(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記捕獲対象の動物であるか否かを判定する処理では、前記動物の輪郭により囲まれた領域内に含まれる前記面格子の格子点の数が閾値以上であり、かつ前記動物の輪郭に基づく前記格子点の分布が所定の範囲内である場合に、前記動物が前記捕獲対象の動物であると判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の動物識別プログラム。
前記捕獲判定部は、前記動物の輪郭により囲まれた領域内に含まれる前記面格子の格子点の数が閾値以上であり、かつ前記動物の輪郭に基づく前記格子点の分布が所定の範囲内である場合に、前記動物が前記捕獲対象の動物であると判定する、
ことを特徴とする請求項5に記載の動物識別装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、一実施形態に係る動物捕獲装置の構成を示す斜視図である。
図1に示すように、本実施形態に係る動物捕獲装置1は、檻2と、撮像装置3と、支柱4と、動物識別装置5と、を備える。
【0011】
檻2は、動物10を閉じ込める室である。檻2は、箱部201と、シャッター202と、ロック機構203と、を含む。
【0012】
箱部201は、例えば、直方体状に組まれたフレームにおける6個の開口面のうちの5つの開口面に、金属棒を二次元格子状に組み合わせた面格子が取り付けられた形状となっている。箱部201の6個の開口面のうちの残りの1個の開口面は、動物10の進入口として開放されている。
【0013】
シャッター202は、箱部201における動物の進入口を開閉可能な態様で箱部201に取り付けられた面格子(板状部材)である。例えば、シャッター202は、箱部201に設けたレール(図示せず)に沿って、動物の進入口を開放する開位置と、動物の進入口を閉塞する閉位置との間を移動可能な態様で、箱部201に取り付けられている。開位置は、捕獲対象である動物10が箱部201の内部空間と外部空間と行き来することを阻害しない位置であればよい。
図1の檻2では、動物の進入口の上方となる位置がシャッター202の開位置となる。
【0014】
ロック機構203は、シャッター202を開位置で保持するために檻2に取り付けた保持機構である。ロック機構203は、シャッター202の開閉方向への移動を阻止するロック状態と、シャッター202の開閉方向への移動を許容するアンロック状態との切替が可能な構成となっている。ロック機構203がアンロック状態であるときにシャッター202を開位置の方向に移動させ、シャッター202における所定の部位が開閉方向における所定位置よりも開位置側に移動すると、ロック機構203は、アンロック状態からロック状態に切り替わる。これにより、シャッター202は開位置に保持された状態となる。一方、ロック機構203がロック状態であるときに、例えば、動物識別装置5から所定の信号が入力されると、ロック機構203はロック状態からアンロック状態に切り替わる。これにより、シャッター202は、閉位置に向けて移動可能な状態となる。
【0015】
なお、ロック機構203は、閉位置に到達したシャッター202を閉位置で保持することも可能な構成であってもよい。
【0016】
撮像装置3は、檻2の撮像に用いる。撮像装置3は、檻2の外側であって、檻2の全体を撮像可能な位置に設置する。
図1に示した例では、支柱4を利用し、地上に設置した檻2の上方となる位置に、檻2の全体を俯瞰する向きで撮像装置3を設置している。撮像装置3の設置高さは、撮像装置3の画角θと、檻2の概形寸法と、に基づいて適宜定めればよい。
【0017】
動物識別装置5は、撮像装置3で撮像した檻2の画像を取得し、当該画像に基づいて、捕獲対象である動物10が檻2内の捕獲可能な位置に存在するか否かを識別する。動物識別装置5は、第1の信号ケーブル601により撮像装置3と接続されており、第1の信号ケーブル601を通して撮像装置3で撮像した檻2の画像を取得する。また、動物識別装置5は、第2の信号ケーブル602によりロック機構203と接続されている。檻2内に捕獲対象である動物10が存在すると認識した場合、動物識別装置5は、第2の信号ケーブル602を通して、ロック機構203に対しロックを解除する信号(以下「ロック解除信号」という)を送信する。
【0018】
本実施形態に係る動物捕獲装置1により動物を捕獲する際には、檻2のシャッター202を開位置で保持した状態で、捕獲対象となる動物10が檻2内に進入するのを待つ。捕獲対象となる動物10が檻2内に進入したか否かは、動物識別装置5において、撮像装置3で撮像した檻2の画像に基づいて判定する。この際、動物識別装置5は、檻2の面格子を利用して、動物が檻2内に進入したか否か、及び進入した動物が捕獲対象の動物10であるか否かを判定する。
【0019】
図2Aは、檻の外観を示す平面図である。
図2Bは、檻の外観を示す正面図である。なお、
図2Aにおけるx軸及びy軸は、それぞれ、
図1のx軸及びy軸と対応している。また、
図2Bのy軸及びz軸は、それぞれ、
図1のy軸及びz軸と対応している。
【0020】
動物を捕獲する檻2には、捕獲対象である動物10を収容可能なサイズのものが用いられる。
図2A及び
図2Bに示すように、檻2における奥行きLy1(言い換えると、箱部201の最奥位置201Aからシャッター202までの距離)は、捕獲対象である動物10の体長A1よりも長くしてある。より具体的には、檻2における奥行きLy1は、箱部201の最奥位置201Aから捕獲可能ラインLcまでの距離Ly2が捕獲対象である動物10の体長A1よりも長くなるよう設定されている。捕獲可能ラインLcは、シャッター202が開位置から閉位置まで移動する間に、箱部201内に進入した動物10が檻2の外に出てしまうことを防ぐために設定するラインである。捕獲可能ラインLcは、捕獲対象である動物10の俊敏性等に基づいて設定する。箱部201に進入した動物は、例えば、音等によりシャッター202が閉位置に移動することを察知すると、箱201の外に出ようとする。進入した動物の動きが俊敏であると、シャッター202が閉位置に到達するより前に、動物が箱201の外に逃げ出してしまう可能性がある。このため、捕獲対象である動物10の動きが俊敏である場合、シャッター202よりも箱部201の最奥位置201A側に捕獲可能ラインLcを設定する。この場合、動物識別装置5は、箱部201に進入した動物10の全体が捕獲可能ラインLcよりも奥方に存在する状態になると、ロック機構203にロック解除信号を送信し、シャッター202を閉位置に移動させる。これにより、動物10から檻2の外に逃げる機会を奪い、より確実に動物10を捕獲することが可能となる。なお、捕獲対象である動物10の動きが鈍い場合には、シャッター202の位置を捕獲可能ラインLcとしてもよい。
【0021】
また、檻2における動物の進入口201Bの幅Lxは、捕獲対象である動物10が箱部201内に進入しやすいよう、動物10の幅A2よりも広くしてある。同様に、
