(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る印刷装置を含む印刷システムの構成を例示した図である。
図2は、印刷装置1の開閉蓋3を開放した状態の斜視図である。
図1に示す印刷システムは、印刷装置1と、印刷装置1へ印刷データを送信する電子機器(印刷制御端末)100と、を含んでいる。印刷装置1と電子機器100は、無線通信または有線通信でデータをやり取りする。印刷装置1は、被印刷媒体に印刷を行う印刷装置である。
【0014】
なお、第1の実施形態において、被印刷媒体M(印刷テープ)の搬送される方向を「搬送方向X」とし、この搬送方向Xに直交する被印刷媒体M(印刷テープ)の幅方向を「媒体幅方向Y」とする。これらX方向、及びY方向は、互いに直交する。
印刷装置1は、被印刷媒体に印刷を行うサーマルヘッド(印刷部)を備える印刷装置であり、例えば、長尺な帯状の被印刷媒体Mに、シングルパス方式で印刷を行うラベルプリンタである。
図3は、印刷装置1に使用される被印刷媒体Mを媒体幅方向Yから見た断面図である。被印刷媒体Mは、例えば、基材Bと、基材Bに塗布された粘着材A(のり面)と、粘着材Aを介して基材Bに対し剥離可能に貼り付けられた剥離紙Fと、を有する長尺状のテープ部材である。なお、被印刷媒体Mは、剥離紙Fなしの長尺状のテープ部材であってもよい。
【0015】
図1、
図2に示すように、印刷装置1は、装置筐体2と、この装置筐体2に開閉自在に取り付けられた開閉蓋3を備える。
図2に示すように、装置筐体2は、内部にテープカセット30を収納するカセット収納部19を備えている。カセット収納部19の詳細については後述する。
装置筐体2の上面には、電源ボタン25の他、各種操作を行う操作ボタン26a,26b,26c(以下、「操作ボタン26」と呼ぶ)、開閉蓋3を開放させる蓋開閉ボタン27等が配置されている。電池D(
図7参照)が接続され、かつ、電池Dの電池残量が残っている状態、言い換えると、電池残量が所定の閾値以上の状態で電源ボタン25が押下されると、電源回路40(
図7参照)に信号が送られて印刷装置1の電源がONになる。そして、電源がONの状態で、再び電源ボタン25が押下されると、電源回路40に信号が送られて印刷装置1の電源がOFFになる。また、操作ボタン26が押下されると、制御回路5(
図7参照)に信号が送られて、各ボタンに応じた処理が行われる。
また、図示しないが、装置筐体2には、外部機器接続端子、記憶媒体挿入口等が設けられている。
【0016】
開閉蓋3は、カセット収納部19の上部を覆うように開閉可能に配置されている。
また、開閉蓋3には、この開閉蓋3が閉じた状態でもカセット収納部19にテープカセット30(
図4参照)が収納されているか否かを目視で確認可能とするために、窓3aが形成されている。
また、装置筐体2の側面であって、被印刷媒体Mの搬送方向Xの下流側に位置する部分には、排出口2aが形成されている。印刷装置1内でサーマルヘッド10による印刷が行われた被印刷媒体Mは、排出口2aから装置外へ排出される。
【0017】
図4は、印刷装置1に収納されるテープカセット30の斜視図である。
図5は、印刷装置1のカセット収納部19の斜視図である。
図6は、印刷装置1の断面図である。
図4に示すテープカセット30は、
図5に示すカセット収納部19に着脱して交換可能に収納される。
図6には、テープカセット30がカセット収納部19に収納された状態が示されている。
【0018】
テープカセット30は、
図4に示すように、サーマルヘッド被挿入部36及び係合部37が形成された、被印刷媒体MとインクリボンRを収容するカセットケース31を有する。カセットケース31には、テープコア32とインクリボン供給コア34とインクリボン巻取りコア35が設けられている。
【0019】
被印刷媒体Mは、カセットケース31内部のテープコア32にロール状に巻かれている。また、熱転写用のインクリボンRは、その先端がインクリボン巻取りコア35に巻きつけられた状態で、カセットケース31内部のインクリボン供給コア34にロール状に巻かれている。
【0020】
装置筐体2のカセット収納部19には、
図5に示すように、テープカセット30を所定の位置で支持するための複数のカセット受け部20が設けられている。また、カセット受け部20には、テープカセット30が収容するテープ(被印刷媒体M)の幅を検出するためのテープ幅検出スイッチ24が設けられている。
【0021】
テープ幅検出スイッチ24は、テープカセットの形状に基づいて被印刷媒体Mの幅(以下、「印刷テープ幅」ともいう)を検出するためのスイッチである。テープ幅検出スイッチ24は、カセット収納部19に複数設けられている。印刷テープ幅の異なるテープカセットは、複数のテープ幅検出スイッチ24をそれぞれ異なる組み合わせで押下するように構成されている。これにより、後述する制御回路5(
図7参照)が、押下されたテープ幅検出スイッチ24の組み合わせから、テープカセットの種類を特定し、被印刷媒体Mの幅(印刷テープ幅)を検出する。
【0022】
カセット収納部19には、更に、複数の発熱素子を有し、被印刷媒体Mに印刷を行うサーマルヘッド10と、被印刷媒体Mを搬送する搬送機構であるプラテンローラ21と、テープコア係合軸22と、インクリボン巻取り駆動軸23が設けられている。更に、サーマルヘッド10には、サーミスタ13が埋め込まれている。サーミスタ13は、サーマルヘッド10の温度を測定するヘッド温度測定部である。
【0023】
テープカセット30がカセット収納部19に収納された状態では、
図6に示すように、カセットケース31に設けられた係合部37がカセット収納部19に設けられたカセット受け部20に支持されて、サーマルヘッド10がカセットケース31に形成されたサーマルヘッド被挿入部36に挿入される。また、テープコア係合軸22には、テープカセット30のテープコア32が係合し、更に、インクリボン巻取り駆動軸23には、インクリボン巻取りコア35が係合する。
【0024】
電子機器100から印刷装置1へ印刷指示が入力されると、被印刷媒体Mは、プラテンローラ21の回転によりテープコア32から繰り出される。この際、インクリボン巻取り駆動軸23がプラテンローラ21に同調して回転することで、被印刷媒体MとともにインクリボンRがインクリボン供給コア34から繰り出される。これにより、被印刷媒体MとインクリボンRは重なった状態で搬送される。そして、サーマルヘッド10とプラテンローラ21の間を通過する際にインクリボンRがサーマルヘッド10によって加熱されることで、インクが被印刷媒体Mに転写され、印刷が行われる。
【0025】
サーマルヘッド10とプラテンローラ21の間を通過した使用済みのインクリボンRは、インクリボン巻取りコア35に巻き取られる。一方、サーマルヘッド10とプラテンローラ21の間を通過した印刷済みの被印刷媒体Mは、ハーフカット機構16またはフルカット機構17で切断され、排出口2aから排出される。
【0026】
図7は、印刷装置1と電子機器100のハードウェア構成を示したブロック図である。印刷装置1は、上述した構成に加えて、
図7に示すように、制御回路5、ROM(Read Only Memory)6、RAM(Random Access Memory)7、通信インターフェース(IF)8、ヘッド駆動回路9、搬送用モータ駆動回路11(搬送装置)、ステッピングモータ12、カッターモータ駆動回路14、カッターモータ15、電池残量検出回路28及び、電源回路40を備える。なお、少なくとも制御回路5、ROM6、及びRAM7は、印刷装置1のコンピュータを構成する。
【0027】
