特許第6874942号(P6874942)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6874942
(24)【登録日】2021年4月26日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】防火壁または防煙垂れ壁
(51)【国際特許分類】
   A62C 2/06 20060101AFI20210510BHJP
   A62C 2/24 20060101ALI20210510BHJP
   E04B 1/94 20060101ALI20210510BHJP
【FI】
   A62C2/06 507
   A62C2/24 C
   A62C2/24 B
   E04B1/94 G
【請求項の数】10
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-549634(P2018-549634)
(86)(22)【出願日】2016年12月12日
(65)【公表番号】特表2019-505341(P2019-505341A)
(43)【公表日】2019年2月28日
(86)【国際出願番号】GB2016053918
(87)【国際公開番号】WO2017103576
(87)【国際公開日】20170622
【審査請求日】2019年12月2日
(31)【優先権主張番号】1521992.6
(32)【優先日】2015年12月14日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】518210085
【氏名又は名称】クーパーズ ファイア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100080089
【弁理士】
【氏名又は名称】牛木 護
(74)【代理人】
【識別番号】100161665
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 知之
(74)【代理人】
【識別番号】100121153
【弁理士】
【氏名又は名称】守屋 嘉高
(74)【代理人】
【識別番号】100178445
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 淳二
(74)【代理人】
【識別番号】100188994
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100194892
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 麻美
(72)【発明者】
【氏名】リード,ジェイムズ
【審査官】 田邉 学
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第03877525(US,A)
【文献】 米国特許第06342004(US,B1)
【文献】 実開昭63−186449(JP,U)
【文献】 特開平10−080500(JP,A)
【文献】 実開昭53−060699(JP,U)
【文献】 実開昭50−041314(JP,U)
【文献】 特開2000−054763(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0266498(US,A1)
【文献】 国際公開第2014/135863(WO,A1)
【文献】 実開昭53−043796(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62C 2/06
A62C 2/24
E04B 1/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーテンを有する防火壁または防煙垂れ壁であって、前記防火壁または防煙垂れ壁は:
・前記カーテンを収容するヘッドボックスであって、その下側が開いて、前記カーテンを展開して元に戻すことができるようにするヘッドボックスと;
・前記ヘッドボックスに収容されたローラであって、展開のために前記ローラから繰り出され、元に戻るために前記ローラへ巻き戻る前記カーテンのためのローラと;
・展開時に重みで前記カーテンを引き下げるための、前記カーテンの底部に取付けられたボトムバーと、を備え、
前記ヘッドボックスは、
・清浄な空気を入れるための、またあらゆる汚染物質を除去するために清浄な空気を排出するための、エアダクトの2つの端部取付具と、
前記端部取付具からヘッドボックス内部に移動する、清浄な空気の循環用の2つの開口部であって、一方は、清浄な空気を前記ヘッドボックスへ入れるためであり、他方は、前記ヘッドボックスからこの清浄な空気を引き出すためである開口部と、
・前記開口部のそれぞれで設けられ、ヒュージブルリンクにより通常は開いた状態で保持される2つのばね荷重のトラップであって、火災時に前記ヒュージブルリンクが融解するばね荷重のトラップと、を有し、