図2Bに示すように、檻2における動物の進入口201Bの高さLz(言い換えると、地面11から、開位置で保持されているシャッター202の下端までの距離)は、捕獲対象である動物10の体高A3よりも高くしてある。
【0022】
更に、面格子により動物を檻2内に閉じ込める場合、檻2には、捕獲対象の動物10を檻2から脱出困難な状態で閉じ込められる適切な面格子のものが用いられる。すなわち、檻2の面格子における金属棒210の太さD及び格子ピッチPx,Py,Pzは、それぞれ、捕獲対象である動物10の大きさや力に基づいて選択される。例えば、捕獲対象である動物10がイノシシ等の体長1m以上の獰猛な動物である場合、檻2の面格子は、金属棒の太さDを1〜数cm程度とし、格子ピッチPx,Py,Pzをそれぞれ十数cm程度とする。また、例えば、捕獲対象である動物10がネズミ等の体長数cm〜十数cm程度の小動物である場合、檻2の面格子は、金属棒の代わりに太さ1mm程度の金属細線を用い、格子ピッチPx,Py,Pzをそれぞれ1〜数cmとする。
【0023】
なお、箱部201の各面、及びシャッター202における面格子は、それぞれ、
図2A及び
図2Bのような正方格子に限らず、直方格子であってもよい。例えば、
図2Aに示した箱部201の天井となる面格子は、幅方向(x方向)の格子ピッチPxと、奥行き方向(y方向)の格子ピッチPyとが異なっていてもよい。同様に、
図2Bに示した箱部201の側面となる面格子は、奥行き方向(y方向)の格子ピッチPyと、高さ方向(z方向)の格子ピッチPzとが異なっていてもよい。また、例えば、箱部201の天井となる面格子における奥行き方向の格子ピッチPyと、箱部201の側面となる面格子における奥行き方向の格子ピッチPyとが異なっていてもよい。
【0024】
加えて、箱部201の各面、及びシャッター202における面格子は、例えば、開口形状がひし形や六角形となるものであってもよい。
【0025】
本実施形態の動物捕獲装置1では、上記のように、檻2の上方であり、かつ檻2の全体を撮像可能な位置に設置した撮像装置3により檻2を含む画像を撮像する。撮像装置3の設置位置は、檻2(箱部201)の天井の高さ及び平面寸法と、撮像装置3の画角(撮像範囲)θとに基づいて設定する。なお、撮像装置3の設置位置は、檻2の箱部201における最奥位置201Aから捕獲可能ラインLcまでの内部空間全体を撮像可能な位置であればよい。
【0026】
撮像装置3で撮像した画像は、第1の通信ケーブル601を通して動物識別装置5に送信される。動物識別装置5は、撮像装置3から取得した画像に基づいて、檻2における捕獲可能ラインLcよりも奥方に動物10が進入したか否かを判定するととともに、進入した動物10が捕獲対象の動物であるか否かを識別する。檻2内に進入した動物10が捕獲対象の動物であり、かつ当該動物の全体が捕獲可能ラインLcよりも奥方に存在する場合、動物識別装置5は、第2の通信ケーブル602を通してロック機構203にロック解除信号を送信する。
【0027】
図3は、一実施形態に係る動物識別装置の機能的構成を示す図である。
図3に示すように、動物識別装置5は、画像取得部510と、動物検出部520と、動物情報抽出部530と、捕獲判定部540と、出力部550と、を備える。また、動物識別装置5は、画像データ591、格子情報592、及び判定条件593を含む各種情報を記憶する記憶部590を備える。
【0028】
画像取得部510は、撮像装置3で撮像した檻2の画像を取得する。画像取得部510で取得した画像のデータ(画像データ591)は、記憶部590に記憶させておく。
【0029】
動物検出部520は、画像に写っている動物を検出する。例えば、動物検出部520は、画像処理の分野における既知の動体検出方法に従い、検出対象である画像と、当該画像よりも前に撮像された画像との差(時間変化量)に基づいて、検出対象である画像に写っている動物を検出する。なお、動物検出部520では、動物に限らず、画像内の動体全てを検出してもよい。
【0030】
動物情報抽出部530は、画像に写っている動物の輪郭及び檻2の面格子に基づいて、検出した動物の位置、形状及び大きさを示す動物情報を抽出する。動物情報抽出部530は、輪郭抽出部531と、位置把握部532と、格子点計数部533とを含む。
【0031】
輪郭抽出部531は、画像処理の分野における既知の輪郭検出方法に従い、動物が検出された画像から該動物の輪郭を抽出する。
【0032】
位置把握部532は、画像に写っている動物の存在位置が捕獲可能な位置であるか否かを判定する。本実施形態では、檻2(箱部201)の内部空間であり、かつ動物の全体が捕獲可能ラインLcよりも奥方に存在する位置を、捕獲可能な位置とする。すなわち、位置把握部532は、画像に写っている動物の存在位置が檻2(箱部201)の内部空間であるか否かの判定、及び動物の全体が捕獲可能ラインLcよりも箱部201の奥方に存在するか否かを判定する。位置把握部532は、例えば、画像における動物の輪郭で囲まれた領域内に面格子が写っている場合に、動物の存在位置が檻2の内部空間であると判定する。また、位置把握部532は、例えば、画像における動物の輪郭で囲まれた領域全体が捕獲可能ラインLcよりも檻2(箱部201)の最奥位置201A側である場合に、動物の位置が捕獲可能な位置であると判定する。
【0033】
格子点計数部533は、画像に写っている檻2(箱部201)の面格子における格子点のうちの、動物の輪郭で囲まれた領域内に含まれる格子点を計数する。
【0034】
動物情報抽出部530は、画像に写っている動物の存在位置が檻2の内部空間であり、かつ捕獲可能な位置である場合に、格子点計数部533において格子点の計数を行う。格子点の計数を行った場合、動物情報抽出部530は、動物の輪郭を示す情報、及び輪郭で囲まれた領域内の格子点の数を示す情報を含む動物情報を捕獲判定部540に通知する。
【0035】
捕獲判定部540は、動物情報抽出部530で抽出した動物情報に基づいて、動物を捕獲するか否かを判定する。捕獲判定部540は、例えば、動物の輪郭で囲まれた領域内に含まれる格子点の数及び格子点の分布が、所定の範囲内であるか否かに基づいて、動物を捕獲するか否かを判定する。格子点の数及び格子点の分布が所定の範囲内であるか否かは、例えば、記憶部590に記憶させた判定条件593により判定する。判定条件593は、例えば、予め檻2の面格子の格子ピッチ及び捕獲対象である動物10の大きさに基づいて算出した、格子点の数及び格子点の分布を示す情報を含む。すなわち、判定条件593には、捕獲対象である動物10が檻2(箱部201)内の捕獲可能な位置にいる場合の格子点の数及び格子点の分布を示す情報が含まれる。捕獲判定部540は、捕獲するか否かの判定結果を出力部550に通知する。
【0036】
出力部550は、捕獲判定部540で動物を捕獲すると判定した場合に、ロック機構203に対しロック解除信号を出力する(送信する)。
【0037】
動物捕獲装置1により動物10を捕獲する際には、まず、捕獲対象である動物10が現れる場所に檻2、支柱4、撮像装置3、及び動物識別装置5を設置する。この際、例えば、使用する檻2における撮像装置3で撮像した画像に写る面格子の格子ピッチや格子点の位置を示す情報を含む格子情報592を作成し、動物識別装置5の記憶部590に記憶させる。また、例えば、檻2における格子ピッチと捕獲対象である動物10の大きさとに基づいて判定条件593を作成し、動物識別装置5の記憶部590に記憶させる。
