【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の概要
特定の置換複素環縮合γ−カルボリン化合物(下記の化合物)が、ファースト・イン・クラスの抗精神病薬療法をもたらす可能性があると考えられる作用機序を有することを見出した。式Iで示される化合物は、強力なセロトニン5−HT
2A受容体アンタゴニズム、ドーパミン受容体リンタンパク質調節、またはDPPM,グルタミン酸作動性調節およびセロトニン再取り込み阻害を併せ持つ、急性および残遺統合失調症の治療のための単一薬物候補である。ドーパミンD2受容体において、式Iで示される化合物は、二重の特性を有し、シナプス後アンタゴニストとしてもシナプス前部分アゴニストとしても作用する。式Iで示される化合物は、また、グルタミン酸作動性NMDA NR2BまたはGluN2B受容体のリン酸化を中脳辺縁系特異的に刺激する。抗精神病薬の効力を媒介すると考えられる脳領域におけるこの局所選択性は、セロトニン作動性、グルタミン作動性およびドーパミン作動性の相互作用と一緒に、統合失調症に関連する陽性症状、陰性症状、情動性症状および認知症状のための抗精神病作用をもたらし得ると考えられる。セロトニン再取り込み阻害は、統合失調感情障害および併存性うつ病の治療のために、ならびに/または大うつ病性障害のスタンドアロン治療として、抗うつ活性を可能にすることができる。式Iで示される化合物は、双極性障害ならびに他の精神性および神経変性障害、特に、認知症、自閉症および他のCNS疾患に関連する行動障害の治療にも有用であり得ると考えられる。式Iで示される化合物のこれらの特徴は、統合失調症患者のクオリティ・オブ・ライフの改善を可能にすることができ、社会的機能を向上させて患者をその家族および職場にさらに十分に溶け込ませることができる。加えて、式Iで示される化合物は、障害を低用量で(例えば、睡眠、攻撃性および激越)または高用量で(例えば、急性憎悪期および残遺期統合失調症、双極性障害、および気分障害)治療することを示し得る。
【0009】
下記の化合物は、精神病の急性症状だけではなく残遺症状の治療にも有効であるので、本発明は、一態様において、特定の置換複素環縮合γ−カルボリン化合物(下記の化合物)を単一で使用するか、または精神病(特に、統合失調症)の残遺症状の治療のための補助的療法として使用する方法を提供する。これは、新規かつ予想外の有用性である。
【0010】
かくして、本発明は、残遺症状の治療方法であって、該症状の治療を必要とする患者に、遊離形態または医薬上許容される塩形態の式I:
【化1】
[式中、
Xは、−O−、−NH−または−N(CH
3)−であり;
Yは、−O−、−C(R
2)(OH)−、−C(R
3)(OR
1)または−C(O)−であり;
R
1は、C
1-6アルキル(例えば、メチル)であるか、または、例えば−C(O)−C
1-21アルキル(例えば、−C(O)−C
1-5アルキル、−C(O)−C
6-15アルキルまたは−C(O)−C
16-21アルキル)から選択される生理学的に加水分解されかつ許容されるアシルであり、例えば、R
1は、−C(O)−C
6アルキル、−C(O)−C
7アルキル、−C(O)−C
9アルキル、−C(O)−C
11アルキル、−C(O)−C
13アルキルまたは−C(O)−C
15アルキルであり、例えば、当該化合物は加水分解して、式:R
1−OHで示される天然または非天然の飽和または不飽和脂肪酸とYが−C(R
2)(OH)−である式1で示される化合物を提供し、例えば、該化合物は加水分解して、一方ではYが−C(R
2)(OH)−である式Iで示されるヒドロキシ化合物を、他方ではオクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸またはヘキサデカン酸を形成する);
R
2は、Hまたは−C
1-6アルキル(例えば、メチル)であり;
R
3は、Hまたは−C
1-6アルキル(例えば、メチル)であり;
例えば、ここで、「アルキル」とは、飽和または不飽和であってもよく、かつ、1個以上のヒドロキシまたはC
1-22アルコキシ(例えば、エトキシ)基で置換されていてもよい、直鎖炭化水素基をいう]
で示される化合物の有効量を投与することを含む方法(方法A)を対象とする。
【0011】
さらなる実施態様において、方法Aの式Iで示される化合物は、
Xが、−O−、−NH−または−N(CH
3)−であり;
Yが、−O−、−C(H)(OH)−、−C(H)(OR
1)または−C(O)−であり;
R
1が、生理学的に加水分解されかつ許容されるアシルであり、例えば、−C(O)−C
1-21アルキル(例えば、−C(O)−C
1-5アルキル、−C(O)−C
6-15アルキルまたは−C(O)−C
16-21アルキル)から選択され、例えば、R
1が、−C(O)−C
6アルキル、−C(O)−C
7アルキル、−C(O)−C
9アルキル、−C(O)−C
11アルキル、−C(O)−C
13アルキルまたは−C(O)−C
15アルキルであり、例えば、該化合物が加水分解して、R
1−OHで示される天然または非天然の飽和または不飽和脂肪酸とYが−C(R
2)(OH)−である式Iで示される化合物を提供し、例えば、該化合物が加水分解して、一方ではYが−C(R
2)(OH)−である式Iで示されるヒドロキシ化合物を、他方ではオクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸またはヘキサデカン酸を形成し;