制御回路5は、例えばCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ5aを含む。制御回路5は、ROM6に記憶されているプログラムをRAM7に展開し実行することで、印刷装置1の各部の動作を制御する。通信インターフェース8は、有線通信又は無線通信により外部装置(例えば、電子機器100)との間でデータを授受する。
【0028】
制御回路5は、例えば、制御信号(ストローブ信号、ラッチ信号、クロック信号)と印刷データをヘッド駆動回路9へ供給し、ヘッド駆動回路9を介してサーマルヘッド10を制御する。また、制御回路5は、モータ駆動回路(搬送用モータ駆動回路11、カッターモータ駆動回路14)を介してモータ(ステッピングモータ12、カッターモータ15)を制御する。
【0029】
制御回路5は、印刷速度が異なる複数の印刷モードに基づき、サーマルヘッド10による印刷を制御する。制御回路5は、印刷速度に応じて、サーマルヘッド10への供給電力を変化させる。印刷装置1は複数の印刷モードを有し、例えば、第1の実施形態においては、3つの印刷モードを有する。各印刷モードには、印刷速度、印刷解像度が設定されており、印刷速度が速い(印刷解像度が低い)印刷モードほど、サーマルヘッド10への供給電力が低く設定されている。これに対し、印刷速度が遅い(印刷解像度が高い)印刷モードほど、サーマルヘッド10への供給電力が高く設定されている。すなわち、印刷装置1は、印刷速度とサーマルヘッド10への供給電力とがそれぞれ負の相関関係にある複数の印刷モードを有する。
【0030】
制御回路5は、被印刷媒体Mに印刷する印刷内容(第1印刷内容)の情報を示す印刷データ(第1印刷データ)を電子機器100から受信する。受信した印刷データは、印刷内容の印刷イメージデータ、印刷濃度、印刷枚数、印刷テープ長、印刷テープ幅、印刷速度、印刷文字サイズのうち少なくとも1つ以上の情報を含む。印刷イメージデータには、印刷イメージデータを構成するドットの情報を含む。印刷イメージデータは印刷対象の文字やキャラクタ等の印刷イメージの画像データを表し、印刷文字サイズは印刷イメージを被印刷媒体Mに印刷するサイズを表し、印刷濃度は印刷イメージを印刷する際の濃度を表し、印刷枚数は印刷イメージを印刷する枚数を表し、印刷テープ長は印刷イメージを印刷する被印刷媒体Mの長さを表し、印刷テープ幅は印刷イメージを印刷する被印刷媒体Mの幅を表し、印刷速度は印刷イメージを被印刷媒体Mに印刷する際の速度を表す。
【0031】
制御回路5は、受信した印刷データに応じて、電池Dの電池残量に基づいて印刷可能な被印刷媒体Mの印刷可能範囲を計算する。具体的には、制御回路5は、印刷データに基づき、印刷データに対応する印刷内容の全てを印刷するのに必要な、サーマルヘッド10へ印加するべき電力値を計算する。制御回路5は、電池残量検出回路28を通じて印刷装置1の電池Dの電池残量を取得し、取得した電池残量に基づいて印刷可能なライン数あるいはピクセル数の値を計算する。そして、制御回路5は、計算により算出した、サーマルヘッド10へ通電するべき電力値と、取得した電池残量に基づいて印刷可能なライン数あるいはピクセル数の値と、に基づいて印刷可能範囲を計算し、その計算結果を判定する。電池Dの電池残量に基づいて印刷可能な値を計算する技術及び、印刷データに基づいて印刷データに対応する印刷内容の全てを印刷するのに必要な、サーマルヘッド10へ印加するべき電力値を計算する技術は、公知の技術を採用することができるためここでは説明を省略する。制御回路5は、計算結果に基づき、電子機器100において被印刷媒体M内の印刷可能範囲を表示する印刷可能範囲の情報を電子機器100へ送信する。
【0032】
ROM6は、被印刷媒体Mに印刷を行う印刷プログラム、印刷プログラムの実行に必要な各種データ(例えば、フォント等)を記憶する。ROM6は、制御回路5によって読取り可能なプログラムが記憶された記憶媒体としても機能する。ROM6は、電源OFF時にもデータを保持して記憶できるフラッシュメモリにより構成されている。ROM6は、電源OFF時には、最後に設定されていた印刷モードを一時的に記憶することもできる。RAM7は、印刷内容のパターンを示すデータ(以降、印刷データと記す)を記憶する印刷データ記憶部を含む。RAM7は、表示データを記憶する表示データ記憶部を含む。通信インターフェース8は、有線通信または無線通信により外部装置(例えば、電子機器100)や外部サーバの記憶装置との間で印刷データを授受する。
【0033】
ヘッド駆動回路9は、制御回路5から供給された制御信号と印刷データに基づいてサーマルヘッド10を駆動する。サーマルヘッド10は、主走査方向に配列された複数の発熱素子10aを有する印刷ヘッドである。ヘッド駆動回路9が、制御回路5から供給されたストローブ信号により指定される通電期間中に、ヘッド駆動回路9から出力された印刷データに応じて複数の発熱素子10aへ電流を選択的に流すことで、複数の発熱素子10aのうち選択された発熱素子10aが発熱してインクリボンRを加熱する。これにより、サーマルヘッド10は、熱転写により被印刷媒体Mに1ラインずつ印刷を行う。即ち、印刷装置1は、サーマルラインプリンタである。
【0034】
搬送用モータ駆動回路11は、ステッピングモータ12を駆動する。ステッピングモータ12は、プラテンローラ21を回転させる。プラテンローラ21は、ステッピングモータ12の動力によって回転し、被印刷媒体Mの長手方向(副走査方向、搬送方向)に被印刷媒体Mを搬送する搬送機構である。
【0035】
カッターモータ駆動回路14は、カッターモータ15を駆動する。ハーフカット機構16及びフルカット機構17は、カッターモータ15の動力によって動作し、被印刷媒体Mをハーフカットまたはフルカットにより切断する。フルカットとは、被印刷媒体Mの基材Bを剥離紙Fとともに幅方向に沿って切断する動作のことであり、ハーフカットは、基材Bのみを幅方向に沿って切断する動作のことである。
【0036】
電源回路40は、電池Dからの直流電圧から出力電圧を生成し、印刷装置1の各部に電力を供給する電源部である。電池残量検出回路28は、電池Dに残存する電池残量を検出する。
【0037】
電子機器100は、
図1及び
図7に示すように、表示部101と入力部102を備える、例えば、スマートフォン、タブレット端末などの携帯型のコンピュータである。表示部101は、例えば、液晶ディスプレイであっても、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)ディスプレイであってもよい。入力部102は、例えば、タッチパネルである。
【0038】
電子機器100は、上記の構成に加えて、表示駆動回路103、通信インターフェース(IF)104、ROM105、RAM106、制御回路107を備える。表示駆動回路103は、例えば、液晶表示ドライバ回路、有機EL表示ドライバ回路である。制御回路107は、プロセッサ108を備える。プロセッサ108は、演算部であり、アプリケーションプログラムを実行することで、印刷装置1から送られてきたメッセージを表示部101に表示したり、入力部102に対するユーザのタッチ操作を受け付けたりする。
【0039】
制御回路107は、入力部102に対するユーザのタッチ操作に基づき、印刷イメージデータに加えて、印刷イメージデータに対する印刷濃度、印刷枚数、印刷テープ長、印刷テープ幅、印刷速度、印刷文字サイズのうち少なくとも1つ以上の情報を印刷データとして受け付ける。制御回路107は、被印刷媒体Mに印刷する印刷内容の情報を示す印刷データを印刷装置1へ送信する。
【0040】
制御回路107は、送信した印刷データに応じて計算された、電池Dの電池残量に基づいて印刷可能な被印刷媒体Mの限度として、被印刷媒体Mの印刷可能範囲の情報を印刷装置から受信する。
