特許第6874300号(P6874300)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6874300在不在判定装置および在不在判定プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6874300
(24)【登録日】2021年4月26日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】在不在判定装置および在不在判定プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20210510BHJP
【FI】
   H04Q9/00 311J
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-165642(P2016-165642)
(22)【出願日】2016年8月26日
(65)【公開番号】特開2018-33077(P2018-33077A)
(43)【公開日】2018年3月1日
【審査請求日】2019年6月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000682
【氏名又は名称】特許業務法人ワンディーIPパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】槇原 嵩太
【審査官】 白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−176204(JP,A)
【文献】 特開2010−049424(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/075135(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2016/189528(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設における機器の使用状況に基づいて、前記施設における人の存在および不在を判定する第1の判定部と、
前記第1の判定部による判定結果の履歴に基づいて履歴情報を作成する履歴作成部と、
前記第1の判定部による判定結果に対して前記履歴情報を考慮して、前記施設における人の存在および不在を判定する第2の判定部とを備える、在不在判定装置。
【請求項2】
前記履歴情報は、前記施設において人が存在すると前記第1の判定部が判定した回数である存在回数、および前記施設において人が存在しないと前記第1の判定部が判定した回数である不在回数を含み、
前記第2の判定部は、前記第1の判定部による判定結果と、前記存在回数および前記不在回数とに基づいて、前記施設における人の存在および不在を判定する、請求項1に記載の在不在判定装置。
【請求項3】
前記履歴情報は、所定期間ごとの前記存在回数および前記不在回数を含み、
前記第2の判定部は、前記第1の判定部による判定結果と、前記第1の判定部による判定結果に対応する前記所定期間の前記存在回数および前記不在回数とに基づいて、前記施設における人の存在および不在を判定する、請求項2に記載の在不在判定装置。
【請求項4】
前記第2の判定部は、前記第1の判定部による判定結果を前記履歴情報に基づいて補正し、補正した前記判定結果に基づいて、前記施設における人の存在および不在を判定する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の在不在判定装置。
【請求項5】
前記第2の判定部は、前記履歴情報を用いて前記施設における人の存在および不在を判定し、さらに、前記第1の判定部による判定結果と、前記履歴情報を用いた判定結果とに基づいて、前記施設における人の存在および不在を判定する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の在不在判定装置。
【請求項6】
前記第2の判定部による前記履歴情報を用いた判定結果には、前記施設における人の存在および不在が不明であることが含まれる、請求項5に記載の在不在判定装置。
【請求項7】
在不在判定装置において用いられるプログラムであって、コンピュータを、
施設における機器の使用状況に基づいて、前記施設における人の存在および不在を判定する第1の判定部と、
前記第1の判定部による判定結果の履歴に基づいて履歴情報を作成する履歴作成部と、
