特許第6874448号(P6874448)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6874448
(24)【登録日】2021年4月26日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】情報表示システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20210510BHJP
   G06F 3/0481 20130101ALI20210510BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20210510BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20210510BHJP
   G02B 27/02 20060101ALI20210510BHJP
   B25J 19/06 20060101ALI20210510BHJP
【FI】
   G06F3/01 510
   G06F3/0481
   G09G5/00 550C
   G09G5/00 510C
   G09G5/00 550B
   G09G5/00 510H
   G09G5/36 530Y
   G02B27/02 Z
   B25J19/06
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-52713(P2017-52713)
(22)【出願日】2017年3月17日
(65)【公開番号】特開2018-156391(P2018-156391A)
(43)【公開日】2018年10月4日
【審査請求日】2020年2月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】特許業務法人 サトー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 和則
【審査官】 円子 英紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−210822(JP,A)
【文献】 特許第5876607(JP,B1)
【文献】 特開2015−228095(JP,A)
【文献】 特開2005−207783(JP,A)
【文献】 特開2016−107379(JP,A)
【文献】 特開2016−192000(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048−3/0489
B25J 19/06
G02B 27/02
G09G 5/00
G09G 5/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象となるロボットの駆動を制御するロボットコントローラと、
前記ロボットコントローラから前記ロボットの動作状態及び制御状態を特定可能な情報を取得する安全装置と、
ユーザが装着可能であってユーザの視界内に情報を表示可能な装着型ディスプレイと、
前記安全装置から前記ロボットに関する情報である監視対象情報を取得可能な監視対象情報取得部と、
ユーザの視界を特定するための視界情報を取得する視界情報取得部と、
前記視界情報取得部で取得した前記視界情報に基づいてユーザの視界内に存在する監視対象を識別する監視対象識別部と、
ユーザの視界内に捉えた前記監視対象について前記監視対象情報が存在している場合に前記監視対象情報の存在を示すシンボル表示をユーザの視界内に表示すると共に、ユーザの視界内に設定された照準がユーザの視界内において前記シンボル表示と重なった場合にその前記シンボル表示に対応した前記監視対象情報をユーザの視界内に表示する表示制御部と、
を備える情報表示システム。
【請求項2】
前記表示制御部は、ユーザの視界内に捉えた前記監視対象のうちユーザから所定距離以上離れている前記監視対象については、前記照準が前記シンボル表示と重なっている場合であっても前記監視対象情報をユーザの視界内に表示しない、
請求項1に記載の情報表示システム。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記照準をユーザの視界内に視認可能に表示する、
請求項1又は2に記載の情報表示システム。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記照準が前記シンボル表示と重なってから所定期間経過した後に前記監視対象情報を表示する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報表示システム。
【請求項5】
前記表示制御部は、ユーザの視界内において前記照準が前記シンボル表示と重なった場合に、その前記照準と重なった前記シンボル表示を、前記照準が重なっていない場合と異なる態様で表示する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報表示システム。
【請求項6】
