(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
フラットパネルディスプレイ、コンピュータ用モニター、テレビ受信機、広告用掲示板、屋内または屋外照明及び/または信号用の照明灯、ヘッドアップディスプレイ、完全透明ディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、レーザープリンター、電話、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、ラップトップ型コンピュータ、デジタルカメラ、ビデオカメラ、ファインダー、マイクロディスプレイ、車両、大面積ウォール、劇場またはスタジアムのスクリーンまたは標識から選択される、請求項5に記載の消費者製品。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
拡張共役を有するヘテロレプティックIr(III)錯体を作製するための方法を提供する。その方法は、
【化2】
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を
【化3】
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と反応させて
【化4】
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を生成する段階を含む。Sは中性配位子である。Xは対イオンである。好ましくは、Sは、トリフラート、トシレート、トリフルオロアセテート、テトラフルオロボレート及びヘキサフルオロホスフェートからなる群から選択される。A及びBはそれぞれ独立に5員または6員の芳香族または芳香族複素環であり、A-Bは、環A上の窒素原子及び環B上のsp
2混成炭素原子を介してイリジウムと配位している芳香族または芳香族複素環の結合対を表す。C及びDはそれぞれ独立に5員または6員の芳香族または芳香族複素環であり、C-Dは、環C上の窒素環原子及び環D上のsp
2混成炭素原子を介してイリジウムと配位している芳香族または芳香族複素環の結合対を表す。R
A、R
B、R
C及びR
Dはそれぞれ独立に、置換なし、アルキル、ヘテロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基からなる群から選択される。R
A、R
B、R
C及びR
Dのそれぞれは1つまたは複数の置換基を表す。好ましくは、R
A、R
B、R
C及びR
Dは、ベンゼン、ピリミジン、ピリジン、チオフェン、チアナフテン、フッ素、カルバゾール及びジベンゾチオフェンからなる群から選択される。Rはアルキル、ヘテロアルキルまたはペルフルオロアルキル基であり、その2つのRは任意選択で結合して環を形成している。
【0019】
さらに、リン発光性材料を提供する。この材料は、複素環上に拡張共役を有するヘテロレプティック錯体である。この材料は有機発光性デバイスにおいて有利に使用することができる。特に、この材料はそうしたデバイスの発光性ドーパントとして有用である。この材料は、
【化5】
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からなる群から選択される。
【0020】
一態様では、化合物1が好ましい。他の態様では、化合物2が好ましい。
【0021】
さらに、有機発光性デバイスを提供する。デバイスは、アノード、カソード、及びそのアノードとカソードの間に配置された有機層を有し、その有機層は化合物1〜6から選択される化合物を含む。有機層はホストをさらに含むことができる。好ましくは、そのホストはトリフェニレン基を含む。より好ましくは、そのホストはテルフェニルでさらに置換されたトリフェニレンを含む。最も好ましくは、そのホストはH1である。
【0022】
消費者製品も提供する。その製品はアノード、カソード及びそのアノードとカソードの間に配置された有機層を有するデバイスを含み、その有機層は化合物1〜6から選択される化合物をさらに含む。
【0023】
有機発光性デバイスにおいて有利に使用できるヘテロレプティックイリジウム化合物を提供する。ヘテロレプティック化合物は、
【化6】
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からなる群から選択される。
【0024】
一態様では、化合物8が好ましい。他の態様では、化合物9が好ましい。さらに他の態様では、化合物10が好ましい。他の態様では、化合物11が好ましい。さらに他の態様では、化合物12が好ましい。他の態様では、化合物13が好ましい。さらに他の態様では、化合物14が好ましい。
【0025】
さらに、有機発光性デバイスを提供する。デバイスは、アノード、カソード及びそのアノードとカソードの間に配置された有機層を有し、その有機層は化合物8〜14から選択される化合物を含む。有機層は、アリールまたはヘテロアリールでさらに置換されたトリフェニレン基を有するホストをさらに含むことができる。好ましくは、ホストはテルフェニルまたはジベンゾチオフェンでさらに置換されたトリフェニレン基を含む。より好ましくは、ホストはH1またはH2である。
【0026】
消費者製品も提供する。その製品はアノード、カソード及びそのアノードとカソードの間に配置された有機層を有するデバイスを含み、その有機層は化合物8〜14から選択される化合物をさらに含む。
【0027】
さらに、著しい配位子の乱れ(scrambling)を伴うことなくヘテロレプティック化合物を作製するための方法を提供する。その方法は、
【化7】
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を、
【化8】
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と反応させて
【化9】
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を生成する段階を含む。Sは中性配位子である。Xは対イオンである。好ましくは、Xは、トリフラート、トシレート、トリフルオロボレート及びヘキサフルオロホスフェートからなる群から選択される。A及びBはそれぞれ独立に5員または6員の芳香族または芳香族複素環であり、A-Bは、環A上の窒素原子及び環B上のsp
2混成炭素原子を介してイリジウムと配位している芳香族または芳香族複素環の結合対を表す。C及びDはそれぞれ独立に5員または6員の芳香族または芳香族複素環であり、C-Dは、環C上の窒素環原子及び環D上のsp
2混成炭素原子を介してイリジウムと配位している芳香族または芳香族複素環の結合対を表す。R
A、R
B、R
C及びR
Dはそれぞれ独立に、置換なし、アルキル、ヘテロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基からなる群から選択され、R
A、R
B、R
C及びR
Dのそれぞれは1つまたは複数の置換基を表す。好ましくは、R
A、R
B、R
C及びR
Dは、ベンゼン、ピリミジン、ピリジン、チオフェン、チアナフテン、フッ素、カルバゾール及びジベンゾチオフェンからなる群から選択される。R
ZはHではない。好ましくは、R
Zはメチルである。
【0028】
式Ir(L
A-B)
2(L
C-D)を有するヘテロレプティック化合物を提供する。L
A-Bは、
【化10】
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である。L
C-Dは、
【化11】
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からなる群から選択される。R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5はそれぞれ独立に水素及びアルキルからなる群から選択され、R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5のそれぞれは、一置換、二置換、三置換、四置換または五置換を表すことができる。好ましくは、R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5はそれぞれ独立に、水素及びメチルである。より好ましくは、L
C-Dは、
【化12】
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からなる群から選択される。
【0029】
新規なリン光性有機材料を提供する。その有機材料は、その置換基アリールが通常の不飽和フェニル-フェニルより、平面の外にねじれ出ている(すなわち、本明細書ではねじれ型(twisted)アリール)、アルキル置換基及びアリール置換基を有する少なくとも1つの配位子を含む化合物である。この化合物は、有機発光性デバイスにおいて有利に使用することができる。特に、この化合物はそうしたデバイスにおいて発光性ドーパントとして有用である。
【0030】
以下の構造:
【化13】
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を有する配位子Lを含む化合物を提供する。
【0031】
B及びCはそれぞれ独立に、5員または6員の炭素環または複素環である。A-Bは、環A上の窒素原子及び環B上のsp
2混成炭素原子を介して金属Mと配位している炭素環または複素環の結合対を表す。A-Cは炭素環または複素環の結合対を表す。R
a、R
b及びR
Cは、一置換、二置換、三置換または四置換を表すことができる。R
a、R
b及びR
Cは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、arylkyl、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択される。X
1、X
2、X
3、X
4、X
5、X
6、X
7、X
8及びX
9は独立に、炭素及び窒素から選択される。好ましくは、Aはピリジンである。R
1及びR
2は独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、arylkyl、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択される。R
1、R
2、及び環Cと隣接するR
a置換基の少なくとも1つは水素ではない。好ましくは、R
1、R
2、及びCと隣接するR
a置換基のうちの1つだけは水素ではない。好ましくは、R
1、R
2、及びCと隣接するR
a置換基のうちの1つだけはアルキルである。より好ましくは、R
1、R
2、及びCと隣接するR
a置換基のうちの1つだけはエチルである。最も好ましくは、R
1、R
2、及びCと隣接するR
a置換基のうちの1つだけはメチルである。配位子Lは、40より大きい原子番号を有する金属Mと配位している。好ましくは、その金属MはIrである。
【0032】
化合物の例は以下の構造を有する化合物:
【化14】
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を含むことができる。
【0033】
mは酸化状態の金属Mである。好ましくは、その金属MはIrである。好ましくは、Aはピリジンでである。nは少なくとも1である。L'はモノアニオン二座配位子である。好ましくは、R
1、R
2、及びCと隣接するR
a置換基のうちの1つだけは水素ではない。好ましくは、R
1、R
2、及びCと隣接するR
a置換基のうちの1つだけはアルキルである。より好ましくは、R
1、R
2、及びCと隣接するR
a置換基のうちの1つだけはエチルである。最も好ましくは、R
1、R
2、及びCと隣接するR
a置換基のうちの1つだけはメチルである。
【0034】
式IIを有する化合物の特定の例を提供する。それらには、化合物15〜化合物20が含まれる。Rは水素ではない。好ましくは、Rはアルキルである。
【0035】
式IIを有する化合物の具体的な例を提供する。それらには、化合物21〜化合物37が含まれる。一態様では、化合物21、22、25、29、30、31及び34は好ましい化合物である。
【0036】
一態様では、
【化15】
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からなる群から選択される化合物を提供する。R
1、R
2、R
3及びR
4の少なくとも1つは水素ではない。R
5は、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、arylkyl、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択される。好ましくは、Aはピリジンである。一態様では、R
1及びR
2は水素であり、R
3及びR
4の1つはアルキルである。化合物の例は、化合物21〜24、29〜34、36及び37を含むことができる。他の態様では、R
1及びR
2の1つはアルキルであり、R
3及びR
4は水素である。化合物の例は、化合物25〜28及び35を含むことができる。
【0037】
他の態様では、化合物は、
【化16】
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からなる群から選択される。
【0038】
式IIを有する化合物は、ホモレプティック化合物及びヘテロレプティック化合物を含む。ホモレプティック化合物の例には、化合物21〜24及び35が含まれる。ヘテロレプティック化合物の例には、化合物25〜34、36及び37が含まれる。
【0039】
一態様では、
【化17】
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からなる群から選択される配位子L'を有する化合物を提供する。R'
1、R'
2及びR'
3は独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、arylkyl、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択される。
【0040】
一態様では、アルキル置換基(すなわち、アリール置換基においてねじれをもたらすアルキル置換基)が配位子Lのピリジン環上に存在する化合物が好ましい。好ましくはその化合物は、その化合物21〜23、29〜31、34、36及び37からなる群から選択される。
【0041】
他の態様では、アルキル置換基がピリジン環の窒素に対してパラ位である化合物が特に好ましい。好ましくはその化合物は、化合物21、22、29〜31、34、36及び37からなる群から選択される。
【0042】
有機発光性デバイスも提供する。デバイスは、アノード、カソード及びそのアノードとカソードの間に配置された有機層を有し、その有機層は上記したような式Iを有する化合物を含む。式Iを有する化合物に好ましいと記載されている置換基のための選択は、式Iを有する化合物を含むデバイスについても好ましい。これらの選択は、金属M;式II〜VI;置換基R、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、及び環Cと隣接するR
a置換基;環Cの位置;ならびに環A、B及びCについて記載されているものを含む。
【0043】
一態様では、そのデバイスは、上記したような式IIを有する化合物を含む。好ましくは、その金属MはIrである。好ましくは、Aはピリジンである。他の態様では、そのデバイスは上記したような式IIIまたは式IVを有する化合物を含む。R
1、R
2、及びCと隣接するR
a置換基のうちの1つだけがアルキルである化合物を含むデバイスも好ましい。さらに他の態様では、そのデバイスは、上記したような式Vまたは式VIを有する化合物を含む。化合物21〜化合物37からなる群から選択される化合物を含む特定のデバイスを提供する。好ましくは、そのデバイスは、化合物21、化合物22、化合物25、化合物29、化合物30、化合物31または化合物34を含む。
【0044】
一態様では、その有機層が発光層であり、式Iの式を有する化合物が発光性ドーパントであるデバイスを提供する。さらに、その有機層はホストをさらに含むことができる。好ましくは、そのホストは次の構造:
【化18】
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を有する。R'
1、R'
2、R'
3、R'
4、R'
5及びR'
6は独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、arylkyl、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択される。
【0045】
デバイスを含む消費者製品も提供する。そのデバイスは、アノード、カソード、及びそのアノードとカソードの間に配置された有機層含み、その有機層は上記したような式Iを有する化合物を含む。式Iを有する化合物に好ましいと記載されている置換基のための選択は、式Iを有する化合物を含むデバイスを含む消費者製品における使用についても好ましい。これらの選択は、金属M;式II〜VI;置換基R、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、及び環Cと隣接するR
a置換基;環Cの位置;ならびに環A、B及びCについて記載されているものを含む。
【0046】
さらに、ホモレプティック化合物を作製するための低温法を提供する。特に、その方法はホモレプティックIr(III)化合物を作製するための方法である。これらの化合物は好ましくはねじれ型アリールを含むことができる。
【0047】
ホモレプティックIr(III)錯体を作製するための第1の方法を提供する。その第1の方法は、
【化19】
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を低沸点アルコールの存在下で
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
と反応させて
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
を生成する段階を含む。
【0048】
R
A及びR
Bの少なくとも1つはアルキル基であり、そのアルキル基はピリジン環上の窒素と隣接していない。Sは中性配位子である。Xは対イオンである。好ましくは、Xはトリフラートである。A及びBはそれぞれ独立に、5員または6員の炭素環または複素環である。A-Bは、環A上の窒素原子及び環B上のsp
2混成炭素原子を介してイリジウムと配位している炭素環または複素環の結合対を表す。R
A及びR
Bのそれぞれは、一置換、二置換、三置換または四置換を表すことができる。R
A及びR
Bはそれぞれ独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、arylkyl、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択される。
【0049】
一態様では、その低沸点アルコールは、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、1:1の比のエタノール及びメタノール、2-メトキシエタノールならびに2-エトキシエタノールからなる群から選択される。好ましくは、低沸点アルコールは、108℃で沸騰するイソプロパノール、78℃で沸騰するエタノールならびに65℃及び78℃の沸点を有する1:1の比のエタノール及びメタノールからなる群から選択される。より好ましくは、低沸点アルコールはエタノールまたは1:1の比のエタノール及びメタノールである。最も好ましくは、低沸点アルコールは1:1の比のエタノール及びメタノールである。
【0050】
好ましくは、Aは、
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0051】
Cは5員または6員の炭素環または複素環である。A-Cは炭素環または複素環の結合対を表す。R
A及びR
Cは、一置換、二置換、三置換または四置換を表すことができる。R
A及びR
Cは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、arylkyl、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択される。X
1、X
2、X
3、X
4、X
5、X
6、X
7、X
8及びX
9は独立に、炭素及び窒素から選択される。R
1及びR
2は独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、arylkyl、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択される。R
1、R
2、及びCと隣接するR
a置換基の少なくとも1つは水素ではない。
【0052】
一態様では、第1の方法は、
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
を低沸点アルコールの存在下で
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
と反応させて
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
