(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の衛星画像は、可視光により生成される少なくとも1つの可視光衛星画像と、合成開口レーダ(SAR)により生成される少なくとも1つのSAR衛星画像とを含む、請求項1に記載の情報処理装置。
前記出力部は、前記判定結果生成部が生成した前記判定結果を地図上にマッピングした画像を表示部に表示させるための表示データを出力する、請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。(なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。)
【0010】
(1)構成
(1−1)情報処理システム1
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の構成の一例を示す図である。本実施形態に係る情報処理システム1は、水災に関する損害保険の契約者(保険契約者)毎に浸水の深さが基準深さ以上であるか否かを判定するシステムである。ここで、基準深さは、保険契約において保険金の支払いの要否を分ける深さであってよい。換言すれば、当該保険契約においては、浸水の深さが基準深さ以上である場合に保険金の支払いが必要となり、浸水の深さが基準深さ未満である場合は保険金の支払いは不要となる。
【0011】
図1に示すとおり、本実施形態に係る情報処理システム1は、例えば、サーバ装置10と、クライアント端末20と、複数の衛星画像解析システム30と、SNS情報DB40とを有する。サーバ装置10、クライアント端末20、複数の衛星画像解析システム30、及びSNS情報DB40は、インターネット等の通信ネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
【0012】
各衛星画像解析システム30は、所定の観測周波数によって生成された衛星画像を所定の人工衛星から取得して解析することにより、当該衛星画像に含まれる各地点における浸水の深さを算定した上で、保険契約者毎に浸水の深さが基準深さ以上であるか否かを判定し、当該判定結果を仮判定結果としてサーバ装置10に送信する。基準深さは、契約内容に応じて任意に設定することができるが、例えば45cmであってよい。
【0013】
各衛星画像解析システム30による解析手法は特に限定されないが、例えば、撮像装置により生成された衛星画像を所定の学習モデルに適用することにより、仮判定結果を生成してもよい。その際、例えば、位置情報と標高とが対応付けられた数値標高モデルや、位置情報と土地の利用態様とが対応付けられたランドユースマップ等が参照されてもよい。なお、各衛星画像解析システム30は、後述する事故受付状況や保険金支払状況が正解ラベルとして付与された学習データをクライアント端末20等から取得し、当該学習データによって学習モデルを更新してもよい。
【0014】
本実施形態に係る情報処理システム1は、衛星画像解析システム30の一例として、可視光衛星画像解析システム30A及びSAR衛星画像解析システム30Bを有する。ここで、可視光衛星画像解析システム30Aは、可視光によって生成される(すなわち、可視光領域を観測周波数とする)衛星画像である可視光衛星画像を解析することにより、仮判定結果を生成し、これをサーバ装置10に供給する。
【0015】
また、SAR衛星画像解析システム30Bは、合成開口レーダ(SAR:Synthetic Aperture Radar)が用いる雲等を透過可能なマイクロ波によって生成される(すなわち、マイクロ波を観測周波数とする)衛星画像であるSAR衛星画像を解析することにより、仮判定結果を生成し、これをサーバ装置10に供給する。なお、衛星画像解析システム30が解析対象とする衛星画像は、可視光衛星画像やSAR衛星画像以外の衛星画像(可視光やマイクロ波以外の観測周波数によって生成される衛星画像)であってもよい。
【0016】
SNS情報DB40は、任意のソーシャル・ネットワーキング・サイト(SNS)において、ユーザにより入力された複数のテキスト情報を記憶している。ここで、テキスト情報は、例えば、ユーザにより入力された書き込みやコメント等の任意のテキストを含む情報であってよい。SNS情報DB40は、テキスト情報を、ユーザID等のユーザに関する書誌情報や、当該テキスト情報が入力された時間を示す情報等と対応付けて記憶してもよい。また、SNS情報DB40は、テキスト情報を、ユーザが当該テキスト情報をユーザの位置情報に対応付けてSNS情報DB40に記憶してもよい。なお、ユーザの位置情報は、例えば、ユーザが当該テキスト情報を入力するために用いた情報処理装置によって取得されてもよい。
