特許第6874985号(P6874985)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6874985
(24)【登録日】2021年4月26日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】アプリ変化システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/216 20140101AFI20210510BHJP
   A63F 13/80 20140101ALI20210510BHJP
   A63F 13/70 20140101ALI20210510BHJP
   A63F 13/327 20140101ALI20210510BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20210510BHJP
【FI】
   A63F13/216
   A63F13/80 F
   A63F13/70
   A63F13/327
   G06Q50/10
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-110589(P2017-110589)
(22)【出願日】2017年6月5日
(65)【公開番号】特開2018-201851(P2018-201851A)
(43)【公開日】2018年12月27日
【審査請求日】2020年5月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】591044614
【氏名又は名称】株式会社足立ライト工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】山崎 龍也
【審査官】 緑川 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−71655(JP,A)
【文献】 特開2017−76378(JP,A)
【文献】 特開2016−45732(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00−13/98
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末に搭載したアプリを非特定エリアで使用する際には、第1ポイントが溜まると共に前記第1ポイントが使用される通常状態に設定されており、
前記端末が特定エリアに入ったと判定されたときには、前記アプリが前記通常状態から特定状態に変化するように構成され、
前記特定状態では、前記非特定エリアで溜まった前記第1ポイントを該第1ポイントとは異なる第2ポイントに変化させて使用可能となるように構成されたことを特徴とするアプリ変化システム。
【請求項2】
前記第2ポイントが現金又は現金化可能なポイントであることを特徴とする請求項1に記載のアプリ変化システム。
【請求項3】
前記端末が前記特定エリアに入ったか否かの判定は、前記特定エリア内に設置されたゲート装置に前記端末が認識されたか否かで判定することを特徴とする請求項1又は2に記載のアプリ変化システム。
【請求項4】
前記端末が前記特定エリアに入ったか否かの判定は、前記端末のGPS情報に基づいて前記端末が前記特定エリア内に存在するか否かで判定することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のアプリ変化システム。
【請求項5】
前記端末が前記特定エリアに入ったか否かの判定は、前記特定エリア内で使用可能なWi-Fiネットワークを経由して通信が開始されたか否かで判定することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のアプリ変化システム。
【請求項6】
前記端末が前記特定エリアから外れたと判定されたときには、前記アプリが前記特定状態から前記通常状態に戻るように構成され、
前記通常状態では、前記特定エリアで溜まった前記第2ポイントが使用不可となって前記第1ポイントが使用可能な状態に戻るように構成されたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のアプリ変化システム。
【請求項7】
前記アプリはゲームアプリであって、前記通常状態と前記特定状態との間でゲーム内容は維持された状態で、前記第2ポイントが使用可能か否かが変化するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載のアプリ変化システム。
