特許第6874673号(P6874673)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6874673
(24)【登録日】2021年4月26日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】画像処理装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20210510BHJP
   H04N 1/387 20060101ALI20210510BHJP
   G06K 9/20 20060101ALI20210510BHJP
【FI】
   H04N1/00 C
   H04N1/387
   G06K9/20 340J
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-250231(P2017-250231)
(22)【出願日】2017年12月26日
(65)【公開番号】特開2019-117987(P2019-117987A)
(43)【公開日】2019年7月18日
【審査請求日】2019年11月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】関口 泰博
【審査官】 橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−238787(JP,A)
【文献】 特開2017−163247(JP,A)
【文献】 特開2007−206964(JP,A)
【文献】 特開2010−252319(JP,A)
【文献】 特開2006−093917(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
H04N 1/38− 1/393
G06T 1/00
G06K 9/00− 9/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿から画像を読み取る原稿読取部と、
前記原稿読取部による読み取りで得られた画像データに対して文字認識の処理を行う文字認識部と、
前記文字認識部による認識結果を用いて、前記原稿読取部による読み取りで得られた画像データを、予め定められたアプリケーションソフトウェアで利用可能なデータに変換する変換部と、
前記文字認識部による認識結果が示す文字列に、予め定められたキーワードが存在するか否かを判断する判断部とを備え、
前記変換部は、前記文字列に前記予め定められたキーワードが存在すると判断した場合には、編集が制限される形式で前記変換を行い、前記文字列に前記予め定められたキーワードが存在しないと判断した場合には、編集が制限されない形式で前記変換を行い、
前記原稿読取部で読み取られた前記原稿が複数のページを有する場合、
前記判断部は、前記ページ毎に、前記文字認識部による認識結果が示す文字列に、前記予め定められたキーワードが存在するか否かを判断し、
前記変換部は、前記判断部が前記予め定められたキーワードが存在すると判断したページについては、編集が制限される形式で前記変換を行い、前記判断部が前記予め定められたキーワードが存在しないと判断したページについては、編集が制限されない形式で前記変換を行い、編集が制限される形式で前記変換を行ったデータと編集が制限されない形式で前記変換を行ったデータとを、前記複数のページを有する原稿のページ順に揃えて、前記予め定められたアプリケーションソフトウェアで利用可能な一つのファイルにまとめる画像処理装置。
【請求項2】
前記判断部が、前記文字列に前記予め定められたキーワードが存在すると判断した場合には、前記変換部は、前記原稿読取部による読み取りで得られた画像データに対する前記変換を、読み取り専用のデータに変換することにより行う請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記判断部が、前記文字列に前記予め定められたキーワードが存在すると判断した場合には、前記変換部は、前記原稿読取部による読み取りで得られた画像データに対する前記変換を、パスワードが設定されたデータに変換することにより行う請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記予め定められたキーワードが、機密性を求める意味を有する文字である請求項1乃至請求項のいずれかに記載の画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置に関し、特に、スキャンにより得られた画像データを他のデータ形式に変換する際の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
OCR(Optical character recognition)技術の向上により、複合機等で原稿をスキャンすることによって得られた画像データは、表計算ソフト、文書編集ソフト、プレゼンテーションソフト等のアプリケーションソフトウェアで利用可能な形式のデータに変換してファイル化することで、PC(パーソナルコンピューター)上で原稿内容の編集が可能となっている。例えば、下記の特許文献1には、スキャンで得られた画像データを、上記のようなアプリケーションソフトウェアで利用可能なデータに変換することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−282149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
