(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1または2に記載の熱硬化粘弾性反応生成物であって、前記イソシアネートプレポリマーは、ジイソシアネートを含み、前記ジオールは、ポリエーテルジオールを含み、前記トリオールは、ポリエーテルトリオールを含む反応生成物。
請求項3に記載の熱硬化粘弾性反応生成物であって、前記ポリエーテルジオールおよび前記ポリエーテルトリオールは、それぞれ、約1,000から約20,000までの範囲内の分子量を有する反応生成物。
請求項1ないし4のいずれかに記載の熱硬化粘弾性反応生成物であって、前記反応媒質は、さらに、エポキシ化トリグリセリド可塑剤対エステル可塑剤の重量比を約6:1から約1:3までの範囲内で有する反応生成物。
請求項1ないし5のいずれかに記載の熱硬化粘弾性反応生成物であって、前記エポキシ化トリグリセリド可塑剤は、エポキシ化植物油を含み、そのエポキシ化植物油は、大豆油、ヒマシ油、コーン油、コットンシード油(綿実)、シソ油、ベニバナ油、アマニ油およびトール油から成る群から選択され、前記エステル可塑剤は、セバケート、アジぺート、グルテレート、ジベンゾエート、フタレート、テレフタレートおよびアゼレートからなる群から選択される反応生成物。
請求項1ないし6のいずれかに記載の熱硬化粘弾性反応生成物であって、前記エステル可塑剤は、約750未満の分子量と、約1.5Dを超える双極子モーメントとを有する反応生成物。
請求項10または11に記載の方法であって、前記イソシアネートプレポリマーは、ジイソシアネートプレポリマーを含み、前記ジオールは、ポリエーテルジオールを含み、前記トリオールは、ポリエーテルトリオールを含み、前記エポキシ化トリグリセリド可塑剤は、エポキシ化植物油を含み、前記エステル可塑剤は、セバケートを含む方法。
請求項15に記載の収納容器組合せ体であって、前記インサートは、前記支持基体に接着力によって接合されるか、または、当該インサートが前記支持基体に接合されるべき場所において前記反応媒質を硬化させることより、前記支持基体に化学的に結合される収納容器組合せ体。
請求項26に記載の方法であって、最初に、前記支持基体の前記表面領域を前記反応媒質を用いてコーティングし、その後、前記反応媒質がそれが本来使用される場所において硬化して前記反応生成物となることを許可する工程を含む方法。
請求項26に記載の方法であって、前記反応生成物を前記支持基体上に被着させるのに先立ち、前記反応生成物を、事前製作されたインサートに成形する工程を含む方法。
請求項26ないし28のいずれかに記載の方法であって、前記イソシアネートプレポリマーは、ジイソシアネートを含み、前記ジオールは、ポリエーテルジオールを含み、前記トリオールは、ポリエーテルトリオールを含み、前記エポキシ化トリグリセリド可塑剤は、エポキシ化植物油を含み、前記エステル可塑剤は、セバケートを含む方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書および図面中の参照記号の反復的使用は、本発明についての、同じかまたは類似の特徴部または要素を表すことを意図している。
【0019】
定義
注目すべきことは、この出願書類の開示事項中に使用される場合、「ある(a)」および「ある(an)」という用語は、種類の如何を問わず、記述された複数の特徴、複数の要素、複数の整数値、複数の工程、複数の部品またはそれらより成る複数の群のうちの「少なくとも1つ」を意味することが意図されており、特にそのように明記されている場合を除き、そのような複数の特徴、複数の要素、複数の整数値、複数の工程、複数の部品またはそれらより成る複数の群のうちのいずれか1つのみに限定されることを意図していないということである。さらに、「少なくとも1つ」という語句の使用は、「ある(a)」または「ある(an)」という用語の他の使用が、ある特徴、ある要素、ある整数値、ある工程、ある部品またはある群のうちのいずれか1つのみに限定されるものになることが意図されていない。
【0020】
さらに注目すべきことは、この出願書類の開示事項中に使用される場合、「含む」、「含んでいる」という用語および「含む」という語幹からの他の派生語は、種類の如何を問わず、記述された複数の特徴、複数の要素、複数の整数値、複数の工程、複数の部品または複数の群の存在を指定するオープンエンドの用語であることが意図され、また、1つまたは他の複数の特徴、複数の要素、複数の整数値、複数の工程、複数の部品またはそれらより成る複数の群の存在または追加を排除することが意図されないということである。
【0021】
これらの用語および他の用語は、本明細書のうちの残りの部分において追加の言葉を用いて定義されるかもしれない。
【0022】
試験法
時間応答性(Time Sensitivity)試験
未硬化状態にある混合物(以下の実施例1に従って調製されたものなど)がポリ塩化ビニル製のエプロン上に4mm厚で均一に広げられ、そして、硬化して、目標の熱硬化粘弾性反応生成物になることが可能である。その後、結果物としての反応生成物フィルムが、複数の試験パネルパッチサイズに切断され、それら試験パネルパッチサイズは、
図5に示す試験装置を用いた試験のためのものであり、その試験手順は、後述の接着性・凝集性試験手順に従って実施され、さらに、この出願書類に記載される任意選択的な時間依存性特性手順を実施するためのものである。
【0023】
接着性および凝集性試験
図5を参照すると、そこに図示された試験装置100は、当時、本発明に従う発明品としての熱硬化粘弾性インサート30に形成されていた様々な異なる発明品としての複数の反応生成物についての接着性および凝集性を試験するために利用される。試験装置100は、モータ駆動型アクチュエータ110(米国イリノイ州60126のElmhurstに事業所を有するThe Chamberlain Group,Inc.から入手可能なモデル3265などの標準的な遠隔制御式電気ガレージドア・オープナのモータ駆動型アクチュエータに類似する)を含む。アクチュエータ110は、逆転可能な定速モータ(2.7cm/秒であるが、同図では隠れて見えない)を含み、そのモータは、接着力を測定するために測定スケール120に接続された遠隔制御式往復試験プローブ150を駆動するように作用し、その接着力は、研磨済みのニッケル製の円筒部(cylinder、シリンダ)140であって1.76cm
2の接触表面積145を有するものから各熱硬化粘弾性インサート試験試料130を剥離するのに必要な、付加される力の大きさ(単位:グラム)であり、よって、1平方センチメートル当たりの重量グラム(grams of force)(g
f/cm
2)の単位で複数の測定値を提供する。横移動可能な態様の試験プラットフォーム160が、硬くて平らで水平な表面を提供するために利用され、その表面は、試験されたそれぞれの試料ごとに複数の試験結果が正確に反復されるように(an accurate repetition)試験試料130の再配置 (repositioning、位置変更)を可能にする。したがって、試験プラットフォーム160は、後続する(further、追加の)試験のために試験試料としての1個のインサート130のうちの未試験部分(an untested portion、ある未試験部分、それぞれの未試験部分)の反復(a repetition of、試験の反復)を可能にするように、再配置 (repositioning、位置変更)してもよい。したがって、接着力は、1個のインサート試料130のうちの複数の未試験部分に関する5回の反復結果(repetitions、反復する複数の測定値)の平均値として測定される。
【0024】
試験手順は、熱硬化粘弾性インサート試験試料130の凝集力を測定するのにも有用である。これは、円筒部140を試料130から剥離した後の試験用円筒部用表面145(the test cylinder surface、接触表面積)上に残留する各熱硬化粘弾性インサート試験試料130からのインサート試料残留物(すなわち、反応生成物の残留物)の存否を観察して記録することによって達成される。円筒部用表面145は、ある回の反復工程と次の回の反復工程との間でいかなる残留物も除去される必要があり、また、凝集力は、1個のインサート試料130のうちの複数の未試験部分についての5回以上の反復工程についての残留物量の平均値として測定される。
【0025】
一方、追加される試験として、円筒部140が熱硬化粘弾性インサート試験試料130と接触している状態で、その円筒部140に圧力を印加することを含めることが可能である。互いに異なるように試料に印加される複数の試料印加圧力値のもとで各試験試料130の接着性および凝集性を測定することにより、そのような異なる複数の接着圧力値を印加することから発生する接着効果および凝集効果も同様に測定することができる。同様に、時間的に並んだ複数の時間間隔(timed sequence intervals、時間の長さが異なる複数の時間間隔)の間に測定された複数の接着剥離力の差分(differences、複数の剥離力測定値間の差など)すなわち変化量(changes)を、インサート試料130の接着力安定性に関する接着データが提供されるように、測定することもできる。前記試験手順は、円筒部用表面145を試験試料130に最初に接着力によって取り付けた後の複数の接着力増加値であって複数の短い時間間隔で存在するもの(short interval adhesion increases)に関する接着力データを提供するために用いることも可能である。試験プローブに圧力を印加したとき(pressure applied、加圧しつつ試験プローブをインサート上に載置したとき)と試験プローブに圧力を印加しないとき(non-pressure applied、加圧せずに試験プローブをインサート上に静的に載置したとき)との間の接着力の複数の差を複数の時間間隔(timed intervals、時間の長さが異なる複数の時間間隔)の間に測定することもできる。
【0026】
引き続き
図5を参照すると、後に詳述される方法論が、様々な試験試料130の接着性および凝集性を試験するために用いられた。
【0027】
1.範囲
1.1.この方法は、接着性材料が示す粘着力(接着力)のレベルおよびそのような材料の安定性(stability、剥離時に材料が部分的に分断せずに元の形状を維持するという性質など)(凝集力)を測定し、この際、任意選択的に、時間依存性および/または圧力依存性の接着特性を任意選択的に考慮する。
1.2.この試験は、接着特性を示す材料と共に使用されるように設計されているが、明示的に接着剤として分類されない材料と共に使用することもでき、その材料は、接着剤に似た特性を有する材料を含むが、それに限定されない。
1.3.単位 − 接着力についての複数の試験値(tested values)は、研磨済みのニッケル製の円筒部140の表面145であって1.76cm
2の接触表面積を有するものを試験試料130から剥離するのに必要な力についての1平方センチメートル当たりの重量グラム(grams-force)(g
f/cm
2)を基礎とする。
【0028】
2.用語
2.1.この出願書類中に使用されるように、「接着剤に似た」という用語は、接着剤に似た粘着(sticky)特性を有することを意味するが、当該材料の粘着特性は、分子間力(molecular attraction、分子引力)(化学結合に基づく特性ではなく)を形成する分子構造に由来し、当該材料は、その接着相手である物体から、残留物を残すことなく、剥離可能である(すなわち、凝集性(cohesiveness))。この試験は、発明品としての熱硬化粘弾性インサート試験試料130に適用することができ、その試料は、さらに、汚れたときにその粘着性(stickiness)を回復するために中性洗剤および水を用いて洗浄してもよい。
2.2.この出願書類中に使用されるように、「べとつき感(tackiness、粘着性)」という用語は、触れるとべとつくように感じるという特性を意味する。
2.3.この出願書類中に使用されるように、「時間依存性接着剤」という用語は、接触表面との接触時間が継続するにつれて接着強度が増加する材料を意味する。このような特性は、初期接触後に接着強度を増加させるために実質的な圧力が不要であるため、感圧接着剤から区別される。
【0029】
3.
図5に示す試験装置を用いる試験方法の概要
3.1.試験対象である反応生成物材料より成るインサート試料130を試験プラットフォーム160に(一般的に、インサート試料の自己接着性を介して)動かないように固定する。
3.2.試験装置100の試験プローブ150を下降させ、それにより、円筒部140の表面145を試料130上に載置する。
3.3.試験装置100の円筒部140の表面145は、指定時間にわたり、熱硬化粘弾性インサート試験試料130と接触した状態に維持される。
3.4.試験装置100の円筒部140を、2.7cm/秒の一定速度で往復プローブ150を介して試料130から上昇させ、それにより、測定スケール120によって示されるように、試料130から円筒部用表面145を剥離するのに必要な力をグラムで測定する。
3.5.その後、剥離力(接着力)の測定値を計算し、g
f/cm
2の単位で記録する。さらに、円筒部140のうちの接触表面145を観察し、それに付着した残留物(存在する場合)の量を記録し、それにより、凝集性を測定する。(注記:後続する試験に先立って残留物が存在する場合には、前記表面を洗浄する必要がある。)
3.6.その後、試料130のうちの複数の未試験部分に関して工程3.1−3.5を反復し、それにより、合計5個の試験された試料を取得し、それらのサンプル値を平均化して最終結果を取得することができる。
3.7.任意選択的に、その後、工程3.1−3.6を、指定された複数の接触時間間隔について反復し、それにより、試験された試料130の時間依存性を測定する。
3.8.任意選択的に、その後、工程3.1−3.6を、指定された複数の印加圧力値について反復し、それにより、試験された試料130の圧力依存性を測定することができる。
【0030】
4.試験装置
4.1.試験装置100を
図5に示す。ここに要求されているいくつかのものに代わる材料およびシステム構成を、それらが同等の性能を達成するとともに、セクション4.2に概説されている性能要件を満たすことを条件に、使用してもよい。当該装置の複数の主要な要素として次のものがあり、それらは、
4.1.1.往復動・可搬式アクチュエータ150は、円筒部140を材料試料130上に2.7cm/秒の一定速度で上昇および下降させる役割を担う。
4.1.2.スケール120は、円筒部140の接触表面145を試験試料130から剥離するのに必要な力の大きさを重量グラム(grams-force)(1平方センチメートル当たり)の単位で測定する。
4.1.3.円筒部140の接触表面145は、試験試料130に対する唯一の接触表面である。円筒部140の接触表面145は、1.76cm
2の合計接触表面積を有する円形の研磨済みのニッケル製プローブである。
4.1.4.試験プラットフォーム160は、正確な試験結果を取得するために硬くて平らな表面を提供するとともに、試験のために粘着性の試験材料試料130を動かないように固定する。このプラットフォーム160は、複数回の試験のために同じ試料130を再配置する(repositioning、位置変更する)ことを見込んで横移動可能である。
4.2.使用される特定の構成要素に関係なく、可搬性アクチュエータ150。
4.2.1.プローブTPを2.70cm/秒の一定速度で上昇および下降させる。
4.2.2.試験装置の精度および試験の精度は、5パーセント(5%)以上の高精度な分解能でグラム単位で力を測定する。
4.2.3.任意選択的な高さの圧力が印加される状態での試験を除き、今回の試験の実施中、20.0gの一定圧力が、自由吊下げ状態でかつ自重を有する円筒部140によって印加された。
4.3.今回の試験手順は、18℃−24℃の周囲温度で、最も一般的には21℃で実施された。
【0031】
5.較正
5.1.初回の使用に先立ち、および、それに後続する合理的な試験時間間隔ごとに、アクチュエータ150の速度を、セクション4.2.1に概説されている基準(standard、規格)内において一貫性を確保するために監視する。
5.2.初回の使用に先立ち、スケール120の精度を既知の重量に対して検定し、それに応じて調整または零点規正する(zeroing、前記スケールの目盛りをゼロに合わせる)する必要がある。
【0032】
6.手順
6.1.試験装置100を組み立てる。
6.2.試験対象である材料の試料130を試験プラットフォーム160に動かないように固定し、試験中にプラットフォーム160(プラットフォーム160の20グラムの重量)が勝手に浮かないことを確実にする。
6.3.試験用円筒部140を下降させて試験材料130に接触させ、接触表面145と試験材料130との間の均一な接触を確実にし、さらに、試験スケール120が円筒部140を引っ張ることも、その円筒部140に圧力を印加することもないことを確実にする。
6.4.所定の接触期間の継続中、円筒部140の表面145が材料試料Sとの接触状態を維持することを可能にする。
6.5.試験材料130から円筒部140の表面145を持ち上げることにより今回の試験を継続する。
6.6.円筒部140の表面145を試験材料130から剥離するために必要な、スケール120で測定された重量グラム(grams-force)の大きさを記録する。
6.7.スケール120をリセットする。
6.8.試料130のうち未使用(未試験)領域が試験装置100によって試験されるように試験プラットフォーム160を再配置する。
6.9.各回の試験後、糸くずの出ない布を用いて円筒部140の表面145を清掃する。
6.10.工程6.2−6.9を反復し、それにより、合計5個の測定値を取得する。
6.11.任意選択的に、各回の試験継続期間中に、工程6.2−6.10を反復し、それにより、時間依存性を測定する(15秒、30秒、5分、10分および15分の時間間隔で)。
6.12.任意選択的に、各回の試験継続期間中に、工程6.2−6.10を反復し、それにより、圧力依存性を測定する(円筒部140に所定の圧力増分を複数回印加することにより)。
【0033】
7.試験結果の計算および解釈
7.1.5個の測定値のそれぞれを取得し、各試験試料130についての5個の接着力測定値を、各試料130に必要とされた力(the force、接着力)(g
f)を円筒部140の接触表面積145(1.76cm
2)で割り算することによって計算し、その後、それら5個の接着力測定値の平均値を計算し、それにより、それを最終値として確立する。前記平均化された試験値は、1平方センチメートル当たりの重量グラム(grams-force)(g
f/cm
2)の大きさで与えられ、その大きさは、円筒部140の表面145を材料試料130から剥離するために必要な力であって、試料の粘着力(接着力)の測定値として作用するものを表す。
7.2.観察された5個の残留物量のそれぞれを取得し、それら5個の量の平均値を計算して最終的な凝集力値を確立する。より低い凝集力値は、より高い値より望ましい可能性がある(例えば、より低い値は、より高い値より、円筒部140の接触表面145に転移した残留物が少ないことを示す)。
7.3.工程7.1および7.2が、試験されるすべての反復工程について実施される。
【0034】
詳細な記載−最良の形態−産業上の利用可能性
図1−
図5を参照すると、本発明によれば、独自の熱硬化粘弾性反応生成物が提供され、その反応生成物は、収納容器組合せ体(container combination、インサートが組み合わされた容器)10の使用に有用であり、その収納容器組合せ体10は、いくつかの物品またはアイテム40であって、インサート30上において、かつ、動かない載置(emplacement)位置であって収納可能であるとともに安定化するものに載置されたものを独自の方法で安定化させるように装備されている。この独自の容器組合せ体10は、概して、前記反応生成物から生成される前記独自の熱硬化粘弾性インサート30であって凝集性および接着性を有するものを備えた支持基体20Aを有し、その熱硬化粘弾性インサート30は、第1の接着界面30Bと、反対側の接着表面30Aとを有し、第1の接着界面30Bは、支持基体20Aに接着により固着することによるか、または熱硬化により接合されることによって提供され、接着表面30Aは、その接着表面30A上に載置された、収納された物品またはアイテム40に接着によって係合するとともに接着するように配置されている。予想外にも発見されたことは、強力で独自の分子間凝集力および接着力を生み出すということであり、それら凝集力および接着力は、見かけ上、局所的で内在的な接着性の極性電荷または引き付け力であり、それら荷電または引き付け力は、当該インサートが、容器インサート30として使用される場合には、予想外に優れた収納接着効果を実現することになる。組成的に見て、凝集性および接着性を有する粘弾性インサート30は、アイテムまたは物品40を、その載置後の離脱をインサート30から手で取り出されるまで阻止するように、安定化させるとともに固定するように効果的に作用する。収納容器組合せ体10は、収納されたアイテム40を収容するために、硬いかまたは軟らかい構造の支持基体20Aがありさえすれば足り、なぜなら、インサート30の素晴らしい凝集性および接着性を有する粘弾性特性が、支持基体20A上に接着によって載置されたアイテム40をその後の動きが阻止されるように効果的に制限する役割を果たすからである。
