(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(A)成分が、(A1)ハロゲン化イソシアヌル酸及びその塩、(A2)ハロゲン化ヒダントイン及び(A3)次亜ハロゲン酸塩から選ばれる一種以上の化合物である、請求項1記載のモノハロゲノアミン製造用組成物。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔モノハロゲノアミン製造用組成物〕
<(A)成分>
(A)成分は、水に溶解させた時に次亜ハロゲン酸及び/又は次亜ハロゲン酸イオンを放出する化合物である。(A)成分は固体化合物が好ましい。
(A)成分としては、(A1)ハロゲン化イソシアヌル酸及びその塩、(A2)ハロゲン化ヒダントイン及び(A3)次亜ハロゲン酸塩から選ばれる化合物が挙げられる。
【0012】
(A1)ハロゲン化イソシアヌル酸及びその塩としては、具体例として、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸カリウム等のジクロロイソシアヌル酸塩、トリクロロイソシアヌル酸、ブロモイソシアヌル酸ナトリウム、ブロモイソシアヌル酸カリウム等のブロモイソシアヌル酸塩、ジブロモイソシアヌル酸、トリブロモイソシアヌル酸、トリヨードイソシアヌル酸が挙げられる。
(A2)ハロゲン化ヒダントインとしては、具体例として、クロロジメチルヒダントイン、ジクロロジメチルヒダントイン、ブロモジメチルヒダントイン、ジブロモジメチルヒダントイン、ヨードジメチルヒダントイン、ジヨードジメチルヒダントイン、ブロモクロロジメチルヒダントイン、クロロヨードジメチルヒダントイン、ブロモヨードジメチルヒダントインが挙げられる。
(A3)次亜ハロゲン酸塩としては、具体例として、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸マグネシウム、塩化次亜塩素酸カルシウム、塩化次亜塩素酸マグネシウム等の次亜塩素酸塩、次亜臭素酸ナトリウム等の次亜臭素酸塩、次亜ヨウ素酸ナトリウム等の次亜ヨウ素酸塩が挙げられる。
【0013】
(A)成分は、水に溶解させた時に次亜塩素酸及び/又は次亜塩素酸イオンを放出する化合物が好ましい。(A)成分は、塩素化イソシアヌル酸及びその塩、塩素化ヒダントインまたは次亜塩素酸塩が好ましい。
(A)成分は、好ましくは、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸カリウム、トリクロロイソシアヌル酸、クロロジメチルヒダントイン、ジクロロジメチルヒダントイン、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸マグネシウム、塩化次亜塩素酸カルシウム、及び塩化次亜塩素酸マグネシウムから選ばれる化合物である。
(A)成分は、より好ましくは、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、トリクロロイソシアヌル酸、及び次亜塩素酸カルシウムから選ばれる化合物である。
(A)成分は、更に好ましくは次亜塩素酸カルシウムである。
【0014】
(A)成分は、取扱い性の観点から粒子であることが好ましく、(A)成分の粒子の平均粒径は、好ましくは0.005mm以上、より好ましくは0.01mm以上、より好ましくは0.02mm以上、そして、反応性の観点から、好ましくは5cm以下、より好ましくは1cm以下、更に好ましくは7mm、更に好ましくは5mm以下、更に好ましくは3mm以下、更に好ましくは1mm以下、更に好ましくは0.2mm以下である。(A)成分の平均粒径は、光学顕微鏡で観察した、無作為に抽出した100個の粒子に基づく数平均径である。長径と短径がある場合は、長径を測定する。
【0015】
<(B)成分>
(B)成分は、N
+−H結合を有する化合物である。(B)成分は固体化合物が好ましい。
(B)成分としては、アンモニウム塩又はスルファミン酸が挙げられる。
(B)成分としては、アンモニウムイオン(NH
4+)を含むアンモニウム塩(以下、無機アンモニウム塩という)と有機アンモニウムイオンを含むアンモニウム塩(以下、有機アンモニウム塩という)が挙げられる。有機アンモニウムイオンは、アンモニウムイオンの水素原子が、炭素を含む基で置換されたイオンである。(B)成分は、無機アンモニウム塩が好ましい。(B)成分は、アンモニウムイオンを含むアンモニウム塩が好ましい。
【0016】
無機アンモニウム塩としては、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸三アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、硝酸アンモニウム、臭化アンモニウム、ヨウ化アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、乳酸アンモニウム、クエン酸アンモニウムが挙げられる。
【0017】
有機アンモニウム塩としては、第一級アンモニウム塩、第二級アンモニウム塩が挙げられる。ここで、第一級アンモニウム塩はアンモニウムイオンの水素原子の一つが炭素を含む基で置換されたもの、第二級アンモニウム塩はアンモニウムイオンの水素原子の二つが炭素を含む基で置換されたものを言う。
【0018】
(B)成分は、好ましくは、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸三アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、硝酸アンモニウム、臭化アンモニウム、ヨウ化アンモニウム、炭酸アンモニウム及び炭酸水素アンモニウムから選ばれる化合物である。
(B)成分は、より好ましくは、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸三アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、硝酸アンモニウム、炭酸アンモニウム及び炭酸水素アンモニウムから選ばれる化合物である。
(B)成分は、更に好ましくは、塩化アンモニウムである。
【0019】
(B)成分の対イオンは、好ましくは、塩化物イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオン、リン酸二水素イオン、硝酸イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、シュウ酸イオン、酢酸イオン、乳酸イオン、及びクエン酸イオンから選ばれる。
