(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御情報送信部は、発見用チャネルで送信される発見用メッセージのメッセージタイプを前記D2D制御情報を示すメッセージタイプとしたフォーマットを用いて前記D2D制御情報を送信する
請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載の端末。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。例えば、本実施の形態に係る移動通信システムはLTEに準拠した方式のシステムを想定しているが、本発明はLTEに限定されるわけではなく、他の方式にも適用可能である。また、本明細書及び特許請求の範囲において、「LTE」は、3GPPのRel−12、13もしくはそれ以降に対応する通信方式も含み得る広い意味で使用する。
【0020】
以下では、基本的に、基地局を「eNB」と表記し、ユーザ装置を「UE」と表記する。eNBは「evolved Node B」の略語であり、UEは、「User Equipment」の略語である。
【0021】
(システム構成)
図3は、本発明の実施の形態に係る通信システムの構成図である。本実施の形態に係る通信システムは、eNB10のカバレッジ(セル)内にUE1が存在するセルラ通信システムである。カバレッジ内のUE1はD2D通信機能を有しており、カバレッジ内の他UEとの間でD2D通信を行うことが可能である。また、カバレッジ内のUE1はカバレッジ外のUE2とD2D通信を行うことも可能である。カバレッジ外のUE2もD2D通信機能を有しており、他UEとの間でD2D通信を行うことが可能である。更に、カバレッジ内のUE1はeNB10との間で通常のセルラ通信を行うことが可能である。
【0022】
カバレッジ内のUE1は、信号中継機能を有し、リレーUE1と称してもよい。また、カバレッジ外のUE2をリモートUE2と称してもよい。リレーUE1は、eNB10とリモートUE2との間で信号を中継することが可能である。なお、リレーを行うことは一例である。
【0023】
eNB10とリレーUE1との間のリンクをバックホールリンクと呼び、リレーUE1とリモートUE2との間のリンクをアクセスリンクと呼ぶ。
【0024】
図3に示したリレーの構成は、本発明の適用の一例に過ぎず、本発明は、リレー等に限らずに適用できる。すなわち、本発明は、
図4に示すように、例えば、カバレッジ内UE1とカバレッジ外UE2間でD2D通信を行う通信システム全般に適用可能である。これは、カバレッジ内UE1からカバレッジ外UE2にD2D制御情報等を送信すること、及び、カバレッジ外UE2からカバレッジ内UE1にD2D制御情報等を送信することの両方を含む。また、
図4に示すUE1とUE2からなるシステムは、全体がカバレッジ外であってもよいし、全体がカバレッジ内にあってもよい。
【0025】
本実施の形態では、このような通信システムにおける制御情報の効率的な送受信を実現するための技術を詳細に説明するが、当該技術の説明の前に、その前提となるD2Dの技術の例を説明しておく。
【0026】
(D2D通信で使用されるチャネルの構造等)
D2D通信における信号の送受信は、セルラ通信における上りリンクのリソースの一部を使用して行われる。D2D通信のチャネル構造の例を
図5A、Bに示す。
図5Aに示すように、Communicationに使用されるPSCCHのリソースプール及びPSSCHのリソースプールが割り当てられている。また、Communicationのチャネルの周期よりも長い周期でDiscoveryに使用されるPSDCHのリソースプールが割り当てられている。
【0027】
また、D2D用の同期信号としてPSSS(Primary Sidelink Synchronization)とSSSS(Secondary Sidelink Synchronization)が用いられる。また、カバレッジ外動作のためにD2Dのシステム帯域、フレーム番号、リソース構成情報等の報知情報(broadcast information)を送信するPSBCH(Physical Sidelink Broadcast Channel)が用いられる。
図5Bは、PSCCH及びPSSCHの構造例である。
【0028】
図6Aに、Discoveryに使用されるPSDCHのリソースプールの例を示す。リソースプールは、サブフレームのビットマップで設定されるため、
図6Aに示すようなイメージのリソースプールになる。他のチャネルのリソースプールも同様である。また、PSDCHは、周波数ホッピングしながら繰り返し送信(repetition)がなされる。繰り返し回数は例えば0〜4で設定可能である。また、
図6Bに示すように、PSDCHはPUSCHベースの構造を有し、DM−RSが挿入される構造になっている。
【0029】
図7Aに、Communicationに使用されるPSCCHとPSSCHのリソースプールの例を示す。
図7Aに示すとおり、PSCCHは、周波数ホッピングしながら1回繰り返し送信(repetition)がなされる。PSSCHは、周波数ホッピングしながら3回繰り返し送信(repetition)がなされる。また、
図7Bに示すように、PSCCHとPSSCHはPUSCHベースの構造を有し、DM−RSが挿入される構造になっている。
【0030】
図8A、Bに、PSCCH、PSDCH、PSSCH(Mode2)におけるリソースプールコンフィギュレーションの例を示す。
図8Aに示すように、時間方向では、リソースプールはサブフレームビットマップとして表される。また、ビットマップは、num.reprtitionの回数だけ繰り返される。また、各周期における開始位置を示すoffsetが指定される。
【0031】
周波数方向では、連続割り当て(contiguous)と不連続割り当て(non−contiguous)が可能である。
図8Bは、不連続割り当ての例を示しており、図示のとおり、開始PRB、終了PRB、PRB数(numPRB)が指定される。
【0032】
図9A、Bは、PSSS/SSSSを示す。
図9Aは、communicationにおける同期サブフレームの例を示す。同図に示すように、PSSS、SSSS、DM−RS、及びPSBCHが多重される。
図9Bは、discoveryにおける同期サブフレームの例を示す。同図に示すように、PSSSとSSSSが多重される。
【0033】
PSBCHは、DFN(D2Dフレーム番号)、TDD UL−DLコンフィギュレーション、In−coverage indicator、システム帯域幅、reserved field等を含む。
【0034】
図10は、PSBCHのユースケースの一例として、同期信号リレーの例を示す。
図10に示すように、カバレッジ内のUE1がeNB10からPSS/SSS、SIB等を受信する(ステップS1)。UE1は、所定の条件を満たしたら、PSSS/SSSS、PSBCHを送信(報知)し(ステップS2)、カバレッジ外のUE2がこれらを受信する(ステップS3)。UE2は、所定の条件を満たしたら、PSSS/SSSS、PSBCHを送信(報知)し、カバレッジ外のUE3がこれらを受信する(ステップS4、S5)。このような同期リレーにより、例えば、カバレッジ外UE2とカバレッジ外UE3間、カバレッジ内UE1とカバレッジ外UE2間等において、セルラーネットワークと同期したD2D通信を行うことができる。
【0035】
図11に、PSDCHにより送信される発見用メッセージ(Discovery message)の内容を示す(非特許文献4)。
