【文献】
PAONE D V,CALCITONIN GENE-RELATED PEPTIDE RECEPTOR ANTAGONISTS FOR THE TREATMENT OF MIGRAINE: A PATENT REVIEW,EXPERT OPINION ON THERAPEUTIC PATENTS,英国,INFORMA HEALTHCARE,2009年12月 1日,V19 N12,P1675-1713
【文献】
HAN, X. et al.,The synthesis and SAR of calcitonin gene-related peptide (CGRP) receptor antagonists derived from tyrosine surrogates. Part 2,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2013年,23(6),pp. 1870-1873
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物を含む組成物であって、前兆を伴わない片頭痛、慢性片頭痛、純粋な月経性片頭痛、月経に関連する片頭痛、前兆を伴う片頭痛、家族性片麻痺性片頭痛、孤発性片麻痺性片頭痛、脳底型片頭痛、周期性嘔吐、腹性片頭痛、小児期の良性発作性めまい、網膜性片頭痛、片頭痛発作重積、群発性頭痛、透析性頭痛、発作性片頭痛、変形性関節症、閉経又は手術や薬物治療に起因して医学的に誘発された閉経に関連するホットフラッシュ、持続性片側頭痛、周期性嘔吐症候群、アレルギー性鼻炎、酒さ、歯痛、耳痛、中耳炎、日焼け、 変形性関節症及び関節リウマチに関連する関節痛、癌性疼痛、線維筋痛、糖尿病性神経障害、炎症性腸疾患−クローン病に関連する疼痛、痛風、複合性局所疼痛症候群、ベーチェット病、子宮内膜症痛、背部痛又は咳を含む脳血管性疾患又は血管性疾患を治療するための組成物。
【発明の概要】
【0008】
最初に臨床試験されたCGRP-RAであるオルセゲパントは、ジペプチド骨格をベースとしており、高分子量を有しており、経口投与では体内に吸収されなかった。それにもかかわらず、静脈内に投与された際、オルセゲパントは有効な抗片頭痛剤であることが判明し、この概念実証研究は、この分野における関心を著しく高めた。オルセゲパントの成功を受けて、多数の経口作用性CGRP-RAが、臨床試験へと進んだ。テルカゲパント及び化合物BI 44370、MK-3207、及びBMS-927711は全て、経口剤として、片頭痛の急性治療のために使用されてきた。まとめると、これらの臨床研究の結果は、CGRP-RAが、ゴールドスタンダードであるトリプタン薬に類似する抗片頭痛効果を示すが、有害事象の発生率は、トリプタンで一般的に観察されるのに比べて、有意に低いことを実証する。有効データが、これらのCGRPブロッカーは、血管収縮を引き起こさないことを示し、それらがトリプタンよりも優れた心血管系安全性プロファイルを有する可能性を示唆することは、注目に値する。いくつかのCGRP-RAで報告されてきた一つの潜在的な懸念は、数名の患者において肝トランスアミナーゼ濃度の上昇が観察されたことであり、報告によれば、これはMK-3207の中断につながった。増加した肝臓酵素は、長期間にわたるテルカゲパントの投与後、少数の被検者でも観察されたが、これらの発見が、ある程度作用機序に基づいているのか、又はこれら2つの化合物に特有であるのかどうかは、明らかになっていない。急性の片頭痛治療のための臨床治験において、CGRP-RAは、好ましい効果を示したが、それらの頻繁な投与は、肝毒性(肝トランスアミナーゼの増加)と関係があり、それらの臨床使用を制限した。このように、肝損傷を誘発しない新しいCGRP-RAを開発するニーズが存在する。
【0009】
肝損傷のリスクに対処する一つの可能性は、初回通過暴露を通じた肝臓への負担をより小さくできる、小分子による非経口的送達経路をターゲットにすることである。本発明の化合物は、皮下、静脈内及び/又は鼻腔内の投与経路のために使用できる。このような投与経路を対象とするCGRP-RAのための分子プロファイルは、経口分子のために必要とされるプロファイルとは異なり、極めて高い溶解度と相まった、極めて高い親和性及び機能的能力が要求される。本明細書に開示されるのは新規な化合物であり、及び、CGRP受容体アンタゴニストとしての、前記化合物の第一の医薬用途である。
【0010】
本発明の化合物として、式(I)の化合物又はその塩が挙げられる。
【化1】
式中、R
1は、以下の構造から選択され;
【化2】
R
2はHであるか、又はR
3とともにスピロ環式・複素環式の環を形成し、
R
3はR
2とともにスピロ環式・複素環式の環を形成するか、又はR
2がHの場合は複素環である。
【0011】
本発明は、新規化合物に関する。本発明は、CGRP受容体アンタゴニストとしての新規化合物の使用にも関する。本発明は、さらに、CGRP受容体アンタゴニストとして使用する医薬の製造における化合物の使用に関する。本発明は、さらに、脳血管性疾患又は血管性疾患、例えば、片頭痛(以下のようなサブタイプを含む:前兆を伴わない片頭痛、慢性片頭痛、純粋な月経性片頭痛、月経に関連する片頭痛、前兆を伴う片頭痛、家族性片麻痺性片頭痛、孤発性片麻痺性片頭痛、脳底型片頭痛、周期性嘔吐, 腹性片頭痛、小児期の良性発作性めまい、網膜性片頭痛)、片頭痛発作重積、群発性頭痛、透析性頭痛、発作性片頭痛、変形性関節症、閉経又は手術や薬物治療に起因して医学的に誘発された閉経に関連するホットフラッシュ、持続性片側頭痛、周期性嘔吐症候群、アレルギー性鼻炎、又は酒さを治療するための、化合物、組成物及び医薬に関する。本発明は、さらに、より広範な疼痛状態及び神経性炎症を伴う疾患(歯痛、耳痛、中耳炎、日焼け、変形性関節症及び関節リウマチに関連する関節痛、癌性疼痛、線維筋痛、糖尿病性神経障害, 炎症性腸疾患−クローン病に関連する疼痛、痛風、複合性局所疼痛症候群、ベーチェット病、子宮内膜症痛、背部痛又は咳を含む)を治療するための化合物、組成物及び医薬に関する。
【0012】
本明細書で例示される化合物は、式(I)の構造に基づいている:
【化3】
式中、R
1は、以下の構造から選択され;
【化4】
R
2はHであるか、又はR
3とともにスピロ環式・複素環式の環を形成し、
R
3はR
2とともにスピロ環式・複素環式の環を形成するか、又はR
2がHの場合は複素環である。
【0013】
より具体的な実施形態では、R
1のための置換基は、以下の構造である。
【化5】
【0014】
ある特定の実施形態では、R
2のための置換基はHであり、R
3は以下の構造から選択され:
【化6】
より具体的な実施形態では、R
3は、以下の構造である。
【化7】
【0015】
ある特定の実施形態では、R
2は、R
3とともに 以下のスピロ環式・複素環式の環を形成する:
【化8】
【0016】