【請求項8】
前記第1ポイントから前記第2ポイントへの変換レート及び/又は前記第2ポイントから前記第1ポイントへの変換レートが前記アプリ毎に異なっていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載のアプリ変化システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定エリアに入るとアプリ状態が変化するアプリ変化システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スマートフォンや携帯電話やタブレット端末等の携帯端末には、種々のアプリが搭載されるようになっている。そのようなアプリの中には、所定のポイントを溜めたり使用したりすることができるようになっているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−202908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記したような従来のアプリシステムでは、ポイントの使用条件が常に同じであり、面白みに欠けるため、もっとポイントを異なる形で使用することはできないかという要望があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、特定エリアに入るとアプリが変化して溜めていたポイントが異なるポイントとして使用できるようになるアプリ変化システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の発明は、端末に搭載したアプリを非特定エリアで使用する際には、第1ポイントが溜まると共に前記第1ポイントが使用される通常状態に設定されており、前記端末が特定エリアに入ったと判定されたときには、前記アプリが前記通常状態から特定状態に変化するように構成され、前記特定状態では、前記非特定エリアで溜まった前記第1ポイントを該第1ポイントとは異なる第2ポイントに変化させて使用可能となるように構成されたアプリ変化システムとしたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明に加えて、前記第2ポイントが現金又は現金化可能なポイントであるアプリ変化システムとしたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明に加えて、前記端末が前記特定エリアに入ったか否かの判定は、前記特定エリア内に設置されたゲート装置に前記端末が認識されたか否かで判定するアプリ変化システムとしたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の発明に加えて、前記端末が前記特定エリアに入ったか否かの判定は、前記端末のGPS情報に基づいて前記端末が前記特定エリア内に存在するか否かで判定するアプリ変化システムとしたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか一項に記載の発明に加えて、前記端末が前記特定エリアに入ったか否かの判定は、前記特定エリア内で使用可能なWi-Fiネットワークを経由して通信が開始されたか否かで判定するアプリ変化システムとしたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れか一項に記載の発明に加えて、前記端末が前記特定エリアから外れたと判定されたときには、前記アプリが前記特定状態から前記通常状態に戻るように構成され、前記通常状態では、前記特定エリアで溜まった前記第2ポイントが使用不可となって前記第1ポイントが使用可能な状態に戻るように構成されたアプリ変化システムとしたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の何れか一項に記載の発明に加えて、前記アプリはゲームアプリであって、前記通常状態と前記特定状態との間でゲーム内容は維持された状態で、前記第2ポイントが使用可能か否かが変化するように構成されているアプリ変化システムとしたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7の何れか一項に記載の発明に加えて、前記第1ポイントから前記第2ポイントへの変換レート及び/又は前記第2ポイントから前記第1ポイントへの変換レートが前記アプリ毎に異なっているアプリ変化システムとしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、特定エリアに入るとアプリが通常状態から特定状態に変化して、通常状態で溜めていた第1ポイントがその第1ポイントとは異なる第2ポイントとして使用できるようになる。その結果、ポイントを異なる目的や用途に使用することができ、ポイントを使用して、変化のある、より面白みのある状態を形成することができる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、第2ポイントが現金又は現金化可能なポイントであるため、ポイントを溜めることで特定エリアで使用できるお金を増やすことができ、ポイントを溜めるモチベーションを上げることができる。