を生成する段階を含む。化合物21、化合物22及び化合物24を含む特定の化合物は、この方法を用いて生成させることができる。
【0053】
ホモレプティックIr(III)化合物を作製するための第2の方法も提供する。第2の方法は、
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
を溶媒の不存在下で
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
と反応させて
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
を生成する段階を含む。
【0054】
R
A及びR
Bの少なくとも1つはアルキル基であり、そのアルキル基はピリジン環上の窒素に隣接している。Sは中性配位子である。Xは対イオンである。好ましくは、Xはトリフラートである。A及びBはそれぞれ独立に、5員または6員の炭素環または複素環である。A-Bは、環A上の窒素原子及び環B上のsp
2混成炭素原子を介してイリジウムと配位している炭素環または複素環の結合対を表す。R
A及びR
Bのそれぞれは、一置換、二置換、三置換または四置換を表すことができる。R
A及びR
Bはそれぞれ独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、arylkyl、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択される。
【0055】
好ましくは、Aは、
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0056】
Cは5員または6員の炭素環または複素環である。A-Cは炭素環または複素環の結合対を表す。R
A及びR
Cは、一置換、二置換、三置換または四置換を表すことができる。R
A及びR
Cは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、arylkyl、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択される。X
1、X
2、X
3、X
4、X
5、X
6、X
7、X
8及びX
9は独立に、炭素及び窒素から選択される。R
1及びR
2は独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、arylkyl、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択される。R
1、R
2、及びCと隣接するR
a置換基の少なくとも1つは水素ではない。
【0057】
一態様では、第2の方法は、
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
を溶媒の不存在下で
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
と反応させて
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
を生成する段階を含む。
化合物23を含む特定の化合物は、この方法を用いて生成させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0059】
一般に、OLEDは、アノードとカソードの間に配置され、かつ、それらと電気的に連結された少なくとも1つの有機層を含む。電流を流すと、アノードは正孔を有機層中に注入し、カソードは電子を有機層中に注入する。注入された正孔と電子はそれぞれ、反対に帯電した電極の方へ移動する。電子と正孔が同じ分子上に局在化すると、励起エネルギー状態を有する局在化した電子-正孔対である「エキシトン」を生成する。光電子放出機構によってエキシトンが緩和されると、光が放出される。いくつかの場合、エキシトンはエキシマーまたはエキシプレックス上で局在化することができる。熱緩和などの非放射性機構も起こり得るが、一般に望ましくないと考えられている。
【0060】
初期のOLEDには、例えば米国特許第4769292号(これらを全体として参照により本明細書に組み込む)に開示されているような、一重項状態から光(「蛍光」)を放出する発光性分子が用いられた。蛍光発光は通常10ナノ秒未満の時間枠で起こる。
【0061】
最近になって、三重項状態から光(「リン光」)を放出する発光性材料を有するOLEDが示されている。Baldoら、「Highly Efficient Phosphorescent Emission from Organic Electroluminescent Devices」、Nature, vol. 395, 151〜154頁、1998;(「Baldo-I」)及びBaldoら、「Very high-efficiency green organic light-emitting devices based on electrophosphorescence」、Appl. Phys. Lett., vol. 75, No. 3, 4〜6頁(1999)(「Baldo-II」)(これらを全体として参照により本明細書に組み込む)。リン光については米国特許第7279704号の段落5〜6(これらを参照により本明細書に組み込む)により詳細に記載されている。
【0062】
図1に有機発光性デバイス100を示す。これらの図は必ずしも縮尺通りではない。デバイス100は、基板110、アノード115、正孔注入層120、正孔輸送層125、電子阻止層130、発光層135、正孔阻止層140、電子輸送層145、電子注入層150、保護層155及びカソード160を備えることができる。カソード160は、第1の導電層162及び第2の導電層164を有する化合物カソードである。デバイス100は、これらの層を順番に積層させて組み立てることができる。これらの種々の層の特性及び機能ならびに例示の材料は、米国特許第7279704号の段落6〜10(これらを参照により本明細書に組み込む)により詳細に記載されている。
【0063】
これらの層のそれぞれについてのさらなる例を得ることができる。例えば、柔軟で透明な基板-アノードの組合せが米国特許第5844363号(これを全体として参照により本明細書に組み込む)に開示されている。p-ドープ正孔輸送層の例は、米国特許出願公開第2003/0230980号(これを全体として参照により本明細書に組み込む)に開示されている50:1のモル比でF.sub.4-TCNQでドープされたm-MTDATAである。発光材料及びホスト材料の例は、Thompsonらの米国特許第6303238号(これを全体として参照により本明細書に組み込む)に開示されている。n-ドープ電子輸送層の例は、米国特許出願公開第2003/0230980号(これを全体として参照により本明細書に組み込む)に開示されている1:1のモル比でLiでドープされたBPhenである。米国特許第5703436号及び同第5707745号(これらを全体として参照により本明細書に組み込む)は、透明な導電性のスパッタリング蒸着したITO層で覆われたMg:Agなどの金属の薄層を有する化合物カソードを含むカソードの例を開示している。阻止層の理論及びその使用については、米国特許第6097147号及び米国特許出願公開第2003/0230980号(これらを参照により本明細書に組み込む)により詳細に記載されている。注入層の例は、米国特許出願公開第2004/0174116号(これを全体として参照により本明細書に組み込む)に提供されている。保護層の説明は米国特許出願公開第2004/0174116号(これを全体として参照により本明細書に組み込む)に見ることができる。
【0064】
図2は逆転したOLED200を示す。デバイスは、基板210、カソード215、発光層220、正孔輸送層225及びアノード230を備える。デバイス200は、上記層を順番に積層させて組み立てることができる。最も一般的なOLED構造はアノードの上に配置されたカソードを有し、デバイス200はアノード230の下に配置されたカソード215を有するので、デバイス200を「逆転した」OLEDと称することができる。デバイス100に関して記載したものに類似した材料を、デバイス200の対応する層に用いることができる。
図2は、デバイス100の構造から、いくつかの層をいかに省くことができるかという一例を示している。
【0065】
図1及び
図2に例示した簡単な層状構造を、非限定的な例で提供するが、本発明の実施形態は、様々な他の構造に関連して用いることができることを理解されたい。説明される具体的な材料及び構造は実際には例示的なものであり、他の材料及び構造を使用することができる。機能性OLEDを、別の形で説明される種々の層を組み合わせることによって実現するか、または、設計、性能及びコスト要素をもとにして、層を完全に省くことができる。具体的には説明されていない他の層も含むことができる。具体的に説明したもの以外の材料を用いることができる。本明細書で提供する例の多くは、単一の材料を含むものとして種々の層を説明しているが、ホストとドーパントの混合物などの材料の組合せ、またはより一般的には混合物を使用できることを理解されたい。また、その層は種々の副層をもつことができる。本明細書で種々の層に与えられた名称は厳密に限定しようとするものではない。例えば、デバイス200において、正孔輸送層225は正孔を輸送し、正孔を発光層220中に注入し、これを正孔輸送層または正孔注入層として表すことができる。一実施形態では、OLEDはカソードとアノードの間に配置された「有機層」を有すると表すことができる。この有機層は、単一の層を含むか、または、例えば
図1及び
図2に関して説明したような異なる有機材料でできた複数の層をさらに含むことができる。
【0066】
Friendらの米国特許第5247190号(これを全体として参照により本明細書に組み込む)に開示されているようなポリマー材料(PLED)を含むOLEDなどの具体的に説明されていない構造及び材料も使用することができる。他の例としては、単一の有機層を有するOLEDを使用することができる。例えば、Forrestらの米国特許第5707745号(これを全体として参照により本明細書に組み込む)に記載されているようにして、OLEDを積み重ねることができる。OLED構造は、
図1及び
図2に例示したような簡単な層状構造から逸脱していてもよい。例えば、基板は、Forrestらの米国特許第6091195号に記載されているメサ構造及び/またはBulovicらの米国特許第5834893号(これらを参照により本明細書に組み込む)に記載されているくぼみ構造などのアウトカップリングを改善するための角度のある反射面を含むことができる。
【0067】
別段の指定のない限り、様々な実施形態の層のどれも、適当な方法で析出することができる。有機層のための好ましい方法には、米国特許第6013982号及び同第6087196号(これらを参照により本明細書に組み込む)に記載されているものなどの熱蒸発、インクジェット、Forrestらの米国特許第6337102号(これを全体として参照により本明細書に組み込む)に記載されているものなどの有機気相堆積法(OVPD)、及び米国特許出願第10/233470号(これを全体として参照により本明細書に組み込む)に記載されているものなどの有機蒸気ジェットプリンティング(OVJP)による析出が含まれる。他の適切な析出法には、スピンコーティング及び他の溶液をベースとしたプロセスが含まれる。溶液をベースとしたプロセスは、窒素または不活性雰囲気下で行うことが好ましい。他の層のための好ましい方法には熱蒸発が含まれる。好ましいパターニング法には、米国特許第6294398号及び同第6468819号(これらを参照により本明細書に組み込む)に記載されているものなどのマスクを通した析出、冷間圧接ならびにインクジェット及びOVJDなどの析出法のいくつかと関連したパターニングが含まれる。他の方法も用いることができる。デポジットする材料は、特定の析出法に適合するようにそれらを改変することができる。例えば、分岐状または非分岐状であり、好ましくは少なくとも3個の炭素を含むアルキル及びアリール基などの置換基を小分子中に用いて、溶液加工を受ける能力を高めることができる。20個以上の炭素を有する置換基を用いることができるが、3〜20個の炭素が好ましい範囲である。非対称材料は再結晶化する傾向が低いので、非対称構造を有する材料は対称構造を有する材料より良好な溶液加工性を有することができる。デンドリマー置換基を用いて、小分子が溶液加工を受ける能力を高めることができる。
【0068】
本発明の実施形態により組み立てられるデバイスは、フラットパネルディスプレイ、コンピュータ用モニター、テレビ受信機、広告用掲示板、屋内または屋外照明及び/または信号用の照明灯、ヘッドアップディスプレイ、完全透明ディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、レーザープリンター、電話、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、ラップトップ型コンピュータ、デジタルカメラ、ビデオカメラ、ファインダー、マイクロディスプレイ、車両、大面積ウォール、劇場またはスタジアムのスクリーンまたは標識を含む広範な消費者製品に組み込むことができる。パッシブマトリクス及びアクティブマトリクスを含む様々な制御機構を用いて、本発明により組み立てられたデバイスを制御することができる。デバイスの多くは、18℃〜30℃、より好ましくは室温(20〜25℃)などの人に心地よい範囲の温度で使用するようになっている。
【0069】
本明細書で説明する材料及び構造はOLED以外のデバイスにも用途を有している。例えば、有機太陽電池及び有機光検知器などの他の光電子デバイスにこの材料及び構造を用いることができる。より一般的には、有機トランジスタなどの有機デバイスにこの材料及び構造を用いることができる。
【0070】
ハロ、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、arylkyl、複素環基、アリール、芳香族基及びヘテロアリールという用語は当技術分野で公知であり、米国特許第7279704号の段落31〜32(これを参照により本明細書に組み込む)に定義されている。
【0071】
拡張共役を有するヘテロレプティックIr(III)錯体を含む化合物を提供する。特に、その錯体は窒素を介して金属と配位した複素環上に拡張共役を有する。その光物理的、熱的及び電子的特性を金属中心に結合する配位子によって調整することができるので、ヘテロレプティックイリジウム錯体は非常に興味のあるものである。ヘテロレプティックイリジウム錯体を使用する1つの利点は、それらが、ホモレプティックIr(III)錯体と比べて、より改善されたデバイス寿命とより低い昇華温度をもたらし、したがって、製造法が改善されることである。例えば、2-フェニルピリジン及び2-(ビフェニル-3-イル)ピリジンを含むヘテロレプティック錯体は、関連するホモレプティック錯体と比べて長い寿命を示す。さらに、ヘテロレプティック錯体の昇華温度はホモレプティック錯体よりほとんど70℃低い。米国仮出願第60/940310号を参照されたい。本明細書で開示するものなどの改善された安定性と低い昇華温度を示すヘテロレプティック錯体は、OLEDで使用するのに非常に望ましものである。特に、ヘテロレプティックIr(III)錯体は白色有機発光性デバイス(WOLED)において使用するのに特に望ましい。
【0072】
多くのヘテロレプティックイリジウム錯体を作製するための既存の合成方法はあまり実際的ではない。特に、既存の合成経路は、イリジウム錯体のハロゲン化及びさらなる官能化(Stosselら、Rhodium complexes and iridium complexes、2005、欧州特許第1504015B1号;Stosselら、Rhodium and indium complexes、2006、米国特許第7125998号を参照されたい)、ハロゲン化錯体及びさらなる官能化により得られるボロン酸エステル置換されたイリジウム錯体の使用(Kwongら、Method or synthesis of iridium(III)complexes with sterically demanding ligands、2006、米国特許出願第12/044848号を参照されたい)、及び低温BuLi/ZnCl
2法(Huoら、OLEDs with mixed ligand cyclometallated complexes、2006、米国特許出願公開第20060134459A1号を参照されたい)を含む。低温BuLi/ZnCl
2法は、例えば錯体のmer異性体を生成する。これは、一般に望ましいものではなく、したがって錯体の有用なfac異性体に転換しなければならない。Huoら、OLEDs with mixed ligand cyclometallated complexes、2006、米国特許出願公開第20060134459A1号を参照されたい。したがって、この方法は、錯体の大規模な合成のためには実際的ではない。向上した収率をもたらすが、臭素化イリジウム錯体をボロン酸エステルに転換して最後に最終生成物を得ることを含む方法は直接的なものではない。Kwongら、Method for synthesis of iridium(III)complexes with sterically demanding ligands、2006、米国特許出願第12/044848号を参照されたい。したがって、ヘテロレプティックIr(III)錯体を作製するためのより実際的で直接的な合成方法を提供することが特に望まれている。
【0073】
本明細書で説明する方法は、OLEDにおいて、特にWOLEDにおいて使用するのに有利なヘテロレプティックIr(III)錯体を作製するために用いることができる。例えば、本明細書で説明する方法は、化合物1、化合物2及び化合物7などの特に望ましいヘテロレプティックIr(III)錯体を作製するために用いることができる。
【0074】
拡張共役を有するIr(III)ヘテロレプティック錯体を作製するための方法であって、
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
を、
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
と反応させて、
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
を生成する段階を含む方法。Sは中性配位子である。Xは対イオンである。A及びBはそれぞれ独立に5員または6員の芳香族または芳香族複素環であり、A-Bは、環A上の窒素原子及び環B上のsp
2混成炭素原子を介してイリジウムと配位している芳香族または芳香族複素環の結合対を表す。C及びDはそれぞれ独立に5員または6員の芳香族または芳香族複素環であり、C-Dは、環C上の窒素環原子及び環D上のsp
2混成炭素原子を介してイリジウムと配位している芳香族または芳香族複素環の結合対を表す。R
A、R
B、R
C及びR
Dはそれぞれ独立に、置換なし、アルキル、ヘテロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基からなる群から選択される。R
A、R
B、R
C及びR
Dのそれぞれは1つまたは複数の置換基を表す。Rはアルキル、ヘテロアルキルまたはペルフルオロアルキル基であり、その2つのRは任意選択で結合して環を形成している。
【0075】
この方法の一態様では、対イオンXは、トリフラート、トシレート、トリフルオロアセテート、テトラフルオロボレート及びヘキサフルオロホスフェートからなる群から選択される。
【0076】
一態様では、R
A、R
B、R
C及びR
Dは、ベンゼン、ピリミジン、ピリジン、チオフェン、チアナフテン、フッ素、カルバゾール及びジベンゾチオフェンからなる群から選択される。
【0077】
他の態様では、本方法は、
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
を、
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
と反応させて、
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
を生成する段階を含む。
【0078】
本方法の一態様では、基B(OR)
2は環Cと結合している。他の態様では、基B(OR)
2は環Dと結合している。本方法の特定の態様では、基B(OR)
2は、
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0079】
一態様では、本方法は、
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
をRXと反応させて
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
を生成する段階を含む。式中、Rはアリールまたはヘテロアリールであり、XはI、Br、Cl及びOTfからなる群から選択される。
【0080】
一態様では、本方法は、
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
を、
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
と反応させて、
