特許第6874698号(P6874698)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6874698
(24)【登録日】2021年4月26日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】物品収納設備
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20210510BHJP
【FI】
   B65G1/04 521
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-2087(P2018-2087)
(22)【出願日】2018年1月10日
(65)【公開番号】特開2019-119585(P2019-119585A)
(43)【公開日】2019年7月22日
【審査請求日】2020年2月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】吉永 和治
(72)【発明者】
【氏名】秋山 崇
【審査官】 松江川 宗
(56)【参考文献】
【文献】 実開平06−063601(JP,U)
【文献】 特開平11−189315(JP,A)
【文献】 特開平02−011468(JP,A)
【文献】 特開2011−088681(JP,A)
【文献】 特開平10−218311(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00−1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業台車と、前記作業台車を搬送する搬送装置と、倉庫と、を備えた物品収納設備であって、
前記作業台車は、第一方向に沿って設置された第一レール上を移動する第一台車と、
前記第一方向に対して平面視で交差する第二方向に沿って設置された第二レール上を移動する第二台車と、を備え、
前記第一台車は、当該第一台車が前記第二レールに対応する位置にある状態で前記第二レールと連続する第三レールを備え、
前記第二台車は、前記第二レールから前記第三レールに乗り移ることで前記第一台車上に載置可能に構成されると共に、作業者が搭乗可能な搭乗台を備えており、
前記倉庫が、上下方向に複数段に配置された前記第一レールと、複数段の前記第一レールのそれぞれに対応する高さに配置された前記第二レールとを備え、
前記搬送装置は、前記作業台車を前記上下方向に搬送することができると共に、前記倉庫の外部から複数段の前記第一レールのうちの任意の前記第一レール上に前記第一台車を搬送する物品収納設備。
【請求項2】
前記第一台車は、第一規制部を有し、
前記第一規制部は、前記第三レールが前記第二レールに連続する位置で前記第一台車の移動を規制する第一規制状態と、前記第一台車の移動の規制を解除する第一規制解除状態と、に切り換え可能に構成されている請求項1に記載の物品収納設備
【請求項3】
前記第二台車は、第二規制部を有し、
前記第二規制部は、前記第二レール上及び前記第三レール上の任意の位置で前記第二台車の移動を規制する第二規制状態と、前記第二台車の移動の規制を解除する第二規制解除状態と、に切り換え可能に構成されている請求項1又は2に記載の物品収納設備
【請求項4】
前記第一台車は、前記第一レール上を転動する複数の第一車輪を備え、
前記第二台車は、前記第二レール上及び第三レール上を転動する複数の第二車輪を備え、
前記第一車輪及び第二車輪の夫々は、前記第二台車が前記第一台車に載置されている状態において、平面視で前記搭乗台に対して外側に配置されている請求項1から3のいずれか一項に記載の物品収納設備
【請求項5】
前記第一台車は、作業者が前記第一台車を押引操作するための操作部を備え、
前記第一方向における前記第一レールに対して前記搬送装置が存在する側を第一方向第一側とし、その反対側を第一方向第二側として、
前記操作部は、前記第一台車における前記第一方向第二側の端部に備えられている請求項に記載の物品収納設備。
【請求項6】
作業台車と、前記作業台車を搬送する搬送装置と、倉庫と、を備えた物品収納設備であって、
前記作業台車は、第一方向に沿って設置された第一レール上を移動する第一台車と、
前記第一方向に対して平面視で交差する第二方向に沿って設置された第二レール上を移動する第二台車と、を備え、
前記第一台車は、当該第一台車が前記第二レールに対応する位置にある状態で前記第二レールと連続する第三レールを備え、
前記第二台車は、前記第二レールから前記第三レールに乗り移ることで前記第一台車上に載置可能に構成されると共に、作業者が搭乗可能な搭乗台を備えており、
前記倉庫が、前記第一レールと前記第二レールとを備え、
前記搬送装置は、前記倉庫の外部から前記倉庫の前記第一レール上に前記第一台車を搬送し、
前記第一台車は、作業者が前記第一台車を押引操作するための操作部を備え、
前記第一方向における前記第一レールに対して前記搬送装置が存在する側を第一方向第一側とし、その反対側を第一方向第二側として、
前記操作部は、前記第一台車における前記第一方向第二側の端部に備えられている、物品収納設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者が搭乗可能な搭乗台を備えた作業台車、及び、その作業台車を備えた物品収納設備に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる作業台車の従来例が、特開2011−088681号公報(特許文献1)に記載されている。特許文献1の作業台車は、第一レール(レールX)上を転動する主車輪6と、第二レール(レールY)上を転動する横行車輪7と、を備え、主車輪6を昇降自在に構成されている。