【0038】
その後、檻2のシャッター202を開位置で保持し、例えば、檻2(箱部201)の最奥位置の近傍に誘導用のえさ等を配置する。こうして動物10を捕獲する準備を整えた後、本実施形態の動物捕獲装置1では、例えば、動物10の捕獲が完了するまで、動物識別装置5が
図4のフローチャートに沿った処理を所定の時間間隔で行う。
【0039】
図4は、一実施形態に係る動物識別装置が行う処理を説明するフローチャートである。
動物識別装置5は、まず、撮像装置3で撮像した画像を取得し(ステップS1)、該画像から動物10を検出する処理(ステップS2)を行う。ステップS1の画像の取得は、画像取得部510が行う。ステップS2の検出処理は、動物検出部520が行う。動物検出部520は、画像処理の分野における既知の動体検出方法に従って、画像内に動物が写っているか否かを判定し、画像内の動物を検出する。
【0040】
次に、動物識別装置5は、画像から動物10を検出したか否かを判定する(ステップS3)。ステップS3の処理は、例えば、動物検出部520が行う。動物を検出しなかった場合(ステップS3;NO)、動物検出部520は、ステップS1で取得した画像に対するステップS4以降の処理をスキップする(実行しない)と判断する。これにより、動物識別装置5は、ステップS1で取得した画像に対する処理を終了し、次のステップS1の開始タイミングが到来するまで待機状態となる。
【0041】
一方、動物を検出した場合(ステップS3;YES)、動物検出部520は、動物情報抽出部530に動物情報を抽出する処理(ステップS4〜S8)を実行させる。
【0042】
動物情報抽出部530は、まず、処理対象である画像から動物10の輪郭を抽出する(ステップS4)。ステップS4の処理は、輪郭抽出部531が行う。輪郭抽出部531は、画像処理の分野における既知の輪郭抽出方法に従って、画像に写っている動物10の輪郭を抽出する。
【0043】
次に、動物情報抽出部530は、抽出した動物の輪郭に基づいて、動物の位置を把握する(ステップS5)。ステップS5の処理は、位置把握部532が行う。位置把握部532は、まず、画像における動物の輪郭で囲まれた領域内に檻2の面格子が写っているか否かを判定する。面格子が写っていない場合、位置把握部532は、動物の存在位置が檻2の外側あると把握する。一方、面格子が写っている場合、位置把握部532は、動物の存在位置が檻2(箱201)の内部空間であると把握する。更に、面格子が写っている場合、位置把握部532は、動物の輪郭と、檻2との位置関係に基づいて、動物の存在位置が捕獲可能な位置であるか否かを把握する。本実施形態では、例えば、動物の輪郭で囲まれた領域全体が捕獲可能ラインLcよりも箱部201の奥方側に存在するか否かに基づいて、動物が捕獲可能な位置にいるか否かを判定する。領域全体が捕獲可能ラインLcよりも箱部201の奥方側に存在する場合、位置把握部532は、動物10の存在位置が捕獲可能ラインLcよりも奥方であると把握する。
【0044】
ステップS5の後、動物情報抽出部530は、把握した動物10の存在位置に基づいて、改めて、動物が檻2の中にいるか否かを判定する(ステップS6)。ステップS6の判定は、例えば、位置把握部532が改めて行う。動物の存在位置が檻2の外側である場合(ステップS6;NO)、位置把握部532は、ステップS1で取得した画像に対するステップS7以降の処理をスキップする(実行しない)と判断する。これにより、動物識別装置5は、ステップS1で取得した画像に対する処理を終了し、次のステップS1の開始タイミングが到来するまで待機状態となる。
【0045】
一方、動物10が檻2の中にいる場合(ステップS6;YES)、動物情報抽出部530は、次に、動物が捕獲可能ラインよりも奥方にいるか否かを判定する(ステップS7)。ステップS7の判定は、例えば、位置把握部532が改めて行う。本実施形態では、上記のように、動物の輪郭で囲まれた領域全体が捕獲可能ラインLcよりも箱201の奥方に存在する場合に、動物の存在位置が捕獲可能ラインLcよりも奥方である(動物が捕獲可能ラインよりも奥方にいる)と把握する。すなわち、捕獲可能ラインLcが動物10の輪郭で囲まれた領域を通る場合や、動物の輪郭で囲まれた領域よりも奥方である場合には、位置把握部532は、動物10の存在位置が捕獲可能ラインLcよりも奥方となる位置ではないと把握する。動物10の存在位置が捕獲可能ラインLcよりも奥方となる位置ではない場合(ステップS7;NO)、位置把握部532は、ステップS1で取得した画像に対するステップS8以降の処理をスキップする(実行しない)と判断する。これにより、動物識別装置5は、ステップS1で取得した画像に対する処理を終了し、次のステップS1の開始タイミングが到来するまで待機状態となる。
【0046】
また、動物10が捕獲可能ラインLcよりも奥方にいる場合(ステップS7;YES)、動物情報抽出部530は、次に、輪郭で囲まれた領域の格子点を計数する(ステップS8)。ステップS8の処理は、格子点計数部533が行う。格子点計数部533は、例えば、格子情報592に含まれる画像内の面格子における格子点の位置を示す情報に基づいて、画像内の動物10の輪郭で囲まれた領域に含まれる面格子の格子点を計数する。
【0047】
ステップS8の処理を終えると、動物識別装置5は、次に、格子点の数及び分布がそれぞれ所定の範囲内であるか否かを判定する(ステップS9)。ステップS9の判定は、捕獲判定部540が行う。捕獲判定部540は、ステップS8で計数した格子点の数が、判定条件593に設定された、捕獲対象の動物である場合の格子点の数を示す範囲内であるか否かを判定する。また、捕獲判定部540は、ステップS4で抽出した動物の輪郭と、ステップS8で計数した格子点の数とに基づく格子点の分布が、判定条件593に設定された、捕獲対象の動物である場合の格子点の分布を示す範囲内であるか否かを判定する。格子点の数及び格子点の分布のいずれか一方、或いは両方が所定の範囲内ではない場合(ステップS9;NO)、捕獲判定部540は、画像から検出した動物10が捕獲対象の動物ではないと認識する。この場合、捕獲判定部540は、ステップS10の処理をスキップする(実行しない)と判断する。これにより、動物識別装置5は、ステップS1で取得した画像に対する処理を終了し、次のステップS1の開始タイミングが到来するまで待機状態となる。
【0048】
これに対し、格子点の数及び分布がそれぞれ所定の範囲内である場合、捕獲判定部540は、画像から検出した動物10が捕獲対象の動物であり、かつ存在位置が捕獲可能な位置であることを認識する。このため、格子点の数及び分布がそれぞれ所定の範囲内である場合(ステップS9;YES)、動物識別装置5は、次に、檻2のロック機構203に対しロック解除信号を出力する(ステップS10)。ステップS10の処理は、出力部540が行う。これにより、動物識別装置5は、ステップS1で取得した画像に対する処理を終了し、次のステップS1の開始タイミングが到来するまで待機状態となる。
