特許第6874539号(P6874539)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6874539
(24)【登録日】2021年4月26日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】入退管理装置及び入退管理システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20210510BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20210510BHJP
   G07C 9/00 20200101ALI20210510BHJP
   E05B 47/00 20060101ALN20210510BHJP
【FI】
   G08B25/04 F
   E05B49/00 H
   E05B49/00 G
   G07C9/00 Z
   G08B25/04 G
   !E05B47/00 G
【請求項の数】9
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-108944(P2017-108944)
(22)【出願日】2017年6月1日
(65)【公開番号】特開2018-205942(P2018-205942A)
(43)【公開日】2018年12月27日
【審査請求日】2020年2月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(74)【代理人】
【識別番号】100143454
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 克彦
(72)【発明者】
【氏名】石川 靖明
【審査官】 吉村 伊佐雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−058933(JP,A)
【文献】 韓国登録特許第10−1602483(KR,B1)
【文献】 特開2012−208796(JP,A)
【文献】 特開2012−063937(JP,A)
【文献】 特開2017−037447(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B1/00−65/44
65/46
65/462−85/28
G06K7/00−7/14
17/00−19/18
G07C1/00−15/00
G08B23/00−31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉に設けられた電気鍵の施解錠を行う入退管理装置であって、
利用者を特定する特定情報を記録した記録媒体から前記特定情報を読み取る読取部と、
前記読取部による読取結果に応じた前記電気鍵の施解錠及び所定の制御を実施可能な制御部と、
前記記録媒体に表示される情報コードを撮像する撮像部と、
前記読取部による前記特定情報の読み取り後に前記撮像部により撮像される前記情報コードの撮像状態を解析する解析部と、
を備え、
前記制御部は、前記解析部による解析結果に基づいて前記所定の制御を実施し、
前記所定の制御を実施させる際の前記解析部による解析結果は、前記撮像部により情報コードが撮像される状態と前記撮像部により情報コードが撮像されない状態とが所定回数繰り返される際に全ての情報コードが同じ情報コードであることを特徴とする入退管理装置。
【請求項2】
扉に設けられた電気鍵の施解錠を行う入退管理装置であって、
利用者を特定する特定情報を記録した記録媒体から前記特定情報を読み取る読取部と、
前記読取部による読取結果に応じた前記電気鍵の施解錠及び所定の制御を実施可能な制御部と、
前記記録媒体に表示される情報コードを撮像する撮像部と、
前記読取部による前記特定情報の読み取り後に前記撮像部により撮像される前記情報コードの撮像状態を解析する解析部と、
を備え、
前記制御部は、前記解析部による解析結果に基づいて前記所定の制御を実施し、
前記所定の制御を実施させる際の前記解析部による解析結果は、前記撮像部により連続して撮像される前記情報コードが所定時間移動していないとみなされる状態であることを特徴とする入退管理装置。
【請求項3】
扉に設けられた電気鍵の施解錠を行う入退管理装置であって、
利用者を特定する特定情報を記録した記録媒体から前記特定情報を読み取る読取部と、
前記読取部による読取結果に応じた前記電気鍵の施解錠及び所定の制御を実施可能な制御部と、
前記記録媒体に表示される情報コードを撮像する撮像部と、
前記読取部による前記特定情報の読み取り後に前記撮像部により撮像される前記情報コードの撮像状態を解析する解析部と、
を備え、
前記制御部は、前記解析部による解析結果に基づいて前記所定の制御を実施し、
前記制御部により前記所定の制御を実施する前に、当該所定の制御の実施に関する情報を報知する報知部を備え、
前記制御部は、前記報知部による報知がなされた後、次に前記撮像部により撮像された情報コードが前回撮像された情報コードに一致する場合に、前記所定の制御を実施することを特徴とする入退管理装置。
【請求項4】
前記所定の制御を実施させる際の前記解析部による解析結果は、前記撮像部により連続して撮像される前記情報コードが所定の角度以上で回転している状態であることを特徴とする請求項3に記載の入退管理装置。
【請求項5】
前記所定の制御を実施させる際の前記解析部による解析結果は、前記撮像部により連続して撮像される前記情報コードが所定の拡大率以上で拡大している状態であることを特徴とする請求項3に記載の入退管理装置。
【請求項6】
前記所定の制御を実施させる際の前記解析部による解析結果は、前記撮像部により連続して撮像される前記情報コードが所定の軌跡で移動している状態であることを特徴とする請求項3に記載の入退管理装置。
【請求項7】
前記特定情報は、前記記録媒体に表示される前記情報コードに記録され、
前記読取部は、前記撮像部により撮像された前記情報コードをデコードすることで前記特定情報を読み取ることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の入退管理装置。
【請求項8】
前記制御部により実施可能な前記所定の制御が複数パターン用意され、
前記複数パターンの前記所定の制御ごとに、実施させる際の前記解析部による解析結果を異ならせることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の入退管理装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の入退管理装置を複数備えるとともに、これら複数の前記入退管理装置を管理する管理サーバを備えることを特徴とする入退管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入退管理装置及び入退管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者の通行制限や通行管理等を行うために、オフィスなどでは、個別IDが記録されたICカード等の記録媒体の読み取り結果を利用して管理対象の扉の施解錠を行う入退管理装置や入退管理システムが導入されている。例えば、下記特許文献1に開示される入退管理システムでは、利用者が所持するRFタグ及びICカードから外部側RFタグリーダ及び入退端末にてそれぞれ読み取った第1固有ID及び第2固有IDの双方がそれぞれ通行を許可すべきIDである場合に通行を許可することで、セキュリティ性を高めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−211015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、入退管理装置や入退管理システムとしては、管理対象の扉ごとに、通常の開閉モードに加えて、警戒モードやその警戒モードの解除、連続解錠モードやその連続解錠モードの解除などの複数のモード(機能)が用意されている。このような複数のモード等の切り替えは、管理サーバからの指示に応じて実施することもできるが、入退管理装置から行う場合、ICカード等をかざす入退管理装置のかざし面の近傍に操作部を設けてこの操作部の操作に応じてモードの切り替え等を行うことができる。
