特許第6874715号(P6874715)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6874715
(24)【登録日】2021年4月26日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】電気掃除機
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/26 20060101AFI20210510BHJP
【FI】
   A47L9/26 A
【請求項の数】8
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2018-29770(P2018-29770)
(22)【出願日】2018年2月22日
(65)【公開番号】特開2019-141394(P2019-141394A)
(43)【公開日】2019年8月29日
【審査請求日】2019年12月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】及川 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 亮介
【審査官】 東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−325134(JP,A)
【文献】 特開平07−039501(JP,A)
【文献】 実開昭63−052562(JP,U)
【文献】 特開2006−288526(JP,A)
【文献】 実開昭56−062373(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から塵埃を吸い込む気流を発生させる電動送風機と、
本体の外郭をなし前記電動送風機が内部に設けられる本体ケースと、
前記電動送風機に外部から電力を供給する電源コードと、
回転することで前記電源コードを側面に巻き取るドラムと、
前記電源コードを巻き取る方向に前記ドラムにトルクを加えるぜんまいバネと、
前記ぜんまいバネが加えるトルクに抗して前記ドラムの回転を抑えるブレーキと、
前記ブレーキによる前記ドラムの抑えを解除する巻き取りボタンと、
前記本体ケースの外部に開閉可能に設けられ、閉じているときは前記ドラムを前記本体ケースの外部から遮蔽し、開いているときは前記ドラムの軸方向の一端を前記本体ケースの外部に露出させる蓋体と、
前記蓋体と前記本体ケースとを接続する接続部と、
を備え
前記蓋体は、前記接続部を回転軸として回転可能である電気掃除機。
【請求項2】
外部から塵埃を吸い込む気流を発生させる電動送風機と、
本体の外郭をなし前記電動送風機が内部に設けられる本体ケースと、
前記電動送風機に外部から電力を供給する電源コードと、
回転することで前記電源コードを側面に巻き取るドラムと、
前記電源コードを巻き取る方向に前記ドラムにトルクを加えるぜんまいバネと、
前記ぜんまいバネが加えるトルクに抗して前記ドラムの回転を抑えるブレーキと、
前記ブレーキによる前記ドラムの抑えを解除する巻き取りボタンと、
前記本体ケースの外部に開閉可能に設けられ、閉じているときは前記ドラムを前記本体ケースの外部から遮蔽し、開いているときは前記ドラムの軸方向の一端を前記本体ケースの外部に露出させる蓋体と、
を備え、
前記蓋体は、前記ドラムの軸方向の前記一端に着脱可能に接続される円盤状の第1フランジを有し、
前記ドラムは、軸方向の他端に円盤状の第2フランジを有し、
前記第1フランジは、前記蓋体が閉じている場合に前記ドラムと連動して回転する電気掃除機。
【請求項3】
前記ドラムは、軸方向の前記一端に同軸の環状リブを有し、
前記第1フランジは、前記蓋体が閉じている場合に前記環状リブの内側に嵌まり合う環状または円状の嵌合部を有する請求項2に記載の電気掃除機。
【請求項4】
外部から塵埃を吸い込む気流を発生させる電動送風機と、
本体の外郭をなし前記電動送風機が内部に設けられる本体ケースと、
前記電動送風機に外部から電力を供給する電源コードと、
回転することで前記電源コードを側面に巻き取るドラムと、
前記電源コードを巻き取る方向に前記ドラムにトルクを加えるぜんまいバネと、
前記ぜんまいバネが加えるトルクに抗して前記ドラムの回転を抑えるブレーキと、
前記ブレーキによる前記ドラムの抑えを解除する巻き取りボタンと、
前記本体ケースの外部に開閉可能に設けられ、閉じているときは前記ドラムを前記本体ケースの外部から遮蔽し、開いているときは前記ドラムの軸方向の一端を前記本体ケースの外部に露出させる蓋体と、
を備え、
前記本体ケースは、閉じている状態の前記蓋体に当たって接するコードリールケースを備えるとともに、
前記蓋体は、第1切欠きを有し、
前記コードリールケースは、第2切欠きを有し、
前記蓋体が閉じている場合に、前記第1切欠きと前記第2切欠きを合わせた状態で前記電源コードのコード径より大きく、前記電源コードの鍔部より小さい径となる開口を形成するとともに、
前記コードリールケースは、前記蓋体の前記第1切欠きより深い前記第2切欠きを有する電気掃除機。
【請求項5】
前記コードリールケースより前記電源コードが滑りやすい材料からなり前記開口の縁をなす出口部材
を備え
前記出口部材は、前記電源コードが前記ドラムに巻き取られる際に前記電源コードと接触する部分が前記滑りやすい材料からなっている請求項4に記載の電気掃除機。
【請求項6】
外部から塵埃を吸い込む気流を発生させる電動送風機と、
本体の外郭をなし前記電動送風機が内部に設けられる本体ケースと、
前記電動送風機に外部から電力を供給する電源コードと、
回転することで前記電源コードを側面に巻き取るドラムと、
前記電源コードを巻き取る方向に前記ドラムにトルクを加えるぜんまいバネと、
前記ぜんまいバネが加えるトルクに抗して前記ドラムの回転を抑えるブレーキと、
前記ブレーキによる前記ドラムの抑えを解除する巻き取りボタンと、
前記本体ケースの外部に開閉可能に設けられ、閉じているときは前記ドラムを前記本体ケースの外部から遮蔽し、開いているときは前記ドラムの軸方向の一端を前記本体ケースの外部に露出させる蓋体と、
を備え、
前記巻き取りボタンは、前記蓋体に設けられ、前記蓋体が開いている場合に前記ブレーキとの接続が切り離される電気掃除機。
【請求項7】
外部から塵埃を吸い込む気流を発生させる電動送風機と、
本体の外郭をなし前記電動送風機が内部に設けられる本体ケースと、
前記電動送風機に外部から電力を供給する電源コードと、
回転することで前記電源コードを側面に巻き取るドラムと、
前記電源コードを巻き取る方向に前記ドラムにトルクを加えるぜんまいバネと、
前記ぜんまいバネが加えるトルクに抗して前記ドラムの回転を抑えるブレーキと、
前記ブレーキによる前記ドラムの抑えを解除する巻き取りボタンと、