【0049】
出力部540がロック解除信号を出力すると、ロック機構203は、ロック状態からアンロック状態となる。このため、開位置に保持されていたシャッター202が閉位置に移動し(落下し)、箱部201における動物の進入口が閉塞される。これにより、動物10の捕獲が完了する。
【0050】
このように、本実施形態に係る動物識別装置5は、画像から動物10を検出した場合に、当該動物の位置を把握する処理(ステップS6)を行う。ステップS6の処理の内容について、
図5を参照して説明する。
【0051】
図5は、動物の位置の把握方法を説明する図である。
図5には、檻2(箱部201)の内部空間に動物10が進入したときに撮像装置3で撮像した画像12の一例を示している。画像上の位置は、画素単位の離散的な値で指定される。例えば、画像12がU×V画素の長方形である場合、各画素の位置は、左上角部の画素を原点(0,0)とし、水平方向(u方向)における原点からの画素数と、垂直方向(v方向)における原点からの画素数とにより表される。
【0052】
檻2の上方に撮像装置3を設置する際には、例えば、檻2における奥行き方向が画像12のu方向となり、かつ、動物の進入口が箱201の最奥位置201Aよりも左方となるように設置する。この場合、画像12上での檻2(箱201)の最奥位置201A、及び捕獲可能ラインLcの位置は、それぞれ、u方向の値(画素数)によって指定することが可能である。
【0053】
箱部201の内部空間に動物10が進入した場合、該動物10と撮像装置3との間には、箱部201の天井となる面格子が存在する。このため、箱部201の内部空間に動物10が存在する場合、画像12から抽出される動物10の輪郭13は、
図5に示したように、面格子の金属棒210により分断された状態で検出される。このように動物10の輪郭13が複数の部分輪郭1301,1302,1303,・・・に分断されている場合、輪郭抽出部531は、例えば、面格子の金属棒210により欠けた部分を補完し一続きの輪郭13を抽出する。また、位置把握部533は、箱部201の面格子(金属棒210)が動物の輪郭13により囲まれた領域を通っていることにより、動物10の存在位置が箱部201の内部空間であると把握する。なお、位置把握部533は、例えば、輪郭抽出部531で輪郭13を抽出する際に面格子により欠けた部分を補完したことを示す情報に基づいて、動物10の存在位置が箱部201の内部空間であると把握してもよい。
【0054】
動物10が箱部201の内部空間に存在すると認識した場合、動物識別装置5の位置把握部303は、動物10の存在位置が捕獲可能な位置であるか否かを判定する。位置把握部303は、前記シャッター202により前記動物の進入口を閉塞したときに前記檻2の内部空間となる前記画像12上の領域内に前記動物の輪郭13で囲まれる領域の全体が含まれる場合に、前記動物が前記捕獲可能な位置にいると判定する。
【0055】
また、箱部201の内部空間に進入した動物10の存在位置が捕獲可能な奥行き位置であるか否かの判定は、輪郭抽出部531で抽出した輪郭13のうちの、箱部201の最奥位置201Aから最も離れた点Qと、捕獲可能ラインLcとの位置関係に基づいて行うことが可能である。例えば、
図5のように動物の輪郭13のうちの箱部201の最奥位置201Aから最も離れた点Qと対応する画素のu方向の位置が、捕獲可能ラインLcの位置よりも箱部201の最奥位置201A側であるとする。この場合、箱部201の最奥位置201Aから輪郭13の点Qまでの距離Ly3は、箱部201の最奥位置201Aから捕獲可能ラインLcまでの距離よりも短くなる。従って、箱部201の最奥位置201Aから輪郭13の点Qまでu方向の画素数は、箱部201の最奥位置201Aから捕獲可能ラインLcまでのu方向の画素数よりも少なくなる。
【0056】
なお、
図5のように画像12における左上角部を原点として各画素の位置を表しており、捕獲可能ラインLcよりも右方に箱部201の最奥位置が存在する場合、点Qと捕獲可能ラインLcとのu方向の値に基づいて、動物10の存在位置を判定してもよい。
【0057】
また、上記のように、捕獲可能ラインLcの位置は、シャッター202の位置と一致させてもよい。この場合、位置把握部533は、シャッター202により動物の進入口を閉塞したときに檻2の内部空間となる画像12上の領域内に動物の輪郭で囲まれる領域の全体が含まれるか否かに基づいて、動物10の存在位置が捕獲可能な位置であるか否かを判定する。
【0058】
このように、檻2の全体を含む画像12から抽出した動物の輪郭13に基づいて動物の存在位置を把握することで、動物10の存在位置に対する死角がなくなる。これにより、檻2(箱部201)内に進入した動物10を捕獲可能であるか否かを正しく判定することが可能となる。
【0059】
更に、本実施形態の動物識別装置5では、捕獲判定部540において、捕獲可能な位置まで進入した動物10が捕獲対象の動物であるか否かを判定する(ステップS9)。捕獲判定部540は、捕獲対象である動物10の大きさや力等に基づいて選択した檻2(箱部201)の面格子の格子点を利用して、捕獲可能な位置まで進入した動物が捕獲対象の動物であるか否かを判定する。このため、本実施形態の動物識別装置5では、格子点計数部533において、動物の輪郭で囲まれる領域内に存在する、箱部201の面格子の格子点を計数する処理(ステップS8)を行う。
【0060】
図6Aは、動物の大きさと格子点数との関係を説明する図(その1)である。
図6Bは、動物の大きさと格子点数との関係を説明する図(その2)である。
図6Cは、動物の大きさと格子点数との関係を説明する図(その3)である。なお、
図6A〜
図6Cには、それぞれ、檻2の箱部201において天井となる面格子250と、檻2内に進入した動物の輪郭とを模式的に示している。
【0061】
図6Aには、動物の大きさと格子点数との関係のうちの第1の関係として、檻2(箱部201)の内部空間における動物の存在位置と格子点数との関係を示している。
【0062】
図6Aにおける2個の動物の輪郭13A,13Bは、形状及び寸法が同一であり、檻2内における位置のみが異なる。2個の輪郭13A,13Bのうちの上方の輪郭13Aで囲まれた領域に動物が存在する場合、面格子250における奥行き方向に伸びる2本の金属棒210と、幅方向に伸びる8本の金属棒210とが、輪郭13Aで囲まれた領域を通る。一方、2個の輪郭13A,13Bのうちの下方の輪郭13Bで囲まれた領域に動物が存在する場合、面格子250における奥行き方向に伸びる3本の金属棒210と、幅方向に伸びる9本の金属棒210とが、輪郭13Bで囲まれた領域を通る。このように、動物の輪郭で囲まれた領域を通る面格子250の金属棒210の本数は、動物が存在する位置によって変化するため、動物の輪郭で囲まれた領域に含まれる格子点の数は、動物の存在位置によって異なる値となる。
図6Aの例では、2個の輪郭のうちの上方の輪郭13Aで囲まれた領域内の格子点Rの数が16個であるのに対し、下方の輪郭13Bで囲まれた領域内の格子点Rの数は23個である。なお、