原稿を上記のようにファイル化して、PC等で編集可能になれば便利であるが、ファイル化するのに好ましくない原稿も存在する。例えば、「社外秘」「Confidential」という、秘匿性の高いことを示す文言が記載されている原稿をファイル化し、誰でもが自由に編集可能となるのはセキュリティーが確保できない虞がある。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、セキュリティーを確保した上で、スキャンにより得られた画像データを、汎用性の高いデータ形式に変換可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面に係る画像処理装置は、原稿から画像を読み取る原稿読取部と、前記原稿読取部による読み取りで得られた画像データに対して文字認識の処理を行う文字認識部と、前記文字認識部による認識結果を用いて、前記原稿読取部による読み取りで得られた画像データを、予め定められたアプリケーションソフトウェアで利用可能なデータに変換する変換部と、前記文字認識部による認識結果が示す文字列に、予め定められたキーワードが存在するか否かを判断する判断部とを備え、前記変換部は、前記文字列に前記予め定められたキーワードが存在すると判断した場合には、編集が制限される形式で前記変換を行い、前記文字列に前記予め定められたキーワードが存在しないと判断した場合には、編集が制限されない形式で前記変換を行い、前記原稿読取部で読み取られた前記原稿が複数のページを有する場合、前記判断部は、前記ページ毎に、前記文字認識部による認識結果が示す文字列に、前記予め定められたキーワードが存在するか否かを判断し、前記変換部は、前記判断部が前記予め定められたキーワードが存在すると判断したページについては、編集が制限される形式で前記変換を行い、前記判断部が前記予め定められたキーワードが存在しないと判断したページについては、編集が制限されない形式で前記変換を行い、編集が制限される形式で前記変換を行ったデータと編集が制限されない形式で前記変換を行ったデータとを、前記複数のページを有する原稿のページ順に揃えて、前記予め定められたアプリケーションソフトウェアで利用可能な一つのファイルにまとめる
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、原稿に予め定められたキーワードが存在する場合には、編集が制限される形式で、原稿読取部による読み取りで得られた画像データが、予め定められたアプリケーションソフトウェアで利用可能なデータに変換される。これにより、予め定められたキーワードが存在する原稿については、セキュリティーを高めた上で、予め定められたアプリケーションソフトウェアで利用可能な汎用性の高いデータ形式とすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置の一実施形態としての画像形成装置の主要内部構成を概略的に示した機能ブロック図である。
図2】データ変換について説明するための説明図であり、(A)は変換前の原稿を示し、(B)はデータ変換で得られた変換結果を示している。
図3】データ変換について説明するための説明図であり、(A)は変換前の原稿を示し、(B)はデータ変換で得られた変換結果を示している。
図4】第1実施形態に係る画像形成装置の制御ユニットで行われる処理の一例を示したフローチャートである。
図5】データ変換について説明するための説明図であり、(A)は変換前の原稿を示し、(B)はデータ変換で得られた変換結果を示している。
図6】第2実施形態に係る画像処理装置の一実施形態としての画像形成装置の主要内部構成を概略的に示した機能ブロック図である。
図7】データ変換について説明するための説明図であり、(A)は変換前の原稿を示し、(B)はデータ変換で得られた変換結果を示している。
図8】データ変換について説明するための説明図であり、(A)は変換前の原稿を示し、(B)はデータ変換で得られた変換結果を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態に係る画像処理装置について図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る画像処理装置の一実施形態としての画像形成装置の主要内部構成を概略的に示した機能ブロック図である。
【0010】
画像形成装置1は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、及びファクシミリ機能のような複数の機能を兼ね備えた複合機である。画像形成装置1は、制御ユニット10、原稿給送部6、原稿読取部5、画像形成部12、定着部13、給紙部14、及び操作部47を備える。
【0011】
画像形成装置1で原稿読取動作が行われる場合について説明する。原稿給送部6により搬送されてきた原稿、又はプラテンガラスに載置されている原稿の画像を、原稿読取部5が光学的に読み取り、そして画像データを生成する。原稿読取部5により生成された画像データは、図略の画像メモリー等に保存される。
【0012】
