(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
外部と通信可能である主側通信部、それぞれアプリケーションプログラムを記憶可能である複数の主側スロットを含む主側記憶部、及び、前記主側記憶部に記憶されたアプリケーションプログラムを実行する主側制御部を有する主携帯通信機器と、
外部と通信可能である従側通信部、それぞれアプリケーションプログラムを記憶可能である複数の従側スロットを含む従側記憶部、及び、前記従側記憶部に記憶された前記アプリケーションプログラムを実行する従側制御部を有する従携帯通信機器とを備え、
前記複数の主側スロットは、それぞれ、前記主側制御部及び前記従側制御部によって実行されることで当該主携帯通信機器と当該従携帯通信機器とを連携して動作させる主アプリケーションプログラムを記憶し、
前記複数の従側スロットは、それぞれ、対応する前記主側スロットから前記主側通信部及び前記従側通信部を介して転送された従アプリケーションプログラムであって、前記主アプリケーションプログラムの一部の情報を含んで構成され前記従側制御部によって実行されることで前記従携帯通信機器を動作させる従アプリケーションプログラムを記憶し、
前記主側制御部、及び、前記従側制御部は、予め設定された切替条件に応じて、前記複数の主側スロットに記憶させる前記主アプリケーションプログラムの組み合わせ、及び、前記複数の従側スロットに記憶させる前記従アプリケーションプログラムの組み合わせを切り替えることを特徴とする、
携帯通信機器連携システム。
外部と通信可能である主側通信部、それぞれアプリケーションプログラムを記憶可能である複数の主側スロットを含む主側記憶部、及び、前記主側記憶部に記憶されたアプリケーションプログラムを実行する主側制御部を有する主携帯通信機器と、
外部と通信可能である従側通信部、それぞれアプリケーションプログラムを記憶可能である複数の従側スロットを含む従側記憶部、及び、前記従側記憶部に記憶された前記アプリケーションプログラムを実行する従側制御部を有する従携帯通信機器とを備え、
前記複数の主側スロットは、それぞれ、前記主側制御部及び前記従側制御部によって実行されることで当該主携帯通信機器と当該従携帯通信機器とを連携して動作させる主アプリケーションプログラムを記憶し、
前記複数の従側スロットは、それぞれ、対応する前記主側スロットから前記主側通信部及び前記従側通信部を介して転送された従アプリケーションプログラムであって、前記主アプリケーションプログラムの一部の情報を含んで構成され前記従側制御部によって実行されることで前記従携帯通信機器を動作させる従アプリケーションプログラムを記憶し、
前記複数の従側スロットは、予め他の前記従側スロットとは区別されて設定された基準スロットを含み、
前記主携帯通信機器は、前記主側制御部によって制御され画像を表示可能である表示部を有し、
前記表示部は、前記複数の従側スロットにそれぞれ記憶された前記従アプリケーションプログラムのうち前記従側制御部によって実行する前記従アプリケーションプログラムとして現在選択されている前記従アプリケーションプログラムを記憶する前記従側スロットを表す選択スロット画像を表示可能であり、
前記選択スロット画像は、前記複数の従側スロットのうち前記基準スロット以外の前記従側スロットを表すスロット画像、及び、指針を表す指針画像を含み、
前記主側制御部は、現在選択されている前記従アプリケーションプログラムを記憶する前記従側スロットが前記基準スロット以外の前記従側スロットである場合、前記表示部に前記選択スロット画像を表示させ、前記指針画像によって対応する前記スロット画像を指し示し、現在選択されている前記従アプリケーションプログラムを記憶する前記従側スロットが前記基準スロットである場合、前記表示部に前記選択スロット画像を表示させ、前記指針画像によって前記スロット画像以外を指し示すことを特徴とする、
携帯通信機器連携システム。
外部と通信可能である主側通信部、それぞれアプリケーションプログラムを記憶可能である複数の主側スロットを含む主側記憶部、及び、前記主側記憶部に記憶されたアプリケーションプログラムを実行する主側制御部を有する主携帯通信機器と、
外部と通信可能である従側通信部、それぞれアプリケーションプログラムを記憶可能である複数の従側スロットを含む従側記憶部、及び、前記従側記憶部に記憶された前記アプリケーションプログラムを実行する従側制御部を有する従携帯通信機器とを備え、
前記複数の主側スロットは、それぞれ、前記主側制御部及び前記従側制御部によって実行されることで当該主携帯通信機器と当該従携帯通信機器とを連携して動作させる主アプリケーションプログラムを記憶し、
前記複数の従側スロットは、それぞれ、対応する前記主側スロットから前記主側通信部及び前記従側通信部を介して転送された従アプリケーションプログラムであって、前記主アプリケーションプログラムの一部の情報を含んで構成され前記従側制御部によって実行されることで前記従携帯通信機器を動作させる従アプリケーションプログラムを記憶し、
前記主携帯通信機器は、前記主側制御部によって制御され画像を表示可能である表示部を有し、
前記表示部は、前記複数の従側スロットにそれぞれ記憶された前記従アプリケーションプログラムのうち前記従側制御部によって実行する前記従アプリケーションプログラムとして現在選択されている前記従アプリケーションプログラムを記憶する前記従側スロットを表す選択スロット画像を表示可能であり、
前記主側制御部は、前記主携帯通信機器と前記従携帯通信機器とが前記主側通信部及び前記従側通信部を介して通信可能な状態である場合、前記表示部に前記選択スロット画像を表示させ、前記主携帯通信機器と前記従携帯通信機器とが前記主側通信部及び前記従側通信部を介して通信不能な状態である場合、前記表示部に前記選択スロット画像を表示させないことを特徴とする、
携帯通信機器連携システム。
前記主携帯通信機器、又は、前記従携帯通信機器は、前記複数の従側スロットにそれぞれ記憶された前記従アプリケーションプログラムのうち前記従側制御部によって実行する前記従アプリケーションプログラムを切り替える操作を受け付ける切替操作部を有する、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の携帯通信機器連携システム。
前記基準スロットは、前記他の従側スロットに記憶されている前記従アプリケーションプログラムに応じた動作が終了した場合、前記従側制御部によっていずれの前記従アプリケーションプログラムも実行されていない場合、前記従側通信部を介した外部との通信が不能な場合、前記従側通信部を介した外部との通信が不能な状態から復帰した場合、前記他の従側スロットに前記従アプリケーションプログラムが記憶されていない場合、又は、前記従携帯通信機器の電源電力が予め設定された閾値以下となった場合に、前記従側制御部によって選択され、当該基準スロットに記憶されている前記従アプリケーションプログラムが実行される、
請求項2、請求項5、請求項6のいずれか1項に記載の携帯通信機器連携システム。
前記主アプリケーションプログラムは、サービスの内容に応じて出力する出力情報を規定するサービスブロックプログラムと、前記出力情報を出力するためのアクションを発動するトリガの内容と当該トリガを生成するトリガ生成部とを規定し前記トリガ生成部に前記トリガを生成させるトリガブロックプログラムと、前記出力情報を出力するための前記アクションの内容と当該アクションを実行するアクション実行部とを規定し前記アクション実行部に前記アクションを実行させるアクションブロックプログラムとによって構成され、
前記従アプリケーションプログラムは、前記サービスブロックプログラム、前記トリガブロックプログラム、又は、前記アクションブロックプログラムの少なくとも一部を含む、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の携帯通信機器連携システム。
前記主側制御部は、前記主携帯通信機器と前記従携帯通信機器とが前記主側通信部及び前記従側通信部を介して通信不能な状態で、前記主側スロットに前記主アプリケーションプログラムが格納された場合、前記主携帯通信機器と前記従携帯通信機器とが前記主側通信部及び前記従側通信部を介して通信可能となった際に、前記通信不能な状態で前記主側スロットに格納された前記主アプリケーションプログラムに応じた前記従アプリケーションプログラムを一括で前記従携帯通信機器に送信する、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の携帯通信機器連携システム。
外部と通信可能である主側通信部、それぞれアプリケーションプログラムを記憶可能である複数の主側スロットを含む主側記憶部、及び、前記主側記憶部に記憶されたアプリケーションプログラムを実行する主側制御部を有する主携帯通信機器と、
外部と通信可能である従側通信部、それぞれアプリケーションプログラムを記憶可能である複数の従側スロットを含む従側記憶部、及び、前記従側記憶部に記憶された前記アプリケーションプログラムを実行する従側制御部を有する従携帯通信機器とを備え、
前記複数の主側スロットは、それぞれ、前記主側制御部及び前記従側制御部によって実行されることで当該主携帯通信機器と当該従携帯通信機器とを連携して動作させる主アプリケーションプログラムを記憶し、
前記複数の従側スロットは、それぞれ、対応する前記主側スロットから前記主側通信部及び前記従側通信部を介して転送された従アプリケーションプログラムであって、前記主アプリケーションプログラムの一部の情報を含んで構成され前記従側制御部によって実行されることで前記従携帯通信機器を動作させる従アプリケーションプログラムを記憶し、
前記従携帯通信機器は、前記複数の従側スロットにそれぞれ記憶された前記従アプリケーションプログラムのうち前記従側制御部によって実行する前記従アプリケーションプログラムを切り替える操作を受け付ける切替操作部を有し、
前記従側制御部は、前記切替操作部に対する操作に応じて選択された前記従側スロットの前記従アプリケーションプログラムを実行し、
前記主側制御部は、前記切替操作部を介した前記従側スロットの選択に連動して、前記主側スロットの選択が行われ、対応する当該主側スロットの前記主アプリケーションプログラムを起動することを特徴とする、
携帯通信機器連携システム。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0024】
[実施形態]
<携帯通信機器連携システムの概要>
図1に示す本実施形態の携帯通信機器連携システムS1は、外部機器10と、主携帯通信機器20と、従携帯通信機器30とを備え、これらが相互に通信し連携することで、従携帯通信機器30を多様に使用することができるシステムである。典型的には、主携帯通信機器20は、ネットワークNを介して外部機器10と相互に通信を行う主たる通信端末を構成する。一方、従携帯通信機器30は、近距離無線通信を介して主携帯通信機器20と相互に通信を行う従たる通信端末を構成する。ネットワークNは、Wi−Fi(登録商標)、4G、5G等を用いた無線通信、通信線を用いた有線通信を問わず任意の通信網によって構成され、外部機器10と主携帯通信機器20とを通信可能に接続する。近距離無線通信の方式は、例えば、Bluetooth(登録商標)、W−LAN、Wi−Fi(登録商標)、NFC(Near Field Communication)等である。ただし、従携帯通信機器30は、近距離無線通信に限らずネットワークNを介して外部機器10、主携帯通信機器20と相互に通信可能な構成であってもよい。以下、各図を参照して携帯通信機器連携システムS1の各構成について詳細に説明する。
【0025】
<外部機器の基本構成>