【0017】
(1−2)サーバ装置10
サーバ装置10は、衛星画像解析システム30及びSNS情報DB40等から取得した情報に基づいて、水災に関する種々の分析を行う情報処理装置である。サーバ装置10は、例えば、衛星画像解析システム30から後述する仮判定結果を取得して、当該仮判定結果に基づいて、保険契約者毎に浸水の深さが基準深さ以上であるかについての最終的な判定結果を生成し、これを出力する。また、サーバ装置10は、例えば、SNS情報DB40から複数のテキスト情報を取得し、当該複数のテキスト情報に基づいて後述する被災情報を生成し、これを出力する。また、サーバ装置10は、例えば、生成した被災情報に基づいて後述する浸水情報を生成し、当該浸水情報に基づいて、上述した判定結果を修正し、これを出力する。サーバ装置10は、通信部11と、記憶部12と、処理部13とを有する。
【0018】
通信部11は、サーバ装置10をクライアント端末20及び衛星画像解析システム30等に接続するための通信インターフェース回路を有する。通信部11は、クライアント端末20及び衛星画像解析システム30等から受信したデータを処理部13に供給する。また、通信部11は、処理部13から供給されたデータをクライアント端末20及び衛星画像解析システム30等に送信する。
【0019】
記憶部12は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク装置及び光ディスク装置のうちの少なくとも一つを有する。記憶部12は、処理部13による処理に用いられるドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、記憶部12は、ドライバプログラムとして、通信部11を制御する通信デバイスドライバプログラム等を記憶する。各種プログラムは、例えばCD−ROM、DVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶部12にインストールされてもよい。記憶部12は、データとして、契約者データテーブル、及び判定モデルテーブル等を記憶する。さらに、記憶部12は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。
【0020】
図2は、契約者データテーブルのデータ構造の一例を示す図である。契約者データテーブルは、保険契約者毎の契約内容の他、事故受付の状況や保険金の支払状況等を管理するためのテーブルである。契約者データテーブルは、例えば、契約者ID、契約者の氏名及び住所、契約内容、事故受付状況、及び保険金支払状況等を含んでもよい。契約者IDは、契約者を識別するための識別情報(ID)である。契約内容は、保険の契約に関する契約内容であれば特に限定されず、例えば、補償の対象、補償の内容、保険金額、及び保険期間等を含んでいてもよい。事故受付状況は、契約者から保険会社へ水災に関する連絡があったか否かや、連絡内容等を示す情報である。保険金支払状況は、当該契約者に対して保険金の支払がなされたか否か等を示す情報である。
【0021】
図3は、判定モデルテーブルのデータ構造の一例を示す図である。判定モデルテーブルは、判定モデルと業務属性との対応関係を規定したテーブルである。ここで、業務属性は、各業務の目的を示す情報である。業務属性の種類は特に限定されず任意に設定可能であるが、例えば「(1)水災情報収集/被災エリアの特定」、「(2)損害調査」、「(3)請求勧奨」、及び「(4)損害額算出・支払い」を含んでもよい。
【0022】
「(1)水災情報収集/被災エリアの特定」は、主に、水災が発生した際等に対応リソースを各地域にどのように配置するべきかを判断することを目的とする業務属性である。「(2)損害調査」は、事故受付があった契約者に対して、被害の程度を把握し、現地での損害調査不要で支払いを行うための判断を行うことを目的とする業務属性である。「(3)請求勧奨」は、水災発生から一定期間経過後、事故受付済の契約者リストと照合し、被災の可能性が高いにも関わらず請求がなされていない顧客を抽出することを目的とする業務属性である。「(4)損害額算出・支払い」は、被害の可能性が高い契約者に対する保険金の内払を判断することを目的とする業務属性である。
【0023】