画像形成装置1で画像形成動作が行われる場合について説明する。原稿読取動作により生成された画像データや、ネットワーク接続された外部装置としてのコンピューターから受信した画像データ等に基づいて、画像形成部12が、給紙部14から給紙される記録媒体としての記録紙にトナー像を形成する。
【0013】
定着部13は、熱圧着によりトナー像を記録紙に定着させるものであり、定着処理が施された記録紙は排出トレイに排出される。給紙部14は、給紙カセットを備える。
【0014】
操作部47は、画像形成装置1が実行可能な各種動作及び処理について、操作者から、画像形成動作実行指示等の指示を受け付ける。操作部47は、操作者への操作案内等を表示する表示部473を備えている。表示部473はタッチパネルになっており、操作者は画面表示されるボタンやキーに触れて画像形成装置1を操作することができる。
【0015】
制御ユニット10は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び専用のハードウェア回路を含んで構成される。プロセッサーは、例えばCPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はMPU(Micro Processing Unit)等である。制御ユニット10は、制御部100と、操作受付部101と、文字認識部103と、変換部104と、判断部105とを備えている。
【0016】
制御ユニット10は、HDD(Hard Disk Drive)92に記憶されている制御プログラムに従った動作により、制御部100、操作受付部101、文字認識部103、変換部104、及び判断部105として機能するものである。但し、制御部100等は、制御ユニット10による制御プログラムに従った動作によらず、それぞれハードウェア回路により構成することも可能である。以下、特に触れない限り、各実施形態について同様である。
【0017】
制御部100は、画像形成装置1の全体的な動作制御を司る。制御部100は、原稿給送部6、原稿読取部5、画像形成部12、定着部13、給紙部14、及び操作部47と接続され、これら各部の駆動制御等を行う。
【0018】
操作受付部101は、操作部47を介してユーザーからの操作入力を受け付ける。また、操作受付部101は、変換指示受付部102を備えている。変換指示受付部102は、原稿読取部5による読み取りで得られた画像データを、予め定められたアプリケーションソフトウェア(例えば、表計算ソフトウェアや文書編集ソフトウェア、プレゼンテーション作成ソフトウェア等)で利用可能なデータ形式(例えば、Excel形式やWord形式、PPT形式のデータ)に変換させる変換指示を受け付ける。
【0019】
文字認識部103は、原稿読取部5による読み取りで得られた画像データに対してOCR(Optical character recognition)処理等の文字認識処理を行う。
【0020】
変換部104は、変換指示受付部102が上記変換指示を受け付けた場合に、文字認識部103による認識結果を用いて、原稿読取部5による読み取りで得られた画像データを、上記変換指示が示す内容に従って、上記予め定められたアプリケーションソフトウェアで利用可能なデータ(例えば、Excel形式やWord形式、PPT形式のデータ)に変換する。変換部104は、当該予め定められたアプリケーションソフトウェア、又は、少なくとも当該予め定められたアプリケーションソフトウェアで利用可能なデータに変換するためのアプリケーションソフトを記憶している。
【0021】
例えば、図2(A)に示すように、5ページからなる原稿D1〜D5を例えばjpeg形式により原稿読取部5に読み取らせ、変換指示受付部102がWord形式のデータへの変換を指示する変換指示を受け付けた場合、変換部104は、図2(B)に示すように、原稿D1〜D5の画像データをWord形式のデータに変換し、データ変換によって得られたWord文書W1〜W5を一つのファイルF1として作成する。そして、制御部100が、当該ファイルF1をHDD92に保存する。
【0022】
また、図3(A)に示すように、5ページからなる原稿D1〜D5を原稿読取部5に読み取らせる際に、変換指示受付部102がExcel形式のデータへの変換を指示する変換指示を受け付けた場合、変換部104は、図3(B)に示すように、原稿D1〜D5の画像データをExcel形式のデータに変換して、データ変換によって得られたExcel文書それぞれのワークシートWS1〜WS5を一つのファイルF2として作成する。そして、制御部100が、当該ファイルF2をHDD92に保存する。
【0023】
判断部105は、文字認識部103による認識結果が示す文字列に、予め定められたキーワードが存在するか否かを判断する。当該予め定められたキーワードは、例えば上記原稿が秘密であることを示す内容を含むもの、例えば、「秘密」「機密」「社外秘」や「マル秘(秘を丸で囲んだ囲み文字)」、「Confidential」等である。
【0024】
また、変換部104は、上記文字列に上記予め定められたキーワードが存在すると判断した場合には、編集が制限される形式で上記変換を行い、上記文字列に上記予め定められたキーワードが存在しないと判断した場合には、編集が制限されない形式で上記変換を行う。
【0025】
次に、第1実施形態に係る画像形成装置1の制御ユニット10で行われる処理の一例について、図4に示したフローチャートに基づいて説明する。