外部機器10は、ネットワークN上に実装されるクラウドサービス機器(クラウドサーバ)を構成するものである。外部機器10は、CPU等の中央演算処理装置を含む周知のマイクロコンピュータを主体とする電子回路、各種記憶装置等を含んで構成される。外部機器10は、主携帯通信機器20にダウンロード可能な複数のアプリケーションプログラムを記憶している。外部機器10は、既知のPCやワークステーションなどのコンピュータシステムに種々の処理を実現させるプログラムをインストールすることで構成することもできる。
【0026】
<主携帯通信機器の基本構成>
主携帯通信機器20は、ユーザが携帯可能な電子機器である。主携帯通信機器20は、外部機器10と相互に通信し連携することで当該外部機器10から様々なサービスを受けることができる。主携帯通信機器20は、例えば、スマートフォン、タブレット型PC、ノート型PC、PDA等によって構成することができる。
【0027】
具体的には、主携帯通信機器20は、
図2に示すように、電源部21と、主側通信部としての通信部22と、入力部23と、検出部24と、出力部25と、主側記憶部としての記憶部26と、主側制御部としての制御部27とを有する。
【0028】
電源部21は、主携帯通信機器20の電力源である。電源部21は、リチウムイオン電池等の充放電可能な二次電池等を含んで構成され、主携帯通信機器20内の各部に対して電力を供給する。
【0029】
通信部22は、主携帯通信機器20の外部と通信可能な通信モジュールである。通信部22は、無線通信、有線通信を問わずネットワークNと通信可能に接続され、当該ネットワークNを介して外部機器10と通信を行う。また、通信部22は、近距離無線通信を介して従携帯通信機器30との通信も行う。
【0030】
入力部23は、主携帯通信機器20に対する種々の入力を受け付ける部分である。入力部23は、例えば、主携帯通信機器20に対する操作入力を受け付けるタッチパネル、操作ボタン等を含んで構成される。また、入力部23は、例えば、主携帯通信機器20に対する音声入力を受け付ける音声入力装置を含んで構成されてもよい。
【0031】
検出部24は、主携帯通信機器20において種々の情報を検出する検出器である。検出部24は、例えば、主携帯通信機器20に作用する加速度を検出する加速度センサ、主携帯通信機器20に照射される光の照度を検出する照度センサ、主携帯通信機器20近傍の温度を検出する温度センサ、電源部21の電源電圧等を検出する電圧センサ、主携帯通信機器20の現在位置を測定する測位器等を含んで構成される。
【0032】
出力部25は、主携帯通信機器20において種々の出力を行う部分である。出力部25は、例えば、画像情報を出力するディスプレイ、視覚情報を出力する表示灯、音情報を出力するスピーカ/アラームブザー、振動情報を出力するバイブレータ等を含んで構成される。
【0033】
記憶部26は、主携帯通信機器20に内蔵されるROM、RAM、半導体メモリ等の記憶装置である。記憶部26は、主携帯通信機器20での各種処理に必要な条件や情報、主携帯通信機器20で実行する各種アプリケーションプログラム、制御データ等が格納されている。また、記憶部26は、通信部22によって受信された各種情報、入力部23によって入力された各種情報、検出部24によって検出された各種情報、出力部25によって出力される各種情報等を記憶することができる。記憶部26は、制御部27等によってこれらの情報が必要に応じて読み出される。そして、本実施形態の記憶部26は、それぞれ個別にアプリケーションプログラムを記憶するために分割された記憶領域として、複数の主側スロット26Sを含んで構成される。当該複数の主側スロット26Sについては、後で詳細に説明する。
【0034】
制御部27は、主携帯通信機器20の各部と電気的に接続され、主携帯通信機器20の各部を統括的に制御するものである。制御部27は、CPU等の中央演算処理装置を含む周知のマイクロコンピュータを主体とする電子回路を含んで構成される。制御部27は、主携帯通信機器20の各部と通信可能に接続され、各部との間で相互に各種信号を授受可能である。制御部27は、記憶部26に記憶されている各種アプリケーションプログラムを実行し、当該プログラムが動作することにより主携帯通信機器20の各部を動作させ各種機能を実現するための種々の処理を実行する。
【0035】
<従携帯通信機器(電子時計)の基本構成>
次に、従携帯通信機器30について説明する。従携帯通信機器30は、主携帯通信機器20と同様に、ユーザが携帯可能な電子機器である。従携帯通信機器30は、主携帯通信機器20と相互に通信し連携することで当該主携帯通信機器20と共に様々なサービスを受けることができる。従携帯通信機器30は、例えば、スマートフォン、タブレット型PC、ノート型PC、PDA等によって構成することができるが、ここでは、主携帯通信機器20より小型で、かつ、人体に装着可能なウェアラブル機器によって構成されることが好ましい。
【0036】
本実施形態の従携帯通信機器30は、ウェアラブル機器の一例として、
図3に示すような電子時計30Aによって構成されるものとして説明する。本実施形態の電子時計30Aは、外装ケース1に連結されたベルト2を介して腕に装着される腕時計である。そして、電子時計30Aは、外装ケース1に収容された物理的な指針3によって、文字板4のインデックス(目盛)4aを指し示すことで時刻を表示するアナログ電子時計(アナログクオーツ時計)である。なお、当該電子時計30Aは、アナログ指針表示と共に一部にデジタル表示を含むコンビネーション電子時計(コンビネーションクオーツ時計)であってもよい。また、電子時計30Aは、文字板4の日窓4bから一部が露出する日板5によって暦を表示する。電子時計30Aは、文字板4に対する指針3、日板5の相対的な位置関係に応じて時刻、日付を表示することができる。ここでは、電子時計30Aは、複数の指針3として、秒針3a、分針3b、時針3c、及び、小針3dを含んで構成される。秒針3a、分針3b、及び、時針3cは、同軸上に配置されており、中心軸線X1を回転中心として回転駆動し、それぞれ、秒、分、時を表示する。小針3dは、中心軸線X1とは異なる回転軸線X2を回転中心として回転駆動し、文字板4内においてレジスタ(計機)6の機能針を構成する。また、電子時計30Aは、外装ケース1の外周面から突出してリューズ7、プッシュボタン8A、8Bが設けられている。電子時計30Aは、リューズ7に対する引き出し・回転操作やプッシュボタン8A、8Bに対する押下操作に応じて外装ケース1内の各部が連動し種々の操作を受け付ける。
【0037】
より具体的には、従携帯通信機器30(電子時計30A)は、
図4に示すように、電源部31と、従側通信部としての通信部32と、計時部33と、駆動部34と、操作部35と、検出部36と、出力部37と、従側記憶部としての記憶部38と、従側制御部としての制御部39とを有する。
【0038】
電源部31は、従携帯通信機器30の電力源である。電源部31は、リチウムイオン電池等の充放電可能な二次電池やソーラーセル等の電力を発電可能な発電素子を含んで構成され、電子時計30A内の各部に対して電力を供給する。
【0039】
通信部32は、従携帯通信機器30の外部と通信可能な通信モジュールである。通信部32は、近距離無線通信を介して主携帯通信機器20と通信を行う。なお、通信部22は、無線通信、有線通信を問わずネットワークNと通信可能に接続され、当該ネットワークNを介して外部機器10、主携帯通信機器20と通信を行う構成であってもよい。
【0040】
計時部33は、指針3によって表示させる時刻(時計内部時刻)を計時する回路である。計時部33は、例えば、発振器、発振回路、補償回路、分周回路等を含んで構成され、電子時計30Aの内部での計時の基準となる所定の周波数を有するクロック信号を生成し、当該クロック信号に含まれるパルスをカウントすることで計時する。
【0041】
駆動部34は、指針3、日板5を回転駆動する回路である。駆動部34は、電源部31から供給される電力によってモータ(例えば、ステッピングモータ)34aを動作させる。モータ34aが発生させた回転力は、輪列等を介して指針3、日板5に伝達され、当該指針3、日板5が回転駆動する。モータ34aは、複数の指針3、日板5に対して個別に設けられてもよいし、いくつかの指針3、日板5で兼用されてもよい。
【0042】
操作部35は、従携帯通信機器30に対する種々の外部操作を受け付ける部分である。操作部35は、上述したリューズ7、プッシュボタン8A、8B等によって構成される。操作部35は、この他、レジスタリング等を含んで構成されてもよい。
【0043】
検出部36は、従携帯通信機器30において種々の情報を検出する検出器である。検出部36は、例えば、従携帯通信機器30に作用する加速度を検出する加速度センサ、従携帯通信機器30に照射される光の照度を検出する照度センサ、従携帯通信機器30近傍の温度を検出する温度センサ、電源部31の電源電圧や発電の有無を検出する電圧センサ、従携帯通信機器30の現在位置を測定する測位器等を含んで構成される。
【0044】
出力部37は、従携帯通信機器30において時刻や日付以外の種々の出力を行う部分である。出力部37は、例えば、視覚情報を出力する表示灯、音情報を出力するスピーカ/アラームブザー、振動情報を出力するバイブレータ等を含んで構成される。なお、出力部37は、電子時計30Aがデジタル電子時計(デジタルクオーツ時計)、あるいは一部にアナログ指針表示とデジタル表示を含む電子時計である場合には、物理的な指針3、日板5にかえて、デジタル式で時刻や日付、機能選択を含む画像情報を出力するディスプレイを含んで構成されてもよい。
【0045】
記憶部38は、従携帯通信機器30に内蔵されるROM、RAM、半導体メモリ等の記憶装置である。記憶部38は、従携帯通信機器30での各種処理に必要な条件や情報、主携帯通信機器20で実行する各種アプリケーションプログラム、制御データ等が格納されている。また、記憶部38は、通信部32によって受信された各種情報、計時部33によって計時された計時情報、検出部36によって検出された各種情報、出力部37によって出力される各種情報等を記憶することができる。記憶部38は、制御部39等によってこれらの情報が必要に応じて読み出される。典型的には、記憶部38は、上述した主携帯通信機器20の記憶部26と比較して記憶容量が相対的に小さい。そして、本実施形態の記憶部38は、それぞれ個別にアプリケーションプログラムを記憶するために分割された記憶領域として、複数の従側スロット38Sを含んで構成される。当該複数の従側スロット38Sについては、後で詳細に説明する。
【0046】
制御部39は、従携帯通信機器30の各部と電気的に接続され、従携帯通信機器30の各部を統括的に制御するものである。制御部39は、CPU等の中央演算処理装置を含む周知のマイクロコンピュータを主体とする電子回路を含んで構成される。制御部39は、従携帯通信機器30の各部と通信可能に接続され、各部との間で相互に各種信号を授受可能である。制御部39は、記憶部38に記憶されている各種アプリケーションプログラムを実行し、当該プログラムが動作することにより従携帯通信機器30の各部を動作させ各種機能を実現するための種々の処理を実行する。制御部39は、例えば、計時部33によって計時した時刻に基づいて駆動部34によってモータ34aを制御し、指針3、日板5を回転させ運針し、計時された時刻を、現在時刻として指針3、日板5に表示させる処理を実行する。また、制御部39は、例えば、ユーザが操作部35(リューズ7、プッシュボタン8A、8B)に対して行った操作内容に応じて各種処理を実行する。また、制御部39は、例えば、検出部36を構成する電圧センサによって検出された電源電圧に基づいて動作モードを切り替える処理を実行する。例えば、制御部39は、電源電圧が相対的に低下した場合や一定期間に渡って発電がない場合、秒針3aの動作を止め、通信部32の通信を制限することで、消費電力を抑制するパワーセーブ(節電)モードを実行することができる。そして、制御部39は、パワーセーブモードの状態からさらに電源電圧が低下した場合には電源部31を遮断しパワーブレーク(電源遮断)モードを実行することができる。