【0035】
凝集性および接着性を有する材料の分野においては、これまで判明してきたことは、この出願書類内に提供されるようなインサート30としての用途に必要な必須条件的な特性を満たす熱硬化粘弾性反応生成物が非常に狭いクラス(class、種類、等級)のものとして存在するということである。インサート30としての用途に最適である独自のいくつかの属性として、次のものがあり、それらは、
1.剥離可能な接着力であって、接着されて収納されたアイテム40上に強靭に(tenaciously、安定的に)付着するが、収納されたアイテム40とインサート30との間の接着力に十分に打ち勝つ反力を加えると、分断(flaking、剥がれ落ち)も残留物もなく、接着されたアイテム40からきれいにかつ凝集した状態で剥離するものと、
2.柔らかい質感の粘弾性体であって、接着されたアイテム40を、その粘弾性体の構造体であって接着によって他の物体に係合するもの内に埋め込む役割を果たすものと、
3.自身の組成的構成の全体にわたって実質的に均一な凝集性を有する粘弾性体材料であって、当該材料が取り外されたときに、当該材料からきれいにかつ凝集して剥離する状態で、接着されたアイテム40を接着によって埋め込むことを可能にする比較的高い引張強度を実現するものと、
4.接着性材料であって、使用時、当該材料の接着効果を低下させる汚染物質であって接着性を有するものを除去することが可能であるものと、
5.実質的に安定したインサート30であって、長期の保管期間にわたってアイテム40を収納する場合に実質的に安定した程度の接着力を保持するものと、
6.熱硬化粘弾性反応生成物およびインサート30であって、収納されたアイテム40に対する接着的密着力であって、接着性および凝集性の試験手順(上述のもの)を用いて測定されると、300g/cm
2を超えるものを保有するものとして特徴付けられるものとである。
【0036】
発明品としてのインサート30は、組成的に、強靭な(tenacious、安定的な)凝集性および接着性を、インサート30上に載置されたアイテム40に対する高度に局在化させられた接着力という形態で有する必要がある。通常の使用が、典型的には、収納可能なアイテム40をインサート30に小さい力で押し付けることによって達成され、その押し付けにより、今度は、インサート30内の凹みおよびアイテム40の埋め込みが発生し、そのとき、それに付随して全体界面接触面積が増加することと、アイテム40とインサート30との間における見かけの局在化させられた分子間接着力とを伴う。基本的に、より柔らかい質感の接着性エラストマー(例えば、軟質ゴム・タイプの凝集体)および、特に、前述の必須条件的な凝集力特性および接着力特性を剥離可能ないくつかの属性と共に有する前述の熱硬化粘弾性体をこの目的のために使用してもよい。
【0037】
応力存在下での前記熱硬化反応生成物の流体流れ特性およびその熱硬化反応生成物の熱硬化構造が原因で、容器組合せ体10内のインサート30として最も適切に有用であるポリマー材料は、一般に粘弾性体と称されるものを含む。前記熱硬化粘弾性反応生成物およびこの出願書類中での用途に適切なインサート30は、あるクラスの熱硬化粘弾性反応生成物を広範囲に含み、インサート30は、それの接触表面領域内に、収納されるアイテム40を埋め込むのに十分な柔軟性と、その接着表面30Aの上に載置されたアイテム40に強靭に(tenaciously、安定的に)接着するのに十分な凝集性および接着性の引き付け力とを有する一方で、さらに、収納されたアイテム40をインサート30から剥離するとインサート30は実質的に最初のままであるということによって特徴付けられる。熱硬化粘弾性体の広範な分野において、この新たに発見された熱硬化粘弾性体は、当該熱硬化粘弾性体をこの出願書類中のインサート30という用途に最も効果的なものにするというように驚くほど優れた凝集性および接着性を有することが判明している。したがって、独自の熱硬化粘弾性インサート30を備えた独自の容器組合せ体10によって提供される独自の収納効果は、粘弾性インサート30が組成的にかつ内在的に容器組合せ体10に提供する前記独自の凝集性および接着性に依存する。これまでに観察されてきたことは、粘弾性インサート30が、長期の収納期間にわたり、粘着性または接着性の実質的な変化に対して優れた安定性を有し、同様に、独自に提供する抗菌特性も有するということである。
【0038】
特に効果的であるのは、前記熱硬化粘弾性反応生成物の新規なクラスであって、意外にも、剥離可能であるが非常に強力な凝集効果および接着効果を有するものである。分子的に、前記熱硬化粘弾性反応生成物は、明らかに、優れた分子間の凝集性および接着性であって前記粘弾性反応生成物をこの出願書類に記載の剥離可能なインサート30としての用途に独自な方法で適合可能であるものにする。そのような独自の熱硬化粘弾性反応生成物およびそれから生成されるインサート30を作り出すことは、組成的に、硬化した粘弾性分子構造を提供することに関係し、その分子構造は、収納可能なアイテム40がインサート30の強力な接着表面と接触すると、インサート30によって与えられる接着力(adhesive tack)の増加に大きく寄与する。この効果は、インサート30という用途のために高度の凝集性および接着性を有する熱硬化粘弾性反応生成物の開発に組成的に有利である熱硬化性反応媒質(media、媒質)を作り出すことによって達成されるかもしれない。硬化した反応媒質は、予想外に優れた凝集性および接着性の引き付け力特性のみならず、収納可能な容器技術にとって非常に有益である他の独自の属性も提供する。明らかに、前記粘弾性体の分子構造およびインサート30の独自の接着力属性および凝集力属性は、載置されたアイテム40にインサート30が係合すると、アイテム40とインサート30との間の全体接触面積が効果的に増大することを可能にする見かけの表面凹凸および/または突起を有することによって特徴付けられる界面表面(interfacing surface、接合表面、界面)を提供する。この現象は、強力な接着力およびインサート30内へのアイテム40の埋め込み(例えば、粘弾性特性を原因として)との組み合わせにより、インサート30に対するアイテム40の予想外に強力な接着接合および拘束をもたらす。一般に、インサート30に対するアイテム40の接着接合は、接着されたアイテム40が重力に逆らう上下逆さまの位置に反転される場合でも、インサート30によりアイテム40が接着保持されることによって示されるように、アイテム40自体に作用する重力より実際には実質的に大きいものであり得る。
【0039】
前記粘弾性熱硬化組成物は、独自の熱硬化性反応媒質から生成され、その独自の熱硬化性反応媒質は、熱硬化重合(polymerization、重合反応)によって構造的に支持された複数の可塑剤の凝集塊(cohesive mass、凝集性を有する物質の固まり)を含み、その熱硬化重合は、前記熱硬化粘弾性反応生成物内における適切な分極レベルの分子架橋および複数本の直鎖リンクの架橋を提供する。その後に硬化する化学粘弾性熱硬化材料であって上述の独自の反応媒質から生成されるものは、独自の優れた接着能力を有し、その接着能力は、外向きの引張力を適用することにより、接着された物体またはアイテム40を当該生成物から選択的に剥離するように適切に製造される場合に内在する凝集力特性を用いて、当該材料に接触している物品またはアイテム40に付着する能力であり、前記外向きの引張力は、アイテム40を粘弾性熱硬化インサート30に接合する強靭な接着力を克服するのに十分である。前記接着剤の剥離は、きれいに破断し、実質的にまったく残留物を残さず、なぜなら、前記熱硬化粘弾性体は、内在的に、それの構造的完全性を強靭に保持するのに十分な内的凝集性を有するからである。
【0040】
この出願書類中の熱硬化粘弾性インサート30および安定化する収納容器組合せ体10についての前述の独自のいくつかの実施形態は、
図3に容器20として示されており、その容器20は、透明であるとともに区画化された釣り具箱部分という形態を有するとともに、
図1−
図2に容器20として示されており、その容器20は、
図3にピルケースとして示されており、それら釣り具箱部分およびピルケースは、いずれも、複数の区画化セクション26を備えており、それら区画化セクション26は、容器床22を有し、その容器床22は、抗菌性、接着性および凝集性を有する熱硬化粘弾性インサート30を備えており、その熱硬化粘弾性インサート30は、着脱可能なインサートまたは、強固に接合されたインサート30であって支持基体20Aに熱硬化によって強固に付着されたもの(他のいくつかの側面として構成された容器20として単独で作用することが可能である)。容器組合せ体10においては、粘弾性インサート30のうちの前記より大きい表面接触面積が、典型的には、支持基体20A(容器床22として図示されている)に接着力を提供し、その接着力は、粘弾性インサート30のうちの前記より小さい全表面接触面積であって支持基体20A上に収納されているアイテムまたは物体40によって与えられるものより大きい。通常の従来技術の容器は、典型的に、収納された物品40の表面滑りを防止する滑り止めライナとしてしか機能しないゴム製ライナを備えており、その従来容器とは対照的に、本発明に従うインサート30は、非典型的に強靭に、インサート30上に載置されて収納された物品40に接着するとともに、長期の収納期間にわたり、それらリテーナ30の最初の載置配向を保持する。この出願書類中に提供されたインサート30は、接着された物品40を有する容器20が反転姿勢に置かれた場合でも、接着された物品が分離されることが抑制されるように、予想外に高い程度の接着性を有することが判明している。意外なことに、そのように重力に逆らう現象は、反転姿勢に置かれたとき、そのようなインサートから容易に分離されると通常予想される重くて硬いステンレス鋼製のディナーナイフ40または家庭用ハサミのような重い物品40であって収納されるものに当てはまる。
【0041】
発明品としての熱硬化粘弾性インサート30は、その特徴として、可撓性構造体を有するため、それらインサート30は、可撓性構造体のうちの支持基体20Aと組み合わせるという用途に容易に適合可能であり、このことは、剛体支持構造体のうちの支持基体にも当てはまる。前記粘弾性体の独自で優れた凝集効果および接着効果により、熱硬化粘弾性インサート30は、任意の形態で実現してもよく、そのような任意の形態は、多数の支持基体20Aであって、容器20の側壁24,26、上壁(すなわち、カバーまたは天井)(図示しない)および床壁22を含むものに、平坦な表面支持体(例えば、カウンタートップ、トレイ、ベンチ、テーブル等)にも同様に、(物理的または化学的に)接着するように十分な支持および界面表面接触(interfacial surface contact)を提供する一方、十分な界面接着力を任意のアイテム40に、インサート30に接触する状態で載置されている任意のアイテム40を閉塞するかまたは固定するように提供する。熱硬化弾性インサート30を容器構造体(例えば、22、24、26等)および収納可能なアイテム40に界面接着するという必要な現象は、安定化する容器組合せ体10によって収納されることが要望されるそれらアイテムまたは物品40を固定するのに十分なサイズを有するインサート30を提供することにより達成してもよい。
【0042】
前記熱硬化粘弾性反応生成物は、独自の熱硬化性反応媒質条件下で適切に製造してもよく、その条件下では、複数の重合性反応物(reactants)の複数の熱硬化性前駆体であって必要なものが親油性可塑化媒質(plasticizing media)内に浸漬され、その親油性可塑化媒質は、硬化すると、この出願書類中の粘弾性熱硬化インサート30という用途に特に適した目標の熱硬化粘弾性反応生成物(reaction product)を提供する。インサート30を容器20に、反応媒質(reaction media)を用いて熱硬化接合を行うことを含む手順においては、未硬化状態にある複数の熱硬化性反応物(reactants)が、スプレーコーティング、射出成形、鋳造など、および/またはそれらの組み合わせにより、目標の厚さで目標の容器基板(例えば、壁22、24、26または容器内の複数の区画28)に塗布され、その後、その場で硬化し(cure in situ)、それにより、コーティングされた熱硬化粘弾性インサート30を提供してもよく、そのインサート30は、その後、容器20に本質的に恒久的に接合されるものとなってもよい。前記反応媒質中の可塑剤(plasticizer)の量および前駆体の架橋レベル(the level of cross-linking precursors、複数の前駆体を架橋するレベル)は、前記硬化した接合特性を変化させることが可能である。この技術は、最も一般的に利用可能な容器20(例えば、金属を含む容器ならびに木材、布、熱硬化性物質および熱可塑性物質等の非金属を含む容器)に適用してもよい。前記未硬化状態にある複数の反応物を目標の容器セクション(container sections、容器の複数の部分)(例えば、床22、壁24、26、上壁等)に塗布することにより、前記未硬化状態にある熱硬化粘弾性インサート・被膜30は、硬化すると、前記容器の表面(複数の表面)により強固に接合し、また、恒久的接合被膜を提供するために使用してもよい。被膜のために熱可塑性表面を調製するための通常のフレーミング技術(flaming technique、接着力増加のための燃焼など)を、接合を改善するために適用してもよい。
【0043】
したがって、前記未硬化状態にある複数の熱硬化性反応物は、可撓性を有するかまたは硬い任意の適切な支持基体22(例えば、容器床22、壁24、26、上壁等)に直接的に被着され(deposited、堆積され)(例えば、噴霧され、射出され、成形され、鋳造され、等)てもよく、また、目標の弾性体製のインサートまたは被膜30であって熱硬化して接合されたものに硬化することが可能であってもよい。よって、前記未硬化状態にある複数の熱硬化性反応物は、被膜、ストリップ、システマティック・キャスティング(例えば、円、スパイラル等)として、または自身の上に載置されることを意図されたアイテム40を保持または固定するのに十分なサイズを有する熱硬化粘弾性インサート30を形成するのに十分な任意の他の製造形態で適用して(applied、塗布して、など)硬化させてもよい。射出成形、押出成形、スプレー、真空成形、ブレード成形、展延および他の通常の熱硬化性コーティング技術は、前記未硬化状態にある複数の反応物を前記容器の壁(すなわち、容器床22、壁24、26、上壁等)に適用するために利用してもよく、同様に、着脱可能なインサート30という用途に適合可能な、予備的に製作された複数枚のインサート用シートの製造において利用してもよい。前記未硬化状態にある複数の反応物の硬化速度および流動特性(すなわち、粘度)は、熱硬化反応を実施する際に使用される触媒剤、反応物、熱条件、可塑剤等の種類および量によって効果的に制御することができる。初期の未硬化状態にある事前製作(prefabrication、予備製作、仮製作)段階中の優れた粘度制御は、例えば、より低分子量の可塑剤のレベルを上げ、より高分子量の可塑剤(例えば、エポキシ化大豆油(ESO))の濃度を下げることによって達成してもよい。
【0044】
この出願書類中の熱硬化粘弾性インサート30は、特に、多くの携帯可能な容器または手で取り扱われる容器での使用に適用可能であり、また、挿入可能または着脱可能なインサート30として使用するために事前製作してもよい。そのような着脱可能なインサートは、前記未硬化状態にある複数の熱硬化性反応物について通常の圧延、薄板成形等を行うことによって調製してもよく、ここに、それら未硬化状態にある複数の熱硬化性反応物は、硬化すると、目標の区画化された容器の複数のセクション(例えば、容器床22、壁24、26、上壁等)にフィットするように後に切断してもよい目標のインサート厚を有するように適切な基板上に適用される(applied、塗布される、など)。
【0045】
図1−
図3に示すような釣り具箱および薬用ピルケース(pill box、丸薬入れ)10(典型的には、透明な構造体)は、本発明に従ういくつかの独自の実施形態を具体化する。
図1−
図3に示すように、接合用の(interfacing)熱硬化粘弾性インサート30のシート状構造は、釣り具箱およびピルケースの容器20の、前記区画化された複数の容器ユニット28内の容器床22上に支持されるものとして図示されている。必要に応じて、アイテム40との接合のための主要な接合表面の接着特性は、容器20の床22への十分な接着を依然として維持しながら、接着されたアイテム40をより容易に剥がすように、変更してもよい。そのような表面の変更は、床22に接着する底面であってより大きい表面積を有するものを、実質的に平坦または滑らかなインサート表面として提供することによって実施してもよく、これに対し、その上面は、アイテム40との表面接触面積と、それに付随する凝集性とを実質的に低減するように設計された顕著な複数の凸部および凹部を含む凹凸表面であってもよい。これは、一般に、必要とはされず、なぜなら、容器に接合するインサート30の界面面積(interface area)は、通常、収納されたアイテムに接合する表面接触面積を超えるからである。インサート30は、本質的に、強力な凝集性および引張強度を有するため、実質的により大きい剥離力が、インサート30を容器20に凝集性および接着性によって接合する状態を克服するために必要になる。
【0046】
組成的に、この出願書類内で使用される自己接着性インサート30は、慣用の熱可塑性ゴム製インサート等の通常の滑り止めタイプのライナとは異なっており、そのライナは、一般に、容器表面に十分に接着するために接着補助剤または他の接着剤被膜を必要とする。このような通常のインサートとは異なり、この出願書類中で使用される発明品としての熱硬化粘弾性インサート30は、接着されたアイテム40から剥離すると、構造的完全性(integrity、一体性)を保持するようにそれらインサート30の組成構造の全体にわたって強力な凝集性を有する一方、剥離するまで、大半の一般的な金属、熱硬化性物質、熱可塑性物質および同様の容器(硬質または軟質の両方)、同様に、大半の収納可能な物品40に強靭に接着する。インサート30の複数の凝集性分子成分は、そのインサート30の組成的構成の全体にわたって強靭にかつ内在的に結合されており、それにより、接着性粘弾性インサート30が容器20から剥離するとき、または収納されたアイテム40がインサート30から分離されるとき、組成上の残留物を残すことは事実上不可能である。このように高度の接着性を有するインサート30(この出願書類中で提供されるように)は、一般的に知られて入手可能な接着性材料のうちのいずれと比べても、並外れて高い接着接合効果を有するため、それらンサート30は、硬質かまたは軟質の容器20の両方についての天井または側壁のインサート(30)として効果的に使用することができる。インサート30は、収納されたアイテム40および通常の容器20に強靭かつ独自に接着し、その独自の属性は、アイテム40の水平姿勢、垂直姿勢および反転姿勢での収納を可能にする。
【0047】