(B)成分の対イオンは、より好ましくは、塩化物イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオン、リン酸二水素イオン、硝酸イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、炭酸イオン、及び炭酸水素イオンから選ばれる。
(B)成分の対イオンは、更に好ましくは、塩化物イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオン、リン酸二水素イオン、硝酸イオン、炭酸イオン、及び炭酸水素イオンから選ばれる。
(B)成分の対イオンは、より更に好ましくは、塩化物イオンである。(B)成分は、より更に好ましくは、アンモニウムイオンと塩化物イオンとからなるアンモニウム塩、すなわち塩化アンモニウムである。
【0020】
(B)成分は粒子であることが好ましく、(B)成分の粒子の平均粒径は、好ましくは0.005mm以上、より好ましくは0.01mm以上、更に好ましくは0.05mm以上、より更に好ましくは0.1mm以上、より更に好ましくは0.5mm以上、そして、反応性の観点から、好ましくは3cm以下、より好ましくは8mm以下、更に好ましくは3mm以下である。(B)成分の粒子の平均粒径は、光学顕微鏡で観察した、無作為に抽出した100個の粒子に基づく数平均径である。長径と短径がある場合は、長径を測定する。
【0021】
<(C)成分>
(A)成分と、(B)成分との反応により、モノハロゲノアミンを生成することができるが、更に(C)成分を用いることでモノハロゲノアミンの生成率を高くすることができる。(C)成分は、アルカリ土類金属水酸化物である。(C)成分は、固体のアルカリ土類金属水酸化物が好ましい。
(C)成分のアルカリ土類金属水酸化物としては、水酸化カルシウムや水酸化マグネシウムが挙げられ、水酸化カルシウムが好ましい。また、アルカリ土類金属水酸化物としては、塩化水酸化マグネシウム、塩化水酸化カルシウムのようなアルカリ土類金属塩化物水酸化物が挙げられる。
アルカリ土類金属酸化物は、水と反応してアルカリ土類金属水酸化物となるため、本発明では(C)成分として使用することができる。アルカリ土類金属酸化物としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウムが挙げられる。
(C)成分は、水酸化カルシウムが好ましい。
【0022】
(C)成分は、粒子であることが好ましい。(C)成分の粒子の平均粒径は、(C)成分の入手性及び(C)成分の生産性の観点から、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上、更に好ましくは5μm以上、そして、モノハロゲノアミンの生産性及び白濁の抑制の観点から、好ましくは1cm以下、より好ましくは1mm以下、更に好ましくは0.1mm以下である。(C)成分の平均粒径は、光学顕微鏡で観察した、無作為に抽出した100個の粒子に基づく数平均径である。長径と短径がある場合は、長径を測定する。
【0023】
<組成等>
本発明のモノハロゲノアミン製造用組成物は、(A)成分より生成する次亜ハロゲン酸量及び次亜ハロゲン酸イオン量(理論生成モル数)と(C)成分に由来する水酸化物イオン量(理論生成モル数)との和が、(B)成分中のN
+−Hイオン量(理論生成モル数)に対して、モル比で、4.0以下である。
このモル比は、[(A)成分より生成する次亜ハロゲン酸量(理論生成モル数)及び次亜ハロゲン酸イオン量(理論生成モル数)と(C)成分に由来する水酸化物イオン量(理論生成モル数)との和]/[(B)成分中のN
+−Hイオン量(理論生成モル数)]の比である。
以下、このモル比を、〔(A)+(C)〕/(B)で表す場合もある。
本発明者等は、(A)成分と(B)成分とのモノハロゲノアミンの生成反応と、(C)成分と(B)成分との中和反応による(C)成分の溶解促進とが、同時に進行するため、(C)成分の溶解性の低減による過剰な白濁を抑制するためには、(A)成分と(C)成分との合計の理論生成モル数と、(B)成分の理論生成モル数とが影響するのではないかと考え、〔(A)+(C)〕/(B)のモル比を上記範囲とすることにより、(C)成分を用いても、水系の反応物中での白濁の生成を抑制できることを見出した。
【0024】
本発明では、〔(A)+(C)〕/(B)のモル比は、白濁抑制の観点から、好ましくは3.8以下、より好ましくは3.5以下、さらに好ましくは3.0以下、より更に好ましくは2.5以下、より更に好ましくは2.0以下、より更に好ましくは1.5以下、より更に好ましくは1.0以下、より更に好ましくは0.8以下、そして、モノハロゲノアミンの生成率の観点から、好ましくは0.005以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.1以上、より更に好ましくは0.3以上、より更に好ましくは0.5以上、より更に好ましくは0.8以上、より好ましくは1.0以上である。
【0025】
ここで、(A)成分より生成する次亜ハロゲン酸量(理論生成モル数)は、(A)成分の質量を(A)成分の分子量で割った値に、分子内の結合ハロゲン数を掛けた物質量として定義される。
また、(A)成分より生成する次亜ハロゲン酸イオン量(理論生成モル数)は、(A)成分の質量を(A)成分の分子量で割った値に、分子内の次亜ハロゲン酸イオン数を掛けた物質量として定義される。
また、(B)成分中のN
+−Hイオン量(理論生成モル数)は、(B)成分の質量を(B)成分の分子量で割った値に、分子内のN
+−Hイオン数を掛けた物質量として定義される。
また、(C)成分に由来する水酸化物イオン量(理論生成モル数)は、アルカリ土類金属水酸化物の質量をアルカリ土類金属水酸化物の分子量で割った値に、分子内の水酸化物イオン数を掛けた物質量として定義される。また、アルカリ土類金属酸化物を用いる場合は、アルカリ土類金属酸化物から生成するアルカリ土類金属水酸化物について同様に算出される質量として定義される。
【0026】
本発明のモノハロゲノアミン製造用組成物は、(A)成分より生成する次亜ハロゲン酸量及び次亜ハロゲン酸イオン量(理論生成モル数)の和が、(B)成分中のN
+−Hイオン量(理論生成モル数)に対して、モノハロゲノアミンの生成率の観点から、モル比で、好ましくは0.005以上、より好ましくは0.01以上、更に好ましくは0.03以上、より更に好ましくは0.1以上、より更に好ましくは0.3以上、そして、好ましくは3.5以下、更に好ましくは3以下、更に好ましくは1.5以下、更に好ましくは1.3以下、更に好ましくは1.0以下である。
このモル比は、[(A)成分より生成する次亜ハロゲン酸量(理論生成モル数)及び次亜ハロゲン酸イオン量(理論生成モル数)の和]/[(B)成分中のN
+−Hイオン量(理論生成モル数)]の比である。
以下、このモル比を、(A)/(B)で表す場合もある。
