特許第6874598号(P6874598)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6874598情報処理装置、画像形成装置およびトナー残量算出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6874598
(24)【登録日】2021年4月26日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】情報処理装置、画像形成装置およびトナー残量算出方法
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20210510BHJP
   G03G 15/08 20060101ALI20210510BHJP
【FI】
   G03G21/00 370
   G03G15/08 390Z
【請求項の数】10
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-162157(P2017-162157)
(22)【出願日】2017年8月25日
(65)【公開番号】特開2019-40083(P2019-40083A)
(43)【公開日】2019年3月14日
【審査請求日】2019年8月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】小原 生也
【審査官】 市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−095540(JP,A)
【文献】 特開2016−139333(JP,A)
【文献】 特開2017−121753(JP,A)
【文献】 特開2014−092729(JP,A)
【文献】 特開2011−065003(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0069977(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0219167(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0077075(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して複数の画像形成装置に接続する情報処理装置であって、
前記複数の画像形成装置のそれぞれは、
トナーを収容する収容部と、回転駆動することによって前記収容部から前記トナーを排出する排出部材とを有するトナーコンテナと、
前記排出部材を回転駆動させる駆動部と、
前記駆動部の所定の回転数あたりのトナーの減少率を示すトナー減少率を記憶する記憶部と
を有し、
前記情報処理装置は、
前記駆動部の回転数と前記トナーが前記収容部から一定量消費されたことを示す消費情報とを前記複数の画像形成装置から受信する通信部と、
前記回転数と前記消費情報とに基づいて算出トナー減少率を算出し、前記算出トナー減少率に基づいて前記複数の画像形成装置を複数のグループに分割する制御部と
を備え、
前記制御部は、
前記グループごとに前記算出トナー減少率に基づいてグループトナー減少率を算出し、
前記グループごとに前記トナー減少率の値を前記グループトナー減少率の値に更新
更新するグループに含まれる画像形成装置へ、前記グループトナー減少率の値を送信するように前記通信部を制御する、情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記算出トナー減少率が、予め設定された複数の数値範囲のうちのいずれに属するかを判定することにより、前記複数の画像形成装置が前記複数のグループのうちのいずれのグループに属するかを決定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記複数の画像形成装置のそれぞれは、前記画像形成装置が設置された環境を示す環境パラメーターを検出する環境検出部をさらに有し、
前記通信部は、前記環境パラメーターを前記複数の画像形成装置から受信し、
前記制御部は、前記算出トナー減少率と前記環境パラメーターとに基づいて、前記複数の画像形成装置を複数のグループに分割する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記複数のグループは、
複数の第1のグループと、
前記第1のグループの各々に含まれる複数の第2のグループと
を含み、
前記制御部は、前記複数の画像形成装置が前記第1のグループのいずれのグループに属するかを前記算出トナー減少率に基づいて決定し、決定した前記第1のグループに含まれる前記第2のグループのいずれのグループに属するかを前記環境パラメーターに基づいて決定する、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記環境パラメーターは、温度、湿度および気圧の少なくとも1つを含む、請求項3または請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記グループごとに、前記グループトナー減少率として前記算出トナー減少率の平均値を算出し、前記トナー減少率の値を前記平均値に更新する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記複数の画像形成装置のそれぞれは、
前記トナーコンテナが装着される装着部を有する筐体と、
前記装着部に装着された前記トナーコンテナが第1トナーコンテナであるか前記第1トナーコンテナと異なる第2トナーコンテナであるかを判定する制御部と
をさらに有し、
前記装着部に前記第2トナーコンテナが装着されていると前記画像形成装置の前記制御部が判定した場合、前記情報処理装置の前記制御部は、前記装着部に前記第2トナーコンテナが装着されていると判定された前記画像形成装置のグループを、管理対象外グループに決定する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記算出トナー減少率が所定の範囲外である前記画像形成装置のグループを、管理対象外グループに決定する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
ネットワークを介して複数の他の画像形成装置に接続する画像形成装置であって、
当該画像形成装置および前記複数の他の画像形成装置のそれぞれは、