【0026】
操作受付部101が、原稿のスキャン開始の指示をユーザーから操作部47を介して受け付けると、制御部100は、原稿読取部5の動作を制御して、原稿読取部5に原稿を読み取らせる(S1)。
【0027】
続いて、制御部100が、変換指示受付部102が上記変換指示をユーザーから受け付けているか否かを判断する(S2)。制御部100は、変換指示受付部102が上記変換指示を受け付けていないと判断した場合(S2でNO)、原稿読取部5による読み取りで得られた画像データを、HDD92に保存する(S3)。この後、処理は終了する。
【0028】
一方、制御部100が、変換指示受付部102が上記変換指示を受け付けていると判断した場合(S2でYES)、文字認識部103が、原稿読取部5による読み取りで得られた画像データに対してOCR処理等の文字認識の処理を行う(S4)。続いて、判断部105が、文字認識部103による認識結果が示す文字列に、上記キーワードが存在するか否かを判断する(S5)。
【0029】
判断部105が、当該文字列に上記キーワードが存在しないと判断した場合(S5でNO)、変換部104は、文字認識部103による認識結果に基づいて、原稿読取部5による読み取りで得られた画像データを、変換指示受付部102が受け付けた変換指示に従って、編集が制限されない形式で、ユーザーによって指示されたアプリケーションソフトウェアで利用可能なデータに変換する(S6)。制御部100は、変換部104によるデータ変換で得られたデータ(例えば、図2(B)に示したWord文書W1〜W5)をHDD92に保存する(S7)。この後、処理は終了する。
【0030】
一方、判断部105が、文字認識部103による認識結果が示す文字列に、上記キーワードが存在すると判断した場合(S5でYES)、変換部104が、編集が制限される形式で、原稿読取部5による読み取りで得られた画像データを、ユーザーによって指示された上記アプリケーションソフトウェアで利用可能なデータに変換する(S8)。そして、制御部100が、当該データ変換によって作成されたデータをHDD92に保存する(S9)。この後、処理は終了する。
【0031】
例えば、図5(A)に示すように、2ページ目の原稿D12に「マル秘」という文言が存在する、5ページからなる原稿D11〜D15を原稿読取部5に読み取らせる際に、変換指示受付部102がWord形式のデータへの変換を指示する変換指示を受け付けた場合、上記S8において、変換部104は、図5(B)に示すように、原稿読取部5による読み取りで得られた原稿D11〜D15の画像データを、編集が困難なデータ形式、例えばPDF(Portable Document Format)形式のデータに変換し、データ変換することによって得られたPDF文書P1〜P5を一つのファイルF3として作成する。上記S9において、制御部100が当該ファイルF3をHDD92に保存する。
【0032】
また、ここでは変換部104が、原稿読取部5による読み取りで得られた原稿D11〜D15の画像データをPDF形式のデータに変換する場合について説明しているが、PDF形式でなくても、編集が困難な形式であれば、別の形式でもよく、画像形式のデータ(例えば、Jpeg形式のデータ)に変換してもよい。
【0033】
また、上記S8において変換部104が行う、編集が制限される形式でのデータ変換については、上記以外に下記(1)、(2)のいずれかを採用してもよい。また、変換部104は、上記に示したデータ変換方法、下記(1)、(2)のうち、操作部47を介してユーザー(管理者ユーザー)から選択を受け付けたデータ変換方法を行うものとしてもよい。
【0034】
(1)変換部104は、上記アプリケーションソフトウェアで利用可能なデータ(例えば、図2(B)に示したWord文書W1〜W5や、図3(B)に示したExcel文書のワークシートWS1〜WS5)への変換を行うとき、読み取り専用のデータに変換する。
【0035】
(2)変換部104は、上記アプリケーションソフトウェアで利用可能なデータへの変換を行うとき、パスワード(例えば、管理者ユーザーによって事前に設定されたパスワード)が設定されたデータに変換する。
【0036】
上記第1実施形態によれば、原稿に予め定められたキーワード(例えば、社外秘やマル秘、Confidential)が存在する場合(すなわち、原稿が自由な編集が好ましくないものである場合)には、編集が制限される形式で、原稿読取部5による読み取りで得られた画像データが、上記アプリケーションソフトウェアで利用可能なデータに変換される。これにより、上記予め定められたキーワードが存在する原稿については、セキュリティーを高めた上で、上記アプリケーションソフトウェアで利用可能な汎用性の高いデータ形式とすることが可能になる。
【0037】
図6は、第2実施形態に係る画像処理装置の一実施形態としての画像形成装置の主要内部構成を概略的に示した機能ブロック図である。第2実施形態に係る画像形成装置は、図1に示した画像形成装置1と、操作受付部101が分割指示受付部107を備える点、更には制御ユニット10が分割部108を備える点で相違する。以下の説明では、図1に示した構成と同様の構成については、説明を省略する。
【0038】
