(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
インサートナットに貫通孔の内壁面を溶着させる方法としては、ヒータで加熱したインサートナットを貫通孔の内壁面に押し付けてインサートナットの熱により貫通孔の内壁面を溶融させる熱溶着法と、インサートナットに超音波振動を付与してその振動により貫通孔の内壁面を溶融させる振動溶着法とがある。
【0007】
上述したようなシール部材を備えるインサートナットの取付け構造においては、振動溶着法が好適に採用される。これは、熱溶着法によりインサートナットを貫通孔内に取り付けると、その取付け時にインサートナットが持つ熱でシール部材が比較的大きなダメージを受けるのに対し、振動溶着法によりインサートナットを貫通孔内に取り付ける場合には、そうしたシール部材のダメージが軽減されるからである。
【0008】
特許文献1に開示されたインサートナットの取付け構造においても、インサートナットの取付けに振動溶着法が採用されているが、Oリングがインサートナットのうちボルトの挿入方向における奥側の部分に装着される場合には、超音波振動を付与しつつインサートナットを貫通孔に挿入していく過程で、その挿入初期の段階からOリングと貫通孔の内壁面とが摺動するため、貫通孔の内壁面に対するOリングの摺動部位が超音波振動の影響を受けて比較的大きく摩耗してしまう。その結果、Oリングにおける貫通孔の内壁面への密着性が損なわれて、流体の漏れ防止に支障を来すおそれがある。
【0009】
また、特許文献1に開示されたインサートナットの取付け構造において、インサートナットの手前側の部分に設けられたフランジにOリングを装着する場合には、上述した超音波振動に伴うOリングの摩耗は少なくなるものの、インサートナットの取付け構造が大型化してしまう。インサートナットの手前側の部分は、ボルトの締結力がかかるため比較的厚く形成する必要があるのに加え、そこにフランジを形成した上にOリングを装着するとなると、インサートナットの取付け構造を外周側に大きくせざるを得ない。
【0010】
また、特許文献2に開示されたインサートナットの取付け構造では、Oリングをインサートナットの奥側の端面と貫通孔内の段部との間で圧縮した状態とすることにより、インサートナットと貫通孔の内壁面との間を封止しているが、インサートナットの取付け位置は貫通孔の長さ方向においてばらつくため、Oリングの圧縮量のコントロールが難しい。インサートナットが所望の位置より少しでも手前側に取り付けられると、Oリングの圧縮量が少なくなり、貫通孔の内壁面に対するOリングの密着性が損なわれて、流体の漏れ防止に支障を来すおそれがある。
【0011】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、インサートナット及び貫通孔の内壁面とシール部材との間の密着性を確保し、且つインサートナットの取付け構造のコンパクト化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、本発明では、インサートナットの奥側の部分を薄肉化して、その薄肉化した部分にシール部材を装着し、且つ、インサートナットをその取付け時において貫通孔に挿入していく過程でシール部材に摺動する貫通孔の内壁面が少なくなるように、当該内壁面の形状を工夫した。
【0013】
具体的には、本発明は、ボルトが締結されるねじ孔を有するインサートナットと、前記インサートナットの外周囲に装着された環状のシール部材とを備え、前記インサートナットが、樹脂成形品に設けられた貫通孔に挿入されているインサートナットの取付け構造を対象とする。このインサートナットの取付け構造では、前記インサートナットは、凹凸形状が形成された結合部を外周面に有する。前記貫通孔の内壁面は、前記結合部に溶着されている。そして、該結合部の凹凸形状と前記貫通孔の内壁面とが互いに食い込むことにより、前記インサートナットが前記貫通孔の内壁面に固定され、且つ前記インサートナットと前記貫通孔の内壁面との間が前記シール部材で封止されている。
【0014】
そして、本発明は、このようなインサートナットの取付け構造に対し、以下の解決手段を講じたものである。
【0015】
すなわち、第1の発明は、前記インサートナットが、前記ボルトの挿入方向において、手前側に設けられた厚肉部と、該厚肉部の奥側に設けられた薄肉部とを備える構成となっている。前記厚肉部には、前記ねじ孔の内面において前記ボルトの雄ねじと螺合する雌ねじが切られた雌ねじ部と、前記結合部とが設けられている。他方、前記薄肉部には、前記シール部材が内周面を密着させた状態で装着されている
。前記貫通孔の内壁面
は、前記結合部が溶着される溶着面部と、該溶着面部よりも前記貫通孔の内方に張り出した、前記シール部材の外周面が密着するシーリング面部とを、前記貫通孔の長さ方向に分けて有する
。そして、第1の発明は、前記シール部材の外径が、前記溶着面部の内径よりも小さく、且つ前記シーリング面部の内径よりも大きいことを特徴とする。
