(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について詳細に説明する。実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本開示を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また本開示に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0021】
(排水処理システム100)
図1は、排水処理システム100を説明する図である。
図1に示すように、排水処理システム100は、排水処理装置110と、沈殿池120とを含んで構成される。排水処理装置110は、例えば、下水等の排水に含まれる有機物(被処理物)を活性汚泥で分解する活性汚泥処理装置である。沈殿池120は、排水処理装置110から流出した処理水に含まれる活性汚泥を沈降分離する。沈殿池120において活性汚泥が取り除かれた浄化水は、放流される。また、沈殿池120において沈降分離された活性汚泥(余剰汚泥)は、廃棄される。以下、排水処理装置110の具体的な構成について説明する。
【0022】
(排水処理装置110)
図2は、排水処理装置110の斜視図である。本実施形態の
図2をはじめとする以下の図では、垂直に交わるX軸(水平方向)、Y軸(水平方向)、Z軸(鉛直方向)を図示の通り定義している。また、理解を容易にするために、
図2中、液面(液体と気体の界面)を一点鎖線で示す。
【0023】
図2に示すように、排水処理装置110は、処理水槽210と、導入管220と、流出管230と、仕切壁240と、支持板250と、区画水路260と、保持部270と、フィルタモジュール280と、散気ユニット290とを含んで構成される。
【0024】
処理水槽210は、矩形形状の底面212と、底面212の4つの辺からそれぞれ立設した4つの側壁214a〜側壁214dとを備える。処理水槽210は、活性汚泥のフロックと、排水とを収容する。導入管220は、一端が排水の供給源に接続され、他端の流入口222が処理水槽210内に臨んで設けられた配管である。流入口222は、処理水槽210の側壁214aの近傍に位置する。排水は、導入管220を通じて処理水槽210内に導入される。流入口222から供給される排水は、後述するフィルタモジュール280の上端と下端との間に水面が位置するように、供給量が調整される。
【0025】
流出管230は、流出口232に接続された配管である。流出口232は、処理水槽210における、側壁214aと対向する側壁214bに形成される。処理水槽210において浄化された処理水は、流出管230を通じて沈殿池120に供給される。
【0026】
仕切壁240は、処理水槽210内における、流入口222が臨む箇所(側壁214a)と、流出口232(側壁214b)との間に設けられる。仕切壁240は、処理水槽210の底面212から上端まで、鉛直方向(
図2中Z軸方向)に延在し、側壁214cから側壁214dに亘って延在した板である。仕切壁240によって、処理水槽210内が上流側領域210Aと、下流側領域210Bとに区画される。上流側領域210Aは、排水または処理水の流れ方向の上流側に配される。下流側領域210Bは、排水または処理水の流れ方向の下流側に配される。下流側領域210Bの容積は、上流側領域210Aの容積よりも小さい。
【0027】
支持板250は、処理水槽210における側壁214a(流入口222が臨む箇所)と、仕切壁240との間に設けられる。支持板250は、処理水槽210の上端から下方に、鉛直方向(
図2中Z軸方向)に延在し、側壁214cから側壁214dに亘って延在した板である。ただし、支持板250の下端は、処理水槽210の底面212と離隔している。支持板250は、仕切壁240と平行に設けられる。
【0028】
図3(a)は、仕切壁240を説明する図である。
図3(b)は、支持板250を説明する図である。
図3(a)に示すように、仕切壁240には、仕切壁240の上端から下方に向けて切り欠かれた連通口242が形成されている。連通口242は、U字形状である。連通口242は、中央より側壁214c側に偏って設けられる。
【0029】
また、
図3(b)に示すように、支持板250には、支持板250の上端から下方に向けて、切り欠き252が設けられている。切り欠き252は、連通口242と同じ形状、同じ大きさであり、その位置は、連通口242とY軸方向で対応している。つまり、連通口242および切り欠き252は、
図3中Y軸方向(
図2中Y軸方向)から見て同じ位置に設けられている。連通口242および切り欠き252は、上方に向けて開放されている。
【0030】
図2に戻って説明すると、区画水路260は、処理水槽210内に配される。
図4は、区画水路260および保持部270を説明する図である。
図4(a)は、区画水路260の斜視図を示す。
