【文献】
Spang, HCL, et al.,Heterodimeric Barnase-Barstar Vaccine Molecules: Influence of One versus Two Targeting Units Specific for Antigen Presenting Cells,PLoS One,2012年,7(9),e45393
【文献】
Margalit, A., et al.,Induction of Antitumor Immunity by CTL Epitopes Genetically Linked to Membrane-Anchored β2-Microglobulin,J. Immunol,2006年,176,217-224
【文献】
Wen, F., et al.,Construction and Screening of an Antigen-Derived Peptide Library Displayed on Yeast Cell Surface for CD4+ T Cell Epitope Identification,Immunoproteomics,2013年,245-264
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(i)レンチウイルス様粒子または(ii)レンチウイルスであって、前記レンチウイルス様粒子またはレンチウイルスに会合している哺乳動物細胞膜部分および哺乳動物膜貫通ドメインを介して、発現産物に物理的に会合しており、前記発現産物が、N末端からC末端の順に、
5〜20アミノ酸のペプチド、
これに隣接する第1のリンカーペプチド配列、
これに隣接するβ2ミクログロブリン配列、
これに隣接する第2のリンカーペプチド配列、
これに隣接するクラスI主要組織適合複合体重鎖配列、
これに隣接する第3のリンカーペプチド配列、
これに隣接する、蛍光タンパク質、または免疫グロブリンFcドメインの配列、
これに隣接する第4のリンカーペプチド配列、
これに隣接する前記哺乳動物膜貫通ドメイン、
これに隣接する、GP41エンベロープタンパク質の残基706〜713を含むウイルスパッケージング配列
を含む、前記レンチウイルス様粒子またはレンチウイルス。
それに形質導入若しくはトランスフェクトした異種核酸の発現産物を発現する単離された懸濁適合細胞、または前記発現産物を発現するそのような細胞の膜結合部分であって、前記発現産物が、N末端からC末端の順に、
5〜20アミノ酸のペプチド、
これに隣接する第1のリンカーペプチド配列、
これに隣接するβ2ミクログロブリン配列、
これに隣接する第2のリンカーペプチド配列、
これに隣接するクラスI主要組織適合複合体重鎖配列、
これに隣接する第3のリンカーペプチド配列、
これに隣接する、蛍光タンパク質、または免疫グロブリンFcドメインの配列、
これに隣接する第4のリンカーペプチド配列、
これに隣接する哺乳動物膜貫通ドメイン、
これに隣接する、GP41エンベロープタンパク質の残基706〜713を含むウイルスパッケージング配列
を含む、前記単離された懸濁適合細胞または細胞の膜結合部分。
前記細胞が、前記免疫グロブリンFcドメインの配列を含む前記発現産物を発現する、請求項4〜6のいずれか一項に記載の、単離された懸濁適合細胞または前記発現産物を発現するそのような細胞の膜結合部分。
前記細胞が、前記蛍光タンパク質を含む前記発現産物を発現する、請求項4〜6のいずれか一項に記載の、単離された懸濁適合細胞または前記発現産物を発現するそのような細胞の膜結合部分。
前記哺乳動物膜貫通ドメインが主要組織適合複合体重鎖膜貫通ドメインである、請求項4〜8のいずれか一項に記載の単離された懸濁適合細胞、または前記発現産物を発現するそのような細胞の膜結合部分。
少なくとも2つの異なるコードされた5〜20アミノ酸のペプチドを含む、複数の請求項4〜9のいずれか一項に記載の単離された懸濁適合細胞、または、前記発現産物を発現するそのような細胞の複数の膜結合部分であって、前記コードされた1つのペプチド若しくは複数の前記コードされたペプチドが前記細胞の細胞外表面上に提示される、前記複数の懸濁適合細胞または複数の膜結合部分。
T細胞と、少なくとも2つの細胞を含む、複数の請求項4〜11のいずれか一項に記載の単離された懸濁適合細胞もしくは発現産物を発現するそのような細胞の膜結合部分とを、またはそのような細胞の膜部分に会合した請求項1〜3のいずれか一項に記載のレンチウイルス様粒子もしくはレンチウイルスとを接触させる工程、
懸濁適合細胞または膜結合部分と複合体を形成しているT細胞を回収する工程、
前記懸濁適合細胞からDNAを回収する工程、
回収した前記DNAを配列決定する工程、および
前記DNAにコードされた5〜20アミノ酸のペプチドを同定して、それによりT細胞エピトープを同定する工程
を含む、T細胞エピトープを同定する方法。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、5'から3'の順に、
リーダーオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、8、9、10、11または12アミノ酸のペプチドをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第1のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、β2ミクログロブリン配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第2のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、主要組織適合複合体重鎖配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第3のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、蛍光タンパク質をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第4のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、主要組織適合複合体重鎖膜貫通ドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列
を含む異種核酸により形質導入またはトランスフェクトされた、単離された懸濁適合細胞を提供する。
【0009】
本発明はまた、それに形質導入またはトランスフェクトした異種核酸の発現産物を発現する、単離された懸濁適合細胞を提供し、発現産物が、N末端からC末端の順に、
これに隣接する8、9、10、11または12アミノ酸のペプチド、
これに隣接する第1のリンカーペプチド配列、
これに隣接するβ2ミクログロブリン配列、
これに隣接する第2のリンカーペプチド、
これに隣接する主要組織適合複合体重鎖配列、
これに隣接する第3のリンカーペプチド配列、
これに隣接する蛍光タンパク質配列、
これに隣接する第4のリンカーペプチド配列、
これに隣接する主要組織適合複合体重鎖膜貫通ドメイン
を含む。
【0010】
また、5'から3'の順に、
リーダーオリゴヌクレオチド配列をコードする配列、
これに隣接する、8、9、10、11または12アミノ酸のペプチドをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第1のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、β2ミクログロブリン配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第2のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する主要組織適合複合体重鎖配列、
これに隣接する第3のリンカーペプチド配列、
これに隣接する蛍光タンパク質、
これに隣接する第4のリンカーペプチド配列、
これに隣接する主要組織適合複合体重鎖膜貫通ドメインを含む、組換え核酸が提供される。
【0011】
また、T細胞と、それに形質導入またはトランスフェクトした異種核酸の発現産物を各々が発現する、少なくとも2つの細胞を含む複数の単離された懸濁適合細胞とを接触させる工程であって、その発現産物の各々が、8、9、10、11または12アミノ酸のペプチド、これに隣接する第1のリンカーペプチド配列、これに隣接するβ2ミクログロブリン配列、これに隣接する第2のリンカーペプチド配列、これに隣接する主要組織適合複合体重鎖配列、これに隣接する第3のリンカーペプチド配列、これに隣接する蛍光タンパク質、これに隣接する第4のリンカーペプチド配列、これに隣接する主要組織適合複合体重鎖膜貫通ドメインを含み、複数の単離された懸濁適合細胞がそれらの細胞の中で、8、9、10、11または12アミノ酸のペプチドとT細胞が結合することを可能にする条件下で、少なくとも2つの異なるコードされた8、9、10、11または12アミノ酸のペプチドを発現する、工程、
懸濁適合細胞と複合体を形成しているT細胞を回収する工程、
回収したT細胞からDNAを回収する工程、
回収したDNAを配列決定する工程、
DNAにコードされた8、9、10、11または12アミノ酸のペプチドを同定して、それによりT細胞エピトープを同定する工程
を含む、T細胞エピトープを同定する方法が提供される。
【0012】
また、5'から3'の順に、
リーダーオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、8、9、10、11または12アミノ酸のペプチドをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第1のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、β2ミクログロブリン配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第2のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、主要組織適合複合体重鎖配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第3のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、主要組織適合複合体重鎖膜貫通ドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列
