(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記校正実行部において、前記電極式検出手段の感度を下げる側又は上げる側に所定回数連続して校正が実行された場合に、警報を報知するように制御する報知制御部を備える請求項1から3のいずれかに記載の水質測定装置。
前記水処理システムは、前記水処理システムを流通する水の水質値を、前記電極式検出手段により測定される所定のターゲット水質値を挟む少なくとも2以上の水質値に変化させる水質変化手段を備え、
前記校正実行部は、前記水質変化手段により変化された前記2以上の水質値それぞれにおける前記比色式検出手段による水質の検出値に基づいて、前記電極式検出手段を校正する動作を実行する請求項1から4のいずれかに記載の水質測定装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る水処理システムの一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の水処理システム1の全体構成図である。
図2は、本実施形態の水質測定装置7の構成を示すブロック図である。
【0019】
本実施形態の水処理システム1は、
図1に示すように、水源2と、前処理部としての前処理装置3と、後処理部としての後処理装置5と、原水ラインL1と、前処理水ラインL2と、後処理水ラインL4と、水質変化手段としての薬剤添加装置6と、水質測定装置7と、制御部10と、を備える。前処理装置3及び後処理装置5は、水処理部を構成する。また、水処理システム1は、第1濁度センサTb1と、第2濁度センサTb2と、第3濁度センサTb3と、を備える。
「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。なお、制御部10と被制御対象機器との電気的接続線の図示については、省略している。
【0020】
原水ラインL1は、水源2の原水W1を前処理装置3に向けて供給するラインである。原水ラインL1の上流側の端部は、原水W1の水源2に接続されている。原水ラインL1の下流側の端部は、前処理装置3に接続されている。原水ラインL1には、薬剤添加装置6、第1濁度センサTb1が、上流側から下流側に向けてこの順で設けられる。
【0021】
薬剤添加装置6は、前処理装置3に供給される原水W1に薬剤を添加する装置である。本実施形態においては、例えば、後述するように、薬剤添加装置6の下流側に配置される前処理装置3が除鉄除マンガン装置である場合に、薬剤として、原水W1中に溶存した重金属イオンを酸化析出させるために、次亜塩素酸ナトリウム等の酸化剤が添加される。薬剤添加装置6における薬剤を添加する制御方法としては、例えば、前処理装置3に供給される原水W1の流量に比例して、薬剤を定率で添加する制御方法がある。
【0022】
また、薬剤添加装置6は、原水ラインL1(水処理システム1)を流通する原水W1の水質値を、後述する水質測定装置7の電極式検出部71により測定される所定のターゲット水質値を挟む少なくとも2以上の水質値に変化させる。これにより、後述する校正実行部731により実行される水質測定装置7の校正の動作を精度よく行うことができる。
【0023】
第1濁度センサTb1は、前処理装置3の上流側において、原水W1の濁度を検出する。濁度は、JIS K0101「工業用水試験方法」において、「濁度とは水の濁りの程度を表すもので、視覚濁度、透過光濁度、散乱光濁度及び積分球濁度に区分し表示する」とされている。第1濁度センサTb1としては、例えば、JIS K0101に示されているような、試料水の濁り度合を透過光強度から判定する透過光式センサや、散乱光強度から判定する散乱光式光センサや、散乱光強度と透過光強度との比から判定する積分球式センサなどを用いることができる。
【0024】
前処理装置3は、後述する後処理装置5の上流側に配置される。前処理装置3は、水源2から供給される原水W1を、後処理装置5の上流側において、前処理する装置である。前処理装置3は、原水W1に含まれる汚濁物質を除去して前処理水W2を製造する。汚濁物質としては、例えば、濁質(例えば、微粒子、溶存鉄の酸化析出物等の懸濁物質)や、全有機物炭素(以下「TOC」ともいう)として把握される有機物が挙げられる。
