(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カメラから前記フィルタスタックアセンブリまでの視線に配置された少なくとも1つの円形偏光フィルタをさらに備え、前記少なくとも1つの円形偏光フィルタは、赤外線画像コントラストを向上させ赤外線ゴースト画像を最小限にするように構成されている、請求項1に記載の光学アセンブリ。
前記ディスプレイアセンブリの第2の縁部は、赤外線フィルタ層を有するバイザーの上縁部に結合され、前記バイザーは、前記フィルタスタックアセンブリに平行に、および、前記ディスプレイアセンブリに垂直に配設されており、前記カメラは、前記フィルタスタックアセンブリを通して受信され前記バイザーで反射された反射の像を取込むように構成されている、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光学アセンブリ。
前記フィルタスタックアセンブリは透明であり、前記カメラは、前記光学アセンブリを収容するヘッドマウントディスプレイにアクセスしているユーザの目の像を取込むように構成されており、取込まれた前記像は、前記フィルタスタックアセンブリを通して視標追跡を行うために、前記光学アセンブリに通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサに提供される、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の光学アセンブリ。
前記カメラは、前記ビームスプリッタフィルタから前記フィルタスタックアセンブリを通っておよび前記表示デバイスを通って受信される反射の像を取込むように構成されている、請求項7に記載のヘッドマウントディスプレイシステム。
前記カメラは、前記ヘッドマウントディスプレイシステムにアクセスしているユーザの目の動きを追跡するために、前記少なくとも1つのプロセッサに画像を提供する、請求項7に記載のヘッドマウントディスプレイシステム。
【発明を実施するための形態】
【0019】
さまざまな図における同様の参照符号は、同様の要素を示す。
詳細な説明
一般に、仮想現実(VR)コンテンツにアクセスすることには、ユーザに、複数のアクセサリまたは没入型VRもしくは拡張現実(AR)環境(それぞれ、VR空間またはAR空間とも呼ばれることがある)を提供するように構成されたコンピューティングデバイスで操作可能なヘッドマウントディスプレイ (HMD)デバイスをユーザに装着させることが含まれる。このようなHMDデバイスは、視標追跡、拡大、偏光、フィルタリング、視力矯正、および/または画像処理を提供する光学部品を含み得る。本開示で説明されるシステムおよび方法は、光学部品を用いて、正確でコンパクトな視標追跡を提供しつつHMDデバイスに収容された光学アセンブリのサイズを減少するという利点を提供することを含み得る。正確でコンパクトな視標追跡は、光学アセンブリの近くに(またはその内部に)配置された少なくとも1つのカメラを使用して提供され得る。1つ(または複数)のカメラは、たとえば、直接、または光学アセンブリ内の他の表面での反射を介して、ユーザの片目または両目の像を取込むことが可能である。取込まれた像は、仮想現実環境および拡張現実環境において視標追跡を実現するために使用可能である。
【0020】
一部の実現例では、本開示で説明されるシステムおよび方法は、折畳まれた光路を使用した光学アセンブリを用いることによって、正確な視標追跡を提供し得る。折畳まれた光路は、目の像を取込む際に助けとなるように、1つ以上の反射要素を使用して実現可能である。反射要素の一例は、偏光子の平面上の、ディスプレイパネル上の、ディスプレイパネルに対向する、または他の態様では本明細書で説明される光学部品内に配置される赤外線(IR)フィルタを含む。反射要素の他の例は、光学アセンブリ内に配置されたプリズム要素を含む。一部の実現例では、反射要素は、偏光子に配置されたIRフィルムなどの部分反射層であり得る。このような反射要素は、フィルタおよび/または光学アセンブリにおいてレンズの真下に配置された赤外線(IR)カメラと組み合わせて使用可能である。
【0021】
一部の実現例では、IRカメラは、レンズを通して目の像を取込み得る。そのような光学アセンブリの構成は、カメラが目の像を取込む角度を小さくできるという利点をもたらし得る。たとえば、同じカメラが光学アセンブリ内の同じ機械的位置から直接目の像を取込み得る例と比較して、IRカメラを小さな角度で配設可能である。レンズを通して目の像を眺めるカメラの配置角度は、カメラがレンズを通して目を眺めない例におけるカメラの配置角度よりも小さい場合がある。これによって、カメラは、光学アセンブリの外側ではなく光学アセンブリの内側に配置されて、光学アセンブリの一部としてHMDデバイスにおいて一体化されたレンズの視野内の像を取込むことが可能になる。
【0022】
また、本開示で説明されるシステムおよび方法は、部分的に光学アセンブリ(折畳まれた光学部品を含む)をHMDデバイスに一体化することに基づいて、HMDデバイスに収容された光学アセンブリのサイズを小さくできるという利点を提供可能である。特に、光学アセンブリのサイズを小さくすることによって、HMDデバイス内の表示空間を減らすことが可能であり、これによって、ユーザが装着したときのHMDデバイスのサイズおよび重量が減少する。HMDデバイスのサイズおよび重量が小さくなると、ユーザを仮想現実環境にさらに一体化させるという利点がもたらされ得る。なぜなら、より軽量および/またはより小さなデバイスを装着することによって、ユーザが仮想現実環境にアクセスしつつHMDデバイスを装着しているという意識が低減され得るからである。HMDデバイスを装着しているという意識が低減することによって、VR空間におけるリアルで没入型の経験が促進され得る。
【0023】
一部の実現例では、IRカメラを、光学要素が前後左右にスライドしてHMDデバイスにアクセスしているユーザにジオプトリー調整を提供することができる光学アセンブリと共に使用可能である。この例では、(たとえば、接合されたプリズム要素を用いて)、IRカメラは、レンズの縁部に光学的に結合可能である。概して、IRカメラをIRフィルタと組み合わせて使用して、ユーザのためにバーチャルコンテンツの改良された映像を提供しつつHMDデバイスにアクセスしているユーザの正確な視標追跡および頭の追跡を行うことが可能である。
【0024】
概して、本明細書で説明されるシステムおよび方法は、光学アセンブリおよび光学的方法を使用して、モバイルコンピューティングデバイスディスプレイと良好にインタラクトおよび一体化するレンズシステムおよび視標追跡システムの利点を利用しつつ、HMDデバイスの厚さを減少させることを含み得る。一部の実現例では、光学アセンブリおよび方法は、(少なくとも1つのアイピースに関して、または、左右のアイピースの各々に関して)少なくとも2つの偏光フィルタスタックを用いて、長い焦点距離拡大レンズとディスプレイパネルとの間の光路を折畳むことが可能である。
【0025】
このようにレンズ表示空間を狭くすることは、HMDデバイスの重心をデバイスを装着しているユーザの頭に近づけるように機能し、ユーザの慣性モーメントを低減することが可能になる。レンズ表示空間が狭くなることによって、さらに、正確な視標追跡を有する、流線型の薄型HMDデバイスになるという美的な利点を提供可能である。
【0026】
一部の実現例では、本開示で説明されるシステムおよび方法は、ハイブリッド光学アセンブリおよび光学的方法を使用して、仮想現実システムのために(たとえば、HMDデバイス内での)コンパクトなニアアイ(near-eye)ディスプレイおよび視標追跡を実現可能である。ハイブリッド光学アセンブリは、2つ以上のフィルタスタックを有する付加的な光学素子を用いるインライン構造を含み得る。これらのフィルタスタックは、偏光子、カメラ、プリズム、レンズなどを含むが、これらに限定されるわけではない。
【0027】
図1を参照すると、仮想現実(VR)システムおよび/または拡張現実(AR)システムは、たとえば、ユーザ103が頭に装着するHMDデバイス102または類似のデバイスを含んで、ユーザが経験する没入型仮想世界を生成可能である。HMDデバイス102は、仮想現実ヘッドセット、眼鏡、1つ以上のアイピース、または、他のVRコンテンツを表示可能なウェアラブルデバイスを表示し得る。動作中、HMDデバイス102は、受信されたおよび/または処理された画像をユーザに対して再生可能なVRアプリケーション(図示せず)を実行可能である。
【0028】
図1は、モバイルコンピューティングデバイス104上のコンテンツとインタラクションを行うユーザと共に、システム100を示す図である。
図1に示す例では、ユーザは、モバイルコンピューティングデバイス104を介してHMDデバイス102に対して、コンテンツ(たとえば、画像、音声、映像、ストリーミングコンテンツなど)をアクセスし得る。一部の実現例では、1つ以上のコンテンツサーバ(たとえば、サーバ106)および1つ以上のコンピュータ可読記憶装置は、ネットワーク110を用いてモバイルコンピューティングデバイス104と通信して、モバイルコンピューティングデバイス104にコンテンツを提供可能である。これによって、コンテンツをHMDデバイス102に供給することができる。コンテンツは、モバイルコンピューティングデバイス104または他のコンピューティングデバイスに格納可能である。
【0029】
図1に示す実現例では、ユーザ103は、HMDデバイス102を装着しており、モバイルコンピューティングデバイス104を手に持っている。現実世界環境におけるユーザの動きは、モバイルコンピューティングデバイス104側のセンサおよびソフトウェアを用いて仮想世界環境における対応する動きに変換され得る。一部の実現例では、モバイルコンピューティングデバイスは、HMDデバイス102にインターフェース/接続可能である。一部の実現例では、モバイルコンピューティングデバイス104は、VRおよび/またはARアプリケーションを実行可能である。
【0030】
モバイルコンピューティングデバイス104は、VRおよび/またはAR環境でコンピュータによって生成された3D環境とインターフェースで接続可能である。これらの実現例では、HMDデバイス102は、スクリーン105、少なくとも1つのディスプレイパネル107、および少なくとも1つの光学アセンブリ111を含む。少なくとも1つの光学アセンブリ111は、少なくとも1つのレンズ112、フィルタスタック114、フィルタスタック116、およびカメラ118a(または118bまたは118c)を含む。レンズ112は、HMDデバイスを装着しているユーザがコンテンツを適切に眺められるように、スクリーン105によって提供される画像を変更するように提供され得る。たとえば、レンズ112は、HMDデバイスを装着しているユーザの目にレンズを通して光が提供される位置を変更するように構成され得る。レンズ112は、目が画像を正確に眺められるように、レンズで受信されレンズからユーザの目に提供される光の角度の変更および/または修正が可能である。たとえば、レンズ112は、ユーザの目の奥のただ1つの点に光を集めて、特定の画像を焦点を合わせた状態に維持可能である。
【0031】
フィルタスタック114および116は、表示デバイス(たとえば、筐体スクリーン105)からフィルタスタック114において受信された光の光路を折畳むように設けることができる。折畳まれた光路は、カメラがレンズ112の視野内で目の像を取込むことが可能な角度でユーザの目の像を取込むために、カメラを配置可能であるという利点を提供し得る。
【0032】
本明細書で説明するように、それぞれのフィルタスタック114および116は、HMDデバイス102内の各アイピースのために光学アセンブリに含まれ得る。一部の実現例では、フィルタスタック114および116は、組合わされてただ1つのフィルタスタックになり得る。一部の実現例では、他の光学要素を、フィルタスタック114および/またはフィルタスタック116の間に配設可能であり、これらに被覆可能であり、これらに積層可能である、または他の態様ではこれらに結合もしくは貼付け可能である。
【0033】
本明細書で説明される様々な実現例では、特定の光学アセンブリ内の異なる場所に配置されたカメラが使用される。したがって、カメラ118aの配置は、カメラ118bまたはカメラ118cによって示される配置を含むように変更可能である。他のカメラ配設場所も可能であり、それらのうちの一部は、本明細書で説明される様々な他の図に示されている。
【0034】
図1に示すように、少なくとも1つのカメラ118a(または118bまたは118c)は、デバイス102において光学アセンブリ111の一部として配置可能である。カメラ118aはたとえば、赤外光に対して感度を有し、HMDデバイス102にアクセスしているユーザの片目または両目のIRビューを取込むように構成されたIRカメラでもよい。特に、カメラ118aは、(たとえば線120によって示す)目の反射の像を取込むように配置可能であり、そこで、カメラ118aによって取込まれる画像を形成する光が、レンズ112を通過しフィルタスタック116で反射される。したがって、IRカメラ118aは、矢印122で示すように、仮想現実レンズ112の実際の視野内でユーザの目を撮像可能である。
【0035】
モバイルコンピューティングデバイス104は、たとえば、スマートフォンなどの携帯電子デバイスでもよい、または、たとえば有線接続またはWi−Fiもしくはブルートゥース(登録商標)接続などの無線接続を介して、HMDデバイス102と動作可能に組にしてもよい、または、これと動作可能に結合してもよい、かつ、これと通信してもよい他のポータブルハンドヘルド電子デバイスでもよい。このように対にすることまたは動作可能に結合することによって、モバイルコンピューティングデバイス104とHMDデバイス102との間でデータの通信および交換が可能になる。代替的に、サーバデバイス106またはローカルコンピュータ108(またはユーザがアクセス可能な他のデバイス)は、ネットワーク110を介してHMDデバイス102を制御するように機能し得る。
【0036】
