(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記金属層と前記正極端子との間の絶縁抵抗Rpと、前記金属層と前記負極端子との間の絶縁抵抗Rmとの比(Rp/Rm)が、0.033以上30以下である、請求項1又は2のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本実施形態について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
【0018】
[非水電解質二次電池]
図1は、本実施形態にかかる非水電解質二次電池の模式図である。
図1に示すように、本実施形態にかかる非水電解質二次電池100は、素子部1と、外装体2と、正極端子15と、負極端子25とを備える。素子部1は、外装体2に設けられた収容空間Kに収容される。
図1では、理解を容易にするために、発電素子1が外装体2内に収容される直前の状態を図示している。
【0019】
(素子部)
図2は、本実施形態にかかる非水電解質二次電池の断面模式図である。
図2は、
図1におけるA−A面における断面に対応する。
図2に示すように、素子部1は、正極10と負極20とセパレータ30とを有する。
図2に示す素子部1は、正極10と負極20とが、セパレータ30を挟んで対向配置され、捲回されてなる捲回体である。
【0020】
正極10は、板状(膜状)の正極集電体に正極活物質層が設けられたものである。負極20は、板状(膜状)の負極集電体に負極活物質層が設けられたものである。
【0021】
正極活物質層及び負極活物質層には、電解液が含浸されている。この電解液を介して、正極10と負極20とはリチウムイオンの授受を行う。
【0022】
「正極」
正極10は、正極集電体と、正極集電体の両面に設けられた正極活物質層とを有する。
【0023】
正極集電体は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル箔の金属薄板を用いることができる。
【0024】
正極活物質層に用いる正極活物質は、イオンの吸蔵及び放出、イオンの脱離及び挿入(インターカレーション)、又は、イオンとイオンのカウンターアニオン(例えば、PF
6−)とのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能な電極活物質を用いることができる。イオンとしては、リチウム、マグネシウム等を用いることができる。
【0025】
また正極活物質層は、導電材を有していてもよい。導電材としては、例えば、カーボンブラック類等のカーボン粉末、カーボンナノチューブ、炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。正極活物質のみで十分な導電性を確保できる場合は、非水電解質二次電池100は導電材を含んでいなくてもよい。
【0026】
また正極活物質層は、バインダーを含む。バインダーは、公知のものを用いることができる。
【0027】
「負極」
負極20は、負極集電体と、負極集電体の両面に設けられた負極活物質層と、を有する。
【0028】
負極活物質層に用いる負極活物質は、イオンを吸蔵・放出可能な化合物であればよく、公知の非水電解質二次電池用の負極活物質を使用できる。負極活物質としては、例えば、金属リチウム、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛)、カーボンナノチューブ、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温度焼成炭素等の炭素材料、アルミニウム、シリコン、スズ等のリチウムと化合することのできる金属、SiO
x(0<x<2)、二酸化スズ等の酸化物を主体とする非晶質の化合物、チタン酸リチウム(Li
4Ti
5O
12)等を含む粒子が挙げられる。
【0029】
負極集電体、導電材及びバインダーは、正極と同様のものを用いることができる。 負極に用いるバインダーは正極に挙げたものの他に、例えば、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂等を用いてもよい。
【0030】
「セパレータ」
セパレータ30は、電気絶縁性の多孔質構造から形成されていればよく、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィンからなるフィルムの単層体、積層体や上記樹脂の混合物の延伸膜、或いはセルロース、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布が挙げられる。
【0031】
「電解液」
電解液には、リチウム塩等を含む電解質溶液(電解質水溶液、有機溶媒を使用する電解質溶液) を使用することができる。ただし、電解質水溶液は電気化学的に分解電圧が低いため、充電時の耐用電圧が低く制限される。そのため、有機溶媒を使用する電解質溶液(非水電解質溶液)であることが好ましい。
【0032】
