【実施例】
【0018】
以下の実施例は本発明におけるプロテオグリカン含有物の具体例であるが、本発明は以下実施例に限定されるものではない。
【0019】
実施例1:プロテオグリカン含有サケ鼻軟骨抽出末中のプロテオグリカンの定量
【0020】
(サケ鼻軟骨からプロテオグリカンの回収)
−30℃で冷凍保管したシロサケの頭部から摘出した鼻軟骨を400 g用意し、出発原料とした。4重量%の酢酸水溶液2000 gに出発原料を投入し、撹拌しながら72時間抽出した。
この溶出液をステンレススチールメッシュ(150 μm)でろ過し、不溶物を除去した。ろ液を透析膜にて十分に透析し、得られた液にデキストリンを加えて噴霧乾燥し、プロテオグリカン20%調製したプロテオグリカン含有サケ鼻軟骨抽出末20 gを得た。
【0021】
(分子量分画膜による分離)
前記プロテオグリカン含有サケ鼻軟骨抽出末25 mgに精製水を加えて50 mL容量に調製し、この調製液10 mLをビバスピンturbo15 100,000 MWCO(ザルトリウス社製)に量り取り、遠心分離(3000rpm、10分)した。さらに上清に精製水10 mLを加えて遠心分離し、この水洗を3回行なった。水洗した上清のプロテオグリカン濃縮液を試料1とし、分子量分画を行わなかったプロテオグリカン溶液を試料2とした。
【0022】
(標準品によるプロテオグリカンの検量線作成)
プロテオグリカンの標準品(和光純薬工業製)2 mgを精密に量り、リン酸緩衝液(pH6.8)を加えて10 mL容量に調製した(A液)。A液5 mLを取り、リン酸緩衝液(pH6.8)を加えて10 mL容量に調製したもの、A液2 mLを取り、リン酸緩衝液(pH6.8)を加えて10 mL容量に調製したもの及びA液をそれぞれ検量線作成用標準液とする。検液及び標準液について0.45 μmのメンブレンフィルターを通した後、次の操作条件で液体クロマトグラフィーを行い、得られた検量線からプロテオグリカン量を求めた。なお、標準品:プロテオグリカン,サケ鼻軟骨由来(和光純薬工業製)は、室温減圧デシケーター(シリカゲル)で3時間乾燥してから採取した。
カラム :TSKgel G5000PWXL(東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:50 μL
移動相 :リン酸緩衝液(pH6.8)
流量 :0.5 mL/min
検出器 :UV検出器(SPD−20A 島津製作所社製) 検出波長=215 nm
及び、示差屈折率検出器(RID−10A 島津製作所製)
【0023】
(プロテオグリカンの定量)
試料1の濃縮液を回収し、リン酸緩衝液(pH6.8)に溶かし、10 mL容量に調整した。試料2は、5 mgをリン酸緩衝液(pH6.8)に溶かし、10 mL容量に調製し、各々0.45 μmメンブレンフィルターを通した後、以下操作条件でHPLCを行い標準品の検量線からプロテオグリカン量を求めた。
カラム :TSKgel G5000PWXL(東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:50 μL
移動相 :リン酸緩衝液(pH6.8)
流量 :0.5 mL/min
検出器 :UV検出器(SPD−20A 島津製作所社製) 検出波長=215 nm
及び、示差屈折率検出器(RID−10A 島津製作所製)
【0024】
(移動相の条件検討)
プロテオグリカンのHPLC分析に適した移動相の条件を検討するため、プロテオグリカンの標準品(和光純薬工業製)2 mgを精密に量り、リン酸緩衝液に10 mLの溶液になるよう調製し、0.45 μmのメンブレンフィルターを通した後、移動相のリン酸緩衝液でpHの条件を変更し以下操作条件でHPLCを行った。
カラム :TSKgel G5000PWXL(東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:50 μL