前記本体ケースの外部に開閉可能に設けられ、閉じているときは前記ドラムを前記本体ケースの外部から遮蔽し、開いているときは前記ドラムの軸方向の一端を前記本体ケースの外部に露出させる蓋体と、
前記電源コードが外部から供給する電力によって駆動力を発生させるモーターと、
前記ぜんまいバネを前記モーターまたは前記ドラムのいずれの回転に連動させるかを切り替えるクラッチと、
予め定められたトルクより大きいトルクの回転を伝達しないトルククラッチと、
を備え、
前記電源コードが外部の電源に接続されている場合に、前記クラッチは前記ぜんまいバネを前記モーターの回転に連動させ、前記モーターは発生させる駆動力によって前記ぜんまいバネを巻き取り、
前記ぜんまいバネは、前記トルククラッチを介して前記モーターまたは前記ドラムの回転と連動し、
前記ドラム、前記ぜんまいバネ、前記クラッチおよび前記トルククラッチは、中心軸が同一直線状に配置される電気掃除機。
【請求項8】
前記ドラムは、側面に沿って巻き取られる方向に前記電源コードを案内する案内リブを有する請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に電気掃除機の例が記載されている。電気掃除機は、電源コードとモーターとぜんまいバネとドラムとを備える。電源コードは、本体から延ばされる。電源コードは、外部の電源を電気掃除機に供給する。モーターは、ぜんまいバネを巻き取る。使用者が電気掃除機を使用した後に、ぜんまいバネは、ドラムを回転させることで電源コードを巻き取る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4073386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の電気掃除機において、使用者が電気掃除機を使用する前に、電源コードは、ドラムから引き出される。電源コードは、一度の引き出す動作で、動作のストロークの長さしか引き出されない。このため、使用者は、電源コードをドラムから引き出す動作を何度も行う必要がある。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされた。本発明の目的は、ドラムから引き出す動作を何度も行うことなく本体から電源コードを延ばすことができる電気掃除機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電気掃除機は、外部から塵埃を吸い込む気流を発生させる電動送風機と、本体の外郭をなし前記電動送風機が内部に設けられる本体ケースと、前記電動送風機に外部から電力を供給する電源コードと、回転することで前記電源コードを側面に巻き取るドラムと、前記電源コードを巻き取る方向に前記ドラムにトルクを加えるぜんまいバネと、前記ぜんまいバネが加えるトルクに抗して前記ドラムの回転を抑えるブレーキと、前記ブレーキによる前記ドラムの抑えを解除する巻き取りボタンと、前記本体ケースの外部に開閉可能に設けられ、閉じているときは前記ドラムを前記本体ケースの外部から遮蔽し、開いているときは前記ドラムの軸方向の一端を前記本体ケースの外部に露出させる蓋体と、前記蓋体と前記本体ケースとを接続する接続部と、を備え、前記蓋体は、前記接続部を回転軸として回転可能である
また、本発明に係る電気掃除機は、外部から塵埃を吸い込む気流を発生させる電動送風機と、本体の外郭をなし前記電動送風機が内部に設けられる本体ケースと、前記電動送風機に外部から電力を供給する電源コードと、回転することで前記電源コードを側面に巻き取るドラムと、前記電源コードを巻き取る方向に前記ドラムにトルクを加えるぜんまいバネと、前記ぜんまいバネが加えるトルクに抗して前記ドラムの回転を抑えるブレーキと、前記ブレーキによる前記ドラムの抑えを解除する巻き取りボタンと、前記本体ケースの外部に開閉可能に設けられ、閉じているときは前記ドラムを前記本体ケースの外部から遮蔽し、開いているときは前記ドラムの軸方向の一端を前記本体ケースの外部に露出させる蓋体と、を備え、前記蓋体は、前記ドラムの軸方向の前記一端に着脱可能に接続される円盤状の第1フランジを有し、前記ドラムは、軸方向の他端に円盤状の第2フランジを有し、前記第1フランジは、前記蓋体が閉じている場合に前記ドラムと連動して回転する。
また、本発明に係る電気掃除機は、外部から塵埃を吸い込む気流を発生させる電動送風機と、本体の外郭をなし前記電動送風機が内部に設けられる本体ケースと、前記電動送風機に外部から電力を供給する電源コードと、回転することで前記電源コードを側面に巻き取るドラムと、前記電源コードを巻き取る方向に前記ドラムにトルクを加えるぜんまいバネと、前記ぜんまいバネが加えるトルクに抗して前記ドラムの回転を抑えるブレーキと、前記ブレーキによる前記ドラムの抑えを解除する巻き取りボタンと、前記本体ケースの外部に開閉可能に設けられ、閉じているときは前記ドラムを前記本体ケースの外部から遮蔽し、開いているときは前記ドラムの軸方向の一端を前記本体ケースの外部に露出させる蓋体と、を備え、前記本体ケースは、閉じている状態の前記蓋体に当たって接するコードリールケースを備えるとともに、前記蓋体は、第1切欠きを有し、前記コードリールケースは、第2切欠きを有し、前記蓋体が閉じている場合に、前記第1切欠きと前記第2切欠きを合わせた状態で前記電源コードのコード径より大きく、前記電源コードの鍔部より小さい径となる開口を形成するとともに、前記コードリールケースは、前記蓋体の前記第1切欠きより深い前記第2切欠きを有する。
また、本発明に係る電気掃除機は、外部から塵埃を吸い込む気流を発生させる電動送風機と、本体の外郭をなし前記電動送風機が内部に設けられる本体ケースと、前記電動送風機に外部から電力を供給する電源コードと、回転することで前記電源コードを側面に巻き取るドラムと、前記電源コードを巻き取る方向に前記ドラムにトルクを加えるぜんまいバネと、前記ぜんまいバネが加えるトルクに抗して前記ドラムの回転を抑えるブレーキと、前記ブレーキによる前記ドラムの抑えを解除する巻き取りボタンと、前記本体ケースの外部に開閉可能に設けられ、閉じているときは前記ドラムを前記本体ケースの外部から遮蔽し、開いているときは前記ドラムの軸方向の一端を前記本体ケースの外部に露出させる蓋体と、を備え、前記巻き取りボタンは、前記蓋体に設けられ、前記蓋体が開いている場合に前記ブレーキとの接続が切り離される。