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
を生成する段階を含む。本方法の特定の態様では、その錯体
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
は、
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
である。他の態様では、その錯体は、
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
である。さらに他の態様では、その錯体は、
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0081】
他の態様では、本方法は、
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
を、
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
と反応させて、
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
を生成する段階を含む。本方法の特定の態様では、その錯体
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
は、
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0082】
他の態様では、本方法は、
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
を、
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
と反応させて、
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
を生成する段階を含む。特定の態様では、その錯体
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
は、
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0083】
他の態様では、本方法は、
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
を、
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
と反応させて、
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
を生成する段階を含む。特定の態様では、その錯体
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
は、
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0084】
さらに他の態様では、本方法は、
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
を、
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
と反応させて、
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
を生成する段階を含む。本方法の特定の態様では、その錯体
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
は、
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0085】
他の態様では、本方法は、
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
を、
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
と反応させて、
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
を生成し、
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
をAgXと反応させて、
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
を生成し、次いで
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
を、
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
と反応させて、
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
を生成する段階をさらに含む。
【0086】
さらに、リン発光性化合物を提供する。特に、この化合物は、窒素を介して金属と配位した複素環上に拡張共役を有するIr(III)ヘテロレプティック錯体である。提供される化合物は、下記:
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
【0087】
からなる群から選択される式を有する。
【0088】
特定の化合物は特に有益である。一態様では、好ましくはその化合物は化合物1である。他の態様では、好ましくはその化合物は化合物2である。
【0089】
有機発光性デバイスにおける使用に有利なヘテロレプティックイリジウム化合物を提供する。特に、その化合物はそうしたデバイスの発光性ドーパントとして有用である。ヘテロレプティック化合物は、
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0090】
特定の化合物は特に有益である。一態様では、好ましくはその化合物は化合物8である。他の態様では、好ましくはその化合物は化合物9である。さらに他の態様では、好ましくはその化合物は化合物10である。他の態様では、好ましくはその化合物は化合物11である。さらに他の態様では、好ましくはその化合物は化合物12である。他の態様では、好ましくはその化合物は化合物13である。さらに他の態様では、好ましくはその化合物は化合物14である。
【0091】
さらに、アノード、カソード、及びそのアノードとカソードの間に配置された有機層を含む有機発光性デバイスであって、その有機層が
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される化合物をさらに含むデバイスを提供する。
【0092】
一態様では、そのデバイスの有機層はホストをさらに含む。化合物1及び2は、トリフェニレン基を含むホストを有するデバイスにおいて特によく機能することが分かっている。特に、これらの化合物は、そのホストが式
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
を有するデバイスにおいて有利に使用される。Rはアリールまたはヘテロアリールである。特定の態様では、そのホスト化合物はRがテルフェニルである式を有する。さらに、本発明の化合物は、ホストが次の構造
【化81】
[この文献は図面を表示できません]
を有するデバイスにおいて特に有用である。
【0093】
アノード、カソード、及びそのアノードとカソードの間に配置された有機層を含む有機発光性デバイスを提供する。その有機層は、
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される化合物をさらに含む。
【0094】
デバイスの有機層はホストをさらに含むことができる。化合物7〜12はトリフェニレン基を含むホストを有するデバイスにおいて特によく機能することが分かっている。特に、これらの化合物はホストが、Rがアリールまたはヘテロアリールである次の式
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
を有するデバイスにおいて使用することができる。一態様では、そのホスト化合物は、Rがテルフェニルである上記式を有する。好ましくは、これらの化合物はホストが次の構造
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
を有するデバイスにおいて使用することができる。他の態様では、これらの化合物は、そのホストが、Rがジベンゾチオフェンである上記式を有するデバイスにおいて使用することができる。好ましくは、これらの化合物はホストが次の構造
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
を有するデバイスにおいて使用することができる。
【0095】
さらに、デバイスを含む消費者製品も提供する。そのデバイスはアノード、カソード、及びそのアノードとカソードの間に配置された有機層をさらに含む。その有機層は化合物1〜6から選択される化合物を含む。
【0096】
アノード、カソード、及びアノードとカソードの間に配置された有機層をさらに含むデバイスを含む消費者製品も提供する。その有機層は、化合物8〜14からなる群から選択される化合物をさらに含む。
【0097】
上記に論じたように、ヘテロレプティックイリジウム錯体を作製するための既存の合成方法は多くの化合物を作製するのには実際的でない可能性がある。一般に用いられている1つの合成経路は、有機溶媒中でイリジウムトリフラート中間体を第2の配位子と反応させてヘテロレプティックイリジウム錯体を得る方法を含む。
【0098】
【化86】
[この文献は図面を表示できません]
【0099】
しかし、この方法はしばしば、反応の間の配位子の乱れのため、生成物の混合物をもたらす。具体的には、この方法は、主生成物と少量生成物の両方を様々な収率で生成する。生成化合物の混合物は、所望生成物を精製するのに問題を引き起こす恐れがあり、したがって、この合成の実用性は限定されている。
【0100】
本明細書で提供するヘテロレプティックイリジウム化合物のいくつか(すなわち、化合物10、11及び14)は、アルキル置換トリフラート中間体(例えば、6'-メチルフェニルピリジン)を用いた場合、トリフラート中間体合成法により、高収率でかつそれほどの量の夾雑少量生成物を生成することなく得られることに注目すべきである。構造的に化合物11と類似した他の化合物(例えば、化合物2)を作製するために用いた場合、同じ合成法では同じ結果を得ることはできなかったので、化合物10、11及び14の合成における配位子の乱れの程度が非常に低いということは、少なくとも一部では予期しないことであった。実施例8及び実験の部を参照されたい。
【0101】
したがって、本明細書では拡張共役を有するヘテロレプティック化合物を作製するための方法を提供する(
図6に例示する)。この方法は、
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
を、
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
と反応させて、
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
を生成する段階を含む。Sは中性配位子である。Xは対イオンである。A及びBはそれぞれ独立に、5員または6員の芳香族または芳香族複素環であり、A-Bは、環A上の窒素原子及び環B上のsp
2混成炭素原子を介してイリジウムと配位している芳香族または芳香族複素環の結合対を表す。C及びDはそれぞれ独立に5員または6員の芳香族または芳香族複素環であり、C-Dは、環C上の窒素環原子及び環D上のsp
2混成炭素原子を介してイリジウムと配位している芳香族または芳香族複素環の結合対を表す。R
A、R
B、R
C及びR
Dはそれぞれ独立に、置換なし、アルキル、ヘテロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基からなる群から選択され、R
A、R
B、R
C及びR
Dのそれぞれは1つまたは複数の置換基を表す。R
ZはHではない。
【0102】
好ましくは、対イオンXは、トリフラート、トシレート、トリフルオロボレート及びヘキサフルオロホスフェートからなる群から選択される。
【0103】
R
A、R
B、R
C及びR
Dは、ベンゼン、ピリミジン、ピリジン、チオフェン、チアナフテン、フッ素、カルバゾール及びジベンゾチオフェンからなる群から選択される。さらに、R
Zは好ましくはアルキルであり、より好ましくはR
Zはメチルである。
【0104】
一態様では、本方法は、
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
を、
【化91】
[この文献は図面を表示できません]
と反応させて、
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
を生成する段階を含む。
【0105】
好ましくは、
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
は、
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0106】
この方法は、A-B配位子としてフェニルピリジンの代わりに、C-D配位子と反応したとき反応生成物の乱れをそれほどもたらさず、したがって生成物を精製するのにより容易にするアルキル置換フェニルピリジン(例えば、6-メチルフェニルピリジン)を含む。特に、上記方法は、化合物10、11及び14を合成するのに用いられ、乱れた夾雑生成物が非常に少ない高収率の所望生成物をもたらした。反応が完了した後、反応生成物をクロマトグラフで分析した。具体的には、未精製の沈殿生成物において、化合物10、11及び14についての主生成物のHPLC割合は99.4%、99.4及び99.4%とそれぞれ算出され、少量生成物は一緒にしたHPLC割合でそれぞれ0.3%、0.5%及び0.5%であった。他方、ヘテロレプティック化合物を作製するために、既存のトリフラート中間体法を用いる、すなわちL
A-Bの6位が置換されていない場合、生成物の著しい乱れが起こり得る。特に、既存の方法を用いた化合物2及び7の合成により、未精製の反応混合物において(HPLCで判定して)、それぞれ92%及び91%の主生成物、それぞれ8%及び9%の少量生成物がもたらされる。したがって、上記のアルキル置換フェニルピリジン配位子を用いた方法は、ヘテロレプティック化合物の改善された合成を提供する。
【0107】
さらに、式Ir(L
A-B)
2(L
C-D)を有するヘテロレプティック化合物を提供する。L
A-Bは、
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
である。L
C-Dは、
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5はそれぞれ独立に水素及びアルキルからなる群から選択され、R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5のそれぞれは、一置換、二置換、三置換、四置換または五置換を表すことができる。好ましくは、R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5はそれぞれ独立に、水素及びメチルから選択される。
【0108】
配位子L
C-Dは好ましくは、
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0109】
2-フェニルピリジン及びアルキル置換2-フェニルピリジン配位子は有益な特性を提供することができる。特に、これらの配位子はイリジウム(III)と強固に結合する。したがって、2-フェニルピリジン及びアルキル置換2-フェニルピリジンは良好な化学的安定性を提供する。さらに、イリジウム及び2-フェニルピリジン配位子のトリス錯体は高真空下、低温(すなわち、<250℃)で蒸発する。しかし、エミッターとしてこれらの錯体を用いたPHOLEDの作動安定性は劣っており、したがって改善する必要がある。2-フェニルピリジン上でのアリール置換はデバイス安定性を改善することができる。残念ながら、アリール置換2-フェニルピリジンのトリスイリジウム錯体は高温(すなわち、>290℃)でしか蒸発しない。高い蒸発温度は、分解があるため、長期間の製造には望ましくない。したがって、PHOLEDにおけるそうしたトリスアリール置換2-フェニルピリジンの使用は限定される。本明細書で提供するヘテロレプティック化合物は、2つの非置換2-フェニルピリジン配位子またはアルキル置換2-フェニルピリジン配位子と、1つのアリール置換2-フェニルピリジン配位子を含む。したがって、本明細書で提供するヘテロレプティック化合物は、より低い蒸発温度を提供し、デバイス動作寿命を改善することができる。
【0110】
特に、2つの2-フェニルピリジン配位子と1つの2-(ビフェニル-3-イル)ピリジン配位子を有する化合物7は、トリス(2-フェニルピリジン)イリジウム(III)と比べて、PHOLEDにおいて改善された安定性を示す。化合物7の発光スペクトルは若干赤色にシフトしていた。しかし、トリス(2-(ビフェニル-3-イル)ピリジン)イリジウム(III)と比べて、その発光は青色にシフトしていた。総合すれば、これは、両方の配位子、すなわち2-フェニルピリジンと2-(ビフェニル-3-イル)ピリジンが多分発光に寄与していることを示唆している。さらに、化合物7、トリス(2-フェニルピリジン)イリジウム(III)及びトリス(2-(ビフェニル-3-イル)ピリジン)イリジウム(III)の酸化及び還元特性をサイクリックボルタンメトリーで測定して、3つの異なる化合物の値の間に有意の差はなかった。したがって、この化合物の置換パターンは、錯体のHOMO及びLUMO準位をそれほどシフトさせない。
【0111】
本明細書で提供するヘテロレプティック化合物Ir(L
A-B)
2(L
C-D)について、配位子L
C-Dと配位子L
A-Bを組み合わせると、LUMOが位置するピリジン環に、より良好な共役がもたらされる。理論に拘泥するわけではないが、共役の結果、提供されたヘテロレプティック化合物のLUMOが相当還元され、ピリジン環を安定化したと考えられる。同時に、発光スペクトルは、Ir(L
C-D)
3、すなわちピリジン上にアリールを有するトリス(2-フェニルピリジン)イリジウム(III)とほとんど同一となった。これは、発光はL
C-Dによって支配されているが、L
A-Bは非発光性配位子であることを示唆している。本明細書で開示するヘテロレプティック化合物Ir(L
A-B)
2(L
C-D)は高いデバイス安定性を提供する。本明細書で提供するヘテロレプティック化合物Ir(L
A-B)(L
C-D)
2について、その効果は同様である。
【0112】
上記段落で論じたように、ヘテロレプティックIr(III)錯体の合成は、ボロン酸エステル官能化エステルを直接イリジウム錯体中間体と反応させる方法で改良することができる。この方法も
図4に示す。特に、この合成法は錯体の大規模な合成により有用である。反応生成物は、カラムまたは他の方法で分離することができる。さらに、複素環からの拡張共役を有するヘテロレプティックIr(III)錯体を、本明細書で説明する方法によって作製することができる。これらの化合物も
図5に示す。デバイスにおけるこれらの錯体の使用は、デバイスの改善された安定性と製造法をもたらすことができる。
【0113】
上記で論じたように、ヘテロレプティックIr(III)化合物の合成は、置換トリフラートイリジウム中間体を第2の配位子と反応させる方法によって改善することができる。この方法も
図6に示す。特に、この合成は、配位子の乱れを著しく低減することによって、生成物の精製を改善することができる。
【0114】
ねじれ型アリールを含む少なくとも1つの配位子を含む新規な化合物(
図7に示す)を提供する。提供する特定の化合物は、ねじれ型フェニル環を含むIr(2-フェニルピリジン)型化合物(
図8に示す)を含む。これらのねじれ型アリール化合物は、OLEDにおいて有利に使用して、改良された効率、安定性及び製造法を有するデバイスを提供することができる。好ましくは、これらの化合物は、そうしたデバイスの発光性ドーパントとして使用することができる。
【0115】
ねじれ型アリール基を含む化合物は文献に報告されている(例えば、米国特許出願公開第2007/0003789号及び同第2009/0124805号を参照されたい)。
【0116】
2-フェニルピリジン及びアルキル置換2-フェニルピリジン配位子は良好な特性を有するイリジウム(III)化合物を形成するが、これらの化合物は、デバイスにおいて実際に使用するのには限界がある(例えば、低い動作安定性)。2-フェニルピリジン上でのアリール置換はデバイス効率を改善するが、アリール置換2-フェニルピリジンのトリスイリジウム化合物は高温でしか(すなわち、290℃超)蒸発せず、そのためこれらの化合物の使用も限定される(すなわち、製造の際の分解)。特定の置換パターンを有する2-フェニルピリジン型配位子が特に有益であることが分かっている。特に、2-フェニルピリジン型配位子上でのアルキル及びフェニル置換の戦略的組合せは、平面外にじねじれ出た置換基アリール基(すなわち、ねじれ型アリール)をもたらし、それによってパッキングを低減し、蒸発温度を低下させる。本明細書で提供する化合物は、その置換基アリールがねじれ型アリールであるようなアルキル及びアリール置換基を有する少なくとも1つの配位子を含む。したがって、これらの化合物は、より低い蒸発温度を提供し、デバイスの製造を改良し、デバイス動作寿命を改善することができる。