移動相 :リン酸緩衝液(pH=5.0、8.0、9.6のいずれか)
流量 :0.5 mL/min
検出器 :UV検出器(SPD−20A 島津製作所社製) 検出波長=215 nm
及び、示差屈折率検出器(RID−10A 島津製作所製)
【0025】
(試験結果)
試料1と試料2を比較すると(
図1)、分子量分画を行った試料1はシャープなピークが標準品のピーク溶出時間と同じ位置で検出し、プロテオグリカン以外の不純物を除外することができた。これによって標準品の検量線(
図2)を利用して定量も可能となった。また、プロテオグリカンのHPLC分析に適した移動相の条件としてはpH5.0〜10.0程度であれば可能なことを確認した。(
図3)
【0026】
実施例2:食品組成物(錠剤)中のプロテオグリカン定量
【0027】
(錠剤中のプロテオグリカンの回収)
錠剤(プロテオグリカン含有サケ鼻軟骨抽出物、II型コラーゲン含有豚軟骨エキス、N−アセチルグルコサミン、コンドロイチン硫酸含有鮫軟骨抽出物、及びヒアルロン酸配合の市販品)を乳鉢および乳棒にて粉砕し、粉砕物150 mgに4M−グアニジン塩酸溶液15 mLを加えた。次に超音波処理にて15分間抽出し、遠心分離により上清を回収した。さらに沈殿物に4M−グアニジン塩酸溶液15 mLを加えて、同様の抽出操作を3回行った後、得られた上清液をろ過し、プロテオグリカン含有抽出液45 gを得た。
【0028】
(分子量分画膜による分離)
前記プロテオグリカン含有抽出液をAmicon Ultra−15, Ultracel 100k(ミリポア社製)に入れ、遠心分離(3500 rpm、30分)した。さらに上清に精製水15 mLを加えて遠心分離し、この水洗を7回行った。水洗した上清のプロテオグリカン濃縮液を試料3とし、分子量分画を行わなかったプロテオグリカン濃縮液を試料4とした。
【0029】
(プロテオグリカンの定量)
試料3、試料4の10 mgをリン酸緩衝液(pH6.8)に溶かし、20 mLの溶液を調整し、0.45 μmメンブレンフィルターを通した後、以下操作条件でHPLCを行い標準品の検量線からプロテオグリカン量を求めた。
カラム :TSKgel G5000PWXL(東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:50 μL
移動相 :リン酸緩衝液(pH6.8)
流量 :0.5 mL/min
検出器 :UV検出器(SPD−20A 島津製作所製)検出波長=215 nm
及び、示差屈折率検出器(RID−10A 島津製作所製)
【0030】
(試験結果)
試料3と試料4を比較すると(
図4)、分子量分画を行った試料1はシャープなピークが標準品のピーク溶出時間と同じ位置で検出し、プロテオグリカン以外の不純物を除外することができ、定量も可能となった。
【0031】
実施例3:食品組成物(錠剤)中のプロテオグリカン定量
【0032】
(錠剤中のプロテオグリカンの回収)
錠剤(プロテオグリカン含有サケ鼻軟骨抽出物、γーグルタミルエチルアミド、ロングペッパーエキス、クレアチン、α-リポ酸、ビタミンB2、ビタミンB6、葉酸、及びビタミンB1配合の市販品)を乳鉢および乳棒にて粉砕し、粉砕物270 mgに4M−グアニジン塩酸溶液15 mLを加えた。次に超音波処理にて15分間抽出し、遠心分離により上清を回収した。さらに沈殿物に4M−グアニジン塩酸溶液15 mLを加えて、同様の抽出操作を4回行った後、得られた上清液をろ過し、プロテオグリカン含有抽出液60 gを得た。
【0033】
(分子量分画膜による分離)
プロテオグリカン含有抽出液をVivaspin15 Turbo MWCO 100000(ザルトリウス製)に入れ、遠心分離(3500 rpm、30分)した。さらに上清に精製水15 mLを加えて遠心分離し、この水洗を5回行なった。水洗した上清のプロテオグリカン濃縮液を試料5とした。
【0034】
(プロテオグリカンの定量)