ここで、各業務属性においては、相反する「再現率」及び「適合率」という2つの指標が考えられる。「再現率」は、実際に水災に遭った契約者のうち、情報処理システム1による最終的な判定結果においてどの程度正解として検知されていたかを示す指標である。「再現率」は、例えば、支払いがあった契約者の数に占める、判定結果が「基準深さ以上」であった契約者の数の割合として計算できる。また、「適合率」は、情報処理システム1による最終的な判定結果として浸水の深さが基準深さ以上であると判定した結果の信頼度、すなわち水災ありと判定した結果のうちでどの程度実際に水災に遭った契約者が含まれているかを示す指標である。「適合率」は、例えば、判定結果が「基準深さ以上」であった契約者の数に占める、支払いがあった契約者の数の割合として計算できる。
【0024】
「(1)水災情報収集/被災エリアの特定」では、広大な地域のうちどこに被害が集中しているかの概要を把握することが重要となるため、より再現率が重視される。「(2)損害調査」では、特定の契約者に対して、確度の高い被害状況を把握することが重要となるため、より適合率が重視される。「(3)請求勧奨」では、被害が集中している特定の地域の中で、被害を受けた可能性がある契約者をできるだけ多く把握することが重要となるため、より再現率が重視される。「(4)損害額算出・支払い」では、被害が集中している特定の地域の中で、各契約者に対して確度の高い被害状況を把握することが重要となるため、より適合率が重視される。
【0025】
そして、判定モデルテーブルにおいては、業務属性が「再現率」重視であるか、「適合率」重視であるかに応じて、当該業務属性に所定の判定モデルが対応付けられている。ここで、判定モデルは、保険契約者毎に浸水の深さが基準深さ以上であるか否かについて、各衛星画像解析システム30から取得される仮判定結果の内容に基づいて、最終的な判定結果を決定するための判定モデルである。最終的な判定結果は、例えば、浸水の深さが保険金の支払い対象となる可能性が高いことを示す「基準深さ以上」、又は調査員等が浸水の深さの現地調査を行う必要があることを示す「基準深さ未満」である。各判定モデルは、例えば、各衛星画像解析システム30から取得される複数の仮判定結果のうちで「基準深さ以上」の割合が所定の閾値以上である場合に、最終的な判定結果を「基準深さ以上」とし、複数の仮判定結果のうちで「基準深さ以上」の割合が所定の閾値未満である場合に、最終的な判定結果を「基準深さ未満」としてよい。
【0026】
図3に示す例では、判定モデルA、B、C、D、E、及びFの当該所定の閾値はそれぞれ、4分の1、3分の1、2分の1、3分の2、4分の3、及び4分の4である。そして、
図3に示す例では、より再現率が重視される「(1)水災情報収集/被災エリアの特定」は、判定モデルAに対応付けられ、より適合率が重視される「(2)損害調査」は、判定モデルEに対応付けられ、より再現率が重視される「(3)請求勧奨」は、判定モデルBに対応付けられ、より適合率が重視される「(4)損害額算出・支払い」は、判定モデルFに対応付けられる。
【0027】
図4は、情報処理システム1による判定結果の具体例を示す図である。
図4には、具体的な契約者C001〜C006についての各判定モデルによる最終的な判定結果が示されている。契約者C001〜C006のそれぞれは、可視光衛星画像解析システム30Aからは、水災発生から第1日目及び第2日目それぞれの可視光衛星画像を解析することにより得られる仮判定結果が取得され、SAR衛星画像解析システム30Bからは、水災発生から第1日目及び第2日目それぞれのSAR衛星画像を解析することにより得られる仮判定結果が取得された場合である。各仮判定結果は、浸水の深さが基準深さ以上であることを示す「基準深さ以上」、又は浸水の深さが基準深さ未満であることを示す「基準深さ以上」である。上述したとおり、最終的な判定結果を「基準深さ以上」と「基準深さ未満」とのいずれとするかについての基準となる、複数の仮判定結果のうちで「基準深さ以上」が占める割合についての閾値が、判定モデル毎に異なっている。そのため、
図4に示すとおり、判定モデル毎に各ケースの最終的な判定結果は異なっている。
【0028】
図1に戻り、処理部13は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。処理部13は、サーバ装置10の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。処理部13は、サーバ装置10の各種処理が記憶部12に記憶されているプログラム等に基づいて適切な手順で実行されるように、通信部11等の動作を制御する。処理部13は、記憶部12に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。
【0029】