一部の実現例では、HMDデバイス102は、1つ以上の高速有線および/または無線通信プロトコル(たとえば、Wi−Fi、ブルートゥース、ブルートゥース低エネルギー(LE)、ユニバーサルシリアルバス(USB)、USB3.0、USB Type−Cなど)を用いて、モバイルコンピューティングデバイス104(または他のデバイス106、108など)と接続/通信可能である。さらに、または代替的に、HMDデバイス102は、高品位マルチメディアインターフェース(HDMI、登録商標)などの音声/映像インターフェースを用いて、モバイルコンピューティングデバイスと接続/通信可能である。また、一部の実現例では、HMDデバイス102に含まれるスクリーン上でユーザに対して表示されるコンテンツは、デバイス106および/または108に含まれ得る表示デバイス上で表示され得る。これによって、ユーザがVRおよび/またはAR空間内でインタラクションし得るものを他の人が見ることができる。
【0037】
システム100の例では、デバイス104、106、および108は、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、モバイルコンピューティングデバイス、またはゲーム機を含み得る。一部の実現例では、デバイス104は、HMDデバイス102内で配設(たとえば、配置/位置決め)可能なモバイルコンピューティングデバイスであり得る。モバイルコンピューティングデバイス104は、たとえば、HMDデバイス102のためのスクリーン105として使用可能な表示デバイスを備え得る。デバイス102、104、106、および108は、VRおよび/またはARアプリケーションを実行するためのハードウェアおよび/またはソフトウェアを含み得る。さらに、デバイス102、104、106、および108は、これらのデバイスがHMDデバイス102の前方に配置されている、または、デバイス102に対する位置の範囲内で保持されている場合、HMDデバイス102の3D移動を認識、監視、追跡可能なハードウェアおよび/またはソフトウェアを含み得る。一部の実現例では、デバイス104、106、および108は、ネットワーク110を介してHMDデバイス102に付加的なコンテンツを提供可能である。一部の実現例では、デバイス102、104、106、および108は、ネットワーク110を通じて対にされたまたは接続された各々の1つ以上と接続/インターフェースで接続可能である。このような接続は、有線でも無線でもよい。
【0038】
一部の実現例では、ネットワーク110は、公共通信ネットワーク(たとえば、インターネット、セルラーデータネットワーク、電話ネットワークを介したモデムなど)、または、プライベート通信ネットワーク(たとえば、プライベートLAN、専用回線など)でもよい。一部の実現例では、モバイルコンピューティングデバイス104は、1つ以上の高速有線および/または無線通信プロトコル(たとえば、802.11シリーズ、Wi−Fi、ブルートゥース、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)、イーサネット(登録商標)、IEEE802.3など)を用いてネットワーク110と通信可能である。
【0039】
システム100は、電子記憶装置を含み得る。電子記憶装置は、電子的に情報を格納する非一時的記憶媒体を含み得る。電子記憶装置は、取込んだ画像、取得した画像、前処理を行った画像、後処理を行った画像などを格納するように構成され得る。
【0040】
図2は、光学アセンブリ200の例を示すブロック図である。光学アセンブリ200は、VRおよび/またはARコンテンツへのアクセス用のHMDデバイスの一部として設置可能である。
図2に示すように、ユーザの目202は光学アセンブリ200の左側にシミュレートされており、表示パネル204は、光学アセンブリ200の右側に示されている。一部の実現例では、光学アセンブリ200を、左右のアイピースの各々のために備えることが可能である。一部の実現例では、光学アセンブリ200は、ただ1つのアイピースに含まれ得る。
【0041】
光学アセンブリ200は、表示パネル204と、ビームスプリッタ(図示せず)を含む第1のフィルタスタック206と、第2のフィルタスタック208と、レンズ210とを含む。光学アセンブリ200は、表示パネル204によって提示される(たとえばスクリーン105からの)光の光路を折畳むように機能し得る。たとえば、フィルタスタック206および208を介して送信される光の光路は、2つのフィルタスタック206と208との間で2回以上折畳まれる。この例では、フィルタスタック208は、フィルタスタックの直線偏光子の一方の側面に赤外線(IR)フィルタ215を含み得る。フィルタ215は、フィルタスタックおよびレンズを通って目までの光の光路を折畳むように機能し得る。たとえば、本明細書で説明されるシステムは、フィルタスタック(たとえば、フィルタスタック208)上のIRフィルタ(たとえば、フィルタ215)を有する折畳まれた光路を使用して、視標追跡を行うことができる。一例では、フィルタ215は、レンズ210に面するスタック208内で偏光子の一側面に被覆され得る。
【0042】
また、光学アセンブリ200は、カメラがレンズを通してユーザの目202の像を取込むことができるように、レンズの真下または側に配置されたカメラ212を含み得る。本開示を通して説明される図示された例では、カメラは、レンズの視野内のユーザの目のIR画像を取込むように配置されたIRカメラでもよい。カメラ212の配置によって、HMDデバイスを典型的なHMDデバイスに対してより小さな実装面積で作ることが可能になる一方で、確実に正確な視標追跡能力を維持し得る。カメラ212が目の像の反射を取込むように、カメラ212をレンズの真下に(たとえば、レンズの底面に隣接して)配置することによって、実装面積を小さくすることが可能である。これによって、カメラの視野を遮るという懸念を生じることなく、および、ユーザが見える場所にカメラを配置するという懸念を生じることなく、アセンブリ200内の他の光学部品をより小さな横方向の実装面積に設けることが可能である。
【0043】
IRフィルタ215は、フィルタスタック208の一側面に薄く積層された複数の層を含む光学フィルタでもよい。IRフィルタ215は、光を反射して画像を減衰または向上させるように動作可能である。たとえば、フィルタ215は、光を反射して、カメラ212にユーザの目の向上された像を取込ませることができる。一例では、IRフィルタ215の材料は、たとえば、セレン化亜鉛(ZnSe)の基板に被覆されたニッケル(または、他の反射材料)の組合せを含み得る。
【0044】
光学アセンブリ200の一例は、レンズ210の底面に隣接して配置されたカメラ212を含み得る。カメラ212をレンズ210の下方におよびわずかに左側に示しているが、他のカメラ場所も可能である。たとえば、カメラ212は、カメラ212がIRフィルタ215からの目202の像の反射を取り込める場所で、レンズ210の下方に配置可能である。一例では、反射を取込むようにカメラを配置可能であり、レンズ210の光軸に対して傾斜が可能、または、これに対して約0度〜約45度の角度を付けることが可能である。角度214は、光路220によって示すように、カメラ212がレンズ210を通してフィルタ215からの目202の像の反射を取込むことが可能な一例を示す。たとえば、カメラ212の(レンズ210の頂点222から底部224まで画成される)垂直位置は、目202の像の反射が(たとえば、フィルタスタック208に被覆された)IRフィルタ215から反射可能になるように選択できる。
【0045】
一部の実現例では、レンズ210は、約7ミリメートル〜約11ミリメートルの厚さ216を有し得る。一部の実現例では、レンズ210は、約9ミリメートル〜約10ミリメートルの厚さ216を有し得る。一部の実現例では、レンズ210は、約35ミリメートル〜約45ミリメートルの直径を有し得る。一部の実現例では、レンズ210は、約40ミリメートル〜約50ミリメートルの直径を有し得る。一部の実現例では、射出瞳距離218は、約15ミリメートル〜約17ミリメートルであり得る。一部の実現例では、射出瞳距離218は、約13ミリメートル〜約18ミリメートルであり得る。一部の実現例では、射出瞳距離218は、約12ミリメートル〜約14ミリメートルであり得る。一部の実現例では、射出瞳距離218は、約17ミリメートル〜約21ミリメートルであり得る。一部の実現例では、レンズ210の非球面処方調製は、約98.1ミリメートルのr1値を含み、3.69のk1の値を有し得る。また、レンズ210は、約41.7ミリメートルのr2値と約−4.8のk値とを有し得る。また、レンズ210は、約1.1×10
−5のr4値と約4.5×10
−9のr6値とを有し得る。他の処方調製も可能である。概して、r値(たとえば、r1、r2、r4、およびr6)は、レンズ210に関する径方向座標値の例を示す。これらの値は、レンズ210の光軸から鉛直方向に距離を測定することによって得られ得る。k値(たとえば、k1)は、レンズ210に関する円錐定数を示し得る。
【0046】
一例では、光学アセンブリ200は、ユーザ(たとえば、ユーザ103)が装着するインタラクティブなHMDデバイス(たとえば、デバイス102)を含むシステムに設置可能である。インタラクティブなHMDデバイスは、画像投影デバイス(たとえば、デバイス104)と光学アセンブリ(たとえば、200)とを収容するように適合可能である。一部の実現例では、画像投影デバイスは、モバイルコンピューティングデバイス上のディスプレイを含む。一部の実現例では、ディスプレイは、有機発光ダイオード(OLED)であり得る。他の実現例では、ディスプレイは、液晶ディスプレイ(LCD)であり得る。さらに他の実現例では、ディスプレイは、リキッドクリスタルオンシリコン(LCOS)ディスプレイを含む反射ディスプレイであり得る。以下で詳細に説明するように、他の表示技術も使用可能である。
【0047】
光学アセンブリ200は、少なくとも1つの屈折レンズ210を含み得る。一部の実現例では、少なくとも1つの屈折レンズ210は、約30ミリメートル〜約50ミリメートルの焦点距離を有し得る一方で、レンズとディスプレイとの間の距離は、2つのフィルタスタック206および208が光学的に折畳まれるため、約13ミリメートル〜約20ミリメートルであり得る。一部の実現例では、光学アセンブリ200は、複数の屈折レンズまたはレンズアレイを含み得る。
【0048】
一部の実現例では、光学アセンブリ200は、HMDデバイスに設置されるように構成されたヘッドマウントディスプレイアセンブリであり得る。アセンブリ200は、HMDデバイスの少なくとも1つのアイピースに画像コンテンツを表示するように動作可能な画像投影デバイス(たとえば、表示パネル204)を含み得る。たとえば、アセンブリ200を、HMDデバイス102の片目または両目について設置可能である。光学アセンブリ200は、ビームスプリッタ層で被覆された少なくとも1つの表面を含む第1のフィルタスタック206と、反射要素で被覆された少なくとも1つの表面を含む第2のフィルタスタック208と、少なくとも1つのスライド可能な(または固定された)レンズ210と、少なくとも1つのスライド可能な(または固定された)レンズ210を通過した反射の像を取込むように構成されたカメラ214とを備え得る。
【0049】
一部の実現例では、アセンブリ200は、カメラ、反射要素(たとえば、IRフィルタ215)またはプリズム814、および少なくとも1つのレンズを収容する(HMDデバイス102上に示すような)フレームを含み得る。フレームは、第1の軸(たとえば、x−y面における水平方向x軸)に沿って直線状に、および、第1の軸のある点の周囲で周方向にスライド可能である(たとえば、軸上のある点を中心とした弓状の運動)。一部の実現例では、反射要素は、(たとえば、215、316、412、609、および711で示す)赤外線(IR)フィルタ被覆層である。一部の実現例では、反射要素は、プリズム(たとえば、814で示す)を含み得る。
【0050】
一部の実現例では、
図11に示すように、1つ以上の発光ダイオードを、少なくとも1つのレンズを取り囲む縁部に配置可能である。1つ以上の発光ダイオードは、アセンブリ200にアクセスしているユーザの目(たとえば、目202)に光を向けるように構成され得る。反射要素は、反射要素における目からの光の一部を受信し、カメラ212に当該一部の波長を反射するように構成可能である。
【0051】
一例では、第1のフィルタスタック206を、第2のフィルタスタック208に隣接させることが可能であり、レンズ210と表示パネル204との間で積層配列に構成可能である。一部の実現例では、第1のフィルタスタック206は、表示パネル204と第1の四分の一波長板304との間に積層された第1の直線偏光子302を含む。第1の四分の一波長板は、第1の直線偏光子302とビームスプリッタ306との間で積層され得る。同じ例で、第2のフィルタスタック208は、ビームスプリッタ306の後で積層された第2の四分の一波長板308との間に積層された偏光ビームスプリッタ310を含み得る。偏光ビームスプリッタ310は、第2の四分の一波長板308と第2の直線偏光子312との間に積層され得る。第2の直線偏光子312は、レンズ210に面する反射要素316で被覆可能である。
【0052】
第1のフィルタスタック206のアセンブリの例は、第1の直線偏光子と、アセンブリ内で第1の四分の一波長板に対する被覆層として塗布されたビームスプリッタ層とを含み得る(
図3に詳細に示す)。第1のフィルタスタック206は、画像投影デバイスから受信した光のフィルタリングを行う(たとえば、偏光に基づいて選択的に光を伝える)ように動作可能である。一部の実現例では、四分の一波長板を、広帯域で好適に機能して、使用される光の波長から独立して一定の位相変化を提供するように設計可能である。波長独立性は、2つの異なる複屈折結晶材料を使用することによって得ることができる。波長域にわたる遅延の相対的な移行(すなわち、分散)は、使用される二つの材料間でバランスを取ることが可能である。第2のフィルタスタック208は、四分の一波長板、偏光ビームスプリッタ(たとえば、偏光の影響を受けやすいビームスプリッタ)、およびアセンブリ内の直線偏光子を含み得る(
図3に詳細に示す)。第2のフィルタスタック208は、赤外線フィルタ316を使用して光路を折畳むように動作可能である。
【0053】