【0027】
本発明のモノハロゲノアミン製造用組成物は、(C)成分に由来する水酸化物イオン量(理論生成モル数)が、(B)成分中のN
+−Hイオン量(理論生成モル数)に対して、モル比で、モノハロゲノアミンの生成率の観点から、0.005以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.2以上、より更に好ましくは0.6以上、より更に好ましくは0.8以上、より更に好ましくは1.0以上、そして、白濁を抑制する観点から、好ましくは3.5以下、更に好ましくは3.0以下、より更に好ましくは2.0以下、より更に好ましくは1.5以下、より更に好ましくは1.3以下である。
このモル比は、[(C)成分に由来する水酸化物イオン量(理論生成モル数)]/[(B)成分中のN
+−Hイオン量(理論生成モル数)]の比である。
以下、このモル比を、(C)/(B)で表す場合もある。
【0028】
本発明のモノハロゲノアミン製造用組成物は、モノハロゲノアミンの製造の効率の観点から、(A)成分と(B)成分の質量比[(A)/(B)]が、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.5以上、そして、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、より好ましくは2以下、更に好ましくは1.5以下である。
【0029】
本発明のモノハロゲノアミン製造用組成物は、(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計質量中、(A)成分の質量の割合、即ち、(A)成分の質量×100/[(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計質量]が、モノハロゲノアミンの生成率及び白濁の抑制の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、より更に好ましくは15質量%以上、より更に好ましくは20質量%以上、より更に好ましくは25質量%以上、より更に好ましくは35質量%以上、そして、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは60質量%以下、より更に好ましくは50質量%以下である。前記モル比や質量比を満たした上で、(A)成分の含有量がこれらの範囲にあることが好ましい。
【0030】
本発明のモノハロゲノアミン製造用組成物は、(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計質量中、(B)成分の質量の割合、即ち、(B)成分の質量×100/[(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計質量]が、モノハロゲノアミンの生成率及び白濁の抑制の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、より更に好ましくは20質量%以上、より更に好ましくは22質量%以上、より更に好ましくは25質量%以上、より更に好ましくは30質量%以上、そして、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは60質量%以下、より更に好ましくは50質量%以下である。前記モル比や質量比を満たした上で、(B)成分の含有量がこれらの範囲にあることが好ましい。
【0031】
本発明のモノハロゲノアミン製造用組成物は、(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計質量中、(C)成分の質量の割合、即ち、(C)成分の質量×100/[(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計質量]が、モノハロゲノアミンの生成率及び白濁の抑制の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上、より更に好ましくは5質量%以上、より更に好ましくは10質量%以上、より更に好ましくは15質量%以上、より更に好ましくは20質量%以上、そして、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは45質量%以下である。前記モル比を満たした上で、(C)成分の含有量がこれらの範囲にあることが好ましい。
【0032】
本発明のモノハロゲノアミン製造用組成物は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を、それぞれ分離して保持する用時調製型モノハロゲノアミン製造用物品から、使用直前に調製しても良い。
【0033】
本発明のモノハロゲノアミン製造用組成物は、モノクロラミンの製造用として好適である。
本発明のモノハロゲノアミン製造用組成物は、水と混合するだけでモノクロラミン等のハロゲノアミンを速やかに合成することができる。
本発明のモノハロゲノアミン製造用組成物は、殺菌剤用組成物として使用しても良い。
【0034】
なお、(A)成分、(B)成分及び(C)成分は、取扱い性の観点から、それぞれ固体であることが好ましい。(A)成分、(B)成分及び(C)成分について、それぞれが固体であるということは、室温、例えば20℃において固体であることをいう。また、(A)成分、(B)成分又は(C)成分が他の固体に担持されて実質的に固体であると認識できる状態も、固体に含めることができる。
【0035】
本発明のモノハロゲノアミン製造用組成物は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有する一剤型であってよい。
また、本発明のモノハロゲノアミン製造用組成物は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分から選ばれる2種を含有する剤と、残りの1種を含有する剤とからなる、二剤型であってよい。
また、本発明のモノハロゲノアミン製造用組成物は、(A)成分を含有する剤、(B)成分を含有する剤、(C)成分を含有する剤からなる、三剤型であってよい。
【0036】
本発明のモノハロゲノアミン製造用組成物は、好ましくは、(A)成分及び(C)成分を含有する剤と、(B)成分を含有する剤とからなる、二剤型である。
また、本発明のモノハロゲノアミン製造用組成物は、好ましくは、(A)成分を含有する剤と、(B)成分及び(C)成分を含有する剤とからなる、二剤型である。
また、本発明のモノハロゲノアミン製造用組成物は、好ましくは、(A)成分を含有する剤、(B)成分を含有する剤、(C)成分を含有する剤とからなる、三剤型である。
【0037】
