(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遊技領域に向けて遊技球を発射して遊技を行う弾球遊技機であって、所定の開放条件が成立することで大入賞口の入口が開放され、開放された前記大入賞口に入球した遊技球が、前記大入賞口に設けられた振分装置によって振り分けられ、前記大入賞口に設けられた特定領域に入球することで大当り遊技が開始される弾球遊技機において、
前記遊技領域の上半部に配置され、前記所定の開放条件が成立したか否かを示唆する表示装置と、
前記大入賞口に入球した遊技球を上昇させる上昇装置と、を備え、
前記大入賞口の入口を、前記遊技領域の上下方向における中心線よりも、遊技者から見
て低い位置である第一位置に配置し、
前記振分装置を、遊技者から見て前記第一位置よりも低い位置に配置し、
前記大入賞口に入球した所定の遊技球を、前記上昇装置によって、遊技者から見て前記第一位置よりも高く、前記遊技領域の上下方向における中心線よりも、遊技者から見て低い位置である第二位置まで上昇させ、前記第二位置まで上昇した遊技球が前記振分装置によって前記特定領域に入球するか否かに振り分けられるように構成されたことを特徴とする弾球遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を適用した実施形態の弾球遊技機(以下、パチンコ機という)を説明する。
図1に示すように、パチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠10にて構成の各部を保持する構造としてある。外枠10には、左側の上下の位置に設けたヒンジ101を介して、板ガラス110が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)11及び図略の内枠が開閉可能に設けてある。尚、これら前枠11及び前記内枠はシリンダ錠18により外枠10に閉鎖ロックされ、シリンダ錠18に所定の鍵を挿入し、鍵を時計回りに操作して前記内枠を開放するようになし、反時計まわりの操作により前枠11を開放可能である。
前枠11の板ガラス110の奥には前記内枠に保持された遊技盤2(
図2)が設けてある。
【0016】
前枠11の上部の左右両側位置にはそれぞれスピーカ112が設置してあり、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向を向上させる。また前枠11には遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ113のほか、遊技の異常を報知するLED類が設けてある。
【0017】
前枠11の下半部には上皿12と下皿13とが一体に形成してある。下皿13の右側には発射ハンドル14が設けてあり、発射ハンドル14を時計回りに操作することにより発射装置が作動して、上皿12から供給された遊技球が遊技盤2に向けて発射される。また上皿12には賞球が払い出される。
下皿13は上皿12から溢れた賞球を受ける構成で、球抜きレバーの操作により下皿13に溜まった遊技球を遊技施設に備えられた別箱(ドル箱)に移すことができる。
【0018】
本パチンコ機1は所謂CR機であって、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)CRが隣接してある。パチンコ機1には上皿12の右側に貸出ボタン171、精算ボタン172及び精算表示装置173が設けてある。また上皿12の中央位置には遊技者が操作可能な演出ボタン15と、その外周を囲むようにジョグダイヤル16が設置されている。
【0019】
図2に示すように、遊技盤2には外レール201と内レール202とによって囲まれた略円形の遊技領域20が形成されている。発射された遊技球は、遊技者から見て遊技領域20の左上部から遊技領域20へ打ち出される。遊技領域20の上半部のほぼ中央にはセンターケース200が配置されている。センターケース200の中央に設けられた開口部内には、特別図柄に対応する擬似演出図柄等の表示を行う演出図柄表示装置21(全体の図示は省略)のLCDパネルが配置されている。またセンターケース200には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージなどが設けられている。
【0020】
遊技盤2の遊技領域20は、センターケース200を境に第一遊技領域20Lと、第二遊技領域20Rとに分けられている。遊技者から見て、第一遊技領域20Lはセンターケース200の左側に設けられ、第二遊技領域20Rはセンターケース200の右側に設けられている。
第一遊技領域20Lは、所定の発射威力未満で発射(左打ちともいう)されて、図に示したP部まで到達しない遊技球が流下する。一方、第二遊技領域20Rは、所定の発射威力以上で発射(右打ちともいう)されてP部まで到達した遊技球が、センターケース200上縁と外レール201との間の誘導路を通過して、第二遊技領域20Rを流下することになる。尚、第一遊技領域20L、第二遊技領域20Rには多数の遊技釘が植設されている。
【0021】
第一遊技領域20Lには、上半部に、遊技球が入球し通過可能な普通図柄(以下、普図という)の第一普図作動ゲート22Aが配置されている。
また、第一遊技領域20Lを流下した遊技球よりも第二遊技領域20Rを流下した遊技球のほうが入球し易い位置である第二遊技領域20Rの上半部には、遊技球が入球し通過可能な普図の第二普図作動ゲート22Bが配置されている。
【0022】
第一普図作動ゲート22A及び第二普図作動ゲート22Bはそれぞれ、入球により普図の当否判定が実行される起因となる作動ゲートである。第一普図作動ゲート22A又は第二普図作動ゲート22Bへの入球により、数値データとして、普図当り決定用乱数が抽出され、保留記憶される。保留記憶は4つまで記憶される。これら保留記憶に基づいて普図の当否判定が実行される。
尚、本実施形態では、入球により普図の当否判定が実行される起因となる普図作動ゲートを、第一遊技領域20L及び第二遊技領域20Rそれぞれに設けたが、これに限らず、普図作動ゲートは、少なくとも、第一遊技領域20Lを流下した遊技球よりも、第二遊技領域20Rを流下した遊技球が入球し易い位置に一つ配置してあればよい。
【0023】
第二遊技領域20Rを流下した遊技球よりも第一遊技領域20Lを流下した遊技球のほうが入球し易い位置で、例えば、センターケース200の中央直下位置で、遊技領域20のほぼ中央位置には、常時入球(入賞)可能な第一特別図柄(以下、第一特図という)の第一特図始動口23が配置されている。第一特図始動口23へは、前記左打ちにより第一遊技領域20Lから流下する遊技球が、センターケース200のワープ樋等を通過して入球し易い構成である。尚、第二遊技領域20Rを流下した遊技球も入球可能である。
第一特図始動口23は、入球により第一特図の当否判定が実行される起因となる入球口である。第一特図始動口23への入球により、数値データとして、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数などの複数種類の乱数が抽出され、第一特図の保留記憶として記憶される。保留記憶は四つまで記憶される。これら保留記憶に基づいて第一特図の当否判定が実行される。
【0024】
遊技領域20のほぼ中央下端位置には、後述する第二大入賞口26の第二エリア26bの下縁に対応する位置に、第一特別電動役物(以下、単に第一特電役物という)により開閉可能に設けられた第一大入賞口25が設置されている。第一大入賞口25は、開閉扉により開閉可能な入口を備え、図柄当り又は役物当りによる大当り遊技において所定の開放態様で開放される入球口である。尚、第二大入賞口26の第二エリア26bは、遊技領域20の下半部に設けられた開口部の内部に設けられており、且つ前記開口部の前面は透明な板部材により覆われている。よって第一大入賞口25へは第二大入賞口26の第二エリア26bの前面を流下した遊技球が入球可能である。
【0025】
第一遊技領域20Lを流下した遊技球よりも第二遊技領域20Rを流下した遊技球のほうが入球し易い位置である第二遊技領域20Rの第二普図作動ゲート22Bの下流側に、普通電動役物(以下、単に普電役物という)の開閉部材241により開閉可能に構成された第二特別図柄(以下、第二特図という)の第二特図始動口24が配置されている。第二特図始動口24は、入球により第二特図の当否判定が実行される起因となる入球口である。第二特図始動口24への入球により、数値データとして、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数などの複数種類の乱数が抽出され、第二特図の保留記憶として記憶される。保留記憶は一つのみ記憶される。この保留記憶に基づいて第二特図の当否判定が実行される。
【0026】
第二特図始動口24の直下位置には、第二特別電動役物(以下、単に第二特電役物という)により開閉可能に設けられた第二大入賞口26が設置されている。第二大入賞口26内には、後述する第一特定領域268及び第二特定領域265が設けられている。第二大入賞口26は、第一遊技領域20Lを流下した遊技球よりも第二遊技領域20Rを流下した遊技球のほうが入球し易い位置に配置されている。第二大入賞口26は、開閉扉により開閉可能な入口26eを備え、小当り遊技において所定の開放態様で開放される入球口である。尚、第二大入賞口26の入口26eは、遊技者から見て、遊技盤2の遊技領域20の上下方向の中心線CLよりも低い位置である第一位置に配置されている。
【0027】
第二大入賞口26は、
図2及び
図3に示すように、第一エリア26aと第二エリア26bとに区画されている。第一エリア26aは第二大入賞口26の直下に設けられ、第二大入賞口26へ入球した遊技球が先ず流下するエリアである。第二エリア26bは、遊技球が第一エリア26aから移動可能なエリアで、遊技者から見て、第一エリア26aの左側で、遊技領域20の下半部の左右方向ほぼ中央に設けられている。以下、
図3乃至
図5を用いて第二大入賞口26の詳細を説明する。
【0028】
図3及び
図4(a)に示すように、第二大入賞口26の第一エリア26aは、第二大入賞口26へ入球した遊技球Bを受け、下流側へ流下案内する上部遊技球通路260を備えている。上部遊技球通路260には、中間位置に、第二大入賞口26に入球した遊技球をカウントする第二カウントSW(スイッチ)508が設けられている。例えば、第二カウントSW508は、遊技球Bが入球し通過することを検知する近接センサが用いられる。
【0029】
上部遊技球通路260から遊技球Bを流下案内する通路は、第一遊技球通路261と、第二遊技球通路262とに分岐されている。第一遊技球通路261は、上部遊技球通路260から鉛直下方へ延びる通路である。第二遊技球通路262は、遊技者から見て、上部遊技球通路260から右横方向に分岐する通路である。第一遊技球通路261と第二遊技球通路262との分岐部には、遊技球Bを第一遊技球通路261又は第二遊技球通路262へ振り分ける第一振分装置263が設けられている。
【0030】
通常、第一振分装置263は、非作動状態において、第一遊技球通路261を開放すると共に、第二遊技球通路262の入口を閉鎖する待機位置に位置する。これにより、上部遊技球通路260を流下した遊技球Bは第一遊技球通路261へ振り分けられる。
【0031】
第一遊技球通路261には、遊技球Bを貯留することが可能であり、貯留した遊技球Bを第二エリア26bへ移動させる貯留装置264が配置されている。また、第一遊技球通路261には、その下流端に、貯留装置264で貯留されることなく、第二エリア26bへ移動しない遊技球Bを遊技盤2内に取り込む取込口205aが配置されている。
第二遊技球通路262には、遊技球Bが入球し通過可能な第二特定領域265が配置されている。第二特定領域265は、入球により小当り遊技から役物当りの大当り遊技へ発展可能な入球口である。尚、第二特定領域265は第二遊技球通路262を流下する遊技球Bが全て入球通過可能な位置に配置されている。また、第二遊技球通路262には、その下流端に、第二特定領域265を入球通過した遊技球Bを遊技盤2内に取り込む取込口205bが配置されている。
【0032】
図4(b)に示すように、第一振分装置263は、作動時に、分岐部の壁面に設けられた略へ字状のガイド溝2631に沿って移動して、第一遊技球通路261の入口を閉鎖すると共に、第二遊技球通路262の入口を開放して、遊技球Bを第二遊技球通路262へ振り分ける作動位置に変位する。これにより、第二遊技球通路262へ振り分けられた遊技球Bは、全て、第二特定領域265に入球しこれを通過して、取込口205bより遊技盤2内へ取り込まれる。
【0033】
このように構成された第一振分装置263は、小当り遊技の開始、又は、第二大入賞口26の開放を契機に予め定められた一定の動作パターンに従って前記待機位置と前記作動位置とに変位させることが望ましい。例えば、第一振分装置263は、小当り遊技の開始から作動位置へ約0.2秒間、変位させ、一旦、待機位置へ戻した後(約1.2秒間)、再び作動位置に約5秒間、変位させ、その後に前記待機位置に戻る動作パターンで作動させる。
このように、第一振分装置263が予め定められた一つの動作パターンに従って振り分け作動することにより、小当り遊技の開始又は第二大入賞口26の開放開始から所定時間が経過するまでの第一期間では、小当り遊技によって開放された第二大入賞口26に入球した遊技球を、第一遊技球通路261と第二遊技球通路262とのいずれか一方の遊技球通路(第一遊技球通路261又は第二遊技球通路262)よりも他方の遊技球通路(第二遊技球通路262又は第一遊技球通路261)に遊技球が振り分けられる確率が高くなり、前記所定時間が経過した後の第二期間では、前記他方の遊技球通路よりも前記一方の遊技球通路に遊技球が振り分けられる確率が高くなる。
尚、小当り遊技の開始又は大入賞口の開放開始から所定時間が経過するまでの第一期間、所定時間が経過した第二期間とは、明確に遊技者から見て異なる期間、明確に制御として区別される期間というわけではなく、単に時間経過のみで規定した決め事とすることが望ましい。また、第一期間の時間と第二期間との時間が同一時間である必要もない。