また、一部の実現例では、光学アセンブリ200は、画像投影デバイス(たとえば、モバイルコンピューティングデバイス104)から画像コンテンツを受信するように適合された表示パネルを含む。また、一部の実現例では、光学アセンブリ200は、画像投影デバイス上での表示用の画像コンテンツを処理するための少なくとも1つのプロセッサを含む。特に、
図1に関して説明したように、画像コンテンツは、1つ以上のプロセッサ、コンピュータ、他のリソースによって提供可能であり、画像投影デバイス(たとえば、モバイルコンピューティングデバイス104など)を使用して表示、保存、および/または修正可能である。さらに、1つ以上のプロセッサは、カメラ212と関連する(たとえば、カメラ212によって取込まれた)画像コンテンツの取込み、アップロード、ダウンロード、送信、および/または受信を行う内蔵された光学アセンブリ200であり得る。
【0054】
図3は、
図2に示す光学アセンブリ200を通して送信された光の偏光経路300の例を示す図である。ここで、フィルタスタック206および208は、表示パネル204とレンズ210との間に配設して示されている。カメラ212が、レンズ210を通してユーザの目(レンズ210の左側には示されていない)の反射の像を取込むように、レンズ210の下方に示されている。
【0055】
非制限的な一例では、第1のフィルタスタック206は、第2のフィルタスタック208に結合されており、他の要素と積層された配置になるように構成されている。そのような積層配列の一例は、表示パネル204に隣接し、かつ、第1の四分の一波長板304に隣接して積層された第1の直線偏光子302を含み得る。第1の四分の一波長板304には、平面308の第1の側面で第2の四分の一波長板308のそばに積層されたビームスプリッタ層306が積層または被覆されている。第2の四分の一波長板308の第2の側面は、第2の直線偏光子312のそばで積層された偏光ビームスプリッタ310のそばに積層されている。第2の直線偏光子312は、少なくとも1つの屈折レンズ210に隣接している。
【0056】
一部の実現例では、ビームスプリッタ層306は、第1のフィルタスタック206上に部分ミラー被覆層を含む。ビームスプリッタ層306は、約50パーセントのスプリット比でビーム/光線をスプリットするように動作可能である。一部の実現例では、ビームスプリッタ層306は、約50パーセントのビームスプリット比で行うことが可能であり、ディスプレイが直線状に偏光している場合は約25パーセントの最大透過率を有し得、ディスプレイが偏光されていない場合は約12.5パーセントの最大透過率を有し得る。一部の実現例では、ビームスプリッタ層306は第1のフィルタスタック206に含まれておらず、フィルタスタック206とフィルタスタック208との間の独立型デバイスである。
【0057】
一部の実現例では、第2のフィルタスタック206は、画像投影デバイスがLCDディスプレイなどの非放射ディスプレイを含む場合、直線偏光子302を含まずに構成される。たとえば、一般にLCDディスプレイは直線状に偏光された出力を行うため、直線偏光子302は含まれていなくてもよい。他の実現例では、直線偏光子312が含まれており、一側面(
図3のLP−IIの左手側)でIRフィルタ316で被覆されている。
【0058】
一部の実現例では、フィルタスタック208の直線偏光子312は、ユーザの顔からの(すなわち、ディスプレイ光によって照射された)散乱光が偏光ビームスプリッタ310によって直接反射されることがないように含まれた光学要素である。そのような反射は、視聴経験に悪影響を及ぼす場合があり、そのため、これを阻止する要素を含むことによって、ユーザの視聴経験が改善される。
【0059】
図2および
図3に示す構成要素は、光が構成要素のうちの1つ以上に導入されると、任意の数の可能な偏光経路を提供可能である。偏光経路300の一例は、直線偏光子302によって直線状に偏光される(モバイルコンピューティングデバイス104からの)照射光を受信する表示パネル204を含み得る。光は、45度の角度で配置され得る四分の一波長板304を通過した後で、円形に偏光され始め得る。たとえば、第1の四分の一波長板は、第1のフィルタスタック206の長手方向縁部に対応する垂直面から約45度で配設され得る。その後、光はビームスプリッタ306によって部分反射されて、円形偏光の施光性を変更する。円形に偏光した光を回転させて直線状に偏光した光に戻す四分の一波長板308に光を渡すことができる。
【0060】
偏光ビームスプリッタ310の通過状態に直交する、直線状に偏光した光は、四分の一波長板308を通って戻った後で再び、これによって反射可能であり、かつ、円形に偏光可能である。四分の一波長板308を三度目に(地点314で)通過した後で、光は直線状に偏光され、偏光ビームスプリッタ310の通過状態に平行になり得る。透過光は、他の光学直線偏光子312を通過した後で、レンズ/レンズ210の集合によって屈折されて、HMDデバイスのアイピースおよびユーザの目に提示される虚像を形成可能である。
【0061】
一部の実現例では、ヘッドマウントディスプレイアセンブリの光学要素は、画像コンテンツをヘッドマウントディスプレイアセンブリの少なくとも1つのアイピースに表示するように動作可能な画像投影デバイスを含む、または収容することが可能である。光学アセンブリは、少なくとも1つのレンズと、少なくとも1つのレンズと画像投影デバイスとの間の第1のフィルタスタックとを備え得る。第1のフィルタスタックは、ビームスプリッタ層で被覆された少なくとも1つの表面を含み得る。光学アセンブリはまた、第1のフィルタスタックと画像投影デバイスとの間の第2のフィルタスタックを含み得る。第2のフィルタスタックは、少なくとも1つのレンズに面する反射要素で被覆された少なくとも1つの表面を含み得る。光学アセンブリは、少なくとも1つのレンズを通して反射の像を取込むように構成された、少なくとも1つのレンズの真下に配設されたカメラを備え得る、またはこれに結合し得る。
【0062】
非制限的な例として、フィルタスタック208は独立型であり得る、または、正面屈折レンズ(またはレンズの集合)に接合可能である。同様に、フィルタスタック206は、独立型であり得る、または、表示パネル204の一体層であり得る。一部の実現例では、フィルタスタックの構成は、直交する直線偏光子302および直線偏光子312の軸を含む。同様に、第1の四分の一波長板304および第2の四分の一波長板308の軸は、直交し得る。任意の数の層、偏光子、スプリッタ、もしくは板を追加可能である、または、フィルタスタック206および/もしくは208から取り外し可能である。
【0063】
図4は、ハイブリッド光学アセンブリ400の例を示すブロック図である。ハイブリッド光学アセンブリ400は、2つのフィルタスタック406と410との間に1つ以上の光学要素を含み得る。ハイブリッド光学アセンブリ400は、2つのフィルタスタック406と410との間に挿入されたレンズの曲面にビームスプリッタ層を追加で配置し得る。ハイブリッド光学アセンブリ400を使用する利点は、含まれる光学要素からの光学収差が少ないこと、および、視聴者がより低いディスプレイ画素を解像可能な正の鏡面が使用されることを含み得る。
【0064】
一部の実現例では、ハイブリッド光学アセンブリ400を収容するHMDデバイス内の表示空間は、表示パネルが軸方向にずれるときに、焦点の調節を改良可能なテレセントリシティを提供し得る。この構成では、表示パネルの1つ以上が焦点調節のために軸方向にずれる場合、像の拡大および歪みが一定のままであり得る。
【0065】
そのようなアセンブリ400は、HMDデバイス内のレンズ表示空間を大幅に低減可能である。たとえば、レンズ表示空間は、モバイルコンピューティングデバイスを利用したHMDデバイスによって使用される典型的なレンズ表示空間の約60パーセント〜約70パーセントまで低減可能である。非制限的な一例では、レンズ表示空間は、約39ミリメートル〜約13ミリメートルに低減可能である。他の例では、レンズ表示空間は、約39ミリメートル〜約13.5ミリメートルに低減可能である。他の非制限的な例では、レンズ表示空間は、約39ミリメートル〜約12.48ミリメートルに低減可能である。他の非制限的な例では、レンズ表示空間は、約45ミリメートル〜約15.75ミリメートルに低減可能である。他の非制限的な例では、レンズ表示空間は、約40ミリメートル〜約16ミリメートルに低減可能である。他の非制限的な例では、レンズ表示空間は、約40ミリメートル〜約13ミリメートルに低減可能である。
【0066】
図4に示すように、ユーザの目402が光学アセンブリ400の左側にシミュレートされている一方で、表示パネル404は、光学アセンブリ400の右側に示されている。光学アセンブリ400は、第1のフィルタスタック406と、内蔵されたビームスプリッタ層(図示せず)を含む湾曲レンズ408と、IRフィルタ被覆層412およびレンズ414を有する第2のフィルタスタック410とを備える。
【0067】
一部の実現例では、レンズ414は、左右のアイピースの各々のために光学アセンブリに含まれ得る。レンズ414は、フィルタスタック410に隣接してHMDデバイスに配設されてもよく、画像投影デバイス/モバイルコンピューティングデバイスにおいて生じ、光学アセンブリを通過してフィルタスタック410に向かう画像コンテンツを受信するように適合されてもよい。
【0068】
光学アセンブリ400は、表示パネル404によって提示されフィルタスタック406および410を通過する光の光路を折畳むように機能し得る。この例では、折畳まれた光路の例を光路416で示す。図示された例では、湾曲レンズ408は、表示画素を解像するように構成された正の鏡面を含むビームスプリッタ被覆層を含み得る。レンズ408は、凹面がフィルタスタック410に面し凸面がフィルタスタック406に面するように配設可能である。一部の実現例では、光学アセンブリ400は、表示面上の光線束の平均角度が垂直に近くなるとテレセントリックになり得る。
【0069】
赤外線カメラ418は、IRフィルタ412を通してユーザの目の反射の像を取込むと示されている。カメラ418は、線420に沿って任意の場所に配置可能である。カメラ418は、光路422の例で示すように、ユーザの目402の像を取込むことが可能である。
【0070】
図5は、
図4に示すハイブリッド光学アセンブリ400を通して送信された光の偏光経路500の例を示す図である。ここで、フィルタスタック406および410は、表示パネル404とレンズ414との間に配設されている。
【0071】
一例では、第1のフィルタスタックは、レンズ414に面するIRフィルタ層412を有する直線偏光子を含む。IRフィルタ層412は、(たとえば、レンズ414を通して)ユーザの視野におけるユーザの目の反射の像を取込むためにカメラ418によって使用可能である。
【0072】
一例では、第1のフィルタスタック406は、第2のフィルタスタック410に結合され、他の構成要素と積層配列に構成されている。そのような積層配列の一例は、表示パネル404に隣接し第1の四分の一波長板504の隣の第1の直線偏光子502を含み得る。第1の四分の一波長板504は、第2の四分の一波長板506に隣接して積層された湾曲レンズ408に隣接して積層されている。第2の四分の一波長板506は、第2の直線偏光子510に隣接して積層された偏光ビームスプリッタ508に隣接して積層されている。第2の直線偏光子510は、少なくとも1つのレンズ414に隣接する。
【0073】
概して、レンズ408および414は、非回転対称であり得る。非回転対称レンズ408および414は、システムがもはや回転対称であろうとなかろうと、有益となり得る。たとえば、システムは、ディスプレイが2つの直交子午線で(たとえば、円柱形状、サドル形状など)異なる態様で湾曲している場合、もはや回転対称ではなくなっている。一部の実現例では、非回転対称レンズの使用は、収差のバランスをとって視野にわたって均一の像質を得ることができるという利点をもたらし得る。一部の実現例では、レンズ414は屈折レンズであり得る。一部の実現例では、複数のレンズまたはレンズアレイが、レンズ414に取って代わり得る。
【0074】
図4および
図5に示す構成要素は、これらの構成要素を通して送信される任意の数の光の可能な偏光経路を提供し得る。偏光経路500の一例は、直線偏光子502によって直線状に偏光されるべき光を発する表示パネル404を含み得る。光は、45度の角度で配置され得る四分の一波長板504を通過後に、円形に偏光され始め得る。たとえば、四分の一波長板504は、第1のフィルタスタック406の長手方向縁部に一致する垂直面に対して約45度で配設され得る。光は、円形偏光の施光性を右から左に変更可能な湾曲レンズ408によって部分的に反射され得る。光は、円形に偏光された光を回転させて直線状に偏光された光に戻すことが可能な四分の一波長板506まで通過させることが可能である。
【0075】
偏光ビームスプリッタ508の通過状態に直交し得る直線状に偏光された光は、四分の一波長板506を通過して戻った後で、再び反射され、円形に偏光し始め得る。四分の一波長板506を3度目に(場所512において)通過した後で、光は直線状に偏光し始め得、偏光ビームスプリッタ508の通過状態に平行になり得る。透過光は、他の光学直線偏光子510を通過した後で、レンズ/レンズ412の集合によって屈折し得、HMDデバイスのアイピースおよびユーザの目に提示されるべき虚像を形成し得る。カメラ418は、直線偏光子510で反射されたユーザの目の像を取込むことが可能である。取込まれた像は、視標追跡によって特定のコンテンツまたはそのようなコンテンツの構成をユーザの目に対して提供するために使用可能である。
【0076】
図6は、可変傾斜光学アセンブリ600のブロック図である。可変傾斜は、光学アセンブリ600内のフィルタスタックの1つ以上を傾斜させるまたはそれらの向きを変えることを表し得る。代替的に、傾斜は、光学アセンブリ600内のフィルタスタック付近に収容された表示パネルを傾斜可能であることを表し得る。一部の実現例では、傾斜は、1つの以上のフィルタスタックの表示パネルおよび/またはレンズに対する角度関係に基づき得る。
【0077】