【0005】
しかしながら、かざし面の近傍に操作部を設けるために、入退管理装置自体が大きくなってしまい、設置環境等によっては入退管理装置の設置場所の確保が困難になるという問題がある。また、その操作部が故障などしてしまうと、入退管理装置から操作できなくなるという問題も生じる。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、操作部等を設けることなく所定の制御の実施を指示可能な構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、
扉(11a)に設けられた電気鍵(12)の施解錠を行う入退管理装置(20)であって、
利用者を特定する特定情報を記録した記録媒体(70)から前記特定情報を読み取る読取部(30)と、
前記読取部による読取結果に応じた前記電気鍵の施解錠及び所定の制御を実施可能な制御部(21)と、
前記記録媒体に表示される情報コードを撮像する撮像部(50)と、
前記読取部による前記特定情報の読み取り後に前記撮像部により撮像される前記情報コードの撮像状態を解析する解析部(31)と、
を備え、
前記制御部は、前記解析部による解析結果に基づいて前記所定の制御を実施し、
前記所定の制御を実施させる際の前記解析部による解析結果は、前記撮像部により情報コードが撮像される状態と前記撮像部により情報コードが撮像されない状態とが所定回数繰り返される際に全ての情報コードが同じ情報コードであることを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1,2,3の発明では、読取部による特定情報の読み取り後に記録媒体に表示される情報コードが撮像部により撮像され、この情報コードの撮像状態が解析部により解析された解析結果に基づいて、制御部により所定の制御が実施される。これにより、読取部による特定情報の読み取りに応じて電気鍵の施解錠を実施できるだけでなく、情報コードの撮像状態に応じて所定の制御を実施することができる。すなわち、撮像部により撮像される情報コードを利用して入退管理装置に対して所定の制御の実施を指示することができる。特に、その目的上、画像認識しやすい情報コードを解析するので、解析部による解析精度を高めることができる。したがって、操作部等を設けることなく所定の制御の実施を指示可能な入退管理装置を実現することができる。
【0009】
請求項の発明では、特定情報は、記録媒体に表示される情報コードに記録され、読取部により、撮像部により撮像された情報コードがデコードされることで、特定情報が読み取られる。これにより、電気鍵の施解錠を実施するための情報コードと所定の制御を実施するための情報コードとを共用でき、記録媒体を簡素に構成することができる。
【0010】
請求項の発明では、制御部により実施可能な所定の制御が複数パターン用意され、これら複数パターンの所定の制御ごとに、実施させる際の解析部による解析結果が異なる。これにより、所望のパターンの所定の制御を実施する場合にはそのパターンの所定の制御に対応する情報コードの撮像状態にすればよいので、複数パターンの所定の制御を実施可能であって所望のパターンの所定の制御の実施を容易に選択することができる。
【0011】
請求項4の発明では、所定の制御を実施させる際の解析部による解析結果は、撮像部により連続して撮像される情報コードが所定の角度以上で回転している状態である。このため、読取部による特定情報の読み取り後に、情報コードを上記所定の角度以上で回転させることで、所定の制御の実施を指示することができる。
【0012】
請求項5の発明では、所定の制御を実施させる際の解析部による解析結果は、撮像部により連続して撮像される情報コードが所定の拡大率以上で拡大している状態である。このため、読取部による特定情報の読み取り後に、情報コードを撮像部に近づけて上記所定の拡大率以上とすることで、所定の制御の実施を指示することができる。
【0013】
請求項の発明では、所定の制御を実施させる際の解析部による解析結果は、撮像部により情報コードが撮像される状態と撮像部により情報コードが撮像されない状態とが所定回数繰り返される際に全ての情報コードが同じ情報コードである状態である。このため、同じ情報コードを撮像部に撮像させるように記録媒体をかざす動作を繰り返すことで、所定の制御の実施を指示することができる。
【0014】
請求項の発明では、所定の制御を実施させる際の解析部による解析結果は、撮像部により連続して撮像される情報コードが所定時間移動していないとみなされる状態である。このため、読取部による特定情報の読み取り後に、情報コードを上記所定時間移動させないことで、所定の制御の実施を指示することができる。
【0015】
請求項の発明では、所定の制御を実施させる際の解析部による解析結果は、撮像部により連続して撮像される情報コードが所定の軌跡で移動している状態である。このため、読取部による特定情報の読み取り後に、情報コードを上記所定の軌跡となるように移動させることで、所定の制御の実施を指示することができる。
【0016】
請求項の発明では、制御部により所定の制御を実施する前に、当該所定の制御の実施に関する情報を報知する報知部が設けられるため、この報知部による報知を受けた利用者は、所定の制御の実施が指示されたことを容易に知得することができる。
【0017】
特に、報知部による報知がなされた後、次に撮像部により撮像された情報コードが前回撮像された情報コードに一致する場合に、制御部により所定の制御が実施される。これにより、解析部による解析結果が仮に上記所定の制御を実施する際の情報コードの撮像状態になったとしても、報知部による報知を受けた利用者が再び同じ情報コードを撮像部に撮像させない限り指示された所定の制御が実施されることもないので、誤って所定の制御が実施されることを抑制することができる。
【0018】
請求項の発明では、請求項1〜のいずれか一項に記載の入退管理装置を複数備えるとともに、これら複数の入退管理装置を管理する管理サーバを備えるため、個々の入退管理装置に関して操作部等を設けることなく所定の制御の実施を指示可能な入退管理システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1実施形態に係る入退管理システムを概略的に例示するブロック図である。
図2図2(A)は、図1の読取装置の電気的構成を例示するブロック図であり、図2(B)は、図2(A)の非接触読取部を概略的に例示するブロック図であり、図2(C)は、図2(A)の情報コード読取部を概略的に例示するブロック図である。
