(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔第1の実施の形態〕
まず、本発明に係る情報処理装置及び情報更新システムの第1の実施の形態について説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0012】
図1に、第1の実施の形態における情報更新システムとしてのレジスタ保守システム100のシステム構成を示す。レジスタ保守システム100は、サーバ装置10と、外部端末としての携帯端末20と、情報処理装置としての電子レジスタ30と、を備える。サーバ装置10と携帯端末20とは、通信ネットワークNに接続されている。通信ネットワークNは、インターネットにより構成されているものとするが、移動体通信網、公衆回線、Wi−Fi(Wireless Fidelity)等を含むこととしてもよい。
【0013】
サーバ装置10は、クラウド上のサーバであり、携帯端末20に電子レジスタ30に対する保守処理を行わせるためのアプリケーションソフトウェア(以下、レジ保守ツールアプリという。)等、携帯端末20に提供される各種アプリケーションソフトウェアを記憶し、管理する。
【0014】
携帯端末20は、スマートフォン、携帯電話機、タブレットPC、ハンディターミナル等の外部端末であり、電子レジスタ30の保守を行うサービスエンジニア、電子レジスタ30を使用するオペレータ等のユーザにより携帯されている。
なお、本発明の実施の形態における外部端末としては、ユーザに携帯される携帯端末に限定されず、ユーザに携帯されることを想定していない端末装置、すなわち、据え置き型の端末装置であってもよい。
【0015】
電子レジスタ30は、個人商店、スーパーマーケット、飲食店等の店舗に設置されており、店員等のオペレータの操作により顧客に販売した商品の金額、個数等の売上データを登録する装置である。
【0016】
次に、携帯端末20の構成について説明する。
図2は、携帯端末20の内部の機能構成を示すブロック図である。
図2に示すように、携帯端末20は、ダウンロード手段としてのCPU(Central Processing Unit)21と、RAM(Random Access Memory)22と、ROM(Read Only Memory)23と、表示部24と、操作部25と、スピーカ26Aと、マイク26Bと、計時部27と、狭範囲通信部28Aと、広範囲通信部28Bと、ネットワーク通信部28Cと、記憶部29と、を備える。
【0017】
CPU21は、携帯端末20の各部を制御する。CPU21は、各種プログラムのうち指定されたプログラムをROM23又は記憶部29から読み出してRAM22に展開し、展開されたプログラムとの協働で各種処理を実行する。
【0018】
RAM22は、揮発性の半導体メモリから構成され、各種データ及びプログラムを格納するワーク領域が形成される。
ROM23は、各種データ及び各種プログラムを記憶する読み出し専用のメモリである。ROM23は、CPU21で実行されるシステムプログラム、Webブラウザ、これらのプログラムの実行に必要なデータ等を記憶する。
【0019】
表示部24は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、CPU21の制御により、各種表示情報を表示画面に表示する。
操作部25は、各種機能キーを備え、ユーザからのキー入力を受け付け、その操作情報をCPU21に出力する。また、操作部25は、表示部24の表面を覆うように透明電極を格子状に配置したタッチパネルを有し、手指やタッチペン等で押下された位置を検出し、その位置情報を操作情報としてCPU21に出力する。
【0020】
スピーカ26Aは、ネットワーク通信部28Cを介して外部装置から受信した電気信号を音声信号に変換し、音声を出力する。
マイク26Bは、音波を検知して電気信号に変換し、CPU21やネットワーク通信部28Cに出力する。
【0021】
計時部27は、計時回路(RTC:Real Time Clock)を有し、この計時回路により現在日時を計時してCPU21に出力する。
【0022】
狭範囲通信部28Aは、アンテナ、復調回路、信号処理回路等により構成され、Bluetooth等の無線通信方式により、電子レジスタ30との間で狭範囲の直接無線通信を行う。ここで、直接無線通信とは、機器同士が直接通信を行う通信方式であり、インターネットを含む通信ネットワークNを介したものでないことを前提としている。
【0023】
広範囲通信部28Bは、アンテナ、復調回路、信号処理回路等により構成され、Wi−Fi等の無線通信方式により、電子レジスタ30との間で広範囲の直接無線通信を行う。
【0024】
ネットワーク通信部28Cは、アンテナ、復調回路、信号処理回路等により構成され、無線により基地局又はアクセスポイントを介して移動体通信網を含む通信ネットワークNに接続し、通信ネットワークNに接続された外部装置との通信を行う。
【0025】
記憶部29は、不揮発性の半導体メモリ等により構成される。記憶部29は、アプリ記憶領域291を有する。アプリ記憶領域291には、レジ保守ツールアプリ等のアプリケーションソフトウェアが記憶される。
【0026】
次に、電子レジスタ30の構成について説明する。
図3は、電子レジスタ30の内部の機能構成を示すブロック図である。
図4(A)及び(B)は、電子レジスタ30の外観を示す斜視図である。電子レジスタ30は、切替制御手段、更新制御手段、変更手段としてのCPU31と、RAM32と、ROM33と、本体表示部34Aと、客用表示部34Bと、入力部35と、操作手段、回転式モード切替スイッチとしてのモードスイッチ36と、印刷部37と、ドロア38と、通信手段としての狭範囲通信部39Aと、広範囲通信部39Bと、記憶部40と、を備える。
【0027】
CPU31は、電子レジスタ30の各部を制御する。CPU31は、各種プログラムのうち指定されたプログラムをROM33又は記憶部40から読み出してRAM32に展開し、展開されたプログラムとの協働で各種処理を実行する。
【0028】
RAM32は、揮発性の半導体メモリから構成され、各種データ及びプログラムを格納するワーク領域が形成される。
ROM33は、各種データ及び各種プログラムを記憶する読み出し専用のメモリである。
【0029】
本体表示部34Aは、
図4(A)に示すように、電子レジスタ30を操作する店員等が商品の金額、合計金額等の情報を視認するための表示装置である。本体表示部34Aは、LCD、EL(ElectroLuminescent)ディスプレイ等により構成され、CPU31の制御により、各種表示情報を表示画面に表示する。
客用表示部34Bは、
図4(B)に示すように、商品を購入した顧客が商品の金額、合計金額等の情報を視認するための表示装置である。客用表示部34Bは、LCD、ELディスプレイ等により構成され、CPU31の制御により、各種表示情報を表示画面に表示する。
【0030】
