(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記駆動電流は、鋸波形状の第1の駆動電流と、前記第1の駆動電流よりも振幅が小さく、前記第1の駆動電流の周波数を逓倍した周波数を有する第2の駆動電流と、を加算したものであって、
前記基準ガス信号出力部は、前記タイミングを前記逓倍したクロックに基づいて、前記受信信号に含まれる周期信号を生成し、前記周期信号を前記鋸波信号に加算して前記基準ガス信号として出力する、請求項1に記載のガス濃度検出装置。
前記エッジ検出部は、前記受信信号の時間変化が所定の閾値以上であるか否かに基づいて前記エッジを検出する、請求項1から3のいずれか1項に記載のガス濃度検出装置。
前記駆動部は、前記レーザ光源を、鋸波形状の第1の駆動電流と、前記第1の駆動電流よりも振幅が小さく前記第1の駆動電流の周波数を逓倍した周波数を有する第2の駆動電流と、を加算した前記駆動電流で駆動し、
前記基準ガス信号出力部は、前記タイミングを前記逓倍したクロックに基づいて、前記受信信号に含まれる周期信号を生成し、前記周期信号を前記鋸波信号に加算して前記基準ガス信号として出力する、請求項6に記載のガス濃度検出システム。
前記駆動電流は、鋸波形状の第1の駆動電流と、前記第1の駆動電流よりも振幅が小さく、前記第1の駆動電流の周波数を逓倍した周波数を有する第2の駆動電流と、を加算したものであって、
前記タイミングを前記逓倍したクロックに基づいて、前記受信信号に含まれる周期信号を生成し、前記周期信号を前記鋸波信号に加算して前記基準ガス信号として出力する、請求項8に記載のガス濃度検出方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施の形態にいたる検討>
発明者が行った検討例について説明する。
図1は、検討例にかかる装置600の構成を示す構成図である。本検討例は、非特許文献1をベースとしているが、レーザ光の発射及び反射に関しては非特許文献2に記載された技術を使用している。
【0015】
装置600は、送信部100および受信部800を備える。送信部100は、基準信号発生回路110、駆動回路120、およびLD(Laser Diode)130を備える。基準信号発生回路110は、固定発振器等を用いて基準クロック14を生成し、駆動回路120に送信する。基準信号発生回路110は、基準クロック14を、受信部800の同期検波部840および基準ガス信号出力部830に送信する。
【0016】
駆動回路120は、鋸波生成回路121、正弦波調整回路122、および加算回路123を備える。鋸波生成回路121は、基準クロック14に基づいて鋸波形状の信号を生成する。正弦波調整回路122は、基準クロック14に基づく正弦波信号を生成する。加算回路は、鋸波形状の信号と正弦波信号とを加算し、駆動電流26を生成する。駆動回路120は、駆動電流26をLD130に送信する。
【0017】
LD130は、駆動電流26によって駆動され、レーザ光27を、標的20に向けて照射する。標的20は、ミラー、レンズ等を用いてレーザ光27を反射する。標的20に関する技術は、非特許文献2に記載されている。
【0018】
受信部800は、PD810、基準ガス信号出力部830、同期検波部840、およびガス濃度検出部850を備える。PD810は、標的20で反射したレーザ光27を受光し、受信アナログ信号28を出力する。PD810は、受信アナログ信号28を、同期検波部840に送信する。装置600と標的20との間の大気中にガスが含まれている場合、ガスの濃度に応じてレーザ光27が吸収される。吸収される波長は、ガスの種類によって定まる。
【0019】
同期検波部840は、受信した受信アナログ信号28に対して、基準クロック14を用いて同期検波を行う。次に、同期検波部840は、A/D変換を行い、レーザ光27の強度を表す受信デジタル信号29を生成する。同期検波部840は、受信デジタル信号29を、ガス濃度検出部850に送信する。
【0020】
基準ガス信号出力部830は、基準クロック14に基づいて基準ガス信号35を出力する。基準ガス信号出力部830は、基準ガス信号35をガス濃度検出部850に送信する。ガス濃度検出部850は、受信デジタル信号29と基準ガス信号35とを比較し、CPU851を用いて吸収波長におけるガスの吸収量を算出し、ガス濃度を検知する。
