特許第6874789号(P6874789)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6874789
(24)【登録日】2021年4月26日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】入力装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20210510BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20210510BHJP
   G06F 3/0354 20130101ALI20210510BHJP
   G04G 21/08 20100101ALN20210510BHJP
【FI】
   G06F3/041 422
   G06F3/041 460
   G06F3/044 Z
   G06F3/0354 450
   G06F3/041 662
   !G04G21/08 J
【請求項の数】2
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2019-115326(P2019-115326)
(22)【出願日】2019年6月21日
(62)【分割の表示】特願2015-55574(P2015-55574)の分割
【原出願日】2015年3月19日
(65)【公開番号】特開2019-194891(P2019-194891A)
(43)【公開日】2019年11月7日
【審査請求日】2019年7月12日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】末永 尚史
(72)【発明者】
【氏名】水野 公靖
(72)【発明者】
【氏名】南 剛
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 英男
(72)【発明者】
【氏名】野村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】内田 修平
(72)【発明者】
【氏名】瀬尾 宗隆
(72)【発明者】
【氏名】山下 樹
【審査官】 酒井 優一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−225234(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/018698(WO,A1)
【文献】 特表2013−529338(JP,A)
【文献】 特開2007−170995(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/025550(WO,A1)
【文献】 特開2014−123331(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
G06F 3/0354
G04G 21/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電容量方式のタッチパネルと、
外装部材と、
を備え、
前記外装部材は、誘電体材料により形成された特定部分を有し、
前記特定部分に、前記外装部材の外面に露出させずに、1又は複数の第1の導電体が設けられ、
前記1又は複数の第1の導電体は、前記タッチパネルの上面側からの平面視において部分的に前記タッチパネルに重なるように設けられ、
前記タッチパネルは前記タッチパネルと前記第1の導電体との間に生じる電気容量を検知する
ことを特徴とする入力装置。
【請求項2】
請求項1に記載の前記入力装置と、
表示パネルと、を備え、
前記タッチパネルは、前記表示パネルの視野側の面上に設けられていることを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置及び電子機器に関し、特に、表示部の視野側にタッチパネルを備えた電子機器に適用可能な入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン(高機能携帯電話機)やタブレット端末、ウェアラブル機器等の高機能で携帯可能な電子機器の普及が著しい。このような携帯型の電子機器においては、例えば特許文献1に記載されているように、入力装置として、液晶(LCD)等の表示部の前面(視野側)に設けられたタッチパネルが多用されている。また、携帯型の電子機器に適用される入力装置の他の例としては、例えば特許文献2に記載されているように、表示部の周囲に設けられたタッチセンサにタッチすることにより、画面のスクロールやメニューの選択等の入力操作を行うものも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−153679号公報
【特許文献2】特開2004−288172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1等に記載された入力装置においては、表示部の前面に設けられたタッチパネルを指等でタッチして、例えば画面のスクロールやメニューの選択を行う際に、指等で表示部の画面表示を遮ることになり、視認性や操作性を低下させてしまう問題を有していた。このような問題を解決する手法として、例えば表示部の端部に入力操作用の領域を設けたものも知られているが、この場合、携帯型の小型の電子機器においては、表示部の表示領域やタッチパネルの操作領域を狭くしてしまうという問題を有していた。また、上述した特許文献2等に記載された入力装置のように、表示部の周囲に、表示部の前面に設けられるタッチパネルとは別に、画面操作用のタッチセンサを設けることにより、表示部の表示領域やタッチパネルの操作領域を確保することができるが、この場合、入力装置の機構や制御処理が複雑化したり電子機器が大型化したりするという問題を有していた。
【0005】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑み、表示部の表示領域やタッチパネルの操作領域を狭めたり機器の大型化を招いたりすることなく、簡易な構成で良好に入力操作を行うことができる入力装置、及び、当該入力装置を備えた電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る入力装置は、
静電容量方式のタッチパネルと、
外装部材と、
を備え、
前記外装部材は、誘電体材料により形成された特定部分を有し、
前記特定部分に、前記外装部材の外面に露出させずに、1又は複数の第1の導電体が設けられ、
前記1又は複数の第1の導電体は、前記タッチパネルの上面側からの平面視において部分的に前記タッチパネルに重なるように設けられ、
前記タッチパネルは前記タッチパネルと前記第1の導電体との間に生じる電気容量を検知する
ことを特徴とする。

【0007】
本発明に係る電子機器は、
上記の入力装置と、
表示パネルと、を備え、
前記タッチパネルは、前記表示パネルの視野側の面上に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、表示部の表示領域やタッチパネルの操作領域を狭めたり機器の大型化を招いたりすることなく、簡易な構成で良好に入力操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る入力装置が適用された電子機器の第1の実施形態を示す概略構 成図である。
図2】第1の実施形態に係る電子機器の要部の断面構造を示す概略図である。
図3】第1の実施形態の比較対象となる電子機器の第1の例(比較例1)を示す図 である。
図4】第1の実施形態の比較対象となる電子機器の第2の例(比較例2)を示す図 である。
図5】本発明に係る入力装置が適用された電子機器の第2の実施形態を示す概略構 成図である。