インサート30は、容器20の個々の区画化セクション28に接着によってフィットするように適切に個別に仕立てる(tailored)ことができる。着脱可能なインサート30によって提供される特定の組合せ体10には、特別な利点がある。これにより、清掃、再配置等のために容器20からインサート30を取り外すことができる。これは、容器組合せ体10のうちの多くのものにとり、また、特に、小さい収納用区画セクション28を備えた容器組合せ体10にとり、大きい利点を構成する。実施例3によって示されるように、着脱可能なインサート30は、消費者が使い易い形態で提供されてもよく、その形態によれば、消費者が、使用済み収納容器に挿入と使用とを行うことに適合したインサート30を購入することが可能となり、なぜなら、凝集性および接着性を有するインサート30は、インサート30に直に接触することになる多くの物体40に強固に接着し、熱硬化粘弾性凝集性インサート30は、潜在的に、ほこり、汚れ、リネン、他の汚染物質であってインサート30のうちの露出面に接触することになるものを蓄積する傾向もあるからである。そのような汚染物質の過剰な蓄積は、その界面表面に載置された物体40を効果的に安定化および固定化するのに十分な能力を完全に失う程度まで、熱硬化粘弾性インサート30のうち露出した外面の接着効果を急激に低下させる。容器組合せ体10のうちの熱硬化弾性接合(interfacing、界面、接触)セクションすなわちインサート30を着脱可能または洗浄可能な形態(例えば、フィルム、シート等の形態)で提供することにより、インサート30の凝集効果を阻害するいかなる異物も、洗浄または交換によって容易に除去するとともに、効果的な凝集性および接着性を有する使用状態まで復元することができる。独自に、熱硬化粘弾性インサート30の表面領域へのそのような不要な異物の蓄積は、インサート30の接着効果を回復するために通常の食器洗い用石鹸を用いて通常の食器洗浄機を用いてインサート30を単に洗浄するなど、一般的な石鹸および水より成る溶液を用いてインサート30を単に洗浄することによって効果的に除去することができる。粘弾性反応生成物およびインサート30の優れた凝集性により、他の材料であれば多くの場合に分解する(disintegrate、崩壊する)原因となるであろう条件下での洗浄が可能になる。したがって、着脱可能なインサート30という形態は、恒久的に接合されるかまたは熱硬化によるインサート30という形態を超える具体的な有用な利点を提供し、逆も同様である。よって、自明であることは、具体的な最終用途においては、着脱可能なインサート30(例えば、高度に区画化された複数の小さい開口表面積を備えたかさばる容器)が最適であるのに対し、アクセスが容易であるほどに柔軟であるかまたは洗浄可能な容器20のための接合形態を熱硬化によるものとすれば、容器組合せ体10に最良に役立つということである。一般に、
図1−
図3に示されているものなどの、手持ち式の硬い容器組合せ体10および他の軟質の容器組合せ体10は、反応媒質を熱硬化させて支持基体20Aに接合すれば、有利である可能性がある。
【0048】
粘弾性インサート30を挿入可能および着脱可能なライナ30として提供することは、洗浄作業を容易にするために望ましいことがあり得るが、未硬化状態にある粘弾性反応物は、拘束性(restraining)を有する容器20またはレセプタクル(receptacle、入れ物)20Aの壁24、26または床22上でその場で硬化すると、強靭で恒久的な、場合によっては、化学的な接合部をそれら容器20とインサート30との間に形成する。多くの容器組合せ体10については、熱硬化によって接合する形態(すなわち、支持基体20Aへの硬化)は、着脱可能な形態よりも望ましい場合がある。インサート30を可撓性(flexible、軟質の)入れ物(container)(例えば、バックパック、医療用ハンドバッグ、財布、ダッフルバッグ、スポーツシャツ、ハンティングジャケット等)の壁24、26または床22に恒久的に接合することは、インサート30の分解を懸念することなく、そのインサート30が恒久的に接合または熱硬化によって接合されている状態で、支持機能を有する容器20を含む容器組合せ体10の全体を洗浄することにより、容易に清浄化することも可能である容器組合せ体10を提供する。他のいくつかの用途であって、支持表面が、インサートの表面が空中浮遊汚染物および他の汚染物から容易に洗浄および清浄化されるのに十分な平坦な開口表面領域を提供するものにおいては、インサート30を容器20に熱硬化によって接合することが望ましいかもしれない。組成的に、インサート30は、抗菌保護を提供するため、万一、微生物汚染が使用中の具体的な容器組合せ体10についての主要な懸念事項になる場合には、インサート30は、特に有用になる。抗菌成分は、インサート30の全体にくまなく存在するため、洗浄では除去されないであろう。
【0049】
この出願書類中に使用されるように、「収納容器組合せ体10」という用語は、インサート30と、任意の支持構造体20A(例えば、容器床22、壁24、26および/または上壁等)との組合せを意味しており、それらは、収納容器組合せ体10において、共同して、収納容器組合せ体10によって収容されるアイテム40であって保管されるものについて閉じ込めるとともに収納する環境を提供する。収納容器組合せ体10は、通常の側壁24、26、複数の区画28およびカバー(図示しない)を有してもよいが、収納トレイ(例えば、底壁22などの支持基板20Aのみ)などの多くの用途にとっては不要であるかもしれない。通常の閉じ込み構造部を排除する能力は、インサート30の独自の強力な凝集特性および接着特性のおかげで発生する。インサート30は、事前製作された(prefabricated、プリフォームされた、前もって形成された)コーティング形態(連続的もしくは非連続的)を有してもよく、または、シーシング(sheathing、鞘形成法)、成型法(molding、モールディング)、フィルム、スラブ、シート、鋳造法もしくは他の任意の事前製作方法によるものであってもよく、その事前製作方法は、容器組合せ体10において、それの凝集性および剥離可能であるような接着性を利用する。前述のように、インサート30は、任意の支持構造体20A上に接合し、ここに、本質的には、支持構造体20Aに対する恒久的なもしくは熱硬化による接合部(例えば、その場での硬化(in situ curing、現場での硬化作業、支持構造体20Aへの硬化))として、または、インサート30の強力な凝集性および接着性に依存する着脱可能なライナ30として作用する。熱硬化粘弾性インサート30の接着性は、そのインサート30上に載置された接着アイテム40を閉じ込める役割を果たすため、収納容器組合せ体10は、通常の複数の区画28を有する容器20または他の通常の容器内の拘束部(restraints)の必要性を回避するように、開口した平坦な支持用のプラットフォーム構造体20Aのみに依存してもよい。したがって、インサート30と組み合わせたトレイ(側壁も上壁もない)などの平坦で開口した支持構造体20Aは、収納されたアイテム40のための収容または閉じ込め(confining、動きを制限すること、拘束)用の容器20の組合せ体10を独自に提供する。
【0050】
図4におけるトレイ20Aの概略的な断面図によって示される具体的な容器組合せ体10については、熱硬化粘弾性インサート30が、トレイ20Aにおけるように平坦な表面の支持基板と組み合わせて使用されるか、または、インサート30が装着された可撓性基板としてすら使用される場合に、インサート30自体が、通常の拘束機能を有する(confining、閉じ込め機能、制限機能を有する)側壁またはカバーなどのいかなる他のさらなる閉じ込め手段も必要とすることなく、収納容器組合せ体10のための拘束(confining、制限、閉じ込め)機構を提供する。したがって、熱硬化粘弾性インサート30は、接着剤に対する適合性を有する任意の支持基体20Aに接着によって接合するかまたは化学的に接合する。インサート30は、アイテム40を保持するためにいかなる他の拘束構造も必要とすることなく、適切な支持基体20Aの表面上に載置されたアイテム40を拘束して収納する手段として効果的に機能する。収納されたアイテムを不要な離脱から阻止するために物理的な拘束具を典型的に必要とする従来のトレイとは異なり、この出願書類によって提供される発明品としてのインサート30は、それ自体で、容器組合せ体10内に拘束状態で保持される収納物品40のための強力な拘束要素または制限要素として機能する。したがって、インサートに対する適合性を有する任意の支持基体20Aであって独自の熱硬化粘弾性インサート30と組み合わせられたものは、アイテム40についての拘束された収納のための拘束機能を有する容器10を提供する。いかなる拘束(confining)壁も他の制限(containment、封じ込め、拘束)要因も必要とすることなく、支持基体20Aの平らな表面または開口した可撓性もしくは支持機能を有する表面上に、垂直姿勢でかまたは反転位置でさえ収納アイテム40を拘束する(contain)収容する能力は、この容器業界のための独自の革新を創出する。したがって、粘弾性インサート30の凝集効果および接着効果のおかげで、平坦な表面を有する容器組合せ体10(例えば、トレイなど)のための隆起したエッジ(edge、縁)、リムまたはカバーを設ける必要性は時代遅れとなる。
【0051】
インサート30は、自身の接着性が原因で、収納可能なアイテム40に加えて、微生物を自身に接着させる傾向が強い。インサート30の有用性は、診療所および歯科診療所、病院、検査室等において収納可能アイテム40を保持する歯科用および医療用トレイの一般的な使用中に典型的に生じるなど、特に衛生分野で適用可能性を有する。インサート30の固有の抗菌特性または無菌特性により、インサ−ト30は、医療および他の衛生についての多数の用途のために高度に効果的なものとなる。外科用トレイ、診察室用トレイ、歯科および歯科衛生士用のトレイ等であって、衛生器具40を収納するためにインサート30を備えたものは、そのインサート30上に載置される外科用、医療用および歯科用の器具を固定する独自の能力を提供すると同時に、さらに、驚くべき予想外の効果的な無菌・滅菌環境も提供する。この出願書類中の熱硬化粘弾性インサート30の独自の抗菌特性のおかげで、滅菌・無菌環境において医療および歯科用の器具に対して接着によって係合して収納する能力は、衛生に関する現在の技術水準を上回る著しい進歩を示す。このことは特に重要であり、なぜなら、通常の接着性材料であって、保護されていない環境において抗菌特性を有しないものは、容認できないほどに大きい健康危険性を引き起こすが、そのような一般的で回避できない危険性は、インサート30によって予想外かつ効果的に軽減されるからである。前記熱硬化による接合という特徴またはそれの剥離可能な特徴および並外れた粘弾性インサートの粘着効果または接着効果であってさらなる拘束を必要としないものは、それの抗菌特性と共に、衛生についての現在の技術水準を上回る著しい革新的な進歩を与える。
【0052】
非接合状態にある(unbounded、他の物体と接合されていない)形態を有するインサート30の製造は、最初に、未硬化状態にある熱硬化性弾性反応物を、適切な反応媒質の中に、事前製作フォーム(form、事前に決められた形状)(例えば、区画化されて所定のサイズを有する複数のセクションもしくはシート化されたもの等)を有するように、例えば、鋳造、射出成形、圧延等によって堆積させる(depositing、被着させる)か、または、流動性を有する前記未硬化状態にある反応物のうち計量された複数の部分を、化学的に不活性なベルトであって動いているもの(加熱装置を備えているかもしくは備えていない)等の上に単に被着させ(depositing、堆積させ)、その後、目標の厚さおよび形状(form、外形形状など)を有する熱硬化粘弾性インサート30を形成するために適用される製造条件下で前記未硬化状態にある反応物が硬化することを可能にすることによって調製してもよい。目標のフォームであって、圧延によるか、ストリップ状を成すか、シート状を成すか、鋳造による等のものを有するように硬化すると、その硬化した熱硬化粘弾性反応生成物は、適切に切断することによって、目標の容器組合せ体10に合致する適切な形態(configuration、形状)とするか、または、適切なサイズを有するように製作することによって、前記適切な形態(configuration、形状)としてもよい。目標の形状および厚さを有するインサート30は、また、通常の成形技術(例えば、射出成形法)によって調製してもよい。具体的ないくつかの用途においては、目標のインサート形状および被膜厚さを実現するのに必要な適切な用量の未硬化状態にある流動性反応物を容器20に直接塗布し、その後、引き続いて硬化が行わると、目標の安定化する容器組合せ体10が作り出される。前記未硬化状態にある熱硬化体の形態においては、前記熱硬化性反応媒質は、目標の形状および厚さを有する接合用被覆セクションすなわちインサート30の鋳造、成形等を可能にするように、目標の流動性または粘性を実現するように(例えば、エポキシ化大豆油からエステル可塑剤までの複数のレベルで)配合する(formulate、調合する)ことができる。
【0053】
本発明は、広範囲の収納容器組合せ体10に広く適合させてもよい。容器組合せ体10は、1グラム以下の重量を有するアイテム40から1ポンド(約0.5キログラム)以上の重量を有するアイテム40までの収納のために設計することができ、それらアイテム40のすべては、それらの最初の収納位置に効果的に安定化させる(stabilize、アイテム40の位置および姿勢を動かなくする)とともに拘束する(confined、閉じ込める、アイテム40の位置および姿勢を動かなくする)ことができる。この出願書類中の独自のインサート30の並外れた接着特性にもかかわらず、インサート30上に載置された任意のアイテム40に対して行われる接着による固定化(immobilization、接着によってアイテム40を動かなくすること)の程度は、インサート30の全接触表面積との間に直接的な相関性を有する。収納されるアイテム40に対するより大きい界面表面接触面積は、概して、アイテム40に対するより大きい合計接着力をもたらし、その結果、より大きくてより重いアイテム40をそのインサート30上に載置することが可能となる。より重くてよりかさばる(bulker、体積が大きい)アイテム40は、より軽いアイテム40を収納するために使用されるインサート30より厚いインサート30を必要とするかもしれない。接着特性または接着強度は、広範囲に変動し、それにより、目標の接着度を目標の最終用途(end use、末端ユーザによる使用の形態など)に適合させることが可能になるかもしれない。この出願書類中で使用される凝集性および接着性を有するインサート30は、硬質ゴム製のインサートの場合のように、いかなる感知可能なアイテム40の埋没もなしで、アイテム40が単に圧縮されるのとは対照的に、収納アイテム40がインサート30によって埋設されるかまたは包むように保持される(cradled)ことを可能にするのに十分な粘弾性特性を特徴的に有することになる。十分な程度の凝集性および接着性を実現することに加えて、この出願書類中で使用されるインサート30は、必ず、凝集力および接着力による収納姿勢安定性であって比較的高度なものを実現することが必要である。この接着力による安定性が自明であるのは、その接着力が、収納アイテム40が最初にインサート30に接触した時から1分以内に最大接着力(adhesive tack)の90%に達するという点である。
【0054】
熱硬化粘弾性インサート30の利用は、他のいかなる既知の容器インサートをも凌ぐ熱硬化粘弾性インサート30の予想外に優れた収納に関する利点に至る強い凝集力および接着力を作りだす独自の凝集環境および接着環境を実現する。従来のゴム製の容器用インサートは、圧縮するに過ぎず、その圧縮が原因で、実質的かつ付随的な体積損失を伴う。これに対し、アイテム40は、そのアイテム40上に接着によって係合するために通常印加される高さのアイテム載置時の(placement)圧力を用いて発明品としての粘弾性インサート30上に載置されると、インサート30によって流動化させられた流れに付随する反作用であって実際に収納アイテム40を接着剤の空洞部(adhesive cavity、接着剤としてのインサート30に形成される凹部)内に埋め込むものが生じ、よって、ゴム製のインサートが単に表面に接する程度に(tangentially、沈むことなく)接触することよって通常生じ得るであろうものより実質的に大きい領域であって接触界面および接着引力が発生するものが生じる。さらに観察されてきたことは、インサート30の接着引力は、最初にアイテム40がインサート30と接触した後にわずかに増加し、その後、安定化するということである。これと同じ現象は、アイテム40がインサート30上に静的に(quiescently、静かに、強制的な圧縮なしで)載置される場合にも当てはまり、その載置時には、より少ない初期接着剥離強度を有するかもしれないが、時間が経過し、最終的には、圧力が印加された場合にアイテム40がとり得るものに匹敵する接着度に安定化するに至る。その独自で型破りの、収納されたアイテムが接着される環境であって、この出願書類中の粘弾性インサート30により提供されるものは、その優れた接着効果と相まって、収納アイテム40に関して予想外の接着および接着安定化を有する収納容器組合せ体10を創出し、そのような収納容器組合せ体10は、これまで実行不可能であると考えられていた。そのような予想外の接着性インサート30の進歩により、収納されたアイテム40を容器組合せ体10内に水平姿勢、垂直姿勢または反転姿勢で驚異的に拘束することが可能になる。
【0055】
インサート30の独自の凝集性および接着性は、収納されるアイテム40に対する見かけの非常に強力な接着引力の影響と相まって、それら粘弾性インサート30が収納されたアイテム40を本質的に埋め込み、包み込み(cradled、包むように保持される)、そして、接着によって係合する仕方に、部分的に起因する可能性があるかもしれない。通常のエラストマーは、一般に、突き当たってくる物品の周囲で一方的に圧縮され、さらに、除圧されると、一方的に回復し、それにより、支持されている(resting)物品は、主として、エラストマーにより、そのエラストマーの表面に接するように(tangentially、沈むことなく)支持される傾向がある。全く対照的に、この出願書類中の発明品としての粘弾性インサート30上に載置された物品40は、(例えば、従来のゴム弾性体の圧縮とは対照的に)インサート30の体積を実質的に喪失することなく、周囲の粘弾性体内に部分的に沈み込みながらその粘弾性体を押し退ける原因となる。これにより、収納されたアイテム40のための埋設されたゆりかご(cradle、クレードル)が形成されると同時に、さらに、均等化された(equalized、一様に分布した)圧力および接着引力が収納アイテム40に加えられることも行われる。発明品としての粘弾性インサート30によって引き起こされる包み込み(cradling、クレードリング)は、独自に一様にかつ強力に流動化させられて埋め込まれるとともに接着によって引き付ける力を、埋め込まれた物品40に及ぼす。したがって、論理的に結論付けることは、粘弾性インサート30は、本質的に、アイテム40が収納のために粘弾性インサート30内に接着によって埋め込まれる場合に、著しくより大きい接着引力を与えるということである。
【0056】
アイテム40を粘弾性インサート30上に強制的に載置することによる初期埋め込みは、著しくより大きい表面接触面積の凹みと、流動化させられた(fluidized、材料が流れること)接着環境であって、通常の弾性体(elastomeric mass、弾性を有する物質の固まり)を押し付ける圧縮力では通常では発生しないものとを創出するように見える。この初期接触により、深く着座する接着および安定した粘弾性引力が確立され、その粘弾性引力は、接着力の安定した増加に依存し、その増加は、硬化した熱硬化粘弾性反応生成物中の分子極性配列(alignment、整列)であるように見えるものと組み合わせて、収納されたアイテム40に非常に強力な接着引力を及ぼす。物理的に類推すると、優れた引き付け接着力の下で包み込むような捕捉(cupping、カップ状の中に入れる)および擬似流体的な捕捉によってあるアイテムを補足することは、沈み込みなし(tangential)接触によってあるアイテムを接着によって捕捉して係合することより、はるかに簡単である。さらに観察されてきたことは、アイテム40を発明品としてのインサート30内により深く埋め込むために収納可能なアイテム40に印加される圧力は、静的載置(quiescent placement、アイテム40を押込みなしで単にインサート30上に載置すること)とは対照的に、アイテム40をインサート30に接合するための前記初期接着接合力を付随的に10%の比率で増加させることが可能であるということである。しかしながら、インサート30上へのアイテム40の前記静的載置は、最終的に、圧力がアイテム40に印加されたときに匹敵する接着剥離力値(接着力値)に安定する。明らかに、このように遅れた接着力の増加を引き起こす内力(internal forces、内部力、内在する力、本質的な力など)が前記熱硬化粘弾性反応生成物中に存在する。
【0057】