図6に示すように、ユーザの目602は、光学アセンブリ600の左側にシミュレートされており、表示パネル604は、光学アセンブリ600の右側に示されている。光学アセンブリ600は、表示パネル604と、ビームスプリッタ(図示せず)を含む第1のフィルタスタック606と、第2のフィルタスタック608とを含む。また、光学アセンブリ600は、フィルタスタック608に隣接するレンズ610を含む。光学アセンブリ600は、表示パネル604によって提示されフィルタスタック606および608を通過する光の光路を折畳むように機能し得る。この例では、折畳まれた光路の例は、光路612、614、616、618、および620によって示されている。
【0078】
光学アセンブリ600は、
図2および
図3について説明された構成要素を含み得る。そのため、光学アセンブリ600は、傾斜可能な光学アセンブリ200に関する例を提供し得る。この例では、レンズ610の光軸に対して角度622で表示パネル604を傾斜させることによって、前面偏光フィルタスタック(たとえば、フィルタスタック608)の表面とフィルタスタック606上に被覆されたビームスプリッタ面との間に可変空間を生成可能である。動作中、左右の表示領域の各々のための表示パネルは、表示パネルの角部または縁部がさらに外側になるように傾斜可能であり、これによって、特別に成形されたHMDディスプレイを作る必要なしに、先端の間隙を大幅に増加させるという利点をもたらし得る。傾斜はさらに平行移動効果も有し得、(各々の目のために)2つの表示パネル間の中央間隙を増大させる。また、一部の実現例では、2つのディスプレイを傾斜させることによって、HMDデバイスがユーザの顔に対して良好に形成され易くなり、最終的に、コンパクトで魅力的な外観の工業デザインが可能になる。
【0079】
また、図示するように、フィルタスタック606および/または608は、表示パネル604をそのような角度に一致させるように移動可能な角度624を形成するように調節(たとえば、傾斜)可能である。一部の実現例では、フィルタスタック606は、表示パネル604をそのような角度に一致させるように移動可能な角度626を形成するように調節可能である。
【0080】
フィルタスタック606および608は、HMDデバイスのためのニアアイディスプレイシステムアセンブリの一部でもよい。たとえば、スタック606および608は、レンズ610および表示パネル604と共に、ユーザが装着するヘッドマウントディスプレイに収容可能である。フィルタスタック606および608は、画像コンテンツをHMDデバイスの左右のアイピースの各々に提供可能な1つ以上の光学アセンブリの部品であり得る。フィルタスタック606は、第1の方向(たとえば、HMDデバイスのアイピースに向かって0〜約12.5度)を向くように動作可能である。フィルタスタック606は、ビームスプリッタ層で被覆された少なくとも1つの面を含み得る。ビームスプリッタ層は、表示パネル604から離れてフィルタスタック608に面し得る。フィルタスタック608は、第2の方向(たとえば、HMDデバイスのアイピースに向かって0〜約12.5度)を向くように動作可能である。
【0081】
一部の実現例では、フィルタスタック606を表示パネル604に直接接合して、0度フィルタ角度を提供可能である。一部の実現例では、フィルタスタック608を表示パネル604に直接接合して、0度フィルタ角度を提供可能である。図示するように、フィルタスタック608は、上述のIRフィルタに類似したIRフィルタ層609を含む。
【0082】
一部の実現例では、フィルタスタック606は、表示パネル604の表面に沿って平面の接線方向から約0〜約12.5度の角度で第一方向を向くように適合可能である。フィルタスタック608は、表示パネルの平面の接線方向から約0〜約12.5度の角度で第2の方向に傾斜するように適合可能である。方位/傾斜のうち1つまたは双方は、表示パネルがニアアイディスプレイシステムの光軸に対して垂直に配置されるように、表示パネルをHMDデバイス(図示せず)の下縁部の平面の接線方向から約0〜約25度傾斜させることに応じて起こり得る。
【0083】
選択された第1および第2の角度は、互いに関係し得、表示パネルが傾斜する角度に基づいて選択し得る。一例では、ディスプレイ604は傾斜しており、ユーザによって選択された角度でHMDデバイスに収容されている。表示パネルは、たとえば、第2の方向を向くように適合可能である。
【0084】
概して、表示パネル604を傾斜させることは、表示パネル604をHMDデバイス内でHMDデバイスの基部に垂直に設けること、および、表示パネル604の上縁部を左右のアイピースの各々に対応して光学アセンブリに向けて(すなわち、フィルタスタック606および608のどちらかまたは双方に向けて)角度を付けることを含み得る。概して、光学アセンブリは、左右のアイピースの各々のために、少なくとも1つの固定レンズを含む。一部の実現例では、当該左右のアイピースの各々のための少なくとも1つの固定レンズは、フィルタスタック608に隣接してHMDデバイスに配設され、画像投影デバイスにおいて発生し光学アセンブリを通過してフィルタスタック608に向かう画像コンテンツを受信するように適合されている。
【0085】
一部の実現例では、表示パネル604を傾斜させることは、視野の外側の像アーチファクトを移動させることによってニアアイディスプレイシステムの視野を修正することになり得る。そのような修正は、光学アセンブリ内の迷光によって生じるゴースト像がHMDデバイスを装着しているユーザの視線の外側に具合良く位置することを確実にすように作用可能である。さらに、表示パネル604は、HMDデバイスを装着しているユーザのために画面焦点を維持するように傾斜可能である。
【0086】
一部の実現例では、フィルタスタック406および410は、物体平面に垂直な光軸を維持して光学システムを軸上に保つために、互いに関係を維持するように適合されている。たとえば、アセンブリ400では、表示パネルの傾斜角度は、2つのフィルタ間の相対傾斜角度の2倍でもよい。非制限的な一例では、フィルタスタック406および410は、表示パネル604を約0〜約25度傾斜することに応じて、0〜約12.5度傾斜するように適合可能である。
【0087】
一部の例では、アセンブリ600はカメラ628を含み得る。カメラ628は、IR被覆層609と共に作用するように適合された赤外線カメラであり得る。カメラ628は、被覆層609ではね返ったIR反射画像を取込むことが可能である。これらの像は、ユーザの目の動きまたはユーザの目の位置の変化を示す、被覆層609からの反射であり得る。一部の実現例では、カメラ628はまた、ユーザの表情の変化の画像も取込むことが可能である。
【0088】
カメラ628は、たとえば、光学アセンブリ600を保持するHMDデバイスのベース位置からレンズ610の底縁部まで配置可能である。カメラ628は、角度630によって示すように、水平面(たとえば、光学アセンブリ600の底縁部によって示す)に対して約0度から、水平面に対して約45度まで角度を付け得る。角度630は、フィルタスタック606および608の1つまたは双方の動きに従って変更し得る。たとえば、フィルタスタック608が(図示するように目602に向かう代わりに)目602から離れるように傾斜している場合、カメラ628は、IRフィルタ609で反射する像を取込むように、約45度〜約60度よりも大きな角度で配置可能である。
【0089】
図7は、他の可変傾斜光学アセンブリ700のブロック図である。光学アセンブリ700は、
図4および
図5に関して説明された構成要素を含み得る。したがって、光学アセンブリ700は、傾斜可能な光学アセンブリ400に関する例を提供可能である。
【0090】
図7に示すように、ユーザの目702は光学アセンブリ700の左側にシミュレートされている一方で、ディスプレイ704は、光学アセンブリ700の右側に示されている。光学アセンブリ700は、第1のフィルタスタック706、湾曲レンズ708、第2のフィルタスタック710、およびレンズ712を含む。
【0091】
光学アセンブリ700は、ディスプレイ704によって提供されフィルタスタック706および710ならびに湾曲レンズ708を通る光の光路を折畳むように機能し得る。この例では、折畳まれた光路の例は、光路714、716、718、720、722、724、および726によって示されている。一部の実現例では、光学アセンブリ700は、ディスプレイ表面上の光線束の平均角度が直角に近くなると、テレセントリックになり得る。図示するように、フィルタスタック710は、上述のIRフィルタに類似したIRフィルタ被覆層711も含む。
【0092】
光学アセンブリ700は、ここで説明するハイブリッド光学アセンブリに関する。これらのアセンブリは、傾斜した像の変形を含み得る。湾曲レンズ708は、プラスチックで構成され得、ビームスプリッタ層で被覆され得る。光学アセンブリ700は、HMDデバイスに収容可能である。HMDデバイスは、光学アセンブリ700の少なくとも1つを含み得る。たとえば、光学アセンブリ700は、第1のフィルタスタックと第2のフィルタスタックとの間に配設された湾曲ビームスプリッタデバイスを含み得る。光学アセンブリは、HMDデバイス内の複数の異なる角度で配設されるように適合された、取り外し可能な画像投影デバイスも含み得る。一部の実現例では、画像投影デバイスと第1のフィルタスタックとの間に配設された表示パネルは、第1のフィルタスタックまたは第2のフィルタスタックの傾斜に応じて、HMDデバイス内で複数の異なる角度で配列可能である。
【0093】
一部の実現例では、光学アセンブリ700は、第1のフィルタスタックまたは第2のフィルタスタックの傾斜に応じて像面湾曲のバランスをとるように構成可能である。アセンブリ700において、フィルタスタック間で特定の固定された関係はなくてもよい。傾斜関係は、ビームスプリッタ被覆層を有する表面の曲率、ビームスプリッタの場所、フィルタスタックの場所などによって決まり得るが、これらに限定されるわけではない。
【0094】
一例では、少なくとも1つのディスプレイパネルは、第1のフィルタスタックまたは第2のフィルタスタックと関連する方位に基づいて選択された角度で配設可能である。この方位は、レンズの光軸から約5度より大きく約25度より小さな垂直オフセットの傾斜を含み得る。一部の実現例では、第1のフィルタスタックまたは第2のフィルタスタックを傾斜させると、ヘッドマウントディスプレイ筐体と関連する視野が修正される。この修正には、視野の外側に像アーチファクトを移動させることが含まれる。
【0095】
一部の実現例では、HMDデバイスは、各々がHMDデバイスと関連する、対応する左右のアイピースにおいてレンズに画像コンテンツを提供するように構成された、2つの光学アセンブリを含み得る。たとえば、各光学アセンブリは、別の左右の目のレンズを通して画像コンテンツを提供するように構成され得る。一部の実現例では、レンズは、光学アセンブリのうち少なくとも1つの動きの検出に応じて像の倍率および焦点を維持するように適合されている。たとえば、光学アセンブリ内の1つまたは双方のスタックが移動すると、そのようなスタックと関連するレンズは、像の倍率および焦点レベルを失うことなく、そのような移動に対処可能である。一部の実現例では、光学アセンブリ700は、第1のフィルタスタックと第2のフィルタスタックとの間に配設された複数の光学素子を備える。光学素子は、光学収差を低減するように構成され得る。
【0096】
一部の例では、アセンブリ700はカメラ728を備え得る。カメラ728は、IR被覆層711と機能するように適合された赤外線カメラでもよい。カメラ728は、被覆層711ではね返ったIR反射画像を取込むことが可能である。これらの像は、ユーザの目の動きまたはユーザの目の位置変化を示す、被覆層711からの反射でもよい。一部の実現例では、カメラ728は、ユーザの表情の変化の画像を取込むことも可能である。
【0097】
カメラ728は、たとえば、光学アセンブリ700を保持するHMDデバイスの基部位置からレンズ712の底縁部まで配置することが可能である。カメラ728は、角度730によって示すように、水平面に対して約0度(たとえば、光学アセンブリ700の底縁部729によって示される)から水平面に対して約45度まで角度を付けることができる。角度730は、フィルタスタック706および710の一方または双方の動きに応じて変化し得る。たとえば、フィルタスタック710が目702から離れて(図示するように、目702に向かう代わりに)傾斜する場合、IRフィルタ711で反射する画像を取込むように、カメラ728を約45度〜約60度のより大きな角度で配置可能である。
【0098】
図8は、光学アセンブリ800の例を示すブロック図である。光学アセンブリ800は、仮想現実コンテンツにアクセスするように意図されたHMDデバイスの一部として取り付けられ得る。
図8に示すように、ユーザの目802は光学アセンブリ800の左側にシミュレートされており、表示パネル804は、光学アセンブリ800の右側に示されている。一部の実現例では、光学アセンブリ800を、HMDデバイスの左右のアイピースの各々のために含み得る。一部の実現例では、光学アセンブリ800を、1つのアイピースに含み得る。
【0099】
光学アセンブリ800は、表示パネル804を含む(または、これに隣接する)。図示するように、光学アセンブリ800は、第1のフィルタスタック806、第2のフィルタスタック808、レンズ810、レンズ812、およびプリズム814を備える。光学アセンブリ800は、表示パネル804によって提示されフィルタスタック806および808を通過する光の光路を折畳むように機能し得る。この例では、プリズム814は、目802からレンズを通過してカメラ818に入る赤い光を導く(または反射する)ことが可能である。カメラ818は、そのような光の反射を利用して目の像を取込むことができる。たとえば、本明細書で説明するシステムは、フィルタスタック806とフィルタスタック808との間に配置されたプリズム818を有する折畳まれた光路を用いた視標追跡をもたらし得る。