を含む異種核酸により形質導入またはトランスフェクトされた、単離された懸濁適合細胞が提供される。
【0013】
また、それに形質導入またはトランスフェクトした異種核酸の発現産物を発現する、単離された懸濁適合細胞が提供され、その発現産物が、N末端からC末端の順に、
8、9、10、11または12アミノ酸のペプチド、
これに隣接する第1のリンカーペプチド配列、
これに隣接するβ2ミクログロブリン配列、
これに隣接する第2のリンカーペプチド配列、
これに隣接する主要組織適合複合体重鎖配列、
これに隣接する第3のリンカーペプチド配列、
これに隣接する主要組織適合複合体重鎖膜貫通ドメイン
を含む。
【0014】
5'から3'の順に、
リーダーオリゴヌクレオチド配列をコードする配列、
これに隣接する、8、9、10、11または12アミノ酸のペプチドをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第1のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、β2ミクログロブリン配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第2のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する主要組織適合複合体重鎖配列、
これに隣接する第3のリンカーペプチド配列、
これに隣接する主要組織適合複合体重鎖膜貫通ドメイン
を含む、組換え核酸が提供される。
【0015】
また、T細胞と、それに形質導入またはトランスフェクトした異種核酸の発現産物を各々が発現する、少なくとも2つの細胞を含む複数の単離された懸濁適合細胞とを接触させる工程であって、その発現産物の各々が、8、9、10、11または12アミノ酸のペプチド、これに隣接する第1のリンカーペプチド配列、これに隣接するβ2ミクログロブリン配列、これに隣接する第2のリンカーペプチド配列、これに隣接する主要組織適合複合体重鎖配列、これに隣接する第3のリンカーペプチド配列、これに隣接する主要組織適合複合体重鎖膜貫通ドメインを含み、複数の単離された懸濁適合細胞がそれらの細胞の中で、8、9、10、11または12アミノ酸のペプチドとT細胞が結合することに可能にする条件下で、少なくとも2つの異なるコードされた8、9、10、11または12アミノ酸のペプチドを発現する、工程、
懸濁適合細胞と複合体を形成しているT細胞を回収する工程、
回収したT細胞からDNAを回収する工程、
回収したDNAを配列決定する工程、
DNAにコードされた8、9、10、11または12アミノ酸のペプチドを同定して、それによりT細胞エピドープを同定する工程
を含む、T細胞エピトープを同定する方法が提供される。
【0016】
また、5'から3'の順に、
リーダーオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、5〜20アミノ酸のペプチドをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第1のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、β2ミクログロブリン配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第2のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、主要組織適合複合体重鎖配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第3のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、蛍光タンパク質をコードするかまたは免疫グロブリンFcドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第4のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、哺乳動物膜貫通ドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列
を含む異種核酸により形質導入またはトランスフェクトされた、単離された懸濁適合細胞が提供される。
【0017】
また、それに形質導入若しくはトランスフェクトした異種核酸の発現産物を発現する単離された懸濁適合細胞、または発現産物を発現するそのような細胞の膜結合部分が提供され、その発現産物が、N末端からC末端の順に、
5〜20アミノ酸のペプチド、
これに隣接する第1のリンカーペプチド配列、
これに隣接するβ2ミクログロブリン配列、
これに隣接する第2のリンカーペプチド配列、
これに隣接する主要組織適合複合体重鎖配列、
これに隣接する第3のリンカーペプチド配列、
これに隣接する、蛍光タンパク質、または免疫グロブリンFcドメインの配列、
これに隣接する第4のリンカーペプチド配列、
これに隣接する哺乳動物膜貫通ドメイン
を含む。
【0018】
また、それに形質導入若しくはトランスフェクトした異種核酸の発現産物を発現する単離された懸濁適合細胞、または発現産物を発現するそのような細胞の膜結合部分が提供され、その発現産物が、N末端からC末端の順に、
5〜20アミノ酸のペプチド、
これに隣接する第1のリンカーペプチド配列、
これに隣接するβ2ミクログロブリン配列、
これに隣接する第2のリンカーペプチド配列、
これに隣接する主要組織適合複合体重鎖配列、
これに隣接する第3のリンカーペプチド配列、
これに隣接する、蛍光タンパク質、または免疫グロブリンFcドメインの配列、
これに隣接する第4のリンカーペプチド配列、
これに隣接する哺乳動物膜貫通ドメイン
を含む。
【0019】
また、複数の単離された懸濁適合細胞、または、複数の発現産物を発現するような細胞の膜結合部分が提供され、当該複数が、少なくとも2つの異なるコードされた5〜20アミノ酸のペプチドを含む。
【0020】
本明細書に記載の単離された懸濁適合細胞により産生される、(i)ウイルス様粒子または(ii)ウイルスが提供され、そのウイルス様粒子またはウイルスが、それらに結合している細胞膜部分を介して哺乳動物膜貫通ドメインにより物理的に会合し、発現産物が、N末端からC末端の順に、
5〜20アミノ酸のペプチド、
これに隣接する第1のリンカーペプチド配列、
これに隣接するβ2ミクログロブリン配列、
これに隣接する第2のリンカーペプチド配列、
これに隣接する主要組織適合複合体重鎖配列、
これに隣接する第3のリンカーペプチド配列、
これに隣接する、蛍光タンパク質、または免疫グロブリンFcドメインの配列、
これに隣接する第4のリンカーペプチド配列、
これに隣接する哺乳動物膜貫通ドメイン、
これに隣接するウイルスパッケージング配列
を含む。
【0021】
また、記載された複数のウイルス様粒子または記載された複数のウイルスが提供される。
【0022】
また、5'から3'の順に、
リーダーオリゴヌクレオチド配列をコードする配列、
これに隣接する、5〜20アミノ酸のペプチドをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第1のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、β2ミクログロブリン配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第2のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、主要組織適合複合体重鎖配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第3のリンカーペプチド配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、蛍光タンパク質をコードするかまたは免疫グロブリンFcドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第4のリンカーペプチド配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、哺乳動物膜貫通ドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列
を含む、組換え核酸が提供される。
【0023】
また、5'から3'の順に、
第1のB2Mリーダー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、事前に選択された5〜20アミノ酸のペプチドをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第1のアミノ酸リンカー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、ヒト天然B2Mペプチド配列と同一のアミノ酸配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第2のアミノ酸リンカー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、事前に選択された第2のペプチド配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第3のアミノ酸リンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第2のB2Mリーダー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、MHC重鎖と同一のアミノ酸配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第4のアミノ酸リンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、免疫グロブリンFcドメインと同一のアミノ酸配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第5のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、哺乳動物膜貫通ドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列