試料5を回収し、リン酸緩衝液(pH6.8)に溶かし、25 mL容量に調製した。0.45 μmメンブレンフィルターを通した後、以下操作条件でHPLCを行い標準品の検量線からプロテオグリカン量を求めた。
カラム :TSKgel G5000PWXL(東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:50 μL
移動相 :リン酸緩衝液(pH6.8)
流量 :0.5 mL/min
検出器 :示差屈折率検出器(RID−10A 島津製作所社製)
【0035】
(試験結果)
分子量分画を行った試料5はシャープなピークが標準品のピーク溶出時間と同じ位置で検出し、プロテオグリカン以外の不純物を除外することができ、定量も可能となった(
図5)。
【0036】
実施例4:食品組成物(顆粒)中のプロテオグリカン定量
【0037】
(顆粒中のプロテオグリカンの回収)
顆粒(プロテオグリカン含有サケ鼻軟骨抽出物、黒胡椒エキス、及びビタミンC配合した作製品)73 mgに4M−グアニジン塩酸溶液15 mLを加えた。次に超音波処理にて15分間抽出し、遠心分離により上清を回収した。さらに沈殿物に4M−グアニジン塩酸溶液15 mLを加えて、同様の抽出操作を4回行った後、得られた上清液をろ過し、プロテオグリカン含有抽出液60 gを得た。
【0038】
(分子量分画膜による分離)
プロテオグリカン含有抽出液をAmicon Ultra−15, Ultracel 100k(ミリポア社製)に入れ、遠心分離(3500 rpm、30分)した。さらに上清に精製水15 mLを加えて遠心分離し、この水洗を5回行なった。水洗した上清のプロテオグリカン濃縮液を試料6とした。
【0039】
(プロテオグリカンの定量)
試料6を回収し、リン酸緩衝液(pH6.8)に溶かし、20 mL容量に調製した。0.45 μmメンブレンフィルターを通した後、以下操作条件でHPLCを行い標準品の検量線からプロテオグリカン量を求めた。
カラム :TSKgel G5000PWXL(東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:50 μL
移動相 :リン酸緩衝液(pH6.8)
流量 :0.5 mL/min
検出器 :UV検出器(SPD−20A 島津製作所社製)検出波長=215 nm
及び、示差屈折率検出器(RID−10A 島津製作所社製)
【0040】
(試験結果)
分子量分画を行った試料6はシャープなピークが標準品のピーク溶出時間と同じ位置で検出し、プロテオグリカン以外の不純物を除外することができ、定量も可能となった(
図6)。
【0041】
実施例5:食品組成物(錠剤)中のプロテオグリカン定量
【0042】
(錠剤中のプロテオグリカンの回収)
錠剤(プロテオグリカン含有サケ鼻軟骨抽出物、米発酵物、ロイシン、カルシウム、グルコサミン、及びビタミンD配合の市販品)を乳鉢および乳棒にて粉砕し、粉砕物1174 mgに精製水15 mLを加えた。次に超音波処理にて15分間抽出し、遠心分離により上清を回収した。さらに沈殿物に精製水15 mLを加えて、同様の抽出操作を4回行った後、得られた上清液をろ過し、そのろ液に乳酸を加えて一晩処理したプロテオグリカン含有抽出液65 gを得た。
【0043】
(分子量分画膜による分離)
プロテオグリカン含有抽出液をVivaspin15 Turbo MWCO 100000(ザルトリウス製)に入れ、遠心分離(3500 rpm、30分)した。さらに上清に精製水15 mLを加えて遠心分離し、この水洗を5回行なった。水洗した上清のプロテオグリカン濃縮液を試料7とした。
【0044】
(プロテオグリカンの定量)
試料7を回収し、リン酸緩衝液(pH6.8)に溶かし、20 mL容量に調製した。0.45 μmメンブレンフィルターを通した後、以下操作条件でHPLCを行い標準品の検量線からプロテオグリカン量を求めた。