トナーを収容する収容部と、回転駆動することによって前記収容部から前記トナーを排出する排出部材とを有するトナーコンテナと、
前記排出部材を回転駆動させる駆動部と、
前記駆動部の所定の回転数あたりのトナーの減少率を示すトナー減少率を記憶する記憶部と
を備え、
当該画像形成装置は、
前記駆動部の回転数と前記トナーが前記収容部から一定量消費されたことを示す消費情報とに基づいて、当該画像形成装置の算出トナー減少率を算出する制御部と、
前記駆動部の回転数と前記消費情報とを前記複数の他の画像形成装置から受信する通信部と
をさらに備え、
前記制御部は、
前記回転数と前記消費情報とに基づいて前記複数の他の画像形成装置の各々の算出トナー減少率を算出し、当該画像形成装置および前記複数の他の画像形成装置の各々の前記算出トナー減少率に基づいて当該画像形成装置および前記複数の他の画像形成装置を複数のグループに分割し、
前記グループごとに前記算出トナー減少率に基づいてグループトナー減少率を算出し、
前記グループごとに前記トナー減少率の値を前記グループトナー減少率の値に更新
更新するグループに含まれる画像形成装置へ、前記グループトナー減少率の値を送信するように前記通信部を制御する、画像形成装置。
【請求項10】
複数の画像形成装置の各々が備えるトナーコンテナが収容するトナーの残量を算出するトナー残量算出方法であって、
前記複数の画像形成装置のそれぞれは、
前記トナーを収容する収容部と、回転駆動することによって前記収容部から前記トナーを排出する排出部材とを有するトナーコンテナと、
前記排出部材を回転駆動させる駆動部と、
前記駆動部の所定の回転数あたりのトナーの減少率を示すトナー減少率を記憶する記憶部と
を有し、
前記トナー残量算出方法は、
前記画像形成装置ごとに、前記トナーが前記収容部から一定量消費されたことを検知することと、
前記画像形成装置ごとに、前記駆動部の回転数と、前記トナーが前記収容部から一定量消費されたことを示す消費情報とに基づいて算出トナー減少率を算出することと、
前記算出トナー減少率に基づいて前記複数の画像形成装置を複数のグループに分割することと、
前記グループごとに前記算出トナー減少率に基づいてグループトナー減少率を算出することと、
前記グループごとに前記トナー減少率の値を前記グループトナー減少率の値に更新することと、
更新するグループに含まれる画像形成装置へ、前記グループトナー減少率の値を送信することと、
前記画像形成装置ごとに、前記トナー減少率に基づいて前記トナーの残量を算出することと
を包含する、トナー残量算出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、画像形成装置およびトナー残量算出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、現像装置から、静電潜像の形成された感光体ドラム上にトナーが付与されることによって、現像が行われる。画像形成装置の本体にはトナーコンテナが着脱可能に装着されている。モーターがトナーコンテナ内の搬送部材を回転駆動することによって、トナーコンテナから現像装置にトナーが供給される(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載の画像形成装置は、被転写体に印字されるドット数に基づいて、トナーコンテナのトナーの残量を算出している。詳しくは、予め指定された、1ドットの印字で消費されるトナーの量をドット数に乗算することで、トナーの消費量を計算している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−98791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、トナーコンテナのトナーの残量を精度よく算出することについて、まだ改善の余地がある。1ドット当たりにトナーコンテナから排出されるトナーの量は、画像形成装置が設置される環境によって異なる。画像形成装置が設置される環境(温度、湿度および気圧)によってトナーコンテナの内部の状態およびトナー自体の性質(例えば、粘り気)が異なるためである。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は精度よくトナー残量を算出することができる情報処理装置、画像形成装置およびトナー残量算出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る情報処理装置は、ネットワークを介して複数の画像形成装置に接続する。前記複数の画像形成装置のそれぞれは、トナーコンテナと、駆動部と、記憶部とを有する。前記トナーコンテナは、収容部と、排出部材とを有する。前記収容部は、トナーを収容する。前記排出部材は、回転駆動することによって前記収容部から前記トナーを排出する。前記駆動部は、前記排出部材を回転駆動させる。前記記憶部は、トナー減少率を記憶する。前記トナー減少率は、前記駆動部の所定の回転数あたりのトナーの減少率を示す。前記情報処理装置は、通信部と、制御部とを備える。前記通信部は、前記駆動部の回転数と消費情報とを前記複数の画像形成装置から受信する。前記消費情報は、前記トナーが前記収容部から一定量消費されたことを示す。前記制御部は、前記回転数と前記消費情報とに基づいて算出トナー減少率を算出する。前記制御部は、前記算出トナー減少率に基づいて前記複数の画像形成装置を複数のグループに分割する。前記制御部は、前記グループごとに前記算出トナー減少率に基づいてグループトナー減少率を算出する。前記制御部は、前記グループごとに前記トナー減少率の値を前記グループトナー減少率の値に更新する。
【0008】
本発明に係る画像形成装置は、ネットワークを介して複数の他の画像形成装置に接続する。当該画像形成装置および前記複数の他の画像形成装置のそれぞれは、トナーコンテナと、駆動部と、記憶部とを備える。前記トナーコンテナは、収容部と、排出部材とを有する。前記収容部は、トナーを収容する。前記排出部材は、回転駆動することによって前記収容部から前記トナーを排出する。前記駆動部は、前記排出部材を回転駆動させる。前記記憶部は、トナー減少率を記憶する。前記トナー減少率は、前記駆動部の所定の回転数あたりのトナーの減少率を示す。当該画像形成装置は、制御部と、通信部とをさらに備える。前記制御部は、前記駆動部の回転数と前記トナーが前記収容部から一定量消費されたことを示す消費情報とに基づいて、当該画像形成装置の算出トナー減少率を算出する。前記通信部は、前記駆動部の回転数と前記消費情報とを前記複数の他の画像形成装置から受信する。前記制御部は、前記回転数と前記消費情報とに基づいて前記複数の他の画像形成装置の各々の算出トナー減少率を算出する。前記制御部は、当該画像形成装置および前記複数の他の画像形成装置の各々の前記算出トナー減少率に基づいて当該画像形成装置および前記複数の他の画像形成装置を複数のグループに分割する。前記制御部は、前記グループごとに前記算出トナー減少率に基づいてグループトナー減少率を算出する。前記制御部は、前記グループごとに前記トナー減少率の値を前記グループトナー減少率の値に更新する。