図6Aでは、面格子250の格子点のうちの、輪郭13A,13Bで囲まれた領域内の格子点Rを黒丸で表している。このため、例えば、輪郭で囲まれた領域内の格子点の数が15個以上であることを判定条件とすることで、該輪郭と対応する動物が捕獲対象の動物であると判定することが可能となる。
【0063】
図6Bには、動物の大きさと格子点数との関係のうちの第2の関係として、檻2(箱部201)の内部空間における動物の大きさと格子点数との関係を示している。
【0064】
図6Bにおける2個の動物の輪郭13A,13Cは、同一種であり大きさが異なる2体の動物の輪郭を示している。例えば、上方の輪郭13Aは親(成体)の輪郭であり、下方の輪郭13Cは子(幼体)の輪郭である。同一種の動物であっても、大きさが異なる場合には、輪郭で囲まれた領域を通る面格子250の金属棒210の本数が異なるため、輪郭で囲まれた領域内の格子点の数に差が生じる。
図6Bの例では、上方の輪郭13Aで囲まれた領域内の格子点Rの数が16個であるのに対し、下方の輪郭13Cで囲まれた領域内の格子点Rの数は10個である。
【0065】
捕獲対象とする動物10の中には、例えば、ある一定の大きさ以上に成長した親(成体)のみを捕獲対象とする場合がある。このような場合も、輪郭で囲まれた領域内の格子点の数に基づいて、捕獲対象であるか否かを判定することにより、該輪郭と対応する動物が捕獲対象の動物であるか否かを容易に判定することが可能となる。例えば、
図6Bの例においては、輪郭で囲まれた領域内の格子点の数が12個以上であることを判定条件とすることで、幼体を捕獲対象から除外することが可能となる。このため、例えば、害獣を捕獲対象とする場合に、より大きな被害を与える大型の固体(成体)を選択的に捕獲することが可能となる。
【0066】
図6Cには、動物の大きさと格子点数との関係のうちの第3の関係として、檻2(箱部201)の内部空間に進入した動物の種と格子点数との関係を示している。
【0067】
図6Cにおける2個の動物の輪郭13D,13Eは、種が異なる2体の動物の輪郭である。例えば、上方の輪郭13Dは捕獲対象である四足歩行の動物の輪郭であり、下方の輪郭13Eは蛇の輪郭である。
【0068】
檻2には、捕獲対象の動物とは異なる種の動物が進入することも可能である。このため、動物の輪郭で囲まれた領域内の格子点Rの数のみで、捕獲対象であるか否かを判定すると、捕獲対象ではない動物(種)を捕獲対象と誤判定してしまう可能性がある。例えば、
図6Cでは、上方の輪郭13Dで囲まれた領域内の格子点Rの数が10個である。このため、上方の輪郭13Dと対応する動物を捕獲対象とする場合、例えば、輪郭で囲まれた領域内の格子点Rが10個以上であることを捕獲対象の判定条件とする。この場合、
図6Cにおける下方の輪郭13Eで囲まれた領域内の格子点の数は11個であるため、下方の輪郭13Eと対応する動物(蛇)が捕獲対象であると判定される。このような誤判定を防ぐため、本実施形態では、動物の輪郭で囲まれた領域内の格子点Rの数に加え、格子点Rの分布或いは輪郭の形状を考慮して、檻2内に進入した動物が捕獲対象であるか否かを判定する。
【0069】
例えば、
図6Cの上方の輪郭13Dと対応する四足動物が捕獲対象である場合、該四足動物の体長及び幅に基づいて、輪郭で囲まれた領域内における格子点の分布(奥行き方向の個数と幅方向の個数との関係)を見積もることが可能である。このため、例えば、輪郭の奥行き方向の寸法、或いは奥行き方向における格子点の数についての上限を設定することで、捕獲対象ではない動物が捕獲対象であると誤判定されることを防ぐことが可能となる。
図6Cの例では、輪郭の奥行き方向の寸法が格子ピッチの8倍以下、或いは輪郭で囲まれた領域内における奥行き方向の格子点の数が7個以下等の条件を加えることで、下方の輪郭13Eと対応する動物(蛇)を捕獲対象から除外することが可能となる。
【0070】
なお、
図6A〜
図6Cでは、捕獲対象である動物の輪郭13A,13Dとして、該輪郭と対応する動物が檻2(箱部201)の奥行き方向に正対している例を示している。しかしながら、檻2内に進入した動物の向きは様々である。そのため、動物の輪郭で囲まれた領域に含まれる格子点の計数等を行う際には、例えば、
図6A〜
図6Cのように輪郭と対応する動物が檻2(箱部201)の奥行き方向に正対した向きにとなるよう輪郭を回転操作して格子点を計数してもよい。
【0071】
以上のように、本実施形態に係る動物捕獲装置1では、檻2の外側に設置した撮像装置3により撮像した檻2の画像12に基づいて、檻2内に捕獲対象である動物10が進入したか否かを判定する。この際、撮像装置3は檻2の内部空間のうちの捕獲対象である動物を捕獲可能な空間に設定した空間全体を撮像可能な位置に設置し、檻2のうちの内部空間と撮像装置3との間に存在する部分を面格子250とする。また、本実施形態に係る動物捕獲装置1では、画像から抽出した動物の輪郭13と、画像12上における檻2の面格子250の格子点との関係に基づいて、画像内の動物の存在位置が檻2の内部であるか否かを判定する。これにより、檻2内に進入した動物を検出する際の死角(すなわち検出不可となる範囲)がなくなるため、本実施形態に係る動物捕獲装置1は、檻2内に進入した動物の検出精度が非常に高くなる。また、檻2内に各種センサを設置することなく、檻2内に進入した動物を検出することが可能なため、警戒心が強い動物が捕獲対象であっても、該動物を檻2内に誘導しやすくなる。更に、昇電型赤外線センサと光電スイッチとの組み合わせ等の複数のセンサの組み合わせにより動物の存在位置及び大きさを検出する場合に比べて、コストの低減が可能となる。
【0072】
また、動物捕獲装置1における檻2の面格子250は、捕獲する動物の大きさや力に応じた格子ピッチとなっている。このため、画像12から抽出した輪郭13で囲まれる領域内の格子点の数及び分布に基づいて、画像12内の動物の大きさや形状を容易に把握することが可能となる。よって、本実施形態の動物捕獲装置1によれば、捕獲対象ではない動物を捕獲対象と誤判定して檻2のシャッター202を閉じてしまい、捕獲対象の動物の捕獲に失敗することを防ぐことが可能となる。
【0073】
なお、
図1の動物捕獲装置1は、本実施形態に係る動物捕獲装置の一例に過ぎない。本実施形態に係る動物捕獲装置は、本実施形態の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。例えば、檻2は、檻2の外側に設置した撮像装置3により箱部201内の動物10を捕獲可能な内部空間全体を把握可能な画像を撮像することが可能であればよい。このため、檻2は、進入した動物10を囲む6面のうちの、檻2(箱部201)の内部空間と撮像装置3との間に存在する部分が面格子となっていればよい。また、撮像装置3は、檻2の上方に限らず、箱部201の側面と向かい合う位置に設置してもよい。この場合、例えば、箱部201の側面のうちの、箱部201の内部空間と撮像装置3との間に存在する側面を面格子とし、撮像装置3からみて箱部201の内部空間よりも遠方側となる側面を平板で塞ぐ。このようにすることで、動物の存在位置が檻2の内部空間であるか否かを判定することが可能となる。