【0117】
2-フェニルピリジン上で置換されたアリール基は、配位子の共役も増加させ、それによって赤色にシフトした発光をもたらすことができる。540nm〜580nmなどのスペクトルの黄色部分の長波長で発光を有するそうした化合物は、発光がスペクトルの黄色部分に限定されるので、使用は限定される。したがって、青色にシフトした範囲などの異なる範囲で発光を有する化合物が望ましい。特に、約521nm〜約540nmの標的エネルギー範囲に発光を有する化合物が特に好ましい。置換基アリール環がアルキル基の付加によってねじれている化合物は、限られた共役を有し、青色にシフトした発光を示すことができると考えられる。特に、本明細書で提供するそのねじれ型アリール化合物は、非ねじれ型アリール置換基を含む対応する化合物と比べて青色にシフトした発光エネルギーを有することができる。したがって、これらの青色にシフトした化合物は特に好ましい。
【0118】
ねじれ型アリールを含む少なくとも1つの配位子を含む化合物を提供する。置換されたIr(2-フェニルピリジン)型リン光性材料及びそうした材料を含むデバイスについての構造-特性の関係を確立するために、発光性配位子上での異なるねじれ型アリール置換パターンの効果を試験した。蒸発温度、蒸発安定性及び溶解性を含む材料加工性のいくつかの側面、ならびに化合物を含むねじれ型フェニルを用いたPHOLEDのデバイス特性を試験した。化合物上に存在する戦略的に配置された置換基は、置換基アリール環のねじれをもたらすことができる。例えば、アリール基(すなわち、環C)上か、またはねじれ型アリールに隣接したピリジン環(すなわち、環A)上に存在する置換基は、アリール基の追加的なねじれを誘発することができる。結果として、ねじれ型アリール部分を有する化合物は、(i)共役の減少をもたらし、それによって共役の増大(すなわち、フェニルの追加)に通常関係する赤色へのシフト効果を最少にし、(ii)積み重ねの減少をもたらし、それによって蒸発温度を低下させ、長期熱安定性及び加工性を向上させ、(iii)狭い発光をもたらし、したがって高い発光効率(すなわち、高いLE:EQE)をもたらすことができる。
【0119】
ねじれ型アリールと限られた数の置換基(例えば、単一の置換基)を含む化合物は、効率及び製造の向上などのねじれ型アリールの利益を保持しながら、安定性を改善することができる。さらに、本明細書で提供する特定の化合物は、特に狭い発光を示し、したがって、他の注目すべき改善に加えて、特に良好な発光効率を有するデバイスを提供することができる。したがって、本明細書で提供するは特に望ましい。
【0120】
理論に拘泥するわけではないが、置換基アリールにおいてねじれを誘発する置換基を1つだけ有する化合物は、特に有益であると考えられる。特に、アリール置換基のねじれを誘発する単一の置換基を含む化合物は、複数の置換基を含む対応化合物より安定である。単一の置換基を有する化合物は、平面からより大きな程度にねじれ出ている複数の置換基を有する化合物と比べて、置換基アリールと配位子の残り部分との間により小さな程度のねじれを有し、したがってより多い共役を有することができると考えられる。特に、単一のメチル置換基を有する化合物は、複数のメチル置換基を有する化合物と比べて改善された安定性を有することができると考えられる。例えば、デバイス実施例28が発光性ドーパントとして化合物35を使用しデバイス比較例6が発光性ドーパントとしてE4を使用すること以外は、デバイス実施例28とデバイス比較例6は同じデバイス構造及び組成を有する。化合物35とE4はどちらも、2-フェニルピリジンの5位に結合したねじれ型アリール基を有する配位子を含むトリスホモレプティック化合物(すなわち、IrL
3)である。唯一の違いは、E4においてはそのアリールが2-メチルフェニル基であるのに対して、化合物35においてはそのアリールが2,6-ジメチルフェニルであるということである。
【0121】
【化98】
[この文献は図面を表示できません]
【0122】
E4中の追加のメチル基は、化合物35におけるそれより、ねじれ型アリールをねじれさせる。結果(Table 8(表8))は、化合物35を含むデバイス(デバイス実施例28、RT
80%=200時間)が、E4を含むデバイス(デバイス比較例6、RT
80%=42時間)よりずっと安定であることを示している。より共役した配位子は、より安定な発光性ドーパントをもたらすことができると考えられる。メチル基の数が、0から1、2へと増加するにしたがって(すなわち、ピリジンとC環の間のねじれが増大する)一連のE3、化合物35及びE4において共役は減少する。したがって、発光性ドーパントとしてE3を含むデバイスが、発光性ドーパントとして化合物35を含むデバイスより安定であると考えるのは妥当である。しかし、共役の増大は、対応するIr錯体の発光において赤色へのシフトも引き起こす。Table 7(表7)は、E3(デバイス比較例5)が548nmのλ
max及び(0.430、0.560)のCIEを有するのに対して、化合物35(デバイス実施例28)は532nmのλ
max及び(0.368、0.607)のCIEを有し、E4(デバイス比較例6)は520nmのλ
max及び(0.320、0.632)のCIEを有することを示している。したがって、E3はより安定であるが、その発光は黄色であり、これはフルカラーRGBディスプレイに適していない。化合物35は、E3とE4の間に共役を有しており、E4(共役がほとんどない)よりずっと改善された安定性と、E3(共役が多すぎる)より良好な緑色を達成している。
【0123】
その置換基アリールがねじれており、次の構造:
【化99】
[この文献は図面を表示できません]
を有するアルキル置換基及びアリール置換基を有する配位子Lを含む化合物を提供する。
【0124】
B及びCはそれぞれ独立に、5員または6員の炭素環または複素環である。A-Bは、環Aの窒素原子及び環Bのsp
2混成原子を介して金属Mと配位している炭素環または複素環の結合対を表す。A-Cは炭素環または複素環の結合対を表す。R
a、R
b及びR
Cは、一置換、二置換、三置換または四置換を表すことができる。R
a、R
b及びR
Cは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、arylkyl、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択される。X
1、X
2、X
3、X
4、X
5、X
6、X
7、X
8及びX
9は独立に、炭素及び窒素から選択される。好ましくは、Aはピリジンである。R
1及びR
2は独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、arylkyl、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択される。R
1、R
2、及びCと隣接するR
a置換基の少なくとも1つは水素ではない。好ましくは、R
1、R
2、及びCと隣接するR
a置換基のうちの1つだけは水素ではない。好ましくは、R
1、R
2、及びCと隣接するR
a置換基のうちの1つだけはアルキルである。より好ましくは、R
1、R
2、及びCと隣接するR
a置換基のうちの1つだけはエチルである。最も好ましくは、R
1、R
2、及びCと隣接するR
a置換基のうちの1つだけはメチルである。配位子Lは、40より大きい原子番号を有する金属Mと配位している。好ましくは、その金属MはIrである。
【0125】
次の構造:
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
を有する特定の化合物を提供する。
【0126】
mは酸化状態の金属Mである。nは少なくとも1である。L'はモノアニオン二座配位子である。好ましくは、R
1、R
2、及びCと隣接するR
a置換基のうちの1つだけは水素ではない。好ましくは、R
1、R
2、及びCと隣接するR
a置換基のうちの1つだけはアルキルである。より好ましくは、R
1、R
2、及びCと隣接するR
a置換基のうちの1つだけはエチルである。最も好ましくは、R
1、R
2、及びCと隣接するR
a置換基のうちの1つだけはメチルである。好ましくは、Aはピリジンである。
【0127】
式IIを有する化合物の具体的な例を提供する。その化合物は、
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0128】
Rは水素ではない。好ましくは、Rはアルキルである。
【0129】
式IIを有する化合物の具体的な例を提供する。一態様では、その化合物は、
【化102】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0130】
好ましくは、その化合物は、化合物21、化合物22、化合物25、化合物29、化合物30、化合物31及び化合物34からなる群から選択される。
【0131】
一態様では、
【化103】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される化合物を提供する。
【0132】
R
1、R
2、R
3及びR
4の少なくとも1つは水素ではない。R
5は、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、arylkyl、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択される。
【0133】
上記で論じたように、置換基アリール環(すなわち、C環)と隣接する置換基を誘発するねじれの部分は、平面からでたC環をもたらし、それによってパッキングを減少させ、蒸発温度、溶解性、エネルギー準位、デバイス効率及び発光スペクトルの狭さの幅広い調整可能性を提供する。さらに、置換基は、化学的にもまたデバイス動作においても安定な官能基であってよい。
【0134】
一態様では、R
1及びR
2は水素であり、R
3及びR
4の1つはアルキルである。例としての化合物には、化合物21〜24及び29〜34、36及び37が含まれる。他の態様では、R
1及びR
2の1つはアルキルであり、R
3及びR
4は水素である。例としての化合物には、化合物25〜28及び35が含まれる。
【0135】
他の態様では、その化合物は、
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0136】
式IIを有する化合物にはホモレプティック化合物及びヘテロレプティック化合物が含まれる。ホモレプティック化合物の非限定的な例には、化合物21〜24及び35が含まれる。ヘテロレプティック化合物の非限定的な例には、化合物25〜34、36及び37が含まれる。
【0137】
その化合物が、
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される配位子L'を有する特定のヘテロレプティック化合物を提供する。
【0138】
R'
1、R'
2及びR'
3は独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、arylkyl、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択される。
【0139】
アリール置換基も有する、2-フェニルピリジン配位子のピリジン環上に存在するアルキル置換基を有するねじれ型アリール含有化合物が好ましい。特に、化合物21〜化合物23、化合物29〜化合物31、化合物34、化合物36及び化合物37からなる群から選択される好ましい化合物を提供する。より好ましい化合物は、2-フェニルピリジン配位子の4位(すなわち、ピリジン窒素に対してパラ)にアルキル基を有する化合物21、化合物22、化合物29〜31、化合物34、化合物36及び化合物37である。それは、そうした置換がねじれをもたらし、また若干の青色シフト効果ももたらしてこの化合物がより深い緑色を発光できるようにするからである。例えば、デバイス実施例13は525nmのλ
max及び(0.342、0.612)のCIEを有し、他方、デバイス実施例19は532nmのλ
max及び(0.372、0.599)のCIEを有する。実施例13は、2-フェニルピリジン配位子の4位にメチル基を有する発光性ドーパントとして化合物12を用いているが、実施例19は、ねじれフェニルの2位にメチル基を有する発光性ドーパントとして化合物25を用いている。両方の場合で構造的に誘発されたねじれは同じようなものであると考えられるが、ピリジン窒素に対してパラのメチルが、電子供与効果を提供し、錯体のLUMOエネルギー準位を高め、また三重項エネルギーも高め、それによって発光の青色シフトをもたらす。
【0140】
有機発光性デバイスも提供する。デバイスは、アノード、カソード及びそのアノードとカソードの間に配置された有機層を有し、その有機層は上記したような式Iを有する化合物を含む。式Iを有する化合物に好ましいと記載されている置換基のための選択は、式Iを有する化合物を含むデバイスについても好ましい。これらの選択は、金属M;式II〜VI;R、R
1、R
2、及び環Cと隣接するR
a置換基;環Cの位置;ならびに環A、B及びCについて記載されているものを含む。
【0141】
一態様では、そのデバイスは上記したような式IIを有する化合物を含む。好ましくは、その金属MはIrである。好ましくは、Aはピリジンである。他の態様では、そのデバイスは上記したような式IIIまたは式IVを有する化合物を含む。R
1、R
2、及びCと隣接するR
a置換基のうちの1つだけがアルキルである化合物を含むデバイスも好ましい。他の態様では、そのデバイスは上記したような式Vまたは式VIを有する化合物を含む。化合物21〜化合物37からなる群から選択される化合物を含む特定のデバイスを提供する。好ましくは、そのデバイスは、化合物21、化合物22、化合物25、化合物29、化合物30、化合物31または化合物34を含む。
【0142】
一態様では、その有機層が発光層であり、式Iの式を有する化合物が発光性ドーパントであるデバイスを提供する。さらに、その有機層はホストをさらに含むことができる。好ましくは、そのホストは次式:
【化106】
[この文献は図面を表示できません]
を有する。式中、R'
1、R'
2、R'
3、R'
4、R'
5及びR'
6は独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、arylkyl、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択される。
【0143】
デバイス含む消費者製品も提供する。そのデバイスはアノード、カソード、及びそのアノードとカソードの間に配置された有機層を含み、その有機層は上記したような式Iを有する化合物を含む。式Iを有する化合物に好ましいと記載されている置換基のための選択は、式Iを有する化合物を含むデバイスを含む消費者製品についても好ましい。これらの選択は、金属M;式II〜VI;R、R
1、R
2、及びCと隣接したR
A置換基;環Cの位置;ならびに環A、B及びCについて記載されているものを含む。
【0144】
さらに、ホモレプティックIr(III)化合物(
図9に示す)を作製するための新規な方法を提供する。ホモレプティックIr(III)化合物を作製するのに一般的に用いられる方法は、グリセロールを還流させながら(約180℃)または溶媒なしで>230℃で、Ir(acac)
3と配位子の混合物を加熱することを含む。そうした高温での反応は、配位子及び得られる錯体の熱分解などの問題を引き起こす恐れがある。したがって、より低温でホモレプティックIr(III)化合物を作製するための新規な方法を提供することが非常に望まれる。上記した方法は、OLEDにおいて使用するのに有利なホモレプティックIr(III)化合物を作製するために用いることができる。特に、ホモレプティックIr(III)化合物を有するものを作製するための第1の方法を提供する。その第1の方法は、配位子のヘテロレプティック環内において窒素と隣接していないアルキル基を有する化合物を合成するために用いることができる。例えば、提供する第1の方法を用いて化合物21、22及び24を合成することができる。ホモレプティックIr(III)化合物を作製するための第2の方法も提供する。この第2の方法は、配位子の複素環内において窒素と隣接したアルキル基を有する化合物を合成するために用いることができる。例えば、提供する第2の方法を用いて化合物23を合成することができる。
【0145】
ホモレプティックIr(III)錯体を作製するための第1の方法を提供する。その第1の方法は、
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
を低沸点アルコールの存在下で
【化108】
[この文献は図面を表示できません]
と反応させて
【化109】
[この文献は図面を表示できません]
を生成する段階を含む。
【0146】
R
A及びR
Bの少なくとも1つはアルキル基であり、そのアルキル基はピリジン環上の窒素と隣接していない。Sは中性配位子である。Xは対イオンである。好ましくは、Xはトリフラートである。A及びBはそれぞれ独立に、5員または6員の炭素環または複素環である。A-Bは、環A上の窒素原子及び環B上のsp
2混成炭素原子を介してイリジウムと配位している炭素環または複素環の結合対を表す。R
A及びR
Bのそれぞれは、一置換、二置換、三置換または四置換を表すことができる。R
A及びR
Bはそれぞれ独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、arylkyl、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択される。
【0147】
低沸点アルコールは、108℃以下の沸点を有する任意のアルコールを含むことができる。一態様では、その低沸点アルコールは、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、1:1の比のエタノール及びメタノール、2-メトキシエタノールならびに2-エトキシエタノールからなる群から選択される。好ましくは、低沸点アルコールは、108℃で沸騰するイソプロパノール、78℃で沸騰するエタノールならびに1:1の比のエタノール及びメタノール(64℃及び78℃で沸騰する)からなる群から選択される。より好ましくは、低沸点アルコールはエタノールまたは1:1の比のエタノール及びメタノールである。最も好ましくは、低沸点アルコールは1:1の比のエタノール及びメタノールである。
【0148】
好ましくは、Aは、
【化110】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0149】
Cは5員または6員の炭素環または複素環である。A-Cは炭素環または複素環の結合対を表す。R
A及びR
Cは、一置換、二置換、三置換または四置換を表すことができる。R
A及びR
Cは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、arylkyl、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択される。X
1、X
2、X
3、X
4、X
5、X
6、X
7、X
8及びX
9は独立に、炭素及び窒素から選択される。R
1及びR
2は独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、arylkyl、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択される。R
1、R
2、及びCと隣接するR
a置換基の少なくとも1つは水素ではない。
【0150】
一態様では、第1の方法は、
【化111】
[この文献は図面を表示できません]
を低沸点アルコールの存在下で
【化112】
[この文献は図面を表示できません]
と反応させて
【化113】
[この文献は図面を表示できません]
を生成する段階を含む。
【0151】
化合物21、22及び24を含む特定の化合物は、この方法を用いて生成させることができる。
【0152】
ホモレプティックIr(III)化合物を作製するための第2の方法を提供する。その第2の方法は、
【化114】
[この文献は図面を表示できません]
を溶媒の不存在下で
【化115】
[この文献は図面を表示できません]
と反応させて
【化116】
[この文献は図面を表示できません]
を生成する段階を含む。
【0153】
R
A及びR
Bの少なくとも1つはアルキル基であり、そのアルキル基はピリジン環上の窒素に隣接している。Sは中性配位子である。Xは対イオンである。好ましくは、Xはトリフラートである。A及びBはそれぞれ独立に、5員または6員の炭素環または複素環である。A-Bは、環A上の窒素原子及び環B上のsp
2混成炭素原子を介してイリジウムと配位している炭素環または複素環の結合対を表す。R
A及びR
Bのそれぞれは、一置換、二置換、三置換または四置換を表すことができる。R
A及びR