図6】本発明に係る入力装置が適用された電子機器の第3の実施形態を示す概略構 成図である。
図7】本発明に係る入力装置が適用された電子機器の実施形態の第1の変形例を示 す概略構成図である。
図8】本発明に係る入力装置が適用された電子機器の実施形態の第2の変形例を示 す概略構成図である。
図9】本本発明に係る入力装置が適用された電子機器の実施形態の第3の変形例を 示す概略構成図である。
図10】本発明に係る入力装置が適用された電子機器の実施形態の第4の変形例を 示す概略構成図である。
図11】本発明に係る入力装置が適用された電子機器の実施形態の第4の変形例を 示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る入力装置及び電子機器について、実施形態を示して詳しく説明する。ここで、以下に示す各実施形態においては、本発明に係る入力装置を腕時計型の形状を有する電子機器に適用した場合について説明する。
【0011】
<第1の実施形態>
図1は、本発明に係る入力装置が適用された電子機器の第1の実施形態を示す概略構成図である。図1(a)は、本実施形態に係る電子機器の外観を示す斜視図であり、図1(b)は、電子機器の機器本体を視野側から見た正面図である。また、図2は、本実施形態に係る電子機器の要部の断面構造を示す概略図である。図2(a)は、図1(b)に示した電子機器におけるIIA−IIA断面の構造図であり、図2(b)は、同IIB−IIB断面の構造図であり、図2(c)は、図2(a)に示した断面図におけるIIC部の詳細図である。なお、本明細書においては、図1図2中に示したローマ数字の「2」に対応する記号として、便宜的に「II」を用いる。
【0012】
本発明に係る入力装置を備えた電子機器の第1の実施形態は、例えば図1(a)、(b)に示すように、電子機器100の動作や機能に応じた種々の情報を表示する表示部DSPが設けられた機器本体102と、当該機器本体102を手首等の人体に装着するための帯状のベルト部(付設部材)104と、を備えた腕時計型の形状を有している。
【0013】
機器本体102は、例えば図1に示すように、略矩形状の平面形状を有し、視野側である一面(図1(a)の上側の面、図1(b)の手前側の面、図2(a)、(b)の上面)側には、タッチパネルを備えた表示部DSPが設けられ、一方、機器本体102の他面(図2(a)、(b)の下面)側には、裏蓋(閉止蓋)120が設けられている。
【0014】
具体的には、機器本体102は、例えば図2(a)、(b)に示すように、枠状に形成され、絶縁性を有して誘電体をなす、樹脂製のケース110を有し、その中央に貫通するように設けられた開口部110hの内部に、保護板116と、液晶方式等の表示パネル112と、静電容量方式のタッチパネル114と、回路基板や電池等を含む回路構成部118と、固定部材110aとが組み込まれて(収容されて)いる。ここで、表示パネル112とタッチパネル114と保護板116は、表示部DSPを構成し、タッチパネル114は視野側がタッチ位置を検出する検知面となっている。タッチパネル114及び保護板116は上面から表示パネル112による表示を視認可能とする透過性を有しており、保護板116は例えばガラスにより形成される。なお、保護板116はガラスにより形成されたもの限らず、例えばアクリルやポリカーボネート等による透明性を有する樹脂材料により形成されているものであってもよい。また、ケース110は、タッチパネル114の上部に設けられて、後述する導電体ELCが設けられている部分以外は、誘電体でなくともよく、例えば金属製であってもよい。
【0015】
保護板116は、ケース110の開口部110h内の、最も視野側に取り付けられている。タッチパネル114は、検知面である一面側が保護板116に密着し、他面側が表示パネル112に密着するように設けられている。また、タッチパネル114は、例えば図2(a)に示すように、その幅寸法(図面左右方向の長さ)H2が、ケース110の一面側の開口部110hの幅寸法H1よりも大きくなるように形成され、表示部DSPの周囲(図面左右方向の周囲)に設けられたケース110部分にまでその端部が延在するように設けられている。ここで、機器本体102における表示部DSPの周囲のケース110は、いわゆる、腕時計のベゼルに相当する部分である。
【0016】
また、回路基板や電池等を含む回路構成部118は、表示パネル112の他面側(裏蓋120側)に設けられ、詳細な図示を省略するが、CPUやMPU等の演算処理回路、記憶回路等が搭載された回路基板部や、機器本体102の各部に駆動電力を供給する電源部等を有している。固定部材110aは、ケース110の他面側の開口部110h内に嵌合するように取り付けられ、開口部110h内に組み込まれたタッチパネル114や表示パネル112、回路構成部118の位置を固定する。裏蓋120は、ケース110の他面側の開口部110h内に組み込まれたタッチパネル114や表示パネル112、回路構成部118、固定部材110aを閉止する。
【0017】
ここで、機器本体102は、図2(a)に示すように、電子機器100の使用時における破損や衝撃に対する強度や、デザイン性を確保するために、表示部DSPを構成する保護板116の一面側の表面に比較して、表示部DSPの周囲に設けられたケース110が一面側(視野側;図2(a)の上方側)に突出するように形成されている。
【0018】
そして、本実施形態においては、図1(b)、図2(a)、(b)に示すように、表示部DSPの周囲に突出して設けられたケース110部分(すなわち、ベゼル;特定部分)の内部に、機器本体102を一面側から平面視した場合に、開口部110hの幅寸法H1よりも端部が延在して設けられたタッチパネル114と平面的に重なるように、1又は複数の導電体(第1の導電体)ELCが設けられている。導電体ELCは、例えば銅(Cu)やアルミニウム(Al)等の抵抗値の比較的低い(理想的には抵抗値が0Ω)金属材料からなる角柱又は円柱等の柱状形状に形成された柱状部材を有している。
【0019】
ここで、導電体ELCを構成する柱状部材は、例えば図2(c)に示すように、タッチパネル114に対して垂直方向(図面上下方向)に延在するように設けられ、タッチパネル114に対向する下面(図面下方側の面;第1の面)の面積Saと、ケース110の一面側の表面に対向する上面(図面上方側の面;第2の面)の面積Sbとが、例えば同一又は同等(Sa≒Sb)になるように形成されている。
【0020】
また、例えば図2(a)、(b)に示すように、導電体ELCとタッチパネル114との距離(第1の距離)L1と、導電体ELCとケース110の一面側の表面との距離(第2の距離)L2とは、例えば同一又は同等(L1≒L2)になるように設定されている。そして、導電体ELCにおける下面及び上面の面積Sa、Sb、並びに、導電体ELCとタッチパネル114及びケース110の一面側との距離L1、L2は、表示部DSPを構成する保護板116に生じる静電容量C(第1の静電容量)と、表示部DSPの周囲の、導電体ELCが設けられたケース110部分に生じる静電容量C(第2の静電容量)とが、同一又は同等(C≒C)になるように所定の値に設定されている。このような導電体ELCは、例えばネジやナット等の金属部品が埋め込まれた樹脂成形品を製造する際に多用されているインサート成形法等を用いることにより、ケース110を樹脂成形する工程においてケース110内部に一体的に設けることができる。
【0021】