制御ユニット10は、HDD92に記憶されている第2の制御プログラムに従った動作により、制御部100、操作受付部101、文字認識部103、変換部104、判断部105、分割指示受付部107、及び分割部108として機能する。但し、制御部100等は、制御ユニット10による制御プログラムに従った動作によらず、それぞれハードウェア回路により構成することも可能である。以下、特に触れない限り、各実施形態について同様である。
【0039】
分割指示受付部107は、ユーザーによる操作部47の操作で入力される、原稿読取部5による読み取りで得られた画像データを複数のファイルに分割させる分割指示を受け付ける。
【0040】
分割部108は、分割指示受付部107が上記分割指示を受け付けた場合に、原稿読取部5による読み取りで得られた画像データを、上記分割指示に従って、複数のファイルに分割する。
【0041】
例えば、図2(A)に示すように、5ページからなる原稿D1〜D5を原稿読取部5に読み取らせる際に、分割指示受付部107が最初の3ページと残りの2ページとで2つのファイルに分割させる分割指示を受け付けた場合、分割部108は、原稿読取部5による読み取りで得られた原稿D1〜D5の画像データを分割して、原稿D1〜D3の画像データを一つのファイルとし、原稿D4,D5の画像データを別の一つのファイルとする。
【0042】
判断部105は、分割部108が、原稿読取部5による読み取りで得られた画像データを複数のファイルに分割する場合には、分割部108が分割したファイル毎に、文字認識部103による認識結果が示す文字列に、上記キーワードが存在するか否かを判断する。
【0043】
更に、変換部104は、判断部105が文字列に上記キーワードが存在すると判断したファイルについては、編集が制限される形式で、原稿読取部5による読み取りで得られた画像データを、上記アプリケーションソフトウェアで利用可能なデータに変換し、判断部105が文字列に上キーワードが存在しないと判断したファイルについては、編集が制限されない形式で当該変換を行う。
【0044】
例えば、図7(A)に示すように、2ページ目の原稿D12に「マル秘」という文言が存在する、5ページからなる原稿D11〜D15を原稿読取部5に読み取らせる際に、変換指示受付部102がWord形式のデータへの変換を指示するユーザー変換指示を受け付け、更に、分割指示受付部107が、最初の3ページを1つのファイルとし、残りの2ページを1つのファイルとするように分割させる分割指示をユーザーから受け付けた場合、変換部104が、図7(B)に示すように、原稿読取部5による読み取りで得られた原稿D11〜D13については、これらの画像データをPDF形式のデータに変換する。これにより、PDF文書P1〜P3が一つのファイルF4として作成される。
【0045】
残りの2ページである原稿D4,D5の画像データについては、変換部104が、Word形式のデータに変換する。これにより、Word文書W14,W15が1つのファイルF5として作成される。制御部100は、これらファイルF4,F5をHDD92に保存する。
【0046】
また、更に別の実施形態としては、原稿読取部5で読み取られた原稿が複数のページを有する場合、判断部105がページ毎に、文字認識部103による認識結果が示す文字列に、上記キーワードが存在するか否かを判断する。
【0047】
この場合、変換部104は、判断部105により文字列に上記キーワードが存在すると判断されたページについては、編集が制限される形式で、原稿読取部5による読み取りで得られた画像データを、上記アプリケーションソフトウェアで利用可能なデータに変換し、判断部105が文字列に上記キーワードが存在しないと判断したページについては、編集が制限されない形式で当該変換を行う。
【0048】
例えば、図8(A)に示すように、2ページ目の原稿D12に「マル秘」という文言が存在する、5ページからなる原稿D11〜D15を原稿読取部5に読み取らせる際に、変換指示受付部102がExcel形式のデータへの変換を指示する変換指示を受け付けた場合、2ページ目の原稿D12については、変換部104が、原稿D12の画像データを、Jpeg形式のデータに変換する。
【0049】
そして、変換部104は、1,3〜5ページ目の原稿D11,D13〜D15を、Excel形式のデータに変換して、Excel文書のワークシートWS11〜WS15を一つのファイルF6にまとめる。このとき、変換部104は、ワークシートWS12を空白で作成し、当該ワークシートWS12には、Jpeg形式のデータに変換した画像J12を貼り付ける。制御部100は、当該ファイルF6をHDD92に保存する。
【0050】
また、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。また、上記実施形態では、本発明に係る画像処理装置の一実施形態として複合機を用いて説明しているが、これは一例に過ぎず、例えば、コピー機能、ファクシミリ機能、スキャナー機能等を有した他の画像処理装置でもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、図1乃至図8を用いて上記実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0052】
1 画像形成装置
5 原稿読取部
100 制御部
103 文字認識部
104 変換部
105 判断部
108 分割部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8