図3図2の非接触通信媒体の電気的構成を例示するブロック図である。
図4】ICカードの情報コードを読取口に翳した状態を説明する説明図であり、図4(A)は、デコード成功時の状態を示し、図4(B)は、所定角度以上で回転させた状態を示す。
図5】第1実施形態において読取装置にて行われる読取処理の流れを例示するフローチャートである。
図6】第1実施形態において読取装置にて行われる読取処理中の解析処理のサブルーチンの流れを例示するフローチャートである。
図7】第1実施形態において制御コントローラにて行われる入退管理処理の流れを例示するフローチャートである。
図8】第1実施形態の第1変形例においてICカードの情報コードの撮像状態を説明する説明図であり、図8(A)は、デコード成功時の撮像状態を示し、図8(B)は、情報コードが図8(A)の状態から所定の拡大率以上で拡大した撮像状態を示す。
図9】第1実施形態の第4変形例においてICカードの情報コードを所定の軌跡で移動させたときの撮像状態を説明する説明図である。
図10】第2実施形態において読取装置にて行われる読取処理中の解析処理のサブルーチンの流れを例示するフローチャートである。
図11】第2実施形態において制御コントローラにて行われる入退管理処理の流れを例示するフローチャートである。
図12】第4実施形態において読取装置にて行われる読取処理中の解析処理のサブルーチンの流れを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係る入退管理装置及び入退管理システムについて、図面を参照して説明する。
図1に示す入退管理システム10は、利用者を特定する特定情報が記録された記録媒体の読み取りに応じて管理対象となる複数の入退口における利用者に関する入退を管理するシステムである。この入退管理システム10は、例えば、企業や公的機関などの建物や店舗などの所定の施設内に設定される管理区域における各入退口11での入退を管理するため、各入退口11に対してそれぞれ配置される入退管理装置20と各入退管理装置20における処理結果等を管理する管理サーバ60とを備えるように構成されている。各入退管理装置20及び管理サーバ60は、入退管理に利用する情報等を共有するため、社内LAN等のネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。
【0021】
また、本実施形態では、入退管理に利用される上記記録媒体として、上述した特定情報が磁気的に記録されその一面に情報コードCを付したICカード70が採用されている。情報コードCには、当該ICカード70に磁気的に記録される特定情報又は特定情報に関連する情報等が光学的に読み取り可能にコード化されて記録されている。
【0022】
管理対象となる各入退口11には、扉11aとこの扉11aに関する施解錠を行うための電気鍵12がそれぞれ設けられている。なお、入退口11に設けられる扉11aは、回動式に構成されてもよいし、例えばスライド式や勤怠等用のポール式として構成されてもよい。また、電気鍵12は、公知の電磁式電気鍵であって、施解錠対象である扉11aの近傍の壁面に配置されており、施錠信号の入力に応じて施錠状態が維持され、解錠信号の入力に応じて解錠動作がなされるように構成されている。なお、電気的な制御によって扉を施錠及び解錠可能な構成であれば公知の様々な電気鍵を電気鍵12として用いることができる。
【0023】
まず、入退管理装置20について、図1及び図2を用いて説明する。
入退管理装置20は、制御コントローラ21及び読取装置30を備えるように構成されている。制御コントローラ21は、読取装置30によるICカード70の読取結果等に応じて扉11aの施解錠を行うコントローラであって、扉11aの近傍に配置されている。この制御コントローラ21は、図1に示すように、制御コントローラ21全体を制御する制御部22を備えている。この制御部22は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有し、記憶部23とともに情報処理装置を構成している。記憶部23には、後述する入退管理処理を実行するための所定のプログラムや認証用のデータ等が記憶されている。また、制御コントローラ21は、所定の情報を表示可能な表示部24や、読取装置30や管理サーバ60等の外部装置との間でのデータ通信を行うためのインタフェースとして構成される通信部25を備えている。
【0024】
このように構成される制御コントローラ21は、通信部25を介して電気鍵12を制御し得る構成をなしており、制御部22により実行される入退管理処理に応じて、施錠時には電気鍵12に対して施錠信号を出力し、解錠時には電気鍵12に対して解錠信号を出力するようになっている。また、制御コントローラ21は、制御部22により実行される入退管理処理の際に読取装置30から取得した読取結果等を、通信部25を介して管理サーバ60に送信するようになっている。
【0025】
読取装置30は、ICカード70に記録される特定情報とQRコード(登録商標)等の情報コードとの双方を読み取り可能に読取部として機能する装置であって、読取面31を露出させるようにして扉11aの近傍の壁面等に配置されている。本実施形態では、読取面31の中央に、情報コードからの反射光を取り込む読取口31aが略矩形状に形成され、ICカード70等との非接触通信に利用するアンテナ41が読取口31aを囲うように配置されている。なお、読取口31a及びアンテナ41の形状及び位置は一例であり、使用される環境に応じて変更してもよい。
【0026】
読取装置30は、図2(A)に示すように、読取装置30全体を制御する制御部32を備えている。この制御部32は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有し、メモリ33とともに情報処理装置を構成している。メモリ33には、後述する読取処理を実行するための所定のプログラム等が記憶されている。また、制御部32には、図2(A)に示すように、発光部34、表示部35、スピーカ36、通信部37などが接続されている。
【0027】
発光部34は、例えばLEDであって、制御部32による制御に応じて点灯・点滅するように構成されている。表示部35は、公知の液晶ディスプレイ(LCD)によって構成されており、制御部32による制御に応じて表示内容が制御されるようになっている。スピーカ36は、公知のスピーカによって構成されており、制御部32による制御に応じて予め設定された音声やアラーム音等の所定の音を放音(発音)するように構成されている。通信部37は、制御コントローラ21等の外部装置との間でのデータ通信を行うためのインタフェースとして構成されており、制御部32と協働して通信処理を行う構成をなしている。
【0028】
また、制御部32には、非接触読取部40及び情報コード読取部50がそれぞれ接続されている。