非水電解液は、非水溶媒に電解質が溶解されており、非水溶媒として環状カーボネートと、鎖状カーボネートと、を含有してもよい。
【0033】
環状カーボネートとしては、電解質を溶媒和することができるものを用いることができる。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びブチレンカーボネートなどを用いることができる。
【0034】
鎖状カーボネートは、環状カーボネートの粘性を低下させることができる。例えば、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートが挙げられる。その他、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタンなどを混合して使用してもよい。
【0035】
非水溶媒中の環状カーボネートと鎖状カーボネートの割合は体積にして1:9〜1:1にすることが好ましい。
【0036】
また電解液には、適宜、添加剤を加えてもよい。添加剤としては、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、プロパンスルトン、ブタンスルトン、アジポニトリル、スクシノニトリル、グルタロニトリル、ジフェニルカーボネート、シクロヘキシルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、リチウムビスオキサレートボレート、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等を用いることができる。添加剤は1種でもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
【0037】
(正極端子、負極端子)
正極端子15は正極10と電気的に接続され、負極端子25は負極20と電気的に接続されている。すなわち、正極10と正極端子15及び負極20と負極端子25とは、それぞれ等電位である。正極端子15及び負極端子25には、アルミニウム、ニッケル等の導電材料を用いることができる。正極端子15及び負極端子25は、その一端が外装体2の外側に延出しており、外部機器との電気的な接続を担う。
【0038】
正極端子15及び負極端子20の外装体2とのシール部分には、樹脂からなるシーラントが設置されている。シーラントは、正極端子15及び負極端子20と、外装体2の金属層2Aとが、熱シール時に短絡することを防ぐ。樹脂は、外装体とのシール性を考慮し、ポリエチレン(PE)またはポリプロピレン(PP)を含むことが好ましい。
【0039】
(外装体)
外装体2は、その内部に捲回体1及び電解液を密封する。外装体2は、金属層2Aと、金属層2Aを両側からコーティングした絶縁層2Bとを有する。いわゆる金属ラミネートフィルムは、外装体2に対応する。
【0040】
金属層2Aには、例えばアルミ等の導電性の高い金属を用いることができる。絶縁層2Bには、ポリプロピレン等の高分子膜を利用できる。絶縁層2Bは、外装体2の内面(素子部1側)と、外面とで材料を変えてもよい。例えば、外側の材料としては融点の高い高分子、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)等を用い、内側の高分子膜の材料としてはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等を用いることができる。
【0041】
図1に示す外装体2は、凹部を有する第1面と、平面状の第2面とが折りたたまれて収容空間Kを構成している。
図1に示す外装体2は、折りたたまれた1辺を除く3辺をシールすることで、素子部1を収容空間K内に封入する。
【0042】
図3は、正極端子15が外装体2によってシールされた部分を拡大した断面模式図である。
図3は、
図1におけるB−B面における断面に対応する。本実施形態にかかる非水電解質二次電池100において、金属層2Aと正極端子15の間の絶縁抵抗Rpは、1MΩ以上20GΩ以下である。ここで、正極端子15と正極10とは等電位であるため、金属層2Aと正極10の間の絶縁抵抗も1MΩ以上20GΩ以下と言える。
【0043】
ここで金属層2Aと正極端子15の間の絶縁抵抗Rpは、金属層2Aと正極端子15の間に配設された絶縁層2Bの抵抗値と等しい。絶縁抵抗Rpは、正極端子15と捲回体を切り離した状態において、正極端子15と外装体2に突刺したカッター刃との間の絶縁抵抗を絶縁抵抗測定器によって測定する。
【0044】
絶縁抵抗Rpが上記の範囲内であれば、高電圧な外部機器と接触し、金属層2Aと負極10との間に高電圧が定常的に印加された場合でも、正極20の過電圧を誘発しない。また絶縁抵抗Rpが上記の範囲内であれば、金属層2Aの電位は、負極端子25より十分に高い電位を示し、金属析出反応や合金化反応等が生じることを十分抑制できる。
【0045】
図4は、負極端子25が外装体2によってシールされた部分を拡大した断面模式図である。
図4は、