処理部13は、例えば、業務属性取得部131、判定モデル決定部132、仮判定結果取得部133、判定結果生成部134、表示データ生成部135、及び送受信部136、SNS情報取得部137、SNS情報解析部138等を有する。処理部13が有するこれらの各部は、処理部13が有するプロセッサ上で実行されるプログラムによって実装される機能モジュールである。あるいは、処理部13が有するこれらの各部は、独立した集積回路、マイクロプロセッサ、又はファームウェアとしてサーバ装置10に実装されてもよい。
【0030】
業務属性取得部131は、例えば、クライアント端末20等から業務属性を取得する。判定モデル決定部132は、例えば、判定モデルテーブルを参照して、取得した業務属性に対応付けられた判定モデルを決定する。仮判定結果取得部133は、例えば、複数の衛星画像解析システム30それぞれから、観測周波数の異なる複数の衛星画像を解析することにより得られる仮判定結果(保険契約者毎に浸水の深さが基準深さ以上であるか否かを判定した判定結果)を取得する。
【0031】
判定結果生成部134は、例えば、仮判定結果取得部133が取得した複数の仮判定結果を、判定モデル決定部132が決定した判定モデルに適用することにより、契約者についての浸水の深さが基準深さ以上であるかを示す判定結果を生成する。また、判定結果生成部134は、例えば、SNS情報解析部138により生成された後述する被災情報から浸水情報を抽出し、当該浸水情報に基づいて、上述した判定モデルにより得られた判定結果を修正してもよい。ここで、浸水情報は、被災情報に含まれる場所と当該場所における浸水の深さを示す情報とを含んでよく、例えば、浸水の深さが基準深さ以上であることを示す「基準深さ以上」、又は浸水の深さが基準深さ未満であることを示す「基準深さ以上」として表されてもよい。判定結果生成部134は、例えば、所定の場所について、判定モデルにより得られた判定結果と浸水情報とが異なる場合、所定の基準により判定結果を修正してもよいし、判定結果を浸水情報によって修正(更新)してもよい。例えば、判定結果生成部134は、所定の場所について、判定モデルにより得られた判定結果は「基準深さ未満」であり且つ浸水情報は「基準深さ以上」である場合、判定結果を「基準深さ以上」に修正(更新)してもよい。
【0032】
表示データ生成部135は、例えば、クライアント端末20等に表示させるための各種の表示データを生成する。表示データ生成部135は、例えば、契約者データテーブルに含まれる事故受付状況や保険金支払状況等の情報に基づいて、生成された判定結果を地図上にマッピングした画像(マッピング画像)を表示させるための表示データを生成する。送受信部136は、例えば、出力部として機能し、各種のデータや信号をクライアント端末20や衛星画像解析システム30との間で送受信する。
【0033】
SNS情報取得部137は、例えば、SNS情報DB40からSNSにおいてユーザが入力した複数のテキスト情報を取得する。なお、SNS情報取得部137は、SNS情報DB40に限らず、例えばユーザがテキスト情報を入力する情報処理端末(PC、スマートフォン等)から直接的に当該テキスト情報を取得してもよい。SNS情報取得部137がテキスト情報を取得するタイミングは、特に限定されないが、例えば、定期的なタイミング(例えば、時間毎、日毎、週毎等)であってもよいし、サーバ装置10がクライアント端末20等からテキスト情報取得の要求を受信したときであってもよい。
【0034】
SNS情報解析部138は、例えば、SNS情報取得部137が取得した複数のテキスト情報を自然言語処理によって解析することにより被災情報を生成する。ここで、被災情報は、任意の場所を示す情報と当該場所における被災状況を示す情報とを含む。場所を示す情報の様式は特に限定されないが、例えば、緯度及び経度の他、住所、行政区画名、地域名、建物名、場所の俗称・略称等であってよい。被災状況を示す情報は、管理者等が任意に設定可能であってよく、例えば、災害の種類、土地や建物の被害の状況、浸水の深さ等を示す情報を含んでもよい。なお、浸水の深さを示す情報は、定量的な値(例えば、「○センチメートル」等)の他、浸水の深さを任意の基準と比較した定性的な表現(例えば、「床下浸水」、「床上浸水」、「2階に到達」)等であってもよい。SNS情報解析部138がテキスト情報の解析に用いる自然言語処理の手法は特に限定されない。SNS情報解析部138は、例えば、自然言語処理によって、個々のテキスト情報から場所や被災状況に関する用語を抽出し、抽出した場所や被災状況に関する用語を集計してもよい。SNS情報解析部138は、例えば、集計した場所及び被災状況が所定の件数以上であった場合、当該場所及び被災状況を被災情報に含めてもよい。
【0035】
(1−3)クライアント端末20