図11に示すように、発見用メッセージは、Message Typ、ProSe Application Code、MIC(Message integrity check)、Time Counterを有し、CRCが付加される。また、ProSe Application Codeは、PLMN IDとTemporary IDを有する。
【0036】
(本発明の実施の形態の説明)
前述したように、PSBCHのペイロードサイズは限られている。特に、将来の拡張のために用意されているreserved fieldは19ビットしかない。従って、例えば、カバレッジ内UEをリレーとして使用して、ネットワークとカバレッジ外UEとの間でデータ通信を行う場合に、既存のPSBCHでは、カバレッジ外UEに対してD2D通信を行うためのPSDCH、PSCCH/PSSCH等のリソースプールを通知できない。
【0037】
そこで、本実施の形態では、基本例として、Discovery用のチャネル(PSDCH)を使用して、大容量のブロードキャストチャネルを定義し、使用することとする。実施の形態において、当該チャネルにより送信する情報を「D2D SIB」と呼ぶ。これを「制御情報」あるいは「制御信号」と呼んでもよい。
【0038】
図12は、上記制御信号を示すことで、D2D SIBを受信するUE(例:カバレッジ外のUE)の動作概要を説明する図である。当該UEは、PSSS/SSSSを受信することで同期をとり、PSBCHを受信する。PSBCHには、D2D SIBを受信するための制御情報(例:D2D SIB受信のためのリソースプールコンフィギュレーション等)が含まれている。UEは、当該制御情報に基づき、D2D SIBを受信する。D2D SIBには、例えばCommunicaiton/Discoveryの信号送受信を行うために必要な制御情報が含まれている。UEは、当該制御情報に基づき、Communicaiton/Discoveryの信号送受信を行うことができる。
【0039】
図13は、上記の処理手順をシーケンス図で表した図である。
図13に示すように、カバレッジ内UE1はeNB10からシグナリングを受信する。当該シグナリングには、例えば、PSBCHに含めるべきD2D SIB受信のためのコンフィギュレーション情報が含まれる。
【0040】
ステップS112において、UE1は、eNB10から受信した情報を含むPSBCHをカバレッジ外UE2に送信する。ステップS113において、UE1は、D2D SIBを送信する。UE2は、ステップS112で受信したPSBCHに含まれる情報を利用して、D2D SIBを受信し、復号し、コンテンツを取得する。
【0041】
なお、本実施の形態では、カバレッジ内のリソースプール等の情報をカバレッジ外に通知する例を主に示しているが、これは一例に過ぎず、本発明の適用先はカバレッジ内からカバレッジ外への通知に限られない。例えば、カバレッジ外の通信グループ内のUE間で制御情報を送受信することによりリソース設定や送信電力制御等を行うことが可能である。また、カバレッジ内のUE間で制御情報を送受信することによりリソース設定や送信電力制御等を行うことも可能である。カバレッジ外で制御情報を送信するUEを同期信号を送信しているUEに限定したり、他UEからの制御情報が検出できない・あるいは一定レベル以下でしか受信できないUEに限定する(マスターUEを設定する)ことで端末位置に基づいた端末クラスター制御を行なうことも可能である。
【0042】
また、本実施の形態では、バックホールがLTEである場合の例を示しているが、これも一例であり、例えば、バックホールが有線、衛星等のネットワークでもよい。
【0043】
本実施の形態のD2D SIBは、セル固有(cell specific)とすることもできるし、UE固有(UE specific)とすることもできるし、グループ固有(group specific)とすることもできるし、セル、UEともに区別しない情報とすることもできる。
【0044】
セル固有D2D SIBには、例えば、当該D2D SIBを送信するカバレッジ内UE1が在圏するセルのID及び/又はSLID(Sidelink ID)等が含まれる。また、当該IDは、当該D2D SIBに関連付けられるPSSS/SSSSから検知することとしてもよい。
【0045】
UE固有D2D SIBには、例えば、当該D2D SIBを送信するカバレッジ内UE1のID(例:L2 ID)が含まれる。グループ固有D2D SIBには、例えば、当該D2D SIBに関連するグループを識別するIDが含まれる。
【0046】
<D2D SIB受信のためのコンフィギュレーション情報>
PSBCHにより送信されるD2D SIB受信のためのコンフィギュレーションの情報は、例えば、PSBCHのreserved fieldに含まれて送信される。
【0047】
コンフィギュレーションの情報は、少なくとも、当該PSBCHに加えてD2D SIBが送信されることを示すD2D SIBインジケータ(indicator)を含む。当該D2D SIBインジケータは、例えば1ビットである。例えば、以下で説明する情報が事前設定されている場合、UE2は当該インジケータにより、D2D SIB受信を認識し、事前設定情報に基づきD2D SIBを取得する。
【0048】
D2D SIB受信のためのコンフィギュレーションの情報のその他の情報としては、受信リソースプールのコンフィギュレーション、CP長、D2D SIBの数、D2D SIBのインデックス、SIB送信パワーコントロール情報、変更通知(Change notification)がある。変更通知により検出ミスを検知できる。変更通知は、既に送信したD2D SIBに変更が生じ、変更後のD2D SIBを送信する場合に通知される情報である。
【0049】
例えば、カバレッジ内のUE1に対して、eNB10から上位レイヤシグナリングで、PSBCHで送信するべき情報、D2D SIBの情報等が通知される。また、eNB10はUE1に対し、上位レイヤシグナリングで、D2D SIBの送信を設定することもできる。つまり、この場合、UE1は、eNB10からD2D送信の指示を受けた場合にのみD2D SIBの送信をする。
【0050】
もしくは、PSSS/SSSS/PSBCHを送信するカバレッジ内UE1は、D2D SIBの設定をeNB10からなされた場合に、当該設定に係るD2D SIBを送信することとしてもよい。つまり、UE1がD2D SIBの送信を行うか否かについてはeNB10から指示はされず、UE1がPSSS/SSSS/PSBCHを送信する場合に、D2D SIBのコンテンツの設定がeNB10からなされた場合に、UE1はD2D SIBの送信を行う。
【0051】
また、カバレッジ外のUEやRRC_IDLE UEにおいても、当該UEが上位レイヤの指示に基づいてD2D SIBを送信することとしてもよい。
【0052】
<D2D SIB受信のリソースプールのコンフィギュレーション例>
D2D SIB受信のためのリソースプールのコンフィギュレーションとしては、シグナリングオーバヘッドを減らすために、以下のようなコンフィギュレーションを用いることができる。以下、固定とした情報については、各UEが当該情報を把握しており、UE1からUE2へ当該情報を送信することは不要である。
【0053】
まず、時間ドメイン情報として、発見期間(discovery period)のサブフレームオフセットを固定とする。また、周期(発見期間)は固定とするか、選択肢の数を減らす。例えば、周期を32無線フレームに限定する。また、リソースプール内でのPSDCHの繰り返し回数は固定とするか、選択肢の数を少なくする。例えば、4回送信の固定とする。