第一振分装置263は、図例の構成、形状に限らず、非作動時に遊技球Bを第一遊技球通路261へ振り分け、作動時に遊技球Bを第二遊技球通路262へ振り分ける構成であればよい。また、第一振分装置263として、作動時に遊技球Bを第一遊技球通路261へ振り分け、非作動時に遊技球Bを第二遊技球通路262へ振り分ける構成の装置でもよい。
【0034】
貯留装置264について説明する。
図3及び
図5に示すように、貯留装置264は、第一エリア26aと第二エリア26bとを区画すると共に第一遊技球通路261の側壁を形成する仕切り壁に設けられている。例えば、仕切り壁には、遊技球Bを第一エリア26aから第二エリア26bへ移動させるための開口部が形成され、貯留装置264は開口部を開閉可能に配置されている。貯留装置264は、遊技球Bを受け止めて貯留する貯留面部2641と、貯留面部2641の基端と直交する側面部2642とを備えたL字状の部材で構成されている。貯留装置264は、貯留面部2641の基端が前記開口部の下端付近に回動可能に軸支されている。
【0035】
貯留装置264は、非作動状態では、貯留面部2641が起立姿勢で前記仕切り壁の開口部を塞ぐ非貯留姿勢をなす(
図3)。この場合、第一遊技球通路261を流下する遊技球Bは通路の下流端の取込口205aに取り込まれる。
【0036】
貯留装置264は、作動状態では、
図5(a)に示すように、前記非貯留姿勢から時計方向に90度回動して、貯留面部2641が第一遊技球通路261へ突出すると共に、側面部2642が前記開口部を塞ぐ貯留姿勢をなす。このとき、貯留装置264は、貯留面部2641が第一遊技球通路261を流下した遊技球Bを受けると共に、貯留面部2641上に遊技球Bを貯留する。貯留装置264が貯留可能な遊技球は一つである。従って、貯留中に後から第一遊技球通路261を流下する遊技球Bは、貯留された遊技球B1に当接して横方向に弾かれて通路の下流端の取込口205aに取り込まれる。
【0037】
貯留装置264は、
図5(b)に示すように、貯留姿勢から非貯留姿勢に戻ることにより、貯留した遊技球B1を前記開口部を介して第一エリア26aから第二エリア26bへ移動させる。第二エリア26bへ移動された遊技球B1は後述のスパイラルタワー266の根元へ誘導される。
【0038】
このように構成された貯留装置264は、小当り遊技の開始、又は、第二大入賞口26の開放を契機に予め定められた一定の動作パターンに従って非貯留姿勢と貯留姿勢とに変位させることが望ましい。例えば、貯留装置264は、小当り遊技の開始から約9秒後に非貯留姿勢から貯留姿勢に変位し、約5秒間、貯留姿勢を保持し、その後、非貯留姿勢に戻る動作パターンで作動させる。
貯留装置264は、小当り遊技の開始又は第二大入賞口26の開放開始から前記所定時間が経過するまでの前記第一期間、又は、前記所定時間が経過した後の前記第二期間のうち、第二大入賞口26に入球した遊技球が第一遊技球通路261よりも第二遊技球通路262に振り分けられる確率が高い期間では遊技球を貯留しないように設定されている。
尚、貯留装置264は、図例の構成、形状に限らず、一つの遊技球を貯留可能であり、小当り遊技の開始、又は、第二大入賞口26の開放を契機に予め定められた一定の動作パターンに従って非貯留姿勢と貯留姿勢とに変位可能であり、貯留した遊技球を第一エリア26aから第二エリア26bへ移動させる構成であればよい。また、貯留装置264は、複数の遊技球を貯留可能な構成でもよい。
【0039】
図3に示す第二エリア26bは、第一エリア26aから移動した遊技球をエリア上部へ移動させるスパイラルタワー266(特許請求の範囲に記載の上昇装置に相当する)が設けられている。スパイラルタワー266は、その外周面に沿って螺旋状に遊技球Bを上部へ移動させる構成を有する。スパイラルタワー266は、外周面に螺旋状に遊技球Bを上部へ案内するガイド部2661を備えている。スパイラルタワー266は、例えば、内部にボールネジ機構2662を備え、ボールネジ機構2662にはそのネジ軸を正回転又は逆回転させることに応じて上下動が可能な磁石2663が設けられている。
【0040】
このように構成されたスパイラルタワー266は、常時、一定の動作で遊技球Bを上昇させるように作動している。例えば、スパイラルタワー266はそのボールネジ機構2662がパチンコ機1の電源投入から常に作動している。即ち、ボールネジ機構2662の磁石2663が、スパイラルタワー266の下端から上端への上昇と、スパイラルタワー266の上端から下端への下降とを一定の動作で繰り返し作動している。スパイラルタワー266の作動は、パチンコ機1の電源投入から作動を開始して常に一定の動作を行うので、小当り遊技の開始や第二大入賞口26の開放開始との関連性はない。
【0041】
スパイラルタワー266は、貯留装置264により第一エリア26aからスパイラルタワー266の根元に誘導された遊技球Bを、磁石2663で吸着すると共に、磁石2663の上昇とガイド部2661の案内により遊技球Bをスパイラルタワー266の外周面に沿って螺旋状に上方へ移動させる。尚、スパイラルタワー266の遊技球Bが上昇可能な最上部2664は、第二大入賞口26の開閉扉により開閉可能な入口26e(第一位置)よりも遊技者から見て高い位置(第二位置)に設けられている。従って、スパイラルタワー266に沿って螺旋状に上昇する遊技球は、第二大入賞口26の開閉扉により開閉可能な入口26eよりも遊技者から見て高い第二位置まで上昇することとなる。
【0042】
スパイラルタワー266に沿って遊技球Bが螺旋状に上昇するルートの中間位置には、遊技球Bの上昇を阻止するシャッタ267が設けられている。シャッタ267は、遊技球Bの上昇を許容する非遮断状態(図の実線)と、遊技球Bの上昇を阻止する遮断状態(図の仮想線)とに変位可能に設けられている。シャッタ267は、通常、非遮断位置で遊技球Bの上昇を許容する一方、作動して遮断状態となると、前記ルート上に突出して上昇する遊技球Bに当接して遊技球Bの上昇を阻止すると共に、上昇を続ける磁石2663から遊技球Bの吸着を解除して、遊技球Bを落下させる。落下した遊技球Bは第二エリア26bの下端部に設けられた取込口205cから遊技盤2内へ取り込まれる。
【0043】
このように構成されたシャッタ267は、小当り遊技の開始、又は、第二大入賞口26の開放を契機に予め定められた一定の動作パターンに従って非遮断状態と遮断状態とに変位させることが望ましい。例えば、シャッタ267は、貯留装置264の作動から約0.2秒の遮断状態と、約1秒の非遮断状態とを交互に繰り返す動作パターンで作動させる。
尚、シャッタ267は、図例の構成、形状に限らず、貯留装置264の作動を契機に予め定められた一定の動作パターンに従って非遮断状態と遮断状態とに変位可能であり、遮断状態において遊技球の上方への移動を阻止する構成であればよい。
【0044】
第二エリア26bには、スパイラルタワー266の最上部2664から遊技球Bを、遊技者から見て左方向へ移動させるガイドレール2665と、ガイドレール2665のレール端に設けられて、遊技球Bを鉛直下方へ落下させる遊技球落下部2666(特許請求の範囲の落下装置に相当する)が設けられている。遊技球落下部2666は、ガイドレール2665から移動した遊技球を受け止め、底面に設けられた貫通穴より遊技球を鉛直下方へ落下させる構成である。
【0045】
遊技球落下部2666から落下した遊技球Bの落下位置には、
図3及び
図6に示すように、遊技球Bが入球可能な第一特定領域268(特許請求の範囲の特定領域に相当する)と、第一特定領域268へ遊技球Bを入球させる否かを振り分ける第二振分装置269(特許請求の範囲の振分装置に相当する)が設けられている。第一特定領域268は、入球により小当り遊技から役物当りの大当り遊技へ発展可能な入球口である。
尚、遊技球落下部2666と第二振分装置269との間は、遊技球落下部2666から落下する遊技球Bを第二振分装置269へ確実に落下させるように透明なカバー部材2667で覆われている。
【0046】
第二振分装置269は、第二大入賞口26の開閉扉により開閉可能な入口26eのある第一位置よりも遊技者から見て低い位置に配置されている。また第二振分装置269は、第二大入賞口26の入口26eのある第一位置よりも遊技者から見て左側の位置で、遊技領域20の左右方向の中心線付近に配置されている。
【0047】
第二振分装置269は、
図6に示すように、リング状に設けられた外環部2691を備え、外環部2691の内部に時計方向に回転可能に設けられた円盤状の部材により構成されている。第二振分装置269は、円盤状の部材に、遊技球Bが入球可能な一つの第一特定領域268と、遊技球Bを遊技盤2内へ取り込み可能な三つの取込口205dとを備えている。
このように構成された第二振分装置269は、常時、一定の動作で遊技球Bを振り分けるように回転している。例えば、第二振分装置269はパチンコ機1の電源投入から常に一定の速度で回転している。第二振分装置269の作動は、パチンコ機1の電源投入から回転を開始して常に一定の動作を行うので、小当り遊技の開始や第二大入賞口26の開放開始との関連性はない。第二振分装置269は、遊技球落下部2666から落下する遊技球Bを円盤状の部材の中央部で受け、時計方向に回転する円盤状の部材により第一特定領域268へ遊技球Bが入球するか否かを振り分ける構成である。
第二振分装置269は、常時、一定の回転速度で時計方向に回転作動させることが望ましい。
尚、第二振分装置269は、図例の構成、形状に限らず、第一特定領域268へ遊技球Bが入球するか否かを振り分ける構成であればよい。
【0048】
図3に示すように構成された第二エリア26bにおいて、貯留装置264により貯留されて第一エリア26aから移動された遊技球Bは、スパイラルタワー266の外周面に沿って螺旋状に上昇する。途中、シャッタ267により上昇を阻止された遊技球Bは、落下して取込口205cのより遊技盤2内へ取り込まれる。阻止されることなくスパイラルタワー266を上昇した遊技球Bは、スパイラルタワー266の上端からガイドレール2665に沿って遊技球落下部2666へ誘導され、遊技球落下部2666から第二振分装置269へ向けて落下し、第二振分装置269により第一特定領域268へ入球するか否か振り分けられる。
【0049】
このように、第二エリア26bを第二振分装置269へ向かって遊技球Bが移動するルートは、第一遊技球通路261の一部を構成している。
この場合、第一遊技球通路261は、貯留装置264により貯留されない遊技球については、第一特定領域268へ入球させない構成である。また、第一遊技球通路261では、貯留装置264に貯留された遊技球を、第二エリア26bへ移動させる構成が好適であるが、貯留装置264に一度は貯留されたが、貯留装置264から零れてしまい、遊技球が第二エリア26bへ達しない場合があってもよい。
【0050】
図2に戻って図に示すように、第一遊技領域20Lの下半部には複数の一般入賞口27が配置されている。
遊技領域20の最下部にはアウト球口203が設けられている。
遊技盤2の右下端部には、外レール201の外部に、第一特図表示装置28A、第二特図表示装置28B、第一特図保留数表示装置281、第二特図保留数表示装置282、普通図柄表示装置29及び普図保留数表示装置291が設けられている。
【0051】
次に
図7に示すように、本パチンコ機1の裏面側は、前記遊技盤2を着脱可能に取付ける内枠30が収納されている。内枠30は、前記前枠11と同様に、一方の側縁(
図7の右側)の上下位置が前記外枠10にヒンジ結合され開閉可能に設置されている。内枠30には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク31、タンクレール32、払出ユニット33が設けられ、払出ユニット33の中には払出機構が設けられている。この構成により、遊技盤2の入賞口に遊技球が入賞すれば球タンク31からタンクレール32を介して所定個数の遊技球(賞球)が払出ユニット33により払出球流下通路を通り前記上皿12に払い出される。また、前記賞球を払い出す払出ユニット33により前記貸出ボタン171の操作で払い出される貸球も払い出す構成としてある。
【0052】
パチンコ機1の裏面側には、主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43、発射制御装置44、電源基板45が設けられている。
主制御装置40、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43は遊技盤2に設けられ、払出制御装置41、発射制御装置44、電源基板45は内枠30に設けられている。
図7では発射制御装置44が描かれていないが、払出制御装置41の下に設けてある。
【0053】
また、球タンク31の右側には、外部接続端子板38が設けてあり、外部接続端子板38により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータへ送られる。尚、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子板には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠側(外枠10、前枠11、内枠30から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施形態では、一つの外部接続端子板38を介して遊技状態や遊技結果を示す信号をホールコンピュータへ送信する。
【0054】
図8は本パチンコ機1の電気的構成(電気ブロック)を示すもので、遊技の制御を司る主制御装置40を中心に、サブ制御装置として払出制御装置41、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43を備える構成である。主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43においては、いずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備え、これら制御装置はいずれもCPUにより、2ms周期又は4ms周期の割り込み信号に起因してROMに搭載しているメインルーチン及びサブルーチンからなるプログラムが開始され、各種の制御が実行される。また、主制御装置40には各種の乱数を抽出する乱数カウンタ等も備わっている。