【0047】
<主側スロット、従側スロットの基本構成>
そして、本実施形態の主携帯通信機器20と従携帯通信機器30とは、
図2に示す複数の主側スロット26Sと
図4に示す複数の従側スロット38Sとが相互に連携することで、従携帯通信機器30を多様に使用することが可能な構成を実現している。
【0048】
具体的には、複数の主側スロット26Sは、上述したように、記憶部26においてそれぞれ個別にアプリケーションプログラムを記憶するために分割された記憶領域である。同様に、複数の従側スロット38Sは、上述したように、記憶部38においてそれぞれ個別にアプリケーションプログラムを記憶するために分割された記憶領域である。そして、複数の主側スロット26Sは、それぞれ、アプリケーションプログラムとして、主アプリケーションプログラムを記憶する。一方、複数の従側スロット38Sは、それぞれ、アプリケーションプログラムとして、対応する主側スロット26Sから通信部22及び通信部32を介して転送された従アプリケーションプログラムを記憶する。
【0049】
各主側スロット26Sに記憶される主アプリケーションプログラムは、制御部27及び制御部39によって実行されることで主携帯通信機器20と従携帯通信機器30とを連携して動作させるアプリケーションプログラムである。一方、各従側スロット38Sに記憶される従アプリケーションプログラムは、対応する主側スロット26Sに記憶された主アプリケーションプログラムの一部の情報を含んで構成され制御部39によって実行されることで従携帯通信機器30を動作させるアプリケーションプログラムである。以下、主アプリケーションプログラムを詳細に説明した後、従アプリケーションプログラムについて再度説明する。
【0050】
<主アプレット(主アプリケーションプログラム)の基本構成>
主アプリケーションプログラムは、典型的には、主携帯通信機器20のブラウザ等の他のアプリケーションプログラムの中に組み込まれて実行される比較的に小さなサイズのプログラムである。ここでは一例として、主アプリケーションプログラムは、ブラウザ上で実行されるアプレットであるものとして説明する。アプレットは、典型的には、シーケンスが決まっているアプリケーションプログラムという位置づけである。以下の説明では、主アプリケーションプログラムを「主アプレット」という場合がある。主アプレットは、制御部27及び制御部39によって実行されることで主携帯通信機器20と従携帯通信機器30とを連携して所定の動作を行わせる。
【0051】
本実施形態の主アプレットは、一例として、サービスブロックプログラムと、トリガブロックプログラムと、アクションブロックプログラムとによって構成され、これら3つの要素が組み合わせられることで1つのアプレットが構築される。以下の説明では、サービスブロックプログラムを「サービスブロック」、トリガブロックプログラムを「トリガブロック」、アクションブロックプログラムを「アクションブロック」という場合がある。
【0052】
サービスブロックとは、ユーザが望む目的に応じたサービス内容に応じて出力する出力情報を規定するプログラムである。言い換えれば、サービスブロックとは、サービス内容に応じて取得したい出力情報の内容を特定するプログラムである。
【0053】
トリガブロックとは、サービス内容に応じた出力情報を出力するためのアクションを発動するトリガの内容と当該トリガを生成するトリガ生成部とを規定しトリガ生成部にトリガを生成させるプログラムである。ここで、トリガとは、サービスの内容に応じたアクションを発動させるためのきっかけであり、トリガ生成部によって生成される。トリガ生成部とは、主携帯通信機器20又は従携帯通信機器30に設けられ、トリガを生成するものである。主携帯通信機器20、従携帯通信機器30においてトリガ生成部を構成し得るもの(トリガ生成部候補)としては、一例として、主携帯通信機器20の入力部23、検出部24、従携帯通信機器30の計時部33、操作部35、検出部36等が挙げられる。当該トリガ生成部によって生成されるトリガとしては、一例として、入力部23を構成するタッチパネル、音声入力装置等に対する所定の入力、検出部24、36を構成する加速度センサ、照度センサ、温度センサ、電圧センサ、測位器等による所定の情報の検出、計時部33による計時結果、操作部35を構成するリューズ7、プッシュボタン8A、8B等に対する所定の操作等が挙げられる。トリガブロックは、当該トリガブロックを含む主アプレットが制御部27又は制御部39によって実行されることで、当該トリガブロックによって規定されたトリガ生成部にトリガを生成させる。
【0054】
アクションブロックとは、サービス内容に応じた出力情報を出力するためのアクションの内容と当該アクションを実行するアクション実行部とを規定しアクション実行部にアクションを実行させるプログラムである。ここで、アクションとは、主アプレットによって提供するサービスの内容に応じた動作であり、アクション実行部によって実行される。アクション実行部とは、主携帯通信機器20又は従携帯通信機器30に設けられ、アクションを実行するものである。主携帯通信機器20、従携帯通信機器30においてアクション実行部を構成し得るもの(アクション実行部候補)としては、一例として、主携帯通信機器20の通信部22、出力部25、従携帯通信機器30の指針3、日板5、通信部32、駆動部34、出力部37等が挙げられる。当該アクション実行部によって実行されるアクションとしては、一例として、通信部22、32による外部への出力情報の出力、出力部25、37を構成するディスプレイ、表示灯、スピーカ/アラームブザー、バイブレータ等による出力情報の出力、指針3、日板5、駆動部34による出力情報の表示等が挙げられる。アクションブロックは、当該アクションブロックを含む主アプレットが制御部27又は制御部39によって実行されることで、当該アクションブロックによって規定されたアクション実行部に出力情報を出力するためのアクションを実行させる。
【0055】
上記のように構成される主アプレットは、上述したサービスブロックと、トリガブロックと、アクションブロックとを含み、サービスの内容に応じた出力情報とトリガとアクションとを関連付けて規定する。当該主アプレットは、制御部27及び制御部39によって実行されることで、主携帯通信機器20又は従携帯通信機器30のトリガ生成部が生成したトリガによって、主携帯通信機器20又は従携帯通信機器30のアクション実行部に、サービス内容に応じた出力情報を出力するアクションを実行させることができる。
【0056】
<主アプレットの具体例1>
一例として、主アプレットによって提供するサービスの内容に応じた出力情報が「現在位置から最寄りのカフェの位置情報」であり、アクションを発動するトリガが「プッシュボタン8Aの押下操作」であり、サービスの内容に応じた出力情報を出力するアクションが「出力部25を構成するディスプレイによる最寄りのカフェの位置情報の表示」である場合を説明する。この場合、従携帯通信機器30は、当該主アプレットが起動、実行された状態で、ユーザによってプッシュボタン8A(トリガ生成部)が押下操作されると当該押下操作がトリガとなって、検出部36の測位器によって検出された従携帯通信機器30の現在位置情報を、通信部32によって主携帯通信機器20に送信する。そして、主携帯通信機器20は、通信部22によって従携帯通信機器30の現在位置情報を受信すると、出力部25を構成するディスプレイ(アクション実行部)によって現在位置から最寄りのカフェの位置情報を表示するアクションが実行される。なおこの場合、主携帯通信機器20の制御部27は、現在位置から最寄りのカフェの位置情報を、通信部22を介して外部機器10に問い合わせてもよいし、記憶部26に記憶されている情報から読み出してもよい。
【0057】
なお、当該具体例1は、変形例として、例えば、従携帯通信機器30の出力部37、従携帯通信機器30が電子時計30Aである場合には指針3、駆動部34等をアクション実行部とし、サービスの内容に応じた出力情報として、当該従携帯通信機器30側で現在位置から最寄りのカフェまでの距離情報の出力等のアクションを実行するようにしてもよい。この場合、例えば、目的地(最寄りのカフェ)までの距離が所定の距離(例えば、100m〜300m程度)より短くなったら出力部37を構成するスピーカ、ブザー、振動モータ(アクション実行部)によってアラームを出力するようにしてもよい。また例えば、目的地(最寄りのカフェ)までの距離が相対的に短くなるほど出力部37を構成するスピーカ、ブザー、振動モータ(アクション実行部)によって出力するアラームの鳴動間隔を段階的に短くするようにしてもよい(例えば、目的地までの距離が200m以上300m以下である場合には5分間隔で鳴動させ、当該距離が100m以上200m以下である場合には1分間隔で鳴動させ、当該距離が100m以下となった場合には30秒間隔で鳴動させる。)。また例えば、目的地(最寄りのカフェ)までの距離に応じて出力部37を構成するスピーカ、ブザー、振動モータ(アクション実行部)によって出力するアラームの鳴動パターンを可変としてもよい(例えば、目的地までの距離が50m以上300m以下である場合には間欠鳴動とし、当該距離が50m以下となった場合には連続鳴動とする。)。さらには、上記3つのアラームパターンを適宜組み合わせてもよい。また、スピーカ、ブザー、振動モータによってアラームを出力するアクションにかえて、出力部37を構成するバイブレータによって振動情報を出力するアクションを適用してもよい。
【0058】
<主アプレットの具体例2>
また、他の一例として、主アプレットによって提供するサービスの内容に応じた出力情報が「歩数計機能に関する情報」であり、アクションを発動するトリガが「検出部36を構成する加速度センサによる5000歩の検出」であり、サービスの内容に応じた出力情報を出力するアクションが「出力部25を構成するスピーカによる5000歩達成を報知する音声情報の出力」である場合を説明する。この場合、従携帯通信機器30は、当該主アプレットが起動、実行された状態で、検出部36を構成する加速度センサ(トリガ生成部)によってユーザによる歩行の歩数計測を開始する。そして、従携帯通信機器30は、当該加速度センサによってユーザによる5000歩分の歩行が検出されると当該5000歩分の歩行の検出がトリガとなって、5000歩を達成した旨を表す5000歩達成情報を通信部32によって主携帯通信機器20に送信する。そして、主携帯通信機器20は、通信部22によって5000歩達成情報を受信すると、出力部25を構成するスピーカ(アクション実行部)によって5000歩達成を報知する音声情報を出力するアクションが実行される。
【0059】
<主アプレットの具体例3>
さらに、他の一例として、主アプレットによって提供するサービスの内容に応じたすべてのトリガ、アクションが従携帯通信機器30側で完結する場合を説明する。ここでは、主アプレットによって提供するサービスの内容に応じた出力情報が「スケジュールの管理に関する情報」であり、アクションを発動するトリガが「計時部33によるイベントの開始予定時刻の5分前の計時」であり、サービスの内容に応じた出力情報を出力するアクションが「指針3による報知表示」である場合を説明する。この場合、従携帯通信機器30は、当該主アプレットが起動、実行された状態で、主携帯通信機器20の入力部23等を介して予めイベントの開始予定時刻等が登録される。そして、従携帯通信機器30は、計時部33(トリガ生成部)によってイベントの開始予定時刻の5分前が計時されると、当該イベントの開始予定時刻の5分前の計時がトリガとなって、指針3(アクション実行部)によってイベントの開始予定時刻の5分前になったことを報知表示するアクション(例えば、秒針3aが素早く複数回回転するアクション等)が実行される。