本発明のさらなる実施形態は、式(I)の化合物を、CGRP受容体アンタゴニストとして投与することを含む、治療方法に関する。式(I)の化合物を用いる治療は、脳血管性疾患、例えば、片頭痛(以下のようなサブタイプを含む:前兆を伴わない片頭痛、慢性片頭痛、純粋な月経性片頭痛、月経に関連する片頭痛、前兆を伴う片頭痛、家族性片麻痺性片頭痛、孤発性片麻痺性片頭痛、脳底型片頭痛、周期性嘔吐、腹性片頭痛、小児期の良性発作性めまい、網膜性片頭痛)、片頭痛発作重積、群発性頭痛、透析性頭痛、発作性片頭痛、変形性関節症、閉経又は手術や薬物治療に起因して医学的に誘発された閉経に関連するホットフラッシュ、持続性片側頭痛、周期性嘔吐症候群、アレルギー性鼻炎、又は酒さの治療であってもよい。本発明は、さらに、より広範な疼痛状態及び神経性炎症を伴う疾患(歯痛、耳痛、中耳炎、日焼け、変形性関節症及び関節リウマチに関連する関節痛、癌性疼痛、線維筋痛、糖尿病性神経障害、炎症性腸疾患−クローン病に関連する疼痛、痛風、複合性局所疼痛症候群、ベーチェット病、子宮内膜症痛、背部痛又は咳を含む)を治療するための化合物、組成物及び医薬に関する。
【0017】
本発明のある特定の新規化合物は、CGRP受容体アンタゴニストとして特に高い活性を示す。
【0018】
代表的な化合物として、以下の化合物が挙げられる:
【化9】
【化10】
【0019】
これらの化合物のNMR及びLCMS特性並びに生物活性を表2及び3に示す。
【0020】
記載した化合物のいずれかがキラル中心を有する場合、本発明は、そのような化合物の全ての光学異性体にまで及び、ラセミ体の形態でも、分離されたエナンチオマーの形態でもよい。本明細書に記載の発明は、開示された任意の化合物の、結晶形、溶媒和物及び水和物すべてに関し、いかにしてそのように調製されたものであってもよい。本明細書に開示された化合物及び中間体のいずれかが、酸性又は塩基性中心(例えば、カルボキシレート又はアミノ基)を有する場合、前記化合物の全ての塩形態が、包含される。医薬用途の場合、前記塩は、薬学的に許容される塩であると見なされるものでなければならない。
【0021】
言及されうる薬学的に許容される塩としては、酸付加塩及び塩基付加塩が挙げられる。そのような塩は、常法によって形成されてもよく、例えば、化合物の遊離酸又は遊離塩基の形態を、1当量以上の適切な酸又は塩基と、所望に応じて溶媒中、又はその塩が不溶性である媒体中で反応させ、続いて前記溶媒又は前記媒体を標準的な技術(例えば、真空中、凍結乾燥による、又はろ過による)を用いて除去することによって形成する。塩はまた、塩の形態である化合物の対イオンを、例えば適切なイオン交換樹脂を用いることにより、別の対イオンと交換することによって調製されてもよい。
【0022】
薬学的に許容される塩の例としては、鉱酸及び有機酸に由来する酸付加塩、並びにナトリウム、マグネシウム、又は好ましくは、カリウム、及びカルシウムなどの金属に由来する塩が挙げられる。
【0023】
酸付加塩の例としては、酢酸、2,2-ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アリールスルホン酸(例えば、ベンゼンスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、及びp-トルエンスルホン酸)、アスコルビン酸(例えば、L-アスコルビン酸)、L-アスパラギン酸、安息香酸、4-アセトアミド安息香酸、ブタン酸、(+)-カンファー酸、カンファー-スルホン酸、(+)-(1S)-カンファー-10-スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸(例えば、D-グルコン酸)、グルクロン酸(例えば、D-グルクロン酸)、グルタミン酸(例えば、L-グルタミン酸)、α-オキソグルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、イセチオン酸、乳酸(例えば、(+)-L-乳酸及び(±)-DL-乳酸)、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸(例えば、(-)-L-リンゴ酸)、マロン酸、(±)-DL-マンデル酸、メタリン酸、メタンスルホン酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロト酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、プロピオン酸、L-ピログルタミン酸、サリチル酸、4-アミノ-サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、酒石酸(例えば、(+)-L-酒石酸)、チオシアン酸、ウンデシレン酸、及び吉草酸と共に形成された酸付加塩が挙げられる。
【0024】
塩の具体例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、メタリン酸、硝酸、及び硫酸などの鉱酸に由来する塩;酒石酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、安息香酸、グリコール酸、グルコン酸、コハク酸、アリールスルホン酸、パモ酸などの有機酸に由来する塩;ナトリウム、マグネシウム、又は好ましくは、カリウム、及びカルシウムなどの金属に由来する塩である。
【0025】
前記化合物及びそれらの塩のいかなる溶媒和物も包含される。好ましい溶媒和物は、本発明の化合物の固相構造(例えば、結晶構造)中に、無毒の薬学的に許容される溶媒(以下、溶媒和溶媒と称する)の分子が組み込まれることによって形成される溶媒和物である。そのような溶媒の例としては、水、アルコール(エタノール、イソプロパノール、及びブタノールなど)、及びジメチルスルホキシドが挙げられる。溶媒和物は、溶媒和溶媒を含む溶媒又は溶媒混合物を用いて、本発明の化合物を再結晶化することによって製造されてもよい。任意の所定の場合において、溶媒和物が形成されたか否かは、化合物の結晶を、熱重量分析(TGE)、示差走査熱量測定(DSC)、及びX線結晶解析等の周知且つ標準技術を使用する分析にかけることによって判定することができる。
【0026】
溶媒和物は、化学量論的又は非化学量論的溶媒和物であってもよい。特定の溶媒和物は、水和物であってよく、水和物の例として、半水和物、一水和物、及び二水和物が挙げられる。
【0027】
溶媒和物、及びそれらを作製し、特性決定するために用いられる方法のより詳細な考察については、Bryn et al., Solid-State Chemistry of Drugs, Second Edition, published by SSCI, Inc of West Lafayette, IN, USA, 1999, ISBN 0-967-06710-3が参照できる。
【0028】
本明細書で定義される化合物の「薬学的機能性誘導体」として、エステル誘導体、及び/又は、本発明の任意の関連化合物と同じ生物学的機能及び/又は活性を有するかあるいは提供する誘導体が挙げられる。従って、本発明の目的のために、この用語は、本明細書で定義されている化合物のプロドラッグも含む。
【0029】