【0054】
また、サブフレームビットマップの内容を固定とするか、選択肢を少なくする。例えば、発見期間の全ての上りサブフレームをDiscovery送信用サブフレームとする。また、サブフレームビットマップの繰り返しは固定とするか選択肢を減らす。例えば、サブフレームビットマップの繰り返しを1回とする(つまり、2回送信)。
【0055】
周波数ドメインの情報としては、例えば、PRBの粒度を1PRBよりも多くする。また、連続したPRBの構成をシグナリングすることとする。例えば、開始PRBと終了PRBのみをシグナリングし、PRB数のシグナリングを省略することとしてよい。また、周波数方向リソース量(PRB)を固定としてもよい。
【0056】
また、周期的に到来する複数のDiscoveryリソースプールのうちの1つのDiscoveryリソースプールでD2D SIB送信を行うことと定めてもよい。
【0057】
上記のように、D2D SIB受信のリソースプールのコンフィギュレーションを限定することで、コンフィギュレーションの情報量を削減でき、PSBCHのreserved fieldを用いてD2D SIB受信のリソースプールのコンフィギュレーションを送信することができる。
【0058】
<D2D SIBのメッセージフォーマット>
前述したように、本実施の形態では、Discoveryメッセージに基づくフォーットを利用してD2DSIBを送信する。
【0059】
当該フォーマットにおいて、本実施の形態では、新たなMessage Typeを導入する。
図14に示すように、Message Typeのビット(256パターン)には、使用されていないパターンがあるので、例えば当該使用されていないパターンのうち、1つ又は複数をD2D SIBのTypeを識別する情報として使用する。つまり、当該Discoveryメッセージは、D2D SIBを運ぶメッセージであることを識別するTypeを定義する。
【0060】
図15に示すように、Message TypeとCRC以外のビットはD2D SIBのペイロードとして使用することができる。
【0061】
特に、少なくとも、ProSe Application codeのフィールドはD2D SIBの情報に置き換えることができる。また、UE固有D2D SIBを送信するUEのL2 IDもしくはL3 IDが当該UE固有D2D SIBに含められる。UE固有D2D SIBに含めるL2 IDもしくはL3 IDについて、ID全部を含めずに、IDの一部を含めることとしてもよい。同様にして、グループID(全部もしくは一部)を含めることとしてもよい。
【0062】
セル固有D2D SIBについては、セル識別は関連するPSSS/SSSSで行ってもよいし、D2D SIBの所定フィールドにセルIDを含めることで実施してもよい。
【0063】
また、期限タイマ(Expiration timer)をD2D SIBの情報に含めることとしてもよい。このようなタイマ(タイマ値)を設けることで、カバレッジ外UE2は、更新後D2D SIBの検出ミスにより、古いD2D SIBを使い続けることを回避できる。
【0064】
複数のDiscoveryメッセージを用いることで、複数のD2D SIBを送信することも可能である。
【0065】
その場合、各D2D SIBには、インデックスが割り当てられ、例えば、当該インデックスはDiscoveryメッセージ内に、残りのビットを使用して含めることができる。また、インデックスの情報をmessage typeのフィールドに入れてもよい。また、周期的に到来する異なるリソースプールがそれぞれD2D SIBに関連付けられてもよい。また、送信元IDをこのインデックス又はその一部として用いてもよい。受信漏れを検出するため、PSBCHや代表となるD2D SIB(例:D2D SIB1)に、送信されるD2D SIB(例えば、グループ・セル固有でないD2D SIB)の数を含めてもよい。
【0066】
<既存のDiscoveryメッセージとの多重>
UE共通D2D SIB(セル固有D2D SIB)の送信については、例えば、eNB10から割り当てられるtype 2Bリソース(セミスタティック)を用いる。これにより、通常のDiscoveryで使用されるリソースプールと重ならないリソースプールを当該D2D SIBの送信に用いることができる。当該UE共通D2D SIBは、UE間で共通の上記リソースで送信される。Type 1(UE自律リソース割り当て)を用いた場合には、受信UEは前記D2D SIBのインデックス情報を用いて複数UEから重複して送信されたD2D SIBを検出することができ、不要な情報をフィルタリングすることができる。UE固有D2D SIBについては、例えばtype 1及びtype 2Bのリソースを用いることができる。
【0067】
<受信側UEの動作について>
例えば、カバレッジ外のUE2は、PSBCHの中のD2D SIBインジケータを検出した場合、PSBCHに含まれるD2D SIB受信のための情報を利用して、付随するD2D SIBの検出を実施する。もしもUE2がD2D SIBの検出に失敗した場合、例えば、事前設定の情報(pre−configuration)を使用してD2D Communication/Discoveryを行う。
【0068】
<変形例>
これまでは、D2D SIBをdiscoveryを利用して送信する例を説明したが、D2D SIBをcommunicationを利用して送信することとしてもよい。つまり、制御情報/データ(PSCCH/PSSCH)のメッセージを利用してD2D SIBを送信する。
【0069】
この場合でも、PSBCHの役割はdiscoveryと同じであり、PSBCHには、D2D SIBインジケータ、制御情報/データの受信のために必要なコンフィギュレーションの情報等が含まれる。例えば、カバレッジ外UE2は、カバレッジ内UE1から受信するPSBCHに含まれるコンフィギュレーションの情報を利用して、D2D SIBに対応する制御情報/データを受信する。
【0070】
本変形例では、例えば、通常のD2D Control/Dataのリソースプール(PSCCH/PSSCHのリソースプール)にD2D SIBを多重する。そのために、「制御情報」及び/又は「DataのMACヘッダ」における宛先IDとしてD2D SIB専用のIDを設ける。これにより、当該IDを検知した受信側のUEは、当該制御情報/データがD2D SIBであることを識別できる。
【0071】
また、制御情報におけるMCSのビットを64QAMに設定することで、D2D SIBのインジケータとしてもよい。MCSとして64QAMを設定しないように規定されているため、当該MCSを含む制御情報を受信した受信UEは、当該制御情報がD2D SIBに係る制御情報であることを識別できる。受信UEは、例えば、固定のMCS(例:QPSK)を利用してD2D SIBを受信する。
【0072】
また、データのMACヘッダにおける送信元IDを、セルID、UE ID、グループIDとして使用してもよい。
【0073】
また、D2D SIB用のSCIを新たに定義することで、受信端末がブラインドでD2D SIBに係る制御情報を検出してもよい。
【0074】
通常のD2D Control/Dataのリソースプール(PSCCH/PSSCHのリソースプール)にD2D SIBを多重する場合のイメージを
図16に示す。
