(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施の形態について
図1ないし
図12を参照して説明する。
【0012】
図中の1は農作業機で、この農作業機1は、例えば走行車であるトラクタ2の後部に連結され、そのトラクタ2の走行により圃場等を前方(進行方向)に移動しながら農作業、例えば草刈作業を行う草刈機(オフセット作業機)である。
【0013】
農作業機1は、トラクタ2の後部の3点リンク(図示せず)に連結される機体3と、この機体3に前後方向の第1回動中心軸線(回動支点)L1を中心として上下方向に回動可能に設けられた1本のオフセットフレーム4と、このオフセットフレーム4に第1回動中心軸線L1とは異なる前後方向の第2回動中心軸線(回動支点)L2を中心として上下方向に回動可能に設けられた作業体である草刈作業体(オフセット作業部)5とを備えている。
【0014】
また、農作業機1は、機体3とオフセットフレーム4との間に架設され、オフセットフレーム4を機体3に対して第1回動中心軸線L1を中心として回動させかつ所望位置に位置決めする第1回動駆動手段6と、オフセットフレーム4と草刈作業体5との間に架設され、草刈作業体5をオフセットフレーム4に対して第2回動中心軸線L2を中心として回動させかつ所望位置に位置決めする第2回動駆動手段7とを備えている。なお、これら第1回動駆動手段6及び第2回動駆動手段7は、背面視で互いに重なるように位置している。
【0015】
さらに、農作業機1は、トラクタ2からの動力を入力し、この入力した動力を草刈作業体5に向けて伝達する伝動手段8を備えており、草刈作業体5の回転作業手段10がその伝動手段8から動力を受けて回転して草刈作業を行う。
【0016】
そして、機体3に対するオフセットフレーム4の上下回動及びオフセットフレーム4に対する草刈作業体5の上下回動に基づき、草刈作業体5は、格納状態及びオフセット状態になるとともに、水平姿勢及び傾斜姿勢(左低右高の傾斜姿勢及び左高右低の傾斜姿勢の両方を含む)になる。
【0017】
つまり、草刈作業体5は、トラクタ2の後方位置に位置する非オフセット状態である格納状態(草刈作業体の全体(略全体を含む)がトラクタの後方領域に格納される状態)と、トラクタ2の後方位置から側方にずれた位置であるオフセット位置に位置するオフセット状態(草刈作業体の全体(略全体を含む)がトラクタに対して側方に突出する状態)とになる。換言すると、草刈作業体5の機体3に対する左右位置が調整可能となっている。
【0018】
このため、草刈作業体5をオフセット状態にすることで、次に述べるように、トラクタ2の走行面に対して傾斜した傾斜面(作業対象面)に対する草刈作業も可能となる。
【0019】
また、草刈作業体5は、作業部である回転作業手段10の回転中心軸線L3が進行方向(前後方向)に対して直交する水平方向(左右方向)に沿った水平姿勢と、回転中心軸線L3がその水平方向に対して傾斜した傾斜姿勢とになる。換言すると、草刈作業体5の水平方向に対する傾斜角度が調整可能となっている。
【0020】
このため、トラクタ2の走行面に対して傾斜した地面である傾斜面(作業対象面)に応じて草刈作業体5を傾斜姿勢にすることによって、当該傾斜面に対する草刈作業も可能である。すなわち、草刈作業体5は、水平姿勢及び傾斜姿勢のいずれの姿勢でも、草刈作業可能なものである。
【0021】
なお、草刈作業体5の傾斜角度(水平方向に対する角度)θは、所定範囲内(例えば−45°≦θ≦70°)において、任意の値に調整可能となっている(
図8(b)を参照)。ただし、例えば傾斜角度θを70°以上に調整可能な構成や、傾斜角度θを−45°以下に調整可能な構成とすることも可能である。
【0022】