を含む異種核酸により形質導入またはトランスフェクトされた、単離された懸濁適合細胞が提供される。
【0024】
また、それに形質導入若しくはトランスフェクトした異種核酸の発現産物を発現する単離された懸濁適合細胞、または発現産物を発現するそのような細胞の膜結合部分が提供され、その発現産物が組換えポリペプチド構築物を含み、組換えポリペプチド構築物が、(i)第1のアミノ酸リンカー配列、これに隣接する、ヒト天然B2Mペプチド配列と同一の配列を含むアミノ酸配列、これに隣接する、第2のアミノ酸リンカー配列、これに隣接する、事前に選択された第2のペプチド配列により結合された、事前に選択された5〜20のアミノ酸のペプチドを含み、(i)が、(ii)MHC重鎖の配列、これに隣接する第4のアミノ酸リンカー配列、これに隣接する、免疫グロブリンFcドメインと同一のアミノ酸配列、これに隣接する第5のアミノ酸リンカー、これに隣接する、哺乳動物膜貫通ドメインを有するアミノ酸配列に、1つまたは複数のジスルフィド結合により結合されている。
【0025】
また、5'から3'の順に、
第1のB2Mリーダー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、事前に選択された5〜20アミノ酸のペプチドをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第1のアミノ酸リンカー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、ヒト天然B2Mペプチド配列と同一のアミノ酸配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第2のアミノ酸リンカー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、事前に選択された第2のペプチド配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第3のアミノ酸リンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第2のB2Mリーダー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、MHC重鎖と同一のアミノ酸配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第4のアミノ酸リンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、免疫グロブリンFcドメインと同一のアミノ酸配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第5のアミノ酸リンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、哺乳動物膜貫通ドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、ウイルスパッケージング配列をコードするオリゴヌクレオチド
を含む異種核酸を含むウイルス、プラスミドまたはウイルスベクターにより形質導入またはトランスフェクトされた、単離された懸濁適合細胞が提供される。
【0026】
それらに結合している細胞膜部分を介して哺乳動物膜貫通ドメインにより物理的に会合する、請求項46に記載の細胞により産生される(i)ウイルス様粒子または(ii)ウイルスであって、発現産物が、N末端からC末端の順に、組換えポリペプチド構築物を含み、組換えポリペプチド構築物が、(i)第1のアミノ酸リンカー配列、これに隣接する、ヒト天然B2Mペプチド配列と同一の配列を含むアミノ酸配列、これに隣接する第2のアミノ酸リンカー配列、これに隣接する、事前に選択された第2のペプチド配列により結合された、事前に選択された5〜20アミノ酸のペプチドを含み、(i)が、(ii)MHC重鎖の配列、これに隣接する第4のアミノ酸リンカー配列、これに隣接する、免疫グロブリンFcドメインと同一のアミノ酸配列、これに隣接する第5のアミノ酸リンカー、これに隣接する哺乳動物膜貫通ドメイン、これに隣接するウイルスパッケージング配列を有するアミノ酸配列に、1つまたは複数のジスルフィド結合により結合されている、(i)ウイルス様粒子または(ii)ウイルス。
【0027】
また、5'から3'の順に、
第1のB2Mリーダー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、事前に選択された5〜20アミノ酸のペプチドをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第1のアミノ酸リンカー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、ヒト天然B2Mペプチド配列と同一のアミノ酸配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第2のアミノ酸リンカー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、事前に選択された第2のペプチド配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第3のアミノ酸リンカー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第2のB2Mリーダー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、MHC重鎖と同一のアミノ酸配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第4のアミノ酸リンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、免疫グロブリンFcドメインと同一のアミノ酸配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第5のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、哺乳動物膜貫通ドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列
を含む、組換え核酸が提供される。
【0028】
T細胞と、少なくとも2つの細胞を含む複数の単離された懸濁適合細胞、または発現産物を発現するそのような細胞の膜結合部分とを接触させる工程であって、各々の細胞または膜結合部分が、それらに形質導入またはトランスフェクトした異種核酸の発現産物を発現し、その発現産物の各々が、5〜20アミノ酸のペプチド、これに隣接する第1のリンカーペプチド配列、これに隣接するβ2ミクログロブリン配列、これに隣接する第2のリンカーペプチド配列、これに隣接する主要組織適合複合体重鎖配列、これに隣接する第3のリンカーペプチド配列、これに隣接する蛍光タンパク質または免疫グロブリンFcドメイン、これに隣接する第4のリンカーペプチド配列、これに隣接する哺乳動物膜貫通ドメインを含み、複数の単離された懸濁適合細胞または膜結合部分がこれらの細胞または膜結合部分の中で、5〜20アミノ酸のペプチドとT細胞が結合することを可能にする条件下で、少なくとも2つの異なるコードされた5〜20アミノ酸のペプチドを発現する、工程、
懸濁適合細胞とまたは膜結合部分と複合体を形成しているT細胞を回収する工程、
懸濁適合細胞からDNAを回収する工程、
回収したDNAを配列決定する工程、
DNAにコードされた5〜20アミノ酸のペプチドを同定して、それによりT細胞エピトープを同定する工程
を含む、T細胞エピトープを同定する方法。
【0029】
T細胞と、少なくとも2つの細胞を含む複数の単離された懸濁適合細胞、またはその細胞の膜結合部分とを接触させる工程であって、それに形質導入またはトランスフェクトした異種核酸の発現産物を各々が発現し、その発現産物の各々が、(i)第1のアミノ酸リンカー配列、これに隣接する、ヒト天然B2Mペプチド配列と同一の配列を含むアミノ酸配列、これに隣接する第2のアミノ酸リンカー配列、これに隣接する、事前に選択された第2のペプチド配列により結合された、事前に選択された5〜20アミノ酸のペプチドを含み、(i)が、(ii)MHC重鎖の配列、第4のアミノ酸リンカー配列、これに隣接する、免疫グロブリンFcドメインと同一のアミノ酸配列、これに隣接する第5のアミノ酸リンカー、これに隣接する、哺乳動物膜貫通ドメインを有するアミノ酸配列に、1つまたは複数のジスルフィド結合により結合されており、複数の単離された懸濁適合細胞またはその膜結合部分がこれらの細胞または部分の中で、5〜20アミノ酸のペプチドとT細胞が結合することを可能にする条件下で、少なくとも2つの異なるコードされた5〜20アミノ酸のペプチドを発現する、工程、
懸濁適合細胞とまたは膜結合部分と複合体を形成しているT細胞を回収する工程、
懸濁適合細胞からDNAを回収する工程、
回収したDNAを配列決定する工程、
DNAにコードされた5〜20アミノ酸のペプチドを同定して、それによりT細胞エピトープを同定する工程
を含む、T細胞エピトープを同定する方法。
【0030】
T細胞と、少なくとも2つの細胞を含む単離された懸濁適合細胞、またはこのような細胞の膜部分に会合したウイルス様粒子若しくはウイルスとを接触させる工程であって、細胞または膜結合部分が、それらに形質導入またはトランスフェクトした異種核酸の発現産物を発現し、その発現産物の各々が、5〜20アミノ酸のペプチド、これに隣接する第1のリンカーペプチド配列、これに隣接するβ2ミクログロブリン配列、これに隣接する第2のリンカーペプチド配列、これに隣接する主要組織適合複合体重鎖配列、これに隣接する第3のリンカーペプチド配列、これに隣接する蛍光タンパク質または免疫グロブリンFcドメイン、これに隣接する第4のリンカーペプチド配列、これに隣接する哺乳動物膜貫通ドメイン、これに隣接するウイルスパッケージング配列を含み、複数の単離された懸濁適合細胞、または細胞の膜部分に会合した複数のウイルス様粒子またはウイルスがこれらの細胞またはウイルス様粒子またはウイルスの中で、5〜20アミノ酸のペプチドとT細胞が結合することを可能にする条件下で、少なくとも2つの異なるコードされた5〜20アミノ酸のペプチドを発現する、工程、