【0016】
請求項3に係る発明によれば、端末を認識するゲート装置によって端末が特定エリアに入ったとの判定を行うことで、確実に端末が特定エリアに入ったことを確認することができる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、GPS情報に基づいて端末が特定エリアに入ったとの判定を行うことで、特別な装置なしに特定エリアを設定することができる。
【0018】
請求項5に係る発明によれば、Wi−Fiネットワークで通信がなされていることで端末が特定エリアに入ったとの判定を行うことで、特別な装置なしに特定エリアを設定することができると共に、通信手段を規制することでセキュリティも確保することができる。
【0019】
請求項6に係る発明によれば、端末が特定エリアから外れたときにアプリが特定状態から通常状態に戻るようになっていることで、特定エリアでしか使用できない第2ポイントが特定エリア外で使用されることを防止すると共に、非特定エリアで使用可能な第1ポイントを再び使用できる状態にスムーズに移行することができる。
【0020】
請求項7に係る発明によれば、通常状態と特定状態とでアプリのゲーム内容が維持されていることで、特定状態では通常状態と同様のゲーム内容で異なるポイントを使用することができ、同様のゲームスキルを用いて異なるポイントを稼ぐことができる。
【0021】
請求項8に係る発明によれば、ポイントの変換レートがアプリ毎に異なることで、使用者が非特定エリアではどのアプリでポイントを溜めるか、特定エリアではどのアプリを使用するか等を考えて選択する楽しみができ、興趣を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施の形態に係るアプリ変化システムのエリアを説明する概略図である。
図2】同実施の形態に係るゲート装置を示す斜視図である。
図3】同実施の形態に係るカジノ機を示す斜視図である。
図4】同実施の形態に係るアプリ変化システムのシステム構成を示すブロック図である。
図5】同実施の形態に係るアプリ変化システムの周辺機器との繋がり状態を説明するブロック図である。
図6】同実施の形態に係るアプリ変化システムの流れを示すフローチャートである。
図7】同実施の形態に係る設定画面を示す図である。
図8】同実施の形態に係る設定画面を示す図である。
図9】同実施の形態に係る設定画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態におけるアプリ変化システムについて、図1図9を参照しながら説明する。本実施の形態のアプリ変化システムは、「端末」としてのスマートフォン10に搭載したアプリで使用する「第1ポイント」としての通常ポイントが、「特定エリア」としてのカジノエリア2に入ったと判断されたら他の使用目的(ここではカジノの掛け金)を有する「第2ポイント」としての現金ポイントに変化するシステムである。以下、詳述する。
【0024】
本実施の形態では、符号1は「非特定エリア」としての通常エリア、符号2はカジノエリア、符号10はスマートフォン、符号20はゲート装置、符号30はカジノ機、符号40はメインコンピュータを示している。
【0025】
まず、図1に示すように、通常エリア1は、所謂一般エリアであり、カジノエリア2はホテルやビル、カジノ用に設けられた建物等の中の所定の場所でカジノを営業することが許可されたエリアである。通常、カジノエリア2は通常エリア1とは隔離された場所となっており、通常エリア1からカジノエリア2に入るためには、セキュリティチェックを受ける等、入場に一定の条件が必要となる場合が多い。
【0026】