なお、導電体ELCの柱状部材の大きさや形状を規定する面積Sa、Sbや、その埋込位置を規定する距離L1、L2については、後述する比較検証における計算を簡略化するために、面積SaとSbとを同一又は同等(Sa≒Sb)に設定し、距離L1とL2とを同一又は同等(L1≒L2)に設定した場合について示したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、後述するように、表示部DSPを構成する保護板116に生じる静電容量Cと、表示部DSPの周囲のケース110部分に生じる静電容量Cとが、同一又は同等(C≒C)になるように設定するものであれば、導電体ELCの面積Sa、Sbや距離L1、L2を異なる値(Sa≠Sb、L1≠L2)に設定するものであってもよい。
【0022】
このような構造を有する機器本体102の組み付け手順は、例えば、タッチパネル114と表示パネル112とを積層して接着した状態で、ケース110の他面側から開口部110hに挿入し、さらに、回路構成部118と固定部材を110aとを挿入した後、開口部110hを裏蓋120により閉止する。また、保護板116は、ケース110の一面側から開口部110hに挿入され、タッチパネル114に密着するように嵌め込まれる。これにより、機器本体102内部における防水性や密閉性が確保される。保護板116は、ケース110と接触する部分において、例えば両面テープあるいは接着剤等の接着部材によってケース110と接着されている。
【0023】
そして、このような機器本体102において、ユーザが任意の入力操作を行うために、図2(a)、(b)に示すように、表示部DSPを構成する保護板116の外面(第2の操作面)や、表示部DSPの周囲のケース110部分の表面(第1の操作面)に指USf等を接触させる。このときのタッチパネル114からユーザの指USf等を介して接地電圧GNDに流れる電流の変化(すなわち、保護板116やケース110に生じる静電容量の変化)を検知することにより、タッチパネル114への入力操作が検出される。
【0024】
(作用効果の検証)
次に、本実施形態に係る入力装置が適用された電子機器における作用効果について比較例を示して詳しく検証する。ここでは、本実施形態に係る電子機器の比較対象として、機器本体の表示部の周囲に設けられるケース部分に導電体が設けられていない構造を示して比較を行う。
【0025】
図3は、本実施形態の比較対象となる電子機器の第1の例(比較例1)を示す図である。図3(a)は、比較例1の電子機器の正面図であり、図3(b)は、図3(a)に示した電子機器におけるIIIB−IIIB断面の構造図であり、図3(c)は、同IIIC−IIIC断面の構造図である。また、図4は、本実施形態の比較対象となる電子機器の第2の例(比較例2)を示す図である。図4(a)は、比較例2の電子機器の正面図であり、図4(b)は、図4(a)に示した電子機器におけるIVB−IVB断面の構造図であり、図4(c)は、同IVC−IVC断面の構造図である。なお、本明細書においては、図3中に示したローマ数字の「3」に対応する記号として、便宜的に「III」を用い、図4中に示したローマ数字の「4」に対応する記号として、便宜的に「IV」を用いる。ここで、上述した第1の実施形態と同等の構造については、その説明を簡略化する。
【0026】
上述した第1の実施形態に係る電子機器の比較例1は、例えば図3(a)〜(c)に示すように、機器本体102の中央に設けられた開口部110hの内部に組み込まれているタッチパネル114が、表示パネル112と略同等の平面形状及び寸法を有し、上述した第1の実施形態のように、表示部DSPの周囲に設けられたケース110部分にまで端部は延在していない。また、表示部DSPの周囲に設けられたケース110部分には、導電体が設けられていない。
【0027】
このような構造を有する比較例1においては、表示部DSPのタッチパネル114の視野側に配置された保護板116に、ユーザが指USf等を接触させることにより入力操作が行われる。このとき、タッチパネル114に密着して設けられた保護板116の誘電率をε、厚みをdとした場合、当該保護板116の表面にユーザの指USfが接触面積Sで接触することにより、保護板116に生じる静電容量Cは、(11)式で表される。
【0028】
【数1】
【0029】
なお、(11)式により表される静電容量Cは、本実施形態に係る電子機器100の表示部DSPにおいて、保護板116の表面にユーザが指USfを接触させた際に生じる静電容量でもある。
【0030】
上述した比較例1の構造においては、表示部DSPに指USfを接触させて、例えば画面のスクロールやメニューの選択等の入力操作を行う場合、指USfが表示部DSPの画面表示を遮ることになるため、視認性や操作性が低下するという問題を有している。ここで、視認性や操作性を確保するために、例えば表示部DSPの端部にスクロール等の入力操作専用の領域を設けることも考えられるが、この場合には、本来の表示部DSPの表示領域やタッチパネル114の操作領域が狭くなってしまうという問題を有している。
【0031】
そこで、例えば図4(a)〜(c)に示す比較例2のように、開口部110hに組み込まれているタッチパネル114の端部を、表示部DSPの周囲に設けられたケース110部分にまで延在させて、ユーザが表示部DSPの周囲に設けられたケース110に指USfを接触させることにより、入力操作を行うことが考えられる。ここで、タッチパネル114の端部が延在する表示部DSPの周囲のケース110部分は、上述した第1の実施形態と同様に、表示部DSPを保護するための強度やデザイン性を確保するために、保護板116の表面に比較して一面側に突出するように形成されている。すなわち、図4(b)に示すように、タッチパネル114の一面からユーザの指USfが接触するケース110の一面側の表面までの距離(以下、「ケース110の厚み」と記す)L3が、表示部DSPの保護板116の厚みdに比較して大きくなるように設定されている。
【0032】
このような構造を有する比較例1において、樹脂製のケース110の誘電率をεとした場合、ユーザの指USfが接触面積Sで接触することにより、ケース110に生じる静電容量Cは、(12)式で表される。
【0033】
【数2】
【0034】
ここで、例えばケース110の厚みL3が保護板116の厚みdの2倍(L3=2d)であり、かつ、樹脂製のケース110の誘電率をεが保護板116の誘電率εと同等(ε≒ε)であるとした場合、ケース110に生じる静電容量Cは、(13)式で表される。
【0035】
【数3】
【0036】
この場合、ケース110に生じる静電容量Cは、保護板116に生じる静電容量Cの略半分になってしまう。このため、ケース110部分において入力操作を行った場合の検知感度が大幅に低下したり、入力操作自体が不可能になってしまったりするという問題を有している。なお、(13)式においては、計算を簡略化し、説明を簡明にするために、ケース110の厚みL3を保護板116の厚みdの2倍(L3=2d)とし、また、樹脂製のケース110の誘電率εを保護板116の誘電率と同等(ε≒ε)とした場合について説明したが、このような数値設定に限定されるものではない。すなわち、上述したように、表示部DSPの周囲のケース110部分は、上述したように、保護板116の表面に比較して一面側に突出するように形成されているため、ケース110の厚みL3が保護板116の厚みdに比較して大きくなるように設定され(L3>d)、また、ケース110を形成する樹脂材料の誘電率εは、保護板116に一般的に適用される石英ガラス等の誘電率εに近似する(ε≒ε)。したがって、ケース110に生じる静電容量Cは、保護板116に生じる静電容量Cに比較して概ね小さくなるため、ケース110部分における入力操作時の検知感度が低下するという現象が生じることになる。
【0037】