前記表示制御部は、ユーザの視界内に不透明な表示領域を表示すると共に、前記表示領域内に前記監視対象情報を表示する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの頭部に装着するタイプのディスプレイにより、ユーザの視界内に監視対象に関する情報を表示する情報表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザの頭部に装着可能な頭部装着型ディスプレイいわゆるヘッドマウントディスプレイ(以下、HMDと称する)を用いて、例えば仮想現実の画像や様々な情報を表示する技術が提案されている。この技術の適用として、例えばロボットや搬送車の作業領域内やその近傍で作業するユーザに対して、そのロボットや搬送車の安全に関する情報を提示するために、その安全に関する情報を、ユーザが装着したHMDに表示することが想定される。これによれば、ユーザは、ティーチィングペンダントやタブレット端末等を覗き込むことなく視線を上げたまま、ロボットや搬送車の安全に関する情報を取得することができるようになるため、安全性の向上が図られる。
【0003】
しかしながら、一般的なHMDの多くは、ユーザの視界と重なる場所に透過型の表示部を配置し、その表示部に各種情報を表示させる構成である。この場合、表示部に表示される情報と、ユーザが表示部を通して見ている実景とが重なることになる。このため、例えばロボットや搬送車が複数存在している場合、その全てのロボットや搬送車の情報をユーザの視界内に同時に表示すると、ユーザの視界が遮られてしまう。更には、ユーザの注意が視界内のロボットや搬送車に向けられていないにもかかわらず、これらロボットや搬送車に関する情報が表示されて視界が塞がれてしまうと、その注意が向けられていないロボットや搬送車と衝突してしまうなどの思わぬ事態に発展する可能性がある。これらの結果、かえって安全性の低下が懸念される場面もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−228201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、装着型ディスプレイを用いてユーザに情報を提示するものにおいて、安全な情報提示が可能な情報表示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(請求項1)
請求項1の情報表示システムは、監視対象となるロボットの駆動を制御するロボットコントローラと、前記ロボットコントローラから前記ロボットの動作状態及び制御状態を特定可能な情報を取得する安全装置と、ユーザが装着可能であってユーザの視界内に情報を表示可能な装着型ディスプレイと、前記安全装置から前記ロボットに関する情報である監視対象情報を取得可能な監視対象情報取得部と、ユーザの視界を特定するための視界情報を取得する視界情報取得部と、前記視界情報取得部で取得した前記視界情報に基づいてユーザの視界内に存在する監視対象を識別する監視対象識別部と、ユーザの視界内に捉えた前記監視対象について前記監視対象情報が存在している場合に前記監視対象情報の存在を示すシンボル表示をユーザの視界内に表示すると共に、ユーザの視界内に設定された照準がユーザの視界内において前記シンボル表示と重なった場合にその前記シンボル表示に対応した前記監視対象情報をユーザの視界内に表示する表示制御部と、を備える。
【0007】
これによれば、ユーザは、視界内に表示されたシンボル表示を確認することで、自己の視界内に捉えた監視対象について監視対象情報が存在しているか否かを確認することができる。そして、ユーザは、頭部の向きつまり視線を変えて視界を動かし、これにより視界内に設定された照準を視界内においてシンボル表示と重ねることで、そのシンボル表示に対応した監視対象情報を視界内に表示させることができる。つまり、ユーザは、表示させたい監視対象情報に対応したシンボル表示に視線を合わせる動作を行うことで、その監視対象情報を視界内に表示させることができる。このため、視界内に複数の監視対象を捉えている場合であっても、多数の監視対象情報が視界内に同時に表示されて、ユーザの視界が遮られることがない。
【0008】
また、この構成によれば、ユーザが、視線を動かして照準をシンボル表示に重ねるという行為によって視界内の監視対象についての監視対象情報を見ようとする意思を示さない限り、ユーザの視界内にはその視界を占有して塞ぐ監視対象情報は表示されない。そのため、この構成によれば、ユーザの意図とは関係なく、監視対象情報が視界内に表示されて視界が塞がれるという事態を極力回避することができる。
【0009】
更には、ユーザが視線を動かして照準をシンボル表示に重ねることで、必然的にユーザの注意がそのシンボル表示、ひいてはそのシンボル表示に対応した監視対象に向く。そのため、ユーザの注意が、視界内の監視対象に向けられていないにもかかわらず、注意していない監視対象に関する監視対象情報によって視界が塞がれてしまうことを防止できる。したがって、本構成によれば、複数の監視対象情報が表示されることによって視界が埋められてしまったり、ユーザの注意が監視対象に向いていないにもかかわらずその監視対象に係る監視対象情報が表示されてしまったりすることを防止できる。その結果、ユーザの視界を妨げ難く安全性の高い情報提示が可能になる。
【0010】
(請求項
請求項の情報表示システムにおいて、前記表示制御部は、前記照準をユーザの視界内に視認可能に表示する。これによれば、ユーザは、照準とシンボル表示とを目視で確認しながら両者を重ね合わせることができる。したがって、本構成によれば、ユーザは、照準とシンボル表示とを容易に重ね合わせることができ、その結果、操作性が向上する。
【0011】
(請求項
ここで、ユーザが監視対象情報を見るために視界を動かしたのではなく、例えば通常の作業に伴って視界が動いてしまった場合に、ユーザが意図していないにもかかわらず、視界内において照準とシンボル表示とが重なってしまうことが想定される。この場合、通常の作業で視界を動かした際に、視界内において照準がシンボル表示を通過して一時的に重なってしまったというだけで、ユーザの意図に反して視界内に監視対象情報が表示されると、かえってユーザの視界を妨げることになる。そこで、請求項の情報表示システムにおいて、前記表示制御部は、前記照準が前記シンボル表示と重なってから所定期間経過した後に前記監視対象情報を表示する。