例えば、ここで、「アルキル」とは、飽和または不飽和であってもよく、かつ、1個以上のヒドロキシまたはC
1-22アルコキシ(例えば、エトキシ)基で置換されてもよい直鎖炭化水素基をいう、
遊離形態または医薬上許容される塩形態の化合物である。
【0012】
さらなる実施態様において、方法Aの患者は、精神病、例えば統合失調症(例えば、残遺亜型)、妄想性障害(例えば、身体型)、精神病を伴う大うつ病、精神病症状を伴う双極性障害、短期の精神障害、統合失調症様障害、統合失調感情障害、または医学的状態もしくは物質使用によって引き起こされる精神病の残遺症状に罹患している。好ましくは、該患者は、統合失調症の残遺症状に罹患している。
【0013】
別のさらなる実施態様において、残遺期症状としては、陰性症状、例えば感情鈍麻、情動的引きこもり、対人関係不良(poor rapport)、受動的もしくは無欲性の社会的引きこもり、抽象思考困難、自発性および会話の流れの喪失、ならびに常同思考;全般性精神病理学的症状(general psychopathology symptom)、例えば身体的懸念、不安、罪悪感、緊張、癖(mannerisms)および不自然な姿勢(posturing)、うつ病、運動発達遅滞、非協力(uncooperativeness)、異常な思考内容、見当識障害、注意力低下(poor attention)、判断力および洞察力不足、意志障害、衝動制御不良、関心事および能動的社会的回避;認知障害および睡眠障害(例えば、不眠症)が挙げられる。特定の実施態様において、方法Aは、統合失調症に関連する残遺症状(陰性症状、有効(effective)症状および認知症状)を治療する。
【0014】
別のさらなる実施態様において、式Iで示される化合物の有効量は、約1mg〜約140mg/投与/日であり、別の実施態様においては、約2.5mg〜約120mgであり、別の実施態様においては、約10mg〜約120mg/投与/日であり、別の実施態様においては、約60mg〜約120mg/投与/日であり、さらに別の実施態様においては、約10mg〜約60mg/投与/日であり、別の実施態様においては、約20mg〜約60mg/投与/日であり、さらに別の実施態様においては、約20mg、約40mgまたは約60mg/投与/日である。本発明の化合物は、精神病の活動期または急性期の間に生じる陽性症状の治療に有効であり(例えば、妄想および幻覚のような陽性症状の治療に有効であり)、残遺期に一般的に見られる陰性症状および他の残遺症状の治療にも有効である。好ましくは、統合失調症の急性症状および残遺症状の治療のための有効量は、約60mg/日である。特定の実施態様において、経口投与について本明細書で記載される投与量は、酸付加塩形態、特にトルエンスルホン酸付加塩形態の式Iで示される化合物の量に基づく。
【0015】
したがって、本発明は、下記のとおりの方法を提供する:
1.1 Xが−N(CH
3)である式Iで示される化合物を含む、方法A;
1.2 Xが−NHである式Iで示される化合物を含む、方法A;
1.3 XがOである式Iで示される化合物を含む、方法A;
1.4 Yが−C(O)−である式Iで示される化合物を含む、方法Aまたは1.1〜1.3のいずれか;
1.5 Yが−O−である式Iで示される化合物を含む、方法Aまたは1.1〜1.3のいずれか;
1.6 Yが−C(R
2)(OH)−、例えば、−C(H)(OH)−である式Iで示される化合物を含む、方法Aまたは1.1〜1.3のいずれか;
1.7 Yが−C(R
3)(OR
1)、例えば、−C(H)(OR
1)である式Iで示される化合物を含む、方法Aまたは1.1〜1.3のいずれか;
1.8 R
1が−C(O)−C
1-21アルキル(例えば、−C(O)−C
1-5アルキル、−C(O)−C
6-15アルキルまたは−C(O)−C
16-21アルキル)であり、好ましくは、該アルキルが、直鎖であって、飽和または不飽和であってもよく、かつ、1個以上のヒドロキシまたはC
1-22アルコキシ(例えば、エトキシ)基で置換されていてもよく、例えばR
1が、−C(O)−C
6アルキル、−C(O)−C
7アルキル、−C(O)−C
9アルキル、−C(O)−C
11アルキル、−C(O)−C
13アルキルまたは−C(O)−C
15アルキルである、方法Aまたは式1.7(ここで、当該化合物は加水分解して、天然または非天然の飽和または不飽和脂肪酸の残基を形成し、例えば、該化合物は加水分解して、一方ではヒドロキシ化合物を、他方ではオクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸またはヘキサデカン酸を形成する);
1.9 R
1が−C(O)−C
6-15アルキル、例えば、−C(O)−C
9アルキルである、方法Aまたは式1.7;
1.10 R
1が−C(O)−C
1-5アルキル、例えば、−C(O)−C
3アルキルである、方法Aまたは式1.7;
【0016】
1.11 R
1が−C
1-6アルキル(例えば、メチル)である、方法Aまたは式1.7;
1.12 R
2がHまたは−C
1-6アルキル(例えば、メチル)である、方法Aまたは式1.1〜1.11;
1.13 R
2がHである、方法Aまたは式1.1〜1.11;
1.14 R
2が−C
1-6アルキル(例えば、メチル)である、方法Aまたは式1.1〜1.11;
1.15 R
3がHまたは−C
1-6アルキル(例えば、メチル)である、方法Aまたは式1.1〜1.11;
1.16 R
3がHである、方法Aまたは式1.1〜1.11;
1.17 R
3が−C