また、スマートフォン10には、種々のアプリがインストールされており、その中のいくつかのアプリは、アプリ変化システムを備えており、通常エリア1とカジノエリア2とで異なる状態となるように構成されている。アプリ変化システムを備えたアプリの例としては、スマートフォン10にインストールされたモンスターを倒す内容のゲームアプリであって、通常エリア1ではモンスターを倒すゲームを行うことで通常ポイントを獲得することができる他、通常ポイントをクレジットカード等で購入できるようになっており、こうして獲得や購入した通常ポイントでゲーム内のアイテムを購入することができるようになっているものが挙げられる。ただし、購入した通常ポイントはアイテムを購入する以外には利用できず、換金もできないようになっている。
【0027】
このゲームアプリは、カジノエリア2に入ったと判定されると特別状態としてカジノバージョンに変化するようになっており、その際、通常ポイントが所定の変換率を持って現金ポイントに変換されるようになっている。この現金ポイントは、カジノエリア2内で現金に換金することができるものである。そして、このカジノバージョンでは特定のモンスターを倒す等のゲームの結果に対してベットできるようになっており、現金ポイントを賭けてプレイすることで、モンスターを倒したときには現金ポイントが得られるようになっている。このように、カジノバージョンでは、ゲーム中の所定の結果がカジノの当たり外れに相当するように構成されている。
【0028】
また、カジノバージョンでゲームを行うには、図2に示すような、カジノエリア2の出入口3に設置されたゲート装置20にスマートフォン10を接続して、認証を受ける(カジノエリア2に入ったと判定される)必要があり、認証を受けるとカジノエリア2に対応した全てのアプリがカジノバージョンに変化することが可能となっている。さらに、カジノバージョンでゲームを行うには、図3に示すような、カジノエリア2内に設置されたカジノ機30にスマートフォン10を接続して、当該カジノ機30でプレイする必要がある。
【0029】
このカジノ機30では、透過型の大画面31を有しており、ゲーム内容が大画面31に映し出されるようになっている。また、大画面31の奥側には所定の空間32を有しており、その奥側にジオラマスペース33を有している。このジオラマスペース33は、予めゲーム内容に沿った固定のジオラマが設置されていて、特定のゲーム用のカジノ機30が存在するようになっていても良いし、また、ジオラマスペース33にはプロジェクションマッピング等によってアプリのジオラマが映し出されるようになっていて、1つのカジノ機30で複数のアプリのジオラマが形成できるようになっていても良い。
【0030】
次に、本実施の形態のアプリ変化システムのシステム構成について説明する。
【0031】
図4に示すように、本実施の形態のアプリ変化システムは、スマートフォン10の中に組み込まれており、アプリを制御する制御部10aと、アプリの通常エリア1で動作する通常状態のプログラムA1とカジノエリア2で動作するカジノバージョンのプログラムA2とを記憶している記憶部10bと、外部からの信号を受信すると共に外部に信号を送信する送受信部10cとを有している。なお、制御部10aは、スマートフォン10が通常エリア1からカジノエリア2に入ったか否かを判定する判定部を含んでおり、この制御部10aで当該判定を行うようになっている。
【0032】
そして、通常状態時に、送受信部10cで外部からカジノエリア2に入ったとの信号(ここではゲート装置20に接続されたとの信号)を受けたときには、その信号が制御部10aに伝えられ、当該制御部10a(の中の判定部)でカジノエリア2に入ったと判定されたときには、制御部10aは記憶部10bからプログラムA2を起動させて、アプリをカジノバージョンに変化させるように構成されている。
【0033】
なお、カジノエリア2に入った場合には、使用者はカジノバージョンでゲームを行うか、通常時のゲームを行うかを自由に選択できるようにしておくことが望ましい。例えば、現金ポイントに変換するときに通常ポイントが少し足りない場合には、通常ポイントを獲得するために通常時のゲームを行うといったことも可能になる。
【0034】
またさらに、カジノバージョン時に、送受信部10cで外部とスマートフォン10が接続されたとの信号(ここではカジノ機30に接続されたとの信号)を受け、当該アプリでカジノを行うことが選択されたときには、その信号が制御部10aに伝えられ、制御部10aはプログラムA2をカジノ機30に転送して、カジノ機30でカジノバージョンのゲームを行うことができるように構成されている。
【0035】
また、カジノバージョン時に、送受信部10cで外部からカジノエリア2から出るとの信号(ここでは再びゲート装置20に接続されたとの信号)を受けたときには、その信号が制御部10aに伝えられ、当該制御部10a(の中の判定部)でカジノエリア2から外れて通常エリア1に出たと判定されたときには、制御部10aは記憶部10bからプログラムA1を起動させて、アプリを通常状態に変化させるように構成されている。