Bはそれぞれ独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、arylkyl、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択される。
【0154】
好ましくは、Aは、
【化117】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0155】
Cは5員または6員の炭素環または複素環である。A-Cは炭素環または複素環の結合対を表す。R
A及びR
Cは、一置換、二置換、三置換または四置換を表すことができる。R
A及びR
Cは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、arylkyl、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択される。X
1、X
2、X
3、X
4、X
5、X
6、X
7、X
8及びX
9は独立に、炭素及び窒素から選択される。R
1及びR
2は独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、arylkyl、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択される。R
1、R
2、及びCと隣接するR
a置換基の少なくとも1つは水素ではない。
【0156】
一態様では、第2の方法は、
【化118】
[この文献は図面を表示できません]
を溶媒の不存在下で
【化119】
[この文献は図面を表示できません]
と反応させて
【化120】
[この文献は図面を表示できません]
を生成する段階を含む。
【0157】
化合物23を含む特定の化合物は、この方法を用いて生成させることができる。
特に、化合物23は以下の合成方法で、すなわち、
【化121】
[この文献は図面を表示できません]
を溶媒の不存在下、130℃で16時間
【化122】
[この文献は図面を表示できません]
と反応させて
【化123】
[この文献は図面を表示できません]
を用いて作製することができる。
【0158】
有機発光性デバイスにおける特定の層に有用であるとして本明細書で説明する材料は、デバイス中に存在する広範囲の他の材料と一緒に用いることができる。例えば、本明細書で開示する発光性ドーパントは、広範囲のホスト、輸送層、阻止層、注入層、電極及び存在してよい他の層と一緒に用いることができる。以下に説明または参照する材料は、本明細書で開示する化合物と一緒に用いるのに有用な材料の非限定的な例である。当業者は、容易に、文献を調べて、一緒に用いるのに有用な他の材料を特定することができる。
【0159】
本明細書で開示する材料に加え、かつ/またはそれと一緒に、多くの正孔注入材料、正孔輸送材料、ホスト材料、ドーパント材料、エキシトン/正孔阻止層材料、電子輸送及び電子注入材料をOLEDに使用することができる。本明細書で開示する材料と一緒にOLEDに使用することができる材料の非限定的な例を以下のTable 1(表1)に示す。Table 1(表1)には、材料の非限定的な部類、各部類についての化合物の非限定的な例及びその材料を開示している文献を挙げる。
【0160】
【表1A】
[この文献は図面を表示できません]
【0161】
【表1B】
[この文献は図面を表示できません]
【0162】
【表1C】
[この文献は図面を表示できません]
【0163】
【表1D】
[この文献は図面を表示できません]
【0164】
【表1E】
[この文献は図面を表示できません]
【0165】
【表1F】
[この文献は図面を表示できません]
【0166】
【表1G】
[この文献は図面を表示できません]
【0167】
【表1H】
[この文献は図面を表示できません]
【0168】
【表1I】
[この文献は図面を表示できません]
【0169】
【表1J】
[この文献は図面を表示できません]
【0170】
【表1K】
[この文献は図面を表示できません]
【0171】
【表1L】
[この文献は図面を表示できません]
【0172】
実験
化合物の例
いくつかのヘテロレプティックIr(III)錯体を、以下のように合成した。
【実施例1】
【0173】
化合物1の合成
【化124】
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2-フェニル-4-ブロモピリジンの合成。ジメトキシエタン100mL及び水40mL中において2,4-ジブロモピリジン(10g、42.21mmol)、フェニルホウ酸(5.1g、42.21mmol)及び炭酸カリウム(11.7g、84.42mmol)の混合物を調製した。この混合物中に窒素を30分間、直接にバブリングした。次に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を添加し(244mg、2.11mmol)、その混合物を加熱して、終夜、窒素下で還流した。その混合物を冷却し、酢酸エチル及び水で希釈した。層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させて残渣を得た。残渣を、0、2及び5%酢酸エチル/ヘキサンで溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製した。黄色液体4.28gを得た(43%)。
【0174】
【化125】
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【0175】
2-フェニル-4(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2イル)ピリジンの合成。ジオキサン100mL中において2-フェニル-4-ブロモピリジン(4.28g、18.28mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(9.29g、36.57mmol)及び酢酸カリウム(5.38g、54.84mmol)の混合物を調製した。この混合物中に窒素を30分間、直接にバブリングした。ジクロロ[1,1'-フェロセニルビス(ジフェニルホスフィン)]パラジウム(II)ジクロロメタン(448mg、0.55mmol)を添加し、窒素をさらに15分間バブリングした。この反応混合物を、内温で90℃に加熱した。1時間後に反応を完了し、熱を遮断した。溶媒を蒸発させて油を得た。この油を、200℃におけるクーゲルロールにより精製して、過剰のビス(ピナコラト)ジボロンを除去した。沸騰ポット中に残った残渣を、酢酸エチル中に溶解し、硫酸マグネシウムを通して濾過し、酢酸エチルですすぎ、濾液を蒸発乾固した。次のステップにおいて説明する通りに使用した。収量は、生成物約4gであった。
【0176】
【化126】
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【0177】
PPY二量体の合成。塩化イリジウム14.7g(0.04mol)及び2-フェニルピリジン26.0g(0.17mol)を、1Lの丸底フラスコ中に入れた。2-エトキシエタノール300ml及び水100mlを添加した。この混合物を、終夜、窒素雰囲気下で還流した。室温に冷却した後に、沈殿を濾過し、メタノールで洗浄した。乾燥後に、二量体22gを得た(収率99%)。
【0178】
【化127】
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【0179】
トリフレートの合成。二量体22gを、ジクロロメタン1L中に溶解した。銀トリフレート10.5g(0.04mol)を、この溶液に添加した。次いで、メタノール25mlを添加した。この溶液を5時間攪拌した。塩化銀を濾別した。溶液を蒸発乾固した。生成物26gを得た。この固体を、さらに精製することなく、次のステップのために用いた。
【0180】
【化128】
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【0181】
ホウ酸エステル前駆体の合成。エタノール100ml中においてトリフレート(4.6g、7.11mmol)及び2-フェニル-4(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2イル)ピリジン(約4g、約14.23mmol)の混合物を調製した。この混合物を、6時間、窒素下で還流しつつ加熱した。溶媒を蒸発させ、ヘキサンを添加した。固体を濾別し、ヘキサンで洗浄した。この固体を、ジクロロメタンで溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製した後に、メタノールをいくらか添加した。橙色の固体0.92gを得た(約17%)。
【0182】
【化129】
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【0183】
化合物1の合成。トルエン50mL及び水5mLの中においてホウ酸エステル前駆体(0.92g、1.18mmol)、ブロモベンゼン(0.6g、3.54mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',6'-ジメトキシビフェニル(19mg、0.047mmol)、及びリン酸三カリウム(0.82g、3.54mmol)を混合した。この混合物中に、30分間、窒素を直接にバブリングした後に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(11mg、0.0118mmol)を添加した。窒素を、さらに5分間バブリングし、次いで、この反応混合物を加熱して、窒素下で1時間還流した。この混合物を冷却し、橙色の固体を沈殿させた。この固体を濾別し、ヘキサンの次にメタノールで洗浄した。濾液中に固体がいくらか見られたので、濾液を蒸発乾固し、メタノールを添加した。より橙色の固体が濾別された。すべての固体を、50%ジクロロメタン/ヘキサンで溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製した。この固体を、280℃で昇華した。0.53gを得た(62%)。
【実施例2】
【0184】
化合物2の合成
以下の合成を用いて、化合物2を作製することができた。
【0185】
【化130】
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【0186】
2-フェニル-5-ブロモピリジンの合成。ジメトキシエタン100mL及び水40mLの中において2,5-ジブロモピリジン(10g、42.21mmol)、フェニルホウ酸(5.1g、42.21mmol)及び炭酸カリウム(11.7g、84.42mmol)の混合物を調製する。この混合物中に窒素を30分間、直接にバブリングする。次に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を添加し(244mg、2.11mmol)、この混合物を加熱して、終夜、窒素下で還流する。この混合物を冷却し、酢酸エチル及び水で希釈する。層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出する。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させて残渣を得た。残渣を、0、2及び5%酢酸エチル/ヘキサンで溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製する。
【0187】
【化131】
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【0188】
2-フェニル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジンの合成。ジオキサン100mL中において2-フェニル-4-ブロモピリジン(4.28g、18.28mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(9.29g、36.57mmol)及び酢酸カリウム(5.38g、54.84mmol)の混合物を調製する。この混合物中に窒素を30分間、直接にバブリングする。ジクロロ[1,1'-フェロセニルビス(ジフェニルホスフィン)]パラジウム(II)ジクロロメタン(448mg、0.55mmol)を添加する。この反応混合物を、3時間、内温で90℃に加熱する。溶媒を蒸発させて油を得る。この油を、クーゲルロールにより精製して、過剰のビス(ピナコラト)ジボロンを除去する。沸騰ポット中に残った残渣を、酢酸エチル中に溶解し、硫酸マグネシウムを通して濾過し、酢酸エチルですすぎ、濾液を蒸発乾固する。この生成物を、精製することなく次のステップにおいて用いることができる。
【0189】
【化132】
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【0190】
ホウ酸エステル前駆体の合成。エタノール100ml中においてトリフレート(4.6g、7.11mmol)及び2-フェニル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2イル)ピリジン(約4g、約14.23mmol)の混合物を調製する。この混合物を、24時間、窒素下で還流しつつ加熱する。溶媒を蒸発させ、ヘキサンを添加する。固体を濾別し、ヘキサンで洗浄する。この固体を、ジクロロメタンで溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製した後に、メタノールをいくらか添加する。
【0191】
【化133】
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【0192】
化合物2の合成。トルエン50mL及び水5mLの中においてホウ酸エステル前駆体(0.92g、1.18mmol)、ブロモベンゼン(0.6g、3.54mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',6'-ジメトキシビフェニル(19mg、0.047mmol)及びリン酸三カリウム(0.82g、3.54mmol)を混合する。この混合物中に、30分間、窒素を直接にバブリングした後に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(11mg、0.0118mmol)を添加する。窒素を、さらに5分間バブリングし、次いで、この反応混合物を加熱して、1時間、窒素下で還流する。この混合物を冷却し、橙色の固体を形成する。この固体を濾別し、ヘキサンの次にメタノールで洗浄する。この固体を、50%ジクロロメタン/ヘキサンで溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製する。
【実施例3】
【0193】
化合物3の合成
【0194】
【化134】
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【0195】
Irppy中間体(0.70g、0.90mmol)、2-ブロモピリミジン(0.71g、4.5mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)[Pd
2(dba)
3](0.01g、1mol%)、トリシクロヘキシルホスフィン(0.05g、0.18mmol)及びリン酸三カリウム(K
3PO
4)(0.7g、3.3mmol)を、100mLの三つ口丸底フラスコ中に秤量した。トルエン40mL及び水10mLを反応容器中に添加した。この混合物中に窒素を1時間、直接にバブリングすることにより、この反応混合物を脱気した。この溶液を加熱して、2時間還流した。冷却後に、生成物を濾過し、塩化メチレン中に溶解し、移動相としての塩化メチレン:ヘキサン(50:50)とともにシリカゲルを用いてクロマトグラフィー処理した。溶媒を、ロータリーエバポレータを用いて除去し、生成物を真空下で乾燥して、生成物0.6gを得た(収率90%)。
【実施例4】
【0196】
化合物4の合成
【0197】
【化135】
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【0198】
Irppy中間体(1.0g、1.3mmol)、2-ブロモピリジン(1.01g、6.4mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)[Pd
2(dba)
3](0.05g、1mol%)、トリシクロヘキシルホスフィン(0.08g、5mol%)及びリン酸三カリウム(K
3PO
4)(4.0g、19.0mmol)を、100mLの三つ口丸底フラスコ中に秤量した。ジオキサン50mL及び水10mLを反応容器中に添加した。この混合物中に窒素を1時間、直接にバブリングすることにより、この反応混合物を脱気した。この溶液を加熱して、2時間還流した。冷却後に、生成物を濾過し、塩化メチレン中に溶解し、移動相としての塩化メチレン:ヘキサン(50:50)とともにシリカゲルを用いてクロマトグラフィー処理した。溶媒を、ロータリーエバポレータを用いて除去し、生成物を真空下で乾燥して、生成物0.8gを得た(収率86%)。
【実施例5】
【0199】
化合物5の合成
【0200】
【化136】
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【0201】
Irppy中間体(1.50g、1.90mmol)、3-ブロモチオフェン(1.61g、9.6mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)[Pd
2(dba)
3](0.02g、1mol%)、トリシクロヘキシルホスフィン(0.04g、4mol%)及びリン酸三カリウム(K
3PO
4)(1.2g、5.6mmol)を、250mLの三つ口丸底フラスコ中に秤量した。トルエン100mL及び水10mLを反応容器中に添加した。この混合物中に窒素を1時間、直接にバブリングすることにより、この反応混合物を脱気した。この溶液を加熱して、2時間還流した。冷却後に、生成物を濾過し、塩化メチレン中に溶解し、移動相としての塩化メチレン:ヘキサン(50:50)とともにシリカゲルを用いてクロマトグラフィー処理した。溶媒を、ロータリーエバポレータを用いて除去し、生成物を真空下で乾燥して、生成物1.0gを得た(収率74%)。
【実施例6】
【0202】
化合物6の合成
【0203】
【化137】
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【0204】
Irppy中間体(1.50g、1.90mmol)、3-ブロモチアナフテン(2.0g、9.6mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)[Pd
2(dba)
3](0.08g、1mol%)、トリシクロヘキシルホスフィン(0.2g、0.5mmol)及びリン酸三カリウム(K
3PO
4)(1.2g、5.6mmol)を、250mLの三つ口丸底フラスコ中に秤量した。トルエン100mL及び水10mLを反応容器中に添加した。この混合物中に窒素を1時間、直接にバブリングすることにより、この反応混合物を脱気した。この溶液を加熱して、2時間還流した。冷却後に、生成物を濾過し、塩化メチレン中に溶解し、移動相としての塩化メチレン:ヘキサン(50:50)とともにシリカゲルを用いてクロマトグラフィー処理した。溶媒を、ロータリーエバポレータを用いて除去し、生成物を真空下で乾燥して、生成物1.2gを得た(収率80%)。
【実施例7】
【0205】
化合物7の合成
【0206】
【化138】
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【0207】
2-(3-ブロモフェニル)ピリジンの合成。2-ブロモピリジン(75.0g、475mmol)、3-ブロモフェニルホウ酸(104.8g、520mmol)、酢酸パラジウム(2.6g、2.5mol%)、トリフェニルホスフィン(5.37g、5mol%)及び炭酸カリウム(196.0g、1425mmol)を、2Lの三つ口丸底フラスコ中に入れた。ジメトキシエタン500mL及びH
2O500mLをこのフラスコ中に添加した。窒素を、この溶液に通して30分間バブリングし、次いで、その溶液を、窒素雰囲気中で8時間還流した。次いで、この反応を、室温に冷却させ、有機相を、水相から分離した。この水相を、酢酸エチルで洗浄し、有機の画分を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を真空下で除去した。生成物を、溶離剤としての酢酸エチル及びヘキサンとともにシリカゲルを用いてクロマトグラフィー処理した。溶媒を除去して、清澄な油84.0gを得た(収率76%)。
【0208】
【化139】
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【0209】
2-(3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)ピリジンの合成。2-(3-ブロモフェニル)ピリジン(25.0g、107mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(54.2g、214mmol)、Pd(dppf)
2Cl