【0012】
これによれば、ユーザが、照準とシンボル表示とを所定期間以上重ねて見た場合に限り、つまりユーザが照準とシンボル表示とを重ねるという意図を明確に示した場合に限り、視界内に監視対象情報が表示される。つまり、これによれば、ユーザが意図していないにもかかわらず、視界内において照準がシンボル表示を通過して一時的に重なってしまったというだけで視界内に監視対象情報が表示されることを防ぐことができる。その結果、ユーザの視界を更に妨げ難く、より安全性の高い情報提示が可能になる。
【0013】
(請求項
請求項の情報表示システムにおいて、前記表示制御部は、ユーザの視界内において前記照準が前記シンボル表示と重なった場合に、その前記照準と重なった前記シンボル表示を、前記照準が重なっていない場合と異なる態様で表示する。これによれば、ユーザは、シンボル表示の表示態様が変化するか否かを見ることで、照準がシンボル表示と重なっているか否かを確認することができる。
【0014】
すなわち、監視対象情報が表示される前の場面を想定すると、ユーザは、シンボル表示の表示態様の変化を見ることで、照準がシンボル表示と重なっているかを目視で確認することができる。また、視界内に複数の監視対象を捉えている場合、ユーザは、表示態様が変化しているシンボル表示を見ることで、自分がどのシンボル表示に対応した監視対象情報を見ようとしているのかを目視で確認することができる。
【0015】
更に、監視対象情報が表示された後の場面を想定すると、視界内に複数の監視対象を捉えている場合、表示されている監視対象情報に対応したシンボル表示は、監視対象情報が表示されていない他のシンボル表示と異なる態様で表示されていることになる。このため、ユーザは、視界内に複数の監視対象を捉えており視界内に複数のシンボル表示が表示されている場合であっても、他と異なる態様で表示されているシンボル表示を見ることで、現在表示されている監視対象情報が視界内のどのシンボル表示に対応したものであるかを一見して確認することができる。これらの結果、ユーザの確認がし易くなり、更に安全性の高い情報提示が可能になる。
【0016】
(請求項
請求項の情報表示システムにおいて、前記表示制御部は、ユーザの視界内に不透明な表示領域を表示すると共に、前記表示領域内に前記監視対象情報を表示する。これによれば、不透明な表示領域内に監視対象情報を表示することで、表示領域内に表示された監視対象情報が、表示領域の後ろの実景に紛れ込む事を防ぐことができる。したがって、監視対象情報をより見易くすることができ、その結果、より安全性の高い情報提示が可能になる。
【0017】
(請求項
ここで、例えばユーザが移動する際には目標地点である遠方を見ていることが多いが、遠方にある監視対象は視界内において小さく映っているため、その移動中のユーザが監視対象自体を注視している可能性は低い。しかしながら、目標地点を見ながら移動しているユーザが、視線を動かした際に意図せずに照準が遠方の監視対象に対応したシンボル表示と重なってしまうことも想定される。この場合、ユーザの意図に反して、視界内に監視対象情報が表示されると、移動中のユーザの視界が塞がることになるため、かえって安全性の低下が懸念される。
【0018】
そこで、請求項の情報表示システムにおいて、前記表示制御部は、ユーザの視界内に捉えた前記監視対象のうちユーザから所定距離以上離れている前記監視対象については、前記照準が前記シンボル表示と重なっている場合であっても前記監視対象情報をユーザの視界内に表示しない
【0019】
これによれば、例えば移動中のユーザの視界内において、照準が、偶然にも遠方にある監視対象に対応したシンボル表示と重なってしまった場合であっても、視界内にそのシンボル表示に対応する監視対象情報は表示されない。又は、表示制御部は、監視対象が遠方に存在している場合には、シンボル表示自体を表示させない。このため、照準がシンボル表示に重なることもなく、したがって遠方の監視対象に関する監視対象情報も視界内に表示されない。これらの結果、例えば移動中のユーザが視界内に遠方の監視対象を捉えた場合であっても、その遠方の監視対象については監視対象情報が表示されることがない。したがって、移動中のユーザの視界が塞がることを低減することができ、その結果、更なる安全性の向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】一実施形態による情報表示システムの概略構成を模式的に示す図
図2】一実施形態による情報表示システムの電気的構成を模式的に示すブロック図
図3】一実施形態について、表示部を透過してユーザに見える視界の一例を示すもので、視界内に監視対象を捉えた場合を示す図
図4】一実施形態について、表示部を透過してユーザに見える視界の一例を示すもので、視界内において照準と第1シンボル表示とを重ねた状態を示す図
図5】一実施形態について、表示部を透過してユーザに見える視界の一例を示すもので、視界内に第1監視対象情報が表示された状態を示す図
図6】一実施形態について、表示部を透過してユーザに見える視界の一例を示すもので、視界内において照準と第2シンボル表示とを重ねた状態を示す図
図7】一実施形態について、表示部を透過してユーザに見える視界の一例を示すもので、視界内に第2監視対象情報が表示された状態を示す図
図8】一実施形態について、表示部を透過してユーザに見える視界の一例を示すもので、視界内に遠方の監視対象を捉えた場合を示す図