【0060】
<主アプレットの他の具体例>
なお、1つの主アプレットにおいて、トリガブロックによって規定されるトリガと、アクションブロックによって規定されるアクションとの組み合わせは、少なくとも1組必要であるが、当該トリガと当該アクションとの組み合わせが複数組規定されていてもよい。例えば、主アプレットは、トリガブロックによって規定される複数のトリガと、アクションブロックによって規定される複数のアクションとが連鎖すように構成されてもよい。一例として、主アプレットは、例えば、検出部36を構成する照度センサ(トリガ生成部)によって予め設定された所定照度以上の照度が検出されると、当該所定照度以上の照度の検出が第1トリガとなって検出部36を構成する温度センサ(アクション実行部)によって温度を検出する第1アクションを実行させる。そしてさらに、主アプレットは、当該温度センサ(トリガ生成部)によって予め設定された所定温度以上の温度を検出すると、当該所定温度以上の温度の検出が第2トリガとなって出力部37を構成する表示灯、アラームブザーによって警報を出力する第2アクションを実行させるように構成されてもよい。
【0061】
<主アプレットの入手>
上記のように構成される主アプレットは、主携帯通信機器20の複数の主側スロット26Sにそれぞれ記憶される。例えば、上述した外部機器10は、ユーザ自身や他のユーザ、事業者等によって作成、公開された複数の主アプレットを記憶している。主携帯通信機器20は、入力部23への入力、及び、制御部27による制御に応じて、当該外部機器10から通信部22、ネットワークNを介して当該主アプレットをダウンロード可能である。そして、主携帯通信機器20は、外部機器10からダウンロードした当該主アプレットを各主側スロット26Sに格納する。また、主携帯通信機器20は、ユーザ自身や他のユーザ、事業者等によって作成、公開された主アプレットが予め記憶された記憶媒体から当該主アプレットを読み込んで各主側スロット26Sに格納してもよい。さらには、主携帯通信機器20は、ユーザ自身が当該主携帯通信機器20で、ソフトウェア開発キット等を利用して作成した主アプレットをそのまま各主側スロット26Sに格納しておいてもよい。
【0062】
<主側スロットの詳細>
本実施形態の複数の主側スロット26Sは、
図2に示すように、主側基準スロット26aと、主側第1スロット26bと、主側第2スロット26cと、主側第3スロット26dとを含んで構成されており、典型的には、それぞれ異なる主アプレットを記憶している。ここで、主側基準スロット26aは、予め他の主側スロット26S(主側第1スロット26b、主側第2スロット26c、主側第3スロット26d)とは区別されて設定されたスロットである。主側基準スロット26aは、典型的には、従携帯通信機器30における基本的な機能を動作させる主アプレットを記憶する。例えば、電子時計30Aとして構成される本実施形態の従携帯通信機器30の基本的な機能は、典型的には、時刻を表示させる機能である。したがってここでは、主側基準スロット26aは、従携帯通信機器30に時刻を表示させる主アプレットを記憶する。なお、主側基準スロット26aには、時刻を表示させるアプレット以外のアプレットを記憶させることも可能である。
【0063】
<部分アプレット(従アプリケーションプログラム)の基本構成>
そして、従アプリケーションプログラムは、上記のように構成される主アプレット(主アプリケーションプログラム)のうち、従携帯通信機器30側で実行され従携帯通信機器30に搭載された機能を動作させる部分的なプログラムである。以下の説明では、従アプリケーションプログラムを「部分アプレット」という場合がある。つまり、部分アプレットは、主アプレットの一部の情報を含んで構成されるものであり、例えば、上述の具体例を説明した主アプレットのうち、従携帯通信機器30側で各部を動作させるための部分プログラムに相当する。言い換えれば、上述の主アプレットの具体例において、従携帯通信機器30に係る動作は、実際には従携帯通信機器30側で当該部分アプレットが実行されることで実現される。部分アプレットは、主アプレットを構成するサービスブロック、トリガブロック、又は、アクションブロックの少なくとも一部を含んで構成される。部分アプレットは、従携帯通信機器30の複数の従側スロット38Sにそれぞれ記憶される。
【0064】
例えば、従携帯通信機器30が電子時計30Aである場合、部分アプレットに含まれる内容は、指針3の回転方向、モータ34aのステップ数、移動速度、モータ駆動周波数、指針3の動作パターン、アラームの動作パターンなどである。主アプレットでサービスブロック、トリガブロック、アクションブロックが設定されると、サービスの内容に応じた電子時計30A(従携帯通信機器30)の動作仕様が決定される。そして、これに応じて従側スロット38Sの記憶フォーマットにあわせて上記部分アプレットの情報が作成され、主携帯通信機器20から従携帯通信機器30に転送され、後述するように主側スロット26Sの番号に対応した従側スロット38Sに当該部分アプレットが記憶される。ここで、サービスの内容に応じた従携帯通信機器30(電子時計30A)の動作仕様は、制御部27によって逐次決定されてもよいし、主アプレットが作成された際に予め決定されていてもよい。同様に、従側スロット38Sの記憶フォーマットに合わせた上記部分アプレットの情報は、制御部27によって逐次作成されてもよいし、主アプレットが作成された際に予め作成されていてもよい。
【0065】
<従側スロットの詳細>
本実施形態の複数の従側スロット38Sは、
図4に示すように、従側基準スロット38aと、従側第1スロット38bと、従側第2スロット38cと、従側第3スロット38dとを含んで構成されており、それぞれ対応する主側スロット26Sに記憶された主アプレットの部分アプレットを記憶する。ここで、従側基準スロット38aは、主側基準スロット26aと同様に、予め他の従側スロット38S(従側第1スロット38b、従側第2スロット38c、従側第3スロット38d)とは区別されて設定されたスロットである。当該従側基準スロット38aは、主側スロット26Sの主側基準スロット26aと対応づけられたスロットである。従側基準スロット38aは、典型的には、主側基準スロット26aに記憶された主アプレットの一部を構成し従携帯通信機器30における基本的な機能を動作させる部分アプレットを記憶する。ここでは、従側基準スロット38aは、電子時計30Aとして構成される本実施形態の従携帯通信機器30に時刻を表示させる部分アプレットを記憶する。従側基準スロット38aが記憶する部分アプレットには、時刻表示に係る情報(例えば、時刻、日付、アラーム、クロノグラフ、都市、時差等に関する情報)が含まれている。また、従側第1スロット38bは、主側スロット26Sの主側第1スロット26bと対応づけられたスロットであり、主側第1スロット26bに記憶された主アプレットの一部の情報を含んで構成される部分アプレットを記憶する。従側第2スロット38cは、主側スロット26Sの主側第2スロット26cと対応づけられたスロットであり、主側第2スロット26cに記憶された主アプレットの一部の情報を含んで構成される部分アプレットを記憶する。従側第3スロット38dは、主側スロット26Sの主側第3スロット26dと対応づけられたスロットであり、主側第3スロット26dに記憶された主アプレットの一部の情報を含んで構成される部分アプレットを記憶する。
【0066】
なお、従側スロット38Sは、後述するように所定の操作(例えば、プッシュボタン8Bの押下操作等)により順番に選択されるが、リセットやパワーブレークなどにより従携帯通信機器30のシステムが初期化された場合には、時刻表示するアプレットを記憶した従側基準スロット38aが優先的に選択されるように設定されもよい。これにより、ユーザは、主側スロット26Sと従側スロット38Sのアプレット選択を行うことなく、従携帯通信機器30を一般的な時計として活用することができる。またこの場合、従携帯通信機器30、リセット後に時計として秒針3aが常に動作するため、ユーザが故障と誤認識することを防止できる利点もある。当該従側基準スロット38aの優先選択については、後で詳しく説明する。
【0067】
<部分アプレットの転送>
主携帯通信機器20の通信部22は、従携帯通信機器30の通信部32と通信可能な状態となると、制御部27による制御に応じて、各主側スロット26Sから主アプレットに応じた部分アプレットを従携帯通信機器30に送信する。この場合、通信部22は、都度、すべての主側スロット26Sから部分アプレットを従携帯通信機器30に送信してもよいし、主アプレットが新規に格納された主側スロット26Sの部分アプレットのみを従携帯通信機器30に送信してもよい。また、通信部22は、通信部32と通信可能な状態となり、かつ、ユーザが入力部23に対して所定の入力操作を行った場合に、主側スロット26Sから部分アプレットを従携帯通信機器30に送信するようにしてもよい。そして、従携帯通信機器30の通信部32は、制御部39による制御に応じて、通信部22から送信された各部分アプレットを受信し、対応する各従側スロット38Sに格納する。このようにして、各従側スロット38Sは、通信部22と通信部32とが通信可能な状態となると、制御部27及び制御部39による制御に応じて、それぞれ対応する主側スロット26Sから通信部22、通信部32を介して主アプレットの一部の情報を含んで構成される部分アプレットが転送され、当該転送された部分アプレットをそれぞれ記憶する。
【0068】
<主アプレット、部分アプレットの選択の具体例>
各主側スロット26Sに記憶される主アプレット、及び、各主側スロット26Sから各従側スロット38Sに転送される部分アプレットは、例えば、主携帯通信機器20の入力部23、出力部25等を介してユーザの任意に選択することができる。例えば、
図5は、各スロット(主側スロット26S、従側スロット38S)にセットするアプレット(主アプレット、部分アプレット)を選択するための選択画面100の一例を表している。
図5に示す選択画面100は、出力部25を構成するディスプレイ25Aに表示される。選択画面100は、第1スロット(主側第1スロット26b、従側第1スロット38b)を表すアイコン画像101、第2スロット(主側第2スロット26c、従側第2スロット38c)を表すアイコン画像102、第3スロット(主側第3スロット26d、従側第3スロット38d)を表すアイコン画像103、及び、主携帯通信機器20に既にダウンロード済みのアプレットを表すアイコン画像104を含む。制御部27は、入力部23を構成するタッチパネルに対するユーザのタップ動作、フリック動作、スワイプ動作等に応じて、アイコン画像101、102、103のいずれかが表すスロットに任意のアプレットのアイコン画像104を移動する動作が入力されると、当該アイコン画像104が移動されたスロットに当該移動されたアイコン画像104に対応するアプレットをセットする。これに応じて、制御部27は、ユーザによって任意に選択された主側スロット26Sに、ユーザによって任意に選択された主アプレットを記憶させる。そして、制御部27及び制御部39は、上記のように通信部22と通信部32とが通信可能な状態となると、ユーザによって任意に選択された主アプレットに応じた部分アプレットを、それぞれ対応する主側スロット26Sから従側スロット38Sに転送し、当該各従側スロット38Sにそれぞれ記憶させる。このようにして、各主側スロット26Sに記憶される主アプレット、及び、各各従側スロット38Sに転送される部分アプレットをユーザの任意に選択することができる。
【0069】
なお、