図8に示すように、プリズム814は三角形であり、正方形、四角形、球形など他の形状も可能であるが、これらの形状に制限されるわけではない。一部の実現例では、プリズム814は、フィルタスタック806とフィルタスタック808との間の空間の一部に合うような大きさに作られ得る。たとえば、プリズム814は、フィルタスタック806に固定取付け可能であり、フィルタスタック806から、フィルタスタック806とフィルタスタック808との間に示す空間の約50%〜約75%内に延在可能である。一部の実現例では、プリズム814は、フィルタ806の底縁部とフィルタ808の底縁部とに接続するような大きさに作られ得る。たとえば、プリズム814は、双方のフィルタスタックの真下およびレンズ810の真下でフィルタスタック806とフィルタスタック808との双方に固定取付け可能である。
【0100】
光学アセンブリ800は、カメラ818も備え得る。カメラ818は、プリズム814を用いてユーザの目の像を捉えて目802からの光をレンズ810からカメラ818にはね返すことができるように、光学アセンブリ800の真下に配置可能である。カメラ818をそのような位置に配置することによって、カメラが同じ機械的な位置に配置されるもののレンズおよびフィルタスタックを通してコンテンツを取込まない場合、ユーザの目に直接面することによって像を取込むように配置されたカメラと比較して、カメラ818が目の像を取込んでいる角度を小さくできるという利点がもたらされ得る。カメラ818の配置は、典型的なHMDデバイスに対して小さな実装面積でHMDデバイスを作ることを可能にしつつ正確な視標追跡性能を維持することを、保証し得る。
【0101】
プリズム814は、光源の光線の特定の波長を阻止および/または分離するように機能し得る。たとえば、1つの光線(または複数の光線)を、ディスプレイ804から光学アセンブリ800を通って目802に向けて提供可能である。プリズム814は、たとえば、光を分離して目802で反射した赤外光を提供可能である。反射によって、カメラ818は、目の像を取込んで、ユーザ(たとえば、目802)と関連する目および/または頭の動きを追跡可能である。プリズム814は、ガラス、アクリル樹脂、液体が充填されたガラスまたはアクリル樹脂、蛍石、シリカ、石英などの任意の透明材料で構成可能であるが、これらに限定されるわけではない。
【0102】
光学アセンブリ800の一例は、レンズ810の下方に配置されたカメラ818を備え得る。カメラ818は下方にレンズ810のわずかに右側に示されているが、他のカメラ場所も可能である。たとえば、カメラ818を、プリズム814を介したIRフィルタ816からの目818の反射の像を取込むことが可能な場所に、レンズ810の下方に配置可能である。一例では、カメラ818を、反射を取込むように配置可能であり、レンズ810の左から右への配置に合わせて、約0度〜約45度の角度を付けることが可能である。
【0103】
一部の実現例では、レンズ810は、約7ミリメートル〜約11ミリメートルの厚さ216を有し得る。一部の実現例では、レンズ810は、約9ミリメートル〜約10ミリメートルの厚さ216を有し得る。一部の実現例では、レンズ810は、約35ミリメートル〜約45ミリメートルの直径を有し得る。一部の実現例では、レンズ810は、約40ミリメートル〜約50ミリメートルの直径を有し得る。一部の実現例では、射出瞳距離218は、約15ミリメートル〜約17ミリメートルであり得る。一部の実現例では、射出瞳距離218は、約13ミリメートル〜約18ミリメートルであり得る。一部の実現例では、射出瞳距離218は、約12ミリメートル〜約14ミリメートルであり得る。一部の実現例では、射出瞳距離218は、約17ミリメートル〜約21ミリメートルであり得る。一部の実現例では、レンズ810の非球面処方調製は、約98.1ミリメートルのr1値を含み、3.69のk1値を有し得る。レンズ810は、約41.7ミリメートルのr2値と約−4.8のk値とを有し得る。また、レンズ810は、約1.1×10
−5のr4値と約4.5×10
−9のr6値とを有し得る。他の処方調製も可能である。
【0104】
一部の実現例では、レンズ810および812は、スライドインまたはスライドアウトして目802に関して特定のコンテンツを集中させ得る。たとえば、レンズ810および812は、HMDデバイスのフレーム筐体に対して前後左右にスライドするように適合され得る。このスライドによって、レンズ810および/または812に関してジオプターを調節可能である。一部の実現例では、レンズ810および812の双方をHMDデバイスのフレーム筐体に対して横方向にスライドさせることによって、視覚障害のあるユーザに対するコンテンツの表示を修正し得る。レンズ810および/または812は、双方のレンズが同じ平面で共に回転および/またはスライドするように、移動機構に取り付けられ得る。一部の実現例では、約3ミリメートル(負または正)の移動によって、約+4〜約−6のジオプトリ調節範囲の調節が可能になる。
【0105】
一部の実現例では、カメラ818およびプリズム814、レンズ810および812、ならびにフィルタスタック806および808は、全ての構成要素が
図8に示すように固定取付されているユニットとして移動し得る。一部の実現例では、回転またはスライド移動は、光学アセンブリ800全体の回転(またはスライド)を含み得る。
【0106】
第1のフィルタスタック806のアセンブリの例には、第1の直線偏光子と、(
図3で詳細に示された)アセンブリ内の第1の四分の一波長板に対して被覆層として塗布されたビームスプリッタ層とを含み得る。第1のフィルタスタック806は、画像投影デバイスから受信された光のフィルタリングおよび分離を行うように動作可能である。一部の実現例では、四分の一波長板は、広帯域で好適に機能して、使用される光の波長と無関係に一定の位相変化を提供するように設計可能である。この波長独立は、2つの異なる複屈折結晶材料を用いることによって達成可能である。波長範囲(すなわち、分散)にわたる減速の相対移行は、使用される2つの材料間でバランスをとることが可能である。第2のフィルタスタック808は、(
図3について詳細に示す)アセンブリ内の四分の一波長板、偏光ビームスプリッタ、および直線偏光子を含み得る。第2のフィルタスタック808は、少なくとも1つの屈折レンズ810と画像投影デバイス(たとえば、モバイルコンピューティングデバイス104)との間の光路を折畳むように動作可能である。
【0107】
一部の実現例では、光学アセンブリ800はまた、画像投影デバイス(たとえば、
図1に示すモバイルコンピューティングデバイス104)から画像コンテンツを受信するように適合された表示パネル804を備える。一部の実現例では、光学アセンブリ800はまた、画像投影デバイス上で表示するように画像コンテンツを処理するための少なくとも1つのプロセッサを含む。特に、
図1に関して上述したように、画像コンテンツは、1つ以上のプロセッサ、コンピュータ、または他のリソースによって提供可能であり、画像投影デバイス(たとえば、モバイルコンピューティングデバイス104など)を使用して表示、記憶、および/または修正可能である。さらに、1つ以上のプロセッサを光学アセンブリ800上に実装して、カメラ818と関連する(たとえば、これによって取込まれる)画像コンテンツの取込み、アップロード、ダウンロード、送信、および/または受信が可能である。
【0108】
動作中、ディスプレイ804は、HMDデバイスにおいてユーザ(たとえば、目802によって示す)に対してコンテンツを提供可能である。HMD表示デバイスは、
図11の例で示すように、たとえば、各アイピースの周囲で発光ダイオード(LED)のリングを備え得る。LEDは、光を発し、光を目802に向けることが可能である。カメラ818は、目802の動きを取込む(たとえば、視標追跡目的で画像を取込む)ことが可能である。光路820によって示すように、目802に向けられた光は反射可能である。光の反射をレンズ810およびフィルタスタック808を通して伝えることが可能であり、像としてカメラ818によって取込むことが可能である。光路822によって示されるように、レンズ810を通してプリズム814内に反射を提供可能であり、反射は、IRフィルタ816ではね返ってプリズム814を通って戻り、カメラ818によって取込まれ得る。
【0109】
一部の実現例では、ディスプレイは放射ディスプレイであり、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイを含む。一部の実現例では、ディスプレイは、非放射ディスプレイであり、液晶表示(LCD)ディスプレイを含む。
【0110】
一部の実現例では、本開示を通して説明されるHMDデバイスは、陰極線管(CRT)、電界放出ディスプレイ(FED)、表面伝導型電子放出素子ディスプレイ(SED)、蛍光表示管(VFD)、エレクトロルミネッセントディスプレイ(ELD)、発光ダイオードディスプレイ(LED)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロケミカルディスプレイ(ECD)、液晶オンシリコン(LCOS)、または有機発光ダイオード(OLED)などの放射ディスプレイを含むまたは収容するように適合され得る。一部の実現例では、HMDデバイス102は、光源がRGB、LED、または白色LEDである、LCDデバイスを含む非放射ディスプレイを含むように適合可能である。
【0111】
特定の実現例では、本明細書で説明するシステムおよび方法は、幅および長さが約5.08センチメートル〜約7.62センチメートル、深さが約2.54センチメートル〜約7.62センチメートルの範囲の1つ以上の光学アセンブリを備え得る。他の変形も可能である。
【0112】
フィルタスタックアセンブリの例
フィルタスタックアセンブリの例について以下で示す。特定の寸法および層が設けられているが、そのような寸法の他の変形も可能である。概して、本明細書で説明するフィルタスタックは、画像劣化がほとんど発生しないほど薄い。さらに、傾斜可能な構成要素を設けるバージョンで異なる傾斜レベルに基づいて再び設計または調節を行う必要はなく、拡大レンズで十分であり得る。
【0113】
フィルタスタックの第1の例を、「フィルタスタックの例I」として以下に示す。フィルタスタックの例は、取り付けられたビームスプリッタまたは自立型のビームスプリッタを含み得る基板/カバーガラスを含む。一部の実現例では、ビームスプリッタは、四分の一波長板上の被覆層でもよい。また、フィルタスタックの例は、基板またはカバーガラス層に接着可能な、感圧接着剤で直線偏光子に接着された四分の一波長板を含む。1.243ミリメートルの集合厚さを有する最終的な第1のフィルタスタック(たとえば、フィルタスタック206)を有する各構成要素について、厚さの例を以下で示す。一部の実現例では、フィルタスタック206は、基板/ビームスプリッタ被覆層を有するカバーガラス(以下の列1)および反射防止被覆層を有する第2の基板/カバーガラス(以下の列7)を含む。
【0115】
フィルタスタックの第2の例を、「フィルタスタックの例II」として以下に示す。フィルタスタックの例は、感圧接着剤でワイヤグリッド偏光ビームスプリッタフィルムに接着された直線偏光子を含み得る基板/カバーガラス層を含む。ビームスプリッタフィルムは、同じ態様で四分の一波長板フィルムに接着され得る。四分の一波長板は、基板またはカバーガラス層に接着可能な直線偏光子に接着され得る。厚さの例を、1.403ミリメートル〜1.472ミリメートルの厚さを有する最終的な第2のフィルタスタック(たとえば、フィルタスタック208)を有する各構成要素に関して以下で示す。一部の実現例では、フィルタスタック208は、反射防止被覆層を有する基板/カバーガラスを含む(すなわち、以下の列1および列9の双方において)。
【0117】
フィルタスタックの第3の例を、「フィルタスタックの例III」として以下に示す。フィルタスタックの例は、湾曲ビームスプリッタおよび/またはレンズ付近にまたはこれに隣接して積層可能である。すなわち、湾曲ビームスプリッタは、自立型ビームスプリッタであり得る。フィルタスタックは、基板/カバーガラス層に対して反対側で接着された直線偏光フィルムに接着された四分の一波長板フィルムを含み得る。これらの層は、感圧接着剤で、または他の方法で接着可能である。1.848ミリメートルの集合厚さを有する最終的な第1のフィルタスタック(たとえば、フィルタスタック406)を有する各構成要素に関して、厚さの例を以下に示す。一部の実現例では、フィルタスタック406は、反射防止被覆層を有する基板/カバーガラス層を含む(すなわち、列1および列7の双方において)。
【0119】
フィルタスタックの第4の例を、「フィルタスタックの例IV」として以下に示す。フィルタスタックの例は、感圧接着剤でワイヤグリッド偏光ビームスプリッタフィルムに接着された直線偏光フィルムを含み得る基板/カバーガラス層を含む。ビームスプリッタフィルムは、四分の一波長板フィルムに同じ態様で接着可能である。四分の一波長板は、基板またはカバーガラス層に接着可能な直線偏光子に接着され得る。ビームスプリッタ(たとえば、レンズ408)は、フィルタスタックの例IIIとフィルタスタックの例IVとの間に挿入され得る。厚さの例を、1.403ミリメートル〜1.472ミリメートルの厚さを有する最終的な第2のフィルタスタック(たとえば、フィルタスタック410)を有する各構成要素に関して、以下に示す。一部の実現例では、フィルタスタック410は、反射防止被覆層を有する基板/カバーガラス層を含む(すなわち、列1および列9の双方において)。
【0121】
本明細書で説明するフィルタスタックのいずれにおいても、偏光層/フィルム(たとえば、LP)は、フィルタスタックの外側であり得る。たとえば、偏光層は、表示モジュール上でまたはその内部で積層可能である。たとえば、ディスプレイが偏光層を含む場合(すなわち、偏光前のディスプレイにおいてと同様に)、偏光層は必要ではない。
【0122】
本特許明細書で使用されるように、および、文脈によって特に規定されていない限り、一般に、本開示で説明される構成要素に関する傾斜、方位、または方向のいずれの議論も、たとえば、HMDデバイス内に垂直に設けられた構成要素の平面の接線方向から当該構成要素を移動させることに関する。すなわち、このように説明された構成要素を移動させることは、アセンブリで使用される特定のレンズの光軸に対して構成要素を移動させることに関係し得る。
【0123】