【0021】
上述のように、送信部100および受信部800は、同一の基準クロック14を必要とする。したがって、送信部100および受信部800は、同一の装置600の内部に組み込まれる必要がある。また、レーザの発射に関して、LD130、標的20、およびPD810の向きおよび角度を調整する必要がある。LD130からレーザ光を発射し、標的20で反射させ、PD810で受信するためである。さらに、レーザ光の到達距離の半分までの距離で測定を行う必要がある。LD130から照射されたレーザ光は、標的20で折り返すこととなるためである。
【0022】
以下、本検討例における問題点について説明する。本検討例では、装置600から発射されたレーザ光が標的20において折り返すこととなる。したがって、装置600におけるレーザ光の検出限界の距離をNとした場合に、装置600と標的との間の距離は最大で(N/2)となる。したがって、装置から(N/2)までの範囲で測定を行わなければならないという制限がある。
【0023】
ここで、送信装置100と受信装置800とに分離する場合について検討する。
図2は、検討例と、受信装置800を分離するケースと、の検出可能な距離の比較を示す概略図である。受信装置800を分離した場合、検出限界の距離であるNを測定範囲とすることが可能となる。しかし、送信装置100と受信装置800の基準クロックを同期することができないため、ガス濃度検出の精度が低下するおそれや、誤作動が生じるおそれがある。一方、基準クロックを同期するためには、基準クロックを伝送するための有線無線等の伝送手段を別途用意しなければならないという問題がある。
【0024】
図3は、検討例と、受信装置800を分離するケースと、の光軸の調整箇所の比較結果を示す概略図である。検討例では、LD130、標的20、PD810の3箇所で光軸を調整する必要があった。調整が容易でないだけではなく、経時変動によりガス濃度検出の精度が低下するという問題がある。一方、受信装置800を分離した場合、光軸調整が必要になるのは、LD130およびPD810の2箇所のみである。
【0025】
<実施の形態1>
図4は、本実施の形態1にかかるガス濃度検出システム300の構成を示す構成図である。ガス濃度検出システム300は、送信装置100およびガス濃度検出装置200を備える。送信装置100は、測定空間400に対してレーザ光を送信する。ガス濃度検出装置200は、測定空間400を通過したレーザ光を受光し、測定空間400に含まれるガスの濃度を算出する。
【0026】
送信装置100は、駆動部120およびレーザ光源130を備える。駆動部120は、鋸波形状の駆動電流でレーザ光源130を駆動する。駆動電流は、時間とともに増加し、立下りエッジにおいて減少する信号であってもよい。
【0027】
レーザ光源130は、レーザ光を出力する。レーザ光源130は、例えば、LDである。鋸波形状の駆動電流でレーザ光源130を駆動した場合、出力される光の強度は、駆動電流に基づいて鋸波形状に変化する。また、非特許文献1に記載されているように、出力される光の波長も、駆動電流に基づいて鋸波形状に変化する。駆動電流の増加に基づく温度上昇により、レーザ光源130の発光波長が、長波長側にシフトすることが知られている。
【0028】
図5は、ガス濃度検出装置200の機能構成を示す構成図である。ガス濃度検出装置200は、検出器210、受信信号出力部240、エッジ検出部220、基準ガス信号出力部230、およびガス濃度検出部250を備える。
【0029】
検出器210は、鋸波形状の駆動電流で駆動されたレーザ光源から出力されるレーザ光を、測定空間400を介して検出する。検出器210は、例えばPDである。受信信号出力部240は、検出器210の検出結果に応じた受信信号を出力する。受信信号出力部240は、同期検波を行うことにより受信信号を出力してもよい。上述したように、レーザ光は、鋸波形状の駆動電流に基づいて波長および光強度が変化する信号である。ガスの吸収波長が波長の変化範囲に含まれる場合、当該波長の光強度は減衰することとなる。つまり、当該吸収波長に対応する時間において、受信信号のレベルは減衰することとなる。
【0030】