2(1.0g、10mol%)及び酢酸カリウム(31.5g、321mmol)を、1Lの丸底フラスコ中に入れた。次いで、ジオキサン600mLをこのフラスコ中に添加した。この反応混合物中に窒素を1時間バブリングし、次いで、そのフラスコを、窒素雰囲気中で12時間、90℃に加熱した。ジオキサンを、ロータリーエバポレータにより減圧下で除去した。暗色の固体を、ジクロロメタン400mL中に溶解し、厚さ2インチのシリカゲルのプラグに通した。ジクロロメタンを、ロータリーエバポレータにより除去すると、黄色の油が残った。次いで、生成物を、クーゲルロールの器具を用いて蒸留して、白色の固体23gを得た(収率77%)。
【0210】
【化140】
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【0211】
Irppy中間体の合成。Irppyトリフレート(17.5g、25mmol)、及び3モル当量の2-(3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)ピリジン(21.50g、117mmol)を、2Lの三つ口丸底フラスコ中に入れた。アルコール600mLをこの反応混合物に添加した。この混合物中に窒素を1時間、直接にバブリングすることにより、この反応混合物を脱気した。次いで、この反応混合物を終夜還流した(その反応混合物の内温は78度であった)。約18時間後に、この熱い反応混合物から生成物がすでに沈殿していた。室温に冷却後に、イソプロパノール200mLを添加して、その反応混合物から生成物をさらに沈殿させた。次いで、この反応混合物を濾過し、生成物/残渣をイソプロパノールで洗浄し(過剰な配位子を除去するため)、次いで、空気乾燥して生成物12gを得た(収率60%)。
【0212】
【化141】
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【0213】
化合物7の合成。Irppy中間体(0.50g、0.64mmol)、ブロモベンゼン(0.5g、3.2mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)[Pd
2(dba)
3](0.006g、0.0064mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',6'-ジメトキシビフェニル(0.10g、0.025mmol)及びリン酸三カリウム(K
3PO
4)(0.4g、1.92mmol)を、100mLの三つ口丸底フラスコ中に秤量した。トルエン40mL及び水10mLをこの反応容器中に添加した。この混合物中に窒素を1時間、直接にバブリングすることにより、この反応混合物を脱気した。この溶液を加熱して、2時間還流した。冷却後に、生成物を濾過し、塩化メチレン中に溶解し、移動相としての塩化メチレン:ヘキサン(50:50)とともにシリカゲルを用いてクロマトグラフィー処理した。溶媒を、ロータリーエバポレータを用いて除去し、生成物を真空下で乾燥して、生成物0.5gを得た(収率95%)。
【実施例8】
【0214】
化合物2の合成
この以下の別の合成を用いて、化合物2を作製した。
【0215】
【化142】
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【0216】
2,5-ジフェニルピリジンの合成。2,5-ジブロモピリジン(10g、42mmol)、フェニルホウ酸(13.4g、110mmol)、ジシクロヘキシル(2',6'-ジメトキシビフェニル-2-イル)ホスフィン(S-Phos)(0.7g、1.6mmol)及びリン酸カリウム(22g、105mmol)を、トルエン200mL及び水20mLの中で混合した。この混合物中に窒素を30分間、直接にバブリングする。次に、Pd
2(dba)
3を添加し(0.38g、0.4mmol)、この混合物を加熱して、窒素下で2時間還流した。この混合物を冷却し、有機層を分離した。この有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させて残渣を得た。残渣を、10%酢酸エチル/ヘキサンで溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物7gを、精製後に得た(収率91.8%)。
【0217】
【化143】
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【0218】
化合物2の合成。イリジウムトリフレート前駆体(2.5g、3.5mmol)及び2,5-ジフェニルピリジン(2.4g、11mmol)を、エタノール200mL中で混合した。この混合物を、窒素下で24時間還流しつつ加熱した。還流中に沈殿が形成された。この反応混合物をセライト床に通して濾過した。生成物を、メタノール及びヘキサンで洗浄した。この固体を、ジクロロメタン中に溶解し、1:1のジクロロメタン及びヘキサンを用いたカラムにより精製した。純粋な生成物1.2gを、カラム精製後に得た。(HPLC純度99.8%)
【実施例9】
【0219】
化合物7の別の合成
以下の別の合成を用いて、化合物2を作製した。
【0220】
【化144】
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【0221】
イリジウムトリフレート前駆体(2.5g、3.5mmol)及び2-(ビフェニル-3-イル)ピリジン(2.4g、11mmol)を、エタノール200mL中で混合した。この混合物を、窒素下で24時間還流しつつ加熱した。還流中に沈殿が形成された。この反応混合物をセライト床に通して濾過した。生成物を、メタノール及びヘキサンで洗浄した。この固体を、ジクロロメタン中に溶解し、1:1のジクロロメタン及びヘキサンを用いたカラムにより精製した。純粋な生成物1.5gを、カラム精製後に得た。(HPLC純度99.6%)
【実施例10】
【0222】
化合物8の合成
【0223】
【化145】
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【0224】
イリジウムトリフレート前駆体(2.5g、3.5mmol)及び2-(ビフェニル-4-イル)ピリジン(2.4g、11mmol)を、エタノール100mL中で混合した。この混合物を、窒素下で24時間還流しつつ加熱した。還流中に沈殿が形成された。この反応混合物をセライト床に通して濾過した。生成物を、メタノール及びヘキサンで洗浄した。この固体を、ジクロロメタン中に溶解し、1:1のジクロロメタン及びヘキサンを用いたカラムにより精製した。純粋な生成物1.2gを、カラム精製後に得た。(HPLC純度99.8%)
【実施例11】
【0225】
化合物9の合成
【0226】
【化146】
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【0227】
イリジウムトリフレート前駆体(2.5g、3.5mmol)及び2-(ビフェニル-4-イル)-4-メチルピリジン(2.6g、11mmol)を、エタノール100mL中で混合した。この混合物を、窒素下で24時間還流しつつ加熱した。還流中に沈殿が形成された。この反応混合物をセライト床に通して濾過した。生成物を、メタノール及びヘキサンで洗浄した。この固体を、ジクロロメタン中に溶解し、1:1のジクロロメタン及びヘキサンを用いたカラムにより精製した。純粋な生成物1.3gを、カラム精製後に得た。(HPLC純度99.9%)
【実施例12】
【0228】
化合物10の合成
【0229】
【化147】
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【0230】
イリジウムトリフレート前駆体(2.0g、2.7mmol)及び2-(ビフェニル-4-イル)-4-メチルピリジン(2.0g、8.2mmol)を、エタノール60mL中で混合した。この混合物を、窒素下で24時間還流しつつ加熱した。還流中に沈殿が形成された。この反応混合物をセライト床に通して濾過した。生成物を、メタノール及びヘキサンで洗浄した。この固体を、ジクロロメタン中に溶解し、1:1のジクロロメタン及びヘキサンを用いたカラムにより精製した。純粋な生成物1.6gを、カラム精製後に得た。(HPLC純度99.4%)
【実施例13】
【0231】
化合物11の合成
【0232】
【化148】
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【0233】
イリジウムトリフレート前駆体(1.2g、1.6mmol)及び2,5-ジフェニルピリジン(1.2g、4.8mmol)を、エタノール50mL中で混合した。この混合物を、窒素下で24時間還流しつつ加熱した。還流中に沈殿が形成された。この反応混合物をセライト床に通して濾過した。生成物を、メタノール及びヘキサンで洗浄した。この固体を、ジクロロメタン中に溶解し、1:1のジクロロメタン及びヘキサンを用いたカラムにより精製した。純粋な生成物1.0gを、カラム精製後に得た。(HPLC純度99.3%)
【0234】
化合物11について示す通り、イリジウムトリフレート中間体と第2の配位子との有機溶媒中における反応は、反応中の配位子スクランブリングのために、しばしば混合物を生成する。興味深いことに、化合物11の合成中において、著しいスクランブリングは生じなかった。
【0235】
しかし、この方法を用いた化合物7の合成では、化合物11及び7の間の構造的類似性にもかかわらず、著しいスクランブリングが生じた(すなわち、化合物11は、フェニルピリジン配位子上のメチル基を除いて化合物7と同一である)。詳細には、イリジウムトリフレート中間体を、エタノール中において還流条件下で2,5-ジフェニルピリジンと反応させた。生成物は、以下に示す通りの、化合物7と、他の2種のスクランブリングした生成物との混合物であった。化合物の極性が類似しているので、順相シリカゲルクロマトグラフィーを用いて化合物7からこれらの不純物を分離することは非常に困難である。
【0236】
【化149】
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【実施例14】
【0237】
化合物12の合成
【0238】
【化150】
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【0239】
イリジウムトリフレート前駆体(2.5g、3.5mmol)及び4-メチル-2,5-ビフェニルピリジン(2.6g、10.5mmol)を、エタノール100mL中で混合した。この混合物を、窒素下で24時間還流しつつ加熱した。還流中に沈殿が形成された。この反応混合物をセライト床に通して濾過した。生成物を、メタノール及びヘキサンで洗浄した。この固体を、ジクロロメタン中に溶解し、1:1のジクロロメタン及びヘキサンを用いたカラムにより精製した。純粋な生成物1.2gを、カラム精製後に得た。(HPLC純度99.9%)
【実施例15】
【0240】
化合物13の合成
【0241】
【化151】
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【0242】
イリジウムトリフレート前駆体(2.5g、2.7mmol)及び2-(ビフェニル-4-イル)-6-メチルピリジン(2.0g、8.1mmol)を、20mLの反応管中に入れた。この反応管を排気し、次いで、窒素を再充填した。この工程を3回繰り返した。この混合物を、窒素下で24時間、130℃に加熱した。この反応混合物を、ジクロロメタン中に溶解し、1:1のジクロロメタン及びヘキサンを用いたカラムにより精製した。純粋な生成物0.98gを、カラム精製後に得た。(HPLC純度99.8%)
【実施例16】
【0243】
化合物14の合成
【0244】
【化152】
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【0245】
イリジウムトリフレート前駆体(0.86g、1.15mmol)及び4-メチル-2,5-ジフェニルピリジン(0.85g、3.46mmol)を、エタノール30mL中で混合した。この混合物を、窒素下で24時間還流しつつ加熱した。還流中に沈殿が形成された。この反応混合物をセライト床に通して濾過した。生成物を、メタノール及びヘキサンで洗浄した。この固体を、ジクロロメタン中に溶解し、1:1のジクロロメタン及びヘキサンを用いたカラムにより精製した。純粋な生成物0.7gを、カラム精製後に得た。(HPLC純度99.5%)
【0246】
化合物11について示す通り、イリジウムトリフレート中間体と第2の配位子との有機溶媒中における反応は、反応中の配位子スクランブリングのために、しばしば生成物の混合物を生成する。興味深いことに、化合物10,11及び14の合成中において、著しいスクランブリングは生じなかった。沈殿中における所望の生成物の含有率は、すべての場合において99%超であった。
【0247】
特に、この方法を用いた化合物7の合成では、化合物11及び7の間の構造的類似性にもかかわらず、著しいスクランブリングが生じた(すなわち、化合物11は、フェニルピリジン配位子上のメチル基を除いて化合物7と同一である)。詳細には、イリジウムトリフレート中間体を、エタノール中において還流条件下で2,5-ジフェニルピリジンと反応させた。生成物は、以下に示す通りの、化合物7と、他の2種のスクランブリングした生成物との混合物であった。化合物の極性が類似しているので、順相シリカゲルクロマトグラフィーを用いて化合物7からこれらの不純物を分離することは非常に困難である。
【実施例17】
【0248】
化合物21の合成
【0249】
【化153】
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【0250】
2,5-ジフェニル-4-メチルピリジンの合成。フェニルホウ酸(72.9g、598mmol)、2,5-ジブロモ-4-メチルピリジン(50g、199mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',6'-ジメトキシビフェニル(3.3g、8mmol)、リン酸三カリウム一水和物(137g、595mmol)、トルエン650mL及び水150mLを、2Lの丸底フラスコ中に入れた。この混合物中に、30分間、窒素を直接にバブリングした後に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(1.79g、1.96mmol)を添加した。窒素を、その反応混合物中にさらに15分間バブリングした後、この反応混合物を加熱して、窒素下で16時間還流した。反応が完了した後に、この混合物を冷却し、有機層を水層から分離した。この有機層を、飽和ブライン溶液で洗浄し、次いで、硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液を濾過し、溶媒を真空下で除去して、粗生成物として黄色の固体を得た。この粗生成物を、固定相としてシリカゲルを、移動相としてヘキサン中10%酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製した。この生成物を、ヘキサンからの再結晶によりさらに精製した。所望の生成物42.6gを、精製後に得た(収率87.2%)。
【0251】
【化154】
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【0252】
Ir二量体の合成。IrCl
3・3H
2O(7.54g、20.4mol)及び2,5-ジフェニル-4-メチルピリジン(15.0g、61mol)を、1Lの丸底フラスコ中に入れた。次いで、2-エトキシエタノール100mL及び水35mLを添加した。この混合物を、窒素雰囲気下で16時間還流した。この反応混合物を室温に冷却し、沈殿を濾過し、メタノールの次にヘキサンで洗浄した。イリジウム二量体13.6gを得た(収率99%)。
【0253】
【化155】
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【0254】
Irトリフレートの合成。イリジウム二量体13.3gを、ジクロロメタン1.5L中に溶解した。銀トリフレート(5.11g、19.9mmol)を、イソプロパノール500mL中に溶解し、イリジウム二量体溶液に添加した。生成した混合物を、室温で18時間攪拌した。次いで、この溶液をセライトのプラグに注ぎ通して、塩化銀を除去し、溶媒を真空下で蒸発させてイリジウムトリフレート17.0gを得た。この固体を、さらに精製することなく、次のステップのために用いた。
【0255】
【化156】
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【0256】
化合物21の合成。イリジウムトリフレート(17.0g、17.9mol)、及び3モル当量の2,5-ジフェニル-4-メチルピリジン(13.1g、53.7mmol)を、1Lの丸底フラスコ中に入れた。エタノール150mLを添加し、この反応混合物を16時間還流した。冷却した溶液にセライトを添加し、この混合物を、2インチのシリカゲル床に注いだ。次いで、このシリカ床を、エタノール(2×50mL)の次にヘキサン(2×50mL)で2回洗浄した。次いで、生成物を、ジクロロメタンとともにシリカのプラグに通して溶離した。ジクロロメタンのほとんどを、真空下で除去し、生成物を、2-プロパノールで沈殿させ、濾過し、ヘキサンで洗浄し、乾燥して、生成物9.69gを得た(収率90.6%)。
【実施例18】
【0257】
化合物22の合成
【0258】
【化157】
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【0259】
2-アミノ-4-エチル-5-ヨードピリジンの合成。4-エチル-2-アミノピリジン(10.0g、81.9mmol)及び酢酸カリウム(8.00g、81.9mmol)を、酢酸100mL中に溶解し、連続的に攪拌しつつ80℃に加熱した。別個のフラスコ中において、ヨードモノクロリド(13.2g、81.9mmol)を、酢酸30mL中に溶解し、上記の反応混合物に滴下した。添加が完了すると、この反応混合物をさらに4時間加熱した。反応の進行を、ガスクロマトグラフィー及びHPLCにより監視した。反応が完了すると、その反応混合物を、室温に冷却し、飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液(10mL)でクエンチした。酢酸を、真空下で除去し、残渣を、酢酸エチル中に溶解し、飽和NaHCO
3で中和した。有機層を水層から分離し、溶媒を真空下で除去した。粗生成物を、25%酢酸エチル/ヘキサンで溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物15gを得た(収率74%)。
【0260】
【化158】
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【0261】
2-クロロ-4-エチル-5-ヨードピリジンの合成。4-エチル-5-ヨードピリジン-2-アミン(15.0g、60.48mmol)を、濃HCl140mL中に溶解した。NaNO
2を、水40mL中に溶解し、0℃の上記の溶液に滴下した。反応混合物の温度が0℃を超えて上昇することを防ぐように注意した。すべてのNaNO
2溶液を添加すると、この反応混合物を室温に温めて、室温でさらに2時間攪拌した。反応の進行を、GC及びHPLCにより監視した。次いで、その反応混合物を、0℃に再冷却し、pHを、飽和NaOHを添加することによりpH=12に調節した。この混合物を、ジクロロメタン(2×200mL)で抽出し、溶媒を、真空下で除去した。粗生成物を、5%酢酸エチル/ヘキサンで溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物8.0gを、精製後に得た(収率49%)。
【0262】
【化159】
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【0263】
2,5-ジフェニル-4-エチルピリジンの合成。フェニルホウ酸(11.0g、90mmol)、2-クロロ-4-エチル-5-ヨードピリジン(8.00g、30mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',6'-ジメトキシビフェニル(492mg、1.2mmol)及びリン酸三カリウム(20.7g、90mmol)、トルエン250mL及び水25mLを、1Lの丸底フラスコ中に入れた。この混合物中に窒素を30分間、直接にバブリングした後に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(275mg、0.3mmol)を添加した。窒素をさらに15分間バブリングし、次いで、この反応混合物を加熱して、窒素下で16時間還流した。反応が完了した後に、この混合物を冷却し、有機層を水層から分離した。この有機層を飽和ブライン溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液を濾過し、溶媒を真空下で除去して、オフホワイトの固体を得た。この粗生成物を、10%酢酸エチル/ヘキサンで溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物7.0gを、精製後に得た(収率90.9%)。
【0264】