非接触読取部40は、アンテナ41及び制御部32と協働して読取面31に翳されたICカード70との間で電磁波による通信を行ない、ICカード70等の無線タグに記憶されるデータの読み取り、或いは無線タグに対するデータの書込みを行うように機能するものである。この非接触読取部40は、例えば公知の電波方式で伝送を行う回路として構成されており、図2(B)にて概略的に示すように、送信回路42、受信回路43等を備えている。送信回路42は、例えば、キャリア発振器、符号化部、変調部及び増幅器等によって構成されている。キャリア発振器は、所定周波数のキャリア(搬送波)を出力しており、符号化部は、制御部32に接続され、制御部32より出力される送信データを符号化して変調部に出力している。変調部は、キャリア発振器からのキャリア(搬送波)及び符号化部からの送信データが入力されるものであり、キャリア発振器より出力されるキャリア(搬送波)に対し、通信対象へのコマンド送信時に符号化部より出力される符号化された送信符号(変調信号)によってASK(Amplitude Shift Keying)変調された被変調信号を生成し、増幅器に出力している。また、増幅器は、入力信号(変調部によって変調された被変調信号)を設定された増幅率で増幅しており、その増幅信号が送信信号としてアンテナ41に出力されるようになっている。
【0029】
また、アンテナ41には、受信回路43の入力端子が接続されており、アンテナ41によって受信された電波信号(受信信号)は、受信回路43に入力されるようになっている。受信回路43は、例えば、増幅器、復調部、二値化処理部、複号化部等によって構成されており、アンテナ41によって受信された受信信号を増幅器によって増幅し、その増幅信号を復調部によって復調している。更に、その復調された信号波形を二値化処理部によって二値化すると共に、復号化部にて復号化し、その復号化された信号を受信データとして制御部32に出力している。
【0030】
非接触読取部40の読取対象となるICカード70は、管理区域内に出入りする利用者それぞれが所持する公知の非接触ICカードとして構成されている。ICカード70は、例えばRFIDタグとして機能するICチップを内蔵しており、具体的には、図3に示すように、アンテナ71、電源回路72、復調回路73、制御部74、メモリ75、変調回路76、負荷変調回路77、コンデンサ78等を備えている。そして当該ICカード70を利用する利用者に割り当てられてその利用者を特定する特定情報等がメモリ75に記録された構成をなしている。このICカード70は、非接触読取部40及びアンテナ41より送信された搬送波をアンテナ71を介して受信すると、電源回路72において搬送波を整流して動作用電源を生成し、マイクロコンピュータで構成される制御部74及びその他の構成要素に供給するように構成されている。
【0031】
また、ICカード70では、搬送波に重畳されているアンテナ41からの送信データが復調回路73によって復調され、制御部74に出力されるようになっている。制御部74は、動作用電源が供給されて起動すると、非接触読取部40側からの送信データ(アンテナ41からの送信データ)を受けてメモリ75に記憶されているデータを読み出している。変調回路76は、受信した搬送波を分周した副搬送波を制御部74が出力する応答データによって変調している。更に、アンテナ71には、負荷変調回路77を構成する抵抗及びスイッチの直列回路が並列に接続されており、変調回路76より出力される副搬送波の被変調信号により負荷変調回路77のスイッチがオンオフされることで搬送波が負荷変調され、応答(レスポンス)が返信されるようになっている。なお、図2及び図3では、非接触読取部40及びICカード70の一例を挙げたが、電磁波を媒介として通信を行い得る構成であれば公知の他の構成を用いてもよい。
【0032】
情報コード読取部50は、図2(C)に示すように、CCDエリアセンサからなる受光センサ53、結像レンズ52、複数個のLEDやレンズ等から構成される照明部51などを備えた構成をなしており、制御部32と協働してICカード70に付された情報コードC等を撮像して読み取るように機能する。なお、受光センサ53は、「撮像部」の一例に相当し得る。
【0033】
この情報コード読取部50によって情報コードC等の読み取りを行う場合、まず、制御部32によって指令を受けた照明部51から照明光Lfが出射され、この照明光Lfが読取口31aを通ってこの読取口31aに翳された情報コードCに照射される。そして、照明光Lfが情報コードCにて反射した反射光Lrは読取口31aを通って取り込まれ、結像レンズ52を通って受光センサ53に受光される。読取口31aと受光センサ53との間に配される結像レンズ52は、情報コードCの像を受光センサ53上に結像させる構成をなしており、受光センサ53はこの情報コードCの像に応じた受光信号を出力する。受光センサ53から出力された受光信号は、画像データとしてメモリ33に記憶され、情報コードCに含まれる情報を取得するためのデコード処理に用いられるようになっている。なお、情報コード読取部50には、受光センサ53からの信号を増幅する増幅回路や、その増幅された信号をデジタル信号に変換するAD変換回路等が設けられているがこれらの回路については図示を省略している。
【0034】
このように構成される入退管理装置20では、読取装置30は、制御部32により実行される読取処理にて、読取面31に翳されたICカード70の読取結果を制御コントローラ21に送信し、制御コントローラ21は、制御部22により実行される入退管理処理にて、読取装置30から受信した読取結果等に応じて扉11aの施解錠を行う。また、読取装置30は、上記読取処理にて、ICカード70の読み取りに成功すると、読取口31aを介してICカード70を所定時間撮像し、その撮像画像を解析した画像解析結果を制御コントローラ21に送信する。制御コントローラ21は、上記入退管理処理にて、読取装置30から受信した画像解析結果に基づいて、警戒モード移行等の所定の制御を実施する。入退管理装置20による読取処理及び入退管理処理等については後述する。
【0035】
次に、管理サーバ60について、図1を用いて説明する。
管理サーバ60は、読取装置30による読取結果等の情報を各制御コントローラ21から受信して管理することで利用者に関する入退管理を統括的に行うコンピュータとして構成されている。この管理サーバ60は、図1に示すように、管理サーバ60全体を統括的に制御する制御部61、記憶部62、表示部63、操作部64、通信部65などを備えている。
【0036】
記憶部62は、ROM、RAM、不揮発性メモリ等の記憶デバイスにより構成され、この記憶部62には、管理対象となる各入退口11に関する情報や入退口11ごとに通行可能とされる利用者の特定情報等が記録されたデータベースが構築されている。表示部63は、液晶モニタ等によって構成され、管理サーバ60の動作状態などを表示可能に構成されている。操作部64は、キーボードやマウス等により構成され、例えば、ユーザ(システムの管理者など)が当該操作部64を操作することにより、データベースの更新用の情報等を管理サーバ60に入力し得るように構成されている。通信部65は、制御コントローラ21等の外部装置と通信を行うための通信インタフェースとして構成され、制御部61からの指令に応じて、記憶部62に記憶されるデータ等について各制御コントローラ21等と通信するように機能する。
【0037】
このように構成される管理サーバ60では、記憶部62のデータベースに記録される情報を解析等することで、各制御コントローラ21が設けられるそれぞれの入退口11に関する入退履歴等を把握することができる。また、管理サーバ60は、管理対象の変更や追加等の場合に、各制御コントローラ21対してそれぞれ同じ内容の情報を送信することで、それぞれのデータベースの内容が同じになるように制御可能となっている。