複数の懸濁適合細胞と、複数のウイルス様粒子と、または複数のウイルスと複合体を形成しているT細胞を回収する工程、
懸濁適合細胞からDNAを回収するか、またはウイルス様粒子またはウイルスからRNAを回収する工程、
回収したDNAまたはRNAを配列決定する工程、
DNAまたはRNAにコードされた5〜20アミノ酸のペプチドを同定して、それによりT細胞エピトープを同定する工程
を含む、T細胞エピトープを同定する方法。
【0031】
T細胞と、それに形質導入若しくはトランスフェクトした異種核酸の発現産物を各々が発現する、少なくとも2つの細胞を含む複数の単離された懸濁適合細胞、またはそのような細胞の膜部分に会合したウイルス様粒子若しくはウイルスとを接触させる工程であって、その発現産物の各々が、(i)第1のアミノ酸リンカー配列、これに隣接する、ヒト天然B2Mペプチド配列と同一の配列を含むアミノ酸配列、これに隣接する第2のアミノ酸リンカー配列、これに隣接する事前に選択された第2のペプチド配列により結合された事前に選択された5〜20アミノ酸のペプチドを含み、(i)が、(ii)MHC重鎖の配列、第4のアミノ酸リンカー配列、これに隣接する、免疫グロブリンFcドメインと同一のアミノ酸配列、これに隣接する第5のアミノ酸リンカー、これに隣接する、哺乳動物膜貫通ドメインを有するアミノ酸配列に、1つまたは複数のジスルフィド結合により結合されており、複数の単離された懸濁適合細胞、複数のウイルス様粒子、またはウイルスがそれらの細胞の中で、5〜20アミノ酸のペプチドとT細胞が結合することを可能にする条件下で、少なくとも2つの異なるコードされた5〜20アミノ酸のペプチドを発現する、工程、
懸濁適合細胞と、膜部分に会合したウイルス様粒子と、または膜部分に会合したウイルスと複合体を形成しているT細胞を回収する工程、
懸濁適合細胞からDNAを回収するか、またはウイルス様粒子またはウイルスからRNAを回収する工程、
回収したDNAまたはRNAを配列決定する工程、
DNAまたはRNAにコードされた5〜20アミノ酸のペプチドを同定して、それによりT細胞エピトープを同定する工程
を含む、T細胞エピトープを同定する方法。
[本発明1001]
5'から3'の順に、
リーダーオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、5〜20アミノ酸のペプチドをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第1のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、β2ミクログロブリン配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第2のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、主要組織適合複合体重鎖配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第3のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、蛍光タンパク質をコードするかまたは免疫グロブリンFcドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第4のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、哺乳動物膜貫通ドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列
を含む異種核酸により形質導入またはトランスフェクトされた、単離された懸濁適合細胞。
[本発明1002]
5'から3'の順に、
リーダーオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、5〜20アミノ酸のペプチドをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第1のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、β2ミクログロブリン配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第2のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、主要組織適合複合体重鎖配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第3のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、免疫グロブリンFcドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第4のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、哺乳動物膜貫通ドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列
を含む異種核酸により形質導入またはトランスフェクトされた、本発明1001の単離された懸濁適合細胞。
[本発明1003]
5'から3'の順に、
リーダーオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、5〜20アミノ酸のペプチドをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第1のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、β2ミクログロブリン配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第2のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、主要組織適合複合体重鎖配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第3のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、蛍光タンパク質をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第4のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、哺乳動物膜貫通ドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列
を含む異種核酸により形質導入またはトランスフェクトされた、本発明1001の単離された懸濁適合細胞。
[本発明1004]
それに形質導入若しくはトランスフェクトした異種核酸の発現産物を発現する単離された懸濁適合細胞、または前記発現産物を発現するそのような細胞の膜結合部分であって、前記発現産物が、N末端からC末端の順に、
5〜20アミノ酸のペプチド、
これに隣接する第1のリンカーペプチド配列、
これに隣接するβ2ミクログロブリン配列、
これに隣接する第2のリンカーペプチド配列、
これに隣接する主要組織適合複合体重鎖配列、
これに隣接する第3のリンカーペプチド配列、
これに隣接する、蛍光タンパク質、または免疫グロブリンFcドメインの配列、
これに隣接する第4のリンカーペプチド配列、
これに隣接する哺乳動物膜貫通ドメイン
を含む、単離された懸濁適合細胞、または前記発現産物を発現するそのような細胞の膜結合部分。
[本発明1005]
本発明1004の細胞の前記発現産物を発現する、膜結合部分。
[本発明1006]
微小胞またはエキソソームである、本発明1004または1005の細胞の膜結合部分。
[本発明1007]
前記細胞が、前記免疫グロブリンFcドメインの配列を含む前記発現産物を発現する、本発明1004、1005、1006、または1007のいずれかの、単離された懸濁適合細胞または前記発現産物を発現するそのような細胞の膜結合部分。
[本発明1008]
前記細胞が、前記蛍光タンパク質を含む前記発現産物を発現する、本発明1004、1005、または1006のいずれかの、単離された懸濁適合細胞または前記発現産物を発現するそのような細胞の膜結合部分。
[本発明1009]
前記哺乳動物膜貫通ドメインが主要組織適合複合体重鎖膜貫通ドメインである、本発明1001〜1008のいずれかの単離された懸濁適合細胞、または前記発現産物を発現するそのような細胞の膜結合部分。
[本発明1010]
前記異種核酸が、前記哺乳動物膜貫通ドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列に関して3'側のウイルスパッケージング配列をコードするオリゴヌクレオチドを更に含む、本発明1001〜1003、1007、1008、または1009のいずれかの単離された懸濁適合細胞。
[本発明1011]
前記発現産物が、前記哺乳動物膜貫通ドメインに関してC末端側であるウイルスパッケージング配列を更に含む、本発明1004〜1009のいずれかの単離された懸濁適合細胞、または、前記発現産物を発現するそのような細胞の膜結合部分。
[本発明1012]
ウイルス様粒子である、本発明1011の細胞の前記発現産物を発現する膜結合部分。
[本発明1013]
前記β2ミクログロブリンがヒトβ2ミクログロブリンと同一の配列を有する、本発明1001〜1012のいずれかの単離された懸濁適合細胞、または、前記発現産物を発現するそのような細胞の膜結合部分。
[本発明1014]
主要組織適合性複合体重鎖配列がヒトHLA−A配列と同一の配列を有する、本発明1001〜1013のいずれかの単離された懸濁適合細胞、または、前記発現産物を発現するそのような細胞の膜結合部分。
[本発明1015]
膜貫通ドメインが、ヒト主要組織適合複合体I重鎖膜貫通ドメインと同一の配列を有する、本発明1001〜1014のいずれかの単離された懸濁適合細胞、または、前記発現産物を発現するそのような細胞の膜結合部分。
[本発明1016]
少なくとも2つの異なるコードされた5〜20アミノ酸のペプチドを含む、複数の本発明1001〜1015のいずれかの単離された懸濁適合細胞、または、前記発現産物を発現するそのような細胞の複数の膜結合部分。
[本発明1017]
少なくとも100個の異なるコードされた5〜20アミノ酸のペプチドを含む、本発明1016の複数のもの。
