(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
(実施形態)
以下、
図1〜
図12を参照して、本発明に係る複数の実施形態について説明する。
なお、各実施形態の説明にあたり、理解を容易にするために、適宜、XYZ直交座標系を用いた。この座標系は、
図2の状態を基準に、遊技用装置10の左右方向X(左側X1、右側X2)、奥行方向Y(手前側Y1、奥側Y2)、鉛直方向Z(下側Z1、上側Z2)を表すものとする。
【0008】
(第1実施形態)
図1に示すように、遊技用装置10は、パチンコ機、スロットマシン等の遊技機を備える遊技場の通路等に設置される。
遊技用装置10は、好ましくは収容箱5(設置部材、遊技媒体収容部材)に載置される。また、収容箱5を複数重ねる場合には、遊技用装置10は、最上段の収容箱5に載置されることが好ましい。
【0009】
収容箱5は、遊技者が遊技で獲得した遊技媒体を収容する箱体である。以下の説明では、収容される遊技媒体が遊技球である例について説明するが、適宜メダルに置き換え可能である。
収容箱5は、遊技場の床G(対象物)上に配置可能である。つまり、床Gは、収容箱5の設置面である。本実施形態では、一例として、収容箱5を遊技球で一杯にした際の玉数が1700玉であり、収容箱5の大きさが高さ10cmであるものとして説明する。つまり、収容箱5は、所定量の遊技球として1700玉を収容可能な大きさを有するものである。また、遊技球で一杯にした状態の収容箱5が2段、3段、4段、5段に積み重ねられた場合の高さを、それぞれ20cm、30cm、40cm、50cmとして説明する。
【0010】
(遊技用装置の構成)
図2に示すように、遊技用装置10は、設定用のリモコン70(設定用無線機)を備えることが好ましい。遊技用装置10及びリモコン70間は、赤外線等による無線通信が可能である。
遊技用装置10は、載置板11、測距センサ15(計測手段)、台形部20、紙ポップ保持部25、回転灯30(報知手段、演出手段)、玉数表示部35(報知手段、遊技媒体数情報表示手段)、電池40、保持部45を備える。
【0011】
載置板11は、収容箱5上に載置される板状の部材である。載置板11が収容箱5上に載置された状態において、載置板11及び床Gは、平行又はほぼ平行である。
載置板11を上側Z2から見た形状は、長方形である。長辺部の長さは、収容箱5の短辺部の長さよりも大きい。
載置板11には、電池40、記憶部55、制御部56等が収容されている。
【0012】
測距センサ15は、載置板11と遊技場の床Gとの間の距離、つまり載置板11の床Gからの高さh(
図3参照)を計測するためのセンサである。
測距センサ15は、載置板11の短辺部に設置されている。このため、載置板11が収容箱5に載置された状態では、測距センサ15は、収容箱5の外形よりも外側に配置される。測距センサ15のタイプは、限定されず、例えば、赤外線を利用したものを利用できる。このタイプは、対象物(つまり床G)に赤外線を発光する赤外線発光ダイオードと、対象物で反射した赤外線を受光する受光素子とを備え、三角測量の原理を用いて対象物までの距離を測るものである。
【0013】
台形部20は、載置板11の上側Z2に設けられた部材である。
台形部20を左右方向Xから見た形状は、等脚台形である。
台形部20の底部21は、載置板11に固定されている。
台形部20の斜面22のうち、上側Z2の範囲には玉数表示部35が配置され、下側Z1の範囲には紙ポップ26が配置される。なお、台形部20の2つの斜面22(手前側Y1の面、奥側Y2の面)のそれぞれに玉数表示部35、紙ポップ26が配置されている。このため、遊技機で遊技している遊技者だけでなく、他の来場者も、紙ポップ26、玉数表示部35の表示内容を確認できる。
また、上面23には、回転灯30が載置されている。
【0014】
紙ポップ保持部25は、紙ポップ26を、台形部20に対して着脱可能に保持する部材である。
紙ポップ保持部25は、2つのフレーム25aを備える。
フレーム25aは、断面形状がL字状の部材である。2つのフレーム25aは、紙ポップ26の上辺部、下辺部を保持することにより、紙ポップ26を保持する。
紙ポップ26は、紙材等で作製されるシート状の広告媒体である。紙ポップ26は、紙ポップ保持部25に対して、左右方向Xに挿抜することにより、着脱可能に保持される。これにより、紙ポップ26は、容易に交換できる。このため、紙ポップ26は、
図2等に示す「新台入替」のものだけでなく、例えば、「4円」、「1円」等の貸出レートを示すもの、「CR AAA」、「CR BBB」等の機種名を示すもの等に変更できる。
【0015】
回転灯30は、複数のLED31(発光ダイオード)を収容している。複数のLED31は、同一円周上に配置されている。複数のLED31は、制御部56(後述する)によって、順次、移動点灯するように制御される。このため、回転灯30は、光源が回転しているように演出できる。
LED31は、多色発光するタイプ(フルカラーLED等)である。このため、回転灯30は、様々な色彩で発光表示をすることができる。
また、回転灯30は、台形部20上であって本体の最上部に配置されているので、人目をひきやすい。このため、回転灯30は、演出効果を向上できることに加えて、多くの遊技球を獲得した遊技者の存在を目立たせることができるので、来場者の遊技意欲を向上させることができる。
【0016】
玉数表示部35は、収容箱5に収容された玉数(遊技媒体数)に関する情報(遊技媒体数情報)を表示する。
玉数表示部35としては、例えば電子ペーパを用いることができる。この場合には、玉数表示部35は、消費電力を低く抑えることができ、また、来場者等が接触しても損傷しにくい。
【0017】
電池40は、遊技用装置10の駆動源である。つまり、電池40は、回転灯30、玉数表示部35等を駆動させるための電力を供給する。遊技用装置10は、電池40により給電されるので、使用時には、ACケーブル等の接続が不要である。
電池40は、再充電可能なものでもよい。また、再充電可能な電池の場合には、電磁誘導等を用いた非接触充電方式なタイプでもよい。このタイプは、電池40を遊技用装置10に収容した状態で充電できるので、充電作業を軽減できる。
【0018】