【0003】
特許文献1の作業台車は、主車輪を昇降させることで、主車輪6が第一レールに接触して作業台車が第一レールに沿って移動する状態と、横行車輪7が第二レールに接触して作業台車が第二レールに沿って移動する状態と、に切り換え可能に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−088681号公報
【0005】
特許文献1の作業台車では、作業台車が第一レール上における第二レールに対応する位置で主車輪6を上昇させて横行車輪7を第二レールに接触させる構成であるため、横行車輪7を支持する第二レールは、作業台車が第一レール上にある状態における平面視で、横行車輪と重なる位置まで設置する必要がある。そのため、第二レールの長さが長くなっている。特に、第二レールを多数設置する場合では、長い第二レールを多数設置する必要があり、製造コストが高くなり易い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、第二レールを短くできる作業台車、及び、その作業台車を備えた物品収納設備の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記に鑑みた、物品収納設備の特徴構成は、作業台車と、前記作業台車を搬送する搬送装置と、倉庫と、を備えた物品収納設備であって、前記作業台車は、第一方向に沿って設置された第一レール上を移動する第一台車と、前記第一方向に対して平面視で交差する第二方向に沿って設置された第二レール上を移動する第二台車と、を備え、前記第一台車は、当該第一台車が前記第二レールに対応する位置にある状態で前記第二レールと連続する第三レールを備え、前記第二台車は、前記第二レールから前記第三レールに乗り移ることで前記第一台車上に載置可能に構成されると共に、作業者が搭乗可能な搭乗台を備えており、前記倉庫が、上下方向に複数段に配置された前記第一レールと、複数段の前記第一レールのそれぞれに対応する高さに配置された前記第二レールとを備え、前記搬送装置は、前記作業台車を前記上下方向に搬送することができると共に、前記倉庫の外部から複数段の前記第一レールのうちの任意の前記第一レール上に前記第一台車を搬送する点にある。
この構成によれば、第二台車を載置した第一台車を、第一レール上で移動させることで、第一台車と共に第二台車を第一方向に沿って移動させることができる。そして、第二レールに対応する位置に第一台車がある状態では、第二レールと第三レールとが連続するため、第二台車は、第二レールから第三レールに乗り移ることや第三レールから第二レールに乗り移ることができる。そして、第二台車を、第二レール上で移動させることで、搭乗台に作業者が搭乗した状態の第一台車を第二方向に沿って移動させることができる。第一台車に載置されている第二台車は第三レールに支持されるため、第二レールを、作業台車が第一レール上にある状態における平面視で、第二台車と重なる位置まで設置する必要がなく、第二レールの長さを短くできる。
更に、この構成によれば、搬送装置によって、倉庫の外部から第一レール上に作業台車を搬入し、作業台車を用いた作業を倉庫内で行うことができる。
【0008】
上記に鑑みた、物品収納設備のもう一つの特徴構成は、作業台車と、前記作業台車を搬送する搬送装置と、倉庫と、を備えた物品収納設備であって、前記作業台車は、第一方向に沿って設置された第一レール上を移動する第一台車と、前記第一方向に対して平面視で交差する第二方向に沿って設置された第二レール上を移動する第二台車と、を備え、前記第一台車は、当該第一台車が前記第二レールに対応する位置にある状態で前記第二レールと連続する第三レールを備え、前記第二台車は、前記第二レールから前記第三レールに乗り移ることで前記第一台車上に載置可能に構成されると共に、作業者が搭乗可能な搭乗台を備えており、前記倉庫が、前記第一レールと前記第二レールとを備え、前記搬送装置は、前記倉庫の外部から前記倉庫の前記第一レール上に前記第一台車を搬送し、前記第一台車は、作業者が前記第一台車を押引操作するための操作部を備え、前記第一方向における前記第一レールに対して前記搬送装置が存在する側を第一方向第一側とし、その反対側を第一方向第二側として、前記操作部は、前記第一台車における前記第一方向第二側の端部に備えられている点にある。
この構成によれば、第二台車を載置した第一台車を、第一レール上で移動させることで、第一台車と共に第二台車を第一方向に沿って移動させることができる。そして、第二レールに対応する位置に第一台車がある状態では、第二レールと第三レールとが連続するため、第二台車は、第二レールから第三レールに乗り移ることや第三レールから第二レールに乗り移ることができる。そして、第二台車を、第二レール上で移動させることで、搭乗台に作業者が搭乗した状態の第一台車を第二方向に沿って移動させることができる。第一台車に載置されている第二台車は第三レールに支持されるため、第二レールを、作業台車が第一レール上にある状態における平面視で、第二台車と重なる位置まで設置する必要がなく、第二レールの長さを短くできる。