機体3は、トラクタ2の後部の3点リンクに連結される前側フレーム11と、この前側フレームに左右方向の軸(回動支点)13を中心として上下方向に回動可能に取り付けられた後側フレーム12とを有している。
【0023】
前側フレーム11は、トップピン14及びロワピン15等からなる3点連結部16を有し、この3点連結部16がトラクタ2の3点リンクに連結される。なお、トラクタ2の3点リンク(農作業機昇降支持装置)は、1本の上部リンク18及び左右2本の下部リンク19を有し、これらリンク18,19は油圧装置(図示せず)の作動によって上下回動し、これにより、トラクタ2に連結した農作業機1全体が当該トラクタ2に対して昇降する(
図11等参照)。
【0024】
後側フレーム12は回動支持部17を有し、この回動支持部17によってオフセットフレーム4の一端側である基端側が回動可能に支持され、このオフセットフレーム4の他端側である先端側が草刈作業体5を回動可能に支持している。
【0025】
オフセットフレーム(上下回動フレーム)4は、例えば1本のく字状の中空状の部材からなり、伝動手段8の少なくとも一部を収納する伝動ケースを兼ねたものである。オフセットフレーム4は、前方突出状の機体取付部21を基端部に有し、この機体取付部21が機体3の後側フレーム12の回動支持部17の内周側に第1回動中心軸線L1を中心として回動可能に取り付けられている。
【0026】
オフセットフレーム4は、前方突出状の前回動支持部22及び後方突出状の後回動支持部23を先端部に有し、これら両回動支持部22,23によって草刈作業体5が第1回動中心軸線L1と平行な第2回動中心軸線L2を中心として回動可能に支持されている。
【0027】
草刈作業体5は、オフセットフレーム4の先端側に第2回動中心軸線L2を中心として上下方向に回動可能に取り付けられた作業機体31と、この作業機体31に回転可能に設けられ、作業対象面である地面に接地する接地部材であるゲージローラ(接地輪)32と、作業機体31に回転可能に設けられ、伝動手段8からの動力によって回転中心軸線L3を中心として回転しながら草刈作業(農作業)をする回転作業手段10とを有している。
【0028】
作業機体31は、回転作業手段10を覆うカバー板34と、このカバー板34の側端部に固着された左右の側板35,36とを有している。左側の側板35の中央部には、ギアケース37及び取付枠38が固設され、これら2つの部材であるギアケース37及び取付枠38によってフレーム取付部40が構成されている。
【0029】
つまり、この作業機体31は、側方突出状のフレーム取付部40を左側の側端部に有し、このフレーム取付部40がオフセットフレーム4の先端部の回動支持部22,23に第2回動中心軸線L2を中心として回動可能に取り付けられている。
【0030】
回転作業手段10は、第2回動中心軸線L2と直交する回転中心軸線L3上に位置する回転軸41を有し、この回転軸41の軸芯と回転中心軸線L3とが一致している。そして、回転軸41の各爪取付部42には、刈爪(フレール爪)43が取付手段44を介して脱着可能に取り付けられている。なお、取付手段44は、例えばボルト45、ナット46及びシャックル47等によって構成されている。
【0031】
第1回動駆動手段6は、伸縮動作する1本の駆動部材である第1シリンダ51のみによって構成されている。第1シリンダ51は、例えば電動油圧シリンダからなるもので、シリンダ本体部52と、このシリンダ本体部52内に対して出入りするロッド部53とを有している。
【0032】
シリンダ本体部52の基端部は、機体3の後側フレーム12のシリンダ取付部55に前後方向の軸56を中心として回動可能に取り付けられている。ロッド部53の先端部は、オフセットフレーム4のシリンダ取付部57に前後方向の軸58を中心として回動可能に取り付けられている。
【0033】
そして、第1シリンダ51の伸縮動作によって、オフセットフレーム4が機体3に対して第1回動中心軸線L1を中心として上下方向に回動する。