[本発明1018]
コードされた前記ペプチドが、1つの九量体若しくは複数の九量体である、本発明1001〜1015のいずれかの単離された懸濁適合細胞、若しくは前記発現産物を発現するそのような細胞の膜結合部分、または、本発明1016若しくは1017の複数の単離された懸濁適合細胞若しくは膜結合部分。
[本発明1019]
コードされた1つのペプチド若しくは複数の前記ペプチドが前記細胞の細胞外表面上に提示される、本発明1001〜1015のいずれかの単離された懸濁適合細胞、若しくはその膜結合部分、または、本発明1016、1017、若しくは1018のいずれかの複数の単離された懸濁適合細胞若しくはその膜結合部分。
[本発明1020]
前記発現産物を発現する、本発明1001〜1019のいずれかの単離された懸濁適合細胞の膜結合部分。
[本発明1021]
本発明1001〜1019のいずれかの単離された懸濁適合細胞。
[本発明1022]
異種核酸が前記ウイルスパッケージング配列をコードし、かつ、前記細胞が、前記異種核酸を含むウイルス、プラスミド、またはウイルスベクターにより形質導入またはトランスフェクトされる、本発明1010〜1019、または1021のいずれかの単離された懸濁適合細胞。
[本発明1023]
それらに結合している細胞膜部分を介して哺乳動物膜貫通ドメインにより物理的に会合する、本発明1022の細胞により産生される(i)ウイルス様粒子または(ii)ウイルスであって、発現産物が、N末端からC末端の順に、
5〜20アミノ酸のペプチド、
これに隣接する第1のリンカーペプチド配列、
これに隣接するβ2ミクログロブリン配列、
これに隣接する第2のリンカーペプチド配列、
これに隣接する主要組織適合複合体重鎖配列、
これに隣接する第3のリンカーペプチド配列、
これに隣接する、蛍光タンパク質、または免疫グロブリンFcドメインの配列、
これに隣接する第4のリンカーペプチド配列、
これに隣接する哺乳動物膜貫通ドメイン、
これに隣接するウイルスパッケージング配列
を含む、(i)ウイルス様粒子または(ii)ウイルス。
[本発明1024]
前記細胞がレトロウイルストランスフェクションシステムを用いてトランスフェクトされる、本発明1023の(i)ウイルス様粒子または(ii)ウイルス。
[本発明1025]
前記トランスフェクションがレンチウイルストランスフェクションシステムを用いて実施される、本発明1023の(i)ウイルス様粒子または(ii)ウイルス。
[本発明1026]
前記レトロウイルストランスフェクションシステムがパッケージングプラスミドを含み、前記パッケージングプラスミドがその中に、1つまたは複数のエンベロープタンパク質をコードする1つのオリゴヌクレオチド配列または複数のオリゴヌクレオチド配列の代わりに、
5〜20アミノ酸のペプチドをコードする1つのオリゴヌクレオチド配列または複数のオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する第1のリンカーペプチド配列、
これに隣接するβ2ミクログロブリン配列、
これに隣接する第2のリンカーペプチド配列、
これに隣接する主要組織適合複合体重鎖配列、
これに隣接する第3のリンカーペプチド配列、
これに隣接する蛍光タンパク質または免疫グロブリンFcドメイン、
これに隣接する第4のリンカーペプチド配列、
これに隣接する哺乳動物膜貫通ドメイン
を含む、本発明1023、1024、または1025のいずれかの(i)ウイルス様粒子または(ii)ウイルス。
[本発明1027]
前記細胞から出芽した、本発明1023〜1026のいずれかの単離されたウイルス。
[本発明1028]
前記細胞から出芽した、本発明1023〜1026のいずれかの単離されたウイルス様粒子。
[本発明1029]
組換えレトロウイルスである、前記細胞から出芽した単離された本発明1027のウイルス。
[本発明1030]
複数の本発明1027または1029の単離されたウイルス。
[本発明1031]
複数の本発明1028の単離されたウイルス様粒子。
[本発明1032]
それらのコードされた5〜20アミノ酸のペプチドが異なっている複数のウイルスを含む、前記複数の単離されたウイルス。
[本発明1033]
それらのコードされた5〜20アミノ酸のペプチドが異なっている複数のウイルス様粒子を含む、前記複数の単離されたウイルス様粒子。
[本発明1034]
5'から3'の順に、
リーダーオリゴヌクレオチド配列をコードする配列、
これに隣接する、5〜20アミノ酸のペプチドをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第1のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、β2ミクログロブリン配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第2のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、主要組織適合複合体重鎖配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第3のリンカーペプチド配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、蛍光タンパク質をコードするかまたは免疫グロブリンFcドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第4のリンカーペプチド配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、哺乳動物膜貫通ドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列
を含む、組換え核酸。
[本発明1035]
前記蛍光タンパク質をコードする前記オリゴヌクレオチド配列を含む、本発明1034の組換え核酸。
[本発明1036]
前記免疫グロブリンFcドメインをコードする前記オリゴヌクレオチド配列を含む、本発明1034の組換え核酸。
[本発明1037]
前記哺乳動物膜貫通ドメインが主要組織適合複合体重鎖膜貫通ドメインである、本発明1034、1035、若しくは1036のいずれかの組換え核酸。
[本発明1038]
前記組換え核酸が、前記哺乳動物膜貫通ドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列に関して3'側のウイルスパッケージング配列をコードするオリゴヌクレオチドを更に含む、本発明1034〜1037のいずれかの組換え核酸。
[本発明1039]
ベクターである、本発明1034〜1038のいずれかの組換え核酸。
[本発明1040]
前記ベクターがウイルスベクターである、本発明1039の組換え核酸。
[本発明1041]
前記ウイルスベクターがレトロウイルスベクターである、本発明1040の組換え核酸。
[本発明1042]
前記ベクターがプラスミドである、本発明1041の組換え核酸。
[本発明1043]
前記核酸がcDNAを含む、本発明1001〜1015、1018、1019、1021、若しくは1022のいずれかの単離された懸濁適合細胞、または本発明1016および1017のいずれかの複数の単離された懸濁適合細胞、または本発明1034〜1042のいずれかの組換え核酸。
[本発明1044]
5'から3'の順に、
第1のB2Mリーダー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、事前に選択された5〜20アミノ酸のペプチドをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第1のアミノ酸リンカー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、ヒト天然B2Mペプチド配列と同一のアミノ酸配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第2のアミノ酸リンカー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、事前に選択された第2のペプチド配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第3のアミノ酸リンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第2のB2Mリーダー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、MHC重鎖と同一のアミノ酸配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第4のアミノ酸リンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、免疫グロブリンFcドメインと同一のアミノ酸配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第5のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、哺乳動物膜貫通ドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列
を含む異種核酸により形質導入またはトランスフェクトされた、単離された懸濁適合細胞。
[本発明1045]
それに形質導入若しくはトランスフェクトした異種核酸の発現産物を発現する単離された懸濁適合細胞、または前記発現産物を発現するそのような細胞の膜結合部分であって、前記発現産物が組換えポリペプチド構築物を含み、前記組換えポリペプチド構築物が、(i)第1のアミノ酸リンカー配列、これに隣接する、ヒト天然B2Mペプチド配列と同一の配列を含むアミノ酸配列、これに隣接する第2のアミノ酸リンカー配列、これに隣接する事前に選択された第2のペプチド配列により結合された、事前に選択された5〜20アミノ酸のペプチドを含み、(i)が、(ii)MHC重鎖の配列、これに隣接する第4のアミノ酸リンカー配列、これに隣接する、免疫グロブリンFcと同一のアミノ酸配列、これに隣接する第5のアミノ酸リンカー、これに隣接する哺乳動物膜貫通ドメインを有する、アミノ酸配列に、1つまたは複数のジスルフィド結合により結合されている、単離された懸濁適合細胞、または、前記発現産物を発現するそのような細胞の膜結合部分。
[本発明1046]
5'から3'の順に、
