(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記クランプアームが前記シャフト組立体と枢動可能に連結しつつ、前記クランプパッドが前記クランプアームと取り外し可能に連結するように構成されている、請求項1に記載の超音波器具。
前記クランプアームが前記シャフト組立体から分離しつつ、前記クランプパッドが前記クランプアームと取り外し可能に連結するように構成されている、請求項1に記載の超音波器具。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本技術の特定の実施例の以下の説明文は、その範囲を限定する目的で用いられるべきではない。本技術の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、実例として、本技術を実施する上で想到される最良の態様の1つである以下の説明より、当業者には明らかとなるであろう。理解されるように、本明細書に記載された技術は、いずれもその技術から逸脱することなく、その他の異なる、かつ明らかな態様が可能である。従って、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく、例示的な性質のものと見なされるべきである。
【0010】
本明細書に記載された教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ以上のものを、本明細書に記載された他の教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ以上のものと組み合わせることができる点も、更に理解されよう。従って、以下に記載された教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して個別に考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる種々の好適な方法が、当業者には直ちに明らかとなろう。このような改変及び変形形態は、「特許請求の範囲」内に含まれるものとする。
【0011】
本開示の明瞭さのために、用語「近位」及び「遠位」とは、遠位外科用エンドエフェクタを有する外科用器具を把持する操作者又は他の操作者に対して、本明細書で定義される。用語「近位」とは、操作者又はその他の操作者により近い要素の位置を意味し、用語「遠位」とは、外科用器具の外科用エンドエフェクタにより近く、かつ操作者又はその他の操作者からより離れた要素の位置を意味する。
【0012】
I.代表的な超音波外科用システムの概要
図1は、代表的な外科用システム(10)の構成要素を図形的ブロック形態で示したものである。示されるように、システム(10)は、超音波発生器(12)及び超音波外科用器具(20)を備える。以下にて更に詳細に記載するように、器具(20)は、超音波振動エネルギーを使用して、ほぼ同時に、組織を切開し、かつ組織(例えば、血管など)を封止又は接合するように動作可能である。発生器(12)及び器具(20)は、ケーブル(14)を介して一緒に連結されている。ケーブル(14)は、複数のワイヤを備えてもよく、発生器(12)から器具(20)への一方向の電気的連通、及び/又は発生器(12)と器具(20)との間の双方向の電気的連通を付与することができる。実施例のみの目的で、ケーブル(14)は、外科用器具(20)への電力のための「熱」線、アース線、及び外科用器具(20)から超音波発生器(12)に信号を送信するための信号線を備えてもよく、シールドが3本のワイヤを覆っている。いくつかの変形形態では、別個の起動電圧に対して別個の「熱」線が使用される(例えば、第1の起動電圧に対して1本の「熱」線が使用され、第2の起動電圧に対して別の「熱」線が使用されるか、又はこれらのワイヤ間で要求される出力に比例した可変電圧が使用される、など)。当然のことながら、任意のその他の好適な数又は構成のワイヤが使用されてもよい。ケーブル(14)が単に省略され得るように、システム(10)のいくつかの変形形態が、発生器(12)を器具(20)内に組み込むことができる、とも理解すべきである。
【0013】
実施例のみの目的で、発生器(12)は、Ethicon Endo−Surgery,Inc.(シンシナティ、オハイオ州)により販売されているGEN04、GEN11、又はGEN300を備えてもよい。追加的にあるいは代替的に、発生器(12)は、米国特許公開第2011/0087212号、表題:「Surgical Generator for Ultrasonic and Electrosurgical Devices」(2011年4月14日公開)の教示の少なくともいくつかに従って構成されてよく、その開示は、本明細書に参考として組み込まれる。代替的に、任意のその他の好適な発生器(12)が使用されてよい。以下にて更に詳細に記載するように、発生器(12)は、電力を器具(20)へと供給して超音波外科手術を行うように動作可能である。
【0014】
器具(20)は、ハンドル組立体(22)を備え、ハンドル組立体(22)は、外科手術中に操作者の片手(又は両手)に把持されて、操作者の片手(又は両手)により操作されるように構成される。例えば、いくつかの変形形態では、ハンドル組立体(22)は、操作者により鉛筆のように把持されてよい。いくつかのその他の変形形態では、ハンドル組立体(22)は、操作者によりハサミのように把持されてもよいハサミ把持部を含んでよい。いくつかの他の変形形態では、ハンドル組立体(22)は、操作者によりピストルのように把持してよいピストルグリップを含んでよい。当然のことながら、ハンドル組立体(22)は、任意のその他の好適な様式にて把持されるように構成されてよい。更に、器具(20)のいくつかの変形形態では、器具(20)を(例えば、遠隔制御などを介して)動作させるように構成されたロボット外科用システムに連結された本体を、ハンドル組立体(22)の代わりに代用してもよい。本実施例では、ブレード(24)は、ハンドルアセンブリ(22)から遠位に延在している。ハンドル組立体(22)は、超音波変換器(26)及び超音波導波管(28)を含んでおり、超音波導波管(28)は、超音波変換器(26)をブレード(24)と連結させている。超音波変換器(26)は、ケーブル(14)を介して発生器(12)から電力を受け取る。超音波変換器(26)は、その圧電特性により、このような電力を超音波振動エネルギーへと変換するように動作可能である。
【0015】
超音波導波管(28)は、可撓性、半可撓性、剛性であってよい、又は任意のその他の好適な性質を有してもよい。上記のように、超音波変換器(26)は、超音波導波管(28)を介してブレード(24)と一体的に連結されている。特に、超音波変換器(26)が超可聴周波数で振動するように起動している場合、このような振動が超音波導波管(28)を介してブレード(24)へと伝達されて、ブレード(24)もまた超可聴周波数にて振動する。ブレード(24)が起動状態である(即ち、超音波的に振動している)場合、ブレード(24)は、組織を効果的に切断し、また組織を封止するように動作可能である。従って、超音波変換器(26)、超音波導波管(28)、及びブレード(24)は、発生器(12)により電力供給される際に、外科処置を行うための超音波エネルギーを供給する音響組立体を共に形成する。ハンドル組立体(22)は、変換器(26)、超音波導波管(28)、及びブレード(24)により形成される音響組立体の振動から操作者を実質的に隔離するように、構成される。
【0016】
いくつかの変形形態において、超音波導波管(28)は、超音波導波管(28)を介してブレード(24)に伝達される機械的振動を増幅してもよい。超音波導波管(28)は、超音波導波管(28)に沿った長手方向振動の増大を制御するための機構、及び/又は超音波導波管(28)をシステム(10)の共振周波数と同調させるための機構を更に有してもよい。例えば、超音波導波管(28)は、ほぼ均一な断面などの任意の好適な断面寸法/構成を有してもよく、種々の部分にて先細になっていてもよく、その全長に沿って先細になっていてもよく、又は任意のその他の好適な構成を有してもよい。超音波導波管(28)は、例えば、システムの波長の1/2の整数倍にほぼ等しい長さ(nλ/2)を有してもよい。超音波導波管(28)及びブレード(24)は、チタン合金(即ち、Ti−6Al−4V)、アルミニウム合金、サファイア、ステンレス鋼、又は任意のその他の音響的に適合した材料若しくは材料の組み合わせなどの、超音波エネルギーを効率的に伝搬する材料又は材料の組み合わせから構成された固体コアシャフトから製作されてよい。
【0017】
本実施例では、ブレード(24)の遠位端は、組織による負荷が音響組立体に加えられていない場合に、好ましい共振周波数f
oに音響組立体を同調させるために、導波管(28)を介して伝達される共振超音波振動に関連するアンチノードに対応する位置(即ち、音響アンチノード)に位置する。変換器(26)が通電される場合、ブレード(24)の遠位端は、例えば、ピーク間で約10〜500マイクロメートル、場合によっては、例えば、55.5kHzの所定の振動周波数f
oにて約20〜約200マイクロメートルの範囲で、長手方向に移動するように構成される。本実施例の変換器(26)が起動しているとき、これらの機械的な振動は、ブレード(24)に到達するように導波管(28)を介して伝達され、それにより共振超音波周波数にてブレード(24)の振動をもたらす。このため、ブレード(24)の超音波振動が、組織の切断及び隣接した組織細胞内のタンパク質の変性を同時に行い、それにより、比較的少ない熱拡散で凝固効果を提供することができる。いくつかの変形形態では、組織を焼灼するために、電流もまたブレード(24)を介して提供されてよい。