【0034】
第2回動駆動手段7は、伸縮動作する1本の駆動部材である第2シリンダ61と、この第2シリンダ61の伸縮動作に応じてオフセットフレーム4に対して前後方向の軸63を中心として回動する略三角板状の回動部材(傾斜姿勢支持部材)62とによって構成されている。なお、これら互いに回動可能に連結された第2シリンダ61及び回動部材62は、く字状をなすオフセットフレーム4の後方に配設されている。
【0035】
第2シリンダ61は、第1シリンダ51と同様、例えば電動油圧シリンダからなるもので、シリンダ本体部66と、このシリンダ本体部66内に対して出入りするロッド部67とを有している。
【0036】
シリンダ本体部66の基端部は、オフセットフレーム4のシリンダ取付部68に前後方向の軸69を中心として回動可能に取り付けられている。ロッド部67の先端部は、連動部材である回動部材62の一端部に前後方向の軸70を中心として回動可能に連結されている。
【0037】
回動部材62は、その長手方向中央部がオフセットフレーム4の回動部材取付部71に前後方向の軸63を中心として回動可能に取り付けられている。また、回動部材62の他端部には長孔状の係合孔部72が形成され、この係合孔部72内には、草刈作業体5の作業機体31の取付枠38の係合軸部73が係合孔部72に沿って摺動可能に挿通されている。このため、これら係合孔部72と係合軸部73との係合によって、草刈作業体5が所望姿勢に保持される。なお、取付枠38の係合軸部73の先端側には、円板状の抜止め部材74が取り付けられている。
【0038】
そして、第2シリンダ61の伸縮動作に応じて回動部材62が連動して回動し、この回動部材62の回動によって、草刈作業体5がオフセットフレーム4に対して第2回動中心軸線L2を中心として上下方向に回動する。
【0039】
ここで、
図8から明らかなとおり、2つのアクチュエータであるシリンダ51,61は、草刈作業体5の格納状態時及びオフセット状態時のいずれにおいても、トラクタ2の後方に位置している。つまり、比較的重い2つのシリンダ51,61は、草刈作業体5の状態及び姿勢に拘わらず、常にトラクタ2の後方(真後ろ)に位置しており、トラクタ2に対するオフセット位置には移動しない。換言すると、両シリンダ51,61は、草刈作業体5の状態及び姿勢に関係なく、常にトラクタ2の後方において当該トラクタ2の幅内に位置している。なお、
図8の如く、シリンダ51,61の全体がトラクタ2の幅内に位置する構成には限定されず、例えば図示しないが、シリンダ51,61の一部がトラクタ2の幅外に突出する構成でもよい。
【0040】
特に、
図8(a)に示すように、草刈作業体5の格納状態時には、第2シリンダ61は、少なくともシリンダ本体部66がトラクタ2の後方かつ草刈作業体5の上方に位置している。また、
図8(b)に示すように、草刈作業体5のオフセット状態時には、第2シリンダ61は、少なくともロッド部67がトラクタ2の後方かつ草刈作業体5の左側方に位置している。そして、この
図8から明らかなように、第2シリンダ61は、トラクタ2の後方領域内において、背面視でこの第2シリンダ61と重なって位置するオフセットフレーム4と一体となって、前後方向の第1回動中心軸線L1を中心として回動するようになっている。
【0041】
伝動手段8は、
図2、
図6等に示すように、トラクタ2のPTO軸からの動力を入力する入力軸80と、第1回動中心軸線L1上(オフセットフレーム4の機体3に対する回動支点上)に位置する前後方向の伝動軸である第1伝動軸81と、これら入力軸80と第1伝動軸81とを連結する屈曲可能なジョイント82とを有している。
【0042】