発射制御装置44にはCPU、ROM、RAM等が設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置44にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0055】
主制御装置40は、裏配線中継端子板530及び外部接続端子板38を介して遊技施設のホールコンピュータ500と電気的に接続される。また主制御装置40には、裏配線中継端子板530や遊技盤中継端子板531を介して、前枠(ガラス枠)及び内枠が閉鎖しているか否か検知するガラス枠開放SW501、内枠開放SW502、第一特図始動口23への入球を検知する第一特図始動口SW503、第二特図始動口24への入球を検知する第二特図始動口SW504、第一普図作動ゲート22Aへの入球及び第二普図作動ゲート22Bへの入球を検知する普図作動SW505、一般入賞口27への入球を検知する一般入賞口SW506、第一大入賞口25への入球を検知する第一カウントSW507と第二大入賞口26への入球を検知する第二カウントSW508、第一特定領域268への入球を検知する第一特定領域SW509、及び第二特定領域265への入球を検知する第二特定領域SW510等と電気的に接続され、各検知信号が入力される。
【0056】
また主制御装置40は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検知信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置41や、演出中継端子板532を介してサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43へ向けてのコマンドの出力や、図柄表示装置中継端子板533を介して第一特図表示装置28A、第一特図保留数表示装置281、第二特図表示装置28B、第二特図保留数表示装置282、普通図柄表示装置29及び普図保留数表示装置291等の表示制御を行なう。
【0057】
更に主制御装置40は、遊技盤中継端子板531を介して、普電役物の開閉部材241の開閉用の普電SOL(ソレノイド)511、第一大入賞口25の開閉用の第一大入賞口SOL512、第二大入賞口26の開閉用の第二大入賞口SOL513、第一振分装置263の駆動用の第一振分装置SOL514、貯留装置264の駆動用の貯留装置SOL515、スパイラルタワー266の駆動用のスパイラルタワー駆動部516、シャッタ267の駆動用のシャッタSOL517、及び第二振分装置269の駆動用の第二振分装置モータ518等が電気的に接続されている。
【0058】
主制御装置40は、普電SOL511を制御して開閉部材241を開閉作動せしめる。第一大入賞口SOL512を制御して第一大入賞口25を開閉作動せしめる。第二大入賞口SOL513を制御して第二大入賞口26を開閉作動せしめる。第一振分装置SOL514を制御して第一振分装置263を振分作動せしめる。貯留装置SOL515を制御して貯留装置264を貯留作動せしめる。スパイラルタワー駆動部516を制御してスパイラルタワー266を駆動せしめる。シャッタSOL517を制御してシャッタ267を作動せしめる。更に第二振分装置モータ518を制御して第二振分装置269を振分作動せしめる。
主制御装置40からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や特図の当り等の管理用の信号が外部接続端子板38を経てホールコンピュータ500に送られる。
主制御装置40と払出制御装置41とは双方向通信が可能である。
【0059】
払出制御装置41は、裏配線中継端子板530や払出中継端子板534を介して球タンクが空状態になったことを検知する球切れSW520、遊技球が払い出されたことを検知する払出SW522、遊技球貯留皿が満杯状態になったことを検知する満杯SW523等と電気的に接続され、これらの検知信号が入力される。また主制御装置40から送られてくるコマンドに応じて払出モータ521を駆動させて遊技球を払い出させる。また、CRユニット端子板535を介してCRユニットCRと電気的に接続され、貸出要求信号に応じて払出モータ521を稼働させて貸球を払い出させる。精算表示装置173を介して球貸SW171及び精算SW172によりなされる貸出要求、精算要求の操作信号がCRユニットCRに入力され、プリペイドカードの残高表示はCRユニットCRによって制御される。
【0060】
発射制御装置44は、発射を停止する発射停止SW524、発射ハンドル14に遊技者が接触(操作)していることを検知するタッチSW525等と電気的に接続され、これらの検知信号が入力される。払出制御装置41を介して主制御装置40から送られてくるコマンド(タッチSW525の信号や遊技状況を反映している)、発射ハンドル14の回動信号及び発射停止SW524の信号に基づいて発射モータ526を制御して遊技球を発射及び停止させる。
【0061】
サブ統合制御装置42は、音量調節SWを備えている。更にサブ統合制御装置42には、演出ボタン15やジョグダイヤル16等と電気的に接続され、これらの操作信号が入力される。
そしてサブ統合制御装置42は、スピーカ112を駆動して音声を出力することや、各種LEDや各種ランプ113の点灯、消灯等を制御する。更に演出図柄制御装置43へキャラクタなどを表示する演出や特図の擬似演出図柄の表示態様のコマンドを送信する。
【0062】
演出図柄制御装置43は、LCDパネルユニットや付属ユニットと共に演出図柄表示装置21を構成している。演出図柄制御装置43は、サブ統合制御装置42から送られてくるコマンドに応じて演出図柄表示装置21のLCDパネルの表示を制御する。
【0063】
次にパチンコ機1の作動を説明する。
パチンコ機1は、第一特図始動口23への入球に起因して第一特図の当否判定が実行される。当否判定に応じて第一特図表示装置28A及び演出図柄表示装置21にて図柄変動を開始する。その後、第一特図表示装置28Aに第一特図の確定図柄を、演出図柄表示装置21に第一特図に対応する擬似演出図柄を確定表示して第一特図の当否判定の結果を報知する。
当否判定の結果が大当り(図柄当り)となり、第一特図表示装置28Aに大当り図柄が確定表示されると、条件装置が作動することによって役物連続作動装置及び第一特電役物が作動して第一大入賞口25が賞球の獲得に有利な所定の態様で開放される大当り遊技(特別遊技)が実行される。
【0064】
大当り遊技終了後には、大当りとなった第一特図の大当り図柄に応じて、通常遊技状態よりも、単位時間あたりの第二特図始動口24への入球率が高く設定された状態、例えば、普図の当選確率を高確率とすると共に普電役物の開閉部材241の開放時間を延長する等の開放延長機能と、特図及び普図の平均変動時間を短くする時短機能が付与される開放延長遊技状態に移行可能としている。尚、特図の当選確率を高確率とする確変機能は備えていない。
【0065】
一方、第一特図の当否判定の結果が小当りとなり、第一特図表示装置28Aに小当り図柄が確定表示されると、条件装置が作動することなく、第二特電役物が作動して第二大入賞口26が、大当り遊技の第一大入賞口25よりも開放回数、開放時間が不利な所定の態様で開放される小当り遊技が実行される。このとき、第二大入賞口26の第一特定領域268又は第二特定領域265のいずれかへ遊技球が入球することにより条件装置が作動し、これにより、役物連続作動装置及び第一特電役物が作動して大当り遊技(役物当り)へ昇格(移行)可能とされている。当該大当り遊技は第一大入賞口25で行われる。
また役物当りによる大当り遊技終了後には、通常遊技状態よりも、単位時間あたりの第二特図始動口24への入球率が高く設定された状態である開放延長遊技状態への移行が可能とされている。
【0066】
普図の第一普図作動ゲート22A及び第二普図作動ゲート22Bに遊技球が入球すると、普図の当否判定に関する複数種類の乱数値が抽出され、これらに基づいて普図の当否判定が実施される。このとき普通図柄表示装置29にて図柄変動を開始し、その後、普通図柄表示装置29に普図を確定表示して普図の当否判定の結果を報知する。普図の当否判定の結果が当りとなり、普通図柄表示装置29に普図の当り図柄が確定表示されると、普図の当り遊技として普電役物の開閉部材241を開放して第二特図始動口24への入球を可能とする。
【0067】
普電役物の開閉部材241の開放状態において遊技球が第二特図始動口24へ入球すると、これに起因して第二特図の当否判定を実行する。このとき第二特図表示装置28B及び演出図柄表示装置21にて図柄変動を開始し、その後、第二特図表示装置28Bに第二特図を確定表示すると共に、演出図柄表示装置21に第二特図に対応する擬似演出図柄を確定表示して判定結果を報知する。判定結果が大当り(図柄当り)となり、第二特図表示装置28Bに大当り図柄が確定表示されると、第一特図と同様に、条件装置、役物連続作動装置及び第一特電役物が作動して第一大入賞口25が賞球の獲得に有利な所定の態様で開放される大当り遊技が実行される。
【0068】
一方、第二特図の当否判定の結果が小当りとなり、第二特図表示装置28Bに小当り図柄が確定表示されると、第一特図と同様に、第二大入賞口26が所定の態様で開放される小当り遊技が実行される。このとき、第二大入賞口26の第一特定領域268又は第二特定領域265のいずれかへ遊技球が入球することにより、第一特図と同様に、大当り遊技(役物当り)へ昇格可能とされている。当該大当り遊技は第一大入賞口25で行われる。
図柄当り、役物当りに拘わらず、第二特図に起因する大当り遊技終了後には、開放延長遊技状態への移行が可能とされている。
【0069】
尚、本パチンコ機1は、小当り遊技で第二大入賞口26への入球した遊技球の個数と、第二大入賞口26から排出された(遊技盤2内へ取り込まれた)遊技球の個数とをそれぞれカウントし、双方の個数が一致するまで、次の第一又は第二特図の図柄変動を行わない構成である。
【0070】
図9(a)は本パチンコ機1の遊技仕様を示す。大当り確率は、第一特図及び第二特図ともに199分の1とされている。小当り確率は、第一特図において50分の1とされ第二特図において199分の198とされている。
第一特図の保留記憶数は4個であり、第二特図の保留記憶数は1個に設定されている。
【0071】
普図の当選確率は、通常遊技状態では100分の1とされ、第二特図始動口24の開放態様は約3.0秒間の開放が1回実行される。一方、開放延長遊技状態における普図の当選確率は100分の99とされている。この場合の第二特図始動口24の開放態様も約3.0秒間の開放が1回実行される。
【0072】
第一特図の図柄当りによる大当り遊技の終了後に、開放延長遊技状態に移行される確率は約50%とされ、開放延長遊技状態の継続回数は第一特図及び第二特図の変動回数が99回に達するまで、又は次に大当り(図柄当り又は役物当り)が発生するまで継続される。
第二特図の図柄当りによる大当り遊技の終了後に、開放延長遊技状態に移行される確率は100%とされ、開放延長遊技状態の継続回数は第一特図及び第二特図の変動回数が99回に達するまで、又は次に大当り(図柄当り又は役物当り)が発生するまで継続される。
第一特図の役物当りによる大当り遊技の終了後に、開放延長遊技状態に移行される確率は約100%とされ、開放延長遊技状態の継続回数は第一特図及び第二特図の変動回数が99回に達するまで、又は次に大当り(図柄当り又は役物当り)が発生するまで継続される。
また第二特図の役物当りによる大当り遊技の終了後に、開放延長遊技状態に移行される確率は約100%とされ、開放延長遊技状態の継続回数は第一特図及び第二特図の変動回数が99回に達するまで、又は次に大当り(図柄当り又は役物当り)が発生するまで継続される。
【0073】
このように本パチンコ機1は、通常遊技状態では左打ちにより第一特図始動口23を狙って、第一特図で当否判定による小当りに起因する役物当り又は図柄当りを目指す。大当り遊技終了後に開放延長遊技状態に移行された場合は、右打ちにより第二特図始動口24を狙い、第二特図では高確率で小当りと判定されるので、役物当りを発生させることを目指すという、遊技状態によって異なる打ち方で大当りを目指す遊技を楽しむことができる。
【0074】
また、本パチンコ機1は、小当り発生時に選択される小当り図柄として複数種類の小当り図柄を備えている。そして、小当り図柄に応じて小当り遊技における第二大入賞口26の開放パターンが設定される構成である。
例えば、
図9(b)に示すように、小当り図柄として、「小当り図柄A」、「小当り図柄B」、「小当り図柄C」、及び「小当り図柄D」の4種類の図柄が設定されている。
例えば、第二大入賞口26の開放パターンとして、第二大入賞口26に入球した遊技球が第一振分装置263によって、第二遊技球通路262よりも第一遊技球通路261に振り分けられる確率が高くなるように設定された「第一開放パターン」と、第一遊技球通路261よりも前記第二遊技球通路262に振り分けられる確率が高くなるように設定された「第二開放パターン」とが設定されている。
【0075】
第一特図の当否判定に起因する小当りでは、小当り図柄として、「小当り図柄A」又は「小当り図柄B」のいずれかが選択される。そして、第一特図の当否判定に起因する小当りでは、小当り図柄として「小当り図柄A」又は「小当り図柄B」のいずれかが選択されることにより、100%の確率で「第一開放パターン」が選択される。
一方、第二特図の当否判定に起因する小当りでは、小当り図柄として、「小当り図柄C」又は「小当り図柄D」のいずれかが選択される。そして、第二特図の当否判定に起因する小当りでは、小当り図柄として「小当り図柄C」又は「小当り図柄D」のいずれかが選択されることにより、100%の確率で「第二開放パターン」が選択される。
【0076】
以下、作動の詳細を主制御装置40で実行されるプログラム処理に基づいて説明する。
図10は主制御装置40で実行される「メインルーチン」のフローチャートを示し、「メインルーチン」は本処理(S100〜S111,S115)と残余処理(S112)とで構成され、2ms又は4ms周期の割り込み信号に起因して開始され、最初に正常割り込みか否かを判断する(S100)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、CPUにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるCPUの暴走等が考えられるが、CPUの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、大抵が電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