【0018】
実施例のみの目的で、超音波導波管(28)及びブレード(24)は、Ethicon Endo−Surgery,Inc.(シンシナティ、オハイオ州)により、製品コードSNGHK及びSNGCBとして販売されている構成要素を備えてよい。更に実施例のみの目的で、超音波導波管(28)及び/又はブレード(24)は、その開示が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許第6,423,082号、表題:「Ultrasonic Surgical Blade with Improved Cutting and Coagulation Features」(2002年7月23日発行)の教示に従って構成されてもよく、また動作可能であってよい。別のあくまで例示的な実施例として、超音波導波管(28)及び/又はブレード(24)は、その開示が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許第5,324,299号、表題:「Ultrasonic Scalpel Blade and Methods of Application」(1994年6月28日発行)の教示に従って構成されてもよく、また動作可能であってよい。超音波導波管(28)及びブレード(24)のその他の好適な特性及び形態が、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。
【0019】
本実施例のハンドル組立体(22)はまた、制御選別機(30)及び起動スイッチ(32)を含んでおり、これらはそれぞれ、回路基板(34)と連通している。実施例のみの目的で、回路基板(34)は、従来の回路基板、フレックス回路、リジッドフレックス回路を備えてよく、又は任意のその他の好適な構造を有してよい。制御選別機(30)及び起動スイッチ(32)は、1つ以上のワイヤ、回路基板若しくはフレックス回路に形成された配線を介して、及び/又は任意のその他の好適な方法にて、回路基板(34)と連通してよい。回路基板(34)はケーブル(14)と連結しており、次いで発生器(12)内の制御回路(16)と連結している。起動スイッチ(32)は、超音波変換器(26)への電源を選択的に起動するように動作可能である。特に、スイッチ(32)が起動する場合、このような起動は、ケーブル(14)を介して適切な電力を超音波変換器(26)へと伝達する。実施例のみの目的で、起動スイッチ(32)は、本明細書で引用される種々の参考文献の教示のうちのいずれかに従って構成されてよい。起動スイッチ(32)が採り得るその他の種々の形態は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。
【0020】
本実施例では、外科用システム(10)は、少なくとも2つの異なるレベル又は種類の超音波エネルギー(例えば、異なる周波数及び/又は振幅など)をブレード(24)において供給するように動作可能である。そのために、制御選別機(30)は、操作者が所望のレベル/振幅の超音波エネルギーを選択することができるように、動作可能である。実施例のみの目的で、制御選別機(30)は、本明細書で引用される種々の参考文献の教示のうちのいずれかに従って構成されてよい。制御選別機(30)が採り得るその他の様々な形態は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。いくつかの変形例において、操作者が制御セレクタ(30)によって選択を行う場合、操作者の選択は、ケーブル(14)を介して発生器(12)の制御回路(16)に戻して伝達され、これに従って、次回操作者が起動スイッチ(32)を作動させるときに、制御回路(16)が発生器(12)から伝達される電力を調節する。
【0021】
ブレード(24)において供給される超音波エネルギーのレベル/振幅は、発生器(12)からケーブル(14)を介して器具(20)に伝達される電力の特性の関数であり得る、と理解すべきである。従って、発生器(12)の制御回路(16)は、制御選別機(30)を通じて選択された超音波エネルギーのレベル/振幅又は種類に関連した特性を有する電力を(ケーブル(14)を介して)供給することができる。従って、発生器(12)は、制御選別機(30)を介して操作者により行われる選択に基づいて、異なる種類又は程度の電力を超音波変換器(26)へと伝達するように、動作可能であってよい。特に、また実施例のみの目的で、発生器(12)は、印加される信号の電圧及び/又は電流を増大させて、音響組立体の長手方向振幅を増大させることができる。あくまで例示的な実施例として、発生器(12)は、それぞれ、約50マイクロメートル及び約90マイクロメートルのブレード(24)の振動共振振幅に対応し得る、「レベル1」と「レベル5」との間の選択可能性を提供することができる。制御回路(16)を構成してよい種々の方法は、本明細書の教示を考慮することにより、当業者に明らかとなるであろう。制御選別機(30)及び起動スイッチ(32)の代わりに、2つ以上の起動スイッチ(32)を使用してよい、とも理解すべきである。いくつかのこのような変形形態では、ある起動スイッチ(32)は、ある電力レベル/種類でブレード(24)を起動させるように動作可能である一方で、別の起動スイッチ(32)は、別の電力レベル/種類などでブレード(24)を起動させるように動作可能である。
【0022】
いくつかの代替的な変形形態では、制御回路(16)は、ハンドル組立体(22)内に配置されている。例えば、いくつかのこのような変形形態では、発生器(12)は、1種類の電力のみ(例えば、利用可能な1種類の電圧及び/又は電流のみ)をハンドル組立体(22)に伝達し、ハンドル組立体(22)内の制御回路(16)は、電力が超音波変換器(26)に達する前に、制御選別機(30)を介して操作者が行った選択に従って、電力(例えば、電力の電圧)を変更するように動作可能である。更に、発生器(12)を、外科用システム(10)の全てのその他の構成要素と一緒に、ハンドル組立体(22)内に組み込んでよい。例えば、1つ以上の電池(図示せず)又はその他の携帯型電力源を、ハンドル組立体(22)内に設けてよい。
図1に示される構成要素が再配置される、又はその他の方法で構成若しくは改変されてよい更なるその他の好適な方法が、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。
【0023】
II.代表的な超音波外科用器具の概要
以下の説明は、器具(20)の種々の代表的な構成要素及び構成に関する。以下で説明する器具(20)の種々の実施例は、上述したように、外科用システム(10)内へと容易に組み込まれてよい、と理解すべきである。また、上述の器具(20)の様々な構成要素及び動作性を以下に記載の器具(20)の例示的な変形例に容易に組み込むことができることも理解されたい。上記及び下記の教示を組み合わせてよい種々の好適な方法が、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。また、以下の教示を、本明細書で引用される参考文献の種々の教示と容易に組み合わせてよい、とも理解すべきである。
【0024】
図2〜
図5は、代表的な超音波外科用器具(100)を図示する。器具(100)の少なくとも一部は、以下の教示の少なくともいくつかに従って構成され、かつ操作可能であってよい。米国特許第5,322,055号、同第5,873,873号、同第5,980,510号、同第6,325,811号、同第6,773,444号、同第6,783,524号、同第8,461,744号、同第8,623,027号、米国特許公開番号第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2010/0069940号、同第2012/0112687号、同第2012/0116265号、同第2014/0005701号、同第2014/0114334号、米国特許出願第61/410,603号、及び/又は
同第14/028,717号。前述の特許、特許出願公開、及び特許出願のそれぞれの開示が、参考により本明細書に組み込まれる。本明細書に記載されるように、また以下にて更に詳細に記載するように、器具(100)は、実質的に同時に、組織を切断し、かつ組織(例えば、血管など)を封止又は接合するように操作可能である。また、器具(100)が、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesとの種々の構造的及び機能的な類似性を有し得ることを理解されたい。更に、器具(100)は、本明細書で引用され、参考により本明細書に組み込まれるその他の参考文献のうちのいずれかにおいて教示される装置と、種々の構造的及び機能的な類似性を有し得る。
【0025】
本明細書に引用される参考文献の教示と、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesの教示と、器具(100)に関する以下の教示との間に何らかの重複が存在する範囲で、本明細書のいかなる記述も従来技術として認められたものであると見なす意図はない。本明細書のいくつかの教示は、事実、本明細書に引用した参考文献、並びにHARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及びHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesの教示の範囲を超えるであろう。
【0026】