入力軸80は、機体3の前側フレーム11の軸受部83によって回転可能に支持されている。第1伝動軸81は、オフセットフレーム4の機体取付部21内に配設され、複数の軸受84によって回転可能に支持されており、この第1伝動軸81の軸芯と第1回動中心軸線L1とが一致している。そして、この第1伝動軸81は、草刈作業体5の格納状態時には、その格納状態の草刈作業体5の上方に位置する。
【0043】
ジョイント82は、例えば2つの十字軸82aを有したダブルジョイントからなるもので、後側フレーム12に取着された断面が下向きコ字状のジョイントカバー86によってその全体が覆い隠されている。なお、入力軸80は、トラクタ2のPTO軸に対して、図示しないジョイントを介して接続される。
【0044】
また、伝動手段8は、第2回動中心軸線L2上(草刈作業体5のオフセットフレーム4に対する回動支点上)に位置する前後方向の伝動軸である第2伝動軸87と、この第2伝動軸87の前端部に固設された伝動軸側ギア(ベベルギア)88と、草刈作業体5の回転軸41の左端部に固設され、伝動軸側ギア88と係合する回転軸側ギア(ベベルギア)89とを有している。これら第2伝動軸87、伝動軸側ギア88及び回転軸側ギア89は、草刈作業体5のフレーム取付部40のギアケース37内に配設されている。
【0045】
第2伝動軸87は、複数の軸受85によって回転可能に支持されており、この第2伝動軸87の軸芯と第2回動中心軸線L2とが一致している。草刈作業体5の回転軸41は、その左端部の挿入部41aがギアケース37内に挿入されて複数の軸受90によって回転可能に支持されており、この回転軸41の軸芯と回転中心軸線L3とが一致している。そして、第2伝動軸87及び回転軸41は、各軸芯が互いに直交する状態で、同一平面上に位置している。
【0046】
さらに、伝動手段8は、オフセットフレーム4の基端部内の第1伝動軸81に固設された第1スプロケット91と、オフセットフレーム4の先端部内の第2伝動軸87に固設された第2スプロケット92と、これら両スプロケット91,92に掛け渡された無端状の伝動部材であるチェーン93とを有している。
【0047】
また、
図7に示すように、チェーン93は、ガイドスプロケット94及びテンションスプロケット95にも掛け渡され、かつ、チェーン93に所望の張力を付与するための付勢手段である板バネ96によって付勢されている。
【0048】
そして、オフセットフレーム4は、伝動手段8を収納する伝動ケースの機能を兼ね備えており、このオフセットフレーム4内に、伝動軸81,87、スプロケット91,92,94,95及び板バネ96が収納されている。なお、第1伝動軸81の前端側はオフセットフレーム4内から突出しており、この突出部分にジョイント82が連結されている。同様に、第2伝動軸87の前端側もオフセットフレーム4内から突出しており、この突出部分に伝動軸側ギア88が固着されている。
【0049】
また、
図9ないし
図12に示すように、ダブルフレーム構造の機体3は、前側フレーム11及び後側フレーム12間に架設され、作業時及び持上げ時における草刈作業体5の姿勢(前後方向に対する傾斜姿勢)をそれぞれ個別に調整可能なフレーム連結手段としての姿勢調整手段101を有している。
【0050】
なお、農作業機1の作業時(草刈作業時)とは、トラクタ2の3点リンクにより農作業機1が最下げ位置まで下降して草刈作業体5のゲージローラ32が地面に接地した作業状態時である。農作業機1の持上げ時とは、トラクタ2の3点リンクにより農作業機1が所定位置(例えば最上げ位置)まで上昇して草刈作業体5のゲージローラ32が地面から離れた非作業状態時である。
【0051】
ここで、姿勢調整手段101は、前側フレーム11のロッド取付部102に左右方向の軸103を中心として上下方向に回動可能に取り付けられたロッド105を有し、このロッド105には、複数のストッパ取付孔106が長手方向に間隔をおいて形成されている。
【0052】