1-6アルキル(例えば、メチル)である、方法Aまたは式1.1〜1.11;
1.18 式Iで示される化合物が
Xが−O−であり、Yが−C(H)(OH)−であるか、
Xが−NH−であり、Yが−C(H)(OH)−であるか、
Xが−N(CH
3)−であり、Yが−C(H)(OH)−であるか、
Xが−O−であり、Yが−C(O)−であるか、
Xが−O−であり、Yが−O−であるか、
Xが−N(CH
3)−であり、Yが−C(O)−であるか、
Xが−N(CH
3)−であり、Yが−O−であるか、
Xが−NH−であり、Yが−C(O)−であるか、
Xが−NH−であり、Yが−O−であるか、
Xが−N(CH
3)−であり、Yが−C(H)(OR
1)であるか、
Xが−NH−であり、Yが−C(H)(OR
1)であるか、
Xが−O−であり、Yが−C(H)(OR
1)であるか、
Xが−O−であり、Yが−C(CH
3)(OH)−であるか、
Xが−NH−であり、YがC(CH
3)(OH)−であるか、または
Xが−N(CH
3)−であり、YがC(CH
3)(OH)−である
式Iで示される化合物からなる群から選択される、上記方法のいずれか;
1.19 式Iで示される化合物において、Xが−O−であり、Yが−C(O)−である、上記方法のいずれか;
1.20 式Iで示される化合物において、Xが−NH−であり、Yが−C(H)(OH)−である、上記方法のいずれか;
【0017】
1.21 式Iで示される化合物において、Xが−N(CH
3)−であり、Yが−C(H)(OH)−である、上記方法のいずれか;
1.22 式Iで示される化合物において、Xが−O−であり、Yが−C(O)−である、上記方法のいずれか;
1.23 式Iで示される化合物において、Xが−O−であり、Yが−O−である、上記方法のいずれか;
1.24 式Iで示される化合物において、Xが−N(CH
3)−であり、Yが−C(O)−である、上記方法のいずれか;
1.25 式Iで示される化合物において、Xが−O−であり、Yが−C(H)(OH)−である、上記方法のいずれか;
1.26 式Iで示される化合物において、Xが−NH−であり、Yが−C(H)(OH)−である、上記方法のいずれか;
1.27 式Iで示される化合物において、Xが−N(CH
3)−であり、Yが−C(H)(OH)−である、上記方法のいずれか;
1.28 式Iで示される化合物において、Xが−N(CH
3)−であり、Yが−C(H)(OR
1)であり、R
1が−C(O)−C
1-21アルキルである、上記方法のいずれか;
1.29 式Iで示される化合物において、Xが−N(H)−であり、Yが−C(H)(OR
1)であり、R
1が−C(O)−C
1-21アルキルである、上記方法のいずれか;
1.30 式Iで示される化合物において、Xが−O−であり、Yが−C(H)(OR
1)であり、R
1が−C(O)−C
1-21アルキルである、上記方法のいずれか;
【0018】
1.31 式Iで示される化合物が、式IA:
【化2】
で示される化合物である、上記方法のいずれか;
1.32 式Iで示される化合物が、式IB:
【化3】
で示される化合物である、上記方法のいずれか;
1.33 式Iで示される化合物が、式IC:
【化4】
で示される化合物である、上記方法のいずれか;
1.34 式Iで示される化合物が、式ID:
【化5】
で示される化合物(本明細書では、しばしば、化合物Bと記す)である、上記方法のいずれか;
1.35 式Iで示される化合物が、式IE:
【化6】
で示される化合物(本明細書では、しばしば、化合物Aと記す)である、上記方法のいずれか;
1.36 式Iで示される化合物が、式IF:
【化7】
で示される化合物である、上記方法のいずれか;
1.37 式Iで示される化合物が、式IG:
【化8】
で示される化合物である、上記方法のいずれか;
1.38 式Iで示される化合物が、例えば錠剤またはカプセル剤の剤形で、例えば単一日用量で1日1回または分割量で1日2回、経口投与される、上記方法のいずれか
1.39 式Iで示される化合物の有効量が10〜120mg/日の経口日用量、例えば、式IE:
【化9】
で示される化合物のp−トルエンスルホン酸付加塩約60mgである、上記方法のいずれか;
1.40 式Iで示される化合物が、徐放性の注射可能な剤形として、例えば、注射可能なデポ剤形として投与され、例えば、1ヶ月に1回または2回、例えば、生体内分解性微小粒子の形態で、投与され、例えば、例えば遊離塩基形態の、式IE:
【化10】
で示される化合物である、上記方法のいずれか;
【0019】
1.41 式Iで示される化合物の持効性注射用製剤、例えば、組成物2、例えば、組成物2.1以下のいずれかを投与することを含む、上記方法のいずれか;
1.42 さらに、さらなる抗精神病薬および/または抗うつ薬および/または催眠薬などの1種類以上の他の治療薬を投与することを含む、上記方法のいずれか;
1.43 該1種類以上の他の治療薬が、遊離形態または医薬上許容される塩形態の、GABA活性を調節する(例えば、該活性を増強し、GABA伝達を促進させる)化合物などの抗うつ薬、GABA−B受容体アゴニスト、5−HTモジュレーター(例えば、5−HT
1A受容体アゴニスト、5−HT
2A受容体アンタゴニスト、5−HT
2A受容体インバースアゴニストなど)、メラトニン受容体アゴニスト、イオンチャネルモジュレーター(例えば、遮断薬)、セロトニン−2受容体アンタゴニスト/再取り込み阻害薬(SARI)、オレキシン受容体アンタゴニスト、H3受容体アゴニスト、ノルアドレナリン受容体アンタゴニスト、ガラニン受容体アゴニスト、CRH受容体アンタゴニスト、ヒト成長ホルモン、成長ホルモン受容体アゴニスト、エストロゲン、エストロゲン受容体アゴニスト、ニューロキニン1薬;および抗精神病薬、例えば、非定型抗精神病薬から選択される、方法1.38;