【0036】
また、図5に示すように、本実施の形態のアプリ変化システムにおいては、スマートフォン10内のアプリ変化システムを補完するシステムが設けられており、例えばカジノエリア2においてメインコンピュータ40を有しており、このメインコンピュータ40が全てのシステムを統括している。このメインコンピュータ40には、ゲート装置20が接続されており、スマートフォン10がゲート装置20に接続されると、メインコンピュータ40に繋がり、メインコンピュータ40がゲート装置20を介してスマートフォン10にカジノエリア2に入ったとの信号を送り、これを受けたスマートフォン10の中のアプリが通常状態から特定状態に変化するプログラムを動作させるようになっている。
【0037】
また、メインコンピュータ40には、カジノ機30も接続されており、スマートフォン10がカジノ機30に接続され、カジノバージョンでプレイするアプリを選択すると、メインコンピュータ40からカジノバージョンでのプレイを許可を出し、当該アプリからの情報に応じて大画面31や空間32やジオラマスペース33に当該アプリの画像や映像が形成されるようになっている。そして、アプリのカジノバージョンでのプレイを可能にするように構成するようになっている。
【0038】
なお、カジノバージョンにおける当たり外れの抽選等は、スマートフォン10側で行うようになっていても良いし、メインコンピュータ40側で行うようになっていても良い。 次に、アプリ変化におけるポイント変換について詳細に説明する。前記したゲート装置20にスマートフォン10を接続すると、図7〜9に示すように、設定画面が表示されるようになっている。この設定画面において、各種設定を行うことで、スマートフォン10の使用者がカジノを行う際の設定を行うことができる。
【0039】
まず、図7(a)に示すように、スマートフォン10内のカジノ対応のゲームアプリの一覧11が表示され、その選択欄12をタッチしていくことで、カジノバージョンに変換してカジノエリア2内でカジノを行うアプリを選択する。また、このとき、図7(b)に示すように、変換レート欄14に変換レートが表示され、カジノを行った際に当たったときの換金率がアプリ毎に異なるように構成されている。さらに、課金レベル欄13に課金レベルが表示され、アプリにおける課金レベルによっても変換レートが変化するようになっている。すなわち、図7(a)のパズルゲームにおいて通常ポイントを多く購入してガチャ等のアイテムを所定金額以上購入する毎に、課金レベルが上がっていき、そのレベルに応じてカジノエリア2内での変換レートが上がっていくようになっている。
【0040】
ここでは、課金レベルが最低の1のときには変換レートが1.1だが課金レベルが2→3→4と上がって行くに連れて0.1ずつ変換レートが上がっていくようになっている。この設定を行うと、カジノ機30でカジノプレイを行う際に、図7(c)に示すように、スマートフォン10の現金ポイント欄15に現在所有している現金ポイント、課金レベル欄13に課金レベル、変換レート欄14に変換レートが表示されるようになっている。
【0041】
なお、カジノバージョンに変換したアプリは、その他のアプリと区別が可能なように、アイコンを変更することが望ましい。例えば、アイコンの色、形、模様等をカジノバージョン用にデザインされたものにすることが考えられる。
【0042】
次に、通常状態から特定状態であるカジノバージョンになったときに使用するポイントについて設定する。本実施の形態では、通常状態で貯まっていた種々の通常ポイントの内、カジノバージョンで現金ポイントに変換して使用するポイントを選択できるようになっており、図8(a)に示すように、通常状態で使用中の通常ポイントの残高一覧16と、クレジットカード等からカジノエリア2における引き出し可能額一覧17とが表示されている。
【0043】
次に、図8(b)に示すように、これらの残高一覧16の中から変換後の現金ポイントを表示する現金ポイント残高一覧16aを表示すると共にどのポイントを現金ポイントとして使用するかを選択する選択欄16bと、引き出し可能額一覧17の中から使用する媒体を選択する選択欄17bと限度額を再設定した後の引き出し可能一覧17aが表示され、この選択欄16b,17bをチェックしてどのポイントをカジノバージョンで使用するか、どの媒体で現金ポイントを購入するかを選択するようになっている。
【0044】
その結果、図8(c)に示すように、スマートフォン10の現金ポイント欄15に変換されて現在使用できる現金ポイントが表示されるようになっている。
