(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6874431
(24)【登録日】2021年4月26日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】回転用シール
(51)【国際特許分類】
F16C 33/78 20060101AFI20210510BHJP
F16C 19/18 20060101ALI20210510BHJP
F16J 15/324 20160101ALI20210510BHJP
F16J 15/3232 20160101ALI20210510BHJP
【FI】
F16C33/78 D
F16C19/18
F16J15/324
F16J15/3232 201
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-45678(P2017-45678)
(22)【出願日】2017年3月10日
(65)【公開番号】特開2018-150954(P2018-150954A)
(43)【公開日】2018年9月27日
【審査請求日】2019年12月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211695
【氏名又は名称】中西金属工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【識別番号】100163577
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 正人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 孝彦
(72)【発明者】
【氏名】明石 真一
(72)【発明者】
【氏名】飯澤 佑亮
【審査官】
藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2016−148420(JP,A)
【文献】
特開2014−095469(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 19/00−19/56
F16C 33/30−33/66
F16J 15/3232
F16J 15/324
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯金と、前記芯金に基部が接合されるとともにシールリップ部を有するシール部材と、前記シールリップ部が摺接する摺接面を有するスリンガとからなる回転用シールであって、
前記スリンガは、鋼板のダル仕上げ材をプレス成形することにより製造されたものであり、
前記摺接面は、
JIS B 0601:2013で、
算術平均粗さRaは、0.3μm≦Ra≦1.0μm、
粗さ曲線のスキューネスRskは、Rsk≦−1、
粗さ曲線要素の平均長さRSmは、100μm≦RSm
を満たす表面状態であることを特徴とする、
回転用シール。
【請求項2】
前記芯金は、円筒状の芯金円筒、及び前記芯金円筒の軸方向の一端から径方向内方へ延びる芯金フランジからなり、
前記スリンガは、円筒状のスリーブ、及び前記スリーブの軸方向の一端から径方向外方へ延びるフランジからなり、
前記シール部材のシールリップ部は、前記スリンガのフランジ内面の摺接面に摺接するアキシャルリップ、及び前記スリンガのスリーブ外周面の摺接面に摺接するラジアルリップを含む、
請求項1記載の回転用シール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芯金と、前記芯金に基部が接合されるとともにシールリップ部を有するシール部材と、前記シールリップ部が摺接する摺接面を有するスリンガとからなる回転用シールに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のホイール支持用の軸受装置等に用いる回転用シールとして、円筒状のスリーブ、及び前記スリーブの軸方向の一端から径方向外方に延びるフランジからなるスリンガと、円筒状の芯金円筒、及び前記芯金円筒の軸方向の一端から径方向内方へ延びる芯金フランジからなる芯金と、前記芯金に接合された基部、及び前記基部から延びるシールリップ部からなるシール部材とを有するものがある(例えば、特許文献1及び2参照)。
このような回転用シールは、前記スリーブを径方向内側部材に装着するとともに、前記芯金円筒を径方向外側部材に装着した状態で使用し、前記シールリップ部が前記スリンガの摺接面に摺接する。
【0003】
エネルギーコスト低減、及び温室効果ガス低減の観点から、自動車等の燃料消費率を改善する社会的要請が非常に高くなっている。
このような社会的要請に鑑み、前記シールリップ部及び前記スリンガの摺接面間における油膜保持性を向上して前記回転用シールの回転トルクを低減するために、特許文献1及び2の回転用シールでは、前記摺接面に表面加工を施して凹凸面を形成している。