入力部35は、数字キーや各種機能キー等を備え、オペレータによるキー入力を受け付け、その操作情報をCPU31に出力する。入力部35は、例えば、売上データの登録時に、数字キー、部門キー等へのキー入力を受け付ける。また、入力部35は、商品に設けられたバーコードを読み取るバーコードリーダやバーコードスキャナ等を備える。
【0031】
モードスイッチ36は、電子レジスタ30における複数のモードの中からユーザが任意のモードを指定操作(選択)するためのスイッチである。
図5に、モードスイッチ36の構成を示す。
モードスイッチ36は、モードキー(鍵)を差し込み可能な鍵穴36Aを備えており、モードキーを鍵穴36Aに差した状態でモードキーを回転させて位置を切り替えることで、その位置に対応したモードへの指定操作を行うことができる。モードスイッチ36は、モードキーの回転により選択されたモードを示す情報をCPU31に出力する。
【0032】
モードスイッチ36は、
図5に示すように、時計回りに、点検モードM1、戻モードM2、電卓モードM3、OFFモードM4、登録モードM5、精算モードM6、設定モードM7の順に、各モードに切り替えるための回転位置が配列されている。すなわち、モードスイッチ36には、回転位置ごとに、当該回転位置に対応したモードが対応付けられている。
また、モードスイッチ36は、OFFモードM4及び登録モードM5の位置でモードキーの抜き差しができるように構成されており、他のモードの位置ではモードキーの抜き差しはできない。
【0033】
点検モードM1は、登録された売上データの点検処理を行うモードである。
戻モードM2は、返品処理(戻し)を行うモードである。
電卓モードM3は、通常の電卓と同様に計算を行うモードである。
OFFモードM4は、電子レジスタ30の電源をオフにするモードである。
【0034】
登録モードM5は、購入された商品の売上データの登録処理を行うモードである。登録モードM5では、入力部35から入力されたデータを受け付けるだけでなく、電子レジスタ30から離れた客のオーダー(注文)を取る際に、携帯端末20から入力されたデータ受け付けるため、広範囲通信部39Bの電源をオンにして携帯端末20と広範囲の無線通信を行うとともに、狭範囲通信部39Aの電源をオフにする。
【0035】
精算モードM6は、閉店後に1日の売上の精算処理を行うモードである。精算モードM6では、電子レジスタ30から1日の売上データ等を携帯端末20に送信する。精算処理は、ドロア38を開けた状態で行うため、オペレータが電子レジスタ30の付近にいる必要がある。精算モードM6では、狭範囲通信部39Aの電源をオンにして携帯端末20と狭範囲の無線通信を行うとともに、広範囲通信部39Bの電源をオフにする。
【0036】
設定モードM7は、電子レジスタ30の設定処理(例えば、電子レジスタ30で使用されるソフトウェアの更新、商品単価の設定等)を行うモードである。設定モードM7では、狭範囲通信部39Aの電源をオンにして携帯端末20と狭範囲の無線通信を行うとともに、広範囲通信部39Bの電源をオフにする。設定モードM7において狭範囲通信部39Aを使用するのは、登録モードM5で登録処理を行っている最中に、同じ種類の無線(広範囲の無線)を使って設定データの送信が可能とすると、登録処理の途中で設定データが書き換えられてしまうからである。
【0037】
点検モードM1、戻モードM2、電卓モードM3及びOFFモードM4は、狭範囲通信部39A及び広範囲通信部39Bの電源をオフにして携帯端末20と無線通信を行わないモードである。
【0038】
CPU31は、ユーザによるモードスイッチ36へのモードの指定操作に応じて、当該指定操作に対応したモードに切り替える。具体的には、CPU31は、モードスイッチ36の回転位置が切り替わるごとに、当該切り替わった回転位置に対応したモードに切り替える。CPU31は、切り替えられたモードに応じて、所定の処理(点検処理、返品処理、電卓処理、電源オフ処理、登録処理、精算処理、設定処理)を行う。
【0039】
CPU31は、モードスイッチ36に対する指定操作に伴い切り替えられたモードに応じて、狭範囲通信部39A及び広範囲通信部39Bの電源のオンとオフとを変更する。具体的には、CPU31は、点検モードM1、戻モードM2、電卓モードM3又はOFFモードM4が選択されている場合には、狭範囲通信部39A及び広範囲通信部39Bの電源をオフにする。また、CPU31は、登録モードM5が選択されている場合には、広範囲通信部39Bの電源をオンにし、狭範囲通信部39Aの電源をオフにする。また、CPU31は、精算モードM6又は設定モードM7が選択されている場合には、狭範囲通信部39Aの電源をオンにし、広範囲通信部39Bの電源をオフにする。
【0040】
印刷部37は、CPU31の制御により、ロール紙等の用紙に、レシートのデータ、電子ジャーナルのデータ等を印刷するサーマルプリンタである。
ドロア38は、現金、商品券等を格納する引き出しである。ドロア38は、CPU31の制御により、例えば、商品登録の締め(精算)時に、引き出しが開放される。
【0041】
狭範囲通信部39Aは、アンテナ、復調回路、信号処理回路等により構成され、Bluetooth等の無線通信方式により、携帯端末20との間で狭範囲の直接無線通信を行う。
【0042】
広範囲通信部39Bは、アンテナ、復調回路、信号処理回路等により構成され、Wi−Fi等の無線通信方式により、携帯端末20との間で広範囲の直接無線通信を行う。
【0043】
記憶部40は、不揮発性の半導体メモリ等により構成される。記憶部40には、売上データ、各種設定情報等が記憶される。また、記憶部40は、レジソフト記憶領域401を有する。レジソフト記憶領域401には、電子レジスタ30で使用される情報として、電子レジスタ30に各種機能を実現させるためのソフトウェアプログラム(以下、レジソフトという。)が記憶される。
【0044】
次に、
図6を参照して、レジソフトの更新処理の概要について説明する。
サーバ装置10は、レジ保守ツールアプリ50等の携帯端末20のアプリを保存・管理するためのアプリDB(Data Base)11を備えており、携帯端末20からの要求に応じて、携帯端末20にアプリを提供する。アプリDB11には、携帯端末20で使用されるアプリが、携帯端末20の機種名(「TE−2700」等)、バージョン番号(「2000」等)と対応付けられて管理されている。
【0045】
携帯端末20のCPU21は、レジ保守ツールアプリ50を、通信ネットワークNを介して外部装置としてのサーバ装置10からダウンロードする。レジ保守ツールアプリ50には、レジ保守ツールアプリ本体51、アプリバージョン52、レジソフトバージョン53、更新データとしてのレジソフト54が含まれる。
レジ保守ツールアプリ本体51は、携帯端末20において、レジ保守ツールアプリ50を実行させるためのプログラムである。
アプリバージョン52は、レジ保守ツールアプリ50の保守対象となる電子レジスタ30の機種名、レジ保守ツールアプリ50のバージョン番号を含む。
レジソフトバージョン53は、レジソフト54が使用される電子レジスタ30の機種名、レジソフト54のバージョン番号を含む。