【0016】
第2の発明は、第1の発明のインサートナットの取付け構造において、前記貫通孔の内壁面のうち前記溶着面部と前記シーリング面部との間の部分に、
前記溶着面部側から前記シーリング面部側に向かって次第に縮径されるテーパ状の退避面部が設けられている
、インサートナットの取付け構造である。そして、第2の発明は、前記貫通孔の長さ方向において、前記インサートナットの前記結合部と前記貫通孔の前記溶着面部との連続する溶着部分の長さが、前記貫通孔の前記退避面部の奥側端部と前記シール部材との間の距離よりも長く、且つ前記貫通孔の前記退避面部の手前側端部と前記シール部材との間の距離よりも短いことを特徴とする。
【0017】
第3の発明は、第2の発明のインサートナットの取付け構造において、前記インサートナットの薄肉部が、前記インサートナットのうち前記退避面部に対応する部分を含むことを特徴とする。
【0018】
第4の発明は、第1〜第3の発明のいずれか1つのインサートナットの取付け構造において、前記インサートナットに、前記結合部として、前記ボルトの挿入方向において、手前側に設けられた手前側ローレット部と、該手前側ローレット部の奥側に設けられた奥側ローレット部とが設けられている、インサートナットの取付け構造である。前記貫通孔の内壁面は、前記溶着面部として、前記手前側ローレット部に溶着される手前側溶着部と、前記奥側ローレット部に溶着される奥側溶着部とを有する。前記手前側ローレット部は、前記奥側ローレット部よりも前記インサートナットの外方に張り出している。前記奥側溶着部は、前記手前側溶着部よりも前記貫通孔の内方に張り出している。そして、第4の発明は、前記奥側ローレット部の外径が、前記奥側溶着部の内径よりも大きく、且つ前記手前側ローレット部の内径よりも小さいことを特徴とする。
【0019】
第
5の発明は、第1〜第
4の発明のいずれか1つのインサートナットの取付け構造において、前記インサートナットの薄肉部に、前記シール部材が前記厚肉部側へ移動するのを規制する第1規制部が設けられていることを特徴とする。
【0020】
第6の発明は、第5の発明のインサートナットの取付け構造において、前記インサートナットの前記結合部と前記第1規制部との間に、凹陥部が設けられていることを特徴とする。
【0021】
第
7の発明は、第1〜第
6の発明のいずれか1つのインサートナットの取付け構造において、前記インサートナットの薄肉部に、前記シール部材が前記厚肉部とは反対側へ移動するのを規制する第2規制部が設けられていることを特徴とする。
【0022】
第
8の発明は、第1〜第
7の発明のいずれか1つのインサートナットの取付け構造において、前記インサートナットの厚肉部のうち前記ボルトの挿入方向における手前側の端面と前記ボルトの頭部との間に、前記ボルトの軸部が挿通された状態でワッシャが介装されることを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、第
8の発明のインサートナットの取付け構造に用いられるインサートナットの取付け方法をも対象とし、以下の解決手段を講じたものである。
【0024】
すなわち、第
9の発明は、前記インサートナットの薄肉部に前記シール部材を装着した後に、前記インサートナットの厚肉部のうち前記ボルトの挿入方向における手前側の端面において、前記ワッシャの外側に位置する外周部分に対し、超音波振動を出力する振動溶着治具を押し付けながら、前記インサートナットを前記樹脂成形品の貫通孔に挿入する。そして、第7の発明は、前記振動溶着治具により前記インサートナットに付与される超音波振動を以て、前記インサートナットを挿入していく過程で、前記貫通孔内の溶着面部を前記結合部との摩擦で溶融させ、該結合部の凹凸形状と前記溶着面部とを互いに食い込ませることにより、前記インサートナットを前記貫通孔の内壁面に固定し、且つ前記インサートナットと前記貫通孔内のシーリング面部との間を前記シール部材で封止することを特徴とする。
【0025】
第
10の発明は、第
9の発明のインサートナットの取付け方法であって、前記インサートナットには、前記厚肉部のうち前記ボルトの挿入方向における手前側の端面に、前記ワッシャを収容する凹部が設けられたナットを用い、前記振動溶着治具には、前記インサートナットの凹部の外周部に嵌合する位置決め片を有する治具を用いるようにする。そして、第8の発明は、前記振動溶着治具を押し付けることにより前記インサートナットを前記貫通孔に挿入する際に、前記位置決め片を前記凹部の内周部分に嵌合させ、前記振動溶着治具をインサートナットに位置決めした状態とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
第1の発明によれば、インサートナットを手前側に設けられた厚肉部と奥側に設けられた薄肉部とを備える構成としたので、インサートナットにおいて奥側の薄肉部が厚肉部よりも薄い分、インサートナットを小さくして軽量化することができる。インサートナットの厚肉部には、ボルトの雄ねじと螺合する雌ねじ部を、貫通孔の内壁面に溶着される結合部と共に設けるようにしたから、インサートナットのうち貫通孔の内壁面に固定される剛性の比較的高い厚肉部でボルトの締結力をしっかりと受けることができ、インサートナットにボルトを堅固に取り付けることができる。