保持部45は、遊技用装置10を収容箱5に保持するためのものである。
保持部45は、2つのストッパ46、アジャスタ47を備える。
ストッパ46は、収容箱5の長辺部に平行に配置された角柱状の部材である。
遊技用装置10が収容箱5に載置された状態において、2つのストッパ46は、収容箱5の長辺部の縁部よりも外側に配置される。このため、2つのストッパ46は、収容箱5の長辺側の縁部を挟むように配置されることになる。これにより、遊技用装置10は、収容箱5からずれ落ちないように、保持される。
【0019】
アジャスタ47は、2つのストッパ46の間隔L46を調整するものである。
アジャスタ47は、ストッパ46の両端部の近傍に、それぞれ設けられている。
アジャスタ47は、ネジ47a、長穴47bを備える。
ネジ47aは、ストッパ46の雌ネジ(図示せず)に噛み合う。
長穴47bは、載置板11に設けられた貫通穴である。長穴47bの長手方向は、載置板11の長辺部に平行である。
上記構成により、アジャスタ47は、2つのストッパ46の間隔L46を、収容箱5の短辺部と同じ長さになるように、調整できる。これにより、載置板11の予め定められた領域が、収容箱5の上部に配置される。
なお、アジャスタ47は、2つのストッパ46にそれぞれ設ける形態に限定されず、1つのストッパ46のみに設けた形態でもよい。アジャスタ47を1つのストッパ46のみに設けた形態であっても、2つのストッパ46の間隔L46を調整できるからである。
【0020】
また、遊技用装置10は、
図4に示すように、電源ボタン50、受信部51、記憶部55、制御部56を備える。
なお、実施形態では、コンピュータとは、記憶装置、制御装置等を備えた情報処理装置をいい、遊技用装置10は、記憶部55、制御部56等を備えた情報処理装置であり、コンピュータの概念に含まれる。
電源ボタン50は、遊技用装置10の電源のオン、オフを切り替えるスイッチである。
受信部51は、リモコン70からの信号を受信するものである。受信部51は、例えば、赤外線受信素子等を備える。
【0021】
記憶部55は、遊技用装置10の動作に必要な各種プログラム、情報等を記憶するための半導体メモリ素子等の記憶装置である。
記憶部55は、遊技用プログラム55a、箱数−発光色テーブル55b、箱数−表示内容テーブル55c、高さ−箱数テーブル55dを備える。後述するように、各テーブル55b,55c,55dの情報は、遊技場の店員等により設定可能である。
遊技用プログラム55aは、回転灯30、玉数表示部35の動作、処理等に必要なプログラムである。
【0022】
図5(A)に示すように、箱数−発光色テーブル55bは、収容箱5の箱数と、LED31の発光色(回転灯30の演出内容)との関係を対応付けて記憶する。
図5(B)に示すように、箱数−表示内容テーブル55cは、収容箱5の箱数と、玉数表示部35の表示内容との関係を対応付けて記憶する。表示内容は、「1500玉」等のように、収容箱5の箱数に応じた遊技球の玉数の情報を含む。
図5(C)に示すように、高さ−箱数テーブル55dは、載置板11の高さ(つまり、計測結果である床G及び載置板11間の距離)と、収容箱5の箱数(つまり段数)との関係を対応付けて記憶する。
【0023】
制御部56は、遊技用装置10の動作に必要な演算処理等を行い、遊技用装置10を統括的に制御するための制御装置である。制御部56は、例えば、CPU(中央処理装置)等から構成される。制御部56は、記憶部55に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、実施形態の各種機能を実現している。
制御部56は、回転灯30、玉数表示部35の制御等を行う。
【0024】
図2、
図4に示すように、リモコン70は、遊技場の店員等が、遊技用装置10の設定をするための無線装置である。
リモコン70は、操作部71、送信部72、記憶部75、制御部76を備える。
操作部71は、店員等が操作する装置である。操作部71は、テンキー等を備える。
送信部72は、操作部71の操作信号を、遊技用装置10に送信するものである。送信部72は、赤外線発光素子等を備える。
【0025】
記憶部75は、リモコン70の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するための半導体メモリ素子等の記憶装置である。
制御部76は、リモコン70を統括的に制御するための制御装置である。制御部76は、記憶部75に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、実施形態の各種機能を実現している。
【0026】
(遊技用装置の動作)
図6及び7を参照しながら、遊技用装置10の動作について説明する。
遊技場の店員等は、遊技用装置10の購入時等に、リモコン70を操作することにより、遊技用装置10の初期設定を行う。
ここで、遊技球の収容量等は、収容箱5の種類に応じて異なる。初期設定は、遊技用装置10の動作を、遊技場で使用している収容箱5の種類に合わせるために行われる。
【0027】
遊技用装置10の制御部56は、初期設定に関する操作情報を、リモコン70から受信すると、これらの情報を各テーブル55b,55c,55dに記憶する(S1)。
本実施形態では、
図5に示す内容に、初期設定がされた例を説明する。
店員等は、遊技場で使用する全ての遊技用装置10に対して、初期設定を行う。初期設定後には、遊技用装置10の電源をオフにする。
また、店員等は、遊技用装置10の購入時等に、アジャスタ47を操作することにより、2つのストッパ46間の間隔L46を、遊技場で使用している収容箱5の短辺の長さに合わせる(
図2、
図3参照)。
【0028】
なお、各テーブル55b,55c,55dの内容は、リモコン70を操作することにより、書き替え可能である。また、ストッパ46間の間隔L46は、アジャスタ47によって変更できる。このため、遊技場は、例えば、改装時等において、収容箱5の種類を他の種類に変更する場合等でも、遊技用装置10を流用できる。
このような初期設定に基づいて、遊技用装置10は、以下のように動作する。
【0029】