関連化合物の「プロドラッグ」という用語には、経口又は非経口投与の後、生体内で代謝されて、実験的に検出可能な量で、及び所定の時間以内(例えば、6〜24時間の間の投与間隔内(すなわち、1日1回から4回))にその化合物を形成するいかなる化合物も含まれる。
【0030】
化合物のプロドラッグは、化合物上に存在する官能基を、そのようなプロドラッグが哺乳類被検者に投与された際に、生体内で修飾がはずれるように修飾することによって作製することができる。修飾は、典型的には、プロドラッグ置換基を有する親化合物を合成することによって達成される。プロドラッグには、化合物中のヒドロキシル基、アミノ基、スルフヒドリル基、カルボキシル基、又はカルボニル基が任意の基と結合している化合物が含まれ、この任意の基は生体内ではずれて、フリーのヒドロキシル基、アミノ基、スルフヒドリル基、カルボキシル基、又はカルボニル基をそれぞれ再生することができる。
【0031】
プロドラッグの例としては、ヒドロキシル官能基のエステル及びカルバメート、カルボキシル官能基のエステル基、N-アシル誘導体、及びN-マンニッヒ塩基が挙げられるが、これらに限定されない。プロドラッグに関する全般的な情報は、例えば、Bundegaard, H. "Design of Prodrugs" p.1-92, Elsevier, New York-Oxford (1985) が参照できる。
【0032】
定義
複素環式
複素環式とは、少なくとも1つの環構成原子が炭素以外である、環状の基を意味し、芳香族であってもよい。例えば、少なくとも1つの環構成原子(例えば、1、2又は3個の環構成原子)は、窒素、酸素及び硫黄から選択されてもよい。ヘテロアリール基の結合点は、環系のどの原子を経ていてもよい。代表的なヘテロアリール基として、ピリジル、インダゾリル、1,4-ジヒドロ-2H-ピリド[2,3-d][1,3]オキサジン-2-オン、1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-2-オン、3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン、キノリン-2(1H)-オン、ピペリジニル、ピロリジニル、2,8-ジアザスピロ[4.5]デカンなどが挙げられる。
【0033】
本発明において「医薬組成物」という用語は、活性剤を含み、且つさらに1つ以上の薬学的に許容されるキャリアを含む組成物を意味する。組成物は、投与方法及び剤型の性質に応じて、例えば、希釈剤、アジュバント、賦形剤、ビヒクル、保存剤、フィラー、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、甘味剤、香味剤、着香剤、抗菌剤、抗真菌剤、潤滑剤、及び分散剤から選択される成分をさらに含有していてもよい。組成物は、例えば、錠剤、糖衣錠、粉末、エリキシル、シロップ、懸濁液などの液体製剤、スプレー、吸入剤、錠剤、ロゼンジ、エマルジョン、溶液、カシェ、顆粒、カプセル、及び坐薬、並びにリポソーム製剤などの注射用液体製剤の形態を取っていてもよい。
【0034】
用量は、患者の要求、治療される病状の重症度、及び用いられる化合物に応じて変動してもよい。特定の状況に対する適切な用量は、当業者が適宜決定できる。一般的に、治療は、化合物の最適投与量未満であるより少ない用量で開始される。その後、用量は、その状況下での最適な効果が得られるまで、少々ずつ増量される。便宜上、1日の総用量が、所望に応じて分割され、1日の間に一部ずつ投与されてよい。
【0035】
化合物の有効用量の大きさは、当然のことながら、治療されるべき病状の重症度の性質、及び特定の化合物及びその投与経路によって変動する。適切な用量の選択は、過度な負担を伴うことなく、当業者の能力の範囲内で行うことができる。一般的に、一日用量の範囲は、ヒト及び非ヒト動物の体重1kgあたり約10μgから約30mg、好ましくは、ヒト及び非ヒト動物の体重1kgあたり約50μgから約30mg、例えば、ヒト及び非ヒト動物の体重1kgあたり約50μgから約10mg、例えば、ヒト及び非ヒト動物の体重1kgあたり約100μgから約30mg、例えば、ヒト及び非ヒト動物の体重1kgあたり約100μgから約10mg、最も好ましくは、ヒト及び非ヒト動物の体重1kgあたり約100μgから約1mgであってよい。
【0036】
本発明の化合物の製造
本発明の化合物は、例えば、スキーム1に示すものを含む経路によって製造することができる。以下の経路における変換、及び同じ変換を行うために用いることができる他の経路における変換などの標準的な変換の多くの詳細については、"Organic Synthesis", M. B. Smith, McGraw-Hill (1994)、あるいは、"Advanced Organic Chemistry", 4
th edition, J. March, John Wiley & Sons (1992)などの標準的な参考テキストブックが参照できる。
【化11】
【0037】
アミノ酸中間体(例えばアミノ酸のメチルエステル)と、アミン中間体との間の尿素形成は、DMFなどの溶媒中で、トリエチルアミン又はDIPEAなどの塩基の存在下で、DSCなどのカップリング剤を使用する条件の下で、行うことができる。それにより形成された尿素誘導体のメチルエステル部分は、THF、MeOH、1,4-ジオキサン、EtOAc又はそれらの混合物等の適切な溶媒中で、水酸化リチウムなどの水溶性の塩基を使用してけん化することができる。このようにして形成された酸中間体は、標準的な条件下で、例えば、DMF又はDCMなどの適切な溶媒中で、DIPEAなどの塩基の存在下、HATUなどのカップリング剤を使用することにより、アミドに変換できる。そのようなアミドカップリングのためのアミンパートナーは、標準的な変換(例えば、酢酸の存在下で、DCMなどの溶媒中で、アミン、アルデヒド又はケトン、及びナトリウムトリアセトキシボロヒドリドなどの還元剤を使用する還元アミノ化;又は上述したような条件下でのアミド形成;又は芳香族求核置換(SNAr)反応)を適切に組み合わせて製造することができる。本発明の化合物の合成において、アミンとハロゲン化複素環の間のSNAr反応は、MeCNなどの適切な溶媒中で、及びK
2CO
3などの塩基の存在下で、典型的には80℃にて行われる。上記のような標準的な変換後、又はそのような一連の変換の間に、標準保護基の除去が必要かもしれず、及び参考テキストブック、例えば“Protecting Groups”, 3
rd edition, P. J. Kocienski, Georg Thieme Verlag (2005)に記載されている条件を使用して行うことができる。そのような変換の一つとして、1,4-ジオキサン、MeOH、EtOH、DCM又はそれらの組み合わせなどの溶媒中で、HClなどの酸性条件における、アミンからのtert-ブトキシカルボニル基(Boc基として広く知られている)の除去が挙げられる。さらなる塩基性中心を有する本発明のアミン中間体のBoc脱保護は、異なる化学量論の塩酸塩をもたらしうることが理解できる。例えば、さらなる塩基性中心を1つ有する中間体のBoc脱保護は、新しいアミン中間体(例えば、一塩基酸塩又は二塩基酸塩であるアミン中間体)の形成をもたらし、これはしばしば塩酸塩の中和を行って中間体の遊離塩基を生じさせることなく使用される(これは、続くアミド形成において、一般的に、DIPEA又はトリエチルアミンのような塩基が過剰量で、前記塩酸塩を中和するために使用されることが理解できるためである)。Boc-脱保護によって形成された本発明のアミン中間体であって、遊離塩基への中和を行うことなく使用されるものは、本明細書において、塩酸塩(x HCl)と称され、本発明は、前記中間体の全ての塩形態にまで及ぶ。そのような保護基の別の除去方法は、還元条件を使用したカルボベンジルオキシ-保護アミン(Cbz又はZ基として広く知られている)の脱保護であり、例えば、ガス状のH