また、この構成によれば、搬送装置によって、倉庫の外部から第一レール上に作業台車を搬入し、作業台車を用いた作業を倉庫内で行うことができる。
更に、この構成によれば、作業者が操作部を操作することで第一台車を押引操作し易くなる。そして、操作部は、第一台車における搬送装置が存在する側とは反対側に備えられているため、操作部を操作して第一台車を第一レールから搬送装置に乗り移るように移動させ易く、操作部を操作して第一台車を搬送装置から第一レールに乗り移るように移動させ易くなっている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】物品収納設備の平面図
図2図1におけるII−II矢視図
図3図1におけるIII−III矢視図
図4図1におけるIV−IV矢視図
図5】搬送台車の斜視図
図6】作業台車の斜視図
図7】作業台車の斜視図
図8】スタッカークレーンの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.実施形態
作業台車を備えた物品収納設備の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、物品収納設備は、物品Wを収納する倉庫としての自動倉庫1と、物品Wを搬送する物品搬送車2と、作業者が押引操作可能な作業台車3(図4参照)と、作業台車3を搬送する搬送装置としてのスタッカークレーン4と、が備えられている。本実施形態では、物品Wは、パレットとそのパレットに段積みされた複数の荷とで構成されている。
【0011】
図2及び図3に示すように、自動倉庫1は、上下方向Zに並べて設置された複数の収納搬送部6と、複数の収納搬送部6の夫々に対して設置された第一搬送コンベヤ7と、昇降自在な昇降台8と、第二搬送コンベヤ9と、を備えている。複数の第一搬送コンベヤ7と昇降台8と第二搬送コンベヤ9とを有して構成される搬送ユニットは、自動倉庫1に物品Wを入庫するときに用いる入庫用の搬送ユニットと、自動倉庫1から物品Wを出庫するときに用いる出庫用の搬送ユニットと、が設けられている。
【0012】
〔収納搬送部〕
収納搬送部6は、物品Wを収納する収納棚11と、走行経路Rに沿って走行して物品Wを搬送する搬送台車12と、第一方向Xに沿って設置された一対の第一走行レール13と、第二方向Yに沿って設置された一対の第二走行レール14と、を備えている。図1に示すように、走行経路Rは、第一走行経路R1と第二走行経路R2とを含み、搬送台車12の親台車18は、一対の第一走行レール13上を走行することで第一走行経路R1に沿って走行し、搬送台車12の子台車19は、一対の第二走行レール14上を走行することで第二走行経路R2に沿って走行する。収納棚11は、第一走行レール13に対して第二方向Yの両側の夫々に備えられており、その第二方向Yの両側の夫々において第一方向Xに並ぶ状態で複数備えられている。尚、本実施形態では、第二方向Yは、第一方向Xに対して平面視で直交する方向である。また、第一方向Xにおける一方側を第一方向第一側X1と称し、その反対側を第一方向第二側X2と称する。また、第二方向Yにおける一方側を第二方向第一側Y1と称し、その反対側を第二方向第二側Y2と称する。
【0013】
図5に示すように、一対の第一走行レール13は、第二方向Yに間隔を空けた状態で互いに同じ高さに設置されている。また、一対の第二走行レール14は、第一方向Xに間隔を空けた状態で互いに同じ高さに設置されている。一対の第一走行レール13は、1組のみ備えられている。一対の第二走行レール14は、複数の収納棚11の夫々に対して備えられており、複数組備えられている。
【0014】
収納搬送部6について説明を加えると、収納搬送部6は、第二方向Yに沿って設置された一対のビーム材15を複数組備えている。一対のビーム材15は、上下方向Zに延びる基部15Aと、基部15Aの下端部から第一方向Xの内側に延びる第一延在部15Bと、基部15Aの上端部から第一方向Xの外側に延びる第二延在部15Cと、を備えている。一対のビーム材15における一対の第一延在部15Bの夫々によって第二走行レール14が形成されており、一対のビーム材15における一対の第二延在部15Cによって収納棚11が形成されている。より詳しくは、一対の第二延在部15Cの上面が、収納棚11における物品Wが載置される載置面となっている。
【0015】
収納棚11に収納された物品Wは、その第一方向Xの両端部が一対のビーム材15の第二延在部15Cによって下方から支持される。そして、一対の第二走行レール14は、第一方向Xにおいて一対の第二延在部15Cの間に位置し、且つ、一対の第二延在部15C(収納棚11)より低い高さに位置している。
【0016】
〔歩廊〕
自動倉庫1には、作業者が歩行可能な歩廊16が備えられている。歩廊16として、一対の第一走行レール13の間を作業者が歩行するための第一歩廊16Aと、第一走行レール13に対して第二方向Yの外側を作業者が歩行するための第二歩廊16B及び第三歩廊16Cと、がある。第一歩廊16Aは、一対の第一走行レール13の間に位置するように設置されている。第二歩廊16Bは、収納搬送部6に対して第一方向第一側X1に隣接し且つ第一走行レール13に対して第二方向第一側Y1に隣接するように設置されている。第三歩廊16Cは、収納搬送部6に対して第一方向第一側X1に隣接し且つ第一走行レール13に対して第二方向第二側Y2に隣接するように設置されている。第二歩廊16B及び第三歩廊16Cは、第一歩廊16Aとの間で作業者が乗り移り可能に配置されている。