【0027】
また、インサートナットの薄肉部における外周囲にシール部材を装着するようにしたから、シール部材を厚肉部における外周囲に装着する場合に比べて、シール部材の装着によりインサートナットの取付け構造が外周側に大きくなるのを抑制することができる。それにより、インサートナットの取付け構造をコンパクト化することができる。さらに、こうした構成によると、インサートナットの取付け位置が貫通孔の長さ方向において少しくらいばらついても、インサートナット及び貫通孔の内壁面に対するシール部材の密着性に何ら影響しない。
【0028】
そして、貫通孔の内壁面のうちシール部材の外周面が密着するシーリング面部を、インサートナットの結合部が溶着される溶着面部に対し、貫通孔の長さ方向における奥側に設けるようにしたので、インサートナットの取付け時において、超音波振動を付与しつつインサートナットを貫通孔に挿入するときに、シール部材が溶着面部に接触しないようにでき、その分だけシール部材に摺動する貫通孔の内壁面の距離が短くなる。これによって、超音波振動を用いたインサートナットの振動溶着に伴い、貫通孔の内壁面に対するシール部材の摺動部位が摩耗するのを抑制できる。その結果、貫通孔の内壁面とシール部材との間の密着性を確保することができる。
【0029】
第2の発明によれば、貫通孔の内壁面のうち溶着面部とシーリング面部との間の部分に、シーリング面部よりも貫通孔の内周面が外側に広がるように退避面部を設けるようにしたので、インサートナットの取付け時において、超音波振動を付与しつつインサートナットを貫通孔に挿入するときに、貫通孔のうち溶着面部を含むシーリング面部以外の他の部分にもシール部材が接触しないようにすることができる。こうすることで、超音波振動を用いたインサートナットの振動溶着に伴い、貫通孔の内壁面に対するシール部材の摺動部位が摩耗するのをよりいっそう抑制できる。
【0030】
第3の発明によれば、インサートナットのうち退避面部に対応する部分も薄肉部で構成し、貫通孔の内壁面に溶着される結合部が設けられた部分を除いて薄肉化するようにしたから、インサートナットを可及的に小さくし、よりいっそう軽量化することができる。
【0031】
ところで、インサートナットの取付け時において、インサートナットを貫通孔に挿入していく過程で、シール部材がインサートナットの外周囲での所定の装着位置から厚肉部側へ移動すると、シール部材がシーリング面部に対応しない位置にずれてしまい、貫通孔の内壁面に対するシール部材の密着度合が低くなったり、シール部材が貫通孔の内壁面に接触しなくなったりするおそれがある。
【0032】
これに対し、第
5の発明によれば、インサートナットにシール部材の厚肉部側への移動を規制する第1規制部を設けるようにしたから、インサートナットの取付け時において、インサートナットを貫通孔に挿入していく過程で、シール部材がシーリング面部との摺動により厚肉部側へずれるのを防止できる。それにより、シール部材を貫通孔の内壁面に所望の状態に接触させて、貫通孔の内壁面とシール部材との間の密着性を確保することができる。
【0033】
また、インサートナットの取付け時において、シール部材がインサートナットの外周囲に緩く装着されている場合などに所定の装着位置から厚肉部とは反対側へ移動すると、シール部材がインサートナットの外周囲から外れるおそれがある。
【0034】
これに対し、第
7の発明によれば、インサートナットにシール部材の厚肉部とは反対側への移動を規制する第2規制部を設けるようにしたから、インサートナットの取付け時において、シール部材が厚肉部とは反対側へずれるのを規制できる。それにより、シール部材がインサートナットの外周囲から外れるのを防止して、インサートナットと貫通孔の内壁面との間をシール部材で確実に封止することができる。
【0035】
第
8の発明によれば、インサートナットに締結されるボルトの頭部をワッシャで受けるようにしたから、インサートナットの手前側の端面がボルトの締結時に傷つくのを防止することができ、且つボルトの頭部とインサートナットの手前側の端面との間の密閉性を高めることができる。
【0036】
第
9の発明によれば、超音波振動を用いた振動溶着法によりインサートナットを貫通孔内に取り付けるようにしたから、ヒータによる加熱を利用した熱溶着法によりインサートナットを貫通孔内に取り付ける場合に比べて、インサートナットの取付け時にシール部材が受けるダメージを軽減することができる。
【0037】
振動溶着法においては、インサートナットのワッシャに対向する部分を含む手前側の端面に振動溶着治具を押し当てて、インサートナットに超音波振動を付与すると、その超音波振動の付与によりインサートナットの手前側の端面が治具と振動しつつ接触することになるため傷付き易い。インサートナットのワッシャに対向する手前側の端面部分が傷付くと、当該端面部分とワッシャとの密着性が損なわれて、ボルトの頭部とインサートナットの手前側の端面との間の密閉性に支障を来し兼ねない。