本実施例の器具(100)は、ハンドル組立体(120)、シャフト組立体(130)、及びエンドエフェクタ(140)を備える。ハンドル組立体(120)は、ピストルグリップ(124)及び一対のボタン(126)を含む本体(122)を備える。ハンドル組立体(120)は、ピストルグリップ(124)へと向かうように、またそれから離れるように、枢動可能なトリガ(128)を更に含む。しかし、鉛筆把持部構成又はハサミ把持部構成を含むが、これらに限定されない、種々のその他の好適な構成を用いてもよい、と理解すべきである。エンドエフェクタ(140)は、超音波ブレード(160)及び枢動クランプアーム(144)を含む。クランプアーム(144)はトリガ(128)と連結し、これにより、クランプアーム(144)は、ピストルグリップ(124)へと向かうトリガ(128)の枢軸回転に対応して、超音波ブレード(160)に向かって枢動可能であり、また、クランプアーム(144)は、ピストルグリップ(124)から離れるようなトリガ(128)の枢軸回転に対応して、超音波ブレード(160)から離れるように枢動可能となる。クランプアーム(144)をトリガ(128)と連結させてよい種々の好適な手段が、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。いくつかの変形形態では、クランプアーム(144)及び/又はトリガ(128)を
図4に示す開放位置にへと一方に片寄らせるために、1つ以上の弾性部材が使用される。
【0027】
超音波変換器組立体(112)は、ハンドル組立体(120)の本体(122)から近位に延出する。変換器組立体(112)は、ケーブル(114)を介して発生器(116)に連結している。変換器組立体(112)は発生器(116)から電力を受信して、圧電原理によりその電力を超音波振動へと変換する。発生器(116)は、電源、及び変換器組立体(112)による超音波振動の生成に特に適した変換器組立体(112)へと、電力プロファイルを提供するように構成される、制御モジュールを備えてよい。実施例のみの目的で、発生器(116)は、Ethicon Endo−Surgery,Inc.(シンシナティ、オハイオ州)により販売されているGEN 300を含んでよい。追加的にあるいは代替的に、発生器(116)は、米国特許公開第2011/0087212号、表題:「Surgical Generator for Ultrasonic and Electrosurgical Devices」(2011年4月14日公開)の教示の少なくともいくつかに従って構成されてよく、その開示は、本明細書に参考として組み込まれる。更に、発生器(116)の機能の少なくとも一部がハンドル組立体(120)に組み込まれていてもよく、またハンドル組立体(120)は更に電池又はその他の搭載された電源を含んで、これにより、ケーブル(114)を省略してよい、とも理解すべきである。発生器(116)が取り得る更にその他の好適な形態、並びに発生器(116)が提供し得る種々の特徴及び動作性は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。
【0028】
本実施例のブレード(160)は、特に組織がクランプアーム(144)とブレード(160)との間にクランプされる場合、超音波周波数で振動して、組織を効果的に切断しかつ封止するように動作可能である。ブレード(160)は、音響ドライブトレーンの遠位端に位置付けられる。本音響ドライブトレーンは、変換器組立体(112)及び音響導波管(102)を含む。変換器組立体(112)は、剛性音響導波管(102)のホーン(図示せず)の近位に位置する、一組の圧電ディスク(図示せず)を含む。圧電ディスクは、電力を超音波振動に変換するように動作可能であり、超音波振動は次に、音響導波管(102)に沿って送信され、音響導波管(102)は、既知の構成及び技術により、シャフト組立体(130)を通ってブレード(160)まで延出している。実施例のみの目的で、音響ドライブトレーンのこの部分は、本明細書に引用される種々の参考文献の種々の教示に従って構成されてよい。
【0029】
導波管(102)は、導波管(102)及びシャフト組立体(130)を通るピン(133)により、シャフト組立体(130)内に固定される。ピン(133)は、導波管(102)の長さに沿った、導波管(102)を通して伝達される共振超音波振動に関連するノードに対応する位置に、位置する。超音波ブレード(160)が作動状態にある(即ち、超音波振動している)場合、特に組織がクランプアーム(144)と超音波ブレード(160)との間にクランプされている場合に、超音波ブレード(160)は、組織を効果的に切断及び封止するように動作可能である。導波管(102)が、導波管(102)を通して伝達される機械的振動を増幅するように構成されてよい、と理解すべきである。更に、導波管(102)は、長手方向の振動の増大を導波管(102)に沿って制御するように動作可能な機構、及び/又は導波管(102)をシステムの共振周波数に同調させる機構を含んでよい。
【0030】
本実施例では、ブレード(160)の遠位端は、導波管(102)を通して伝達される共振超音波振動に関連するアンチノードに対応する位置に位置し、音響組立体に組織の負荷がかかっていない場合の好ましい共振周波数f
oに、音響組立体を調整する。変換器組立体(112)が通電されると、ブレード(160)の遠位端は、例えば、ピーク間で約10〜500マイクロメートル、場合によっては、例えば、55.5kHzの所定の振動周波数f
oで、約20〜約200マイクロメートルの範囲で長手方向に移動するように構成される。本実施例の変換器組立体(112)が作動される場合、これらの機械的な振動が導波管(102)を通じて伝達されてブレード(160)に到達し、それによって、共振超音波周波数でブレード(160)の振動が提供される。従って、組織がブレード(160)とクランプアーム(144)との間に固定される場合、ブレード(160)の超音波振動が、組織の切断及び隣接した組織細胞におけるタンパク質の変性を同時に行い、それにより、比較的小さい熱拡散で凝固効果が提供され得る。いくつかの変形形態では、組織を焼灼するために、電流がブレード(160)及びクランプアーム(144)を通して更に提供されてよい。音響伝達組立体及び変換器組立体(112)のいくつかの構成について説明したが、音響伝達組立体及び変換器組立体(112)の更にその他の好適な構成が、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。同様に、エンドエフェクタ(140)のその他の好適な構成も、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。
【0031】
操作者がボタン(126)を作動させて、変換器組立体(112)を選択的に作動させて、ブレード(160)を作動させてよい。本実施例では、2つのボタン(126)が設けられており、一方はブレード(160)を低電力で作動させるためであり、もう一方はブレード(160)を高電力で作動させるためである。しかし、任意のその他の好適な数のボタン及び/又は別の方法で選択可能な電力レベルが提供されてよい、と理解すべきである。例えば、変換器組立体(112)を選択的に起動させるために、フットペダルを提供してよい。本実施例のボタン(126)は、操作者が片手で器具(100)を容易にかつ完全に操作できるように配置されている。例えば、操作者は、親指をピストルグリップ(124)付近に位置付け、中指、薬指、及び/又は小指をトリガ(128)付近に位置付け、人差し指でボタン(126)を操作することができる。当然のことながら、任意のその他の好適な技法を用いて、器具(100)を把持及び操作してもよく、ボタン(126)は、任意のその他の好適な位置に位置してよい。
【0032】
本実施例のシャフト組立体(130)は、外側覆い(132)、外側覆い(132)内に摺動可能に配設された内側チューブ(134)、内側チューブ(134)内に配設された導波管(102)を備える。以下でより詳細に説明するように、内側チューブ(134)は、外側シース(132)に対して外側シース(132)内を長手方向に平行移動して、クランプアーム(144)をブレード(160)に向かって、かつそれから離れて選択的に枢軸回転させるように動作可能である。本実施例のシャフト組立体(130)は、回転組立体(150)を更に含む。回転組立体(150)は、シャフト組立体(130)及びエンドエフェクタ(140)全体を、ハンドル組立体(120)に対してシャフト組立体(130)の長手方向軸線の周囲で回転させるように動作可能である。いくつかの変形形態では、回転組立体(150)は、シャフト組立体(130)及びエンドエフェクタ(140)の角度位置を、シャフト組立体(130)の長手方向軸線の周囲でハンドル組立体(120)に対して選択的に固定するように動作可能である。例えば、回転組立体(150)の回転ノブ(152)は、第1の長手方向位置(シャフト組立体(130)及びエンドエフェクタ(140)が、ハンドル組立体(120)に対してシャフト組立体(130)の長手方向軸線の周囲で回転可能である)と、第2の長手方向位置(シャフト組立体(130)及びエンドエフェクタ(140)が、ハンドル組立体(120)に対してシャフト組立体(130)の長手方向軸線の周囲で回転可能ではない)との間で、平行移動可能であってよい。当然のことながら、シャフト組立体(130)は、上記のもののいずれかに加えて又はその代わりに、種々のその他の構成要素、特徴、及び動作性を有してよい。シャフト組立体(130)のその他の好適な構成は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。
【0033】
図3及び
