特許第6874480号(P6874480)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 澁谷工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6874480-キャッパ 図000002
  • 特許6874480-キャッパ 図000003
  • 特許6874480-キャッパ 図000004
  • 特許6874480-キャッパ 図000005
  • 特許6874480-キャッパ 図000006
  • 特許6874480-キャッパ 図000007
  • 特許6874480-キャッパ 図000008
  • 特許6874480-キャッパ 図000009
  • 特許6874480-キャッパ 図000010
  • 特許6874480-キャッパ 図000011
  • 特許6874480-キャッパ 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6874480
(24)【登録日】2021年4月26日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】キャッパ
(51)【国際特許分類】
   B67B 3/20 20060101AFI20210510BHJP
【FI】
   B67B3/20
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-70577(P2017-70577)
(22)【出願日】2017年3月31日
(65)【公開番号】特開2018-172134(P2018-172134A)
(43)【公開日】2018年11月8日
【審査請求日】2019年11月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】桝本 悟志
(72)【発明者】
【氏名】北元 宏明
(72)【発明者】
【氏名】西納 幸伸
(72)【発明者】
【氏名】松井 一
【審査官】 米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−220847(JP,A)
【文献】 特開昭60−172692(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0131924(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0206047(US,A1)
【文献】 特表2002−526341(JP,A)
【文献】 特開2007−197021(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67B 3/20
B67B 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転体の外周部に設けられ、容器に形成されたフランジの下方側の円筒部を把持する一対の把持部と、前記把持部を開閉する開閉手段と、前記回転体の中心側を向いた前記容器の円筒部の面に当接可能な支持部と、前記回転体に昇降可能かつ回転可能に設けられたキャッピングヘッドとを備え、
前記支持部に容器の回転を防止する刃を設け、前記刃を容器に係合させつつ、前記キャッピングヘッドが保持するキャップを容器に螺着するキャッパにおいて、
前記刃は、先端が容器の内側に向けて斜め上方に伸びる形状を有するとともに、前記フランジと前記円筒部との繋ぎ目に係合する上方刃と、この上方刃に連続して前記円筒部と係合する側方刃とを有し、前記繋ぎ目と前記円筒部の両方に係合することを特徴とするキャッパ。
【請求項2】
回転体の外周部に設けられ、容器に形成されたフランジの下方側の円筒部を把持する一対の把持部と、前記把持部を開閉する開閉手段と、前記回転体に昇降可能かつ回転可能に設けられたキャッピングヘッドとを備え、
前記把持部の少なくとも一方に容器の回転を防止する刃を設け、前記刃を容器に係合させつつ、前記キャッピングヘッドが保持するキャップを容器に螺着するキャッパにおいて、
前記刃は、先端が容器の内側に向けて斜め上方に伸びる形状を有するとともに、前記フランジと前記円筒部との繋ぎ目に係合する上方刃と、この上方刃に連続して前記円筒部と係合する側方刃とを有し、前記繋ぎ目と前記円筒部の両方に係合することを特徴とするキャッパ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フランジを有する容器にスクリューキャップを装着するキャッパに関する。