【0045】
また、カジノエリア2でのカジノバージョンでのゲームにおいてポイントを使い終わった後は、スマートフォン10内で設定されている電子マネーやクレジットカード等を用いてカジノに利用できる現金ポイントを購入できるようになっている。但し、ゲート装置20にて設定した限度額が上限となっており、それ以上はストッパが掛かって購入できないようになっている。これを行うことで、設定金額以上はカジノで使用する現金ポイントに変換できなくなるため、予定以上にお金をつぎ込んでしまうということを防止できるものである。
【0046】
また、図9(a)に示すように、カジノ内でプレイをした結果は使用履歴欄18に表示されるようになっている。ここでは、ゲーム毎における勝率が表示されるようになっている。なお、この勝率は正確に勝ちとなった確率を表示するようになっていても良いが、これに限るものではなく、例えばパチンコのリーチのような当たりそうな状態が生じた確率を表示するようになっていても良い。
【0047】
また、カジノエリア2を出るときには、ゲート装置20において清算を行うようになっており、まずは現金ポイントをもとの図8(b)の状態にし、それを通常ポイントに戻すことを第1に行う。その後、余った残りのポイントを現金化できるようになっている。また、図9(b)に示すように、図8(b)の状態に戻すポイントがない(負けた)ときには、結果的に各ポイントから均等にポイントを消費させるように、現金ポイントを割り振った後に通常ポイントに戻すように構成されている。
【0048】
なお、本実施の形態のカジノエリア2では、前記したようなアプリを利用したカジノゲームが行えるカジノ機30の他、通常のルーレットテーブル9やポーカーテーブル(図示省略)、ブラックジャックテーブル(図示省略)、スロットマシン(図示省略)等の種々のカジノゲームが行えるテーブルや機械が設置されており、これらにもスマートフォン10を接続して現金ポイントを使用してゲームが行えるようになっている。
【0049】
次に、このような構成のアプリ変化システムの作用について、図1図9を用いて説明する。なお、下記の作用はスマートフォン10に予め記録された制御プログラム(ここではメインコンピュータ40の制御プログラムでスマートフォン10を補完している)に基づいて実行するものである。
【0050】
まず、スマートフォン10の使用者がゲート装置20にスマートフォン10を接続して、カジノエリア2に入る手続きを取っているかどうかの判定を、スマートフォン10の制御部10aで行う(図6のステップS1)。ここで、ゲート装置20にスマートフォン10を接続していないときには、通常エリア1にいるとみなし、スマートフォン10を通常状態で動作させる(図6のステップS3)。
【0051】
この通常エリア1では所定のアプリ(ここでは所定のゲームアプリ)を立ち上げたかどうかの判定を行い(図6のステップS5)、立ち上げていればゲームが開始され(図6のステップS7)、その後、終了するかどうかの判定(図6のステップS9)で終了が選択されるまでゲームが継続し、終了が選択されるとカジノエリア2に入る手続きを取っているかどうかの判定に戻る(図6のステップS1)。
【0052】
なお、このゲームがポイントを購入するシステムを有しているアプリである場合には、ゲームの中で通常ポイントを購入するかどうかの選択画面があり、この通常ポイントを購入すると、当該通常ポイントでゲーム内のアイテム(武器やゲームを行う権利等)と交換することができる。但し、この通常ポイントを換金したり払い戻したりすることは通常できないようになっている。
【0053】
また、スマートフォン10の使用者がゲート装置20にスマートフォン10を接続してカジノエリア2に入る手続きを取っているかどうかの判定(図6のステップS1)において、ゲート装置20にスマートフォン10を接続しているときには、カジノエリア2にいるとみなし、それ以降はスマートフォン10を特定状態であるカジノバージョンで動作させる(図6のステップS2)。
【0054】
このゲート装置20は、カジノエリア2の入口に設置されており、スマートフォン10の使用者が通常エリア1からカジノエリア2に入るときに、当該ゲート装置20で入場処理を行うものである。この入場処理においては、図7及び図8に示すようなカジノ内で使用するアプリの設定やカジノ内で使用するポイントの設定を行う。
【0055】