レジソフト54は、電子レジスタ30において使用されるソフトウェア(プログラム)である。
つまり、CPU21は、レジ保守ツールアプリ50を、レジソフト54が含まれた状態で、通信ネットワークNを介してサーバ装置10からダウンロードする。
【0046】
レジ保守ツールアプリ50内で、アプリバージョン52とレジソフトバージョン53は一致している。携帯端末20は、レジ保守ツールアプリ50をサーバ装置10からダウンロードすることで、同時に同じバージョンのレジソフト54を取得することができる。
【0047】
電子レジスタ30のCPU31は、携帯端末20からレジソフト54を取得し、電子レジスタ30において使用されるレジソフト54を更新する。
【0048】
CPU31は、モードスイッチ36により複数のモードのうちレジソフト54の更新を行う設定モードが選択され、設定モードに切り替えられた場合に、狭範囲通信部39Aを介して携帯端末20からレジソフト54を更新するための更新データ(ここでは、レジソフト54そのもの)を取得するとともに当該取得した更新データに基づいて記憶部40のレジソフト記憶領域401に記憶されているレジソフト54を更新する更新処理を所定のタイミングで開始する。所定のタイミングとしては、モードが切り替えられてすぐに更新処理が開始される場合の他、ユーザにより更新開始ボタンが別途操作されてから更新処理が開始される場合、携帯端末20に無線接続されるのを待ってから更新処理が開始される場合等が挙げられる。
【0049】
CPU31は、レジソフト54の更新処理が処理途中の場合に、設定モードに代えて他のモードを指定する旨の指定操作がユーザによりモードスイッチ36に対して為されたときには、更新処理が終了するのを待ってから他のモードに切り替える。
具体的には、CPU31は、レジソフト54の更新処理が処理途中の場合に、設定モードに対応した回転位置から他のモードに対応した回転位置にモードスイッチ36の回転位置が切り替えられたときには、更新処理が終了するのを待ってから他のモードに切り替える。
【0050】
言い換えると、CPU31は、レジソフト54の更新処理が処理途中の間は、設定モードに代えて他のモードを指定する旨の指定操作がユーザによりモードスイッチ36に対して為されたとしても、当該他のモードへの指定操作を無効とする。
CPU31は、レジソフト54の更新処理が終了した場合に、無効とされた他のモードへの指定操作を有効とし、他のモードに切り替える。
【0051】
CPU31は、レジソフト54の更新処理が処理途中の間は、設定モードに代えて他のモードを指定する旨の指定操作がユーザによりモードスイッチ36に対して為されたとしても、狭範囲通信部39Aの電源のオン状態を維持させる。
【0052】
CPU31は、レジソフト54の更新後のバージョン情報としてのバージョン番号を印刷部37に印刷させる。
【0053】
次に、レジスタ保守システム100における動作について説明する。
図7は、携帯端末20において実行されるレジ保守ツールアプリダウンロード処理を示すフローチャートである。
まず、CPU21は、ネットワーク通信部28Cを介して、通信ネットワークNに接続されているサーバ装置10に対して、最新のレジ保守ツールアプリ(最新レジ保守ツールアプリ)のバージョン番号を問い合わせる。具体的には、CPU21は、ネットワーク通信部28Cを介して、レジ保守ツールアプリの保守対象となる電子レジスタ30の機種名をサーバ装置10に送信し、サーバ装置10から該当する機種名の電子レジスタ30の最新レジ保守ツールアプリのバージョン番号を取得する(ステップS1)。この際、CPU21は、計時部27から現在日時を取得し、取得した日時をRAM22に記憶させておく。
【0054】
次に、CPU21は、記憶部29のアプリ記憶領域291に記憶されている現在のレジ保守ツールアプリ(現レジ保守ツールアプリ)のバージョン番号を読み出し、サーバ装置10から取得された最新レジ保守ツールアプリのバージョン番号が、現レジ保守ツールアプリのバージョン番号と同じであるか否かを判断する(ステップS2)。
【0055】
サーバ装置10から取得された最新レジ保守ツールアプリのバージョン番号が、現レジ保守ツールアプリのバージョン番号と異なる場合には(ステップS2;NO)、CPU21は、ネットワーク通信部28Cを介して、最新レジ保守ツールアプリの取得要求をサーバ装置10に送信し、サーバ装置10から最新レジ保守ツールアプリをダウンロードする(ステップS3)。CPU21は、ダウンロードした最新レジ保守ツールアプリを記憶部29のアプリ記憶領域291に上書き保存する。
【0056】
ステップS2において、サーバ装置10から取得された最新レジ保守ツールアプリのバージョン番号が、現レジ保守ツールアプリのバージョン番号と同じである場合(ステップS2;YES)、すなわち、携帯端末20に最新レジ保守ツールアプリが既にダウンロードされている場合、又は、ステップS3の後、CPU21は、計時部27から現在日時を取得し、最新のステップS1の処理から一定時間が経過したか否かを判断する(ステップS4)。
【0057】
最新のステップS1の処理から一定時間が経過していない場合には(ステップS4;NO)、CPU21は、ステップS4に戻り、処理が繰り返される。
ステップS4において、最新のステップS1の処理から一定時間が経過した場合には(ステップS4;YES)、ステップS1に戻り、処理が繰り返される。
【0058】
このように、携帯端末20は、一定時間ごとに、サーバ装置10にレジ保守ツールアプリの最新バージョンがあるか否かをチェックし、最新レジ保守ツールアプリをまだ取得していない場合には、ダウンロードしておく。
なお、ここでは、携帯端末20が、一定時間ごとに、サーバ装置10にレジ保守ツールアプリの最新バージョンがあるか否かをチェックすることとしたが、レジ保守ツールアプリの最新バージョンがあるか否かのチェックは、不定期に行われてもよい。
【0059】
図8は、携帯端末20及び電子レジスタ30において実行されるレジソフト更新処理を示すラダーチャートである。レジソフト更新処理は、店舗の業務終了後等に、サービスエンジニアの操作に従って行われる処理である。
【0060】
レジソフト更新処理が実行されるに当たり、電子レジスタ30では、モードスイッチ36において設定モードが選択されており、携帯端末20との間の通信方法として、狭範囲通信部39Aの電源がオンになっている。携帯端末20と電子レジスタ30との間では、接続機器の認証が行われる。
【0061】
このような状況で、携帯端末20において、レジ保守ツールアプリで操作部25からレジソフトの更新確認が指示されると、CPU21は、狭範囲通信部28Aを介して、電子レジスタ30に対して、レジソフトのバージョン番号を問い合わせる(ステップS11)。
【0062】
電子レジスタ30では、CPU31が、記憶部40のレジソフト記憶領域401に記憶されているレジソフトのバージョン番号を読み出し、狭範囲通信部39Aを介して、レジソフトのバージョン番号を携帯端末20に通知する(ステップS12)。