【化160】
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【0265】
Ir二量体の合成。IrCl
3・3H
2O(1.5g、4.41mmol)及び2,5-ジフェニル-4-エチルピリジン(4.0g、15.44mmol)を、250mLの丸底フラスコ中に入れた。2-エトキシエタノール30mL及び水10mLを添加した。この混合物を、窒素雰囲気下で16時間還流した。次いで、この反応混合物を室温に冷却し、沈殿を濾過し、メタノールの次にヘキサンで洗浄した。乾燥後に、イリジウム二量体2.57gを得た(収率81%)。
【0266】
【化161】
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【0267】
Irトリフレートの合成。イリジウム二量体(2.57g、1.725mmol)を、ジクロロメタン250mL中に溶解した。銀トリフレート(1.0g、3.8mmol)を、2-プロパノール150mL中に溶解し、二量体溶液に添加した。生成した混合物を、5時間攪拌した。次いで、この溶液を、セライトのプラグに注ぎ通して、塩化銀を除去した。溶媒を真空下で蒸発させて、イリジウムトリフレート3.2gを得た。この固体を、さらに精製することなく、次のステップのために用いた。
【0268】
【化162】
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【0269】
化合物22の合成。イリジウムトリフレート(3.2g)及び2,5-ジフェニル-4-エチルピリジン(3.2g)を、250mLの丸底フラスコ中に入れた。エタノール50mLを添加し、この混合物を16時間還流した。冷却した溶液にセライトを添加し、この混合物を、2インチのシリカゲル床上に注いだ。次いで、このシリカ床を、エタノール(2×100mL)の次にヘキサン(2×100mL)で2回洗浄した。次いで、生成物を、ジクロロメタンとともにシリカのプラグを通して溶離した。ジクロロメタンのほとんどを、真空下で除去し、生成物を、2-プロパノールで沈殿させ、濾過し、ヘキサンで洗浄し、乾燥して、生成物1.67gを得た(収率52.8%)。
【実施例19】
【0270】
化合物23の合成
【0271】
【化163】
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【0272】
2,5-ジフェニル-6-メチルピリジンの合成。フェニルホウ酸(24.3g、199.25mmol)、2,5-ジブロモ-6-メチルピリジン(10g、39.85mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',6'-ジメトキシビフェニル(654mg、1.5mmol)、リン酸三カリウム(27.5g、119.5mmol)、トルエン300mL及び水30mLを、1Lの丸底フラスコ中に入れた。この混合物中に、30分間、窒素を直接にバブリングした後に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(364mg、0.398mmol)を添加した。窒素をさらに15分間バブリングし、次いで、この反応混合物を加熱して、窒素下で16時間還流した。反応が完了した後に、この混合物を冷却し、有機層を分離した。この有機層を、飽和ブライン溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液を濾過し、溶媒を真空下で除去した。粗生成物を、固定相としてシリカゲルを、移動相としてヘキサン中10%〜20%の酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物9.0gを、精製後に得た(収率92.7%)。
【0273】
【化164】
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【0274】
Ir二量体の合成。IrCl
3・3H
2O(1.6g、4.66mmol)及び2,5-ジフェニル-6-メチルピリジン(4.0g、16.31mmol)を、250mLの丸底フラスコ中に入れた。2-エトキシエタノール45mL及び水15mLを添加した。この混合物を、窒素雰囲気下で16時間還流した。次いで、この反応混合物を室温に冷却させた。沈殿を濾過し、メタノールの次にヘキサンで洗浄した。乾燥後に、二量体2.75gを得た(収率84.6%)。
【0275】
【化165】
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【0276】
Irトリフレートの合成。イリジウム二量体(2.75g、2.2mmol)を、ジクロロメタン200mL中に溶解した。銀トリフレート(1.19g、4.6mmol)を、メタノール100mL中に溶解し、イリジウム二量体溶液に添加した。生成した混合物を、5時間攪拌した。次いで、この溶液を、セライトのプラグに注ぎ通して、塩化銀を除去した。溶媒を真空下で蒸発させて、イリジウムトリフレート3.5gを得た。この固体を、さらに精製することなく、次のステップのために用いた。
【0277】
【化166】
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【0278】
化合物23の合成。イリジウムトリフレート(3.0g)及び2,5-ジフェニル-6-メチルピリジン(3.0g)を、100mLの丸底フラスコ中に入れた。この固体混合物を、16時間、130℃に加熱した。冷却後に、この反応混合物を、ジクロロメタン200mL中に溶解した。次いで、この溶液を、2インチのシリカゲルのプラグに注ぎ通した。溶媒を真空下で除去し、残渣を、移動相としてのジクロロメタンとともにシリカゲルを用いてクロマトグラフィー処理した。溶媒のほとんどを蒸発させ、生成物を、2-プロパノールで沈殿させ、濾過し、ヘキサンで洗浄し、次いで乾燥して、生成物2.65gを得た(収率71%)。
【実施例20】
【0279】
化合物24の合成
【0280】
【化167】
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【0281】
2,5-(m-トリル(-4-メチルピリジンの合成。m-トリルホウ酸エステル(17.9g、132mmol)、2,5-ジブロモ-4-メチルピリジン(11.0g、44.0mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',6'-ジメトキシビフェニル(726mg、1.77mmol)、リン酸三カリウム一水和物(30g、130mmol)、トルエン143mL及び水33mLを、500mLの丸底フラスコ中に入れた。この混合物中に窒素を30分間、直接にバブリングした後に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(394mg、43mmol)を添加した。窒素をさらに15分間バブリングし、次いで、この反応混合物を加熱して、窒素下で16時間還流した。この混合物を室温に冷却し、有機層を水層から分離した。この有機層を、飽和ブライン溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液を濾過し、溶媒を真空下で除去して、オフホワイトの生成物を得た。粗生成物を、固定相としてシリカゲルを、移動相としてヘキサン中10%の酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物11.2gを、精製後に得た(収率93.3%)。
【0282】
【化168】
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【0283】
Ir二量体の合成。IrCl
3・3H
2O(1.8g、4.86mmol)及び2,5-ジトリル-4-メチルピリジン(4.0g、14.6mmol)を、100mLの丸底フラスコ中に入れた。2-エトキシエタノール24mL及び水8mLを添加した。この混合物を、窒素雰囲気下で16時間還流した。次いで、この反応混合物を室温に冷却した。沈殿を濾過し、メタノールの次にヘキサンで洗浄した。乾燥後に、イリジウム二量体3.0gを得た(収率79.6%)。
【0284】
【化169】
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【0285】
Irトリフレートの合成。イリジウム二量体3.0gを、ジクロロメタン380mL中に溶解した。銀トリフレート(1.0g、4.08mmol)を、イソプロパノール20mL中に溶解し、イリジウム二量体溶液に添加した。生成した混合物を、5時間攪拌した。次いで、この溶液を、セライトのプラグに注ぎ通して、塩化銀を除去した。溶媒を真空下で蒸発させて、イリジウムトリフレート2.7gを得た。この固体を、さらに精製することなく、次のステップのために用いた。
【0286】
【化170】
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【0287】
化合物24の合成。イリジウムトリフレート(2.7g、2.95mmol)及び2,5-ジトリル-4-メチルピリジン(3.6g、13.2mmol)を、250mLの丸底フラスコ中に入れた。エタノール100mLを添加し、この混合物を16時間還流した。冷却した溶液にセライトを添加し、この混合物を、2インチのシリカゲル床上に注いだ。次いで、このシリカ床を、エタノール(2×50mL)の次にヘキサン(2×50mL)で2回洗浄した。次いで、生成物を、ジクロロメタンとともにシリカのプラグに通して溶離した。ジクロロメタンのほとんどを、真空下で除去し、生成物を、2-プロパノールで沈殿させ、濾過し、ヘキサンで洗浄し、乾燥して、生成物2.4gを得た(収率80.6%)。
【実施例21】
【0288】
化合物25の合成
【0289】
【化171】
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【0290】
2-フェニル-5-(m-トリル)ピリジンの合成。2-メチルフェニルホウ酸(5.1g、37.59mmol)、2-フェニル-5-ブロモピリジン(8.0g、34.17mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',6'-ジメトキシビフェニル(561mg、1.366mmol)、リン酸三カリウム(23.50g、102.51mmol)、トルエン250mL及び水25mLを、1Lの丸底フラスコ中に入れた。この混合物中に窒素を30分間、直接にバブリングした後に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(312mg、0.341mmol)を添加した。次いで、窒素をさらに15分間バブリングし、この反応混合物を加熱して、窒素下で16時間還流した。この混合物を冷却し、有機層を水層から分離した。この有機層を、飽和ブライン溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、溶媒を真空下で除去して、粗生成物としてオフホワイトの固体を得た。この粗生成物を、固定相としてシリカゲルを、移動相としてヘキサン中2%の酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物6.5gを、精製後に得た(収率78%)。
【0291】
【化172】
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【0292】
化合物25の合成。イリジウムトリフレート(化合物1の合成から)(3.25g)及び2-フェニル-5-トリルピリジン(3.2g)を、250mLの丸底フラスコ中に入れた。メタノール及びエタノールの50:50混合物(100mL)を添加し、この混合物を16時間還流した。冷却した溶液にセライトを添加し、この混合物を、2インチのシリカゲル床上に注いだ。次いで、このシリカ床を、エタノール(2×100mL)の次にヘキサン(2×100mL)で2回洗浄した。次いで、生成物を、ジクロロメタンとともにシリカのプラグに通して溶離した。ジクロロメタンを真空下で除去して、化合物の混合物として粗生成物を得た。所望の化合物を、固定相としてシリカゲルを、移動相として1:1のジクロロメタン/ヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィーにより分離及び単離した。所望の生成物0.53gを、精製後に得た(収率15.6%)。
【実施例22】
【0293】
化合物26の合成
【0294】
【化173】
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【0295】
化合物26の合成。イリジウムトリフレート(3.25g)及び2-フェニル-5-トリルピリジン(3.2g)を、250mLの丸底フラスコ中に入れた。メタノール及びエタノールの50:50混合物(100mL)を添加し、この混合物を16時間還流した。冷却した溶液にセライトを添加し、この混合物を、2インチのシリカゲル床上に注いだ。次いで、このシリカ床を、エタノール(2×100mL)の次にヘキサン(2×100mL)で2回洗浄した。次いで、生成物を、ジクロロメタンとともにシリカのプラグに通して溶離した。ジクロロメタンを真空下で除去して、所望の化合物として粗生成物を得た。この化合物を、固定相としてシリカゲルを、移動相として1:1のジクロロメタン/ヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィーによりさらに精製した。所望の生成物3.38gを、精製後に得た(収率100%)。
【実施例23】
【0296】
化合物27の合成
【0297】
【化174】
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【0298】
2-フェニル-4-クロロピリジンの合成。2,4-ジクロロピリジン(10g、67.57mmol)、フェニルホウ酸(9.0g、74.32mmol)、炭酸カリウム(28g、202.70mmol)、ジメトキシエタン300mL及び水30mLを、1Lの丸底フラスコ中に入れた。この混合物中に窒素を30分間、直接にバブリングした。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(780mg、0.675mmol)を添加し、窒素をさらに15分間、この反応混合物中にバブリングした。次いで、この反応混合物を加熱して、窒素下で16時間還流した。次いで、この反応を室温まで冷却させ、酢酸エチル及び水で希釈した。有機層及び水層を分離し、水層を、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和ブライン溶液で洗浄した。次いで、この有機層を、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、溶媒を真空下で除去して、粗生成物としてオフホワイトの固体を得た。粗生成物を、固定相としてシリカゲルを、移動相としてヘキサン中2%の酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物8.0gを、精製後に得た(収率54%)。所望の生成物11.5gを、精製後に得た(収率89.77%)。
【0299】
【化175】
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【0300】
2-フェニル-4-(m-トリル)ピリジンの合成。2-メチルフェニルホウ酸(6.3g、46.40mmol)、2-フェニル-4-クロロピリジン(8.0g、42.18mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',6'-ジメトキシビフェニル(692mg、1.68mmol)、リン酸三カリウム(29.10g、126.54mmol)、トルエン250mL及び水25mLを、500mLの丸底フラスコ中に入れた。この混合物中に窒素を30分間、直接にバブリングした後に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(386mg、0.421mmol)を添加した。次いで、窒素をさらに15分間バブリングし、次いで、この反応混合物を加熱して、窒素下で16時間還流した。この混合物を冷却し、有機層を水層から分離した。この有機層を、飽和ブライン溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、溶媒を真空下で除去して、粗生成物としてオフホワイトの固体を得た。粗生成物を、固定相としてシリカゲルを、移動相としてヘキサン中2%の酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物8.0gを、精製後に得た(収率77.4%)。
【0301】
【化176】
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【0302】
化合物27の合成。イリジウムトリフレート(4.0g)及び2-フェニル-4-o-トリルピリジン(4.0g)を、250mLの丸底フラスコ中に入れた。メタノール及びエタノールの50:50混合物(100mL)を添加し、この混合物を16時間還流した。冷却した溶液にセライトを添加し、この混合物を、2インチのシリカゲル床上に注いだ。次いで、このシリカ床を、エタノール(2×100mL)の次にヘキサン(2×100mL)で2回洗浄した。次いで、生成物を、ジクロロメタンとともにシリカのプラグに通して溶離した。ジクロロメタンを真空下で除去して、化合物の混合物として粗生成物を得た。所望の化合物を、固定相としてシリカゲルを、移動相として1:1のジクロロメタン/ヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィーにより分離及び単離した。所望の生成物2.0gを、精製後に得た(収率48%)。
【実施例24】
【0303】
化合物28の合成
【0304】
【化177】
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【0305】
化合物28の合成。イリジウムトリフレート(4.0g)及び2-フェニル-4-o-トリルピリジン(4.0g)を、250mLの丸底フラスコ中に入れた。メタノール及びエタノールの50:50混合物(100mL)を添加し、この混合物を16時間還流した。冷却した溶液にセライトを添加し、この混合物を、2インチのシリカゲル床上に注いだ。次いで、このシリカ床を、エタノール(2×100mL)の次にヘキサン(2×100mL)で2回洗浄した。次いで、生成物を、ジクロロメタンとともにシリカのプラグに通して溶離した。ジクロロメタンを真空下で除去して、所望の化合物として粗生成物を得た。この化合物を、固定相としてシリカゲルを、移動相として1:1のジクロロメタン/ヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィーによりさらに精製した。所望の生成物3.6gを、精製後に得た(収率86.6%)。
【実施例25】
【0306】
化合物29の合成
【0307】
【化178】
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【0308】
化合物29の合成。イリジウムトリフレート(4.0g、4.62mmol)及び2-フェニルピリジン(2.15g、13.87mmol)を、100mLの丸底フラスコ中に入れた。メタノール及びエタノールの50:50混合物(60mL)を添加し、この混合物を16時間還流した。冷却した溶液にセライトを添加し、この混合物を、2インチのシリカゲル床上に注いだ。次いで、このシリカ床を、エタノール(2×50mL)の次にヘキサン(2×50mL)で2回洗浄した。次いで、生成物を、ジクロロメタンとともにシリカのプラグを通して溶離した。ジクロロメタンを真空下で除去して、化合物の混合物として粗生成物を得た。所望の化合物を、固定相としてシリカゲルを、移動相として1:1のジクロロメタン/ヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィーにより分離及び単離した。所望の生成物1.1gを、精製後に得た(収率31.6%)。
【実施例26】
【0309】
化合物30の合成
【0310】
【化179】
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【0311】
化合物30の合成。イリジウムトリフレート(3.2g)及び2,5-ジフェニル-4-エチルピリジン(3.2g)を、250mLの丸底フラスコ中に入れた。エタノール50mLを添加し、この混合物を16時間還流した。冷却した溶液にセライトを添加し、この混合物を、2インチのシリカゲル床上に注いだ。次いで、このシリカ床を、エタノール(2×50mL)の次にヘキサン(2×50mL)で2回洗浄した。次いで、生成物を、ジクロロメタンとともにシリカのプラグを通して溶離した。ジクロロメタンを真空下で除去して、化合物の混合物として粗生成物を得た。所望の化合物を、固定相としてシリカゲルを、移動相として1:1のジクロロメタン/ヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィーにより分離及び単離した。所望の生成物1.22gを、精製後に得た(収率31.6%)。