また、本発明に係る電気掃除機は、外部から塵埃を吸い込む気流を発生させる電動送風機と、本体の外郭をなし前記電動送風機が内部に設けられる本体ケースと、前記電動送風機に外部から電力を供給する電源コードと、回転することで前記電源コードを側面に巻き取るドラムと、前記電源コードを巻き取る方向に前記ドラムにトルクを加えるぜんまいバネと、前記ぜんまいバネが加えるトルクに抗して前記ドラムの回転を抑えるブレーキと、前記ブレーキによる前記ドラムの抑えを解除する巻き取りボタンと、前記本体ケースの外部に開閉可能に設けられ、閉じているときは前記ドラムを前記本体ケースの外部から遮蔽し、開いているときは前記ドラムの軸方向の一端を前記本体ケースの外部に露出させる蓋体と、前記電源コードが外部から供給する電力によって駆動力を発生させるモーターと、前記ぜんまいバネを前記モーターまたは前記ドラムのいずれの回転に連動させるかを切り替えるクラッチと、予め定められたトルクより大きいトルクの回転を伝達しないトルククラッチと、を備え、前記電源コードが外部の電源に接続されている場合に、前記クラッチは前記ぜんまいバネを前記モーターの回転に連動させ、前記モーターは発生させる駆動力によって前記ぜんまいバネを巻き取り、前記ぜんまいバネは、前記トルククラッチを介して前記モーターまたは前記ドラムの回転と連動し、前記ドラム、前記ぜんまいバネ、前記クラッチおよび前記トルククラッチは、中心軸が同一直線状に配置される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電気掃除機は、電動送風機と、本体ケースと、電源コードと、ドラムと、ぜんまいバネと、ブレーキと、巻き取りボタンと、蓋体と、を備える。電動送風機は、外部から塵埃を吸い込む気流を発生させる。本体ケースは、本体の外郭をなす。本体ケースは、電動送風機が内部に設けられる。電源コードは、電動送風機に外部から電力を供給する。ドラムは、回転することで電源コードを側面に巻き取る。ぜんまいバネは、電源コードを巻き取る方向にドラムにトルクを加える。ブレーキは、ぜんまいバネが加えるトルクに抗してドラムの回転を抑える。巻き取りボタンは、ブレーキによるドラムの抑えを解除する。蓋体は、本体ケースの外部に開閉可能に設けられる。蓋体は、閉じているときはドラムを本体ケースの外部から遮蔽する。蓋体は、開いているときはドラムの軸方向の一端を本体ケースの外部に露出させる。これにより、使用者は、ドラムから引き出す動作を何度も行うことなく本体から電源コードを延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る電気掃除機の構成図である。
図2】実施の形態1に係る本体の上面斜視図である。
図3】実施の形態1に係るコードリール組立体の垂直断面図である。
図4】実施の形態1に係るコードリール組立体の上面斜視図である。
図5】実施の形態1に係るコードリール組立体の分解斜視図である。
図6】実施の形態1に係る本体の上面斜視図である。
図7】実施の形態1に係るコードリール組立体の垂直断面図である。
図8】実施の形態1に係るコードリール組立体の垂直断面図である。
図9】実施の形態1に係るコードリール組立体の垂直断面図である。
図10】実施の形態1の変形例に係る本体の背面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一または相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化または省略する。
【0010】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係る電気掃除機の構成図である。
【0011】
電気掃除機1は、本体2と、吸込管3と、吸口体4と、を備える。
【0012】
本体2は、吸気口5を前端部に有する。本体2は、排気口6を後端部に有する。本体2は、本体ケース7と、集塵部8と、電動送風機9と、キャスター10と、一対の移動用車輪11と、コードリール組立体12と、図示しない制御部と、を備える。
【0013】
本体ケース7は、本体2の外郭をなす。本体ケース7の底面は、被清掃面Gに対向する。
【0014】
集塵部8は、本体ケース7の内部に設けられる。集塵部8は、吸気口5に内部の空間が通じる。集塵部8は、袋状のフィルターとして例えば紙パックが装着される。
【0015】
電動送風機9は、本体ケース7の内部に設けられる。電動送風機9は、集塵部8より後方に設けられる。電動送風機9は、排気口6より前方に設けられる。電動送風機9は、吸気口5から排気口6を通る気流を発生させうるように構成される。
【0016】
キャスター10は、本体ケース7の下方の外部に設けられる。キャスター10は、本体ケース7の底面から下方に突出する。
【0017】
一対の移動用車輪11の各々は、本体ケース7の左右の外部に設けられる。一対の移動用車輪11の各々は、キャスター10の後方に配置される。
【0018】
コードリール組立体12は、本体2の上部に設けられる。コードリール組立体12は、電源コード13を備える。電源コード13は、図示しないコンセントを通じて電動送風機9に外部から電力を供給する。
【0019】
制御部は、本体ケース7の内部に設けられる。制御部は、電動送風機9の動作を制御する。電動送風機9の動作は、気流を発生させることを含む。
【0020】
吸込管3は、ホース14とパイプ15とを備える。ホース14は、蛇腹により可撓性を有する筒状の部材である。ホース14の端部は、本体2の吸気口5に接続される。パイプ15は、中空円筒状の部材である。パイプ15は、ハンドル16を備える。ハンドル16は、操作部17を備える。操作部17は、電気掃除機1の動作を制御するための信号を送信しうるように、制御部に接続される。パイプ15の端部は、ホース14の吸気口5に接続されていない端部に接続される。パイプ15の内部は、ホース14の内部に通じる。
【0021】
吸口体4は、パイプ15のホース14に接続されていない端部に接続される。吸口体4は、底面に図示しない吸気口を有する。吸口体4は、吸気口からパイプ15に通じる風路を内部に有する。
【0022】
使用者は、電気掃除機1を使用する場合に、ハンドル16を持って電気掃除機1を操作する。使用者は、吸口体4の底面を床面等の被清掃面Gに対向させる。使用者は、操作部17によって、電動送風機9の動作を開始させる操作を行う。
【0023】
使用者は、ハンドル16を持って吸口体4を被清掃面G上で移動させる。本体2は、ホース14に引かれることで、使用者の移動に追従する。キャスター10は、本体2を進行方向Sに案内する。
【0024】
制御部は、操作部17から受信した信号に基づいて、電動送風機9の気流を発生させる動作を開始させる。電動送風機9が発生させる気流は、吸口体4の吸気口から、被清掃面Gにある塵埃とともに吸引される。気流は、吸口体4および吸込管3の内部を順に通過して吸気口5から集塵部8に流入する。集塵部8は、袋状のフィルターに気流を通して塵埃を捕集する。塵埃は、気流から分離される。気流は、電動送風機9に吸引されて排気口6から送出される。
【0025】