前記トラップが前記ヘッドボックスの最上部に取付けられた状態で、それぞれの前記開口部も前記ヘッドボックスの上側に設けられ、
・それぞれの前記端部取付具内に、それぞれの前記トラップおよびそれぞれの前記開口部が設けられることを特徴とする防火壁または防煙垂れ壁。
【請求項2】
前記ヘッドボックスを通して循環させる、ろ過された清浄な空気の供給手段を含み、前記ヘッドボックスを清潔に保つことを特徴とする請求項1記載の防火壁または防煙垂れ壁。
【請求項3】
前記端部取付具が接続される前記エアダクトが前記清浄な空気を前記開口部に送り、または前記エアダクトが前記清浄な空気を前記開口部から送られることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の防火壁または防煙垂れ壁。
【請求項4】
前記エアダクトは、フィルタを含んでいる空気循環システムに接続されることを特徴とする請求項記載の防火壁または防煙垂れ壁。
【請求項5】
前記ヒュージブルリンクは57℃〜150℃の間で破断することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の防火壁または防煙垂れ壁。
【請求項6】
前記トラップは、移動可能なトラップ部材のための、一般的にはシート状の金属の加圧成形として形成された固定ガイドを有し、この固定ガイドと前記トラップ部材の間で1つ以上のばねが作動していることを特徴とする請求項記載の防火壁または防煙垂れ壁。
【請求項7】
前記固定ガイドは一端に垂直部を有し、前記トラップが、補完的な垂直部と、これらの間で作動する前記ばねまたは複数のばねと、を有していることを特徴とする請求項記載の防火壁または防煙垂れ壁。
【請求項8】
前記固定ガイドは:
・前記トラップにおける閉鎖位置を調節する隣接部および/または;
・前記ヘッドボックスにおける前記開口部と相補的な開口部および/または;
・前記固定ガイドの縁に沿ったC字状の溝であって、前記開口部の上に前記トラップ部材を導く前記溝と、を有していることを特徴とする請求項記載の防火壁または防煙垂れ壁。
【請求項9】
前記ヒュージブルリンクが、可融性材料により取付けられた2つの部分から形成され、一方の部分は前記固定ガイドに取付けられ、他方の部分は前記移動可能なトラップ部材に取付けられ、十分な温度上昇時に前記トラップ部材での閉鎖ができるようにしており、
・前記2つの部分は、通常は共に保持されるものの、十分な温度上昇時には前記可融性材料が融解し、前記ヒュージブルリンクの前記2つの部分を解放し、前記トラップ部材が前記ヘッドボックスにおける前記開口部を閉じることを可能にしていることを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれか1項に記載の防火壁または防煙垂れ壁。
【請求項10】
前記2つの部分は、一般的に57℃〜150℃の間の低い融点範囲を有する材料により、共に保持されることを特徴とする請求項記載の防火壁または防煙垂れ壁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は防火壁または防煙垂れ壁に関し、特にクリーンルーム用の防火壁または防煙垂れ壁に関するが、限定されない。
【背景技術】
【0002】
一般的に、防火壁または防煙垂れ壁は、
・カーテンを収容するヘッドボックスであって、その下側が開いて、前記カーテンを展開して元に戻すことができるようにするヘッドボックスと;
・前記ヘッドボックスに収容されたローラであって、展開のために前記ローラから繰り出され、元に戻るために前記ローラへ巻き戻る前記カーテンのためのローラと;
・展開時に重みで前記カーテンを押し下げるための、前記カーテンの底部に取付けられたボトムバーと、を備えている。
通常、前記カーテンが巻き上げられると、前記ボトムバーが前記ヘッドボックスの開口した底部を閉じている。
【0003】
クリーンルームは、例えば、埃、浮遊微生物、エアロゾル粒子、および薬品蒸気などの環境汚染物質が低水準の環境である。クリーンルームは、半導体製造分野、バイオテクノロジー分野、ライフサイエンス分野、およびその他の、環境汚染に非常に敏感な分野で幅広く使用されている。製造施設全体が、数千平方メートルある工場の床を有するクリーンルーム内に収容できる。クリーンルームは、一般的にろ過システムで制御される汚染の制御レベルを有している。外部からクリーンルームに入ってくる空気は、ろ過されて埃を排除し、内部の空気は、高効率粒子空気フィルタ(HEPAフィルタ)および/または超低粒子空気フィルタ(ULPAフィルタ)を通して常に再循環され、内部で生成された汚染物質を除去している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明の目的は、クリーンルームにおける使用に適している防火壁または防煙垂れ壁を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば防火壁または防煙垂れ壁が提供され、当該防火壁または防煙垂れ壁は:
・カーテンを収容するヘッドボックスであって、その下側が開いて、前記カーテンを展開して元に戻すことができるようにするヘッドボックスと;
・前記ヘッドボックスに収容されたローラであって、展開のために前記ローラから繰り出され、元に戻るために前記ローラへ巻き戻る前記カーテンのためのローラと;
・展開時に重みで前記カーテンを押し下げるための、前記カーテンの底部に取付けられたボトムバーと、を備え、
前記ヘッドボックスは、
・清浄な空気の循環用の1つ以上の開口部と、
・前記開口部で、または前記開口部のそれぞれで設けられ、ヒュージブルリンクにより通常は開いた状態で保持されるばね荷重のトラップであって、火災時に前記ヒュージブルリンクが融解するばね荷重のトラップと、を有している。
【0006】
クリーンルームに設置され、このクリーンルームに入れられたヘッドボックス内部からの汚染を避けるために、ろ過された清浄な空気を、前記ヘッドボックスを通して循環させることができ、人が前記ヘッドボックス内部を清掃する必要性を低減している。前記開口部を通って循環された空気は、前記ヘッドボックスを清浄に保つことができる。このことは、前記開口部が、可融性のトラップが設けられた火の経路を設けることを避けている。
【0007】
我々は、例えば、その開口を通って、前記クリーンルームから前記ヘッドボックスへと清浄な空気として清浄な空気の循環を引き込む、単一の前記開口部のみが設けられてもよいと想定する一方で、我々は、2つの開口部を設けていることを望んでおり、一方は、清浄な空気を前記ヘッドボックスへ入れるための開口部であり、他方は、前記ヘッドボックスからこの清浄な空気を引き出すための開口部であり、これら両方の開口部には、ばね荷重でヒュージブルリンクのトラップが設けられている。
【0008】
通常、前記トラップが前記ヘッドボックスの最上部に取付けられた状態で、前記開口部も前記ヘッドボックスの上側に設けられる。エアダクトの端部取付具を設けて、前記開口部を行き来する前記清浄な空気の経路に前記トラップを閉じ込めてもよい。これらのダクトは、一般的には、例えばHEPAフィルタやULPAフィルタなどのフィルタを含んでいる空気循環システムに接続される。このシステム自体の設計は熟練した読者の能力の範囲内であり、これ以上は説明されない。通常、前記ヒュージブルリンクは57℃〜150℃の間で破断するようなものである。
【0009】
前記トラップは、移動可能なトラップ部材のための、一般的にはシート状の金属の加圧成形として形成された固定ガイドを有してもよく、この固定ガイドと前記トラップ部材の間でばねが作動している。一般的に、前記ばね荷重のトラップは少なくとも2つのばねを含んでいる。前記固定ガイドは、一端に垂直部を有してもよく、前記トラップが、補完的な垂直部と、これらの間で作動する、前記ばねまたは複数のばねとを有している。前記固定ガイドは、前記トラップにおける閉鎖位置の調節用の隣接部を有してもよい。前記固定ガイドは、前記ヘッドボックスにおける開口部と相補的な開口部を有してもよい。前記固定ガイドは、その縁に沿ったC字状の溝を有してもよく、前記開口部の上に前記トラップを導く。
【0010】
前記ヒュージブルリンクが、前記固定ガイドおよび前記移動可能なトラップ部材に取付けられてもよい。前記ヒュージブルリンクが、可融性材料により取付けられた2つの部分から形成されてもよく、一方の部分は前記固定ガイドに取付けられ、他方の部分は前記移動可能なトラップ部材に取付けられ、十分な温度上昇時に前記トラップ部材での閉鎖ができるようにしている。これらの部分は、一般的に57℃〜150℃の間の低い融点範囲を有する材料により、共に保持されてもよい。これら2つの部分は、通常は共に保持されるものの、十分な温度上昇時には前記可融性材料が融解し、前記ヒュージブルリンクのこれらの部分を解放し、前記トラップ部材が前記ヘッドボックスにおける前記開口部を閉じることを可能にしている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の理解の一助とするため、本発明の具体的な実施形態が、添付図面を参照して、実施例により説明される:
図1】本願発明による防火壁および防煙垂れ壁の正面図である。
図2図1の防火壁および防煙垂れ壁のヘッドボックスの、図1における線II−IIの断面図である。
図3図1の線III−IIIでの、図2と同様の斜視図である。
図4図3において開状態で示された、ばね荷重のトラップの斜視図である。
図5】閉じられたときの、ばね荷重のトラップの斜視図である。
図6図1の防火壁および防煙垂れ壁のサイドガイドの、線VI−VIの断面平面図である。