2の存在下で、EtOH又は水性EtOHなどの溶媒中で、パラジウム担持炭素による触媒作用を使用する。Cbz-保護基の除去のための別の条件は、転移水素添加を含み、例えば、EtOH又は水性EtOHのような溶媒中で、高温(例えば70℃)で、ギ酸アンモニウムの存在下で、パラジウム担持炭素触媒を使用する。
【0038】
一般的手順
合成経路が記載されていない場合、関連する中間体は、市販のものである。市販の試薬は、さらなる精製を行わずに用いた。室温(rt)は、約20〜27℃を意味する。
1H NMRスペクトルは、特別の定めがない限り、環境温度で、Bruker、VarianあるいはJEOL装置により、400 MHz又は600 MHzで記録した。化学シフト値は、100万分の1(ppm)、すなわち(δ)値で表す。NMRシグナルの多重度には、以下の略語を用いる:s=シングレット、br=ブロード、d=ダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、quin=クインテット、h=ヘプテット、dd=ダブルダブレット、dt=ダブルトリプレット、m=マルチプレット。カップリング定数は、Hzで測定したJ値として示す。NMR及び質量分析の結果は、バックグラウンドピークを考慮して補正した。クロマトグラフィーは、カラムクロマトグラフィーを指し、シリカを用いて実施し、陽圧(フラッシュクロマトグラフィー)条件下で実行した。LCMS実験は、以下の条件下で、エレクトロスプレー条件を用いて実施した。LCMSデータは、以下のフォーマットで示される:質量イオン、エレクトロスプレーモード(ポジティブあるいはネガティブ)、保持時間(実験テキスト及び表1);質量イオン、エレクトロスプレーモード(ポジティブあるいはネガティブ)、保持時間、およその純度(表2)
【0039】
方法A
装置:G1315A DADを備えたHewlett Packard 1100、Micromass ZQ;カラム: Waters X-Bridge C-18、2.5ミクロン、2.1×20 mm、又はPhenomenex Gemini-NX C-18、3ミクロン、2.0×30 mm;勾配[時間(分)/溶媒C中のD(%)]:0.00/2、0.10/2、8.40/95、10.00/95;溶媒:溶媒C=2.5 L H
2O+2.5 mL 28%アンモニア水溶液;溶媒D=2.5 L MeCN+135 mL H
2O+2.5 mL 28%アンモニア水溶液;注入量 1μL;UV検出 230〜400 nM;カラム温度 45℃;流速 1.5 mL/分
【0040】
方法B
装置:Agilent Technologies 1260 Infinity LC(Chemstation software、Diode Array Detector、API-ES Sourceを備えたAgilent 6120B Single Quadrupole MSを備えている);カラム:Phenomenex Gemini-NX C-18、3ミクロン、2.0×30 mm;勾配[時間(分)/溶媒C中のD(%)]:0.00/5、2.00/95、2.50/95、2.60/5、3.00/5;溶媒C及びDは、方法Aで上述した通り;注入量 0.5μL;UV検出 190〜400 nM;カラム温度 40℃;流速 1.5 mL/分
略語
DCM = ジクロロメタン
DIPEA = N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMAC = N,N-ジメチルアセトアミド
DMF = ジメチルホルムアミド
DMSO = ジメチルスルホキシド
ES = エレクトロスプレー
EtOAc = 酢酸エチル
h = 時間(単数又は複数)
HATU = 1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム 3-オキシドヘキサフルオロホスフェート
L = リットル
LC = 液体クロマトグラフィー
LCMS = 液体クロマトグラフィー質量分析
MeCN = アセトニトリル
min =分(単数又は複数)
MS = 質量分析
NMR = 核磁気共鳴
rcf = 相対遠心力
rpm = 1分あたりの回転数
rt = 室温
s = 秒(単数又は複数)
THF = テトラヒドロフラン
接頭辞 n-、s-、i-、t-及びtert-は、normal、secondary、iso、及びtertiaryという通常の意味を有する。
中間体の合成
カルボン酸中間体の製造
尿素形成及びその後のけん化を経るカルボン酸中間体の合成の典型的な手順を、中間体6:(2R)-3-(7-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-2-{[(2'-オキソ-1',2'-ジヒドロ-1H-スピロ[ピペリジン-4,4'-ピリド[2,3-d][1,3]オキサジン]-1-イル)カルボニル]アミノ}プロパン酸の合成を例に説明する。
【化12】
【0041】
工程1)Et
3N(2.26 mL、16.3 mmol)を、(R)-メチル 2-アミノ-3-(7-メチル-1H-インダゾール-5-イル)プロパノエート二塩酸塩(中間体5、995 mg、3.3 mmol)とDSC(917 mg、3.6 mmol)とを含むDMF(20 mL)の溶液に添加し、この混合物を室温で30分間撹拌した。その後、スピロ[ピペリジン-4,4'-[4H]ピリド[2,3-d][1,3]オキサジン]-2'(1'H)-オン(中間体4、785 mg、3.6 mmol)を、少量ずつ添加し、真空中で濃縮する前に、反応混合物を室温で18時間撹拌した。残留物をH
2OとMeOH/DCM(1:9)間で分配し、相を分離し、水層をH
2Oで洗浄した。分離工程で得られた残留固形分をMeOH中に溶解し、まとめた有機層を真空中で濃縮し、フラッシュ・クロマトグラフィーで精製し(EtOAc を含むMeOH(20:1)で溶出)、メチル (2R)-3-(7-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-2-{[(2'-オキソ-1',2'-ジヒドロ-1H-スピロ[ピペリジン-4,4'-ピリド[2,3-d][1,3]オキサジン]-1-イル)カルボニル]アミノ}プロパノエート(1.06 g、2.22 mmol)を白色の固体として得た。
LCMS (方法A):m/z 479.3 (ES+)、2.61分、100%.