続いて、図2から図5を用いて、コードリール組立体12の構成を説明する。
図2は、本実施の形態に係る本体の上面斜視図である。図3は、本実施の形態に係るコードリール組立体の垂直断面図である。図4は、本実施の形態に係るコードリール組立体の上面斜視図である。図5は、本実施の形態に係るコードリール組立体の分解斜視図である。
【0026】
コードリール組立体12は、開口18を有する。開口18は、電気掃除機1の後方に向けられる。コードリール組立体12の中心軸は、本体2の上下方向に向けられる。コードリール組立体12は、コードリールケース19と、蓋体20と、巻き取りボタン21と、を有する。
【0027】
コードリールケース19は、本体ケース7の上面から突出する。コードリールケース19は、例えばABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン共重合合成樹脂)で形成される。コードリールケース19は、側面に突出部19aを有する円筒状の形状である。コードリールケース19の突出部19aは、電気掃除機1の後方に向けられる。コードリールケース19は、ストッパー受け22を有する。ストッパー受け22は、コードリールケース19の突出部19aに設けられる。
【0028】
蓋体20は、接続部23と、ストッパー24と、を有する。蓋体20の側面は、コードリールケース19の側面に当たって接する。蓋体20は、側面に突出部20aを有する円盤状の形状である。蓋体20の突出部20aは、電気掃除機1の後方に向けられる。ストッパー24は、蓋体20の突出部20aに設けられる。ストッパー24は、ストッパー受け22と係りあって止まる。接続部23は、蓋体20のストッパー24の反対側の端部に設けられる。接続部23は、蓋体20とコードリールケース19とを接続する。接続部23は、例えばヒンジである。ストッパー24がストッパー受け22から外れている場合に、蓋体20は、接続部23を回転軸として回転可能である。
【0029】
巻き取りボタン21は、蓋体20の上面に設けられる。巻き取りボタンは、蓋体20の突出部20aに設けられる。巻き取りボタン21の上面は、蓋体20の上面と同一面上に設けられる。巻き取りボタン21は、蓋体20の上面より下方に移動可能である。
【0030】
電源コード13は、外側を被覆材で覆われるコードである。被覆材は、例えばビニル樹脂またはゴムである。電源コード13は、プラグ25を有する。プラグ25は、電源コード13の端部に設けられる。プラグ25は、図示しないコンセントに接続される。プラグ25は、鍔部26を有する。鍔部26は、プラグ25の根元に設けられる。鍔部26は、例えばフランジである。鍔部26の幅は、開口18の幅より大きい。
【0031】
図3には、コードリール組立体12の中心軸を含み電気掃除機1の前後方向に平行な平面による断面図が示される。
【0032】
コードリール組立体12は、ドラム27と、ブレーキ28と、アクチュエーター29と、クラッチ組立体30と、トルククラッチ31と、ぜんまいバネ32と、ぜんまいケース33と、を備える。
【0033】
ドラム27は、円筒部34と、端子保護カバー35と、第2フランジ36と、ラチェット37と、一対の板バネ摺動端子38と、を有する。
【0034】
円筒部34は、コードリール組立体12の中心軸と同軸上に設けられる。
【0035】
電源コード13は、プラグ25と反対側の端部に一対の端子を有する。一対の端子は、円筒部34の上面に配置される。
【0036】
端子保護カバー35は、円筒部34の上部に設けられる。端子保護カバー35は、円盤状の形状である。端子保護カバー35は、コードリール組立体12と同軸に設けられる。端子保護カバー35の半径は、円筒部34の半径と同じである。円筒部34および端子保護カバー35は、ドラム27の周方向の側面をなす。端子保護カバー35は、電源コード13の一対の端子の各々を上方から覆う。端子保護カバー35は、環状リブ39を有する。環状リブ39は、端子保護カバー35の上端に設けられる。環状リブ39の上端面は、内側に向く。
【0037】
第2フランジ36は、円盤状の形状である。第2フランジ36は、コードリール組立体12の中心軸と同軸上に設けられる。第2フランジ36は、円筒部34の下端に設けられる。第2フランジ36は、円筒部34と一体に形成される。
【0038】
ラチェット37は、第2フランジ36の下面に設けられる。ラチェット37は、第2フランジ36と一体に設けられる。ラチェット37は、円環状の内歯を有する。ラチェット37の内歯は、周方向の一方に傾く。
【0039】
一対の板バネ摺動端子38の各々は、金属等の導電端子である。一対の板バネ摺動端子38の各々は、円筒部34の下面に設けられる。一対の板バネ摺動端子38の各々は、電源コード13の一対の端子の各々に接続される。
【0040】
ブレーキ28は、ブレーキ部材40と、バネ41とを有する。
【0041】
ブレーキ部材40は、一方向に長い板状の部材である。ブレーキ部材40は、コードリール組立体12の径方向に延びる。ブレーキ部材40は、コードリール組立体12の径方向に移動可能である。ブレーキ部材40は、ラチェット抑え部40aと傾斜部40bとを有する。ラチェット抑え部40aは、コードリール組立体12の内側に向くブレーキ部材40の端部に設けられる。ラチェット抑え部40aは、上方を向く突起である。ラチェット抑え部40aは、ラチェット37の内歯に当たってドラム27の一方向の回転を抑える。傾斜部40bは、ブレーキ部材40のラチェット抑え部40aと反対側の端部に設けられる。傾斜部40bは、外側の上方に向く端面である。
【0042】
バネ41は、ブレーキ部材40のラチェット抑え部40aより内側に設けられる。バネ41は、圧縮された状態で設けられる。
【0043】
アクチュエーター29は、コードリールケース19の下方に設けられる。アクチュエーター29は、モーター42と、歯車43とを有する。モーター42は、駆動力を発生させる。歯車43は、モーター42が発生させる駆動力により、コードリール組立体12の上下方向を軸として回転する。
【0044】
クラッチ組立体30は、スプール主軸44と、巻き取り歯車45と、クラッチ46と、バネ47と、コイル48と、センサー49と、センサーケース50と、を有する。
【0045】
スプール主軸44は、一方向に長い棒状の部材である。スプール主軸44は、コードリール組立体12の中心軸と同軸上に設けられる。スプール主軸44は、上部接続部44aと、フランジ44bと、下部接続部44cと、を有する。上部接続部44aは、スプール主軸44の上部に設けられる。上部接続部44aは、軸方向に延びるセレーションを有する。フランジ44bは、スプール主軸44の中間部に設けられる。フランジ44bは、円盤状の形状である。下部接続部44cは、スプール主軸44の下部に設けられる。下部接続部44cは、下端に歯を有する。下部接続部44cは、フランジ44bと下端との間に歯のない部分を有する。