インサート30の表面領域であって収納される物体を向いているものは、さらに、必ず、剥離可能な表面粘着力すなわち接着力であって、物品40とインサート30との間の恒久的または一時的な接着接合とは異なり、インサート30上に載置されたアイテム40の接着剥離を可能にするものを有しなければならない。一般的に収納されるアイテム40であって、ツールボックスに一般的に収納される大工道具または機械ツールなど、通常の釣り具用ルアーよりかなり重いものも、意図される用途に合わせて特に個別に仕立てられる(tailor-made、テーラーメードされる)もしれない独自の安定した接着性および凝集性を有するインサート30が適切に取り付けられた容器組合せ体10から恩恵を受けることができる。接着力値の個別仕立てには、前記熱硬化粘弾性反応生成物中に提供される可塑剤の量および種類と共に、前記熱硬化性ポリマー構造体内の架橋およびポリエーテル凝集(linkage、連鎖)の程度が含まれる。さらに、インサート30は、さらに、長期の収納条件にわたり、無視できない接着力の変化を何ら示すことなく、安定した接着接合力を実現しなければならない。驚くべきことに、本発明により提供されるインサート30は、長期間の保管期間(例えば、4週間以上)にわたり、インサート30により収納されたアイテム40に関し、接着接合力を、安定化後に実質的に変化しない程度に保持する。典型的には、アイテム40がインサート30に収納のために最初に接触した後の接着力の変化として存在するのは、10%未満である。
【0058】
従来の滑り止めおよびゴム製容器用インサートとは対照的に、本インサート30は、典型的に、300g
f/cm
2(1平方センチメートル当たりの重量グラム(grams-force))を超える接着剥離強度を典型的に示し、その強度は、載置されたアイテム40とインサート30との間の接着引力に打ち勝つために必要な強度であるとともに、
図5に示す試験装置を利用する接着性・凝集性試験手順(上述)により測定された。必要に応じて、約3倍(900g
f/cm
2)から約6倍(1800g
f/cm
2)またはそれを超える値までの範囲内の接着剥離強度を示すインサート30を取得してもよい。ほとんどの用途のための独自の収納特性を備えた容器組合せ体10は、典型的には、接着接合強度が、400g
f/cm
2を超え、通常は、500g
f/cm
2を超えるが、最も一般的には、約1200g
f/cm
2未満であるインサート30を含み、さらに、特に、約500g
f/cm
2から約1000g
f/cm
2までの範囲内の接着剥離強度または接着分離強度を有するインサート30を含む。前記熱硬化粘弾性反応生成物が、非常に高い剥離可能接着力(例えば、1200g
f/cm
2を超える)を有するように個別に仕立てられる場合でも、過度の接着力により、アイテム40を容器組合せ体10から剥離することが特に困難になる可能性がある。最も実用的な使用範囲に関し、約600g
f/cm
2から約1000g
f/cm
2までの範囲は、非常に効果的なインサート30の使用範囲を表す。接着性値が高いほど、手で剥離することがより難しくなり、恒久的接着の範囲に近づく傾向がある。しかしながら、接地された支持体(例えば、ゲーム遊具、支持ポスト、機器固定具等)にゲーミング装置を確実に接地するために発明品としての熱硬化粘弾性反応生成物を使用するなどの具体的ないくつかの用途は、約1500から約2200g
f/cm
2以上の値までの範囲内の接着力および剥離力の値を有する反応生成物を利用することを望ましいこととするかもしれない。
【0059】
上述のように、収納容器組合せ体10は、剛体(rigid、硬質の)構造体である必要はない。軟質の(flexible、柔軟性を有する、可撓性を有する)医療機器入れ物、第1対応者用(first responder、緊急対応要員用)トートバッグ(tote bag、手提げ鞄)、軟質の写真機器用入れ物、ツールバッグ(tool bag、道具鞄)、釣り具バッグおよび柔軟な構造体についての多くの他の種類の容器などの軟質の収納容器組合せ体10は、本発明によって提供される独自の収納に関する属性から利益を得るかもしれない。熱硬化粘弾性インサート30は、その上に載置されたアイテム40に強靭に接着するため、容器組合せ体10は、必ずしも、通常の側壁または蓋を必要とはしない。収納されたアイテムを直立姿勢で保管することが必須である通常の収納容器と異なり、インサート30は、長期保管時間にわたり、反転した姿勢のアイテム40への接着引力を実質的に失うことなく、水平姿勢、垂直姿勢または反転姿勢でアイテム40を独自に保管することができる。そのような驚くべき収納に関する属性は、本発明により提供される凝集性および接着性を有する粘弾性熱硬化インサート30およびその均等物を備えた容器組合せ体10によってもたらされる独自の凝集性および接着性に関する安定性を示す。インサート30の粘弾性特性は、衝撃損傷に対する収納アイテム40の保護も提供する。
【0060】
本発明についての別の実施形態においては、
図2−
図4に示すように、熱硬化粘弾性インサート30を、目標の無菌効果を収納容器組合せ体10に付与するために利用してもよい。
図2に示すように、医療ピルを収納するための区画化されたピルボックス20は、抗菌性熱硬化粘弾性インサート30の使用を通して細菌から効果的に無菌式に保護され、そのインサート30は、前記熱硬化粘弾性反応生成物に本質的な特性を構成する。ピルボックス用のインサート30(例えば、
図1−
図2を参照されたい)は、本質的に、強力な無菌特性を容器組合せ体10および収納アイテム40に提供する。したがって、接合用粘弾性インサート30(例えば、被膜、シート、積層されたフィルムのセクション等のような)が容器の壁24、26または床22に適用される場合、露出した外面と、容器に接合される内面であってインサート30に当接するものとの両方が本質的にインサート30の独自の抗菌特性から恩恵を受ける。したがって、熱硬化粘弾性インサート30およびそれの周囲環境は、微生物の成長を助長せず、むしろ、健康を害する微生物または菌の増殖を阻害する。よって、熱硬化ポリマー性のインサート30を外科および医療用途ならびに他の衛生用途に使用することは、そのインサート30の全体(its entire mass、それの全体の固まり)にわたって内在的な自己凝集性および一様な抗菌特性と相まって、発明品としてのインサート30を他の任意の従来のインサートから独自に区別する無菌滅菌という新しい展望を開く。したがって、無菌状態下で複数の衛生アイテム40を保持するための医療用および他の衛生士用の複数の容器20があり、それら衛生アイテム40は、例えば、衛生士が、歯科用、医療用または衛生士用キャビネットの引出しおよびそれの複数の区画、バッグ、キット、ピルボックスを含む箱を使用するときに必須であるものであり、さらに、外科用、診察用、医療用および歯科用のトレイ等のような平坦な表面を有する複数の容器組合せ体10があり、それら容器組合せ体10のすべては、通常、抗菌性熱硬化粘弾性インサート30と接合するとともに、そのインサート30を支持する支持基体20Aを含む。この種の収納容器組合せ体10は、現在の技術を凌ぐ予想外に優れた独自の抗菌性の利点を示しており、その利点は、滅菌医療器具、装置および医薬組成物等を安定して載置するために、整然とした無菌、滅菌および体系的な環境を維持することにより、得られ、それらのすべては、長く求められていた医療および衛生士のニーズを満たす。この出願書類中で述べられるように、万一、ほこり、こみおよび他の汚染物質(インサート30で除菌される浮遊粒子汚染物質を含む)が熱硬化弾性インサート30の接着面を塞ぐ(clog、邪魔するなど)と、インサート30は、それの深部に定着した抗菌性、抗真菌性、接着性および凝集性であって、インサート30の全体組成的構成の全体に均一に浸透するものと、それらインサート30に接触することになるアイテム40とに悪影響を及ぼすことなく、石鹸および水より成る溶液を用いた洗浄で簡単に元の状態に戻るかもしれない。医療および歯科という用途と同様に、細菌がはびこった釣り針およびルアーから生じる望ましくない感染も、インサート30の使用により利益を得るかもしれない。したがって、熱硬化粘弾性インサート30は、特に、衛生士による多くの使用に適している。よって、緊急対応要員(First Responders)、救急隊員、歯科医、歯科衛生士、医師、外科医、看護師等により使用されるもののような医療用、歯科用および他の衛生用の容器組合せ体10は、安定化し、固定化し、無菌化し、整然とされた環境において、すべてが完備した(self-contained、他のものに依存しない)アイテム40を収納するための優れた自己除菌型の(self-sanitizing)容器組合せ体10を有益かつ独自に与えられる。
【0061】
必要に応じて、未硬化状態にあるインサート用の反応物は、透明なインサート30を提供するように調合されてもよく、その透明なインサート30は、1つまたは複数の位置決め用目印、ラベル、デカール、文字によるメッセージ(アイテムの用途など)または他の目標の指示等であって、透明なインサート30を通してはっきりと見えるものを提供することができる。目標の着色効果を実現するために、顔料、染料等の着色添加剤を調合して、未硬化状態にある反応媒質内に添加することもできる。同様に、インサート30は、容器組合せ体10の区画内において固定される収納アイテム40を識別するために色でコード化してもよい。同様に、香り付きインサート30を提供するために、香料を調合して前記未硬化状態にある反応物内に添加することもできる。必要に応じて、インサート30は、凝集力および接着力により、積み重ねられるかまたは他の方法で配列された複数の容器または他の複数のアイテム20を整然と保持するために、外部で(externally、容器10の外面で)利用することもできる。必要に応じて、識別用の色別コード化目印をインサート30に組み込み、それにより、各容器20のそれぞれの内容物を識別するか、または、1つの容器組合せ体10の各区画28の内容物を識別することができる。
【0062】
インサート30は、ほとんどの慣習的な容器20ならびにほとんどの収納可能なアイテム40であって、広範囲の多様な収納アイテムおよび支持容器20、20Aを広く含むものに対して広範な、接着に関する類似性を有する。したがって、インサート30は、多くの支持基体20Aおよびアイテム40に物理的に接着するかまたは化学的に接合するために使用してもよい。支持基体20Aは、例示的に、広範囲に及び多様な材料によって製作してもよく、それら多様な材料としては、例えば、セルロース材料(例えば、木材、木材複合材、植物材料、不織布基材等)、熱硬化性物質、熱可塑性物質、プラスチック複合材、金属(例えば、アルミニウム、鋼、スズ、金属合金等)、テキスタイル、ガラスおよび多くの硬質または軟質の多くの他の支持材料であって接着剤との適合性を有するものがある。したがって、収納容器組合せ体10は、広く、発明品としてのインサート30と接着の点で適合性を有する任意の支持基体20Aに適用される。特定の配合物のための特定のハロゲン含有ポリマー(例えば、PVC)は、この出願書類中の熱硬化粘弾性インサート30に対して接着に関する適合性を有しない。このことは、PVCおよび熱硬化粘弾性反応生成物の電気陰性度であって同種の電荷同士の反発を引き起こすものを原因とするかもしれない。しかしながら、この非接着性PVC材料は、インサート30であって、成形品か、シート状を成すか、フィルム状を成すか、鋳造品などであるものの硬化および事前製作に使用するための非反応性製造用連続ベルトとして効果的に使用してもよい。
【0063】
熱硬化粘弾性の形態を有する発明品としてのインサート30は、残留ガスも揮発ガスも実質的に含まない、無毒で環境に優しい(グリーン(green、環境に優しい))形態で適切に提供されてもよい。インサート30は、さらに、衝撃および振動を吸収する属性を付与してもよく、その属性は、収納された物体40を衝撃および振動による損傷から保護する役割をさらに果たす。したがって、写真用レンズ、電子機器、回路基板、ガラス部品および他の繊細なアイテム40等の壊れやすい収納アイテム40は、衝撃による損傷および傷に対して、保護機能を有するように収容されるかおよび/または拘束機能を有するように固定されてもよい。前記粘弾性反応生成物は、さらに、コーティング用(coating、被覆用)のインサート30として、発泡ゴムと効果的に組み合わせられ、それにより、壊れ易いアイテム40を保護するための保護機能付き収納ラップ(wrap、包むもの)組合せ体を実現してもよい。容器組合せ体10において使用されることが望ましい熱硬化粘弾性インサート30は、厚さが、一般的に4mm未満、より一般的には3mm未満である。前記被覆されるとともに熱硬化によって接合された形態においては、実質的により少ない量の粘弾性インサート30が、典型的には、特定の用途に利用され、それにより、目標の凝集性および接着性を実現してもよい。典型的には、堅く(tightly、動くことないように)接合される形態または接合されていない(unbounded)形態のインサート30は、厚さが約60ミル(1.5mm)未満であり、最も典型的には、約20ミルから約50ミルまで(0.5mmから1.3mmまでの)の厚さの範囲内に入る。より厚いサイズを使用できるが、通常、不要である。それにもかかわらず、インサート30は、一般に、容器組合せ体10および収納アイテム40に適合するサイズを有する。
【0064】
従来、ポリウレタンは、一般に、ポリオールをイソシアネートと共に反応させることにより形成され、そのイソシアネートは、通常、ジイソシアネートまたはポリイソシアネート、例えば、芳香族イソシアネート(例えば、典型的に、ジフェニルメタンジイソシアネート−MDIまたはトルンジイソシアネート−TDI)および脂肪族イソシアネート、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)またはイソホロンジイソシアネート(IPDI)であってプレポリマー形態を有するものであり、それは、主要な反応媒質成分としてエポキシ化植物油を含み得る反応媒質中でポリウレタンイソシアネート反応物として機能する。その反応成分としては、前記イソシアネートプレポリマーと反応するジオールおよびトリオールのポリオキシアルキレンポリオールプレポリマーがあり、それは、例えば、典型的には分子量が1000を超える末端ジオールおよびトリオール基(例えば、ポリオキシエチレンおよび/またはポリオキシプロピレンジオールおよびトリオール)を有するポリエーテルである。
【0065】
前記反応媒質中の前記トリオールは、3つの利用可能なトリオール基において架橋を引き起こすが、前記ジオールは、前記熱硬化性ポリマー構造内において非架橋または直鎖連鎖(linkage、結合、凝集)を実現する。非常に効果的であるとともに安定した凝集性および接着性を有するインサート30を得るために、架橋(cross-linkage)および直鎖連鎖(straight chain linkages) のそれぞれの量であって互いに比例する適正量(proper proportional amount、適正な量的比率)が必要である。前記熱硬化性ポリマー構造は、より少ない架橋構造のうちのいくらかを、介在する直鎖極性誘引連鎖(linkage、結合、凝集)のより顕著な(pronounced、より大きい)存在と共に必要とし、それにより、当該構造体内の多くの分極可塑剤に適切な極性を有するより柔軟な粘弾性主鎖を実現する。これにより、絡み合う主鎖が形成され、それにより、前記粘弾性体の全体(the viscoelastomeric mass、その全体の粘弾性体の固まり)にわたって可塑剤の優れた引力および凝集性による極性配列が提供される。例示的な有用なトリオールおよびジオールは、高分子鎖の反復酸素基、例えば、重合可能な末端ジオールまたはトリオール基のいずれかを含む前記ポリエーテルおよびポリエステルを有する。前記硬化を行う反応媒質を前記目標の製作形態に事前製作するためにより低い加工可能(workable、作業可能)粘度を提供する重合化可能な反応物を利用することが望ましいため、より流動性の高いジオールおよびトリオール(ならびに可塑剤)は、より簡単に加工することが可能な(workable、作業することが可能な)粘度の範囲を実現する。したがって、バランスの取れた架橋および直鎖分極連鎖と、バランスの取れた可塑剤内容物であってポリマーネットワーク中に均一に分散されたものとからの結果物としての反応生成物は、それを、この出願書類中の発明品としてのインサート30として特に有用なものとする優れた接着性および凝集性を予想外に示すことが判明した。未硬化状態にある反応媒質は、硬化すると、熱硬化鎖を形成し、これは、有効量の可塑剤が適正に導入される(loaded with、可塑剤を搭載する、で可塑剤充填する、可塑剤を添加する)と、前記熱硬化性反応媒質中に均一に分散される状態となり、それにより、前記熱硬化粘弾性反応生成物をこの出願書類中のインサート30という用途にとって予想外に効果的なものにする目標の凝集特性および接着特性を実現する。結果物としての熱硬化反応生成物の接着安定性および凝集安定性を実現するには、分子架橋と極性配列直鎖熱硬化性部分架橋構造との間の繊細なバランスが必要であり、そのバランスは、それらの間の比率を含み、さらに、可塑剤のレベルおよびタイプならびに前記熱硬化性反応媒質中の前記可塑剤の含有量を含む。一般に、前記可塑剤の含有量を減らすと、反応生成物というものは、より硬くなるとともに粘着性がより低くなるが、過度に高いジオール反応物のレベルは、収納されるアイテム40に接触するとその収納アイテム40に恒久的に接合される熱硬化反応生成物を生み出す可能性がある。常識はずれである可塑剤の少ない含有量と、ジオールとトリオールとの間の比率の合理的な制御とにより、発明品としてのインサート30としての使用に理想的である粘弾性熱硬化反応生成物が存在し得る。可塑剤の適正な含有量は、前記熱硬化性反応媒質中のポリエーテルジオールの高濃度との組合せにより、凝集度および引張強度ならびに熱硬化物の柔軟度を増加させる。ポリエーテルジオールの、ポリエーテルトリオールに対して比例する量の増加は、前記可塑剤との組合せにより、接着安定性を実現し、それは、インサート30が、長期の収納時間にわたって収納される場合に、アイテム40の剥離性を機能的に有することを効果的に可能にする。前記反応媒質に低分子量の極性可塑剤を搭載する(loading、添加する)と、前記可塑剤の総含有量を減らすことができ、これは、ポリエーテル直鎖連鎖の増加との組合せにより、保管容器組合せ体10内において使用される場合に予想外の収納効果および剥離効果を有するインサート30を実現する。前記低分子量可塑剤は、さらに、より流動性の高い硬化性反応媒質に寄与する傾向もあり、その反応媒質は、目標の事前製作フォームを有する硬化状態にある反応生成物となるように容易に製作され得る。
【0066】
植物油ベースの油を用いて作用する場合、前記反応媒質は、望ましくは、エポキシ化油成分含有量(例えば、ESOなどの脂肪トリグリセリド)の測定量であって前記反応媒質の総重量の50%未満であるもの(ただし、依然として、支配的な反応物反応媒質成分を構成してもよい)を、前記熱硬化性の媒質中の前記直鎖弾性成分(例えば、前記ポリエーテルジオール)の重合化レベルの増加と共に含む。驚くべきことに、トリグリセリド油(例えば、エポキシ化されたもの)の含有量を減らすとともに、直鎖を形成する熱硬化性の重合化可能反応物の割合を増やすと、前記反応媒質が依然としてトリグリセリド成分(例えば、ESOエポキシ化大豆油)を主成分としてする場合であっても、劇的に、インサート30の硬化後の粘着度が増加する。前記組成に起因する凝集性および接着性を高めると、一般に、エポキシ化油の含有量が減少し、さらに、前記架橋トリオール反応物が減少し、それにより、前記ポリマー構造の架橋が実質的に減少し、それに付随して、前記直鎖生成ジオール反応物のレベルが上昇し、それにより、前記熱硬化粘弾性分子中の前記介在直鎖架橋構造が増加する。この重合化分子の変化(前記エポキシ化トリグリセリドに加えて、他の通常の可塑剤を使用するか否かを問わず)は、明らかに、前記硬化した反応生成物の塊(mass)中において絡み合った前記独自の酸素含有粘弾性ポリエーテル主鎖構造によって効果的に表現される局在化ポリマー極性電荷を作り出し、それにより、分極可塑剤の効果的な添加(loading、搭載、導入)をもたらし、最終的に、優れた接着性および凝集性が理想的な剥離特性と共にもたらされる。インサート30にとっての効果的な凝集効果および接着効果は、合計反応媒質重量の約15パーセントから50パーセント未満値までの範囲内のトリグリセリド含有量で達成してもよい。前記エポキシ化トリグリセリドを極性エステル可塑剤(特に、実質的に低分子量の可塑剤)で置換または置き換えると、優れた剥離性および安定性(stability、安定化性など
)を依然維持しながら、目標レベルの凝集性および接着性を維持することが判明した。室温でより高い流動性を示す粘稠度と、典型的には、比較的低分子量であるものとを有する特定の極性エステル可塑剤は、初期硬化段階中、理想的な加工用(working、作業用)粘度に寄与し、それにより、反応生成物およびインサート30の事前製作作業が一層容易になる。通常、これらより高い流動性を有するエステル可塑剤は、500以下の分子量を有する。