【0041】
制御回路107は、印刷装置1から受信した印刷可能範囲の情報に基づき、被印刷媒体M内の印刷可能範囲を表示部101で表示する。制御回路5は、例えば、透過率が互いに異なるように設定した2種類の領域に基づき、前記被印刷媒体内の印刷可能範囲と、前記被印刷媒体内の印刷不可能な範囲と、を区別して表示する。例えば、表示部101で表示される被印刷媒体M内の印刷可能範囲は、透過率が高い第1の透過率で表示し、被印刷媒体M内の印刷不可能な範囲は、第1の透過率よりも透過率が低い第2の透過率で表示する。この印刷可能範囲は、被印刷媒体Mの副走査方向のライン単位で表示される。被印刷媒体M内の印刷可能範囲の表示例については、後述する。
【0042】
なお、制御回路107は、印刷可能範囲の情報を印刷装置1から受信した後に、更に、印刷データの変更を受け付けた場合には、変更後の印刷データを再度印刷装置1へ送信する。この場合、制御回路107は、再度印刷装置1へ送信した印刷データに応じて計算された、電池Dの電池残量に基づいて被印刷媒体Mの印刷可能範囲の情報を印刷装置1から受信する。そして、制御回路107は、印刷装置1から再度受信した印刷可能範囲の情報に基づき、被印刷媒体M内の印刷可能範囲を表示部101で再度表示する。
【0043】
図8を参照して、第1の実施形態の電子機器100で行われる表示制御処理の概要について説明する。
図8は、第1の実施形態の電子機器100の表示例を示す図である。
例えば、
図8(A)に示すように、ユーザが入力部102を通じて表示部101の入力領域201に文字を入力すると、制御回路107は、入力された文字に基づいて印刷イメージデータを作成する。
図8(A)の例では、制御回路107は、入力部に入力された「砂糖入れケース」の文字に基づいて「砂糖入れケース」の印刷イメージデータを作成する。制御回路107は、作成した印刷イメージデータに基づく印刷イメージ「砂糖入れケース」を表示部101の印刷表示領域202に表示する。そして、ユーザが入力部102を通じて表示部101の文字サイズ操作領域203のスライドバーを操作して文字サイズを設定すると、制御回路107は、設定された文字サイズに基づいて印刷イメージデータを調整して作成し、表示部101の印刷表示領域202に表示する。
【0044】
なお、図示していないが、印刷濃度、印刷枚数、印刷テープ長、印刷テープ幅、印刷速度の情報も、
図8(A)に示す文字サイズの情報と同様に、ユーザが入力部102を通じて任意に操作して設定することができる。この場合、制御回路107は、設定された印刷濃度、印刷枚数、印刷テープ長、印刷テープ幅、印刷速度の情報に基づいて印刷イメージデータを調整して作成し、作成した印刷イメージデータの印刷イメージを表示部101の印刷表示領域202に表示する。
【0045】
その後、制御回路107は、印刷濃度、印刷枚数、印刷テープ長、印刷テープ幅、印刷速度の情報に基づき調整して作成された印刷イメージデータの情報を含む印刷データを受け付け、印刷装置1へ送信する。
【0046】
印刷装置1は、送信された印刷データに応じて、電池Dの電池残量に基づいて印刷可能な被印刷媒体Mの印刷可能範囲を計算する。
図8の例においては、印刷装置1の計算の結果、印刷可能範囲の情報として、印刷データに含まれる印刷イメージ「砂糖入れケース」のうち「砂糖入れケ」までが印刷可能範囲に含まれる場合について説明する。印刷装置1が印刷可能範囲を計算する例については、後述する。
【0047】
印刷装置1の計算の結果、現在の電池残量では印刷データの一部しか印刷することができない場合、すなわち、印刷データに含まれる印刷イメージ「砂糖入れケース」のうち「砂糖入れケ」までが印刷可能範囲に含まれ、「ース」が印刷可能範囲に含まれない場合には、エラー通知の情報が加えられた印刷可能範囲の情報が印刷装置1から電子機器100へ送信される。印刷可能範囲の情報には、印刷可能範囲のピクセル(ドット)単位の情報または、被印刷媒体Mの副走査方向のライン単位の情報を含めることができる。
【0048】
印刷装置1からエラー通知を受信すると、制御回路107は、被印刷媒体M内の印刷可能範囲を表示する。具体的には、
図8(B)に示すように、制御回路107は、印刷可能範囲の情報に基づいて、表示部101の印刷表示領域202に表示されている印刷イメージのうち、印刷可能範囲を示す印刷可能範囲202aと、印刷不可能な範囲を示す印刷不可能範囲202bと、を表示する。
図8(B)では、制御回路107は、印刷データに含まれる印刷イメージ「砂糖入れケース」のうち「砂糖入れケ」を印刷可能範囲202aに表示し、「ース」を印刷不可能範囲202bに表示している。印刷可能範囲の情報に、印刷可能範囲のピクセル単位の情報を含んでいる場合には、制御回路107は、印刷可能範囲202aと、印刷不可能範囲202bと、をピクセル単位で区別して表示する。印刷可能範囲の情報に、被印刷媒体Mの副走査方向のライン単位の情報を含んでいる場合には、制御回路107は、印刷可能範囲202aと、印刷不可能範囲202bと、を被印刷媒体M内の副走査方向のライン単位で区別して表示する。
【0049】
図8(B)の例では、制御回路107は、印刷可能範囲を示す印刷可能範囲202aを透過率の高い第1の透過率で表示し、印刷不可能な範囲を示す印刷不可能範囲202bを透過率が第1の透過率よりも低い第2の透過率で表示して両者を区別して表示する。
【0050】
また、制御回路107は、エラー通知を受信した場合には、印刷表示領域202に、印刷不可の範囲があることを示すメッセージ204を表示することもできる。第1の実施形態においては、制御回路107は、メッセージ204として、「電池切れ」の注意文を表示しているがこれに限られるものではなく、電池残量が不足しているため、印刷できない範囲があることをユーザが把握できる内容で表示することができる。
【0051】
印刷できない範囲(印刷不可能範囲202b)があることを確認したユーザが、入力部102を通じて例えば文字サイズ操作領域203のスライドバーを操作すると、制御回路107は、操作された文字サイズに基づいて印刷イメージデータを再作成する。
【0052】
なお、図示していないが、印刷濃度、印刷枚数、印刷テープ長、印刷テープ幅、印刷速度の情報も、
図8(B)に示す文字サイズの情報と同様に、ユーザが入力部102を通じて任意に操作することで、制御回路107は、操作された印刷濃度、印刷枚数、印刷テープ長、印刷テープ幅、印刷速度に基づいて印刷イメージデータを再作成する。そして、制御回路107は、再作成した印刷イメージデータと、印刷濃度、印刷枚数、印刷テープ長、印刷テープ幅、印刷速度、含む情報を印刷データとして印刷装置1へ再送信する。
【0053】
印刷装置1は、再送信された印刷データに応じて、電池の電池残量に基づいて印刷可能な被印刷媒体Mの印刷可能範囲を再計算し、計算の結果、現在の電池残量では印刷データの一部しか印刷できない場合には、エラー通知の情報が加えられた印刷可能範囲の情報が印刷装置1から電子機器100へ再送信される。
そして、ユーザが、印刷文字サイズ、印刷濃度、印刷枚数、印刷テープ長、印刷テープ幅、印刷速度等を変更することで、印刷装置1からエラー通知が来なくなり、印刷不可能な範囲がなくなって印刷できる状態になるまで、繰り返し印刷文字サイズ等を変更することができる。そして、制御回路5は、印刷可能範囲に印刷内容の全体が含まれると、被印刷媒体Mに印刷内容の印刷を行うようにサーマルヘッド10を制御する。
【0054】