【0009】
本発明に係るトナー残量算出方法は、複数の画像形成装置の各々が備えるトナーコンテナが収容するトナーの残量を算出する方法である。前記複数の画像形成装置のそれぞれは、トナーコンテナと、駆動部と、記憶部とを有する。前記トナーコンテナは、収容部と、排出部材とを有する。前記収容部は、前記トナーを収容する。前記排出部材は、回転駆動することによって前記収容部から前記トナーを排出する。前記駆動部は、前記排出部材を回転駆動させる。前記記憶部は、トナー減少率を記憶する。前記トナー減少率は、前記駆動部の所定の回転数あたりのトナーの減少率を示す。前記トナー残量算出方法は、前記画像形成装置ごとに、前記トナーが前記収容部から一定量消費されたことを検知することと、前記画像形成装置ごとに、前記駆動部の回転数と、前記トナーが前記収容部から一定量消費されたことを示す消費情報とに基づいて算出トナー減少率を算出することと、前記算出トナー減少率に基づいて前記複数の画像形成装置を複数のグループに分割することと、前記グループごとに前記算出トナー減少率に基づいてグループトナー減少率を算出することと、前記グループごとに前記トナー減少率の値を前記グループトナー減少率の値に更新することと、前記画像形成装置ごとに、前記トナー減少率に基づいて前記トナーの残量を算出することとを包含する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、精度よくトナー残量を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る画像形成システムのブロック図である。
図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置の断面図である。
図3図2のIII−III線に沿った断面図である。
図4】本発明の実施形態に係る情報処理装置のブロック図である。
図5】算出トナー減少率とグループとの対応を示す図である。
図6】本発明の実施形態に係るトナー残量算出方法を示すフローチャートである。
図7】本発明の実施形態に係る画像形成装置の断面図である。
図8】算出トナー減少率および温度とグループとの対応を示す図である。
図9図2のIII−III線に沿った断面図である。
図10】本発明の実施形態に係るトナー残量算出方法を示すフローチャートである。
図11】本発明の実施形態に係る画像形成システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0013】
図1を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成システム300について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る画像形成システム300のブロック図である。
【0014】
図1に示すように、画像形成システム300は、情報処理装置100と、複数の画像形成装置200と備える。情報処理装置100は、複数の画像形成装置200とネットワークNを介して接続される。
【0015】
情報処理装置100は、複数の画像形成装置200を複数のグループGに分割する。本実施形態では、情報処理装置100は、複数の画像形成装置200を、第1グループG1と、第2グループG2と、第3グループG3とに分割する。第1グループG1は、画像形成装置201a〜201nを含む。第2グループG2は、画像形成装置202a〜202nを含む。第3グループG3は、画像形成装置203a〜203nを含む。情報処理装置100が行う画像形成装置200のグループGの分割の方法については図5を参照して後述する。
【0016】
図2を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成装置200について説明する。図2は、本発明の実施形態に係る画像形成装置200の断面図である。
【0017】
図2に示すように、画像形成装置200は、筐体3と、給紙カセット5と、複数のトナーコンテナ7と、画像形成部9と、定着部11と、排紙トレイ13と、用紙搬送路15と、通信部10、制御部20と、記憶部30とを備える。本実施形態に係る画像形成装置200は、用紙(シート)Pにトナー像を形成することで用紙Pに画像を形成する装置である。
【0018】
給紙カセット5は、画像形成部9に用紙Pを供給する。給紙カセット5は、例えば筐体3の下部に配置されている。給紙カセット5には、複数枚の用紙Pが積載されて収容されている。
【0019】
複数のトナーコンテナ7は、複数色(例えばシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)に対応しており、複数色のトナーを画像形成部9に供給する。複数のトナーコンテナ7は、例えば筐体3の上部に横一列に配置されている。各トナーコンテナ7はそれぞれ、筐体3の各装着部3aに着脱可能に装着される。
【0020】
画像形成部9は、給紙カセット5から供給された用紙Pに対し、各トナーコンテナ7から供給された各色のトナーを用いて用紙Pに画像を形成する。画像形成部9は、筐体3内において給紙カセット5とトナーコンテナ7との間に配置されている。詳しくは、画像形成部9は、複数の画像形成ユニット91と、中間転写ベルト92と、駆動ローラー93と、従動ローラー94と、二次転写ローラー95とを備えている。
【0021】
複数の画像形成ユニット91は、複数のトナーコンテナ7に対応されて配置されている。各画像形成ユニット91は、対応するトナーコンテナ7からトナーの供給を受け、中間転写ベルト92の表面に、画像情報に基づいて各色のトナー像を形成する。これら各色のトナー像は重ねられている。その結果、中間転写ベルト92の表面にカラーのトナー像が形成される。
【0022】
各画像形成ユニット91は、感光体ドラム91aと、帯電装置91bと、露光装置91cと、現像装置91dと、一次転写ローラー91fと、クリーニング装置91gとを備える。