【実施例27】
【0312】
化合物31の合成
【0313】
【化180】
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【0314】
2-フェニル-5-メチルピリジンの合成。2-ブロモ-5-メチルピリジン(11.25g、65.39mmol)、フェニルホウ酸(9.5g、78.47mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',6'-ジメトキシビフェニル(1.0g、2.61mmol)、リン酸三カリウム(45g、196.17mmol)、トルエン250mL及び水25mLを、500mLの丸底フラスコ中に入れた。この混合物中に窒素を30分間、直接にバブリングした後に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(598mg、0.653mmol)を添加した。窒素をさらに15分間バブリングし、次いで、この反応混合物を加熱して、窒素下で16時間還流した。この混合物を冷却し、有機層を水層から分離した。この有機層を、飽和ブライン溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、溶媒を真空下で除去して、粗生成物としてオフホワイトの固体を得た。この粗生成物を、固定相としてシリカゲルを、移動相としてヘキサン中5%〜10%の酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物10.11gを、精製後に得た(収率92%)。
【0315】
【化181】
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【0316】
Ir二量体の合成。2-フェニル-5-メチルピリジン(10.11g、59.8mmol)及びIrCl
3・3H
2O(6.0g、17mmol)を、250mLの丸底フラスコ中において、2-エトキシエタノール90mL及び水30mLの中に溶解した。この反応混合物を、窒素下で16時間還流した。次いで、この反応混合物を室温に冷却し、沈殿を濾過し、メタノールの次にヘキサンで洗浄した。次いで、イリジウム二量体を真空下で乾燥し、さらに精製することなく、次のステップのために用いた。二量体8.75gを、真空乾燥後に得た(収率91.0%)。
【0317】
【化182】
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【0318】
Irトリフレートの合成。イリジウム二量体(8.74g、7.75mmol)を、ジクロロメタン1.0L中に溶解した。銀トリフレート(4.18g、16.27mmol)を、メタノール500mL中に溶解し、イリジウム二量体溶液に添加した。生成した混合物を、18時間攪拌した。次いで、この溶液を、セライトのプラグに注ぎ通して、塩化銀を除去し、溶媒を蒸発させて、イリジウムトリフレート4.0gを得た。この固体を、さらに精製することなく、次のステップのために用いた。
【0319】
【化183】
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【0320】
化合物31の合成。イリジウムトリフレート(4.0g)及び2,5-ジフェニル-4-メチルピリジン(4.0g)を、250mLの丸底フラスコ中に入れた。メタノール及びエタノールの50:50混合物(80mL)を添加し、この混合物を16時間還流した。冷却した溶液にセライトを添加し、この混合物を、2インチのシリカゲル床上に注いだ。次いで、このシリカ床を、エタノール(2×100mL)の次にヘキサン(2×100mL)で2回洗浄した。次いで、生成物を、ジクロロメタンとともにシリカのプラグに通して溶離した。ジクロロメタンを真空下で除去して、化合物の混合物として粗生成物を得た。所望の化合物を、固定相としてシリカゲルを、移動相として1:1のジクロロメタン/ヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィーにより分離及び単離した。所望の生成物3.75gを、精製後に得た(収率90%)。
【実施例28】
【0321】
化合物32の合成
【0322】
【化184】
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【0323】
化合物32の合成。イリジウムトリフレート(2.6g、3.66mmol)及び2,5-ジトリル-4-メチルピリジン(3.0g、11mmol)を、100mLの丸底フラスコ中に入れた。メタノール及びエタノールの50:50混合物(50mL)を添加し、この混合物を16時間還流した。冷却した溶液にセライトを添加し、この混合物を、2インチのシリカゲル床上に注いだ。次いで、このシリカ床を、エタノール(2×100mL)の次にヘキサン(2×100mL)で2回洗浄した。次いで、生成物を、ジクロロメタンとともにシリカのプラグに通して溶離した。ジクロロメタンを真空下で除去して、化合物の混合物として粗生成物を得た。所望の化合物を、固定相としてシリカゲルを、移動相として1:1のジクロロメタン/ヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィーにより分離及び単離した。所望の生成物0.9gを、精製後に得た(収率31.8%)。
【実施例29】
【0324】
化合物33の合成
【0325】
【化185】
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【0326】
化合物33の合成。イリジウムトリフレート(2.8g)及び2-フェニルピリジン(2.8g)を、250mLの丸底フラスコ中に入れた。メタノール及びエタノールの50:50混合物(80mL)を添加し、この混合物を16時間還流した。冷却した溶液にセライトを添加し、この混合物を、2インチのシリカゲル床上に注いだ。次いで、このシリカ床を、エタノール(2×100mL)の次にヘキサン(2×100mL)で2回洗浄した。次いで、生成物を、ジクロロメタンとともにシリカのプラグに通して溶離した。ジクロロメタンを真空下で除去して、所望の化合物として粗生成物を得た。この化合物を、固定相としてシリカゲルを、移動相として1:1のジクロロメタン/ヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィーによりさらに精製した。所望の生成物2.3gを、精製後に得た(収率73.2%)。
【実施例30】
【0327】
化合物34の合成
【0328】
【化186】
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【0329】
化合物34の合成。イリジウムトリフレート(3.5g)及び2-フェニル-5-メチルピリジン(3.5g)を、250mLの丸底フラスコ中に入れた。メタノール及びエタノールの50:50混合物(80mL)を添加し、この混合物を16時間還流した。冷却した溶液にセライトを添加し、この混合物を、2インチのシリカゲル床上に注いだ。次いで、このシリカ床を、エタノール(2×100mL)の次にヘキサン(2×100mL)で2回洗浄した。次いで、生成物を、ジクロロメタンとともにシリカのプラグに通して溶離した。ジクロロメタンを真空下で除去して、化合物の混合物として粗生成物を得た。所望の化合物を、固定相としてシリカゲルを、移動相として1:1のジクロロメタン/ヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィーにより分離及び単離した。所望の生成物1.25gを、精製後に得た(収率31.4%)。
【実施例31】
【0330】
化合物35の合成
【0331】
【化187】
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【0332】
化合物35の合成。2-フェニル-5-o-トリルピリジン(8.8g、35.9mmol、6当量)及びイリジウムトリスアセチルアセトナート(2.93g、5.98mmol、1当量)を、50mLの丸底フラスコ中に入れた。このフラスコを、窒素で0.5時間パージした。次いで、この反応混合物を、砂浴中で48時間、230℃に加熱した。その反応混合物を室温に冷却させ、ジクロロメタン100mLを添加した。この混合物を、シリカゲルのプラグに通して濾過した。溶媒を真空下で除去して、粗生成物を得た。この粗生成物を、固定相としてシリカゲルを、移動相として1:1のジクロロメタン/ヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物0.4gを、精製後に得た(収率7.2%)。
【実施例32】
【0333】
化合物36の合成
【0334】
【化188】
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【0335】
化合物36の合成。イリジウムトリフレート、及び3モル当量の2-フェニルピリジンを、メタノール及びエタノールの50:50混合物中に溶解することができ、この混合物を16時間還流した。その混合物を、実施例30に記載の方法と同様の方法を用いて精製することができる。
【実施例33】
【0336】
化合物37の合成
【0337】
【化189】
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【0338】
化合物37の合成。イリジウムトリフレート(2.45g)及び2,5-ジフェニル-4-エチルピリジン(2.58g)を、250mLの丸底フラスコ中に入れた。エタノール50mLを添加し、この混合物を16時間還流した。冷却した溶液にセライトを添加し、この混合物を、2インチのシリカゲル床上に注いだ。次いで、このシリカ床を、エタノール(2×50mL)の次にヘキサン(2×50mL)で2回洗浄した。次いで、生成物を、ジクロロメタンとともにシリカのプラグに通して溶離した。ジクロロメタンを真空下で除去して、所望の化合物を得た。この化合物を、固定相としてシリカゲルを、移動相として1:1のジクロロメタン/ヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィーによりさらに精製した。所望の生成物1.25gを、精製後に得た(収率48%)。
【0339】
(デバイス実施例)
すべてのデバイス実施例を、高真空(<10
-7トール)熱蒸発法により組み立てた。アノード電極は1200Åのインジウムスズ酸化物(ITO)である。カソードは10ÅのLiF、次の1000ÅのAlからなる。組み立てた直後にすべてのデバイスを、窒素グローブボックス中(<1ppmのH
20及びO
2)で、エポキシ樹脂で密封したガラスふたで封入し、水分ゲッターをそのパッケージ中に組み込んだ。
【0340】
Table 2(表2)中のデバイス実施例1及び2の有機積層物は、ITO表面から順に、正孔注入層(HIL)としての100ÅのE1、正孔輸送層(HTL)としての300Åの4,4'-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(α-NPD)、発光層(EML)としての7%または10%の化合物1でドープされた300ÅのH1、阻止層としての50ÅのH1、及びETLとしての400ÅのAlq
3(トリス-8-ヒドロキシキノリンアルミニウム)からなる。デバイス実施例のデバイス構造も
図3にまとめる。
【0341】
比較例1及び2を、発光性ドーパントとしてE1を用いたこと以外は、デバイス実施例と同様にして組み立てた。
【0342】
デバイス構造及びデータをTable 2(表2)及びTable 3(表3)にまとめる。表2はデバイス構造を示し、Table 3(表3)は、これらのデバイスについての対応する測定結果を示す。本明細書で用いる、E1、H1及びNPDは以下の構造:
【化190】
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を有する。
【0343】
【表2】
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【0344】
【表3】
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【0345】
Table 3(表3)のデバイス実施例から、本発明の化合物を含むデバイスは特に良好な特性を有することが分かる。特に、発光性ドーパントとして化合物1を含む発光層を有するデバイス。これらのデバイスは、化合物1がデバイス安定性に有益であることを示している。特に、比較例1及びデバイス実施例1は、それぞれ760及び900時間のRT
80%(初期輝度L
0がその初期輝度の80%に低下するまでの時間と定義される)を有する。比較例2及びデバイス実施例2は、それぞれ1130及び1400時間のRT
80%を有する。これらの結果は、ヘテロレプティックIr(III)錯体の拡張共役が、デバイス安定性に有益であることを示している。
【0346】
OLEDの製造のためには低い蒸発温度が望ましい。低い蒸発温度を有する材料がより少ない熱応力を有し、よりきれいな蒸発が得られるように、OLEDの製造の際には、その材料の長期の加熱を必要とする。化合物1のヘテロ原子環にフェニルを付加することによって達成される拡張共役は低い昇華温度をもたらす。したがって、化合物1を含むデバイスは改善された製造をもたらす。
【0347】
Table 4(表4)のデバイス実施例3〜12の有機積層物は、ITO表面から順に、正孔注入層(HIL)としての100ÅのE1、正孔輸送層(HTL)としての300Åの4,4'-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(α-NPD)、発光層(EML)としての7%、10%または15%の本発明の化合物でドープされた300ÅのH1またはH2、阻止層としての50ÅのH1またはH2、及びETLとしての400ÅのAlq
3(トリス-8-ヒドロキシキノリンアルミニウム)からなる。デバイス実施例のデバイス構造も
図3にまとめる。
【0348】
比較例3を、発光性ドーパントとしてE1を用いたこと以外は、デバイス実施例と同様にして組み立てた。
【0349】
デバイス構造及びデータをTable 4(表4)及びTable 5(表5)にまとめる。Table 4(表4)はデバイス構造を示し、Table 5(表5)は、これらのデバイスについての対応する測定結果を示す。本明細書で用いる、E1、H1、H2及びNPDは以下の構造:
【化191】
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を有する。
【0350】
【表4A】
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【0351】
【表4B】
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【0352】
【表5】
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【0353】
Table 4(表4)のデバイス実施例から、本発明の化合物を含むデバイスは特に良好な特性を有することが分かる。特に、発光性ドーパントとして化合物1、化合物2、化合物8〜12を含む発光層を有するデバイスは、本発明の化合物がデバイス安定性に有益であることを示している。
【0354】
本発明の化合物、化合物21〜化合物35が発光性ドーパントであり、H-2がホストである特定のデバイスを提供する。デバイス実施例21〜35の有機積層物は、ITO表面から順に、正孔注入層(HIL)としての100ÅのE1、正孔輸送層(HTL)としての300Åの4,4'-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(α-NPD)、発光層(EML)としての7%の化合物21〜35及び37でドープされた300ÅのH2、電子輸送層(ETL2)としての100ÅのH2、及び電子輸送層(ETL1)としての400ÅのAlq
3(トリス-8-ヒドロキシキノリンアルミニウム)からなる。
【0355】
デバイス比較例4〜6を、デバイス比較例4において発光性ドーパント(として)E2を用い、デバイス比較例5においてホストとしてCBP、発光性ドーパントとしてE3、ETL2として50ÅのHPT、ETL1として450ÅのAlq
3を用い、デバイス比較例6において発光性ドーパントとしてE4を用いたこと以外はデバイス実施例と同様にして組み立てた。
【0356】
本明細書で用いる、以下の化合物は以下の構造:
【化192】
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を有する。
【0357】
OLEDにおいて使用するための特定の材料を提供する。その材料は、そうしたデバイスの発光層の発光性ドーパントとして用いることができる。本明細書で提供する材料は、高い効率と狭いエレクトロルミネッセンスを有するデバイスを提供するのに用いることができる。さらに、これらの材料は、安定性を向上させ、高い溶解性及び低い蒸発温度などの加工性を改善することができる。
【0358】
【表6】
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【0359】
Table 6(表6)は、デバイス実施例で使用する発光性化合物、化合物21〜33の蒸発温度を、それぞれデバイス比較例4及び5で使用する発光性化合物E2及びE3の蒸発温度に比べて示す。特に、化合物21〜24はE3より著しく低い蒸発温度を有する。より低い蒸発温度は、ドーパントの熱蒸発及び長期熱安定性にとって望ましい特性である。化合物21〜23のC環フェニル-ピリジンは2つの環の間に、E3中に存在するようなフェニル-ピリジンねじれより多くのねじれを有すると考えられる。ねじれたC環構造(feature)を有するヘテロレプティック化合物(化合物25〜33及び37)は、C環を全くもたないE2と同等またはそれより低い蒸発温度を有する。結果は、ねじれたC環構造は、蒸発温度を低下させるが、この構造をもたない構造的に類似した化合物と同等かまたはそれ以上の分子量を保持することを示している。
【0360】
【表7】
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【0361】
Table 7(表7)は、デバイス実施例及び比較例についての追加のデバイスデータを示す。特に、Table 7(表7)は、デバイス比較例4、5及び6と対比したデバイス実施例16〜18及び27のλ
max及びCIE座標を示す。このデータから、デバイス実施例16〜18及び27は、デバイス比較例5から青色へ著しくシフトしていることが分かる。この結果は、ねじれ型フェニルC環の存在によって、共役が減少している可能性があることを示唆している。
【0362】
【表8】
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【0363】
Table 8(表8)は、デバイス実施例16〜29と比較例4及び6とのデバイス特性の比較を示す。このデータから、デバイス実施例16(化合物21)、17(化合物22)、19(化合物25)、20(化合物26)、21(化合物27)、23(化合物29)、24(化合物30)、25(化合物31)、27(化合物34)、28(化合物25)、29(化合物37)は、高い効率と長いデバイス寿命を提供することが分かる。特に、それぞれ化合物21、22、25、29、30、31及び34を発光性ドーパントとして用いたデバイス実施例16、17、19、23、24、25及び27は、非常に良好なデバイス性能を有する。これらの特定のデバイスは、デバイス比較例4の196時間のRT
80%に比べて、210、260、245 237、223、254及び290時間のRT
80%(初期輝度L
oが、一定の直流駆動下、室温で100%から80%に低下するのに必要な時間と定義される)を示す。さらに、デバイス実施例16、17、19、23、24、25及び27はすべてデバイス比較例4より高いL
0で動作する。結果は、フェニルC環は、発光性ドーパントにいくらかの共役を付加することによってデバイス安定性を改善できることを示している。しかし、共役は、上記したねじれ構造の存在によって限定され、これは、E-3のような通常の共役におけるフェニルと比べて、発光における赤色へのシフトをそれほど引き起こさない。さらに、デバイス実施例16〜20、23〜25及び27〜29のELスペクトルはすべて、比較例4のそれより狭い。狭い発光は、OLED技術における飽和色座標、LE:EQE変換、マイクロキャビティーチューニング及び色フィルターマッチングを達成するための望ましい因子である。
【0364】
本明細書で説明する種々の実施形態は例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。例えば、本明細書で説明する材料及び構造の多くは、本発明の趣旨を逸脱することなく、他の材料及び構造で置き換えることができる。したがって、当業者に明らかであるように、特許請求する本発明は、本明細書で説明する特定の実施例及び好ましい実施形態の変更形態を含むことができる。なぜ本発明が役に立つかということに関しての様々な理論は限定されないものとすることを理解されたい。