図9】一実施形態について、ディスプレイ制御装置の制御部で実行される処理内容を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1及び図2に示すように、情報表示システム10は、監視対象である少なくとも1台この場合2台のロボット11と、各ロボット11に対応して設けられたロボットコントローラ12と、安全装置13と、いわゆるヘッドマウントディスプレイと称される頭部装着型ディスプレイ20(以下、HMD20と称する)と、ディスプレイ制御装置30と、を含んで構成されている。
【0022】
以下の説明において、これら2台のロボット11を区別する際には、第1ロボット111及び第2ロボット112と称する。また、第1ロボットロボット111及び第2ロボット112に対応するロボットコントローラ12を、それぞれ第1ロボットコントローラ121及び第2ロボットコントローラ122と称する。
【0023】
ロボット11は、例えば6軸の垂直多関節型ロボットで構成されている。一般的な構成につき詳しい説明は省略するが、ロボット11は、サーボモータにより駆動される6軸のアームを有し、第6軸アームの先端部に、例えばパレット内に収容されているワークを把持するためのハンド等を備えている。ロボット11は、ロボットコントローラ12に図示しない接続ケーブルを介して接続される。各軸のサーボモータは、このロボットコントローラ12により制御される。
【0024】
各ロボットコントローラ12は、それぞれ安全装置13に通信可能に接続されている。安全装置13は、ロボットコントローラ12側からロボット11の動作状態及びロボットコントローラ12による制御状態を特定可能な各種の情報を取得可能に構成されている。そのため、安全装置13は、ロボット11のアームの回転角度やモータの通電状態等、ロボット11の動作状態を示す動作情報、及びロボットコントローラ12の制御状態を示す制御情報をリアルタイムで取得することができる。
【0025】
また、安全装置13は、各ロボットコントローラ12から取得した各ロボット11の情報に基づいて、ロボット11の現在の形態つまり姿勢を3次元的にモデリングした3Dモデル画像データを生成することができる。また、安全装置13は、各ロボット11が設置されている領域、例えば工場内における基準位置を原点とした2次元座標系における各ロボット11の座標つまりはロボット11の設置位置も記憶している。
【0026】
HMD20は、ユーザの頭部に装着可能な形態に構成されており、ユーザの視界内に各種情報を表示させることができる。HMD20は、両目を覆う両眼型、又は一方の目のみを覆う単眼型のいずれでも良いが、本実施形態は、ユーザの視界を奪い易い両眼型により適している。また、HMD20の形状は、眼鏡のように装着する眼鏡型や帽子のように装着する帽子型などが想定されるが、いずれも形状であっても良い。本実施形態のHMD20は、眼鏡型を想定している。
【0027】
HMD20は、図2にも示すように、表示部21及びカメラ22を有している。表示部21は、ユーザ90がHMD20を装着した状態において、そのユーザの視界と重なる位置に設けられている。本実施形態の場合、表示部21は、眼鏡のレンズ部分に相当する部分であり、画像などの情報を表示することができるいわゆる透過型のディスプレイで構成されている。このため、HMD20に表示される画像は、ユーザの視界に重なって表示されることになる。換言すると、ユーザは、自身の目で見た現実の風景と、HMD20によって表示された仮想的な画像とを併せて見ることになる。
【0028】
カメラ22は、小型のCCDカメラやCMOSカメラで構成されており、HMD20に一体的に取り付けられている。このカメラ22は、ユーザの顔の向きと一致するように、HMD20のフレームの一側部に設けられている。カメラ22は、図1に示すように、ユーザ90がHMD20を頭部に装着した状態で、ユーザ90の頭部正面が向いている方向の画像を撮像する。そのため、カメラ22によって撮像される画像は、ユーザ90の視界とほぼ同一の画角となっている。換言すると、カメラ22は、ユーザ90が見ている風景とほぼ同一の風景を撮像する。
【0029】
なお、表示部21は、透過型のディスプレイに限られず、非透過型のディスプレイで構成しても良い。この場合、HMD20は、カメラ22で撮影した画像をリアルタイムで表示部21に表示させることで、カメラ22が撮影した風景をユーザに対し仮想的に提示、すなわちユーザの視界を表示部21に再現すれば良い。また、HMD20は、表示部21を有するものに限られず、仮想的な画像をユーザの網膜に直接投影する網膜投影型であっても良い。
【0030】
HMD20は、ディスプレイ制御装置30に無線又は有線で接続されている。なお、ディスプレイ制御装置30は、HMD20と一体に構成されていても良い。図2に示すように、ディスプレイ制御装置30は、マイクロコンピュータ等で構成された制御部31を内蔵しており、HMD20の表示部21に表示する画像データを送信したり、カメラ22により撮影された画像データを受信したりする。また、ディスプレイ制御装置30は、安全装置13と有線又は無線通信が可能となっている。
【0031】
図2に示すように、ディスプレイ制御装置30は、制御部31の他、監視対象情報取得部32、視界情報取得部33、監視対象識別部34、及び表示制御部35を有している。制御部31は、例えばCPU311や、ROM、RAM、及び書き換え可能なフラッシュメモリなどの記憶領域312を有するマイクロコンピュータを主体に構成されており、HDM20の全体の制御を司っている。
【0032】