これに対して、本実施形態に係る電子機器100においては、図2(a)〜(c)に示したように、タッチパネル114の端部が表示部DSPの周囲に設けられたケース110部分にまで延在するように形成され、さらに、当該ケース110部分に1又は複数の導電体ELCが設けられている。ここで、導電体ELCは、上述したように、タッチパネル114に対向する下面の面積Saと、ケース110の表面に対向する上面の面積Sbとが同一又は同等(Sa≒Sb)になるような柱状部材が適用され、また、導電体ELCとタッチパネル114とが距離L1だけ離間し、導電体ELCとケース110の表面とが距離L2だけ離間するように、その埋込位置が設定されている。
【0038】
このような構造を有する電子機器100において、導電体ELCとタッチパネル114との距離L1と、導電体ELCとケース110の一面側の表面との距離L2とが、例えば所定の同一の値(L1=L2=εd/2ε)になるように設定する。また、例えばケース110の厚みL3が保護板116の厚みdの2倍(L3=2d)であり、かつ、樹脂製のケース110の誘電率をεが保護板116の誘電率εと同等(ε≒ε)になるように設定する。この場合、表示部DSPの周囲のケース110部分に生じる静電容量Cは、(14)式で表される。ここでは、静電容量Cは、導電体ELCとタッチパネル114との間に形成される容量成分と、導電体ELCとケース110の表面との間に形成される容量成分との、直列接続として算出される。
【0039】
【数4】
【0040】
すなわち、本実施形態においては、上述したように、導電体ELCの形状や寸法、及び、導電体ELCを表示部DSPの周囲のケース110に設ける際の位置を規定する距離L1、L2を、保護板116の誘電率ε及びケース110の誘電率εに基づく適切な値(εd/2ε)に設定する。これにより、(14)式に示すように、(11)式に示した表示部DSPの保護板116における静電容量Cと同等の静電容量Cを、表示部DSPの周囲のケース110に生じさせることができ、表示部DSPの周囲の、導電体ELCが設けられたケース110部分の一面側においても、表示部DSPと同等の感度で入力操作を良好に行うことができる。したがって、表示部に設けられた単一のタッチパネルの端部が延在するケース部分に導電体を設けた簡易な構成で、表示部の表示領域やタッチパネルの操作領域を狭めたり機器の大型化を招いたりすることなく、表示部やその周囲のケース部分に指等を接触させてメニューの選択を行ったり、さらに接触させた状態でずらして画面のスクロールを行ったりして、入力操作を良好に行うことができる。
【0041】
<第2の実施形態>
次に、発明に係る入力装置が適用された電子機器の第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態においては、表示部DSPの周囲のケース110部分の一面側(視野側)の表面に、ユーザが指USf等を接触させて入力操作する場合について説明した。第2の実施形態においては、表示部DSPの周囲のケース110部分の側面、又は、ケース110部分の視野側及び側面に、ユーザが指USf等を接触させて入力操作することを特徴とする。
【0042】
図5は、本発明に係る入力装置が適用された電子機器の第2の実施形態を示す概略構成図である。図5(a)は、本実施形態に係る電子機器の正面図であり、図5(b)は、図5(a)に示した電子機器におけるVB−VB断面の構造図であり、図5(c)は、図5(b)に示した断面図におけるVC部(第1の例)の詳細図であり、図5(d)は、図5(b)に示した断面図におけるVC部(第2の例)の詳細図である。なお、本明細書においては、図5中に示したローマ数字の「5」に対応する記号として、便宜的に「V」を用いる。ここで、上述した第1の実施形態と同等の構造については、その説明を簡略化する。
【0043】
第2の実施形態に係る電子機器の第1の例は、例えば図5(a)〜(c)に示すように、表示部DSPの周囲のケース110部分に設けられる導電体ELCが、例えば角柱状部材を有し、タッチパネル114に対して平行方向(図5(b)、(c)の左右方向)に延在するように配置されている。また、導電体ELCは、機器本体102を一面側から平面視した場合に、導電体ELCの一部がタッチパネル114と平面的に重なるように配置されている。
【0044】
ここで、導電体ELCは、例えば図5(c)に示すように、タッチパネル114と平面的に重なってタッチパネル114に対向する領域(図面左方側の面;第1の面)の面積Scと、ケース110の側面側の表面に対向する面(図面右方側の面;第2の面)の面積Sdとが、例えば同一又は同等(Sc≒Sd)になるように形成されている。また、例えば図5(c)に示すように、導電体ELCとタッチパネル114との距離(第1の距離)L4と、導電体ELCとケース110の側面側の表面との距離(第2の距離)L5とは、例えば所定の同一又は同等の値(L4≒L5=εd/2ε)になるように設定されている。
【0045】
そして、導電体ELCにおける上記の面積Sc、Sd、並びに、距離L4、L5は、上述した表示部DSPを構成する保護板116に生じる静電容量Cと、表示部DSPの周囲の、導電体ELCが設けられたケース110部分に生じる静電容量Cとが、同一又は同等(C≒C)になるように所定の値に設定されている。ここで、静電容量Cは、導電体ELCとタッチパネル114との間に形成される容量成分と、導電体ELCとケース110の側面側の表面との間に形成される容量成分との、直列接続として算出され、第1の実施形態に示した(14)式と同様に表される。したがって、本実施形態においても、表示部DSPの保護板116における静電容量Cと同等の静電容量Cを、表示部DSPの周囲のケース110に生じさせることができ、表示部DSPの周囲の、導電体ELCが設けられたケース110部分の側面においても、表示部DSPと同等の検知感度で入力操作を良好に行うことができる。
【0046】
第2の実施形態に係る電子機器の第2の例は、例えば図5(a)、(b)、(d)に示すように、表示部DSPの周囲のケース110部分に設けられる導電体ELCが、例えば角柱状部材を有し、タッチパネル114に対して垂直方向(図5(b)、(d)の上下方向)と平行方向(図5(b)、(d)の左右方向)に分岐して延在するように配置されている。また、導電体ELCは、機器本体102を一面側から平面視した場合に、導電体ELCの一部がタッチパネル114と平面的に重なるように配置されている。
【0047】
ここで、導電体ELCは、例えば図5(d)に示すように、タッチパネル114と平面的に重なってタッチパネル114に対向する領域(図面左方側の面;第1の面)の面積Seと、ケース110の側面側の表面に対向する面(図面右方側の面;第2の面)の面積Sfと、ケース110の一面側の表面に対向する面(図面上方側の面;第2の面)の面積Sgとが、例えば同一又は同等(Se≒Sf≒Sg)になるように形成されている。また、例えば図5(d)に示すように、導電体ELCとタッチパネル114との距離(第1の距離)L4と、導電体ELCとケース110の側面側の表面との距離(第2の距離)L5と、導電体ELCとケース110の一面側の表面との距離(第2の距離)L6とは、例えば所定の同一又は同等の値(L4≒L5≒L6=εd/2ε)になるように設定されている。
【0048】
そして、導電体ELCにおける上記の面積Se、Sf、Sg、並びに、距離L4、L5、L6は、上述した表示部DSPを構成する保護板116に生じる静電容量Cと、表示部DSPの周囲の、導電体ELCが設けられたケース110部分に生じる静電容量Cとが、同一又は同等(C≒C)になるように所定の値に設定されている。ここで、静電容量Cは、導電体ELCとタッチパネル114との間に形成される容量成分と、導電体ELCとケース110の側面側の表面との間に形成される容量成分、又は、導電体ELCとケース110の一面側の表面との間に形成される容量成分との、直列接続として算出され、第1の実施形態に示した(14)式と同様に表される。したがって、本実施形態においても、表示部DSPの保護板116における静電容量Cと同等の静電容量Cを、表示部DSPの周囲のケース110に生じさせることができ、表示部DSPの周囲の、導電体ELCが設けられたケース110部分の一面側及び側面においても、表示部DSPと同等の検知感度で画面のスクロールやメニューの選択等の入力操作を良好に行うことができる。