図4(b)は、区画水路260および保持部270の斜視図を示す。
図4(c)は、区画水路260および保持部270の上面図を示す。
【0031】
図4(a)に示すように、区画水路260は、底面部262と、側壁部264と、補強部材266を含んで構成される。底面部262は、矩形形状の板部材である。側壁部264は、底面部262から鉛直上方に立設した角筒形状の部材である。区画水路260は、上面が開放されている。
【0032】
側壁部264を構成する側面部264aは、底面部262の短手方向の辺から立設している。側面部264aは、処理水槽210の側壁214a、214bと平行に設けられる。側面部264aと対向する位置には、排出口268aが形成されている。側壁部264を構成する側面部264bは、底面部262の長手方向の辺から立設している。側面部264bは、処理水槽210の側壁214cと平行に設けられる。側面部264bは、側面部264aと直交している。換言すれば、側面部264bの面方向と直交する位置に排出口268aが形成されている。側面部264bには、複数(ここでは、6つ)の切り欠き268bが形成されている。切り欠き268bは、側面部264bの上端から下方に向けて形成されている。切り欠き268bは、U字形状であり、上方に向けて開放されている。
【0033】
補強部材266は、
図4(a)中Y軸方向に延在した板部材で構成される。補強部材266は、側面部264bの上部の裏面側に設けられる。補強部材266は、複数の切り欠き268bに亘って設けられる。補強部材266を備えることにより、側面部264bにおける隣り合う切り欠き268b間に位置する部分を補強することができる。
【0034】
図4(b)に示すように、保持部270は、枠体272を含んで構成される。枠体272は、切り欠き268bに嵌合される。枠体272は、切り欠き268bから側面部264bの外方に突出するように設けられる。枠体272は、底面272aと、側面272b、272cとを含んで構成される。枠体272の底面272aは、切り欠き268bを区画する底面部262に当接する。枠体272の側面272b、272cは、切り欠き268bを区画する側面部264bに当接する。また、側面272b、272cの上端は、補強部材266の下面に当接する。なお、枠体272の区画水路260内側の縁部は、補強部材266よりも、区画水路260の内側に突出している。
【0035】
図4(c)に示すように、サポート部材274は、仕切壁240および支持板250に接続される。詳しくは後述するが、サポート部材274は、
図4(c)中、XZ断面がL字形状の棒部材である。
【0036】
また、
図4(c)に示すように、区画水路260は、底面部262と、側面部264bと、側面部264bに対向する側面部264cとが、仕切壁240の連通口242の縁部と支持板250の切り欠き252の縁部に接するよう設けられる。つまり、区画水路260は、仕切壁240および支持板250に支持される。また、区画水路260は、排出口268aが下流側領域210Bに位置するように支持される。したがって、区画水路260は、上流側領域210Aおよび下流側領域210Bに亘って設けられる。また、区画水路260は、中央より側壁214c側に偏って設けられる。
【0037】
図2に戻って説明すると、フィルタモジュール280は、保持部270によって、区画水路260に接続される。
図5は、フィルタモジュール280を説明する図である。
図5(a)は、フィルタモジュール280の斜視図である。
図5(b)は、フィルタモジュール280の保持部270への取り付けを説明する図である。
図5(c)は、フィルタモジュール280の上面図である。なお、
図5(c)中、理解を容易にするために支持板250を省略する。
【0038】
図5(a)に示すように、フィルタモジュール280は、支持体310と、フィルタ320と、導出口330とを含んで構成される。支持体310は、プラスチック(例えば、塩化ビニル)で構成される。支持体310は、水平断面(
図5(a)中XY断面)がU字形状であり、上面が開放されている。支持体310は、側面312、314、316と、底面318と、補強板310bとを含んで構成される。側面312および側面314は、鉛直方向(
図5中Z軸方向)に延在し、XZ平面を形成している。側面312と、側面314とは互いに対向している。側面312、314には、複数の貫通孔310aが形成されている。貫通孔310aの径は、10mm〜20mm程度である。側面316は、鉛直方向に延在し、YZ平面を形成しており、側面312、314に連続している。底面318は、側面312、314の下部を封止する。補強板310bは、側面312、314間に配される。補強板310bにも貫通孔310aが形成されている。
【0039】