エッジ検出部220は、受信信号のエッジを検出する。例えば、エッジ検出部220は、受信信号に含まれる鋸波形状の信号の立下りエッジを検出する。エッジ検出部220は、受信信号からエッジのタイミングを抽出し、当該タイミングを等間隔にする処理を行ってもよい。基準ガス信号出力部230は、エッジ検出部220が検出したエッジのタイミングに基づいて、受信信号に含まれる鋸波形状の信号を生成し、基準ガス信号として出力する。つまり、基準ガス信号とは、ガスによる吸収の影響を含まない信号である。基準ガス信号出力部230は、エッジ検出部220が等間隔にしたタイミングに基づいて、基準ガス信号を生成してもよい。
【0031】
ガス濃度検出部250は、受信信号と基準ガス信号との比較に基づいて、測定空間400に含まれるガス濃度を検出する。ガス濃度検出部250は、受信信号と基準ガス信号との差分をとり、当該差分に基づいてガスの濃度を算出する。
【0032】
本実施形態にかかるガス濃度検出装置200は、受信信号に含まれるエッジを検出し、検出したエッジのタイミングに基づいて基準ガス信号を生成する。したがって、本実施形態にかかるガス濃度検出装置200は、受信信号から生成された基準ガス信号と、受信信号との比較に基づいてガス濃度を検出することが可能となる。
【0033】
なお、駆動電流は、鋸波形状の第1の駆動電流と、第1の駆動電流よりも振幅が小さく、第1の駆動電流の周波数を逓倍した周波数を有する第2の駆動電流と、を加算したものであってもよい。非特許文献1に記載されているように、鋸波の信号に所定の周期信号を加算することにより、ガス濃度の検出をより効率的に行うことが可能となる。
【0034】
このような場合、基準ガス信号出力部230は、エッジを検出したタイミングを逓倍したクロックを生成する。基準ガス信号出力部230は、逓倍したクロックに基づいて、受信信号に含まれる周期信号を生成し、当該周期信号を前記鋸波信号に加算して前記基準ガス信号として出力する。
【0035】
<実施の形態2>
図6は、本実施の形態にかかるガス濃度検出システム300の構成を示す構成図である。ガス濃度検出システム300は、送信装置100およびガス濃度検出装置200を備える。送信装置100は、レーザ光を送信する。ガス濃度検出装置200は、レーザ光を受信し、ガス濃度を検出する受信装置である。
【0036】
送信装置100は、基準信号発生回路110、駆動回路120、およびLD130を備える。駆動回路120は、駆動部120ともいう。LD130は、レーザ光源130ともいう。なお、送信装置100は、検討例における送信装置100と同様である。
【0037】
基準信号発生回路110は、固定周波数発振器等を用いて、送信クロック25を生成し、駆動回路120へ送信する。駆動回路120は、鋸波生成回路121、正弦波調整回路122、および加算回路123を備える。
【0038】
鋸波生成回路121は、送信クロック25に基づく鋸波信号を生成する。鋸波信号は、所定の周期を有する信号である。正弦波調整回路122は、送信クロック25に基づく正弦波信号を生成する。正弦波信号は、送信クロック25と同期した信号である。加算回路123は、鋸波生成回路121が生成した鋸波信号と、正弦波調整回路122が生成した正弦波信号を加算し、駆動電流26として出力する。
【0039】
駆動回路120は、加算回路123が生成した駆動電流26を用いてLD130を駆動する。LD130は、駆動電流26に基づくレーザ光を出力する。レーザ光の強度は、駆動電流26に基づいて鋸波形状に時間変化する。また、LD130の波長も、鋸波形状に時間変化する。
【0040】
LD130は、駆動電流26をレーザ光27に変換し、大気およびガスを含む測定空間400を介してガス濃度検出装置200のPD210へ送信する。なお、本実施の形態においては、検討例とは異なり、ミラー等の標的は不要である。
【0041】
ガス濃度検出装置200は、PD210、基準信号再生回路220、基準ガス信号出力部230、同期検波部240、およびガス濃度検出部250を備える。ガス濃度検出装置200は、基準信号再生回路220において検討例と異なっている。基準信号再生回路220は、エッジ検出部220ともいう。同期検波部240は、受信信号出力部240ともいう。
【0042】
PD210は、受信したレーザ光を受信アナログ信号28に変換する。PD210は、受信アナログ信号28を、同期検波部240と、基準信号再生回路220のタイミング信号取得部222と、に送信する。
【0043】