前記第1の判定部による判定結果に対して前記履歴情報を考慮して、前記施設における人の存在および不在を判定する第2の判定部、として機能させるための、存不在判定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、在不在判定装置および在不在判定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家屋における人の存在および不在を判定する在不在判定システムが開発されている。在不在判定システムの一例として、たとえば、特開2015−173322号公報(特許文献1)には、以下のような技術が開示されている。すなわち、在不在判定システムは、家屋における利用者の在不在を判定する在不在判定システムであって、前記家屋内に配置された機器のうち、在宅時に利用される可能性が高い機器である在宅時利用機器と、不在時に利用される可能性が高い機器である不在時利用機器と、を区別して記憶する在不在機器データベースと、前記機器と通信可能に構成され、動作中の前記機器を取得するサーバと、を備え、前記サーバが、前記在不在機器データベースを参照し、取得した動作中の前記機器が、前記不在時利用機器の種別に該当する場合に、前記利用者は不在であると判定し、前記利用者の在不在の判定結果を、前記機器に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−173322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、利用者が外出する際に機器の電源をオフすることを忘れた場合等に、正しい判定が行われない場合がある。
【0005】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、施設における人の在不在をより正確に判定することが可能な在不在判定装置および在不在判定プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係る在不在判定装置は、施設における機器の使用状況に基づいて、前記施設における人の存在および不在を判定する第1の判定部と、前記第1の判定部による判定結果と、前記第1の判定部による判定結果の履歴に基づく履歴情報とに基づいて、前記施設における人の存在および不在を判定する第2の判定部とを備える。
【0007】
(7)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係る存不在判定プログラムは、在不在判定装置において用いられるプログラムであって、コンピュータを、施設における機器の使用状況に基づいて、前記施設における人の存在および不在を判定する第1の判定部と、前記第1の判定部による判定結果と、前記第1の判定部による判定結果の履歴に基づく履歴情報とに基づいて、前記施設における人の存在および不在を判定する第2の判定部と、として機能させるためのプログラムである。
【0008】
本発明は、このような特徴的な処理部を備える在不在判定装置として実現することができるだけでなく、かかる特徴的な処理をステップとする方法として実現することができる。また、在不在判定装置の一部または全部を実現する半導体集積回路として実現したり、在不在判定装置を含むシステムとして実現したりすることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、施設における人の在不在をより正確に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る在不在判定システムの構成を示す図である。
図2図2は、本発明の実施の形態に係る在不在判定システムにおける履歴情報の一例を示す図である。
図3図3は、本発明の実施の形態に係る在不在判定システムにおける傾向判定の結果の一例を示す図である。
図4図4は、本発明の実施の形態に係る在不在判定システムにおける履歴情報の作成の処理手順を示すフローチャートである。
図5図5は、本発明の実施の形態に係る在不在判定システムにおける傾向判定の処理手順を示すフローチャートである。
図6図6は、本発明の実施の形態に係る在不在判定システムにおける第2判定の処理手順を示すフローチャートである。
図7図7は、本発明の実施の形態に係る在不在判定システムにおける在不在判定装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
最初に、本発明の実施の形態の内容を列記して説明する。
【0012】
(1)本発明の実施の形態に係る在不在判定装置は、施設における機器の使用状況に基づいて、前記施設における人の存在および不在を判定する第1の判定部と、前記第1の判定部による判定結果と、前記第1の判定部による判定結果の履歴に基づく履歴情報とに基づいて、前記施設における人の存在および不在を判定する第2の判定部とを備える。
【0013】
このような構成により、たとえば、直近の機器の使用状況による判定結果だけではなく、過去の判定結果の履歴を考慮した上で、施設における人の存在および不在の最終的な判定を行うことができる。したがって、施設における人の在不在をより正しく判定することができる。
【0014】