【0038】
次に、入退管理装置20において、読取装置30にて行われる読取処理と制御コントローラ21にて行われる入退管理処理とについて詳述する。
本実施形態では、各入退管理装置20ごとに、ICカード70を読取面31に翳すことで電気鍵12を解錠可能な通常の開閉モード(以下、単に、通常モードともいう)に加えて、一般のICカード70では電気鍵12を解錠できない警戒モードが用意されている。そして、入退管理装置20は、管理サーバ60からの指示だけでなく、ICカード70の読取成功後に、読取口31aを介して撮像されるICカード70の情報コードCの撮像状態に基づいて、各モードの切り替えを行う。すなわち、操作部等の操作を利用することなく、読取口31aへの情報コードCの翳し方によって、入退管理装置20に対してモードの切り替えを指示することができる。
【0039】
具体的には、本実施形態では、ICカード70の読取成功後(図4(A)参照)から所定時間経過するまでに、連続して撮像される情報コードCが読取面31に対して所定の角度θth以上で回転している状態である場合に(図4(B)参照)、警戒モードへの移行を指示する特定撮像状態であるとされる。特に、本実施形態では、情報コードCは、3つのFPパターンを有するQRコードとして構成されており、情報コードCの回転角度θは、図4(B)に示すように、3つのFPパターンを基準に設定される直線LcがICカード70の読取成功直後の直線Lcoから変化する角度に応じて計測される。なお、QRコードと異なるコード種別で情報コードCが構成される場合には、情報コードCの回転角度θは、例えば、各セルの配列方向が変化する角度に応じて計測されてもよい。また、上記所定の角度θthは、通常の翳し方では撮像されないような角度、例えば、90°に設定されている。
【0040】
以下、情報コードCの翳し方に応じた指示を受け付けるためになされる読取装置30での読取処理と制御コントローラ21での入退管理処理とについて説明する。
まず、読取装置30にて行われる読取処理について、図5に示すフローチャートを参照して詳述する。
【0041】
読取装置30にて読取処理が開始されると、図5のステップS101に示す特定情報読取処理がなされ、非接触読取部40を利用したICカード70の読み取りが可能な状態になる。次に、ステップS103に示す判定処理にてICカード70が読み取られているか否かについて判定され、ICカード70の特定情報が読み取られるまでNoと判定されて、上記ステップS101からの処理が繰り返される。
【0042】
そして、入退口11を通行する利用者がICカード70を読取面31に翳すことでICカード70に記録される特定情報が読み取られると(S103でYes)、ステップS105に示す特定情報等送信処理にて、ICカード70から読み取った特定情報やその読取時刻等に関する情報が制御コントローラ21に対して送信される。続いて、読取面31に翳されたICカード70の情報コードCを読取口31aを介して撮像するための処理がなされ(S107)、撮像した情報コードCをデコードするための処理がなされる(S109)。
【0043】
次に、ステップS111の判定処理にて、上記デコード処理が成功するか否かについて判定される。ここで、読取面31に翳されたICカード70の情報コードCが読取口31aを介して適切に撮像されているため、情報コードCのデコード処理が成功すると(S111でYes)、ステップS113に示す解析処理がなされる。
【0044】
以下、ステップS113に示す解析処理のサブルーチンについて、図6に示すフローチャートを参照して詳述する。なお、上記解析処理を行う制御部32は、「解析部」の一例に相当し得る。
【0045】
このサブルーチンでは、まず、図6のステップS201の報知処理がなされ、制御部32により制御されて、発光部34が所定の点滅状態となる。この発光部34での所定の点滅状態は、入退管理装置20がモードの切り替えを受け付けていることを示すものであり、この所定の点滅状態の意味を予め知得している警備員等は、モード切り替え可能な状態であることを容易に把握することができる。なお、上記報知処理では、スピーカ36等の他の報知手段を利用して、入退管理装置20がモードの切り替えを受け付けていることを報知してもよい。
【0046】
そして、ステップS203に示す撮像処理がなされ、読取面31に翳されたICカード70の情報コードCを読取口31aを介して撮像する状態が継続される。その後、ステップS205に示す回転角度計測処理がなされ、上記ステップS203にて撮像された情報コードCの変化状態が解析されて、上記ステップS107にて撮像された情報コードCを基準にその情報コードCの回転角度θが計測される。
【0047】
続いて、計測された回転角度θが所定の角度θth未満であれば(S207でNo)、デコード成功から所定時間(例えば、1〜2秒程度)を経過するまでステップS209の判定処理にてNoと判定されて、ステップS211の判定処理にて、他のICカード70が読み取られているか否かについて判定される。ここで、他のICカード70が読み取られていない場合には(S211にてNo)、上記ステップS201からの処理が繰り返され、発光部34による所定の点滅状態が維持される。
【0048】
上記繰り返し処理中に、警備員等が警戒モードへの移行を指示するため、上記特定撮像状態となるようにICカード70を読取面31に対して回転させることで、計測された回転角度θが所定の角度θth以上になると(S207にてYes)、本サブルーチンが終了する。その後、図5のステップS115に示す解析結果送信処理にて、所定の角度θth以上となる回転角度θが、解析結果として制御コントローラ21に対して送信される。そして、所定の終了指示がなされるまで(S117でNo)、上記ステップS101からの処理がなされる。
【0049】
一方、入退口11を通行したい利用者が読取面31に翳したICカード70をその読取面31から単に離しているだけであり、計測された回転角度θが所定の角度θth未満である状態が維持されたままデコード成功から所定時間を経過すると(S209にてYes)、本サブルーチンが終了し、ステップS115に示す解析結果送信処理にて、所定の角度θth未満となる回転角度θが、解析結果として制御コントローラ21に対して送信される。また、情報コードCのデコードに失敗すると(S111でNo)、ステップS115に示す解析結果送信処理にて、デコードに失敗したことを示す解析結果が制御コントローラ21に対して送信される。
【0050】
また、上記繰り返し処理中に、次の利用者がICカード70を読取面31に翳したことから、特定情報が異なる他のICカード70が読み取られると(S211でYes)、解析結果を送信することなく、上記ステップS105からの処理がなされる。
【0051】
次に、制御コントローラ21にて行われる入退管理処理について、図7に示すフローチャートを参照して詳述する。
制御コントローラ21にて入退管理処理が開始されると、図7のステップS301に示す判定処理にて、上述した特定情報等を読取装置30から受信しているか否かについて判定され、特定情報等を受信するまでNoとの判定が繰り返される。そして、読取装置30から特定情報等を受信すると(S301でYes)、ステップS303に示す認証処理がなされ、受信した特定情報を記憶部23に予め記憶される認証用のデータと照合して、認証するための処理がなされる。
【0052】