図4にて示すように、エンドエフェクタ(140)は、超音波ブレード(160)及びクランプアーム(144)を含む。クランプアーム(144)は、クランプアーム(144)の下面に固定されてブレード(160)に面しているクランプパッド(146)を含んでいる。クランプアーム(144)は、ピン(145)を介して、超音波ブレード(160)上方のシャフト組立体(130)の外側シース(132)の遠位端と枢動可能に連結している。
図4において最も良く見てとれるように、内側チューブ(134)の遠位端は、ピン(135)を介して、超音波ブレード(160)の下方のクランプアーム(144)の近位端と回転可能に連結されており、これにより、内側チューブ(134)の長手方向の並進が、超音波ブレード(160)に向かって、かつそれから離れて、ピン(145)周囲でクランプアーム(144)の回転を引き起こし、それにより、組織がクランプアーム(144)と超音波ブレード(160)との間でクランプされて、組織が切断及び/又は封止される。特に、外側シース(132)及びハンドル組立体(120)に対する内側チューブ(134)の近位長手方向の並進が、超音波ブレード(160)へと向かってクランプアーム(144)を移動させ、かつ外側シース(132)及びハンドル組立体(120)に対する内側チューブ(134)の遠位長手方向の並進が、超音波ブレード(160)から離れる方向へとクランプアーム(144)を移動させる。
【0034】
図5にて示すように、また前述したように、トリガ(128)は、ピン(123A)を介してハンドル組立体(120)に枢動可能に連結されており、これにより、トリガ(128)がピン(123A)の周囲で回転するように動作可能である。以下でより詳細に記載するように、トリガ(128)は、リンケージ(129)を介してヨーク(125)に連結されており、これにより、トリガ(128)がピン(123A)の周囲で回転して、ヨーク(125)を長手方向に並進させる。リンケージ(129)の第1端部(129A)は、ピン(123B)を介して、トリガ(128)の近位部分と回転可能に連結している。リンケージ(129)の第2端部(129B)は、ピン(123C)を介して、ヨーク(125)の近位部分と回転可能に連結している。一対の細長い楕円形状の突起部(127)が、本体(122)の内面から内側に延出する。各楕円形状の突起部(127)の内面により、細長い楕円形状のスロット(127A)が画定される。ピン(123C)が、ヨーク(125)の近位部分及びリンケージ(129)の第2端部(129B)を完全に通過し、これにより、ヨーク(125)の両側からピン(123C)の端部が延出する。ピン(123C)のこれらの端部は、楕円形状のスロット(127A)の内部に摺動可能に及び回転可能に配置されている。ピン(123D)がヨーク(125)の遠位端部を完全に通過して、これにより、ヨーク(125)の両側からピン(123D)の端部が延出する。ピン(123D)のこれらの端部は、楕円形状のスロット(127A)内に、摺動可能に及び回転可能に配置されている。従って、ヨーク(125)は、楕円形状のスロット(127A)内で、ピン(123C、123D)を介して、近位長手方向位置と遠位長手方向位置との間にて、長手方向に並進可能である、と理解すべきである。更に、トリガ(128)の近位部がリンケージ(129)を介してヨーク(125)に連結している故に、トリガ(128)がピストルグリップ(124)に向かって、かつそれから離れて枢軸回転し、楕円形状のスロット(127A)内でヨーク(125)が長手方向に並進する。特に、トリガ(128)がピストルグリップ(124)に向かって枢軸回転すると、ヨーク(125)が楕円形状のスロット(127A)内で近位に長手方向に並進し、またトリガ(128)がピストルグリップ(124)から離れるように枢軸回転すると、ヨーク(125)が楕円形状のスロット(127A)内で遠位長手方向に並進する。
【0035】
ヨーク(125)の遠位部分は、連結組立体(135)を介してシャフト組立体(130)の内側チューブ(134)と連結している。上述のように、内側チューブ(134)は、外側シース(132)内で長手方向に並進可能であり、これにより、内側チューブ(134)は、ヨーク(125)と同時に長手方向に並進するように構成される。更に、トリガ(128)がピストルグリップ(124)に向かって枢軸回転すると、ヨーク(125)が近位長手方向に並進する故に、トリガ(128)がピストルグリップ(124)に向かって枢軸回転すると、外側シース(132)及びハンドル組立体(120)に対して、内側チューブ(134)が近位長手方向に枢軸回転する、と理解すべきであり、また、トリガ(128)がピストルグリップ(124)から離れるように枢軸回転すると、ヨーク(125)が遠位長手方向に並進する故に、トリガ(128)がピストルグリップ(124)から離れるように枢軸回転すると、外側シース(132)及びハンドル組立体(120)に対して、内側チューブ(134)が遠位長手方向に並進する、と理解すべきである。最終的に、上述のように、内側チューブ(134)が長手方向に並進すると、クランプアーム(144)がブレード(160)に向かって、かつそれから離れて回転する故に、トリガ(128)がピストルグリップ(124)に向かって枢軸回転すると、クランプアーム(144)が超音波ブレード(160)に向かって移動する、と理解すべきであり、また、ピストルグリップ(124)から離れてトリガ(128)を枢軸回転させると、クランプアーム(144)が超音波ブレード(160)から離れて移動する。
【0036】
いくつかの変形形態では、クランプアーム(144)及び/又はトリガ(128)を
図4に示す開放位置にへと一方に片寄らせるために、1つ以上の弾性部材が使用される。例えば、
図5に示すように、ばね(136)が、ハンドル組立体(120)の本体(122)の近位端内に位置付けられる。ばね(136)が本体(122)及びヨーク(125)の近位端を圧迫し、それによってヨーク(125)を遠位位置に向かって一方に片寄らせる。ヨーク(125)を遠位位置に向かって一方に片寄らせると、内側チューブ(134)が遠位に一方に片寄り、更に、トリガ(128)がピストルグリップ(124)から離れる方向へと一方に片寄る。
【0037】
器具(100)の前述の構成要素及び動作性は、あくまでも例示的なものである。器具(100)は種々のその他の方法で構成され得ると、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなろう。実施例のみの目的で、器具(100)の少なくとも一部は、その開示内容の全てが参考として本明細書に組み込まれる次の特許文献のいずれかの教示のうちの少なくともいくつかに従って構成されてもよく、かつ/又は動作可能であってもよい。米国特許第5,322,055号、同5,873,873号、同第5,980,510号、同第6,325,811号、同第6,783,524号、米国特許公開番号第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2010/0069940号、同第2011/0015660号、同第2012/0112687号、同第2012/0116265号、米国特許出願第2014/0005701号、及び/又は
同第2014/0114334号。器具(100)の更なるあくまでも例示としての変形形態を、以下にて更に詳細に記載する。下記の変形形態は、とりわけ、上記の器具(100)及び本明細書で引用される参考文献のいずれかで言及される任意の器具へと容易に適用されてよい、と理解すべきである。
【0038】
III.交換可能クランプパッドを伴う代表的なクランプアーム
当業者は、エンドエフェクタ(140)の使用中に、クランプパッド(146)が相当量の摩耗(wear and dear)を経験する場合があることを、理解するであろう。例えば、クランプパッド(146)は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)材料から形成されてもよい。クランプパッド(146)は、熱、圧縮力、及びブレード(160)によって生成される振動に遭遇する場合があり、これらは協働して、クランプパッド(146)を形成する材料を最終的に摩滅させる。従って、クランプパッド(146)が交換可能である、エンドエフェクタ(140)の変形形態を提供することが望ましい場合がある。特に、必ずしもクランプアーム(144)及び/又はエンドエフェクタ(140)のその他の構成要素を交換しなくとも、クランプパッド(146)の交換ができることが望ましい場合がある。
【0039】
図6A〜Bは、取り外し可能なクランプアーム(56)及び交換可能クランプパッド(58a、58b)を有する、代表的なエンドエフェクタ(50)を示す。エンドエフェクタ(50)は、上記の超音波器具(20、100)へと容易に組み込まれてよい。エンドエフェクタ(50)は、外側覆い(72)、内側チューブ(76)、超音波ブレード(79)、及びピボットピン(57)を更に含む。外側覆い(72)、内側チューブ(76)、及びブレード(79)は、上述の外側覆い(132)、内側チューブ(134)、及び超音波ブレード(160)とそれぞれ実質的に類似している。
【0040】
取り外し可能なクランプアーム(56)は、ピボットピン(57)を受容するように構成される連結穴(52a、52b)を含む。クランプアーム(56)は、ピボットピン(57)を介して、外側覆い(72)と枢動可能に連結されている。クランプアーム(56)は、内部覆い(76)の開口部(54c)内に配置される一体型スタッド(54b)を介して、内部覆い(76)に枢動可能に連結されている。クランプパッド(58a、58b)は、取り外し可能なクランプアーム(56)により画定される相補的なほぞ穴(図示せず)と嵌合するように構成される、テーパー付きほぞ(59a、59b)を更に含む。ほぞ(59a、59b)は、クランプアーム(56)が外側覆い(72)から取り外された場合に、クランプアーム(56)の近位端にあるほぞ穴(図示せず)内で摺動するように構成されている。従って、クランプアーム(56)がクランプパッド(58a、58b)と共に、ピボットピン(57)を介して外側覆い(72)に取り付けられた場合には、ピボットピン(57)は、クランプパッド(58a、58b)がクランプアーム(56)に対して近位側に摺動するのを防止する。換言すれば、ピボットピン(57)及びクランプアーム(56)の閉鎖遠位端が長手方向の抑制機として協働して作用し、ピボットピン(57)及びクランプアーム(56)の遠位端が、ほぞ(59a、59b)を介してクランプパッド(58a、58b)をほぞ穴内にとどめる。