【0074】
また、檻2(箱部201)における動物の進入口をシャッター202で塞ぐ方法は、適宜変更可能である。例えば、シャッター202は、箱部201の外部空間側から押圧荷重を受けた場合には開位置に移動し、内部空間側から押圧荷重を受けた場合には閉位置で保持される態様で箱部201に取り付けられていてもよい。
【0075】
また、撮像装置3と動物識別装置5とは、第1の通信ケーブル601に限らず、所定の無線通信規格に従った無線通信により接続されていてもよい。同様に、動物識別装置5と、ロック機構203とは、第2の通信ケーブル602に限らず、所定の無線通信規格に従った無線通信により接続されていてもよい。
【0076】
更に、
図4のフローチャートは、動物識別装置5が行う処理の一例に過ぎない。本実施形態に係る動物識別装置5が行う処理は、本実施形態の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。例えば、ロック機構203に対しロック解除信号を出力する条件に、檻2内に存在する捕獲対象である動物の頭数を加え、複数頭の動物を捕獲可能にしてもよい。また、檻2内に進入した動物が捕獲対象であるか否かの判定は、画像における動物の輪郭で囲まれた領域内に含まれる格子点の数が所定の個数以上であるか否かにより判定してもよい。また、動物の輪郭で囲まれた領域内に含まれる格子点の数に基づいて捕獲対象であるか否かを判定する場合、捕獲対象とする格子点の数の下限値及び上限値を設定してもよい。
【0077】
加えて、本実施形態に係る動物識別装置5は、例えば、遠隔地に設置された監視装置に画像や動物を捕獲したか否かの情報を送信する構成であってもよい。
【0078】
図7は、動物識別装置の機能的構成の変形例を示す図である。
図7に示すように、変形例に係る動物識別装置5は、画像取得部510と、動物検出部520と、動物情報抽出部530と、捕獲判定部540と、出力部550と、記憶部560と、を備える。
図7の動物識別装置5における画像取得部510、動物検出部520、動物情報抽出部530、及び捕獲判定部540は、それぞれ、
図3の動物識別装置5と同様の機能を持つ。また、
図7の動物識別装置5における記憶部590は、画像データ591、格子情報592、及び判定条件593(
図3を参照)を含む各種データを記憶する。
【0079】
また、変形例に係る動物識別装置5における出力部550は、第1の出力部551と、第2の出力部552とを含む。第1の出力部551は、動物識別装置5において檻2内の動物が捕獲対象であり、かつ該動物の存在位置が捕獲可能な位置であると識別したときに、檻2のロック機構203に対しロック解除信号を出力する(送信する)。一方、第2の出力部552は、画像取得部510で取得した檻2の画像や、ロック機構203に対しロック解除信号を送信したことを示す情報を、監視装置15に出力する(送信する)。第2の出力部552は、例えば、所定の無線通信規格に従って最寄の中継器16と無線通信を行い、該中継器16を介して画像等を監視装置15に送信する。
【0080】
このように、檻2の画像や、ロック解除信号を送信したことを示す情報を動物識別装置5から監視装置15に送信することにより、遠隔地で動物捕獲装置1による動物10の捕獲状況を監視することが可能となる。例えば、動物識別装置5から監視装置15に対し、ロック解除信号を送信したことを示す情報に続けて、檻2の画像を送信することで、遠隔地において、動物の捕獲に成功したか否か、捕獲した動物が捕獲対象の動物であるか否かを確認することが可能となる。これにより、動物の捕獲に成功した場合、或いは動物の捕獲に失敗した場合に、速やかに適切な対応をすることが可能となる。例えば、動物捕獲装置1を山中に設置している場合、監視装置15により捕獲状況を確認することで、定期的に設置場所に出向いて動物を捕獲したか否かを確認する手間を省くことが可能となる。
【0081】
また、変形例に係る動物識別装置5を備えた動物捕獲装置1は、例えば、害獣の駆除等を目的とする動物捕獲システムにも適用可能である。
【0082】
図8は、変形例に係る動物捕獲装置を適用した動物捕獲システムのシステム構成を示す図である。
【0083】
図8に示すように、動物捕獲システム17は、複数の動物捕獲装置1と、中継器16と、監視装置15と、報知器18と、を含む。
【0084】
複数の動物捕獲装置1は、それぞれ、駆除対象エリア19内の所定位置に設置される。複数の動物捕獲装置1のそれぞれにおける動物識別装置5は、
図7に示した機能的構成を持ち、撮像装置3から取得した檻2の画像や、ロック解除信号を送信したことを示す情報を、中継器16を介して監視装置15に送信する。中継器16と監視装置15とは、インターネット等の通信ネットワーク20を介して接続される。
【0085】
また、動物捕獲システム17における報知器18は、駆除対象エリア19に設置した動物捕獲装置1で捕獲した動物を回収する者に対し、動物を捕獲した動物捕獲装置1を通知する機器である。報知器18は、例えば、所定の無線通信規格に従って、中継器16との間で無線通信を行う。中継器16或いは監視装置15は、動物識別装置5からロック解除信号を送信したことを示す情報を取得すると、該情報を送信した動物識別装置5を含む動物捕獲装置1の設置場所等を含む情報を報知器18に送信する。なお、報知器18は、動物を捕獲したことを通知する専用の機器に限らず、例えば、スマートフォンや通信機能を備えたコンピュータであってもよい。
【0086】
図8の動物捕獲システム17では、駆除対象エリア19内に設置した複数の動物捕獲装置1のうちの、檻2のシャッター202が閉位置に移動した動物捕獲装置1の設置位置や、動物の捕獲に成功したか否かを、報知器18により知ることが可能である。このため、捕獲した動物の回収や、シャッター202を開位置に戻す作業を効率よく行うことが可能となる。
【0087】
なお、動物捕獲システム17のシステム構成は、
図8の構成に限らず、適宜変更可能である。
【0088】
上記の実施形態に係る動物識別装置5は、コンピュータと、該コンピュータに実行させるプログラムとにより実現可能である。以下、
図9を参照して、コンピュータとプログラムとにより実現される動物識別装置5について説明する。
【0089】
図9は、コンピュータのハードウェア構成を示す図である。
図9に示すように、コンピュータ25は、プロセッサ2501と、主記憶装置2502と、補助記憶装置2503と、入力装置2504と、出力装置2505と、入出力インタフェース2506と、媒体駆動装置2507と、通信制御装置2508と、を備える。コンピュータ25におけるこれらの要素2501〜2508は、バス2510により相互に接続されており、要素間でのデータの受け渡しが可能になっている。
【0090】
プロセッサ2501は、Central Processing Unit(CPU)やMicro Processing Unit(MPU)等である。プロセッサ2501は、オペレーティングシステムを含む各種のプログラムを実行することにより、コンピュータ25の全体の動作を制御する。また、プロセッサ2501は、例えば、