第1のB2Mリーダー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、事前に選択された5〜20アミノ酸のペプチドをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第1のアミノ酸リンカー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、ヒト天然B2Mペプチド配列と同一のアミノ酸配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第2のアミノ酸リンカー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、事前に選択された第2のペプチド配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第3のアミノ酸リンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第2のB2Mリーダー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、MHC重鎖と同一のアミノ酸配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第4のアミノ酸リンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、免疫グロブリンFcドメインと同一のアミノ酸配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第5のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、哺乳動物膜貫通ドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、ウイルスパッケージング配列をコードするオリゴヌクレオチド
を含む異種核酸を含むウイルス、プラスミド、またはウイルスベクターにより形質導入またはトランスフェクトされた、単離された懸濁適合細胞。
[本発明1047]
前記第3のアミノ酸リンカーが発現後に自己切断する、本発明1044または1046の単離された懸濁適合細胞。
[本発明1048]
それらに結合している細胞膜部分を介して哺乳動物膜貫通ドメインによって物理的に会合する、本発明1046の細胞により産生される(i)ウイルス様粒子または(ii)ウイルスであって、発現産物が、N末端からC末端の順に、組換えポリペプチド構築物を含み、前記組換えポリペプチド構築物が、(i)第1のアミノ酸リンカー配列、これに隣接する、ヒト天然B2Mペプチド配列と同一の配列を含むアミノ酸配列、これに隣接する第2のアミノ酸リンカー配列、これに隣接する事前に選択された第2のペプチド配列により結合された、事前に選択された5〜20アミノ酸のペプチドを含み、(i)が、(ii)MHC重鎖の配列、これに隣接する第4のアミノ酸リンカー配列、これに隣接する、免疫グロブリンFcドメインと同一のアミノ酸配列、これに隣接する第5のアミノ酸リンカー、これに隣接する哺乳動物膜貫通ドメイン、これに隣接するウイルスパッケージング配列を有するアミノ酸配列に、一つまたは複数のジスルフィド結合により結合されている、(i)ウイルス様粒子または(ii)ウイルス。
[本発明1049]
前記哺乳動物膜貫通ドメインが主要組織適合複合体重鎖膜貫通ドメインである、本発明1044、1045、1046、若しくは1047のいずれかの単離された懸濁適合細胞または本発明1048の(i)ウイルス様粒子若しくは(ii)ウイルス。
[本発明1050]
前記異種核酸が、前記哺乳動物膜貫通ドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列に関して3'側のウイルスパッケージング配列をコードするオリゴヌクレオチドを更に含む、本発明1044または1047の単離された懸濁適合細胞。
[本発明1051]
前記事前に選択された第2のペプチドが、T細胞調節ドメイン、抗体エピトープ、蛍光タンパク質、核酸結合タンパク質、または同時調節タンパク質である、本発明1044〜1047のいずれかの単離された懸濁適合細胞または本発明1048若しくは1049の(i)ウイルス様粒子若しくは(ii)ウイルス。
[本発明1052]
5'から3'の順に、
第1のB2Mリーダー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、事前に選択された5〜20アミノ酸のペプチドをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第1のアミノ酸リンカー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、ヒト天然B2Mペプチド配列と同一のアミノ酸配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第2のアミノ酸リンカー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、事前に選択された第2のペプチド配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第3のアミノ酸リンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第2のB2Mリーダー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、MHC重鎖と同一のアミノ酸配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第4のアミノ酸リンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、免疫グロブリンFcドメインと同一のアミノ酸配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第5のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、哺乳動物膜貫通ドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列
を含む、組換え核酸。
[本発明1053]
前記哺乳動物膜貫通ドメインが主要組織適合複合体重鎖膜貫通ドメインである、本発明1052の組換え核酸。
[本発明1054]
前記哺乳動物膜貫通ドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列に関して3'側のウイルスパッケージング配列をコードするオリゴヌクレオチドを更に含む、本発明1052または1053の組換え核酸。
[本発明1055]
T細胞と、少なくとも2つの細胞を含む複数の単離された懸濁適合細胞、または発現産物を発現するそのような細胞の膜結合部分とを接触させる工程であって、各々の細胞または膜結合部分が、それらに形質導入またはトランスフェクトした異種核酸の発現産物を発現し、前記発現産物の各々が、5〜20アミノ酸のペプチド、これに隣接する第1のリンカーペプチド配列、これに隣接するβ2ミクログロブリン配列、これに隣接する第2のリンカーペプチド配列、これに隣接する主要組織適合複合体重鎖配列、これに隣接する第3のリンカーペプチド配列、これに隣接する蛍光タンパク質または免疫グロブリンFcドメイン、これに隣接する第4のリンカーペプチド配列、これに隣接する哺乳動物膜貫通ドメインを含み、前記複数の単離された懸濁適合細胞または前記膜結合部分が前記細胞または前記膜結合部分の中で、5〜20アミノ酸のペプチドとT細胞が結合することを可能にする条件下で、少なくとも2つの異なるコードされた5〜20アミノ酸のペプチドを発現する、工程、
懸濁適合細胞とまたは膜結合部分と複合体を形成しているT細胞を回収する工程、
前記懸濁適合細胞からDNAを回収する工程、
回収した前記DNAを配列決定する工程、
前記DNAにコードされた前記5〜20アミノ酸のペプチドを同定して、それによりT細胞エピトープを同定する工程
を含む、T細胞エピトープを同定する方法。
[本発明1056]
T細胞と、それに形質導入若しくはトランスフェクトした異種核酸の発現産物を各々が発現する、少なくとも2つの細胞を含む複数の単離された懸濁適合細胞、またはその膜結合部分とを接触させる工程であって、前記発現産物の各々が、(i)第1のアミノ酸リンカー配列、これに隣接する、ヒト天然B2Mペプチド配列と同一の配列を含むアミノ酸配列、これに隣接する第2のアミノ酸リンカー配列、これに隣接する事前に選択された第2のペプチド配列により結合された、事前に選択された5〜20アミノ酸のペプチドを含み、(i)が、(ii)MHC重鎖の配列、これに隣接する第4のアミノ酸リンカー配列、これに隣接する、免疫グロブリンFcドメインと同一のアミノ酸配列、これに隣接する第5のアミノ酸リンカー、これに隣接する、哺乳動物膜貫通ドメインを有するアミノ酸配列に、1つまたは複数のジスルフィド結合により結合されており、前記複数の単離された懸濁適合細胞またはその膜結合部分が前記細胞または前記部分の中で、5〜20アミノ酸のペプチドとT細胞が結合することを可能にする条件下で、少なくとも2つの異なるコードされた5〜20アミノ酸のペプチドを発現する、工程、
懸濁適合細胞とまたは膜結合部分と複合体を形成しているT細胞を回収する工程、
前記懸濁適合細胞からDNAを回収する工程、
回収した前記DNAを配列決定する工程、
前記DNAにコードされた前記5〜20アミノ酸のペプチドを同定して、それによりT細胞エピトープを同定する工程
を含む、T細胞エピトープを同定する方法。
[本発明1057]
複合体を形成しているT細胞がフローサイトメトリーにより回収される、本発明1054または1056の方法。
[本発明1058]
配列決定する工程の前に、回収した前記DNAを増幅する工程を含む、本発明1055、1056、または1057のいずれかの方法。
[本発明1059]
前記増幅する工程が、1つ以上のユニバーサルプライマーを用いて行われる、本発明1058の方法。
[本発明1060]
前記ユニバーサルプライマーの1つ以上が、前記異種核酸の配列の一部に方向付けられているが、前記細胞の天然β2ミクログロブリン配列をコードする核酸に相補的ではない、本発明1059の方法。
[本発明1061]