ここで正常割り込みでないとの否定判断(S100:no)ならS115の処理において初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値の書き込み、普図及び特図を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)を実行する。前記正常割り込みか否かを判断するための数値は、この初期設定の一環としてRAMに書き込まれる。
【0077】
前記S100の処理において正常割り込みとの肯定判断がなされると(S100:yes)、初期値乱数更新処理が実行される(S101)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に「1」を加算するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に「1」を加算するが、この処理を実行する前の乱数が最大値としての例えば「299」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「299」までの300個の整数を繰り返し昇順に作成する。
【0078】
続く大当り決定用乱数更新処理では(S102)、前記初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に「1」を加算するインクリメント処理であり、最大値としての例えば「299」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「299」までの300個の整数を繰り返し昇順に作成する。尚、大当り決定用乱数の最初の値は、前記初期値乱数更新処理(S101)で設定(作成)された値となる。この値が「150」であったとすると、大当り決定用乱数は「150」「151」「152」・・・「299」「0」「1」・・・と更新されていく。
【0079】
尚、大当り決定用乱数が一巡(300回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする。大当り決定用乱数は、その初期値から「1」を加算していく。そして、再び大当り決定用乱数が一巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前記の例では大当り決定用乱数が「149」になると一巡であるから、「149」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「149」「87」「88」・・・「299」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。
【0080】
続く大当り図柄決定用乱数更新処理は(S103)、例えば、「0」〜「9」の10個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に「1」を加算して最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
続く小当り図柄決定用乱数更新処理は(S104)、例えば、「0」〜「9」の10個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に「1」を加算して最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
続く普図当り決定用乱数更新処理は(S105)、例えば、「0」〜「9」の10個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に「1」を加算して最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。尚、当選することとなる値は、常に「7」である。普図当り決定用乱数は普図の当否判定に使用される。
【0081】
リーチ判定用乱数更新処理は(S106)、例えば、「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に「1」を加算して最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
変動パターン決定用乱数更新処理は(S107)、例えば、「0」〜「119」の120個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に「1」を加算して最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は、特図の当否判定に使用される。
【0082】
続く入球確認処理では(S108)、第一特図始動口23、第二特図始動口24の入球(入賞)確認、第一普図作動ゲート22A、第二普図作動ゲート22Bの遊技球の通過の確認、一般入賞口27の入球(入賞)確認、及び主制御装置40に接続された各スイッチ類の入力処理等が実行される。
【0083】
次の当否判定処理では(S109)、普図及び特図のそれぞれに対応した当否判定や、当否判定に付随する図柄変動や特別遊技処理などの処理を行なう。
続く各出力処理では(S110)、遊技の進行に応じて主制御装置40は、払出制御装置41、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43、発射制御装置44、第一大入賞口SOL512、第二大入賞口SOL513、第一振分装置SOL514、貯留装置SOL515、スパイラルタワー駆動部516、シャッタSOL517、及び第二振分装置モータ518等に対して各々出力処理を実行する。例えば、前記入球確認処理(S108)により遊技盤上の各入賞口に遊技球の入球があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置41に賞球信号を送信する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置42に出力する処理を、パチンコ機に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置43にエラー信号を出力する処理を、各々実行する。
【0084】
続く不正監視処理は(S111)、一般入賞口27に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。
【0085】
本処理に続く前記残余処理は、S112の初期値乱数更新処理で構成されるが、前記S101と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前記S100〜S111までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特図の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が一巡したときの、初期値乱数の値(0〜299の300通り)が、同程度に発生するとすれば、同期する確率はわずか300分の1である。また、前記普図当り決定用乱数更新処理(S105)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
【0086】
次に、本発明に関わりの深い入球確認処理(S108)、当否判定処理(S109)及び各出力処理(S110)の一部のサブルーチンについて説明する。
図11に示す「始動入球確認処理」は、第一特図始動口23、第二特図始動口24、第一普図作動ゲート22A、第二普図作動ゲート22Bに遊技球が入球したときに抽出される種々の乱数を、保留記憶として主制御装置40に記憶する。そして第一特図始動口23、第二特図始動口24、第一普図作動ゲート22A、第二普図作動ゲート22Bへの入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置42に送信する処理となる。
【0087】
本「始動入球確認処理」は、先ず、前記第一特図始動口SW503により第一特図始動口23への入球を検知したか否かを確認する(S200)。入球が無ければ(S200:no)、S205の処理へ移行する。第一特図始動口23への入球が有れば(S200:yes)、主制御装置40に格納されている第一特図の保留記憶の数が満杯か否かを確認する(S201)。満杯であれば(S201:yes)、S205の処理へ移行する。
保留記憶が満杯でなければ(S201:no)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出し、抽出された各種の乱数を第一特図の保留記憶として記憶し、保留記憶数を示す保留記憶カウンタに1を加算する(S202)。
続いて特図の先読み判定処理を実行する(S203)。本処理において新たに記憶された第一特図の保留記憶において大当り決定用乱数の数値が、後述する当否判定の前に、特定値(大当りとなる値など)か否かを判定する。
次に加算した保留記憶カウンタの値を示す保留数指示コマンドをサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43に送信する(S204)。
【0088】
次に前記第二特図始動口SW504により第二特図始動口24への入球を検知したか否かを確認する(S205)。入球が無ければ(S205:no)、S210の処理へ移行する。入球が有れば(S205:yes)、主制御装置40に格納されている第二特図の保留記憶の数が満杯か否かを確認する(S206)。満杯であれば(S206:yes)、S210の処理へ移行する。
保留記憶が満杯でなければ(S206:no)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出し、抽出された各種の乱数を第二特図の保留記憶として記憶し、保留記憶数を示す保留記憶カウンタに1を加算する(S207)。
次に加算した保留記憶カウンタの値を示す保留数指示コマンドをサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43に送信する(S208)。
【0089】
続いて、普図作動SW505により第一普図作動ゲート22A、第二普図作動ゲート22Bへの入球を検知したか否かを確認する(S210)。入球が無ければ(S210:no)、本「始動入球確認処理」を終了して、前記「メインルーチン」へリターンする。第一普図作動ゲート22A、第二普図作動ゲート22Bへの入球が有れば(S210:yes)、主制御装置40に格納されている普図の保留記憶の数が満杯か否かを確認する(S211)。満杯であれば(S211:yes)、リターンする。尚、普図は第一普図作動ゲート22A、第二普図作動ゲート22Bに応じて区別されず、普図の保留記憶の上限数は4個である。
保留記憶が満杯でなければ(S211:no)、普図当り決定用乱数を抽出し、抽出された普図当り決定用乱数を普図の保留記憶として記憶し、保留記憶数を示す保留記憶カウンタに1を加算する(S212)。
続いて普図の先読み判定処理を実行する(S213)。本処理において新たに記憶された保留記憶に係る普図当り決定用乱数の数値が、普図の当否判定の前に、特定値(当りとなる値など)か否かを判定する。
次に加算した保留記憶カウンタの値を示す保留数指示コマンドをサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43に送信する(S214)。その後、リターンする。
【0090】
図12乃至
図15を用いて、主制御装置40で実行される「普図当否判定処理」を説明する。
図12に示すように「普図当否判定処理」は、先ず、普電役物が作動中であるか否かを確認し(S300)、作動中でなければ(S300:no)、普図が変動中であるか否かを確認する(S301)。変動中でなければ(S301:no)、普図の確定図柄が確定表示中であるか否かを確認する(S302)。尚、普電役物が作動中(S300:yes)であれば、本「普図当否判定処理」を終了して「普図遊技処理」に移行する。
【0091】
前記S302の処理で普図の確定図柄が表示中でなければ(S302:no)、
図13に示すように、普図の保留記憶があるか確認する(S310)。普図の保留記憶がなければ(S310:no)、「普図遊技処理」に移行する。普図の保留記憶があれば(S310:yes)、保留記憶数を減算し、普図の保留記憶のシフト処理を行う(S311)。該シフト処理により普図の保留記憶のうちで最も古い保留記憶が当否判定の対象となる。
【0092】
次に、普図の当否判定用テーブルと前記当否判定の対象となる保留記憶の普図当り決定用乱数とを対比して当りか否か当否判定を行う(S312)。
前記S312の処理の当否判定が普図当りか否かの確認を行う(S313)。
普図当りであれば(S313:yes)、普図当り図柄を決定する(S314)。本実施形態では普図当り図柄は1種類で構成されている。
次に、普図当り図柄の変動時間等といった変動パターンを決定する(S315)。本実施形態では、変動パターンは、通常遊技状態では30秒、開放延長遊技状態では1秒に設定される。続いて、普電役物の開閉部材241の開放パターンを決定する(S316)。本実施形態では、開放パターンは、普図当り図柄に応じて1種類で構成されている。開放パターンは、約3.0秒間の開放が1回実行される(
図9参照)。
【0093】
図13の前記S313の処理において、ハズレであれば(S313:no)、普図のハズレ図柄の変動時間等といった変動パターンを決定する(S317)。本実施形態では、ハズレであっても変動パターンは、通常遊技状態では30秒、開放延長遊技状態では1秒に設定される。
【0094】
前記S316の処理又はS317の処理の後、普通図柄表示装置29の図柄変動開始制御を行うと共に、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ普図の変動開始コマンド等を送信する(S318)。尚、この種のコマンドには普図の変動パターン、普図の当否判定の判定結果などが含まれる。その後、「普図遊技処理」へ移行する。
【0095】
前記