前記可塑剤としては、当該反応生成物において、a)約0重量パーセントから約48重量パーセントまでの範囲内のエポキシ化トリグリセリド可塑剤と、b)約0重量パーセントから約40重量パーセントまでの範囲内のエステル可塑剤とがある。
【0067】
図1−
図4に示すような容器組合せ体10において並外れて高い凝集効果および接着効果を有するインサート30の例は、前記熱硬化粘弾性体について適切に構成されたカルバメート熱硬化性連鎖(例えば、ウレタン)を提供する熱硬化性前駆体反応媒質を選択的に使用することによって適切に調製してもよい。一般に、インサート30を調製するために適用可能な熱硬化性ポリウレタン前駆体混合物は、典型的には、硬化剤の開環種(例えば、アミン、アミド、メルカプタン、無水物、ジイソシアネートなどのポリシアネート等)と反応する、バランスの取れた量のポリオールプレポリマー(例えば、ジオールおよびトリオール)を含む。ポリオール反応物の比率(ratio、相対量)、硬化剤の比率(ratio、相対量)、触媒の比率(ratio、相対量)、反応温度等は、インサート30のための前記熱硬化粘弾性反応生成物の前記独自の安定化性(stability、物品を動かないように固定化する性質など)、凝集性および接着性を実現するための、選択された可塑剤および量との組合せにおいて必要な適切な架橋および直鎖を分子レベルで生成するために、ジオール反応物とトリオール反応物とに与えられる適切なバランスと共に、予め選択される。架橋間の十分な直鎖ポリエーテル架橋なしに過度に架橋した熱硬化性ポリマーを生じさせる反応物、触媒、反応温度等を使用することは、一般に、前記独自の粘弾性体およびインサート30のための目標の接着性および凝集性を生成するのに適していない。したがって、前記熱硬化性反応物は、望ましくないほどに高度な架橋と、対応する高いガラス転移温度とを回避するように選択される。反応条件および反応物は、より線形で、より高い凝集性を有し、より高い接着性を有する粘弾性熱硬化性主鎖構造に有利であり、その構造は、極性可塑剤の添加(loading、搭載、導入)に対する受容性があり、そのような反応条件および反応物は、特に、この出願書類中のインサート30を提供する際の使用により適している。より高い発熱性を有する高い硬化温度は、より硬い熱硬化物を生成するのにより寄与するため、前記反応物および反応媒質の選択、より遅い反応速度を有する触媒、低い硬化温度、制御された硬化時間ならびに反応物を生成するジオール直鎖へのトリオール架橋は、効果的な可塑剤と共に、インサート30の目標特性を付与するために正確に制御される。したがって、慎重に制御された反応媒質条件は、適切な反応物および可塑剤と相まって、より高い可撓性、より低い架橋度およびより低いガラス転移温度をもたらし、それにより、高い凝集性および接着性を有する熱硬化反応生成物が得られる。明らかに、前記架橋前駆体と前記直鎖重合体(polymerizates、重合成分)との間の適切なバランスによって生成された前記特定の熱硬化性分子構造は、前記熱硬化粘弾性重合体(polymerizates、重合成分)を、効果的な可塑化に非常に敏感である形態となるように構成し、ここで、前記適切な極性可塑剤配向は、熱硬化粘弾性ラビリンス重合体構造内で生成され、それにより、予想外に優れた目標の凝集性および接着性をもたらす。目標の熱硬化インサート30は、さらに、予想外に優れた凝集性および接着性に加えて、低反発速度およびヒステリシス特性を示す粘弾性熱硬化性ポリマーであるものとして特徴付けられる。そのような熱硬化粘弾性体は、さらに、その特徴として、構造的損傷も、実質的な垂れ下がり(sag、陥没など)も反発損失(rebound loss、跳ね返り損失、リバウンドロス)もなしに、繰り返し衝撃応力および長期にわたる衝撃応力に耐えることができる優れたエネルギーおよび減衰特性(energy and attenuation properties、エネルギーと減衰量との間の関係など)も示す。
【0068】
工程としては、前記反応生成物の調製は、例示的に、主要な媒質成分としてではなく主要な媒質重量として(例えば、全媒質重量の約15%を超えるが50%未満である)エポキシ化植物油反応媒質成分を含んでもよい可塑剤および他の望ましい可塑剤、架橋と直鎖連鎖との間の目標の架橋を形成するために全体の架橋を低減させるための、架橋ポリオールと直鎖生成ポリエーテルジオールとの間の慎重に測定されたモル比、脂肪族、芳香族、複素環式等、ポリイソシアネート、脂環式、アリール脂肪族、イソシアネートなどのイソシアネートプレポリマー硬化剤および適切な触媒(例えば、触媒と共に遅効性)を均一に搭載した(loaded with)反応媒質を熱硬化させる工程を有してもよい。前記反応媒質は、硬化性反応媒質を提供するように特に適合されている適切な可塑剤添加(loading、添加工程、搭載工程)を含み、その硬化性(curable、硬化可能な)反応媒質は、硬化すると、粘弾性反応媒質を生成し、その粘弾性反応媒質は、極性配向可塑剤を効果的に搭載し(loaded with)、その極性配向可塑剤は、前記粘弾性反応媒質の塊全体にわたって均一または均質に分散され、前記極性配向可塑剤は、前記熱硬化重合構造によって絡み合わされるとともに支持される。例示的な触媒としては、三級アミン、三級ホスフィン、強塩基(例えば、アルカリおよびアルカリ土類金属)、水酸化物、アルコキシドおよびフェノキシドおよび強酸の酸性金属塩、金属キレート、金属アルコラートおよびフェノラート、有機酸塩、有機金属誘導体等がある。最も望ましい熱硬化および製作条件下において、前記重合体前駆体および前記可塑剤は、室温の液体として前記反応媒質内に提供され、このとき、前記反応媒質の成分を均一に分散させるために溶媒、他の化学分散助剤または高温のいずれも必要とはしない。
【0069】
比較的高い分子量を有するジオールおよびポリオールは、絡み合った熱硬化粘弾性ポリマー構造のための熱硬化粘弾性架橋および直鎖を構築する複数の成分として効果的に機能し、適切にバランスを取ると、可塑剤親和性粘弾性ポリマー構造を提供し、その可塑剤親和性粘弾性ポリマー構造は、可塑剤の添加(loading、搭載)のための適切な重合体構成および分子極性を有する、良好にバランスの取れた直鎖および架橋連鎖を有する。反応物の重量パーセントに基づき、前記ジオールは、一般に、衝撃吸収ポリマー構造を生成する際に前記トリオールより効果が低いと認識されるが、可塑剤の添加(loading、搭載)に必要な目標の粘弾性ポリマー構造を生成するときと、目標の独自の接着性、凝集性および剥離特性をインサート30に付与するときとにおいては、この出願書類においては、非常に効果的である。ジオールとトリオールとの間の適切なバランスは、極性化された複数の可塑化成分のバランスの取れた割合が、慎重に構成された熱硬化反応生成物構造内において優れた接着性および凝集性を実現することを可能にする。可塑化を行う必要な接着効果および凝集効果を達成するために、前記直鎖ジオール前駆体は、通常、比較的高い分子量を有するものであり、これは、ポリエーテル配列によって提供されてもよく、そのポリエーテル配列は、反応媒質濃度が高いほど、より線形性を示す熱硬化性高分子ポリオキシ構造を生成し、このとき、同時に、架橋密度を低減させるようにも作用する。したがって、目標の可塑性および柔軟性は、目標の極性、接着性および凝集性と共に、一般に、ポリオールのうちのジオールおよびトリオールであって熱硬化性と高分子量(例えば、2,000から10,000までの範囲内の分子量)とを有するものの適切な量を、適切な反応媒質量において、他の熱硬化性シアネート反応物および可塑剤と共に共重合化することにより、効果的に達成してもよい。この出願書類中の有用なポリエーテルジオールは、その特徴として、2つの末端ヒドロキシル基を有する直鎖ポリエーテル分子鎖から構成される。これに対し、前記ポリエーテルトリオールは、その特徴として、3つの末端架橋反応性ヒドロキシル基を有しており、それにより、熱硬化性反応媒質中に、より多官能性を有する架橋部位が生じる。
【0070】
前記エーテルポリオールを使用する場合、前記熱硬化反応生成物の基本的な分子構造は、通常、十分な量の直鎖ポリエーテル連鎖を有する熱硬化粘弾性体を生成するために、ジヒドロキシの、トリヒドロキシポリアルキレンオキシドに対する比率をバランスさせることによって制御された架橋構造を必要とする。極性酸素に富むジオール反応物は、複数の架橋トリオール重合化連鎖を分断して、それら架橋トリオール重合化連鎖の間にサンドイッチされる状態となるように作用する。架橋の効果的な減少は、それが熱硬化粘弾性に分類されることを変化させず、なぜなら、それの粘弾性特性が保持されるからである。明らかに、前記反応産物(the reaction mass、反応生成物、化学反応が生じている物質の固まり)が前記制御された熱硬化構造(the controlled thermoset structure、前記制御された架橋構造など) に事前に接続する(premate)ことは、ポリエーテル直鎖架橋に点在する複数の架橋ポリエーテルの極性密度を制御し、それにより、独自のラビリンス構造を提供し、そのラビリンス構造は、明らかに、適切な極性を提供するとともに、必要な接着性および凝集性に寄与する複数の要因の効果的な添加(loading、搭載)を可能にし、それら要因は、プラスチック可塑剤として業界で一般に知られているような可塑剤の使用を含む。適切に配向されるとともに分散された(entrained)複数の可塑剤が添加された(loaded with、搭載された)粘弾性分子構造を確立することにより、安定した剥離特性を有する驚くほど優れた接着性および凝集性が達成される。負に帯電した直鎖および架橋ジオールおよびトリオールの無数の構造体(enclaves)は、前記硬化用の反応媒質および前記硬化状態にある反応生成物の全体に均一に分布した分極可塑剤が添加された(loaded with、搭載された)熱硬化ラビリンスを形成するように見える。この独自の分極重合化インフラストラクチャおよび多量の分極可塑剤であって前記重合化ラビリンス内に積層されたものは、明らかに、接着性および凝集性を有する反応生成物の相乗効果をもたらす。前記反応生成物および粘弾性インサート30は、驚くほど高い引張強度および柔軟性を有し、これは、それの凝集性熱硬化粘弾性構造が、それの可塑剤含有物と相まって、優れた組成凝集性および接着性に大きく寄与することを示す。前記反応生成物および粘弾性インサート30は、そのインサート30の高い引張強度と共に、高度な弾性を有する。
【0071】
前記エポキシ化植物油は、可塑剤として効果的に作用し、前記架橋直鎖ポリエーテルジオール重合体と組み合わられると、硬化状態にある粘弾性熱硬化インサート30のための目標の柔軟性、可塑化性、剥離性、凝集効果および接着効果を生み出す。特に効果的な凝集性および接着性は、前記エポキシ化植物油の濃度範囲が総反応媒質重量の50重量パーセント未満である場合に生じ、このとき、全反応媒質重量のうちの45パーセント未満の量が、接着効果、凝集効果および安定化効果をさらに強調する。より低分子量の可塑剤(例えば、特に500MW未満のエステル可塑剤)を、前記エポキシ化植物油可塑剤の代わりに、効果的に使用してもよい。前記エポキシトリグリセリドをより低い分子量を有する前記エステル可塑剤で置換すると、前記熱硬化性反応物の流動性および加工性(workability、作業性)が大幅に向上すると同時に、他の望ましい熱硬化属性すなわち
インサート属性が維持される。可塑剤(特に、より低い重量のエステル)は、バランスの取れたトリオールとジオールとの比率と組み合わせた状態で効果的に利用し、それにより、強靭に硬化して支持基体5に接合する反応生成物およびインサートを提供してもよい。エポキシ化トリグリセリド対エステル可塑剤(存在する場合)の重量比は、典型的には、約1:3から約3:1までの範囲内であってもよく、また、最も典型的には、約1:1から約3:1までの範囲内であってもよい。前記エポキシ化植物油(例えば、エポキシ化大豆油は、業界で一般的にESOと呼ばれている)は、典型的には、前記全体反応媒質のうち、重量に関して支配的な部分を含んでもよく、このとき、前記全体反応媒質重量のうちの約20重量%から30重量%未満値までの範囲内の量が、特定のいくつかの用途のために非常に有効である。前記熱硬化性ポリマー反応物の分子サイズおよび構成、極性、官能分子群等は、より低い分子量を有するエステル可塑剤および前記エポキシ化植物油であってそれぞれ測定された量を有するものと組み合わせられる状態において、目標の独自の凝集性および接着性を有する目標のインサート30を形成することに効果的に寄与するために、効果的に使用してもよい。前記エポキシ化植物油は、様々なエポキシ化植物油(例えば、ヒマシ、トウモロコシ、綿実、シソ、ベニバナ、アマニ、大豆、トール等)を含んでもよいが、エポキシ化大豆油は、前記反応生成物および熱硬化弾性インサート30を調製するためのエポキシ化植物油成分として特に効果的であることが判明している。
【0072】
目標の特性であって可撓性のもとに接着および粘着を行うものを、容器内において閉じ込めを行う複数の壁(例えば、壁22、24、26、上壁等)との接合に適合するインサート30であって、容器床22と、それによって閉じ込められる収納アイテム40とを有するものに与えることは、例示的に、約15重量部から約30重量部までの範囲内の2官能性ポリエーテルジオール(例えば、BASF Corporationから入手可能なELASTOCAST C−4057)、約15重量部から約35重量部までの範囲内の3官能性ポリエーテルトリオール(例えば、BASF Corporationから入手可能なELASTOCAST C−4018)、約4重量パーセントから約10重量パーセントまでの範囲内のメチレンジフェニルジイソシアネートベースのグリコールプレポリマー(例えば、BASF Corporationから入手可能またはDow Chemicalから販売されているELASTOCAST TQZ−P23またはIsonate2181(登録商標)およびRubinate1790(登録商標))、前記全反応媒質重量のうちの約25重量パーセントから50重量パーセント未満値の範囲内の量のエポキシ化大豆油を含有する反応媒質を、典型的には前記全体反応物重量のうちの約0.1重量パーセントから約0.6重量パーセントまでの範囲内の触媒濃度を有する適切な触媒(例えば、Vertellus Specialtiesから入手可能なビスマス(3+)ネオデカン酸−COSCAT 83)の適切な触媒量と共に利用することによって調製してもよい。前記ポリエーテルジオールおよびポリエーテルトリオールは、典型的には約1000から約
20000までの範囲内の分子量を有する様々な鎖長で入手可能である。この出願書類中で最も適切に適合可能なポリエーテルジオールおよびポリエーテルトリオールは、15,000未満の分子量、最も典型的には10,000未満の分子量を有する。最初の混合工程および事前製作の工程の実施中に流動性を維持することについていくつかの明確な利点があるため、ほとんどの用途において、前記ポリエーテルは、流動性が高いほど、より有用である。この出願書類中で適用可能なジオールおよびトリオールの反応物の例としては、ポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレンのジオールがあり、それらより成るトリオールは、一般に、1000から8000までの範囲内の分子量を有するものである。この出願書類中での使用に特に有効であるのは、約2000から約6000の範囲内の分子量を有するポリエーテルジオールと、約2000から約8000までの範囲、最も特に、約3000から約5000MW(分子量)までの範囲内の分子量を有するトリオールとである。前述のように、架橋の程度と、架橋部位を分離する介在ポリオキシアルキレン連鎖の程度(intervening、ポリオキシアルキレン連鎖を介在させる程度)とに関して注意を払う必要がある。このことは、一般に、直鎖ポリエーテル連鎖および架橋に関する目標密度を得るために、ジオール対トリオールの重量比の含有量を約7:13から13:7までの範囲、最も特に、約3:2から約2:3までの範囲内に維持することにより達成される。
【0073】
反応媒質成分として、前記エポキシ化植物油は、組成的に、インサート30についての接着性、凝集性および可塑化性を実現する際に有効である。前記植物油の前記エポキシ化トリグリセリドは、また、望ましい必要条件としての粘弾性特性に独自に寄与する一方、前記閉じ込めを行う容器20および、望ましくは接合用セクション30によって固定されるアイテム40と組み合わせられる状態で使用するのに適合可能な望ましい凝集性関連属性をさらに付与する。前述のいくつかの配合物から観察されるかもしれないように、前記エポキシ化植物油は、前記支配的な成分(the predominate ingredient、主成分)を適切に構成してもよいが、その支配的な成分のレベルは、未硬化状態にある反応媒質の総重量のうちの50パーセント未満である。最初に、未硬化状態にある反応媒質は、前記未硬化状態にある反応物をこの出願書類中のインサート30として使用するために望ましい硬化後形状に事前成形できるようにするために十分に高い流動性を有するように最も適切に配合してもよい。前記全体可塑剤含有量は、最も典型的には、前記全体反応媒質重量のうちの約25重量パーセントから約45重量パーセントまでの範囲内に入る。優れた接着性および凝集性は、最も一般的には、前記全体可塑剤含有量を前記反応媒質重量のうちの約30パーセントヵら約40パーセントまでの範囲内に維持することにより、達成される。
【0074】
一般に、高エポキシ化大豆油含有量を有する未硬化状態にある反応物から調製された前述の硬化後の熱硬化粘弾性組成物は、ポリウレタンおよびPET(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリアクリレート等の接着に関して適合可能なポリマー材料に接着する一方、ポリ塩化ビニル(PVC)に例示されるハロゲン化ポリマーなどの他のハロゲン化材料は、接着に関して適合しないが(特別な配合物である場合を除く)、それにもかかわらず、そのようなポリマーを、前記反応物を硬化させる型(mold、モールド)として使用するのに特に効果的なものにする優れた剥離特性(release properties、離型性)を実現する。しかしながら、この出願書類中に例示され、および、いくつかの実施例において示されるように、硬化時に通常であれば接着性を有しないプラスチックに強靭に接着するように設計された反応媒質を、適切にバランスの取れた反応媒質によって調製してもよい。
【0075】
インサートに関して観察される別の独自の特徴は、前記熱硬化反応生成物およびインサート30が、そのインサート30に接着によって取り付けられるアイテム40に対して接着によって相互作用する仕方にある。この接着相互作用は、一般に、そのインサート30がアイテム40に最初に接着によって取り付けられた後、約5秒から約10秒までの範囲内の時間以内という初期に接着力がわずかに増加し、その後、60秒以内に、インサート30の最大または最終の接着引力の90%のレベルに安定化することによって特徴付けられる。接着力に関するこのわずかな変化は、分子間再配列、前記可塑化を行う成分の共有結合もしくは分極であって連携的なもの、または前記粘弾性反応生成物構造内においての他の分子との相互作用を示しており、それにより、接着引力の遅れた増加(delayed increase、緩やかな増加)をもたらすかもしれない。
【0076】
優れた発明品としての凝集性および接着性を有する粘弾性熱硬化反応生成物およびそれの発明品としてのインサート30を調製することは、インサート30の熱硬化粘弾性ポリマー構造を保持するのに十分なレベルで前記架橋を制御することを必要とする。前記イソシアネート熱硬化性反応物と共に前記トリオールおよびより高いポリヒドロキシル成分によって引き起こされる過度の分子鎖架橋は、優れた凝集性および接着性を前記熱硬化粘弾性反応生成物に付与するために機能的に不可欠な可塑化成分の有効な分極配向(polarized orientation、分極化された配向)を効果的に搭載する(loaded with)ことができない粘弾性構造をもたらす。前記粘弾性架橋が過度に減少すると、前記ポリマー構造は、非機能的粘弾性体または非均質な熱可塑性塊に変換され、それは、1平方センチメートル当たり300重量グラム(grams-force)(g
f/cm