図1におけるC−C面における断面に対応する。本実施形態にかかる非水電解質二次電池100において、金属層2Aと負極端子25の間の絶縁抵抗Rmは、40kΩより大きく20GΩ以下であることが好ましい。ここで、負極端子25と負極10とは等電位であるため、金属層2Aと負極10の間の絶縁抵抗も40kΩより大きく20GΩ以下であることが好ましいと言える。絶縁抵抗Rmは、絶縁抵抗Rpと同様の方法で測定できる。
【0046】
金属層2Aと負極端子25の間の絶縁抵抗Rmを上記の範囲内にすると、フッ化アルミ形成反応等の酸化反応を抑制できる。ここまで、金属層2Aの電位が正極10より低すぎる場合に生じる還元反応の抑制について議論してきた。一方で、金属層2Aの電位が負極20より高すぎる場合には、酸化反応が生じることがある。酸化反応も還元反応と同様に、電池電極の容量を消費する反応であり、電池電圧低下の原因となる。
【0047】
すなわち、金属層2Aと正極端子15の間の絶縁抵抗Rpを所定の範囲に設定するだけでなく、金属層2Aと負極端子25の間の絶縁抵抗Rmも所定の範囲にすることで、金属層2Aと素子部1の間における酸化反応及び還元反応のいずれも抑制できる。
【0048】
また金属層2Aの電位V
2Aは、正極端子15と負極端子25の間の電位差V
cell、絶縁抵抗Rp、及び、絶縁抵抗Rmの影響を受け、以下の関係式(1)で表記できる。
V
2A=Rm×V
cell/(Rp+Rm) ・・・(1)
上記一般式(1)で表記される電位V
2Aが酸化反応を起こす電位又は還元反応を起こす電位より低いか高いによって酸化還元反応が生じるかが決定する。
【0049】
そのため、絶縁抵抗Rpと絶縁抵抗Rmとの相対関係は、酸化還元反応を生じさせないための一つの重要なパラメータである。絶縁抵抗Rpと、絶縁抵抗Rmとの比(Rp/Rm)は、0.033以上30以下であることが好ましい。
【0050】
また正極端子15と負極端子25の間の電位差V
cellに対応する非水電解質二次電池を使用時の電圧範囲も一つの重要なパラメータである。非水電解質二次電池を使用時の電圧範囲は、2.5V以上4.35V以下であることが好ましい。
【0051】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
【0052】
例えば、発電素子1を捲回体ではなく、積層体としてもよい。また外装体2は、
図1に示すように、凹部を有する第1面と、平面状の第2面とが折りたたまれて収容空間Kを形成するものに限られず、二枚のフィルムを接合したものでもよい。凹部は、二枚のフィルムのそれぞれに設けてもよい。この場合、二つの凹部により形成される空間が収容空間Kとなる。
【0053】
[非水電解質二次電池の製造方法]
非水電解質二次電池100の製造方法は、絶縁層2Bの抵抗値を設定する点以外は、公知の方法で作製することができる。絶縁層2Bの抵抗値は、絶縁層を構成する材料種、厚み等を変更することで自由に設計できる。以下、素子部1を捲回体とした場合の一例の製造方法について具体的に説明する。
【0054】
まず、正極10及び負極20を作製する。正極10と負極20とは、活物質となる物質が異なるだけであり、同様の製造方法で作製できる。
【0055】
正極活物質、バインダー及び溶媒を混合して塗料を作製する。必要に応じ導電材を更に加えても良い。溶媒としては例えば、水、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等を用いることができる。正極活物質、導電材、バインダーの構成比率は、質量比で80wt%〜90wt%:0.1wt%〜10wt%:0.1wt%〜10wt%であることが好ましい。これらの質量比は、全体で100wt%となるように調整される。
【0056】
塗料を構成するこれらの成分の混合方法は特に制限されず、混合順序もまた特に制限されない。上記塗料を、正極集電体に塗布する。塗布方法としては、特に制限はなく、通常電極を作製する場合に採用される方法を用いることができる。例えば、スリットダイコート法、ドクターブレード法が挙げられる。負極についても、同様に負極集電体上に塗料を塗布する。
【0057】
続いて、正極集電体及び負極集電体上に塗布された塗料中の溶媒を除去する。除去方法は特に限定されない。例えば、塗料が塗布された正極集電体及び負極集電体を、80℃〜150℃の雰囲気下で乾燥させればよい。そして、正極10及び負極20が完成する。
【0058】
そして、正極10、負極20及びセパレータ30の一端側を軸として、これらを捲き、素子部1を作製する。
【0059】
そして、素子部1を外装体2に封入する。非水電解液は外装体2内に注入してもよいし、素子部1を非水電解液に含浸させてもよい。そして外装体2に熱等を加えて、ラミネートすることで封止して、非水電解質二次電池を作製する。
【実施例】
【0060】
「実施例1」
まず、アルミ箔からなる正極集電体の両面に、正極活物質層を塗工して正極を作製した。正極活物質層は、94質量部のLiCoO
2(活物質)と、2質量部のカーボン(導電材)と、4質量部のポリフッ化ビニリデン(PVDF、バインダー)とを有する。
【0061】