1H NMR: (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 1.59-1.75 (m, 2H), 1.78-1.90 (m, 2H), 2.45 (s, 3H), 2.90-3.08 (m, 4H), 3.59 (s, 3H), 3.86-3.96 (m, 2H), 4.28-4.38 (m, 1H), 6.94-7.06 (m, 3H), 7.32 (dd, J=7.4, 1.2, 1H), 7.39 (s, 1H), 7.95 (s, 1H), 8.18 (dd, J=5.1, 1.6, 1H), 10.79 (s, 1H), 13.04 (s, 1H).
【0042】
工程2)メチル (2R)-3-(7-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-2-{[(2'-オキソ-1',2'-ジヒドロ-1H-スピロ[ピペリジン-4,4'-ピリド[2,3-d][1,3]オキサジン]-1-イル)カルボニル]アミノ}プロパノエート(1.06 g、2.22 mmol)をTHF(15 mL)とMeOH(3 mL)中に溶解し、LiOH水溶液(1M、4.4 mL、4.4 mmol)を滴下しながら添加した。室温で3.5時間撹拌した後、さらにLiOH水溶液(1M、2.2 mL、2.2 mmol)を滴下しながら添加し、窒素流下で濃縮する前に、この混合物を室温で1時間撹拌した。残留物を、最小量のH
2Oに溶解し、0℃まで冷却した。1MのHCl水溶液を、滴下しながら添加し、pHを3以下に調節し、得られた沈殿物をろ過して分離し、冷却したH
2OとEt
2Oで洗浄して、表題の化合物(877 mg、1.89 mmol)を淡黄色の固体として得た。
データを表1に示す。
中間体7:(2R)-3-(7-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-2-({[4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]カルボニル}アミノ)プロパン酸
【化13】
【0043】
表題の化合物(1.50 g、3.2 mmol)は、中間体6の方法を使用して、(R)-メチル 2-アミノ-3-(7-メチル-1H-インダゾール-5-イル)プロパノエート(中間体5、1.00 g、4.3 mmol)及び1-(ピペリジン-4-イル)-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-2-オン(中間体1、1.02 g、4.7 mmol)から、二段階で製造した。
データを表1に示す。
中間体9:(2R)-3-(7-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-2-({[4-(2-オキソ-1,4-ジヒドロキナゾリン-3(2H)-イル)ピペリジン-1-イル]カルボニル}アミノ)プロパン酸
【化14】
【0044】
表題の化合物(561 mg、1.18 mmol)は、中間体6の方法を使用して、(R)-メチル 2-アミノ-3-(7-メチル-1H-インダゾール-5-イル)プロパノエート(中間体5、917 mg、3.93 mmol)及び3-(ピペリジン-4-イル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2(1H)-オン(中間体3、1.00 g、4.32 mmol)から、二段階で製造した。
データを表1に示す。
中間体8:(2R)-3-(7-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-2-({[4-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-3-イル)ピペリジン-1-イル]カルボニル}アミノ)プロパン酸
【化15】
【0045】
工程1)N
2下で、約−20℃にて、(R)-メチル 2-アミノ-3-(7-メチル-1H-インダゾール-5-イル)プロパノエート(中間体5、6.05 g、25.9 mmol)を含むDMF(60 mL)溶液に、CDI(8.40 g、51.8 mmol)を添加し、−10℃未満の温度に維持しながらこの混合物を15分間撹拌した。H
2O(2.34 mL)を含む2〜3mLのDMF溶液を添加し、−10℃未満の温度に維持しながら15分間撹拌を続けた。その後、3-(ピペリジン-4-イル)キノリン-2(1H)-オン(中間体2、6.99 g、30.6 mmol)、DIPEA(4.93 mL、28.2 mmol)及びDCM(20 mL)をこの順で添加し、この混合物をN
2下で12時間、40℃にて加熱した。室温まで冷ました後、2M HCl(aq)(38.7 mL)を添加し、この混合物をDCMで二回抽出した。まとめた有機抽出物をH
2Oで3回洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4)、真空中で濃縮した。フラッシュ・クロマトグラフィーによって精製し(MeOH/DCM(5:95)で溶出)、メチル (2R)-3-(7-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-2-({[4-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-3-イル)ピペリジン-1-イル]カルボニル}アミノ)プロパノエート(10.4 g、21.3 mmol)を淡褐色の固体として得た。
1H NMR: (400 MHz, CDCl
3) δ: 1.40-1.60 (m, 2H), 1.95-1.97 (m, 2H), 2.46 (s, 3H), 2.90-3.00 (m, 2H), 3.11-3.26 (m, 3H), 3.76 (s, 3H), 4.07-4.12 (m, 2H), 4.86-4.91 (m, 1H), 5.18 (d, J=7.6, 1H), 6.93 (s, 1H), 7.17-7.21 (m, 1H), 7.24 (s, 1H), 7.32 (s, 1H), 7.43-7.54 (m, 3H), 7.95 (s, 1H), 10.70 (s, 2H).
【0046】
工程2)メチル (2R)-3-(7-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-2-({[4-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-3-イル)ピペリジン-1-イル]カルボニル}アミノ)プロパノエート(9.79 g、20.1 mmol)を含む1,4-ジオキサン(150 mL)の溶液に、LiOH・H
2O(1.26 g、30.0 mmol)を含むH
2O(150 mL)溶液を添加し、この混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を真空中でほぼ乾固体まで濃縮し、高速撹拌しながら2M HCl水溶液(約15 mL)で酸性化する前に、H
2O中に再溶解した。得られた濃い白色の沈殿物を、ろ過して分離し、洗浄液がほぼ中性のpHになるまで、H
2Oで洗浄した。真空中で乾燥して、表題の化合物(8.11 g、17.1 mmol)を、オフホワイトの固体として得た。
データを表1に示す。
アミン中間体の製造
中間体12:ベンジル 4-(2,8-ジアザスピロ[4.5]dec-8-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート塩酸塩
【化16】
【0047】
工程1)tert-ブチル 2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-2-カルボキシレート(中間体10、0.50 g、2.08 mmol)、ベンジル 4-オキソピペリジン-1-カルボキシレート(中間体11、583 mg、2.50 mmol)、酢酸(143μL、2.50 mmol)及びナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(530 mg、2.50 mmol)の混合物を含むDCM(10 mL)を室温で一晩撹拌した。さらに、ベンジル 4-オキソピペリジン-1-カルボキシレート(中間体11、600 mg、2.57 mmol)及び酢酸(150μL、2.62 mmol)を添加し、この混合物を室温で1時間撹拌し、その後さらにナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(550 mg、2.59 mmol)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌し、その後真空中で濃縮し、勾配フラッシュ・クロマトグラフィーによって精製し(0〜10%のMeOHを含むDCMで溶出)、tert-ブチル 8-{1-[(ベンジルオキシ)カルボニル]ピペリジン-4-イル}-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-2-カルボキシレート(620 mg、1.35 mmol)を得た。
LCMS (方法B):m/z 458.2 (ES+)、1.70分
1H NMR: (400 MHz, CDCl
3) δ: ppm 1.45 (s, 9H), 1.48-1.56 (m, 1H), 1.64-1.74 (m, 4H), 1.87-1.96 (m, 2H), 2.51-1.85 (m, 10H), 3.30-3.43 (m, 4H), 4.19-4.32 (m, 2H), 5.11 (s, 2H), 7.30-7.40 (m, 5H).