そして、正規のICカード70が読取面31に翳されているために認証が成功すると(S305でYes)、ステップS307に示す扉解錠処理がなされて、解錠信号が電気鍵12に送信される。これにより、扉11aが解錠状態となり、ICカード70を読取面31に翳した利用者が入退口11を通過可能な状態となる。一方、認証が失敗すると(S305でNo)、解錠信号が送信されることなく施錠信号が送信される状態が維持されて上記ステップS301からの処理がなされる。なお、認証結果は、特定情報等とともに、認証処理ごとに管理サーバ60に送信されてもよいし、所定のタイミングでまとめて管理サーバ60に送信されてもよい。
【0053】
上述のように解錠信号が送信されると、ステップS309に示す判定処理にて、上述した解析結果を読取装置30から受信しているか否かについて判定される。ここで、読取装置30から解析結果を受信していなければ(S309でNo)、ステップS311に示す判定処理にて、読取装置30から特定情報等を受信しているか否かについて判定され、特定情報等を受信していなければ、Noと判定されて、上記ステップS309からの処理がなされる。
【0054】
そして、上記ステップS309,S311にてNoとの繰り返し判定中に、次の利用者がICカード70を読取面31に翳したことから、上述のようにステップS211にてYesと判定されて読取装置30から特定情報等が受信されると(S311でYes)、上記ステップS303からの処理がなされる。
【0055】
一方、上記繰り返し判定中に、読取装置30から解析結果を受信すると(S309でYes)、ステップS313に示す判定処理にて、解析結果が特定撮像状態に相当するものであるか否かについて判定される。
【0056】
ここで、解析結果として受信した情報コードCの回転角度θが所定の角度θth以上であれば、解析結果が特定撮像状態に相当するものであるとして(S313でYes)、ステップS315に示す警戒モード移行処理がなされる。これにより、入退管理装置20は、一般のICカード70では電気鍵12を解錠できない警戒モードとなり、本入退管理処理が終了する。
【0057】
一方、解析結果として受信した情報コードCの回転角度θが所定の角度θth未満であるか、デコードに失敗していると、解析結果が特定撮像状態に相当するものでないとして(S313でNo)、上記警戒モード移行処理を行うことなく通常モードが維持され、所定の終了指示がなされるまで(S317でNo)、上記ステップS301からの処理がなされる。
【0058】
なお、情報コードCの撮像状態に応じて入退管理装置20にて実施される制御は、通常モードから警戒モードへの切り替えに限ることなく、警戒モードの解除や、扉11aが解錠状態に維持される連続解錠モードやその連続解錠モードの解除、照明部51による照度を暗く調整するか消灯する照明暗転モードなどへの切り替えを含めた扉11aの施解錠とは異なる所定の制御であってもよい。
【0059】
以上説明したように、本実施形態に係る入退管理装置20及び入退管理システム10では、読取装置30によるICカード70の特定情報の読み取り後に当該ICカード70に表示される情報コードCが撮像され、この情報コードCの撮像状態が解析された解析結果に基づいて、制御コントローラ21により通常モードから警戒モードへの切り替え等の所定の制御が実施される。
【0060】
これにより、読取装置30による特定情報の読み取りに応じて電気鍵12の施解錠を実施できるだけでなく、情報コードCの撮像状態に応じて所定の制御を実施することができる。すなわち、読取装置30により撮像される情報コードCを利用して入退管理装置20に対して所定の制御の実施を指示することができる。特に、その目的上、画像認識しやすい情報コードCを解析するので、読取装置30による解析精度を高めることができる。したがって、操作部等を設けることなく所定の制御の実施を指示可能な入退管理装置20及び入退管理システム10を実現することができる。
【0061】
特に、上記所定の制御を実施させる際の読取装置30による解析結果は、連続して撮像される情報コードCが所定の角度θth以上で回転している状態である。このため、読取装置30による特定情報の読み取り後に、情報コードCを上記所定の角度θth以上で回転させることで、上記所定の制御の実施を入退管理装置20に対して指示することができる。
【0062】
なお、本実施形態の第1変形例として、上述した警戒モードへの切り替え等の所定の制御を実施させる際の解析結果は、読取装置30により連続して撮像される情報コードCが所定の拡大率以上で拡大している状態であってもよい。すなわち、情報コードC(ICカード70)を、上記ステップS107にて図8(A)に示すように撮像された位置から上記所定時間内に読取口31a(撮像部)に近づけることで、図8(B)に示すように撮像画像Pに占める情報コードCの範囲が広くなることを利用して指示を行う。このように、読取装置30によるICカード70の特定情報の読み取り後に、撮像画像Pに占める情報コードCの拡大率Mが上記所定の拡大率Mth以上となるように情報コードCを読取口31aに近づけることでも、上記所定の制御の実施を入退管理装置20に対して指示することができる。なお、情報コードCの拡大率Mは、例えば、図8(B)に示すように、上記ステップS107にて撮像された情報コードCの対角の長さをDoとするとき、上記ステップS203にて撮像された情報コードCの対角の長さDとの比により算出することができる。
【0063】
また、本実施形態の第2変形例として、上述した警戒モードへの切り替え等の所定の制御を実施させる際の解析結果は、読取装置30により情報コードCが撮像される状態と読取装置30により情報コードCが撮像されない状態とが所定回数繰り返される際に全ての情報コードCが同じ情報コードである状態であってもよい。すなわち、同じICカード70の情報コードCを読取口31aに近づける動作と読取口31aから遠ざける動作とを上記所定時間内に上記所定回数繰り返す繰り返し動作を利用して指示を行う。このように、同じ情報コードCを読取装置30に撮像させるようにICカード70をかざす動作を繰り返すことでも、上記所定の制御の実施を入退管理装置20に対して指示することができる。
【0064】
また、本実施形態の第3変形例として、上述した警戒モードへの切り替え等の所定の制御を実施させる際の解析結果は、読取装置30により連続して撮像される情報コードCが所定時間移動していないとみなされる状態であってもよい。すなわち、情報コードC(ICカード70)を、上記ステップS107にて撮像された位置から上記所定時間内にて動かさないように保持する動作を利用して指示を行う。このように、読取装置30による特定情報の読み取り後に、情報コードCを上記所定時間移動させないことでも、上記所定の制御の実施を入退管理装置20に対して指示することができる。
【0065】
また、本実施形態の第4変形例として、上述した警戒モードへの切り替え等の所定の制御を実施させる際の解析結果は、読取装置30より連続して撮像される情報コードCが所定の軌跡で移動している状態であってもよい。すなわち、情報コードC(ICカード70)を、上記ステップS107にて撮像された位置から図9に示すように読取口31aを基準に上記所定時間内にて所定の軌跡(図9の符号S参照)を描くように移動させる動作を利用して指示を行う。このように、読取装置30による特定情報の読み取り後に、情報コードCを上記所定の軌跡となるように移動させることでも、上記所定の制御の実施を入退管理装置20に対して指示することができる。