図16に示すように、上記識別情報を有するSCI#1を受信したUEは、D2D SIBを取得する。また、通常のSCI#2を受信したUEは、データを取得する。
【0075】
また、別の例として、D2D SIB用のリソースプールとして、D2D SIB送信のみを行う専用のリソースプールを定めてもよい。これにより、UEは、事前設定された、あるいは報知情報等で設定されたリソースプールにより、D2D SIBを受信できる。
【0076】
本実施の形態に係る制御情報(D2D SIB)の送受信技術により、例えば、カバレッジ外UEがカバレッジ内リソースプールの構成情報を取得できるので、カバレッジ外UEとカバレッジ内UEは、カバレッジ内リソースプールを用いて、communication及びdiscoveryを行うことができる。これにより、上りの干渉を削減できるとともに、セルラ通信によるD2Dの中断を削減できる。
【0077】
また、グループ固有D2D SIBを用いることで、グループ専用の制御情報(リソースプール及び/又は送信電力等)を報知できる。これによりより良いQoSを確保できる。
【0078】
また、D2Dリレーを行う際に、リレー候補UEは、リモートUEに対して、D2D SIBを用いて、リレーUE選択のための測定リソースの情報等を送信できるので、効率的にD2Dリレーを実現できる。以下では、D2D SIBを利用する具体例として、このD2Dリレーについて説明する。
【0079】
(リレーの概要例)
図17に、D2Dリレーを行う際のプロトコルの例を示す。
図17に示す例では、IPレイヤでのリレーが行われる。本実施の形態では、
図17に示すように、IPレイヤのリレーを行うものとするが、リレーのレイヤはIPで限らず、IPよりも低レイヤでリレーを行ってもよい。
【0080】
図18は、
図17に示したようなプロトコルによりリレー通信を開始するために行われるリレー初期化処理の例を示す図である(非特許文献3)。なお、
図18は、本発明の実施の形態に係る処理内容の理解を促進するために、リレー初期化(IPアドレス割り当て等)のための処理例を非特許文献3に記載の技術に基づき説明する図である。
【0081】
ステップS11において、リレーUE1はネットワーク(PDN:パケットデータネットワーク)に接続し、IPアドレスの情報を取得する。ステップS12では発見手順が行われる。ここでは、リモートUE2が、リレーUE1の選択を行うことを支援する情報がリレーUE1から提供される。なお、
図18に示されるModel Aは、アナウンス(送信側)とモニタリング(受信側)からなるDiscovery方法であり、Model Bは、リクエストとレスポンスからなるDiscovery方法である。ステップS12において、L1/L2動作としては、リレーUE1のMACアドレス(L2アドレス、もしくはL2 IDと称してもよい)をリモートUE2が取得する処理が行われる。
【0082】
ステップS13において、リモートUE2がリレーUE1を選択する。接続するPDNのIPアドレスがIPv4である場合、リモートUE2は、上記L2アドレスを指定して、DHCPv4の手順を実行することによりIPアドレスを取得する(ステップS14〜S17)。
【0083】
接続するPDNのIPアドレスがIPv6である場合、リモートUE2は、RS(Router Solicitation)メッセージをリレーUE1(上記L2アドレス)に送信する(ステップS14)。RSメッセージを受信したリレーUE1は、IPv6プレフィックスを含むRA(Router Advertisement)メッセージをリモートUE2に送信する(ステップS15)。
【0084】
(本実施の形態に係るリレー初期化の手順例)
図19は、本実施の形態に係るリレー初期化(リレー通信を開始するための処理)の手順例を示す図である。
図19を参照して手順の概要を説明する。詳細についてはその後に説明する。
図19の例における通信システムの構成は
図3に示したものと同じであるが、
図19の例では、リレーUEとなり得るカバレッジ内UEが複数台示されている。これらはUE1A、UE1B、UE1Cと記述されている。以下、1A〜1Cを特に区別しない場合、UE1と記述する。また、本実施の形態では、基本的に、UE1はアクティブ化されるまではリレーになり得ず、アクティブ化されてからリレーになり得る。よって、基本的に、アクティブ化された後のUE1をリレー候補と呼び、リモートUEによりリレーとして選択されたUEをリレーUEと呼ぶ。
【0085】
ステップS10において、eNB10は、UE1をアクティブ化する。リモートUE2とeNB10間のリレーとして動作するUEは、アクティブ化されたリレー候補UEの中から選択される。
【0086】
ステップS20において、リレー候補UE1からリモートUE2に対してリレー可能NW/UEの通知がなされる。この通知により、リモートUE2は、リレーをサポートするネットワーク(eNB10)に、リレー動作可能なUEが存在することを把握できる。当該通知は、例えば、PSSS/SSSS、PSBCH、PSDCHによりなされる。
ステップS30において、リレー候補UEの中からリレーUEが選択される。リレーUEの選択においては、例えば、リモートUE2からリレー候補UE1に要求が送られ、当該要求に基づきリレー候補UE1からリモートUE2に対して信号(測定リソース)が送信され、リモートUE2は、当該測定リソースで伝送される信号の品質測定を行うことで、リレーUEとするUEを選択する。以下、「測定リソース」は、当該リソースで送信される信号の意味で使用する場合がある。
【0087】
その後、ステップS40にて、上位レイヤの接続処理が行われ、ステップS50にてリレー通信が実施される。以下では、ステップS10〜S30の処理の例を詳細に説明する。
【0088】
(UEのアクティブ化)
カバレッジ内にあるUEの全てがNWカバレッジ拡張のためのD2Dリレーに適しているわけではない。そこで、本実施の形態では、適切なカバレッジ内UEのみをアクティブ化して、リレー候補UEとして動作させることとしている。
【0089】
図20を参照して、UEをアクティブ化する手順例を説明する。本手順例では、eNB10が、UE能力(Capability)と測定報告に基づいてリレー候補とするUEを決定し、アクティブ化させる。ただし、
図20において、括弧が付されているステップは、オプショナルであり、実施しなくてもよいステップを示している。
図20では、UEとしてUE1のみが示されているが、これは代表として図示しているものであり、実際には複数のUEの中からUE1を選択してアクティブ化する処理が行われる。
【0090】
ステップS101において、eNB10はD2Dリレー動作を示す情報(SIBやRRC等)を通知する。本シグナリングには、ネットワークがリレーをサポートすること・あるいはUEにリレー能力を報告させることを示す情報を含む。
【0091】
ステップ102において、UE1はD2Dリレーに関する能力情報をeNB10に送信する。ステップS101のシステム情報の報知を行う場合、UE1は当該システム情報(NWがD2Dリレーをサポートする旨の情報)を受信したことに基づいてD2Dリレーに関する能力情報を通知することができる。
【0092】
ステップS103において、eNB10はUE1に対して測定要求を行う。測定要求は、例えば、RRC信号で行ってもよいし、MAC信号で行ってもよい。UE1は、測定要求に基づいて測定を行う(ステップS104)。ステップS104において、UE1は、セルラでの受信電力/受信品質(RSRP/RSRQ)等の測定を行うとともに、アクティブ化された他のリレー候補UEから送出される信号(例:PSDCH、PSCCH、PSSCH等のDM−RS)を測定することにより、周囲のアクティブ化されたリレー候補UEを検出する。