また、姿勢調整手段101は、後側フレーム11の取付部107における左右の対向板108に左右方向の回動中心軸線L4を中心として回動可能に取り付けられた回動体(タンブラ)109を有し、この回動体109には、回動中心軸線L4と直交する方向のロッド挿通孔110が形成されている。そして、回動体109のロッド挿通孔110には、ロッド105がスライド可能に嵌合挿通されている。
【0053】
さらに、姿勢調整手段101は、作業時における草刈作業体5の姿勢を調整するための第1調整体である第1ストッパ111と、持上げ時における草刈作業体5の姿勢を調整するための第2調整体である第2ストッパ112と、第1ストッパ111と回動体109との間に位置する弾性変形可能な緩衝用の弾性体であるコイルバネ(緩衝部材)113とを有している。
【0054】
第1ストッパ111は、ロッド105のうち回動体109よりも前方に位置する部分に位置変更可能に設けられている。つまり、第1ストッパ111は、ロッド105の前側に形成された複数(例えば5個)のストッパ取付孔106の中から選択された一のストッパ取付孔106に脱着可能に取り付けられている。そして、この第1ストッパ111のロッド105に対する取付位置の変更(取り付けるストッパ取付孔106の変更)により、作業時における草刈作業体5の姿勢が変わる。
【0055】
第2ストッパ112は、ロッド105のうち回動体109よりも後方に位置する部分に位置変更可能に設けられている。つまり、第2ストッパ112は、ロッド105の後側に形成された複数(例えば9個)のストッパ取付孔106の中から選択された一のストッパ取付孔106に脱着可能に取り付けられている。そして、この第2ストッパ112のロッド105に対する取付位置の変更(取り付けるストッパ取付孔106の変更)により、持上げ時における草刈作業体5の姿勢が変わる。
【0056】
コイルバネ113は、ロッド105のうち第1ストッパ111と回動体109との間に位置する部分の外周側に配設されている。つまり、円筒状のコイルバネ113に、これよりも長いロッド105が挿通されている。そして、このコイルバネ113は、作業時には、前端部が第1ストッパ111に当接しかつ後端部が回動体109に当接して圧縮した状態となって、ゲージローラ32を地面側へ付勢している。
【0057】
次に、農作業機1の作用等を説明する。
【0058】
まず、作業者は、
図8(b)の如く、トラクタ(例えば小型トラクタ)2の3点リンク(農作業機昇降支持装置)に連結した農作業機1の草刈作業体5をその左右位置を調整して所望のオフセット状態(草刈作業体5がトラクタ2のタイヤ2aよりも外側方に位置した状態)に設定する。
【0059】
また、作業者は、草の生えた作業対象面(地面)に応じて、オフセット状態の草刈作業体5の姿勢(左右方向に対する姿勢)を所望姿勢に設定する。すなわち例えば第2回動駆動手段7の第2シリンダ61の作動によって、草刈作業体5を第2回動中心軸線L2を中心として回動させることで、オフセット状態の草刈作業体5の傾斜角度θを調整する。
【0060】
このような調整後、トラクタ2の走行によって農作業機1を前方に移動させると、草刈作業体5の回転作業手段10が、伝動手段8からの動力によって所定方向へ回転しながら草刈作業をする。
【0061】
かかる草刈作業が終了して、農作業機1をトラクタ2で所望位置まで運搬する場合には、第1回動駆動手段6の第1シリンダ51の作動でオフセットフレーム4を第1回動中心軸線L1を中心として回動させるとともに、第2回動駆動手段7の第2シリンダ61の作動で草刈作業体5を第2回動中心軸線L2を中心として回動させることによって、草刈作業体5をもとの格納状態に戻す。
【0062】
なお、
図8(a)の如く、水平姿勢の草刈作業体5を格納状態に設定した場合であっても、この格納状態の草刈作業体5で草刈作業をすることは可能である。