本明細書で説明するように、および、文脈によって特に規定されていない限り、一般に、「に結合された」という用語は、直接結合(互いに結合された2つの要素が互いに接触する)と間接結合((エアギャップを含む)少なくとも1つの付加的な要素が2つの要素間に位置している)との双方を含むように意図されている。
【0124】
図9は、光学アセンブリ900の他の例を示すブロック図である。図示するように、アセンブリ900は、折畳まれた光路902を有する光学構成を含む。レンズ904は、光路902内に配置されている。レンズ904は、偏光光学素子および少なくとも1つの50/50半透過型(たとえば、部分透過型および部分反射型)フィルタスタック906を使用して、コンパクトな軸構成を提供する。IRカメラ908を、半透過型(たとえば、部分透過型および部分反射型)光学素子(たとえば、フィルタスタック906、フィルタスタック914およびレンズ904)を通して、たとえば、光路912a、912b、912c、912d、および912eを有するユーザの目910の像を取込むように配置可能である。たとえば、レンズ904と組み合わされた1つ以上のフィルタスタック(たとえば、906および910)は、カメラ908に、少なくともフィルタスタック906、フィルタスタック914、および1つ以上の透明レンズ904または透明被覆層(図示せず)を含む光学素子を通して視標追跡画像取込みを行わせるように透明であり得る。一部の実現例では、フィルタスタック914は、表示パネル916上の被覆層であり得る。一部の実現例では、フィルタスタック914は、光路902内の2つ以上のレンズの間に配置可能である。一部の実現例では、フィルタスタックは、目910とカメラ視野908とのどちらかまたは双方について、視野の外側に配置可能である。
【0125】
一部の実現例では、ディスプレイ916は、アセンブリ900を収容するヘッドマウントディスプレイアセンブリにおいて画像コンテンツを少なくとも1つのアイピースに表示するように動作可能な画像投影デバイスであり得る。そのような光学アセンブリ900は、少なくとも1つのレンズ904を備え得る。一部の実現例では、レンズ904は固定されている。一部の実現例では、レンズ904は、スライドするように配列されている(たとえば、その光軸に沿って平行移動される)。
【0126】
第1のフィルタスタック906は、少なくとも1つのレンズとディスプレイ916との間に配設され得る。第1のフィルタスタック906は、ビームスプリッタ層で被覆された少なくとも1つの表面を有し得る。また、光学アセンブリ900は、第1のフィルタスタックとディスプレイ916との間に第2のフィルタスタック914を備え得る。第2のフィルタスタック914は、少なくとも1つのレンズに面する反射要素で被覆された少なくとも1つの表面を備え得る。一部の実現例では、反射要素は、少なくとも1つのレンズに面する画像投影デバイスの一側面における赤外線(IR)フィルタ被覆層である。一部の実現例では、反射要素は、たとえば、プリズム814で
図8に示すプリズムである。
【0127】
一部の実現例では、第1のフィルタスタックは、第2のフィルタスタックに隣接しており、少なくとも1つのレンズと表示パネル916との間の積層配列に構成されている。一部の実現例では、第2のフィルタスタック914は、
図5における要素と同様の要素を含み得る。たとえば、第1のフィルタスタックは、表示パネル916と第1の四分の一波長板504との間に積層された第1の直線偏光子502を含む。他の例では、フィルタスタック914は、第1の直線偏光子とビームスプリッタ(たとえば、
図4のビームスプリッタ408など)との間に積層された第1の四分の一波長板504を含み得る。一部の実現例では、第2のフィルタスタック914は、ビームスプリッタ408の後で積層された第2の四分の一波長板506と偏光ビームスプリッタ508との間に積層された偏光ビームスプリッタ508を含み得る。一部の実現例では、偏光ビームスプリッタ508はさらに、第2の四分の一波長板506と第2の直線偏光子510との間に積層され得る。一部の実現例では、第2の直線偏光子510は、少なくとも1つのレンズ904に面する反射要素412で被覆されている。
【0128】
また、光学アセンブリ900は、ヘッドマウントディスプレイアセンブリに配置されたカメラを備え得る。カメラは、少なくとも1つのレンズを通して赤外線反射光の像を取込むように構成され得る。一部の実現例では、カメラが、少なくとも1つのレンズの真下に配置され、ヘッドマウントディスプレイアセンブリにアクセスしているユーザの目の像を取込むように画像投影デバイスに向けられている。そのような例では、目の像は、反射要素で反射され得る。
【0129】
一部の実現例では、カメラは、少なくとも1つの画像投影デバイスの真下に配置され、ヘッドマウントディスプレイアセンブリにアクセスしているユーザの目の像を取込むように少なくとも1つのレンズに向けられている。目の像は、少なくとも1つのレンズを通って、第1のフィルタスタックおよび第2のフィルタスタックを通って取込み得る。この画像取込みプロセスは、目の複数の連続画像を集めるように繰り返し、したがって、視標追跡のために使用可能である。
【0130】
一部の実現例では、レンズは、HMDアセンブリを収容するフレームの底面に対して横方向にスライドするように構成されている。スライド距離は、ジオプトリ調節を作動させて、ヘッドマウントディスプレイアセンブリにアクセスしているユーザと関連する視力障害を矯正するように構成され得る。
【0131】
一部の実現例では、複数の光源が、少なくとも1つのレンズを取り囲む外周に配置されている。そのような光源は、ヘッドマウントディスプレイアセンブリにアクセスしているユーザの目に光を向けるように構成され得る。一部の実現例では、反射要素は、反射要素において目で反射した光の一部を受信し、その一部の赤外線波長をカメラに反射するように構成されている。この赤外線波長は、ヘッドマウントディスプレイアセンブリのユーザに関して視標追跡を支援するために使用可能である。一部の実現例では、複数の光源は、ヘッドマウントディスプレイアセンブリにアクセスしているユーザの目に面して配置され、かつ、少なくとも1つのレンズを取り囲む外周において配置された複数の発光ダイオードを含む。
【0132】
図10は、本開示を通して説明される50/50被覆層と組み合わせて、本明細書で説明された複数のマルチレイヤ偏光フィルムを有する光学アセンブリに関して、送信性能を示す
図1000である。50/50被覆層は、光の50%を通し得、光の50%を反射し得る。そのような光学アセンブリは、偏光フィルム(吸収型フィルムおよび反射偏光フィルム)の双方と50/50被覆層とにおいて複数の層を最適化させて、1002で示すように偏光層(たとえば、フィルム)を、可視光スペクトルに対して高い透過率(たとえば、約400ナノメートル〜約700ナノメートル)を有するように、および、IR波長1004に関して高い透過率(たとえば、約700ナノメートル〜約1000ナノメートル)を有するようにできる。
図10に示すように、IR波長1004の場合の送信は、可視光線1002の領域の場合よりも大幅に高い。約80%の送信ピーク1006は、約980ナノメートルで発生する。
【0133】
図11は、HMDデバイス1102に関する光学アセンブリ1100の例を示すブロック図である。図示するように、赤外線LEDライトは、光がレンズ1104を通って誘導されるように、光学アセンブリ1100内に配置されている。
【0134】
光学アセンブリ1100は、アセンブリ内で(個々の処方レンズ変形に関して修正を行うために)処方補正レンズの配置を提供するという利点をもたらし得る。処方レンズ(たとえば、レンズ1104)を、LEDからの光が補正レンズ1104を通って送信されるように配置し得る。一部の実現例では、レンズ1104をLEDのリングを占めるのに十分な大きさに作って、光をレンズに向けておよびこれを通って導くことが可能である。一部の実現例では、レンズ1104は、ヘッドマウントディスプレイアセンブリのフレーム筐体に対して横方向にスライド可能である。そのような態様でレンズ1104をスライドさせることによって、ジオプトリ調節を連動させて(作動させて)、ヘッドマウントディスプレイアセンブリにアクセスしているユーザと関連する視覚障害を矯正し得る。
【0135】
一部の実現例では、1つ以上の発光ダイオード(LED)が、LED1106、1108、1110、1112、1114、および1116の例で示すように、各レンズ/フィルタアセンブリを取り囲む外周に配置されている。1つ以上の発光ダイオードは、HMDデバイス1102にアクセスしているユーザの目に光を向けるように構成され得る。反射要素は、反射要素における目からの光の一部を受信し、カメラに対してその一部の波長を反射するように構成され得る。LEDは、各レンズ/フィルタアセンブリの周囲に対称的に配置可能である、または、非対称的に配置可能である。動作中、LEDは、IR光(または近赤外光)をユーザの目に提供可能であり、この光を目の前面ではね返らせることが可能である。本明細書で説明するカメラは、はね返されたIR光(または近赤外光)を検出して(たとえば、取込んで)、ユーザが眺めている方向および/または角度を追跡可能である。これによって、一度のはね返りの後で、IR光を50/50偏光子/レンズ/フィルタスタックの組合せによって導くことが確実になる。
【0136】
図12は、少なくとも1つの部分透過レンズ1202およびカメラ1204を有する光学アセンブリ1200の例を示すブロック図である。また、アセンブリ1200は、画像コンテンツをユーザの目(たとえば、シミュレートされた目1208)に提供可能なLCDパネル1206を備え得る。
【0137】
図12に示すカメラ1204は、表示パネル1206のわずかに下方に配置されており、ユーザに対する可視光路の外側に位置決めされている。しかしながら、視野の外側のそのような位置にカメラを配置することによって、ユーザをカメラ1204を眺められるようにすることなく、ユーザが画像コンテンツを眺めている間にユーザの目の動きを取込むことが可能になるという利点がもたらされる。
【0138】
また、光学アセンブリ1200は、部分透過レンズ1202の上に配置された被覆層であり得る1つ以上のフィルタスタック1210を備え得る。共に組み立てられたフィルタスタック1210およびレンズ1202は、平凸形状を有し得る。
図12のフィルタスタックは、本明細書で説明されるフィルタスタックおよび/または被覆層のいずれかを含み得る。一部の実現例では、フィルタスタック1210は、第1のレンズ要素(たとえば、
図4の要素414など)、第2のレンズ要素(たとえば、
図4の要素408など)を表す複数の被覆層を含む。そのような被覆層は、要素414および408として示すフルサイズのレンズに取って代わるように機能し得る。一部の実現例では、フィルタスタック1210は、IRフィルタ、第1のレンズ、および第2のレンズを組み込み、これらの全てがスタック1210の上に被覆されている。これにより、アセンブリ1200を内部に取り付け可能なHMDデバイスを小型化できるという利点がもたらされる。
【0139】
動作中、光学アセンブリ1200を使用して、アセンブリ1200を収容するHMDデバイスにアクセスしているユーザの目の動きの検出および追跡が可能である。そのような光学アセンブリ1200は、偏光フィルム(吸収型フィルムおよび反射偏光フィルム)の複数の層および50/50被覆層を、光路1212a、1212b、1212c、1212d、および1212eで示される可視光について反射性を有するように(たとえば、約400ナノメートル〜約700ナノメートル)、および、光路1214で示されるIR波長について高い反射性を有するように(たとえば、約850ナノメートル〜約900ナノメートル)、最適化可能である。特に、被覆層は、光の半分が組み合わされた半透過型レンズ/フィルタスタック1202および1210を通過し、光の半分がレンズで反射されるようにすることができる。概して、可視光路1212a〜1212eは、IR光路1214とは異なる波長、光路、および効率を有する。
【0140】
IR波長および光路の使用によって、光学アセンブリ1200は、レンズが可視波長および光路を用いる場合と同じくらい強力である必要はない光ビームを、ほぼまっすぐ通過するという利点をもたらし得る。なぜなら、可視波長が特定の光学アセンブリの要素間で前後にはね返る折畳まれた光学素子を利用して、正確にユーザの目に到達するからである。IR波長によって、光路はまっすぐ進んでレンズを通過して目に到達可能である。
【0141】
一部の実現例では、パネル1206は、約12.8グラムのガラス材料で形成され得る。一部の実現例では、パネル1206は、約6グラムのプラスチック材料で形成され得る。一部の実現例では、パネル1206は、約5.0センチメートル平方のLCDまたはOLEDパネルを含み得る。
【0142】
図13は、カメラ1302とカメラの前方の少なくとも1つの偏光フィルタ1304とを収容する光学アセンブリ1300の例を示すブロック図である。少なくとも1つの偏光フィルタ1304は、視標追跡カメラ1302に関して円形に光を偏光することによって、IR画像コントラストを改善して、ユーザの取込まれた目の像の画像取込みおよび解像度を改良するように適合され得る。さらに、少なくとも1つの偏光フィルタ1304は、カメラ1302によって取込まれたIRゴースト画像/光路を改善し得る。
【0143】
一部の実現例では、パネル1310(またはアセンブリ1308内にまたはその近くに配置された光源)からの光は、ユーザの目1306上に照らされ得る。カメラ1302は、たとえば、HMDデバイスにアクセスしているユーザの目1306の像を取込むように、レンズアセンブリ1308を介して、たとえば、フィルタ1304を使用して、光のはね返りを取込むことが可能である。この例では、レンズアセンブリ1308は、少なくとも第1のレンズ、シェルレンズ、および少なくとも1つの偏光フィルタスタックを備える。
【0144】
図14は、光学カメラ配置場所を示す光学アセンブリ1400の例を示すブロック図である。図示された例では、半透過型(たとえば、部分透過型および部分反射型)レンズアセンブリ1404が、表示パネル1406に加えて示されている。本明細書で説明される他の図面と同様に、表示パネル1406からアセンブリ1404を通ってユーザの目まで光を通過させ得る。
【0145】
