びその後の再組立工程の任意の組み合わせを含み得る。特に、装置のいくつかの変形例は分解することができ、また、装置の任意の数の特定の部品分又は部分を、任意の組み合わせで選択的に交換するか又は取り外してもよい。特定の部分の洗浄及び/又は交換の際、装置のいくつかの変形例は、再調整用の施設で、又は手術の直前に操作者によって、その後の使用のために再組立されてもよい。当業者であれば、装置の再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用することができることを認識するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、全て本出願の範囲内にある。
【0095】
あくまで一例として、本明細書に記載される変形例は、手術の前及び/又は後に滅菌されてもよい。1つの滅菌法では、装置をプラスチック製又はTYVEK製のバッグなどの閉鎖及び密封された容器に入れる。次いで、容器及び装置を、γ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過することができる放射線場に置くことができる。放射線は、装置の表面及び容器内の細菌を死滅させることができる。この後、滅菌された装置を、後の使用のために、滅菌容器中で保管することができる。装置はまた、β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気が挙げられるがこれらに限定されない、当該技術分野で既知の他の任意の技術を用いて滅菌されてもよい。
【0096】
以上、本発明の様々な実施形態を図示及び説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な改変により、本明細書に記載される方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。そのような可能な改変のうちのいくつかについて述べたが、その他の改変も当業者には明らかとなるであろう。例えば、上述の実施例、実施形態、形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面において図示され説明された構造及び動作の細部に限定されないものとして理解される。
【0097】
〔実施の態様〕
(1) 超音波器具であって、
(a)本体と、
(b)作動アセンブリであって、前記作動アセンブリは起動部材を含み、前記起動部材は、動作モードを選択するために第1の方向に移動するように動作可能である、作動アセンブリと、
(c)前記本体から遠位に延在するシャフトアセンブリであって、前記シャフトアセンブリは長手方向軸線を画定し、前記シャフトアセンブリは音響導波管を含む、シャフトアセンブリと、
(d)超音波ブレードを含むエンドエフェクタであって、前記超音波ブレードは前記音響導波管と音響連通している、エンドエフェクタと、を含み、
前記起動部材は、前記起動部材の前記第1の方向への移動によって選択された動作モードで前記エンドエフェクタを起動させるために、第2の方向に移動するように動作可能である、超音波器具。
(2) 前記エンドエフェクタは、前記起動部材が第1の位置にあるときに前記起動部材が前記第2の方向に移動するのに応答して第1の起動モードで起動されるように構成されており、前記エンドエフェクタは、前記起動部材が第2の位置にあるときに前記起動部材が前記第2の方向に移動するのに応答して第2の起動モードで起動されるように構成されている、実施態様1に記載の超音波器具。
(3) 前記起動部材は回転可能なホイールを含み、前記回転可能なホイールは、前記シャフトアセンブリの前記長手方向軸線に垂直な回転軸を中心に回転して動作モードを選択するように構成されており、前記第2の方向は前記回転軸に対して横方向である、実施態様1に記載の超音波器具。
(4) 前記起動部材はボタンを備え、前記ボタンは前記第1の方向に横方向に移動可能である、実施態様1に記載の超音波器具。
(5) 前記ボタンは、前記シャフトアセンブリの前記長手方向軸線に垂直な枢動軸を中心に前記第1の方向に横方向に枢動可能である、実施態様4に記載の超音波器具。
【0098】
(6) 前記枢動可能なボタンは、第1の位置と第2の位置と第3の位置との間で前記第1の方向に枢動するように構成されており、前記第2の位置は前記第1の位置と前記第3の位置との間である、実施態様5に記載の超音波器具。
(7) 前記枢動可能なボタンは前記第2の位置に弾性的に付勢されている、実施態様6に記載の超音波器具。
(8) 前記枢動可能なボタンが前記第2の位置にあるとき、前記枢動可能なボタンは、前記エンドエフェクタを起動させるように動作できない、実施態様6に記載の超音波器具。
(9) 前記起動部材は、第1の動作モードと第2の動作モードとの間で選択するように構成されており、前記エンドエフェクタは、前記第1の動作モードにおいて第1の電力レベルで組織に超音波エネルギーを印加するように構成されており、前記起動部材は、前記第2の動作モードにおいて第2の電力レベルで組織に超音波エネルギーを印加するように構成されている、実施態様1に記載の超音波器具。