【0025】
前処理装置3は、前処理部側異常検出部31を備える。前処理部側異常検出部31は、前処理装置3における水質異常を検出する。水質異常が前処理部側異常検出部31により検知される場合としては、例えば、第1濁度センサTb1により検知された水質値が所定範囲外である場合や、水質異常により前処理装置3に詰まりが生じた場合などが挙げられる。
【0026】
前処理装置3としては、例えば、砂濾過装置、除鉄除マンガン装置などを挙げることができる。
【0027】
前処理装置3が砂濾過装置の場合には、砂濾過装置は、原水W1に含まれる微粒子等の懸濁物質を濾材床(図示せず)により捕捉して除去するものである。砂濾過装置としては、例えば、硅石等の粗粒濾材と、アンスラサイト、濾過砂等の細粒濾材と、から形成された濾材床(図示せず)を有する塔式のものが挙げられる。前処理装置3として、砂濾過装置が使用される場合には、原水W1に含まれる懸濁物質を凝集(フロック化)させて除去し易くする必要がある。そのため、濾過塔の上流側に配置された薬剤添加装置6によって、凝集剤を添加する。凝集剤としては、例えば、無機系凝集剤を用いることができ、具体的には、ポリ塩化アルミニウム(PAC)や硫酸アルミニウム等が挙げられる。
【0028】
前処理装置3が除鉄除マンガン装置の場合には、除鉄除マンガン装置は、原水W1に含まれる微粒子等の懸濁物質と共に、溶存鉄及び溶存マンガンを濾材床(図示せず)により捕捉して除去するものである。除鉄除マンガン装置は、この濾材床が充填された濾過塔を備えている。濾材床には、通常、粒子状のマンガンシャモットやマンガンゼオライト等のマンガン砂(二酸化マンガン担持の細粒)が使用される。また、前処理装置3として、除鉄除マンガン装置が使用される場合には、原水W1に含まれる溶存鉄及び溶存マンガンを酸化してから除去する。そのため、濾過塔の上流側に配置された薬剤添加装置6によって、酸化剤(例えば、次亜塩素酸ナトリウム)を添加する。
【0029】
前処理水ラインL2は、前処理装置3により処理された前処理水W2を後処理装置5に向けて供給するラインである。前処理水ラインL2の上流側の端部は、前処理装置3に接続されている。前処理水ラインL2の下流側の端部は、後処理装置5に接続されている。
【0030】
前処理水ラインL2には、第2濁度センサTb2、水質測定装置7が、上流側から下流側に向けてこの順で設けられる。
【0031】
第2濁度センサTb2は、前処理装置3の下流側において、前処理水W2の濁度を検出する。第2濁度センサTb2としては、第1濁度センサTb1と同様のものを用いることができる。
【0032】
水質測定装置7は、前処理水ラインL2を流通する前処理水W2の水質を検出(測定)する機器である。水質測定装置7は、前処理装置3の下流側を流通する水の水質を検出すると共に、後処理装置5(後述)の上流側を流通する水の水質を検出する。水質測定装置7により検出された水質の検出値は、制御部10へ送信される。本実施形態においては、水質測定装置7は、例えば、被測定水中の残留塩素濃度(溶存塩素濃度)を検出する機器である。
なお、水質測定装置7の詳細については後述する。
【0033】
後処理装置5は、前処理装置3の下流側に配置される。後処理装置5は、前処理装置3から排出された前処理水W2を、前処理装置3の下流側において、後処理する装置である。後処理装置5は、後処理部側異常検出部51を備える。後処理部側異常検出部51は、後処理装置5における水質異常を検出する。水質異常が後処理部側異常検出部51により検知される場合としては、例えば、後処理装置5の上流側において第2濁度センサTb2により検知された水質値が所定範囲外である場合や、後処理装置5の下流側において第3濁度センサTb3により検知された水質値が所定範囲外である場合や、水質異常により後処理装置5に詰まりが生じた場合などが挙げられる。後処理装置5としては、例えば、中空糸膜を用いた高精度の膜濾過装置等が用いられる。膜濾過装置に用いられる中空糸膜には、逆浸透膜(「RO膜」ともいう)よりも細孔が粗い膜が用いられる。中空糸膜を使用した膜モジュールとして、限外濾過膜を有するUF膜モジュールや、精密濾過膜を有するMF膜モジュール等を適用することができる。中空糸膜を用いた高精度の膜濾過装置を用いることで、例えば、クリプトスポリジウム(塩素で死滅し難い原虫)の除去を行うことができる。