次に、カジノエリア2に入ってカジノバージョンになったスマートフォン10を、各カジノ機30に接続したかどうかの判定を行い(図6のステップS4)、カジノ機30に接続していないときにはそのままカジノバージョンでの待機状態を続ける。これに対し、カジノ機30に接続されたと判定されたときには、さらに所定のアプリを選ぶことで、当該アプリのカジノバージョンが立ち上がり、カジノバージョンのゲームが開始される(図6のステップS6)。このカジノバージョンのゲームでは、ゲート装置20において変換された現金ポイントを用いて現金を賭けてプレイすることができる。
【0056】
そして、カジノバージョンでのプレイの中で得られた結果によって現金ポイントが得られるようになっている。その後、終了するかどうかの判定(図6のステップS8)で終了が選択されるまでゲームが継続し、終了が選択されると、カジノバージョンでのゲームでのポイント増減の結果がスマートフォン10内に保存される(図6のステップS10)。
【0057】
なお、カジノバージョンのゲーム中に何らかの通信障害が発生してしまい、カジノエリア2外と判定された場合に使用者の不利益が生じないように、ステップS4で、カジノ機30に接続されたと判定された時点で、当該ゲームが終了するまでは、ステップS2でカジノエリア2内にいると判定された結果を維持するものとしておくことが望ましい。
【0058】
その後、再びゲート装置20にてカジノエリア2の外に出る手続きを取っているかどうかの判定(図6のステップS11)を、スマートフォン10の制御部10aで行い、ゲート装置20にて手続きを取っていないうちは、カジノエリア2に留まっていると判断して再びカジノ機30と接続されるかどうかの判定に戻る(図6のステップS4)。
【0059】
また、図6のステップS11において、ゲート装置20に再び接続してカジノエリア2から通常エリア1に出る手続きを取った場合には、その際に現金ポイントを通常ポイントに戻す処理がなされ(図6のステップS12)、アプリが通常状態に戻り、現金ポイントが使用できない状態となる。
【0060】
なお、カジノエリア2でのカジノバージョンのアプリでは、現金ポイントを購入できるようになっており、この現金ポイントを購入すると、ゲーム内で当該現金ポイントを賭けてプレイすることができる。この現金ポイントは、カジノエリア2内の所定の換金所で現金に換金できるようになっている。
【0061】
また、再びゲート装置20に接続してカジノエリア2から通常エリア1に出るときには、スマートフォン10の制御部10aにおいてカジノモードを通常状態に戻し、現金ポイントが使えなくなり、当該現金ポイントをもとの通常ポイントに戻した上で、余った現金ポイントを換金できるようになっている。なお、換金せずに貯めておくこともでき、その際には、特別ポイントとして通常状態では使用できないポイントがスマートフォン10にプールされるようになる。
【0062】
以上のように、前記した実施の形態のアプリ変化システムは、カジノエリア2に入るとアプリが通常状態からカジノバージョンに変化して、通常状態で溜めていた通常ポイントが当該通常ポイントとは異なる現金ポイントとして使用できるようになる。その結果、ポイントを異なる目的や用途に使用することができ、ポイントを使用して、変化のある、より面白みのある状態を形成することができる。
【0063】
また、前記した実施の形態では、第2ポイントが現金又は現金化可能なポイントであるため、ポイントを溜めることで特定エリアで使用できるお金を増やすことができ、ポイントを溜めるモチベーションを上げることができる。
【0064】
また、前記した実施の形態では、スマートフォン10を認識するゲート装置2によってスマートフォン10がカジノエリア2に入ったとの判定を行うことで、確実にスマートフォン10がカジノエリア2に入ったことを確認することができる。
【0065】
また、前記した実施の形態では、通常状態とカジノバージョンとでアプリのゲーム内容が維持されていることで、カジノバージョンでは通常状態と同様のゲーム内容で異なるポイントを使用することができ、同様のゲームスキルを用いて異なるポイントを稼ぐことができる。
【0066】
また、前記した実施の形態では、ポイントの変換レートがアプリ毎に異なることで、使用者が通常エリア1ではどのアプリでポイントを溜めるか、カジノエリア2ではどのアプリを使用するか等を考えて選択する楽しみができ、興趣を向上させることができる。
【0067】
なお、以上説明した各実施の形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。
【0068】