【0046】
巻き取り歯車45は、円盤形状である。巻き取り歯車45は、コードリール組立体12の中心軸と同軸上に設けられる。巻き取り歯車45は、コードリールケース19の下面に回転可能に保持される。巻き取り歯車45は、側面に歯を有する。巻き取り歯車45の歯は、歯車43と同一面内で噛合う。巻き取り歯車45は、接続部45aを有する。接続部45aは、巻き取り歯車45の下面に設けられる。接続部45aは、側面に歯を有する。
【0047】
クラッチ46は、二重円筒状の形状である。クラッチ46において、二重円筒の内側円筒は、二重円筒の外側円筒より長い。クラッチ46は、コードリール組立体12の中心軸と同軸に設けられる。クラッチ46は、軸方向の上方および下方の間で移動可能である。クラッチ46は、スプール主軸44および巻き取り歯車45の下方に設けられる。クラッチ46は、上部接続部46aと、中間接続部46bと、下部接続部46cと、磁石51と、を有する。
【0048】
上部接続部46aは、内側円筒の上部に設けられる。上部接続部46aは、上端に内歯を有する。上部接続部46aは、上端より下方に内歯のない部分を有する。クラッチ46が軸方向の下方に移動している場合に、上部接続部46aの内歯は、スプール主軸44の下部接続部44cの歯に噛合う。クラッチ46が軸方向の上方に移動している場合に、上部接続部46aの内歯は、スプール主軸44の下部接続部44cの歯から外れる。
【0049】
中間接続部46bは、内歯を有する。中間接続部46bの内歯は、外側円筒の内面に設けられる。中間接続部46bの内歯は、軸方向に延びる。クラッチ46が軸方向の上方に移動している場合に、中間接続部46bの内歯は、巻き取り歯車45の接続部45aの歯に噛合う。クラッチ46が軸方向の下方に移動している場合に、中間接続部46bの内歯は、巻き取り歯車45の接続部45aの歯から外れる。
【0050】
下部接続部46cは、内側円筒の下部に設けられる。下部接続部46cは、内歯を有する。下部接続部46cの内歯は、内側円筒の内面に設けられる。下部接続部46cの内歯は、軸方向に延びる。
【0051】
磁石51は、例えば永久磁石である。磁石51は、中間接続部46bの下方に設けられる。
【0052】
バネ47は、例えばコイルバネである。バネ47は、コードリール組立体12の中心軸と同軸上に設けられる。バネ47は、フランジ44bの下面とクラッチ46の上端との間に設けられる。バネ47は、圧縮した状態で設けられる。
【0053】
コイル48は、例えばソレノイドコイルである。コイル48は、コードリール組立体12の中心軸と同軸上に設けられる。コイル48は、クラッチ46の下方に設けられる。コイル48は、磁界を発生させうるように構成される。コイル48が発生させる磁界は、コイル48と磁石51との間に斥力を発生させる。
【0054】
センサー49は、例えば磁気センサーである。センサー49は、クラッチ46の側面に対向して設けられる。センサー49は、磁石51の磁界によってクラッチ46の回転位置および軸方向の位置を検知しうるように構成される。
【0055】
センサーケース50は、センサー49を保持する。
【0056】
トルククラッチ31は、コードリール組立体12の中心軸と同軸上に設けられる。トルククラッチ31は、クラッチ組立体30の下方に設けられる。トルククラッチ31は、上部接続部と、下部接続部と、を有する。トルククラッチ31は、予め定められたトルクより小さいトルクの回転を、上部接続部および下部接続部の間で伝達する。トルククラッチ31は、予め定められたトルクより大きいトルクの回転を、上部接続部および下部接続部の間で伝達しない。トルククラッチ31の上部接続部は、クラッチ組立体30に接続される。
【0057】
ぜんまいバネ32は、コードリール組立体12の中心軸と同軸上に設けられる。ぜんまいバネ32は、トルククラッチ31の下方に設けられる。ぜんまいバネ32の中心は、トルククラッチ31の下部接続部に接続される。
【0058】
ぜんまいケース33は、上方に開く円筒状の形状である。ぜんまいケース33は、内部にアクチュエーター29およびクラッチ組立体30を保持する。ぜんまいケース33は、上部がコードリールケース19の下面に当たって接する。ぜんまいケース33は、ぜんまい保持板52を有する。ぜんまい保持板52は、ぜんまいバネ32を保持する。ぜんまいケース33は、ぜんまいバネ32の外側の端部を固定する。
【0059】
蓋体20は、蓋ケース53と、第1フランジ54と、を有する。
【0060】
蓋ケース53は、蓋体20の上面をなす。蓋ケース53は、例えばABS樹脂で形成される。
【0061】
第1フランジ54は、円盤状の形状である。第1フランジ54は、コードリール組立体12の中心軸と同軸上に設けられる。第1フランジ54は、蓋ケース53の下面に設けられる。第1フランジ54は、蓋ケース53に回転可能に保持される。第1フランジ54は、嵌合部55を有する。嵌合部55は、例えば環状のリブである。嵌合部55は、第1フランジ54と同軸に設けられる。嵌合部55は、第1フランジ54と一体に設けられる。嵌合部55の下端面は、外側に向く。嵌合部55の下端面は、環状リブ39の上端面と対向する。蓋体20が閉じている場合に、嵌合部55は、環状リブ39の内側に嵌り合う。この場合に、第1フランジ54およびドラム27は、電源コード13が巻きまわされるスプールを形成する。
【0062】
巻き取りボタン21は、ボタン部材56と、バネ57とを有する。
【0063】
ボタン部材56は、棒状の部分を有する。ボタン部材56は、上端に上面を有する。ボタン部材56は、コードリール組立体12の上下方向に移動可能に設けられる。ボタン部材56は、傾斜部56aを有する。傾斜部56aは、ボタン部材56の下端に設けられる。傾斜部56aは、内側の下方に向く端面である。蓋体20が閉じている場合に、傾斜部56aは、ブレーキ部材40の傾斜部40bに接触する。
【0064】
バネ57は、ボタン部材56とコードリールケース19との間に設けられる。バネ57は、圧縮された状態で設けられる。
【0065】
コードリールケース19は、内側リング摺動端子58と、外側リング摺動端子59と、を有する。内側リング摺動端子58は、円環状の金属等の導電端子である。内側リング摺動端子58は、コードリールケース19の上面に設けられる。外側リング摺動端子59は、円環状の金属等の導電端子である。外側リング摺動端子59は、コードリールケース19の上面に設けられる。外側リング摺動端子59は、内側リング摺動端子58の外側に同心円状に設けられる。一対の板バネ摺動端子38の一方は、内側リング摺動端子58に接触する。一対の板バネ摺動端子38の他方は、外側リング摺動端子59に接触する。内側リング摺動端子58および外側リング摺動端子59は、電動送風機9、モーター42およびセンサー49などに電力を供給しうるように接続される。