後処理装置5により処理された後処理水W4は、後処理水ラインL4を介して、需要箇所へ供給される。
【0034】
後処理水ラインL4は、後処理装置5を透過した後処理水W4を装置外へ導出するラインである。後処理水ラインL4は、上流側が後処理装置5に接続され、後処理装置5により処理された後処理水W4を需要箇所へ供給(導出)する。後処理水ラインL4には、第3濁度センサTb3が設けられる。
【0035】
第3濁度センサTb3は、後処理装置5の下流側において、後処理水W4の濁度を検出する。第3濁度センサTb3は、例えば、薬剤添加装置6において次亜塩素酸ナトリウム等の酸化剤の添加が行われなかった場合に、マンガンなどの沈殿を検知することができる。第3濁度センサTb3としては、第1濁度センサTb1と同様のものを用いることができる。
【0036】
制御部10は、前処理装置3、後処理装置5、薬剤添加装置6、水質測定装置7に電気的に接続されている。制御部10は、前処理装置3、後処理装置5、薬剤添加装置6及び水質測定装置7の制御を実行する。
【0037】
水質測定装置7について説明する。水質測定装置7は、
図2に示すように、電極式検出部71(電極式検出手段)と、比色式検出部72(比色式検出手段)と、水質検出制御部73と、を備える。
【0038】
電極式検出部71は、前処理水ラインL2を流通する前処理水W2の残留塩素濃度(水質)を連続的に検出するセンサである。電極式検出部71は、電極式の連続測定式(例えば、ポーラログラフ電極式)の残留塩素計である。電極式検出部71は、水処理システム1の運転中において、検出信号として、連続的に、例えば、4〜20mAの伝送信号を制御部10へ出力する。
【0039】
比色式検出部72は、前処理水ラインL2を流通する前処理水W2の残留塩素濃度(水質)を間欠的に検出するセンサである。比色式検出部72としては、例えば、呈色試薬を添加したときの発色により残留塩素濃度を検出する比色式センサが用いられる。比色式検出部72は、前処理水W2の一部を採取し、採取した前処理水W2に呈色試薬を添加して反応させ、この反応による前処理水の吸光度(発色強度)を測定することで、前処理水W2の残留塩素濃度を測定する。そして、比色式検出部72は、測定された吸光度に基づいて、試料水中の残留塩素濃度を測定(検出)する。
【0040】
水質検出制御部73は、水質測定装置7を制御する。水質検出制御部73は、
図2に示すように、校正実行手段としての校正実行部731と、水質異常判定部732と、強制検出手段としての強制検出部733と、水質異常時制御部734と、報知制御部735と、を有する。
【0041】
校正実行部731は、所定のタイミングで、比色式検出部72により検出された水質の検出値に基づいて、電極式検出部71を自動的に校正する動作を実行する。水処理システム1において後処理水W4を製造する通常時において、校正実行部731が校正の動作を実行する所定のタイミングは、定期的なタイミングであり、例えば、30分ごとである。また、校正実行部731が校正の動作を実行する所定のタイミングの頻度は、水質測定装置7により検出される水質の種類や後処理水W4の用途などに応じて決定される。
【0042】
校正実行部731は、水処理システム1において後処理水W4を製造する通常時以外の校正動作として、後述する強制検出部733により、前処理部側異常検出部31により前処理装置3の水質異常が検出された場合や、後処理部側異常検出部51により後処理装置5の水質異常が検出された場合において、後述する強制検出部733において水処理システム1を流通する水の水質を比色式検出部72により強制的に検出する動作を実行した場合に、後述する強制検出部733において比色式検出部72により強制的に検出された水質の検出値に基づいて、電極式検出部71を自動的に校正する動作を実行する。
【0043】