前記哺乳動物膜貫通ドメインが主要組織適合複合体重鎖膜貫通ドメインである、本発明1055〜1060のいずれかの方法。
[本発明1062]
前記T細胞が、対象から得られた末梢T細胞を含む、本発明1055〜1061のいずれかの方法。
[本発明1063]
前記対象がヒトである、本発明1062の方法。
[本発明1064]
前記複数の単離された懸濁適合細胞の前記DNAにおける前記5〜20アミノ酸のペプチドの存在に比べて回収した前記DNAでは濃縮されている、前記DNAにコードされた前記5〜20アミノ酸のペプチドのいずれかを同定して、それにより、1つ以上の免疫優性のT細胞エピトープを同定する工程を更に含む、本発明1055〜1063のいずれかの方法。
[本発明1065]
前記単離された懸濁適合細胞がHEK細胞である、本発明1055〜1064のいずれかの方法。
[本発明1066]
前記単離された懸濁適合細胞が使用される、本発明1055〜1065のいずれかの方法。
[本発明1067]
前記発現産物を発現する前記細胞である懸濁適合細胞の単離された前記膜結合部分が使用される、本発明1055〜1065のいずれかの方法。
[本発明1068]
T細胞と、少なくとも2つの細胞を含む複数の単離された懸濁適合細胞、またはそのような細胞の膜部分に会合したウイルス様粒子またはウイルスとを接触させる工程であって、前記細胞または前記膜結合部分が、それらに形質導入またはトランスフェクトした異種核酸の発現産物を発現し、前記発現産物の各々が、5〜20アミノ酸のペプチド、これに隣接する第1のリンカーペプチド配列、これに隣接するβ2ミクログロブリン配列、これに隣接する第2のリンカーペプチド配列、これに隣接する主要組織適合複合体重鎖配列、これに隣接する第3のリンカーペプチド配列、これに隣接する蛍光タンパク質または免疫グロブリンFcドメイン、これに隣接する第4のリンカーペプチド配列、これに隣接する哺乳動物膜貫通ドメイン、これに隣接するウイルスパッケージング配列を含み、前記複数の単離された懸濁適合細胞、または前記細胞の前記膜部分に会合した複数の前記ウイルス様粒子若しくは複数の前記ウイルスが前記細胞または前記ウイルス様粒子若しくは前記ウイルスの中で、5〜20アミノ酸のペプチドとT細胞が結合することを可能にする条件下で、少なくとも2つの異なるコードされた前記5〜20アミノ酸のペプチドを発現する、工程、
複数の懸濁適合細胞と、複数のウイルス様粒子と、または複数のウイルスと複合体を形成しているT細胞を回収する工程、
前記懸濁適合細胞からDNAを回収するか、前記ウイルス様粒子または前記ウイルスからRNAを回収する工程、
回収した前記DNAまたは前記RNAを配列決定する工程、
前記DNAまたは前記RNAにコードされた前記5〜20アミノ酸のペプチドを同定して、それによりT細胞エピトープを同定する工程
を含む、T細胞エピトープを同定する方法。
[本発明1069]
T細胞と、それに形質導入若しくはトランスフェクトした異種核酸の発現産物を各々が発現する、少なくとも2つの細胞を含む複数の単離された懸濁適合細胞、または、そのような細胞の膜部分に会合したウイルス様粒子若しくはウイルスとを接触させる工程であって、前記発現産物の各々が、(i)第1のアミノ酸リンカー配列、これに隣接する、ヒト天然B2Mペプチド配列と同一の配列を含むアミノ酸配列、これに隣接する第2のアミノ酸リンカー配列、これに隣接する事前に選択された第2のペプチド配列により結合された、事前に選択された5〜20アミノ酸のペプチドを含み、(i)が、(ii)MHC重鎖の配列、これに隣接する第4のアミノ酸リンカー配列、これに隣接する、免疫グロブリンFcドメインと同一のアミノ酸配列、これに隣接する第5のアミノ酸リンカー、これに隣接する、哺乳動物膜貫通ドメインを有するアミノ酸配列に、1つまたは複数のジスルフィド結合により結合されており、前記複数の単離された懸濁適合細胞、前記ウイルス様粒子、または前記ウイルスがそれらの細胞の中で、5〜20アミノ酸のペプチドとT細胞が結合することを可能にする条件下で、少なくとも2つの異なるコードされた5〜20アミノ酸のペプチドを発現する、工程、
懸濁適合細胞と、膜部分に会合したウイルス様粒子と、または膜部分に会合したウイルスと複合体を形成しているT細胞を回収する工程、
前記懸濁適合細胞からDNAを回収するか、または、前記ウイルス様粒子若しくは前記ウイルスからRNAを回収する工程、
回収した前記DNAまたは前記RNAを配列決定する工程、
前記DNAまたは前記RNAにコードされた前記5〜20アミノ酸のペプチドを同定して、それによりT細胞エピトープを同定する工程
を含む、T細胞エピトープを同定する方法。
[本発明1070]
複合体を形成しているT細胞がフローサイトメトリーにより回収される、本発明1068または1069の方法。
[本発明1071]
配列決定する工程の前に、回収した前記DNAまたは前記RNAを増幅する工程を含む、本発明1068、1069、または1070のいずれかの方法。
[本発明1072]
前記増幅する工程が、1つ以上のユニバーサルプライマーを用いて行わる、本発明1071の方法。
[本発明1073]
前記ユニバーサルプライマーの1つ以上が、前記異種核酸の配列の一部に方向付けられているが、前記細胞の天然β2ミクログロブリン配列をコードする核酸に相補的ではない、本発明1072の方法。
[本発明1074]
前記哺乳動物膜貫通ドメインが主要組織適合複合体重鎖膜貫通ドメインである、本発明1068〜1073のいずれかの方法。
[本発明1075]
前記T細胞が、対象から得られた末梢T細胞を含む、本発明1068〜1074のいずれかの方法。
[本発明1076]
前記対象がヒトである、本発明1075の方法。
[本発明1077]
前記複数の単離された懸濁適合細胞の前記DNAにおける前記5〜20アミノ酸のペプチドの存在に比べて回収した前記DNAでは濃縮されている、前記DNAにコードされた前記5〜20アミノ酸のペプチドのいずれかを同定し、それにより、1つ以上の免疫優性T細胞エピトープを同定する工程を更に含む、本発明1068〜1076のいずれかの方法。
[本発明1078]
前記ウイルスがレトロウイルスである、本発明1077の方法。
[本発明1079]
(i)複合体を形成しているT細胞と、T細胞表面マーカー分子に対して作製された抗体または抗体フラグメントを磁気ビーズの外部表面に結合させた前記磁気ビーズとを接触させること、および(ii)前記磁気ビーズを回収するように前記ビーズに磁場を印加することにより、前記複合体を形成しているT細胞が回収される、本発明1055〜1078のいずれかの方法。
[本発明1080]
前記T細胞表面マーカー分子がCD8分子である、本発明1079の方法。
[本発明1081]
前記懸濁適合細胞またはその膜部分が前記蛍光タンパク質を発現し、かつ複合体を形成しているT細胞が、前記蛍光タンパク質の蛍光に基づく蛍光活性化細胞選別により回収される、本発明1055〜1078のいずれかの方法。
[本発明1082]
前記ウイルス様粒子または前記ウイルスが、二次抗体ベースシステムにより回収され、前記二次抗体が、発現した前記構築物中のエピトープに対して作製されている、本発明1069〜1078のいずれかの方法。
【発明を実施するための形態】
【0033】
発明の詳細な説明
単離された懸濁適合細胞が提供され、細胞は、5'から3'の順に、
リーダーオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、5〜20アミノ酸のペプチドをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第1のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、β2ミクログロブリン配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第2のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、主要組織適合複合体重鎖配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第3のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、蛍光タンパク質をコードするかまたは免疫グロブリンFcドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第4のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、哺乳動物膜貫通ドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列
を含む異種核酸により形質導入またはトランスフェクトされる。
【0034】
本明細書において考察した、免疫グロブリンFcドメインを含む細胞、他の細胞、及び構築物の実施形態では、免疫グロブリンFcドメインは、ヒトIg Fcの配列、好ましくはヒトIgG1 Fcの配列を有することができる。別の実施形態では、かかる免疫グロブリンFcドメインは、マウスIgG2a Fcの配列を有することができる。特に、各々が免疫グロブリンFcドメインを含む発現した構築物が存在する場合、自発的な二価融合が生じる可能性がある。従って、考察された、形質導入またはトランスフェクトされた細胞、発現産物を発現するそのような細胞の膜結合部分、並びに本明細書中に記載のウイルス様粒子及びウイルスによって、発現した免疫グロブリンFcドメインの二価融合を実証することができる。
【0035】
本明細書中に記載のコードまたは発現された5〜20アミノ酸のペプチドの実施形態において、ペプチドは、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20アミノ酸長のうちの1つである。実施形態において、ペプチドは、8、9、10、11、または12アミノ酸長である。実施形態では、ペプチドは、九量体(即ち、9アミノ酸長)である。配列を要望通りに事前に選択することができる。
【0036】
