【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、温水路と、該温水路の所定部位に設けられた凍結予防ヒータと、該凍結予防ヒータへの通電路を開閉する第1の通電路開閉手段と、所定の空間乃至部位の温度(例えば、雰囲気温度や、温水路の配管温度など)に応じた検出信号(典型的には電圧信号)を出力する温度検出手段と、該温度検出手段の検出信号を入力するとともに前記第1の通電路開閉手段を閉動作させるための第1のヒータON指令を出力するか否かを制御する制御部とを備える温水機器において、次の技術的手段を講じた。
【0008】
すなわち、本発明の温水機器は、前記第1の通電路開閉手段と直列に設けられて前記通電路を開閉する第2の通電路開閉手段と、前記温度検出手段から入力する検出信号と所定の判定基準値とに基づいて前記第2の通電路開閉手段を閉動作させる第2のヒータON指令を出力するか否かが切り替わるよう構成された駆動回路とをさらに備え、これにより前記第1及び第2のヒータON指令の双方が出力されると前記凍結予防ヒータに通電されるよう構成されていることを特徴とするものである(請求項1)。
【0009】
かかる本発明の温水機器によれば、第1の通電路開閉手段を開閉動作制御する制御部とは別に、温度検出手段から入力する検出信号と所定の判定基準値とに基づいて(典型的には検出信号と判定基準値との比較結果に基づいて)第2の通電路開閉手段を閉動作させる第2のヒータON指令を出力するか否かが切り替わるように構成された駆動回路を設けたので、制御部の異常や、第1の通電路開閉手段の故障などによって、第1の通電路開閉手段の閉固定故障が生じた場合でも、駆動回路が第2の通電路開閉手段を開動作させる条件を満たせば第2の通電路開閉手段が開動作することによって凍結予防ヒータへの通電を停止させることができる。
【0010】
典型的には制御部はマイコンにより構成することができ、駆動回路は比較器や分圧回路などからなるアナログ回路により構成することができる。また、駆動回路は、前記検出信号が示す温度が判定基準値が示す基準温度未満であるとき第2のヒータON指令を出力する(例えばHigh信号を第2のヒータON信号として出力する)よう構成できるとともに、検出信号が示す温度が判定基準値が示す基準温度以上であるときは第2のヒータON指令を出力しない(例えばLow信号を出力する)よう構成できる。駆動回路が第2のヒータON指令を出力する条件(判定基準値の設定値)は、制御部が第1のヒータON指令を出力する条件と同じであってもよいし、異なる条件であってもよい。例えば、制御部は、温度検出手段の検出信号が示す検出温度が凍結のおそれのある所定の凍結予防運転開始温度、例えば4℃まで低下すると第1のヒータON指令を出力開始するよう構成でき、この場合、駆動回路も、検出温度が4℃まで低下すると第2のヒータON指令を出力開始するよう構成することもできるし、また、駆動回路は、制御部が第1のヒータON指令を出力開始する上記温度よりも高い所定の温度、例えば20℃未満のときは第2のヒータON指令を出力し、20℃以上になると第2のヒータON指令を出力しないよう構成することもできる。
【0011】
制御部による第1のヒータON指令の出力制御は適宜のものであってよいが、好ましくは、温度検出手段の検出信号が示す検出温度が所定の凍結予防運転開始温度以上から凍結予防運転開始温度未満に低下すると第1のヒータON指令を出力開始し、検出温度が所定の凍結予防運転終了温度以上に上昇すると第1のヒータON指令の出力を終了するよう構成できる。凍結予防運転開始温度と凍結予防運転終了温度とは同一であってもよいが、第1の通電路開閉手段のチャタリング防止のために凍結予防運転終了温度は凍結予防運転開始温度よりも若干高く(例えば2〜3℃程度)なるよう設定しておくことが好ましい。
【0012】
駆動回路も適宜の構成とすることができるが、好ましくは、温度検出手段の検出信号が示す検出温度が判定基準値以上から判定基準値未満に低下すると第2のヒータON指令を出力開始し、検出温度が判定基準値若しくは判定基準値よりも若干高い値まで上昇すると第2のヒータON指令の出力を終了するよう構成できる。このような駆動回路のヒステリシスは、例えば、比較器の正帰還回路によって実現できる。
【0013】