【背景技術】
【0002】
PET容器などの樹脂製の容器にスクリューキャップを装着する場合、容器が軟質であるため胴部を把持してキャップを締め付けると、キャップの締め付けトルクに胴部が抗しきれず変形しまう。そのためこのようなキャッパでは、容器に形成されたフランジの下面やフランジ下方の首部表面など比較的硬い部分に刃を食い込ませて、キャップ締め付け時に容器が回転するのを防止している(特許文献1)。
【0003】
また、容器首部に設けられたフランジ下を一対のグリップ部材で把持してキャップを巻き締めするキャッパにおいて、グリップ部材に、容器首部にその先端が係合する突起を設け、突起の係合により巻き締め時の容器の回転を防止する構成も提案されている(特許文献2)。更に、グリップ部材の突起に代えて、グリップ部材により首部が把持される際に首部に当接される支持部を設け、この支持部の先端に首部と係合する爪を設けて容器の回転を防止する構成も提案されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公平4−036957号公報
【特許文献2】特許第4232425号公報
【特許文献3】特許第5315731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1〜3の構成では、容器首部の側面やフランジ面にキズやバリが形成され好ましくない。また、特許文献2、3の構成は、フランジ下の首部の肉厚が薄い容器に適用するのが困難である。
【0006】
本発明は、容器首部を把持してスクリューキャップを装着するキャッパにおいて、容器のフランジや首部に大きなキズを付けることなく容器の回転を防止することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の発明であるキャッパは、回転体の外周部に設けられ、容器に形成されたフランジの下方側の円筒部を把持する一対の把持部と、前記把持部を開閉する開閉手段と、前記回転体の中心側を向いた前記容器の円筒部の面に当接可能な支持部と、前記回転体に昇降可能かつ回転可能に設けられたキャッピングヘッドとを備え、前記支持部に容器の回転を防止する刃を設け、前記刃を容器に係合させつつ、前記キャッピングヘッドが保持するキャップを容器に螺着するキャッパにおいて、前記刃は、先端が容器の内側に向けて斜め上方に伸びる形状を有するとともに、前記フランジと前記円筒部との繋ぎ目に係合する上方刃と、この上方刃に連続して前記円筒部と係合する側方刃とを有し、前記繋ぎ目と前記円筒部の両方に係合することを特徴としている。
【0008】
本発明の第2の発明であるキャッパは、第1の発明において、回転体の外周部に設けられ、容器に形成されたフランジの下方側の円筒部を把持する一対の把持部と、前記把持部を開閉する開閉手段と、前記回転体に昇降可能かつ回転可能に設けられたキャッピングヘッドとを備え、前記把持部の少なくとも一方に容器の回転を防止する刃を設け、前記刃を容器に係合させつつ、前記キャッピングヘッドが保持するキャップを容器に螺着するキャッパにおいて、前記刃は、先端が容器の内側に向けて斜め上方に伸びる形状を有するとともに、前記フランジと前記円筒部との繋ぎ目に係合する上方刃と、この上方刃に連続して前記円筒部と係合する側方刃とを有し、前記繋ぎ目と前記円筒部の両方に係合することを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、容器首部を把持してスクリューキャップを装着するキャッパにおいて、容器のフランジや首部に大きなキズを付けることなく容器の回転を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態であるキャッパの配置を示す平面図である。
図2】第1実施形態のキャッパ外周部付近における一部側断面図である。
図3】第1実施形態のグリッパの開状態での平面図である。
図4】第1実施形態のグリッパの閉状態での平面図である。
図5】第1実施形態の支持部の先端部分の拡大平面図である。
図6】第1実施形態の支持部の先端部分の拡大側面図である。
図7】容器の回転を規制するための支持部と容器の係合の仕方を説明する図である。
図8】変形例の支持部の先端部分の拡大平面図である。
図9】変形例の支持部の先端部分の拡大側面図である。