カラム :TSKgel G5000PWXL(東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:50 μL
移動相 :リン酸緩衝液(pH6.8)
流量 :0.5 mL/min
検出器 :示差屈折率検出器(RID−10A 島津製作所社製)
【0045】
(試験結果)
分子量分画を行った試料7はシャープなピークが標準品のピーク溶出時間と同じ位置で検出し、プロテオグリカン以外の不純物を除外することができ、定量も可能となった(
図7)。
【0046】
実施例6:食品組成物(錠剤)中のプロテオグリカン定量
【0047】
(錠剤中のプロテオグリカンの回収)
錠剤(プロテオグリカン含有サケ鼻軟骨抽出物、豚軟骨エキス、ヒアルロン酸、カルシウム、及び微細藻類配合の市販品)を乳鉢および乳棒にて粉砕し、粉砕物100 mgに4M−グアニジン塩酸溶液15 mLを加えた。次に超音波処理にて15分間抽出し、遠心分離により上清を回収した。さらに沈殿物に4M−グアニジン塩酸溶液15 mLを加えて、同様の抽出操作を4回行った後、得られた上清液をろ過し、プロテオグリカン含有抽出液60 gを得た。
【0048】
(分子量分画膜による分離)
プロテオグリカン含有抽出液をVivaspin15 Turbo MWCO 100000(ザルトリウス製)に入れ、遠心分離(3500 rpm、30分)した。さらに上清に精製水15 mLを加えて遠心分離し、この水洗を5回行なった。水洗した上清のプロテオグリカン濃縮液を試料8とした。
【0049】
(プロテオグリカンの定量)
試料8を回収し、リン酸緩衝液(pH6.8)に溶かし、20 mL容量に調製した。0.45 μmメンブレンフィルターを通した後、以下操作条件でHPLCを行い標準品の検量線からプロテオグリカン量を求めた。
カラム :TSKgel G5000PWXL(東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:50 μL
移動相 :リン酸緩衝液(pH6.8)
流量 :0.5 mL/min
検出器 :UV検出器(SPD−20A 島津製作所社製)検出波長=215 nm
及び、示差屈折率検出器(RID−10A 島津製作所社製)
【0050】
(試験結果)
分子量分画を行った試料8はシャープなピークが標準品のピーク溶出時間と同じ位置で検出し、プロテオグリカン以外の不純物を除外することができ、定量も可能となった(
図8)。
【0051】
実施例7:食品組成物(錠剤)中のプロテオグリカン定量
【0052】
(錠剤中のプロテオグリカンの回収)
錠剤(プロテオグリカン含有サケ鼻軟骨抽出物、カルシウム、オルニチン、シアル酸、黒胡椒エキス、グルタミン、ナイアシン、ロイシン、パントテン酸、イソロイシン、バリン、ビタミンB6、ビタミンB1、及びビタミンB2配合の市販品)を乳鉢および乳棒にて粉砕し、粉砕物465 mgに4M−グアニジン塩酸溶液15 mLを加えた。次に超音波処理にて15分間抽出し、遠心分離により上清を回収した。さらに沈殿物に4M−グアニジン塩酸溶液15 mLを加えて、同様の抽出操作を4回行った後、得られた上清液をろ過し、プロテオグリカン含有抽出液60 gを得た。
【0053】
(分子量分画膜による分離)
プロテオグリカン含有抽出液をVivaspin15 Turbo MWCO 100000(ザルトリウス製)に入れ、遠心分離(3500 rpm、30分)した。さらに上清に精製水15 mLを加えて遠心分離し、この水洗を5回行なった。水洗した上清のプロテオグリカン濃縮液を試料9とした。
【0054】
(プロテオグリカンの定量)
試料9を回収し、リン酸緩衝液(pH6.8)に溶かし、25 mL容量に調製した。0.45 μmメンブレンフィルターを通した後、以下操作条件でHPLCを行い標準品の検量線からプロテオグリカン量を求めた。
カラム :TSKgel G5000PWXL(東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:50 μL