【0049】
<第3の実施形態>
次に、発明に係る入力装置が適用された電子機器の第3の実施形態について説明する。
第1及び第2の実施形態においては、表示部DSPの周囲に設けられたケース110の一面側が、表示部DSPのタッチパネル114や保護板116(又は、図1(b)、図5(a)の紙面)に対して略平行な平面を有する場合について説明した。第3の実施形態においては、表示部の周囲のケース110の一面側が、表示部DSPを保護するための強度やデザイン性を確保するために、タッチパネル114や保護板116に対して、平行(0°)以外の所定の傾斜角度の平面を有することを特徴とする。
【0050】
図6は、本発明に係る入力装置が適用された電子機器の第3の実施形態を示す概略構成図である。図6(a)は、本実施形態に係る電子機器の正面図であり、図6(b)は、図6(a)に示した電子機器におけるVIB−VIB断面の構造図であり、図6(c)は、同VIC−VIC断面の構造図である。なお、本明細書においては、図6中に示したローマ数字の「6」に対応する記号として、便宜的に「VI」を用いる。ここで、上述した実施形態と同等の構造については、その説明を簡略化する。
【0051】
第3の実施形態に係る電子機器は、例えば図6(a)〜(c)に示すように、表示部DSPの周囲に枠状に設けられたケース110の一面側が、表示部DSPを保護するための強度やデザイン性を確保するために、表示部DSPのタッチパネル114や保護板116に対して、所定の傾斜角度の平面(以下、「傾斜面」と記す)を有している。
【0052】
また、表示部DSPの周囲のケース110部分に設けられる導電体ELCは、例えば図6(c)に示すように、ケース110の一面側がタッチパネル114や保護板116に対して、略平行な平面を有している領域においては、上述した第1の実施形態と同様に、角柱又は円柱等の柱状部材を有している。一方、導電体ELCは、ケース110の一面側がタッチパネル114や保護板116に対して、傾斜面を有している領域においては、柱状部材の上面が当該傾斜面に平行な平面になるように形成されている。すなわち、導電体ELCの下面は、対向するタッチパネル114に平行な平面を有し、同上面は、ケース110の一面側の表面の傾斜に応じた平行な平面になるように形成されている。これにより、図6(c)に示すように、導電体ELCとタッチパネル114との距離L1と、導電体ELCとケース110の一面側の、タッチパネル114に平行な平面との距離L2と、導電体ELCとケース110の一面側の傾斜面との距離L7とを、同一又は同等の値(L1≒L2≒L7)になるように設定することができる。したがって、ケース110の一面側の表面の傾斜の状態に関わらず、導電体ELCが設けられたケース110部分の一面側の略全域において、略均等な静電容量を生じさせることができる。
【0053】
このような構造を有する電子機器100において、ケース110の一面側に、タッチパネル114に対して例えば45°(又は、135°)の傾斜面を有し、導電体ELCとタッチパネル114との距離L1と、導電体ELCとケース110の一面側の傾斜面との距離L7とが、例えば所定の同一の値(L1=L7=εd/2ε)になるように設定する。また、例えばケース110の厚みL3が保護板116の厚みdの2倍(L3=2d)であり、かつ、樹脂製のケース110の誘電率をεが保護板116の誘電率εと同等(ε≒ε)になるように設定する。この場合、当該傾斜面を有するケース110部分に生じる静電容量Cは、(15)式で表される。ここで、ユーザの指USfは、図6(b)、(c)に示すように、表示部DSPの保護板116の表面や、ケース110の一面側の、タッチパネル114に対して平行な平面に対して、接触面積Sで接触し、ケース110の一面側の45°の傾斜面に対して接触面積S=√2・Sで接触するものとする。ここでも、上述した第1の実施形態と同様に、静電容量Cは、導電体ELCとタッチパネル114との間に形成される容量成分と、導電体ELCとケース110の傾斜面との間に形成される容量成分との、直列接続として算出される。
【0054】
【数5】
【0055】
上記のように、ケース110の一面側に、タッチパネル114に対して例えば45°の傾斜面を有する場合、ケース110に設けられた導電体ELCの、当該傾斜面に対向する上面の面積が、タッチパネル114に対して平行な平面に対向する導電体ELCの上面の面積に比較して、√2倍に増加することになる。そのため、(15)式に示した、当該傾斜面を有するケース110部分に生じる静電容量Cは、上述した第1の実施形態において(11)式及び(14)式に示した、タッチパネル114に対して平行な平面を有するケース110部分に生じる静電容量C(=C)に比較して増加することになる(C>C)。この状態においては、表示部DSPの保護板116や、タッチパネル114に対して平行な平面を有するケース110部分における検知感度と、傾斜面を有するケース110部分における検知感度との間に差異が生じて入力操作時の操作性が低下する可能性がある。
【0056】
そこで、本実施形態においては、図6に示した構造において、傾斜面を有するケース110部分に生じる静電容量Cが、タッチパネル114に対して平行な平面を有するケース110部分に生じる静電容量Cと同一(C=C)になるように、(16)式に示すように、タッチパネル114に対向する導電体ELCの下面の面積Sを、ユーザの指USfの接触面積Sよりも小さくなるように設定する。
【0057】
【数6】
【0058】
これにより、表示部DSPの保護板116や、タッチパネル114に対して平行な平面を有するケース110部分における静電容量C(=C)と同等の静電容量Cを、傾斜面を有するケース110部分に生じさせることができる。したがって、ケース110の一面側の表面の傾斜の状態に関わらず、表示部DSPの保護板116と同等の検知感度で画面のスクロールやメニューの選択等の入力操作を良好に行うことができる。
【0059】
なお、本実施形態においては、傾斜面を有するケース110部分に生じる静電容量Cが、タッチパネル114に対して平行な平面を有するケース110部分に生じる静電容量Cと同一又は同等になるように、タッチパネル114に対向する導電体ELCの下面の面積Sを、ユーザの指USfの接触面積Sよりも小さくなるように設定する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、(16)式においても明らかなように、導電体ELCの形状や寸法、埋込位置を規定する距離L1、L2、L7を適宜調整することにより、上記の静電容量CとCが同一又は同等になるようにするものであってもよい。
【0060】
<変形例>
次に、上述した各実施形態に示した技術思想に基づく変形例について説明する。
(変形例1)
図7は、本発明に係る入力装置が適用された電子機器の実施形態の第1の変形例を示す概略構成図である。図7(a)は、本変形例に係る電子機器の正面図であり、図7(b)は、図7(a)に示した電子機器におけるVIIB−VIIB断面の構造図であり、図7(c)は、本変形例の他の例に係る電子機器の正面要部の内部を示す透視詳細図であり、図7(d)、(e)は、図7(c)に示した正面図におけるVIID−VIID断面の構造図である。なお、本明細書においては、図7中に示したローマ数字の「7」に対応する記号として、便宜的に「VII」を用いる。ここで、上述した各実施形態と同等の構造については、その説明を簡略化する。
【0061】