2)を超える剥離可能な接着力値を有する熱硬化粘弾性体を実現するのに十分な程度に凝集性および接着性を付与する複数の成分を保持することが分子的および構造的に不可能である。適切にバランスの取れた負に帯電した構造体(enclave)は、大量の複数の極性配向性可塑剤の存在下において、監視される量のトリオールおよびジオールの重合化前駆体によって形成され、前記可塑剤は、前記熱硬化性反応媒質および前記熱硬化性材料中において効果的に配向され、前記構造体は、前記反応生成物に対して望ましい相乗効果であって凝集性および接着性によるものをもたらすように見える。前記適切な粘弾性熱硬化性重合化構造および十分な量の可塑剤が達成されたか否かは、1平方センチメートル当たり300重量グラム(grams-force)(g
f/cm
2)を超える接着剥離強度が達成されたか否かを判定することによって確認してもよい。通常、前記熱硬化粘弾性体の添加容量(loading capacity、搭載容量)を超える過剰な可塑剤の濃度は、前記粘弾性反応生成物の表面上では視認できない非有界の可塑剤をもたらす。逆に、不適切なジオール対トリオール反応媒質の比率では、300g
f/cm
2を超える接着剥離強度を達成するために必要な重合体構造を提供することができない。典型的には、高機能な接着性の熱硬化粘弾性インサート30は、特徴として、この出願書類中で言及されるような独自に固有の属性であって接着性および凝集性に関するものを有する。ポリエーテル直鎖連鎖に対する前記適切な複数の架橋の部分(the appropriate cross-linkage sites to polyether straight chain linkages、架橋対ポリエーテル直鎖連鎖の前記適切な重量比など)を、適切な可塑剤の添加と共に提供することにより、400g
f/cm
2を超える接着剥離強度または剥離値、また、典型的には、約500g
f/cm
2を超える接着剥離強度または剥離力値を効果的に達成してもよい。
【0077】
本質的に、前記ジオールおよびトリオールであって、目標の重合体構造を有する前記熱硬化反応生成物を調製するのに有用なものは、少なくとも1000の分子量の酸素含有ヒドロカルビルジオールおよびトリオールから誘導され、また、ポリエステルおよびポリエーテル基によって提供されるような複数の反復酸素含有官能基を含む。それの2s軌道のニーズを満たす酸素電子スカベンジング効果により、架橋間にサンドイッチされるそれら反復内部酸素含有基は、前記ポリマー構造内において、対応する複数の大規模な、分極した可塑剤の濃度を均一にホストするための無数の分極した飛び地(enclaves,構造体)を実現し、それにより、集合的に、凝集性および接着性に関する相乗効果をもたらすように見える。前述の粘弾性反応媒質は、目標の接着性および凝集性を有するインサートを提供するのに十分な量および種類の可塑剤の存在下に、前記シアノ反応物と一緒に、バランスの取れた架橋トリオールおよびジオールの比率を組み込む熱硬化性反応媒質から調製された粘弾性体を主に中心にしているが、考察対象となることは、この技術は、他の熱硬化性生成反応生成物(thermoset viscoelastomeric producing reaction products、反応生成物を生成する熱硬化性粘弾性体など)にも適用してもよいということであり、その熱硬化性生成反応生成物は、適切にバランスの取れた架橋分子構造を有し、それは、同等の安定した凝集性、接着性および剥離可能性を有する熱硬化粘弾性反応物インサート30を生成するのに十分な接着力に寄与する可塑剤の存在下で、適切な量の直鎖ポリオキシ連鎖と極性とにより分離される。一般に、前記熱硬化性粘弾性反応媒質は、したがって、前記独自の高い凝集性および接着性を有する粘弾性インサート30をもたらすのに十分な量の可塑剤を含む適切なレベルの架橋および直鎖反応物を用いて配合される。粘弾性反応媒質であって、より少ない量のエポキシ化植物油可塑剤が添加された、実質的により小さい架橋粘弾性体に有利であるものは、前記反応生成物の接着性および凝集性を劇的に増加させることが予想外に判明していた。さらに発見されたことは、一般的に使用される他の可塑剤であって、前記粘弾性反応媒質反応物との反応性を有しないプラスチックのためのものも、高度な接着性および凝集性を前記反応生成物に付与するために効果的に使用してもよいということである。前記エポキシ化植物油(特にESO)との関連におけるその種の可塑剤は、向上した引張強度および柔軟性を与える一方、発明品としてのインサート30の製造において優れた粘度および加工性(workability)の熱硬化性反応媒質を実現するために効果的に使用してもよい。
【0078】
あらゆる用途に最も適切な接着強度は、収納されるべき具体的なアイテム40にある程度依存する。前記熱硬化粘弾性体およびインサート30の凝集性および接着性は、可塑剤の種類およびその添加量(a loading、添加率)により、収納されるべきアイテム40にフィットするように調整してもよい。典型的には、前記接着剥離強度は、前記熱硬化反応生成物の調製に先立ち、インサート30に意図される最終用途または目標の最終用途に適合するように、都合のよいように事前に決定してもよい。前記接着剥離強度は、使用される可塑剤の量および種類と、適切な反応媒質重合体の硬化によって達成される前記熱硬化粘弾性体のポリマー構成(configuration)とによって調整してもよい。前記熱硬化粘弾性体の分子ポリマー構造は、そのポリマー構造が可塑剤の凝集性および接着性の有効量を収容することが可能となるように、前記熱硬化反応生成物中に存在する架橋密度および直鎖連鎖によって変更してもよい。
【0079】
発明品としての任意のインサート30のための目標の接着剥離強度は、容器組合せ体10の種類およびそれに収納されるべきアイテム40の種類に大きく依存する。収納されるアイテム40のサイズ、繊細さ、構成および重量は、一般に、剥離可能な接着強度のうちのいずれの値が、任意の具体的な最終用途または収納されるアイテム40に最も適しているかを確立する。クリスマスツリーの装飾、ガラス、薬等の壊れ易いアイテム40は、通常、壊れ易いアイテム40を、損傷を与えることなく、より少ない力で強制的に剥離することを可能にするより低い程度の接着力(例えば、300〜400g
f/cm
2)を必要とする。同様に、重いハンマー40をインサート30から剥離するのに必要な力が、ハンマー40を容器20またはインサート30から手で剥離することを非常に困難する場合、ハンマー40は、過剰の接着力を有するインサート30に対し、接着に関して合致しないかもしれない。この過剰の接着力は、ハンマー40がインサート30から剥離することなく、容器20および接着によって収納されているハンマー40を一緒に持ち上げる原因となるかもしれない。しかしながら、いくつかの特定の用途においては、高い接着強度を有するインサート30が特に望ましいかもしれない。例えば、特定のトスゲーム(toss game、輪投げゲームなど)または他の接地型装置であって前記ゲーミング装置の確実な接地を必要とするものは、非常に高い接着剥離強度(例えば、1200〜1600g
f/cm
2)の利用を可能にする。前記熱硬化粘弾性反応生成物は、その特徴として、内部剥離を防止する極めて高い内部凝集性を有するため、前記熱硬化粘弾性体は、剥離時に構造的完全性を完全に保持する剥離可能な高引張強度の接着力を必要とする多様なニーズに独自に有用である。
【0080】
前述の説明から明らかなように、インサート30および前記熱硬化粘弾性反応生成物に最も適した接着強度は、最終的に、そのインサート30に意図される最終用途に依存する。前記接着強度、凝集性、前記熱硬化性反応媒質のいくつかの属性、組成一様性、剥離性、抗菌特性および他の多くの要因は、発明品としてのインサート30および前記硬化状態にある熱硬化粘弾性反応生成物を他のすべての接着性材料から独自に区別する複数の属性である。ほとんどの用途においては、インサート30および前記硬化状態にある熱硬化粘弾性反応生成物が、通常、300g
f/cm
2超の値から約1200重量グラム(grams-force)/cm
2までの範囲、最も典型的には、約500重量グラム(grams-force)/cm
2から約1000g
f/cm
2までの範囲内の接着剥離強度を有する。前述のように、実質的により高い接着強度が達成されるかもしれないが、より限られた用途を有するかもしれない。
【0081】
前記適切な熱硬化性重合性前駆体を前記適切な量で提供することにより、前述の基本的な熱硬化性粘弾性鎖は、可塑剤をその場で添加すること(in situ loading、本来の場所に添加することなど)に特に適した基本分子構造を実現し、その可塑剤は、種類に応じ、硬化状態にある粘弾性体の接着性および凝集性を有利に変更するために使用できる。有効量の長鎖ポリエーテルポリマー連鎖は、前述の適切なイソシアネートおよびトリオール架橋と組み合わされた状態で、目標の極性を有するポリマー鎖を実現し、それは、前記熱硬化粘弾性反応生成物インフラストラクチャ内の極性可塑化成分の添加に対して予想外に高い類似性を有する。特定の可塑剤およびそれの濃度の選択は、前記熱硬化粘弾性反応生成物の接着性および凝集性に顕著な影響を与える可能性がある。このことは、エステル可塑剤であって、典型的には、アルコールと脂肪酸とを反応させることにより作られるものに前記粘弾性反応生成物を添加することにより例示されてもよい。前記エステル可塑剤は、ポリカロキシル酸を有するアルコール(C
1〜C
18)より成るエステル縮合物を含み、そのエステルは、具体的な最終用途のために個別に仕立てられる接着性を有する熱硬化性反応媒質および熱硬化粘弾性反応生成物を調製する際に利益をもたらすように使用することができる。例えば、いくつかの具体的な用途は、強靭な接着性を必要とするが、他のいくつかの用途は、壊れ易いアイテム40向けなど、より軽い程度の剥離可能な接着性と最も調和する。同様に、可塑剤の種類(例えば、ジブチルセバケート)は、未硬化状態にある反応媒質を調製する際に利益をもたらすように使用してもよく、その未硬化状態にある反応媒質は、非常に低い初期粘度を有し、それにより、前記未硬化状態にある反応媒質を、反応生成物の事前製作に特に適したものにする。それら可塑化エステルの極性強度(多くの場合に「双極子モーメント」と称される)は、ある程度、前記熱硬化粘弾性反応生成物の接着特性にも影響を与える前記アルコール縮合反応物の鎖長に依存する。
【0082】
前記熱硬化性粘弾性構造は、多くの可塑剤の添加(loading、搭載)に特に適合しているが、前記粘弾性重合体構造に対して極性引力を有するいくつかの可塑剤が特に適用可能である。この分子電子引力は、明らかに、前記反応生成物中の独自の接着性および凝集性に寄与する。前記いくつかの可塑剤は、硬化状態にある熱硬化粘弾性体に効果的に添加することができないため、前記いくつかの可塑化剤(plasticizing reagents)は、必ず、均一に前記熱硬化性粘弾性反応媒質に組み込まれ、それにより、それら可塑化剤の目標である一様であるとともに均一な分布が前記未硬化状態にある組成物の全体にわたって達成される。前記熱硬化条件は、明らかに、前記複数の重合体反応物を整列させ、その整列と共に、前記複数の熱硬化性反応物の複数の極性誘引分子鎖セクションに対し、前記可塑剤と共に、効果的な相乗的な極性配置および整列を行い、それにより、前記複数の熱硬化性反応物内において、分極した可塑剤を非常に効果的に添加するとともに整列する。これにより、強靭で凝集性を有する(cohesive、結束性を有する)可塑剤の添加が、その可塑剤をホストする熱硬化性粘弾性ポリマー構造から可塑剤が漏出した(seepage、浸出した、ブリーディングした)形跡も分離した形跡もなしに、可能になる。
【0083】
一般に、ポリ塩化ビニルの可塑化剤として適切な可塑剤は、この出願書類中の反応媒質可塑剤としての用途に概して適用可能である。より高い双極子モーメントを有する可塑剤(例えば、セバシン酸ジブチル−DBS−双極子モーメント2.48D)は、特定の望ましい特性を前記重合体に付与する傾向がある。熱硬化性反応媒質と組み合わせることができる可塑化剤のいくつかの例としては、前記いくつかのエステル可塑剤があり、それらは、例えば、セバケート、アジペート、テレフタレート、ジベンゾエート、グルテレート、フタレート、アゼレート等であって、C
1〜C
18鎖エステル型接着性を有する。しかしながら、前記いくつかのエステル可塑剤についての異なる複数のブレンド(blends、混合物など)を共混合して(coblended)前記熱硬化性反応媒質を生成し、それにより、前記有効加工用粘度(effective workable viscosity、加工を行うのに効果的な粘度など)を硬化中の形態または硬化後の形態におけるのと同様に変更してもよい。予想外に優れた接着性、凝集性および加工性を得るため、1.5D超の双極子モーメントを有するいくつかの可塑剤、また、典型的には、2.0D超の双極子モーメントを有するいくつかの可塑剤をこの目的のために使用してもよい。エポキシ化動物油および植物油などのエポキシ化トリグリセリドは、特に、前記熱硬化性粘弾性反応媒質内において、かつ、特に、典型的に前記反応媒質の総重量の40%未満のレベルにおいて、可塑剤成分として効果的であり、このとき、実質的に全体を占める改善が、前記エポキシ化トリグリセリド含有量が前記熱硬化性媒質の総重量の35%未満であり、また、より適切には、30%未満であるときに、概して達成される。低分子量エステル可塑剤(例えば、400MW未満)(ポリアルキレンエステル可塑剤など)を、エポキシ化トリグリセリド可塑剤と組み合わせた状態で組み込むことは、望ましい熱硬化特性に悪影響を与えることなく、前記反応媒質のより容易な製作形態を実現するために用いることができる。
【0084】
高い双極子モーメントを有する例示的ないくつかのエステル可塑化剤として、セバケート、アジペート、イソフタレート、フタレート、マレエート、アゼレート、グルタレート等についてのジブチル、ジメチル、ジエチルおよびジブチルエステルがある。前記総可塑剤濃度は、最も適切には、約20重量%から約45重量%までの範囲内にあり、また、最も典型的には、約25%から約40%までの範囲内にあり、かつ、そのとき、エポキシ化トリグリセリド対非エポキシ化可塑剤の重量比は、典型的には、約1:0から約1:3までの範囲内にあり、また、最も典型的には、約1:1から約3:1までの範囲内にある。
【0085】
この出願書類中の「凝集性の」および「接着性の」という用語は、共通の技術的意味を有する。この出願書類中で使用されるように、「凝集性の」および「凝集性」というそれぞれの用語は、熱硬化粘弾性体が剥離力を受けたときにその熱硬化粘弾性体の構造的完全性を保持するという、前記熱硬化粘弾性体の凝集能力を意味する。前記反応生成物およびインサートの凝集性に関するいくつかの属性は、さらに、そのインサートの引張強度と、いかなる粘弾性体の残留物も残さない状態での接着剥離と、そのインサートの弾性とによって反映される。これに対し、この出願書類中で使用されるように、「接着性の」および「接着性」というそれぞれの用語は、前記熱硬化粘弾性体の、それの接着表面に接着するアイテム40に対する接合強度を意味する。発明品としての前記熱硬化粘弾性反応生成物および発明品としてのインサート30は、予想外に優れた安定化性(stabilization、安定化を行う能力、インサートの固定化および不動保持を行う能力など)と、強力な接着力であって、インサート30の接着力に打ち勝つ反作用力によって剥離可能なものとを有する。
【0086】
ほとんどの熱硬化性樹脂について一般的であるように、正確に確認することができないことは、未硬化状態にある粘弾性反応媒質が硬化するとともに、適合性を有する基板(substrate、サブストレート)に強固に(rigidly、動かないように、不動に)結合する(bound)と、実際にどのような現象が起こるかということである。前記熱硬化により化学的結合が生じるか、または非常に強い分子的もしくは機械的接合が生じるかは不明である。それにもかかわらず、発見されてきたことは、ジオール対トリオールの重量比の増加は、可塑剤含有量の減少を伴うと、前記粘弾性反応生成物が、適合性のある基板、および、同様に、接合(bonding、結合など)に対して抵抗力を示すものとして認識される基板に、硬化状態において、高度に強靭に接合する(bonding、結合する)状態が生じるということである。いくつかの特定の用途においては、硬化状態にある被膜であって剥離可能またはより容易に剥離可能なものが望ましく、一方、他の用途においては、より強靭な接合がそれの最終用途により適している。前記反応媒質を、低減された含有量の前記架橋トリオールおよび可塑剤と共に硬化させることは、それの支持基体5の接合特性に影響を及ぼすが、反対側の表面領域であって硬化状態にあるもの(すなわち、接合されていない(unbounded)表面)は、インサート30の使用のために望ましいインサート30の凝集性および接着性のすべてを依然として保持する。低減された含有量の前記トリオールおよび可塑剤もまた、引張強度を増加させる一方、硬化状態にあるインサート上にある前記支持構造体(the supportive structure、支持基体5)へのより恒久的な接合を実現する。
【実施例】
【0087】
実施例1
並外れた接着効果、凝集効果および剥離効果を有する熱硬化粘弾性インサート30を提供するのに適する(adapted、都合よく構成された)熱硬化粘弾性反応生成物が、次の表1に示す複数の成分から構成された2成分(two-part、2部分)型の熱硬化性反応媒質混合物を均一に混合することにより調製された。
【0088】
【表1】
【0089】
反復工程(Iteration、反復される一連の複数の工程より成る工程)1
次に、前記未硬化状態にある(cured、硬化後の)混合物が時間応答性試験(Time Sensitivity Test)の手順(上述)を用いて試験された。より具体的には、前記未硬化状態にある(uncured、硬化前の)混合物が、その後、ポリ塩化ビニルエプロン上に4mmという均一な厚さで均一に広げられ、そして、それが硬化して目標の熱硬化粘弾性反応生成物となることが可能となった。観察されたことは、結果物としての、硬化状態にある(cured、硬化後の)反応生成物フィルムが前記PVCから剥離可能であったということである。その後、その反応生成物フィルムが、
図5に示す試験装置を用いる試験のための複数の試験パネルパッチサイズに切断され、このとき、その試験手順は、接着性・凝集性試験(Adhesive and Cohesive Test)の手順(上述)に従って実施され、さらに、この出願書類に記載されている任意選択的な時間依存性(time dependent properties)の複数の工程を実施した。
【0090】
この実施例1の熱硬化粘弾性反応生成物という配合物から調製された複数の試験試料130は、一貫して、安定した複数の試験試料結果を提供し、それら試験試料結果は、前記接着性・凝集性試験手順を用いて試験用円筒部140の接触面145から前記複数の試験試料130から剥離するために300g
f/cm
2を超える剥離力(すなわち、接着剥離強度)を必要とするというものであった。前記任意選択的な時間依存特性工程を実行したところ、時間が及ぼす影響(effect of time、時間影響、時間効果など)についての複数の結果であって、ある試験試料が最初に試験用円筒部140の接触面145に接着された後、指定された時間間隔で取得されたものが、次の表2に記載されている。
【0091】
【表2】
【0092】
理解できることは、この実施例1の1個の試験試料は、最初に試験用円筒部140の接触面145に接触した後の1分以内に、その試験試料の最大接着剥離強度の90%超の値に達したということである。一貫して観察されてきたことは、300g
f/cm
2以上の接着剥離強度を有する他の複数の試験試料も、一般に、各試料が最初に試験用円筒部140の接触面145に接触した後の1分以内に、それら試験試料の最大接着剥離強度の90%超の値に達するであろうということである。
【0093】
多くの接着剤であって、接着力が、望ましくないことに、長期の収納時間間隔にわたって実質的に増加し、それにより、剥離可能な接着剤という用途に一般にフィットしないものとは異なり、この実施例1の反応生成物は、長期間にわたって優れた安定性(stability、接着力の安定性)を示した。実際、6週間の試験期間の後であっても、実施例1の反応生成物は、