【0023】
定着部11は、用紙Pに転写されたトナー像を定着させる。定着部11は、加圧ローラー7aと定着ローラー7bとを備える。定着ローラー7bは、用紙Pを加熱する発熱源を有する。加圧ローラー7aと定着ローラー7bとは、互いに圧接される。カラートナー像を転写された用紙Pが加圧ローラー7aと定着ローラー7bとの間の圧接領域(定着ニップ領域)を通過すると、定着ローラー7bによる加熱によってトナー像が用紙Pに定着される。トナー像が定着された用紙Pは、排紙トレイ13に排出される。
【0024】
排紙トレイ13は、例えば筐体3の上面に配置されている。
【0025】
用紙搬送路15は、給紙カセット5から、二次転写ローラー95および定着部11を順に経由して排紙トレイ13に至るように形成されている。給紙カセット5の用紙Pは、用紙搬送路15を通って二次転写ローラー95および定着部11を順に経由して排紙トレイ13に排出される。
【0026】
筐体3は、複数の装着部3aと、トナーコンテナ用カバー(不図示)とを有する。各装着部3aはそれぞれ、複数のトナー色(例えばシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)に対応しており、対応したトナー色のトナーコンテナ7が着脱可能に装着される。トナーコンテナ用カバーは、筐体3に対して開閉可能に配置されている。トナーコンテナ用カバーは、各装着部3aの装着口を開閉する。
【0027】
次に図2および図3を参照して、トナーコンテナ7の構成について説明する。図3は、図2のIII−III線に沿った断面図である。図3に示すように、画像形成装置200は、上記のトナーコンテナ7に加えて、モーター17(駆動部)を備えている。モーター17は、トナーコンテナ7内のトナーを攪拌させるための駆動源である。モーター17の説明は後述する。
【0028】
図3に示すように、トナーコンテナ7は、コンテナ本体71(収容部)と、連結部材72と、攪拌部材73(排出部材)と、梱包材75と、センサー79とを備えている。
【0029】
コンテナ本体71は、トナーを収容している。コンテナ本体71は、筐体3の装着部3aに着脱可能に装着される。コンテナ本体71は、例えば横長の直方体形の箱状である。コンテナ本体71は、トナー排出口71aと、軸受け穴部71bと、軸受け筒部71cとを有する。
【0030】
トナー排出口71aは、コンテナ本体71の底面71dにおける長手方向の一端側に設けられている。軸受け穴部71bは、攪拌部材73の一端部を回転可能に支持する。軸受け穴部71bは、コンテナ本体71における長手方向の一端側の内端面71eに設けられている。軸受け筒部71cは、連結部材72の回転軸部72cを支持する。軸受け筒部71cは、コンテナ本体71における長手方向の他端側の端面72fに突設されている。軸受け筒部71cは、コンテナ本体71における長手方向の一端側の外端面71gに貫通している。
【0031】
連結部材72は、攪拌部材73の一端部側に同心状に一体回転可能に連結されると共に、モーター17の回転軸部17aと着脱可能に連結される。連結部材72は、連結部72aと、回転軸部72cとを有する。
【0032】
連結部72aは、モーター17の回転軸部17aと着脱可能に連結される。連結部72aの一側の端面72fには、回転軸部72cが同心状で一体回転可能に突設されている。連結部72aの他側の端面72eは、モーター17の回転軸部17aと同心状に一体回転可能且つ着脱可能に連結される。回転軸部72cは、コンテナ本体71の外側から軸受け筒部71cに挿通される。この結果、回転軸部72cは、軸受け筒部71cによって回転可能に支持される。また、回転軸部72cの先端部27dは、コンテナ本体71の内部に突出され、攪拌部材73と同心状で一体回転可能に連結される。
【0033】
攪拌部材73は、コンテナ本体71に収容されたトナーを攪拌すると共に、トナーをトナー排出口71aに搬送する。攪拌部材73は、連結部材72と同心状に一体回転可能に連結されると共に、コンテナ本体71内において回転可能に支持される。
【0034】
攪拌部材73は、回転軸部73aと、攪拌フィン73bと、連結部73dとを有する。回転軸部73aの一端部には、連結部73dが同心状に一体回転可能に設けられている。連結部73dの端面73fには、回転軸部72cの先端部72dが同心状に一体回転可能に連結されている。これにより、攪拌部材73と連結部材72とは、同心状に一体回転可能に連結されている。攪拌フィン73bは、回転軸部73aの外周において、回転軸部73aの一端部側から他端部側まで等ピッチで螺旋状に設けられている。
【0035】
回転軸部73aの他端部がコンテナ本体71の軸受け穴部71bに回転可能に嵌合されると共に、連結部73dが連結部材72の回転軸部72cと同心状に一体回転可能に連結される。この結果、攪拌部材73は、コンテナ本体71において回転可能に支持される。
【0036】
トナーコンテナ7では、モーター17によって連結部材72が回転されると、その回転に伴って攪拌部材73が回転される。この回転する攪拌部材73によって、コンテナ本体71に収容されたトナーが攪拌されると共に、トナーがトナー排出口71aに搬送される。搬送されたトナーは、トナー排出口71aから排出される。そして、排出されたトナーは、対応する画像形成ユニット91に供給される。
【0037】
梱包材75は、コンテナ本体71を梱包する。トナーコンテナ7が画像形成装置200の装着部3aに装着されるときは、梱包材75からコンテナ本体71が取り出され、コンテナ本体71が装着部3aに装着される。
【0038】
上述のように、画像形成装置200は、モーター17を備えている。モーター17は、筐体3に配置され、トナーコンテナ7の攪拌部材73を回転駆動させる。モーター17は、各トナーコンテナ7に設けられている。
【0039】
モーター17は、回転軸部17aと、被連結部17bとを有する。回転軸部17aは、モーター17の回転力を出力する。被連結部17bは、被連結部17bの一側の端面17cには、回転軸部17aの先端部が同心状に一体回転可能に連結されている。被連結部17bの他側の端面17dには、トナーコンテナ7の連結部72aの端面72eが同心状に一体回転可能且つ着脱可能に連結される。
【0040】
なお、本実施形態では、モーター17の回転軸部17aに被連結部17bが直に連結されるが、回転軸部17aと被連結部17bとの間に減速ギヤを介在させてもよい。
【0041】