さらに、視標追跡を可能にするように、目の像を取込むための代替的な入射角で、3つのカメラが示されている。第1のカメラ1402aの例が、アセンブリ1400を収容するHMDデバイスにアクセスしているユーザの目1403の表面に対して50度の入射角で示されている。第2のカメラ1402bの例が、アセンブリ1400を収容するHMDデバイスにアクセスしているユーザの目の表面に対して20度の入射角で示されている。第3のカメラ1402cの例が、アセンブリ1400を収容するHMDデバイスにアクセスしているユーザの目の表面に対して30度の入射角で示されている。1つのカメラをアセンブリ1400内で用いることが典型的である。3つのカメラ1402a、1402b、および1402cは、アセンブリ1400内のIRカメラに関する配置例として示されている。
【0146】
カメラ1402aを用いる例では、カメラ1402aは、アセンブリ1404の下方に配置され、光線1408の例として示されるように、目1403を取込む。この例では、目に対する直線の視線は取込まれ、レンジングは眺めを遮っていない。
【0147】
カメラ1402bを用いる例では、カメラ1402bは、アセンブリ1404とパネル1406との間に配置され、光線14140aおよび1410bの例で示すように、パネル1406からの反射を取込むように角度を付けられている。そのような例では、IR反射フィルムまたは被覆層をパネル1406上に配置して、目1403からアセンブリ1404を通ってカメラ1402bまでのIR光のみを反射可能である。
【0148】
カメラ1402cを用いる例では、カメラ1402cは、パネル1406の下に配置されている。ここで、カメラ1402cは、光線1412の例によって示すように、目1403からアセンブリ1404を通過する反射光を取込むことが可能である。
【0149】
図15は、拡張現実環境で使用される光学アセンブリ1500の例を示すブロック図である。この例では、カメラ(たとえば、カメラ1504または1506)は、組み合わされたレンズ/フィルタスタックアセンブリ1508の上方でアセンブリ1500の上部において配置可能である。表示パネル1515が、カメラ1504または1506の隣に設けられている。ユーザの目1502の視線で示される光学素子は、HMDデバイスを取り囲む物理的な環境をユーザが眺めることができるように、透明である。
【0150】
表示および物理的な世界の双方を眺めることができるようにするために、アセンブリ1500は、ビームスプリッタ1512を備える。ビームスプリッタ1512は、他の偏光方向で光を反射しつつ、第1の偏光方向で光を送信する。この例では、ビームスプリッタ1512は、表示パネル1510の視野も提供しつつ、外光(たとえば、物理的な世界からの光)を眺めることを可能にする。
【0151】
この例では、アセンブリ1500を収容するHMDデバイスのユーザは、物理的な世界のコンテンツと表示パネル1515が描写するコンテンツとの双方を眺め得る。ビームスプリッタ1512によって、双方のオプションを眺めるために反射光の使用が可能になる。動作中、カメラ1504またはカメラ1506を使用する視標追跡は、目1502からアセンブリ1508の光学素子を通って反射されるIR光を受信し、偏光ビームスプリッタ1512のカメラ1504またはカメラ1506に対する反射によって、行い得る。
【0152】
一部の実現例では、カメラは、目の平面の法線に対して約−45度〜約45度のIR光を取込み得る。この例では、45度のIR折畳みミラーは光路では必要ではない。視標追跡は、カメラ1504またはカメラ1506を使用しても行うことができる。
【0153】
また、アセンブリ1500は、反射バイザー1514を備える。反射バイザー1514を使用して(光路1516によって示されるような)可視光を反射して、たとえば、周囲の物理的な環境における環境光を明るくまたは暗くできる。
【0154】
図16は、拡張現実環境で使用される反射バイザー1602を用いる光学アセンブリ1600の例を示すブロック図である。この例では、表示パネル1604が、レンズ/フィルタスタックアセンブリ1606に対して垂直に示されている。レンズ/フィルタスタックアセンブリ1606は、少なくとも1つのフィルタスタック、少なくとも1つのレンズ、およびビームスプリッタ層を含み得る。一部の実現例では、少なくとも1つのレンズは、フィルタスタックの一部であり得る。一部の実現例では、少なくとも1つのレンズは、2つのフィルタスタック間に挿入可能である。
【0155】
一部の実現例では、アセンブリ1606は、左右のアイピースの各々について光学アセンブリに備えられ得る。アセンブリ1606は、反射バイザー1602に垂直にHMDデバイスに配設可能である。反射バイザー1602は、ユーザの目1612からアセンブリ1606を通過する、反射から生じるビームスプリッタ1610からの(IR光路1608によって示すような)IR光を反射するために使用可能である。反射光を、視標追跡において助けとなるように、IRカメラ1614によって取込み撮像することが可能である。この例では、IRカメラ1614は、アセンブリ1606(1つ以上のレンズおよび1つ以上のフィルタスタック)を通過するユーザの目1612の反射の像を取込んでいると示されている。
【0156】
カメラ1606は、目1612の下に、およびレンズ/フィルタアセンブリ1606の有効領域の下に取り付けられている。一部の実現例では、視点角度は約−11度である一方で、カメラ視野は約25度である。
【0157】
一部の実現例では、光学アセンブリ1600は、それ自体を通って送信される光の光路を折畳むように構成されたフィルタスタックアセンブリ1614を備える。フィルタスタックアセンブリ1606は、少なくとも1つの半透過型(たとえば、部分透過型および部分反射型)レンズを含み得る。レンズは、フィルタスタックアセンブリ1606内に配置され得る、または、アセンブリ1606に被覆され得る。第1のフィルタは、偏光ビームスプリッタ層の第1の側面に結合された少なくとも1つの赤外線フィルタ層を含み得る。
図5に示すように、偏光ビームスプリッタ層は、偏光ビームスプリッタ層の第2の側面で、第1の四分の一波長板層に結合され得る。
【0158】
光学アセンブリ1600は、直線偏光子に結合された第2の四分の一波長板を含む第2のフィルタも備え得る。第2のフィルタは、湾曲レンズに結合された第1の側面および直線偏光子に結合された第2の側面で湾曲し得る。少なくとも1つの赤外線フィルタ層の第1の側面は、少なくとも1つのレンズで被覆されている。
【0159】
光学アセンブリ1600は、フィルタスタックアセンブリの上縁部に結合された第1の縁部と、赤外被覆層を有するバイザー1602の上縁部に結合されたディスプレイアセンブリの第2の縁部とを有するディスプレイアセンブリも備え得る。バイザー1602は、フィルタスタックアセンブリに対して平行に、および、ディスプレイアセンブリに対して垂直に配設され得る。
【0160】
アセンブリ1600は、フィルタスタックアセンブリを通って受信されバイザー1602で反射された反射の像を捉えるように構成されたカメラ1614も備え得る。カメラ1614は、像を取込むように意図されたフィルタスタックアセンブリの真下に位置し得る。
【0161】
光学アセンブリ1600は、カメラからフィルタスタックアセンブリまでの視線に配置された少なくとも1つの円形偏光フィルタ1304も備え得る。少なくとも1つの円形偏光フィルタ1304は、赤外線画像コントラストを改善し、赤外線ゴースト画像を最小限に抑えるように構成され得る。
【0162】
一部の実現例では、光学アセンブリ1600は、仮想現実環境と拡張現実環境とのどちらかまたは双方で使用されるヘッドマウントディスプレーデバイスのフレームに搭載されるように構成されている。
【0163】
一部の実現例では、フィルタスタックアセンブリ1600は、拡張現実体験を提供するように透明である。この例では、カメラ1614は、光学アセンブリを収容するヘッドマウントディスプレイにアクセスしているユーザの目の像を取込むように構成されている。取込まれた像を光学アセンブリに通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサに提供して、フィルタスタックアセンブリを介して視標追跡を行い得る。
【0164】
図17Aおよび
図17Bは、ディスプレイのある側面に収容されたカメラを有して構成された光学アセンブリの例を示すブロック図である。これらの構成例では、ユーザは、ディスプレイ上の仮想コンテンツと光学アセンブリ1700を収容するHMDデバイスを取り囲む物理的空間との双方を眺め得る。
図17Aは、拡張現実環境および仮想現実環境で使用される光学アセンブリ1700の例である。アセンブリ1700は、組み合わされたフィルタスタック/レンズアセンブリ1704に垂直に搭載されたディスプレイ1702を備える。アセンブリ1704は、
図2〜
図16で定義および説明したように、光学素子を含み得る。
【0165】
一部の実現例では、アセンブリ1700は、IR反射被覆層で被覆された偏光ビームスプリッタ1706を備え得る。ビームスプリッタ1706は、目領域1708において示すように、ユーザの目から取込まれた光を、光路1712の例で示すように、ディスプレイ1702を越えてIRカメラ1710まではね返し得る(たとえば、反射し得る)。ここで、光源は、目領域1708で輝くように、アセンブリ1704にまたはその近くに配置され得る。ユーザの目に映った光の反射は、ビームスプリッタ1706に向けて、ディスプレイ1702を通ってカメラ1710内へ反射され得る(たとえば、光路1712)。取込まれた反射および他の取込まれた反射は、アセンブリ1700を収容するHMDデバイスのための視標追跡を実現するように使用可能である。ビームスプリッタ1706は、ディスプレイ1702を通ってカメラ1710までIR波長(または近赤外波長)を反射するように設計され得る。
【0166】
アセンブリ1700の一例では、視点角度は、y軸方向で約−5度であり、x軸方向で約24度である。カメラ1710と関連するカメラ視野は、約40度であり得る。これらのメトリクスは、約25度、−5度、57度の同等のカメラ位置(x、y、z)になり得る。
【0167】
一部の実現例では、アセンブリ1700は、ヘッドマウントディスプレイシステムに収容されている。ヘッドマウントディスプレイシステムは、プロセッサ、フィルタスタックアセンブリ1704、表示デバイス1702、およびカメラ1710を備え得る。フィルタスタックアセンブリ1704は、それ自体を通って送信される光の光路を折畳むように構成され得る。一部の実現例では、
図5に示すように、フィルタスタックアセンブリは、少なくとも1つのレンズ、第1のフィルタ、および第2のフィルタを備える。
【0168】
第1のフィルタは、偏光ビームスプリッタ層の第1の側面に結合された少なくとも1つの赤外線フィルタ層を含み得る。偏光ビームスプリッタ層は、偏光ビームスプリッタ層の第2の側面で第1の四分の一波長板層に結合され得る。
【0169】
第2のフィルタは、直線偏光子に結合された第2の四分の一波長板を含み得る。第2のフィルタは、第1の側面で湾曲して湾曲レンズに結合可能であり、第2の側面で直線偏光子に結合可能である。一部の実現例では、少なくとも1つの赤外線フィルタ層の第1の側面は、少なくとも1つのレンズで被覆されている。
【0170】
表示デバイス1702はアセンブリ1700に搭載されており、表示デバイスの第1の縁部1716はフィルタスタックアセンブリ1704に結合されフィルタスタックアセンブリ1704の上縁部に垂直であり、表示デバイスの第2の縁部1718は、角度を付けられたビームスプリッタフィルタ1706の第1の縁部に結合されており、ビームスプリッタフィルタの第1の縁部は、フィルタスタックアセンブリに対して角度1720で傾斜している。ビームスプリッタフィルタの第2の縁部1722は、フィルタスタックアセンブリ1704の底縁部に結合されている。たとえば、ビームスプリッタフィルタ1706は、アセンブリ1704において少なくとも1つの半透過型(たとえば、部分透過型および部分反射型)レンズの光軸に対して約45度の角度で傾斜し得る。
【0171】
カメラ1710は、表示デバイス1702の上方でヘッドマウントディスプレイシステムに配設され得る。一部の実現例では、カメラ1710は、フィルタスタックアセンブリ1704を介してビームスプリッタフィルタ1706から、および表示デバイス1702を介して受信された反射の像を取込むように構成されている。一部の実現例では、カメラは、ヘッドマウントディスプレイシステムにアクセスしているユーザの目の動きを追跡するために、少なくとも1つのプロセッサに像を提供する。一部の実現例では、カメラ1710は、約40度〜約45度の視野を取込む赤外線カメラである。
【0172】
図17Bは、
図17Aの光学アセンブリ1700を上から下方向に見た図である。この例では、ディスプレイ1702は、HMDデバイスの上部にわたっている。第1の縁部は、アセンブリ1704に接続されている、または、隣接するように適合されている。ディスプレイ1702は、ユーザに対して拡張現実インタラクションを実現するために、物理的世界を眺めるのと同時に眺められ得る。
【0173】
一部の実現例では、目領域1708は、約32ミリメートル×24ミリメートルである。アセンブリ1704からのアイレリーフは、約17ミリメートルであり得る。目撮像領域は、x方向でプラスまたはマイナス約25度、および、y方向でプラスまたはマイナス約25度の回転を含み得る。目撮像領域は、x方向にプラスまたはマイナス約5ミリメートル、および、y方向でプラスまたはマイナス約2.5ミリメートルで偏心され得る。
【0174】
図18A〜
図18Dは、本明細書で説明される光学アセンブリについての送信性能の例を示す図である。
図18A〜
図18Dの例では、半透過型(たとえば、部分透過型および部分反射型)レンズ(たとえば、レンズ1202)上の被覆層は、様々な光の入射角で試験が行われる。一部の実現例では、この被覆層は、約400ナノメートルから約700ナノメートルの可視域において50%の透過率および50%の反射率を有し、約780ナノメートルから約2500ナノメートルの近赤外線領域で高い透過率を有する。
【0175】
図18Aは、0度の入射角についての、波長に対する測定された透過率を示すグラフ1802である。平均偏光は、約850ナノメートルにおいて示されるピーク1806の透過率を有する曲線1804で示されている。