上述した実施形態に係る電子機器100の第1の変形例は、例えば図7(a)、(b)に示すように、表示部DSPの周囲のケース110が、一面方向に突出するように湾曲した曲面を有している。また、表示部DSPの周囲のケース110部分に設けられる導電体ELCは、例えば図7(b)に示すように、柱状部材の上面がケース110の一面側の曲面に対して一定の距離L8を有する曲面になるように形成されている。
【0062】
これにより、図7(b)に示すように、導電体ELCとタッチパネル114との距離L1と、導電体ELCとケース110の一面側の曲面との距離L8とを、所定の同一又は同等の値(L1≒L8)になるように設定して導電体ELCが設けられたケース110部分の一面側の略全域において、略均等な静電容量を生じさせることができる。したがって、ケース110の一面の湾曲の状態に関わらず、上述した各実施形態と同様に、ケース110の一面側において、表示部DSPの保護板116と同等の検知感度で画面のスクロールやメニューの選択等の入力操作を良好に行うことができる。
【0063】
また、本変形例に係る電子機器100の他の例は、例えば図7(c)に示すように、表示部DSPの周囲のケース110が、側面方向(例えば図面左右方向)に突出するように湾曲した曲面を有している。また、表示部DSPの周囲のケース110部分に設けられる導電体ELCは、例えば図7(c)、(d)に示すように、ケース110の側面側の表面に対向する面が、当該側面側の曲面に対して一定の距離L8を有する曲面になるように形成されている。
【0064】
これにより、図7(d)に示すように、導電体ELCとタッチパネル114とが平面的に重なって対向する領域における距離L1と、導電体ELCとケース110の側面側の曲面との距離L8とを、所定の同一又は同等の値(L1≒L8)になるように設定して導電体ELCが設けられたケース110部分の側面側の略全域において、略均等な静電容量を生じさせることができる。したがって、ケース110の側面の湾曲の状態に関わらず、上述した各実施形態と同様に、ケース110の側面側において、表示部DSPの保護板116と同等の検知感度で画面のスクロールやメニューの選択等の入力操作を良好に行うことができる。
【0065】
なお、図7においては、電子機器100の第1の変形例とその他の例を個別の構成として示したが、この構造に限定されるものではなく、例えば表示部DSPの周囲のケース110が、一面方向及び側面方向に突出するように湾曲した曲面を有しているものであってもよい。この場合、例えば図7(d)に示すように、タッチパネル114に対して垂直方向(ケース110の一面方向)と平行方向(ケース110の側面方向)に分岐して延在する形状を有する導電体ELCを適用する。そして、導電体ELCとタッチパネル114との距離L1と、導電体ELCとケース110の一面側の曲面との距離L8と、導電体ELCとケース110の側面側の曲面との距離L8とを、所定の同一又は同等の値(L1≒L8)になるように設定する。これにより、導電体ELCが設けられたケース110部分の一面側及び側面側の略全域において、ケース110の一面及び側面の湾曲の状態に関わらず、表示部DSPの保護板116と同等の検知感度で入力操作を良好に行うことができる。
【0066】
(変形例2)
図8は、本発明に係る入力装置が適用された電子機器の実施形態の第2の変形例を示す概略構成図である。図8(a)は、本変形例に係る電子機器の正面図であり、図8(b)は、図8(a)に示した正面図におけるVIIIB部の内部を示す透視詳細図であり、図8(c)は、図8(a)に示した電子機器におけるVIIIC−VIIIC断面の構造図である。なお、本明細書においては、図8中に示したローマ数字の「8」に対応する記号として、便宜的に「VIII」を用いる。ここで、上述した各実施形態と同等の構造については、その説明を簡略化する。
【0067】
上述した実施形態に係る電子機器100の第2の変形例は、例えば図8(a)、(b)に示すように、表示部DSPの周囲のケース110内部に端部が延在して設けられたタッチパネル114と平面的に重なるように、柱状部材からなる2つの導電体EL1、EL2が設けられている。ここで、導電体EL1は、ケース110の側面(図面左右の側面)の上半分の辺に沿って延在し、導電体EL2は、ケース110の側面の下半分の辺に沿って延在し、かつ、導電体EL1とEL2とが相互に離間した状態で配置されている。また、導電体EL1、EL2は、導電体EL1、EL2が設けられたケース110部分の一面側の略全域において、略均等な所定の静電容量が生じるように、例えば図8(c)に示すように、導電体EL1、EL2とタッチパネル114との距離L9、及び、導電体EL1、EL2とケース110の一面側の表面との距離L10が所定の値に設定されている。あるいは、導電体EL1、EL2は、タッチパネル114に対向する下面の面積、及び、ケース110の一面側の表面に対向する上面の面積が所定の値に設定されている。
【0068】
そして、図8(b)に示すように、表示部DSPの周囲のケース110のうち、導電体EL1が設けられた領域AR1は第1のスイッチとして機能し、タッチパネル114により当該領域AR1へのユーザの指USf等の接触を検知することにより、第1のスイッチが操作されたものとして検出する。また、導電体EL2が設けられた領域AR2は第2のスイッチとして機能し、タッチパネル114により当該領域AR2への指USf等の接触を検知することにより、第2のスイッチが操作されたものとして検出する。また2つの導電体EL1、EL2が離間して設けられた領域AR3は第3のスイッチとして機能し、タッチパネル114により当該領域AR3(すなわち、導電体EL1、EL2の双方に対応する領域)への指USf等の接触を検知することにより、第3のスイッチが操作されたものとして検出する。このように、本変形例においては、ユーザの指USf等がケース110のどの領域(どの導電体EL1、EL2に対応する領域)に接触しているかを検知できる程度の適切な感度に設定されていればよいので、導電体EL1、EL2が設けられたケース110部分に生じる静電容量は、保護板116に生じる静電容量と異なるように設定されていてもよい。
【0069】
これにより、ケース110に設けられる導電体EL1、EL2の柱状部材の大きさや形状、埋込位置を厳密に設定することなく、比較的簡易な構成で、表示部DSPの周囲のケース110部分を所定の検知感度を有する複数のスイッチとして機能させて、メニューの選択等の入力操作を良好に行うことができる。換言すれば、ケース110に設けられる導電体EL1、EL2の形状や埋込位置を適切に設定することにより、表示部DSPの周囲のケース110部分を高感度のスイッチとして機能させることもできる。
【0070】
(変形例3)
図9は、本発明に係る入力装置が適用された電子機器の実施形態の第3の変形例を示す概略構成図である。図9(a)は、本変形例に係る電子機器の正面図であり、図9(b)は、図9(a)に示した正面図におけるIXB部(第1の例)の内部を示す透視詳細図であり、図9(c)は、図9(a)に示した電子機器におけるIXC−IXC断面の構造図であり、図9(d)は、図9(a)に示した正面図におけるIXB部(第2の例)の内部を示す透視詳細図である。なお、本明細書においては、図9中に示したローマ数字の「9」に対応する記号として、便宜的に「IX」を用いる。ここで、上述した各実施形態と同等の構造については、その説明を簡略化する。
【0071】
上述した実施形態に係る電子機器100の第3の変形例は、例えば図9(a)、(b)に示すように、表示部DSPの周囲のケース110内部に、タッチパネル114の端部の一部分(以下、「突出部114a)と記す)のみが延在して設けられ、当該突出部114aに平面的に重なるように、柱状部材からなる1つの導電体ELCが設けられている。ここで、導電体ELCは、ケース110の側面(図面左右の側面)に沿って延在するように配置されている。また、導電体ELCは、導電体ELCが設けられたケース110部分の一面側において、所定の静電容量が生じるように、例えば図9(c)に示すように、導電体ELCとタッチパネル114との距離L11、及び、導電体ELCとケース110の一面側の表面との距離L12が所定の値に設定されている。あるいは、導電体ELCは、タッチパネル114に対向する下面の面積、及び、ケース110の一面側の表面に対向する上面の面積が所定の値に設定されている。