トナーコンテナ7が筐体3の装着部3aに着脱可能に装着された状態では、トナーコンテナ7の連結部材72と、モーター17の被連結部17bとが同心状に一体回転可能且つ着脱可能に連結される。この結果、モーター17の回転軸部17aから出力される回転力は、被連結部17bおよび連結部材72を介して攪拌部材73に入力される。
【0042】
センサー79は、コンテナ本体71に収容されているトナーが一定の残量になったことを検出する。詳しくは、コンテナ本体71に収容されているトナーが満杯の状態を100%とした場合、トナーの残量が5%になったことを検出する。センサー79には、例えば、コンテナ本体内に堆積されたトナーの高さを検出する光センサーなどを用いることができる。
【0043】
再び、図2を参照する。
【0044】
通信部10は、ネットワークNを介して情報処理装置100と通信する。通信部10は、モーター17の累積回転数と消費情報とを情報処理装置100へ送信する。消費情報は、トナーが収容部から一定量消費されたことを示す情報である。通信部10は、トナーが収容部から一定量(例えば、95%)消費される度に、モーター17の累積回転数と消費情報とを情報処理装置100へ送信する。
【0045】
制御部20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。制御部20は、記憶部30に予め記憶された制御プログラムを実行することにより、画像形成装置200の各部の動作を制御する。
【0046】
記憶部30は、例えば、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)である。記憶部30は、例えば、プログラムおよび設定情報を記憶する。また、記憶部30は、累積回転数と、トナー減少率Rmとを記憶する。
【0047】
累積回転数は、トナーコンテナ7が交換されてからのモーター17の累積の回転数を示す。累積回転数は、例えば、モーター17を駆動する駆動パルスの数をカウントすることによって検出される。または、累積回転数は、モーター17の回転を検知する回転検知センサーによって検出されてもよい。累積回転数は、トナーコンテナ7が交換されることによってリセットされる。
【0048】
トナー減少率Rmは、モーター17の所定の回転数あたりのトナーの減少率を示す。例えば、トナー減少率Rmは、トナーコンテナ7が満杯の状態を100%とした場合に、モーター17の1回転あたりにトナーが何%減少するかを示す。トナー減少率Rmは、情報処理装置100によって更新される。なお、トナー減少率Rmは、画像形成装置200の工場出荷時には、初期値が設定されている。
【0049】
複数の画像形成装置200は、画像形成装置200ごとに、トナーコンテナ7が収容するトナーの残量を算出する。以下、トナーコンテナ7が収容するトナーの残量を「トナー残量」と記載することがある。詳しくは、制御部20は、例えば、以下の式1によってトナー残量を算出する。
【0050】
トナー残量=累積回転数×トナー減少率 (式1)
【0051】
図1および図4を参照して、本発明の実施形態に係る情報処理装置100について説明する。図4は、本発明の実施形態に係る情報処理装置100のブロック図である。
【0052】
図4に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、制御部120と、記憶部130とを備える。
【0053】
通信部110は、ネットワークNを介して複数の画像形成装置200と通信する。詳しくは、通信部110は、モーター17の累積回転数と消費情報とを画像形成装置200から受信する。
【0054】
制御部120は、例えば、CPUである。制御部120は、記憶部130に予め記憶された制御プログラムを実行することにより、情報処理装置100の各部の動作を制御する。制御部120は、回転数と消費情報とに基づいて算出トナー減少率Rcを算出する。詳しくは、制御部120は、例えば、以下の式2によって算出トナー減少率Rcを算出する。
【0055】
算出トナー減少率Rc=消費情報/累積回転数 (式2)
【0056】
消費情報は、ここでは、95(%)である。
【0057】
制御部120は、算出トナー減少率Rcに基づいて複数の画像形成装置200を複数のグループGに分割する。
【0058】
図5を参照して、情報処理装置100の制御部120が分割するグループGについて説明する。図5は、算出トナー減少率RcとグループGとの対応を示す図である。
【0059】
情報処理装置100の制御部120は、算出トナー減少率Rcが、予め設定された複数の数値範囲のうちのいずれに属するかを判定することにより、複数の画像形成装置200が複数のグループGのうちのいずれのグループGに属するかを決定する。さらに、制御部120は、算出トナー減少率Rcが、所定の範囲外である画像形成装置200のグループを、管理対象外グループに決定する。本実施形態では、2つの閾値THAとTHBと、下限LLと、上限ULとによって、5つの数値範囲に区切られている。また、制御部120は、算出トナー減少率Rcが、下限LL以上、上限UL以下の範囲から外れる画像形成装置200のグループを、管理対象外グループに決定する。詳しくは、図5に示すように、制御部120は、算出トナー減少率Rcが0<Rc<LLとなる画像形成装置200を管理対象外グループに属すると決定する。また、制御部120は、算出トナー減少率RcがLL≦Rc≦THAとなる画像形成装置200を第1グループG1に属すると決定する。また、制御部120は、算出トナー減少率RcがTHA<Rc≦THBとなる画像形成装置200を第2グループG2に属すると決定する。また、制御部120は、算出トナー減少率RcがTHB<Rc≦ULとなる画像形成装置200を第3グループG3に属すると決定する。また、制御部120は、算出トナー減少率RcがUL<Rcとなる画像形成装置200を管理対象外グループに属すると決定する。以下、算出トナー減少率Rcが、LL≦Rc≦ULとなるグループを管理対象グループと記載することがある。本実施形態では、管理対象グループは、第1グループG1と、第2グループG2と、第3グループG3とを含む。
【0060】
再び、図4を参照する。
【0061】
記憶部130は、例えば、ROMおよびRAMである。記憶部130は、算出トナー減少率Rcを記憶する。
【0062】
制御部120は、グループGごとに算出トナー減少率Rcに基づいてグループトナー減少率Rgを算出する。グループトナー減少率Rgは、例えば、グループGに含まれる画像形成装置200の平均値である。すなわち、制御部120は、グループGごとに、グループトナー減少率Rgとして算出トナー減少率Rcの平均値を算出する。なお、制御部120は、管理対象外グループに含まれる画像形成装置200については、グループトナー減少率Rgの算出を行わない。