校正実行部731は、例えば、薬剤添加装置6により変化された2以上の水質値それぞれにおける比色式検出部72による水質の検出値に基づいて、電極式検出部71を校正する動作を実行する。具体的には、校正実行部731は、薬剤添加装置6により、例えば、測定目標となるターゲット水質値を挟む2点(低濃度での1点、高濃度での1点)における塩素濃度の検出値に基づいて、変化させた2点の塩素濃度それぞれにおいて検量線を取って、変化された2点による検量線を用いて校正を行うことができる。なお、3点以上の検量線を用いて校正してもよい。
【0044】
強制検出部733は、前処理部側異常検出部31により前処理装置3の水質異常が検出された場合や、後処理部側異常検出部51により後処理装置5の水質異常が検出された場合に、水処理システム1を流通する水の水質を比色式検出部72により強制的に検出する動作を実行する。
【0045】
強制検出部733は、水質異常判定部732により電極式検出値(第1検出値)が水質異常値であると判定された場合に、電極式検出部71により検出された電極式検出値(第1検出値)に代えて、水処理システム1を流通する水の水質を比色式検出部72により比色式検出値(第2検出値)として強制的に検出する。水質異常判定部732は、電極式検出部71において検出された水質の電極式検出値(第1検出値)が水質異常値であるか否かを判定する。例えば、水質異常判定部732は、電極式検出部71において検出された水質の電極式検出値(第1検出値)が、所定の範囲外である場合に、水質異常値であることを判定する。
【0046】
水質異常時制御部734は、電極式検出部71により検出された検出値が水質異常値である場合において、電極式検出値(第1検出値)と比色式検出値(第2検出値)との差が所定値以上の場合に、電極式検出部71により連続的に水質を検出する動作を実行する制御から、比色式検出部72により間欠的に水質を検出する動作を実行する制御に切り替える制御を実行する。また、水質異常時制御部734は、電極式検出部71により検出された検出値が水質異常値である場合において、電極式検出値(第1検出値)と比色式検出値(第2検出値)との差が所定値未満の場合に、報知制御部735(後述)を制御することで、水質異常を報知する制御を実行する。水質異常の報知としては、例えば、表示、音声、発光などのうちの一つ以上を挙げることができる。
【0047】
報知制御部735は、校正実行部731において、電極式検出部71の感度を下げる側又は上げる側に所定回数連続(例えば、10回連続)して校正が実行された場合に、警報を報知するように制御する。警報の報知としては、例えば、表示、音声、発光などのうちの一つ以上を挙げることができる。電極式検出部71の感度を下げる側又は上げる側に所定回数連続して校正が実行された場合には、電極式検出部71の故障の可能性が想定される。そのため、警報を報知することで、電極式検出部71を修理したり交換できる。
【0048】
次に、水質測定装置7の動作について説明する。
水質測定装置7は、水処理システム1において後処理水W4を製造する通常時において、電極式検出部71により、前処理水ラインL2を流通する前処理水W2の残留塩素濃度(水質)を連続的にリアルタイムに検出している。
【0049】
水質測定装置7の校正実行部731は、水処理システム1において後処理水W4を製造する通常時において、所定のタイミングごとに、例えば、30分ごとに、比色式検出部72により検出された残留塩素濃度(水質)の検出値に基づいて、電極式検出部71を自動的に校正する動作を実行する(クロスチェックを実行する)。これにより、電極式検出部71の校正が、比色式検出部72の検出値に基づいて行われるため、電極式検出部71において連続して測定される前処理水W2の残留塩素濃度について、信頼性の高い測定値を得ることができる。
【0050】
ここで、校正実行部731により、比色式検出部72により検出された残留塩素濃度(水質)の検出値に基づいて、電極式検出部71を自動的に校正する動作を実行するように構成した理由について説明する。
電極式検出部71は、水処理システム1に流通する水の水質を連続的に測定でき、かつ、試薬を必要とせずに、低コストで水質を測定可能であるという利点がある。そのため、電極式検出部71は、水処理システム1に流通する水の水質を連続的に測定することで、水の流れや水温などにより変動する水の水質をリアルタイムで測定できる。しかし、電極式検出部71は、電極の汚れやサンプル水の流量が不足することなどにより、測定値が不安定になりやすく、測定値の信頼性が低くなりがちである。