(2)好ましくは、前記履歴情報は、前記施設において人が存在すると前記第1の判定部が判定した回数である存在回数、および前記施設において人が存在しないと前記第1の判定部が判定した回数である不在回数を含み、前記第2の判定部は、前記第1の判定部による判定結果と、前記存在回数および前記不在回数とに基づいて、前記施設における人の存在および不在を判定する。
【0015】
このような構成により、施設における人の存在および不在の判定傾向を考慮して、より正確な判定を行うことができる。
【0016】
(3)より好ましくは、前記履歴情報は、所定期間ごとの前記存在回数および前記不在回数を含み、前記第2の判定部は、前記第1の判定部による判定結果と、前記第1の判定部による判定結果に対応する前記所定期間の前記存在回数および前記不在回数とに基づいて、前記施設における人の存在および不在を判定する。
【0017】
このような構成により、機器の使用状況に対応する期間における人の存在および不在の判定傾向を考慮して、さらに正確な判定を行うことができる。
【0018】
(4)好ましくは、前記第2の判定部は、前記第1の判定部による判定結果を前記履歴情報に基づいて補正し、補正した前記判定結果に基づいて、前記施設における人の存在および不在を判定する。
【0019】
このような構成により、たとえば、直近の判定結果を基礎としながら過去の履歴を加味して最終的な判定を行うことができる。
【0020】
(5)好ましくは、前記第2の判定部は、前記履歴情報を用いて前記施設における人の存在および不在を判定し、さらに、前記第1の判定部による判定結果と、前記履歴情報を用いた判定結果とに基づいて、前記施設における人の存在および不在を判定する。
【0021】
このような構成により、たとえば、直近の機器の使用状況による判定および過去の判定結果の履歴に基づく判定の両方を行い、これらの判定結果から最終的な判定を行うことができる。
【0022】
(6)より好ましくは、前記第2の判定部による前記履歴情報を用いた判定結果には、前記施設における人の存在および不在が不明であることが含まれる。
【0023】
このような構成により、たとえば、履歴情報からでは人の存在および不在を明確に判定できない場合に、履歴情報を用いずに最終的な判定を行うことができる。
【0024】
(7)本発明の実施の形態に係る存不在判定プログラムは、在不在判定装置において用いられるプログラムであって、コンピュータを、施設における機器の使用状況に基づいて、前記施設における人の存在および不在を判定する第1の判定部と、前記第1の判定部による判定結果と、前記第1の判定部による判定結果の履歴に基づく履歴情報とに基づいて、前記施設における人の存在および不在を判定する第2の判定部と、として機能させるためのプログラムである。
【0025】
このような構成により、たとえば、直近の機器の使用状況による判定結果だけではなく、過去の判定結果の履歴を考慮した上で、施設における人の存在および不在の最終的な判定を行うことができる。したがって、施設における人の在不在をより正しく判定することができる。
【0026】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0027】
<実施の形態>
[構成および基本動作]
図1は、本発明の実施の形態に係る在不在判定システムの構成を示す図である。
【0028】
図1を参照して、在不在判定システム101は、在不在判定装置11と、複数の機器12と、開閉センサ13と、人感センサ14とを備える。在不在判定システム101は、たとえば住宅施設である施設1に設けられる。
【0029】
機器12は、たとえば、施設1の居住者等であるユーザ15によって施設1において使用される電気機器である。具体的には、たとえば、機器12は、エアコン、テレビまたは照明機器等であり、ユーザ15が施設1に居る場合に使用され、かつユーザ15が施設1に居ない場合に使用されない可能性が高い電気機器である。
【0030】
開閉センサ13は、施設1における窓および施設1の内部におけるドアの少なくともいずれか一方の開閉を検知する。開閉センサ13は、窓およびドアの少なくともいずれか一方の開閉を検知すると、検知信号を在不在判定装置11へ送信する。
【0031】
人感センサ14は、たとえば、施設1の内部に設けられ、人の接近を感知すると検知信号を在不在判定装置11へ送信する。なお、人感センサ14は、施設1への入り口付近に設けられてもよい。
【0032】
在不在判定装置11は、各機器12と通信を行うことにより、各機器12から動作状態を示す動作状態情報を取得する。在不在判定装置11は、取得した直近の各動作状態情報に基づいて、施設1にユーザ15が現在居るか否かの判定を行う。具体的には、たとえば、在不在判定装置11は、1または複数の機器12が動作している場合に、施設1にユーザ15が居ると判定する。
【0033】
以下、機器12の直近の動作状態情報に基づく、施設1にユーザ15が現在居るか否かの判定を第1判定とも称する。在不在判定装置11は、たとえば毎日、所定の時間区分ごとに第1判定を行う。