【0048】
工程2)HClを含む1,4-ジオキサン(4M、5.0 mL、20.0 mmol)を、(tert-ブチル 8-{1-[(ベンジルオキシ)カルボニル]ピペリジン-4-イル}-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-2-カルボキシレート(310 mg、0.68 mmol)を含むMeOH(5 mL)溶液に添加した。混合物を室温で3日間撹拌し、その後真空中で濃縮して、表題の化合物を得た(無色の固体、290 mg)。
データを表1に示す。
中間体14:ベンジル [(2R)-1-(2,8-ジアザスピロ[4.5]dec-8-イル)-1-オキソプロパン-2-イル]メチルカルバメート塩酸塩
【化17】
【0049】
工程1)tert-ブチル 2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-2-カルボキシレート(中間体10、865 mg、3.60 mmol)、N-[(ベンジルオキシ)カルボニル]-N-メチル-D-アラニン(中間体13、712 mg、3.00 mmol)、HATU(1.37 g、3.60 mmol)及びDIPEA(2.68 mL、15.0 mmol)の混合物を含むDCM(25 mL)を室温で一晩撹拌した。飽和NaHCO
3水溶液を添加し、相を分離し、有機相を真空中で濃縮した。勾配フラッシュ・クロマトグラフィーによって精製し(2〜10%のMeOHを含むDCMで溶出)、続いて分取HPLC(Phenomenex Gemini-NX 5μm C18カラム、100×30 mm、50〜80%MeCN/溶媒Bで、30 mL/分で、12.5分にわたって溶出[ここで、溶媒Bは、H
2O中、0.2%の(28%NH
3/H
2O)、205 nmでモニタリングすることにより、フラクションを採取]を行い、tert-ブチル 8-{N-[(ベンジルオキシ)カルボニル]-N-メチル-D-アラニル}-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-2-カルボキシレートを無色の泡状物質(1.08 g、2.19 mmol)として得た。
LCMS (方法A):m/z 460.5 (ES+)、4.68分
1H NMR: (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 1.10-1.29 (m, 5H), 1.30-1.47 (m, 1H), 1.39 (s, 9H), 1.52-1.77 (m, 2H), 2.67-2.77 (m, 3H), 2.87-3.12 (m, 3H), 3.12-3.35 (m, 5H), 3.46-3.76 (m, 1H), 4.88-5.09 (m, 2H), 5.12-5.22 (m, 1H), 7.25-7.42 (m, 5H).
【0050】
工程2)表題の化合物(白色の泡状物質、1.08 g)を、中間体12の方法を使用して、工程1の物質(1.08 g、2.19 mmol)と、4MのHClを含む1,4-ジオキサン(15 mL、60.0 mmol)から、MeOH(15 mL)中で、製造した。
データを表1に示す。
中間体16:8-(ピリジン-4-イル)-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン塩酸塩
【化18】
【0051】
工程1)tert-ブチル 2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-2-カルボキシレート(中間体10、1.00 g、4.16 mmol)、4-フルオロピリジン塩酸塩(中間体15、614 mg、4.60 mmol)及びK
2CO
3(1.74 g、12.6 mmol)の混合物を含むMeCN(80 mL)を、80℃で一晩加熱し、その後室温まで冷まして、真空中で濃縮した。残留物をEtOAcとH
2O間で分配し、有機相を食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO
4)、真空中で濃縮した。勾配フラッシュ・カラムクロマトグラフィーによって精製し(0〜100%の溶媒Bを含むDCM(ここで、溶媒Bは7N NH
3を含むMeOH / DCM [1:9])で溶出)、tert-ブチル 8-(ピリジン-4-イル)-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-2-カルボキシレート(610 mg、1.92 mmol)を、茶色の粘性油として得た。
LCMS (方法B):m/z 318.2 (ES+)、1.36分
1H NMR: (400 MHz, CD
3OD) δ: 1.46 (s, 9H), 1.63-1.68 (m, 4H), 1.81-1.85 (m, 2H), 3.23 (s 2H), 3.36-3.54 (m, 6H), 6.82-6.83 (m, 2H), 8.07-8.09 (m, 2H).
【0052】
工程2)表題の化合物(茶色の油状物質、550 mg)を、中間体12の方法を使用して、工程1)の物質(610 mg、1.92 mmol)及び4MのHClを含む1,4-ジオキサン(10 mL)から製造し、精製を行うことなく、実施例7の製造で使用した。
データを表1に示す。
【表1a】
【表1b】
【0053】
実施例の合成
アミドカップリング、及び適切な場合は脱保護を経る、実施例の合成のための典型的な手順を、以下の実施例の合成を例にして説明する。
手順1:
実施例2:N-[(2R)-1-[8-(N-メチル-D-アラニル)-2,8-ジアザスピロ[4.5]dec-2-イル]-3-(7-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-1-オキソプロパン-2-イル]-4-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-3-イル)ピペリジン-1-カルボキサミド
【化19】
【0054】
工程1)(2R)-3-(7-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-2-({[4-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-3-イル)ピペリジン-1-イル]カルボニル}アミノ)プロパン酸(中間体8、100 mg、0.21 mmol)、ベンジル[(2R)-1-(2,8-ジアザスピロ[4.5]dec-8-イル)-1-オキソプロパン-2-イル]メチルカルバメート塩酸塩(中間体14、99 mg、0.25 mmol)、HATU(96 mg、0.25 mL)及びDIPEA(146μL、0.84 mmol)の混合物を含むDMF(5 mL)を、室温で一晩撹拌し、その後真空中で濃縮した。勾配フラッシュ・クロマトグラフィーによって精製し(0〜10%のMeOHを含むDCMで溶出)、ベンジルメチル[(2R)-1-{2-[(2R)-3-(7-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-2-({[4-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-3-イル)ピペリジン-1-イル]カルボニル}アミノ)プロパノイル]-2,8-ジアザスピロ[4.5]dec-8-イル}-1-オキソプロパン-2-イル]カルバメート(160 mg、0.20 mmol)を淡黄色の固体として得た。