【0063】
制御部120は、グループGごとにトナー減少率Rmの値をグループトナー減少率Rgの値に更新する。詳しくは、制御部120は、更新するグループGに含まれる画像形成装置200へ、グループトナー減少率Rgの値を送信するように通信部110を制御する。画像形成装置200にグループトナー減少率Rgの値が受信されると、トナー減少率Rmの値がグループトナー減少率Rgの値に更新される。すなわち、グループGに含まれる画像形成装置200のトナー減少率Rmの値が、グループトナー減少率Rgの値に更新される。本実施形態では、グループGに含まれる画像形成装置200のトナー減少率Rmの値が、算出トナー減少率Rcの平均値に更新される。このように、制御部120は、グループGごとにトナー減少率Rmの値をグループトナー減少率Rgの値に更新する。なお、制御部120は、管理対象外グループに含まれる画像形成装置200に対してトナー減少率Rmの値を更新しない。すなわち、管理対象外グループに含まれる画像形成装置200のトナー減少率Rmの値は初期値から変化しない。
【0064】
以上、図1図5を参照して説明したように、情報処理装置100において、制御部120は、グループGごとに算出トナー減少率Rcに基づいてグループトナー減少率Rgを算出する。そして、グループGごとにトナー減少率Rmの値をグループトナー減少率Rgの値に更新する。したがって、実測値に基づいて算出された算出トナー減少率Rcに基づいて、トナー減少率Rmが更新される。その結果、精度よくトナー残量を算出することができる。
【0065】
また、制御部120は、グループGごとに、グループトナー減少率Rgとして算出トナー減少率Rcの平均値を算出し、トナー減少率Rmの値を平均値に更新する。したがって、グループGごとに精度よくトナー減少率Rmを算出することができる。その結果、精度よくトナー残量を算出することができる。
【0066】
なお、情報処理装置100は、管理対象トナーコンテナと管理対象外トナーコンテナとの判別に用いられてもよい。例えば、画像形成装置200の算出トナー減少率Rcが前回取得した算出トナー減少率Rcよりも所定の閾値よりも超える範囲で変化した場合、制御部120は、管理対象外トナーコンテナであると判定する。あるいは、画像形成装置200の算出トナー減少率Rcがグループトナー減少率Rgよりも所定の閾値よりも超える範囲で変化した場合、制御部120は、管理対象外トナーコンテナであると判定する。ここで、管理対象トナーコンテナは、トナーの製造者によって管理されているトナーコンテナであり、管理対象外トナーコンテナは、トナーの製造者によって管理されていないトナーコンテナである。
【0067】
図1図6を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成システム300のトナー残量算出方法について説明する。図6は、本発明の実施形態に係るトナー残量算出方法を示すフローチャートである。図6に示すステップS102〜ステップS116の処理が実行されることによって、複数の画像形成装置200の各々が備えるトナーコンテナ7が収容するトナーの残量が算出される。
【0068】
ステップS102:画像形成装置200ごとに、画像形成装置200のセンサー79が、トナーがトナーコンテナ7のコンテナ本体71(収容部)から一定量消費されたことを検知する。例えば、センサー79が、トナーがトナーコンテナ7のコンテナ本体71から95%消費されたことを検知する。処理は、ステップS104に進む。
【0069】
ステップS104:画像形成装置200ごとに、通信部10がモーター17の累積回転数と、消費情報とを情報処理装置100へ送信する。消費情報は、トナーが収容部から一定量消費されたことを示す情報である。例えば、消費情報は、トナーが収容部から95%消費されたことを示す情報である。処理は、ステップS106に進む。
【0070】
ステップS106:情報処理装置100の通信部110は、累積回転数と、消費情報とを画像形成装置200から受信する。処理は、ステップS108に進む。
【0071】
ステップS108:情報処理装置100の制御部120が、累積回転数と、消費情報とに基づいて算出トナー減少率Rcを算出する。詳しくは、制御部120は、例えば、以下の式2によって算出トナー減少率Rcを算出する。処理は、ステップS110に進む。
【0072】
算出トナー減少率Rc=消費情報/累積回転数 (式2)
【0073】
ステップS110:情報処理装置100の制御部120が、算出トナー減少率Rcに基づいて複数の画像形成装置200を複数のグループGに分割する。詳しくは、図5を参照して説明したように、算出トナー減少率Rcが、予め設定された複数の数値範囲のうちのいずれに属するかを判定することにより、複数の画像形成装置200が複数のグループGのうちのいずれのグループGに属するかを決定する。処理は、ステップS111に進む。
【0074】
ステップS111:情報処理装置100の制御部120が、画像形成装置200のグループが管理対象外グループか否かを判定する。制御部120が、画像形成装置200のグループが管理対象外グループでないと判定した場合(ステップS111:No)、処理は、ステップS116に進む。制御部120が、画像形成装置200のグループが管理対象外グループであると判定した場合(ステップS111:Yes)、処理は、ステップS112に進む。
【0075】
ステップS112:情報処理装置100の制御部120が、グループトナー減少率Rgを算出する。処理は、ステップS114に進む。
【0076】
ステップS114:情報処理装置100の制御部120が、グループGごとにトナー減少率Rmの値をグループトナー減少率Rgの値に更新する。処理は、ステップS116に進む。
【0077】
ステップS116:画像形成装置200ごとに、トナー減少率Rmに基づいてトナーの残量を算出する。処理は、終了する。
【0078】
以上、図1図6を参照して説明したように、トナー残量算出方法は、グループGごとに算出トナー減少率Rcに基づいてグループトナー減少率Rgを算出することと、グループGごとにトナー減少率Rmの値をグループトナー減少率Rgの値に更新することと、画像形成装置200ごとに、トナー減少率Rmに基づいてトナーの残量を算出することとを包含する。したがって、実測値に基づいて算出された算出トナー減少率Rcに基づいて、トナー減少率Rmが更新される。その結果、精度よくトナー残量を算出することができる。