【0034】
また、在不在判定装置11は、第1判定の結果に基づいて、履歴情報を作成する。履歴情報は、たとえば、複数の第1判定の結果を集計することで得られる情報である。履歴情報の詳細については後述する。
【0035】
在不在判定装置11は、履歴情報に基づいて、施設1にユーザ15が普段居るか否かを所定の時間区分ごとに判定する。言い換えれば、在不在判定装置11は、履歴情報に基づいて、対象の時間区分において施設1にユーザ15が居る傾向が強いかどうかを判定する。
【0036】
以下、履歴情報に基づく、施設1にユーザ15が普段居るか否かの判定を傾向判定とも称する。
【0037】
在不在判定装置11は、第1判定の結果および傾向判定の結果に基づいて、施設1にユーザ15が現在居るか否かを最終的に判定する。
【0038】
以下、第1判定の結果および傾向判定の結果に基づく、施設1にユーザ15が現在居るか否かの判定を第2判定とも称する。
【0039】
在不在判定装置11は、ネットワーク3に接続されている。在不在判定装置11は、第2判定の結果から施設1にユーザ15が居ないと認識している状態において、開閉センサ13または人感センサ14から検知信号を受信した場合、たとえば、セキュリティーサービスを提供するサービス提供事業者2に検知信号を受信した旨を通知する。具体的には、在不在判定装置11は、ネットワーク3経由で、サービス提供事業者2によって運用されるサーバ5に検知信号を受信した旨を示す情報を送信する。
【0040】
図2は、本発明の実施の形態に係る在不在判定システムにおける履歴情報の一例を示す図である。
【0041】
図2は、たとえば20日間に得られた第1判定の結果を集計することによって作成された履歴情報の一例を示している。具体的には、図2を参照して、リストL1は、30分ごとに設定された「時間区分」と、対応の時間区分において「第1判定の結果」が「在」であった回数、「不在」であった回数、および「不明」であった回数とを示している。
【0042】
ここで、第1判定の結果が「在」であった回数とは、施設1にユーザ15が居ると判定された回数である。また、第1判定の結果が「不在」であった回数とは、施設1にユーザ15が居ないと判定された回数である。また、第1判定の結果が「不明」であった回数とは、施設1にユーザ15が居るか否かを判定できなかった回数である。
【0043】
図3は、本発明の実施の形態に係る在不在判定システムにおける傾向判定の結果の一例を示す図である。
【0044】
図3は、図2に示した履歴情報に基づいて行われた傾向判定の結果を示している。具体的には、図3を参照して、リストL2は、30分ごとに設定された「時間区分」と、対応の時間区分における「傾向判定の結果」とを示している。また、ここでは、リストL2は、その結果となった「理由」も示している。
【0045】
図2および図3を参照して、たとえば、「00:00〜00:30」の時間区分における「第1判定の結果」では、「在」であった回数が19回であり、「不在」であった回数が1回であり、「不明」であった回数がゼロ回であった。当該時間区分では、「在」の回数、「不在」の回数および「不明」の回数の合計値(以下、第1判定の判定回数とも称する。)に対する、「在」の回数の割合が所定値以上であったことから、「傾向判定の結果」が「在」となった。
【0046】
また、たとえば、「12:00〜12:30」の時間区分における「第1判定の結果」では、「在」であった回数が10回であり、「不在」であった回数が9回であり、「不明」であった回数が1回であった。当該時間区分では、「在」の回数および「不在」回数の比が1に近かったことから、「傾向判定の結果」が「不明」となった。
【0047】
また、たとえば、「14:00〜14:30」の時間区分における「第1判定の結果」では、「在」であった回数が2回であり、「不在」であった回数が16回であり、「不明」であった回数が2回であった。当該時間区分では、第1判定の判定回数に対する「不在」の回数の割合が所定値以上であったことから、「傾向判定の結果」が「不在」となった。
【0048】
また、たとえば、「17:00〜17:30」の時間区分における「第1判定の結果」では、「在」であった回数が2回であり、「不在」であった回数が4回であり、「不明」であった回数が14回であった。当該時間区分では、「在」であった回数および「不在」であった回数の和が所定値以下であったことから、正確な判定が行えないとして、「傾向判定の結果」が「不明」となった。
【0049】
在不在判定装置11は、このように、施設1にユーザ15が普段居るか否かを時間区分ごとに判定する。
【0050】
図4は、本発明の実施の形態に係る在不在判定システムにおける履歴情報の作成の処理手順を示すフローチャートである。
【0051】
在不在判定システム101における各装置は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のフローチャートの各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