【0038】
これに対し、第
9の発明によれば、インサートナットの手前側の端面においてワッシャの外側に位置する外周部分に振動溶着治具を押し付けることにより、インサートナットに超音波振動を付与するようにしたので、インサートナットのワッシャに対向する手前側の端面部分が超音波振動の付与に起因して傷付くのを防止できる。これにより、インサートナットの手前側の端面とワッシャとを好適に密着させることができる結果、ボルトの頭部とインサートナットの手前側の端面との間の密閉性を確保することができる。
【0039】
第
10の発明によれば、インサートナットの手前側の端面にワッシャを収容する凹部を設け、その凹部を振動溶着治具が有する位置決め片による位置決めに利用するようにしたので、インサートナットの取付け時において、貫通孔内の溶着面部に対するインサートナットの結合部の押付け力が周方向に偏るのを防止することができる。それによって、インサートナットの結合部を全周に亘って貫通孔内に溶着面部に好適に溶着することができ、インサートナットを堅固に貫通孔内に取り付けることができる。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0042】
《発明の実施形態1》
この実施形態1では、オイルパンに設けられるドレン部に適用された、ドレンボルトを留めるためのインサートナットの取付け構造及び取付け方法を例に挙げて説明する。
図1に、インサートナット11の取付け構造が適用されたオイルパン1の斜視図を示す。
図2に、オイルパン1に設けられたドレン部7の分解斜視図を示す。また、
図3に、
図1のIII−III線におけるドレン部7の断面図を示す。
【0043】
図1に示すオイルパン1は、例えば、自動車に搭載されるエンジンの下部を覆うように取り付けられ、エンジンの内部を循環するオイルを貯留しておくためのカバーを構成する。このオイルパン1は、上方に開放する凹状に形成された略直方体の容器形状をなす高剛性な樹脂成形品であり、例えばポリアミド(PA)系の樹脂などからなり、射出成形などによって形成される。オイルパン1の上端部には接合用のフランジ3が形成されている。フランジ3は、エンジンの下部にボルトによって固定される。
【0044】
オイルパン1の一側壁5の下端部には、当該オイルパン1に貯留されているオイルを排出するためのドレン部7が設けられている。このドレン部7は、
図2及び
図3に示すように、オイルパン1の側壁5から外側方へ突出した円筒形の筒状部9と、筒状部9内に取り付けられたインサートナット11と、インサートナット11の外周囲に装着されたシール部材としての円環状(O形状)のOリング13とを備える。
【0045】
筒状部9は、オイルパン1の内部と外部とを連通する断面円形の貫通孔15を有している。この貫通孔15の内径は、オイルパン1の外側に臨む外側開口17からオイルパン1の内側に臨む内側開口19に向かって段階的に狭まっている。以下では、この貫通孔15について、オイルパン1の内方を「奥」、オイルパン1の外方を「手前」と称する。
【0046】
貫通孔15は、外側開口17を含んだ範囲を構成する大径孔部21と、大径孔部21の奥側に繋がる中径孔部23と、中径孔部23よりも奥側で内側開口19を含んだ範囲を構成する小径孔部25とを有する。
【0047】
大径孔部21は、比較的浅く形成されている。中径孔部23の内径は、大径孔部21の内径よりも小さい。中径孔部23は、大径孔部21側に位置する手前側中径孔部27と、小径孔部25側に位置する奥側中径孔部29とによって構成されている。手前側中径孔部27の内径は、奥側中径孔部29の内径よりも大きい。奥側中径孔部29と小径孔部25との間には、貫通孔15の内径が手前側から奥側に向かって漸減する狭窄径部31が設けられている。
【0048】
貫通孔15の内壁面33は、大径孔部21の奥側で貫通孔15の内方に張り出した溶着面部35と、中径孔部23(奥側中径孔部29)の奥側で溶着面部35よりも貫通孔15の内方に張り出したシーリング面部37と、溶着面部35とシーリング面部37との間に設けられたテーパ状の退避面部39とを有する。溶着面部35とシーリング面部37とは、退避面部39を挟んで貫通孔15の長さ方向に分けて設けられている。
【0049】
溶着面部35は、手前側中径孔部27に対応する手前側溶着面部41と、奥側中径孔部29に対応する奥側溶着面部43とによって構成されている。貫通孔15の内壁面33のうち手前側溶着面部41の手前側には、外側開口17に臨むストッパ面部45が形成されている。奥側溶着面部43は、手前側溶着面部41よりも貫通孔15の内方に張り出している。退避面部39は、シーリング面部37よりも貫通孔15の径方向における外側(つまり、貫通孔15の長さ方向と直交する方向における外方)に位置している。シーリング面部37は、貫通孔15の内側開口19寄りの位置に形成され、貫通孔15の長さ方向における全体に亘って同じ径とされている。