【0051】
一方、比色式検出部72は、水処理システム1を流通する水の水質を間欠的にしか測定できないが、測定値の信頼性が高いという利点がある。しかし、比色式検出部72は、水の水質を測定する際に試薬を使用するため、測定間隔を短くすると、試薬に要するコストが増大して、運転コストが高くなりがちである。
【0052】
これに対して、本発明においては、水質測定装置7に校正実行部731を設けることにより、比色式検出部72により検出された水質の検出値に基づいて、電極式検出部71を自動的に校正する動作を実行するように構成した。これにより、電極式検出部71の利点を生かしつつ、比色式検出部72の利点により電極式検出部71の欠点を補うことで、電極式検出部71及び比色式検出部72の両方の利点を得ることができる。つまり、水質測定装置7は、水処理システム1を流通する水の水質について、比色式検出部72の利点である信頼性の高い測定値を得ることができ、かつ、電極式検出部71の利点である低コストで連続的に測定できる。
【0053】
なお、電極式検出部71の表面をビーズ材の摩擦抵抗などにより自動洗浄を行った場合や、電極式検出部71のメンテナンスを行った場合や、電極式検出部71のセンサ部分の交換を行った場合などには、水質測定装置7の測定値のずれが大きくなりやすいため、校正実行部731による校正動作において、比色式検出部72により検出する間隔を短くしてもよい。
【0054】
このように、校正実行部731は、水処理システム1において後処理水W4を製造する通常時において、所定のタイミングで、校正の動作を実行している。しかし、校正実行部731は、水処理システム1において後処理水W4を製造する通常時以外の校正動作として、前処理部側異常検出部31により前処理装置3の水質異常が検出された場合や、後処理部側異常検出部51により後処理装置5の水質異常が検出された場合において、強制検出部733において水処理システム1を流通する水の水質を比色式検出部72により比色式検出値(第2検出値)として強制的に検出する動作を実行して、強制検出部733において比色式検出部72により強制的に検出された水質の検出値に基づいて、電極式検出部71を自動的に校正する動作を実行する(クロスチェックを実行する)。
【0055】
前処理装置3又は後処理装置5の水質異常が検出された場合に電極式検出部71を自動的に校正する動作を実行する理由は、前処理装置3又は後処理装置5において水質異常が生じた場合には、水処理システム1において使用される水質測定装置7の電極式検出部71の測定値にずれが生じる可能性があるためである。
例えば、前処理装置3において水質異常が生じた場合には、前処理装置3から水質測定装置7に水質異常の水が流れることで、電極式検出部71の電極に異常が生じて測定値にずれが生じる可能性があるため、クロスチェックを実行する。
また、例えば、後処理装置5において水質異常が生じた場合には、後処理装置5の上流側において水質異常の水が流れているため、電極式検出部71の電極に異常が生じて測定値にずれが生じる可能性があるため、クロスチェックを実行する。
【0056】
本実施形態においては、校正実行部731は、電極式検出部71を校正する実際の動作において、薬剤添加装置6により変化された測定目標となるターゲット水質値を挟む2点の水質値それぞれにおける比色式検出部72による水質の検出値に基づいて、電極式検出部71を校正する動作を実行する。具体的には、校正実行部731は、薬剤添加装置6により、例えば、測定目標となるターゲット水質値を挟む2点(低濃度での1点、高濃度での1点)における塩素濃度の検出値に基づいて、変化させた2点の塩素濃度それぞれにおいて検量線を取って、変化された2点による検量線を用いて校正を行うことができる。これにより、ターゲット水質値を挟む2点の水質値を用いて、電極式検出部71を、比色式検出部72による水質の検出値に基づいて精度よく校正できる。
【0057】