【0063】
携帯端末20では、CPU21が、狭範囲通信部28Aを介して、電子レジスタ30において現在使用されているレジソフトのバージョン番号を取得する。そして、CPU21は、記憶部29のアプリ記憶領域291に記憶されているレジ保守ツールアプリに含まれるレジソフトのバージョン番号を読み出し、電子レジスタ30から取得されたレジソフトのバージョン番号が、携帯端末20内のレジソフトのバージョン番号と同じであるか否かを判断する。電子レジスタ30から取得されたレジソフトのバージョン番号が、携帯端末20内のレジソフトのバージョン番号と同じである場合には、レジソフトの更新は不要であるため、そのまま処理が終了する。
【0064】
一方、電子レジスタ30から取得されたレジソフトのバージョン番号が、携帯端末20内のレジソフトのバージョン番号と異なる場合には、携帯端末20のCPU21は、表示部24に、レジソフトの更新確認画面を表示させる。
【0065】
図9に、表示部24に表示されるレジソフトの更新確認画面241の例を示す。レジソフトの更新確認画面241には、携帯端末20に用意されている最新のレジソフトのバージョン番号60、電子レジスタ30において現在使用されているレジソフトのバージョン番号61、レジソフトを更新するか否かを指示するためのYESボタンB1及びNOボタンB2が含まれる。
【0066】
レジソフトの更新確認画面241において、操作部25からの操作により、YESボタンB1が押下されると、携帯端末20のCPU21は、狭範囲通信部28Aを介して、電子レジスタ30に対してレジソフト更新通知を送信する(ステップS13)。
【0067】
電子レジスタ30では、狭範囲通信部39Aを介して、レジソフト更新通知が受信されると、CPU31は、レジソフトの更新を開始する(ステップS14)。CPU31は、狭範囲通信部39Aを介して、新レジソフトの送信要求を携帯端末20に送信する(ステップS15)。
【0068】
携帯端末20では、狭範囲通信部28Aを介して、電子レジスタ30から新レジソフトの送信要求が受信されると、CPU21は、記憶部29のアプリ記憶領域291に記憶されているレジ保守ツールアプリに含まれる新レジソフトを読み出し、狭範囲通信部28Aを介して、電子レジスタ30に対して新レジソフトを送信する(ステップS16)。
電子レジスタ30では、狭範囲通信部39Aを介して、新レジソフトが受信されると、CPU31は、新レジソフトをRAM32のワーク領域に蓄える(ステップS17)。
新レジソフトの送信が終了するまで、ステップS16及びステップS17が繰り返される。
【0069】
携帯端末20から電子レジスタ30への新レジソフトの送信が終了すると、携帯端末20のCPU21は、狭範囲通信部28Aを介して、電子レジスタ30に送信終了通知を送信する(ステップS18)。
次いで、CPU21は、狭範囲通信部28Aを介して、電子レジスタ30にチェックサムを送信する(ステップS19)。
【0070】
電子レジスタ30では、狭範囲通信部39Aを介して、送信終了通知及びチェックサムが受信されると、CPU31は、新レジソフトのデータからチェックサムを計算し、正常通信の確認を行う(ステップS20)。チェックサムの計算の結果、通信エラーを検出した場合には、CPU31は、狭範囲通信部39Aを介して、携帯端末20にエラー情報を送信し、電子レジスタ30のリセットを行う。
【0071】
一方、チェックサムの計算の結果、正常通信を確認した場合には、CPU31は、狭範囲通信部39Aを介して、携帯端末20に正常通信情報を送信する(ステップS21)。
携帯端末20では、狭範囲通信部28Aを介して、正常通信情報を受信し(ステップS22)、処理が終了する。
【0072】
電子レジスタ30では、CPU31が、記憶部40のレジソフト記憶領域401から旧レジソフトを消去し(ステップS23)、その後、RAM32のワーク領域に一時保存されていた新レジソフトを記憶部40のレジソフト記憶領域401に書き込む(ステップS24)。
【0073】
次に、CPU31は、印刷部37を制御して、用紙に新レジソフトのバージョン番号を印刷させる(ステップS25)。
図10に、バージョン番号の印刷例371を示す。印刷例371には、旧レジソフトのバージョン番号「1111」と新レジソフトのバージョン番号「1234」とが印刷されている。
【0074】
次に、CPU31は、電子レジスタ30のリセットを行う(ステップS26)。
以上で、レジソフト更新処理が終了する。
【0075】
図11は、電子レジスタ30において実行されるモード変更処理を示すフローチャートである。
まず、CPU31は、モードスイッチ36において、モード指定操作があったか否かを判断する(ステップS31)。モード指定操作がない場合には(ステップS31;NO)、ステップS31に戻る。
【0076】
ステップS31において、モード指定操作があった場合には(ステップS31;YES)、CPU31は、モードスイッチ36において、変更前のモードが設定モードであったか否かを判断する(ステップS32)。
【0077】
変更前のモードが設定モードであった場合には(ステップS32;YES)、CPU31は、レジソフトの更新中であるか否かを判断する(ステップS33)。レジソフトの更新中とは、
図8に示すレジソフト更新処理のいずれかのステップの途中であることをいう。
【0078】
レジソフトの更新中である場合には(ステップS33;YES)、CPU31は、モード切替処理を保留する(ステップS34)。モード切替処理には、モードの変更に伴う狭範囲通信部39A、広範囲通信部39Bのオン/オフの変更処理、モードに応じた各種処理が含まれる。つまり、CPU31は、携帯端末20からレジソフトが受信され、レジソフトを更新している間は、モードスイッチ36によるモードの指定操作を無効とする。また、CPU31は、携帯端末20からレジソフトが受信され、レジソフトを更新している間は、モードスイッチ36によるモードの指定操作があっても、狭範囲通信部39Aの電源のオン状態を維持させる。
また、CPU31は、「ソフトウェアを更新中です」等のメッセージを本体表示部34Aに表示させる。
【0079】
次に、CPU31は、レジソフトの更新が終了したか否かを判断する(ステップS35)。具体的には、CPU31は、
図8に示すレジソフト更新処理の全てが終了したか否かを判断する。レジソフトの更新が終了していない場合には(ステップS35;NO)、ステップS35に戻る。
【0080】
ステップS35において、レジソフトの更新が終了した場合には(ステップS35;YES)、CPU31は、モード切替処理の保留を解除し(ステップS36)、モード切替処理を実行する(ステップS37)。具体的には、CPU31は、変更後のモードに応じて狭範囲通信部39A、広範囲通信部39Bのオン/オフを変更し、モードに応じた各種処理を実行する。つまり、CPU31は、レジソフトの更新が終了した場合に、無効とされたモードの指定操作を有効とする。
【0081】