【0079】
また、制御部120は、算出トナー減少率が所定の範囲外である画像形成装置200のグループを、管理対象外グループに決定する。また、管理対象外グループに含まれる画像形成装置200のデータは、グループトナー減少率Rgの算出には使用されない。したがって、管理対象グループに対して精度よくトナー減少率Rmを算出することができ、精度よくトナー残量を算出することができる。
【0080】
図1図4図7および図8を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成装置200について説明する。図7は、本発明の実施形態に係る画像形成装置200の断面図である。図8は、算出トナー減少率Rcおよび温度TとグループGとの対応を示す図である。図7に示す画像形成装置200は、さらに環境検出部40を備える点を除いて、図2に示す画像形成装置200と同様な構成を有するため、重複部分については説明を省略する。
【0081】
図7に示すように、画像形成装置200は、さらに環境検出部40をさらに備える。環境検出部40は、環境パラメーターを検出する。環境パラメーターは、画像形成装置200が設置された環境を示す。環境検出部40は、例えば、温度計、湿度計または気圧計である。環境パラメーターは、温度、湿度および気圧の少なくとも1つを含む。本実施形態では、環境パラメーターが温度である場合について以下説明する。
【0082】
環境検出部40は、環境パラメーターを検出する。すなわち、環境検出部40は、画像形成装置200が設置された環境の温度を検出する。詳しくは、画像形成装置200の外部の温度を検出する。
【0083】
通信部10は、モーター17の累積回転数と消費情報とに加えて温度Tを情報処理装置100へ送信する。通信部10は、トナーが収容部から一定量(例えば、95%)消費される度に、モーター17の累積回転数と消費情報と温度Tとを情報処理装置100へ送信する。
【0084】
図8を参照して、情報処理装置100の制御部120が分割するグループGについて説明する。図8は、算出トナー減少率Rcおよび温度TとグループGとの対応を示す図である。
【0085】
図8に示すように、本実施形態では、情報処理装置100の制御部120は、算出トナー減少率Rcと環境パラメーターとに基づいて、複数の画像形成装置200を複数のグループに分割する。詳しくは、情報処理装置100の制御部120は、算出トナー減少率Rcと温度Tに基づいて、複数の画像形成装置200を複数のグループに分割する。
【0086】
また、複数のグループは、複数の第1のグループと、第2のグループとを含む。第2のグループは、第1のグループの各々に含まれる。制御部120は、複数の画像形成装置200が第1のグループのいずれのグループに属するかを算出トナー減少率に基づいて決定し、決定した第1のグループに含まれる第2のグループのいずれのグループに属するかを温度(環境パラメーター)に基づいて決定する。例えば、図8に示すように、算出トナー減少率RcがLL≦<Rc≦THA、かつ、温度T≦THFとなる画像形成装置200を第1グループに属すると決定する。本実施形態では、制御部120は、算出トナー減少率Rcと温度Tとに基づいて、複数の画像形成装置200を第1グループ〜第9グループと、管理対象外グループとに分割する。
【0087】
以上、図1図4図7および図8を参照して説明したように、制御部120は、算出トナー減少率Rcと環境パラメーターとに基づいて、複数の画像形成装置200を複数のグループGに分割する。したがって、画像形成装置200の環境に応じてグループを細分化することができる。その結果、グループGごとに精度よくトナー減少率Rmを算出することができる。
【0088】
図1図2図4および図9を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成装置200について説明する。図9は、図2のIII−III線に沿った断面図である。
【0089】
図9に示すように、トナーコンテナ7は、さらに記憶素子76を有する。記憶素子76には、トナーコンテナ7のID情報が記憶されている。また、装着部3aは、読取装置77を有する。読取装置77は、記憶素子76に記憶されたID情報を読み取る。詳しくは、読取装置77は、トナーコンテナ7が装着部3aに装着されると、装着されたトナーコンテナ7が有する記憶素子76に記憶されたID情報を読み取る。読取装置77は、読み取ったID情報を示す信号を制御部20に送信する。本実施形態において、記憶素子76は、例えば、RFIDタグであり、読取装置77は、例えば、RFIDリーダーである。
【0090】
画像形成装置200の制御部20は、装着部3aに装着されたトナーコンテナ7が第1トナーコンテナであるか第2トナーコンテナであるかを判定する。詳しくは、制御部20は、装着部3aに装着されたトナーコンテナ7が、管理対象トナーコンテナであるか、管理対象外トナーコンテナであるかを判定する。より詳しくは、読取装置77が読み取ったID情報に基づき、装着部3aに装着されたトナーコンテナ7が、管理対象トナーコンテナであるか、管理対象外トナーコンテナであるかを判定する。なお、管理対象トナーコンテナは、「第1トナーコンテナ」の一例である。また、管理対象外トナーコンテナは、「第2トナーコンテナ」の一例である。
【0091】
装着部3aに第2トナーコンテナが装着されていると画像形成装置200の制御部20が判定した場合、情報処理装置100の制御部120は、装着部3aに第2トナーコンテナが装着されていると判定された画像形成装置200のグループGを、管理対象外グループに決定する。
【0092】
図1図2図4図9および図10を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成システム300のトナー残量算出方法について説明する。図10は、本発明の実施形態に係るトナー残量算出方法を示すフローチャートである。図10に示すステップS201〜ステップS216の処理が実行されることによって、複数の画像形成装置200の各々が備えるトナーコンテナ7が収容するトナーの残量が算出される。図10に示すステップS202、S204、S206、S208、S210、S212、S214およびS216のそれぞれは、図6に示すステップS102、S104、S106、S108、S110、S112、S114およびS116に対応する。
【0093】