例えば、遊技者は、遊技機で遊技することにより遊技機に対応して設けられた収容箱5が一杯になると、呼び出しランプ(図示せず)等によって、店員を呼び出す。店員は、遊技用装置10を持ってきて、収容箱5を遊技者の背後の通路等の床Gに置く。そして、店員は、遊技用装置10の電源をオンにして、遊技用装置10を収容箱5の上に載置する。
これに応じて、遊技用装置10の測距センサ15は、床Gからの高さを検出し、検出情報を制御部56に出力する。
【0030】
制御部56は、測距センサ15からの出力に基づいて、箱数を判定する(S2)。
例えば、遊技用装置10が1つの収容箱5に載置された場合には、制御部56は、載置板11及び床G間の距離が10cmであると算出する。そして、高さ−箱数テーブル55dを参照することにより、10cmに対応した箱数1を読み出す。制御部56は、箱数1と判定する。
【0031】
この判定に基づき、制御部56は、箱数−発光色テーブル55bを参照して、S2で算出した高さに対応した回転灯30のLED31の発光色を読み出す(S3)。
次いで、制御部56は、回転灯30のLED31を、S3で読み出した発光色で発光させる(S4)。
これにより、回転灯30は、高さに対応した発光色によって演出を行う。
続いて、制御部56は、箱数−表示内容テーブル55cを参照して、S2で算出した高さに対応した表示内容を読み出す(S5)。
制御部56は、S5で読み出した表示内容を、玉数表示部35に表示する(S6)。
制御部56は、電源がオンの間は、玉数表示部35の表示の処理(S6)の後、測距センサ15からの出力を常時監視し、載置板11の高さの算出(S2)を繰り返す。
なお、遊技用装置10に振動センサを設け、振動が検知された後、所定時間振動が検知されたくなったとき、すなわち、収容箱5の積み上げや置き換え等による振動の検知に基づいて、載置板11の高さの算出を行ってもよい。
【0032】
例えば、
図7(A)の例は、箱数1であるので、制御部56は、箱数−発光色テーブル55bを参照することにより回転灯30のLED31を青色で発光させ(S3,S4)、また、箱数−表示内容テーブル55cを参照することにより、「1500玉突破!」という表示内容を、玉数表示部35に表示する(S5,S6)。
このように、遊技用装置10は、収容箱5に載置されることにより、遊技者の獲得玉数を表示することができる。
【0033】
図7(B)の例は、3箱の収容箱5が並べて配置され、3つの遊技用装置10が各収容箱5に載置された例である。この例では、各遊技用装置10は、上記
図7(A)の説明と同様に処理する。このため、3つの回転灯30は、発光色を統一した態様で演出できる。また、3つの玉数表示部35は、各収容箱5の玉数を報知でき、さらに、遊技者等は、これらを合計することにより獲得玉数の合計を知ることができる。
【0034】
図7(C)の例は、収容箱5が、中央に2段と、左右に1段ずつ配置された例である。遊技用装置10は、中央の最上段の収容箱5に1つと、左右の収容箱5に1つずつ載置されている。左右の各遊技用装置10は、上記説明と同様な処理を行う。
一方、中央の遊技用装置10の制御部56は、測距センサ15からの出力に基づいて、箱数2と判定する(S2)。
このため、中央の遊技用装置10の制御部56は、箱数−発光色テーブル55bを参照して、箱数2に対応した回転灯30のLED31の発光色である「黄色」を読み出した後(S3)、回転灯30のLED31を黄色で発光させる(S4)。また、中央の遊技用装置10の制御部56は、箱数−表示内容テーブル55cを参照して、箱数2に対応した表示内容である「3000玉突破!」を読み出した後(S5)、これを玉数表示部35に表示する(S6)。
このため、各3つの回転灯30はそれぞれ、収容箱5の段数に応じた発光色で発光するので、演出効果を向上できる。また、3つの玉数表示部35は、収容箱5の段数に応じた玉数を報知でき、さらに、遊技者等は、これらを合計することにより獲得玉数の合計を知ることができる。
【0035】
また、前述したように、制御部56は、電源がオンの間は、載置板11の高さの算出(S2)からの処理を繰り返す。このため、遊技用装置10は、一旦収容箱5に載置された後に置き換えられることにより、段数が変わったり、他の収容箱5に載置されたりした場合でも、置き換え後の段数に応じた演出を行うことができ、かつ、置き換え後の段数に応じた表示内容を表示できる。
【0036】
以上説明したように、本実施形態の遊技用装置10は、収容箱5の段数に応じて、様々な表示態様、演出を実現できるので、遊技者、来場者の気分を高揚させることができる。
【0037】
(第2実施形態)
次に、
図8、
図9を参照しながら、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、各実施形態間において、同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾(下2桁)に同一の符号を適宜付して、重複する説明を適宜省略する。
本実施形態の遊技用装置210は、複数の遊技用装置210間で、無線通信を行うという特徴を有している。
【0038】
図8に示すように、遊技用装置210は、装置間通信部252(無線通信手段、グループ間無線通信手段)を備える。
装置間通信部252は、他の遊技用装置210との間で、無線通信するための装置である。装置間通信部252は、アンテナ等を備える。装置間通信部252の無線規格は、例えばZigBee(登録商標)等を用いることができる。
【0039】
遊技用装置210の記憶部255は、台番号記憶部255e、島番号記憶部255fを備える。
台番号記憶部255eは、台番号を記憶する。台番号は、遊技場内において、各遊技機の設置場所を示す情報である。つまり、台番号は、遊技場内の各遊技機を識別可能な情報である。
島番号記憶部255fは、島番号を記憶する。島番号は、遊技場内において、遊技機の設置された遊技機島を示す情報である。
これらの記憶情報は、リモコン70を介して遊技場の店員等が設定する。
【0040】
次に、第2実施形態の遊技用装置210の使用状態について説明する。
図9は、同じ遊技機島において3人の遊技者P1〜P3が遊技球を獲得し、収容箱5が床Gに配置された場面を想定した図である。
なお、
図9は、島番号I001の遊技機島において、台番号M001〜M003の遊技機で、遊技者P1〜P3が左側X1から右側X2に並んで遊技を行った例として説明する。