本実施形態では、上下方向Zに隣接する第一走行レール13の間隔が、作業者が歩行可能な間隔以上となっているため、上下方向Zに並ぶ複数の収納搬送部6の夫々に対して歩廊16を設置している。本実施形態では、作業者が歩行可能な間隔は、成人男性の平均身長としている。
【0017】
第二歩廊16Bの第一方向第一側X1の縁部及び第二方向第一側Y1の縁部に固定柵29が立設されている。また、第三歩廊16Cの第一方向第一側X1の縁部及び第二方向第二側Y2の縁部に固定柵29が立設されている。また、第一歩廊16Aの第一方向第一側X1の縁部には、上下方向Zに移動可能な移動柵30が立設されている。
【0018】
移動柵30は、閉じ位置と、この閉じ位置から上方に移動させた開き位置と、に移動可能に構成されている。閉じ位置は、移動柵30の下端の高さが搬送台車12の上端より高く且つ作業台車3の上端より低い位置であり、移動柵30が閉じ位置にある状態では、搬送台車12は移動柵30の下方を通過できるが作業台車3は移動柵30の下方を通過できないようになっている。開き位置は、移動柵30の下端の高さが搬送台車12の上端及び作業台車3の上端より高い位置であり、移動柵30が開き位置にある状態では、搬送台車12と作業台車3の双方が移動柵30の下方を通過できるようになっている。移動柵30に対して、移動柵30が閉じ位置にあることを検出する第一検出部S1が備えられている。
【0019】
〔搬送台車〕
搬送台車12は、第一方向Xに沿って第一走行レール13上を走行する親台車18と、第二方向Yに沿って第二走行レール14上を走行する子台車19と、を有している。親台車18は、子台車19を載置可能に構成されており、子台車19を親台車18に載置している状態では、親台車18を第一方向Xに沿って移動させることで、この親台車18と一体的に子台車19も第一方向Xに沿って移動する。
【0020】
親台車18は、第一走行レール13上を転動する第一走行車輪21と、物品Wを支持すると共に物品Wを第二方向Yに搬送する搬送コンベヤ22と、第三走行レール23と、を備えている。親台車18は、第一走行レール13に沿って走行する。
【0021】
親台車18が第二走行レール14に対応する位置にある状態では、第三走行レール23が第二走行レール14に接続される。尚、第三走行レール23が第二走行レール14に接続される、とは、第二走行レール14と第三走行レール23との位置関係が一直線上に並び、第二走行レール14と第三走行レール23との間で子台車19が乗り移り可能な位置関係であることを表している。つまり、親台車18が第二走行レール14に対応する位置にある状態とは、このような位置関係が成立する状態である。
【0022】
親台車18が入庫用の第一搬送コンベヤ7に対応する位置にある状態では、親台車18は、入庫用の第一搬送コンベヤ7からの物品Wを搬送コンベヤ22上に搬送することができる。また、親台車18が出庫用の第一搬送コンベヤ7に対応する位置にある状態では、親台車18は、搬送コンベヤ22上の物品Wを出庫用の第一搬送コンベヤ7に搬送することができる。
【0023】
子台車19は、第二走行レール14上及び第三走行レール23上を転動する第二走行車輪(図示せず)と、物品Wを下方から支持する支持台27と、支持台27を昇降させる昇降装置(図示せず)と、を備えている。子台車19は、第二走行レール14に沿って走行する。そして、第三走行レール23が第二走行レール14に接続されている状態では、子台車19は、第三走行レール23上から第二走行レール14上に移動することで収納棚11に沿って走行する。また、子台車19は、第二走行レール14上から第三走行レール23上に移動することで、親台車18に載置される。
【0024】
子台車19の支持台27は、昇降装置により上昇位置と下降位置とに昇降する。上昇位置は、支持台27の上面(物品Wを載置する面)が、第二延在部15Cの上面(物品Wを載置する面)や搬送コンベヤ22の上面(物品Wを載置する面)より上方に位置する。下降位置は、支持台27の上面が、第二延在部15Cの上面や搬送コンベヤ22の上面より下方に位置する。
【0025】
そのため、子台車19が第二走行レール14上にある状態では、支持台27を上昇位置から下降位置に移動させることで支持台27に支持していた物品Wを一対の第二延在部15Cに載せて収納棚11に収納することができる。また、子台車19が第二走行レール14上にある状態では、支持台27を下降位置から上昇位置に移動させることで、収納棚11に収納されていた物品Wを支持台27によって一対の第二延在部15Cから持ち上げて当該物品Wを支持台27によって支持することができる。
【0026】
子台車19が第三走行レール23上にある状態では、支持台27を上昇位置から下降位置に移動させることで支持台27に支持されていた物品Wを搬送コンベヤ22に載せることができる。また、子台車19が第三走行レール23上にある状態では、支持台27を下降位置から上昇位置に移動させることで、搬送コンベヤ22に支持されている物品Wを支持台27によって持ち上げて当該物品Wを支持台27によって支持することができる。
【0027】
