(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6874080
(24)【登録日】2021年4月23日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】加熱式喫煙具の加熱部材の製造方法
(51)【国際特許分類】
A24F 40/70 20200101AFI20210510BHJP
【FI】
A24F40/70
【請求項の数】10
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2019-171431(P2019-171431)
(22)【出願日】2019年9月20日
(65)【公開番号】特開2020-48554(P2020-48554A)
(43)【公開日】2020年4月2日
【審査請求日】2020年1月6日
(31)【優先権主張番号】201811110068.X
(32)【優先日】2018年9月21日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519269606
【氏名又は名称】深▲ゼン▼麦克韋尓科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN SMOORE TECHNOLOGY LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】張幸福
(72)【発明者】
【氏名】方日明
【審査官】
田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】
中国実用新案第205491202(CN,U)
【文献】
中国特許出願公開第104799438(CN,A)
【文献】
国際公開第2018/132935(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/70
A24F 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属材質のプレート状基材を打ち抜いて、シート状の加熱基板を形成するステップと、
前記加熱基板を曲げ成形して、シート状の主基板(11)と、前記主基板(11)の両側辺から外側に延伸するよう設けられる補強部(12)とを含む加熱基材を形成するステップと、前記主基板(11)に加熱回路(13)を印刷により形成するステップ、を含むことを特徴とする加熱式喫煙具の加熱部材(1)の製造方法であって、
前記加熱式喫煙具の加熱部材(1)は、シート状の主基板(11)を含み、
前記主基板(11)は、対向する両端に位置する挿入端(A)と接続端(B)を含み、前記加熱部材(1)は前記挿入端(A)からヒートスティック内に挿入され、
前記接続端(B)から前記挿入端(A)の間の両側辺には、前記主基板(11)の強度を向上して前記主基板(11)の屈曲を防止するよう、補強部(12)が外側に向かって延設されていることを特徴とする加熱部材(1)の製造方法。
【請求項2】
両側辺の前記補強部(12)は、それぞれ前記主基板(11)の同一側又は異なる側に位置することを特徴とする請求項1に記載の加熱部材(1)の製造方法。
【請求項3】
前記主基板(11)は、長尺状をなすことを特徴とする請求項1に記載の加熱部材(1)の製造方法。
【請求項4】
前記挿入端(A)は、鋭端であることを特徴とする請求項1に記載の加熱部材(1)の製造方法。
【請求項5】
前記補強部(12)は、シート状又は帯状をなすことを特徴とする請求項1に記載の加熱部材(1)の製造方法。
【請求項6】
前記補強部(12)の前記挿入端(A)寄りの一端は、前記加熱部材(1)の挿入端(A)から離間するにつれて幅が徐々に拡大していることを特徴とする請求項1に記載の加熱部材(1)の製造方法。
【請求項7】
前記補強部(12)の側面は、前記主基板(11)の挿入端(A)と夾角をなす斜面を形成していることを特徴とする請求項6に記載の加熱部材(1)の製造方法。
【請求項8】
前記主基板(11)の表面には加熱回路(13)が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の加熱部材(1)の製造方法。
【請求項9】
前記主基板(11)と補強部(12)は一体成型により形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の加熱部材(1)の製造方法。
【請求項10】
一組の上型(2)と下型(3)を提供し、前記上型(2)と下型(3)には打ち抜き加工部位と成形加工部位(C)がそれぞれ設けられており、
前記打ち抜き加工部位は、前記プレート状基材を打ち抜いてシート状の加熱基板を形成し、
前記成形加工部位(C)は、前記加熱基板を曲げ成形して加熱基材を形成することを特徴とする請求項1に記載の加熱式喫煙具の加熱部材(1)の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタバコの代替品に関し、より具体的には、加熱式喫煙具