図4のフローチャートに沿った処理を含む動物捕獲プログラムを実行する。
【0091】
主記憶装置2502は、図示しないRead Only Memory(ROM)及びRandom Access Memory(RAM)を含む。主記憶装置2502のROMには、例えば、コンピュータ25の起動時にプロセッサ2501が読み出す所定の基本制御プログラム等が予め記録されている。一方、主記憶装置2502のRAMは、プロセッサ2501が、各種のプログラムを実行する際に必要に応じて作業用記憶領域として使用する。主記憶装置2502のRAMは、例えば、格子情報592、判定条件593、及び画像から抽出した動物の輪郭等の記憶に利用可能である。
【0092】
補助記憶装置2503は、主記憶装置2502のRAMと比べて容量の大きい記憶装置であり、例えば、Hard Disk Drive(HDD)や、フラッシュメモリのような不揮発性メモリ(Solid State Drive(SSD)を含む)等である。補助記憶装置2503は、プロセッサ2501によって実行される各種のプログラムや各種のデータ等の記憶に利用可能である。補助記憶装置2503は、例えば、
図4のフローチャートに沿った処理を含む動物捕獲プログラムの記憶に利用可能である。また、補助記憶装置2503は、例えば、画像データ591、格子情報592、判定条件593、及び画像から抽出した動物の輪郭等の記憶に利用可能である。
【0093】
入力装置2504は、例えば、キーボード装置やタッチパネル装置等である。コンピュータ25の利用者が入力装置2504に対して所定の操作を行うと、入力装置2504は、その操作内容に対応付けられている入力情報をプロセッサ2501に送信する。入力装置2504は、例えば、動物捕獲プログラムの実行開始命令の入力、格子情報592及び判定情報593の入力、編集等に利用可能である。
【0094】
出力装置2505は、例えば、液晶表示装置等の表示装置やプリンタ等の印刷装置である。出力装置2505は、コンピュータ25の動作状況、格子情報592及び判定情報593等の表示や印刷に利用可能である。
【0095】
入出力インタフェース2506は、コンピュータ25と、他の電子機器とを接続する。入出力インタフェース2506は、例えば、Universal Serial Bus(USB)規格のコネクタを備える。入出力インタフェース2506は、例えば、第1の通信ケーブル601によるコンピュータ25と撮像装置3との接続、及び第2の通信ケーブル602によりコンピュータ25とロック機構203との接続等に利用可能である。
【0096】
媒体駆動装置2507は、可搬型記憶媒体26に記録されているプログラムやデータの読み出し、補助記憶装置2503に記憶されたデータ等の可搬型記憶媒体26への書き込みを行う。媒体駆動装置2507には、例えば、1種類又は複数種類の規格に対応したメモリカード用リーダ/ライタが利用可能である。媒体駆動装置2507としてメモリカード用リーダ/ライタを用いる場合、可搬型記憶媒体26としては、メモリカード用リーダ/ライタが対応している規格、例えば、Secure Digital(SD)規格のメモリカード(フラッシュメモリ)等を利用可能である。また、可搬型記録媒体26としては、例えば、USB規格のコネクタを備えたフラッシュメモリ等が利用可能である。更に、コンピュータ25が媒体駆動装置2507として利用可能な光ディスクドライブを搭載している場合、当該光ディスクドライブで認識可能な各種の光ディスクを可搬型記録媒体26として利用可能である。可搬型記録媒体26として利用可能な光ディスクには、例えば、Compact Disc(CD)、Digital Versatile Disc(DVD)、Blu-ray Disc(登録商標)等がある。可搬型記録媒体26は、例えば、
図4のフローチャートに沿った処理を含む動物捕獲プログラムの記憶に利用可能である。また、可搬型記録媒体26は、例えば、画像データ591、格子情報592、判定条件593、及び画像から抽出した動物の輪郭等の記憶に利用可能である。
【0097】
通信制御装置2508は、コンピュータ25をインターネット等のネットワークに接続し、ネットワークを介したコンピュータ25と他の通信機器との各種通信を制御する装置である。通信制御装置2508は、例えば、通信ネットワーク20に接続された中継器16との間で無線通信を行い、該中継器16及び通信ネットワーク20を介して、通信ネットワーク20に接続された他の通信機器との通信を行う。
【0098】
コンピュータ25の利用者が入力装置2504を利用して動物捕獲プログラムの実行開始命令をコンピュータ25に入力すると、プロセッサ2501が、補助記憶装置2503等の非一時的な記録媒体に記憶させた動物捕獲プログラムを読み出して実行する。動物捕獲プログラムを実行している間、コンピュータ25は、例えば、予め定められたスケジュールに従って
図4のフローチャートに沿った処理を行う。
図4のフローチャートに沿った処理を実行している間、プロセッサ2501は、動物識別装置5における画像取得部510、動物検出部520、動物情報記憶部530、捕獲判定部540、及び出力部550として機能する(動作する)。また、
図4のフローチャートに沿った処理を実行している間、主記憶装置2502のRAMや補助記憶装置2503等は、画像データ591、格子情報592、判定条件593、及び画像から抽出した動物の輪郭等を記憶する記憶部590として機能する。
【0099】
なお、動物識別装置5として動作させるコンピュータ25は、
図9に示した全ての要素2501〜2508を含む必要はなく、用途や条件に応じて一部の要素を省略することも可能である。例えば、コンピュータ25は、媒体駆動装置2507が省略されたものであってもよい。また、動物捕獲装置1を単独で利用する場合には、通信制御装置2508を省略可能である。
【0100】
以上記載した実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
面格子を含む檻の外側に設置された撮像装置により撮像された、前記面格子を介して前記檻の内部空間のうちの動物を捕獲可能な空間全体を把握可能な画像を取得し、
取得した前記画像から動物を検出し、
前記画像から検出した前記動物の輪郭を抽出し、
前記画像における前記動物の輪郭により囲まれた領域内の前記面格子の有無と、前記動物の輪郭のうちの前記檻の最奥位置から最も遠い位置とに基づいて、前記画像内の前記動物の位置が捕獲可能な位置であるか否かを把握し、
前記画像における前記動物の輪郭により囲まれた領域内に含まれる前記面格子の格子点を計数し、
前記動物の輪郭により囲まれた領域内に含まれる前記面格子の格子点の数に基づいて、前記捕獲可能な位置にいる動物が捕獲対象の動物であるか否かを判定し、
前記動物の位置が捕獲可能な位置であり、かつ該動物が前記捕獲対象の動物である場合に、前記檻における前記動物の進入口を閉塞するシャッターを作動させる信号を出力する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする動物識別プログラム。