この場面では、
図9(A)に示すように、遊技者P1の背後の床Gには、中央に収容箱5が2段に積まれ、その左右に1段ずつ収容箱5が配置され、合計4箱の収容箱5が配置されている。
また、
図9(B)に示すように、遊技者P2の背後の床Gには、2つの収容箱5が並べて配置されている。
図9(C)に示すように、遊技者P3の背後の床Gには、1つの収容箱5が配置されている。
【0041】
遊技用装置210の使用方法は、以下の点が第1実施形態とは異なる。
店員は、遊技用装置210を遊技者の遊技機に持ってくる場合に、リモコン70を操作することにより、その遊技機の台番号と、島番号とを、遊技用装置210に入力する。
これにより、遊技用装置210の制御部56(グループ登録手段)は、台番号、島番号を、それぞれ台番号記憶部255e、島番号記憶部255fに記憶する。
このため、一台の遊技機に複数の遊技用装置210が用意されても、複数の遊技用装置210に記憶される台番号、島番号は、同じである。例えば、
図9(A)に示す台番号M001の3つの遊技用装置210の台番号記憶部255e、島番号記憶部255fには、同じ島番号I001、台番号M001が記憶される。
【0042】
遊技用装置210が収容箱5上に載置されると、制御部56は、第1実施形態と同様に、載置板11の高さを算出する。
また、制御部56は、算出した高さに基づいて、高さ−箱数テーブル55dを参照し、段数を求める。
例えば、
図9(A)に示す中央の遊技用装置210は、段数2と判定し、その左右2つの遊技用装置210は、それぞれ段数1と判定する。
【0043】
次に、各遊技用装置210の制御部56は、装置間通信部252を介して、他の遊技用装置210と相互通信を行うことにより、他の遊技用装置210に記憶された台番号、島番号を取得する。なお、詳細な説明は省略するが、遊技用装置210間において遊技用装置210個別の識別情報を通信することにより、各遊技用装置210は、他の遊技用装置210を識別できる。
その後は、各遊技用装置210は、装置間通信部252を介して他の遊技用装置210との間で通信しながら、回転灯30、玉数表示部35を制御する。
以下説明するように、通信形態としては、「台番号が同じ遊技用装置210同士間」、「島番号が同じ遊技用装置210同士間」の2つの形態がある。
【0044】
(台番号が同じ遊技用装置210同士間の通信形態)
図9(A)を例に、台番号の記憶情報が同じ遊技用装置210間の通信を説明する。
各遊技用装置210の制御部56は、他の遊技用装置210と通信することにより、合計3つの遊技用装置210が台番号M001に対応付いており、また、これらがグルーピングされている、つまり3つの遊技用装置210が一つの組みになっているものと判定する。
【0045】
その後は、各遊技用装置210の制御部56は、それぞれ他の遊技用装置210との通信を継続しながら、以下の順序で処理を行う。
(1)他の遊技用装置210が判定した段数を取得する。
(2)3つの遊技用装置210の段数に基づいて総箱数を算出する。すなわち、各遊技用装置210は、他の遊技用装置210から取得した段数と、自身の段数とを加算することにより、総箱数を算出する。
(3)箱数−発光色テーブル55bを参照して、総箱数に対応付いたLED31の発光色を読み出す。この場合、
図9(A)の例は、総箱数が4箱であるので、発光色は、「赤色」である。
(4)回転灯30のLED31を、上記(3)で読み出した発光色で点灯する。
(5)箱数−表示内容テーブル55cを参照して、総箱数に対応付いた表示内容を読み出す。この
図9(A)の例は、総箱数が4箱であるので、表示内容は、「6500玉突破!」である。
(6)上記(5)で読み出した表示内容を玉数表示部35に表示する。
【0046】
上記処理は、3つの遊技用装置210の制御部56がそれぞれ行う。このため、3つの遊技用装置210の回転灯30は、全て「赤色」で点灯し、また、3つの玉数表示部35は、全て「6500玉突破!」と表示する。
これにより、台番号M001を記憶した3つの遊技用装置210は、統一した演出をすることができ、また、遊技者P1が獲得した総玉数を報知できる。
【0047】
台番号M002,M003を記憶した各遊技用装置210も、上記と同様な処理を行う。
このため、
図9(B)に示すように、台番号M002を記憶した2つの遊技用装置210は、総箱数2に対応した発光色「黄色」で回転灯30を発光し、また、「3000玉突破!」という表示内容を玉数表示部35に表示する。
同様に、
図9(C)に示すように、台番号M003を記憶した1つの遊技用装置210は、総箱数1に対応した発光色「青色」で回転灯30を発光し、また、「1500玉突破!」という表示内容を玉数表示部35に表示する。
【0048】
(島番号が同じ遊技用装置210同士間の通信形態)
各遊技用装置210の制御部56は、他の遊技用装置210と通信することにより、
図9に示す合計6つの遊技用装置210が、島番号I001に対応付いており、また、これらがグルーピングされていると判定する。
【0049】
その後は、遊技用装置210の制御部56は、他の遊技用装置210との通信を継続しながら、以下の順序で処理を行う。
なお、制御部56は、以下の処理を行う間、上記「台番号が同じ遊技用装置210同士間の通信形態」で説明した回転灯30の制御を一時停止することが好ましい。
【0050】
(1)台番号が最も小さい「台番号M001」の3つの遊技用装置210の制御部56は、発光処理として、所定時間(例えば数十秒)経過するごとに、同じ発光色でLED31を点灯後、消灯する。ここでは、発光色が「青色」である例を説明する。
遊技用装置210の制御部56は、発光処理が終了すると、台番号が次に大きい「台番号M002」の遊技用装置210に対して、発光処理終了の情報を送信する。
(2)「台番号M002」の2つの遊技用装置210は、上記情報を受信すると、上記(1)と同様に、発光色「青色」で回転灯30を点灯後、消灯する。
遊技用装置210の制御部56は、台番号が次に大きい「台番号M003」の遊技用装置210に対して、発光処理終了の情報を送信する。
(3)「台番号M003」の1つの遊技用装置210は、上記情報を受信すると、上記(1)と同様に、発光色「青色」で回転灯30を点灯後、消灯する。