記憶領域312は、情報表示プログラムを記憶している。制御部31は、CPU311において情報表示プログラムを実行することにより、監視対象情報取得部32、視界情報取得部33、監視対象識別部34、及び表示制御部35等を、ソフトウェア的に実現する。なお、これら監視対象情報取得部32、視界情報取得部33、監視対象識別部34、及び表示制御部35は、例えば制御部31と一体の集積回路としてハードウェア的に実現してもよい。
【0033】
監視対象情報取得部32は、安全装置13から、監視対象である各ロボット11に関する情報として、監視対象情報をリアルタイムで取得することがでる。監視対象情報は、各ロボット11の動作によって随時変化する情報等によって構成されている。例えば監視対象情報は、上述した3Dモデル画像データを含む各ロボット11の動作状態を示す動作情報や、コントローラ12の制御状態を示す制御情報を含んでいる。また、監視対象情報は、例えばユーザに対してロボット11に関する警告や注意を提示するための警告注意情報等を含んでいる。
【0034】
また、監視対象情報取得部32は、監視対象である各ロボット11について、各ロボット11とユーザ90との距離を取得することができる。監視対象情報取得部32は、例えば各ロボット11の位置情報と、ユーザ90の位置情報とに基づいて、各ロボット11とユーザ90との距離を取得することができる。ユーザ90の位置情報は、ユーザ90に装着されるHMD20又はユーザ90に携帯されるディスプレイ表示装置30に小型のGPS(Global Positioning System)を設けることで取得することができる。また、ユーザ90の位置情報は、GPSユニットのように直接的に位置を特定するものではなく、例えば工場の入り口等の基準位置からのユーザ90の移動軌跡を取得し、基準位置に対する変位量に基づいて間接的に位置を特定するような構成としてもよい。
【0035】
視界情報取得部33は、HMD20を装着したユーザ90の視界を特定するための視界情報を取得する処理を行うことができる。ユーザ90の視界とは、ユーザ90がHMD20を装着した状態においてユーザ90の目に映る風景を意味する。本実施形態の場合、ユーザ90の視界とは、眼鏡のレンズ部分である表示部21を通してユーザ90の目に映る風景を意味する。視界情報取得部33は、例えばカメラ22で撮像した画像から、ユーザ90の視界情報を取得する。本実施形態では、例えば図3等に示すように、カメラ22の撮像範囲221及び表示部21の領域を、ユーザ90の視界91と擬制している。
【0036】
図2に示す監視対象識別部34は、視界情報取得部33で取得した視界情報に基づいて、ユーザ90の視界91内に存在する監視対象11を識別する処理を行うことができる。監視対象識別部34は、例えば次のようにして監視対象11を識別することができる。すなわち、例えば各監視対象11に、それぞれ個体を特定するためのマーカーを付しておく。そして、監視対象識別部34は、カメラ22で撮像された画像を基に監視対象11に付されたマーカーを認識することで、各監視対象11を識別することができる。
【0037】
表示制御部35は、図3に示すように、ユーザ90の視界91内に捉えた監視対象11について監視対象情報が存在している場合、つまり視界91内に捉えた監視対象11について監視対象情報取得部32で監視対象情報を取得している場合には、監視対象情報の存在を示すシンボル表示41をユーザ90の視界91内に表示する。例えば図3の例において、視界91内に捉えられた2台のロボット111、112のそれぞれが監視対象情報を有しているとする。この場合、表示制御部35は、各ロボット111、112に対応した2つのシンボル表示411、412を視界91内に表示する。
【0038】
なお、以下の説明において、これら2つのシンボル表示411、412を区別する際には、第1ロボット111に対応するものを第1シンボル表示411と称し、第2ロボット112に対応するものを第2シンボル表示412と称する。表示制御部35は、各シンボル表示41を、各監視対象11から吹き出されたような図形として各監視対象11の近傍に表示する。また、表示制御部35は、複数のシンボル表示41を同時に表示する場合、各シンボル表示41が相互に重ならないように表示する。
【0039】
ここで、シンボル表示41とは、監視対象11に関する監視対象情報が存在していることを示す表示である。シンボル表示41は、ユーザに与える情報量を極力少なくするため、3文字以上の文字列を有さない図記号で構成されている。本実施形態の場合、シンボル表示41は、例えばISO7010で照準化された一般危険を示すマークに準じており、例えば吹出し図形の内部に「!」の記号を付した図記号で構成されている。なお、シンボル表示41は、この図記号に限られない。例えば、「注」や「警」の1文字、又は「注意」や「警告」の2文字の文字列を有する構成であってもよい。
【0040】
図3等に示すように、ユーザ90の視界91内には、照準51が設定されている。照準51は、ユーザ90の視界91内においてユーザ90の視線の先を仮想的に示すものである。本実施形態の場合、照準51は、視界91内において特定の場所、例えば視界91の上下方向及び左右方向の中心部に設定されており、視認可能な例えば十字の図形で構成されている。
【0041】
照準51は、ユーザ90の頭部の向きに対して相対的に固定されている。すなわち、ユーザ90の頭部の向きが変化しても、視界91内における照準51の位置は変化しない。照準51は、例えば表示部21に予め物理的に印刷されたものでも良いし、表示制御部35によって表示部21に表示されたものでも良い。また、照準51は、視界91内における特定箇所に規定しておけば、必ずしも視界91内に視認可能に表示する必要はない。