ステップS32において、変更前のモードが設定モード以外であった場合(ステップS32;NO)、又は、ステップS33において、レジソフトの更新中でない場合には(ステップS33;NO)、CPU31は、モード切替処理を実行する(ステップS37)。
以上で、モード変更処理が終了する。
【0082】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、設定モードにおいてレジソフトの更新処理が処理途中の場合に、設定モードに代えて他のモードを指定する旨の指定操作がモードスイッチ36に対して為されたときには、更新処理が終了するのを待ってから他のモードに切り替えるので、電子レジスタ30内に記憶されているレジソフトを滞りなく更新することができる。
つまり、レジソフトの更新処理が処理途中の間は、設定モードに代えて他のモードを指定する旨の指定操作が為されたとしても、当該他のモードへの指定操作を無効とするので、レジソフトの更新処理を続行することができる。
【0083】
また、電子レジスタ30において、レジソフトの更新処理が終了した場合に、無効とされたモードの指定操作を有効とするので、レジソフトの更新処理の終了を待って、速やかにモードを切り替えることができる。
【0084】
また、狭範囲通信部39Aを介して携帯端末20からレジソフトが受信され、レジソフトを更新している間は、設定モードに代えて他のモードを指定する旨の指定操作が為されたとしても、狭範囲通信部39Aの電源のオン状態を維持させるので、レジソフトの更新処理の途中で、携帯端末20との間の通信が切断されることを防ぐことができる。そのため、通信ネットワークNに接続していない電子レジスタ30において、滞りなくレジソフトの更新を行うことができる。
【0085】
また、レジソフトの更新後のバージョン番号を印刷するので、電子レジスタ30におけるレジソフトのバージョン番号をユーザに提示することができるとともに、レジソフトの更新結果を書類として残すことができる。
【0086】
また、サーバ装置10では、レジソフトが含まれた状態でレジ保守ツールアプリが管理されているため、携帯端末20は、従来と同様の方法で、レジ保守ツールアプリをダウンロードすることで、電子レジスタ30に提供すべきレジソフトを取得することができる。
【0087】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態におけるレジスタ保守システムは、第1の実施の形態に示したレジスタ保守システム100と同様の構成であるため、
図1〜
図5を援用し、その構成については図示及び説明を省略する。以下、第2の実施の形態に特徴的な構成及び処理について説明する。
【0088】
第2の実施の形態では、携帯端末20がサーバ装置10からダウンロードするレジ保守ツールアプリに、レジソフトではなく、レジソフトの実行用データであるマスタデータが含まれる場合について説明する。ここでは、マスタデータとして、季節ごとに設定される商品マスタデータを用いる。商品マスタデータには、商品と金額とが対応付けられている。
【0089】
図12を参照して、マスタデータの更新処理の概要について説明する。
サーバ装置10は、レジ保守ツールアプリ70等の携帯端末20のアプリを保存・管理するためのアプリDB11を備えており、携帯端末20からの要求に応じて、携帯端末20にアプリを提供する。アプリDB11には、携帯端末20で使用されるアプリが、携帯端末20の機種名(「TE−2700」等)、バージョン番号(「3000」等)と対応付けられて管理されている。
【0090】
携帯端末20のCPU21は、レジ保守ツールアプリ70を、通信ネットワークNを介してサーバ装置10からダウンロードする。レジ保守ツールアプリ70には、レジ保守ツールアプリ本体71、アプリバージョン72、マスタデータバージョン73、更新データとしてのマスタデータ74が含まれる。
レジ保守ツールアプリ本体71は、携帯端末20において、レジ保守ツールアプリ70を実行させるためのプログラムである。
アプリバージョン72は、レジ保守ツールアプリ70の保守対象となる電子レジスタ30の機種名、レジ保守ツールアプリ70のバージョン番号を含む。
マスタデータバージョン73は、マスタデータ74が使用される電子レジスタ30の機種名、マスタデータ74のバージョン番号を含む。
マスタデータ74は、電子レジスタ30において使用される商品マスタデータである。
つまり、CPU21は、レジ保守ツールアプリ70を、マスタデータ74が含まれた状態で、通信ネットワークNを介してサーバ装置10からダウンロードする。
【0091】
レジ保守ツールアプリ70内で、アプリバージョン72とマスタデータバージョン73は一致している。携帯端末20は、レジ保守ツールアプリ70をサーバ装置10からダウンロードすることで、同時に同じバージョンのマスタデータ74を取得することができる。
【0092】
電子レジスタ30のCPU31は、携帯端末20からマスタデータ74を取得し、電子レジスタ30において使用されるマスタデータ74を更新する。
【0093】
CPU31は、モードスイッチ36により複数のモードのうちマスタデータ74の更新を行う設定モードが選択され、設定モードに切り替えられた場合に、狭範囲通信部39Aを介して携帯端末20からマスタデータ74を更新するための更新データ(ここでは、マスタデータ74そのもの)を取得するとともに当該取得した更新データに基づいて記憶部40に記憶されているマスタデータ74を更新する更新処理を所定のタイミングで開始する。
【0094】
CPU31は、マスタデータ74の更新処理が処理途中の場合に、設定モードに代えて他のモードを指定する旨の指定操作がユーザによりモードスイッチ36に対して為されたときには、更新処理が終了するのを待ってから他のモードに切り替える。
具体的には、CPU31は、マスタデータ74の更新処理が処理途中の場合に、設定モードに対応した回転位置から他のモードに対応した回転位置にモードスイッチ36の回転位置が切り替えられたときには、更新処理が終了するのを待ってから他のモードに切り替える。
【0095】
言い換えると、CPU31は、マスタデータ74の更新処理が処理途中の間は、設定モードに代えて他のモードを指定する旨の指定操作がユーザによりモードスイッチ36に対して為されたとしても、当該他のモードへの指定操作を無効とする。
CPU31は、マスタデータ74の更新処理が終了した場合に、無効とされた他のモードへの指定操作を有効とし、他のモードに切り替える。
【0096】
CPU31は、マスタデータ74の更新処理が処理途中の間は、設定モードに代えて他のモードを指定する旨の指定操作がユーザによりモードスイッチ36に対して為されたとしても、狭範囲通信部39Aの電源のオン状態を維持させる。
【0097】
CPU31は、マスタデータ74の更新後のバージョン情報としてのバージョン番号を印刷部37に印刷させる。
【0098】
次に、第2の実施の形態における動作について説明する。
携帯端末20において実行されるレジ保守ツールアプリダウンロード処理(
図7参照)については、第1の実施の形態と同様である。
【0099】