基準信号再生回路220は、閾値設定部221、タイミング信号取得部222、PLL(Phased Lock Loop)回路223、および逓倍回路224を備える。閾値設定部221は、受信アナログ信号28のエッジを検出するための閾値30を設定し、タイミング信号取得部222に送信する。閾値設定部221は、予め定められた閾値30を記憶していてもよい。
【0044】
タイミング信号取得部222は、閾値設定部221が設定した閾値30に基づいて、受信アナログ信号28からエッジを検出する。タイミング信号取得部222は、エッジを検出したタイミングに基づいて、タイミング抽出信号31を生成する。タイミング抽出信号31は、エッジを検出したタイミングを立上りとするパルス信号である。ここで、タイミング信号取得部222がエッジを検出するタイミングは、ジッタの影響により等間隔ではない。したがって、タイミング抽出信号31のパルスの立上りのタイミングは、一定間隔とはなっていない。タイミング信号取得部222は、タイミング抽出信号31を、PLL回路223へ送信する。
【0045】
PLL回路223は、タイミング抽出信号31にPLL処理を行い、タイミング再生信号33を生成する。タイミング再生信号33は、PLL処理によって、パルスの立上りのタイミングが一定間隔となっている。PLL回路223は、タイミング再生信号33を、基準ガス信号出力部230および逓倍回路224に送信する。逓倍回路224は、タイミング再生信号33を逓倍し、基準クロック32を生成する。基準クロック32は、送信装置100が使用した送信クロック25を、ガス濃度検出装置200において再生した信号となっている。
【0046】
同期検波部240は、同期検波回路241、マルチプレクサ242、およびAD変換部243を備える。同期検波回路241は、PD210から出力された受信アナログ信号28に対して、基準クロック32を用いた同期検波を行う。マルチプレクサ242は、検波された鋸波信号と正弦波信号とを多重化する。AD変換部243は、A/D変換を行うことにより受信デジタル信号29を生成し、ガス濃度検出部250へ送信する。
【0047】
基準ガス信号出力部230は、基準クロック32およびタイミング再生信号33に基づいて、基準ガス信号35を生成する。基準ガス信号出力部230は、タイミング再生信号33に基づいて鋸波信号を生成し、基準クロック32に基づいて正弦波信号を生成する。基準ガス信号出力部230は、鋸波信号と正弦波信号とを加算し、基準ガス信号35を生成する。基準ガス信号出力部230は、生成した基準ガス信号35をガス濃度検出部250へ送信する。
【0048】
ガス濃度検出部250は、CPU251を備える。CPU251は、受信デジタル信号29と基準ガス信号35とに基づいて、測定空間400に含まれるガスの濃度を演算する。ガス濃度検出部250は、CPU251の演算結果を濃度出力36として出力する。上述した構成により、ガス濃度検出装置200は、送信クロック25を基準クロック32として再生し、ガス濃度を検出することが可能となる。
【0049】
次に、ガス濃度検出システム300の動作について説明する。まず、送信装置100の動作について説明する。駆動回路120は、送信クロック25に基づいて駆動電流26を生成し、LD130を駆動する。LD130は、駆動電流26に基づくレーザ光27を測定空間400に出力する。
図7は、駆動電流26の時間変化を示す図である。駆動電流26は、正弦波信号を鋸波形状の信号に重畳した信号である。駆動電流26は、レーザ光27の波長および光強度を鋸波状に変化させる。鋸波の成分は、
図7の基準位相として示されたタイミングが立下りエッジとなる。正弦波の成分は、基準クロック25と同期している。なお、
図7には、正弦波信号の一部のみを記載している。
【0050】
次に、ガス濃度検出装置200の動作について説明する。出力されたレーザ光27は、測定空間400を通過し、PD210で受光される。測定空間400は、ガスが発生しており、ガス濃度が高い状態になっている。PD210は、受信アナログ信号28を出力する。
図8に受信アナログ信号28の時間変化を示す。上述したように、受信アナログ信号28の大きさは、レーザ光27の波長(λ)および光強度に対応する。レーザ光27のA1の範囲は、ガスによる吸収によって所定の波長の光が吸収されて、レーザ光27の光強度が減衰することに対応する。
【0051】
次に、基準信号再生回路220は、受信アナログ信号28のエッジを検出する。基準信号再生回路220は、