搬送台車12により入庫用の第一搬送コンベヤ7から収納棚11に物品Wを搬送する場合は、次のようにして物品Wを搬送する。つまり、子台車19を載置した親台車18を入庫用の第一搬送コンベヤ7に対応する位置まで走行させ、第一搬送コンベヤ7と親台車18の搬送コンベヤ22との協働で物品Wが第一搬送コンベヤ7から親台車18の搬送コンベヤ22に乗り移らせる。そして、子台車19を載置した親台車18を、物品Wを収納する収納棚11の第二走行レール14に対応する位置まで走行させる。この親台車18の走行中又はその走行前後において子台車19の支持台27を上昇させて子台車19によって物品Wを支持し、子台車19を第三走行レール23から第二走行レール14に乗り移らせた後、物品Wを収納する位置まで子台車19を走行させ、その後、支持台27を下降させて一対のビーム材15上に物品Wを載置させて物品Wを収納棚11に収納する。
【0028】
搬送台車12により収納棚11から出庫用の第一搬送コンベヤ7から収納棚11に物品Wを搬送する場合は、次のようにして物品Wを搬送する。つまり、子台車19を出庫対象の物品Wの直下に移動させた後、子台車19の支持台27を上昇させて子台車19によって物品Wを支持する。その後、子台車19を親台車18まで移動させ、子台車19を載置した親台車18を出庫用の第一搬送コンベヤ7に対応する位置まで走行させる。この親台車18の走行中又はその走行前後において子台車19の支持台27を下降させて搬送コンベヤ22によって物品Wを支持し、第一搬送コンベヤ7と親台車18の搬送コンベヤ22との協働で物品Wを親台車18の搬送コンベヤ22から第一搬送コンベヤ7に乗り移らせる。
【0029】
〔作業台車〕
作業台車3は、第一走行レール13上を移動する第一台車31と、第二走行レール14上を移動する第二台車32とを備えている。第一台車31は、第三レール34を備えており、第二台車32は、第二走行レール14から第三レール34に乗り移ることで第一台車31上に載置可能に構成されている。尚、第一走行レール13が、第一方向Xに沿って設置された第一レールに相当し、第二走行レール14が、第二方向Yに沿って設置された第二レールに相当する。
【0030】
第一台車31は、第三レール34に加えて、第一台車31を所定の位置で第一台車31の移動を規制する第一規制部35と、第一走行レール13上を転動する複数の第一車輪36と、作業者が第一台車31を押引操作するための操作部37と、第三レール34、第一規制部35、第一車輪36及び操作部37を支持する第一本体部38と、を備えている。
第一台車31が第二走行レール14に対応する位置にある状態では、第三レール34が第二走行レール14に接続される。尚、第三レール34が第二走行レール14に接続される、とは、第二走行レール14と第三レール34との位置関係が、第二走行レール14と第三レール34とが一直線上に並び、第二走行レール14と第三レール34との間で第二台車32が乗り移り可能な位置関係であることを表している。つまり、第一台車31が第二走行レール14に対応する位置にある状態とは、このような位置関係が成立する状態である。
【0031】
第一規制部35は、第一方向Xに沿う軸心方向に沿って揺動可能に第一本体部38に連結されている。第一規制部35は、第三レール34が第二走行レール14に連続する位置で第一本体部38に対して揺動させることで、第一規制部35の先端部が、第二走行レール14を支持する支柱39に係合する。このように、第一規制部35を支柱39に係合させることで、第三レール34が第二走行レール14に連続する位置で第一台車31の移動を規制する第一規制状態となる。そして、第一規制部35を揺動させて第一規制部35の支柱39に対する係合を解除することで、第一台車31の移動の規制を解除する第一規制解除状態となる。このように、第一規制部35は、第一規制状態と第一規制解除状態とに切り換え可能に構成されている。第一台車31は、第二方向第一側Y1の支柱39に係合する第一規制部35と、第二方向第二側Y2の支柱39に係合する第一規制部35と、の一対の第一規制部35を備えている。
【0032】
第一車輪36は、第二台車32が第一台車31に載置されている状態において、平面視で搭乗台43に対して外側に配置されている。説明を加えると、第一台車31は、第二台車32が第一台車31に載置されている状態において、平面視で搭乗台43に対して第二方向第一側Y1に位置する第一車輪36と、平面視で搭乗台43に対して第二方向第二側Y2に位置する第一車輪36と、の一対の第一車輪36を二対備えている。そして、二対の第一車輪36うちの一対は、平面視で搭乗台43に対して第一方向第一側X1に位置し、残る一対は、平面視で搭乗台43に対して第一方向第二側X2に位置している。
【0033】
操作部37は、第一本体部38における第一方向第二側X2の端部に連結されており、第一台車31における第一方向第二側X2の端部に備えられている。また、操作部37は、第一本体部38から上方に延在しており、操作部37の上端は、歩廊16を移動する作業者が操作し易い高さに位置している。この高さは、例えば、成人男性の腰の高さとすると良い。
【0034】
第二台車32は、第二走行レール14上及び第三レール34上の任意の位置で第二台車32の移動を規制する第二規制部41と、第二走行レール14上及び第三レール34上を転動する複数の第二車輪42と、作業者が搭乗可能な搭乗台43と、柵部44と、第二規制部41、第二車輪42、搭乗台43及び柵部44を支持する第二本体部45と、を備えている。
【0035】