例えば、特許文献1では、前記摺接面を、微小剛体粒子を衝突させるショットピーニング等により加工して、多数のディンプルを備えた凹凸面としている。
また、特許文献2では、前記摺接面を、切削加工、凹凸転写加工処理、又はショットピーニング処理等により加工して、粗さのピッチが細かくエッジの無い凹凸面としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4997532号公報
【特許文献2】特許第5234651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び2のような回転用シールでは、回転トルクを低減するという観点からスリンガの摺接面に表面加工を施して凹凸面を形成している。
しかしながら、このようなスリンガの摺接面に凹凸面を形成した構成において、シール部材のシールリップ部が前記凹凸面に摺接することによるシールリップ部の磨耗については考慮されておらず、それによりシールリップ部が磨耗して信頼性が低下するおそれがある。その上、長期の使用によるグリースの枯渇によりシールリップ部の摩耗が進行して信頼性が低下するおそれもある。
【0006】
上述の背景に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、シール部材のシールリップ部が摺接するスリンガの摺接面に凹凸面を形成した回転用シールにおいて、シールリップ部の磨耗を低減して信頼性を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る回転用シールは、前記課題解決のために、芯金と、前記芯金に基部が接合されるとともにシールリップ部を有するシール部材と、前記シールリップ部が摺接する摺接面を有するスリンガとからなる回転用シールであって、
前記スリンガは、鋼板のダル仕上げ材をプレス成形することにより製造されたものであり、
前記摺接面は、
JIS B 0601:2013で、
算術平均粗さRaは、0.3μm≦Ra≦1.0μm、
粗さ曲線のスキューネスRskは、Rsk≦−1、
粗さ曲線要素の平均長さRSmは、100μm≦RSm
を満たす表面状態であることを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、シール部材のシールリップ部が摺接するスリンガの摺接面の表面状態を前記範囲にすることにより、特許文献1及び2のようなショットピーニング処理等により表面加工を施して前記摺接面に凹凸面を形成するものと比較して、シールリップ部の磨耗量を大幅に低減できるので、信頼性を向上できる。
その上、長期の使用によってグリースが枯渇した場合でも、シールリップ部の摩耗を抑えることが可能であり、より信頼性の高い回転用シールを提供できる。
また、前記スリンガは、鋼板のダル仕上げ材をプレス成形することにより製造されたものであるので、鋼板のダル仕上げ材をプレス成形するだけでスリンガを製造することから、特許文献1及び2のようなショットピーニング処理等により表面加工を施して前記摺接面に凹凸面を形成するものと比較して、製造コストを低減できる。
【0009】
ここで、前記芯金は、円筒状の芯金円筒、及び前記芯金円筒の軸方向の一端から径方向内方へ延びる芯金フランジからなり、
前記スリンガは、円筒状のスリーブ、及び前記スリーブの軸方向の一端から径方向外方へ延びるフランジからなり、
前記シール部材のシールリップ部は、前記スリンガのフランジ内面の摺接面に摺接するアキシャルリップ、及び前記スリンガのスリーブ外周面の摺接面に摺接するラジアルリップを含むのが好ましい実施態様である。
このような構成によれば、いわゆるパックシールにおけるシールリップ部の磨耗量を大幅に低減できるので、パックシールとして好適である。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明に係る回転用シールによれば、シール部材のシールリップ部が摺接するスリンガの摺接面に凹凸面を形成した回転用シールにおいて、シールリップ部の磨耗を低減して信頼性を高めることができるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施の形態に係る回転用シールを自動車のホイール支持用の軸受装置に用いた例を示す部分縦断面概略図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る回転用シールの要部拡大縦断面図である。
【
図3】アキシャルリップの磨耗量を実施例及び比較例について比較する棒グラフである。
【