【0066】
図4には、蓋体20が開いている状態が示される。図4においては、電源コード13のプラグ25の側の一部および端子保護カバー35は、図示されない。
【0067】
蓋ケース53は、第1切欠き60を有する。第1切欠き60は、蓋体20の下方に向けて開く。第1切欠き60は、蓋体20の突出部20aに設けられる。
【0068】
コードリールケース19は、第2切欠き61を有する。第2切欠き61は、コードリールケース19の上方に向けて開く。第2切欠き61は、コードリールケース19の突出部19aに設けられる。第2切欠き61の深さは、第1切欠き60の深さより深い。蓋体20が閉じている場合に、第1切欠き60および第2切欠き61は、合わせて開口18をなす。
【0069】
コードリール組立体12は、出口部材62を有する。出口部材62は、上部出口部材63と、下部出口部材64と、を有する。出口部材62は、コードリールケース19より電源コード13が滑りやすい材料からなる。出口部材62は、例えばナイロンからなる。上部出口部材63は、蓋体20の下方に向けて開くU字状の形状である。上部出口部材63は、第1切欠き60の縁に設けられる。下部出口部材64は、コードリールケース19の上方に向けて開くU字状の形状である。下部出口部材64は、第2切欠き61の縁に設けられる。出口部材62は、開口18の縁をなす。
【0070】
円筒部34は、案内リブ65を有する。案内リブ65は、円筒部34の側面に設けられる。案内リブ65は、電源コード13を円筒部34の側面に沿って引き出される方向に案内する。
【0071】
図5に示されるように、トルククラッチ31は、中間軸66と、ぜんまい主軸67と、複数のトルクリミッター68と、複数のバネ69と、を有する。
【0072】
中間軸66は、上方を向く棒状の形状である。中間軸66は、コードリール組立体12の中心軸の同軸上に設けられる。中間軸66の上部は、側面に歯を有する。クラッチ46が軸方向の上方または下方のいずれに移動している場合にも、中間軸66の上部の歯は、クラッチ46の下部接続部46cの内歯に噛合う。中間軸66の上部は、トルククラッチ31の上部接続部である。中間軸66の上部は、クラッチ組立体30に接続される。中間軸66は、複数の突起66aを有する。複数の突起66aの各々は、中間軸66の下部の側面に設けられる。複数の突起66aは、周方向に等間隔に並ぶ。
【0073】
ぜんまい主軸67は、二重円筒状の形状である。ぜんまい主軸67において、二重円筒の内側円筒は、二重円筒の外側円筒より長い。ぜんまい主軸67の内側円筒の下部は、トルククラッチ31の下部接続部である。ぜんまい主軸67の内側円筒の下部は、ぜんまいバネ32の中心に接続される。
【0074】
複数のトルクリミッター68の各々は、摩擦面68aを有する。摩擦面68aは、円弧状に湾曲した面である。摩擦面68aは、ぜんまい主軸67の外側円筒の内面に接する。
【0075】
複数のバネ69の各々は、例えばコイルばねである。複数のバネ69の各々は、複数のトルクリミッター68の各々の内側と、ぜんまい主軸67の内側円筒の外側面との間に設けられる。複数のバネ69の各々は、圧縮された状態で設けられる。複数のバネ69の各々は、複数のトルクリミッター68の各々をぜんまい主軸67の外側円筒の内面に押し付ける。
【0076】
トルククラッチ31は、予め定められたトルクより小さいトルクの回転が入力される場合に、摩擦面68aとぜんまい主軸67の外側円筒の内面とが滑らないことで、当該回転を上部接続部および下部接続部の間で伝達する。トルククラッチ31は、予め定められたトルクより大きいトルクの回転が入力される場合に、摩擦面68aとぜんまい主軸67の外側円筒の内面とが滑ることで、当該回転を上部接続部および下部接続部の間で伝達しない。
【0077】
続いて、図6から図9を用いて、電気掃除機1の動作を説明する。
図6は、本実施の形態に係る本体の上面斜視図である。図7は、本実施の形態に係るコードリール組立体の垂直断面図である。図8は、本実施の形態に係るコードリール組立体の垂直断面図である。図9は、本実施の形態に係るコードリール組立体の垂直断面図である。
【0078】
図6においては、蓋体20が開いた状態が示される。
【0079】
使用者は、電気掃除機1を使用する前に、ストッパー24をストッパー受け22から外して蓋体20を開く。ドラム27の上端は、本体ケース7の外部に露出する。
【0080】
この状態において、鍔部26は、第2切欠き61に掛けられている。コードリール組立体12の上面が上方を向いている場合に、電源コード13は、ドラム27に巻かれた状態でとまっている。
【0081】
図7においては、蓋体20が開いた状態が示される。
【0082】
蓋体20が開いている場合に、巻き取りボタン21は、ブレーキ28から離れる。
【0083】
ブレーキ部材40は、バネ41によって外側に押さえられる。ラチェット37の円環状の内歯は、ラチェット抑え部40aに係りあって止まる。このとき、ドラム27の回転は抑えられる。
【0084】
使用者は、ドラム27に束ねて巻かれた電源コード13を、束ねられたままコードリールケース19から取り出す。使用者は、電源コード13を延ばす。ドラム27が回転しないので、電源コード13は、巻き取られない。使用者は、プラグ25をコンセントに接続する。電源コード13は、コンセントを通じて電気掃除機1の外部から電力を供給する。使用者は、蓋体20を閉じる。使用者は、電気掃除機1の使用を開始する。
【0085】
図8においては、蓋体20が閉じた状態が示される。
【0086】
電気掃除機1の外部から電力が供給される場合に、コイル48は、通電される。コイル48は、磁界を発生させる。磁石51は、コイル48が発生させる磁界により発生する斥力を受ける。磁石51は、軸方向の上方に移動する。クラッチ46は、磁石51に追従して、軸方向の上方に移動する。クラッチ46の中間接続部46bは、巻き取り歯車45の接続部45aに噛合う。クラッチ46の上部接続部46aは、スプール主軸44の下部接続部44cから上方に外れる。
【0087】
センサー49は、磁石51の磁場によってクラッチ46が軸方向の上部に移動したことを検知する。この場合に、モーター42は、駆動力を発生させる。歯車43は、モーター42が発生させる駆動力により回転する。巻き取り歯車45は、歯車43と噛合って回転する。クラッチ46は、巻き取り歯車45に追従して回転する。トルククラッチ31は、クラッチ46の回転をぜんまいバネ32に伝達する。ぜんまいバネ32は、巻き取られる。スプール主軸44は、モーター42の回転が伝達されない。
【0088】