第1の実施形態においては、印刷可能範囲202aは透過率が高い透過率で表示され、印刷不可能範囲202bは透過率が低い透過率で表示されているがこれに限られるものではない。例えば、印刷可能範囲202aと、印刷不可能範囲202bと、をユーザが視認して区別できる態様で表示されればよく、両者が異なる色や、異なる模様、異なる明度、異なる網掛けで区別して表示することもできる。
【0055】
図9を参照して、第1の実施形態の電子機器100の表示制御処理について説明する。
図9は、第1の実施形態の電子機器100の表示制御処理のフローチャートである。第1の実施形態の電子機器100の表示制御処理では、印刷装置1から送信された、印刷装置1の電池残量に基づいて計算された被印刷媒体の印刷可能範囲を表示する処理が行われる。
【0056】
電子機器100は、印刷開始の指示に基づき
図8に示す表示制御処理を開始する。表示制御処理では、制御回路107は、電子機器100のアプリケーションプログラムを実行して、入力部102を通じてユーザの文字等の入力操作を受け付け、印刷イメージデータを作成する。制御回路107は、作成した印刷イメージデータに対する、文字サイズ、印刷濃度、印刷枚数、印刷テープ長、印刷テープ幅、印刷速度を、入力部102を通じて受け付ける。制御回路107は、印刷濃度、印刷枚数、印刷テープ長、印刷テープ幅、印刷速度の情報に基づき調整して作成された印刷イメージデータを含む情報を印刷データとして受け付ける(ステップS101)。制御回路107は、受け付けた印刷データをRAM106に保存する。
【0057】
制御回路107は、印刷装置1と無線通信を開始し(ステップS102)、印刷装置1と印刷データを送受信可能な状態にする。制御回路107は、印刷装置1から送信された、印刷装置1に装着されている印刷テープ幅の情報を受信する(ステップS103)。制御回路107は、今回印刷要求する印刷テープ幅と、印刷テープ長の情報を含む印刷データを、印刷装置1へ送信する(ステップS104)。
【0058】
印刷装置1は、ステップS104において送信された印刷データと、電池の電池残量と、に基づいて印刷可能な被印刷媒体Mの印刷可能範囲を計算する。そして、印刷装置1は、その計算結果に基づき、現在の電池残量では印刷データの一部しか印刷できないと判定した場合、被印刷媒体M内の印刷可能範囲を表示する印刷可能範囲の情報にエラー通知の情報を加えて電子機器100へ送信する。印刷装置1において被印刷媒体Mの印刷可能範囲を計算する例については、後述する。
【0059】
制御回路107は、ステップS104で送信した印刷データと、電池残量と、に基づいて印刷装置1において計算された、印刷可能な被印刷媒体Mの印刷可能範囲の情報を印刷装置1から受信する。電池残量が印刷可能な被印刷媒体Mの印刷範囲を満たしていない場合には、印刷装置1からエラー通知の情報が加えられた印刷可能範囲の情報が送信され、電子機器100の制御回路107はその情報を受信する。
【0060】
制御回路107は、エラー通知を受信したか否かを判定する(ステップS105)。エラー通知を受信していない場合(ステップS105のNO)には、制御回路107は、印刷装置1から送信された印刷終了通知を受信したか否かを判定する(ステップS106)。印刷終了通知は、後述の印刷制御処理において、印刷装置1において印刷が終了した場合、すなわち、印刷が問題なく終了した場合(印刷OKの場合)に送信される通知である。印刷終了通知を受信していない場合(ステップS106のNO)には、処理はステップS105の処理に戻り、ステップS105およびステップS106の処理が繰り返し実行される。すなわち、エラー通知も印刷終了通知も受信していない状態は、印刷装置1において印刷可能範囲の計算中または印刷中であるため、その間表示制御処理は待機状態となる。
【0061】
印刷終了通知を受信した場合(ステップS106のYES)には、制御回路107は、表示部101に印刷結果を表示する。例えば、制御回路107は、印刷結果として、表示部101に「印刷が終了しました」等、印刷が問題なく終了したことをユーザが把握できる情報を表示する。この処理が終了すると表示制御処理は終了となる。
【0062】
これに対し、エラー通知を受信した場合(ステップS105のYES)には、制御回路107は、印刷装置1から送信された印刷可能範囲の情報に基づき、被印刷媒体M内の印刷可能範囲を表示部101に表示する(ステップS108)。
【0063】
制御回路107は、入力部102を通じてユーザからの印刷データの変更の要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS109)。ユーザからの印刷データの変更の要求を受け付けなかった場合(ステップS109のNO)は、制御回路107は、印刷をしないで終了することを通知する終了通知を印刷装置1へ送信し(ステップS111)、印刷表示制御処理は終了となる。
【0064】
これに対し、
図9(B)に示すように、印刷不可能範囲202bが表示されている状態で、ユーザが入力部102を通じて、印刷文字サイズ、印刷濃度、印刷枚数、印刷テープ長、印刷テープ幅、印刷速度の情報を任意に操作すると、制御回路107は、ユーザからの印刷データの変更の要求を受け付けた(ステップS109のYES)と判定する。この場合、制御回路107は、操作された印刷文字サイズ、印刷濃度、印刷枚数、印刷テープ長、印刷テープ幅、印刷速度の情報に基づいて印刷イメージデータを再作成する。そして、制御回路107は、再作成した印刷イメージデータと、印刷濃度、印刷枚数、印刷テープ長、印刷テープ幅、印刷速度を含む情報を印刷データとして受け付け、印刷要求する印刷データとして印刷装置1へ再送信する(ステップS110)。
【0065】
印刷装置1は、ステップS110において再送信された印刷データに応じて、電池の電池残量に基づいて印刷可能な被印刷媒体Mの印刷可能範囲を再計算する。そして、印刷装置1は、その計算結果に基づき、被印刷媒体M内の印刷可能範囲を表示する印刷可能範囲の情報を電子機器100へ再送信する。印刷装置1が印刷可能範囲の情報を電子機器100へ再送信する例については、後述する。
【0066】
そして、処理は再びステップS105に移り、制御回路107は再びエラー通知を受信したか否かを判定する。すなわち、ユーザが、印刷文字サイズ、印刷濃度、印刷枚数、印刷テープ長、印刷テープ幅、印刷速度等を変更することで、エラー通知が来なくなり、印刷不可能な範囲がなくなり印刷イメージの全てが印刷できる状態になるか、または、ユーザが印刷データの変更をやめるまで、表示制御処理は繰り返し実行される。
【0067】
図10を参照して、第1の実施形態の印刷装置1の印刷制御処理について説明する。
図10は、第1の実施形態の印刷装置1の印刷制御処理のフローチャートである。第1の実施形態の印刷装置1の印刷制御処理では、電子機器100から送信された印刷データに応じて、電池Dの電池残量に基づいて印刷可能な被印刷媒体の印刷可能範囲を計算する。そして、その計算結果に基づき、被印刷媒体内の印刷可能範囲を電子機器100において表示する印刷可能範囲の情報を電子機器100へ送信する処理が行われる。
【0068】
印刷装置1は、印刷開始の指示に基づき、
図10に示す印刷制御処理を開始する。印刷制御処理では、制御回路5は、電子機器100と無線通信を開始し(ステップS201)、電子機器100と印刷データを送受信可能な状態にする。制御回路5は、印刷装置1に装着されている印刷テープ幅の情報を電子機器100へ送信する(ステップS202)。
【0069】
制御回路5は、電子機器100から送信された印刷データを受信したか否かを判定する(ステップS203)。印刷データを受信していない場合(ステップS203のNO)には、印刷データを受信するまでステップS203の処理が繰り返し実行され、印刷制御処理は待機状態となる。