図4】ラジアルリップの磨耗量を実施例及び比較例について比較する棒グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に本発明の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明するが、本発明は、添付図面に示された形態に限定されず特許請求の範囲に記載の要件を満たす実施形態の全てを含むものである。
なお、本明細書において、回転用シールを装着した状態で、回転側部材である径方向内側部材の回転軸の方向を「軸方向」、軸方向に直交する方向を「径方向」という。
また、自動車の車体から車輪側に向かう方向を「外方」、その反対方向を「内方」という。
【0014】
<軸受装置>
図1の部分縦断面概略図は、本発明の実施の形態に係る回転用シール1を自動車のホイール支持用の軸受装置11に用いた例を示している。
軸受装置11は、外周面に内輪軌道面12Aが形成された、車輪とともに回転する内輪12、及び内周面に外輪軌道面13Aが形成された、車体と一体の外輪13、並びに、内輪軌道面12A及び外輪軌道面13A間を転動する転動体である玉14,14,…等を有する軸受を備える。
また、軸受装置11は、内輪12及び外輪13間の内方及び外方の端部(内方の玉14,…よりも内方、及び外方の玉14,…よりも外方)に、泥水等の浸入を防止するとともに潤滑用グリースの漏出を防止する回転用シール1,5を備える。
【0015】
<回転用シール>
図2の要部拡大縦断面図に示すように、本発明の実施の形態に係る回転用シール1は、ステンレス鋼板によりプレス加工で製造される芯金3、芯金3に基部4Aが接合されるとともにシールリップ部4B,4C,4Dを有する、ゴム等の弾性体であるシール部材4、及び、シールリップ部4B,4C,4Dが摺接する摺接面A,Bを有する、ステンレス鋼板によりプレス加工で製造されるスリンガ2からなる。
スリンガ2は、ダル仕上げ(JIS G 0203:2009 鉄鋼用語の「ダル仕上げ」)材をプレス成形することにより製造したものであり、特許文献1及び2のようなショットピーニング処理等による表面加工を施すことなく、摺接面A,Bに所要の表面状態の凹凸面を形成している。
【0016】
シール部材4を形成する合成ゴム材料としては、耐油性の良好なゴム素材として、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、アクリルゴム(ACM)、エチレン・アクリルゴム(AEM)、フッ素ゴム(FKM、FPM)、シリコーンゴム(VQM)等のゴムから、1種、あるいは2種以上のゴムを適当にブレンドして使用することができる。なお、ゴム材料の練り加工性、加硫成形性、芯金3との接着性を考慮した場合、他種のゴム、例えば、液状NBR、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)等とブレンドして使用することも好ましい実施態様である。
【0017】
芯金3は、円筒状の芯金円筒3A、及び芯金円筒3Aの軸方向の一端から径方向内方へ延びる芯金フランジ3Bからなり、芯金円筒3Aを径方向外側部材である外輪13に圧入することにより、芯金3及びシール部材4は外輪13に固定される。
スリンガ2は、円筒状のスリーブ2A、及びスリーブ2Aの軸方向の一端から径方向外方へ延びるフランジ2Bからなり、スリーブ2Aを径方向内側部材である内輪12に圧入することにより、スリンガ2は内輪12に固定される。
【0018】
シール部材4のアキシャルリップであるシールリップ部4Bの先端は、スリンガ2のフランジ2B内面の摺接面Aに摺接し、シール部材4のラジアルリップであるシールリップ部4C,4Dの先端は、スリンガ2のスリーブ2A外周面の摺接面Bに摺接する。
鋼板のダル仕上げ材をプレス成形して製造したスリンガ2の摺接面A,Bの表面状態は、JIS B 0601:2013で、算術平均粗さRaは、0.3μm≦Ra≦1.0μmであり、粗さ曲線のスキューネスRskは、Rsk≦−1、粗さ曲線要素の平均長さRSmは、100μm≦RSmを満たしている。
ここで、粗さ曲線のスキューネスRskは、粗さの山と谷の対称性を示す。粗さの山の方が尖っている場合は正の値、粗さの谷の方が尖っている場合は負の値を示す。
また、粗さ曲線要素の平均長さRSmは、基準長さに輪郭曲線要素の長さの平均を表したものである。
【0019】
<シールリップ部の磨耗量測定試験>
(実験方法)
以下の実施例及び比較例のスリンガに対し、JIS B 0633:2001(ISO 4288:1996)の「7.触針式表面粗さ測定機による評価の方式及び手順」に基づき、基準長さを0.8mm、評価長さを4mmとし、触針式表面粗さ測定機(株式会社東京精密製の表面粗さ・輪郭形状測定機、型式:SURFCOM1800D)を用い、シールリップの摺接面について、圧延方向に対して直角方向の周方向の粗さ曲線を測定し、算術平均粗さRa、粗さ曲線のスキューネスRsk、及び粗さ曲線要素の平均長さRSmを測定した。
【0020】