ここで、グルーピングされた台番号のなかで、「台番号M003」は、台番号が最も大きい。このため、遊技用装置210の制御部56は、台番号が最も小さい「台番号M001」の遊技用装置210に対して、発光処理終了の情報を送信する。
そして、台番号が最も小さい「台番号M001」の3つの遊技用装置210の制御部56は、上記(1)の処理を繰り返す。
【0051】
各遊技用装置210は、上記(1)〜(3)の処理を、例えば、数秒間程度行う。
これにより、複数の遊技機に設けられた遊技用装置210の回転灯30が、青色に順次、点灯するように演出でき、いわゆるランニング表示をすることができる。
【0052】
以上説明したように、本実施形態の各遊技用装置210は、回転灯30及び玉数表示部35が、他の遊技用装置210の回転灯30及び玉数表示部35と連動して動作することができる。
【0053】
なお、本実施形態の遊技用装置210は、例えば、以下のような変形実施形態を採用できる。
(1)本実施形態では、「台番号が同じ遊技用装置210同士間」及び「島番号が同じ遊技用装置210同士間」の両方を連動させる例を示したが、これに限定されず、いずれか一方を連動させてもよい。
(2)本実施形態では、リモコン70を用いて、遊技用装置210の記憶部に台番号、島番号を記憶させる例を示したが、これに限定されない。例えば、遊技用装置210は、台番号等を入力可能な操作部(例えば、ロータリースイッチ、プッシュスイッチ等)を備えていてもよい。また、遊技用装置210間は、例えばNFC(Near Field Communication)等による近距離無線通信で通信させることによって、グルーピング(ペアリング)してもよい。
【0054】
(3)本実施形態では、
図9(A)の3つの玉数表示部35のように、台番号によってグルーピングされたものは、全て同じ表示内容を表示する例を示したが、これに限定されない。例えば、5箱以上の収容箱5を複数に分けて積む場合には、最も高い段の遊技用装置210の玉数表示部35に「6500玉突破!」と表示し、これよりも低い段の遊技用装置210の玉数表示部35に「大爆発!」等と表示してもよい。
これにより、台番号によってグルーピングされた遊技用装置210は、獲得玉数の合計値及び大量の遊技球を獲得していることを示唆する演出をすることができる。なお、自身が最も高いかどうかは、相互通信により他の遊技用装置210から段数を取得することに基づいて、それぞれが判定し、高低の序列を決定することが好ましい。
(4)本実施形態では、全ての遊技用装置210が演出等を行う例を示したが、これに限定されない。
例えば、台番号によってグルーピングされた遊技用装置210は、総箱数が所定数(例えば5箱)以上である場合には、回転灯30による演出、玉数表示部35による表示を行い、所定数に満たない場合には、演出等を行わなくてもよい。これにより、大量の遊技球を獲得した遊技者に対応する遊技用装置210のみが演出等を行うことになる。また、この場合にも、玉数表示部35は、「大爆発!」等と表示してもよい。
また、例えば、島番号によってグルーピングされた遊技用装置210は、同じ遊技島の遊技者間における獲得玉数の多少に応じた演出を行ってもよい。この演出は、獲得玉数が多いほど、回転灯30の演出を、人目をひくものにすることが好ましい。この場合には、例えば、獲得玉数が多いほど、回転灯30の回転速度を速くしたり、赤色系の色彩を強くすればよい。
また、この場合における獲得玉数の多少の判定は、以下のように行うことができる。
同じ遊技島に設置されている各遊技用装置210が、相互通信により他の遊技用装置210から段数を取得する。この場合に、同じ島番号でグルーピングされたグループ内において、個々の台番号でグルーピングされた遊技用装置210(例えば、最も箱数の多い遊技用装置210)が当該グループ内の総箱数を算出する。そして、同じ島番号でグルーピングされたグループ内において、個々の台番号でグルーピングされた遊技用装置210(例えば、最も箱数の多い遊技用装置210)同士が互いの総箱数を比較することにより、遊技者の獲得玉数の多少に基づく出玉獲得順位を判定することが好ましい。
【0055】
(5)本実施形態では、各遊技機に用意された遊技用装置210のみが演出等をする例を示したが、これに限定されない。島の端部等に、同一列の遊技機の列遊技用装置として、集計装置(遊技用装置210と同じもの、又は遊技用装置210と同様な機能を有するもの)を設けて、その回転灯、玉数表示部(列報知手段)が、一島全体の箱数に応じた報知(演出、獲得玉数の表示)をしてもよい。この場合には、集計装置を同一の島番号の遊技用装置210とグルーピングさせて、集計装置が、同一島内の全ての遊技用装置210から箱数を取得し、集計すればよい。
(6)本実施形態では、島番号によって遊技用装置210間をグルーピングする例を示したが、これに限定されない。同一機種の遊技機に用意された遊技用装置210間をグルーピングしてもよい。
(7)本実施形態では、複数の遊技用装置210が相互通信をすることによりランニング表示(連動演出)をする例を示したが、これに限定されない。例えば、1台の遊技用装置210が主制御装置として機能し、他の遊技用装置210を制御することにより、単方向通信でランニング表示をしてもよい。
【0056】
(第3実施形態)
図10を参照しながら、第3実施形態の遊技用装置310について説明する。
第3実施形態の遊技用装置310は、同じ段に配置された収容箱5を検出するという特徴を備えている。
本実施形態では、
図10に示すように、3箱の収容箱5それぞれを床Gに載置するとともに、これらの収容箱5の上に新たな収容箱5を順次重ねる例を想定して説明する。この例では、中央の収容箱5に遊技用装置310が載置されるものとする。
3箱の収容箱5が床Gに平置きされた状態では、これらに収容された遊技球の合計として、5000玉以上(1700玉×3箱)の遊技球が存在することになる。
また、遊技用装置310の記憶部(
図4の記憶部55参照)には、段数及び回転灯30のLED31の発光色を対応付けた段数−発光色テーブルと、段数及び表示内容を対応付けた段数−表示内容テーブルとが記憶されている。
段数−表示内容テーブルは、以下の情報となっている。
・1段(つまり3箱):5000玉突破!