図12のS301の処理で普図の変動中のときは(S301:yes)、
図14に示すように、図柄の変動時間が経過したことを確認すると(S320:yes)、普通図柄表示装置29の普図の変動表示を終了させると共に図柄を確定表示させる制御を行い、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ普図の変動表示を終了に対応するコマンドを送信する(S321)。続いて、普図の確定図柄が普図の当り図柄であるか否かを確認する(S322)。普図の当り図柄であることが確認できれば(S322:yes)、普電役物の作動を開始する(S323)。その後、「普図遊技処理」へ移行する。
【0096】
前記
図12のS302の処理で普図の確定図柄を表示中であれば(S302:yes)、
図15に示すように、確定図柄表示時間が終了したか確認する(S330)。確定図柄表示時間が終了していなければ(S330:no)、「普図遊技処理」へ移行する。
一方、確定図柄表示時間が終了したことを確認すると(S330:yes)、普通図柄表示装置29の普図の確定図柄表示を終了させる制御を行い、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ普図の確定表示終了に関するコマンドを送信する(S331)。その後、「普図遊技処理」へ移行する。
【0097】
図16に示すように「普図遊技処理」は、先ず、普電役物が作動中かであるか否かを確認する(S400)。普電役物が作動中でなければ(S400:no)、本「普図遊技処理」を終了して前記「メインルーチン」へリターンする。普電役物が作動中であれば(S400:yes)、第二特図始動口24の開閉部材241が開放中であるか否かを確認する(S401)。開閉部材241が開放中でなければ(S401:no)、開閉部材241の開放開始時間であるか否かを確認する(S402)。開閉部材241の開放開始時間でなければ(S402:no)、リターンする。開放開始時間であれば(S402:yes)、開閉部材241を前記S316(
図13)の処理で決定された前記開放パターンで開放することで第二特図始動口24を開放する(S403)。その後、リターンする。
【0098】
前記S401の処理で開閉部材241が開放中であれば(S401:yes)、
図17に示すように、第二特図始動口24に2個(規定数)の入賞があったか否かの確認(S410)、又は普電役物による第二特図始動口24の開放時間が終了したか否かを確認して(S411)、いずれか確認できれば(S410又はS411:yes)、開閉部材241により第二特図始動口24を閉鎖する(S412)。続いて、普電役物の作動を終了する(S413)。その後、リターンする。
【0099】
図18乃至
図22は主制御装置40で実施される「特図当否判定処理」のフローチャートを示し、この処理において特図の当否判定が実行される。尚、以降の説明において、第一特図又は第二特図を区別する必要がある場合を除き、両者を同等と見做して単に「特図」という。
図18に示すように、「特図当否判定処理」は、先ず、第一大入賞口の第一特電役物及び第二大入賞口の第二特電役物が未作動であるか否かを確認する(S500)。第一大入賞口の第一特電役物又は第二大入賞口の第二特電役物が作動中(S500:no)であれば、本「特図当否判定処理」を終了して後述の「特別遊技処理」へ移行する。
第一大入賞口の第一特電役物及び第二大入賞口の第二特電役物が未作動であれば(S500:yes)、特図の変動が停止中であるか否かを確認する(S501)。変動停止中であれば(S501:yes)、特図の確定図柄が未表示であるか否かを確認する(S502)。
【0100】
前記S502の処理で確定図柄が未表示中であれば(S502:yes)、第二特図の保留記憶があるか否かを確認する(S503)。保留記憶があれば(S503:yes)、保留記憶のシフト処理を行う(S504)。該シフト処理により保留記憶のうち最も古い保留記憶の乱数が当否判定の対象となる。
一方、第二特図の保留記憶がなければ(S503:no)、第一特図の保留記憶があるか否かを確認する(S505)。保留記憶があれば(S505:yes)、保留記憶のシフト処理を行う(S506)。該シフト処理により保留記憶のうち最も古い保留記憶の乱数が当否判定の対象となる。
このように、第一特図よりも第二特図を優先的に当否判定する。
第一特図及び第二特図の保留記憶がいずれもなければ(S505:no)、「特別遊技処理」へ移行する。
【0101】
前記S504の処理又は前記S506の処理に続いて、
図19に示すように、当否判定用テーブルと前記当否判定の対象となる乱数の大当り決定用乱数とを対比して当否判定を行い(S510)、当否判定が大当り(図柄当り)であるか否かの確認を行う(S511)。大当り(図柄当り)であれば(S511:yes)、前記当否判定の対象となる乱数の大当り図柄決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S512)、前記当否判定の対象となる乱数の変動パターン決定用乱数の値及び現在の遊技状態(開放延長遊技、通常遊技)によって大当りの変動パターン(変動時間)を決定する(S513)。
【0102】
次に、大当り内容設定処理において、前記大当り図柄決定用乱数の値に基づいて大当り遊技(特別遊技)の内容(第一大入賞口25の開放パターン、オープニング演出時間、エンディング演出時間等)及び大当り遊技終了後の遊技状態の設定等を行なう(S514)。
次に、第一特図表示装置28A又は第二特図表示装置28Bにおいて第一特図又は第二特図を変動表示させると共に、前記当否判定結果を示すデータ(大当り、小当り、ハズレの種類、リーチの有り無し、変動時間など)を含んだ特図変動開始コマンドをサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43に出力する処理を行う(S515)。これによりサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43は、演出図柄表示装置21において、第一特図又は第二特図に対応する擬似演出図柄の変動を開始する。その後、「特別遊技処理」へ移行する。
【0103】
前記S511の処理で大当りでなければ(S511:no)、
図20に示すように、前記大当り決定用乱数の値が前記当否判定用テーブルの小当りの当り値と一致していたか否かを判定する(S520)。小当りであれば(S520:yes)、図柄決定用乱数の値に基づいて小当り図柄を決定する(S521)。この場合、第一特図の当否判定に起因する小当りであれば、「小当り図柄A」又は「小当り図柄B」のいずれかに決定される。一方、第二特図の当否判定に起因する小当りであれば、「小当り図柄C」又は「小当り図柄D」のいずれかに決定される。
【0104】
続く変動パターン決定処理では、前記変動パターン決定用乱数の値及び現在の遊技状態に応じて小当り用の変動パターンを決定する(S522)。
続く小当り開放パターン決定処理では、前記S521の処理で決定された小当り図柄に応じて第二大入賞口26の開放パターンを決定する(S523)。この場合、第一特図の当否判定に起因する小当りであれば、「小当り図柄A」又は「小当り図柄B」のいずれかに応じて「第一開放パターン」に決定される。一方、第二特図の当否判定に起因する小当りであれば、「小当り図柄C」又は「小当り図柄D」のいずれかに応じて「第二開放パターン」に決定される。
【0105】
次に、小当り内容設定処理において、前記大当り図柄決定用乱数の値に基づいて小当り遊技の内容(例えば、オープニング演出時間、エンディング演出時間等)及び小当り遊技終了後の遊技状態等の設定を行なう(S524)。その後、開放延長フラグが「1」であるか否かを確認し、これにより開放延長遊技状態であるか否かを確認する(S525)。開放延長フラグが「1」で、開放延長遊技状態あれば(S525:yes)、開放延長遊技状態の継続を制限するための開放延長カウンタを減算し(S526)、前記S515の処理へ移行する。
【0106】
前記S511及びS520の処理で大当りでも小当りでもなければ(S511、S520:no)、当否判定はハズレとなる。本実施形態では第一特図の当否判定のときのみハズレとなる。第二特図の当否判定では大当り又は小当りとなる。次に、ハズレ図柄を決定(S527)した後に、ハズレの変動パターンを決定する(S528)。その後、前記S525の処理へ移行する。
【0107】
前記
図18のS501の処理で特図の変動が停止中でなければ(S501:no)、
図21に示すように、特図の変動時間が経過したか否かを確認する(S530)。変動時間が経過していなければ(S530:no)、「特別遊技処理」へ移行する。
一方、変動時間が経過したことを確認すると(S530:yes)、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43に図柄停止コマンドを送信する(S531)。
続くS532の処理において図柄が大当り図柄であることが確認できれば(S532:yes)、第一特図表示装置28A又は第二特図表示装置28Bにおいて第一特図又は第二特図の大当り図柄を確定表示させる処理を行う(S533)。またサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43は、演出図柄表示装置21において、第一特図又は第二特図の大当り図柄に対応する擬似演出図柄を確定表示させる。
【0108】
続いて条件装置の作動を開始させ(S534)、役物連続作動装置の作動を開始させる(S535)。条件装置は大当り遊技で役物連続作動装置の作動に必要な装置であり、役物連続作動装置は第一特電役物を連続して作動させる装置である。
その後、開放延長フラグが「1」(開放延長フラグが「1」であれば開放延長遊技状態である)であることが確認できれば(S536:yes)、開放延長フラグを「0」にリセットする(S537)。そして大当りフラグに「1」をセットする(S538)。その後、「特別遊技処理」へ移行する。
【0109】
前記S532の処理において図柄が大当り図柄であることが確認できなければ(S532:no)、S540の処理において開放延長フラグが「1」であることが確認できれば(S540:yes)、前記開放延長カウンタが「0」であるか否かを確認する(S541)。開放延長カウンタが「0」であれば(S541:yes)、前記開放延長フラグを「0」にリセットする(S542)。
【0110】
前記S540又は前記S541の処理が否定判定の場合(S540、S541:no)又は前記S542の処理の後、状態指定コマンド送信処理にて開放延長フラグ等に基づく状態指定コマンドをサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ送信する(S543)。
【0111】
次に、図柄が小当り図柄であるか否かを確認する(S544)。小当り図柄であることが確認できれば(S544:yes)、第一特図表示装置28A又は第二特図表示装置28Bにおいて小当り図柄を確定表示させる処理を行う(S545)。またサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43は、演出図柄表示装置21において、第一特図又は第二特図の小当り図柄に対応する擬似演出図柄を確定表示する。そして小当りフラグに「1」をセットする(S546)。その後、「特別遊技処理」へ移行する。
尚、本「特図当否判定処理」では、小当り状態になっても、開放延長遊技状態の上限回数に達していなければ遊技状態は開放延長遊技状態のまま継続される構成である。
【0112】
前記S544の処理で小当り図柄でなければ(S544:no)、ハズレ図柄であるので(第一特図のみ)、第一特図表示装置28Aにおいてハズレ図柄を確定表示させる処理を行う(S547)。またサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43は、演出図柄表示装置21において、第一特図のハズレ図柄に対応する擬似演出図柄を確定表示する。その後、「特別遊技処理」へ移行する。
【0113】
前記
図18のS502の処理で確定図柄表示中のときは(S502:no)、
図22に示すように、確定図柄の表示時間が経過したことを確認すると(S550:yes)、S551の確定図柄表示終了処理において第一特図表示装置28A又は第二特図表示装置28Bにおいて第一特図又は第二特図の確定図柄表示の終了、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ確定図柄表示の終了に関するコマンドを送信し、その後、「特別遊技処理」へ移行する。
前記コマンドによりサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43は、演出図柄表示装置21において、第一特図又は第二特図に対応する擬似演出図柄の確定表示を終了する。
【0114】
次に
図23乃至
図28に基づいて、主制御装置40で処理され、大当り遊技及び小当り遊技を実施する「特別遊技処理」を説明する。
図23に示すように、「特別遊技処理」は先ず、前記大当りフラグが「0」であるか否かを確認する(S600)。大当りフラグが「0」であれば(S600:yes)、大当りでないので、前記小当りフラグが「0」であるか否かを確認する(S601)。小当りフラグが「0」であれば(S601:yes)、大当りでも小当りでもないので本「特別遊技処理」を終了して「メインルーチン」へリターンする。
【0115】
前記S601の処理で小当りフラグが「0」でなければ(S601:no)、小当り開始演出中であるか否かを確認する(S602)。小当り演出中であれば(S602:yes)、小当り開始演出終了時間であるか否かを確認し(S603)、終了時間であれば(S603:yes)、続く第二大入賞口開放処理において、第二特電役物を作動させると共に第二大入賞口26を前記S523(
図20)で設定された開放パターンで開放せしめる(S604)。続いて第二大入賞口26の第一特定領域268及び第二特定領域265への入球の検知を有効とする(S605)。尚、第二特電役物を作動させるタイミングは、前記S604の処理に限るものではない。例えば、前記S546(
図21)の処理で小当りフラグに「1」をセットしたタイミングで、第二特電役物を作動させるようにしてもよい。この場合、小当り開始演出中は既に第二特電役物は作動していることとなる。