【0052】
図4を参照して、まず、在不在判定装置11は、各機器12から動作状態情報を取得して(ステップS51)、取得した動作状態情報に基づいて第1判定を行う(ステップS52)。
【0053】
次に、在不在判定装置11は、たとえば図2に示した履歴情報における、第1判定を行った時刻に対応する時間区分の内容を更新する(ステップS53)。具体的には、たとえば第1判定を行った時刻が12:15であり、第1判定の結果が「在」であった場合、「12:00〜12:30」の時間区分における「在」の数を1つ増加させる。
【0054】
次に、在不在判定装置11は、直近の第1判定から所定時間が経過するまで待機する(ステップS54でNO)。在不在判定装置11は、直近の第1判定から所定時間が経過すると(ステップS54でYES)、再び各機器12から動作状態情報を取得する(ステップS51)。
【0055】
図5は、本発明の実施の形態に係る在不在判定システムにおける傾向判定の処理手順を示すフローチャートである。
【0056】
在不在判定装置11は、履歴情報における時間区分ごとに傾向判定を行う。具体的には、図5を参照して、まず、在不在判定装置11は、履歴情報における対象の時間区分の内容を確認し、第1判定の結果における「在」の数および「不在」の数の和が所定値C以上であるか否かを判定する(ステップS30)。
【0057】
次に、在不在判定装置11は、「在」の数および「不在」の数の和が所定値C以上である場合(ステップS30でYES)、第1判定の判定回数に対する「在」の数の割合が所定値N以上であるか否かを判定する(ステップS31)。ここで、所定値Nは、たとえば0.8である。
【0058】
次に、在不在判定装置11は、第1判定の判定回数に対する「在」の数の割合が所定値N以上である場合(ステップS31でYES)、対象の時間区分についての傾向判定の結果を「在」とする(ステップS32)。
【0059】
また、在不在判定装置11は、「在」の数および「不在」の数の和が所定値C以上でない場合(ステップS30でNO)、対象の時間区分についての傾向判定の結果を「不明」とする。
【0060】
また、在不在判定装置11は、第1判定の判定回数に対する「在」の数の割合が所定値N以上でない場合(ステップS31でNO)、第1判定の判定回数に対する「不在」の数の割合が所定値N以上であるか否かを判定する(ステップS33)。
【0061】
次に、在不在判定装置11は、第1判定の判定回数に対する「不在」の数の割合が所定値N以上である場合(ステップS33でYES)、対象の時間区分についての傾向判定の結果を「不在」とする(ステップS34)。
【0062】
また、在不在判定装置11は、第1判定の判定回数に対する「不在」の数の割合が所定値N以上でない場合(ステップS33でNO)、対象の時間区分についての傾向判定の結果を「不明」とする(ステップS35)。
【0063】
図6は、本発明の実施の形態に係る在不在判定システムにおける第2判定の処理手順を示すフローチャートである。
【0064】
図6を参照して、まず、在不在判定装置11は、施設1にユーザ15が現在居るか否かを判定する場合、たとえば、機器12の直近の動作状態情報に基づいて、第1判定を行う(ステップS11)。
【0065】
次に、在不在判定装置11は、履歴情報に基づいて、傾向判定を行う(ステップS12)。
【0066】
次に、在不在判定装置11は、第1判定の結果および傾向判定の結果に基づいて、最終的な在不在の判定として第2判定を行う(ステップS13)。
【0067】
具体的には、在不在判定装置11は、第1判定の結果が「在」であり、傾向判定の結果も「在」である場合、第2判定の結果を「在」にする。
【0068】
また、たとえば、在不在判定装置11は、第1判定の結果が「不在」であり、傾向判定の結果も「不在」である場合、第2判定の結果を「在」にする。
【0069】
また、たとえば、第1判定の結果と傾向判定の結果とが異なる場合、第1判定の結果を第2判定の結果に優先的に反映させる。たとえば、在不在判定装置11は、第1判定の結果が「不在」であり、傾向判定の結果が「在」である場合、第2判定の結果を「不在」にする。
【0070】
なお、在不在判定装置11は、第1判定の結果と傾向判定の結果とが異なる場合、傾向判定の結果を第2判定の結果に優先的に反映させる構成であってもよい。たとえば、在不在判定装置11は、第1判定の結果が「不在」であり、傾向判定の結果が「在」である場合、第2判定の結果を「在」にする。
【0071】
また、在不在判定装置11は、第1判定の結果と傾向判定の結果とが異なる場合、第2判定の結果を「不在」とする構成であってもよい。
【0072】
図7は、本発明の実施の形態に係る在不在判定システムにおける在不在判定装置の構成を示す図である。
【0073】