図10】第2実施形態のキャッパのグリッパ把持部材の平面図である。
図11】容器と回転規制のための刃が係合した状態を示す部分拡大側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態であるキャッパの配置を示す平面図であり、図2はキャッパ外周部付付近における一部側断面図である。
【0013】
第1実施形態のキャッパ10は、容器Vの首部Vnを把持しながら、キャッピングヘッド11が保持するスクリューキャップCを容器に装着するキャッパである。容器Vとしては、例えば肉厚が薄い小型PET容器などが取り扱われる。容器Vには首部(円筒部)VnにフランジFが形成され、口部外周にはスクリューキャップCと螺合するネジTが設けられている。
【0014】
容器Vは、図示しないフィラーで内容物が充填された後、供給ホイール12に受け渡され、供給ホイール12からキャッパ10へと受け渡される。キャッパ10では、容器に対してキャッピングが行われ、その後、排出ホイール14へと受け渡される。供給ホイール12は、回転体13を備え、その外周部には径方向外向きに開閉する容器保持部15が周方向に沿って一定の間隔で設けられる。容器保持部15は、左右一対の把持部材15A、15Bを備え、把持部材15A、15Bは常に閉じる方向に付勢されている。容器Vは、フランジ下の首部Vnが把持部材15A、15B間に押し込まれることで容器保持部15に保持される。
【0015】
キャッパ10は回転体16を備え、その外周部には径方向外向きに開閉するグリッパ18が周方向に沿って一定の間隔で設けられる。グリッパ18は、開閉操作される左右一対の把持部材18A、18Bを備え、容器VのフランジFの下の首部Vnを把持する。キャッパ10は、供給ホイール12と同期して回転し、キャッパ10が供給ホイール12に近接する位置で、容器保持部15に保持される容器Vをグリッパ18で把持し、容器保持部15から抜き取る。
【0016】
把持部材18A、18Bは、図2に示されるように一対のグリッパ軸19A、19Bの回転により揺動可能である。グリッパ軸19A、19Bは、下方に設けられるカム機構など図示しない周知の機構により逆向きに一定のタイミングで回動され、把持部材18A、18Bを開閉する(開閉手段)。
【0017】
把持部材18A、18Bの間には、回転体16の径方向外側に向けて延出する支持部20が設けられる。支持部20は、固定部材21により保持され、把持部材18A、18Bが閉じられグリッパ18が容器首部Vnを把持したときに、その先端が、首部Vnの、回転体16の中心側を向いた面に当接する。このとき支持部20の先端は、フランジFの付け根部(繋ぎ目部)に係合し、後述するように容器Vの回転を規制する。
【0018】
グリッパ18に把持された容器Vの底部は、回転体16の外周部において、スプリング16Sに支持されるプレート16Pの上に載置される。容器Vの口部真上には、キャッピングヘッド11のチャック22が位置し、チャック22にはスクリューキャップCが保持される。キャッピングヘッド11は、チャック22、スピンドル24、サーボモータ26、カムフォロア28によって主に構成され、チャック22は、スピンドル24を通してサーボモータ26に接続され鉛直軸周りに回転可能である。
【0019】
キャッピングヘッド11は、回転体16とともに回転体16の軸周りに回転する。キャッパ10には、回転体16の周方向に沿って配置されたカム30が設けられる。キャッピングヘッド11が回転すると、カムフォロア28がカム30の上を走行し、カム30の高さに応じて上下する。これによりキャッピングヘッド11はカムフォロア28とともに一体的に昇降する。すなわち、チャック22は、サーボモータ26により回転されながら、カム30の形状により規定される所定高さ、所定の速度で下降され、スクリューキャップCが容器Vの口部に設けられたネジTに所定のトルクで螺着される。
【0020】
キャッパ10で、キャップCが装着された容器Vは、その後、排出ホイール14に近接する位置で排出ホイール14へと受け渡される。排出ホイール14には、回転円板17を備え、その外周部には円周方向等間隔で容器Vを受け入れるポケット17Pが形成される。回転円板17は、キャッパ10の回転体16と同期して回転され、両者が近接する位置でグリッパ18に保持された容器Vがポケット17P内に嵌合されると、グリッパ18が開かれて容器Vが排出ホイール14へと引き渡される。排出ホイール14へと受け渡された容器Vは、図示しない底部プレートによって支持され、ポケット17P内に収容されたまま回転円板17の外周に沿って円弧状に配置される外周ガイド30に案内され、図示しない包装装置など下流側の装置へと搬送される。