図9に示すように受信アナログ信号28の立下りエッジを検出し、タイミング抽出信号31を生成する。エッジ検出のタイミングは、ジッタの影響により基準位相とは異なる場合がある。
【0052】
エッジ検出は、立下りが所定の閾値を超えているか否かを判断することにより行われる。基準信号再生回路220は、例えば、受信アナログ信号28を微分回路に入力し、出力結果が閾値を超えている際にエッジを検出してもよい。基準信号再生回路220は、単位時間における受信アナログ信号の変化の大きさに基づいて、エッジを検出してもよい。
【0053】
上述した閾値の設定は、ガスの吸収による受信アナログ信号28の減衰を、誤ってエッジとして検出しないように行う必要がある。
図9は、受信アナログ信号28の減衰の概要を示す概略図である。基準信号再生回路220は、ガスの減衰による変化量ΔP
Gより大きく、かつ、受信アナログ信号28の立下りエッジの大きさΔP
Eより小さい範囲で閾値を設定することにより、鋸波の立下りエッジのタイミングを適切に検出することが可能となる。
【0054】
図8のタイミング抽出信号31には、ジッタ成分が含まれている。したがって、タイミング抽出信号31のパルスの間隔t2およびt3は異なる値となる場合がある。そこで、基準信号再生回路220は、PLL233によるリタイミング処理によって、タイミング再生信号33を生成する。
図8に示すように、タイミング再生信号33は、パルスの立上りにおいてタイミング抽出信号31のジッタを吸収しており、時間的に等間隔のパルス信号となっている。したがって、パルスの間隔t1は、等間隔となっている。これにより、駆動電流26の基準位相を再生することが可能となる。
【0055】
次に、基準信号再生回路220は、タイミング再生信号33を逓倍し、基準クロック32を生成する。上述した動作によって、送信クロック25と同一位相かつ同一周波数の信号を、基準クロック32として再生することが可能となる。次に、基準ガス信号出力部230は、基準ガス信号35を生成する。次に、同期検波部240は、受信アナログ信号28を同期検波し、A/D変換を行い、受信デジタル信号29を生成する。最後に、ガス濃度検出部250は、受信デジタル信号29と基準ガス信号35とを比較し、濃度出力36を出力する。
【0056】
次に、本実施形態の効果について説明する。第1の効果は、検討例と比較してガスを検出可能な範囲が2倍になることである。したがって、特性・性能、運用効率が増加する。ここで、送信側と受信側を同期するための伝送手段を別途設ける必要はない。第2の効果は、検討例と同等の精度でガス濃度を検出できることである。受信側で送信クロックと同期した基準クロックを再生できるためである。第3の効果は、ガス濃度検出システム300を設置する際の運用性が向上することである。検討例とは異なり、標的における光軸の調整を行う必要がないためである。第4の効果は、コストを削減できることである。検討例の2倍の範囲をカバーできることとなるため、ガス濃度検出システム300の設置台数を減らすことができるからである。
【0057】
本実施の形態によると、レーザ光源から離れた空間に発生したガスの検知、及びガス濃度の検知を行うために使用できる。検出するガスは、例えば、火災により発生するガス、煙、人体に有害なガス等である。また、ガスの種類に応じて固有の波長の光が吸収されるため、ガスの種類を検知するために使用できる。
【0058】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【課題】受信信号から生成された基準ガス信号と受信信号との比較に基づいて、ガス濃度を検出するガス濃度検出装置、ガス濃度検出システム、及びガス濃度検出方法を提供する。
【解決手段】本発明にかかるガス濃度検出装置200は、鋸波形状の駆動電流で駆動されたレーザ光源から出力されるレーザ光を、測定空間400を介して検出する検出器210と、検出器210の検出結果に応じた受信信号を出力する受信信号出力部240と、受信信号のエッジを検出するエッジ検出部220と、検出したエッジのタイミングに基づいて、受信信号に含まれる鋸波形状の鋸波信号を生成し、基準ガス信号として出力する基準ガス信号出力部230と、受信信号と基準ガス信号との比較に基づいて、測定空間400に含まれるガス濃度を検出するガス濃度検出部250と、を備える。