【0041】
取り外し可能なクランプアーム(56)が外側覆い(72)に組み付けられた場合、クランプパッド(58a、58b)は、クランプアーム(56)に対して固定されてよい。しかし、外科的処置後に、ピボットピン(57)を取り外してクランプアーム(56)と外側覆い(72)との連結を解除することにより、取り外し可能なクランプアーム(56)からクランプパッド(58a、58b)が取り外されてよい。一度ピボットピン(57)が連結穴(52a、52b)から取り外されると、クランプアーム(56)が外側覆い(72)から取り外されてよいが、それにより、クランプパッド(58a、58b)が、クランプアーム(56)に対して、近位方向に摺動可能となる。使用済みのクランプパッド(58a、58b)はその後取り外されて、同様の品質の新たなクランプパッド(58a、58b)に交換されてよい。次に、新たなクランプパッド(58a、58b)と共に組み立てられたクランプアーム(56)が、ピボットピン(57)を介して外側覆い(72)に連結され、それにより、クランプパッド(58a、58b)がクランプアーム(56)に対して固定されてよい。実施例のみの目的で、エンドエフェクタ(50)は、その開示が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許第7,544,200号、表題:「Combination Tissue Pad for Use with an Ultrasonic Surgical Instrument」(2009年6月9日発行)の教示の少なくとも一部に従って、更に構築され、かつ動作可能とされ得る。
【0042】
IV.代表的な代替的交換可能クランプパッド組立体
エンドエフェクタ(50)がクランプパッド(58a、58b)の交換を可能にする一方で、クランプパッド(58a、58b)の交換を行うために、エンドエフェクタ(50)はクランプアーム(56)を外側覆い(72)から取り外すことを必要とする。場合によっては、最初にクランプアーム(56、144)を何物からも取り外す必要なく、クランプパッド(58a、58b、146)をクランプアーム(56、144)から取り外すことを可能にすることが、望ましい場合があり得る。最初にクランプアーム(56、144)を何物からも取り外す必要なく、クランプアーム(56、144)からのクランプパッド(58a、58b、146)の取り外しを提供することは、器具(20、100)を殺菌するプロセスを簡略化し得るが、それによりクランプパッド(58a、58b、146)の交換に関連する時間及び/又は費用が節約され得る。以下の実施例は、最初にクランプアームをその他の何物からも取り外す必要なく、クランプパッドの交換を提供するために用いられてよい、クランプアーム及びクランプパッドの種々の代替的構成に関するものである。以下の実施例は、エンドエフェクタ(50、140)へと容易に組み込まれてよい、と理解すべきである。以下の実施例はあくまでも例示的なものにすぎない、とも理解すべきである。
【0043】
以下のいずれかの実施例では、器具(100)は、その開示が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許出願第14/623,812号、表題:「Ultrasonic Surgical Instrument with Removable Handle Assembly」(2015年2月17日)の教示の少なくともいくつかに従って、更に修正されてもよい。例えば、器具(100)は、米国特許出願第14/623,812号(例えば米国特許出願第14/623,812号の
図36A〜
図36B、及び関連する記述を参照されたい)で開示されるように、クランプアーム(144)が過伸展して、
図4に示す開放位置よりも広く枢軸回転するのを可能にするように、変更されてもよい。このようなクランプアーム(144)の過伸展は、クランプパッド(146)へのより容易な接近をもたらし、それによりクランプパッド(146)の交換を更に容易にし得る。
【0044】
追加的にあるいは代替的に、以下のいずれかの実施例では、器具(100)は、その開示が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許出願第14/553,378号、表題:「Ultrasonic Surgical Instrument with Blade Cooling through Retraction」(2014年11月25日)の教示の少なくともいくつかに従って、更に修正されてもよい。例えば、米国特許出願第14/553,378号(例えば米国特許出願第14/553,378号の
図20A〜
図20B、及び関連する記述を参照されたい)に開示されるように、器具(100)は、ブレード(160)が
図4に示す位置から近位方向に引っ込められ得るように改良されてもよい。こうしたブレード(160)の後退は、クランプパッド(146)へのより容易な接近をもたらし、それによって下記の教示に従うクランプパッド(146)の交換を更に容易にし得る。
【0045】
更に別のあくまでも例示的な実施例として、以下の種々の教示が、その開示が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許出願第14/552,614号、表題:「Ultrasonic Surgical Instrument with Staged Clamping」(2014年11月25日出願)の種々の教示と組み合わされてもよい。なお、交換可能クランプパッド(146)は、クランプアーム(144)の溝内に嵌合し得る、かつ/又はその他の仕方でクランプアーム(144)の機構と嵌合し得る、様々な種類の機構を有し得る、と理解すべきである。下記の教示が様々な種類の器具(100)へと実装されてよい、種々の好適な方法が、当業者には明らかとなるであろう。
【0046】
図7〜
図9Bは、代表的な代替的エンドエフェクタ(200)、又はその部分を示す。エンドエフェクタ(200)は、上記の超音波器具(20、100)へと容易に組み込まれてよい。本実施例のエンドエフェクタ(200)は、超音波ブレード(230)及びクランプアーム組立体(240)を含む。クランプアーム組立体(240)は、クランプアーム(250)及びクランプアーム(250)の下面に固定されるクランプパッド(270)を含む。エンドエフェクタ(200)は、外側外装(210)及び内側チューブ(220)を含むシャフト組立体の端部に配置される。外側覆い(210)、内側チューブ(220)、及びブレード(230)は、上述の外側覆い(132、72)、内側チューブ(134、76)、及び超音波ブレード(160、79)とそれぞれ実質的に類似している。
【0047】
本実施例では、クランプアーム(250)は、クランプアーム(250)及びピボットピン(290)の連結穴(292)を介して、超音波ブレード(230)上方の内側チューブ(220)の遠位端(222)に、枢動可能に連結されている。
図9A〜9Bで最良に明らかなように、外側覆い(210)の遠位端(212)は、外側覆い(210)の遠位端(212)における開口(214)と係合しているクランプアーム(250)のスタッド(254)を介して、超音波ブレード(230)下方のクランプアーム(250)の近位端(252)と、回転可能に連結されている。従って、内側チューブ(220)に対する外側覆い(210)の長手方向の並進が、超音波ブレード(230)へと向かって、及びそこから離れるように、ピン(290)の周囲でクランプアーム(250)の回転を引き起こし、それにより、クランプアーム(250)と超音波ブレード(230)との間の組織をクランプして、組織を切断及び/又は封止する。特に、内側チューブ(220)及びハンドル組立体(120)に対する外側覆い(210)の近位長手方向の並進が、超音波ブレード(230)へと向かってクランプアーム(250)を移動させ、かつ内側チューブ(220)及びハンドル組立体(120)に対する外側覆い(210)の遠位長手方向の並進が、超音波ブレード(230)から離れる方向へとクランプアーム(250)を移動させる。いくつかの代替的な変形形態では、外側覆い(210)が静止したまま、クランプアーム(250)が超音波ブレード(230)に向かって、またそこから離れるように枢動することを提供しつつ、内側チューブ(220)が並進する。
【0048】
図10〜12は、クランプパッド(270)の反対側上面に沿って延びるクランプパッド(270)の下面及びほぞ(278)に沿った複数の歯(272)を、クランプパッド(270)がどのように含むかを示す。クランプパッド(270)は、クランプパッド(270)により画定される、長手方向軸線から外向きに側方へと延出する突起部(274)を伴う、側部表面(276)を更に含む。本実施例では、クランプパッド(270)は弾性材料からなる。更に後述するように、クランプパッド(270)の弾力性により、突起部(274)は、それらに対して力が加えられた場合に内側に変形する。図示される変形形態では、クランプパッド(270)は湾曲した形状を有するように示されている。本実施例では、この湾曲形状は、クランプパッド(270)の製造により予め形成されている。その他の変形形態では、クランプパッド(270)は、製造中に予め直線形状にて形成されていてもよく、また、以下に更に記載されるように、例えば、湾曲したクランプアーム(250)上に取り付けられる場合に湾曲形状となるように、可撓性であってよい。