の加熱部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のタバコ葉は、高温燃焼の過程で人体に有害な物質を大量に放出する。高温燃焼により発生する有害物質を減らすため、近年はタバコ葉を燃焼させることなく加熱する低温の加熱式喫煙具が出現している。当該喫煙具の加熱方式は、全周加熱と中心加熱に分けられる。
【0003】
中心加熱式のヒータの場合には、ヒータをヒートスティックに挿入する。通常の構造ではフレームに加熱シートが固定されており、加熱シートがタバコ葉製品に挿入されて、周辺のタバコ葉を加熱により霧化する。
【0004】
従来の低温喫煙具に使用される加熱シートは、一般的には長尺型の平板状基材に回路を印刷する等の方式で加熱回路を印刷したものである。長尺型の加熱シートは強度が不十分なことから、何度も挿抜するうちに断裂や変形が生じてしまう。これにより、加熱回路が加熱シートから浮き上がり、接触不良が招来されて霧化の効果に影響する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする技術的課題は、改良された加熱式喫煙具
の加熱部材の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、技術的課題を解決するために以下の技術方案を用いる。即ち、加熱式喫煙具の加熱部材であって、シート状の主基板を含み、前記主基板は、対向する両端に位置する挿入端と接続端を含み、前記加熱部材は前記挿入端からヒートスティック内に挿入され、前記接続端から前記挿入端の間の両側辺には、前記主基板の強度を向上して前記主基板の屈曲を防止するよう、補強部が外側に向かって延設されている加熱部材を構成する。
【0007】
好ましくは、両側辺の前記補強部は、それぞれ前記主基板の同一側又は異なる側に位置する。
【0008】
好ましくは、前記主基板は長尺状をなす。
【0009】
好ましくは、前記挿入端は鋭端である。
【0010】
好ましくは、前記補強部はシート状又は帯状をなす。
【0011】
好ましくは、前記補強部の前記挿入端寄りの一端は、前記加熱部材の挿入端から離間するにつれて幅が徐々に拡大している。
【0012】
好ましくは、前記補強部の側面は、前記主基板の挿入端と夾角をなす斜面を形成している。
【0013】
好ましくは、前記主基板の表面には加熱回路が設けられている。
【0014】
好ましくは、前記主基板と補強部は一体成型により形成される。
【0015】
上記の加熱式喫煙具の加熱部材の製造方法は、金属材質のプレート状基材を打ち抜いて、シート状の加熱基板を形成するステップと、前記加熱基板を曲げ成形して、シート状の主基板と、前記主基板の両側辺から外側に延伸するよう設けられる補強部とを含む加熱基材を形成するステップと、前記主基板に加熱回路を印刷により形成するステップ、を含む。
【0016】
好ましくは、一組の上型と下型を提供し、前記上型と下型には打ち抜き加工部位と成形加工部位がそれぞれ設けられており、前記打ち抜き加工部位は前記プレート状基材を打ち抜いて、シート状の加熱基板を形成し、前記成形加工部位は、前記加熱基板を曲げ成形して加熱基材を形成する。
【0017】
加熱式喫煙具は、前記加熱部材を含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明の加熱式喫煙具
の加熱部材の製造方法を実施することで、以下の有益な効果が得られる。即ち、補強部を設けることで、主基板を補強するとの作用が奏される。よって、加熱部材がタバコ葉の挿抜過程で変形又は断裂することによる加熱回路の接触不良や浮き上がりが効果的に減少し、霧化の効果が最適化される。且つ、補強部を設けることでタバコ葉の受熱面積が拡大することから、タバコ葉の受熱による霧化がより均一化されて、使用者の口当りが向上する。
【0019】
以下に、図面と実施例を組み合わせて、本発明につき更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本発明の実施例における加熱部材の補強部を主基板の同一側に設けた場合の構造を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施例における加熱部材の補強部を主基板の異なる側に設けた場合の構造を示す図である。
【
図5】
図5は、上型及び下型により主基板と補強部を成型する際の図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の技術的特徴、目的及び効果をより明確に理解すべく、図面を参照して本発明の具体的実施形態につき詳細に説明する。
【0022】
本発明の好ましい実施例における加熱式喫煙具は、ヒートスティックを挿入するための収容空間と、収容空間内に設けられる加熱部材1を含む。収容空間内にヒートスティックを挿入すると、加熱部材1がヒートスティック内に挿入される。加熱部材1は、通電により昇温してヒートスティックを炙り加熱し、周辺のタバコ葉を加熱により霧化する。なお、その他の実施例では、まずヒートスティックを収容空間に挿入してから、加熱部材1をヒートスティックに挿入してもよい。