1.44 該1種類以上の他の治療薬が、抗精神病薬、例えば、クロルプロマジン、ハロペリドール、ドロペリドール、フルフェナジン、ロキサピン、メソリダジン、モリンドン、ペルフェナジン、ピモジド、プロクロルペラジン、プロマジン、チオリダジン、チオチキセン、トリフルオペラジン、クロザピン、アリピプラゾール、オランザピン、クエチラピン、リスペリドン、ジプラシドン、パリペリドン、アセナピン、ルラシドン、イロペリドン、カリプラジン、アミスルプリド、ゾテピン、セルチンドールであり、該1種類以上の他の治療薬が式Iで示される化合物の補助剤として投与されるか、または式Iで示される化合物が該1種類以上の他の治療薬の補助剤である、方法1.42または1.43;
1.45 有効量が1mg〜120mg/日または10mg〜120mg/日、または10mg〜60mg/日、または10mg〜40mg/日、または1mg〜10mg/日、または10mg/日、20mg/日、40mg/日または60mg/日である上記方法のいずれか;特定の実施態様において、この処方に記載の式Iで示される化合物の有効量は、酸付加塩、非プロドラッグ形態の、例えば、トルエンスルホン酸付加塩、非プロドラッグ形態の、式Iで示される化合物の庁に基づく;
1.46 該1種類以上の他の治療薬が抗うつ薬、例えば、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)(例えば、シタロプラム、エスシタロプラムシュウ酸塩、フルオキセチン、フルボキサミンマレイン酸塩、パロキセチン、セルトラリン、ダポキセチンから選択される)、セロトニン−ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI)(例えば、ベンラファキシン、デスベンラファキシン、デュロキセチン、ミルナシプラン、レボミルナシプラン、シブトラミンから選択される)、および三環系抗うつ薬;トリプル再取り込み阻害薬、抗不安薬、ブスピロンおよびトラゾドンから選択される1種類以上の抗うつ薬である、方法Aまたは1.38〜1.45のいずれか;
1.47 式Iで示される化合物がSSRI抗うつ薬のような1種類以上の他の治療薬の補助剤として投与されるか、または該SSRI抗うつ薬が式Iで示される化合物の補助剤として投与される、方法1.45;
1.48 該1種類以上の抗うつ薬が、遊離形態または医薬上許容される塩形態の、シタロプラム(セレクサ、シプラミル、エモカル(Emocal)、セプラム(Sepram)、セロプラム)、エスシタロプラムシュウ酸塩(レクサプロ、シプラレックス、エセルチア(Esertia))、フルオキセチン(プロザック、フォンテックス(Fontex)、セロメックス(Seromex)、セロニル(Seronil)、サラフェム、フルクチン(Fluctin)(EUR))、フルボキサミンマレイン酸塩(ルボックス、ファベリン)、パロキセチン(パキシル、セロキサット、アロパックス、デロザット、パロキサット(Paroxat))、セルトラリン(ゾロフト、ルストラル、セルライン(Serlain))、ダポキセチンなどのSSRIから選択される、1.47の方法;
1.49 式Iで示される化合物が、持効性注射用マイクロスフェア組成物の一部として投与される、上記方法のいずれか;
1.50 持効性注射用マイクロスフェア組成物が、下記2.1〜2.22のいずれか1つによる組成物である、1.49の方法。
【0020】
方法A以下の特定の実施態様において、患者は、別の抗精神病薬、例えば、クロルプロマジン、ハロペリドール、ドロペリドール、フルフェナジン、ロキサピン、メソリダジン、モリンドン、ペルフェナジン、ピモジド、プロクロルペラジン、プロマジン、チオリダジン、チオチキセン、トリフルオペラジン、クロザピン、アリピプラゾール、オランザピン、クエチラピン、リスペリドン、ジプラシドン、パリペリドン、アセナピン、ルラシドン、イロペリドン、カリプラジン、アミスルプリド、ゾテピン、セルチンドールでの治療に対し反応しなかったかまたは適切に反応しなかった患者である。したがって、式Iで示される化合物は、一次療法または補助療法として、例えば、別の抗精神病薬の補助剤として、投与され得る。
【0021】
別の態様において、本発明は、治療を必要とする患者に遊離形態または医薬上許容される塩形態の式Iで示される化合物の有効量を投与することを含む、以下の障害のいずれかの治療方法(方法B)を提供する:統合失調感情障害、併存性うつ病、大うつ病性障害、双極性障害(例えば、I型双極性および/またはII型双極性障害)、自閉症スペクトラム症(例えば、自閉症性障害、アスペルガー障害、特定不能の広汎性発達障害(PDD−NOS)、レット障害(レット症候群)、小児崩壊性障害)。特定の実施態様において、方法Bの障害は、双極性障害(例えば、I型双極性および/またはII型双極性障害)である。別の特定の実施態様において、方法Bの障害は、自閉症スペクトラム症である。さらに別の特定の実施態様においては、方法Bの障害は、大うつ病性障害である。
【0022】