【0049】
図13〜14は、クランプアーム(250)の各側面上に支持ガセット(258)を含むクランプアーム(250)を示す。支持ガセット(258)は、遠位端(256)を含む。クランプアーム(250)は、クランプアーム(250)の下面に沿ってほぞ(280)を更に含む。ほぞ(280)は、
図15A〜15Cに示すように、クランプパッド(270)のほぞ(278)が、クランプアーム(250)のほぞ穴(280)に摺動可能にかみ合うように、クランプパッド(270)のほぞ(278)を補完するように構成される。この点に関して、ほぞ(278)はほぞ穴(280)内で摺動するように構成される。図示される変形形態では、ほぞ穴(280)及びほぞ(278)は相補的な「T」形状を有し、ほぞ(278)は
図11で最良に明らかなように「T」形状断面を有し、またほぞ穴(280)は「T」形状スロットとして形成されている。その他の変形形態では、使用できる「T」形状以外のその他の相補的な形状が、本明細書の教示を考慮することにより、当業者に明らかとなるであろう。更に後述するように、クランプパッド(270)をクランプアーム(250)へと取り付ける場合に、クランプアーム(250)がエンドエフェクタ(200)の残部から取り外され、このエンドエフェクタ(200)からのクランプアーム(250)の分離は、クランプパッド(270)を取り付ける場合の全ての変形形態にて必要とされるものではない。
【0050】
図15A〜15Cは、クランプアーム(250)へのクランプパッド(270)の取り付けを示す、一連の図を示す。
図15Aを
図15Bと比較して明らかなように、クランプパッド(270)をクランプアーム(250)へと取り付けるために、クランプパッド(270)の遠位端がクランプアーム(250)の近位端と位置合わせされる。クランプパッド(270)及びクランプアーム(250)が位置合わせされた状態で、ほぞ(278)の遠位端(279)がほぞ穴(280)の近位端(282)へと挿入される。ほぞ(278)及びほぞ穴(280)は、前述のように摺動係合を有する。
図15Bを
図15Cと比較して示すように、クランプパッド(270)は、
図15Cにて示すようにクランプパッド(270)が完全な取り付け位置に達するまで、クランプアーム(250)に対して更に遠位に前進する。支持ガセット(258)間の内側幅よりも突起部(274)におけるクランプパッド(270)の幅がより大きいため、クランプパッド(270)の取り付け工程中に、クランプパッド(270)の突起部(274)がクランプアーム(250)の支持ガセット(258)に接触し得る。いくつかの変形形態では、支持ガセット(258)間の内側幅が0.267センチメートル(0.105インチ)である一方、突起部(274)の幅は0.292センチメートル(0.115インチ)である。当然ながら、これらの寸法は必須ではなく、またその他の変形形態では、その他の好適な寸法が、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。
【0051】
クランプパッド(270)をクランプアーム(250)に対して遠位に前進させる行為の間、支持ガセット(258)は、クランプパッド(270)の突起部(274)に力を及ぼす。この力は、クランプパッド(270)がクランプアーム(250)に対してその完全な取り付け位置へと遠位に前進し続けることができるように、突起部(274)を内側に変形させる。完全な取り付け位置では、クランプパッド(270)の突起部(274)は、支持ガセット(258)の遠位に位置しており、これにより、突起部(274)は、支持ガセット(258)により突起部(274)に及ぼされる力をもはや受けない。従って、突起部(274)は、クランプパッド(270)により画定される長手方向軸に向かって内側にもはや変形することがない。このようにして、クランプパッド(270)がクランプアーム(250)とのスナップ嵌め接合を有する、と理解されている。更に、このスナップ嵌め接合は、後述するように、クランプパッド(270)がクランプアーム(250)から取り外し可能である際に選択的である。更になお、クランプパッド(270)とクランプアーム(250)との間のスナップ嵌め接合は、接着剤、溶接、又はその他の機械的締結構造を用いることなく達成することができる。
【0052】
クランプアーム(250)の支持ガセット(258)は、遠位端(256)を含む。クランプパッド(270)がクランプアーム(250)内に完全に取り付けられると、支持ガセット(258)の遠位端(256)が突起部(274)に接触して、クランプパッド(270)がクランプアーム(250)に対して近位に移動することを阻止する。なお、クランプパッド(270)がクランプアーム(250)に対して更に遠位に動くことを阻止するように、クランプパッド(270)がクランプアーム(250)に完全に取り付けられる場合、ほぞ穴(280)の閉鎖遠位端(281)がほぞ(278)の遠位端(279)に接触する。上記の説明に基づいて、ほぞ穴(280)の閉鎖遠位端(281)及び支持ガセット(258)の遠位端(256)が、長手方向の抑制機として作用する、と理解すべきである。必要でないが、いくつかの変形形態では、一度クランプパッド(270)がクランプアーム(250)に取り付けられると、クランプアーム(250)に対するクランプパッド(270)の近位移動をピン(290)が阻止するようにも作用し得る。
【0053】
外科的処置の後に、クランプパッド(270)をクランプアーム(250)から取り外し、かつ所望の場合に、同様の品質の新規クランプパッドを取り付けることができる。クランプパッド(270)を取り外すために、クランプパッド(270)は、支持ガセット(258)との接触により突起部(274)が変形するように、十分な力でクランプアーム(250)に対して近位に前進する。突起部(274)が変形した状態で、クランプパッド(270)は、クランプパッド(270)がクランプアーム(250)から取り外し可能であるように、支持ガセット(258)を通り過ぎて近位に摺動することができる。いくつかの実施例では、ユーザは、突起部(274)にて又はその近くにてクランプパッド(270)を把持し、かつクランプパッド(270)をクランプアーム(250)に対して近位側に前進させながら突起部(274)に力を加えて、突起部(274)を内側に変形させてよい。
【0054】
いくつかの変形形態では、前述したように、クランプパッド(270)を取り外すことに先立って、クランプアーム(250)を内側チューブ(220)及び外側覆い(210)から最初に取り外してよい。クランプアーム(250)を取り外す際には、ピボットピン(290)を取り外し、かつ開口部(214)からスタッド(254)を取り外して、クランプアーム(250)を内側チューブ(220)及び外側覆い(210)から分離する。クランプアーム(250)を内側チューブ(220)及び外側覆い(210)から取り外して使用済みクランプパッド(270)を取り外す、及び/又は新規クランプパッド(270)を取り付ける、かのどちらかのこのような実施例では、一度クランプパッド(270)がクランプアーム(250)に取り付けられると、クランプアーム組立体(240)は、ピボットピン(290)を介して内側チューブ(220)へと連結されてよく、またスタッド(254)及び開口(214)を介して外側覆い(210)へと連結されてよい。実施例のみの目的で、エンドエフェクタ(200)は、その開示が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許第7,544,200号、表題:「Combination Tissue Pad for Use with an Ultrasonic Surgical Instrument」(2009年6月9日発行)の教示の少なくとも一部に従って、更に構築され、かつ動作可能とされ得る。
【0055】
更なる実施例により、かつ制限なく、いくつかの変形形態では、クランプパッド(270)は、その直線状構成における長さが約1.93センチメートル(約0.760インチ)であってもよい。その近位端にて、クランプパッド(270)は、約0.267センチメートル(0.105インチ)の幅を有していてもよい。その遠位端から約1.50センチメートル(約0.590インチ)で、クランプパッド(270)は、約0.292センチメートル(約0.115インチ)の幅にてその最も広い幅であってよい。なお、この最も広い部分は、突起部(274)における幅と一致している。その遠位端から約1.37センチメートル(約0.540インチ)にて、クランプパッド(270)は、約0.267センチメートル(約0.105インチ)幅へと戻ってよい。前述のように、場合によっては、支持ガセット(258)の最も近い部分の間の幅は、約0.267センチ(約0.105インチ)であってよい。従って、いくつかの実施例では、クランプパッド(270)の最も広い部分は、クランプアーム(250)の支持ガセット(258)の最も近い部分の間の幅よりも約10%広い。これらの寸法は代表的なものであり、必須ではない、と理解すべきである。なお、本明細書の教示を考慮すると、その他の好適な寸法が当業者に明らかであろう。
【0056】