図5に示す試験装置100の試験用円筒部140の接触面145に最初に接触してから60秒の間取得された複数回の接着剥離強度試験結果に対して相対的な接着剥離強度の変化量が10%未満であったことを示した。前述のことから明らかなように、前記試験された反応生成物(この出願書類中に開示された他のいくつかの反応生成物においても同様に)は、その特徴として、優れた接着性および凝集性に関する安定性を示していたし、それにより、その反応生成物は、この出願書類中の発明品としての容器組合せ体10の接着インサート30として使用するのに適するものとなった。比較すると、観察されたことは、この実施例1の、前記セバシン酸ジブチル(dibutyl sebacate、ジブチルセバケート)可塑剤を含有する反応媒質は、未硬化状態にある初期の粘度を実質的に低下させたが、実施例2の45.84重量パーセントのエポキシ化大豆油配合物(後述)は、より高い粘性を有していたということであった。より高い流動性を有する熱硬化性反応媒質は、前記セバシン酸ジブチルを含有する反応媒質を、前記反応媒質および結果物としての反応生成物を、製作された市販品に変換するために一般的に使用される多くの製作技術により適したものにした。前記可塑剤を前記独自の熱硬化性重合体構造内において均一に分散することは、希釈溶媒を主成分とする系(diluting solvent based systems、粘性を低減させる成分など)に使用することに対して制約を課す一方、より高い温度を適用することは、硬化を時期尚早に早める。同様に、過剰な分子量を有する前記ポリエーテルおよびポリエステルのジオールおよびトリオールは、通常、固体であるかまたはワックス状であり、それにより、それらを効果的に事前製作に使用することが制限される。
【0094】
反復工程2−圧力の影響(Effect of Pressure、加圧の影響)
図5に示す試験装置100の試験用円筒部140の接触面145によって複数の試験試料130上に対して行われる初期の圧力の加圧(application of pressure、加圧)、および、本質的には、微小な(nominal、無視できる)圧力の印加(pressure application、加圧)の影響を試験するために、前記接着性および凝集性試験のうちの前記任意選択的な接着性および凝集性の圧力依存性試験が実施された。より具体的には、110重量グラムという印加される力、および、本質的には、印加される微小な力についての複数の比較試験が、前記圧力の影響が接着力に及んだことを確認するために、実施された。前記複数の試験試料130が、可動式の試験プラットフォーム160に動かないように固定され、その後、110g
fの一様な(uniform、時間的に変化しない、時不変の、など)圧力(pressure、力)が試験用円筒部140に印加され、それにより、前記加圧された複数の試験試料130が試験された。互いに類似する複数の比較試験が、同じ試験装置100および手順を用いて実施されたが、それら比較試験は、微小な圧力(20gという円筒部140の自重(free hanging weight)のみに依存する)のみが前記複数の試験試料130に印加された点では互いに異なる。その後、試験装置100が、前記複数の試験試料130が試験プラットフォーム160に固定されている状態で、
図5に示す試験装置100を用いて、一定速度(2.7cm/秒)の引張力を受けた。その後、各試験試料130と円筒部140との間の接着接合を破壊または分離するのに必要な反作用力(すなわち、接着剥離強度)が測定された。
【0095】
観察されたことは、前記複数の試験試料130に対し、試験用円筒部140によって前記110グラムの圧力が印加されると、最初に、より速く、かつ、より大きい接着剥離強度(例えば、15秒以内)が発生し、その接着剥離強度は、前記複数の試験試料130が最大接着剥離強度を得るのにかなりより長い時間を必要とした前記微小加圧試験についての前記接着剥離強度より速く、かつ、より大きいということであった。しかしながら、円筒部140に対する前記複数の微小加圧試験は、最終的に、前記110グラムの圧力が印加された複数の試料試験に匹敵する接着剥離強度を達成した。明らかに、前記微小加圧試験における複数の接着力値は、前記粘弾性反応生成物製の試験試料130が、内的に(internally、内的要因により)、追加の接着引力を受ける原因となったのであり、このとき、いなかる他の外的要因も、前記試験試料130の接着力の増加に起因しなかった。前記微小加圧試験の実施について接着力が次第に増加するというこの現象は、試験用円筒部140の接触面145に最初に接触した後に、前記試験された反応生成物中の内部極性変化が発生したかもしれないということを示す傾向があり、この現象は、円筒部140が最初に試料130に接触した後に、前記熱硬化粘弾性塊(viscoelastomeric mass、粘弾性体)中の電子の移動によるかもしれない。この遅延した接着引力は、試料130が円筒部140をより深く試料130内に引き込み、それにより、より大きい接着力を生じさせるという理由によっても生じるかもしれないし、または、他の何らかの未知の現象が存在するかもしれない。
【0096】
反復工程3−熱硬化性接合特性(Thermosetting Bonding Characteristics、熱硬化によって生成される接合部の特性)
その後、この実施例の未硬化状態にある(uncured)混合物が、ポリ塩化ビニルフィルム上に3mmという均一な厚さで均一に広げられ、そして、それが硬化して前記目標の熱硬化粘弾性反応生成物となり、その後、前記PVCフィルムから剥離された後、
図5に示す試験装置100を用いる試験のために、複数のインサート用試験パネルパッチサイズに切断された。結果物としての硬化反応生成物製の被膜は、前記硬化状態にある(cured)反応生成物と前記PVCフィルムとの間の大きな接合強度を示した。それにもかかわらず、前記PVCフィルムは、前記反応生成物フィルムから手で剥離することが可能であった。したがって、前記硬化状態にある(cured)反応生成物を前記PVCフィルムから剥がすことにより、前記PVCフィルム全体が前記熱硬化粘弾性反応生成物フィルムから剥離することが可能であった。前記熱硬化反応生成物の両面をそれぞれ、保護用のプラスチック製の1枚または複数枚のフィルム(例えば、1枚または複数枚のPVCフィルム)または他のプラスチックで被覆し、それにより、それらフィルムの間に前記反応生成物をサンドイッチすることにより、挿入可能なインサート30であって、直ちに使用できるとともに、保護されたものが形成される。したがって、前記被覆する保護用のいくつかのフィルム(前記反応生成物製のインサート30の形成段階から、容器20への最終的な挿入段階まで使用される)を剥離する作業のみを必要とするインサート130を、消費者の使用のために効果的に提供してもよい。前記反応媒質の重量の40重量%未満値まで減少させられたレベルの可塑剤は、前記硬化状態にある(cured)反応生成物製の被膜の接合に関するいくつかの属性を強化する傾向がある。しかしながら、前記反応生成物製の試験試料の表面であって外向きで接合前の(unbounded)ものは、収納に関するいくつかの優れた属性を有していた。この実施例は、多様な範囲にわたる複数の支持基体20Aであって、通常ではウレタン熱硬化性材料に接合しないものを含むものに恒久的に接合する反応生成物およびインサート30を調製する際に多目的性(versatility、汎用性)を示している。
【0097】
反復工程4−恒久的コーティング接合(Permanent Coating Bonding、被膜による恒久的な接合)
この実施例の反応媒質であって、生成されたばかりで他のものとのかかわりなくして未硬化状態にあるものが、高密度ポリプロピレン製の支持基体20Aをコーティングするために使用された(例えば、
図1−
図3を参照されたい)。3mmの被膜が、ポリプロピレン製の釣り具箱20のうちの床22であってプリフレーミングされた(preflamed、コロナ処理された、表面張力を軽減する処理が施された)ものに適用された。前記反応媒質は、硬化して床22に接合することが許された。結果物としての硬化状態にある反応生成物製のインサート30は、事実上、化学的または恒久的に接合された被膜の特性のすべてを有していたし、その被膜は、前記プロピレン製の容器床22から効果的に除去することはできないであろう。しかしながら、前記反応生成物の反対側の表面であって接合されていないものは、自身の優れた接着剥離強度であって安定化するものを保持し、それにより、収納可能な容器組合せ体10のための恒久的なインサート30として特に有用である。この反応媒質は、インサート30を多くの一般的な熱可塑性材料に恒久的に接合するのに特に有用である。
【0098】
反復工程5−可塑剤のバリエーション
この実施例1の前述の基本的な配合物を用いることにより、前記可塑剤の重量が一定に保持された
が、エポキシ化大豆油(ESO)対ジブチルセバケート(DBS)の重量比は、1:0(すなわち、全てがESO)、1:1(すなわち、50%がESOで、50%がDBS)および1:3(すなわち、25%がESOで、75%がDBS)に変更された。すなわち、前記1−ESO対0−DBS重量比、前記1−ESO対1−DBS重量比および前記1−ESO対3−DBS重量比である。接着剥離強度試験に関し、観察されたことは、前記複数の試料がそれぞれ568g
f/cm
2、420g
f/cm
2および341g
f/cm
2というそれぞれの値を実現したことである。したがって、観察されるかもしれないことは、可塑剤の比率および種類を変更することにより、接着性、接着用途および製作特性を、任意の目標の具体的な最終用途および目的にフィットするように予め選択してもよいということである。
【0099】
実施例2
45.84重量パーセントのエポキシ化大豆油可塑剤を含む粘弾性反応生成物が、次の表3に示す複数の成分から構成された2成分型の熱硬化性反応媒質混合物を均一に混合することによって調製された。
【0100】
【表3】
【0101】
反復工程1−熱硬化による接合の特性
前記反応生成物が、前記反応媒質混合物より成る厚さ3mmの被膜を、0.3mmのPVCフィルムおよび0.3mmの高密度ポリプロピレンフィルム上に適用することによって調製され、そして、硬化した。容易に自明であったことは、前記硬化状態にある反応生成物製のいくつかの被膜は、前記PVCフィルムに、よりぐらぐらする状態で(loosely、よりルーズに)接合されていたし、なぜなら、そのフィルムは、実施例1の被膜より前記反応生成物製の被膜から剥離し易いからであるということである。前記接着剥離強度は、前記複数のフィルムを用いて本来の場所で硬化すると(when cured in situ、最終生成物が使用される本来の場所で硬化すると、または、反応媒質をフィルムに塗布し、その状態で反応媒質を硬化させて反応生成物を製作すると)、前記未硬化状態にある反応生成物についての前記複数の試験試料によって記録された490g
f/cm
2という最大接着剥離強度より幾分大きかった。
【0102】
減少した可塑剤含有量は、ジオール対トリオールの比率であってバランスの取れたものと共に、本来の場所で硬化したときに(when cured in situ)前記硬化状態にある反応媒質が多くの支持基体20Aに接合される強度に大きく寄与するように見える。いくつかの特定の用途においては、前記硬化状態にある反応生成物製のインサート30の両面を覆う保護フィルム(a film、1枚のフィルムなど)であって、接合されても容易に剥離可能な、本来の場所で硬化した(in site cured)反応媒質より成る被膜であるものが、商業的に望ましいものであってもよい。これにより、いくつかの商業チャネルで輸送されるとともに、最終的な消費者によって前記収納用容器組合せ体に取り付けられてもよいインサート30が提供される。
【0103】
前記本来の場所で硬化した(in site cured)インサート30であって、前記保護フィルムによって両面が保護されるものは、約40重量パーセントから50重量パーセント未満値までの範囲内の可塑剤を用いて最も適切に配合してもよい。可塑剤のレベルが前記40%のレベル未満であると、可剥性(peelability、剥離し易さ)係数がより困難になる。
【0104】
前述の記載、図および実施例は、本発明に従う非限定的な例示的実施形態を対象としているが、方法の個々の工程および実施形態の構成要素のそれぞれに対する多数の修正形態がなされ得ることを理解されたい。実際、そのような修正形態は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、本発明の開示された工程および実施形態の工程、材料、構造および配置に対してなされることが推奨される。さらに、いくつかの実施形態、特に望ましい実施形態の利点の全てを達成しない多くの実施形態が考えられ得るが、特定の利点の欠如は、そのような実施形態が本発明の範囲外にあることを必ず意味すると解釈するべきでないことが認識される。本発明の範囲から逸脱することなく、上記実施形態に対する様々な変更形態がなされ得るため、上の記載に含まれる全ての事項は、限定的な意味ではなく、例示として解釈されるものとすることが意図される。したがって、非限定的な例示的な好ましい工程および実施形態の前述の記載は、以下に記載の特許請求の範囲によって定義される本発明に関する限定としてではなく、例示としてとられるべきである。
本発明によれば、下記の複数の態様が得られる。
(態様1)
安定化性、接着性および凝集性を有する熱硬化粘弾性反応生成物であって、
当該反応生成物は、反応媒質を熱硬化させることによって調製され、
その反応媒質は、イソシアネートプレポリマーと、有効量の可塑剤であって、その量は、50重量パーセント未満のエポキシ化トリグリセリド可塑剤を含有するものと、約35重量パーセントから約55重量パーセントまでの範囲内にあるポリオールとより成る実質的に均一な混合物から成り、
前記ポリオールは、直鎖結合ジオールと架橋トリオールとから本質的に構成され、
それら直鎖結合ジオールおよび架橋トリオールは、それぞれ、反復酸素含有官能基を約7:13から約13:7までの範囲内のジオール対トリオール重量比で有し、
前記反応媒質中の可塑剤の重量比および前記有効量は、1平方センチメートル当たり300重量グラムを超える接着剥離強度を実現するのに十分である反応生成物。
(態様2)
態様1に記載の反応生成物であって、前記ポリオールは、1000を超える分子量を有するポリエーテルを含む反応生成物。
(態様3)
態様2に記載の反応生成物であって、
A.架橋熱硬化性重合体であって、
a)約4重量パーセントから約7重量パーセントまでの範囲内のジイソシアネートプレポリマーと、
b)約25重量パーセントから約35重量パーセントまでの範囲内の、前記架橋トリオールとしてのポリエーテルトリオールと、
c)前記ジオールとしての直鎖生成ポリエーテルジオールであって、約10重量パーセントから約35重量パーセントまでの範囲内の量で、約3:2から約2:3までの範囲内の前記ポリエーテルジオール対前記ポリエーテルトリオールの重量比であるものと
を反応させることによって得られるものと、
B.約20重量パーセントから約55重量パーセントまでの範囲内の可塑剤であって、前記反応生成物の全体に均一かつ凝集的に分散されたものであって、
前記可塑剤は、
a)約0重量パーセントから約48重量パーセントまでの範囲内の前記エポキシ化トリグリセリド可塑剤と、
b)約0重量パーセントから約40重量パーセントまでの範囲内のエステル可塑剤であって、前記反応生成物中で凝集的に結合されたものと
から構成され、
前記反応生成物中の前記可塑剤の前記有効量は、400gf/cm2を超える接着剥離強度を前記熱硬化粘弾性反応生成物に提供するのに十分である反応生成物。
(態様4)
態様3に記載の反応生成物であって、前記エポキシ化トリグリセリド可塑剤対前記エステル可塑剤の可塑剤重量比は、約3:1から約1:3までの範囲内にあり、
前記エステル可塑剤は、750未満の分子量を有する反応生成物。
(態様5)
態様3に記載の熱硬化反応生成物であって、前記反応生成物の前記接着剥離強度は、少なくとも約400gf/cm2から約1600gf/cm2までの範囲内にある反応生成物。
(態様6)
態様3に記載の熱硬化反応生成物であって、前記ポリエーテルジオール対前記ポリエーテルトリオールの前記重量比およびエポキシ化トリグリセリド可塑剤対エステル可塑剤の量は、目標の接着剥離強度を実現するように予め選択される反応生成物。
(態様7)
態様3に記載の熱硬化反応生成物であって、前記ポリエーテルジオールおよび前記ポリエーテルトリオールは、約2000から約10,000までの範囲内の分子量を有するポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレンからなる群から選択されるポリオキシアルキレン基を構成する反応生成物。
(態様8)
態様7に記載の熱硬化反応生成物であって、前記反応生成物より成る硬化状態にあるシートまたは硬化状態にあるフィルムであって200ミル(5mm)未満の厚さを有するものを含む反応生成物。
(態様9)
態様7に記載の反応生成物であって、前記可塑剤の量は、熱硬化反応生成物媒質の合計重量の約25重量パーセントから約45重量パーセントまでの範囲内にあり、
前記トリグリセリド可塑剤は、エポキシ化植物油を含む反応生成物。
(態様10)
態様9に記載の熱硬化反応生成物であって、前記エステル可塑剤は、セベケート、アジペート、グルテレート、ジベンゾエート、フタレート、テレフタレートおよびアゼレートからなるエステル群から選択されるエステル可塑剤を、約3:1から約1:3までの範囲内にあるエポキシ化植物油対エステルの重量比で含む反応生成物。
(態様11)
態様10に記載の熱硬化反応生成物であって、前記エステル可塑剤は、少なくとも1.5Dの双極子モーメントおよび500未満の分子量を有する反応生成物。
(態様12)
態様11に記載の熱硬化反応生成物であって、前記エステル可塑剤は、ジブチルセベケートを約2重量パーセントから約20重量パーセントまでの範囲内の量で含む反応生成物。
(態様13)
態様1に記載の熱硬化反応生成物であって、前記熱硬化性反応媒質は、
a)約10重量パーセントから約20重量パーセントまでの範囲内にあるとともに約2000から約6000までの範囲内の分子量を有するポリエーテルジオールと、
b)約25%重量パーセントから約35重量パーセントまでの範囲内にあるとともに約3000から約7000までの範囲内の分子量を有するポリエーテルトリオールと、
c)約4重量パーセントから約7重量パーセントまでの範囲内のジイソシアネートプレポリマーと、
d)約42重量パーセントから50重量パーセント未満値までの範囲内のエポキシ化植物油と
を含み、
当該熱硬化反応生成物は、前記熱硬化性反応媒質を硬化させるための量の触媒熱硬化触媒の存在下で触媒される反応生成物。
(態様14)
収納可能なアイテムを安定化した収納可能な位置に収容された状態で保持するための収納容器組合せ体であって、
A.目標の収納可能なアイテムを支持するのに十分なサイズおよび構造的完全性を有する支持基体と、
B.熱硬化粘弾性反応生成物より成るインサートと
を含み、
そのインサートは、
前記支持基体に接合され、さらに、
組成的に、目標の収納可能なアイテムを前記安定化した収納可能な位置で保持するとともに、前記収納されたアイテムを、前記インサートに対する前記アイテムの接着力を克服するのに十分である力を印加することによって剥離するのに十分な接着性および凝集性を有し、
そのインサートは、前記支持基体への前記反応生成物の熱硬化接合または前記支持基体への前記インサートの接着接合のいずれかによって前記支持基体に化学的に結合され、
そのインサートは、自身から前記収納可能なアイテムを剥離するのに必要である印加された力によって示されるように約300gf/cm2を超える接着剥離強度を有する収納容器組合せ体。
(態様15)
態様14に記載の収納容器組合せ体であって、前記反応生成物は、
イソシアネート前駆体と、50重量パーセント未満のエポキシ化トリグリセリド可塑剤を含有する有効量の可塑剤と、約35重量パーセントから約55重量パーセントまでの範囲内のポリオールとの実質的に均一な混合物から構成された反応媒質を熱硬化することによって調製され、
前記ポリオールは、直鎖結合ジオールと架橋トリオールとから本質的に構成され、
それら直鎖結合ジオールおよび架橋トリオールは、それぞれ、反復酸素含有官能基を約7:13から約13:7までの範囲内のジオール対トリオール重量比で有し、
前記反応媒質中の可塑剤の重量比および前記有効量は、1平方センチメートル当たり300重量グラムを超える接着剥離強度を実現するのに十分である反応生成物 前記ポリオールは、約7:13から約13:7までの範囲内のジオール対トリオールの重量比で反復酸素含有官能基をそれぞれ有する直鎖結合ジオールおよび架橋トリオールから本質的になり、前記反応媒質中の可塑剤の重量比および前記有効量は、約400gf/cm2を超える接着剥離強度を提供するのに十分である収納容器組合せ体。
(態様16)
態様15に記載の収容容器組合せ体であって、前記支持基体は、複数の側壁を有する容器床を備えており、それら側壁は、前記容器床を区画化された複数のセクションに分割する収容容器組合せ体。
(態様17)
態様15に記載の収納容器組合せ体であって、前記反応生成物は、熱硬化性反応媒質より成る熱硬化体を含み、前記熱硬化性反応媒質は、