携帯端末20及び電子レジスタ30において実行されるマスタデータ更新処理については、
図8に示すレジソフト更新処理において、「レジソフト」を「マスタデータ」と読み替えればよい。なお、マスタデータ更新処理は、1日の精算処理後等に、店舗のオーナー又はマネージャーの操作に従って行われる処理である。
【0100】
また、電子レジスタ30において実行されるモード変更処理についても、
図11に示すモード変更処理において、「レジソフト」を「マスタデータ」と読み替えればよい。
【0101】
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、設定モードにおいてマスタデータの更新処理が処理途中の場合に、設定モードに代えて他のモードを指定する旨の指定操作がモードスイッチ36に対して為されたときには、更新処理が終了するのを待ってから他のモードに切り替えるので、電子レジスタ30内に記憶されているマスタデータを滞りなく更新することができる。
つまり、マスタデータの更新処理が処理途中の間は、設定モードに代えて他のモードを指定する旨の指定操作が為されたとしても、当該他のモードへの指定操作を無効とするので、マスタデータの更新処理を続行することができる。
【0102】
また、電子レジスタ30において、マスタデータの更新処理が終了した場合に、無効とされたモードの指定操作を有効とするので、マスタデータの更新処理の終了を待って、速やかにモードを切り替えることができる。
【0103】
また、狭範囲通信部39Aを介して携帯端末20からマスタデータが受信され、マスタデータを更新している間は、設定モードに代えて他のモードを指定する旨の指定操作が為されたとしても、狭範囲通信部39Aの電源のオン状態を維持させるので、マスタデータの更新処理の途中で、携帯端末20との間の通信が切断されることを防ぐことができる。そのため、通信ネットワークNに接続していない電子レジスタ30において、滞りなくマスタデータの更新を行うことができる。
【0104】
また、マスタデータの更新後のバージョン番号を印刷するので、電子レジスタ30におけるマスタデータのバージョン番号をユーザに提示することができるとともに、マスタデータの更新結果を書類として残すことができる。
【0105】
また、サーバ装置10では、マスタデータが含まれた状態でレジ保守ツールアプリが管理されているため、携帯端末20は、従来と同様の方法で、レジ保守ツールアプリをダウンロードすることで、電子レジスタ30に提供すべきマスタデータを取得することができる。
【0106】
なお、第2の実施の形態では、マスタデータのバージョン情報として、当該マスタデータが含まれるレジ保守ツールアプリと同じバージョン番号を用いたが、マスタデータの適用時期と対応付けて、「2017年春」、「2017年夏」等のバージョン情報を付与することとしてもよい。
【0107】
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明を適用した第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態におけるレジスタ保守システムは、第1の実施の形態に示したレジスタ保守システム100と略同様の構成であるため、
図1〜
図3を援用し、同様の構成については説明を省略する。以下、第3の実施の形態に特徴的な構成及び処理について説明する。
【0108】
第3の実施の形態では、電子レジスタ30がモードスイッチ36を有さず、タッチパネルにおける操作によりモードの切り替えを指示する場合について説明する。
入力部35は、本体表示部34Aの表面を覆うように透明電極を格子状に配置したタッチパネルを有し、手指やタッチペン等で押下された位置を検出し、その位置情報を操作情報としてCPU31に出力する。
【0109】
CPU31は、本体表示部34Aに、電子レジスタ30における複数のモードの中からユーザが任意のモードを指定操作(選択)するためのモード選択画面を表示させる。
図13に、本体表示部34Aに表示されるモード選択画面341の例を示す。モード選択画面341には、登録タブ80、点検タブ81、精算タブ82、電卓タブ83、設定タブ84が設けられている。入力部35(タッチパネル)からの操作により、登録タブ80、点検タブ81、精算タブ82、電卓タブ83、設定タブ84のうちいずれかのタブを選択することで、タブに応じたモードに切り替えることができる。すなわち、入力部35は、操作手段として機能する。
【0110】
CPU31は、モード選択画面341におけるモードの指定操作に応じて、当該指定操作に対応したモードに切り替える。CPU31は、切り替えられたモードに応じて、所定の処理を行う。
CPU31は、モード選択画面341における指定操作に伴い切り替えられたモードに対応した表示画面を表示させる。すなわち、CPU31は、表示制御手段として機能する。例えば、CPU31は、モード選択画面341において選択されたタブに対応するモードのメニュー画面を本体表示部34Aに表示させる。
図13は、設定タブ84が選択され、設定モードに対応した表示画面が表示されている場合の例である。
CPU31は、モード選択画面341における指定操作に伴い切り替えられたモードに応じて、狭範囲通信部39A及び広範囲通信部39Bの電源のオンとオフとを変更する。
【0111】
モード選択画面341において、入力部35からの操作により、設定タブ84が選択されると、CPU31は、狭範囲通信部39Aの電源をオンにし、広範囲通信部39Bの電源をオフにする。さらに、設定タブ84に含まれるメニューの中からレジソフト更新85が選択された状態で、CPU31は、携帯端末20からレジソフトを取得し、電子レジスタ30において使用されるレジソフトを更新する。
【0112】
CPU31は、モード選択画面341において、入力部35からの操作により複数のモードのうちレジソフトの更新を行う設定モードが選択され、設定モードに切り替えられた場合に、狭範囲通信部39Aを介して携帯端末20からレジソフトを更新するための更新データを取得するとともに当該取得した更新データに基づいて記憶部40のレジソフト記憶領域401に記憶されているレジソフトを更新する更新処理を所定のタイミングで開始する。
【0113】
CPU31は、レジソフトの更新処理が処理途中の間は、設定モードに代えて他のモードを指定する旨の指定操作がユーザにより入力部35に対して為されたとしても、当該他のモードへの指定操作を無効とする。
【0114】
例えば、CPU31は、レジソフトを更新している間は、
図14に示すように、モード選択画面341上に、「ソフトウェア更新中 モード指定操作はできません」というメッセージ画面342を表示させる。また、レジソフトを更新している間に、モード選択画面341において、入力部35からの操作により、登録タブ80、点検タブ81、精算タブ82又は電卓タブ83がタッチされても、CPU31は、何ら反応することなく、モードの指定操作を受け付けない。
【0115】
次に、第3の実施の形態における動作について説明する。