【0066】
また、上述した各変形例での動作の組み合わせや他の動作との組み合わせを利用して入退管理装置20に対する指示を行ってもよい。
【0067】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る入退管理装置及び入退管理システムについて、図面を参照して説明する。
本第2実施形態では、情報コードCの撮像状態が解析された解析結果に応じて指示可能な所定の制御が複数パターン用意される点が主に上記第1実施形態と異なる。このため、第1実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0068】
本実施形態では、情報コードCの撮像状態が解析された解析結果に応じて指示可能な所定の制御として、通常モードと別に、上述した連続解錠モード及び照明暗転モードの2つのモードが用意されている。具体的には、読取装置30により連続して撮像される情報コードCが上記所定の拡大率Mth以上で拡大した後、その情報コードCが上記所定の軌跡で移動している撮像状態であるとの解析結果に基づいて照明暗転モードに切り替えられ、その情報コードCが上記所定の軌跡で移動していない撮像状態であるとの解析結果に基づいて連続解錠モードに切り替えられる。
【0069】
以下、本実施形態において、情報コードCの翳し方に応じた指示を受け付けるためになされる読取装置30での読取処理と制御コントローラ21での入退管理処理とについて説明する。
まず、読取装置30にて行われる読取処理について、図5及び図10に示すフローチャートを参照して詳述する。
【0070】
上記第1実施形態と同様に読取装置30にて読取処理が開始され、特定情報が読み取られたICカード70に表示される情報コードCのデコードに成功すると(図5のS111でYes)、ステップS113に示す解析処理がなされる。本実施形態における解析処理のサブルーチンでは、まず、上記第1実施形態と同様に報知処理がなされ(図10のS201)、読取面31に翳されたICカード70の情報コードCを読取口31aを介して撮像する状態が継続される(S203)。
【0071】
その後、ステップS205aに示す拡大率計測処理がなされる。この処理では、上記第1実施形態の第1変形例のように、上記ステップS203にて撮像された情報コードCの変化状態が解析されて、上記ステップS107にて撮像された情報コードCを基準にその情報コードCの拡大率Mが計測される。
【0072】
続いて、計測された拡大率Mが所定の拡大率Mth未満であれば(S207aでNo)、デコード成功から所定時間を経過するまでステップS209の判定処理にてNoと判定されて、ステップS211の判定処理にて、他のICカード70が読み取られているか否かについて判定される。ここで、他のICカード70が読み取られていない場合には(S211にてNo)、上記ステップS201からの処理が繰り返され、発光部34による所定の点滅状態が維持される。
【0073】
上記繰り返し処理中に、連続解錠モード又は照明暗転モードへの移行を指示するため、上記特定撮像状態となるように情報コードCを読取口31aに近づけることで、計測された拡大率Mが所定の拡大率Mth以上になると(S207aにてYes)、ステップS213に示す報知処理がなされる。この処理では、発光部34が他の所定の点滅状態となり、拡大率Mが所定の拡大率Mth以上である特定撮像状態となったことが報知される。
【0074】
続いて、ステップS215に示す軌跡計測処理がなされる。この処理では、上記第1実施形態の第4変形例のように、連続して撮像される撮像画像Pに占める情報コードCの位置から読取口31aを基準とする情報コードCの移動軌跡が計測される。ここで、照明暗転モードへの移行を指示するため上記ステップS213の報知処理による報知後に情報コードCを上記所定の軌跡に応じて読取口31aに対して移動させている場合には、情報コードCが上記所定の軌跡で移動している撮像状態が解析される。一方、連続解錠モードへの移行を指示するため上記ステップS213の報知処理による報知後に情報コードCを上記所定の軌跡と異なるように移動させている場合には、情報コードCが上記所定の軌跡と異なるように移動している撮像状態が解析される。
【0075】
上述のように情報コードCの移動軌跡が計測されて、本サブルーチンが終了した後、図5のステップS115に示す解析結果送信処理にて、所定の拡大率Mth以上となる拡大率Mと情報コードCの移動軌跡とが、解析結果として制御コントローラ21に対して送信される。一方、計測された拡大率Mが所定の拡大率Mth未満である状態が維持されたままデコード成功から所定時間を経過すると(S209にてYes)、本サブルーチンが終了し、ステップS115に示す解析結果送信処理にて、所定の拡大率Mth未満となる拡大率Mが、解析結果として制御コントローラ21に対して送信される。
【0076】
次に、本実施形態において制御コントローラ21にて行われる入退管理処理について、図11に示すフローチャートを参照して詳述する。
上記第1実施形態と同様に制御コントローラ21にて入退管理処理が開始され、認証が成功した後(図11のS305でYes)、読取装置30から解析結果を受信すると(S309でYes)、ステップS319に示す判定処理にて、解析結果として受信した情報コードCの拡大率Mが所定の拡大率Mth以上となる撮像状態(第1特定撮像状態)に相当するものであるか否かについて判定される。
【0077】
ここで、解析結果として受信した情報コードCの拡大率Mが所定の拡大率Mth未満であるか、デコードに失敗していると、上記ステップS319にてNoと判定される。この場合には、解析結果が特定撮像状態に相当するものでないとして、モード切り替えがなされることなく通常モードが維持され、所定の終了指示がなされるまで(S317でNo)、上記ステップS301からの処理がなされる。
【0078】
一方、解析結果として受信した情報コードCの拡大率Mが所定の拡大率Mth以上であれば(S319でYes)、ステップS321に示す判定処理にて、解析結果として受信した情報コードCの軌跡が上記所定の軌跡相当であるか否かについて判定される。ここで、解析結果として受信した情報コードCの軌跡が上記所定の軌跡相当でなければ(S321でNo)、連続解錠モードへの移行を指示する撮像状態(第2特定撮像状態)であるとして、ステップS323に示す連続解錠モード移行処理がなされる。これにより、入退管理装置20は、扉11aを解錠状態に維持する連続解錠モードに切り替わる。
【0079】
一方、解析結果として受信した情報コードCの軌跡が上記所定の軌跡相当であれば(S321でYes)、照明暗転モードへの移行を指示する撮像状態(第3特定撮像状態)であるとして、ステップS325に示す照明暗転モード移行処理がなされる。これにより、入退管理装置20は、照明部51による照度を暗く調整するか消灯する照明暗転モードに切り替わる。
【0080】
以上説明したように、本実施形態に係る入退管理装置20及び入退管理システム10では、制御コントローラ21により実施可能な所定の制御が通常モードの他に連続解錠モード及び照明暗転モードの2パターン用意され、これら両パターンの所定の制御ごとに、実施させる際の解析部による解析結果が異なる。これにより、所望のパターンの所定の制御を実施する場合にはそのパターンの所定の制御に対応する情報コードCの撮像状態にすればよいので、複数パターンの所定の制御を実施可能であって所望のパターンの所定の制御の実施を容易に選択することができる。