LCMS (方法B):m/z 815.2 (ES+)、1.41分、95%
【0055】
工程2)ギ酸アンモニウム(126 mg、2.0 mmol)を、ベンジルメチル[(2R)-1-{2-[(2R)-3-(7-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-2-({[4-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-3-イル)ピペリジン-1-イル]カルボニル}アミノ)プロパノイル]-2,8-ジアザスピロ[4.5]dec-8-イル}-1-オキソプロパン-2-イル]カルバメート(160 mg、0.20 mmol)を含むEtOH(10 mL)とH
2O(2 mL)の混合物に添加した。パラジウム担持炭素(10%、10 mg)を、添加し、反応混合物を70℃で一晩加熱した。室温まで冷ました後、さらに、ギ酸アンモニウム(126 mg、2.0 mmol)及びパラジウム担持炭素(10%、10 mg)を添加し、この混合物を70℃で1時間加熱し、その後室温まで冷まし、セライトを通してろ過し、ろ液を真空中で濃縮した。勾配フラッシュ・クロマトグラフィーによって精製し(0〜10%のMeOHを含むDCMで溶出)、その後、分取HPLC(Phenomenex Gemini-NX 5μm C18カラム、100×30 mm、20〜40%MeCN/溶媒Bで、30 mL/分で、12.5分にわたって溶出[ここで、溶媒Bは、H
2O中、0.2%の(28%NH
3/H
2O)、205 nmでモニタリングすることにより、フラクションを採取]を行って、表題の化合物(20 mg、0.03 mmol)を無色の固体として得た。
データを表2に示す。
手順2:
実施例5:N-[(2R)-1-[8-(N-メチル-D-アラニル)-2,8-ジアザスピロ[4.5]dec-2-イル]-3-(7-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-1-オキソプロパン-2-イル]-2'-オキソ-1',2'-ジヒドロ-1H-スピロ[ピペリジン-4,4'-ピリド[2,3-d][1,3]オキサジン]-1-カルボキサミド
【化20】
【0056】
工程1)ベンジルメチル[(2R)-1-{2-[(2R)-3-(7-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-2-{[(2'-オキソ-1',2'-ジヒドロ-1H-スピロ[ピペリジン-4,4'-ピリド[2,3-d][1,3]オキサジン]-1-イル)カルボニル]アミノ}プロパノイル]-2,8-ジアザスピロ[4.5]dec-8-イル}-1-オキソプロパン-2-イル]カルバメート(26 mg、0.03 mg)を、 実施例2の工程1の方法を使用して、(2R)-3-(7-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-2-{[(2'-オキソ-1',2'-ジヒドロ-1H-スピロ[ピペリジン-4,4'-ピリド[2,3-d][1,3]オキサジン]-1-イル)カルボニル]アミノ}プロパン酸(中間体6、70 mg、0.15 mmol)、ベンジル[(2R)-1-(2,8-ジアザスピロ[4.5]dec-8-イル)-1-オキソプロパン-2-イル]メチルカルバメート塩酸塩(中間体14、71 mg、0.18 mmol)、HATU(68 mg、0.18 mmol)及びDIPEA(0.13 mL、0.18 mmol)を含むDMF(2 mL)から製造した。
LCMS (方法A):m/z 806.7 (ES+)、3.64分
1H NMR: (400 MHz, CD
3OD) δ: ppm 0.17-1.06 (m, 2H), 1.06-1.47 (m, 7H), 1.47-1.75 (m, 1H), 1.76-1.96 (m, 1H), 2.03 (d, J=5.1, 3H), 2.19-2.43 (m, 1H), 2.52 (s, 3H), 2.69-2.96 (m, 5H), 2.96-3.24 (m, 7H), 3.40-3.55 (m, 1H), 3.55-3.97 (m, 1H), 4.07 (d, J=10.5, 2H), 4.52-4.74 (m, 1H), 4.97-5.12 (m, 1H), 5.13-5.33 (m, 1H), 6.93-7.19 (m, 3H), 7.20-7.65 (m, 9H), 7.89-8.06 (m, 1H), 8.20 (d, J=4.7, 1H).
【0057】
工程2)ベンジルメチル[(2R)-1-{2-[(2R)-3-(7-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-2-{[(2'-オキソ-1',2'-ジヒドロ-1H-スピロ[ピペリジン-4,4'-ピリド[2,3-d][1,3]オキサジン]-1-イル)カルボニル]アミノ}プロパノイル]-2,8-ジアザスピロ[4.5]dec-8-イル}-1-オキソプロパン-2-イル]カルバメート(26 mg、0.03 mg)及びパラジウム担持炭素(10%、10 mg)の混合物を含むEtOH(2.5 mL)とH
2O(0.5 mL)を、H
2雰囲気中で、室温で一晩撹拌した。H
2雰囲気の除去後、混合物をセライトを通じてろ過し、ろ液を真空中で濃縮して、表題の化合物(22 mg、0.03 mmol)を得た。
データを表2に示す。
上述の手順で製造したさらなる実施例の詳細を表2に示す。
【表2a】
【表2b】
【表2c】
生物学的方法
【0058】
クローニング、バキュロウイルス生成、Sf21細胞の大規模感染、及び膜調製
ヒトカルシトニン受容体様受容体(CRLR)及びヒトRAMP1を、Invitrogen(ThermoFisher Scientific, UK)のpFastBacデュアル発現ベクターにクローニングした。CRLR/RAMP1 DNAの転移は、InvitrogenのBac-to-Bacバキュロウイルス発現系を用いて行った。P0バキュロウイルスは、Cellfectin[登録商標]IIトランスフェクション試薬(ThermoFisher Scientific, UK, カタログ番号10362-100)を使用して、SF9細胞にバクミドDNAをトランスフェクトすることによって生成した。P0生成に続いて、その後、大規模感染と膜調製の準備のためにP1ウイルスを生成した。Sf21細胞を、10%熱不活性化FBS及び1%Pen/Strepを添加した発現培地ESF921 (Expression Systems, USA、カタログ番号96-001-01)内で増殖させ、細胞密度2.5×10