第二規制部41は、作業者が上下方向Zに移動させる第一操作部47及び第二操作部(図示せず)と、第二台車32を第二走行レール14又は第三レール34に保持する保持部(図示せず)と、を備えている。第二規制部41は、第一操作部47を上昇位置から下降位置に押し下げることで、保持部により第二台車32が第二走行レール14又は第三レール34に保持される。このように、保持部により第二台車32を第二走行レール14又は第三レール34に保持させることで、第二走行レール14上及び第三レール34上の任意の位置で第二台車32の移動を規制する第二規制状態となる。そして、第二操作部の操作により、第一操作部47を下降位置から上昇位置に移動させることで、第二台車32の移動の規制を解除する第二規制解除状態となる。
このように、第二規制部41は、第二規制状態と第二規制解除状態とに切り換え可能に構成されている。
【0036】
第二車輪42は、平面視で搭乗台43に対して外側に配置されている。説明を加えると、第二台車32は、平面視で搭乗台43に対して第二方向第一側Y1に位置する第二車輪42と、平面視で搭乗台43に対して第二方向第二側Y2に位置する第二車輪42と、の一対の第二車輪42を二対備えている。そして、二対の第二車輪42うちの2輪は、平面視で搭乗台43に対して第一方向第一側X1に位置し、残る2輪は、平面視で搭乗台43に対して第一方向第二側X2に位置している。
【0037】
尚、図示の例では、第二台車32は、第二車輪42に加えて、第二走行レール14上及び第三レール34上を転動する二対の補助車輪46を備えている。この二対の補助車輪46は、第二方向において搭乗台43の幅内に位置している。また二対の補助車輪46のうちの2輪は、平面視で搭乗台43に対して第一方向第一側X1に位置し、残る2輪は、平面視で搭乗台43に対して第一方向第二側X2に位置している。
【0038】
柵部44は、搭乗台43の側周囲から立設されている。尚、柵部44は、柵部44を構成するフレーム材同士の連結を解除可能に構成することや、フレーム材を第二本体部45に揺動可能に連結することにより、柵部44を搭乗台43上に折り畳み可能に構成してもよい。
【0039】
〔スタッカークレーン〕
図1図4及び図8に示すように、スタッカークレーン4は、収納搬送部6と保管部50との間で搬送台車12及び作業台車3を搬送する。説明を加えると、保管部50には、作業台車3を保持する単一又は複数の第一保持部50Aと、搬送台車12を保持する複数の第二保持部50Bと、を備えている。スタッカークレーン4は、複数の第一走行経路R1と単一又は複数の第一保持部50Aとの間で作業台車3を搬送すると共に、複数の第一走行経路R1と複数の第二保持部50Bとの間で搬送台車12を搬送する。本実施形態では、図4に示すように、保管部50は、第一保持部50Aを1つのみ備え、第二保持部50Bを2つ備えている。
【0040】
図8に示すように、スタッカークレーン4は、第二方向Yに沿って走行する走行台車51と、走行台車51に立設されたマスト52に沿って上下方向Zに昇降する昇降体53と、昇降体53に支持された第四レール54と、を備えている。
昇降体53が第一走行経路R1に対応する位置にある状態では、第四レール54と第一走行レール13とが接続され、搬送台車12及び作業台車3が第四レール54と第一走行レール13との間で乗り移ることができる。
また、昇降体53が第一保持部50Aに対応する位置にある状態では、第四レール54と第一保持部50Aに備えられているレールとが接続され、作業台車3が第四レール54と第一保持部50Aに備えられているレールとの間で乗り移ることができる。
また、昇降体53が第二保持部50Bに対応する位置にある状態では、第四レール54と第二保持部50Bに備えられているレールとが接続され、搬送台車12が第四レール54と第二保持部50Bに備えられているレールとの間で乗り移ることができる。
【0041】
スタッカークレーン4を制御する制御装置(図示せず)は、操作端末(図示せず)からの指令に基づいて、走行台車51の走行及び昇降体53の昇降により、第四レール54により支持している搬送台車12や作業台車3を搬送する。制御装置は、第一検出部S1により移動柵30の開きが検出されている開き状態や、第二検出部S2により保管部50に作業者の存在が検出されている検出状態では、操作端末から指令があったとしても、スタッカークレーン4を停止させた状態で維持され、開き状態や検出状態が解消された後に、操作端末(図示せず)からの指令に基づいてスタッカークレーン4を作動させる。
【0042】
収納搬送部6において作業台車3を使用する場合について説明する。
作業台車3を使用する場合は、操作端末の操作により第一保持部50Aを指定することで、制御装置の制御により昇降体53が第一保持部50Aに対応する位置に移動するようにスタッカークレーン4が作動し、第四レール54と第一保持部50Aに備えられているレールとが接続される。このようにスタッカークレーン4を作動させた状態で、第一保持部50Aの作業者が作業台車3を操作して、第一保持部50Aから昇降体53に作業台車3を移動させる。
【0043】
次に、操作端末の操作により複数の収納搬送部6のうちの一つを指定することで、制御装置の制御により昇降体53が収納搬送部6の第一走行経路R1に対応する位置に移動するようにスタッカークレーン4が作動し、第四レール54と第一走行レール13とが接続される。このようにスタッカークレーン4を作動させた状態で、歩廊16の作業者が作業台車3を操作して、昇降体53から第一走行経路R1に作業台車3を移動させる。この際、作業者は、作業台車3の操作部37を歩廊16側から引く操作を行い、作業台車3を第一方向第二側X2に移動させる。
【0044】