図7】清掃のために開かれた、サイドガイドの同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面を参照すると、防火壁または防煙垂れ壁1は、使用時には建物の開口部Aにおいて天井Cに取付けられるヘッドボックス2を有している。ローラ3はヘッドボックス2内に配置され、そのローラ3上に巻かれたカーテン4を有している。カーテン4は、ヘッドボックス2の底部6における開口5を通って延び、当該ヘッドボックス2は、天井Cと同一平面になっている。通常は、ボトムバー7が開口5を閉じている。ローラ3は、ボトムバー7の重みで床へカーテン4を展開する制御用、およびカーテン4を巻き戻す制御用のモータおよびブレーキを組み込んでいる。この点において防火壁または防煙垂れ壁1は従来型であり、この従来の特徴は、これ以上は説明されない
【0013】
本発明によればヘッドボックス2は、清浄な空気を入れるための、またあらゆる汚染物質を除去するために清浄な空気を排出するための、2つのエアダクトの端部取付具11,12が設けられており、そうしないと、当該あらゆる汚染物質がそこに蓄積する虞がある。ヘッドボックス2は、端部取付具11,12からヘッドボックス2内部に移動する空気用の開口部14,15を有している。端部取付具11,12から遠く離れた図示しないダクトと、清浄な、ろ過された空気の供給用の従来の手段とが設けられる。これらの開口部14,15、端部取付具11,12およびダクトは、実際にはクリーンルーム内に入るための火の潜在的な経路を与えており、当該潜在的な経路において、防火壁または防煙垂れ壁1が設置されている。
【0014】
開口部14,15のそれぞれで、ヒュージブルリンクを有するばね荷重のトラップ16,17がそれぞれ設けられる。それにより、ヘッドボックス2は通常、開口部14,15を通して清浄な空気を循環させることができており、しかしその一方で火災の際には、開口部14,15が閉じられる。
【0015】
ばね荷重のトラップ16,17のそれぞれは固定ガイド20を有している。当該固定ガイド20は、移動可能なトラップ部材21用であり、一般的にはシート状の金属の加圧成形として形成され、固定ガイド20とトラップ部材21の間で作動する2つのばね22を有している。固定ガイド20は一端に垂直部23を有し、トラップ部材21は補完的な垂直部24と、垂直部23と垂直部24の間で作動するばね22とを有している。固定ガイド20は、トラップ16,17における閉鎖位置26の調節用の隣接部25も有している。固定ガイド20は、ヘッドボックス2のそれぞれの開口部14,15とつながっている開口部27を有している。固定ガイド20は、ヘッドボックス2の幅28にわたって延びており、下向きに曲げられたフランジ29により設置され、当該フランジ29は、ヘッドボックス2に固定されている。固定ガイド20は、その縁に沿ったC字状の溝30を含んでおり、移動可能なトラップ部材21が開口部14,15および27を閉じるときに、この移動可能なトラップ部材21を導いている。これらの溝30、垂直部23および垂直部24が、エアダクトの端部取付具11,12の位置を決めている。
【0016】
ヒュージブルリンク31は、固定ガイド20や移動可能なトラップ部材21にそれぞれ取付けられたスタッド32,33の間を延びており、通常、移動可能なトラップ部材21が開口部14,15および27を閉じることを防止している。ヒュージブルリンク31は、可融性材料36により取付けられた2つの部分34,35から形成され、当該可融性材料36は、一般的に57℃〜150℃の間の低い融点範囲を有している。火災による温度上昇時では、可融性材料36が融解し、ヒュージブルリンク10の部分34,35を解放し、移動可能なトラップ部材21が、ヘッドボックス2における開口部14、15と、ばね荷重のトラップ16,17における開口部27とを閉じることを可能にしている。
【0017】
建物の開口部Aの側面では、カーテン4が図示しない従来の端部のスタッドなどへの係合により展開されたときに、カーテン4の両縁を保持するためのサイドガイド41,42が設けられている。この目的のために、サイドガイド41,42は内側に折り返したへり43を有している。これらのへり43は、内部の腹板と一体になって断面U字状の溝を定めているフランジ44から延び、展開時には当該へり43を、カーテン4のそれぞれの縁が下方に進む。フランジ44は、外側の帯板442と内側の帯板441とにそれぞれ分割され、外側の帯板442と内側の帯板441の間のヒンジ部45は、サイドガイド41,42の高さを延ばしており、ばね46が外側の帯板442を付勢して、内側に折り返したへり43同士が、カーテン4を展開するのに十分なだけ開かれる位置にしている。
【0018】
サイドガイド41,42の定期的な清掃のために、サイドガイド41,42をヒンジ部45で開いて、拭き取りを行なうことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7