本発明のモノハロゲノアミン製造用組成物は、扱いやすさの観点から、温度が、好ましくは0℃以上、より好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上、そして、安全性の観点から、好ましくは80℃以下、より好ましくは60℃以下、より好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下の水と混合して用いる。また、本発明のモノハロゲノアミン製造用組成物は、モノハロゲノアミンの生成率の観点から、温度が、好ましくは40℃以下、より好ましくは30℃以下、より好ましくは10℃以下の水と混合して用いる。
【0038】
本発明のモノハロゲノアミン製造用組成物は、モノハロゲノアミン生成率に悪影響を与えない範囲で、(A)成分、(B)成分及び(C)成分以外の成分を含有することができる。その他の成分として、香料、色素などを含有してよい。
【0039】
本発明のモノハロゲノアミン製造用組成物は、モノハロゲノアミン生成率及び安定性に悪影響を与えない範囲に限り、水及び溶媒を含有してよい。
【0040】
本発明のモノハロゲノアミン製造用組成物は、実質的に(A)成分、(B)成分及び(C)成分からなるモノハロゲノアミン製造用組成物であってよい。
【0041】
本発明のモノハロゲノアミン製造用組成物は、組成物中の(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計含有量が、好ましくは10質量%以上、より好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、より好ましくは99質量%以上である。
【0042】
本発明は、本発明のモノハロゲノアミン製造用組成物を含んで構成される、一剤型のモノハロゲノアミン製造用物品を提供する。
また、本発明は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分のうち2種を含有する第1の組成物と、(A)成分、(B)成分及び(C)成分のうち第1の組成物が含まない残りの1種を含有する第2の組成物とを、分離した状態で含んで構成される、二剤型のモノハロゲノアミン製造用物品を提供する。
また、本発明は、(A)成分を含有する第1の組成物と、(B)成分を含有する第2の組成物と、(C)成分を含有する第3の組成物とを、分離した状態で含んで構成される、三剤型のモノハロゲノアミン製造用物品を提供する。
本発明のモノハロゲノアミン製造用物品は、好ましくは、一剤型のモノハロゲノアミン製造用物品である。
また、本発明のモノハロゲノアミン製造用物品は、好ましくは、(A)成分及び(C)成分を含有する第1の組成物と、(B)成分を含有する第2の組成物とを、分離した状態で含んで構成される、二剤型のモノハロゲノアミン製造用物品である。
また、本発明のモノハロゲノアミン製造用物品は、好ましくは、(A)成分を含有する第1の組成物と、(B)成分及び(C)成分を含有する第2の組成物とを、分離した状態で含んで構成される、二剤型のモノハロゲノアミン製造用物品である。
また、本発明のモノハロゲノアミン製造用物品は、好ましくは、(A)成分を含有する第1の組成物と、(B)成分を含有する第2の組成物と、(C)成分を含有する第3の組成物とを、分離した状態で含んで構成される、三剤型のモノハロゲノアミン製造用物品である。
本発明のモノハロゲノアミン製造用組成物で述べた事項、及び本発明のモノハロゲノアミンの製造方法で述べる事項は、適宜、これらのモノハロゲノアミン製造用物品に組み込むことができる。
【0043】
〔モノハロゲノアミンの製造方法〕
本発明は、(A)水に溶解させた時に次亜ハロゲン酸及び/又は次亜ハロゲン酸イオンを放出する化合物〔以下、(A)成分という〕と、(B)N
+−H結合を有する化合物〔以下、(B)成分という〕と、(C)アルカリ土類金属水酸化物〔以下、(C)成分という〕と、水とを混合して、(A)成分と(B)成分とを反応させる、モノハロゲノアミンの製造方法であって、
(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を、(A)成分より生成する次亜ハロゲン酸量及び次亜ハロゲン酸イオン量(理論生成モル数)と(C)成分に由来する水酸化物イオン量(理論生成モル数)との和が、(B)成分中のN
+−Hイオン量(理論生成モル数)に対して、モル比で、4.0以下となるように混合する、
モノハロゲノアミンの製造方法を提供する。
本発明のモノハロゲノアミンの製造方法には、本発明のモノハロゲノアミン製造用組成物で述べた事項を適宜適用することができる。
【0044】
本発明のモノハロゲノアミンの製造方法は、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分と、水とを、所定条件で混合するモノハロゲノアミンの製造方法である。(A)成分と、(B)成分と、(C)成分と、水とを混合することで、(A)成分の水に溶解させた時に次亜ハロゲン酸及び/又は次亜ハロゲン酸イオンを放出する化合物と(B)成分のN
+−H結合を有する化合物とが、(C)成分のアルカリ土類金属水酸化物の存在下、水中で反応する。
【0045】
本発明のモノハロゲノアミンの製造方法は、水と混合する(A)成分、(B)成分及び(C)成分について、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を、(A)成分より生成する次亜ハロゲン酸量及び次亜ハロゲン酸イオン量(理論生成モル数)と(C)成分に由来する水酸化物イオン量(理論生成モル数)との和が、(B)成分中のN
+−Hイオン量(理論生成モル数)に対して、モル比で、4.0以下となるように混合する。すなわち、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を、〔(A)+(C)〕/(B)のモル比が4.0以下となるように混合する。〔(A)+(C)〕/(B)のモル比は、好ましくは3.8以下、より好ましくは3.5以下、さらに好ましくは3.0以下、より更に好ましくは2.5以下、より更に好ましくは2.0以下、より更に好ましくは1.5以下、より更に好ましくは1.0以下、より更に好ましくは0.8以下、そして、モノハロゲノアミンの生成率の観点から、好ましくは0.005以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.1以上、より更に好ましくは0.3以上、より更に好ましくは0.5以上、より更に好ましくは0.8以上、より好ましくは1.0以上である。
【0046】