【0081】
なお、制御コントローラ21により実施可能な所定の制御には、例えば、上述した警戒モード等が含まれることで3つ以上のパターンが含まれてもよいし、他の複数の制御パターンが含まれてもよく、切り替えたモードを解除して通常モードに戻す制御も含まれてもよい。この場合には、用意される所定の制御ごとに、指示する際の解析結果が異なるように設定される。
【0082】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る入退管理装置及び入退管理システムについて、図面を参照して説明する。
本第3実施形態では、情報コードCに記録される特定情報を用いて認証を行う点が主に上記第1実施形態と異なる。このため、第1実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0083】
本実施形態では、読取装置30は、ICカード70に磁気的に記録される特定情報の読み取りに代えて、所定の記録媒体に表示される情報コードCに記録される特定情報を読み取るように構成されている。このため、上記読取処理におけるステップS101の特定情報処理では、撮像された情報コードCを光学的に読み取るための処理がなされ、デコードに成功した特定情報等が制御コントローラ21に送信される(S105)。
【0084】
このように、本実施形態に係る入退管理装置20及び入退管理システム10では、電気鍵12の施解錠を実施するための情報コードCと所定の制御を実施するための情報コードCとを共用でき、記録媒体を簡素に構成することができる。
【0085】
なお、情報コードCに記録される特定情報を用いて認証を行う本実施形態の特徴的構成は、他の実施形態等にも適用することができる。
【0086】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る入退管理装置及び入退管理システムについて、図面を参照して説明する。
本第4実施形態では、指示された所定の制御を実施する前に、当該所定の制御の実施に関する情報を報知する点が主に上記第1実施形態と異なる。このため、第1実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0087】
本実施形態では、認証時の情報コードCの撮像状態が偶然に特定撮像状態になったことから、利用者が意図しない所定の制御がなされてしまうことを防止するため、所定の制御を実施する前に、当該所定の制御の実施に関する情報を報知する。
【0088】
具体的には、図12のフローチャートに示すように、計測された回転角度θが所定の角度θth以上になり(図12のS207にてYes)、特定撮像状態であると判定されると、ステップS217に示す報知処理がなされる。この処理では、当該所定の制御の実施に関する情報として、警戒モードへの移行が指示されたことが発光部34による所定の点灯状態やスピーカ36による放音等を利用して報知される。なお、発光部34やスピーカ36等は、「報知部」の一例に相当し得る。
【0089】
続いて、ステップS219に示す判定処理にて、上記報知後に情報コードが撮像されなくなった撮像状態から次の情報コードが撮像された場合に同じ情報コードCが撮像されているか否かについて判定される。ここで、偶然に特定撮像状態になったことから、所定時間次の情報コードが撮像されないか、次に撮像された情報コードが先に撮像した情報コードCと異なる場合には(S219でNo)、予め決められた所定の角度θth未満となる回転角度θaが、制御コントローラ21に送信すべき解析結果として設定される(S221)。
【0090】
一方、上記報知を受けた利用者が再び情報コードCを読取口31aに翳すことで、次に撮像された情報コードが先に撮像した情報コードCと一致すると(S219でYes)、利用者による所定の制御の実施の指示であるとして、予め決められた所定の角度θth以上となる回転角度θbが、制御コントローラ21に送信すべき解析結果として設定される(S223)。
【0091】
以上説明したように、本実施形態に係る入退管理装置20及び入退管理システム10では、制御コントローラ21により所定の制御を実施する前に、当該所定の制御の実施に関する情報を報知する発光部34等の報知部が読取装置30に設けられる。このため、この報知部による報知を受けた利用者は、所定の制御の実施が指示されたことを容易に知得することができる。
【0092】
特に、上記報知部による報知がなされた後、次に読取装置30により撮像された情報コードが前回撮像された情報コードCに一致する場合に、制御コントローラ21により所定の制御が実施される。これにより、解析結果が仮に上記所定の制御を実施する際の情報コードの撮像状態になったとしても、報知部による報知を受けた利用者が再び同じ情報コードCを読取装置30に撮像させない限り指示された所定の制御が実施されることもないので、誤って所定の制御が実施されることを抑制することができる。
【0093】
なお、指示された所定の制御を実施する前に当該所定の制御の実施に関する情報を報知する等の本実施形態の特徴的構成は、他の実施形態等にも適用することができる。
【0094】
なお、本発明は上記各実施形態及び変形例に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)読取装置30にてなされる読取処理では、情報コードCのデコード処理が成功した場合にステップS113に示す解析処理がなされることに限らず、情報コードCが撮像されていることが確認された場合、例えば、情報コードCを構成する3つのFPパターン等の特徴パターンが撮像画像から抽出された場合にステップS113に示す解析処理がなされてもよい。
【0095】
(2)入退管理装置20は、上述したように制御コントローラ21と読取装置30とが別体として構成されることに限らず、制御コントローラ21としての機能と読取装置30としての機能とを1つの筐体内に兼備させた装置として構成されてもよい。この構成では、1つの制御部にて、上述した読取処理と入退管理処理とを1つの処理として実施することができる。
【0096】
(3)読取口31aは、読取面31の中央にて略矩形状に形成されることに限らず、読取面31に翳されるICカード70に表示される情報コードCを撮像可能な形状であれば、例えば、読取面31の所定の位置にてピンホール状に形成されてもよい。
【0097】
(4)上述した解析処理において、所定の制御を実施させる際の解析結果は、上記ステップS109でのデコード結果に応じて変更するようにしてもよい。すなわち、情報コードCに記録される情報に応じて、入退管理装置20に対して所定の制御の実施を指示する際に必要な動作を変更することができ、第三者が不正に所定の制御の実施を指示することを抑制することができる。
【符号の説明】
【0098】
10…入退管理システム
11…入退口
11a…扉
12…電気鍵
20…入退管理装置
21…制御コントローラ(制御部)
22…制御部
30…読取装置(読取部)
31…制御部(解析部)
40…非接触読取部
50…情報コード読取部(撮像部)
60…管理サーバ
70…ICカード(記録媒体)
C…情報コード
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