フィルタ320は、複数の貫通孔が形成された織物で形成される。フィルタ320の貫通孔(目開き)は、精密ろ過膜の孔径よりも大きい。フィルタ320の目開きは、例えば、10μm以上200μm以下の範囲内である。また、フィルタ320の目開きは、好ましくは、20μm以上50μm以下の範囲内である。フィルタ320の目開きは、部位に拘わらず、ほぼ一定である。すなわち、フィルタ320は、均一な目開きを有する。フィルタ320を形成する繊維は、一層であり、不織布のように複雑に入り組んだ隙間はない。フィルタ320を形成する繊維は、樹脂製であり、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、および、ナイロンの群から選択される1または複数で形成される。また、フィルタ320は、貫通孔310aを覆うように、側面312、314の外表面上に設けられる。フィルタ320は、例えば、側面312、314に接着剤で貼付される。
【0040】
側面312、314における側面316が連続していない縁部312a、314a間は、後述する導出口330として機能する。
【0041】
また、側面312、314における導出口330側の端部の外表面上には、充填材340が設けられる。充填材340は、伸縮性(弾性)を有する部材(例えば、スポンジ等の多孔質樹脂、シリコンゴムシート、フェルト等)で構成される。充填材340は、側面312、314に接着剤で貼付される。
【0042】
フィルタモジュール280は、保持部270によって区画水路260に接続される。具体的に説明すると、
図5(b)、
図5(c)に示すように、フィルタモジュール280の導出口330を区画する側面312、314が、枠体272に挿入される。つまり、フィルタモジュール280の支持体310は、導出口330が区画水路260内に位置するように、枠体272に嵌合される。また、フィルタモジュール280の側面316は、枠体272の底面272aおよびサポート部材274に載置される(
図5(c)参照)。したがって、フィルタ320は、面方向が、区画水路260の側面部264bと直交する方向に配されることになる。
【0043】
そうすると、
図5(c)中、矢印で示すように、上流側領域210Aの排水(処理水)は、フィルタ320、導出口330、区画水路260、排出口268a(連通口242)を、この順で通過して、下流側領域210Bに導かれることになる。
【0044】
なお、上記したように、側面312、314における導出口330側の端部の外表面上には、充填材340が設けられている。このため、フィルタモジュール280が枠体272に嵌合された際に、枠体272と、支持体310との間に、充填材340が配される。これにより、側面312、314と枠体272との間に形成される間隙を充填材340で封止することができる。したがって、上流側領域210Aの処理水を、すべてフィルタ320に通過させることが可能となる。また、充填材340は、伸縮性(弾性)を有している。このため、充填材340は、保持部270に対するフィルタモジュール280のガタツキを吸収することができる。したがって、フィルタモジュール280を保持部270に安定的に固定することが可能となる。
【0045】
処理水がフィルタ320を通過する過程で、処理水に含まれる活性汚泥は、フィルタ320に(上流側領域210A側)捕捉される。したがって、フィルタ320を通過した処理水には、活性汚泥がほとんど含まれない。そして、下流側領域210Bに導かれた処理水は、流出口232を通じて、沈殿池120に供給される。
【0046】
図2に戻って説明すると、散気ユニット290は、散気部292と、ガス配管294とを含んで構成される。散気部292は、処理水槽210における上流側領域210Aの底面212近傍(フィルタモジュール280の下方)に設けられる。本実施形態において、散気部292は、底面212のうち、側壁214cと対向する側壁214d側に設けられる。つまり、散気部292は、フィルタモジュール280と水平方向(
図2中X方向)の位置を異にして処理水槽210内に設けられる。散気部292には、ガス配管294の一端が接続されている。ガス配管294の他端には、不図示のブロワが接続されている。ブロワは、ガス配管294に空気を吹き込む。そうすると、散気部292を通じて、上流側領域210A内に空気(酸素)が供給される。また、散気部292が供給する空気によって、上流側領域210A内が攪拌される。したがって、散気部292によって上流側領域210A内に、鉛直方向の旋回流(
図2中、矢印で示す)が生じる。これにより、上流側領域210A内がより攪拌される。
【0047】
散気部292が空気を供給することにより、上流側領域210Aに収容された活性汚泥による有機物の分解を促進させることができる。また、散気部292が空気を供給することにより、活性汚泥を増殖させることが可能となる。さらに、散気部292によって、上流側領域210A内が攪拌されることにより、活性汚泥と酸素とを効率よく接触させることができる。これにより、活性汚泥による有機物の分解をより促進させることが可能となる。また、活性汚泥をより増殖させることができる。
【0048】