【0072】
そして、表示部DSPの周囲のケース110部分において、導電体ELCが設けられた領域は1つのスイッチとして機能し、タッチパネル114により当該領域へのユーザの指USf等の接触を検知することにより、スイッチが操作されたものとして検出する。このように、本変形例においては、ユーザの指USf等が表示部DSPの周囲のケース110に接触しているか否かを検知できる程度の適切な感度に設定されていればよいので、導電体ELCが設けられたケース110部分に生じる静電容量は、保護板116に生じる静電容量と異なるように設定されていてもよい。
【0073】
これにより、ケース110に設けられる導電体ELCの柱状部材の大きさや形状、埋込位置を厳密に設定することなく、比較的簡易な構成で、表示部DSPの周囲のケース110部分を所定の検知感度を有する1つのスイッチとして機能させて、メニューの選択等の入力操作を良好に行うことができる。換言すれば、ケース110に設けられる導電体ELCの形状や埋込位置を適切に設定することにより、表示部DSPの周囲のケース110部分を高感度のスイッチとして機能させることもできる。
【0074】
また、本変形例においては、タッチパネル114の端部の一部分のみを突出部114aとして延在させた構造を有しているので、タッチパネル114の端部全体をケース110の内部に延在させた構造に比較して、タッチパネル114の面積を縮小することができ、機器本体102へのタッチパネル114の実装面積を抑制することができる。さらに、タッチパネル114の図面左右の端部において突出部114aを設ける位置を異ならせることにより、機器製造時の大型基板から複数のタッチパネル114を切り出すときの取数(切り出し枚数)を増加させて、製造コストを削減することができる。
【0075】
なお、図9(a)〜(c)に示した変形例においては、表示部DSPの周囲のケース110内部に、タッチパネル114の端部の一部分のみを突出部114aとして延在させて、1つのスイッチとして機能させる場合について説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、本変形例は、例えば図9(d)に示すように、表示部DSPの周囲のケース110内部に、タッチパネル114の端部の複数の部分を突出部114aとして延在させ、各突出部114aに平面的に重なるように個別の導電体ELCが設けられた構造を有するものであってもよい。ここでも、導電体ELCは、上述した各実施形態と同様に、導電体ELCが設けられたケース110部分において保護板116における静電容量と同等の静電容量が生じるように、導電体ELCとタッチパネル114との距離、及び、ケース110の表面との距離、あるいは、タッチパネル114に対向する導電体ELCの面積、及び、ケース110の表面に対向する導電体ELCの面積が所定の値に設定されている。
【0076】
これにより、上述した各実施形態と同様に、表示部DSPの保護板116における静電容量と同等の静電容量を、表示部DSPの周囲のケース110に生じさせることができ、表示部DSPの周囲の、導電体ELCが設けられたケース110部分においても、表示部DSPと同等の検知感度で画面のスクロールやメニューの選択等の入力操作を良好に行うことができる。また、本変形例においても、タッチパネル114の端部の複数の部分を突出部114aとして延在させた構造を有しているので、タッチパネル114の端部全体をケース110の内部に延在させた構造に比較して、機器本体102へのタッチパネル114の実装面積を抑制することができる。さらに、タッチパネル114の図面左右の端部において突出部114aを設ける位置を異ならせることにより、機器製造時の大型基板から複数のタッチパネル114を切り出すときの取数(切り出し枚数)を増加させて製造コストを削減することができる。
【0077】
(変形例4)
図10は、本発明に係る入力装置が適用された電子機器の実施形態の第4の変形例を示す概略構成図である。図10(a)は、本変形例に係る電子機器の正面図であり、図10(b)は、図10(a)に示した電子機器の正面要部の内部を示す透視詳細図であり、図10(c)は、図10(b)に示した電子機器におけるXC−XC断面の構造図である。なお、本明細書においては、図10中に示したローマ数字の「10」に対応する記号として、便宜的に「X」を用いる。ここで、上述した各実施形態と同等の構造については、その説明を簡略化する。
【0078】
上述した実施形態に係る電子機器100の第4の変形例は、例えば図10(a)、(b)に示すように、表示部DSPの周囲のケース110内部に端部が延在して設けられたタッチパネル114と平面的に重なるように、1つの導電体(第1の導電体)ELCが設けられている。また、機器本体102に対して着脱可能に付設された一対のベルト部(付設部材)104には、それぞれ導電体(第2の導電体)EL11、EL12が設けられている。ここで、表示部DSPの周囲のケース110部分に設けられた導電体ELCは、タッチパネル114と平面的に重なり、かつ、ケース110の側面(図面左右の側面)に沿って延在する導電体部分EL3と、導電体部分EL3の両端部において屈曲し、それぞれケース110のベルト部104取り付け側の側面(図面上下の側面)に沿って延在する導電体部分EL4、EL5とを有している。また、導電体ELCは、少なくとも導電体部分EL3が設けられたケース110部分の一面側において、所定の静電容量が生じるように、導電体部分EL3とタッチパネル114との距離、及び、ケース110の表面との距離、あるいは、タッチパネル114に対向する導電体部分EL3の面積、及び、ケース110の表面に対向する導電体部分EL3の面積が所定の値に設定されている。
【0079】
また、ベルト部104に設けられた導電体EL11、EL12は、それぞれベルト部104のケース110への取り付け端部に沿って延在し、それぞれケース110に設けられた各導電体部分EL4、EL5に対向する部分と、帯状のベルト部104の延在方向(図10(a)、(b)の上下方向)に沿って延在する部分とを有している。ここで、図10(b)、(c)に示すように、導電体EL11はケース110に設けられた導電体部分EL4との間に所定の容量Caが形成される(すなわち、容量結合される)ように、所定の距離だけ離間して配置されている。また、導電体EL12はケース110に設けられた導電体部分EL5との間に所定の容量Caが形成される(容量結合される)ように、所定の距離だけ離間して配置されている。なお、導電体EL11、EL12は、例えばフレキシブルプリント基板(FPC)に金属配線等をパターン形成したものをベルト部104に例えば埋め込むことにより実現することができる。
【0080】
そして、表示部DSPの周囲のケース110部分において、導電体ELCが設けられた領域は1つのスイッチとして機能し、タッチパネル114において当該領域へのユーザの指USf等の接触を検知することにより、スイッチが操作されたものとして検出する。また、ベルト部104において、導電体EL11、EL12は、ケース110に設けられた導電体ELCと容量結合することにより、上記スイッチの検知部として機能し、タッチパネル114において導電体EL11、EL12が設けられた領域への導電性部材等の接触を検知することにより、スイッチが操作されたものとして検出する。このように、本変形例においては、ユーザの指USf等が表示部DSPの周囲のケース110に接触しているか否か、また、導電性部材等がベルト部104に接触しているか否かを検知できる程度の適切な感度に設定されていればよいのでケース110部分やベルト部104に生じる静電容量は、保護板116に生じる静電容量と異なるように設定されていてもよい。