また、駆動回路は、第1の通電路開閉手段の開閉状態に応じて判定基準値が変動するよう回路構成することもできるが、前記第1の通電路開閉手段が閉動作しているか否かにかかわらず判定基準値が一定となるよう構成することが好ましい。
【0014】
上記本発明の温水機器において、前記駆動回路は、前記第2の通電路開閉手段の開閉動作状態に応じた駆動回路監視信号を前記制御部に出力するよう構成され、前記制御部は、前記温度検出手段の検出信号が前記判定基準値との関係で第2のヒータON指令が出力されない範囲内(例えば、検出信号が示す検出温度が判定基準値が示す基準温度以上)であるにもかかわらず「第2の通電路開閉手段が閉動作している」ことを示す前記駆動回路監視信号が入力されると、前記駆動回路の異常であると判定するよう構成されていてよい(請求項
1)。これによれば、駆動回路に異常があることを簡単な構成及び判定処理によって特定できる。なお、かかる特定は厳密なものでなくてもよく、駆動回路の異常である蓋然性が高いという程度の判定とすることができる。また、駆動回路の異常としては、駆動信号を生成出力する回路部分の故障や、駆動回路監視信号を生成出力する回路部分の故障などを含むことができる。
【0015】
なお、温度検出手段の故障(オープン故障及び/又はショート故障など)を制御部が判定可能に構成することが好ましく、上記駆動回路の異常判定は、温度検出手段の故障判定により正常が確認されているときにのみ実行されるものであってよい。これによれば、温度検出手段の故障による異常な検出温度に基づいて、正常動作している駆動回路が「異常である」と判定されてしまうことを防止できる。
【0016】
さらに、本発明の温水機器は、前記凍結予防ヒータに通電されているか否かに応じたヒータ監視信号を前記制御部に出力するヒータ監視回路を備えることができる。そして、制御部は、前記温度検出手段の検出信号が前記判定基準値との関係で第2のヒータON指令が出力される範囲内(例えば、検出信号が示す検出温度が、判定基準値が示す基準温度未満)であるときに、前記第1のヒータON指令を出力していないにもかかわらず「凍結予防ヒータに通電されている」ことを示す前記ヒータ監視信号が入力されると、前記第1の通電路開閉手段の閉固定故障であると判定するよう構成されていてよい(請求項
2)。これによれば、第1の通電路開閉手段の閉固定故障が生じていることを簡単な構成及び判定処理によって特定できる。なお、第1の通電路開閉手段の閉固定故障は、第1の通電路開閉手段の接点の閉固着や、第1の通電路開閉手段の駆動回路を構成するスイッチング素子のショート故障や、ヒータON指令の出力ポートの電源ラインへの短絡等によって生じ得るものである。
【0017】
また、前記制御部は、前記駆動回路の異常であると判定されておらず、且つ、前記温度検出手段の検出信号が前記判定基準値との関係で第2のヒータON指令が出力される範囲内であるときに、前記
第1のヒータON指令を出力しても「凍結予防ヒータに通電されている」ことを示す前記ヒータ監視信号が入力されなければ前記第1の通電路開閉手段の開固定故障であると判定するよう構成できる(請求項
3)。これによれば、駆動回路の異常判定により正常であることが確認された後に第1の通電路開閉手段の開固定故障の判定を行うことにより、駆動回路の故障によって第2の通電路開閉手段が閉動作しない状態であるにもかかわらず正常動作している第1の通電路開閉手段の開固定故障が生じていると誤判定してしまうことを回避できる。なお、第1の通電路開閉手段の開固定故障は、第1の通電路開閉手段の接点の開固着や、第1の通電路開閉手段の駆動回路を構成するスイッチング素子のオープン故障や、ヒータON指令の出力ポートのグラウンドへの短絡等によって生じ得るものである。
【0018】
また、上記本発明の温水機器において、前記凍結予防ヒータに通電されているか否かに応じたヒータ監視信号を前記制御部に出力するヒータ監視回路をさらに備え、前記駆動回路は、前記第1の通電路開閉手段が閉動作しているときは第1閾値が前記判定基準値として設定されるとともに、前記第1の通電路開閉手段が開動作しているときは第1閾値とは異なる第2閾値が前記判定基準値として設定されるよう構成され、前記第2閾値は、前記第1の通電路開閉手段が開動作しているときは常に第2のヒータON指令が出力されるよう設定されていてもよい(請求項