また、水処理システム1を流通する水の水質異常時において、校正実行部731により電極式検出部71を自動的に校正する動作を実行せずに、水質異常時制御部734は、次の制御を実行することもできる。
【0058】
水質異常時制御部734は、電極式検出部71により検出された検出値が水質異常値である場合において、電極式検出値(第1検出値)と比色式検出値(第2検出値)との差が所定値以上の場合に、電極式検出部71により連続的に水質を検出する動作を実行する制御から、比色式検出部72により間欠的に水質を検出する動作を実行する制御に切り替える制御を実行する。これにより、比色式検出部72により前処理水W2の残留塩素濃度を検出することで、信頼性の高い測定値を得ることができる。なお、この場合に、比色式検出部72による検出の間隔の長さを適宜調整できる。電極式検出値(第1検出値)と比色式検出値(第2検出値)との差が所定値以上の場合に、水質が悪化したとして、例えば、比色式検出部72により比色式検出値(第2検出値)を検出する間隔を短縮してもよい。
【0059】
また、水質異常時制御部734は、電極式検出部71により検出された検出値が水質異常値である場合において、電極式検出値(第1検出値)と比色式検出値(第2検出値)の差が所定値未満の場合に、水質異常を報知する制御を実行する。電極式検出値(第1検出値)と比色式検出値(第2検出値)の差が所定値未満の場合には、電極式検出部71により検出された検出値が正しく検出されていると看做せるため、電極式検出部71により検出された検出値が正しいとして、水質異常時制御部734は、水質異常を外部に報知するように、報知制御部735を制御する。
【0060】
上述した本実施形態に係る水質測定装置7によれば、例えば、以下のような効果が奏される。
本実施形態においては、水処理システム1を流通する水の水質を連続的に検出する電極式検出部71と、水処理システム1を流通する水の水質を間欠的に検出する比色式検出部72と、所定のタイミングで、比色式検出部72により検出された水質の検出値に基づいて、電極式検出部71を自動的に校正する動作を実行する校正実行部731と、を備える。
【0061】
そのため、連続式の電極式検出部71と比色式の比色式検出部72とを組み合わせることで、水質を低コストで連続的に測定可能な電極式検出部71の利点と、測定値の信頼性が高い比色式検出部72の利点との両方を得ることができる。これにより、水処理システム1を流通する水の水質について、信頼性の高い測定値を得ることができ、かつ、低コストで連続的に測定できる。
【0062】
また、本実施形態においては、電極式検出値(第1検出値)と比色式検出値(第2検出値)との差が所定値以上の場合に、電極式検出部71により連続的に水質を検出する動作を実行する制御から、比色式検出部72により間欠的に水質を検出する動作を実行する制御に切り替える制御を実行し、電極式検出値(第1検出値)と比色式検出値(第2検出値)との差が所定値未満の場合に、水質異常を報知する制御を実行する水質異常時制御部734と、を備える。
【0063】
そのため、電極式検出部71において水質異常であると判定された場合に、強制的に比色式検出部72で水質を検出して、電極式検出部71により検出された検出値と比色式検出部72により検出された検出値とを比較できる。そして、電極式検出部71が正常でない場合には、比色式検出部72で検出する制御に切り替えることができる。また、電極式検出部71が正常である場合には、電極式検出部71による検出値が正しいとして、水質異常を報知できる。これにより、水処理システム1を流通する水の水質について、信頼性の高い測定を行うことができる。
【0064】
また、本実施形態においては、水質測定装置7は、前処理装置3の下流側を流通する水の水質を検出し、前処理部側異常検出部31により前処理装置3の水質異常が検出された場合に、水処理システム1を流通する水の水質を比色式検出部72により強制的に検出する動作を実行する強制検出部733を備え、校正実行部731は、強制検出部733において比色式検出部72により強制的に検出された水質の検出値に基づいて、電極式検出部71を自動的に校正する動作を実行する。
【0065】