また、散気部292によって旋回流を生じさせることにより、旋回流(下降流)によってフィルタ320を洗浄することができる。これにより、フィルタ320の目詰まりを抑制することが可能となる。したがって、フィルタ320をメンテナンスする頻度を低減することができる。
【0049】
また、旋回流は、フィルタモジュール280間を流通することになる。これにより、処理水を効率よくフィルタ320に到達させることができる。したがって、フィルタ320の濾過効率を向上させることが可能となる。
【0050】
また、散気部292が、フィルタモジュール280と水平方向(
図2中X方向)の位置を異にして処理水槽210内に設けられることにより、空気(気泡)がフィルタ320に直接接触する事態を回避することができる。したがって、気泡がフィルタ320に接触することによって生じるフロックの破砕を防止することが可能となる。これにより、フィルタ320を通過してしまう活性汚泥を低減することができる。
【0051】
以上説明したように、本実施形態にかかる排水処理装置110は、フィルタ320の面方向が、流入口222から流出口232へと向かう排水の流れと交差するように、フィルタモジュール280が処理水槽210内に保持される。つまり、フィルタ320の面方向が、流入口222と流出口232とを通る仮想線および仮想線と平行な線と交差するように、フィルタモジュール280が処理水槽210内に保持される。このため、簡易な構成でフィルタモジュール280を処理水槽210内に複数設置することができ、フィルタ320と排水(処理水)との接触面積を大きくすることが可能となる。したがって、処理水槽210内の活性汚泥の濃度を所定値に維持したまま、処理水槽210における排水(処理水)の通過速度を高めることが可能となる。また、排水の処理効率を向上させることができる。
【0052】
なお、仮に、フィルタ320の面方向が、流入口222から流出口232へと向かう排水の流れと平行になるように、フィルタモジュール280を設置すると、散気部292による旋回流の効果を享受することができない。したがって、フィルタ320の目詰まりを抑制することが困難となる。また、排水処理装置110と同数のフィルタモジュール280を設置する場合に、フィルタモジュール280の保持構造が複雑になる。
【0053】
また、上記したように、フィルタ320は、目開きが、10μm以上200μm以下の範囲内であり、精密ろ過膜の孔径よりも大きい。したがって、活性汚泥のフロックによるフィルタ320の目詰まりや、濾過抵抗を低減することができる。これにより、精密ろ過膜でフロックを分離する従来技術と比較して、フィルタ320を洗浄するためのコストを低減することが可能となる。
【0054】
また、フィルタ320の目開きが、10μm以上200μm以下の範囲内であるため、ポンプ等で吸引せずとも、自然流下で処理水を通過させることができる。このため、排水処理装置110は、精密ろ過膜でフロックを分離する従来技術と比較して、設備コストを低減することが可能となる。また、精密ろ過膜でフロックを分離する従来技術と比較して、フィルタ320は、透過流束が大きい。したがって、従来技術と比較して、排水処理装置110は、排水の処理速度を向上させることが可能となる。
【0055】
さらに、上記したように、フィルタ320は、織布で構成されているため、フィルタ320の目開きは、不織布とは異なり一定である。これにより、所望する活性汚泥の濃度に応じて、目開きを予め容易に設定することができる。また、織布は不織布と比較して、複雑に入り組んだ隙間がない。したがって、フィルタ320は、洗浄が容易となる。
【0056】
また、従来の活性汚泥処理装置と比較して、フィルタ320(処理水槽210)から流出する活性汚泥を大幅に低減することができる。このため、沈殿池120への負荷を軽減することができ、沈殿池120を小型化することが可能となる。また、処理水槽210から沈殿池120へ流出する活性汚泥の量を低減できるため、沈殿池120から処理水槽210へ活性汚泥を返送する機構を省略することが可能となる。
【0057】
また、排水中に懸濁態有機物が多く含まれている場合、懸濁態有機物のうち大粒径のものを選択的に捕捉する目開きのフィルタ320を用いるとよい。この場合、処理水槽210における懸濁態有機物の滞留時間を長期化することができ、処理水槽210における懸濁態有機物の分解効率を向上させることができる。
【0058】
また、フィルタモジュール280を枠体272に挿入するだけで、フィルタモジュール280を区画水路260に取り付けることができる。つまり、フィルタモジュール280は、区画水路260に着脱自在に設けられる。したがって、フィルタ320に目詰まりが生じたり、フィルタ320が破損したりした場合に、容易に交換することが可能となる。
【0059】
(変形例)
排水処理装置110は、フィルタモジュール280に代えて、切り欠きを封止する封止部410を備えてもよい。
【0060】
図6は、封止部410を説明する図である。