その後は、歩廊16の作業者が作業台車3を第一走行経路R1に沿って移動させて、作業台車3を任意の第二走行レール14に対応する位置まで移動させ、第二走行レール14と第三レール34とを接続する。そして、歩廊16の作業者は搭乗台43に搭乗し、第二台車32を第二走行経路R2に沿って第一台車31から第二走行経路R2における任意の位置まで移動させて、第二走行経路R2に位置する子台車19や物品Wに対して作業を行う。作業を行った後は、上述の手順の逆を行うことで作業台車3を第一保持部50Aに移動させる。
【0045】
2.その他の実施形態
次に、作業台車及び物品搬送設備のその他の実施形態について説明する。
【0046】
(1)上記実施形態では、第一台車31に第一規制部35を備えたが、第一台車31に第一規制部35を備えなくてもよい。また、第二台車32に第二規制部41を備えたが、第二台車32に第二規制部41を備えなくてもよい。
【0047】
(2)上記実施形態では、第一車輪36及び第二車輪42の夫々を、第二台車32が第一台車31に載置されている状態において、平面視で搭乗台43に対して外側に配置したが、第一車輪36及び第二車輪42の一方又は双方を、第二台車32が第一台車31に載置されている状態において、平面視で搭乗台43と重なる位置に配置してもよい。
【0048】
(3)上記実施形態では、スタッカークレーン4を備えて、スタッカークレーン4によって作業台車3を自動倉庫1の外部から自動倉庫1に搬送したが、スタッカークレーン4を備えずに、フォークリフト等の他の搬送装置によって作業台車3を自動倉庫1の外部から自動倉庫1に搬送してもよい。また、作業台車3を搬送する搬送装置を備えずに、例えば、第一走行経路R1の第一方向第一側X1の端部に常備しておく等、自動倉庫1に作業台車3を常備するようにしてもよい。
【0049】
(4)上記実施形態では、第一台車31を押引操作するための操作部37を、第一台車31における第一方向第二側X2の端部に備えたが、操作部37は、第一台車31の第一方向第二側X2の端部以外の位置に備えてもよく、また、第二台車32に備えてもよい。
【0050】
(5)上記実施形態では、複数の収納搬送部6の全てに対して歩廊16を備えたが、複数の収納搬送部6の一部に対してのみ歩廊16を備えてもよい。また、第一走行経路R1に対して第一歩廊16A備えたが、第二歩廊16Bの作業者や第三歩廊16Cの作業者が、スタッカークレーン4に対する作業台車3の載せ降しやスタッカークレーン4から降ろした作業台車3の搭乗台43への乗り降りが可能な場合は、第一走行経路R1に対して第一歩廊16Aを備えなくてもよい。また、第一走行経路R1に対する第一歩廊16Aに加えて、第二走行経路R2に対する歩廊を備えてもよい。
【0051】
(6)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0052】
3.上記実施形態の概要
以下、上記において説明した作業台車及び物品収納設備の概要について説明する。
【0053】
作業台車と、前記作業台車を搬送する搬送装置と、倉庫と、を備えた物品収納設備であって、前記作業台車は、第一方向に沿って設置された第一レール上を移動する第一台車と、前記第一方向に対して平面視で交差する第二方向に沿って設置された第二レール上を移動する第二台車と、を備え、前記第一台車は、当該第一台車が前記第二レールに対応する位置にある状態で前記第二レールと連続する第三レールを備え、前記第二台車は、前記第二レールから前記第三レールに乗り移ることで前記第一台車上に載置可能に構成されると共に、作業者が搭乗可能な搭乗台を備えており、前記倉庫が、上下方向に複数段に配置された前記第一レールと、複数段の前記第一レールのそれぞれに対応する高さに配置された前記第二レールとを備え、前記搬送装置は、前記作業台車を前記上下方向に搬送することができると共に、前記倉庫の外部から複数段の前記第一レールのうちの任意の前記第一レール上に前記第一台車を搬送する。
【0054】
この構成によれば、第二台車を載置した第一台車を、第一レール上で移動させることで、第一台車と共に第二台車を第一方向に沿って移動させることができる。そして、第二レールに対応する位置に第一台車がある状態では、第二レールと第三レールとが連続するため、第二台車は、第二レールから第三レールに乗り移ることや第三レールから第二レールに乗り移ることができる。そして、第二台車を、第二レール上で移動させることで、搭乗台に作業者が搭乗した状態の第二台車を第二方向に沿って移動させることができる。第一台車に載置されている第二台車は第三レールに支持されるため、第二レールを、作業台車が第一レール上にある状態における平面視で、第二台車と重なる位置まで設置する必要がなく、第二レールの長さを短くできる。
更に、この構成によれば、搬送装置によって、倉庫の外部から第一レール上に作業台車を搬入し、作業台車を用いた作業を倉庫内で行うことができる。
【0055】
ここで、 前記第一台車は、第一規制部を有し、前記第一規制部は、前記第三レールが前記第二レールに連続する位置で前記第一台車の移動を規制する第一規制状態と、前記第一台車の移動の規制を解除する第一規制解除状態と、に切り換え可能に構成されていると好適である。
【0056】
この構成によれば、第三レールが第二レールに連続する状態で第一規制部を第一規制状態に切り換えることで、第二台車を第三レールから第二レールに乗り移らせる場合や、第二台車を第二レールから第三レールに乗り移らせる場合に、第一台車が移動することを規制できる。