したがって、治療されるべき障害の組合せに応じて、式Iで示される化合物は戦略的に使用され得る。例えば、低用量(例えば、トルエンスルホン酸付加塩形態の式Iで示される化合物1〜10mg、例えば、1mg、5mgおよび10mgの経口日用量)で、式Iで示される化合物は、睡眠障害、攻撃性および激越、アルツハイマー病および他の認知症、自閉症スペクトラム症、パーキンソン病および間欠爆発症(IED)の治療に有用である。高用量(例えば、トルエンスルホン酸付加塩形態の式Iで示される化合物60mgの経口日用量)で、式Iで示される化合物は、急性憎悪期および残遺期統合失調症、双極性うつ病、大うつ病性障害、全般不安症の治療に有用である。非常に高用量(例えば、トルエンスルホン酸付加塩形態の式Iで示される化合物120mgの経口日用量)で、朝の投与は、傾眠/鎮静を生じることができる。したがって、このような高い日用量では、夜間投与が好ましい。
【0023】
式Iで示される化合物は、遊離形態または塩形態で、例えば、酸付加塩として存在し得る。本明細書では、特記しない限り、「式Iで示される化合物」、「抗精神病薬」、「抗うつ薬」、「他の治療薬」のような用語および同類の用語は、いずれかの形態、例えば、遊離形態もしくは酸付加塩形態の化合物、または該化合物が酸性置換基を含む場合には塩基付加塩形態の化合物を包含すると解されるべきである。式Iで示される化合物は、薬剤として使用されるものであり、したがって、医薬上許容される塩が好ましい。医薬用途に適していない塩は、例えば、式Iで示される遊離化合物またはそれらの医薬上許容される塩の単離または精製に有用であり得、したがって、これらも包含される。医薬上許容される塩としては、例えば、塩酸塩、メシル酸塩およびトシル酸塩が挙げられる。好ましくは、式Iで示される化合物、特にXが−N(CH
3)−であり、Yが−C(O)−である式Iで示される化合物は、トシル酸塩(トルエンスルホン酸付加塩)の形態である。塩の用量が、重量で、例えばmg/日またはmg/単位投与で示される場合、該塩の投与量は、対応する遊離塩基の重量に基づくことができるか、または他に示されるとおりであることができる。特定の実施態様において、酸付加塩形態の式Iで示される化合物の経口投与のための投与量は、遊離塩基形態ではなくトルエンスルホン酸付加塩形態の重量に基づく。例えば、特定の実施態様において、式Iで示される化合物の投与量10mg、60mgおよび120mgは、それぞれ、遊離塩基の量ではなくトルエンスルホン酸付加塩形態の式Iで示される化合物の10mg、60mgおよび120mgに基づいている。例えば、トルエンスルホン酸付加塩形態の式Iで示される化合物(例えば、Xが−N(CH
3)−であり、Yが−C(O)−である)の経口投与のための化合物の投与量60mgは、遊離塩基形態の当該化合物の約41.7mgと等価であるトシル酸塩の化合物に言及している。
【0024】
本発明は、また、遊離形態または医薬上許容される塩形態の式Iで示される化合物が組成物で投与され、該遊離形態または医薬上許容される塩形態の式Iで示される化合物が医薬上許容される希釈剤または担体と混合または配合(association)されている上記方法、例えば、方法A、例えば、1.1〜1.50のいずれか、および方法Bを提供する。
【0025】
特定の実施態様において、本発明は、また、遊離形態または医薬上許容される塩形態の式Iで示される化合物が即時放出型製剤または持続放出型もしくは遅延放出型製剤、例えば、デポー製剤で投与される上記方法、例えば、方法A、例えば、1.1〜1.50のいずれか、および方法Bを提供する。
【0026】
一の実施態様において、持続放出型または遅延放出型製剤は、ポリマーマトリックス中の本明細書に記載の式Iで示される化合物(例えば、式Iで示される化合物、または式1.1〜1.50のいずれかに記載されたもの)を含む。別の実施態様において、式Iで示される化合物は、ポリマーマトリックスに分散または溶解される。さらなる実施態様において、該ポリマーマトリックスは、デポー製剤に使用されるスタンダードなポリマー、例えば、ヒドロキシ脂肪酸およびその誘導体のポリエステル、またはα−シアノアクリル酸アルキルのポリマー、ポリアルキレンオキサレート、ポリ(オルト)エステル、ポリカーボネート、ポリオルトカーボネート、ポリアミノ酸、ヒアルロン酸エステル、およびそれらの混合物から選択されるポリマーを含む。さらなる実施態様において、該ポリマーは、ポリラクチド、ポリd,l−ラクチド、ポリグリコリド、PLGA50:50、PLGA75:25、PLGA85:15およびPLGA90:10ポリマーからなる群から選択される。別の実施態様において、該ポリマーは、ポリ(グリコール酸)、ポリ−D,L−乳酸、ポリ−L−乳酸、上記のもののコポリマー、ポリ(脂肪族カルボン酸)、コポリオキサレート、ポリカプロラクトン、ポリジオキソノン、ポリ(オルトカーボネト)、ポリ(アセタール)、ポリ(乳酸−カプロラクトン)、ポリオルトエステル、ポリ(グリコール酸−カプロラクトン)、ポリ酸無水物、ならびにアルブミン、カゼインおよびワックスを包含する天然ポリマー、例えばモノステアリン酸グリセロールおよびジステアリン酸グリセロール、および同類のものから選択される。特定の実施態様において、ポリマーマトリックスは、ポリ(d,l−ラクチド−co−グリコリド)を含む。ポリマーマトリックス中の式Iで示される化合物は、医薬上許容される希釈剤または担体と混合または配合されていてもよい。
【0027】
上記のような持続放出型または遅延放出型製剤は、式Iで示される化合物がポリマーマトリックスの分解後に放出される持続放出または遅延放出に特に有用である。これらの製剤は、最長180日間にわたって、例えば、約14日間〜約30日間〜約180日間、式Iで示される化合物を放出し得る。例えば、ポリマーマトリックスは、約30日間、約60日間または約90日間にわたって、分解し、式Iで示される化合物を放出し得る。別の例において、ポリマーマトリックスは、約120間または約180間にわたって、分解し、式Iで示される化合物を放出し得る。