ぜんまいバネ32が巻き取られるにつれて、トルククラッチ31に入力される回転のトルクは、大きくなる。トルククラッチ31に入力される回転のトルクが予め定められたトルクより大きい場合に、トルククラッチ31は、回転を伝達しない。
【0089】
センサー49は、磁石51の磁場によってクラッチ46の回転数を検知する。クラッチ46において、ぜんまいバネ32の巻き数の上限に対応する回転数が予め定められている。クラッチ46の回転数が予め定められた回転数に達した場合に、モーター42は駆動力を発生させる動作を停止する。
【0090】
この場合に、コイル48は、通電が停止される。クラッチ46は、バネ47の弾性力によって、軸方向の下方に移動する。クラッチ46の中間接続部46bは、巻き取り歯車45の接続部45aから外れる。クラッチ46の上部接続部46aは、スプール主軸44の下部接続部44cに噛合う。
【0091】
図9においては、蓋体20が閉じている状態が示される。
【0092】
使用者は、電気掃除機1を使用した後に、巻き取りボタン21を下方に押す。ボタン部材56は、バネ57の弾性力に抗しながら下方に移動する。ボタン部材56の傾斜部56aは、ブレーキ部材40の傾斜部40bをコードリール組立体12の内側に押し込む。ブレーキ部材40は、バネ41の弾性力に抗しながら、内側に移動する。ラチェット抑え部40aは、内側に移動する。ラチェット37の円環状の内歯は、ラチェット抑え部40aから外れる。
【0093】
ぜんまいバネ32は、トルククラッチ31に回転を入力する。トルククラッチ31は、クラッチ46に回転を伝達する。クラッチ46は、トルククラッチ31によって回転する。スプール主軸44は、クラッチ46に追従して回転する。ドラム27は、スプール主軸44に追従して回転する。第1フランジ54は、ドラム27に追従して回転する。電源コード13は、ドラム27の回転によって、ドラム27および第1フランジ54が形成するスプールに巻き取られる。
【0094】
電源コード13は、出口部材62と接触して滑りながら巻き取られる。鍔部26は、プラグ25が開口18の内部に入り込むことを防ぐ。
【0095】
以上に説明したように、本実施の形態に係る電気掃除機1は、電動送風機9と、本体ケース7と、電源コード13と、蓋体20と、ドラム27と、ぜんまいバネ32と、ブレーキ28と、巻き取りボタン21と、を備える。電動送風機9は、外部から塵埃を吸い込む気流を発生させる。本体ケース7は、本体2の外郭をなす。本体ケース7は、電動送風機9が内部に設けられる。電源コード13は、電動送風機9に外部から電力を供給する。ドラム27は、回転することで電源コード13を側面に巻き取る。ぜんまいバネ32は、電源コード13を巻き取る方向にドラム27にトルクを加える。ブレーキ28は、ぜんまいバネ32が加えるトルクに抗してドラム27の回転を抑える。巻き取りボタン21は、ブレーキ28によるドラム27の抑えを解除する。蓋体20は、本体ケース7の外部に開閉可能に設けられる。蓋体20は、閉じているときはドラム27を本体ケース7の外部から遮蔽する。蓋体20は、開いているときはドラム27の軸方向の一端を本体ケース7の外部に露出させる。これにより、使用者は、蓋体20を開けて、ドラム27に束ねて巻かれた電源コード13を束ねられたまま取り出せる。したがって、使用者は、ドラム27から引き出す動作を何度も行うことなく、本体2から電源コード13を延ばすことができる。使用者は、電源コード13を本体2から容易に取り出せる。停電時などの外部から電力が供給されない場合に、ぜんまいバネ32が巻き取られていなくても、使用者は、蓋体20を開けることで、電源コード13をドラム27に手で巻きまわして収納できる。
【0096】
また、蓋体20は、ドラム27の軸方向の一端に着脱可能に接続される円盤状の第1フランジ54を有する。ドラム27は、軸方向の他端に円盤状の第2フランジ36を有する。第1フランジ54は、蓋体20が閉じている場合にドラム27と連動して回転する。これにより、第1フランジ54およびドラム27は、電源コード13が巻きまわされるスプールを形成する。第2フランジ36および第1フランジ54は、電源コード13を当該スプールに巻き取る場合に、軸方向にずれることを防止する。蓋体20が開く場合に、第1フランジ54は、ドラム27から外れる。使用者は、第1フランジ54に引っかからずに、容易に電源コード13を本体2から取り出せる。
【0097】
また、ドラム27は、軸方向の一端に同軸の環状リブ39を有する。第1フランジ54は、嵌合部55を有する。嵌合部55は、蓋体20が閉じている場合に環状リブ39の内側に嵌まり合う。嵌合部55は、環状である。使用者が電源コード13をドラム27に手で巻きまわして収納する場合に、電源コード13は、ドラム27の上面に乗り上げうる。この場合に、環状リブ39および嵌合部55は、蓋体20を閉じることで電源コード13が噛み込まれることを防ぐ。
【0098】
また、電気掃除機1は、コードリールケース19を備える。コードリールケース19は、閉じている状態の蓋体20に当たって接する。蓋体20は、第1切欠き60を有する。コードリールケース19は、第2切欠き61を有する。第2切欠き61は、第1切欠き60より深い。第2切欠き61は、蓋体20が閉じている場合に第1切欠き60とあわせて開口18をなす。電源コード13は、鍔部26を端部に有する。鍔部26の幅は、開口18の幅より大きい。これにより、蓋体20が開いている場合に、使用者は、深い第2切欠き61に鍔部26を掛けることができる。使用者が電源コード13をドラム27に手で巻きまわして収納する場合に、コードリールケース19は、電源コード13の端部を安定に保持する。
【0099】
また、電気掃除機1は、出口部材62を有する。出口部材62は、コードリールケース19より電源コード13が滑りやすい材料からなる。出口部材62は、開口18の縁をなす。これにより、電源コード13は、ドラム27に滑らかに巻き取られる。出口部材62は、巻き取り時の引っかかりなどによって電源コード13に傷がつくことを防ぐ。
【0100】
また、ドラム27は、案内リブ65を有する。案内リブ65は、側面に沿って巻き取られる方向に電源コード13を案内する。これにより、電源コード13は、スムーズに巻き取られる。使用者が電源コード13をドラム27に手で巻きまわして収納する場合に、使用者は、巻きまわす方向を容易に知ることができる。案内リブ65は、電源コード13が逆方向に巻きまわされることを防ぐ。これにより、案内リブ65は、電源コード13の損傷を防ぐ。
【0101】
また、巻き取りボタン21は、蓋体20に設けられる。巻き取りボタン21は、蓋体20が開いている場合にブレーキ28との接続が切り離される。これにより、蓋体20が開いている場合に、ブレーキ28は、解除されない。コードリール組立体12は、蓋体20が開いている状態で、電源コード13がドラム27の回転によって巻き取られることを防ぐ。したがって、コードリール組立体12は、電源コード13が乱雑に巻き取られることを防ぐほか、巻き取りボタン21の誤操作による不意なドラム27の回転部への接触による怪我を防ぐ。