【0063】
ここで、
図9及び
図10に示すように、作業者は、草刈作業をするに際して、姿勢調整手段101の第1ストッパ111の取付位置の変更により、草刈作業時における草刈作業体5の姿勢(前後方向に対する姿勢)を調整することが可能である。
【0064】
つまり、例えば
図9に示すように、第1ストッパ111が前から3番目のストッパ取付孔106に取り付けられた場合には、草刈作業時における草刈作業体5の姿勢は、作業機体31の側板35,36の下端縁31aが前高後低の傾斜状となった姿勢に設定される。このとき、草刈作業体5の作業高さ(地面からの回転作業手段10の下端位置の高さ)Hは、例えば約30mmである。
【0065】
また、例えば
図10に示すように、第1ストッパ111が前から2番目のストッパ取付孔106に取り付けられた場合には、草刈作業時における草刈作業体5の姿勢は、作業機体31の側板35,36の下端縁31aが略水平状となった姿勢に設定される。このとき、草刈作業体5の作業高さ(地面からの回転作業手段10の下端位置の高さ)Hは、例えば約8mmである。
【0066】
このように、ロッド105に対する第1ストッパ111の取付位置の変更により、草刈作業体5の作業高さHを調整可能となっている。それゆえ、作業者は、地面の土質や草の種類等に応じて、草刈作業体5の作業高さHを適宜調整することが可能である。
【0067】
また、
図11及び
図12に示すように、作業者は、トラクタ2の3点リンクで農作業機1を持ち上げるに際して、姿勢調整手段101の第2ストッパ112の取付位置の変更により、持上げ時における草刈作業体5の姿勢(前後方向に対する姿勢)を調整することが可能である。
【0068】
つまり、例えば
図11に示すように、第2ストッパ112が後から3番目のストッパ取付孔106に取り付けられた場合には、トラクタ2の3点リンクによる持上げ時(例えば最上げ位置への持上げ時)における草刈作業体5の姿勢は、作業機体31の側板35,36の下端縁31aが前低後高の傾斜状となった姿勢に設定される。このとき、草刈作業体5の最下端高さ(地面からの草刈作業体5の下端位置の高さ)hは、例えば約300mmである。なお、最上げ位置において、農作業機1は、トラクタ2と干渉しない。
【0069】
また、例えば
図12に示すように、第2ストッパ112が後から1番目のストッパ取付孔106に取り付けられた場合には、トラクタ2の3点リンクによる持上げ時(例えば最上げ位置への持上げ時)における草刈作業体5の姿勢は、作業機体31の側板35,36の下端縁31aが略水平状となった姿勢に設定される。このとき、草刈作業体5の最下端高さ(地面からの草刈作業体5の下端位置の高さ)hは、例えば約260mmである。
【0070】
このように、ロッド105に対する第2ストッパ112の取付位置の変更により、草刈作業体5の最下端高さhを調整可能となっている。
【0071】
それゆえ、
図11の如く、草刈作業体5の最下端高さ(例えば格納状態の草刈作業体5の最下端高さ)hを高くすれば、例えば圃場への出入りやトラックへの積み降ろしを行う場合において、トラクタ2が後傾姿勢となったときに、草刈作業体5が地面等に当たるのを防止することが可能である。
【0072】
また、
図12の如く、草刈作業体5の最下端高さ(例えば格納状態の草刈作業体5の最下端高さ)hを低くすれば、例えば作業途中で旋回のために農作業機1を持ち上げた際に、高速回転中の回転作業手段10が大きく露出するのを防止することが可能である。
【0073】
そして、農作業機1によれば、ダブルフレーム構造の機体3は、作業時における草刈作業体5の姿勢及び持上げ時(非作業時)における草刈作業体5の姿勢をストッパ111,112の位置変更によりそれぞれ個別に調整可能な姿勢調整手段101を有するため、作業時及び持上げ時における草刈作業体5の姿勢を容易に調整できる。