【0093】
ステップS104での測定の結果は測定報告としてUE1からeNB10に報告される。当該測定報告には、例えば、バックホールリンクの受信電力/受信品質(RSRP/RSRQ)、及び、UE1の周辺に存在する受信レベルが一定以上のリレー候補UEの数及び/又は受信レベル等が含まれる。
【0094】
eNB10は、UE1を含む各UEから受信した測定報告及びUE能力情報に基づいて、リレー候補としてアクティブ化するUEを決定し、決定したUEをアクティブ化する(ステップS106)。
【0095】
例えば、eNB10は、受信電力/受信品質から、適切なバックホールリンクの品質を有するUEであって、更に、周辺に存在するリレー候補UEの数が予め定めた閾値以下のUEをリレー候補としてアクティブ化するUEとして決定する。
【0096】
ステップ104の測定及びステップ105の測定報告は、アクティブ化したリレー候補UEも行うこととしてよく、eNB10は、当該測定報告に基づき、アクティブ化したリレー候補UEが、アクティブ化させる条件を満たさなくなった場合に、当該UEを非アクティブ化することができる。
【0097】
UEに対するアクティブ化/非アクティブ化は、eNB10から該当UEへの上位レイヤシグナリングで実施できる。当該シグナリングとして、例えば、RRC信号、MAC信号を使用することができる。また、アクティブ化のシグナリング、もしくは、他のタイミング(例:ステップS101)において、eNB10からUE1に対してリレー初期化のためのリソースの情報が通知されてもよい。リレー初期化のためのリソースの情報とは、例えば、リレー初期化においてリモートUEに送信する測定リソースの情報、PSBCHに含める情報等である。RRC_IDLEやDRXであってもリレー要求の受付は可能と考えられるため、アクティブ化にタイマーを設けてタイマーが満了するまではRRC_IDLEやDRXになってもアクティブ状態を維持してもよい。あるいは、アクティブ状態をRRC_CONNECTEDに限定することでリレー接続のためのRRC接続確立に伴う遅延が生じることを回避してもよい。これらの動作はeNBからのシグナリングで切り替えられるようにしてもよいし、端末動作としていずれかを定めてもよい。
【0098】
また、アクティブ化されたリモート候補UEは、例えば、バックホールリンクの品質低下を検知した場合や端末バッテリー残量が少なくなった場合等に、自律的に自身を非アクティベートしてもよく、RRC接続がある場合はそのことをeNBに報告してもよい。
【0099】
ステップS103〜S105を実行しないこととしてもよい。この場合、例えば、eNB10は、リレー能力を持つUEのうちの予め定めた割合のUEがリレー候補となるようにアクティブ化を行う。
【0100】
(D2Dリレー可能通知)
次に、UEがD2Dリレー可能であることを示すリレー可能通知(Indication of relay enabled NW/UE)を行うことを含む処理について
図21を参照して説明する。
【0101】
図21に示すように、UE1は、PSSS/SSSSとPSBCHを送信する(ステップS201)。カバレッジ外にあるリモートUE2は、PSSS/SSSSにより、カバレッジ内のUE1とタイミング同期及び周波数同期をとる。また、リモートUE2は、PSBCHにより、フレーム番号(DFN)等を把握する。
【0102】
ステップS201のPSBCHは、前述したD2D SIB受信のための情報を含むPSBCHに相当する。
【0103】
PSBCHには、送信側がカバレッジ内かカバレッジ外かを示す「In−coverage indicator」が含まれる。本実施の形態では、例えば、「In−coverage indicator」のビットが、カバレッジ内であることを示すビットである場合に、送信側のUE1はリレー可能であることを示す、とすることもできる。
【0104】
また、PSBCHには、「Reserved field」(例:19ビット)が含まれる。例えば、リレー可能(リレーの能力を持ち、ネットワークがリレーに対応している等)である送信側のUE1は当該「Reserved field」に、リレー可能であることを示す情報(ビット)を含めて当該PSBCHを送信し、PSBCHを受信したリモートUE2は、「Reserved field」に、リレー可能であることを示す情報がある場合に、リレー可能なUE1が存在すると判断することとしてもよい。また、後述するD2Dリレー用制御情報(D2D relay specific control information)を送信する場合、「Reserved field」には、D2Dリレー用制御情報を送信する(リモートUE2が受信する)リソースプールの構成情報が含まれてもよい。
【0105】
本実施の形態において、PSBCHを用いたリレー可能通知は、UE1がリレー候補としてアクティブ化されているかアクティブ化されていないかにかかわらずに送信される。
図21には、アクティブ化される前のUE1からリレー可能通知が送信されることが示されている。ただし、アクティブ化されたUEのみがリレー可能通知を送信することとしてもよい。
【0106】
ステップS202において、UE1BとUE1Cがリレー候補としてアクティブ化される。以下、
図21の説明において、UE1はUE1B又はUE1Cを示す。
【0107】
ステップS203において、UE1は、リモートUE2側にD2Dリレー用制御情報(D2D relay specific control information)を送信する(ブロードキャストする)。D2Dリレー用制御情報は、前述したD2D SIBに相当し、リモートUE2がリレーUEを選択するために使用するD2Dチャネル(例:測定リソース)を(送)受信するための情報を含む。
図19のステップS40、S50で用いるD2D送受信用の構成情報(リソースプール等)も通知してもよい。例えば、D2Dリレー用制御情報はカバレッジ外のUEが任意に受信できるよう、周期的に送信されるものとする。
【0108】
D2D SIBを用いてもリレー可能通知が可能であるため、PSBCHはD2D SIB受信のトリガにのみ用いてもよい。PSBCHをリレー可能通知に用いた場合、カバレッジ外UEがD2D SIBを受信できない場合にはカバレッジ外UEからModel BのRelay Discoveryによりカバレッジ内UEに対して事前設定されたパラメータを用いてリレー要求を行なってもよい。
【0109】
既に説明したように、D2Dリレー用制御情報は、PSDCH(Discoveryメッセージ)におけるProSe Application Code等のフィールドを利用して、PSDCHで送信することができる。例えば、当該PSDCHの送信のためのリソースプールのバリエーションは限られたものとして定めておくことで構成情報通知のための所要ビット数を削減し、当該PSDCHリソースの構成情報(コンフィギュレーション)は、ステップS201におけるPSBCHで通知される。
【0110】
また、例えば、D2Dリレー用制御情報の情報量が小さい場合、ステップS201において、PSBCHを用いてD2Dリレー用制御情報を送信してもよい。この場合、ステップS203での送信は不要である。
【0111】