同様に、銅箔からなる負極集電体の両面に、負極活物質層を塗工して正極を作製した。負極活物質層は、95質量部の黒鉛(活物質)と、1質量部のカーボン(導電材)と、1.5質量部のスチレンブタジエンゴム(SBR、バインダー)と、2.5質量部のカルボキシメチルセルロース(CMC、バインダー)とを有する。
【0062】
またポリエチレン微多孔膜の片面に、耐熱層を塗工してセパレータを作製した。耐熱層は、97質量部のアルミナ(耐熱フィラー)と、3質量部のポリフッ化ビニリデン(PVDF、バインダー)とを有する。そして、正極、負極及びセパレータを捲きとり捲回体を作製した。捲回体において、セパレータは正極に対向する面が耐熱層となるように配置した。
【0063】
一方で、外装体としてアルミラミネートフィルムを準備した。アルミラミネートフィルムは、シールされる内面はアルミ層が絶縁性のポリプロピレンで被覆されている。絶縁層の厚みは、50μmであった。
【0064】
端子のうちシール位置にあたる部分の両面は、絶縁性のポリプロピレンからなるシーラントで被覆した。シーラントの厚みは、60μmであった。外装体と端子をシールするシールバーには、端子にあたる部分に切り欠きがあり、切り欠き深さはシムや金属箔等を挟み込むことで、自由に変更できる。なお、「シム」とは隙間調整を行うためのスペーサーである。
【0065】
シム等を挟みこむことで切り欠き深さが変わると、金属層と正極端子との間の絶縁抵抗Rp及び金属層と負極端子との間の絶縁抵抗Rmが変化する。これは、切り欠き深さに応じた端子部分のシール厚みの変化に伴い、端子と外装体内の金属層との間にあるポリプロピレンの厚みが変化し、それにより絶縁抵抗が増減する。シールバー全体は、シールバーの両端に180μmのシムを挟み込むことで、シール厚みを規制している。
【0066】
そして、外装体内に捲回体を収納し、非水電解液を6g注入し、非水電解質二次電池を作製した。非水電解液は、エチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)とジエチルカーボネート(DEC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比で15:15:40:30とした溶媒中に、リチウム塩として1.0M(mol/L)のLiPF
6と、添加剤としてビニレンカーボネート0.5wt%とアジポニトリル2wt%を添加したものを用いた。
【0067】
作製した非水電解質二次電池を設定電圧まで充電もしくは放電し、その後室温で放置した。そして5日経過後の電池電圧から35日経過後の電池電圧をひいてΔVを求めた。酸化還元反応等が生じると、その反応により電圧降下が生じる。すなわち、ΔVは酸化還元反応が生じた程度の指標となる。
【0068】
また作製した非水電解質二次電池の外装体内のアルミ層(金属層)と負極端子との間に250Vを15秒印加し、電池電圧変化ΔV
peakも測定した。ΔV
peakは、外装体内のアルミ層(金属層)と負極端子との間に電圧を印加した際に、正極が充電された程度を示す。金属層と負極層間に電圧を印加して、正極が充電されるということは、外部からの高電圧が金属層に作用した場合、金属層を通して正極に過電圧がかかりやすい構成であることを意味する。その結果を表1に示す。
【0069】
「実施例2〜13及び比較例1,2」
実施例2〜13及び比較例1、2は、シールバーの切欠き深さを変更して絶縁抵抗を変更し、実施例1と同様の試験を行った。実施例1から変更した条件及び測定結果を表1にまとめた。
【0070】
【表1】
【0071】
絶縁抵抗Rpが20GΩ超である比較例1、及び、絶縁抵抗Rpが1MΩ未満である比較例2は、ΔVの値が100mVを超えて大きかった。これに対し、金属層と正極端子との間の絶縁抵抗Rpが1MΩ以上20GΩ以下である実施例1〜13は、ΔVの値が顕著に小さかった。
【0072】
比較例1は、金属層と正極端子との間の絶縁性が高く、金属層の電位が正極端子の電位より低くなり、還元反応が生じたためと考えられる。また、比較例2は、金属層と正極端子との間の絶縁性が低く、かつ、金属層と負極端子との間の絶縁性も低い。そのため、金属層の電位が、正極端子又は負極端子の電位の影響を受けて、酸化反応又は還元反応が生じたためと考えられる。
【0073】
また絶縁抵抗Rpが1MΩ未満である比較例2は、ΔV
peakの値が0.003mVと大きかった。この値が大きいと、正極に過電圧がかかりやすくなる。ΔV
peakの値は、測定されるか否かと言う点に大きな違いがある。ΔV
peakの値が測定されるということは、過電圧のリスクが大幅に高まることを意味する。また数値としての0.001mVの値の差と言うのも大きな意味を持つ。
【0074】
外部からの高電圧の影響は、定常的に加わる。例えば、15secでΔV
peakの値が0.003mVということは、30日換算では0.5Vに相当する。すなわち、ΔV
peakの値が0.003mVの場合は、初期電圧によってはゆうに過電圧領域に入り、発熱の原因や著しい電池性能の低下の原因となる。このように当該分野においては、ΔV
peakの0.001mVの変化量は大きな意味を持つ。