【0074】
すなわち、ロッド105に対する第1ストッパ111の取付位置の変更により、作業時における草刈作業体5の姿勢(最下げの姿勢)を容易に調整でき、よって草刈作業体5の作業高さHを容易に調整でき、また、ロッド105に対する第2ストッパ112の取付位置の変更により、持上げ時における草刈作業体5の姿勢(最上げの姿勢)を容易に調整でき、よって草刈作業体5の最下端高さhを容易に調整できる。
【0075】
また一方、第2回動駆動手段7は、草刈作業体5の格納状態時及びオフセット状態時のいずれにおいても、トラクタ2の後方に位置する第2シリンダ61を有するため、草刈作業体5のオフセット状態時でも第2シリンダ61及び回動部材62がトラクタ2の後方位置に残ることにより、左右の重量バランスが良好であり、よって、重量バランスの向上を図ることができる。
【0076】
また、第2回動駆動手段7の第2シリンダ61は、草刈作業体5の格納状態時にはトラクタ2の後方かつ草刈作業体5の上方に位置し、かつ、草刈作業体5のオフセット状態時にはトラクタ2の後方かつ草刈作業体5の側方に位置するため、重量バランスの向上を効果的に図ることができる。
【0077】
さらに、オフセットフレーム4が機体3に第1回動中心軸線L1を中心として上下方向に回動可能に設けられ、かつ、草刈作業体5がオフセットフレーム4に第2回動中心軸線L2を中心として上下方向に回動可能に設けられた構成であるから、前後方向長さが短く、前後の重量バランスが良好であり、よって、重量バランスの向上をより一層効果的に図ることができる。
【0078】
また、トラクタ2側からの動力を伝達する伝動手段8は、第1回動中心軸線L1上に位置する第1伝動軸81及び第2回動中心軸線L2上に位置する第2伝動軸87を有するため、構成の簡素化を図ることができるとともに、軽量化及びコンパクト化も図ることができ、小型トラクタでも安定的に使用できる。特に、草刈作業体5は、従来の刈取り作業部に比べて部品点数が少なく、構成が簡単であり、比較的軽量である。
【0079】
なお、農作業機1の機体3の姿勢調整手段101は、上述した構成には限定されず、例えば
図13に示す構成でもよい。
【0080】
この
図13に示す姿勢調整手段101は、持上げ時における草刈作業体5の姿勢を調整するための第2調整体として、第2ストッパ112の代わりに、エンドカラー116及び調整用カラー117を有している。そして、調整用カラー117の個数の変更により、持上げ時における草刈作業体5の姿勢(最下端高さ)を調整することができる。
【0081】
なお、例えば図示しないが、姿勢調整手段101は、作業時における草刈作業体5の姿勢を調整するための第1調整体として、第1ストッパ111の代わりに、エンドカラー及び調整用カラーを有する構成でもよい。
【0082】
また、例えば第1調整体及び第2調整体がロッドの外周側にそのロッドの長手方向にスライド調整可能にそれぞれ設けられた構成等でもよい。
【0083】
さらに、農作業機1は、草刈機には限定されず、例えば畦塗り機、溝掘機、耕耘機、収穫機等でもよい。
【0084】
また、農作業機1は、作業部が走行車に対して右側方へ突出する右オフセット状態になる構成には限定されず、例えば作業部が走行車に対して左側方へ突出する左オフセット状態になる構成等でもよい。
【0085】
さらに、回動駆動手段の駆動部材(駆動源)は、電動油圧シリンダには限定されず、例えば油圧シリンダ、電動シリンダ、油圧モータ或いは電動モータ等でもよく、また、回動駆動手段は、駆動部材のみからなるものでもよく、その駆動部材に連動部材を連結したもの等でもよい。
【0086】
また、伝動ケースを兼ねたオフセットフレーム4内に収納される伝動部材は、チェーンやベルト等の無端状部材には限定されず、伝動シャフト等でもよい。