その後、UE1からリモートUE2側に、リレーUE選択のための測定リソースが送信される(ステップS204、S205)。当該測定リソースは、ステップS202等で送信したD2Dリレー用制御情報に示されているリソースの情報に対応する。当該信号を受信したリモートUE2は、当該測定リソースで受信した信号の受信品質(RSRP,RSRQ等)を測定し、例えば、最も良い受信品質のUEをリレーUEとして選択する(ステップS206)。また、当該測定リソースは、例えば、PSDCH又はPSCCH/PSSCHで送信される。
図5等に示したようにこれらのチャネルは周期的に送信される。
【0112】
図20のステップS104で説明したように、カバレッジ内のUEは、周辺のアクティブ化されたリレー候補の検出を行う。この検出のためにモニタ(測定)するリソースとして、例えば、
図21のステップS204、S205等でリモート候補UEが周期的に送信するチャネルにおける、一部の周期のチャネルのDM−RSを用いることができる。
【0113】
リレー候補UE1は、周辺のリレー候補UEの検出(上記DM−RSの受信)をD2D送信よりも優先して行うこととしてよい。ただし、周辺のリレー候補UEの検出(上記DM−RSの受信)は、PSSS/SSSS及びPSBCH(及びD2Dリレー用制御情報)及び測定リソースの送信よりは優先されない。
【0114】
既に説明したように、D2Dリレー用制御情報及び/又はPSBCHは、リモートUE2がリレーUE選択のために使用するD2Dチャネル(測定リソース)を受信するための構成情報等を含む。より具体的には、D2Dリレー用制御情報及び/又はPSBCHは、コンテンツとして、例えば、リソースプールコンフィギュレーション、CP長情報、DM−RSコンフィギュレーションを含む。当該コンテンツは、例えば、eNB10から、カバレッジ内のUE1に対して上位レイヤシグナリングで設定されるものである。したがって、Rel−12 UEもPSBCHを用いてリレー可能通知を送信することができる。
【0115】
D2Dリレー用制御情報及び/又はPSBCHは、更に、オペレータID(例:PLMN、APN)を含むこととしてもよい。これにより、リモートUE2は、事前にネットワークアクセス可否を判断できる。オペレータIDにもとづいたIDを宛先IDに用いることで、暗黙的にオペレータIDを通知してもよい。また、D2Dリレー用制御情報及び/又はPSBCHは、L2グループ宛先IDを含んでもよい。これにより、リモートUE2は、当該グループを指定したマルチキャストでリレー候補UEに対してリレー要求を送信できる。また、D2Dリレー用制御情報及び/又はPSBCHは、セキュリティキー等のセキュリティ関連パラメータを含んでもよい。
【0116】
なお、上記のようなD2Dリレー用制御情報を各UEに事前設定(Pre−configured)しておき、リモートUE2への送信を行わないこととしてもよい。
【0117】
上記のように、アクティブ化したUEがリレー候補として動作するとともに、カバレッジ内UEがリレー可能通知をリモートUEに送信することにより、無駄な処理が削減され、効率的にリレー通信を開始することが可能となる。
【0118】
なお、上記の「リモートUE」とは、例えば、カバレッジ外で基地局の同期信号・報知情報を受信できないUEや、同期ソースとしての端末が送信する同期信号を用いているUE、あるいはRRC接続が完了できないなどの理由でネットワークへ接続できないUEなどである。つまり、リモートUEは、カバレッジ外のUEに限定されるわけではない。また、UEが「リレーUEとなる」とは、例えば、当該UEがリレーUEとして認証されたり、基地局からリレーUEとしての動作を指示されたり、当該UEが自律的にリレー動作実施を判断したうえでリレー中継に必要な動作を行うことである。
【0119】
(ユーザ装置の構成例)
図22に、本実施の形態に係るUEの機能構成図を示す。
図22に示すUEは、本実施の形態で説明したカバレッジ内UEとカバレッジ外UEのどちらにでもなり得るUEであるが、例えば、カバレッジ内UEの機能のみ、もしくはカバレッジ外UEの機能のみを備えることとしてもよい。また、
図22に示す例では、リレーを行う機能を含んでいるが、これは例であり、リレーを行う機能を含まない構成としてもよい。
【0120】
図22に示すように、当該UEは、信号送信部101、信号受信部102、能力情報記憶部103、制御情報作成部104、測定部105、リレー状態管理部106、リレー側処理制御部107、リモート側処理制御部108を含む。なお、
図22は、ユーザ装置UEにおいて本発明の実施の形態に特に関連する機能部のみを示すものであり、少なくともLTEに準拠した動作を行うための図示しない機能も有するものである。また、
図22に示す機能構成は一例に過ぎない。本実施の形態に係るUEの動作を実行できるのであれば、機能区分や機能部の名称はどのようなものでもよい。
【0121】
信号送信部101は、UEから送信されるべき上位のレイヤの信号から、物理レイヤの各種信号を生成し、無線送信する機能を含む。また、信号送信部101は、D2D通信の送信機能とセルラ通信の送信機能を有する。
【0122】
信号受信部102は、他のUE又はeNBから各種の信号を無線受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの信号を取得する機能を含む。信号受信部102は、D2D通信の受信機能とセルラ通信の受信機能を有する。
【0123】
能力情報記憶部103は、UEが、リレーUEとなる能力を有するか否かを示す能力情報を含む能力情報を記憶し、当該能力情報は信号送信部101からeNBに送信することができる。
【0124】
制御情報作成部104は、本実施の形態で説明したPSBCHに含める情報、D2D SIB(D2D制御情報)等を作成し、信号送信部101を介して送信する機能を含む。これらの情報は、例えば、eNBからシグナリングで受信する情報に基づき作成できる。制御情報作成部104と信号送信部101とで、例えば基地局のカバレッジ外に位置するカバレッジ外ユーザ装置がD2D制御情報を受信するためのリソースの構成情報と、前記D2D制御情報が送信されることを示す情報とをD2D用報知チャネルを用いて送信する報知チャネル情報送信部と、前記リソースを用いて、前記D2D制御情報を送信する制御情報送信部とを構成する。
【0125】
測定部105は、受信信号(例:DM−RS)の測定を行って受信品質(RSRP、RSRQ等)の情報を取得する機能を含む。測定部105は、本実施の形態で説明した、リモートUEでの測定、及びリレー(候補)UEでの測定のいずれも行う機能を含む。また測定は、アクセスリンクの測定とバックホールリンクの測定のいずれも可能である。
【0126】
また、測定部105は、周辺のアクティブ化したUEからの信号を測定することで、周辺のアクティブ化したUEを検出する機能を含む。
【0127】
リレー状態管理部106は、UEがリレー候補としてアクティブ化されているか否かの情報を管理(格納)している。例えば、eNBからアクティブ化指示を受信した場合に、当該UEはアクティブ化したことを示す情報を格納する。このことはUEをアクティブ化することに相当し、アクティブ化されたことにより、UEは、測定リソースの送信や応答の受信等、リレー候補としての動作を行う。また、リレー状態管理部105は、アクティブ化を継続する所定の条件(例:バックホールリンクの品質)を満たさない場合に、UEを非アクティブ化する機能も含む。
【0128】