移動相 :リン酸緩衝液(pH6.8)
流量 :0.5 mL/min
検出器 :UV検出器(SPD−20A 島津製作所社製)検出波長=215 nm
及び、示差屈折率検出器(RID−10A 島津製作所社製)
【0055】
(試験結果)
分子量分画を行った試料9はシャープなピークが標準品のピーク溶出時間と同じ位置で検出し、プロテオグリカン以外の不純物を除外することができ、定量も可能となった(
図9)。
【0056】
実施例8:食品組成物(錠剤)中のプロテオグリカン定量
【0057】
(錠剤中のプロテオグリカンの回収)
錠剤(プロテオグリカン含有サケ鼻軟骨抽出物、エラスチン、コラーゲン、松樹皮エキス、セラミド、ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、及びビタミンB6配合した作製品)を乳鉢および乳棒にて粉砕し、粉砕物104 mgに4M−グアニジン塩酸溶液15 mLを加えた。次に超音波処理にて15分間抽出し、遠心分離により上清を回収した。さらに沈殿物に4M−グアニジン塩酸溶液15 mLを加えて、同様の抽出操作を4回行った後、得られた上清液をろ過し、プロテオグリカン含有抽出液60 gを得た。
【0058】
(分子量分画膜による分離)
プロテオグリカン含有抽出液をVivaspin15 Turbo MWCO 100000(ザルトリウス製)に入れ、遠心分離(3500 rpm、30分)した。さらに上清に精製水15 mlを加えて遠心分離し、この水洗を5回行なった。水洗した上清のプロテオグリカン濃縮液を試料10とした。
【0059】
(プロテオグリカンの定量)
試料10を回収し、リン酸緩衝液(pH6.8)に溶かし、25 ml容量に調製した。0.45 μmメンブレンフィルターを通した後、以下操作条件でHPLCを行い標準品の検量線からプロテオグリカン量を求めた。
カラム :TSKgel G5000PWXL(東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:50 μL
移動相 :リン酸緩衝液(pH6.8)
流量 :0.5 mL/min
検出器 :UV検出器(SPD−20A 島津製作所社製)検出波長=215 nm
及び、示差屈折率検出器(RID−10A 島津製作所社製)
【0060】
(試験結果)
分子量分画を行った試料10はシャープなピークが標準品のピーク溶出時間と同じ位置で検出し、プロテオグリカン以外の不純物を除外することができ、定量も可能となった(
図10)。
【0061】
実施例9:食品組成物(ハードカプセル)中のプロテオグリカン定量
【0062】
(ハードカプセル中のプロテオグリカンの回収)
ハードカプセル(プロテオグリカン含有サケ鼻軟骨抽出物、グルコサミン塩酸塩、及びビタミンB群配合した作製品)を解体し、内容物350 mgに4M−グアニジン塩酸溶液15 mLを加えた。次に超音波処理にて15分間抽出し、遠心分離により上清を回収した。さらに沈殿物に4M−グアニジン塩酸溶液15 mLを加えて、同様の抽出操作を3回行った後、得られた上清液をろ過し、プロテオグリカン含有抽出液45 gを得た。
【0063】
(分子量分画膜による分離)
プロテオグリカン含有抽出液をVivaspin15 Turbo MWCO 100000(ザルトリウス製)に入れ、遠心分離(3500 rpm、30分)した。さらに上清に精製水15 mLを加えて遠心分離し、この水洗を5回行なった。水洗した上清のプロテオグリカン濃縮液を試料11とした。
【0064】
(プロテオグリカンの定量)
試料11を回収し、リン酸緩衝液(pH6.8)に溶かし、20 mL容量に調製した。0.45 μmメンブレンフィルターを通した後、以下操作条件でHPLCを行い標準品の検量線からプロテオグリカン量を求めた。
カラム :TSKgel G5000PWXL(東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:50 μL