【0028】
さらに別の実施態様において、持続放出型または遅延放出型製剤は、注射による投与のために製剤化される。
【0029】
例えば、本発明は、式Iで示される化合物の持効性注射用(LAI)製剤を提供する。かかるLAI製剤は、担体組成物、粒度、担体の分子量、有効成分の負荷、および投与量に関して、例えば実施例に記載されるように、最適化され得る。投与の利便性、および患者のコンプライアンスを確実にすることに加えて、式Iで示される化合物のLAI製剤は、意外にも、薬物動態および副作用に関して利益をもたらす。式Iで示される化合物がLAI製剤を使用して投与された場合、経口投与形態とは対照的に、肝臓における初回通過代謝は回避され、これは、脳に到達する前に代謝される式Iで示される化合物の割合が低いことを意味する。本明細書に記載の持続放出型または遅延放出型製剤は、一般に、錐体外路の副作用が少なく、対応する即時放出型製剤よりも認容性に優れ、総用量が少ない。持続放出型または遅延放出型製剤、特に、持効性注射用製剤は、即時放出型経口製剤を使用して薬物の同じ体内レベルを達成するのに必要とされる総用量よりも非常に低い総用量を投与するにもかかわらず、患者のCNS内において薬物の治療有効量を達成し、それを維持することが可能である。持効性注射用製剤について、特に、この効果は、一部は、持続放出型または遅延放出型経口投与を包含する経口投与で生じる初回通過代謝の回避に起因する。
【0030】
したがって、持効性注射用製剤として投与される場合、式Iで示される化合物の有効量は、経口投与される場合の有効量よりも非常に少なく、例えば、約100mg/月〜約600mg/月、好ましくは150mg/月〜300mg/月であることが分かる。
【0031】
したがって、特定の実施態様において、本発明は、ポリマーマイクロスフェアを含む持効性注射用製剤であって、該マイクロスフェアが、
ポリ(D,L−ラクチド−co−グリコリド)ポリマー(PLGA)ポリマーマトリックス、および
本明細書において上記した遊離形態または医薬上許容される塩形態の式Iで示される化合物の有効量(ここで、式Iで示される化合物はポリマーマトリックスに分散、溶解またはカプセル化されている)
を含む、持効性注射用製剤(組成物2)を提供する。
【0032】
例えば、本発明は、以下のものを提供する:
2.1 PLGAポリマーが、カルボン酸またはカルボン酸エステル末端基のいずれかを有する約75:25 PLA/PLGである、組成物2。
2.2 PLGAポリマーが、カルボン酸エステル末端基を有する約75:25 PLA/PLGである、組成物2または2.1。
2.3 式Iで示される化合物が遊離塩基形態である、組成物2、2.1または2.2。
2.4 式Iで示される化合物が、式IA、IB、IC、IDおよびIEで示される化合物から選択される、いずれかの上記組成物。
2.5 式Iで示される化合物が、例えば遊離塩基形態の、式IE:
【化11】
で示される化合物である、いずれかの上記組成物。
2.6 式Iで示される化合物が、例えば遊離塩基形態の、式ID:
【化12】
で示される化合物である、上記組成物のいずれか。
2.7 PLGAポリマーの平均分子量範囲が、例えば、20kD〜200kD、例えば24,000〜38,000ダルトン、または約113,000ダルトンまたは約159,000ダルトンである、いずれかの上記組成物。
2.8 マイクロスフェアの完全な分解およびカプセル化医薬化合物の放出のためのタイムフレームが、例えば、6か月未満、4か月未満、3か月未満、2か月未満または1か月未満である、いずれかの上記組成物。
2.9 マイクロスフェアの粒径、例えば、平均粒径(またはD
50)、第10パーセンタイル粒径(D
10)、第25パーセンタイル粒径(D
25)、第75パーセンタイル粒径(D
75)、または第90パーセンタイル粒径(D
90)が、約10μm〜約200μm、例えば、約20μm〜約160μm、または約20μm〜約120μm、または約20μm〜約100μm、または約20μm〜約80μm、または約20μm〜約70μm、または約20μm〜約60μm、または約20μm〜約50μm、または約20μm〜約40μm、または約20μm〜約30μm、または約25μm〜約70μm、または約25μm〜約60μm、または約25μm〜約50μm、または約25μm〜約40μm、または約30μm〜約60μm、または約30〜50μm、または約30μm〜約40μm、または約30μm〜約120μm、または約40μm〜約120μm、または約40μm〜約100μm、または約40μm〜約80μm、または約40μm〜約70μm、または約40μm〜約60μm、または約40μm〜約50μm、または約50μm〜約100μm、または約50μm〜約80μm、または約50μm〜約70μm、または約50μm〜約60μm、または約60μm〜約100μm、または約60μm〜約90μm、または約60μm〜約80μm、または約60μm〜約70μm、または約70μm〜約100μm、または約70μm〜約90μm、または約70μm〜約80μm、または約75μm〜約110μm、または約40μm〜約160μm、または約50μm〜約160μm、または約50μm〜約120μm、または約20μm、約30μm、約40μm、約50μm、約60μm、約70μm、約80μm、約90μm、または約100μmである、いずれかの上記組成物。