【0070】
これに対し、印刷データを受信した場合(ステップS203のYES)には、制御回路5は、受信した印刷データと、印刷装置1の電池Dの電池残量と、に基づいて印刷可能範囲を計算する(ステップS204)。この処理では、例えば、制御回路5は、印刷データに基づいて印刷するのに必要なサーマルヘッド10へ通電する値を計算する。制御回路5は、印刷装置1の電池Dの電池残量を取得し、取得した電池残量に基づいて印刷可能なライン数あるいはピクセル数の値を計算する。そして、制御回路5は、印刷するのに必要なサーマルヘッド10へ通電する値と、電池残量に基づいて印刷可能なライン数あるいはピクセル数の値と、に基づいて印刷可能範囲を計算する。
【0071】
ステップS204において計算した結果、印刷可能ではないと判定した場合、例えば、印刷可能範囲が印刷テープ長未満であると判定した場合(ステップS205のNO)には、制御回路5は、エラー通知の情報が加えられた印刷可能範囲の情報を電子機器100へ送信する(ステップS206)。その後、電子機器100から送信(
図9の表示制御処理のステップS111)された終了通知を受信した場合(ステップS207のYES)には、印刷制御処理は印刷を行わずに終了となる。
【0072】
これに対し、終了通知を受け付けていない場合(ステップS207のNO)には、処理はステップS203の処理に戻る。この場合、電子機器100から印刷データが再送信される(
図9の表示制御処理のステップS110)ため、電子機器100から再送信された印刷データを受信した場合(ステップS203のYES)には、再送信された印刷データと、電池残量と、に基づいて印刷可能範囲を再計算する(ステップS204)。すなわち、印刷可能であると判定(ステップS205のYES)するか、終了通知を受信(ステップS207のYES)するまで、印刷制御処理は繰り返し実行される。
【0073】
印刷可能であると判定された場合(ステップS205のYES)には、制御回路5は、受信した印刷データに基づいて印刷を実行(ステップS208)、印刷終了通知を電子機器100へ送信する(ステップS209)。この処理が終了すると印刷制御処理は終了となる。
【0074】
第1の実施形態では、印刷装置1から送信された、印刷装置1の電池残量に基づいて計算された1つの印刷データに対する1枚の被印刷媒体Mにおける印刷可能範囲を表示しているがこれに限られるものではない。例えば、1つの印刷データに対し複数枚連続して印刷する場合には、制御回路107は、複数枚の被印刷媒体Mのうち印刷不可能となる被印刷媒体Mにおける印刷可能範囲を表示することができる。
【0075】
第1の実施形態では、印刷装置1の電池残量に基づいて被印刷媒体に印刷できる限度として、被印刷媒体M内の印刷可能範囲が表示部101に表示される。表示画面を見たユーザは、印刷が可能な範囲を認識することができる。これにより、印刷が部分的にしか行われなくて印刷が失敗してしまうことを抑制し、印刷が無駄になってしまうことを抑制することができる。
【0076】
また、印刷可能範囲を見たユーザが、印刷文字サイズ、印刷濃度、印刷枚数、印刷テープ長、印刷テープ幅、印刷速度等を変更することで、印刷可能な限度に収まるようにすることもできる。これにより、印刷装置1の電池残量が不足している場合であっても、ユーザが許容する条件で印刷を続行することができ、印刷装置の電池残量不足に基づいて印刷が失敗してしまうことを抑制することができる。
【0077】
また、印刷可能範囲を示す印刷可能範囲202aと、印刷不可能な範囲を示す印刷不可能範囲202bと、は互いに異なる透過率で区別して表示されているため、ユーザは一目で印刷ができない状況を把握することができる。
【0078】
また、印刷可能範囲は、被印刷媒体Mの副走査方向のライン単位で表示されるため、ユーザは印刷できる範囲と、印刷できない範囲と、を明確に区別して把握することができる。
【0079】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の印刷装置1と電子機器100のハードウェア構成については、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。第1の実施形態においては、印刷装置1から送信された、印刷装置1の電池残量とに基づいて計算された印刷内容における被印刷媒体Mの印刷可能範囲を計算する処理が行われていた。
印刷データと印刷装置1の電池の電池残量とに基づいて、印刷内容における被印刷媒体Mの印刷可能範囲を計算する処理が行われていた。この点第2の実施形態においては、印刷内容の情報は、サーマルヘッド10により被印刷媒体Mに印刷することにより形成される個片のラベルの枚数(以下、「印刷可能枚数」という)の情報を含み、印刷可能範囲を示す情報は、サーマルヘッド10により印刷可能なラベルの枚数の情報を含む。したがって、第2の実施形態においては、印刷装置1の電池残量に基づいて計算された被印刷媒体Mの印刷可能枚数を計算する点で相違する。
【0080】
第2の実施形態の制御回路5は、電子機器100から受信した印刷データに応じて、電池Dの電池残量に基づいて印刷可能な被印刷媒体Mの印刷可能枚数、すなわちサーマルヘッド10により被印刷媒体Mに印刷することにより形成される個片のラベルの枚数を計算する。具体的には、制御回路5は、印刷データに基づいて、印刷データに対応する印刷内容の全てを印刷するのに必要な、サーマルヘッド10へ通電するべき電力値を計算する。制御回路5は、電池残量検出回路28を通じて印刷装置1の電池Dの電池残量を取得し、取得した電池残量に基づいて印刷可能なライン数あるいはピクセル数の値を計算する。そして、制御回路5は、計算により算出した、サーマルヘッド10へ通電するべき電力値と、取得した電池残量に基づいて印刷可能なライン数あるいはピクセル数の値と、に基づいて印刷可能枚数を計算し、その計算結果を判定する。制御回路5は、計算結果に基づき、電子機器100において被印刷媒体Mの印刷可能枚数を表示する印刷可能枚数の情報を電子機器100へ送信する。
【0081】
第2の実施形態のRAM106には、連続印刷用のレイアウトメモリー領域が設定されている。レイアウトメモリー領域には、連続印刷用の複数の印刷イメージデータと、該印刷イメージデータにおける印刷テープ幅の情報と、が格納されている。
【0082】
図11A、11Bを参照して、第2の実施形態の電子機器100で行われる表示制御処理の概要について説明する。
図11A、11Bは、第2の実施形態の電子機器100の表示例を示す図である。
図11A(A)に示す表示部101の連続印刷イメージ表示領域301には、複数の印刷イメージ302b〜302eと、各印刷イメージ302b〜302eの選択部数(枚数)303b〜303eと、各印刷イメージ302b〜302eのキャンセルボタン304b〜304eと、印刷を実行するためのプリントスタートボタン305と、が表示されている。
【0083】
図11A(A)に示すように、ユーザが入力部102を通じてRAM106の連続印刷用のレイアウトメモリー領域から、印刷対象の印刷イメージの印刷イメージデータを複数選択すると、制御回路107は、選択した印刷イメージデータの印刷イメージを表示部101に複数表示する。
図11A(A)では、制御回路107は、表示部101の連続印刷イメージ表示領域301に、選択した印刷イメージデータの印刷イメージ302a〜302eを複数表示する。そして、ユーザが入力部102を通じてユーザが選択した印刷イメージの枚数を選択すると、各印刷イメージに対応する印刷データ単位として被印刷媒体群が構成される。例えば、