図5に例示した選択画面100は、一例として、初期状態で特定のアプレット(例えば、時計機能アプレット)が記憶されている基準スロット(主側基準スロット26a、従側基準スロット38a)を除く第1スロット、第2スロット、第3スロットに記憶するアプレットを任意に変更可能である場合を例示して図示したが、これに限らず、基準スロットを含め全てのスロットに記憶するアプレットを任意に変更可能な構成とすることもできる。この場合、制御部27は、基準スロットに記憶されているアプレットの変更にあたっては、入力部23に対して予め定められた特定の操作入力がなされユーザの同意が確認されたことを条件として変更を許可するようにすることで、誤って基準スロットに記憶されているアプレットを書き換えてしまうことを防止することができる。この場合、選択画面100は、例えば、初期状態では基準スロットを表すアイコン画像をグレー表示としておき、入力部23に対して特定の操作入力がなされユーザの同意が確認され、基準スロットに記憶されているアプレットが変更可能な状態となった際に、他のスロットのアイコン画像101、102、103と同様の表示態様(アクティブ表示)となるように構成されてもよい。
【0070】
<起動アプレットの切替操作部>
従携帯通信機器30は、複数の従側スロット38S(従側基準スロット38a、従側第1スロット38b、従側第2スロット38c、従側第3スロット38d)に記憶されている部分アプレットから制御部39によって起動し実際に実行する部分アプレットを選択することができる。この場合、携帯通信機器連携システムS1は、主携帯通信機器20の入力部23や従携帯通信機器30の操作部35を、従携帯通信機器30で実行する部分アプレットを切り替えるための切替操作部として機能させることができる。当該切替操作部は、複数の従側スロット38Sにそれぞれ記憶された部分アプレットのうち制御部39によって起動し実行する部分アプレットを選択し切り替える操作を受け付ける。
【0071】
<切替操作部の具体例>
例えば、操作部35のプッシュボタン8Bを切替操作部として機能させる場合、制御部39は、プッシュボタン8Bに対する押下操作が1回行われるたびに、起動実行対象とする部分アプレットの従側スロット38Sを、従側基準スロット38a、従側第1スロット38b、従側第2スロット38c、従側第3スロット38dの順で順次切り替える。そして、制御部39は、プッシュボタン8Bに対する押下操作に応じて選択された従側スロット38Sの部分アプレットを実行する。またこのとき、制御部39は、当該操作に応じて通信部32を介して主携帯通信機器20に連動指令を送信する。制御部27は、通信部22等を介して当該連動指令を受信すると、従側スロット38Sの部分アプレット選択に連動して、主側スロット26Sのスロットの選択が行われ、対応するスロットのアプレットを起動する。この結果、従携帯通信機器30は、ワンアクションで部分アプレットを起動する従側スロット38Sを選択することができるので利便性を向上することができ、例えば、頻繁な切り替え操作にも好適に対応することができる。なおこの場合、従携帯通信機器30は、例えば、プッシュボタン8Bが押下操作された際に、秒針3aを1周させて所定の位置(例えば、後述する「ACT」の文字表記4eの位置)に停止させることで、ユーザに対して従側スロット38Sの切り替えが行われたことを知らせることができる。その後、秒針3aは、選択された従側スロット38Sに記憶された部分アプレットに応じた動作となる。またこの場合、操作部35のうちプッシュボタン8Aは、選択された従側スロット38Sの部分アプレットが実行された際に操作可能なボタンとして開放することが可能である。
【0072】
<レジスタによる選択スロット表示>
上記のように起動実行対象とする従側スロット38Sを切り替えるにあたって、従携帯通信機器30は、例えば、レジスタ6(
図3参照)によって、現在、選択されている部分アプレットのスロットを表示することができる。
図3の例では、レジスタ6は、文字板4において当該レジスタ6を構成する部分に、「1」の数字表記6a、「2」の数字表記6b、「3」の数字表記6c、及び、電力レベルゲージ6dが設けられている。「1」の数字表記6aは、従側第1スロット38bを表す。「2」の数字表記6bは、従側第2スロット38cを表す。「3」の数字表記6cは、従側第3スロット38dを表す。電力レベルゲージ6dは、電池の蓄電量を表す。そして、レジスタ6は、現在選択中の従側スロット38Sが従側第1スロット38bである場合には小針3dによって「1」の数字表記6aを指し示す。レジスタ6は、現在選択中の従側スロット38Sが従側第2スロット38cである場合には小針3dによって「2」の数字表記6bを指し示す。レジスタ6は、現在選択中の従側第3スロット38dである場合には小針3dによって「3」の数字表記6cを指し示す。またここでは、レジスタ6は、現在選択中の従側スロット38Sが従側基準スロット38aである場合には小針3dによって電力レベルゲージ6dの所定の位置(電池の蓄電量に応じた位置)を指し示すことをもって現在、従側基準スロット38aが選択されていることを表す。これにより、従携帯通信機器30は、ユーザに対して、現在選択中の従側スロット38Sを容易に認識させることができる。
【0073】
<切替操作部に関する付記的事項>
図3に例示する従携帯通信機器30は、レジスタ6が文字板4における4時位置から8時位置までの間の8時位置側に配置され、プッシュボタン8Bが文字板4における4時位置から8時位置までの間の4時位置側に配置される。この構成により、従携帯通信機器30は、選択中の従側スロット38Sを表示するレジスタ6と、従側スロット38Sを切り替えるための切替操作部として機能するプッシュボタン8Bとが横方向(文字板4における3時位置と9時位置とを結ぶ線に沿った方向)に並んで近接した配置とすることができる。この結果、従携帯通信機器30は、レジスタ6とプッシュボタン8Bとが従側スロット38Sの切り替えにおいて相互に関係することを、ユーザに対して、直感的に分かり易く認識させることができる。またさらに、従携帯通信機器30は、例えば、
図3に示すように、レジスタ6における「1」の数字表記6a、「2」の数字表記6b、「3」の数字表記6c、電力レベルゲージ6d、小針3d等の表記色と、切替操作部として機能するプッシュボタン8Bや当該プッシュボタン8B近傍のベゼルの色とをあわせておくことで、ユーザに対して、さらに直感的に相互の関連性を認識させ易くすることができる。
【0074】
なお、上記とは別の例として、レジスタ6が文字板4における10時位置から2時位置に配置される場合は、レジスタ6の表示する機能の選択、例えば、従側スロット38Sの選択を切り替えるための切替操作部として機能するプッシュボタンは、横方向に並んで近接するプッシュボタン8Aを選択することで、直感的に相互の関連性を認識させ易くすることができる。また、レジスタ6とプッシュボタンとの位置関係に関わらず、プッシュボタンの操作で切替可能なレジスタ6における機能の表記色を、プッシュボタンやその近傍のベゼルに表記したマークの表記色と同じにすることは、相互の関連性を認識させる上で高い効果を得ることができる。
【0075】
<切替操作部の他の具体例>
なお、従携帯通信機器30は、操作部35のプッシュボタン8Bにかえてリューズ7を切替操作部として機能させることもできる。この場合、制御部39は、例えば、リューズ7が0段である状態(引き出されていない状態)で、当該リューズ7が一方向に回転操作されるたびに、起動実行対象とする部分アプレットの従側スロット38Sを、従側基準スロット38a、従側第1スロット38b、従側第2スロット38c、従側第3スロット38dの順で順次切り替えるようにしてもよい。この場合も、従携帯通信機器30は、ワンアクションで部分アプレットを起動する従側スロット38Sを選択することができるので利便性を向上することができ、例えば、頻繁な切り替え操作にも好適に対応することができる。また、切替操作部は、主携帯通信機器20の入力部23によって構成することもできる。この場合、制御部27は、例えば、出力部25を構成するディスプレイに、従側スロット38Sを選択するための選択画面を表示させ、入力部23を構成するタッチパネルに対する操作入力に応じて、起動実行対象とする部分アプレットの従側スロット38Sを切り替えるようにしてもよい。
【0076】
<実施形態の作用効果>
以上で説明した携帯通信機器連携システムS1は、通信部22、及び、通信部32を介して相互に通信可能である主携帯通信機器20と従携帯通信機器30とを備える。主携帯通信機器20は、記憶部26の複数の主側スロット26Sに、それぞれ主アプレットを記憶する。各主アプレットは、制御部27及び制御部39によって実行されることで当該主携帯通信機器20と当該従携帯通信機器30とを連携して動作させる。そして、従携帯通信機器30は、記憶部38の複数の従側スロット38Sに、それぞれ対応する主側スロット26Sから通信部22及び通信部32を介して転送された部分アプレットを記憶する。各部分アプレットは、対応する主アプレットの一部を構成し制御部39によって実行されることで従携帯通信機器30を動作させる。この結果、携帯通信機器連携システムS1、主携帯通信機器20、及び、従携帯通信機器30は、従携帯通信機器30を多様に使用することができる。つまり、従携帯通信機器30は、記憶部38の複数の従側スロット38Sにそれぞれ記憶された部分アプレットが実行されることで、主携帯通信機器20と連携して1台の従携帯通信機器30で多様の機能、動作を実現することができる。
【0077】
以上で説明した携帯通信機器連携システムS1は、切替操作部(主携帯通信機器20の入力部23や従携帯通信機器30の操作部35)を介して、従携帯通信機器30において複数の従側スロット38Sに記憶されている部分アプレットから制御部39によって起動し実際に実行する部分アプレットをユーザが任意に選択することができる。この結果、携帯通信機器連携システムS1、主携帯通信機器20、及び、従携帯通信機器30は、従携帯通信機器30の利便性を向上することができる。
【0078】
以上で説明した携帯通信機器連携システムS1、主携帯通信機器20、及び、従携帯通信機器30は、従携帯通信機器30において、複数の従側スロット38Sのうち従側基準スロット38aを他の従側スロット38Sと区別して取り扱うことができるので、当該従側基準スロット38aに記憶されている部分アプレットを他の従側スロット38Sに記憶されている部分アプレットとは異なる特別な態様で用いることができる。
【0079】
以上で説明した携帯通信機器連携システムS1、主携帯通信機器20、及び、従携帯通信機器30は、従側基準スロット38aに、従携帯通信機器30に時刻を表示させる部分アプレットが予め記憶されていてもよく、基本機能として従携帯通信機器30を時計として動作させた上で、他の従側スロット38Sの部分アプレットによって時計以外の多様の機能、動作を実現することができる。
【0080】
以上で説明した携帯通信機器連携システムS1、主携帯通信機器20、及び、従携帯通信機器30は、従携帯通信機器30がウェアラブル機器によって構成されるので、ユーザが当該従携帯通信機器30を装着した状態で、主携帯通信機器20と連携して当該ユーザに対して生活を向上させるような多様なサービスを提供することができる。
【0081】
以上で説明した携帯通信機器連携システムS1、主携帯通信機器20、及び、従携帯通信機器30は、従携帯通信機器30が指針3によって時刻を表示するアナログ電子時計30Aであるので、指針3や文字板4等を活用、兼用しつつ主携帯通信機器20と連携して時刻表示以外の多様なサービスを提供することができる。
【0082】