2.10 マイクロスフェアの粒径、例えば、平均粒径(またはD
50)、第10パーセンタイル粒径(D
10)、第25パーセンタイル粒径(D
25)、第75パーセンタイル粒径(D
75)、または第90パーセンタイル粒径(D
90)が、10μm〜160μm、例えば、20μm〜70μm、25μm〜70μm、40〜120μm、または20μm〜60μm、または20μm〜50μm、30μm〜60μm、30〜50μm、40μm〜50μm、または約30μm、または約40μm、または約50μmである、いずれかの上記組成物。
【0033】
2.11 各マイクロスフェア中に分散されるか、マイクロスフェアに溶解されるか、またはマイクロスフェアでカプセル化される式Iで示される化合物の量が、平均して、約5重量%〜約50重量%、例えば、約10重量%〜約50重量%、または約20重量%〜約40重量%、または約30重量%〜約40重量%、または、例えば、約8.5重量%、または約16重量%、または約30重量%、または約35重量%、または約40重量%である、いずれかの上記組成物。
2.12 固有粘度が、約0.1〜約1、例えば、約0.3〜約0.4、約0.7、約0.8、約0.9dL/gである、いずれかの上記組成物。
2.13 上記の方法A、例えば、方法1.1以下のいずれか、または方法Bにおける使用のための上記組成物のいずれか。
2.14 意図的または非意図的に通常の治療計画を遵守するのが困難な患者における使用のための上記組成物のいずれか。
2.15 週1回、週2回または月1回の頻度で、または2か月、3か月、4か月、5か月または6か月に1回、患者に投与するための上記組成物のいずれか。
2.16 筋肉注射、腹腔内注射、クモ膜下腔内注射、硬膜外注射、または皮下注射、例えば皮下注射または筋肉注射、例えば、筋肉注射のための上記組成物のいずれか。
2.17 筋肉注射のための上記組成物のいずれか。
2.18 さらに、抗酸化剤を、例えば式Iで示される化合物の酸化を阻害するかまたは低下させるのに有効な量で含む、上記組成物のいずれか。
2.19 さらに抗酸化剤を含む上記組成物のいずれかであって、抗酸化剤が、水溶性抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、リポ酸)、または脂溶性抗酸化剤(例えば、リポ酸、ビタミンE、トコフェロール、カロテンまたはフェノール系抗酸化剤)、または中性もしくは弱塩基性抗酸化剤、または触媒抗酸化剤(例えば、エブセレン)、または金属含有抗酸化剤である、組成物。
2.20 さらに、脂質性または中性もしくは弱塩基性の抗酸化剤を含む上記組成物のいずれかであって、例えば、ポリマーがカルボキシ末端基を含む、組成物。
【0034】
2.21 さらに抗酸化剤を含む上記組成物のいずれかであって、抗酸化剤がフェノール系抗酸化剤(例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)またはブチル化ヒドロキシトルエン(BHT))である、組成物。
2.22 さらに抗酸化剤を含む上記組成物のいずれかであって、抗酸化剤がBHTである、組成物。
【0035】
さらに別の実施態様において、本発明は、式Iで示される化合物が式Iで示される化合物の送達のための浸透圧制御放出型経口送達系(osmotic controlled release oral delivery system(OROS))、例えば国際公開第2000/35419号および欧州特許第1539115号(米国特許出願公開第2009/0202631号)(各出願の内容は出典明示によりその全体として本明細書の一部を構成する)に記載されている送達系と類似している送達系において製剤化される上記方法AまたはBを提供する。したがって、一の実施態様において、本発明は、式Iで示される化合物が、(a)上記の遊離形態または医薬上許容される塩形態の式Iで示される化合物を含有するゼラチンカプセル;(b)該ゼラチンカプセル上に重ねられた多層壁であって、該ゼラチンカプセルから外側へ向かって順に、(i)バリア層、(ii)膨張性層、および(iii)半透層を含む、多層壁;ならびに(c)該多層壁を貫通して形成されているかまたは形成され得るオリフィスを含む、デバイスにて製剤化される、上記方法AまたはBを提供する。(組成物P.1)
【0036】
さらに別の実施態様において、本発明は、式Iで示される化合物が、液体、上記の遊離形態または医薬上許容される塩形態の式Iで示される化合物を含有するゼラチンカプセルを含む組成物にて製剤化され、該ゼラチンカプセルが複合壁によって囲まれており、該複合壁が、ゼラチンカプセルの外表面と接するバリア層、該バリア層と接する膨張性層、該膨張性層を取り囲んでいる半透層、および壁の中に形成されているかまたは形成され得る出口オリフィスを含む、上記方法AまたはBを提供する。(組成物P.2)
【0037】
さらに別の実施態様において、本発明は、式Iで示される化合物が、液体、上記の遊離形態または医薬上許容される塩形態の式Iで示される化合物を含有するゼラチンカプセルを含む組成物にて製剤化され、該ゼラチンカプセルが複合壁によって囲まれており、該複合壁が、該ゼラチンカプセルの外表面と接するバリア層、該バリア層と接する膨張性層、該膨張性層を取り囲んでいる半透層、および壁中に形成されているかまたは形成され得る出口オリフィスを含み、該バリア層が膨張性層と出口オリフィスの周囲との間でシールを形成する、上記方法AまたはBを提供する。(組成物P.3)