【0102】
また、電気掃除機1は、モーター42と、クラッチ46と、を備える。モーター42は、電源コード13が外部から供給する電力によって駆動力を発生させる。クラッチ46は、ぜんまいバネ32をモーター42またはドラム27のいずれの回転に連動させるかを切り替える。電源コード13が外部の電源に接続されている場合に、クラッチ46は、ぜんまいバネ32をモーター42の回転に連動させる。この場合に、モーター42は、発生させる駆動力によってぜんまいバネ32を巻き取る。これにより、使用者は、電源コード13を束ねられたまま取り出した場合に、電源コード13を巻き取るためにぜんまいバネ32を巻き取る必要がない。ぜんまいバネ32がドラム27に接続されている場合に、モーター42は、ドラム27の回転に連動しない。これにより、ぜんまいバネ32によって電源コード13が巻きとられる場合に、モーター42は、ドラム27の回転の抵抗にならない。
【0103】
また、コードリール組立体12は、トルククラッチ31を有する。トルククラッチ31は、予め定められたトルクより大きいトルクの回転を伝達しない。ぜんまいバネ32は、トルククラッチ31を介してモーター42またはドラム27に回転を伝達する。これにより、トルククラッチ31は、過大なトルクが入力されることでぜんまいバネ32が破損することを防ぐ。
【0104】
また、ドラム27、ぜんまいバネ32、クラッチ46およびトルククラッチ31は、中心軸が同一直線状に配置される。これにより、コードリール組立体12は、軸方向に構成要素がまとめられるので、コンパクトになる。
【0105】
また、コードリール組立体12は、本体ケース7の上面に設けられる。接続部23は、本体2の前方側に設けられる。ストッパー24およびストッパー受け22は、本体2の後方側に設けられる。電気掃除機1を使用している状態において、本体2の上面は、上方に向く。電気掃除機1を使用した状態のまま使用者が電源コード13をドラム27に手で巻きまわして収納する場合に、電源コード13は、ドラム27から滑り落ちない。使用者は、容易に電源コード13を手で巻きまわすことができる。本体2の前面を上方に向けて収納している場合に、蓋体20を開けることで電源コード13は下方に滑り落ちる。使用者は、電気掃除機1の使用を開始するときに、収納時の状態で蓋体20を開けることで電源コード13を取り出すことができる。
【0106】
なお、嵌合部55は、環状リブ39の内径より小さい半径の円状の形状であってもよい。嵌合部55の外形は、環状リブ39の内径より小さくてもよい。
【0107】
蓋体20は、トーションバネを備えてもよい。トーションバネは、接続部23に設けられる。トーションバネは、蓋体20を開く方向に力を加える。使用者は、容易に蓋体20を開くことができる。
【0108】
コードリール組立体12は、ハンドルを備えてもよい。ハンドルは、ドラム27の上面に設けられる。使用者は、ハンドルを回すことで、電源コード13をドラム27に巻きとる。使用者は、電源コード13を容易に収納できる。ハンドルは、蓋体20の上面に設けられてもよい。この場合、ハンドルは、蓋体20が閉じられているときにドラム27と連動して回転する。
【0109】
集塵部8は、旋回気流を用いるサイクロン方式によって塵埃を気流から分離するものでもよい。
【0110】
電源コード13が外部の電源に接続されている場合に、蓋体20が閉じられた後に、モーター42およびクラッチ46によってぜんまいバネ32が巻き取られてもよい。電源コード13が外部の電源に接続されている場合に、操作部17からの信号に基づいて、モーター42およびクラッチ46によってぜんまいバネ32が巻き取られてもよい。
【0111】
続いて、図10を用いて、実施の形態1の変形例に係る電気掃除機1の構成を説明する。
図10は、本実施の形態の変形例に係る本体の背面斜視図である。図10において、蓋体20が開いた状態が示される。
【0112】
コードリール組立体12は、本体2の後部に設けられる。コードリールケース19は、本体ケース7の背面から突出する。コードリールケース19の突出部19aは、電気掃除機1の左側に向けられる。蓋体20の突出部20aは、電気掃除機1の左方に向けられる。巻き取りボタン21は、蓋体20の外側の面に設けられる。巻き取りボタン21は、コードリール組立体12の軸方向に移動可能に設けられる。
【0113】
電気掃除機1を使用する状態において、蓋体20を開けることで電源コード13は下方に滑り落ちる。使用者は、電気掃除機1の使用を開始するときに、使用時の状態で蓋体20を開けることで電源コード13を取り出すことができる。
【符号の説明】
【0114】
1 電気掃除機、 2 本体、 3 吸込管、 4 吸口体、 5 吸気口、 6 排気口、 7 本体ケース、 8 集塵部、 9 電動送風機、 10 キャスター、 11 移動用車輪、 12 コードリール組立体、 13 電源コード、 14 ホース、 15 パイプ、 16 ハンドル、 17 操作部、 18 開口、 19 コードリールケース、 19a 突出部、 20 蓋体、 20a 突出部、 21 巻き取りボタン、 22 ストッパー受け、 23 接続部、 24 ストッパー、 25 プラグ、 26 鍔部、 27 ドラム、 28 ブレーキ、 29 アクチュエーター、 30 クラッチ組立体、 31 トルククラッチ、 32 ぜんまいバネ、 33 ぜんまいケース、 34 円筒部、 35 端子保護カバー、 36 第2フランジ、 37 ラチェット、 38 板バネ摺動端子、 39 環状リブ、 40 ブレーキ部材、 40a ラチェット抑え部、 40b 傾斜部、 41 バネ、 42 モーター、 43 歯車、 44 スプール主軸、 44a 上部接続部、 44b フランジ、 44c 下部接続部、 45 巻き取り歯車、 45a 接続部、 46 クラッチ、 46a 上部接続部、 46b 中間接続部、 46c 下部接続部、 47 バネ、 48 コイル、 49 センサー、 50 センサーケース、 51 磁石、 52 ぜんまい保持板、 53 蓋ケース、 54 第1フランジ、 55 嵌合部、 56 ボタン部材、 56a 傾斜部、 57 バネ、 58 内側リング摺動端子、 59 外側リング摺動端子、 60 第1切欠き、 61 第2切欠き、 62 出口部材、 63 上部出口部材、 64 下部出口部材、 65 案内リブ、 66 中間軸、 66a 突起、 67 ぜんまい主軸、 68 トルクリミッター、 68a 摩擦面、 69 バネ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10