【0057】
また、前記第二台車は、第二規制部を有し、前記第二規制部は、前記第二レール上及び前記第三レール上の任意の位置で前記第二台車の移動を規制する第二規制状態と、前記第二台車の移動の規制を解除する第二規制解除状態と、に切り換え可能に構成されていると好適である。
【0058】
この構成によれば、第二台車が第三レール上にある状態で第二規制部により第二台車の移動を規制することで、第一台車が第一レールに沿って移動させている場合に、その第一台車に載置されている第二台車が移動することを規制できる。また、第二台車が第二レール上にある状態で第二規制部により第二台車の移動を規制することで、搭乗台に搭乗している作業者が作業を行っている場合に、作業者が搭乗している第二台車が移動することを規制できる。
【0059】
また、前記第一台車は、前記第一レール上を転動する複数の第一車輪を備え、前記第二台車は、前記第二レール上及び第三レール上を転動する複数の第二車輪を備え、前記第一車輪及び第二車輪の夫々は、前記第二台車が前記第一台車に載置されている状態において、平面視で前記搭乗台に対して外側に配置されていると好適である。
【0060】
この構成によれば、第一台車は、平面視で搭乗台に対して外側に配置されている第一車輪により支持されているため、荷重移動などに対しても安定的に支持される。また、第二台車は、平面視で搭乗台に対して外側に配置されている第二車輪により支持されているため、荷重移動などに対しても安定的に支持される。
【0061】
また、前記第一台車は、作業者が前記第一台車を押引操作するための操作部を備え、前記第一方向における前記第一レールに対して前記搬送装置が存在する側を第一方向第一側とし、その反対側を第一方向第二側として、前記操作部は、前記第一台車における前記第一方向第二側の端部に備えられていると好適である。
【0062】
この構成によれば、作業者が操作部を操作することで第一台車を押引操作し易くなる。
そして、操作部は、第一台車における搬送装置が存在する側とは反対側に備えられているため、操作部を操作して第一台車を第一レールから搬送装置に乗り移るように移動させ易く、操作部を操作して第一台車を搬送装置から第一レールに乗り移るように移動させ易くなっている。
【0063】
作業台車と、前記作業台車を搬送する搬送装置と、倉庫と、を備えた物品収納設備であって、前記作業台車は、第一方向に沿って設置された第一レール上を移動する第一台車と、前記第一方向に対して平面視で交差する第二方向に沿って設置された第二レール上を移動する第二台車と、を備え、前記第一台車は、当該第一台車が前記第二レールに対応する位置にある状態で前記第二レールと連続する第三レールを備え、前記第二台車は、前記第二レールから前記第三レールに乗り移ることで前記第一台車上に載置可能に構成されると共に、作業者が搭乗可能な搭乗台を備えており、前記倉庫が、前記第一レールと前記第二レールとを備え、前記搬送装置は、前記倉庫の外部から前記倉庫の前記第一レール上に前記第一台車を搬送し、前記第一台車は、作業者が前記第一台車を押引操作するための操作部を備え、前記第一方向における前記第一レールに対して前記搬送装置が存在する側を第一方向第一側とし、その反対側を第一方向第二側として、前記操作部は、前記第一台車における前記第一方向第二側の端部に備えられている。
【0064】
この構成によれば、第二台車を載置した第一台車を、第一レール上で移動させることで、第一台車と共に第二台車を第一方向に沿って移動させることができる。そして、第二レールに対応する位置に第一台車がある状態では、第二レールと第三レールとが連続するため、第二台車は、第二レールから第三レールに乗り移ることや第三レールから第二レールに乗り移ることができる。そして、第二台車を、第二レール上で移動させることで、搭乗台に作業者が搭乗した状態の第一台車を第二方向に沿って移動させることができる。第一台車に載置されている第二台車は第三レールに支持されるため、第二レールを、作業台車が第一レール上にある状態における平面視で、第二台車と重なる位置まで設置する必要がなく、第二レールの長さを短くできる。
また、この構成によれば、搬送装置によって、倉庫の外部から第一レール上に作業台車を搬入し、作業台車を用いた作業を倉庫内で行うことができる。
更に、この構成によれば、作業者が操作部を操作することで第一台車を押引操作し易くなる。そして、操作部は、第一台車における搬送装置が存在する側とは反対側に備えられているため、操作部を操作して第一台車を第一レールから搬送装置に乗り移るように移動させ易く、操作部を操作して第一台車を搬送装置から第一レールに乗り移るように移動させ易くなっている。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本開示に係る技術は、作業者が搭乗可能な搭乗台を備えた作業台車に利用することができる。
【符号の説明】
【0066】
1:自動倉庫(倉庫)
3:作業台車
4:搬送装置(スタッカークレーン)
13:第一走行レール(第一レール)
14:第二走行レール(第二レール)
31:第一台車
32:第二台車
34:第三レール
35:第一規制部
36:第一車輪
37:操作部
41:第二規制部
42:第二車輪
43:搭乗台
X:第一方向
X1:第一方向第一側
X2:第一方向第二側
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8