【0050】
インサートナット11は、全体が外側開口17から貫通孔15内に挿入されて、貫通孔15の内壁面33に固定されている。以下では、このインサートナット11について、貫通孔15への挿入方向における奥側を「奥」、手前側を「手前」と称する。インサートナット11の奥側と貫通孔15の奥側、インサートナット11の手前側と貫通孔15の手前側とは、それぞれ対応している。
【0051】
インサートナット11は、真鍮やステンレスなどからなり、円形のねじ孔53を有する。このねじ孔53には、ドレンプラグやドレンコックとも呼ばれるドレンボルト51が締結される。ねじ孔53の内面には、雌ねじ部57が設けられている。雌ねじ部57には、ドレンボルト51の軸部55外周面に切られた雄ねじと螺合するように雌ねじが切られている。
【0052】
ドレンボルト51は、インサートナット11の手前側から奥側に向けて挿入される。すなわち、インサートナット11の手前側はドレンボルト51の挿入方向における手前側でもあり、インサートナット11の奥側はドレンボルト51の挿入方向における奥側でもある。ドレンボルト51は、鉄製やアルミニウム合金製のボルトが採用される。
【0053】
また、インサートナット11のねじ孔53は、インサートナット11を厚さ方向に貫通しており、オイルを排出するドレン孔59を構成している。ドレン孔59は、通常は、オイルパン1の外側からドレンボルト51が締結されていることにより閉栓されている。オイルパン1に貯留しておくオイルやオイルパン1内に設置されるフィルタ(不図示)を交換する場合などにおいてオイルを排出するときには、ドレン孔59からドレンボルト51を外すことによりドレン孔59が開栓される。
【0054】
インサートナット11の手前側の端面61とドレンボルト51の頭部
63との間には、ドレンボルト51の軸部55が挿通された状態でドレンワッシャ65が介装されている。そうすることで、インサートナット11の手前側の端面61がドレンボルト51の締結時に傷つくのを防止し、且つドレンボルト51の頭部63とインサートナット11の手前側の端面61との間の密閉性を高めている。このドレンワッシャ65は、銅や鉄、アルミニウム合金などからなり、ドレンボルト51を締め付けた際に、緩衝材として機能し、ドレンボルト51の頭部63とインサートナット11との間で潰れて隙間を埋める。
【0055】
インサートナット11は、手前側に設けられた厚肉部67と、厚肉部67の奥側に設けられた薄肉部69とを備える。これら厚肉部67と薄肉部69とは共に、インサートナット11の厚さ方向における概ね半分ずつを構成している。上記雌ねじ部57は、ねじ孔53のうち厚肉部67に形成された部分の内面だけに設けられている。つまり、ねじ孔53のうち薄肉部69に形成された部分の内面には、雌ねじが切られていない。
【0056】
ねじ孔53の内径は、雌ねじが切られているかどうかで僅かに変わるが、ねじ孔53の長さ方向の全体に亘って殆ど同じである。そのため、厚肉部67は、相対的に外径が大きく、剛性が比較的高くなっている。この厚肉部67は、大径孔部21及び中径孔部23に配置され、貫通孔15内で溶着面部35に対応する。また、薄肉部69は、相対的に外径が小さく、インサートナット11において比較的軽量な部分とされている。この薄肉部69は、奥側中径孔部29から小径孔部25にかけて配置され、貫通孔15内で退避面部(39)に対応する。
【0057】
厚肉部67の外周部分には、外周囲が径方向における外側に突出したフランジ71と、貫通孔15の内壁面33に結合される結合部としての手前側ローレット部73及び奥側ローレット部75とが設けられている。フランジ71は、手前側の端部に設けられており、貫通孔15の内壁面33のうちストッパ面部45に突き合わされている。手前側ローレット部73及び奥側ローレット部75はそれぞれ、ローレット加工によりインサートナット11の外周面に微細な凹凸形状が形成されてなり、インサートナット11の全周に亘って設けられている。
【0058】
手前側ローレット部73は、フランジ71の直ぐ奥側に配置されている。他方、奥側ローレット部75は、手前側ローレット部73とインサートナット11の厚さ方向に間隔をあけて、厚肉部67の奥側の端部に設けられている。そして、これら手前側ローレット部73と奥側ローレット部75との間には、環状の凹溝76が設けられている。この凹溝76には、図示しないが、インサートナット11の取付け時に手前側溶着面部41が溶融されることによって出た樹脂が溜められる。
【0059】
手前側ローレット部73には、貫通孔15内で手前側溶着面部41が溶着されており、手前側ローレット部73の凹凸形状と手前側溶着面部41とが互いに食い込んでいる。奥側ローレット部75には、貫通孔15内で奥側溶着面部43が溶着されており、奥側ローレット部75の凹凸形状と奥側溶着面部43とが互いに食い込んでいる。こうして、インサートナット11は、手前側ローレット部73及び奥側ローレット部75が貫通孔15の内壁面33にそれぞれ溶着されることにより、当該内壁面33に固定されている。