図11A(A)では、印刷イメージ302aの枚数が1部に設定され、1部の印刷イメージ302aが印刷データ単位として1つの被印刷媒体群を構成する。同様に、ユーザが入力部102を通じてユーザが選択した印刷イメージの枚数を選択することで、各印刷イメージ302b〜302eについても、それぞれの印刷データ単位として、各被印刷媒体群が構成される。
【0084】
ユーザが入力部102を通じてプリントスタートボタン305を押下すると、制御回路107は、被印刷媒体群で構成され選択された印刷イメージデータの情報を含む印刷データを受け付け、印刷装置1へ送信する。
【0085】
印刷装置1は、送信された印刷データに応じて、電池Dの電池残量に基づいて印刷可能な被印刷媒体Mの印刷可能枚数を計算する。
図11A、11Bの例においては、印刷装置1の計算の結果、印刷可能枚数の情報として、印刷データに含まれる印刷イメージ302a〜302eのうち印刷イメージ302aのみが印刷可能枚数に含まれる場合について説明する。印刷装置1が印刷可能枚数を計算する例については、後述する。
【0086】
印刷装置1の計算の結果、現在の電池残量では印刷データの一部しか印刷できない場合、すなわち、印刷データに含まれる印刷イメージ302a〜302eのうち印刷イメージ302aしか印刷可能範囲に含まれていない場合には、エラー通知の情報が加えられた印刷可能枚数の情報が印刷装置1から電子機器100へ送信される。印刷可能枚数の情報には、印刷可能枚数のピクセル(ドット)単位の情報または、被印刷媒体Mの副走査方向のライン単位の情報を含めることができる。
【0087】
印刷装置1からエラー通知を受信すると、制御回路107は、被印刷媒体Mの印刷可能枚数を表示する。より詳細には、制御回路107は、被印刷媒体Mの印刷可能枚数を、複数の印刷データのうち被印刷媒体Mに印刷可能な印刷データ単位で表示する。制御回路107は、印刷可能枚数の情報に基づいて、複数の印刷データに対応する印刷イメージのうち、被印刷媒体Mの印刷可能枚数に含まれる印刷データに対応する印刷イメージを印刷データ単位で表示する。具体的には、
図11A(B)に示すように、制御回路107は、表示部101の連続印刷イメージ表示領域301に表示されている印刷イメージ302a、302dのうち、被印刷媒体Mの印刷可能枚数に含まれる印刷データに対応する印刷イメージ302aに完了(印刷OK)マーク306を表示し、被印刷媒体Mの印刷可能枚数に含まれない残りの印刷データに対応する印刷イメージ302dにエラー(印刷NG)マーク307を表示する。図示していないが、制御回路107は、各印刷イメージ302a〜302e毎に表示する。
【0088】
また、
図11A(B)に示すように、制御回路107は、エラー通知を受信した場合には、連続印刷イメージ表示領域301に、印刷不可能な印刷データに対応する印刷イメージの枚数があることを示すメッセージ310を表示することもできる。第2の実施形態においては、制御回路107は、メッセージ310として、「電池駆動で印刷できないラベルがあります」の注意文を表示しているがこれに限られるものではなく、電池残量が不足しているため、印刷できない印刷データに対応する印刷イメージの枚数があることをユーザが把握できる内容で表示することができる。
【0089】
印刷できない印刷データに対応する印刷イメージがあることを確認したユーザが、入力部102を通じて印刷文字サイズや印刷速度を変更する操作を入力すると、制御回路107は、操作された文字サイズに基づいて印刷イメージデータを再作成する。
【0090】
例えば、
図11B(A)に示すように、ユーザが、入力部102を通じて印刷速度を変更して高速印刷にする操作を入力すると、制御回路107は、印刷速度の変更を受け付け、印刷速度を高速に設定する。制御回路107は、高速印刷を行うことで、電池駆動時間を短くして連続印刷を行うことを示すメッセージ311を連続印刷イメージ表示領域301に表示する。
【0091】
また、
図11B(B)に示すように、ユーザが、入力部102を通じて印刷文字サイズを変更する操作を入力すると、制御回路107は、印刷文字サイズの変更を受け付け、印刷文字サイズを変更する。制御回路107は、文字サイズを変更することで、最後まで連続印刷を行うことができることを示すメッセージ312を連続印刷イメージ表示領域301に表示する。すなわち、文字サイズを変更する前は、印刷イメージ302aしか印刷できなかったものを、文字サイズを変更することで、残りの印刷イメージ302b〜302eについても印刷することができることをユーザが把握できる。これにより、印刷が失敗して印刷が無駄になってしまうことを抑制するとともに、現在の電池残量で印刷できる方法をユーザが把握でき、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0092】
メッセージ312を見たユーザは、例えば
図11B(C)に示すように、表示部101の編集領域340において、印刷イメージ303bの文字サイズを現在の電池残量で印刷できる範囲に収まるように、入力部102を通じて文字をピンチアウトで縮小すると、制御回路107は文字サイズの変更を受け付ける。その結果、
図11B(D)に示すように、印刷イメージ303bの文字サイズが変更され、印刷イメージデータが再作成される。
【0093】
なお、図示していないが、印刷濃度、印刷枚数、印刷テープ長、印刷テープ幅の情報も、印刷文字サイズや印刷速度の情報と同様に、ユーザが入力部102を通じて任意に操作することで、制御回路107は、操作された印刷濃度、印刷枚数、印刷テープ長、印刷テープ幅に基づいて印刷イメージデータを再作成する。そして、制御回路107は、再作成した印刷イメージデータと、印刷濃度、印刷枚数、印刷テープ長、印刷テープ幅、印刷速度、含む情報を印刷データとして印刷装置1へ再送信する。すなわち、第2の実施形態の制御回路107は、印刷可能枚数の情報を印刷装置1から受信した後に、更に、印刷データの変更を受け付けた場合には、変更後の印刷データを再度印刷装置1へ送信する。
【0094】
印刷装置1は、再送信された印刷データに応じて、電池の電池残量に基づいて印刷可能な被印刷媒体Mの印刷可能枚数を再計算し、計算の結果、現在の電池残量では印刷データの一部しか印刷できない場合には、エラー通知の情報が加えられた印刷可能枚数の情報が印刷装置1から電子機器100へ再送信される。
そして、ユーザが、印刷文字サイズ、印刷濃度、印刷枚数、印刷テープ長、印刷テープ幅、印刷速度等を変更することで、印刷装置1からエラー通知が来なくなり、印刷不可能な範囲がなくなって印刷できる状態になるまで、繰り返し印刷文字サイズ等を変更することができる。
【0095】
第2の実施形態においては、制御回路107は、印刷可能な印刷イメージの枚数については、完了マーク306を表示し、印刷不可能な印刷イメージの枚数については、エラーマーク307を各印刷イメージ302a〜302e毎に表示しているがこれに限られるものではない。例えば、印刷可能な印刷イメージの枚数と、印刷不可能な印刷イメージの枚数と、をユーザが視認して区別できる態様で表示されればよく、両者が異なる透過率、異なる色、異なる模様、異なる明度、異なる網掛け等で区別して表示することもできる。
【0096】
次に、
図12を参照にして、第2の実施形態の表示制御処理について説明する。
図12は、第2の実施形態の表示制御処理のフローチャートである。第2の実施形態の表示制御処理は、基本的には第1の実施形態の
図9の表示制御処理のフローチャートと同じである。第2の実施形態のS302、S303、S305、S306、S311の処理は、第1の実施形態のステップS102、S103、S105、S106、S111の処理と同一であるため、説明を省略し相違点のみ説明する。