【0081】
これにより、比較的簡易な構成で、表示部DSPの周囲のケース110部分やベルト部104を所定の検知感度を有するスイッチとして機能させて、メニューの選択等の入力操作を良好に行うことができる。具体的には、例えば電子機器100がスチール机の上等に載置されて、ベルト部104に導電性部材が接触した状態をタッチパネル114により検出し、当該状態が所定の時間以上継続した場合に、表示部DSPの表示パネル112に表示された操作画面等を変更(例えば、表示OFFやスリープ状態への移行等)する制御を行うことができる。
【0082】
(変形例5)
図11は、本発明に係る入力装置が適用された電子機器の実施形態の第4の変形例を示す概略構成図である。図11(a)は、本変形例に係る電子機器の正面図であり、図11(b)は、図11(a)に示した電子機器におけるXIB−XIB断面の構造図である。なお、本明細書においては、図11中に示したローマ数字の「11」に対応する記号として、便宜的に「XI」を用いる。ここで、上述した各実施形態と同等の構造については、その説明を簡略化する。
【0083】
上述した実施形態に係る電子機器100の第5の変形例は、例えば図11(a)、(b)に示すように、表示部DSPの周囲のケース110内部に端部が延在して設けられたタッチパネル114と平面的に重なるように、1又は複数の導電体ELC、及び、ピエゾ素子(振動子)130が設けられている。ここで、ピエゾ素子130は、導電体ELCの一面側に設けられている。
【0084】
そして、表示部DSPの周囲のケース110部分において、導電体ELCが設けられた領域は1又は複数のスイッチとして機能し、タッチパネル114において当該領域へのユーザの指USf等の接触を検知することにより、スイッチが操作されたものとして検出するとともに、ピエゾ素子130において所定の振動を発生させる。
【0085】
これにより、ユーザの指USf等が、導電体ELCが設けられたケース110部分に接触しているか否かをピエゾ素子130から発生される振動によりユーザに報知して認識させることができるので、画面のスクロールやメニューの選択等の入力操作を確実かつ良好に行うことができる。なお、本変形例は、上述した各実施形態に係る電子機器100だけでなく、上述した各変形例に係る電子機器100にも良好に適用することができるものである。
【0086】
なお、上述した各実施形態においては、表示部DSPの周囲のケース110が保護板116の表面に比較して突出した構造を有する場合について示したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、表示部DSPの周囲のケース110の誘電率が、表示部DSPの保護板116の誘電率と大きく異なる構造を有している場合においても、上述したように導電体ELCを設けることにより、表示部DSPとその周囲のケース110部分において同等の静電容量を生じさせて略均一な検知感度を実現するものであってもよい。この場合においては、表示部DSPの周囲のケース110の表面が、例えば、表示部DSPの保護板116の表面と均一な高さ(すなわち、面一)に形成された構造を有するものであってもよい。これによれば、表示部とその周辺のケース部分とにおいて入力操作を行う際に、指を接触させて移動させても相互の段差を感じにくくなるので、連続的かつ良好な入力操作を行うことができる。
【0087】
また、上述した各実施形態においては、タッチパネル114は、保護板116が設けられている部分と、ケース110部分にまで延在している端部とが、1枚のパネルである場合について説明したが、これに限らず、例えば、保護板116が設けられている部分と、ケース110部分に設けられている部分とが、別個のタッチパネルであってもよい。
【0088】
また、上述した各実施形態においては、腕時計型の形状を有する電子機器を例にして詳しく説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えばスマートフォンやタブレット端末、デジタルカメラ、各種のウェアラブル機器等のように、表示部の視野側にタッチパネルが設けられ、かつ、表示部の周囲のケースが表示部よりも突出又は肉厚の構造、あるいは、ケースの誘電率が保護板の誘電率と異なる構造を有する小型の電子機器に良好に適用することができる。
【0089】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0090】
(付記)
[1]
検知面を有する静電容量方式のタッチパネルと、
前記タッチパネルを収容しているケースと、を備え、
前記ケースは、少なくとも、前記タッチパネルの前記検知面の一部の上部に設けられている特定部分を有し、
前記特定部分は誘電体材料により形成され、
前記特定部分の、前記ケースを形成している部材内に1又は複数の第1の導電体が設けられている、ことを特徴とする入力装置。
【0091】
[2]
前記ケースの前記特定部分における前記検知面上の領域の外面の一部が前記タッチパネルに対する第1の操作面とされ、
前記第1の導電体は、前記タッチパネルの前記検知面に対向する第1の面と、前記ケースの前記第1の操作面に対向する第2の面と、を有していることを特徴とする[1]に記載の入カ装置。
【0092】
[3]
前記第1の導電体は、前記第2の面が前記ケースの前記第1の操作面の形状に対応した形状を有していることを特徴とする[2]に記載の入力装置。
【0093】
[4]
前記タッチパネルの前記検知面における、前記ケースの前記特定部分が設けられていない領域に接して設けられている保護板を有し、
前記保護板の外面は前記タッチパネルに対する第2の操作面とされ、
前記保護板の前記第2の操作面にユーザの指が接触したときに前記第2の操作面と前記タッチパネルの前記検知面との間に生じる第1の静電容量と、前記第1の操作面に前記ユーザの指が接触したときに前記第1の操作面と前記タッチパネルの前記検知面との間に生じる第2の静電容量と、が同一又は同等になるように、前記第1の導電体の大きさ及び前記ケースを構成する部材内における配置が設定されていることを特徴とする[2]又は[3]に記載の入力装置。
【0094】
[5]
前記第1の導電体は、前記第1の静電容量と前記第2の静電容量とが同一又は同等になるように、前記第1の面の面積と、前記第2の面の面積と、前記第1の面と前記タッチパネルの前記検知面との間の第1の距離と、前記第2の面と前記ケースの前記第1の操作面との間の第2の距離と、が設定されていることを特徴とする[4]に記載の入力装置。
【0095】
[6]
更に、前記第1の導電体に容量結合される第2の導電体を有していることを特徴とする[1]に記載の入力装置。
【0096】
[7]
[1]乃至[5]に記載された入力装置と、
前記ケースに収容されている表示パネルと、を備え、
前記タッチパネルは、前記表示パネルの視野側の面上に設けられていることを特徴とする電子機器。
【0097】
[8]
前記ケースに着脱可能に設けられ、前記電子機器をユーザに装着するために用いられる付設部材を有し、
前記付設部材に設けられ、前記第1の導電体に容量結合される第2の導電体を有していることを特徴とする[7]に記載の電子機器。
【符号の説明】
【0098】
100 電子機器
102 機器本体
104 ベルト部
110 ケース
112 表示パネル
114 タッチパネル
114a 突出部
116 保護板
120 裏蓋
DSP 表示部
ELC 導電体
USf 指
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11