【0060】
薄肉部69の外周部分には、それぞれ外周囲が径方向における外側に突出した、第1規制部としてのフランジ状の手前側突片77と、第2規制部としてのフランジ状の奥側突片79が設けられている。奥側突片79は、薄肉部69の奥側の端部に設けられている。手前側突片77は、奥側突片79から手前側に離れ、且つ奥側ローレット部75から奥側に離れた位置に設けられている。手前側突片77と奥側ローレット部75との間には、環状の凹陥部80が設けられている。この凹陥部80には、図示しないが、インサートナット11の取付け時に、奥側溶着面部43が溶融することによって出た樹脂が溜められる。
【0061】
さらに、手前側突片77と奥側突片79とは、インサートナット11の厚さ方向において間隔をあけて対向しており、互いの間に保持凹部81を形成している。Oリング13は、保持凹部81に嵌め入れられて、薄肉部69に内周面を密着させた状態で装着されている。保持凹部81の幅は、Oリング13の直径と同じ程度である。そのことで、Oリング13は、保持凹部81内において外周面が手前側突片77と奥側突片79との両方に接するようになっている。手前側突片77は、Oリング13がインサートナット11の手前側(厚肉部67側)へ移動するのを規制する。他方、奥側突片79は、Oリング13がインサートナット11の奥側(厚肉部67とは反対側)へ移動するのを規制する。
【0062】
Oリング13は、フッ素ゴムやシリコンゴムなどからなり、弾性変形が可能な性質を有している。そして、Oリング13は、薄肉部69の外周面とシーリング面部37との間に圧縮された状態で介在しており、貫通孔15内でシーリング面部37に密着している。それによって、薄肉部69の外周面とシーリング面部37との間がOリング13で封止されており、貫通孔15内でインサートナット11の外周側を通じてオイルパン1に貯留されているオイルが外部に漏れるのを防止している。
【0063】
上記構成のドレン部7を造るのに、インサートナット11を筒状部9の貫通孔15に取り付ける手順について、以下に、
図4及び
図5を参照しながら説明する。
図4は、インサートナット11を貫通孔15に差し込んだ状態を示す
図3相当図である。
図5は、インサートナット11を超音波振動させつつ貫通孔15の奥側へ向けて押し込んでいく様子を示す
図3相当図である。
【0064】
インサートナット11を筒状部9の貫通孔15に取り付けるには、まず、インサートナット11の薄肉部69に設けられた保持凹部81に対し、Oリング13を嵌め入れることにより装着する。続いて、そのインサートナット11を、
図4に示すように、Oリング13が装着された側から、つまり薄肉部69側から筒状部9の貫通孔15に挿入し、第2ローレット部75を奥側溶着面部43の上端にある段差部に突き当てた状態とする。こうして、インサートナット11を貫通孔15に仮挿入する。このとき、Oリング13は、貫通孔15のうち狭窄径部31辺りに位置付けられる。
【0065】
次に、貫通孔15に仮挿入されたインサートナット11の手前側の端面に対し、超音波振動を出力する振動溶着治具101を押し当てて、振動溶着治具101からインサートナット11に超音波振動を付与しつつ、振動溶着治具101をインサートナット11に押し付けることによりインサートナット11を貫通孔15の奥側に向けて押圧する。
【0066】
そうすると、インサートナット11に付与される超音波振動により、手前側溶着面部41が手前側ローレット部73との摩擦で溶融し、奥側溶着面部43が第2ローレット部75との摩擦で溶融しながら、インサートナット11が貫通孔15の奥側へ挿入されていく。これによって、手前側ローレット部73の凹凸形状と手前側溶着面部41とが互いに食い込み、手前側溶着面部41が手前側ローレット部73に溶着される。また、奥側ローレット部75の凹凸形状と奥側溶着面部43とが互いに食い込み、奥側溶着面部43が奥側ローレット部75に溶着される。
【0067】
また、インサートナット11が貫通孔15の奥側に挿入されていくのに連れて、Oリング13は、貫通孔15の狭窄径部31から小径孔部25に移動する。このとき、退避面部39の奥側部分がOリング13をシーリング面部37に案内し、退避面部39の奥側部分とシーリング面部とがOリング13をその移動に伴って次第に押圧して圧縮する。Oリング13は、シーリング面部37に対応する位置(つまり小径孔部25)に至ると、所望の圧縮状態となり、インサートナット11の挿入が完了するまでの間、シーリング面部37を摺動する。しかし、シーリング面部37は、貫通孔15の内側開口19寄りの位置に形成されているから、Oリング13がシーリング面部37と摺動する距離は比較的短くて済む。
【0068】