以上で説明した携帯通信機器連携システムS1、主携帯通信機器20、及び、従携帯通信機器30は、外部機器10から主携帯通信機器20にダウンロードされた各主アプレットの一部の情報を含んで構成される部分アプレットが従携帯通信機器30に転送され、当該従携帯通信機器30で実行されるので、外部機器10と連携させて従携帯通信機器30をより多様に使用させることができる。
【0083】
以上で説明した携帯通信機器連携システムS1、主携帯通信機器20、及び、従携帯通信機器30は、主アプレットがサービスブロックとトリガブロックとアクションブロックとによって構成され、部分アプレットがサービスブロック、トリガブロック、又は、アクションブロックの少なくとも一部を含んで構成される。この構成により、携帯通信機器連携システムS1、主携帯通信機器20、及び、従携帯通信機器30は、主携帯通信機器20と従携帯通信機器30とを連携させて、トリガ生成部が生成したトリガに応じてアクション実行部にサービス内容に応じたアクションを実行させることができる。
【0084】
<付加的事項1:アプレットの自動変更>
以上で説明した制御部27、及び、制御部39は、予め設定された切替条件に応じて、複数の主側スロット26Sに記憶させる主アプレットの組み合わせ、及び、複数の従側スロット38Sに記憶させる部分アプレットの組み合わせを切り替えるように制御することができる。制御部27は、例えば、
図5で説明した選択画面100等を利用して、ユーザからの入力に応じて、予め各スロットに記憶させるアプレットの組み合わせをグループ化し、当該グループを複数組設定しておくと共に、各グループの切替条件も予め設定しておく。各グループの切替条件としては、例えば、ユーザによって指定された時刻になったこと、ユーザによって指定された行動(歩数等、検出部36によって検出可能な行動)が検出されたこと等が挙げられる。制御部27、及び、制御部39は、当該切替条件が成立すると、各スロットに記憶させるアプレットの組み合わせを、自動で他の組み合わせに切り替える。この場合も、部分アプレットは、通信部22、及び、通信部32を介して各主側スロット26Sから各従側スロット38Sに自動で転送される。このように構成されることで、携帯通信機器連携システムS1は、従携帯通信機器30において、各スロットに記憶されているアプレットをユーザのニーズ、生活スタイル、生活リズム等にあわせて自動で切り替えることができるので、さらに利便性を向上することができる。
【0085】
<付加的事項2:基準スロットへの自動復帰(従側スロットのデフォルト設定)>
以上で説明した制御部39は、例えば、他の部分アプレットによる動作が終了した場合やユーザによる従側スロット38Sの選択意思等が把握できない場合等に、従側基準スロット38aを優先的に選択し、当該従側基準スロット38aに記憶されている部分アプレットを優先的に起動、実行するように制御しても良い。より具体的には、制御部39は、例えば、下記に記載する(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、又は、(6)のような場合に、起動実行対象とする部分アプレットの従側スロット38Sとして、従側基準スロット38aを優先的に選択するように制御することができる。
(1)従側基準スロット38a以外の他の従側スロット38Sに記憶されている部分アプレットに応じた動作が終了した場合
(2)制御部39によっていずれの部分アプレットも実行されていない場合
(3)通信部32を介した外部(主携帯通信機器20)との通信が不能な場合
(4)通信部32を介した外部(主携帯通信機器20)との通信が不能な状態から復帰した場合
(5)従側基準スロット38a以外の他の従側スロット38Sに部分アプレットが記憶されていない場合
(6)従携帯通信機器30の電源電力が予め設定された閾値以下となった場合
言い換えれば、制御部39は、従側基準スロット38aをデフォルトスロットとして設定し、従側基準スロット38aは、上記の(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、又は、(6)のような場合に、制御部39によって自動で選択され、当該従側基準スロット38aに記憶されている部分アプレットが自動的に実行される。このように構成されることで、携帯通信機器連携システムS1は、従携帯通信機器30において、従側基準スロット38a以外の他の従側スロット38Sに記憶されている部分アプレットが実行されていない状態等で、従側基準スロット38aに記憶されている部分アプレット、ここでは、従携帯通信機器30を時計として機能させる部分アプレットを実行し、従携帯通信機器30を時計として機能させておくことができる。
【0086】
<付加的事項3:切替操作部の誤操作防止>
以上の説明では、操作部35のプッシュボタン8Bを切替操作部として機能させる場合、制御部39は、プッシュボタン8Bに対する押下操作が1回行われるたびに、起動実行対象とする部分アプレットの従側スロット38Sを順次切り替えるものとして説明した。これに対して、制御部39は、単にプッシュボタン8Bに対する押下操作が1回行われるたびに従側スロット38Sを順次切り替えるのではなく、プッシュボタン8Bに対する押下操作が行われた後、所定時間(例えば、5秒程度)内にリューズ7に対して回転操作がなされた際に従側スロット38Sを順次切り替えるように制御することもできる。これにより、制御部39は、ユーザによる切替操作部の誤操作を防止することができる。さらに別の例として、制御部39は、プッシュボタン8Bが所定時間(例えば、2秒程度)長押しされた際に、最初の従側スロット38Sの切り替えを行い、以降は、プッシュボタン8Bが短押しされるたびに従側スロット38Sを順次切り替えるように制御することもできる。この場合であっても、制御部39は、ユーザによる切替操作部の誤操作を防止することができる。
【0087】
<付加的事項4−1:リューズの他の機能(フライトモード)>
以上で説明した従携帯通信機器30は、リューズ7が1段階引き出された1段引きの状態とされ、その後に所定の回転操作がなされることで、通信部32を介した通信を遮断し通信不能とするフライトモードを選択することができる。この場合、従携帯通信機器30は、リューズ7が1段引きの状態とされ回転操作がなさることでフライトモードのON/OFFの設定を選択でき、その結果を秒針3aによって表示することができる(このとき、従携帯通信機器30は、分針3b、時針3cによる時刻の表示を継続しておく。)。例えば、従携帯通信機器30は、
図3に示すように秒針3aが文字板4の6時位置に配置された飛行機記号4cの位置とは反対側の12時位置を指し示すことでフライトモードOFFが選択されていることを表す。一方、従携帯通信機器30は、
図6に示すように秒針3aが飛行機記号4cを指し示すことでフライトモードONが選択されていることを表す。この場合、従携帯通信機器30は、秒針3aが飛行機記号4cとは反対側の12時位置を指し示すことで「フライトモードOFF」が選択されていることを表すことによって、飛行機の外側に向けて電波を放射している様子を模すことができるので、ユーザに「フライトモードOFF」が選択されていることをイメージさせ易くすることができる。一方、従携帯通信機器30は、秒針3aが6時位置に配置された飛行機記号4cを指し示すことで「フライトモードON」が選択されていることを表すことによって、飛行機の内側に電波を留めている様子を模すことができるので、ユーザに「フライトモードON」が選択されていることをイメージさせ易くすることができる。そして、従携帯通信機器30は、「フライトモードON」が選択された状態で、リューズ7が押し戻されることで実際にフライトモードに移行することができる。また、飛行機記号4cが表記されない場合であっても、電子時計30Aを腕に着用して文字板4を上方向に向けた場合に、文字板4の6時位置側に人体が在り、12時位置側は障害物の無い開放領域であるため、6時位置方向を指針3(秒針3a)が指す場合は電波が閉じ込められ、12時位置方向を指針が指す場合は電波が開放されていることを、ユーザがイメージしやすいという利点もある。上記の各動作は、制御部39の制御によって実行される。そして、制御部39は、フライトモードにおいては、部分アプレットの実行を一旦停止するようにしてもよいし、上述したように従側基準スロット38aを自動で選択し従側基準スロット38aに記憶されている部分アプレットを自動で起動、実行するようにしてもよい。
【0088】
<付加的事項4−2:リューズの他の機能(時刻調整、基準位置確認モード等)>
そしてさらに、従携帯通信機器30は、リューズ7が2段階引き出された2段引きの状態とされると秒針3aが3時位置で停止され、時刻調整モードに移行することができる。従携帯通信機器30は、この状態でプッシュボタン8Bが所定時間(例えば、5秒程度)長押しされると時刻修正が可能となり、この状態でリューズ7が回転操作されることで、分針3b、時針3cの位置調整を行うことができる。そしてさらに、従携帯通信機器30は、この状態でプッシュボタン8Aが所定時間(例えば、5秒程度)長押しされると、指針3の基準位置確認モードに移行することができる。従携帯通信機器30は、基準位置確認モードでは、各指針3(秒針3a、分針3b、時針3c、小針3d)を予め定められた基準位置(例えば、12時位置)に移動させる。従携帯通信機器30は、この状態で各指針3の実際の位置と基準位置とが位置ズレしている場合には、プッシュボタン8Aやプッシュボタン8Bが押下操作されることで基準位置の調整を行う指針3が選択され、この状態でリューズ7が回転操作されることで当該選択された指針3の基準位置を調整可能なように構成することができる。上記の各動作は、制御部39の制御によって実行される。そして、従携帯通信機器30は、リューズ7が2段引きの状態から押し戻され0段状態とされると、通常の時刻表示に復帰する。この場合、制御部39は、リューズ7が2段引きとされた状態では部分アプレットの実行を一旦停止するようにしてもよい。そして、制御部39は、リューズ7が2段引きの状態から押し戻され0段状態とされると、リューズ7が引き出される前に選択されていた従側スロット38Sの部分アプレットの実行を再開するようにしてもよいし、上述したように従側基準スロット38aを自動で選択し従側基準スロット38aに記憶されている部分アプレットを自動で起動、実行するようにしてもよい。なお、従携帯通信機器30は、プッシュボタン8Aとプッシュボタン8Bとを同時に所定時間(例えば、7秒程度)長押しされると、ソフトリセットを起動し時刻情報を完全初期化(オールリセット)するようにしてもよい。
【0089】
<付加的事項4−3:リューズの他の機能(通信機能リセット)>
また、従携帯通信機器30は、リューズ7が1段引きの状態とされた後、プッシュボタン8Aが所定時間(例えば、12秒程度)長押しされると、従携帯通信機器30内の通信部32に係る通信ICのハードウェアリセットを実施し初期化することができる。また、従携帯通信機器30は、リューズ7が1段引きの状態とされた後、プッシュボタン8Bが所定時間(例えば、5秒程度)長押しされると、主携帯通信機器20との通信に係るペアリングキー等の認証情報を消去することもできる。上記の各動作は、制御部39の制御によって実行される。
【0090】
<付加的事項5:レジスタの他の機能(各種状態報知)>
以上で説明したレジスタ6(
図3参照)は、文字板4において当該レジスタ6を構成する部分に、数字表記6a、6b、6c、電力レベルゲージ6dに加えて、さらにALT(アラート通知表示)ゲージ6eが設けられている。ここでは、ALTゲージ6eは、「1」の数字表記6aと電力レベルゲージ6dとの間に配置される。また、以上で説明した文字板4(