【0176】
図18Bは、30度の入射角についての、波長に対する測定された透過率を示すグラフ1808である。平均偏光は、約840ナノメートルにおいて示されるピーク1812の透過率を有する曲線1810で示される。p−偏光は、曲線1814によって示されている。s−偏光は、曲線1816によって示されている。
【0177】
図18Cは、10度の入射角についての、波長に対する測定された透過率を示すグラフ1820である。平均偏光は、約850ナノメートルにおいて示されるピーク1824の透過率を有する曲線1822で示されている。p−偏光は、曲線1826で示されている。s−偏光は、曲線1828で示されている。
【0178】
図18Dは、20度の入射角についての、波長に対する測定された透過率を示すグラフ1830である。平均偏光は、約850ナノメートルにおいて示されるピーク1834の透過率を有する曲線1832で示されている。p−偏光は、曲線1836で示されている。s−偏光は、曲線1838で示されている。
【0179】
図19Aは、HMDデバイスに収容され得る光学アセンブリ1902の例を示すブロック図である。HMDデバイスは、HMDデバイスの2つのアイピースの各々に関して、光学アセンブリ1902のうち少なくとも1つを含み得る。光学アセンブリ1902は、湾曲フィルタスタックアセンブリ1904を含み得る。湾曲フィルタスタックアセンブリ1904は、両凸形状である。フィルタスタックアセンブリ1904の形状は、光学アセンブリ1902の光学性能を改良して、たとえば、アセンブリ1902および1904の双方を収容するHMDデバイスについて画像コントラストおよび/または解像度を増大させるように選択可能である。一部の実現例では、フィルタスタックアセンブリ1904は、1つ以上のフィルタスタック1908に被覆されている、または他の態様では、これらに取り付けられている凹状(たとえば、湾曲した)レンズ1906を含み得る。
【0180】
図19Aに示すように、ユーザの目1910が光学アセンブリ1902の左側にシミュレートされており、ディスプレイ1912は、光学アセンブリ1902の右側に示されている。ディスプレイ1912は、光学アセンブリ1902を収容するHMDにおいて少なくとも1つのアイピースに画像コンテンツを表示するように動作可能な画像投影デバイスであり得る。
【0181】
また、光学アセンブリ1902は、湾曲メニスカスレンズ1916に隣接した第1のフィルタスタック1914および表示パネル1915を備える。湾曲レンズ1916は、フィルタスタック1904の表面1918に相補的な形状の凹面を有し得る。一部の実現例では、湾曲レンズ1916は、プラスチックで構成され得、ビームスプリッタ層で被覆され得る。
【0182】
光学アセンブリ1902は、ディスプレイ1912によって提示されフィルタスタック1904、湾曲レンズ1916、およびフィルタスタック1914を通る光の光路を折畳むように機能し得る。この例では、折畳まれた光路の複数の例が、矢印1922で示されている。また、フィルタスタック1904は、上述のIRフィルタと類似の表面1906上のIRフィルタ被覆層を含み得る。
【0183】
図19Bは、HMDデバイス内に収容可能な光学アセンブリ1930の例を示すブロック図である。HMDデバイスは、HMDデバイスの2つのアイピースの各々について、光学アセンブリ1930のうち少なくとも1つを含み得る。光学アセンブリ1930は、湾曲フィルタスタックアセンブリ1932を備え得る。この例における湾曲フィルタスタックアセンブリ1932は、湾曲レンズ1936の表面1934に相補的な凹状メカニカス形状を有する。フィルタスタックアセンブリ1932の形状は、アセンブリ1930の光学性能を改良して光学アセンブリ1930および1932の双方を収容するHMDデバイスに関する画像コントラストおよび/または解像度を増大させるように選択され得る。
【0184】
一部の実現例では、レンズ1936を、1つ以上の湾曲フィルタスタック1932に被覆し得る、または他の態様では、これらに取り付け得る。フィルタスタックアセンブリ1932は、フィルタスタック1952の第1の側面にレンズ被覆層1933を、第2の側面1937に1つ以上の他のフィルタ層を含む。
【0185】
図19Bに示すように、ユーザの目1910は光学アセンブリの左側にシミュレートされている一方で、ディスプレイ1912は、光学アセンブリ1930の右側に示されている。ディスプレイ1912は、光学アセンブリ1930を収容するHMDにおいて少なくとも1つのアイピースに画像コンテンツを表示するように動作可能な画像投影デバイスであり得る。
【0186】
また、光学アセンブリ1930は、レンズ1936に隣接した第1のフィルタスタック1914および表示パネル1915を備える。一部の実現例では、レンズ1936は、プラスチックで構成され得、ビームスプリッタ層で被覆され得る。
【0187】
光学アセンブリ1930は、ディスプレイ1912によって提示され、フィルタスタック1914、レンズ1936、およびフィルタスタック1932を通過する光の光路を折畳むように機能し得る。この例では、折畳まれた光路の複数の例を、矢印1940で示す。また、フィルタスタック1904は、上述のIRフィルタに類似した、表面1906上のIRフィルタ被覆層を含み得る。
【0188】
図19Cは、HMDデバイスに収容され得る光学アセンブリ1950の例を示すブロック図である。HMDデバイスは、HMDデバイスの2つのアイピースの各々のために、光学アセンブリ1950のうち少なくとも1つを含み得る。光学アセンブリ1950は、湾曲フィルタスタックアセンブリ1952を備え得る。この例における湾曲フィルタスタックアセンブリ1952は、表面1954上で、湾曲レンズ1958の表面1956に相補的な両凸形状を有する。フィルタスタックアセンブリ1952は、光学アセンブリ1950の光学性能を改良して、たとえば、アセンブリ1950と1952との双方を収容するHMDデバイスに関して画像コントラストおよび/または解像度を増大させるように選択可能である。
【0189】
一部の実現例では、レンズ1958は、1つ以上の湾曲フィルタスタック1952に被覆され得る、または他の態様では、これらに取り付けられ得る。フィルタスタックアセンブリ1952は、アセンブリ1952上の(表面1960上の)レンズ被覆層と、表面1954上の1つ以上の他のフィルタ層とを備える。
【0190】
図19Cに示すように、ユーザの目1910は光学アセンブリ1950の左側にシミュレートされている一方で、ディスプレイ1912は、光学アセンブリ1950の右側に示されている。ディスプレイ1912は、光学アセンブリ1950を収容するHMDの少なくとも1つのアイピースに画像コンテンツを表示するように動作可能な画像投影デバイスであり得る。
【0191】
また、光学アセンブリ1950は、レンズ1958に隣接する第1のフィルタスタック1914および表示パネル1915を備える。一部の実現例では、レンズ1958は、プラスチックで構成され得、ビームスプリッタ層で被覆され得る。
【0192】
光学アセンブリ1950は、ディスプレイ1912によって提示され、フィルタスタック1914、レンズ1958、およびフィルタスタック1952を通過する光の光路を折畳むように機能し得る。この例では、折畳まれた光路の複数の例が、矢印1962で示されている。また、フィルタスタック1952は、上述のIRフィルタに類似した、表面1960上のIRフィルタ被覆層を含み得る。
【0193】
図示されていないが、カメラ、バイザー、他のレンズおよび/または被覆層などの要素およびフィルタは、
図7〜
図9および
図13〜
図16を参照して説明されたように、
図19A〜
図19Dにおいて示されるアセンブリと共に使用可能である。一部の実現例では、
図19A〜
図19Cに示すフィルタスタックは、湾曲していない(たとえば、平坦である)場合もある。
【0194】
本開示にわたって説明される構成要素は、密閉されている/他の構成要素に接続されているように図示および/または説明されていることがあるが、各構成要素は、隣接する構成要素に接着固定され得る。代替的に、各構成要素は、隣接する構成要素に機械的に接続可能である、または、摩擦固定可能である。他の実現例では、どの構成要素も固定または接続されていないが、アセンブリに収容されたユニットとして共に機能し得る。一部の実現例では、構成要素の一部は被覆され得る一方で、他の部分は被覆されないままである。本開示にわたって図示されるレンズデバイスは、独立型であり得る、または、製造されたアセンブリに一体化可能であり得る。さらに、特定の図ではただ1つのレンズが示されているが、複数のレンズを代用可能である。さらに、1つの光学アセンブリを図示する場合、他の光学アセンブリは、HMDデバイスに含まれ得る。たとえば、光学アセンブリをHMDデバイスで複製して、各アイピースのために1つの光学アセンブリを提供することも可能である。
【0195】
ここで説明されるシステムおよび技術の様々な実現例は、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計されたASICs(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはそれらの組合せで実現され得る。これらのさまざまな実現例は、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステム上で実行可能および/または解釈可能な1つ以上のコンピュータプログラムにおける実現例を含んでもよく、当該プロセッサは専用であっても汎用であってもよく、ストレージシステム、少なくとも1つの入力デバイス、および少なくとも1つの出力デバイスからデータおよび命令を受信するように、およびこれらにデータおよび命令を送信するように結合され得る。
【0196】
これらのコンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーションまたはコードとしても公知)はプログラマブルプロセッサのための機械命令を含んでおり、高レベル手続きおよび/もしくはオブジェクト指向プログラミング言語で、ならびに/またはアセンブリ/機械言語で実現され得る。「機械読取可能媒体」または「コンピュータ読取可能媒体」という用語は、本明細書において使用されるように、機械命令および/またはデータをプログラマブルプロセッサに提供するために用いられる任意のコンピュータプログラムプロダクト、装置および/またはデバイス(たとえば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブルロジックデバイス(PLDs))を指し、機械命令を機械読取可能信号として受信する機械読取可能媒体を含む。「機械読取可能信号」という用語は、機械命令および/またはデータをプログラマブルプロセッサに提供するために用いられる任意の信号を指す。
【0197】
ユーザとのインタラクションを提供するために、本明細書に記載のシステムおよび技術は、情報をユーザに表示するためのディスプレイデバイス(たとえば、CRT(陰極線管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)と、ユーザが入力をコンピュータに提供する際に使用可能なキーボードおよびポインティングデバイス(たとえば、マウスまたはトラックボール)とを有するコンピュータ上で実現され得る。他の種類のデバイスを用いてユーザとのインタラクションを提供することもできる。たとえば、ユーザに提供されるフィードバックは任意の形態の感覚フィードバック(たとえば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバック)であり得、ユーザからの入力は、音響、スピーチ、または触覚入力を含む任意の形態で受信され得る。
【0198】
本明細書に記載のシステムおよび技術は、(たとえば、データサーバとして)バックエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステムにおいて実現され得る、ミドルウェアコンポーネント(たとえば、アプリケーションサーバ)を含むコンピューティングシステムにおいて実現され得る、フロントエンドコンポーネント(たとえば、ユーザが本明細書に記載のシステムおよび技術の実現例とインタラクションする際に使用可能なグラフィカルユーザインターフェイスもしくはウェブブラウザを有するクライアントコンピュータ)を含むコンピューティングシステムにおいて実現され得る、または、そのようなバックエンド、ミドルウェア、もしくはフロントエンドコンポーネントの任意の組合せを含むコンピューティングシステムにおいて実現され得る。システムのコンポーネントは、任意の形態または媒体のデジタルデータ通信(たとえば、通信ネットワーク)によって相互に接続され得る。通信ネットワークの例として、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、およびインターネットが挙げられる。
【0199】
コンピューティングシステムは、クライアントおよびサーバを含み得る。クライアントおよびサーバは一般に互いにリモートであり、典型的に通信ネットワークを介してインタラクションする。クライアントとサーバとの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行されて互いにクライアント−サーバ関係を有するコンピュータプログラムによって生じる。
【0200】
複数の実施形態について説明を行ったが、本明細書の精神および範囲内でさまざまな修正が可能であることが理解されるであろう。
【0201】
さらに、図面に示される論理の流れは、望ましい結果を得るために、図示された特定の順序または順番を必要とするものではない。さらに、上述の流れに他のステップを設けることが可能である、または、上述の流れからステップを削除することが可能である、および、説明されたシステムに他のコンポーネントを追加可能である、または、説明されたシステムからコンポーネントを削除可能である。そのため、他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内である。