また、実施例及び比較例のスリンガを組み込んだ回転用シールにおいて、封入するグリースの量を、「通常」(0.24g)、及び「極少」(0.005g)に変えた場合と、グリースを封入しない場合(「なし」)について、1000rpmの回転速度で60時間回転させた後のシールリップの磨耗量を測定する磨耗量測定試験を行った。
この磨耗量測定試験において、
図2のアキシャルリップ4Bの磨耗量、及び
図2のラジアルリップ4Cの磨耗量を測定した。
【0021】
(実施例)
鋼板のダル仕上げ材を用いて、プレス成形によりスリンガを成形した3つの試験体を、実施例1ないし3とした。
【0022】
(比較例)
鋼板のダル仕上げ材を用いて、プレス成形によりスリンガを成形し、さらに前記摺接面にショットブラスト処理を行った3つの試験体を、比較例1ないし3とした。
【0023】
(実験結果)
実験結果を表1、並びに
図3及び
図4に示す。
実施例1ないし3、及び比較例1ないし3の粗さパラメータRa、Rsk、RSmは、表1のとおりである。
【0024】
実施例1ないし3、及び比較例1ないし3の算術平均粗さRaは、何れも0.4μm〜0.5μm程度であり、0.3μm≦Ra≦1.0μmの範囲内にある。
その理由は、前記摺接面の算術平均粗さRaは、グリース保持のために、0.3μm以上である必要があるとともに、シール使用初期における密封性を保持するために、1.0μm以下である必要があるためである。
【0025】
粗さ曲線のスキューネスRskの値は、実施例1ないし3、及び比較例1ないし3ともに、負の値であるが、実施例1ないし3の粗さ曲線のスキューネスRskは、Rsk<−1.1であるのに対し、ショットブラスト処理による微細な粗面が形成された比較例1ないし3のRskは、Rsk>−0.8である。
ここで、粗さ曲線のスキューネスRskが負の値の場合は、スリンガの外表面に突出する山部先端が鈍くなだらかな状態である。粗さ曲線のスキューネスRskの値が、負の値でさらに小さくなるほど、スリンガの外表面に突出する山部が更になだらかになる。
ゴムの掘り起こし摩耗は、スリンガの外表面に突出する山部先端が鋭いほど進行しやすく、山部先端が鈍くなだらかなほど、進行しにくいので、粗さ曲線のスキューネスRskは、リップの摩耗量をより低減するために、実施例1ないし3のように、Rsk<−1.1であるのがより好ましく、Rsk≦−1であればよい。
【0026】
実施例1ないし3の粗さ曲線要素の平均長さRSmは、100μm≦RSmであるのに対し、比較例1ないし3のRSmは、RSm<100μmである。
実施例は粗さ曲線要素の平均長さRSmの値が100μm以上と、比較例よりも大きいため、粗さ曲線における凹凸の繰り返しピッチが大きい。これにより、一回転あたりの振動数(摩耗の機会)が減少するため、リップの摩耗量を大幅に低減できる。
【0028】
以上のような実施例1ないし3と比較例1ないし3との粗さパラメータの相違に伴い、表1及び
図3に示すとおり、アキシャルリップの磨耗量は、実施例1は比較例1の約55%、実施例2は比較例2の約39%、実施例3は比較例3の約37%である。
また、表1及び
図4に示すとおり、ラジアルリップの磨耗量は、実施例1は比較例1の約59%、実施例2は比較例2の約30%、実施例3は比較例3の約57%である。
よって、グリース量が通常の場合、グリース量が極少の場合、及びグリースなしの場合の全ての場合において、実施例の方が比較例よりも磨耗量が約1/2〜1/3程度と、大幅に低減していることが分かる。
この効果により、長期の使用によってグリースが枯渇した場合でも、リップの摩耗を抑えることが可能である。
【0029】
本発明の回転用シールによれば、スリンガ2の摺接面A,Bは、JIS B 0601:2013で、算術平均粗さRaは、0.3μm≦Ra≦1.0μmであり、粗さ曲線のスキューネスRskは、Rsk≦−1、粗さ曲線要素の平均長さRSmは、100μm≦RSmを満たす表面状態であるので、特許文献1及び2のようなショットピーニング処理等により表面加工を施して前記摺接面に凹凸面を形成するものと比較して、シールリップ部の磨耗量を大幅に低減できるので、信頼性を向上できる。
その上、長期の使用によってグリースが枯渇した場合でも、リップの摩耗を抑えることが可能であり、より信頼性の高い回転用シールを提供できる。
また、スリンガ2は、鋼板のダル仕上げ材をプレス成形することにより製造されたものであるので、特許文献1及び2のようなショットピーニング処理等により表面加工を施して前記摺接面に凹凸面を形成するものと比較して、製造コストを低減できる。
【符号の説明】
【0030】
1 回転用シール
2 スリンガ
2A スリーブ
2B フランジ
3 芯金
3A 芯金円筒
3B 芯金フランジ
4 シール部材
4A 基部
4B,4C,4D シールリップ部
5 回転用シール
11 軸受装置
12 内輪(径方向内側部材)
12A 軌道面
13 外輪(径方向外側部材)
13A 軌道面
14 玉(転動体)
A,B 摺動面