インサートナット11の挿入は、フランジ71がストッパ面部45に突き当たる位置に達すると完了する。インサートナット11の挿入が完了すると、Oリング13は、インサートナット11の薄肉部69との間と、貫通孔15内のシーリング面部37との間をそれぞれ密閉し、それら薄肉部69とシーリング面部37との間を封止した状態となる。
【0069】
以上のようにして、貫通孔15の手前側の位置において、インサートナット11を貫通孔15に対しその内壁面33に固定した状態に取り付け、且つ、貫通孔15の奥側の位置において、インサートナット11と貫通孔15の内壁面33との間をOリング13で封止することができる。
【0070】
−実施形態1の効果−
この実施形態1のオイルパン1のドレン部7に適用されたインサートナット11の取付け構造によると、インサートナット11を手前側に設けられた厚肉部67と奥側に設けられた薄肉部69とを備える構成としたので、インサートナット11において奥側の薄肉部69が厚肉部67よりも薄い分、インサートナット11を小さくして軽量化することができる。さらに、インサートナット11の厚肉部67には、ドレンボルト51の雄ねじと螺合する雌ねじ部57を、貫通孔15内で溶着面部35に溶着される手前側ローレット部73及び奥側ローレット部75と共に設けるようにしたから、インサートナット11のうち貫通孔15の内壁面33に固定される剛性の比較的高い厚肉部67でドレンボルト51の締結力をしっかりと受けることができ、インサートナット11にドレンボルト51を堅固に取り付けることができる。
【0071】
また、インサートナット11の薄肉部69における外周囲にOリング13を装着するようにしたから、Oリング13を厚肉部67における外周囲に装着する場合に比べて、Oリング13の装着によりインサートナット11の取付け構造が外周側に大きくなるのを抑制することができる。それにより、インサートナット11の取付け構造をコンパクト化することができる。さらに、こうした構成によると、インサートナット11の取付け位置が貫通孔15の長さ方向において少しくらいばらついても、貫通孔15の内壁面33のうちシーリング面部37に対するOリング13の密着性に何ら影響しない。
【0072】
そして、貫通孔15の内壁面33のうちシーリング面部37を、インサートナット11が溶着される溶着面部35に対し、貫通孔15の長さ方向における奥側に設けるようにしたので、インサートナット11の取付け時において、インサートナット11を貫通孔15に挿入していく過程でOリング13が溶着面部35に接触しないようにでき、その分だけOリング13に摺動する貫通孔15の内壁面33の距離が短くなる。これによって、超音波振動を用いたインサートナット11の振動溶着に伴い、貫通孔15の内壁面33に対するOリング13の摺動部位が摩耗するのを抑制できる。その結果、インサートナット11及び貫通孔15の内壁面33とOリング13との間の密着性を確保することができる。
【0073】
《発明の実施形態2》
この実施形態2に係るインサートナット11の取付け構造は、インサートナット11の手前側の端部の構成が上記実施形態1と異なる。なお、本実施形態では、インサートナット11の構成が上記実施形態1と異なる他はオイルパン1のドレン部7に適用されるインサートナット11の取付け構造について上記実施形態1と同様に構成されているので、同一の構成箇所は
図1〜
図5に基づく上記実施形態1の説明に譲ることにして、その詳細な説明を省略する。
【0074】
図6に、この実施形態2に係るオイルパン1に設けられたドレン部7の
図3相当図を示す。この実施形態2では、
図6に示すように、インサートナット11として、厚肉部67のうち手前側の端面61に、ドレンワッシャ65を収容する円形の収容凹部83が設けられたナットを用いる。ドレンワッシャ65は、その凹部83内でインサートナット11の手前側の端面61に宛がわれて、ドレンボルト51の頭部63とインサートナット11の手前側の端面61との間にドレンボルト51の軸部55が挿通された状態で介装されている。
【0075】
このようなインサートナット11の取付け手順について、以下に、
図7を参照しながら説明する。
図7は、インサートナット11を超音波振動させつつ貫通孔15の奥側へ向けて押し込んでいく様子を示す
図3相当図である。まず、インサートナット11にOリング13を装着し、続いて、そのインサートナット11を筒状部9の貫通孔15に仮挿入することは、上記実施形態1と同様である。次に、貫通孔15に仮挿入したインサートナット11を、
図7に示すように、振動溶着治具101を用いて超音波振動させながら貫通孔15の奥側へ向けて押圧する。
【0076】
このとき用いる振動溶着治具101には、インサートナット11の収容凹部83の内周部に嵌合する環状の位置決め片103を有する治具を用いる。インサートナット11を貫通孔15に挿入する際には、位置決め片103を収容凹部83の内周部に嵌合させ、振動溶着治具101をインサートナット11に位置決めした状態とする。そのように位置決めした状態で、インサートナット11を貫通孔15の奥側へ向けて押圧することにより、上記実施形態1と同様に、振動溶着治具101からインサートナット11に付与される超音波振動を以て、手前側溶着面部41を手前側ローレット部73に、奥側溶着面部43を奥側ローレット部75にそれぞれ溶着させる。