そのため、前処理装置3において膜の詰まりなどの水質異常が発生した場合に、前処理装置3の下流側の水質の測定値を検出する電極式検出部71を、比色式検出部72により強制的に検出された水質の検出値に基づいて校正できる。これにより、前処理装置3の下流側において水質が悪化したと想定される場合に、比色式検出部72により強制的に検出された水質の検出値に基づいて校正できるため、水処理システム1を流通する水の水質について、信頼性の高い測定を行うことができる。
【0066】
また、本実施形態においては、水質測定装置7は、後処理装置5の上流側を流通する水の水質を検出し、後処理部側異常検出部51により後処理装置5の水質異常が検出された場合に、水処理システム1を流通する水の水質を比色式検出部72により強制的に検出する動作を実行する強制検出部733を備え、校正実行部731は、強制検出部733において比色式検出部72により強制的に検出された水質の検出値に基づいて、電極式検出部71を自動的に校正する動作を実行する。
【0067】
そのため、後処理装置5において膜の詰まりなどの水質異常が発生した場合に、後処理装置5の上流側の水質の測定値を検出する電極式検出部71を、比色式検出部72により強制的に検出された水質の検出値に基づいて校正できる。これにより、後処理装置5の上流側において水質が悪化したと想定される場合に、比色式検出部72により強制的に検出された水質の検出値に基づいて校正できるため、水処理システム1を流通する水の水質について、信頼性の高い測定を行うことができる。
【0068】
また、本実施形態においては、校正実行部731において、電極式検出部71の感度を下げる側又は上げる側に所定回数連続して校正が実行された場合に、警報を報知するように制御する報知制御部735を備える。そのため、電極式検出部71の感度を下げる側又は上げる側に所定回数連続して校正が実行された場合には、電極式検出部71の故障の可能性が想定される。そのため、警報を外部に報知することで、メンテナンスの作業者は、電極式検出部71を修理したり交換できる。
【0069】
また、本実施形態においては、水処理システム1を流通する水の水質値を、電極式検出部71により測定される所定のターゲット水質値を挟む少なくとも2以上の水質値に変化させる薬剤添加装置6を備え、校正実行部731は、薬剤添加装置6により変化された2以上の水質値それぞれにおける比色式検出部72による水質の検出値に基づいて、電極式検出部71を校正する動作を実行する。そのため、ターゲット水質値を挟む2以上の水質値を用いて、電極式検出部71を、比色式検出部72による水質の検出値に基づいて精度よく校正できる。
【0070】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明した。しかし、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、前記実施形態では、水質測定装置が測定する水の水質を残留塩素濃度(溶存塩素濃度)としたが、これに限定されない。水質測定装置が測定する水の水質としては、例えば、溶存酸素濃度、pH濃度、カルシウム硬度、シリカ濃度、酸化還元電位値(ORP値)、などを挙げることができる。この場合、水質測定装置における電極式検出部及び比色式検出部は、これらの水質を測定可能に構成される。例えば、比色式検出部は、これらの水質を測定するための呈色試薬を用いて水の水質を検出するように構成される。
【0071】
また、前記実施形態においては、水質測定装置7を、前処理水ラインL2を流通する前処理水W2の水質を測定するように構成したが、これに限定されない。水質測定装置は、水処理システム1を流通する水の水質を測定するように構成されていればよい。例えば、水質測定装置を、後処理水ラインL4を流通する後処理水W4の水質を検出(測定)するように構成してもよい。
【0072】
また、前記実施形態においては、水質変化手段を薬剤添加装置6により構成したが、これに限定されない。例えば、水質測定装置が測定する水質が溶存酸素濃度の場合には、水質変化手段を脱酸素装置により構成してもよい。この場合には、脱炭素装置の中に通す流量を調整することで、溶存酸素の量を調整できる。なお、水質変化手段を脱酸素装置により構成する場合には、脱酸素装置の下流側には、溶存酸素濃度センサ(DOセンサ)を配置する。