ステップS201:画像形成装置200の制御部20は、装着部3aに装着されたトナーコンテナ7が第1トナーコンテナであるか否かを判定する。制御部20が、装着部3aに装着されたトナーコンテナ7が第1トナーコンテナでないと判定した場合、すなわち第2トナーコンテナであると判定した場合(ステップS201:No)、処理は、ステップS218に進む。制御部20が、装着部3aに装着されたトナーコンテナ7が第1トナーコンテナであると判定した場合、(ステップS201:Yes)、処理は、ステップS202に進む。その後、ステップS202〜ステップS216の処理が実行され、トナーの残量が算出される。
【0094】
ステップS218:情報処理装置100の制御部120は、画像形成装置200のグループGを、管理対象外グループに決定する。処理は、ステップS216に進む。その後、ステップS216の処理が実行され、トナーの残量が算出される。
【0095】
以上、図1図2図4図9および図10を参照して説明したように、装着部3aに第2トナーコンテナが装着されていると画像形成装置200の制御部20が判定した場合、情報処理装置100の制御部120は、装着部3aに第2トナーコンテナが装着されていると判定された画像形成装置200のグループGを、管理対象外グループに決定する。また、第2トナーコンテナが装着されている画像形成装置200のデータは、グループトナー減少率Rgの算出には使用されない。したがって、管理対象グループに対して精度よくトナー減少率Rmを算出することができ、精度よくトナー残量を算出することができる。
【0096】
複数の画像形成装置200のうちの1つの画像形成装置200が情報処理装置100の機能を有していてもよい。
【0097】
図2図3および図11を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成装置200について説明する。図11は、本発明の実施形態に係る画像形成システム300のブロック図である。
【0098】
図11に示すように、画像形成システム300は、複数の画像形成装置200を備える。複数の画像形成装置200は、図2および図3を参照して説明した画像形成装置200と同様な構成を有するため、重複部分については説明を省略する。複数の画像形成装置200のうち、画像形成装置201aは、図4に示す情報処理装置100の機能を有する。画像形成装置201a、ネットワークNを介して複数の他の画像形成装置200に接続する。
【0099】
画像形成装置201aは、画像形成装置201aおよび他の画像形成装置200を、第1グループG1と、第2グループG2と、第3グループG3とに分割する。第1グループG1は、画像形成装置201a〜201nを含む。第2グループG2は、画像形成装置202a〜202nを含む。第3グループG3は、画像形成装置203a〜203nを含む。なお、画像形成装置201aは、「当該画像形成装置」の一例である。また、画像形成装置201b〜201n、画像形成装置202a〜202n、および画像形成装置203a〜203nは、「他の画像形成装置」の一例である。
【0100】
画像形成装置201aおよび複数の他の画像形成装置200のそれぞれは、トナーコンテナ7と、モーター17(駆動部)と、記憶部30とを備える。トナーコンテナ7は、コンテナ本体71(収容部)と、攪拌部材73(排出部材)とを有する。コンテナ本体71は、トナーを収容している。攪拌部材73は、回転駆動することによってコンテナ本体71からトナーを排出する。モーター17は、排出部材を回転駆動させる。記憶部30は、トナー減少率Rmを記憶する。トナー減少率Rmは、モーター17の所定の回転数あたりのトナーの減少率を示す。
【0101】
画像形成装置201aは、制御部20と、通信部10とをさらに備える。制御部20は、モーター17の回転数と消費情報とに基づいて、画像形成装置201aの算出トナー減少率Rcを算出する。消費情報は、トナーがコンテナ本体71から一定量消費されたことを示す情報である。通信部10は、モーター17の回転数と消費情報とを複数の他の画像形成装置200から受信する。
【0102】
画像形成装置201aの制御部20は、回転数と消費情報とに基づいて複数の他の画像形成装置200の各々の算出トナー減少率Rcを算出する。画像形成装置201aの制御部20は、画像形成装置201aおよび複数の他の画像形成装置200の各々の算出トナー減少率Rcに基づいて画像形成装置201aおよび複数の他の画像形成装置200を複数のグループに分割する。画像形成装置201aの制御部20は、グループごとに算出トナー減少率Rcに基づいてグループトナー減少率Rgを算出する。画像形成装置201aの制御部20は、グループごとにトナー減少率Rmの値をグループトナー減少率Rgの値に更新する。
【0103】
以上、図2図3および図11を参照して説明したように、画像形成装置201aの制御部20は、グループGごとに算出トナー減少率Rcに基づいてグループトナー減少率Rgを算出する。そして、グループGごとにトナー減少率Rmの値をグループトナー減少率Rgの値に更新する。したがって、実測値に基づいて算出された算出トナー減少率Rcに基づいて、トナー減少率Rmが更新される。その結果、精度よくトナー残量を算出することができる。
【0104】
以上、図面(図1図11)を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質や形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0105】
図5を参照して説明したように、制御部120は、2つの閾値THAと閾値THBと下限LLと、上限ULとによってグループGを分割していたが本発明は、これに限定されない。1つまたは3つ以上の閾値と、下限LLと、上限ULとによって、グループGを分割してもよい。
【符号の説明】
【0106】
3 筐体
7 トナーコンテナ
10 通信部
17 モーター(駆動部)
20 制御部
30 記憶部
40 環境検出部
71 コンテナ本体(収容部)
73 攪拌部材(排出部材)
100 情報処理装置
110 通信部
120 制御部
130 記憶部
200 画像形成装置
300 画像形成システム
G グループ
G1 第1グループ
G2 第2グループ
G3 第3グループ
N ネットワーク
Rm トナー減少率
Rc 算出トナー減少率
Rg グループトナー減少率
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11