A.架橋熱硬化構造であって、
a)約4重量パーセントから約7重量パーセントまでの範囲内のジイソシアネートプレポリマーと、
b)約25重量パーセントから約35重量パーセントまでの範囲内のポリエーテルトリオールと、
c)直鎖生成ポリエーテルジオールであって、約7:13から約13:7までの範囲内の前記ポリエーテルジオール対前記ポリエーテルトリオールの重量比で、約10重量パーセントから約35重量パーセントまでの範囲内の量であるものと
を反応させることによって得られるものと、
B.前記反応生成物の全体に均一かつ凝集的に分散された約20重量パーセントから約55重量パーセントまでの範囲内の可塑剤であって、
a)約0重量パーセントから50重量パーセント未満値までの範囲内のエポキシ化トリグリセリドと、
b)約0重量パーセントから約40重量パーセントまでの範囲内のエステル可塑剤と
から構成されるものと
を含み、
前記反応生成物中の可塑剤の合計量は、前記反応生成物の約20重量パーセントから約48重量パーセントまでの範囲内にあり、
前記可塑剤は、500gf/cm2を超える接着剥離強度を有する熱硬化粘弾性反応生成物を提供するように前記反応生成物中で凝集的に結合される収納容器組合せ体。
(態様18)
態様16に記載の収納容器組合せ体であって、前記複数のセクションのうちの1つまたは複数は、前記容器に接着によって装着される着脱可能なインサートを備える収納容器組合せ体。
(態様19)
態様14に記載の収納容器組合せ体であって、前記インサートは、前記反応媒質を硬化させることによって前記容器に接合される収納容器組合せ体。
(態様20)
態様15に記載の収納容器組合せ体であって、前記支持基体は、可撓性支持体であり、前記インサートは、前記可撓性支持体に接着によって接合される収納容器組合せ体。
(態様21)
態様19に記載の収納容器組合せ体であって、前記インサートは、前記反応媒質をその場で硬化させて可撓性支持基体に接合される収納容器組合せ体。
(態様22)
態様14に記載の収納容器組合せ体であって、前記接着剥離強度は、少なくとも約500gf/cm2である収納容器組合せ体。
(態様23)
態様14に記載の収納容器組合せ体であって、前記支持基体は、いかなる実質的な閉塞構造部も有しない実質的に平坦な支持基体を含む収納容器組合せ体。
(態様24)
態様14に記載の収納容器組合せ体であって、前記インサートは、当該収納容器組合せ体に抗菌特性を付与する収納容器組合せ体。
(態様25)
態様15に記載の収納容器組合せ体であって、前記インサートは、接着剥離強度を、約6週間の収納期間の後、前記収納されたアイテムを拘束する際の前記接着剥離強度のいかなる実質的な変化も示すことなく、約500gf/cm2から約1200gf/cm2までの範囲内にあるものとして特徴付けられる収納容器組合せ体。
(態様26)
保管容器組合せ体であって、収納可能なアイテムを設定位置において接着によって係合するとともにその収納可能なアイテムを前記設定位置から剥離するための安定化性、凝集性および接着性を有するものであって、
A.支持基体であって、その支持基体上に載置された前記収納可能なアイテムを支持するのに十分な支持構造を有するものと、
B.容器用のインサートと
を含み、
その容器用のインサートは、凝集性および接着性を有する熱硬化粘弾性反応生成物製のインサートから本質的に成り、その熱硬化粘弾性反応生成物製のインサートは、組成的に、熱硬化粘弾性反応生成物を含み、その熱硬化粘弾性反応生成物は、熱硬化性反応媒質より成り、その熱硬化性反応媒質は、
約10重量パーセントから約35重量パーセントまでの範囲内のポリエーテルジオールと、
約25重量パーセントから約35重量パーセントまでの範囲内のポリエーテルトリオールであって、前記ポリエーテルジオール対ポリエーテルトリオールの重量比が約7:13から約13:7までの範囲内にあるものと、
約4重量パーセントから約7重量パーセントまでの範囲内のジイソシアネートプレポリマーと、
約20重量パーセントから約50重量パーセント未満値までの範囲内のエポキシ化植物油と
を含有し、
その熱硬化性反応媒質は、その熱硬化性反応媒質を硬化させるための硬化用触媒の触媒量によって触媒され、
前記インサートは、300gf/cm2を超える接着剥離強度を有する保管容器組合せ体。
(態様27)
態様26に記載の保管容器組合せ体であって、前記エポキシ化トリグリセリド油は、前記反応媒質の合計重量の約42重量パーセントから約48重量パーセントまでの範囲内の量のエポキシ化大豆油を含み、
前記ポリエーテルジオール対ポリエーテルトリオールの重量比は、約2:3から約3:2までの範囲内にある保管容器組合せ体。
(態様28)
態様27に記載の保管容器組合せ体であって、前記ポリエーテルジオールおよびポリエーテルトリオールは、それぞれ、約1000から約8000までの範囲内の分子量を有するとともに、エチレンまたはプロピレンエーテル結合のいずれかから本質的に成る保管容器組合せ体。
(態様29)
態様28に記載の保管容器組合せ体であって、前記支持基体は、前記インサート上に接合される少なくとも1つの区画を有する複数区画化容器を含む保管容器組合せ体。
(態様30)
態様28に記載の保管容器組合せ体であって、前記インサートに接合される複数の区画化された容器床を備える剛体容器を含む保管容器組合せ体。
(態様31)
態様30に記載の保管容器組合せ体であって、釣り具箱を含む保管容器組合せ体。
(態様32)
態様31に記載の保管容器組合せ体であって、さらに、前記釣り具箱内において前記インサートによって固定される釣り具を含む保管容器組合せ体。
(態様33)
態様32に記載の保管容器組合せ体であって、前記釣り具は、当該保管容器組合せ体内に保管される複数の釣り用ルアーを含む保管容器組合せ体。
(態様34)
態様29に記載の保管容器組合せ体であって、前記支持基体は、可撓性容器を含む保管容器組合せ体。
(態様35)
態様34に記載の保管容器組合せ体であって、前記可撓性容器は、取っ手を有するバッグを含む保管容器組合せ体。
(態様36)
態様34に記載の保管容器組合せ体であって、衛生容器組合せ体を含み、
前記インサートは、細菌の成長を実質的に抑制するのに十分な衛生特性と、前記インサート上に載置された衛生器具を固定するのに十分な接着性とを付与する保管容器組合せ体。
(態様37)
態様36に記載の保管容器組合せ体であって、無菌衛生トレイを含む保管容器組合せ体。
(態様38)
態様26に記載の保管容器組合せ体であって、前記インサートは、約25重量部から約45重量部までの範囲内のエポキシ化植物油と、約10重量パーセントから約40重量パーセントまでの範囲内のポリアルキレンエステルポリエステルとを含有する前記熱硬化性反応媒質の前記熱硬化反応生成物を含む保管容器組合せ体。
(態様39)
態様36に記載の保管容器組合せ体であって、前記インサートは、前記反応媒質を前記支持基体の表面領域上において熱硬化させることにより、前記表面領域に化学的に接合される保管容器組合せ体。
(態様40)
態様39に記載の保管容器組合せ体であって、衛生容器を含み、その衛生容器は、前記インサートによって当該衛生容器に付与される抗菌特性を有する保管容器組合せ体。
(態様41)
態様26に記載の保管容器組合せ体であって、前記ポリエーテルジオールおよび前記ポリエーテルトリオールは、ポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレン基から選択される配列されたオキシアルキレンポリオール基を含み、前記ポリエーテルジオールおよび前記ポリエーテルトリオールは、それぞれ、約3000から約6000までの範囲内の分子量を有し、
前記エポキシ化油は、エポキシ化大豆油から本質的に成る保管容器組合せ体。
(態様42)
容器組合せ体を準備する方法であって、
前記容器組合せ体は、無菌表面と、その無菌表面上に載置されて収納されるアイテムを保持および剥離するのに十分な安定化した接着性および凝集性とを有し、
当該方法は、
A.支持基体を提供する支持基体提供工程であって、前記支持基体は、前記収納されたアイテムを支持するのに十分なサイズおよび支持構造を有する表面領域を有するものと、
B.凝集性および接着性を有する熱硬化粘弾性インサートを、前記支持基体の前記表面領域に対して接合する関係を有するように配置するインサート配置工程と
を含み、
前記インサートは、組成的に、熱硬化性粘弾性反応媒質より成る熱硬化粘弾性反応生成物を含み、
前記熱硬化性粘弾性反応媒質は、
a)約10重量パーセントから約35重量パーセントまでの範囲内のポリジオールと、
b)約25重量パーセントから約35重量パーセントまでの範囲内のポリトリオールと、
c)約4重量パーセントから約7重量パーセントまでの範囲内のイソシアネートプレポリマーと、
d)約42重量パーセントから約50重量パーセント未満値までの範囲内のエポキシ化植物油と、
e)前記熱硬化性反応媒質を硬化させるための有効量の触媒熱硬化触媒と
から成る方法。
(態様43)
態様42に記載の方法であって、最初に、前記支持基体の前記表面領域を前記反応媒質を用いてコーティングし、その後、前記熱硬化性反応媒質が硬化して前記熱硬化粘弾性反応生成物となることを許可し、それにより、前記熱硬化粘弾性反応生成物製のインサートを前記支持基体に確実に接合する工程を含む方法。
(態様44)
態様42に記載の方法であって、前記熱硬化性粘弾性反応媒質は、
a)約10重量パーセントから約35重量パーセントまでの範囲内のポリジオールと、
b)約25重量パーセントから約35重量パーセントまでの範囲内のポリトリオールと、
c)約4重量パーセントから約7重量パーセントまでの範囲内のイソシアネートプレポリマーと、
d)約42重量パーセントから50重量パーセント未満値までの範囲内のエポキシ化植物油と
を含む方法。
(態様45)
態様42に記載の方法であって、前記支持基体提供工程は、複数の区画を含む剛体容器を提供する工程を含み、
前記インサート配置工程は、前記熱硬化粘弾性インサートを前記複数の区画のうちの少なくとも1つに配置する工程を含み、
前記インサートは、前記区画に接着によって係合されるとともに剥離可能に固定される方法。
(態様46)
態様45に記載の方法であって、前記容器は、釣り具箱を含み、
当該方法は、収納可能な釣り道具を接着によって前記インサートに係合させる工程を含む方法。
(態様47)
態様42に記載の方法であって、前記容器組合せ体は、前記熱硬化反応生成物製の抗菌インサートを備えた衛生容器組合せ体を含む方法。
(態様48)
態様42に記載の方法であって、前記準備は、前記支持基体の前記表面領域上に塗布された前記反応媒質を硬化させることにより、前記反応媒質を前記支持基体上に化学接合し、それにより、前記熱硬化反応生成物製のインサートを前記支持基体上に確実に接合する工程を含む方法。
(態様49)
熱硬化粘弾性反応生成物であって、
当該熱硬化粘弾性反応生成物は、その反応生成物と接触した状態で載置されるアイテムに向かって高度の接着性および凝集性を有し、
当該熱硬化粘弾性反応生成物は、熱硬化性反応媒質より成る反応生成物を含み、
その熱硬化性反応媒質は、
A.約3重量パーセントから約8重量パーセントまでの範囲内のイソシアネートプレポリマーと、
B.約20重量部から約40重量部までの範囲内の架橋性ポリオキシアルキレントリオールと、
C.約20重量部から約40重量部までの範囲内の直鎖生成ポリオキシアルキレンジオールであって、架橋が、前記ポリオキシアルキレントリオールの重合によって引き起こされ、そのポリオキシアルキレントリオールは、介在直鎖架橋重合体によって分断され、その介在直鎖架橋重合体は、前記ポリオキシアルキレンジオールの重合体によって提供され、前記反応生成物のポリオキシアルキレントリオール対ポリオキシアルキレンジオールの重量比は、約3:2から約2:3までの範囲内にあるものと、
D.約0重量パーセントから50重量パーセント未満値までの範囲内のエポキシ化トリグリセリドと、
E.前記反応媒質の合計重量の5重量パーセントを超える量のエステル可塑剤と
を含み、
前記熱硬化粘弾性反応生成物中に存在するエステル可塑剤および前記エポキシ化トリグリセリドの量は、300gf/cm2を超える接着剥離強度を提供するのに十分である熱硬化粘弾性反応生成物。
(態様50)
態様49に記載の熱硬化粘弾性反応生成物であって、前記ポリオキシアルキレントリオールおよび前記ポリオキシアルキレンジオールは、それぞれ、エチレン基またはプロピレン基のいずれかのアルキレン基を有する熱硬化粘弾性反応生成物。
(態様51)
態様50に記載の熱硬化粘弾性反応生成物であって、前記ポリオキシアルキレンジオールおよび前記ポリオキシアルキレントリオールの分子量は、約3000から約6000までの範囲内にある熱硬化粘弾性反応生成物。
(態様52)
熱硬化粘弾性反応生成物であって、
当該熱硬化粘弾性反応生成物は、熱硬化性反応媒質から得られ、
その熱硬化性反応媒質は、
A.約3重量パーセントから約10重量パーセントまでの範囲内のイソシアネートプレポリマーと、
B.約10重量パーセントから約40重量パーセントまでの範囲内にあるとともに、少なくとも1000の分子量を有するポリエーテルトリオールと、
C.約10重量パーセントから約35重量パーセントまでの範囲内にあるとともに、少なくとも1000の分子量を有するポリエーテルジオールであって、ポリエーテルジオール対ポリエーテルトリオールの重量比は、7:13から13:7までの範囲内にあるものと、
D.約20重量パーセントから50重量パーセント未満値までの範囲内の可塑剤と
から構成され、
前記ポリエーテルジオールは、約300gf/cm2を超える接着剥離強度を実現するために有効量の可塑剤が前記反応生成物内に凝集的に添加されることを可能にするのに十分な直鎖結合を実現する熱硬化粘弾性反応生成物。
(態様53)
態様52に記載の熱硬化粘弾性反応生成物であって、プレポリマーの量は、約5重量パーセントから約8重量パーセントまでの範囲内にあり、
ポリエーテルトリオールの量は、約20重量パーセントから約30重量パーセントまでの範囲内にあり、
そのポリエーテルトリオールは、約4000から約8000までの範囲内の分子量を有し、
前記ポリエーテルジオールは、約20重量パーセントから約30重量パーセントまでの範囲内にあり、
そのポリエーテルジオールは、約3000から約6000までの範囲内の分子量を有し、
可塑剤の合計含有量は、約25重量パーセントから約45重量パーセントまでの範囲内にある熱硬化粘弾性反応生成物。
(態様54)
態様53に記載の熱硬化粘弾性反応生成物であって、前記可塑剤は、エポキシ化植物油可塑剤を含み、
前記エステル可塑剤は、500未満の分子量を有するものとして特徴付けられ、
前記エポキシ化植物油および前記エステル可塑剤は、前記熱硬化性反応媒質中に約1:1から約6:1までの範囲内のエポキシ化植物油対エステル可塑剤の重量比で存在する熱硬化粘弾性反応生成物。
(態様55)
態様52に記載の熱硬化粘弾性反応生成物であって、前記熱硬化性反応媒質は、
a)約10重量パーセントから約30重量パーセントまでの範囲内のポリエーテルジオールと、
b)約25重量パーセントから約35重量パーセントまでの範囲内のポリエーテルトリオールと、
c)約4重量パーセントから約7重量パーセントまでの範囲内のジイソシアネートプレポリマーと、
d)約42重量パーセントから約50重量パーセント未満値までの範囲内のエポキシ化植物油と
を含有し、
その熱硬化性反応媒質は、前記熱硬化性反応媒質を硬化させるための触媒量の熱硬化触媒の存在下で触媒される熱硬化粘弾性反応生成物。
(態様56)
態様55に記載の熱硬化粘弾性反応生成物であって、ポリエーテルトリオール対前記ポリエーテルジオールの前記重量比および可塑剤の量は、約400gf/cm2から約1600gf/cm2未満値までの範囲内の接着剥離強度を実現するように予め選択される熱硬化粘弾性反応生成物。
(態様57)
態様55に記載の熱硬化粘弾性反応生成物であって、前記ポリエーテルジオールおよび前記ポリエーテルトリオールは、オキシ基間を架橋するエチレンまたはプロピレン結合のいずれかを含有し、前記ポリエーテルジオールは、約2000から約6000までの範囲内の分子量を有し、
前記ポリエーテルジオールは、約3000から約7000までの範囲内の分子量を有する熱硬化粘弾性反応生成物。
(態様58)
態様56に記載の熱硬化粘弾性反応生成物であって、前記イソシアネートは、約5重量パーセントから約8重量パーセントまでの範囲内量のジイソシアネートを含み、
前記ポリエーテルトリオールは、約20重量パーセントから約30重量パーセントまでの範囲内にあり、
前記ポリエーテルジオールは、約20重量パーセントから約30重量パーセントまでの範囲内にあり、
可塑剤の合計重量は、約25重量パーセントから約40重量パーセントまでの範囲内にあり、
前記トリオール対ジオールの重量比は、約2:3から約3:2までの範囲内にある熱硬化粘弾性反応生成物。
(態様59)
態様58に記載の熱硬化粘弾性反応生成物であって、ポリエーテルトリオール対前記ポリエーテルジオールの前記重量比および前記反応媒質中の前記可塑剤の量は、反応生成物に約500gf/cm2から約1000gf/cm2までの範囲内の前記接着剥離強度を提供するように十分に調整される熱硬化粘弾性反応生成物。
(態様60)
300gf/cm2を超える接着剥離強度を有する熱硬化粘弾性反応生成物であって安定化性と接着性と凝集性とを有するものを調製する方法であって、
A.実質的に均一な未硬化状態にある熱硬化性反応媒質混合物を提供する工程であって、その熱硬化性反応媒質混合物は、
イソシアネートプレポリマーと、
有効量の可塑剤であって、前記量は、50重量パーセント未満のエポキシ化トリグリセリド可塑剤を含有するものと、
約35重量パーセントから約55重量パーセントまでの範囲内のポリオールと
の実質的に均一な混合物から構成され、前記ポリオールは、約7:13から約13:7までの範囲内ジオール対トリオールの重量比で反復酸素含有官能基をそれぞれ有する直鎖結合ジオールおよび架橋トリオールから本質的に成り、前記反応媒質中の可塑剤の重量比および前記有効量は、300gf/cm2を超える接着剥離強度を提供するのに十分であるものと、
B.熱硬化性反応媒質を物品についての目標の事前製作フォームとなるように成形する成形工程と、
C.前記熱硬化性反応媒質を硬化させることにより、物品についての前記目標の事前製作フォームを有する熱硬化粘弾性反応生成物を提供する工程と
を含む方法。
(態様61)
態様60に記載の方法であって、前記反応媒質は、
a)約10重量パーセントから約20重量パーセントまでの範囲内のポリエーテルジオールと、
b)約25重量パーセントから約35重量パーセントまでの範囲内のポリエーテルトリオールと、
c)約4重量パーセントから約7重量パーセントまでの範囲内のジイソシアネートプレポリマーと、
d)約42重量パーセントから0重量パーセント未満値までの範囲内のエポキシ化植物油と
を含む方法。
(態様62)
態様61に記載の方法であって、前記ポリエーテルジオールおよび前記ポリエーテルトリオールは、2または3個の炭素原子のアルキレン基を有するポリアルキレンエーテルを含み、
前記ポリエーテルトリオールは、約3000から約7000までの範囲内の分子量を有し、
前記ポリエーテルジオールの分子量は、約2000から約6000までの範囲内にある方法。
(態様63)
態様62に記載の方法であって、前記成形工程は、シートまたはフィルム状の事前製作フォームを有する前記反応媒質を含む方法。
(態様64)
態様63に記載の方法であって、前記事前製作フォームは、約80ミル(2mm)未満の厚さを有する方法。
(態様65)
態様62に記載の方法であって、前記事前製作フォームは、可撓性支持体に化学的に接合される前記熱硬化反応生成物を含む方法。
(態様66)
態様62に記載の方法であって、前記成形工程は、未硬化状態にある前記反応媒質を不活性基板上に被着させ、それにより、前記反応媒質が硬化して前記目標の事前製作フォームとなることを可能にするとともに、前記目標の事前製作フォームを前記不活性基板から回収する工程を含む方法。
(態様67)
態様61に記載の方法であって、前記反応媒質は、衛生装置に化学的に接合され、それにより、無菌特性を前記衛生装置に付与する方法。
(態様68)
態様66に記載の方法であって、前記反応生成物を、収納容器のための挿入可能なインサートの形態を有するように事前製作する工程と、前記インサートの各表面を保護カバーで被覆し、それにより、前記インサートを外部汚染から保護する工程とを含む方法。
(態様69)
態様13に記載の熱硬化反応生成物であって、収納容器内において使用される挿入可能なインサートであって接着性および凝集性を有するものを含み、
前記インサートの両側の主要表面は、前記インサートを外部汚染から保護するための保護カバーを有する反応生成物。