【0097】
電子機器100は、印刷開始の指示に基づき
図12に示す表示制御処理を開始する。表示制御処理では、制御回路107は、電子機器100のアプリケーションプログラムを実行して、入力部102を通じてユーザの印刷イメージデータに対する選択操作を受け付け、RAM106の連続印刷用のレイアウトメモリー領域から、連続印刷用の印刷イメージデータを複数取り出す。制御回路107は、複数取り出した連続印刷用の印刷イメージデータに対する、印刷濃度、印刷枚数、文字サイズを、入力部102を通じて受け付ける。制御回路107は、作成した印刷イメージデータと、印刷濃度と、印刷枚数と、含む情報を連続印刷用の複数の印刷データとして受け付ける(ステップS301)。制御回路107は、受け付けた印刷データをRAM106に保存する。
【0098】
制御回路107は、今回印刷要求する被印刷媒体群で構成され選択された連続印刷用の印刷イメージデータの情報を含む印刷データを、印刷装置1へ送信する(ステップS304)。
【0099】
印刷装置1は、ステップS304において送信された印刷データと、電池の電池残量と、に基づいて印刷可能な被印刷媒体Mの印刷可能枚数を計算する。そして、印刷装置1は、その計算結果に基づき、現在の電池残量では印刷データの一部しか印刷できないと判定した場合、被印刷媒体Mの印刷可能枚数を表示するための印刷可能枚数の情報にエラー通知の情報を加えて電子機器100へ送信する。印刷装置1において被印刷媒体の印刷可能枚数を計算する例については、後述する。
【0100】
制御回路107は、ステップS304で送信した印刷データと、電池残量と、に基づいて印刷装置1において計算された、印刷可能な被印刷媒体Mの印刷可能枚数の情報を印刷装置1から受信する。電池残量が被印刷媒体の印刷予定枚数を満たしていない場合には、印刷装置1からエラー通知の情報が加えられた印刷可能枚数の情報が送信され、電子機器100の制御回路107はその情報を受信する。
【0101】
これに対し、エラー通知を受信した場合(ステップS305のYES)には、制御回路107は、印刷装置1から送信された印刷可能枚数の情報に基づき、被印刷媒体Mの印刷可能枚数を表示部101に表示する(ステップS308)。この処理では、制御回路107は、印刷可能枚数の情報に基づいて、印刷可能枚数に含まれる印刷データに対応する印刷イメージを印刷データ単位で表示部101に表示する。
【0102】
制御回路107は、入力部102を通じてユーザからの印刷データの変更の要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS309)。ユーザからの印刷データの変更の要求を受け付けなかった場合(ステップS309のNO)は、制御回路107は、印刷をしないで終了することを通知する終了通知を印刷装置1へ送信し、印刷表示制御処理は終了となる。
【0103】
これに対し、
図11A(B)に示すように、電池残量が不足しているため、印刷できない印刷イメージの枚数がある旨のメッセージ310が表示されている状態で、ユーザが入力部102を通じて、印刷文字サイズ、印刷濃度、印刷枚数、印刷テープ長、印刷テープ幅、印刷速度の情報を任意に操作すると、制御回路107は、ユーザからの印刷データの変更の要求を受け付けた(ステップS309のYES)と判定する。この場合、制御回路107は、操作された印刷文字サイズ、印刷濃度、印刷枚数、印刷テープ長、印刷テープ幅、印刷速度の情報に基づいて印刷イメージデータを再作成する。
【0104】
そして、制御回路107は、再作成した印刷イメージデータと、印刷濃度、印刷枚数、印刷テープ長、印刷テープ幅、印刷速度、含む情報を印刷データとして受け付け、印刷要求する複数の印刷データとして印刷装置1へ再送信する(ステップS310)。
【0105】
印刷装置1は、ステップS310において再送信された印刷データに応じて、電池の電池残量に基づいて印刷可能な被印刷媒体Mの印刷可能枚数を再計算する。そして、印刷装置1は、その計算結果に基づき、被印刷媒体Mの印刷可能枚数を表示する印刷可能枚数の情報を電子機器100へ再送信する。印刷装置1が印刷可能枚数の情報を電子機器100へ再送信する例については、後述する。
【0106】
そして、処理は再びステップS305に移り、制御回路107は再びエラー通知を受信したか否かを判定する。すなわち、ユーザが、印刷文字サイズ、印刷濃度、印刷枚数、印刷テープ長、印刷テープ幅、印刷速度等を変更することで、エラー通知が来なくなり、印刷不可能な枚数がなくなり印刷イメージの全てが印刷できる状態になるか、または、ユーザが印刷データの変更をやめるまで、表示制御処理は繰り返し実行される。
【0107】
図13を参照して、第2の実施形態の印刷装置1の印刷制御処理について説明する。
図13は、第2の実施形態の印刷装置1の印刷制御処理のフローチャートである。第2の実施形態の印刷装置1の印刷制御処理では、電子機器100から送信された印刷データに応じて、電池の電池残量に基づいて印刷可能な被印刷媒体の印刷可能枚数を計算する。そして、その計算結果に基づき、被印刷媒体Mの印刷可能枚数を電子機器100において表示する印刷可能枚数の情報を電子機器100へ送信する処理が行われる。第2の実施形態の印刷制御処理は、基本的には第1の実施形態の
図10の印刷制御処理のフローチャートと同じである。第2の実施形態のS401、S402の処理は、第1の実施形態のステップS201、S202の処理と同一であるため、説明を省略し相違点のみ説明する。
【0108】
制御回路5は、電子機器100から送信された印刷データを受信したか否かを判定する(ステップS403)。印刷データを受信していない場合(ステップS403のNO)には、印刷データを受信するまでステップS403の処理が繰り返し実行され、印刷制御処理は待機状態となる。これに対し、印刷データを受信した場合(ステップS403のYES)には、制御回路5は、受信した印刷データと、印刷装置1の電池残量と、に基づいて印刷可能枚数を計算する(ステップS404)。この処理では、例えば、制御回路5は、印刷データに基づいて印刷するのに必要なサーマルヘッド10へ通電する値を計算する。制御回路5は、印刷装置1の電池Dの電池残量を取得し、取得した電池残量に基づいて印刷可能な値を計算する。そして、制御回路5は、印刷するのに必要なサーマルヘッド10へ通電する値と、電池残量に基づいて印刷可能な値と、に基づいて印刷可能枚数を計算する。
【0109】
ステップS404において計算した結果、印刷可能ではないと判定した場合、例えば、印刷可能枚数が電池残量に基づいて印刷可能な値に満たないと判定した場合(ステップS405のNO)には、制御回路5は、エラー通知の情報が加えられた印刷可能枚数の情報を電子機器100へ送信する(ステップS406)。その後、電子機器100から送信(
図12の表示制御処理のステップS311)された終了通知を受信した場合(ステップS407のYES)には、印刷制御処理は印刷を行わずに終了となる。
【0110】
これに対し、終了通知を受け付けていない場合(ステップS407のNO)には、処理はステップS403の処理に戻る。この場合、電子機器100から印刷データが再送信される(
図12の表示制御処理のステップS310)ため、電子機器100から再送信された印刷データを受信した場合(ステップS403のYES)には、再送信された印刷データと、電池残量と、に基づいて印刷可能枚数を再計算する(ステップS404)。すなわち、印刷可能であると判定(ステップS405のYES)か、終了通知を受信(ステップS407のYES)するまで、印刷制御処理は繰り返し実行される。
【0111】