図3参照)は、「LINK LOSS」を表す「LL」の文字表記4d、「ACTIVE」を表す「ACT」の文字表記4e、「INFOMATION」を表す「INFO」の文字表記4f、「ERROR」を表す「ERR」の文字表記4gが設けられている。ここでは、「LL」の文字表記4dは、文字板4の9時位置に配置され、「ACT」の文字表記4eは、文字板4の10時位置に配置され、「INFO」の文字表記4fは、文字板4の11時位置に配置され、「ERR」の文字表記4gは、文字板4の12時位置に配置される。そして、従携帯通信機器30(電子時計30A)は、ALTゲージ6e、「LL」の文字表記4d、「ACT」の文字表記4e、「INFO」の文字表記4f、「ERR」の文字表記4g、秒針3a、及び、小針3dを組み合わせることで従携帯通信機器30における各種状態を報知(アラート)することができる。「LL」、「ACT」、「INFO」、「ERR」の文字表記4d、4e、4f、4gは、上記に限らず、例えば、3時位置、6時位置、9時位置、12時位置にそれぞれ配置されていてもよく、この場合、それぞれ配置が45度ずつ離れているので、遠くからでも指針3(秒針3a)がどの位置を示しているか判断し易くすることができる。
【0091】
例えば、従携帯通信機器30は、小針3dがALTゲージ6eを指し示し、かつ、秒針3aが「LL」の文字表記4dを指し示すことで、通信部32を介した主携帯通信機器20との通信が切断状態であることを報知することができる。また、従携帯通信機器30は、小針3dがALTゲージ6eを指し示し、かつ、秒針3aが「ACT」の文字表記4eを指し示すことで、通信部32を介した主携帯通信機器20との通信を準備中、あるいは、通信がビジー状態であることを報知することができる。また、従携帯通信機器30は、小針3dがALTゲージ6eを指し示し、かつ、秒針3aが「INFO」の文字表記4fを指し示すことで、主携帯通信機器20側の主アプレットから通知があることを報知することができる。また、従携帯通信機器30は、小針3dがALTゲージ6eを指し示し、かつ、秒針3aが「ERR」の文字表記4gを指し示すことで、エラー発生、部分アプレットが実行できなかったことを報知することができる。これにより、従携帯通信機器30は、ユーザに対して、現在の従携帯通信機器30の動作状態を容易に報知することができる。そして、従携帯通信機器30は、プッシュボタン8A、8Bのいずれかが押下操作されることで各種状態の報知(アラート)を解除することができる。上記の各動作は、制御部39の制御によって実行される。
【0092】
なお、携帯通信機器連携システムS1は、上記のようなレジスタ6を用いた各種状態報知とあわせて、主携帯通信機器20側の出力部25を構成するディスプレイでも同様の各種状態報知を表示させるようにしてもよい。この場合、主携帯通信機器20は、例えば、ディスプレイに文字板4、レジスタ6、秒針3a、小針3d等を模した画像を表示し、従携帯通信機器30での表示と同様の位置関係でこれらの要素を表示することで、ユーザに対して現在の従携帯通信機器30の動作状態をさらに認識させ易くすることもできる。また、携帯通信機器連携システムS1は、従携帯通信機器30側でエラーや警告等が発生した場合に小針3dがALTゲージ6eを指し示すことでユーザに主携帯通信機器20を見るように促した上で、主携帯通信機器20側の出力部25を構成するディスプレイに、従携帯通信機器30の状態を表すメッセージを表示させるようにしてもよい。従携帯通信機器30の状態を表すメッセージとしては、例えば、「時計の電池残量不足」、「衝撃が加わったため、針位置ずれの確認が必要」、「アラームが設定された機能の実行ができなかった」等が挙げられるがこれに限らない。
【0093】
<付加的事項6:主携帯通信機器と従携帯通信機器との通信接続>
従携帯通信機器30は、例えば、プッシュボタン8Aとプッシュボタン8Bとが同時に押下操作されることで、主携帯通信機器20との通信接続に移行することができる。この場合、制御部39は、通信部32を介した主携帯通信機器20との近距離無線通信を確立させ、この間、秒針3aによって「ACT」の文字表記4eを指し示す。そして、制御部39は、主携帯通信機器20との近距離無線通信が成功すると、例えば、秒針3aを2回転させて時刻表示に復帰させる。一方、制御部39は、主携帯通信機器20との近距離無線通信が失敗すると、例えば、秒針3aによって「LL」の文字表記4dを指し示す。この結果、従携帯通信機器30は、ユーザに対して主携帯通信機器20との近距離無線通信の確立の成否を知らせることができるので、さらに利便性を向上することができる。
【0094】
なお、上述した本発明の実施形態に係る携帯通信機器連携システム、主携帯通信機器、及び、従携帯通信機器は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
【0095】
以上の説明では、従携帯通信機器30は、ウェアラブル機器の一例として、
図3に示すような電子時計30Aによって構成されるものとして説明したがこれに限らない。従携帯通信機器30は、眼鏡型、指輪型、靴型、ペンダント型等の他のウェアラブル機器によって構成されてもよい。さらに言えば、従携帯通信機器30は、ウェアラブル機器でなくてもよく、例えば、通信機能を有する携帯ゲーム機器等によって構成されてもよい。また、携帯通信機器連携システムS1は、複数の従携帯通信機器30を備え、当該複数の従携帯通信機器30が1つの主携帯通信機器20と連携してもよい。
【0096】
以上の説明では、主側スロット26Sに記憶される主アプレットは、主携帯通信機器20側だけでトリガ、アクションが完結するもの、つまり、従携帯通信機器30側に部分アプレットを転送する必要がないものを含んでいてもよい。
【0097】
以上で説明した複数の主側スロット26Sは、上記主側基準スロット26aを含んでいなくてもよく、主側基準スロット26aにかえて主側第1スロット26b、主側第2スロット26c、主側第3スロット26dと等価(同等の序列)の主側第4スロットを含んで構成されてもよい。同様に、複数の従側スロット38Sは、上記従側基準スロット38aを含んでいなくてもよく、従側基準スロット38aにかえて従側第1スロット38b、従側第2スロット38c、従側第3スロット38dと等価(同等の序列)の従側第4スロットを含んで構成されてもよい。
【0098】
以上で説明した主アプリケーションプログラム、従アプリケーションプログラムは、いわゆるアプレットであるものとして説明したがこれに限らない。また、主アプリケーションプログラム(主アプレット)は、サービスブロックプログラムと、トリガブロックプログラムと、アクションブロックプログラムとによって構成されるものとして説明したがこれに限らない。
【0099】
<アプレット選択画面の変形例>
制御部27は、各スロット(主側スロット26S、従側スロット38S)にセットするアプレット(主アプレット、部分アプレット)を選択させる場合、上述した
図5に示した選択画面100にかえて、
図7に示す選択画面200をディスプレイ25Aに表示させてもよい。ディスプレイ25Aは、制御部27によって制御され画像を表示可能である表示部を構成するものである。
図7に示す選択画面200は、スロット表示領域200A、マイアプレット領域200B、及び、セットアプレット領域200Cを含む。当該選択画面200は、上側にスロット表示領域200Aが位置し、中央にマイアプレット領域200Bが位置し、下側にセットアプレット領域200Cが位置する。
【0100】
スロット表示領域200Aは、各スロットにセットされているアプレットを表すと共に、各スロットにアプレットをセットするために操作される領域である。スロット表示領域200Aは、スロットアイコン画像201、202、203、選択スロット画像204等が表示される。
【0101】
スロットアイコン画像201は、第1スロット(主側第1スロット26b、従側第1スロット38b)を表すアイコン画像である。スロットアイコン画像202は、第2スロット(主側第2スロット26c、従側第2スロット38c)を表すアイコン画像である。スロットアイコン画像203は、第3スロット(主側第3スロット26d、従側第3スロット38d)を表すアイコン画像である。
【0102】
選択スロット画像204は、複数の従側スロット38Sにそれぞれ記憶された部分アプレットのうち制御部39によって実行する部分アプレットとして現在選択されている部分アプレットを記憶する従側スロット38Sを表す画像である。
【0103】
ここで、上述したように、携帯通信機器連携システムS1は、例えば、主携帯通信機器20の入力部23や従携帯通信機器30の操作部35を介して、複数の従側スロット38Sにそれぞれ記憶された部分アプレットのうち制御部39によって起動し実行する部分アプレットを選択し切り替えることができると共に、当該従側スロット38Sの部分アプレット選択に連動して、主側スロット26Sのスロットの選択が行われ、対応するスロットのアプレットを起動することができる。選択スロット画像204は、言い換えれば、上記のようにして選択されているスロット(従側スロット38S、主側スロット26S)を表す画像に相当する。
【0104】
図7に示す選択スロット画像204は、一例として、複数の従側スロット38Sのうち従側基準スロット38a以外の従側スロット38Sを表すスロット画像204A、及び、回転軸を中心として回転する指針を表す指針画像204Bを含む。スロット画像204Aは、従側基準スロット38a以外の従側スロット38Sの数に応じて複数表示される。ここでは、スロット画像204Aは、3つの従側第1スロット38b、従側第2スロット38c、従側第3スロット38dにそれぞれ対応する第1スロット画像204Aa、第2スロット画像204Ab、第3スロット画像204Acを含む。第1スロット画像204Aaは、従側第1スロット38bを表す画像であり、一例として「1」の文字画像である。第2スロット画像204Abは、従側第2スロット38cを表す画像であり、一例として「2」の文字画像である。第3スロット画像204Acは、従側第3スロット38dを表す画像であり、一例として「3」の文字画像である。第1スロット画像204Aa、第2スロット画像204Ab、第3スロット画像204Acは、指針画像204Bが表す指針の回転軸を中心とした円弧上の軌跡に沿って間隔をあけて並んで位置する。選択スロット画像204は、典型的には、指針画像204Bによってスロット画像204A(第1スロット画像204Aa、第2スロット画像204Ab、第3スロット画像204Ac)を指し示すことで現在選択されているスロットを表すことができる。
【0105】
典型的には、制御部27は、現在選択されている部分アプレットを記憶する従側スロット38Sが従側基準スロット38a以外の従側スロット38Sである場合、
図7に示すように、ディスプレイ25Aに選択スロット画像204を表示させ、指針画像204Bによって対応するスロット画像204Aを指し示す。すなわち、制御部27は、現在選択されているスロットが従側第2スロット38c、主側第2スロット26cである場合には、
図7に示すように、指針画像204Bによって、第2スロット画像204Abを指し示す。同様に、制御部27は、現在選択されているスロットが従側第1スロット38b、主側第1スロット26bである場合には、指針画像204Bによって第1スロット画像204Aaを指し示す。制御部27は、現在選択されているスロットが従側第3スロット38d、主側第3スロット26dである場合には、指針画像204Bによって、第3スロット画像204Acを指し示す。
【0106】
一方、制御部27は、現在選択されている部分アプレットを記憶する従側スロット38Sが従側基準スロット38aである場合、
図8に示すように、ディスプレイ25Aに選択スロット画像204を表示させ、指針画像204Bによってスロット画像204A以外を指し示す。
図8の例では、制御部27は、現在選択されているスロットが従側基準スロット38a、主側基準スロット26aである場合には、指針画像204Bによって第2スロット画像204Abとは反対側を指し示す。
【0107】