・2段(つまり6箱):10000玉突破!
・3段(つまり9箱)以上:15000玉突破!
【0057】
図10(A)に示すように、遊技用装置310の載置板11上の左右両端の範囲には、それぞれカメラ216(検出部)が設けられている。
各カメラ216は、遊技用装置310よりも左右外側の範囲を撮像する。カメラ216は、隣接して配置された収容箱5の撮像情報を取得する。この場合、取得する撮像情報には、遊技用装置310が収容箱5に載置された状態において、カメラ216の撮像範囲に入る画像であって、隣接して配置され、かつ、左右の同じ段に配置された収容箱5の画像を含むものの、隣接して配置されていても、これよりも低い段に配置された収容箱5の画像を含まないものとする。後述するように、カメラ216の撮像情報は、中央の収容箱5に隣接して他の収容箱5が存在するか否かの判定に利用される。なお、この判定を容易にするために、収容箱5に撮像用のマーカとして機能する黒丸等のマーキング等を設けてもよい。
【0058】
遊技用装置310の制御部(
図4の制御部56参照)は、測距センサ15、カメラ216に基づいて、以下のように、回転灯30、玉数表示部35を制御する。
制御部は、前述した実施形態と同様に、測距センサ15の出力に基づいて、段数を判定する。
図10(A)の例は、3箱の収容箱5が床Gに平置きされた状態であり、つまり1段である。このため、制御部は、1段と判定する。
また、制御部は、カメラ216が取得した撮像情報を解析することにより、両隣に収容箱5が存在するか否かを判定する。
そして、制御部は、段数−表示内容テーブルを参照し、段数に対応した表示内容を読み出す。この場合、制御部は、各カメラ216が取得した撮像情報に両隣に配置された収容箱5の画像情報が含まれるときには、上記判定した段数をそのまま利用する。
このため、制御部は、
図10(A)の例では、1段に対応した「5000玉突破!」を読み出して、玉数表示部35に表示する。
また、制御部は、段数−発光色テーブルを参照し、1段に対応した発光色(例えば「青色」)で、回転灯30を発光する。
【0059】
図10(B)は、
図10(A)の状態から、中央にのみ1箱の収容箱5が追加され、総箱数が4箱になった場面である。
この場面では、中央の収容箱5は、2段であるので、制御部は、測距センサ15の出力に基づいて、2段と判定する。
次に、カメラ216が取得した撮像情報には、両隣の収容箱5が含まれないので、制御部は、両隣に収容箱5が存在しないと判定する。
制御部は、両隣に収容箱5が存在しない場合には、上記判定した段数から1段減算した上で、段数−表示内容テーブルを参照し、段数に対応した表示内容を読み出す。
このため、制御部は、
図10(B)の例においても、2段から1段を減算することにより、1段に対応した「5000玉突破!」を玉数表示部35に表示する。
また、回転灯30についても、同様である。
【0060】
上記処理によって、遊技用装置310は、
図10(B)の状態であっても、4箱分の玉数に対応した「5000玉突破!」を表示し、また、4箱分の玉数に対応した演出を行うことができる。つまり、遊技用装置310は、遊技者が獲得した玉数以上であり、2段全てに収容箱5が揃った6箱(=3箱×2段)分の玉数である「10000玉」を誤って報知することがない。
【0061】
図10(C)は、
図10(B)の状態から、左右にそれぞれ1箱の収容箱5が追加され、総箱数が6箱になった場面である。
この場面では、制御部は、測距センサ15の出力に基づいて、2段と判定する。また、カメラ216が取得した撮像情報には、両隣の収容箱5が含まれるので、制御部は、両隣に収容箱5が存在すると判定する。このため、制御部は、
図10(A)の場面と同様に、上記判定した段数をそのまま利用する。
このため、制御部は、段数−表示内容テーブルを参照し、2段に対応した「10000玉突破!」を読み出して、玉数表示部35に表示する。
また、制御部は、段数−発光色テーブルを参照し、2段に対応した発光色(例えば「黄色」)で、回転灯30を発光する。
これにより、遊技用装置310は、2段分の6箱の収容箱5が揃った場合に、これに対応した報知をすることができる。
【0062】
以上説明したように、本実施形態の遊技用装置310は、一段につき3箱の収容箱5が積まれた場合(例えば、1段では3箱、2段では6箱等)、玉数表示部35、回転灯30の動作を切り替えることができる。このため、遊技者の獲得玉数に応じた適切な報知を行うことができる。
なお、両隣の収容箱5の検出部として、カメラ216の代わりに反射型センサを設けてもよい。この場合には、左右の収容箱5にそれぞれポップ等を立てれば、左右の収容箱5検知が容易である。
【0063】
また、本実施形態では、中央の収容箱5の両隣に収容箱5が配置されることにより同じ段に3箱の収容箱5が揃った場合、つまり中央の収容箱5及び両隣の収容箱5の段数が等しくなった場合に、表示等を切り替える例を示したが、これに限定されない。中央の収容箱5及び両隣の収容箱5の段数が異なっていても、表示等を切り替えてもよい。