(付記2)
前記捕獲対象の動物であるか否かを判定する処理では、前記動物の輪郭により囲まれた領域内に含まれる前記面格子の格子点の数が閾値以上である場合に、前記捕獲可能な位置にいる動物が前記捕獲対象の動物であると判定する、
ことを特徴とする付記1に記載の動物識別プログラム。
(付記3)
前記捕獲対象の動物であるか否かを判定する処理では、前記動物の輪郭により囲まれた領域内に含まれる前記面格子の格子点の数が所定の範囲内である場合に、前記捕獲可能な位置にいる動物が前記捕獲対象の動物であると判定する、
ことを特徴とする付記1に記載の動物識別プログラム。
(付記4)
前記捕獲対象の動物であるか否かを判定する処理では、前記動物の輪郭により囲まれた領域内に含まれる前記面格子の格子点の数が閾値以上であり、かつ前記動物の輪郭に基づく前記格子点の分布が所定の範囲内である場合に、前記捕獲可能な位置にいる動物が前記捕獲対象の動物であると判定する、
ことを特徴とする付記1に記載の動物識別プログラム。
(付記5)
前記動物の位置が捕獲可能な位置であるか否かを把握する処理は、前記シャッターにより前記動物の進入口を閉塞したときに前記檻の内部空間となる前記画像上の領域内に前記動物の輪郭で囲まれる領域の全体が含まれる場合に、前記動物が前記捕獲可能な位置にいると判定する処理を含む、
ことを特徴とする付記1に記載の動物識別プログラム。
(付記6)
前記動物の位置が捕獲可能な位置であるか否かを把握する処理は、前記動物の輪郭で囲まれる領域の全体が、前記画像上における前記シャッターの位置と前記檻の内部空間における最奥位置との間に設定した捕獲可能ラインよりも前記最奥位置側に含まれる場合に、前記動物が前記捕獲可能な位置にいると判定する処理を含む、
ことを特徴とする付記1に記載の動物識別プログラム。
(付記7)
前記コンピュータに実行させる前記処理は、更に、前記シャッターを作動させる信号を出力したことを示す情報を外部装置に出力する処理を含む、
ことを特徴とする付記1に記載の動物識別プログラム。
(付記8)
前記コンピュータに実行させる前記処理は、更に、前記シャッターを作動させる信号を出力したことを示す情報を前記外部装置に出力した後、前記撮像装置から取得した前記檻の画像を前記外部装置に出力する処理を含む、
ことを特徴とする付記7に記載の動物識別プログラム。
(付記9)
面格子を含む檻の外側に設置された撮像装置により撮像された、前記面格子を介して前記檻2の内部空間のうちの動物を捕獲可能な空間全体を把握可能な画像を取得する画像取得部と、
取得した前記画像から動物を検出する動物検出部と、
前記画像から検出した前記動物の輪郭を抽出する輪郭抽出部と、
前記画像における前記動物の輪郭により囲まれた領域内の前記面格子の有無と、前記動物の輪郭と前記檻との位置関係とに基づいて、前記動物が捕獲可能な位置にいるか否かを判定して把握する位置把握部と、
前記画像における前記動物の輪郭により囲まれた領域内に含まれる前記面格子の格子点を計数する格子点計数部と、
前記動物の輪郭により囲まれた領域内に含まれる前記面格子の格子点の数に基づいて、前記捕獲可能な位置にいる動物が捕獲対象の動物であるか否かを判定する捕獲判定部と、
前記捕獲可能な位置にいる動物が前記捕獲対象の動物である場合に、前記檻における前記動物の進入口を閉塞するシャッターを作動させる信号を出力する出力部と、
を備えることを特徴とする動物識別装置。
(付記10)
前記捕獲判定部は、前記動物の輪郭により囲まれた領域内に含まれる前記面格子の格子点の数が閾値以上である場合に、前記捕獲可能な位置にいる動物が前記捕獲対象の動物であると判定する、
ことを特徴とする付記9に記載の動物識別装置。
(付記11)
前記捕獲判定部は、前記動物の輪郭により囲まれた領域内に含まれる前記面格子の格子点の数が閾値以上であり、かつ前記動物の輪郭に基づく前記格子点の分布が所定の範囲内である場合に、前記捕獲可能な位置にいる動物が前記捕獲対象の動物であると判定する、
ことを特徴とする付記9に記載の動物識別装置。
(付記12)
前記位置把握部は、前記シャッターにより前記動物の進入口を閉塞したときに前記檻の内部空間となる前記画像上の領域内に前記動物の輪郭で囲まれる領域の全体が含まれる場合に、前記動物が前記捕獲可能な位置にいると判定する、
ことを特徴とする付記9に記載の動物識別装置。
(付記13)
前記位置把握部は、前記動物の輪郭で囲まれる領域の全体が、前記画像上における前記シャッターの位置と前記檻の内部空間における最奥位置との間に設定した捕獲可能ラインよりも前記最奥位置側に含まれる場合に、前記動物が前記捕獲可能な位置にいると判定する、
ことを特徴とする付記9に記載の動物識別装置。
(付記14)
前記出力部は、更に、前記シャッターを作動させる信号を出力したことを示す情報を外部装置に出力する、
ことを特徴とする付記9に記載の動物識別装置。
(付記15)
前記出力部は、前記シャッターを作動させる信号を出力したことを示す情報に続けて、前記撮像装置から取得した前記檻の画像を前記外部装置に出力する、
ことを特徴とする付記14に記載の動物識別装置。
(付記16)
面格子を含む檻と、前記檻の外側に設置され前記面格子を介して前記檻の内部空間のうちの動物を捕獲可能な空間全体を把握可能な画像を撮像する撮像装置と、前記撮像装置3で撮像した画像に基づいて前記檻内に捕獲対象である動物が進入したか否かを識別する動物識別装置とを備えた動物捕獲装置と、前記動物捕獲装置の檻内を監視する監視装置とを含み、
前記動物識別装置は、
前記撮像装置から前記檻の画像を取得する画像取得部と、
取得した前記画像から動物を検出する動物検出部と、
前記画像から検出した前記動物の輪郭を抽出する輪郭抽出部と、
前記画像における前記動物の輪郭により囲まれた領域内の前記面格子の有無と、前記動物の輪郭と前記檻との位置関係とに基づいて、前記動物が捕獲可能な位置にいるか否かを判定して把握する位置把握部と、
前記画像における前記動物の輪郭により囲まれた領域内に含まれる前記面格子の格子点を計数する格子点計数部と、
前記動物の輪郭により囲まれた領域内に含まれる前記面格子の格子点の数に基づいて、前記捕獲可能な位置にいる動物が捕獲対象の動物であるか否かを判定する捕獲判定部と、
前記捕獲可能な位置にいる動物が前記捕獲対象の動物である場合に、前記檻における前記動物の進入口を閉塞するシャッターを作動させる信号を前記檻に出力する第1の出力部と、
前記シャッターを作動させる信号を出力したことを示す情報を前記監視装置に出力する第2の出力部と、
を備えることを特徴とする動物捕獲システム。
(付記17)
前記第2の出力部は、前記シャッターを作動させる信号を出力したことを示す前記情報に続けて、前記撮像装置から取得した前記檻の画像を前記監視装置に出力する、
ことを特徴とする付記16に記載の動物捕獲システム。
(付記18)
前記動物捕獲システムは、複数の前記動物捕獲装置と、報知器とを含み、
前記監視装置は、前記シャッターを作動させる信号を出力した前記動物捕獲装置を示す情報を前記報知器に送信する、
ことを特徴とする付記16に記載の動物捕獲システム。