例えば、前記した実施の形態では、端末10が特定エリア2に入ったか否かの判定は、特定エリア2内に設置されたゲート装置20に端末10が認識されたか否かをスマートフォン10の制御部10a(の中の判定部)で判定するようになっていたが、これに限るものではなく、端末が特定エリアに入ったか否かの判定は、端末のGPS情報に基づいて端末が特定エリア内に存在するか否かをスマートフォンの制御部(の中の判定部)で判定するようになっていても良い。
【0069】
このようになっていれば、スマートフォンの制御部(の中の判定部)が、GPS情報に基づいて端末が特定エリアに入ったとの判定を行うことで、特別な装置なしに特定エリアを設定することができる。
【0070】
また、端末が特定エリアに入ったか否かの判定は、特定エリア内で使用可能なWi-Fiネットワークを経由して通信が開始されたか否かをスマートフォンの制御部(の中の判定部)で判定するようになっていても良い。
【0071】
このようになっていれば、スマートフォンの制御部(の中の判定部)が、Wi−Fiネットワークで通信がなされていることで端末が特定エリアに入ったとの判定を行うことで、特別な装置なしに特定エリアを設定することができると共に、通信手段を規制することでセキュリティも確保することができる。
【0072】
さらに、スマートフォンの制御部(の中の判定部)が、ゲート装置、GPS、Wi−Fiネットワークのうちの2つ又は全てが特定エリアを示したときのみ端末が特定エリアに入っていると判定するようになっていても良い。
【0073】
このように2つ以上の項目が合致したときのみ、スマートフォンの制御部(の中の判定部)が、特定エリアにいるとの判定を行うことで、より強固なセキュリティを保持することができる。
【0074】
また、前記した実施の形態では、カジノエリア2から出るときにはスマートフォン10を再びゲート装置に接続して、アプリをカジノバージョンから通常状態に戻すようになっていたが、これに限るものではなく、例えばGPSやWi−Fiネットワーク等を利用して、端末が特定エリアから外れたと判定されたときには、アプリが特定状態から通常状態に戻るように構成され、通常状態では、特定エリアで溜まった第2ポイントが使用不可となって第1ポイントが使用可能な状態に戻るように構成されていても良い。
【0075】
このように、端末が特定エリアから外れたことを自動的に検知するようになっており、そのときにアプリが特定状態から通常状態に戻るようになっていることで、特定エリアでしか使用できない第2ポイントが特定エリア外で使用されることを防止すると共に、非特定エリアで使用可能な第1ポイントを再び使用できる状態にスムーズに移行することができる。
【0076】
また、営業時間の終了や特定時刻への到達等によって、アプリをカジノバージョンから通常状態に戻す設定となっていても良い。
【0077】
このように、所定の条件で強制的にカジノバージョンから通常状態に戻る設定を有することで、アプリやカジノのシステムを利用した不正を生じさせ難い状態とし、防犯対策等のセキュリティをより強固なものとすることができる。
【0078】
また、前記した実施の形態では、特定エリアをカジノエリアとし、第2ポイントを現金化可能なポイントとして説明したが、これに限るものではなく、特定エリアとしては、例えば、パチンコホール、ゲームセンター、遊園地などのアミューズメントスポット、ショッピングセンター等の種々のエリアであっても良い。
【0079】
また、第2ポイントについても現金化できるポイントに限らず、その特定エリアでしか使用できないポイントや地域通貨等であっても良い。
【0080】
また、アプリについてもゲームアプリに限るものではなく、その他のアプリの状態が通常状態から特定状態に変化するようになっていれば良い。
【0081】
また、前記した実施の形態では、端末であるスマートフォン10をゲート装置20やカジノ機30に対して直接差し込んで接続するようになっていたが、これに限るものではなく、赤外線やブルートゥース(登録商標)等の無線通信によって接続するようになっていても良い。
【符号の説明】
【0082】
1…通常エリア(非特定エリア)、2…カジノエリア(特定エリア)、3…出入口、9…ルーレットテーブル、10…スマートフォン(端末)、10a…制御部、10b…記憶部、10c…送受信部、11…アプリ一覧、12,16b,17b…選択欄、13…課金レベル欄、14…変換レート欄、15…現金ポイント欄、16…残高一覧、16a…現金ポイント残高一覧、17…引き出し可能額一覧、17a…再設定後の引き出し可能額一覧、18…使用履歴欄、20…ゲート装置、30…カジノ機、31…大画面、32…空間、33…ジオラマスペース、40…メインコンピュータ
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