この場合には、例えば、収容箱5が1段から2段に積まれる状態において、制御部は、2つのカメラの撮像情報に基づいて、中央の収容箱5の両隣に他の収容箱5が存在しないと判定したときに、合計4箱(中央2段、両隣が各1段)であるとして「6500玉突破!」と表示すればよい。同様に、制御部は、両隣のうち一方側のみに他の収容箱5が存在すると判定したときに、合計5箱(中央2段、一方側が2段、他方側が1段)であるとして「8000玉突破!」と表示すればよい。そして、中央の収容箱5の両隣に収容箱5が存在すると判定したときに、合計6箱(中央2段、両隣が各2段)であるとして「10000玉突破!」と表示すればよい。
【0064】
(第4実施形態)
図11、
図12を参照しながら、第3実施形態の遊技用装置310について説明する。
本実施形態の遊技用装置410は、センサ等を用いずに遊技者が獲得した玉数の情報を装置外部から取得し、また、報知の態様を上記実施形態から変更したものである。
図11に示すように、遊技用装置410は、2つの板材411,420を組み合わせることにより、自立式の看板状に形成される。
なお、
図11には、遊技用装置410は、収容箱5の近傍の床Gに直接設置される例を示すが、前述した実施形態と同様に、収容箱5上に載置してもよい。
遊技用装置410は、玉数表示部435、箱表示部436を備える。これらの部材は、鉛直に配置された板材420の手前側Y1の面、奥側Y2の面に、それぞれ設けられている。
【0065】
玉数表示部435は、7セグメントLEDディスプレイ等である。箱表示部436は、遊技者が獲得した玉数を表示する。
箱表示部436は、電子ペーパ等である。箱表示部436は、収容箱5を積み重ねた状態を模した図形436aを表示する。また、これらの収容箱5の図形436aの一部又は全部を点灯することにより、遊技者近傍に実際に配置された箱数を示す。
図11は、2つの収容箱5の図形436aが点灯された例である。
【0066】
図12は、第4実施形態の遊技用装置410の構成を説明する図である。
遊技用装置410は、例えば、遊技システム401の一部を構成する台コンピュータ483と通信可能に接続される。遊技システム401は、ホールコンピュータ481、島コンピュータ482、台コンピュータ483、遊技機485を備える。
ホールコンピュータ481は、遊技場に少なくとも1台設置されている。ホールコンピュータ481は、遊技場の全遊技機485の状態を統括的に管理する。島コンピュータ482は、1つの島に1台設置されている。島コンピュータ482は、島の遊技機485の状態を統括的に管理する。
台コンピュータ483は、各遊技機485に例えば1台設置されている。
遊技機485は、アウト信号(遊技媒体の投入数を示す信号)、セーフ信号(遊技媒体の払出数を示す信号)等を、台コンピュータ483に出力する。なお、アウト信号は遊技機485に付設されるアウトタンク等の遊技装置から出力される場合もあるが、便宜的に、遊技機485から出力されているものとして説明する。
【0067】
ここで、遊技機485が出力したアウト信号、セーフ信号は、台コンピュータ483、島コンピュータ482を介して、ホールコンピュータ481に入力される。
ホールコンピュータ481は、アウト信号及びセーフ信号に基づいて、つまり、投入数及び払出数の差分に基づいて、遊技者の持ち玉数を算出する。
この持ち玉数を示す玉数情報は、島コンピュータ482を介して、台コンピュータ483に入力される。
台コンピュータ483は、玉数情報及び台番号を対応付けた情報である玉数−台番号情報を、遊技用装置410に出力する。
【0068】
遊技用装置410は、通信部452を備える。
通信部452は、玉数−台番号情報等の情報を、台コンピュータ483との間で無線通信するための装置である。
遊技用装置410の記憶部55は、玉数−箱数テーブル455cを備える。
玉数−箱数テーブル455cは、玉数及び箱数を対応付けて記憶する。
例えば、1500玉未満:0箱
1500玉以上3000玉未満:1箱
3000玉以上5000玉未満:2箱
5000玉以上6500玉未満:3箱
6500玉以上8000玉未満:4箱
8000玉以上:5箱、等のように、玉数及び箱数を対応付けて記憶する。
【0069】
上記構成により、遊技用装置410の制御部56は、玉数−台番号情報を、台コンピュータ483から無線で受信後、以下のように動作する。
(1)玉数−台番号情報に含まれる台番号と、台番号記憶部455eの台番号とが一致するか否かを判定する。これにより、複数の遊技用装置410に対して送信された複数の玉数−台番号情報のなかから、各遊技用装置410の個別のものを判別できる。
制御部56は、これらが一致した場合には、以下のように動作する。
【0070】
(2)玉数−台番号情報に含まれる玉数情報に基づいて、箱表示部436を制御する。これにより、遊技用装置410は、遊技者が獲得した玉数を、より詳細に報知できる。
図11の玉数表示部435は、玉数−台番号情報に含まれる玉数情報が「3431玉」である場合の例である。
これにより、遊技用装置410は、遊技者が獲得した玉数を、より詳細に報知できる。
【0071】
(3)玉数−箱数テーブル455cを参照することにより、玉数−台番号情報に含まれる玉数情報に対応した箱数を読み出す。そして、読み出した箱数分の図形436aを点灯した態様を、箱表示部436に表示する。
図11の箱表示部436は、上記(2)と同様に、玉数が「3431玉」である場合に、これに対応した2箱分の図形436aを点灯させて表示した例である。
【0072】