携帯端末20において実行されるレジ保守ツールアプリダウンロード処理(
図7参照)、携帯端末20及び電子レジスタ30において実行されるレジソフト更新処理(
図8参照)については、第1の実施の形態と同様である。
【0116】
第3の実施の形態では、電子レジスタ30において、第1の実施の形態のモード変更処理(
図11参照)に代えて、
図15に示す第2のモード変更処理が行われる。
【0117】
まず、CPU31は、本体表示部34Aに表示されるモード選択画面341において設定タブ84(設定モード)が選択された状態で、レジソフトの更新中であるか否かを判断する(ステップS41)。
レジソフトの更新中である場合には(ステップS41;YES)、CPU31は、モード選択画面341におけるモード指定操作を禁止する(ステップS42)。具体的には、CPU31は、レジソフトを更新している間は、入力部35からの操作により、登録タブ80、点検タブ81、精算タブ82又は電卓タブ83がタッチされても、モード指定操作を受け付けず、モード指定操作を無効とする。
【0118】
次に、CPU31は、レジソフトの更新が終了したか否かを判断する(ステップS43)。レジソフトの更新が終了していない場合には(ステップS43;NO)、ステップS43に戻る。
【0119】
ステップS43において、レジソフトの更新が終了した場合には(ステップS43;YES)、CPU31は、モード選択画面341において、入力部35からのモード指定操作を受け付け可能とする(ステップS44)。
【0120】
ステップS44の後、又は、ステップS41において、レジソフトの更新中でない場合には(ステップS41;NO)、CPU31は、モード選択画面341において、入力部35からモード指定操作があったか否かを判断する(ステップS45)。モード指定操作がない場合には(ステップS45;NO)、ステップS45に戻る。
【0121】
ステップS45において、モード指定操作があった場合には(ステップS45;YES)、CPU31は、モード切替処理を実行する(ステップS46)。
以上で、第2のモード変更処理が終了する。
【0122】
以上説明したように、第3の実施の形態によれば、モード選択画面341において、入力部35からの操作により設定モードが選択され、レジソフトの更新処理が処理途中の間は、他のモードへの指定操作を無効とするので、電子レジスタ30内に記憶されているレジソフトを滞りなく更新することができる。
【0123】
なお、第3の実施の形態では、電子レジスタ30で使用されるレジソフトを更新する場合について説明したが、第3の実施の形態に示したレジスタ保守システムにおいて、第2の実施の形態と同様、マスタデータを更新することとしてもよい。
【0124】
また、上記各実施の形態における記述は、本発明に係る情報処理装置及び情報更新システムの例であり、これに限定されるものではない。各装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0125】
例えば、携帯端末20の狭範囲通信部28Aと電子レジスタ30の狭範囲通信部39Aとによる直接無線通信は、Bluetoothに限定されず、IrDA(Infrared Data Association)、NFC(Near Field Communication)、RFID(Radio Frequency Identifier)、ZigBee(登録商標)等の近距離無線通信を利用することとしてもよい。
【0126】
また、電子レジスタ30においてレジソフト又はマスタデータを更新する際に、携帯端末20から受信したレジソフト又はマスタデータを一時的に保存するワーク領域として、電子レジスタ30に挿入されたSDカード等の外部記憶メディアを利用することとしてもよい。
また、レジソフト又はマスタデータの更新に用いる更新データとして、旧バージョンのレジソフト又はマスタデータとの差分データを用いることとしてもよい。
【0127】
また、第1の実施の形態又は第2の実施の形態においても、電子レジスタ30の本体表示部34A又は客用表示部34Bに、切り替えられたモードに対応した表示画面を表示させることとしてもよい。
【0128】
また、各処理を実行するためのプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な媒体としては、ROMや不揮発性メモリの他、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
【0129】
本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
複数のモードの中からユーザが任意のモードを指定操作するための操作手段と、
ユーザによる前記操作手段へのモードの指定操作に応じて、当該指定操作に対応したモードに切り替える切替制御手段と、
前記切替制御手段により所定のモードに切り替えられた場合に、所定のプログラム又は前記プログラムの実行用データを更新するための更新データを所定の外部端末から取得するとともに当該取得した更新データに基づいて前記プログラム又は前記実行用データを更新する更新処理を所定のタイミングで開始する更新制御手段と、
を備え、
前記切替制御手段は、前記更新制御手段により開始された前記更新処理が処理途中の場合に、前記所定のモードに代えて他のモードを指定する旨の指定操作がユーザにより前記操作手段に対して為されたときには、前記更新処理が終了するのを待ってから前記他のモードに切り替えることを特徴とする情報処理装置。
<請求項2>
所定の回転位置ごとに、当該回転位置に対応したモードが対応付けられている回転式モード切替スイッチと、
前記回転式モード切替スイッチの回転位置が切り替わるごとに、当該切り替わった回転位置に対応したモードに切り替える切替制御手段と、
前記切替制御手段により所定のモードに切り替えられた場合に、所定のプログラム又は前記プログラムの実行用データを更新するための更新データを所定の外部端末から取得するとともに当該取得した更新データに基づいて前記プログラム又は前記実行用データを更新する更新処理を所定のタイミングで開始する更新制御手段と、
を備え、
前記切替制御手段は、前記更新制御手段により開始された前記更新処理が処理途中の場合に、前記所定のモードに対応した回転位置から他のモードに対応した回転位置に前記回転式モード切替スイッチの回転位置が切り替えられたときには、前記更新処理が終了するのを待ってから前記他のモードに切り替えることを特徴とする情報処理装置。
<請求項3>
複数のモードの中からユーザが任意のモードを指定操作するための操作手段と、
ユーザによる前記操作手段へのモードの指定操作に応じて、当該指定操作に対応したモードに切り替える切替制御手段と、
所定のプログラム又は前記プログラムの実行用データを更新するための更新データが記憶されている所定の外部端末との間で直接無線通信を行う通信手段と、
前記切替制御手段により所定のモードに切り替えられた場合に、前記通信手段を介して前記更新データを前記外部端末から取得するとともに当該取得した更新データに基づいて前記プログラム又は前記実行用データを更新する更新処理を所定のタイミングで開始する更新制御手段と、