【0038】
さらに別の実施態様において、本発明は、液体、上記の遊離形態または医薬上許容される塩形態の式Iで示される化合物を含有するゼラチンカプセルを含む組成物であって、該ゼラチンカプセルが、ゼラチンカプセルの外表面と接するバリア層、該バリア層の一部と接している膨張性層、少なくとも膨張性層を取り囲んでいる半透層、およびゼラチンカプセルの外表面から使用環境に伸びていて投与剤形中に形成されているかまたは形成され得る出口オリフィスによって囲まれている、組成物を提供する。(組成物P.4)。膨張性層は、1つ以上の不連続区画、例えば、ゼラチンカプセルの両側または両端に位置する2つの区画で形成され得る。
【0039】
特定の実施態様において、上記の浸透圧制御放出型経口送達系中の式Iで示される化合物(すなわち、組成物P.1−P.4)は、液体製剤であり、該液体製剤は、液体活性薬剤原液、または溶液、懸濁液、エマルション、自己乳化型組成物もしくは同様のものの中の液体活性薬剤であり得る。
【0040】
ゼラチンカプセル、バリア層、膨張性層、半透層、およびオリフィスの特徴を含む浸透圧制御放出型経口送達系組成物についてのさらなる情報は、国際公開第2000/35419号から得ることができる(その記載内容は出典明示によりその全体として本明細書の一部を構成する)。他の浸透圧制御放出型経口送達系は、欧州特許第1539115号(米国特許出願公開第2009/0202631号)から得ることができる(その記載内容は出典明示によりその全体として本明細書の一部を構成する)。
【0041】
さらに別の実施態様において、本発明は、式Iで示される化合物が、(a)第一層および第二層を含む2つ以上の層(ここで、該第一層は上記の遊離形態または医薬上許容される塩形態の式Iで示される化合物を含み、該第二層はポリマーを含む);(b)この2つ以上の層を取り囲む外壁;および(c)該外壁中のオリフィスを含むデバイス中に製剤化される、上記方法AまたはBを提供する(組成物P.5)
【0042】
組成物P.5は、好ましくは、本明細書に記載の三層コアを取り囲む半透膜を利用する。これらの実施態様において、第一層は、第一薬剤層と称され、少量の薬剤(例えば、式Iで示される化合物)、および塩のような浸透物質を含有し、第二薬剤層と称される中間層は、より多量の薬剤、および賦形剤を含有し、塩を含有しない;プッシュ(push)層と称される第三層は、浸透物質を含有し、薬剤を含有しない。カプセル型錠剤の第一薬剤層端部上の膜に少なくとも1つのオリフィスが開けられる(組成物P.6)。
【0043】
組成物P.5またはP.6は、コンパートメントを画定する膜(ここで、該膜は、内部保護サブコート(subcoat)を取り囲んでおり、少なくとも1つの出口オリフィスが該膜に形成されているかまたは形成され得、該膜の少なくとも一部が半透性である);出口オリフィスから離れたコンパートメント内にあり、膜の半透性部分と流体連結している、膨張性層;出口オリフィスに隣接する第一薬剤層;および第一薬剤層と膨張性層との間のコンパートメント内にある第二薬剤層(ここで、これらの薬剤層は、遊離または医薬上許容される塩の式Iで示される化合物を含む)を含み得る。第一薬剤層および第二薬剤層の相対粘度に応じて、様々な放出プロファイルが得られる。各層の最適な粘度を同定するのは、不可欠である。本発明において、粘度は、塩、例えば塩化ナトリウムの添加によって調節される。コアからの送達プロファイルは、各薬剤層の重量、製剤および厚さによって決まる(組成物P.7)
【0044】
特定の実施態様において、組成物P.7は、塩を含む第一薬剤層および塩を含有しない第二薬剤層を含む。組成物P.5〜P.7は、膜と薬剤層との間に流動促進層を含んでいてもよい。組成物P.1〜P.7は、一般に、浸透圧制御放出型経口送達系組成物と称される。
【0045】
本発明は、さらに、例えば、方法Aまたは1.1〜1.50のいずれかに記載される残遺症状の治療において使用するためまたは方法Bに記載される障害の治療において使用するための、持効性注射用製剤を包含する即時放出型または持続放出型もしくは遅延放出型製剤の、例えば方法Aもしくは1.1〜1.50のいずれかまたは方法Bに記載されている、遊離形態または医薬上許容される塩形態の式Iで示される化合物を医薬上許容される希釈剤または担体と混合して含む上記の医薬組成物を提供する。
【0046】
別の態様において、本発明は、方法Aまたは1.1〜1.50のいずれかに記載の残遺症状の治療のためまたは方法Bに記載の障害の治療のための(医薬の製造における)、上記のような持効性注射用製剤を包含する即時放出型または持続放出型もしくは遅延放出型製剤に製剤化された、方法Aまたは1.1〜1.50に記載されている式Iで示される化合物または遊離形態または医薬上許容される塩形態の式Iで示される化合物を含む上記の医薬組成物の使用を提供する。
【0047】
別の態様において、本発明は、式Iで示される化合物、または方法Aまたは1.1〜1.50に記載の遊離形態または医薬上許容される塩形態の式Iで示される化合物を含む上記のいずれかの医薬組成物(例えば、組成物P.1〜P.7または組成物2)の使用)ここで、該化合物は抗酸化剤と混合または配合されている)を提供する。特定の理論にとらわれずに、該組成物内の抗酸化剤の存在は、式Iで示される化合物を安定化すると考えられる。好ましい実施態様において、持効性注射用マイクロスフェアは、抗酸化剤を含有し、ここで、該抗酸化剤は、マイクロスフェアからの放出の間、式Iで示される化合物を安定化すると考えられる。