【0021】
図3図4は、グリッパ18の平面図である。図3にはグリッパ18が開かれた状態、図4には閉じられた状態が示される。
【0022】
把持部材18A、18Bは、前述したように、それぞれグリッパ軸19A、19Bに取り付けられており、グリッパ軸19A、19Bが互いに逆方向に回転することにより水平面内で開閉する。両把持部材18A、18Bの先端は、挟んだ容器首部Vnを支持部20側へと押し遣るように互いに内側に向けて湾曲された湾曲部32A、32Bを備える。図4のように、把持部材18A、18Bが閉じられると、容器首部Vnは、把持部材18A、18Bの湾曲部32A、32Bの内側に係合し、抱きかかえられるように支持部20の先端面20Eに押し当てられる。
【0023】
支持部20の先端面20Eには一対の刃34が設けられ、グリッパ18が完全に閉じられると、把持部材18A、18Bの湾曲部32A、32Bからの押圧力により刃34が首部Vnに係合する(後述)。これによりキャップCの回転による容器Vの回転が規制され、所定のトルクでキャッパCが螺着される。
【0024】
図5は支持部20の先端部分の拡大平面図であり、図6は支持部20の先端部分の拡大側面図である。
【0025】
支持部20は、回転体16の径方向に延出するプレート状の部材であり、その先端部分の先端面20Eは容器Vの首部Vnの円弧に合わせ湾曲している。また、先端面20Eから続く下側は面取りされており、側面から見るとテーパ状を呈する。刃34、34は、同じ高さで所定距離離間して配置され、先端面20Eから回転体16の径方向外側(容器内側)に向けて突出する。刃34は、支持部20の上面よりも上方へと延びる上方刃部34Aと、首部Vnの側面に向けて突き立てられる側方刃部34Bを備える。
【0026】
図7は、容器Vの回転を規制するための支持部20と容器Vの係合の仕方を説明する図である。図7(a)は先端面20Eが首部Vnに押し当てられる直前の状態を示す部分拡大側断面図であり、図7(b)は押し当てた後の状態を示す部分拡大側断面図である。
【0027】
図7(a)に示されるように、グリッパ18が完全に閉じられていない状態では、容器Vの底部が載せられたプレート16Pが上方に位置し、容器Vは、刃34の刃先が容器VのフランジFと首部Vnの付け根に近接する位置に配置される。すなわち、上方刃部34A、側方刃部34Bの刃先は、何れも容器Vと係合していない。
【0028】
それからキャッピングヘッド11が下降されて容器Vの口部に下向きの荷重が掛けられるとともに、グリッパ18の閉鎖動作が行われると、プレート16P上の容器Vがスプリング16Sの付勢力に抗して僅かに下降されて上方刃部34AがフランジFと首部Vnの円筒側面の繋ぎ目に食い込み、更にこれと並行して側方刃部34Bが首部Vnの円筒側面に食い込む。そして、グリッパ18が完全に閉じられ、キャッピングヘッド11が下降端に位置すると図7(b)に示すように、2つの刃34、34が容器VのフランジF付け根部(繋ぎ目部)に突き立てられ、容器首部Vnはグリッパ18により支持部20の先端面20Eに押し付けられる。すなわち、容器VはフランジFの付け根部に食い込んだ刃34、34によりその回転が規制される。なお、グリッパ18を完全に閉じた後にキャッピングヘッド11を下降させてもよい。
【0029】
刃34、34の食い込みは僅かなので、キャッピングが終了してキャッピングヘッド11の下方荷重が取り除かれ、グリッパ18の把持力が緩められると、スプリング16Sの付勢力によりプレート16Pが容器Vを押し上げられ、刃34、34と容器Vの係合は略解かれる。
【0030】
以上のように本発明の第1実施形態によれば、フランジの下側付け根部(繋ぎ目部)に、刃を食い込ませることで、容器のフランジや首部に大きなキズを付けることなく容器の回転を防止することができる。
【0031】
次に図8図9を参照して第1実施形態の変形例について説明する。変形例では、第1実施形態の支持部に設けられた刃の構成が異なるが、その他の構成は第1実施形態と同様であり、その説明を省略する。
【0032】
図8図9は、第1実施形態の図5図6に対応する。すなわち図8は変形例の支持部36の先端部分の拡大平面図であり、図9は支持部36の先端部分の拡大側面図である。第1実施形態では、刃34、34が先端面20Eに設けられた。しかし変形例の一対の刃38、38は、図8図9に示されるように支持部36の先端部分上面において、その前縁に沿って設けられる。