を備え、
前記切替制御手段は、前記更新制御手段により開始された前記更新処理が処理途中の間は、前記所定のモードに代えて他のモードを指定する旨の指定操作がユーザにより前記操作手段に対して為されたとしても、当該他のモードへの指定操作を無効とすることを特徴とする情報処理装置。
<請求項4>
前記切替制御手段は、前記更新処理が終了した場合に、前記無効とされた前記他のモードへの指定操作を有効とし、前記他のモードに切り替えることを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
<請求項5>
複数のモードの中からユーザが任意のモードを指定操作するための操作手段と、
ユーザによる前記操作手段へのモードの指定操作に応じて、当該指定操作に対応したモードに切り替える切替制御手段と、
所定のプログラム又は前記プログラムの実行用データを更新するための更新データが記憶されている所定の外部端末との間で直接無線通信を行う通信手段と、
前記切替制御手段により切り替えられたモードに応じて、前記通信手段の電源のオンとオフとを変更する変更手段と、
前記切替制御手段により所定のモードに切り替えられた場合に、前記通信手段を介して前記更新データを前記外部端末から取得するとともに当該取得した更新データに基づいて前記プログラム又は前記実行用データを更新する更新処理を所定のタイミングで開始する更新制御手段と、
を備え、
前記変更手段は、前記更新制御手段により開始された前記更新処理が処理途中の間は、前記所定のモードに代えて他のモードを指定する旨の指定操作がユーザにより前記操作手段に対して為されたとしても、前記通信手段の電源のオン状態を維持させることを特徴とする情報処理装置。
<請求項6>
前記プログラム又は前記実行用データの更新後のバージョン情報を印刷手段に印刷させる印刷制御手段を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
<請求項7>
前記切替制御手段により切り替えられたモードに対応した表示画面を表示させる表示制御手段を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
<請求項8>
請求項1から7のいずれか一項に記載の情報処理装置と、当該情報処理装置と直接無線通信可能な外部端末と、を備える情報更新システムであって、
前記外部端末は、当該外部端末に前記情報処理装置に対する保守処理を行わせるためのアプリケーションソフトウェアを、前記更新データが含まれた状態で、通信ネットワークを介して外部装置からダウンロードするダウンロード手段を備えることを特徴とする情報更新システム。
<請求項9>
複数のモードの中からユーザが任意のモードを指定操作するための操作手段を備える情報処理装置のコンピュータを、
ユーザによる前記操作手段へのモードの指定操作に応じて、当該指定操作に対応したモードに切り替える切替制御手段、
前記切替制御手段により所定のモードに切り替えられた場合に、所定のプログラム又は前記プログラムの実行用データを更新するための更新データを所定の外部端末から取得するとともに当該取得した更新データに基づいて前記プログラム又は前記実行用データを更新する更新処理を所定のタイミングで開始する更新制御手段、
として機能させるためのプログラムであって、
前記切替制御手段は、前記更新制御手段により開始された前記更新処理が処理途中の場合に、前記所定のモードに代えて他のモードを指定する旨の指定操作がユーザにより前記操作手段に対して為されたときには、前記更新処理が終了するのを待ってから前記他のモードに切り替えることを特徴とするプログラム。
<請求項10>
所定の回転位置ごとに、当該回転位置に対応したモードが対応付けられている回転式モード切替スイッチを備える情報処理装置のコンピュータを、
前記回転式モード切替スイッチの回転位置が切り替わるごとに、当該切り替わった回転位置に対応したモードに切り替える切替制御手段、
前記切替制御手段により所定のモードに切り替えられた場合に、所定のプログラム又は前記プログラムの実行用データを更新するための更新データを所定の外部端末から取得するとともに当該取得した更新データに基づいて前記プログラム又は前記実行用データを更新する更新処理を所定のタイミングで開始する更新制御手段、
として機能させるためのプログラムであって、
前記切替制御手段は、前記更新制御手段により開始された前記更新処理が処理途中の場合に、前記所定のモードに対応した回転位置から他のモードに対応した回転位置に前記回転式モード切替スイッチの回転位置が切り替えられたときには、前記更新処理が終了するのを待ってから前記他のモードに切り替えることを特徴とするプログラム。
<請求項11>
複数のモードの中からユーザが任意のモードを指定操作するための操作手段を備える情報処理装置のコンピュータを、
ユーザによる前記操作手段へのモードの指定操作に応じて、当該指定操作に対応したモードに切り替える切替制御手段、
所定のプログラム又は前記プログラムの実行用データを更新するための更新データが記憶されている所定の外部端末との間で直接無線通信を行う通信手段、
前記切替制御手段により所定のモードに切り替えられた場合に、前記通信手段を介して前記更新データを前記外部端末から取得するとともに当該取得した更新データに基づいて前記プログラム又は前記実行用データを更新する更新処理を所定のタイミングで開始する更新制御手段、
として機能させるためのプログラムであって、
前記切替制御手段は、前記更新制御手段により開始された前記更新処理が処理途中の間は、前記所定のモードに代えて他のモードを指定する旨の指定操作がユーザにより前記操作手段に対して為されたとしても、当該他のモードへの指定操作を無効とすることを特徴とするプログラム。
<請求項12>
複数のモードの中からユーザが任意のモードを指定操作するための操作手段を備える情報処理装置のコンピュータを、
ユーザによる前記操作手段へのモードの指定操作に応じて、当該指定操作に対応したモードに切り替える切替制御手段、
所定のプログラム又は前記プログラムの実行用データを更新するための更新データが記憶されている所定の外部端末との間で直接無線通信を行う通信手段、
前記切替制御手段により切り替えられたモードに応じて、前記通信手段の電源のオンとオフとを変更する変更手段、
前記切替制御手段により所定のモードに切り替えられた場合に、前記通信手段を介して前記更新データを前記外部端末から取得するとともに当該取得した更新データに基づいて前記プログラム又は前記実行用データを更新する更新処理を所定のタイミングで開始する更新制御手段、
として機能させるためのプログラムであって、
前記変更手段は、前記更新制御手段により開始された前記更新処理が処理途中の間は、前記所定のモードに代えて他のモードを指定する旨の指定操作がユーザにより前記操作手段に対して為されたとしても、前記通信手段の電源のオン状態を維持させることを特徴とするプログラム。