図6(a)は、封止部410の斜視図である。
図6(b)は、封止部410の上面図である。
【0061】
図6(a)に示すように、封止部410は、平面部412と、突出部414とを含んで構成される。
図6(a)、
図6(b)に示すように、平面部412は枠体272の底面272a、側面272b、272cで区画された間隙よりも大きい板部材である。封止部410が区画水路260内に配された際に、平面部412は、底面272a、側面272b、272cで区画された間隙を封止する。突出部414は、平面部412から突出した板部材である。突出部414は、封止部410が区画水路260内に配された際に、側面部264cに当接する寸法となっている。
【0062】
封止部410を備える構成により、フィルタモジュール280を交換する際に、処理水がフィルタ320を通過せずに区画水路260に流入する事態を回避することができる。具体的に説明すると、フィルタモジュール280を交換する際に、まず、封止部410を区画水路260に設置する。その後、フィルタモジュール280を保持部270から取り外す。そして、新たなフィルタモジュール280を保持部270に取り付ける。最後に、封止部410を区画水路260から取り外す。これにより、処理水槽210に排水を供給したまま(処理水槽210で排水を処理しながら)、フィルタモジュール280を交換することが可能となる。
【0063】
以上、添付図面を参照しながら実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0064】
例えば、上記実施形態において、流入口222が処理水槽210の上方に設けられる構成を例に挙げて説明した。しかし、流入口222は、処理水槽210に形成されてもよい。
【0065】
また、上記実施形態において、支持体310の側面312、314に複数の貫通孔310aが設けられる構成を例に挙げて説明した。しかし、支持体310の側面312、314に1の切り欠きが形成されてもよい。この場合、側面312、314と、フィルタ320との間に金網等を設けるとよい。これにより、フィルタ320同士が接触してしまう事態を回避することができる。
【0066】
また上記実施形態において、支持体310に2枚のフィルタ320を貼付する構成を例に挙げて説明した。しかし、処理水槽210に1枚のフィルタ320を巻きまわしてもよい。
【0067】
また、上記実施形態において、目開きが10μm以上200μm以下の範囲内の織物で構成されるフィルタ320を例に挙げて説明した。しかし、フィルタ320は、目開きが10μm以上200μm以下の範囲内の織物と、目開きが200μ以上1mm以下の範囲内の織物とを重ね合わせたものであってもよい。なお、この場合、相対的に目開きが大きい織物を支持体310に貼付するとよい。これにより、相対的に目開きが小さい織物が支持体310の角部によって破損してしまう事態を回避することが可能となる。
【0068】
また、上記実施形態において、区画水路260が側壁214c側に配される構成を例に挙げて説明した。しかし、区画水路260は、処理水槽210の中央に配されてもよい。
【0069】
また、上記実施形態において、区画水路260を構成する側面部264cが側壁214cと別体である場合を例に挙げて説明した。しかし、区画水路260の側面部を側壁214cとしてもよい。
【0070】
また、上記実施形態において、排水処理装置110が仕切壁240と、支持板250とを備える構成を例に挙げて説明した。したがって、既存の(従来の)活性汚泥処理装置に仕切壁240、支持板250、区画水路260、保持部270、フィルタモジュール280を設置するだけで、排水処理装置110とすることができる。しかし、仕切壁240、支持板250は、必須の構成ではない。例えば、区画水路260の排出口268aが流出口232に直接接続されてもよい。
【0071】
また、上記実施形態において、区画水路260が上流側領域210Aと下流側領域210Bとに亘って配される構成を例に挙げて説明した。しかし、区画水路260は、上流側領域210Aにのみ配されてもよい。つまり、排出口268aと連通口242とが直接接続されてもよい。
【0072】
また、上記実施形態において、充填材340が支持体310に設けられる構成を例に挙げて説明した。しかし、充填材340は、枠体272と、支持体310との間に設けられればよい。例えば、充填材340を枠体272に設けてもよい。
【0073】
また、上記実施形態において、散気部292が空気を供給する構成を例に挙げて説明した。しかし、散気部292は、ガス(例えば、酸素を含むガス)を供給すればよい。
【0074】
また、上記実施形態において、処理水槽210が収容する微生物として活性汚泥を例に挙げて説明した。しかし、処理水槽210が収容する微生物は、排水に含まれる被処理物を分解できれば、種類に限定はない。例えば、被処理物として有機物、窒素化合物等を分解する微生物(例えば、硝化菌、脱窒菌)であってもよい。