〔(A)+(C)〕/(B)のモル比は、水との混合に用いる(A)成分の全量、(B)成分の全量、及び(C)成分の全量に基づいて前記の次亜ハロゲン酸量と各成分のイオン量を算出し、それらの値に基づいて算出することができる。例えば、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の仕込み量から、前記モル比を計算することができる。
【0047】
なお、本発明のモノハロゲノアミンの製造方法においても、(A)成分、(B)成分及び(C)成分は、それぞれ固体であることが好ましい。(A)成分、(B)成分及び(C)成分について、それぞれが固体であるということは、室温、例えば20℃において固体であることをいう。また、(A)成分、(B)成分又は(C)成分が他の固体に担持されて実質的に固体であると認識できる状態も、固体に含めることができる。
【0048】
本発明のモノハロゲノアミンの製造方法は、本発明のモノハロゲノアミン製造用組成物を用いて行うことができる。
本発明のモノハロゲノアミン製造用組成物で述べた事項は、適宜、本発明のモノハロゲノアミンの製造方法に組み込むことができる。
本発明のモノハロゲノアミンの製造方法に用いる(A)成分と、(B)成分と、(C)成分のそれぞれの好ましい態様、(A)/(B)モル比、(C)/(B)モル比、(A)成分と(B)成分の質量比[(A)/(B)]等の好ましい範囲は、モノハロゲノアミン製造用組成物と同じである。
【0049】
水中での(A)成分及び(B)成分のそれぞれの濃度は、モノハロゲノアミンの用途及び使用方法を考慮して決定することが好ましい。
(A)成分及び(B)成分の仕込み量から計算される水中で生成するモノハロゲノアミンの理論濃度は、得られたモノハロゲノアミンを殺菌剤として使用する観点から、好ましくは100μg/L以上、より好ましくは1mg/L以上、更に好ましくは10mg/L以上、より更に好ましくは100mg/L以上、より更に好ましくは200mg/L以上、より更に好ましくは500mg/L以上、より更に好ましくは750mg/L以上、取扱い性及びモノハロゲノアミンの生成率の観点から、好ましくは100g/L以下、より好ましくは50g/L以下、更に好ましくは20g/L以下、より更に好ましくは10g/L以下、より更に好ましくは5g/L以下である。この理論濃度となる量で(A)成分と(B)成分とを用いることが好ましい。
理論モノハロゲノアミン生成濃度は、(A)成分より生成する次亜ハロゲン酸量及び次亜ハロゲン酸イオン量(理論生成モル数)又は(B)成分中のN
+−Hイオン量(理論生成モル数)の少ない方の値に、モノハロゲノアミン分子の分子量を掛けて、水量で割った濃度として定義される。
また、水中で、実際に生成するモノハロゲノアミンの濃度は、得られたモノハロゲノアミンを殺菌剤として使用する観点から、好ましくは100μg/L以上、より好ましくは1mg/L以上、更に好ましくは10mg/L以上、より更に好ましくは100mg/L以上、より更に好ましくは200mg/L以上、より更に好ましくは500mg/L以上、より更に好ましくは700mg/L以上、より更に好ましくは750mg/L以上、取扱い性及びモノハロゲノアミンの生成率の観点から、好ましくは100g/L以下、より好ましくは50g/L以下、更に好ましくは20g/L以下、より更に好ましくは10g/L以下、より更に好ましくは5g/L以下である。
【0050】
本発明のモノハロゲノアミンの製造方法では、(A)成分、(B)成分、(C)成分と水とを混合する順序に限定はないが、白濁抑制の観点から、(A)成分の少なくとも一部と(C)成分の少なくとも一部とを含む水に、(B)成分を溶解させることが好ましい。
即ち、水中で、(A)成分の少なくとも一部及び(C)成分の少なくとも一部と、(B)成分の少なくとも一部とが未反応の状態で存在するように、(A)成分、(B)成分、(C)成分を、水と混合することが好ましい。ここでの反応とは、(A)成分と(B)成分とのモノハロゲノアミンの生成反応及び(C)成分と(B)成分との中和反応のことである。
【0051】
(A)成分、(B)成分及び(C)成分と混合する水の温度は、扱いやすさの観点から、好ましくは0℃以上、より好ましくは5℃以上、更に好ましくは10℃以上、そして、安全性の観点から、好ましくは80℃以下、より好ましくは60℃以下、更に好ましくは50℃以下、より更に好ましくは40℃以下である。また、反応中もこの温度を維持することが好ましい。(A)成分、(B)成分及び(C)成分と混合する水の温度は、モノハロゲノアミンの生成率の観点から、40℃以下が好ましく、30℃以下がより好ましく、10℃以下がより好ましい。
【0052】
本発明のモノハロゲノアミンの製造方法では、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を、それぞれ固体で、水と混合することが好ましい。(A)成分、(B)成分及び(C)成分は、同時に水と混合しても良く、別々に水と混合しても良い。前記のように、(A)成分の少なくとも一部と、(C)成分の少なくとも一部とを含む水の存在下に、(B)成分を前記水に溶解させることが好ましい。
【0053】
本発明のモノハロゲノアミンの製造方法は、モノクロラミンの製造方法として好適である。
本発明のモノハロゲノアミンの製造方法は、(A)成分、(B)成分、(C)成分を、所定の前記モル比の条件下で、水と混合するだけでモノクロラミン等のモノハロゲノアミンを速やかに製造することができる。
本発明のモノハロゲノアミンの製造方法は、殺菌剤の製造方法として実施しても良い。
【0054】
本発明では、反応終了後の反応液のpHが8.0以上となるように(A)成分と(B)成分とを、(C)成分の存在下で、反応させることが、モノハロゲノアミンの生成率を向上させる観点から好ましい。反応終了後の反応液のpHは、モノハロゲノアミンの生成率の観点から、好ましくは8.0以上、より好ましくは8.5以上、更に好ましくは9.0以上、より更に好ましくは9.3以上、より更に好ましくは10.0以上、そして、白濁の抑制の観点から、好ましくは13.0以下、より好ましくは12.8以下、更に好ましくは12.5以下、より更に好ましくは12.4以下、より更に好ましくは12.0以下、より更に好ましくは11.5以下、より更に好ましくは11.0以下、より更に好ましくは10.0以下である。反応終了後の反応液のpHは、反応終了後の反応液の水相部分のpHである。
本発明において、反応終了後とは、反応液中のモノハロゲノアミンの量に増加が認められなくなった時点及びそれ以後をいう。反応液中のモノハロゲノアミンの量は、一般的な手法により定量することができる。
【0055】
本発明では、得られたモノハロゲノアミンを、殺菌剤として、浴場水、プール、バラスト水、製紙分野の白水等に添加して使用することが好ましい。また、モノハロゲノアミンを含む反応生成物をそのまま殺菌剤として用いることもできる。また、殺菌対象となる水中で本発明を実施して当該水を殺菌することができる。