【0042】
ユーザ90は、視界91内に捉えたロボット111、112のうち例えば第1ロボット111の監視対象情報421を確認したい場合、図4に示すように、第1ロボット111に対応した第1シンボル表示411に視線を向けて、視界91内において照準51と第1シンボル表示411とが重なるように視界91を動かす。すると、表示制御部35は、まず、照準51と重なった第1シンボル表示411を、照準51が重なっていない場合に対して色やサイズを変えるなどして異なる態様で表示する。これにより、ユーザ90は、照準51によって第1シンボル表示411を捉えていることがわかる。
【0043】
照準51が第1シンボル表示411と重なってから所定期間経過すると、表示制御部35は、図5に示すように、視界91内に、第1ロボット111に対応した第1監視対象情報421を表示する。これにより、ユーザ90は、第1ロボット111に関する第1監視対象情報421を確認することができる。なお、この場合、所定期間は、例えば1〜3秒程度であるが、ユーザの任意に設定しても良い。
【0044】
同様に、ユーザ90は、図3の状態において、視界91内に捉えたロボット111、112のうち第2ロボット112の監視対象情報422を確認したい場合、図6に示すように、第2ロボット112に対応した第2シンボル表示412に視線を向けて、視界91内において照準51と第2シンボル表示412とが重なるように視界91を動かす。すると、表示制御部35は、まず、照準51と重なった第2シンボル表示412を、照準51が重なっていない場合に対して色やサイズを変えるなどして異なる態様で表示する。これにより、ユーザ90は、照準51によって第2シンボル表示412を捉えていることがわかる。
【0045】
照準51が第2シンボル表示412と重なってから所定期間例えば上述したように1〜3秒程度経過すると、表示制御部35は、図7に示すように、視界91内に、第2ロボット112に対応した第2監視対象情報422を表示する。これにより、上述した第1監視対象情報421の場合と同様に、ユーザ90は、第2ロボット112に関する第2監視対象情報422を確認することができる。
【0046】
監視対象情報42を表示する際、表示制御部35は、図5及び図7に示すように、ユーザ90の視界91内に不透明な表示領域211を表示し、その不透明な表示領域211内に、監視対象情報42を構成する文字情報や数字、図形、記号情報を表示する。本実施形態の場合、表示制御部35は、表示領域211内を、例えば監視対象情報42とは反対色で不透明に表示することで、表示領域211の後ろの実景を覆い隠している。これにより、表示領域211内に表示された監視対象情報42が、表示領域211の後ろの実景に紛れ込む事を防ぐことができるため、監視対象情報42が見易くなる。なお、表示領域211は、監視対象情報42を表示させるための領域であるため、表示制御部35は、表示領域211を示す枠及び表示領域211内を、必ずしも表示部21に表示する必要はない。
【0047】
また、図8に示すように、監視対象情報取得部32から取得した視界91内の各ロボット11からユーザ90までの距離が所定以上離れていている場合、表示制御部35は、次の処理を行う。すなわち、この場合、表示制御部35は、照準51が、例えば遠方にある第1ロボット111に対応する第1シンボル表示411と重なっている場合であっても、照準51と重なった第1シンボル表示411に対応した第1ロボット111についての監視対象情報をユーザ90の視界91内に表示しない。
【0048】
制御表示部35は、上記の処理に換えて、次のような処理を行っても良い。すなわち、制御表示部35は、各ロボット11からユーザ90までの距離が所定以上離れていている場合、そもそも各ロボット11についてのシンボル表示41をユーザ90の視界91内に表示しないようにしても良い。
【0049】
次に、ディスプレイ制御装置30の制御部31において行われる制御フローについて、図9も参照して説明する。制御部31は、情報表示プログラムを実行すると、図8に示す制御フローを実行する。制御部31は、まず、ステップS11において、監視対象情報取得部32、視界情報取得部33、及び監視対象識別部34の処理により、視界91内に捉えた監視対象11について、視界91内に表示すべき監視対象情報42が存在しているか否かを判断する。なお、監視対象11について監視対象情報42の取得が無い場合とは、例えば監視対象11の電源が落とされて動作が停止している場合、すなわち監視対象11に接近しても危険が無い場合等である。
【0050】
視界91内に捉えた監視対象11について、視界91内に表示すべき監視対象情報42が存在していない場合(ステップS11でNO)、制御部31は、ステップS11へ処理を戻す。一方、視界91内に捉えた監視対象11について、視界91内に表示すべき監視対象情報42が存在している場合(ステップS11でYES)、制御部31は、ステップS12へ処理を移行する。
【0051】
次に、制御部31は、表示制御部35の処理により、視界91内に捉えた各監視対象11について、視界91内にシンボル表示41を表示する。次に、ステップS13において、制御部31は、視界91内において照準51と重なっているシンボル表示41があるか否かを判断する。照準51が、視界91内に表示されたシンボル表示41のいずれとも重なっていない場合(ステップS13でNO)、制御部31は、ステップS11へ処理を戻し、ステップS11以降を繰り返す。
【0052】