クランプパッド(58a)と類似したクランプパッドがクランプアーム(250)と共に使用される変形形態では、変更された変形形態のクランプパッド(270)をリテーナとして使用してもよい、とも理解すべきである。換言すれば、クランプパッド(58b)は、クランプアーム(250)に対して両方のクランプパッド(58a、58b)を固定するために、突起部(274)と類似した機構を含むように変更されてもよい。同様に、クランプパッド(270)が単一の一体構造である一方、クランプパッド(270)は、突起部(274)同様の機構を含む1つ以上のこのような部分を伴う、むしろ2つ以上の部分(例えば、長手方向に互いに位置合わせした)として形成されてよい。クランプパッド(270)の別の部分が別の材料により形成される一方、クランプパッド(270)の1つの部分が1つの材料により形成されるように、クランプパッド(270)のこのような複数部分の変形形態の部分は異なる材料で形成されてよい。更に、本明細書に記載されるクランプパッド保持構成は、組織接触パッド材料をブレード(79、230)との接合面に適合させるための追加の空間を提供し、それにより、従来のエンドエフェクタ構成よりも長い切断長さを可能にするように使用されてよい。
【0057】
V.代表的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる、種々の非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の出願におけるどの時点でも提示され得る、いずれの請求項の適用範囲をも限定することを目的としたものではない、と理解すべきである。一切の棄権をも意図するものではない。以下の実施例は、単なる例示の目的で与えられるものにすぎない。本明細書の様々な教示は、その他の多くの方法で構成及び適用が可能であると考えられている。また、いくつかの変形形態では、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略してよいことも、考えられる。従って、本発明者又は本発明者の利益の継承者により、後日、そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は特徴のいずれも重要なものとして見なされるべきではない。以下に言及される特徴以外の更なる特徴を含む請求項が本出願において、又は本出願に関連する後の出願において示される場合、これらの更なる特徴は、特許性に関連するいずれかの理由により追加されたものとしても、仮定されるべきではない。
【実施例】
【0058】
(実施例1)
(a)本体と、(b)本体から遠位に延出するシャフト組立体と、(c)シャフト組立体内に位置する音響導波管であって、導波管は超音波変換器と音響的に連結するように構成された、音響導波管と、(d)エンドエフェクタであって、(i)導波管と音響連通する超音波ブレードと、(ii)クランプアーム組立体であって、(A)シャフト組立体と枢動可能に連結しているクランプアームと、(B)スナップ嵌め接合を用いて、取り外し可能にクランプアームと連結するように構成されたクランプパッドと、を備える、クランプアーム組立体と、を備える、エンドエフェクタと、を備える、超音波器具。
【0059】
(実施例2)
クランプアームがシャフト組立体と枢動可能に連結しつつ、クランプパッドがクランプアームと取り外し可能に連結するように構成されている、実施例1の超音波器具。
【0060】
(実施例3)
クランプアームがシャフト組立体から分離しつつ、クランプパッドがクランプアームと取り外し可能に連結するように構成されている、実施例1〜2のいずれか1つ以上の超音波器具。
【0061】
(実施例4)
クランプアームが、クランプアームの各側面上に一対の支持ガセットを備える、実施例1〜3のいずれか1つ以上の超音波器具。
【0062】
(実施例5)
クランプパッドが、クランプパッドに沿って長手方向に延出するほぞを備える、実施例1〜4のいずれか1つ以上の超音波器具。
【0063】
(実施例6)
ほぞがクランプパッドの上面に沿って延出する、実施例5の超音波器具。
【0064】
(実施例7)
ほぞが「T」形状を有する断面特性を備える、実施例5〜6のいずれか1つ以上の超音波器具。
【0065】
(実施例8)
クランプパッドが、クランプパッドの長手方向軸線から外側に延出する少なくとも1つの突起部を備える、実施例1〜7のいずれか1つ以上の超音波器具。
【0066】
(実施例9)
クランプパッドが一対の突起部を備える、実施例8の超音波器具。
【0067】
(実施例10)
クランプパッドが、少なくとも1つの突起部と一致する位置にて最も広い幅を有する、実施例8〜9のいずれか1つ以上の超音波器具。
【0068】
(実施例11)
クランプアームが、クランプアームに沿って長手方向に延出しかつクランプパッドを受容するように構成されている、ほぞ穴を備える、実施例1〜10のいずれか1つ以上の超音波器具。
【0069】
(実施例12)
ほぞが「T」形状のスロットとして形成されている、実施例11の超音波器具。
【0070】
(実施例13)
クランプアームが、クランプパッドを支持するように構成された少なくとも1つの支持ガセットを備える、実施例1〜12のいずれか1つ以上の超音波器具。
【0071】
(実施例14)
クランプアームが一対の支持ガセットを備える、実施例1〜13のいずれか1つ以上の超音波器具。
【0072】
(実施例15)
一対の支持ガセット間の第1の幅が、クランプパッドの第2の幅よりも狭い、実施例14の超音波器具。
【0073】
(実施例16)
クランプパッドが少なくとも1つの突起部を備え、クランプパッドが少なくとも1つの突起部と一致する位置にて第1の幅を有し、クランプアームがクランプパッドを支持するように構成された一対の支持ガセットを備え、クランプアームが一対の支持ガセットの間で第2の幅を備え、少なくとも1つの突起部と一致する位置にて第2の幅が第1の幅よりも狭い、実施例1〜15のいずれか1つ以上の超音波器具。
【0074】
(実施例17)
第1の幅が第2の幅より約10%広い、実施例16の超音波器具。
【0075】
(実施例18)
超音波器具の本体から遠位方向に延出するシャフト組立体を有する超音波器具と共に使用するための、取り外し可能なクランプアーム組立体であって、(a)シャフト組立体と選択的に接続可能なクランプアームであって、(i)シャフト組立体との第1の枢動可能な接続部と、(ii)シャフト組立体との第2の枢動可能な接続部と、(iii)クランプアームに沿って長手方向に延出するほぞ穴と、(iv)一対の支持ガセットと、を備える、クランプアームと、(b)クランプアームと選択的に接続可能なクランプパッドであって、(i)クランプパッドの上面に沿って延出するほぞであって、ほぞ穴と摺動可能に係合するように構成された、ほぞと、(ii)クランプパッドの長手方向軸線から外向きに延出する少なくとも1つの突出部であって、一対の支持ガセットのうち選択された1つに接触する場合に変形するように構成された、少なくとも1つの突出部と、を備える、クランプパッドと、を備える、クランプアーム組立体。
【0076】
(実施例19)
ほぞ穴が湾曲し、クランプパッドのほぞがほぞ穴と摺動可能に係合する場合にクランプパッドが曲線形状になるように構成されるよう、クランプパッドが可撓性である、実施例18のクランプアーム組立体。
【0077】
(実施例20)
超音波外科用器具のクランプアームとクランプパッドを組み立てる方法であって、
(a)クランプパッドの遠位端とクランプアームの近位端とを位置合わせする方法工程と、(b)クランプパッドにおけるほぞの遠位端を、クランプアームにおけるほぞ穴の近位端へと挿入する方法工程と、(c)クランプパッドをクランプアームに対して遠位に前進させて、ほぞとほぞ穴とを摺動可能に係合させる方法工程と、(d)クランプパッドの突起部を、クランプアームの支持ガセットと接触させて位置させ、突起部の内側への変形を発生させる方法工程と、(e)クランプパッドの突起部を、クランプアームの支持ガセットの遠位に位置させ、突起部が支持ガセットに接触することにより引き起こされる突起部の変形を除去する方法工程と、を含む、方法。
【0078】
VI.その他
本明細書に記載される器具のいずれの変形形態も、上述されるものに加えて、又はそれらの代わりに、種々のその他の特徴を含んでもよい、と理解すべきである。実施例のみの目的で、本明細書に記載される器具のいずれもが、本明細書に参考として組み込まれる種々の参考文献のいずれかにおいて開示される種々の特徴のうちの、1つ以上を含むことができる。また、多数の方法にて、本明細書の引用文献のいずれかの教示と本明細書の教示とを容易に組み合わせ得るように、本明細書の教示は、本明細書のその他の引用文献のいずれかに記載される器具のいずれにも容易に適用され得る、とも理解すべきである。本明細書の教示が組み込まれ得るその他の種類の器具が、当業者に明らかであろう。
【0079】
また、本明細書で言及する値のあらゆる範囲がこのような範囲の上下限を含む、と読み取るべきである、とも理解すべきである。例えば、「約2.54センチメートル〜約3.8センチメートル(約1.0インチ〜約1.5インチ)」に及ぶ値域を定めるように表現された範囲は、それらの上限と下限との間の値を含むことに加えて、約2.54センチメートル及び約3.8センチメートル(約1.0インチ及び約1.5インチ)を含む、と解釈されなければならない。
【0080】
本明細書に参考として組み込まれると言及されたいかなる特許、公報、又はその他の開示内容も、全体的に又は部分的に、組み込まれた内容が現行の定義、見解、又は本明細書に記載されるその他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれる、と理解されなければならない。そのようなものであるから、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参考として本明細書に組み込まれているあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。現行の定義、見解、又は本明細書に記載されるその他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は本明細書に参考として組み込まれるものとするが、参照内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、参照されるものとする。