図7を参照して、在不在判定装置11は、情報取得部21と、第1判定部22と、履歴作成部23と、記憶部24と、第2判定部25と、通知部26とを備える。
【0074】
情報取得部21は、施設1における各機器12から動作状態情報を取得して、取得した動作状態情報を第1判定部22へ出力する。
【0075】
第1判定部22は、施設1における機器12の使用状況に基づいて、施設1におけるユーザ15等の人の在不在を判定する。具体的には、第1判定部22は、情報取得部21から受けた動作状態情報に基づいて第1判定を行い、第1判定の結果を履歴作成部23および第2判定部25に出力する。
【0076】
記憶部24は、たとえば、図2に示した履歴情報を記憶している。履歴作成部23は、第1判定部22による第1判定の結果に基づいて、履歴情報を作成する。
【0077】
たとえば、履歴作成部23は、第1判定部22から第1判定の結果を受けると、当該第1判定の結果に基づいて、記憶部24が記憶する履歴情報における、現在時刻に対応する時間区分の内容を更新する。
【0078】
第2判定部25は、第1判定部22による判定結果と、第1判定部22による判定結果の履歴に基づく履歴情報とに基づいて、施設1における人の在不在を判定する。
【0079】
具体的には、第2判定部25は、第1判定部22による判定結果と、履歴情報を用いた傾向判定の判定結果とに基づいて、施設1における人の在不在を判定する。
【0080】
より具体的には、履歴情報は、上述のように、第1判定部22が施設1において人が存在すると判定した回数たとえば図2における「在」の数と、施設1において人が存在しないと判定した回数たとえば図2における「不在」の数とを含む。以下、第1判定部22が施設1において人が存在すると判定した回数を存在回数とも称し、施設1において人が存在しないと判定した回数を不存在回数とも称する。
【0081】
第2判定部25は、存在回数および不存在回数に基づいて傾向判定を行い、第1判定の結果および当該傾向判定の結果に基づいて、第2判定を行う。
【0082】
より具体的には、第2判定部25は、第1判定の結果と、当該第1判定の結果に対応する時間区分における存在回数および不在回数とに基づいて、施設1における人の在不在を判定する。
【0083】
具体的には、たとえば、第2判定部25は、直近の第1判定の結果と、当該第1判定を行った時刻が属する時間区分における存在回数および不在回数に基づいて傾向判定を行った結果とに基づいて、第2判定を行う。
【0084】
第2判定部25は、第1判定の結果を履歴情報に基づいて補正し、補正した第1判定の結果に基づいて施設における人の在不在を判定する。具体的には、第2判定部25は、第1判定の結果を、傾向判定の結果を用いて補正することによって、第2判定を行う。たとえば、第2判定部25は、第1判定の結果が「在」であり、傾向判定の結果が「不在」である場合、第2判定の結果を「不在」にする。なお、第2判定部25は、第1判定の結果が「在」であり、傾向判定の結果が「不在」である場合、第2判定の結果を「在」にする構成であってもよい。
【0085】
ここで、履歴情報を用いた傾向判定の結果には、施設1における人の在不在が不明であることが含まれる場合がある。具体的には、図3に示すように、傾向判定の結果が「不明」である場合がある。この場合、第2判定部25は、第1判定部22による第1判定の結果を第2判定の結果とする。たとえば、第2判定部25は、第1判定の結果が「在」であり、傾向判定の結果が「不明」である場合、第2判定の結果を「在」にする。
【0086】
第2判定部25は、第2判定の結果を通知部26へ出力する。通知部26は、第2判定部25から受けた第2判定の結果から施設1における人の在不在を認識する。
【0087】
情報取得部21は、開閉センサ13および人感センサ14から検知信号を取得し、取得した検知信号を通知部26に出力する。
【0088】
通知部26は、たとえば、施設1において人が不在であると認識している状態において、開閉センサ13および人感センサ14からの検知信号を受けた場合、たとえば、ネットワーク3経由でサービス提供事業者2のサーバ5へ通知を行う。
【0089】
サービス提供事業者2は、在不在判定装置11からの通知を受けた場合、たとえば、施設1の警戒度を引き上げ、場合によっては、施設1へ警備員を派遣して施設1における異常の有無を確認する。
【0090】
なお、通知部26は、たとえば、施設1において人が不在であると認識している状態において、開閉センサ13および人感センサ14からの検知信号を受けた場合、ネットワーク3経由で、ユーザ15にメール等の通知を送信したり、図示しない警報部を制御して警告音を鳴らしたりする構成であってもよい。
【0091】
なお、本発明の実施の形態に係る在不在判定システムでは、履歴情報は、所定期間ごとに作成されてもよい。具体的には、たとえば、履歴作成部23は、週ごとあるいは月ごとに履歴情報を作成する構成であってもよいし、曜日ごとに集計した履歴情報を作成する構成であってもよい。