一方、照準51が、視界91内に表示されたシンボル表示41のいずれかと重なっている場合(ステップS13でYES)、制御部31は、ステップS14へ処理を移行する。ステップS14において、制御部31は、監視対象情報取得部32の処理により、照準51が重なったシンボル表示41に対応する監視対象11からユーザ90までの距離を取得する。そして、制御部31は、表示制御部35の処理により、照準51が重なったシンボル表示41に対応する監視対象11からユーザ90までの距離が所定距離以下であるか否かを判断する。ユーザ90から監視対象11までの距離が所定距離を超えている場合(ステップS14でNO)、制御部31は、ステップS11へ処理を戻し、ステップS11以降を繰り返す。
【0053】
一方、ユーザ90から監視対象11までの距離が所定距離以下である場合(ステップS14でYES)、制御部31は、ステップS15へ処理を移行する。制御部31は、ステップS15において、表示制御部35の処理により、照準51が重なっているシンボル表示41を、照準51が重なっていない場合と例えば色やサイズを変える等して異なる態様で表示する。
【0054】
次に、制御部31は、ステップS16において、ステップS15を実行してから所定期間が経過したか否か、すなわち、照準51と同一のシンボル表示41とが所定期間連続して重なっていたか否かを判断する。所定期間連続して重なっていなかった場合(ステップS16でNO)、制御部31は、ステップS11へ処理を戻し、ステップS11以降を繰り返す。一方、照準51と同一のシンボル表示41とが所定期間連続して重なっていた場合(ステップS16でYES)、制御部31は、ステップS17へ処理を移行する。そして、制御部31は、表示制御部35の処理により、照準51が重ねられたシンボル表示41に対応した監視対象情報42をユーザ90の視界91内に表示する。
【0055】
そして、制御部31は、ステップS11へ処理を戻し、ステップS11以降を繰り返す。なお、監視対象情報42の表示は、例えば現在視界91内に表示されている監視対象情報42に対応したシンボル表示41から照準51が外されるまで、又は監視対象情報42が表示されてから予め設定された所定期間経過まで、表示される。
【0056】
以上説明した実施形態によれば、情報表示システム10において、表示制御部35は、ユーザ90の視界91内に捉えた監視対象11について、監視対象情報42が存在している場合に監視対象情報42の存在を示すシンボル表示41をユーザ90の視界91内に表示する。そして、表示制御部35は、ユーザ90の視界91内に設定された照準51が、ユーザ90の視界91内においてシンボル表示41と重なった場合に、そのシンボル表示41に対応した監視対象情報42をユーザ90の視界91内に表示する。
【0057】
これによれば、ユーザ90は、視界91内に表示されたシンボル表示41を確認することで、自己の視界91内に捉えた監視対象11について監視対象情報42が存在しているか否かを確認することができる。そして、ユーザ90は、頭部の向きつまり視線を変えて視界91を動かし、これにより視界91内に設定された照準51を視界91内においてシンボル表示41と重ねることで、そのシンボル表示41に対応した監視対象情報42を視界91内に表示させることができる。このため、視界91内に複数の監視対象11を捉えている場合であっても、多数の監視対象情報42が視界91内に同時に表示されて、ユーザ90の視界91が遮られることがない。したがって、これによれば、視界91内に複数の監視対象11を捉えた場合であっても、視界91内に表示される監視対象情報42が視界91を妨げないようにすることができ、その結果、ユーザ90の視界91を妨げ難い情報提示が可能になる。
【0058】
また、表示制御部35は、照準51をユーザ90の視界91内に視認可能に表示する。これによれば、ユーザ90は、照準51とシンボル表示41と目視で確認しながら両者を重ね合わせることができる。したがって、これによれば、ユーザは、照準51とシンボル表示41と容易に重ね合わせることができ、その結果、操作性が向上する。
【0059】
ここで、ユーザ90が監視対象情報42を見るために視界91を動かしたのではなく、例えば通常の作業に伴って視界91が動いてしまった場合に、ユーザ90が意図していないにもかかわらず、視界91内において照準51とシンボル表示41とが重なってしまうことが想定される。この場合、通常の作業で視界91を動かした際に、視界91内において照準51がシンボル表示41を通過して一時的に重なってしまったというだけで、ユーザ90の意図に反して視界91内に監視対象情報42が表示されると、かえってユーザ90の視界91を妨げることになる。そこで、本実施形態において、表示制御部35は、照準51がシンボル表示41と重なってから例えば1〜3秒程度の所定期間を経過した後に、視界91内に監視対象情報42を表示する。
【0060】
これによれば、ユーザ90が、照準51とシンボル表示41とを所定期間以上重ねて見た場合に限り、つまりユーザ90が照準51とシンボル表示41とを重ねるという意図を明確に示した場合に限り、視界91内に監視対象情報42が表示される。つまり、これによれば、ユーザ90が意図していないにもかかわらず、視界91内において照準51がシンボル表示41を通過して一時的に重なってしまったというだけで視界91内に監視対象情報42が表示されることを防ぐことができる。その結果、ユーザ90の視界91を更に妨げ難く、より安全性の高い情報提示が可能になる。
【0061】
また、表示制御部35は、ユーザ90の視界91内において照準51がシンボル表示41と重なった場合に、その照準51と重なったシンボル表示41を、照準51が重なっていない場合と異なる態様で表示する。これによれば、ユーザ90は、シンボル表示41の表示態様が変化するか否かを見ることで、照準51がシンボル表示41と重なっているか否かを確認することができる。