【0116】
前記S602の処理において小当り開始演出中でなければ(S602:no)、第二大入賞口26が開放中であるか否かを確認する(S606)。第二大入賞口26が開放中でなければ(S606:no)、第一特定領域268及び第二特定領域265が有効であるか否かを確認する(S607)。第一特定領域268及び第二特定領域265が有効でなければ(S607:no)、小当り終了演出中であるか否かを確認し(S608)、小当り終了演出中であれば(S608:yes)、小当り終了演出終了時間であるか否かを確認する(S609)。演出終了時間であれば(S609:yes)、続いて前記小当りフラグを「0」にリセットして小当り遊技を終了する(S610)。その後、リターンする。
【0117】
前記S608の処理において小当り終了演出中でなければ(S608:no)、小当り開始演出処理を行ない(S611)、これにより小当り開始コマンドをサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ送信する。その後、リターンする。
【0118】
前記S606の処理において第二大入賞口26が開放中であれば(S606:yes)、
図24に示すように、第二大入賞口26への入球数が規定数である10個に達したか否かを確認する(S620)。規定数に達したことを確認すれば(S620:yes)、第二大入賞口26を閉鎖する(S622)。
一方、規定数に達していなければ(S620:no)、第二大入賞口26の開放時間が終了したか否かを確認する(S621)。開放時間の終了が確認できれば(S621:yes)、前記S622の処理において第二大入賞口26を閉鎖する。
【0119】
前記S621の処理において第二大入賞口26の開放時間が終了していない(S621:no)、又は前記S607(
図23)の処理において第一特定領域268及び第二特定領域265が有効(S607:yes)であれば、
図25に示すように第一特定領域268又は第二特定領域265への入球(入賞)があるか否かを確認する(S630)。
【0120】
前記第一特定領域268又は第二特定領域265への入球があれば(S630:yes)、前記条件装置の作動を開始させ(S631)、前記役物連続作動装置の作動を開始させる(S632)。
続いて第二大入賞口26が開放中であることが確認されれば(S633:yes)、第二大入賞口26を閉鎖し(S634)、更に第一特定領域268及び第二特定領域265を無効化する(S635)。
【0121】
その後、S636の役物当り設定処理において以下の処理を行う。先ず、第一大入賞口25の開放パターン、役物当り開始演出時間、役物当り終了演出時間等の設定を行う。そして、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ役物当り開始コマンドを送信する。次に、開放延長フラグが「1」であるか否かを確認し、「1」であれば、開放延長フラグを「0」にリセットする。
更に本処理では、役物当りによる大当り遊技終了後に開放延長遊技状態に移行するか否か又はその上限回数を設定する。
【0122】
続いて小当りフラグを「0」にリセットする(S637)と共に、大当りフラグに「1」をセットする(S638)。これにより小当りから役物当りへ移行する。その後、リターンする。
尚、本「特別遊技処理」では、小当り遊技の第二大入賞口26の開放中に(S621:no)、第一特定領域268又は第二特定領域265への入球があると(S630:yes)、直ちに条件装置、役物連続作動装置を作動させ、第二大入賞口26を閉鎖し、役物当りへ移行する構成としたが、これに限るものではない。例えば、第二大入賞口26への入球が規定数に達したり(S620:yes)、第二大入賞口26の開放時間が終了したり(S621:yes)することで、第二大入賞口26が閉鎖された後に、第一特定領域268又は第二特定領域265への入球があるか否かを確認して、入球があれば、条件装置、役物連続作動装置を作動させて役物当りへ移行する構成としてもよい。
【0123】
前記S630の処理において第一特定領域268又は第二特定領域265への入球がなければ(S630:no)、第一特定領域268及び第二特定領域265の有効期間が終了したか否かを確認し(S639)、有効期間が終了であれば(S639:yes)、小当り終了演出の設定を行ない、これによりサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ小当り終了コマンドを送信する(S640)。その後、リターンする。
【0124】
前記
図23のS600の処理において大当りフラグが「0」でなければ(S600:no)、
図26に示すように、第一大入賞口25が開放中であるか否かを確認する(S650)。開放中でなければ(S650:no)、大当りのインターバル中であるか否かを確認する(S651)。
大当りのインターバル中であれば(S651:yes)、インターバル終了時間であるか否かを確認し(S652)、インターバル終了時間であれば(S652:yes)、第一特電役物を作動させて大当り遊技の次のラウンドにおける第一大入賞口25の開放を行う(S653)。その後、リターンする。
【0125】
前記S651の処理においてインターバル中でなければ(S651:no)、大当り終了演出中であるか否かを確認し(S654)、終了演出中でなければ(S654:no)、大当り開始演出中であるか否かを確認する(S655)。
大当り開始演出中であれば(S655:yes)、大当り開始演出時間が経過したか否かを確認し(S656)、演出時間の経過を確認できれば(S656:yes)、第一特電役物を作動させて大当り遊技の最初のラウンド遊技における第一大入賞口25を開放する(S657)。その後、リターンする。
【0126】
前記S655の処理において大当り開始演出中でなければ(S655:no)、大当り開始演出処理を行ない、これにより大当り開始コマンドをサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ送信する(S658)。その後、リターンする。
【0127】
前記S650の処理において第一大入賞口25が開放中であれば(S650:yes)、
図27に示すように、第一大入賞口25への入球数が規定数である10個に達したか否かを確認する(S660)。規定数に達したことを確認すれば(S660:no)、第一大入賞口25を閉鎖する(S662)。
一方、規定数に達していなければ(S660:no)、第一大入賞口25の開放時間が終了したか否かを確認する(S661)。開放時間が終了していなければ(S661:no)、リターンする。開放時間の終了であれば(S661:yes)、第一大入賞口25を閉鎖する(S662)。
【0128】
続いて大当りの最終ラウンドが終了したか否かを確認する(S663)。最終ラウンドの終了であれば(S663:yes)、大当り終了演出処理を行ない、これにより大当り終了コマンドをサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ送信する(S664)。その後、リターンする。
一方、最終ラウンドの終了でなければ(S663:no)、開放間インターバル(大当りインターバル)処理を行ない、これにより大当りインターバルコマンドをサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ送信する(S665)。その後、リターンする。
【0129】
前記S654の処理(
図26)において大当り終了演出中であれば(S654:yes)、
図28に示すように、大当り終了演出時間が経過したか否かを確認する(S670)。大当り終了演出時間が経過していなければ(S670:no)、リターンする。演出時間の経過を確認できれば(S670:yes)、前記条件装置を停止し(S671)、そして前記役物連続作動装置を停止する(S672)。
【0130】
続いて大当りや小当りとなった状況に応じて、大当り遊技終了後に開放延長遊技状態に移行するか否かを確認する(S673)。開放延長遊技状態に移行する場合には(S673:yes)、前記大当り内容設定処理(
図19のS511又は
図25のS636)で選択された開放延長遊技の上限回数を前記開放延長カウンタに設定する(S674)。そして前記開放延長フラグに「1」をセットする(S675)。次に大当り遊技終了後の遊技状態を設定するようになし、これにより大当り遊技終了後に開放延長遊技に移行する場合には開放延長遊技状態とされる(S676)。そして大当りフラグを「0」にリセットして大当り遊技を終了する(S677)。
【0131】
次に、
図29に示すタイミングチャートに基づいて、通常遊技状態における第一特図の当否判定に起因する小当り遊技の遊技内容(「第一開放パターン」)を説明する。
先ず、第一特図始動口23へ遊技球が入球し、第一特図始動口SW503が入球を検知すると(10)、第一特図の図柄変動が開始される(11)。例えば、通常遊技状態の第一特図の変動時間は約8秒に設定されている。第一特図の当否判定の結果が小当りとなり、第一特図表示装置28Aにおいて第一特図が小当り図柄で確定表示されると(11−1)と、第二特電役物が作動を開始し(12)、小当り遊技が開始される。例えば、小当り遊技の期間は約20秒間に設定される。ここでいう小当り遊技の期間とは、第二大入賞口26が開放されている期間ではなく、第二特電役物が作動している時間である。尚、小当り図柄の確定表示後に小当り遊技開始演出等が実行され、実質、小当り遊技は、小当り図柄の確定表示後の約1秒後に開始される。
【0132】
小当り遊技の開始(第二特電役物の作動開始(12))に応じて、第二大入賞口26は、遊技球が第二遊技球通路262よりも第一遊技球通路261に振り分けられる確率が高くなるように設定された「第一開放パターン」に従って開放する。「第一開放パターン」による第二大入賞口26の開放態様は、小当り遊技の開始(12)と同時に、約0.2秒間の開放(13)を行った後、約8.8秒間の閉鎖(13−1)を行う。その後、約0.2秒間の開放と約1秒間の閉鎖とを交互に約5回繰り返し行う(13−2)。尚、通常遊技状態では左打ちが行われており、小当り遊技開始時の最初の開放(13)により、右打ちに切り替える目安となる。また、「第一開放パターン」では、実質的に、遊技球が第二大入賞口26へ入球するのは、小当り遊技の開始から約9秒後の約0.2秒間の開放と約1秒間の閉鎖とを交互に繰り返す期間(13−2)である。
【0133】
第一振分装置263は、小当り遊技の開始(12)に起因して、作動を開始する。第一振分装置263は、小当り遊技の開始(12)から約0.2秒間の第二遊技球通路262への振り分け作動(前記作動位置への変位)を行った(14)後、約1.2秒間の第一遊技球通路261への振り分け作動(前記待機位置への戻り)を経て(14−1)、再び約5秒間の第二遊技球通路262への振り分け作動(前記作動位置への変位)を行う(14−2)。
【0134】
このように、第一振分装置263が予め定められた一つの動作パターンに従って振り分け作動することにより、小当り遊技の開始(12)から所定時間T(例えば約7秒)が経過するまでの第一期間P1では、小当り遊技によって開放された第二大入賞口26に入球した遊技球が第一遊技球通路261よりも第二遊技球通路262に振り分けられる確率が高くなり、所定時間Tが経過した後の第二期間P2では、第二遊技球通路262よりも第一遊技球通路261に遊技球が振り分けられる確率が高くなる。
尚、所定時間T、所定時間Tが経過するまでの第一期間P1、所定時間Tが経過した第二期間P2は、明確に遊技者からの見て異なる期間、明確に制御として区別される期間というわけではなく、単に時間経過のみで規定した決め事とする。
【0135】
貯留装置264は、小当り遊技の開始(12)に起因して、作動を開始する。貯留装置264は、小当り遊技の開始(12)から約9秒後に遊技球を貯留可能な貯留姿勢に作動する(15)。貯留姿勢を約5秒間続けた後に、貯留した遊技球を第二大入賞口26の第二エリア26bへ移動させるよう非貯留姿勢に戻る(15−1)。尚、貯留装置264は、遊技球を貯留可能な貯留姿勢に作動する時期が、実質的に、遊技球が第二大入賞口26へ入球する前記期間(13−2)と一致するように構成されている。
このように、貯留装置264は、小当り遊技の開始(12)から所定時間Tが経過するまでの第一期間P1又は所定時間Tが経過した後の第二期間P2のうち、第二大入賞口26に入球した遊技球が第一遊技球通路261よりも第二遊技球通路262に振り分けられる確率が高い第一期間P1では遊技球を貯留しない。
【0136】
シャッタ267は、小当り遊技の開始(12)に起因して、作動を開始する。シャッタ267は、小当り遊技の開始(12)から約9秒後に、約0.2秒の遮断状態と、約1秒の非遮断状態とを交互に複数回にわたり繰り返す(16)。尚、シャッタ267は、遮断状態と非遮断状態とを交互に繰り返す作動開始が、実質的に、貯留装置264の貯留姿勢への作動開始(15)と一致するように構成されている。またシャッタ267は、第二特電役物の作動終了(小当り遊技の終了)により作動を終了する。
【0137】
第一特図の当否判定に起因する小当り遊技では、第一大入賞口25は作動しない。
【0138】
第一特図の小当り遊技における第二大入賞口26の「第一開放パターン」では、実質的に、遊技球が第二大入賞口26へ入球するのは、小当り遊技の開始(12)から約9秒経過した小当り遊技の後半における約0.2秒間の開放と約1秒間の閉鎖とを交互に繰り返す期間(13−2)である。
これに対して、第一振分装置263は、小当り遊技の前半時期の小当り遊技の開始(12)から約7秒間に遊技球を第二遊技球通路262へ振り分けるように作動する。
従って、これらの関係から、第一特図の小当り遊技では、実質的に、第二大入賞口26へ入球した遊技球は、第二遊技球通路262へ振り分けられることなく、第一遊技球通路261へ振り分けられる。
【0139】