【0033】
第1実施形態の刃34は上方刃部34Aと側方刃部34Bを備えたが、刃38は上方へ伸びる上方刃部のみからなる。刃38、38は、支持部36の先端部分の前縁から前方斜め上方へ突出し、図8図9に示すように先端面36Eよりも前方に突出している。グリッパ18が完全に閉じられ、キャッピングヘッド11から下方荷重が容器Vに掛けられると、容器首部Vnの円筒側面が支持部36の先端面36Eに向けて押付けられるとともに容器Vが押し下げられる。これにより刃38、38が、フランジFの下側付け根部に突き刺さる。
【0034】
以上のように、変形例において第1実施形態と同様の効果が得られる。また変形例では、第1実施形態に比べて回転規制のためのグリップ力が低下するものの側方刃部が無いため首部の円筒側面に刃によるキズができない。
【0035】
次に図10図11を参照して第2実施形態のキャッパについて説明する。図10は、第2実施形態のキャッパのグリッパ把持部材の平面図であり、図11は、容器と回転規制のための刃が係合した状態を示す部分拡大側断面図である。
【0036】
第1実施形態のキャッパでは、容器の回転を規制するための刃を支持部の先端に設けた。しかし、第2実施形態のキャッパでは、同様の機能を果たす刃をグリッパに設け、支持部は用いない構成とした。なお、その他の構成は第1実施形態と同様であり、同様の構成に関しては同一参照符号を用いその説明を省略する。
【0037】
第1実施形態では、支持部20があったので、グリッパ18の把持部材18A、18Bは、湾曲部32A、32Bで容器首部Vnを支持部20側へ押し付け、支持部20の先端面20Eと湾曲部32A、32Bの内側面の3部材で首部Vnを把持した。しかし支持部20を備えない第2実施形態のグリッパ40では、把持部材40A、40Bのみにより容器首部Vnを把持するため、把持部材40A、40Bの先端側においてそれぞれ内側には、容器首部Vnの円筒側面に当接する当接部材42A、42Bを備える。
【0038】
当接部材42A、42Bは、ボルト44などの締結機構により把持部材40A、40Bに取り付けられる。当接部材42A、42Bは、把持した容器首部Vnの円筒側面を収容するための凹み部43をそれぞれ備える。すなわち凹み部43、43は互いに対向し、グリッパ40が閉じられると両者の間に首部Vnが挟まれ、把持される。
【0039】
また、凹み部43には、容器Vの回転を規制するための刃が設けられる。本実施形態では、把持部材40Aに一対の刃46が設けられ、把持部材40Bに1つの刃46が設けられる。刃46は、第1実施形態や変形例と同様に構成できるが、図10図11には、第1実施形態と同様に上方刃部46Aと側方刃部46Bを備える構成が例示される。
【0040】
第1実施形態において図7(a)、図7(b)を参照して説明したのと同様に、グリッパ40が完全に閉じられていないときには、各当接部材42A、42Bに設けられた刃46は、容器首部VnのフランジFの付け根部に近接した位置にあり、キャッピンヘッド11から下向きの荷重が掛かるとともに、グリッパ40の閉鎖動作が行われると、プレート16Pとともに容器Vが押し下げられ、各刃46の側方刃部46Bが首部Vnの円筒側面に切り込みながら上方刃部46AがフランジFの下側付け根部に突き刺さる。
【0041】
以上のように、第2実施形態において、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0042】
なお、各部材に設けられた回転規制用の刃の数や位置は、本実施形態に限定されるものではなく、1つ以上刃があればよい。また、第1実施形態、変形例、第2実施形態を組み合わせることもできる。例えば、各把持部材に1個または複数の刃、支持部材に1個または複数の刃を設ける構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0043】
10 キャッパ
11 キャッピングヘッド
12 供給ホイール
14 排出ホイール
18、40A、40B グリッパ(把持部材)
24 スピンドル
26 サーボモータ
34、38、46 刃
C キャップ
F フランジ
V 容器
Vn 容器首部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11