6細胞/mL及びMOI 2で感染させた。発現は、27℃に設定した振とう培養器内で、48時間実施した。細胞培養物を、4℃にて、2,500 rcfで10分間遠心分離した。沈殿物を、Rocheの「Complete EDTA-free protease inhibitor cocktail tablet(Roche Applied Sciences、カタログ番号05056489001)」、1 mMのPMSF及び1 mMのEDTAを添加した冷PBS中に再懸濁した。再懸濁した細胞ペーストをその後、4℃にて、3,273 rcfで12分間遠心分離した。上清を廃棄し、沈殿物を−80℃で冷凍した。4 Lの培地から得た細胞ペレットを、50 mM Hepes pH 7.5、150 mM NaCl、8個のRocheの「EDTA-free protease inhibitor cocktail tablet」、及び1 mMのPMSFを含む緩衝液中に再懸濁した。懸濁液を室温で1時間撹拌し続け、その後VDI 25(VWR, USA)ホモジナイザーを使用して、9,500 rpmにて90秒間、ホモジナイズした。その後細胞を、Microfluidizer processor M-110L Pneumatic(Microfluidics, USA)を使用して、溶解した。溶解後、この混合物を9,500 rpmにて90秒間ホモジナイズし、その後10分間335 rcfで遠心分離した。上清をその後さらに、42,000 rpmで90分間超遠心した。超遠心後、上清を廃棄し、沈殿物を、50 mM Hepes pH 7.5、150 mM NaCl、3個のRocheの「EDTA-free protease inhibitor cocktail tablet」、及び1 mM PMSFを含むバッファー50 mL(培地2Lあたり25 mL)中に再懸濁した。懸濁液をその後9,500 rpmにて90秒間、ホモジナイズした。得られた膜は、その後−80℃で保管した。
【0059】
放射性リガンド結合アッセイ
昆虫Sf21細胞膜ホモジネート内に発現しているヒトCGRP受容体(CRLR及びRAMP1からなる)を、結合バッファー(10 mM HEPES、pH 7.4、5 mM MgCl
2、0.2%BSA)に再懸濁し、最終アッセイ濃度を、ウェルあたり0.6μgタンパク質とした。飽和等温は、室温にて60分間、各種濃度の
3H-テルカゲパント(Ho et al, The Lancet, 2008, 372, 2115)(総反応体積250μL)を添加することによって決定した。インキュベーションの終了後、Tomtecセルハーベスターを用いて、膜をユニフィルター(0.5%PEIでプレインキュベートされた、GF/Bフィルターが接着された96-ウェルの白色マイクロプレート)上でろ過して、蒸留水で5回洗浄した。非特異的結合(NSB)は、10 nM MK-3207塩酸塩(CAS No. 957116-20-0)の存在下で測定した。フィルター上の放射能は、50μLのシンチレーション液を添加した後、Microbetaカウンターでカウントした(1分)。阻害実験のために、膜を、0.5 nM
3H-テルカゲパント及び10種の濃度の阻害化合物(0.001〜10μM)とともにインキュベートした。IC
50値は、阻害曲線から導き出し、親和定数(K
i)値は、Cheng-Prussoff等式(Cheng et al, Biochem. Pharmacol. 1973, 22, 3099-3108)を使用して算出した。本発明の化合物のpK
i値(pK
i=−log
10 K
i)の詳細を、表3に示す。
【0060】
cAMP機能アッセイ
受容体活性化後のcAMP産生を、Homogeneous Time-Resolved Fluorescence (HTRF) cAMP dynamic-2 assay (Cisbio, France)を使用して測定した。ヒトCGRP受容体を内因性に発現しているヒト神経芽腫細胞株SK-N-MCを、固相壁96ウェル・ハーフエリアプレート(Costar, カタログ番号3688, Corning Life Sciences, Germany)に、12,500細胞/ウェルの密度で播種した。37℃で16時間インキュベートした後、培地を取り除き、細胞を500μM IBMX (Tocris, Abingdon, UK, カタログ番号2845)を含有する無血清培地中で、試験アンタゴニストの濃度を増加させながら、30分間37℃でインキュベートした。この後、細胞を、37℃でさらに30分間、EC
80濃度のヒトCGRP(0.3 nM)で惹起し、その後cAMP産生を、製造者の説明書に従って測定し、その後プレートを、PheraStar蛍光プレートリーダー(BMG LabTech, Germany)で読み取った。IC
50値は、阻害曲線から導き出した。pIC
50値(pIC
50=−log
10 IC
50)は、修正Cheng-Prussoff等式(ここで、K
d=アゴニストEC
50、及び、L hot=アゴニスト惹起濃度)を用いて、機能的pK
b値に変換した。本発明の化合物のpK
b値の詳細を、表3に示す。
【表3a】
【表3b】
【0061】
薬物動態プロファイリング
実施例及び参照化合物の薬物動態プロファイルを、オスのSprague Dawley[登録商標]ラットを用いて、静脈内(iv)、皮下(sc)及び鼻腔内(IN)の送達ルートにより、及び、オスのカニクイザルを用いて、iv及びscの送達ルートにより評価した。本発明の実施例、及び参照化合物であるオルセゲパントの薬物動態データの詳細を表4及び表5に示す。
方法:ラットを用いた研究では、一般に180〜300 gの範囲の体重を有する、三匹のオスのSprague Dawley[登録商標]ラットの群に、iv、sc又はINの一つのルートにより、実施例又は参照化合物を単回投与した。使用した投与量、投与体積、及びビヒクルを表4に明示する。IN投与前に、ラットに、25〜30 mg/kgのケタミンカクテル(ケタミン、塩酸キシラジン、及びマレイン酸アセプロマジンを含む生理食塩水)を筋肉内投与して麻酔し、ラットの鼻腔内に約5 mm挿入したポリエチレンPE-10チューブにより、20〜30秒間にわたって投与を行った。
【0062】
カニクイザルを用いた研究では、一般に3.0〜4.5 kgの範囲の体重を有する、三匹のオスザルの群に、iv又はscの一つのルートにより、実施例又は参照化合物を単回投与した。使用した投与量、投与体積、及びビヒクルを表5に明示する。上記ルートによる投与後、血液サンプルを、複数の時点で(典型的には、投与前、0.083、0.25、0.5、1、2、4、8及び24時間)、連続的尾静脈流(ラット)、橈側皮静脈又は伏在静脈(サル)によって、動物から採取し、遠心分離して血漿を分離し、LC/MS/MSアッセイにより解析した。WinNonlin v6.2統計ソフトウェア(Pharsight Corporation, California, USA)を使用して、非コンパートメントモデルを用いて薬物動態パラメータを作成した。
【表4】
【表5】
【0063】
熱力学的溶解度プロファイリング
試験化合物のDMSOストック溶液(原液)を50 mM準備し、ここから、DMSOで希釈することにより、1 mMの作業溶液を準備した。作業溶液のUV吸光度を、220 nmから1000 nmまでスキャンし、試験化合物の波長極大を特定した。1 mMの作業溶液を、その後DMSOで異なる濃度に連続的に希釈して、直線性/検量線を決定した。試験化合物の水に対する熱力学的溶解度を確認するために、全ての試験化合物が溶解した際、最終濃度が1 mg/mLとなる体積のPBSバッファー(pH 7.4)又はリン酸ナトリウムバッファー(pH 6.0)にサンプルを添加した。得られた溶液を、その後24時間室温で50 rpmにて、RotoSpin振とう機にかけ、その後、化合物の不溶性画分を除くために、0.45ミクロンのPVDF注射器フィルターを使用してこの溶液を濾過した。続いて、150 uLのろ液を、UV分光光度計を使用して定量し、同じ波長極大にて標準溶液と試験化合物の光学濃度を獲得した。直線性/検量線を使用して、試験化合物の光学濃度から、熱力学的溶解度を計算し、マイクロモル(μM)で表した。本発明の化合物の溶解度プロファイルの詳細を表6に示す。
【表6】