この結果、携帯通信機器連携システムS1、主携帯通信機器20、及び、従携帯通信機器30は、主携帯通信機器20において、現在選択されてスロットを選択スロット画像204によって分かり易く表示することができる。
【0108】
続いて、マイアプレット領域200Bは、各スロットにセット可能なアプレットを表す共に、各スロットにアプレットをセットするために操作される領域である。マイアプレット領域200Bは、「My Applet」の文字画像と共に各スロットにセット可能なアプレットを表すアプレットアイコン画像205等が表示される。各スロットにセット可能なアプレットとは、例えば、主携帯通信機器20に既にダウンロード済みのアプレット、自機(主携帯通信機器20)で作成したアプレット、デフォルトで主携帯通信機器20に記憶されているアプレット等である。なお、制御部27は、例えば、マイアプレット領域200B内の矢印画像206aに対するタップ操作に応じて当該マイアプレット領域200Bの折り畳み表示/展開表示の切り替えを行うことができる。また、制御部27は、例えば、マイアプレット領域200B内のメニュー画像206bに対するタップ操作に応じて複数のアプレットアイコン画像205をまとめるフォルダ作成、整理等の操作も行うことができる。
【0109】
セットアプレット領域200Cは、複数のスロットに一括でセット可能なアプレットグループを表す共に、各スロットにアプレットをセットするために操作される領域である。セットアプレット領域200Cは、「GROUP」の文字画像と共に複数のスロットに一括でセット可能なアプレットグループを表すグループアイコン画像207等が表示される。複数(ここでは3つ)のスロットに一括でセット可能なアプレットグループとは、複数の主側スロット26S、複数の従側スロット38Sに記憶させる主アプレット、部分アプレットの組み合わせを一括で定めたものであり、ユーザによって任意に選択された複数の特定のアプレットをグループ化したものである。制御部27は、例えば、ユーザからの入力に応じて、予め複数(ここでは3つ)のアプレットの組み合わせをアプレットグループとしてグループ化し、これに応じたグループアイコン画像207をユーザからの入力に応じて設定する。セットアプレット領域200Cは、このようにしてグループ化されたアプレットグループのグループアイコン画像207が表示される。なお、制御部27は、例えば、セットアプレット領域200C内の矢印画像208aに対するタップ操作に応じて当該セットアプレット領域200Cの折り畳み表示/展開表示の切り替えを行うことができる。また、制御部27は、例えば、マイアプレット領域200B内のメニュー画像208bに対するタップ操作に応じてアプレットグループの作成、整理等の操作も行うことができる。
【0110】
制御部27は、入力部23を構成するタッチパネルに対するユーザのタップ動作、フリック動作、スワイプ動作等に応じて、スロット表示領域200A、マイアプレット領域200B、及び、セットアプレット領域200Cが操作されることで、各スロットにアプレットをセットする。制御部27は、例えば、スロット表示領域200Aのスロットアイコン画像201、202、203のいずれかが表すスロットに、マイアプレット領域200Bの任意のアプレットのアプレットアイコン画像205を移動する動作が入力されると(例えば、
図7中の矢印参照)、当該スロットに対して、当該移動されたアプレットアイコン画像205に対応するアプレットをセットする。また、制御部27は、例えば、セットアプレット領域200Cの任意のアプレットグループのグループアイコン画像207に対するタップ操作に応じて当該アプレットグループに含まれる複数のアプレットのアプレットアイコン画像205をそれぞれスロットアイコン画像201、202、203に自動で移動し、各スロットに対して、当該アプレットアイコン画像205に対応するアプレットを一括でセットする。
【0111】
携帯通信機器連携システムS1、主携帯通信機器20、及び、従携帯通信機器30は、このようにして、選択画面200を介して、各スロット(主側スロット26S、従側スロット38S)に、ユーザが任意に選択したアプレット(主アプレット、部分アプレット)をセットすることができる。
【0112】
<変形例の付加的事項1:通信不能状態でのアプレット設定>
制御部27は、主携帯通信機器20と従携帯通信機器30とが通信部22及び通信部32を介して通信不能な状態であっても上記のような各スロットへのアプレット設定を実行可能である。この場合、制御部27は、主携帯通信機器20と従携帯通信機器30とが通信部22及び通信部32を介して通信不能な状態で、上記のようにスロットに対してアプレットが設定され、主側スロット26Sに主アプレットが格納された場合、主携帯通信機器20と従携帯通信機器30とが通信部22及び通信部32を介して通信可能となった際に、通信不能な状態で主側スロット26Sに格納された主アプレットに応じた部分アプレットを一括で従携帯通信機器30に送信するようにすればよい。この結果、携帯通信機器連携システムS1、主携帯通信機器20、及び、従携帯通信機器30は、主携帯通信機器20と従携帯通信機器30とが通信不能な状態であっても、各スロット(主側スロット26S、従側スロット38S)に、ユーザが任意に選択したアプレット(主アプレット、部分アプレット)をセットすることができる。
【0113】
なお、制御部27は、主携帯通信機器20と従携帯通信機器30とが通信部22及び通信部32を介して通信可能な状態で、上記のようにスロットに対してアプレットが設定され、主側スロット26Sに主アプレットが格納された場合には、都度、当該格納された主アプレットに応じた部分アプレットを従携帯通信機器30に送信してもよいし、複数(ここでは3つ)の主側スロット26Sにすべて主アプレットが格納された時点で一括して当該各主アプレットに応じた部分アプレットを従携帯通信機器30に送信してもよい。
【0114】
<変形例の付加的事項2:通信状態の表示1>
制御部27は、例えば、スロット表示領域200Aの選択スロット画像204を用いて、主携帯通信機器20と従携帯通信機器30との通信状態を表示することもできる。制御部27は、例えば、主携帯通信機器20と従携帯通信機器30とが通信部22及び通信部32を介して通信可能な状態である場合、ディスプレイ25Aに選択スロット画像204を表示させることで、主携帯通信機器20と従携帯通信機器30とが通信可能な状態であることを表す(
図7、
図8参照)。一方、制御部27は、例えば、主携帯通信機器20と従携帯通信機器30とが通信部22及び通信部32を介して通信不能な状態である場合、ディスプレイ25Aに選択スロット画像204を表示させないことで、主携帯通信機器20と従携帯通信機器30とが通信不能な状態であることを表す(
図9参照)。この構成により、携帯通信機器連携システムS1、主携帯通信機器20、及び、従携帯通信機器30は、選択スロット画像204の表示状態によって、主携帯通信機器20と従携帯通信機器30との通信状態を適正に報知することができる。
【0115】
<変形例の付加的事項3:通信状態の表示2>
制御部27は、主携帯通信機器20から従携帯通信機器30に部分アプレットを送信している状態である場合に、例えば、
図10に例示するように、選択画面200において、アプレットを送信中であることを表す通信中画像209を表示させることができる。通信中画像209は、例えば、スロットアイコン画像201、202、203に重畳されて表示される画像であり、
図10の例では、例えば、「白色の途切れた矢印マーク」を模した画像である。制御部27は、主携帯通信機器20から従携帯通信機器30に部分アプレットを送信している状態である場合、例えば、選択画面200において、送信中の部分アプレットを記憶するスロットに対応するスロットアイコン画像201、202、203をグレー表示する。その上で、制御部27は、当該スロットアイコン画像201、202、203に重畳させて通信中画像209を表示させる。そして、制御部27は、従携帯通信機器30への部分アプレットの送信が完了すると、当該通信中画像209を非表示とする。これにより、携帯通信機器連携システムS1、主携帯通信機器20、及び、従携帯通信機器30は、選択画面200において、主携帯通信機器20から従携帯通信機器30に部分アプレットを送信中であることを報知することができる。
【0116】
なお、通信中画像209は、「白色の途切れた矢印マーク」を模した画像に限らず、例えば、「時計マーク」などを模した作業中であることを示す画像等であってもよい。また、制御部27は、通信中画像209をアニメーション表示するようにしてもよい。この場合、制御部27は、例えば、
図11に示すように、通信中画像209が表す「白色の途切れた矢印マーク」を、当該矢印マークの中心軸線(
図11では上下方向に沿った軸線)周りに3次元的に回転させることや、矢印マークの大きさを小さくした後に大きくする表示を周期的に繰り返すこと等によりアニメーション表示を行うようにしてもよい。この場合、制御部27は、通信中画像209が表す「白色の途切れた矢印マーク」の回転速度、または大きさを変化させる周期等によって送信の進捗度合、通信状況等を表すようにしてもよい。また、制御部27は、例えば、通信中画像209が表す「白色の途切れた矢印マーク」をグラデーション表示し、当該グラデーション表示が矢印マークの上下方向に周期的に変化させることでアニメーション表示を行うようにしてもよい。この場合、制御部27は、通信中画像209が表す「白色の途切れた矢印マーク」のグラデーション表示の変化割合、変化周期等によって送信の進捗度合、通信状況等を表すようにしてもよい。これにより、携帯通信機器連携システムS1、主携帯通信機器20、及び、従携帯通信機器30は、選択画面200において、主携帯通信機器20から従携帯通信機器30に部分アプレットを送信中であることをより分かり易く報知することができる。
【0117】
また、制御部27は、選択画面200において、例えば、
図12に示すように、現在選択されアプレットが実行されているスロット(主側スロット26S、従側スロット38S)を表すスロットアイコン画像201、202、203に近接させて、主携帯通信機器20から従携帯通信機器30に部分アプレットの送信が完了したことを表す送信完了アプレット画像210を表示させることができる。この場合、例えば、送信完了アプレット画像210の点灯により、主携帯通信機器20から従携帯通信機器30に部分アプレットの送信が完了していることを表し、送信完了アプレット画像210の点滅により、部分アプレットを送信中であることを表しても良い。これにより、携帯通信機器連携システムS1、主携帯通信機器20、及び、従携帯通信機器30は、主携帯通信機器20において、現在選択されているスロットを送信完了アプレット画像210によってさらに分かり易く表示することができる。
【0118】
また、制御部27は、選択画面200において、例えば、主携帯通信機器20から従携帯通信機器30への部分アプレットの送信が未完了であるスロット(主側スロット26S、従側スロット38S)を表す送信未完了画像(例えば、「禁止マーク」や「罰点マーク」を模した画像)を、スロットアイコン画像201、202、203に重畳または近接させて表示させるようにしてもよい。また、制御部27は、例えば、主携帯通信機器20から従携帯通信機器30への部分アプレットの送信が通信状況等により途中で失敗した場合、同様に、送信未完了画像を表示させるようにしてもよい。この場合、制御部27は、例えば、通信状況が回復し、再度、主携帯通信機器20と従携帯通信機器30とが通信可能な状態となった際に、部分アプレットを再送信するようにすればよい。
【0119】
本実施形態に係る携帯通信機器連携システム、主携帯通信機器、及び、従携帯通信機器は、以上で説明した実施形態、変形例の構成要素を適宜組み合わせることで構成してもよい。