また、第二大入賞口26への入球可能な前記期間(13−2)と、貯留装置264の貯留姿勢への作動期間(15)とが一致しているので、第二大入賞口26へ入球し、第一遊技球通路261へ振り分けられた遊技球は、それらの一つが貯留装置264に貯留され、且つ第二大入賞口26の第二エリア26bへ移動可能とされる。この場合、貯留装置264は、貯留可能な遊技球が一球のみであり、貯留装置264の前記貯留姿勢への作動及び前記非貯留姿勢へ戻る動作が一度のみであるので、第二エリア26bへは一球のみが移動可能である。従って、第一遊技球通路261を流下した遊技球のほとんどが取込口205aにより遊技盤2内へ取り込まれ、第二エリア26bに移行できない。即ち、第一遊技球通路261を通過したが貯留装置264に貯留されなかった遊技球は、第一特定領域268に入球させないように構成されている。
【0140】
このように、第一特図の当否判定に起因する小当り遊技では、第二大入賞口26へ入球した遊技球は、第一遊技球通路261、貯留装置264を経て、第二エリア26bへ移動し、更に、スパイラルタワー266、ガイドレール2665、遊技球落下部2666を経て第二振分装置269へ向かって移動可能となる。従って、遊技者は、スパイラルタワー266に沿って上昇する遊技球、ガイドレール2665から遊技球落下部2666へ移動する遊技球、遊技球落下部2666から第二振分装置269へ落下する遊技球、第二振分装置269により振り分けられる遊技球の挙動を楽しむことができる。また、スパイラルタワー266に沿って上昇する遊技球がシャッタ267により第二振分装置269への移動が阻止されないかといったドキドキ感や、第二振分装置269により第一特定領域268へ振り分けられて役物当りを獲得することに関する期待感を高めることとなる。しかしながら、シャッタ267の作動や第二振分装置269の作動により、遊技球の第一特定領域268への入球は容易であるとはいえない。
以上のように、第二エリア26bに配置された第一特定領域268へは、仮に第二大入賞口26に多くの遊技球が入球しても、第一特定領域268に入球する確率は低い。
勿論、取込口205a,205b,205c,205dにより遊技盤2内へ取り込まれた遊技球は、第一特定領域268又は第二特定領域265へ入球することはない。
【0141】
次に、
図30に示すタイミングチャートに基づいて、開放延長遊技状態における第二特図の当否判定に起因する小当り遊技の遊技内容(「第二開放パターン」)を説明する。
先ず、第一普図作動ゲート22A又は第二普図作動ゲート22Bへ遊技球が入球し、普図作動SW505が入球を検知すると(20)、普図の図柄変動が開始される(21)。例えば、開放延長遊技状態の普図の変動時間は約1秒に設定されている。普図の当否判定の結果が当りとなり、普通図柄表示装置29において普図が当り図柄で確定表示されると(21−1)と、開閉部材241が作動して第二特図始動口24が開放する(22)。例えば、第二特図始動口24の開放期間は約3秒に設定されている。
【0142】
第二特図始動口24に遊技球が入球し、第二特図始動口SW504が入球を検知すると(23)、第二特図の図柄変動が開始される(24)。例えば、開放延長遊技状態の第二特図の変動時間は約3秒に設定されている。第二特図の当否判定の結果が小当りとなり、第二特図表示装置28Bにおいて第二特図が小当り図柄で確定表示されると(24−1)と、第二特電役物が作動を開始し(25)、小当り遊技が開始される。例えば、小当り遊技の期間は約20秒に設定されている。ここでいう小当り遊技の期間とは、第二大入賞口26が開放されている期間ではなく、第二特電役物が作動している時間である。尚、小当り図柄の確定表示後に小当り遊技開始演出等が行われ、実質、小当り遊技は、小当り図柄の確定表示後の約1秒後に開始される。
【0143】
小当り遊技の開始(第二特電役物の作動開始(25))に応じて、第二大入賞口26は、遊技球が第一遊技球通路261よりも前記第二遊技球通路262に振り分けられる確率が高くなるように設定された「第二開放パターン」に従って開放する。「第二開放パターン」による第二大入賞口26の開放態様は、小当り遊技の開始(25)と同時に、約0.2秒間の開放と約1秒間の閉鎖とを交互に約5回繰り返し行う(26)。尚、「第二開放パターン」では、実質的に、遊技球が第二大入賞口26へ入球するのは、小当り遊技の前半時期の小当り遊技の開始(25)から約5秒間の開放と閉鎖とを交互に繰り返す期間(26)である。
【0144】
第一振分装置263は、小当り遊技の開始(25)に起因して、作動を開始する。第一振分装置263は、小当り遊技の開始から約0.2秒間の第二遊技球通路262への振り分け作動(前記作動位置への変位)を行った(27)後、約1.2秒間の第一遊技球通路261への振り分け作動(前記待機位置への戻り)を経て(27−1)、再び約5秒間の第二遊技球通路262への振り分け作動(前記作動位置への変位)を行う(27−2)。
【0145】
通常遊技状態における第一特図の当否判定に起因する小当り遊技の「第一開放パターン」と同様に、第一振分装置263が予め定められた一つの動作パターンに従って振り分け作動することにより、小当り遊技の開始(25)から所定時間T(例えば約7秒)が経過するまでの第一期間P1では、小当り遊技によって開放された第二大入賞口26に入球した遊技球が第一遊技球通路261よりも第二遊技球通路262に振り分けられる確率が高くなり、所定時間Tが経過した後の第二期間P2では、第二遊技球通路262よりも第一遊技球通路261に遊技球が振り分けられる確率が高くなる。
【0146】
貯留装置264は、小当り遊技の開始(25)に起因して、作動を開始する。貯留装置264は、小当り遊技の開始(25)から約9秒後に遊技球を貯留可能な貯留姿勢に作動する(28)。貯留姿勢を約5秒間続けた後に、貯留した遊技球を第二大入賞口26の第二エリア26bへ移動させるよう非貯留姿勢に戻る(28−1)。
通常遊技状態における第一特図の当否判定に起因する小当り遊技時の「第一開放パターン」と同様に、貯留装置264は、小当り遊技の開始(25)から所定時間Tが経過するまでの第一期間P1又は所定時間Tが経過した後の第二期間P2のうち、第二大入賞口26に入球した遊技球が第一遊技球通路261よりも第二遊技球通路262に振り分けられる確率が高い第一期間P1では遊技球を貯留しない。
【0147】
シャッタ267は、小当り遊技の開始(25)に起因して、作動を開始する。シャッタ267は、小当り遊技の開始(25)から約9秒後に、約0.2秒間の遮断状態と、約1秒間の非遮断状態とを交互に複数回にわたり繰り返す(29)。尚、シャッタ267は、第二特電役物の作動終了(小当り遊技の終了)により作動を終了する。
【0148】
尚、第一振分装置263、貯留装置264、シャッタ267の動作は、第一特図の当否判定に起因する小当り遊技の「第一開放パターン」でも、第二特図の当否判定に起因する小当り遊技の「第二開放パターン」でも同じ動作である。また、第二振分装置269、スパイラルタワー266も電源投入時から動作が一定であるので、「第一開放パターン」でも「第二開放パターン」でも同じ動作である。
第二特図の当否判定に起因する小当り遊技では、第一大入賞口25は作動しない。
【0149】
第二特図の小当り遊技における第二大入賞口26の「第二開放パターン」では、実質的に、遊技球が第二大入賞口26へ入球するのは、小当り遊技の開始(25)から約5秒間の約0.2秒間の開放と約1秒間の閉鎖とを交互に繰り返す期間(26)である。
これに対して、第一振分装置263は、小当り遊技の開始から約7秒間に遊技球を第二遊技球通路262へ振り分けるように作動する。
従って、これらの関係から、第二特図の小当り遊技では、実質的に、第二大入賞口26へ入球した遊技球は、第一遊技球通路261へ振り分けられることなく、第二遊技球通路262へ振り分けられる。
【0150】
このように、第二特図の当否判定に起因する小当り遊技では、第二大入賞口26へ入球した遊技球は、第二遊技球通路262を経て、勿論、貯留装置264に貯留されることなく、第二特定領域265を通過可能なとなる。従って、小当り遊技の開始から短時間で遊技球が第二特定領域265へ入球することとなり、素早く役物当りへ移行させることができる。
【0151】
本実施形態のパチンコ機1は、遊技領域〔
図2:20〕に向けて遊技球を発射して遊技を行う弾球遊技機であって、所定の開放条件が成立することで大入賞口〔
図2:26〕の入口〔
図2:26e〕が開放され、開放された大入賞口〔26〕に入球した遊技球が、大入賞口〔26〕に設けられた振分装置〔
図2:269〕によって振り分けられ、大入賞口〔26〕に設けられた特定領域〔
図2:268〕に入球することで大当り遊技が開始される弾球遊技機において、大入賞口〔26〕に入球した遊技球を上昇させる上昇装置〔
図2:266〕を設け、大入賞口〔26〕の入口〔26e〕を、遊技領域〔20〕の上下方向における中心線〔
図2:CL〕よりも、遊技者から見て低い位置である第一位置に配置し、大入賞口〔26〕に入球した所定の遊技球を、上昇装置〔266〕によって、遊技者から見て前記第一位置よりも高い第二位置まで上昇させ、前記第二位置まで上昇した遊技球が振分装置〔269〕によって特定領域〔268〕に入球するか否かに振り分けられるように構成されている。
【0152】
本実施形態によれば、大入賞口〔26〕の入口〔26e〕を、遊技領域〔20〕における上下方向の中心線〔CL〕よりも下方に設けたので、発射した遊技球が大入賞口〔26〕に入球するか否かが早期に決まってしまうことはなく、遊技者は発射した遊技球が大入賞口〔26〕に入球するか否かの遊技球の挙動を充分に楽しむことができる。また、大入賞口〔26〕の入口〔26e〕を、遊技領域〔20〕における上下方向の中心線〔CL〕よりも下方に設けても、大入賞口〔26〕に入球した遊技球は、上昇装置〔266〕によって、大入賞口〔26〕の入口〔26e〕よりも高い位置に持ち上げられ、その後、振分装置〔269〕による振り分けが行われるので、振分装置〔269〕を大型にすることができ、振分装置〔269〕によって遊技球が振り分けられる様子が見易くなって、振分装置〔269〕によって遊技球が振り分けられる様子を充分に楽しむことができる。従って、遊技球が大入賞口〔26〕に入球するか否かの遊技球の挙動、振分装置〔269〕によって遊技球が振り分けられる様子を、遊技者が充分に楽しむことができる弾球遊技機を提供することができる。
【0153】
また、本実施形態のパチンコ機1は、振分装置〔269〕を、遊技者から見て前記第一位置よりも低い位置に配置されている。
【0154】
これによれば、遊技球を上昇装置〔266〕によって、一旦、大入賞口〔26〕の入口〔26e〕よりも高い位置に上昇させた後に、大入賞口〔26〕の入口〔26e〕よりも低い位置に設置された振分装置〔269〕に移動させるので、遊技球が振分装置〔269〕によって振り分けるまでの時間が長くなり、遊技者は、その時間で大当り遊技への期待感が高まって、より、一層、趣向性が増す。
【0155】
更に、本実施形態のパチンコ機1は、上昇装置〔266〕によって前記第二位置まで上昇した遊技球を振分装置〔269〕に向けて落下させる落下装置〔2666〕を設けた。
【0156】
これによれば、上昇装置〔266〕によって高い位置まで上昇させた遊技球を振分装置〔269〕に向けて落下させるので遊技球はダイナミックな動きとなり、且つ振分装置〔269〕において遊技球の予想外の動きが起こる可能性が高まる。
【0157】
次に、
図31及び
図32に基づいて、前記実施形態の変形実施例について説明する。例えば、前記実施形態において、第一特図の小当り遊技における「第一開放パターン」では小当り遊技の後半時期に遊技球が第二遊技球通路262よりも第一遊技球通路261に振り分けられる確率が高くなるように設定され、第二特図の小当り遊技における「第二開放パターン」では小当り遊技の前半時期に遊技球が第一遊技球通路261よりも前記第二遊技球通路262に振り分けられる確率が高くなるように設定されているが、これらに限るものではない。
【0158】
前記実施形態の変形実施例のパチンコ機に用いられる「他の第一開放パターン」として、
図31に示すように、小当り遊技の前半時期に、遊技球が第一遊技球通路261に振り分けられる確率が高くなるように設定してもよい。
例えば、第一特図始動口23へ遊技球が入球し、第一特図始動口SW503が入球を検知すると(30)、第一特図の図柄変動が開始され(31)、第一特図の当否判定の結果が小当りとなり、第一特図が小当り図柄で確定表示されると(31−1)と、第二特電役物が作動を開始し(32)、小当り遊技が開始される。例えば、小当り遊技の期間は約20秒間に設定される。ここでいう小当り遊技の期間とは、第二大入賞口26が開放されている期間ではなく、第二特電役物が作動している時間である。実質、小当り遊技は、小当り図柄の確定表示後の約1秒後に開始される。
【0159】
小当り遊技の開始(第二特電役物の作動開始(32))に応じて、第二大入賞口26は、小当り遊技の開始(32)と同時に、約0.2秒間の開放と約1秒間の閉鎖とを交互に約5回繰り返し行う(33)。「他の第一開放パターン」では、実質的に、遊技球が第二大入賞口26へ入球するのは、小当り遊技の開始からの0.2秒間の開放と約1秒間の閉鎖とを交互に繰り返す期間(33)である。
【0160】
第一振分装置263は、小当り遊技の開始(32)から第二大入賞口26の開放期間が終了した約9秒後に約0.2秒間の第二遊技球通路262への振り分け作動を行った(34)後、約1.2秒間の第一遊技球通路261への振り分け作動を経て(34−1)、再び約5秒間の第二遊技球通路262への振り分け作動を行う(34−2)。
このように、第一振分装置263が予め定められた他の一つの動作パターンに従って振り分け作動することにより、小当り遊技の開始(32)から所定時間T(例えば約7秒)が経過するまでの第一期間P1では、小当り遊技によって開放された第二大入賞口26に入球した遊技球が第二遊技球通路262よりも第一遊技球通路261に振り分けられる確率が高くなり、所定時間Tが経過した後の第二期間P2では、第一遊技球通路261よりも第二遊技球通路262に遊技球が振り分けられる確率が高くなる。
尚、所定時間T、所定時間Tが経過するまでの第一期間P1、所定時間Tが経過した第二期間P2は、明確に遊技者からの見て異なる期間、明確に制御として区別される期間というわけではなく、単に時間経過のみで規定した決め事とする。
【0161】
貯留装置264は、小当り遊技の開始(32)と同時に、遊技球を貯留可能な貯留姿勢に作動する(35)。貯留姿勢を約5秒間続けた後に、貯留した遊技球を第二大入賞口26の第二エリア26bへ移動させるよう非貯留姿勢に戻る(35−1)。尚、貯留装置264は、遊技球を貯留可能な貯留姿勢に作動する時期が、実質的に、遊技球が第二大入賞口26へ入球する前記期間(33)と一致するように構成されている。