【0056】
以下に、本発明の態様を例示する。これらの態様には、本発明のモノハロゲノアミン製造用組成物、及びモノハロゲノアミンの製造方法で述べた事項を適宜適用することができる。
<1>
(A)水に溶解させた時に次亜ハロゲン酸及び/又は次亜ハロゲン酸イオンを放出する化合物〔以下、(A)成分という〕と、(B)N
+−H結合を有する化合物〔以下、(B)成分という〕と、(C)アルカリ土類金属水酸化物〔以下、(C)成分という〕とを含有し、
(A)成分より生成する次亜ハロゲン酸量及び次亜ハロゲン酸イオン量(理論生成モル数)と(C)成分に由来する水酸化物イオン量(理論生成モル数)との和が、(B)成分中のN
+−Hイオン量(理論生成モル数)に対して、モル比で、4.0以下である、
モノハロゲノアミン製造用組成物。
【0057】
<2>
(A)成分が固体化合物である、<1>記載のモノハロゲノアミン製造用組成物。
【0058】
<3>
(A)成分が、(A1)ハロゲン化イソシアヌル酸及びその塩、(A2)ハロゲン化ヒダントイン及び(A3)次亜ハロゲン酸塩から選ばれる一種以上の化合物である、<1>又は<2>記載のモノハロゲノアミン製造用組成物。
【0059】
<4>
(A)成分が、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸カリウム、トリクロロイソシアヌル酸、クロロジメチルヒダントイン、ジクロロジメチルヒダントイン、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸マグネシウム、塩化次亜塩素酸カルシウム、及び塩化次亜塩素酸マグネシウムから選ばれる化合物である、<1>〜<3>の何れかに記載のモノハロゲノアミン製造用組成物。
【0060】
<5>
(A)成分の粒子の平均粒径は、好ましくは0.005mm以上、より好ましくは0.01mm以上、より好ましくは0.02mm以上、そして、反応性の観点から、好ましくは5cm以下、より好ましくは1cm以下、更に好ましくは7mm、更に好ましくは5mm以下、更に好ましくは3mm以下、更に好ましくは1mm以下、更に好ましくは0.2mm以下である、<1>〜<4>の何れかに記載のモノハロゲノアミン製造用組成物。
【0061】
<6>
(B)成分が固体化合物である、<1>〜<5>の何れかに記載のモノハロゲノアミン製造用組成物。
【0062】
<7>
(B)成分が、アンモニウム塩又はスルファミン酸である、更にアンモニウム塩である、<1>〜<6>の何れかに記載のモノハロゲノアミン製造用組成物。
【0063】
<8>
(B)成分が、アンモニウムイオン(NH
4+)を含むアンモニウム塩及び有機アンモニウムイオンを含むアンモニウム塩から選ばれる化合物である、<1>〜<7>の何れかに記載のモノハロゲノアミン製造用組成物。
【0064】
<9>
(B)成分が、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸三アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、硝酸アンモニウム、臭化アンモニウム、ヨウ化アンモニウム、炭酸アンモニウム及び炭酸水素アンモニウムから選ばれる化合物である、<1>〜<8>の何れかに記載のモノハロゲノアミン製造用組成物。
【0065】
<10>
(B)成分の平均粒径が、好ましくは0.005mm以上、より好ましくは0.01mm以上、更に好ましくは0.05mm以上、より更に好ましくは0.1mm以上、より更に好ましくは0.5mm以上、そして、好ましくは3cm以下、より好ましくは8mm以下、更に好ましくは3mm以下である、<1>〜<9>の何れかに記載のモノハロゲノアミン製造用組成物。
【0066】
<11>
(C)成分が、固体のアルカリ土類金属水酸化物である、<1>〜<10>の何れかに記載のモノハロゲノアミン製造用組成物。
【0067】
<12>
(C)成分のアルカリ土類金属水酸化物が、水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムから選ばれる化合物である、更に、水酸化カルシウムである、<11>に記載のモノハロゲノアミン製造用組成物。
【0068】
<13>
(C)成分の平均粒径が、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上、更に好ましくは5μm以上、そして、好ましくは1cm以下、より好ましくは1mm以下、更に好ましくは0.1mm以下である、<1>〜<12>の何れかに記載のモノハロゲノアミン製造用組成物。
【0069】
<14>
(A)成分より生成する次亜ハロゲン酸量及び次亜ハロゲン酸イオン量(理論生成モル数)と(C)成分に由来する水酸化物イオン量(理論生成モル数)との和が、(B)成分中のN
+−Hイオン量(理論生成モル数)に対して、モル比で、4.0以下、好ましくは3.8以下、より好ましくは3.5以下、さらに好ましくは3.0以下、より更に好ましくは2.5以下、より更に好ましくは2.0以下、より更に好ましくは1.5以下、より更に好ましくは1.0以下、より更に好ましくは0.8以下、そして、好ましくは0.005以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.1以上、より更に好ましくは0.3以上、より更に好ましくは0.5以上、より更に好ましくは0.8以上、より好ましくは1.0以上である、<1>〜<13>の何れかに記載のモノハロゲノアミン製造用組成物。
【0070】
<15>
(C)成分に由来する水酸化物イオン量(理論生成モル数)が、(B)成分中のN
+−Hイオン量(理論生成モル数)に対して、モル比で、好ましくは0.005以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.1以上、より更に好ましくは0.2以上、より更に好ましくは0.6以上、より更に好ましくは0.8以上、より更に好ましくは1.0以上、そして、好ましくは3.5以下、より好ましくは3.0以下、更に好ましくは2.0以下、より更に好ましくは1.5以下、より更に好ましくは1.3以下である、<1>〜<14>の何れかに記載のモノハロゲノアミン製造用組成物。
【0071】
<16>
(A)成分より生成する次亜ハロゲン酸量及び次亜ハロゲン酸イオン量(理論生成モル数)の和が、(B)成分中のN
+−Hイオン量(理論生成モル数)に対して、モル比で、モル比で、好ましくは0.005以上、より好ましくは0.01以上、更に好ましくは0.03以上、より更に好ましくは0.1以上、より更に好ましくは0.3以上、そして、好ましくは3.5以下、更に好ましくは3以下、更に好ましくは1.5以下、更に好ましくは1.3以下、更に好ましくは1.0以下である、<1>〜<15>の何れかに記載のモノハロゲノアミン製造用組成物。