印刷可能であると判定された場合(ステップS405のYES)には、制御回路5は、受信した印刷データに基づいて印刷を実行(ステップS408)、印刷終了通知を電子機器100へ送信する(ステップS409)。この処理が終了すると印刷制御処理は終了となる。
【0112】
第2の実施形態では、印刷装置1の電池残量に基づいて被印刷媒体に印刷できる限度として、被印刷媒体Mの印刷可能枚数が表示部101に表示される。表示画面を見たユーザは、印刷が可能な枚数を認識することができる。これにより、印刷が部分的にしか行われずに印刷が失敗してしまうことを抑制し、印刷が無駄になってしまうことを抑制することができる。
【0113】
また、印刷可能枚数を見たユーザが、印刷文字サイズ、印刷濃度、印刷枚数、印刷テープ長、印刷テープ幅、印刷速度等を変更することで、印刷可能な限度に収まるようにすることもできる。これにより、印刷装置1の電池残量が不足している場合であっても、ユーザが許容する条件で印刷を続行することができ、印刷装置の電池残量不足に基づいて印刷が失敗して、印刷が無駄になってしまうことを抑制することができる。
【0114】
また、被印刷媒体Mの印刷可能枚数は、複数の印刷データのうち被印刷媒体Mに印刷可能な印刷データ単位で表示されるため、ユーザは一目で印刷ができない印刷データを把握することができる。
【0115】
また、印刷データには、印刷イメージデータ、印刷濃度、印刷枚数の情報が含まれることから、印刷可能範囲や、印刷可能枚数を見たユーザが、印刷文字サイズ、印刷濃度、印刷枚数、印刷テープ長、印刷テープ幅、印刷速度等を任意に変更することで、印刷可能な限度に収めるようにすることができる。これにより、印刷が失敗して、印刷が無駄になってしまうことを抑制することができる。
【0116】
また、印刷イメージデータには、印刷イメージデータを構成するドットの情報が含まれるため、ドット単位で印刷できる範囲と、印刷できない範囲と、を明確に区別して表示することができる。これにより、ユーザは正確に印刷可能な限度に収まるようにすることができる。
【0117】
上述した実施形態は、発明の理解を容易にするために具体例を示したものであり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。印刷制御装置、印刷装置、印刷制御装置の印刷表示方法、及び、プログラムは、特許請求の範囲の記載を逸脱しない範囲において、さまざまな変形、変更が可能である。
【0118】
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
電池からの供給電力により被印刷媒体に印刷を行う印刷部と、
前記印刷部を制御し、印刷制御端末と通信により接続可能とされている制御回路と、
を備え、
前記制御回路は、
前記被印刷媒体に印刷する第1印刷内容の情報を示す第1印刷データを前記印刷制御端末から前記通信により受信し、
前記受信した前記第1印刷データと前記電池の電池残量とに基づいて、前記第1印刷内容における印刷可能範囲を算出し、
前記第1印刷内容における印刷可能範囲を算出した後、前記印刷可能範囲に前記第1印刷内容の全体が含まれていないとき、前記印刷可能範囲を示す情報を前記印刷制御端末へ前記通信により送信する、
ことを特徴とする印刷装置。
【0119】
[付記2]
付記1に記載の印刷装置であって、
前記第1印刷内容の情報は、前記印刷部により前記被印刷媒体に印刷することにより形成される個片のラベルの枚数の情報を含み、
前記印刷可能範囲を示す情報は、前記印刷部により印刷可能な前記ラベルの枚数の情報を含む、
ことを特徴とする印刷装置。
【0120】
[付記3]
付記1または付記2に記載の印刷装置であって、
前記制御回路は、
前記印刷可能範囲に前記第1印刷内容の全体が含まれているとき、前記被印刷媒体に前記第1印刷内容の印刷を行うように前記印刷部を制御する、
ことを特徴とする印刷装置。
【0121】
[付記4]
付記1乃至付記3のいずれか一つに記載の印刷装置であって、
前記制御回路は、
前記印刷可能範囲を示す情報を前記印刷制御端末へ前記通信により送信した後、印刷の終了を指示する終了通知を前記印刷制御端末から前記通信により受信したとき、前記印刷部による印刷を終了させ、
前記印刷可能範囲を示す情報を前記印刷制御端末へ前記通信により送信した後、第2印刷内容の情報を示す第2印刷データを前記通信により受信したとき、前記受信した前記第2印刷データと前記電池の電池残量とに基づいて、前記第2印刷内容における印刷可能範囲を算出し、前記印刷可能範囲に前記第2印刷内容の全体が含まれていないとき、前記印刷可能範囲を示す情報を前記印刷制御端末へ前記通信により送信する、
ことを特徴とする印刷装置。
【0122】
[付記5]
付記4に記載の印刷装置であって、
前記制御回路は、
前記第2印刷内容における印刷可能範囲を算出した後、前記印刷可能範囲が前記第2印刷内容の全体を含んでいるとき、前記被印刷媒体に前記第2印刷内容の印刷を行うように前記印刷部を制御する、
ことを特徴とする印刷装置。
【0123】
[付記6]
電池からの供給電力により被印刷媒体に印刷を行う印刷装置と通信により接続されて、前記印刷装置を制御する制御回路と、
表示部と、
を備え、
前記制御回路は、
前記被印刷媒体に印刷する第1印刷内容の情報を示す第1印刷データを前記印刷装置へ前記通信により送信し、
送信した前記第1印刷データと前記電池の電池残量とに基づいて前記印刷装置において算出された、前記第1印刷内容における印刷可能範囲を示す情報を前記印刷装置から前記通信により受信し、
受信した前記印刷可能範囲を示す情報を前記表示部に表示する、
ことを特徴とする印刷制御端末。
【0124】
[付記7]
付記6に記載の印刷制御端末であって、
前記制御回路は、
前記印刷可能範囲を示す情報を前記印刷装置から受信した後に、前記第1印刷データの変更を受け付けた場合には、変更後の第2印刷データを、再度、前記印刷装置へ送信する、
ことを特徴とする印刷制御端末。
【0125】
[付記8]
印刷装置の制御方法であって、
前記印刷装置は、電池からの供給電力により被印刷媒体に印刷を行う印刷部と、前記印刷部を制御し、印刷制御端末と通信により接続可能とされている制御回路と、を備え、
前記制御方法は、
前記被印刷媒体に印刷する第1印刷内容の情報を示す第1印刷データを前記印刷制御端末から前記通信により受信し、
前記受信した前記第1印刷データと前記電池の電池残量とに基づいて、前記第1印刷内容における印刷可能範囲を算出し、
前記第1印刷内容における印刷可能範囲を算出した後、前記印刷可能範囲に前記第1印刷内容の全体が含まれていないとき、前記印刷可能範囲を示す情報を前記印刷制御端末へ前記通信により送信する、
ことを特徴とする印刷装置の制御方法。
【0126】
[付記9]
印刷装置を制御するコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記印刷装置は、電池からの供給電力により被印刷媒体に印刷を行う印刷部と、前記印刷部を制御し、印刷制御端末と通信により接続可能とされている制御回路と、を備え、
前記コンピュータに、
前記制御回路により、前記被印刷媒体に印刷する第1印刷内容の情報を示す第1印刷データを前記印刷制御端末から前記通信により受信させ、
前記受信した前記第1印刷データと前記電池の電池残量とに基づいて、前記第1印刷内容における印刷可能範囲を算出させ、
前記第1印刷内容における印刷可能範囲を算出した後、前記印刷可能範囲に前記第1印刷内容の全体が含まれていないとき、前記制御回路により、前記印刷可能範囲を示す情報を前記印刷制御端末へ前記通信により送信させる、
ことを特徴とするプログラム。