このように、貯留装置264は、小当り遊技の開始(32)から所定時間Tが経過するまでの第一期間P1又は所定時間Tが経過した後の第二期間P2のうち、第二大入賞口26に入球した遊技球が第一遊技球通路261よりも第二遊技球通路262に振り分けられる確率が高い第二期間P2では遊技球を貯留しない。
【0162】
シャッタ267は、小当り遊技の開始(32)と同時に、約0.2秒の遮断状態と、約1秒の非遮断状態とを交互に複数回にわたり繰り返す(16)。シャッタ267は、第二特電役物の作動終了(小当り遊技の終了)により作動を終了する構成とする。
【0163】
「他の第一開放パターン」では、実質的に、遊技球が第二大入賞口26へ入球するのは、小当り遊技の開始(32)から約5秒間の約0.2秒間の開放と約1秒間の閉鎖とを交互に繰り返す期間(33)である。
これに対して、第一振分装置263は、小当り遊技の開始から9秒後に、遊技球を第二遊技球通路262へ振り分けるように作動する。
これらの関係から、「他の第一開放パターン」では、実質的に、第二大入賞口26へ入球した遊技球は、第一遊技球通路261へ振り分けられることになる。
【0164】
前記変形実施例のパチンコ機に用いられる「他の第二開放パターン」として、
図32に示すように、小当り遊技の後半時期に遊技球が第二遊技球通路262に振り分けられる確率が高くなるように設定してもよい。
例えば、第一普図作動ゲート22A又は第二普図作動ゲート22Bへ遊技球が入球し、普図作動SW505が入球を検知すると(40)、普図の図柄変動が開始され(41)、普図の当否判定の結果が当りとなり、普図が当り図柄で確定表示されると(41−1)と、第二特図始動口24が開放する(42)。
【0165】
第二特図始動口24に遊技球が入球し、第二特図始動口SW504が入球を検知すると(43)、第二特図の図柄変動が開始され(44)、第二特図の当否判定の結果が小当りとなり、第二特図が小当り図柄で確定表示されると(44−1)、第二特電役物が作動を開始し(45)、小当り遊技が開始される。例えば、小当り遊技の期間は約20秒に設定されている。ここでいう小当り遊技の期間とは、第二大入賞口26が開放されている期間ではなく、第二特電役物が作動している時間である。実質、小当り遊技は、小当り図柄の確定表示後の約1秒後に開始される。
【0166】
小当り遊技の開始(第二特電役物の作動開始(45))に応じて、第二大入賞口26は、小当り遊技の開始(12)と同時に、約0.2秒間の開放(46)を行った後、約8.8秒間の閉鎖(46−1)を行う。その後、約0.2秒間の開放と約1秒間の閉鎖とを交互に約5回繰り返し行う(46−2)。「他の第二開放パターン」では、実質的に、遊技球が第二大入賞口26へ入球するのは、小当り遊技の開始から約9秒後の約0.2秒間の開放と約1秒間の閉鎖とを交互に繰り返す期間(46−2)となる。
【0167】
第一振分装置263は、小当り遊技の開始から約9秒後に、約0.2秒間の第二遊技球通路262への振り分け作動(前記作動位置への変位)を行った(47)後、約1.2秒間の第一遊技球通路261への振り分け作動(前記待機位置への戻り)を経て(47−1)、再び約5秒間の第二遊技球通路262への振り分け作動(前記作動位置への変位)を行う(47−2)。
「他の第一開放パターン」と同様に、第一振分装置263が予め定められた他の一つの動作パターンに従って振り分け作動することにより、小当り遊技の開始(45)から所定時間T(例えば約7秒)が経過するまでの第一期間P1では、小当り遊技によって開放された第二大入賞口26に入球した遊技球が第二遊技球通路262よりも第一遊技球通路261に振り分けられる確率が高くなり、所定時間Tが経過した後の第二期間P2では、第一遊技球通路261よりも第二遊技球通路262に遊技球が振り分けられる確率が高くなる。
【0168】
貯留装置264は、小当り遊技の開始(45)から遊技球を貯留可能な貯留姿勢に作動する(48)。貯留姿勢を約5秒間続けた後に、貯留した遊技球を第二大入賞口26の第二エリア26bへ移動させるよう非貯留姿勢に戻る(48−1)。
「他の第一開放パターン」と同様に、貯留装置264は、小当り遊技の開始(45)から所定時間Tが経過するまでの第一期間P1又は所定時間Tが経過した後の第二期間P2のうち、第二大入賞口26に入球した遊技球が第一遊技球通路261よりも第二遊技球通路262に振り分けられる確率が高い第二期間P2では遊技球を貯留しない。
【0169】
シャッタ267は、小当り遊技の開始(45)から、約0.2秒間の遮断状態と、約1秒間の非遮断状態とを交互に複数回にわたり繰り返す(49)。尚、シャッタ267は、第二特電役物の作動終了(小当り遊技の終了)により作動を終了する。
【0170】
「他の第二開放パターン」では、実質的に、遊技球が第二大入賞口26へ入球するのは、小当り遊技の開始(45)から9秒後に、約0.2秒間の開放と約1秒間の閉鎖とを交互に繰り返す約5秒間の期間(46−2)である。
これに対して、第一振分装置263は、小当り遊技の開始から約9秒後に、遊技球を第二遊技球通路262へ振り分けるように作動する。
これらの関係から、第二特図の小当り遊技では、実質的に、第二大入賞口26へ入球した遊技球は、第二遊技球通路262へ振り分けられることとなる。
従って、「他の第一開放パターン」、「他の第二開放パターン」を用いた本変形実施例によれば、前記実施形態と同様な作用効果が得られる。
【0171】
尚、本発明は前記実施形態及び前記変形実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは勿論である。例えば、前記実施形態及び前記変形実施例では、大入賞口として、大当り遊技で開放する第一大入賞口25と、第一特定領域268、第二特定領域265を備え、小当り遊技で開放する第二大入賞口26とを備えるが、これに限らず、大入賞口として、特定領域を有する第二大入賞口26と同様な構成を備えた一つの大入賞口で構成してもよい。この場合、大当り遊技では、貯留装置を作動させずに第二エリア側へ遊技球が移動しないようにし、且つ、特定領域を無効とする。
【0172】
また前記実施形態では、第一特図の当否判定に起因する小当り遊技では100%の確率で「第一開放パターン」が設定され、第二特図の当否判定に起因する小当り遊技では100%の確率で「第二開放パターン」が設定される構成であるが、これらに限るものではない。例えば、第一特図の当否判定に起因する小当り遊技において、「第一開放パターン」が設定されるよりも極めて低い確率で「第二開放パターン」が設定される構成でもよい。更に第二特図の当否判定に起因する小当り遊技において、「第二開放パターン」が設定されるよりも極めて低い確率で「第一開放パターン」が設定される構成でもよい。
【0173】
また前記実施形態では、小当り遊技の開放パターンとして「第一開放パターン」又は「第二開放パターン」のいずれかを設定する構成であるが、これに限らず、「第一開放パターン」、「第二開放パターン」に加えて他の開放パターンを設定可能としてもよい。例えば、「第三開放パターン」として、第一振分装置263により、遊技球を、第一遊技球通路261へ振り分ける確率と、第二遊技球通路262へ振り分ける確率とを同等する開放パターンを設定可能としてもよい。
【0174】
また本発明は、パチンコ機台内に所定数の遊技球が封入され、封入された遊技球を遊技盤の遊技領域に向けて発射すると共に、発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を再度発射することで内部の所定数の遊技球を循環的に使用して遊技を行う封入式パチンコ機に適用してもよい。
【0175】
更に本発明は、大入賞口が開放される「所定の開放条件」として、特別図柄に関する当否判定が実行されて当否判定の結果に応じて特別図柄表示装置に小当り図柄が確定表示される構成であり、以下に記載する弾球遊技機に好適に用いることができる。
例えば、前記実施形態では、第一特図の当否判定に起因する小当り遊技では「第一開放パターン」が設定され、第二特図の当否判定に起因する小当り遊技では「第二開放パターン」が設定される構成であるが、これに限らず、通常遊技状態において、第二特図の当否判定に起因する小当り遊技では「第二開放パターン」よりも「第一開放パターン」が設定される確率を高くする、一方、開放延長遊技状態において、第二特図の当否判定に起因する小当り遊技では「第一開放パターン」よりも「第二開放パターン」が設定される確率を高くする構成にしてもよい。この場合、普図作動ゲートを遊技領域の右側だけでなく、左側にも配置することで通常遊技状態の左打ちにおいても、普図が変動し、第二特図始動口への入球が可能になる構成とする。また、このような構成においても、遊技状態に関係なく、第一特図の当否判定に起因する小当り遊技では、前記「第二開放パターン」よりも前記「第一開放パターン」が設定される確率を高くした構成が好適である。又は、第一特図の当否判定においては小当り遊技が発生しない構成としてもよい。
詳しくは、
普通図柄作動口への遊技球の入球に起因して抽出された数値データに基づいて行われる、開閉部材を開放させるか否かの判定である普通図柄の当否判定の結果を報知する普通図柄表示装置と、
常時入球可能な第一特別図柄始動口への遊技球の入球に起因して抽出された数値データに基づいて行われる第一特別図柄の当否判定の結果を報知する第一特別図柄表示装置と、
前記開閉部材により開放される第二特別図柄始動口への遊技球の入球に起因して抽出された数値データに基づいて行われる第二特別図柄の当否判定の結果を報知する第二特別図柄表示装置と、
少なくとも、前記第二特別図柄表示装置に小当り図柄が確定表示されることで、特定領域を備えた大入賞口を開放させる小当り遊技を実行させる小当り遊技実行手段と、
前記小当り遊技における前記大入賞口の開放パターンを、複数種類の前記開放パターンから一つの開放パターンを設定する小当り遊技開放パターン設定手段と、
前記小当り遊技中に前記特定領域に遊技球が入球すること、又は、前記第一特別図柄表示装置若しくは前記第二特別図柄表示装置に大当り図柄が確定表示されることで、大当り遊技を実行させる大当り遊技実行手段と、
通常遊技状態よりも、単位時間あたりの前記第二特別図柄始動口への入球率が高く設定された状態である開放延長遊技状態を実行させる開放延長遊技実行手段と、を備え、
所定の発射威力未満で発射された遊技球が流下する第一遊技領域と、前記所定の発射威力以上で発射された遊技球が流下する第二遊技領域とに、遊技球を打ち分けて遊技を実行可能であり、
前記第一特別図柄始動口が、前記第二遊技領域を流下した遊技球よりも前記第一遊技領域を流下した遊技球のほうが入球し易い位置に配置され、
前記普通図柄作動口が、前記第一遊技領域を流下した遊技球が入球可能な位置、及び、前記第二遊技領域を流下した遊技球が入球可能な位置にそれぞれ配置され、
前記第二特別図柄始動口と、前記特定領域を備えた大入賞口とが、前記第一遊技領域を流下した遊技球よりも前記第二遊技領域を流下した遊技球のほうが入球し易い位置に配置され、
前記第二特別図柄表示装置には、前記第二特別図柄の当否判定によって前記大当り図柄が確定表示される確率よりも前記小当り図柄が確定表示される確率を高くした弾球遊技機であって、
前記大入賞口内には、前記特定領域として、第一特定領域、及び、第二特定領域が設けられ、
且つ前記大入賞口内には、
前記第一特定領域へ向けて遊技球を誘導可能な第一遊技球通路と、
前記第二特定領域へ向けて遊技球を誘導可能な第二遊技球通路と、
前記大入賞口に入球した遊技球を、前記第一遊技球通路、又は、前記第二遊技球通路に振り分ける第一振分装置と、
前記第一遊技球通路に設けられ、遊技球を前記第一特定領域に入球可能とするか不可能とするかを振り分ける第二振分装置と、を備え、
前記第一振分装置は、前記小当り遊技の開始、又は、前記大入賞口の開放を契機に予め定められた一つの動作パターンに従って作動するように構成され、
前記第二振分装置は、前記小当り遊技の開始、及び、前記大入賞口の開放との関連性なく作動するように構成され、
前記小当り遊技開放パターン設定手段は、
前記小当り遊技における前記大入賞口の前記開放パターンとして、少なくとも、前記大入賞口に入球した遊技球が前記第一振分装置によって、前記第二遊技球通路よりも前記第一遊技球通路に振り分けられる確率が高くなるように設定された第一開放パターンと、前記第一遊技球通路よりも前記第二遊技球通路に振り分けられる確率が高くなるように設定された第二開放パターンと、から一つの開放パターンを設定することが可能であり、
前記通常遊技状態で、且つ前記第二特別図柄表示装置に前記小当り図柄が確定表示されたことで開始される前記小当り遊技では、前記小当り遊技開放パターン設定手段により、前記第二開放パターンよりも前記第一開放パターンが行われる確率が高くなるように設定され、
前記開放延長遊技状態で、且つ前記第二特別図柄表示装置に前記小当り図柄が確定表示されたことで開始される前記小当り遊技では、前記小当り遊技開放パターン設定手段により、前記第一開放パターンよりも前記第二開放パターンが行われる確率が高くなるように設定された弾球遊技機において、
前記大入賞口に入球した遊技球を上昇させる上昇装置を、前記第一遊技球通路に設け、
前記大入賞口の入口を、前記遊技領域の上下方向における中心線よりも、遊技者から見て低い位置である第一位置に配置し、
前記大入賞口に入球した所定の遊技球を、前記上昇装置によって、遊技者から見て前記第一位置よりも高い第二位置まで上昇させ、前記第二位置まで上昇した遊技球が前記第二振分装置によって前記第一特定領域に入球するか否かに振り分けられるように構成した。
つまり、第二特別図柄表示装置に小当り図柄が表示された場合に、遊技状態に応じて小当り遊技として開放される開放パターンを相違させる構成とする(遊技状態に応じて、確定表示される小当り図柄の種類選択率が異なる構成)。
尚、本構成において、遊技状態に関係なく、第一特別図柄表示装置に小当り図柄が表示された場合には、「第二開放パターン」の小当り遊技よりも「第一開放パターン」の小当り遊技が行われる確率を高くする構成が望ましい。また、このような構成においては、第一特図の当否判定において小当り判定がされず、第一特別図柄表示装置には小当り図柄が確定表示されない構成としてもよい。