【0023】
図1、
図2に示すように、加熱部材1はシート状の主基板11を含む。主基板11は、対向する両端に位置する挿入端Aと接続端Bを含む。加熱部材1は、挿入端Aからヒートスティック内に挿入される。また、接続端Bは加熱ベース又は収容空間の底部に固定される。好ましくは、ヒートスティックへの挿入に有利となるよう、挿入端Aは鋭端とする。また、その他の実施例では、挿入端Aを円弧辺又は傾斜辺としてもよい。
【0024】
接続端Bから挿入端Aの間の両側辺には、主基板11の強度を向上し、主基板11の屈曲を防止するよう、補強部12が外側に向かって延設されている。通常、主基板11の表面には加熱回路13が設けられている。加熱回路13は電源と通電すると熱を発生し、主基板11及び補強部12に伝達して周辺のタバコ葉を加熱により霧化する。
【0025】
補強部12を設けることで、主基板11を補強するとの作用が奏される。よって、加熱部材1がタバコ葉の挿抜過程で変形又は断裂することによる加熱回路13の接触不良や浮き上がりが効果的に減少し、霧化の効果が最適化される。且つ、補強部12を設けることでタバコ葉の受熱面積が拡大することから、タバコ葉の受熱による霧化がより均一化されて、使用者の口当りが向上する。
【0026】
また、実施例によっては、主基板11は長尺状をなす。言うまでもなく、主基板11は幅が徐々に変化する錐状のプレート又は三角形のプレートとしてもよく、この場合にもヒートスティックの挿入に有利となる。主基板11は、断面が円弧状の長尺プレートとしてもよい。
【0027】
両側辺の補強部12は、それぞれ主基板11の同一側に位置している。通常、補強部12はシート状をなし、主基板11の同一側に曲げ形成される。また、その他の実施例では、補強部12を主基板11に溶接して形成してもよい。補強部12と主基板11の間の夾角は直角としてもよいし、鈍角としてもよく、曲げ形成しやすければよい。
図3、
図4に示すように、その他の実施例において、両側辺の補強部12はそれぞれ主基板11の異なる側に位置してもよい。
【0028】
その他の実施例において、補強部12は帯状としてもよい。帯状の場合、主基板11から外側へ向かう伸出高さは低くなるが、強度を保証できればよい。帯状の補強部12の設置位置と主基板11の間の角度は、シート状の補強部12の場合と同様とすればよい。
【0029】
補強部12をヒートスティックに挿入しやすいよう、補強部12の挿入端A寄りの一端は、加熱部材1の挿入端Aから離間するにつれて幅が徐々に拡大している。これにより、ヒートスティックの挿抜時の力がより小さくて済むほか、加熱部材1の側面に対するタバコ葉の集中を減少させられるため、煤の残留が回避される。
【0030】
補強部12の幅を徐々に変化させることで、側面に主基板11の挿入端Aと滑らかに接続及び移行するガイド面121を形成可能である。これにより、ヒートスティックの挿入時にガイド作用が奏される。好ましくは、ガイド面121は、主基板11の挿入端Aと夾角をなす斜面を形成している。また、ガイド面121は曲面としてもよい。
【0031】
実施例によっては、主基板11と補強部12が一体成型により形成される。好ましくは、主基板11と補強部12は金属を材質とし、スタンピング成形+曲げにより簡単に完成することから、製造コストが抑えられる。また、主基板11と補強部12は、セラミックス等の材質を用いて一体成型するよう焼結により形成してもよい。
【0032】
主基板11と補強部12がステンレス、合金等の金属を材質とする場合、加熱部材1の製造方法は、金属材質のプレート状基材を加工して、シート状の加熱基板を形成するステップと、加熱基板を曲げ成形して、シート状の主基板11と、主基板11の両側辺から外側に延伸するよう設けられる補強部12とを含む加熱基材を形成するステップと、主基板11に加熱回路13を印刷により形成するステップ、を含む。
【0033】
実施例によっては、金属を材質とするプレート状基材の加工に、金型による打ち抜きを採用してもよいし、ワイヤーカット加工を採用してもよい。
【0034】
図5に示すように、更に、加工効率を上げるために、一組の上型2と下型3を提供する。上型2と下型3には、打ち抜き加工部位(図示しない)と成形加工部位Cがそれぞれ設けられている。
【0035】
打ち抜き加工部位は、プレート状基材を打ち抜いてシート状の加熱基板を形成する。
【0036】
成形加工部位Cは、加熱基板を曲げ成形して加熱基材を形成する。
【0037】
なお、上記の各技術的特徴は、制限なく任意に組み合わせて使用することが可能である。
【0038】
以上は本発明の実施例にすぎず、これにより本発明の特許請求の範囲は制限されない。本発明の明細書及び図面の内容を用いて実施される等価の構造又は等価のフローの変更、或いは、その他関連の技術分野における直接的且つ間接的な運用は、いずれも同様の理由で本発明による保護の範囲に含まれる。