移動相 :リン酸緩衝液(pH6.8)
流量 :0.5 mL/min
検出器 : 示差屈折率検出器(RID−10A 島津製作所社製)
【0065】
(試験結果)
分子量分画を行った試料11はシャープなピークが標準品のピーク溶出時間と同じ位置で検出し、プロテオグリカン以外の不純物を除外することができ、定量も可能となった(
図11)。
【0066】
実施例10:食品組成物(ドリンク)中のプロテオグリカン定量
【0067】
(ドリンク中のプロテオグリカンの回収)
ドリンク(プロテオグリカン含有サケ鼻軟骨抽出物、コラーゲンペプチド、植物エキス、リグナン、セラミド、及びビタミンC配合の市販品)を均一に混合し、内容液10 mLを採取及び精秤した。
【0068】
(分子量分画膜による分離)
プロテオグリカン含有採取液をAmicon Ultra−15, Ultracel 100k(ミリポア社製)に入れ、遠心分離(4000 rpm、20分)した。さらに上清に精製水15 mLを加えて遠心分離し、この水洗を3回行なった。水洗した上清のプロテオグリカン濃縮液を試料12とした。
【0069】
(プロテオグリカンの定量)
試料12を回収し、リン酸緩衝液(pH6.8)に溶かし、10 mL容量に調製した。0.45 μmメンブレンフィルターを通した後、以下操作条件でHPLCを行い標準品の検量線からプロテオグリカン量を求めた。
カラム :TSKgel G5000PWXL(東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:50 μL
移動相 :リン酸緩衝液(pH6.8)
流量 :0.5 mL/min
検出器 :示差屈折率検出器(RID−10A 島津製作所社製)
【0070】
(試験結果)
分子量分画を行った試料12はシャープなピークが標準品のピーク溶出時間と同じ位置で検出し、プロテオグリカン以外の不純物を除外することができ、定量も可能となった(
図12)。
【0071】
実施例11:食品組成物(ソフトカプセル)中のプロテオグリカン定量
【0072】
(ソフトカプセル中のプロテオグリカンの回収)
ソフトカプセル(プロテオグリカン含有サケ鼻軟骨抽出物、甘草抽出物、及びトリグリセリド配合の作製品)1粒を解体し、内容物をクロロホルム10 mLで抽出した。次に5%エタノール溶液20 mLを加えて、振とう抽出した後、上清を回収した。さらに5%エタノール溶液20 mLを加えて、同様の抽出操作を5回行った。得られた上清液をろ過し、濃縮乾固により有機溶媒を除去した。乾固物に精製水を加えてプロテオグリカン含有抽出液100 gを得た。
【0073】
(分子量分画膜による分離)
プロテオグリカン含有抽出液をVivaspin15 Turbo MWCO 100000(ザルトリウス製)に入れ、遠心分離(3500 rpm、30分)した。さらに上清に精製水15 mLを加えて遠心分離した。水洗した上清のプロテオグリカン濃縮液を試料13とした。
【0074】
(プロテオグリカンの定量)
試料13を回収し、リン酸緩衝液(pH6.8)に溶かし、20 mL容量に調製した。0.45 μmメンブレンフィルターを通した後、以下操作条件でHPLCを行い標準品の検量線からプロテオグリカン量を求めた。
カラム :TSKgel G5000PWXL(東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:50 μL
移動相 :リン酸緩衝液(pH6.8)
流量 :0.5 mL/min
検出器 :UV検出器(SPD−20A 島津製作所社製)検出波長=215 nm
及び、示差屈折率検出器(RID−10A 島津製作所社製)
【0075】
(試験結果)
分子量分画を行った試料13はシャープなピークが標準品のピーク溶出時間と同じ位置で検出し、プロテオグリカン以外の不純物を除外することができ、定量も可能となった(
図13)。