【0081】
上記の装置の変形形態は、医療専門家により行われる従来の治療及び処置における用途のみではなく、ロボット支援された治療及び処置における用途をも有してよい。実施例のみの目的で、本明細書の種々の教示は、ロボット外科用システム、例えばIntuitive Surgical,Inc.(サニーベール、カリフォルニア)によるDAVINCI(商標)システムなどに容易に組み込まれてよい。同様に、本明細書の種々の教示は、その開示が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許第6,783,524号、表題:「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」(2004年8月31日公開)の種々の教示と容易に組み合わされ得ることを、当業者は理解するであろう。
【0082】
上記の変形形態は、1回の使用後に廃棄されるように設計されてもよく、又は、それらは複数回使用されるように設計されてもよい。一方又はその両方の場合において、種々の変形形態は、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整されてよい。再調整は、装置の分解工程、それに続く特定の部分の洗浄又は交換工程、及びその後の再組立て工程の、任意の組み合わせを含んでよい。特に、装置のいくつかの変形形態は分解することができ、かつ、装置の任意の数の特定の部品若しくは部分を、任意の組み合わせにて選択的に交換又は取り外してもよい。特定の部分の洗浄及び/又は交換の際、装置のいくつかの変形形態は、再調整用の施設にて、又は手術の直前に操作者により、のどちらかで、その後の使用のために再組立てされてもよい。装置の再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組立てのための種々の技術を利用することができることを、当業者は理解するであろう。このような技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、全て本発明の範囲内にある。
【0083】
実施例のみの目的で、本明細書に記載される変形形態は、手術の前及び/又は後に滅菌されてもよい。1つの滅菌技術では、装置をプラスチック製又はTYVEK製のバックなどの閉鎖及び密封された容器に入れる。次いで、容器及び装置を、γ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過し得る放射線場に置いてよい。放射線は、装置の表面及び容器内の細菌を死滅させ得る。次に、滅菌された装置を、後の使用のために、滅菌容器中で保管してよい。β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気が挙げられるがこれらに限定されない、当該技術分野で周知のその他の任意の技術を用いて、装置を滅菌してもよい。
【0084】
以上、本発明の種々の実施形態を図示及び説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な改変により、本明細書に記載される方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。このような可能な改変のうちのいくつかについて述べたが、その他の改変も当業者には明らかであろう。例えば、上記の実施例、実施形態、形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって、必須のものではない。従って、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面において図示され、説明された構造及び動作の細部に限定されないものとして、理解されたい。
【0085】
〔実施の態様〕
(1) (a)本体と、
(b)前記本体から遠位に延出するシャフト組立体と、
(c)前記シャフト組立体内に位置する音響導波管であって、前記導波管は超音波変換器と音響的に連結するように構成された、音響導波管と、
(d)エンドエフェクタであって、
(i)前記導波管と音響連通する超音波ブレードと、
(ii)クランプアーム組立体であって、
(A)前記シャフト組立体と枢動可能に連結しているクランプアームと、
(B)スナップ嵌め接合を用いて、取り外し可能に前記クランプアームと連結するように構成されたクランプパッドと、を備える、クランプアーム組立体と、を備える、エンドエフェクタと、を備える、超音波器具。
(2) 前記クランプアームが前記シャフト組立体と枢動可能に連結しつつ、前記クランプパッドが前記クランプアームと取り外し可能に連結するように構成されている、実施態様1に記載の超音波器具。
(3) 前記クランプアームが前記シャフト組立体から分離しつつ、前記クランプパッドが前記クランプアームと取り外し可能に連結するように構成されている、実施態様1に記載の超音波器具。
(4) 前記クランプアームが、前記クランプアームの各側面上に一対の支持ガセットを備える、実施態様1に記載の超音波器具。
(5) 前記クランプパッドが、前記クランプパッドに沿って長手方向に延出するほぞを備える、実施態様1に記載の超音波器具。
【0086】
(6) 前記ほぞが前記クランプパッドの上面に沿って延出する、実施態様5に記載の超音波器具。
(7) 前記ほぞが「T」形状を有する断面特性を備える、実施態様5に記載の超音波器具。
(8) 前記クランプパッドが、前記クランプパッドの長手方向軸線から外側に延出する少なくとも1つの突起部を備える、実施態様1に記載の超音波器具。
(9) 前記クランプパッドが一対の突起部を備える、実施態様8に記載の超音波器具。
(10) 前記クランプパッドが、前記少なくとも1つの突起部と一致する位置にて最も広い幅を有する、実施態様8に記載の超音波器具。
【0087】
(11) 前記クランプアームが、前記クランプアームに沿って長手方向に延出しかつ前記クランプパッドを受容するように構成されている、ほぞ穴を備える、実施態様1に記載の超音波器具。
(12) 前記ほぞ穴が「T」形状のスロットとして形成されている、実施態様11に記載の超音波器具。
(13) 前記クランプアームが、前記クランプパッドを支持するように構成された少なくとも1つの支持ガセットを備える、実施態様1に記載の超音波器具。
(14) 前記クランプアームが、一対の支持ガセットを備える、実施態様12に記載の超音波器具。
(15) 前記一対の支持ガセット間の第1の幅が、前記クランプパッドの第2の幅よりも狭い、実施態様14に記載の超音波器具。
【0088】
(16) 前記クランプパッドが少なくとも1つの突起部を備え、前記クランプパッドが前記少なくとも1つの突起部と一致する位置にて第1の幅を有し、前記クランプアームが前記クランプパッドを支持するように構成された一対の支持ガセットを備え、前記クランプアームが前記一対の支持ガセットの間で第2の幅を備え、前記少なくとも1つの突起部と一致する前記位置にて前記第2の幅が前記第1の幅よりも狭い、実施態様1に記載の超音波器具。
(17) 前記第1の幅が前記第2の幅より約10%広い、実施態様16に記載の超音波器具。
(18) 超音波器具の本体から遠位方向に延出するシャフト組立体を有する前記超音波器具と共に使用するための、取り外し可能なクランプアーム組立体であって、
(a)前記シャフト組立体と選択的に接続可能なクランプアームであって、
(i)前記シャフト組立体との第1の枢動可能な接続部と、
(ii)前記シャフト組立体との第2の枢動可能な接続部と、
(iii)前記クランプアームに沿って長手方向に延出するほぞ穴と、
(iv)一対の支持ガセットと、を備える、クランプアームと、
(b)前記クランプアームと選択的に接続可能なクランプパッドであって、
(i)前記クランプパッドの上面に沿って延出するほぞであって、前記ほぞ穴と摺動可能に係合するように構成された、ほぞと、
(ii)前記クランプパッドの長手方向軸線から外向きに延出する少なくとも1つの突起部であって、前記一対の支持ガセットのうち選択された1つに接触する場合に変形するように構成された、少なくとも1つの突起部と、を備える、クランプパッドと、を備える、クランプアーム組立体。
(19) 前記ほぞ穴が湾曲し、前記クランプパッドの前記ほぞが前記ほぞ穴と摺動可能に係合する場合に前記クランプパッドが曲線形状になるように構成されるよう、前記クランプパッドが可撓性である、実施態様18に記載のクランプアーム組立体。
(20) 超音波外科用器具のクランプアームとクランプパッドを組み立てる方法であって、
(a)前記クランプパッドの遠位端と前記クランプアームの近位端とを位置合わせする方法工程と、
(b)前記クランプパッドにおけるほぞの遠位端を、前記クランプアームにおけるほぞ穴の近位端へと挿入する方法工程と、
(c)前記クランプパッドを前記クランプアームに対して遠位に前進させて、前記ほぞと前記ほぞ穴とを摺動可能に係合させる方法工程と、
(d)前記クランプパッドの突起部を、前記クランプアームの支持ガセットと接触させて位置させ、前記突起部の内側への変形を発生させる方法工程と、
(e)前記クランプパッドの前記突起部を、前記クランプアームの前記支持ガセットの遠位に位置させ、前記突起部が前記支持ガセットに接触することにより引き起こされる前記突起部の前記変形を除去する方法工程と、を含む、方法。