リレー側処理制御部107は、データ通信のリレー処理を行うとともに、これまでに説明したリレーとなる側のUEの動作の制御を行う。例えば、リレー側処理制御部106は、信号送信部101を介して、リレー可能通知の送信、測定リソース等の送信、D2Dリレー用制御情報の送信等を行う。また、PDNからアドレスを取得し、リモートUEからの要求に応じてアドレスの情報を返す機能も含む。
【0129】
リモート側処理制御部108は、これまでに説明したリモートUEとなる側のUEの動作の制御を行う。
【0130】
図22に示すユーザ装置UEの構成は、全体をハードウェア回路(例:1つ又は複数のICチップ)で実現してもよいし、一部をハードウェア回路で構成し、その他の部分をCPUとプログラムとで実現してもよい。
【0131】
図23は、ユーザ装置UEのハードウェア(HW)構成の例を示す図である。
図23は、
図22よりも実装例に近い構成を示している。
図23に示すように、UEは、無線信号に関する処理を行うRE(Radio Equipment)モジュール151と、ベースバンド信号処理を行うBB(Base Band)処理モジュール152と、上位レイヤ等の処理を行う装置制御モジュール153と、USIMカードにアクセスするインタフェースであるUSIMスロット154とを有する。
【0132】
REモジュール151は、BB処理モジュール152から受信したデジタルベースバンド信号に対して、D/A(Digital−to−Analog)変換、変調、周波数変換、及び電力増幅等を行うことでアンテナから送信すべき無線信号を生成する。また、受信した無線信号に対して、周波数変換、A/D(Analog to Digital)変換、復調等を行うことでデジタルベースバンド信号を生成し、BB処理モジュール152に渡す。REモジュール151は、例えば、
図22の信号送信部101及び信号受信部102における物理レイヤ等の機能を含む。
【0133】
BB処理モジュール152は、IPパケットとデジタルベースバンド信号とを相互に変換する処理を行う。DSP(Digital Signal Processor)162は、BB処理モジュール152における信号処理を行うプロセッサである。メモリ172は、DSP162のワークエリアとして使用される。BB処理モジュール152は、例えば、
図22の信号送信部101及び信号受信部102におけるレイヤ2等の機能、能力情報記憶部103、制御情報作成部104、測定部105、リレー状態管理部106、リレー側処理制御部107、リモート側処理制御部108を含む。なお、能力情報記憶部103、制御情報作成部104、測定部105、リレー状態管理部106、リレー側処理制御部107、リモート側処理制御部108の機能の全部又は一部を装置制御モジュール153に含めることとしてもよい。
【0134】
装置制御モジュール153は、IPレイヤのプロトコル処理、各種アプリケーションの処理等を行う。プロセッサ163は、装置制御モジュール153が行う処理を行うプロセッサである。メモリ173は、プロセッサ163のワークエリアとして使用される。また、プロセッサ163は、USIMスロット154を介してUSIMとの間でデータの読出し及び書込みを行う。
【0135】
(基地局eNBの構成例)
図24に、本実施の形態に係るeNBの機能構成図を示す。
図24に示すように、eNBは、信号送信部201、信号受信部202、UE情報記憶部203、アクティブ化/非アクティブ化決定部204、リソース情報記憶部205、スケジューリング部206を含む。なお、
図24は、eNBにおいて本発明の実施の形態に特に関連する機能部のみを示すものであり、少なくともLTEに準拠した移動通信システムにおける基地局として動作するための図示しない機能も有するものである。また、
図24に示す機能構成は一例に過ぎない。本実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分や機能部の名称はどのようなものでもよい。
【0136】
信号送信部201は、eNBから送信されるべき上位のレイヤの信号から、物理レイヤの各種信号を生成し、無線送信する機能を含む。信号受信部202は、UEから各種の信号を無線受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの信号を取得する機能を含む。
【0137】
UE情報格納部203には、各UEから受信するUE能力の情報、測定報告、アクティブ化/非アクティブ化の状態情報等がUE毎に格納されている。アクティブ化/非アクティブ化決定部204は、UE情報格納部203に格納された情報に基づいて、UEのアクティブ化/非アクティブ化を決定し、UEに対してアクティブ化指示等を通知する機能を含む。
【0138】
リソース情報記憶部205には、UE毎に、割り当てられたD2Dリソースを示す情報等が格納される。また、リソースが解放された場合は割り当て情報は削除される。スケジューリング部206は、リソース割り当てを行う機能を有する。また、スケジューリング部206は、リレーUEがPSBCHやD2Dリレー用制御情報等に含めるリソースの構成情報を決定し、信号送信部201を介してUEに通知する機能を含む。
【0139】
図25に示す基地局eNBの構成は、全体をハードウェア回路(例:1つ又は複数のICチップ)で実現してもよいし、一部をハードウェア回路で構成し、その他の部分をCPUとプログラムとで実現してもよい。
【0140】
図25は、基地局eNBのハードウェア(HW)構成の例を示す図である。
図25は、
図24よりも実装例に近い構成を示している。
図25に示すように、基地局eNBは、無線信号に関する処理を行うREモジュール251と、ベースバンド信号処理を行うBB処理モジュール252と、上位レイヤ等の処理を行う装置制御モジュール253と、ネットワークと接続するためのインタフェースである通信IF254とを有する。
【0141】
REモジュール251は、BB処理モジュール252から受信したデジタルベースバンド信号に対して、D/A変換、変調、周波数変換、及び電力増幅等を行うことでアンテナから送信すべき無線信号を生成する。また、受信した無線信号に対して、周波数変換、A/D変換、復調等を行うことでデジタルベースバンド信号を生成し、BB処理モジュール252に渡す。REモジュール251は、例えば、
図24の信号送信部201及び信号受信部202における物理レイヤ等の機能を含む。
【0142】
BB処理モジュール252は、IPパケットとデジタルベースバンド信号とを相互に変換する処理を行う。DSP262は、BB処理モジュール252における信号処理を行うプロセッサである。メモリ272は、DSP252のワークエリアとして使用される。BB処理モジュール252は、例えば、
図24の信号送信部201及び信号受信部202におけるレイヤ2等の機能、UE情報記憶部203、アクティブ化/非アクティブ化決定部204、リソース情報記憶部205、スケジューリング部206を含む。なお、UE情報記憶部203、アクティブ化/非アクティブ化決定部204、リソース情報記憶部205、スケジューリング部206の機能の全部又は一部を装置制御モジュール253に含めることとしてもよい。
【0143】
装置制御モジュール253は、IPレイヤのプロトコル処理、OAM処理等を行う。プロセッサ263は、装置制御モジュール253が行う処理を行うプロセッサである。メモリ273は、プロセッサ263のワークエリアとして使用される。補助記憶装置283は、例えばHDD等であり、基地局eNB自身が動作するための各種設定情報等が格納される。
【0144】