【0072】
<17>
(A)成分と(B)成分の質量比[(A)/(B)]が、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.5以上、そして、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、より好ましくは2以下、更に好ましくは1.5以下である、<1>〜<16>の何れかに記載のモノハロゲノアミン製造用組成物。
【0073】
<18>
(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計質量中、(A)成分の質量の割合、即ち、(A)成分の質量×100/[(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計質量]が、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、より更に好ましくは15質量%以上、より更に好ましくは20質量%以上、より更に好ましくは25質量%以上、より更に好ましくは35質量%以上、そして、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは60質量%以下、より更に好ましくは50質量%以下である、<1>〜<17>の何れかに記載のモノハロゲノアミン製造用組成物。
【0074】
<19>
(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計質量中、(B)成分の質量の割合、即ち、(B)成分の質量×100/[(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計質量]が、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、より更に好ましくは20質量%以上、より更に好ましくは22質量%以上、より更に好ましくは25質量%以上、より更に好ましくは30質量%以上、そして、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは60質量%以下、より更に好ましくは50質量%以下である、<1>〜<18>の何れかに記載のモノハロゲノアミン製造用組成物。
【0075】
<20>
(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計質量中、(C)成分の質量の割合、即ち、(C)成分の質量×100/[(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計質量]が、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上、より更に好ましくは5質量%以上、より更に好ましくは10質量%以上、より更に好ましくは15質量%以上、より更に好ましくは20質量%以上、そして、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは45質量%以下である、<1>〜<19>の何れかに記載のモノハロゲノアミン製造用組成物。
【0076】
<21>
(A)成分、(B)成分及び(C)成分が、それぞれ固体である、<1>〜<20>の何れかに記載のモノハロゲノアミン製造用組成物。
【0077】
<22>
(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有する一剤型である、<1>〜<21>の何れかに記載のモノハロゲノアミン製造用組成物。
【0078】
<23>
(A)成分、(B)成分及び(C)成分から選ばれる2種を含有する剤と、残りの1種を含有する剤とからなる、二剤型である、<1>〜<21>の何れかに記載のモノハロゲノアミン製造用組成物。
【0079】
<24>
(A)成分を含有する剤、(B)成分を含有する剤、(C)成分を含有する剤からなる、三剤型である、<1>〜<21>の何れかに記載のモノハロゲノアミン製造用組成物。
【0080】
<25>
組成物中の(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計含有量が、好ましくは10質量%以上、より好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、より好ましくは99質量%以上である、<1>〜<24>の何れかに記載のモノハロゲノアミン製造用組成物。
【0081】
<26>
(A)水に溶解させた時に次亜ハロゲン酸及び/又は次亜ハロゲン酸イオンを放出する化合物〔以下、(A)成分という〕と、(B)N
+−H結合を有する化合物〔以下、(B)成分という〕と、(C)アルカリ土類金属水酸化物〔以下、(C)成分という〕と、水とを混合して、(A)成分と(B)成分とを反応させる、モノハロゲノアミンの製造方法であって、
(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を、(A)成分より生成する次亜ハロゲン酸量及び次亜ハロゲン酸イオン量(理論生成モル数)と(C)成分に由来する水酸化物イオン量(理論生成モル数)との和が、(B)成分中のN
+−Hイオン量(理論生成モル数)に対して、モル比で、4.0以下となるように混合する、
モノハロゲノアミンの製造方法。
【0082】
<27>
(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を、(A)成分より生成する次亜ハロゲン酸量及び次亜ハロゲン酸イオン量(理論生成モル数)と(C)成分に由来する水酸化物イオン量(理論生成モル数)との和が、(B)成分中のN
+−Hイオン量(理論生成モル数)に対して、モル比で、4.0以下、好ましくは3.8以下、より好ましくは3.5以下、さらに好ましくは3.0以下、より更に好ましくは2.5以下、より更に好ましくは2.0以下、より更に好ましくは1.5以下、より更に好ましくは1.0以下、より更に好ましくは0.8以下、そして、好ましくは0.005以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.1以上、より更に好ましくは0.3以上、より更に好ましくは0.5以上、より更に好ましくは0.8以上、より好ましくは1.0以上となるように混合する、<26>に記載のモノハロゲノアミンの製造方法。
【0083】
<28>
(A)成分と(B)成分を、(A)成分より生成する次亜ハロゲン酸量及び次亜ハロゲン酸イオン量(理論生成モル数)の和が、(B)成分中のN