【0092】
第2判定部25は、複数の履歴情報が存在する場合、複数の履歴情報のうちのいずれか1つを用いて傾向判定を行う構成であってもよいし、複数の履歴情報の全部を用いて傾向判定を行う構成であってもよい。たとえば、第2判定部25は、複数の履歴情報のそれぞれに対応する傾向判定の結果を用いて多数決を行い、多数決の結果を最終的な傾向判定の結果としてもよい。
【0093】
ところで、特許文献1に記載の技術では、利用者が外出する際に機器の電源をオフし忘れた場合、あるいは、施設の外部から遠隔で機器の制御が行われるような場合、在不在の正しい判定が行われないことが考えられる。
【0094】
これに対して、本発明の実施の形態に係る在不在判定装置では、第1判定部22は、施設1における機器12の使用状況に基づいて、施設1における人の存在および不在を判定する。第2判定部25は、第1判定部22による判定結果と、第1判定部22による判定結果の履歴に基づく履歴情報とに基づいて、施設1における人の存在および不在を判定する。
【0095】
このような構成により、たとえば、直近の機器の使用状況による判定結果だけではなく、過去の判定結果の履歴を考慮した上で、施設における人の存在および不在の最終的な判定を行うことができる。したがって、施設における人の在不在をより正しく判定することができる。
【0096】
また、本発明の実施の形態に係る在不在判定装置では、履歴情報は、施設1において人が存在すると第1判定部22が判定した回数である存在回数、および施設1において人が存在しないと第1判定部22が判定した回数である不在回数を含み、第2判定部25は、第1判定部22による判定結果と、存在回数および不在回数とに基づいて、施設1における人の存在および不在を判定する。
【0097】
このような構成により、施設における人の存在および不在の判定傾向を考慮して、より正確な判定を行うことができる。
【0098】
また、本発明の実施の形態に係る在不在判定装置では、履歴情報は、所定期間ごとの存在回数および不在回数を含む。第2判定部25は、第1判定部22による判定結果と、第1判定部22による判定結果に対応する上記所定期間の存在回数および不在回数とに基づいて、施設における人の存在および不在を判定する。
【0099】
このような構成により、機器の使用状況に対応する期間における人の存在および不在の判定傾向を考慮して、さらに正確な判定を行うことができる。
【0100】
また、本発明の実施の形態に係る在不在判定装置では、第2判定部25は、第1判定部22による判定結果を履歴情報に基づいて補正し、補正した判定結果に基づいて、施設1における人の存在および不在を判定する。
【0101】
このような構成により、たとえば、直近の判定結果を基礎としながら過去の履歴を加味して最終的な判定を行うことができる。
【0102】
また、本発明の実施の形態に係る在不在判定装置では、第2判定部25は、履歴情報を用いて施設1における人の存在および不在を判定し、さらに、第1判定部22による判定結果と、履歴情報を用いた判定結果とに基づいて、施設1における人の存在および不在を判定する。
【0103】
このような構成により、たとえば、直近の機器の使用状況による判定および過去の判定結果の履歴に基づく判定の両方を行い、これらの判定結果から最終的な判定を行うことができる。
【0104】
また、本発明の実施の形態に係る在不在判定装置では、第2判定部25による履歴情報を用いた判定結果には、施設1における人の存在および不在が不明であることが含まれる。
【0105】
このような構成により、たとえば、履歴情報からでは人の存在および不在を明確に判定できない場合に、履歴情報を用いずに最終的な判定を行うことができる。
【0106】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0107】
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
【0108】
[付記1]
施設における機器の使用状況に基づいて、前記施設における人の在不在を判定する第1の判定部と、
前記第1の判定部による判定結果と、前記第1の判定部による判定結果の履歴に基づく履歴情報とに基づいて、前記施設における人の在不在を判定する第2の判定部とを備え、
前記機器は、人が前記施設に居る場合に使用され、かつ人が前記施設に居ない場合に使用されない可能性が高い機器である、在不在判定装置
【符号の説明】
【0109】
1 施設
2 サービス提供事業者
3 ネットワーク
5 サーバ
11 判定装置
12 機器
13 開閉センサ
14 人感センサ
15 ユーザ
21 情報取得部
22 第1判定部
23 履歴作成部
24 記憶部
25 第2判定部
26 通知部
101 在不在判定システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7