(10) 前記起動部材は、第1の動作モードと第2の動作モードとの間で選択するように構成されており、前記エンドエフェクタは、前記第1の動作モードにおいて組織に超音波エネルギーを印加するように構成されており、前記起動部材は、前記第2の動作モードにおいて組織にRFエネルギーを印加するように構成されている、実施態様1に記載の超音波器具。
【0099】
(11) 前記本体は、操作者の手で把持されるように構成されている、実施態様1に記載の超音波器具。
(12) センサを更に含み、前記センサは、前記本体が操作者の右手で把持されているのか又は左手で把持されているのかを感知するように構成されている、実施態様11に記載の超音波器具。
(13) 前記センサと通信しているコントローラを更に含み、前記作動アセンブリは、第1の横方向アクチュエータと第2の横方向アクチュエータとを更に含み、前記第1及び第2の横方向アクチュエータは、前記本体の対向する側に設けられ、前記コントローラは、前記本体が操作者の右手によって把持されているのか又は左手によって把持されているのかを示す前記センサからのデータに基づいて前記第1及び第2の横方向アクチュエータの機能を変化させるように動作可能である、実施態様12に記載の超音波器具。
(14) 前記起動部材は、前記エンドエフェクタを起動させて前記超音波ブレードを介して組織に超音波エネルギーを印加するように動作可能であり、前記第1の横方向アクチュエータ又は前記第2の横方向アクチュエータは、前記エンドエフェクタを起動させて組織にRF電気外科エネルギーを印加するように動作可能である、実施態様13に記載の超音波器具。
(15) 前記本体に視覚的表示器を更に備え、前記視覚的表示器は、前記起動部材の前記第1の方向への移動によって選択された動作モードを示す視覚的フィードバックを提供するように構成されている、実施態様1に記載の超音波器具。
【0100】
(16) 超音波器具であって、
(a)本体と、
(b)ボタンアセンブリであって、
(i)開口部及び遠位面を画定する第1のボタン部材と、
(ii)前記第1のボタン部材の前記開口部内に位置付けられた第2のボタン部材と、を含む、ボタンアセンブリと、
(c)前記本体から遠位に延在するシャフトアセンブリと、
(d)前記シャフトアセンブリの遠位端に位置付けられたエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、超音波エネルギー又はRF電気外科エネルギーの一方又は両方を組織に印加するように動作可能である、エンドエフェクタと、を含み、
前記第1のボタン部材は、前記本体に対して第1の可動域にわたって並進して、前記エンドエフェクタを第1の動作モードで起動するように構成されており、前記第2のボタン部材は、前記第1のボタン部材が前記第1の可動域にわたって並進する際に前記本体に対して静止したままであるように構成されており、
前記第1のボタン部材は、前記本体に対して第2の可動域にわたって並進して、前記エンドエフェクタを第2の動作モードで起動するように構成されており、前記第2のボタン部材は、前記第1のボタン部材が前記第2の可動域にわたって並進する際に前記本体に対して前記第1のボタン部材と共に並進するように構成されている、超音波器具。
(17) 前記第2のボタン部材は遠位端を有し、前記第1のボタン部材が前記第1の可動域にわたって並進するまで、前記遠位端は、前記第1のボタン部材の前記遠位面に対して、前記開口部内の奥まった位置にある、実施態様16に記載の超音波器具。
(18) 前記第1のボタン部材は近位フランジを有し、前記第2のボタン部材は近位フランジを有し、前記第1のボタン部材の前記近位フランジは、前記第1のボタン部材による前記第1の可動域の終了時に前記第2のボタン部材の前記近位フランジに係合するように構成されている、実施態様16に記載の超音波器具。
(19) 超音波器具であって、
(a)本体と、
(b)作動アセンブリであって、前記作動アセンブリは起動部材を含み、前記起動部材は、前記本体に対して可動域に沿って移動するように動作可能である、作動アセンブリと、
(c)前記本体から遠位に延在するシャフトアセンブリであって、前記シャフトアセンブリは長手方向軸線を画定し、前記シャフトアセンブリは音響導波管を含む、シャフトアセンブリと、
(d)超音波ブレードを含むエンドエフェクタであって、前記超音波ブレードは前記音響導波管と音響連通しており、前記起動部材は、前記本体に対する前記可動域に沿った前記起動部材の位置に基づいて、連続的な電力レベルの範囲に沿って徐々に増加する電力レベルで前記超音波ブレードを起動するように動作可能である、エンドエフェクタと、を含む、超音波器具。
(20) 前記起動部材は、前記本体に対する前記可動域に沿った前記起動部材の前記位置に比例する、連続的な電力レベルの範囲に沿って徐々に増加する電力レベルで、前記超音波ブレードを起動するように動作可能である、実施態様19に記載の超音波器具。