+−Hイオン量(理論生成モル数)に対して、モル比で、好ましくは0.005以上、より好ましくは0.01以上、更に好ましくは0.03以上、より更に好ましくは0.1以上、より更に好ましくは0.3以上、そして、好ましくは3.5以下、更に好ましくは3以下、更に好ましくは1.5以下、更に好ましくは1.3以下、更に好ましくは1.0以下となるように混合する、<26>又は<27>に記載のモノハロゲノアミンの製造方法。
【0084】
<29>
(A)成分と(B)成分を、(A)成分と(B)成分の質量比[(A)/(B)]が、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.5以上、そして、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、より好ましくは2以下、更に好ましくは1.5以下となるように混合する、<26>〜<28>の何れかに記載のモノハロゲノアミンの製造方法。
【0085】
<30>
(B)成分と(C)成分を、(C)成分に由来する水酸化物イオン量(理論生成モル数)が、(B)成分中のN
+−Hイオン量(理論生成モル数)に対して、モル比で、好ましくは0.005以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.1以上、より更に好ましくは0.2以上、より更に好ましくは0.6以上、より更に好ましくは0.8以上、より更に好ましくは1.0以上、そして、好ましくは3.5以下、より好ましくは3.0以下、更に好ましくは2.0以下、より更に好ましくは1.5以下、より更に好ましくは1.3以下となるように混合する、<26>〜<29>の何れかに記載のモノハロゲノアミンの製造方法。
【0086】
<31>
(A)成分及び(B)成分の仕込み量から計算される水中で生成するモノハロゲノアミンの理論濃度が、好ましくは100μg/L以上、より好ましくは1mg/L以上、更に好ましくは10mg/L以上、より更に好ましくは100mg/L以上、より更に好ましくは200mg/L以上、より更に好ましくは500mg/L以上、より更に好ましくは750mg/L以上、そして、好ましくは100g/L以下、より好ましくは50g/L以下、更に好ましくは20g/L以下、より更に好ましくは10g/L以下、より更に好ましくは5g/L以下である、<26>〜<30>の何れかに記載のモノハロゲノアミンの製造方法。
【0087】
<32>
(A)成分の少なくとも一部と(C)成分の少なくとも一部とを含む水に、(B)成分を溶解させる、<26>〜<31>の何れかに記載のモノハロゲノアミンの製造方法。
【0088】
<33>
水中で、(A)成分の少なくとも一部及び(C)成分の少なくとも一部と、(B)成分の少なくとも一部とが未反応の状態で存在するように、(A)成分、(B)成分、(C)成分を、水と混合する、<26>〜<31>の何れかに記載のモノハロゲノアミンの製造方法。
【0089】
<34>
(A)成分、(B)成分及び(C)成分と混合する水の温度が、好ましくは0℃以上、より好ましくは5℃以上、更に好ましくは10℃以上、そして、好ましくは80℃以下、より好ましくは60℃以下、更に好ましくは50℃以下、より更に好ましくは40℃以下である、<26>〜<33>の何れかに記載のモノハロゲノアミンの製造方法。
【0090】
<35>
反応終了後の反応液のpHが、好ましくは8.0以上、より好ましくは8.5以上、更に好ましくは9.0以上、より更に好ましくは9.3以上、より更に好ましくは10.0以上、そして、好ましくは13.0以下、より好ましくは12.8以下、更に好ましくは12.5以下、より更に好ましくは12.4以下、より更に好ましくは12.0以下、より更に好ましくは11.5以下、より更に好ましくは11.0以下、より更に好ましくは10.0以下である、<26>〜<34>の何れかに記載のモノハロゲノアミンの製造方法。
【0091】
<36>
<1>〜<25>の何れかに記載の組成物の、モノハロゲノアミン製造用組成物として使用。
【実施例】
【0092】
〔配合成分〕
実施例、比較例で用いた成分は以下のものである。
(A)成分
・次亜塩素酸カルシウム:関東化学(株) 試薬鹿1級 高度さらし粉、有効塩素69.0 %、平均粒径0.02mm(光学顕微鏡、100個の平均、長径を測定)
次亜塩素酸カルシウムの有効塩素測定は、HACH社 ポケット残留塩素計で行った。
【0093】
(B)成分
・塩化アンモニウム:シグマ アルドリッチ ジャパン(株) 試薬特級 塩化アンモニウム、平均粒径1mm(光学顕微鏡、100個の平均、長径を測定)
【0094】
(C)成分
・水酸化カルシウム:和光純薬工業(株) 試薬特級 水酸化カルシウム、平均粒径0.02mm(光学顕微鏡、100個の平均、長径を測定)
【0095】
〔評価方法〕
(1)モノクロラミンの生成量
表1の成分を水に混合した後、JIS K 0400-33-10:1999に記載のモノクロロアミン体結合塩素の定量を行い、モノクロラミンの生成量を得た。
【0096】
(2)白濁の抑制
反応液の透過率を、(株)日立ハイテクサイエンス社 U-3900H型分光光度計を用い、光路長10 mmの条件で660 nmの吸光度を測定し、変換することで得た。
実施例4、比較例2については、表1の使用量の混合物をモノクロラミンの理論濃度が0.75g/Lになるように水で希釈した場合の倍率で、反応液を水で希釈した希釈液について、透過率を測定して白濁の抑制を評価した。
【0097】
実施例1
イオン交換水100mLを撹拌しながら(マグネチックスターラー400 rpm、25℃、以下同じ条件)、次亜塩素酸カルシウム0.150 gと水酸化カルシウム0.170 gと塩化アンモニウム0.100 gを、この順序で入れた。10分間撹拌した後の反応液について、前記の方法でモノクロロアミン体結合塩素の定量を行い、モノクロラミンの生成を確認した。また、前記の方法で透過率を測定した。透過率は62 %であった。実施例1の条件や結果を表1に示した。
【0098】
実施例2、3、5、6、比較例1
実施例2、3、5、6、比較例1は、各成分を表1の使用量で用い、実施例1と同様に行った。実施例2、3、5、6、比較例1の条件や結果を表1に示した。
【0099】
実施例4
イオン交換水100mLを撹拌しながら、次亜塩素酸カルシウム3.00 gと水酸化カルシウム5.00 gと塩化アンモニウム6.00 gを、この順序で入れた。10分間撹拌した後の反応液の希釈液について、前記の方法でモノクロロアミン体結合塩素の定量を行い、モノクロラミンの生成を確認した。また、前記の方法で透過率を測定した。透過率は74 %であった。実施例4の条件や結果を表1に示した。
【0100】
比較例2
比較例2は、各成分を表1中の使用量で用い、実施例4と同様に行った。比較例2の条件や結果を表1に示した。
【0101】
【表1】