以上説明したように、本実施形態の遊技用装置410は、遊技者が獲得した玉数の情報を、より詳細に報知でき、また、収容箱5の図形436aによって報知できる。
【0073】
以上の各実施形態で説明したように、遊技用装置は、収容箱の箱数に応じた報知を行うので、演出効果を向上でき、遊技場に来場した来場者の気分を高揚できる。
一方、従来の遊技用装置は、遊技機の状態に応じて単にランプが点灯するだけなので、演出効果に乏しく、遊技場に来場した来場者の気分を高揚させることができなかった。
【0074】
以上、本発明の遊技装置の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技装置は前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
なお、前述した実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0075】
(変形形態)
(1)実施形態において、遊技用装置の設置場所は、遊技者の背後である例を示したが、これに限定されない。遊技用装置の設置場所は、収容箱が配置される場所であればよい。
(2)実施形態において、遊技用装置は、収容箱の箱数に対応した玉数を、概算値として「1500玉,3000玉,5000玉,・・・」等と表示する例を示したが、これに限定されない。遊技用装置は、具体的な数値である「1700玉,3400玉,5100玉,・・・」等と表示してもよい。この場合には、回転灯も、具体的な数値に基づいて、制御すればよい。
また、遊技用装置は、玉数ではなく、収容箱の段数、箱数等を数値で表示してもよい。
【0076】
(3)実施形態において、遊技用装置は、回転灯、出玉表示部、紙ポップ部等を備える例を示したが、これに限定されない。
これらの構成部品の一部は、削除してもよい。例えば、回転灯及び出玉表示部の一方を備えれば、箱数に応じた報知をすることができる。
また、遊技用装置は、他の構成部品を追加してもよい。例えば、移動することで演出する可動役物(例えば、乗り物、キャラクタ等の役物を模した可動物等)、収容箱数に応じた音声を出力するスピーカ(音声出力部)等を設けてもよい。さらに、この可動役物等が、玉数に応じて異なる演出等をするようにしてもよい。
【0077】
(4)実施形態において、遊技用装置は、玉数に応じた演出をする例を示したが、これに限定されない。遊技用装置は、例えば、遊技機に関する遊技情報(例えば、大当り信号、セーフ信号、アウト信号、大当り回数等)に基づいて、遊技内容に応じた演出をしてもよい。この場合には、遊技用装置と、周辺機器(例えば、各台計数機、呼出ランプ、ホールコンピュータ等)との間を通信可能にし、遊技用装置がこれらの周辺機器から遊技情報を受信できるようにすればよい。
(5)実施形態において、遊技用装置は、遊技球を収容した収容箱に載置等される例を示したが、これに限定されない。
例えば、遊技用装置を、各台計数機、封入式遊技機が設置されている遊技場において利用する場合には、擬似収容箱を設け、遊技用装置をこの擬似収容箱等に載置等してもよい。この場合も、例えば、擬似収容箱の高さ10cm当たり、遊技球1700玉に対応させることにより、擬似収容箱の大きさを、所定数の遊技媒体に対応させればよい。
【0078】
(6)実施形態において、載置板は、収容箱の外形よりも外側にはみ出す外形を有する長方形の平板状である例を示したが、これに限定されない。例えば、載置板は、以下のように変形できる。
・載置板の形状を、遊技機の機種に応じたキャラクタを模した形状にすることにより、遊技用装置を、特定の機種専用のものにしてもよい。
・測距センサが収容箱の載置板に設置されない形態では、載置板の形状は、平板状でなくてもよい。
・載置板を、所定箇所で折畳可能(例えば蛇腹状)にし、収容箱の形状に合わせた形で、収容箱上に載置できるようにしてもよい。
・載置板は、収容箱の外形よりも小さくてもよい。この場合には、載置板に、例えば、伸縮可能なロッド状等の延出部を設けることにより、測距センサを収容箱の外形よりも外側に配置できる。
【0079】
(7)実施形態の紙ポップは、適宜変形できる。
例えば、ポップを、発光ユニットと、透光を有するシートとで構成し、シートを発光表示させてもよい。
また、遊技用装置は、複数の紙ポップを備えていてもよい。
(8)実施形態において、遊技用装置の各表示部は、電子ペーパ、7セグメントLEDディスプレイ等である例を示したが、これに限定されない。
各表示部は、他の表示装置(例えば、液晶表示装置等)でもよい。
また、遊技用装置は、手前側及び奥側にそれぞれ玉数表示部を備える例を示したが、これら一方でもよく、又は3つ以上の玉数表示部を備えていてもよい。
【0080】
(9)実施形態において、遊技用装置は、遊技者が獲得した玉数を、玉数表示部等によって報知する例を示したが、これに限定されない。遊技用装置は、玉数表示部等の代わりに、例えば可動役物を設けて、この可動役物の動作態様に応じて、玉数を示唆又は報知するようにしてもよい。
(10)実施形態において、遊技用装置の演出態様は、店員等によって設定される例を示したが、これに限定されない。遊技用装置と、遊技者の所有する情報端末(例えば多機能型携帯電話機等)との間を通信可能にし、この情報端末によって、演出態様を設定できるようにしてもよい。