クライアント端末20は、例えば、水災に関する損害保険の調査員等が利用する情報処理装置である。クライアント端末20は、例えば、通信部21と、記憶部22と、操作部23と、表示部24と、処理部25とを有する。
【0036】
通信部21は、クライアント端末20をサーバ装置10及び衛星画像解析システム30等に接続するための通信インターフェース回路を有する。通信部21は、サーバ装置10及び衛星画像解析システム30等から受信したデータを処理部25に供給する。また、通信部21は、処理部25から供給されたデータをサーバ装置10及び衛星画像解析システム30等に送信する。
【0037】
記憶部22は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク装置及び光ディスク装置のうちの少なくとも一つを有する。記憶部22は、処理部25による処理に用いられるドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、記憶部22は、ドライバプログラムとして、通信部21を制御する通信デバイスドライバプログラム等を記憶する。各種プログラムは、例えばCD−ROM、DVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶部22にインストールされてもよい。
【0038】
操作部23は、クライアント端末20の操作が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパネルやキーボタン等である。ユーザは、操作部23を用いて、文字や数字、記号等を入力することができる。操作部23は、ユーザにより操作されると、その操作に対応する信号を発生する。そして、発生した信号は、ユーザの指示として、処理部25に供給される。
【0039】
表示部24は、映像や画像等の表示が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等である。表示部24は、処理部25から供給された映像データに応じた映像や、画像データに応じた画像等を表示する。
【0040】
処理部25は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。処理部25は、クライアント端末20の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。処理部25は、クライアント端末20の各種処理が記憶部22に記憶されているプログラム等に基づいて適切な手順で実行されるように、通信部21等の動作を制御する。処理部25は、記憶部22に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。
【0041】
処理部25は、送受信部251、及び表示制御部252等を有する。処理部25が有するこれらの各部は、処理部25が有するプロセッサ上で実行されるプログラムによって実装される機能モジュールである。あるいは、処理部25が有するこれらの各部は、独立した集積回路、マイクロプロセッサ、又はファームウェアとしてサーバ装置10に実装されてもよい。送受信部251は、例えば、各種のデータや信号をサーバ装置10や衛星画像解析システム30との間で送受信する。表示制御部252は、例えばサーバ装置10等から受信した表示データに基づいた画面等を、表示部34に表示させる。
【0042】
(2)動作処理
図5を参照して、本実施形態に係る情報処理システム1の動作処理について説明する。
図5は、情報処理システム1の動作シーケンスの一例を示した図である。
【0043】
(S101)まず、クライアント端末20の送受信部251は、ユーザが操作部23を介して業務属性を入力すると、当該業務属性をサーバ装置10に送信する。これにより、サーバ装置10の業務属性取得部231は、クライアント端末20から業務属性を取得する。業務属性は、例えば、上述した「(1)水災情報収集/被災エリアの特定」、「(2)損害調査」、「(3)請求勧奨」、及び「(4)損害額算出・支払い」等であってよい。
【0044】
(S102)次に、サーバ装置10の判定モデル決定部132は、記憶部12に記憶された判定モデルテーブルを参照して、クライアント端末20から取得した業務属性に対応する判定モデルを決定する。
【0045】
(S103)次に、サーバ装置10の仮判定結果取得部133は、可視光衛星画像を解析することにより生成された仮判定結果を可視光衛星画像解析システム30Aから取得する。また、仮判定結果取得部133は、SAR衛星画像を解析することにより生成された仮判定結果をSAR衛星画像解析システム30Bから取得する。
【0046】