【0062】
すなわち、例えば図4又は図6に示すように、監視対象情報42が表示される前の場面を想定すると、ユーザ90は、シンボル表示41の表示態様の変化を見ることで、照準51がシンボル表示41と重なっているかを目視で確認することができる。また、視界91内に複数の監視対象11を捉えている場合、ユーザ90は、表示態様が変化しているシンボル表示41を見ることで、自分がどのシンボル表示41に対応した監視対象情報42を見ようとしているのかを目視で確認することができる。
【0063】
更に、図5又は図7に示すように、監視対象情報42が表示された後の場面を想定すると、視界91内に複数の監視対象11を捉えている場合、例えば図5の例では、視界91内に表示されている第1監視対象情報421に対応した第1シンボル表示411は、第2監視対象情報422が表示されていない第2シンボル表示412とは異なる態様で表示されている。
【0064】
このため、ユーザ90は、視界91内に複数の監視対象11を捉えており視界91内に複数のシンボル表示41が表示されている場合であっても、他と異なる態様で表示されているシンボル表示41を見ることで、現在表示されている監視対象情報42が視界91内のどのシンボル表示41に対応したものであるかを一見して確認することができる。これらの結果、ユーザ90の確認がし易くなり、更に安全性の高い情報提示が可能になる。
【0065】
また、表示制御部35は、ユーザ90の視界91内に不透明な表示領域211を表示すると共に、表示領域211内に監視対象情報42を表示する。これによれば、不透明な表示領域211内に監視対象情報42を表示することで、表示領域211内に表示された監視対象情報42が、表示領域211の後ろの実景に紛れ込む事を防ぐことができる。したがって、監視対象情報42をより見易くすることができ、その結果、より安全性の高い情報提示が可能になる。
【0066】
ここで、例えばユーザ90が移動する際には目標地点である遠方を見ていることが多いが、例えば図8に示すように遠方にある監視対象11は視界91内において小さく映っているため、その移動中のユーザ90が監視対象11自体を注視している可能性は低い。しかしながら、目標地点を見ながら移動しているユーザ90が、視線を動かした際に意図せずに照準51が遠方の監視対象11に対応したシンボル表示41と重なってしまうことも想定される。この場合、ユーザ90の意図に反して、視界91内に監視対象情報42が表示されると、移動中のユーザ90の視界が塞がることになるため、かえって安全性の低下が懸念される。
【0067】
そこで、本実施形態において、表示制御部35は、ユーザ90の視界91内に捉えた監視対象11のうちユーザ90から所定距離以上離れている監視対象11については、照準51がシンボル表示41と重なっている場合であっても監視対象情報42をユーザ90の視界91内に表示しない。これによれば、図8に示すように、例えば移動中のユーザ90の視界91内において、照準51が、偶然にも遠方にある監視対象11に対応したシンボル表示41と重なったしまった場合であっても、視界91内にそのシンボル表示41に対応する監視対象情報42は表示されない。
【0068】
これによれば、図8に示すように、例えば移動中のユーザ90の視界91内において、照準51が、偶然にも遠方にある監視対象11に対応したシンボル表示41と重なってしまった場合であっても、視界91内にそのシンボル表示41に対応する監視対象情報42は表示されない。この結果、例えば移動中のユーザ90が視界91内の遠方に監視対象11を捉えた場合であっても、その遠方の監視対象11については監視対象情報42が表示されることがない。したがって、移動中のユーザ90の視界91が塞がることを低減することができ、その結果、更なる安全性の向上が図られる。
【0069】
また、表示制御部35は、ユーザ90の視界91内に捉えた監視対象11のうちユーザ90から所定距離以上離れている監視対象11についてのシンボル表示41をユーザ90の視界91内に表示しないようにしても良い。これによっても、上記と同様に、例えば移動中のユーザ90が視界91内の遠方に監視対象11を捉えた場合であっても、その遠方の監視対象11については監視対象情報42が表示されることがない。したがって、移動中のユーザ90の視界91が塞がることを低減することができ、その結果、上記と同様に更なる安全性の向上が図られる。
【0070】
なお、本発明の実施形態は、上記し又図面に記載した態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変形や拡張をすることができる。
例えば制御部31、監視対象情報取得部32、視界情報取得部33、監視対象識別部34、及び表示制御部35を、それぞれ安全装置13側又はHMD20側に分散させて設けても良い。
ロボット11は、特定の場所に固定されているものに限られず、例えば自走可能な構成であってもよい。更に、監視対象11は、ロボットに限られず、例えばフォークリフト等のように人が運転する有人搬送車や、自動で走行可能な無人搬送車等の移動体等であっても良い。
【符号の説明】
【0071】
図面中、10は情報表示システム、11はロボット(監視対象)、20はヘッドマウントディスプレイ(装着型ディスプレイ)、32は監視対象情報取得部、33は視界情報取得部、34は監視対象識別部、35は表示制御部、41はシンボル表示、42は監視対象情報、51は照準、を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9