4)。かかる構成において、第1閾値は、制御部が第1のヒータON指令の出力を開始する凍結予防運転開始温度(例えば3〜5℃)よりも高い温度(例えば10〜30℃、より好ましくは20℃程度)に設定することが好ましい。また、第2閾値は、温度検出手段が出力可能な信号範囲外(例えば出力電圧範囲外)の値に設定することができる。
【0019】
かかる構成によれば、第1の通電路開閉手段が開動作しているときは第2の通電路開閉手段が常時閉動作するので、第1のヒータON指令の出力制御状態とヒータ監視信号の状態との整合性の確認により、第1の通電路開閉手段の接点の閉固着や、第1のヒータON指令の出力ポートの電源ライン等への短絡などに起因する第1の通電路開閉手段の閉固定故障を、ヒータ監視信号に基づいて判定できる。したがって、第1の通電路開閉手段の異常判定専用の監視ポートを設ける必要がなく、制御部として機能するマイコンの空きポートが少ない製品においても第1の通電路開閉手段の閉固定故障判定を実施できる。
【0020】
さらに、上記構成によれば、第1の通電路開閉手段が閉動作しているときに検出温度が第1閾値以上になると第2の通電路開閉手段が開動作するため、第1の通電路開閉手段が閉動作した状態で固定される異常が生じたときでも、検出温度が第1閾値以上であれば駆動回路の機能によって凍結予防ヒータへの通電を停止できる。なお、温水路を構成する配管内に水が無いときに凍結予防ヒータによって配管が加熱されると温度検出手段の検出温度が上昇して上記第1閾値(例えば20℃)以上にまで上昇するように温度検出手段を配設することができ、これによれば、第1の通電路開閉手段が閉固定故障し、且つ、雰囲気温度が0℃近辺であり、且つ、温水路内に水が無い場合に、凍結予防ヒータにより温水路が長時間加熱されて配管焼け等が生じることを防止できる。
【0021】
また、前記制御部は、前記第1のヒータON指令を出力しておらず、且つ、前記温度検出手段の検出信号が前記第1閾値との関係では第2のヒータON指令が出力されない範囲内であるときに、前記駆動回路の異常判定のために前記第1のヒータON指令を出力するよう構成されているとともに、当該出力により「凍結予防ヒータに通電されている」ことを示す前記ヒータ監視信号が入力されると前記駆動回路の異常であると判定するよう構成されていてよい(請求項
5)。これによれば、駆動回路の異常判定用の監視ポートを設けることなく、上記異常判定処理を行ったときのヒータ監視信号の入力状態に基づいて駆動回路の異常判定を行うことができる。なお、駆動回路の異常には、駆動回路自体の回路故障の他、駆動回路によって駆動される第2の通電路開閉手段の接点溶着をも含んでいてよい。
【0022】
また、前記制御部は、前記温度検出手段の検出信号が前記第1のヒータON指令を出力すべき範囲内であるときに前記第1のヒータON指令を出力せずに前記ヒータ監視信号を確認し、当該ヒータ監視信号が「凍結予防ヒータに通電されている」ことを示していれば第1の通電路開閉手段の閉固定故障であると判定するよう構成されていてよい(請求項
6)。これによれば、第1の通電路開閉手段の閉固定故障判定用の監視ポートを設けることなく、上記判定処理を行ったときのヒータ監視信号の入力状態に基づいて第1の通電路開閉手段の閉固定故障の判定を行うことができる。
【0023】
また、前記制御部は、前記温度検出手段の検出信号が前記第1のヒータON指令を出力すべき範囲内となったことを検出することにより前記第1のヒータON指令を出力しても、「凍結予防ヒータに通電されている」ことを示す前記ヒータ監視信号が入力されないとき、所定の故障であると判定するよう構成されていてよい(請求項
7)。これによれば、上記駆動回路の異常判定、並びに、第1の通電路開閉手段の閉固定故障判定によって正常が確認された後に、上記の所定の故障であるとの判定を行うことで、駆動回路の異常や第1の通電路開閉手段の閉固定故障を除く他の故障(例えば、第2の通電路開閉手段の接点の開固着や、第1の通電路開閉手段の接点の開固着や、ヒータ監視回路の故障など)であることを特定可能である。
【0024】
なお、上記した故障乃至異常が検出された場合には、対応するエラーコードやエラーメッセージなどによるエラー報知を行うよう制御部を構成することが好ましい。また、本発明の温水機器は、正常動作時(上記異常乃至故障が発生していないとき)は、前記第1及び第2のヒータON指令の少なくとも一方が出力されないときは前記凍結予防ヒータに通電されないよう構成できる。