(S104)次に、サーバ装置10の判定結果生成部134は、可視光衛星画像解析システム30Aから取得した仮判定結果及びSAR衛星画像解析システム30Bから取得した仮判定結果を、S102で決定された判定モデルに適用して、判定結果を生成する。
【0047】
(S105)次に、サーバ装置10のSNS情報取得部137は、SNS情報DB40からユーザにより入力された複数のテキスト情報を取得する。なお、SNS情報取得部137がテキスト情報を取得するタイミングは、特に限定されないが、例えば、定期的なタイミング(例えば、時間毎、日毎、週毎等)であってもよいし、サーバ装置10がクライアント端末20等からテキスト情報取得の要求を受信したときであってもよい。
【0048】
(S106)次に、サーバ装置10のSNS情報解析部138は、SNS情報取得部137が取得したテキスト情報を所定の自然言語処理によって解析し、これにより任意の場所を示す情報と当該場所における被災状況を示す情報とを含む被災情報を生成する。
【0049】
(S107)次に、サーバ装置10の判定結果生成部134は、被災情報から浸水情報を抽出し、当該浸水情報に基づいてステップS104において生成された判定結果を修正する。例えば、判定結果生成部134は、所定の場所について、ステップS104において生成された判定結果では「基準深さ未満」とされ、浸水情報では「基準深さ以上」とされた場合は、当該場所について判定結果を「基準深さ以上」に修正してもよい。なお、当該ステップS107は、実行されなくてもよい。
【0050】
(S108)次に、サーバ装置10の表示データ生成部135は、契約者データテーブルに含まれる事故受付状況や保険金支払状況等の情報に基づいて、生成された判定結果を地図上にマッピングした画像(マッピング画像)を表示部に表示させるための表示データを生成する。マッピング画像の詳細については後述する。
【0051】
(S109)次に、送受信部136は、生成されたマッピング画像の表示データをクライアント端末20に送信する。なお、送受信部136は、S105で生成された判定結果のみをクライアント端末20に送信してもよい。また、送受信部136は、SNS情報解析部138により生成された被災情報をクライアント端末20に送信してもよい。
【0052】
(S1010)クライアント端末20の表示制御部252は、サーバ装置10からマッピング画像の表示データを受信すると、当該表示データに基づいてマッピング画像を表示部24に表示させる。また、クライアント端末20の表示制御部252は、サーバ装置10から受信した被災情報を表示部24に表示させてもよい。
【0053】
図6は、マッピング画像の一例を示す図である。
図6に示すとおり、マッピング画像では、地図上における契約者の住所に対応する箇所に所定のオブジェクトが配置される。当該オブジェクトは、例えば、当該契約者についての浸水の深さに係る判定結果や、事故受付状況等を示す。オブジェクトの表示態様は特に限定されないが、例えば
図6に示す例では、星形は判定結果「基準深さ以上」、事故受付状況「なし」、丸形は判定結果「基準深さ以上」、事故受付状況「あり」、四角形は判定結果「基準深さ未満」、事故受付状況「なし」、三角形は判定結果「基準深さ未満」、事故受付状況「あり」を示す。
【0054】
また、マッピング画像は被災情報を含んでもよい。
図6には、被災情報の例として、「A町」及び「B避難場所」に関する被災情報が示されている。
図6に示すとおり、「A町」の被災情報は被災状況として「救助>孤立」を含み、「B避難所」の被災情報は被災状況として「トラブル>欠乏・不足」を含む。これら被災状況は、管理者等により予め任意に設定された分類であってよい。また、
図6に示すとおり、「A町」の被災情報は被災状況として「土砂崩れで孤立。けが人を搬送できない。」というテキストを含み、「B避難所」の被災情報は被災状況として「水と食料の支給が無い。混雑でトイレを使用できない。」というテキストを含む。これらテキストは、例えば、SNS情報解析部138により生成されたテキストであってよい。
【0055】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【解決手段】情報処理システム1は、業務の目的を示す情報である業務属性を取得する業務属性取得部131と、業務属性に対応付けられた判定モデルを決定する判定モデル決定部132と、観測周波数の異なる複数の衛星画像のそれぞれを解析することにより得られる複数の仮判定結果を決定部が決定した判定モデルに適用することにより、契約者についての浸水の深さが基準深さ以上であるかを示す判定結果を生成する判定結果生成部134と、判定結果生成部134が生成した判定結果を出力する出力部と、を備える。