【0077】
−実施形態2の効果−
この実施形態2のオイルパン1のドレン部7に適用されたインサートナット11の取付け方法によると、インサートナット11の手前側の端面61においてドレンワッシャ65の外側に位置する外周部分に振動溶着治具101を押し付けることにより、インサートナット11に超音波振動を付与するようにしたので、インサートナット11のドレンワッシャ65に対向する手前側の端面61部分が超音波振動の付与に起因して傷付くのを防止できる。これにより、インサートナット11の手前側の端面61とドレンワッシャ65とを好適に密着させることができる。その結果、ドレンボルト51の頭部63とインサートナット11の手前側の端面61との間の密閉性を確保することができる。
【0078】
また、インサートナット11の手前側の端面61にドレンワッシャ65を収容する収容凹部83を設け、その収容凹部83を振動溶着治具101が有する位置決め片103による位置決めに利用するようにしたので、インサートナット11の取付け時において、貫通孔15内で手前側溶着面部41に対する手前側ローレット部73の押付け力と奥側溶着面部75に対する奥側ローレット部75の押付け力とが、インサートナット11の周方向に偏るのを防止することができる。それによって、手前側ローレット部73及び奥側ローレット部75を全周に亘って手前側溶着面部41及び奥側溶着面部43にそれぞれ好適に溶着することができ、インサートナット11を堅固に貫通孔15内に取り付けることができる。
【0079】
以上のように、ここに開示する技術の例示として、好ましい実施形態について説明した。しかし、ここに開示する技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて新たな実施の形態とすることも可能である。また、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須でない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることを以て、直ちにそれらの必須でない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0080】
例えば、上記実施形態1及び2について、以下のような構成としてもよい。
【0081】
上記実施形態1及び2では、インサートナット11の奥側の端部で厚肉部67から離間した位置にOリング13が装着される構成を例に挙げて説明したが、これに限らない。例えば、手前側突片77及び奥側突片79からなる保持凹部81が、インサートナット11の長さ方向において薄肉部69の中程に設けられ、その保持凹部81にOリング13が装着されるようになっていてもよい。また、保持凹部81が厚肉部67に隣接させて設けられ、Oリング13を厚肉部67の近接位置に装着するようになっていても構わない。
【0082】
また、上記実施形態1及び2では、インサートナット11が、貫通孔15の内壁面33(溶着面部35)に溶着により結合される結合部として2つのローレット部73,75を有する構成を例示したが、これに限らない。ローレット部は、1つだけ設けられていてもよいし、3つ以上設けられていても構わない。また、ローレット部に代えて、公知の手法により凹凸形状を形成した結合部が設けられていてもよい。
【0083】
また、上記実施形態1及び2では、シール部材としてOリング13を用いた構成を例示したが、これに限らない。Oリング13は、シール部材の一例に過ぎず、インサートナット11と貫通孔15の内壁面33との間を封止できるものであれば、Oリング以外にも任意のシール部材を採用することができる。
【0084】
また、上記実施形態1及び2では、雌ねじ部57が、ねじ孔53のうち厚肉部67に形成された部分の内面だけに設けられ、ねじ孔53のうち薄肉部69に形成された部分の内面には、雄ねじが切られていないとしたが、これに限らない。雌ねじ部57は、薄肉部69の内面にも設けられていてもよい。すなわち、薄肉部69の内面にも雌ねじが切られて、ドレンボルト51の雄ねじが螺合されるようになっていてもよい。この場合、薄肉部69は、ドレンボルト51の締結力により破壊されないように設計される。
【0085】
また、上記実施形態1及び2では、オイルパン1に設けられたドレン部7に適用されたインサートナットの取付け構造及び取付け方法を例に挙げて説明したが、これに限らない。本発明に係るインサートナットの取付け構造及び取付け方法は、例えば、エンジンの吸気管(樹脂成形品)への吸気温センサー等の取付けなどの各種センサーの取付け用としても利用することが可能である。この場合、センサーの一部がボルトを構成していてもよい。その他、本発明に係るインサートナットの取付け構造及び取付け方法は、樹脂成形品に対して何らかの機器や部材を取り付ける用途にも適用することができる。