以上、説明したように、本実施の形態により、D2D通信をサポートする移動通信システムにおいて用いられるユーザ装置であって、他のユーザ装置がD2D制御情報を受信するためのリソースの構成情報と、前記D2D制御情報が送信されることを示す情報とをD2D用報知チャネルを用いて送信する報知チャネル情報送信部と、前記リソースを用いて、前記D2D制御情報を送信する制御情報送信部とを備えるユーザ装置が提供される。
【0145】
上記の構成により、D2D通信において、ユーザ装置間で制御情報を効率的に送受信することが可能となる。
【0146】
前記報知チャネル情報送信部は、前記D2D制御情報に変更が生じたことを示す変更通知を更に送信することとしてもよい。これにより、カバレッジ外ユーザ装置は、D2D制御情報の変更を把握できる。
【0147】
前記D2D用報知チャネルで送信する情報を基地局から受信する受信部を備えることとしてもよい。この構成により、ユーザ装置は、適切な情報を報知チャネルで送信することができる。
【0148】
前記制御情報送信部は、前記D2D制御情報を発見用チャネルを用いて送信し、前記リソースの構成情報は、前記発見用チャネルのリソースプールを指定するパラメータのうちの1つ又は複数のパラメータを固定とした当該リソースプールの構成情報であることとしてもよい。この構成により、報知チャネルで送信する情報量を小さくすることができる。
【0149】
前記制御情報送信部は、発見用チャネルで送信される発見用メッセージのメッセージタイプを前記D2D制御情報を示すメッセージタイプとしたフォーマットを用いて前記D2D制御情報を送信することとしてもよい。この構成により、発見用メッセージを効率的に利用してD2D制御情報を送信できる。
【0150】
前記D2D制御情報は、例えば、ユーザ装置固有の制御情報、又はユーザ装置共通の制御情報である。前記D2D制御情報がユーザ装置固有の制御情報である場合に、当該D2D制御情報は、前記ユーザ装置のレイヤ2又はレイヤ3のIDを含むこととしてもよい。これにより、D2D制御情報を受信した側は、送信元を適切に把握できる。
【0151】
前記ユーザ装置は、前記他のユーザ装置と基地局との間のデータ通信を中継するリレー装置となる能力を有し、前記D2D制御情報は、前記他のユーザ装置において、リレー装置の候補からリレー装置を選択するために使用されるリソースの構成情報を含むこととしてもよい。この構成により、カバレッジ外ユーザ装置と基地局との間のデータ通信を中継するリレー通信を効率的に実現できる。
【0152】
本実施の形態で説明したユーザ装置UEは、CPUとメモリを備え、プログラムがCPU(プロセッサ)により実行されることで実現される構成であってもよいし、本実施の形態で説明する処理のロジックを備えたハードウェア回路等のハードウェアで実現される構成であってもよいし、プログラムとハードウェアが混在した構成であってもよい。
【0153】
本実施の形態で説明した基地局eNBは、CPUとメモリを備え、プログラムがCPU(プロセッサ)により実行されることで実現される構成であってもよいし、本実施の形態で説明する処理のロジックを備えたハードウェア回路等のハードウェアで実現される構成であってもよいし、プログラムとハードウェアが混在した構成であってもよい。
【0154】
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、開示される発明はそのような実施形態に限定されず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。上記の説明における項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。機能ブロック図における機能部又は処理部の境界は必ずしも物理的な部品の境界に対応するとは限らない。複数の機能部の動作が物理的には1つの部品で行われてもよいし、あるいは1つの機能部の動作が物理的には複数の部品により行われてもよい。説明の便宜上、ユーザ装置UE及び基地局eNBは機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明の実施の形態に従ってユーザ装置UEが有するプロセッサにより動作するソフトウェア、及び本発明の実施の形態に従って基地局eNBが有するプロセッサにより動作するソフトウェアはそれぞれ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD−ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に保存されてもよい。
【0155】
本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が本発明に包含される。
【0156】
本特許出願は2015年3月31日に出願した日本国特許出願第2015−074184号に基づきその優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2015−074184号の全内容を本願に援用する。
【0157】
<付記>
(第1項)
D2D通信をサポートする移動通信システムにおいて用いられるユーザ装置であって、
他のユーザ装置がD2D制御情報を受信するためのリソースの構成情報と、前記D2D制御情報が送信されることを示す情報とをD2D用報知チャネルを用いて送信する報知チャネル情報送信部と、
前記リソースを用いて、前記D2D制御情報を送信する制御情報送信部と
を備えるユーザ装置。
(第2項)
前記報知チャネル情報送信部は、前記D2D制御情報に変更が生じたことを示す変更通知を更に送信する
第1項に記載のユーザ装置。
(第3項)
前記D2D用報知チャネルで送信する情報を基地局から受信する受信部
を備える第1項又は第1項に記載のユーザ装置。
(第4項)
前記制御情報送信部は、前記D2D制御情報を発見用チャネルを用いて送信し、
前記リソースの構成情報は、前記発見用チャネルのリソースプールを指定するパラメータのうちの1つ又は複数のパラメータを固定とした当該リソースプールの構成情報である
第1項ないし第3項のうちいずれか1項に記載のユーザ装置。
(第5項)
前記制御情報送信部は、発見用チャネルで送信される発見用メッセージのメッセージタイプを前記D2D制御情報を示すメッセージタイプとしたフォーマットを用いて前記D2D制御情報を送信する
第1項ないし第4項のうちいずれか1項に記載のユーザ装置。
(第6項)
前記D2D制御情報は、ユーザ装置固有の制御情報、又はユーザ装置共通の制御情報である
第1項ないし第5項のうちいずれか1項に記載のユーザ装置。
(第7項)
前記D2D制御情報がユーザ装置固有の制御情報である場合に、当該D2D制御情報は、前記ユーザ装置のレイヤ2又はレイヤ3のIDを含む
第6項に記載のユーザ装置。
(第8項)
前記ユーザ装置は、前記他のユーザ装置と基地局との間のデータ通信を中継するリレー装置となる能力を有し、
前記D2D制御情報は、前記他のユーザ装置において、リレー装置の候補からリレー装置を選択するために使用されるリソースの構成情報を含む
第1項ないし第7項のうちいずれか1項に記載のユーザ装置。
(第9項)
D2D通信をサポートする移動通信システムにおいて用いられるユーザ装置が実行する制御情報送信方法であって、
他のユーザ装置がD2D制御情報を受信するためのリソースの構成情報と、前記D2D制御情報が送信されることを示す情報とをD2D用報知チャネルを用いて送信する報知チャネル情報送信ステップと、
前記リソースを用いて、前記D2D制御情報を送信する制御情報送信ステップと
を備える制御情報送信方法。