哺乳動物膜貫通ドメインを含む本明細書中で考察される細胞並びに他の細胞及び構築物の実施形態では、膜貫通ドメインは、哺乳動物膜貫通ドメインの配列を有するが、哺乳動物自体から取得されるものではなく、例えば、哺乳動物膜貫通ドメインタンパク質の配列と同一若しくは類似した配列を有するように設計した配列である。実施形態では、配列は、哺乳動物MHC膜貫通配列と同一である。実施形態では、配列は、主要組織適合複合体重鎖膜貫通ドメインと同一である。実施形態では、配列は、クラスI主要組織適合複合体重鎖膜貫通ドメインと同一である。MHCIα3配列は、当該分野で公知である。実施形態では、配列は、ヒトのクラスI主要組織適合性複合体重鎖膜貫通ドメインと同一である。本明細書で使用される、2つのヌクレオチド配列に関する「〜に隣接する」は、第1の配列が、例えば、ホスホジエステル結合を介して、第2の配列と連続していることを意味する。本明細書で使用される、2つのペプチド/オリゴペプチド配列に関する「〜に隣接する」は、第1の配列が、例えば、ペプチド結合を介して、第2の配列と連続していることを意味する。
【0037】
任意の核酸でコードされた蛍光タンパク質は、本明細書に記載の本発明で使用可能である。そのようなタンパク質は、当該分野で公知である。非限定の例としては、GFP、RFP、YFP、mFRUIT、mPlum、mCherry、tdTomato、mStrawberry、J−Red、DsRed−単量体、mOrange、mKO、mCitrine、Venus、YPet、EYFP、Emerald、EGFP、CyPet、mCFPm、Cerulean、及び T−Sapphireが挙げられる。
【0038】
懸濁適合細胞は、懸濁培養液中で生存または増殖することができるものである。異種核酸は、それがトランスフェクトまたは形質導入された細胞に対して異種であるものであり、異種核酸は全体として、トランスフェクションまたは形質導入の前の細胞内には天然に存在しない。
【0039】
リンカー配列は、当該分野で公知の短い反復ペプチド配列を含む短いペプチド配列である。リンカー配列は一般的に、それらが結合するドメインまたは領域の他のコードされたペプチド機能に干渉しないか、それに最小限の機能的影響を与えるにすぎない。例えば、リンカーは、1つ以上のリンカーについてGGGGSの4反復であってよい。本明細書に記載されるリンカーは、本明細書に参照される自己切断型リンカーの特定の例外は別として、自己切断しない点において安定している。参照する例外に関しては、自己切断型リンカー、例えば、そのようなものの非限定的な例は、ウイルスP2Aペプチドであり、このペプチドは、哺乳動物細胞における良好な自己切断効率を示す。
【0040】
単離された懸濁適合細胞の実施形態では、細胞は、5'から3'の順に、
リーダーオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、5〜20アミノ酸のペプチドをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第1のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、β2ミクログロブリン配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第2のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、主要組織適合複合体重鎖配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第3のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、免疫グロブリンFcドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第4のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、哺乳動物膜貫通ドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列
を含む異種核酸により形質導入またはトランスフェクトされる。
【0041】
単離された懸濁適合細胞の実施形態では、細胞は、5'から3'の順に、
リーダーオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、5〜20アミノ酸のペプチドをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第1のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、β2ミクログロブリン配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第2のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、主要組織適合複合体重鎖配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第3のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、蛍光タンパク質をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第4のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、哺乳動物膜貫通ドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列
を含む異種核酸により形質導入またはトランスフェクトされる。
【0042】
また、それに形質導入若しくはトランスフェクトした異種核酸の発現産物を発現する単離された懸濁適合細胞、または発現産物を発現するそのような細胞の膜結合部分が提供され、その発現産物が、N末端からC末端の順に、
5〜20アミノ酸のペプチド、
これに隣接する、第1のリンカーペプチド配列、
これに隣接する、β2ミクログロブリン配列、
これに隣接する、第2のリンカーペプチド配列、
これに隣接する主要組織適合複合体重鎖配列、
これに隣接する第3のリンカーペプチド配列、
これに隣接する、蛍光タンパク質、または免疫グロブリンFcドメインの配列、
これに隣接する第4のリンカーペプチド配列、
これに隣接する哺乳動物膜貫通ドメイン
を含む。
【0043】
実施形態では、細胞の発現産物を発現する膜結合部が提供される。実施形態では、膜結合部分は、微小胞またはエキソソームである。
【0044】
実施形態では、細胞は免疫グロブリンFcドメインの配列を含む発現産物を発現する。
【0045】
本発明はまた、そのリンカー、例えば第4のリンカーが表面発現のためのプロキシとして公知の抗体(例えば、FLAG、MYC)のための蛍光タンパク質(例えば、mCherryなど)、またはエピトープに更に結合される場合を除く、記載された細胞、または膜結合部分を提供する。実施形態では、記載される細胞のリンカーまたは膜結合部分は、そのようなものを含まず、リンカーのみである(例えば、本明細書の他の箇所に記載される通り)。
【0046】
単離された懸濁適合細胞、または発現産物を発現するそのような細胞の膜結合部分の実施形態では、細胞は、蛍光タンパク質を含む発現産物を発現する。
【0047】
単離された懸濁適合細胞、または発現産物を発現するそのような細胞の膜結合部分の実施形態では、細胞は、免疫グロブリンFcドメインを含む発現産物を発現する。
【0048】
単離された懸濁適合細胞、または発現産物を発現するそのような細胞の膜結合部分の実施形態では、哺乳動物膜貫通ドメインは、主要組織適合複合体重鎖膜貫通ドメインである。
【0049】
実施形態では、異種核酸は更に、哺乳動物膜貫通ドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列に関して3'側のウイルスパッケージング配列をコードするオリゴヌクレオチドを含む。
【0050】
単離された懸濁適合細胞、または発現産物を発現するそのような細胞の膜結合部分の実施形態において、発現産物は更に、哺乳動物膜貫通ドメインに関してC末端側であるウイルスパッケージング配列を含む。
【0051】
本明細書に記載の形質導入された細胞、組換え核酸、またはウイルスパッケージング配列をコードする異種核酸の実施形態において、関連する核酸は、実施形態では、RNA配列であり得る。実施形態では、ウイルスパッケージング配列は、レトロウイルスパッケージング配列である。
【0052】
実施形態では、本明細書に記載の細胞の発現産物を発現する膜結合部、及びウイルス様粒子が提供される。
【0053】
本明細書に記載の単離された懸濁適合細胞、または発現産物を発現するそのような細胞の膜結合部分の実施形態において、β2ミクログロブリンは、ヒトβ2ミクログロブリンと同一の配列を有する。
【0054】
本明細書に記載の単離された懸濁適合細胞、または発現産物を発現するそのような細胞の膜結合部分の実施形態において、主要組織適合複合体重鎖配列は、ヒトHLA−A配列と同一の配列を有する。
【0055】
本明細書に記載の単離された懸濁適合細胞、または発現産物を発現するそのような細胞の膜結合部分の実施形態において、膜貫通ドメインは、ヒト主要組織適合複合体I重鎖膜貫通ドメインと同一の配列を有する。
【0056】
また、記載の複数の単離された懸濁適合細胞が提供される。また、発現産物を発現するようなそのような細胞の複数の膜結合部分が提供され、当該複数が、少なくとも2つの異なるコードされた5〜20アミノ酸のペプチドを含む。
【0057】
複数についての実施形態では、当該複数が、少なくとも100個の異なるコードされた5〜20アミノ酸のペプチドを含む。
【0058】
また、記載の単離された懸濁適合細胞、または発現産物を発現するそのような細胞の膜結合部分、またはコードされたペプチドが九量体若しくは九量体である、記載の複数の単離された懸濁適合細胞、若しくは膜結合部分が提供される。実施形態では、コードされた5〜20アミノ酸の1つのペプチド若しくは複数のペプチドは、細胞の細胞外表面に提示される。
【0059】
また、発現産物を発現する記載の単離された懸濁適合細胞の膜結合部分が提供される。
【0060】
また、記載の単離された懸濁適合細胞が提供される。
【0061】
単離された懸濁適合細胞の実施形態では、異種核酸は、ウイルスパッケージング配列をコードし、細胞は、異種核酸を含むウイルス、プラスミド、またはウイルスベクターにより形質導入されるか、または異種核酸を含むウイルス、プラスミド、またはウイルスベクターでトランスフェクトされる。
【0062】
また、本明細書に記載の形質導入若しくはトランスフェクトされた細胞により産生される(i)ウイルス様粒子または(ii)ウイルスが提供され、そのウイルス様粒子またはウイルスは、それらに結合している細胞膜部分を介して哺乳動物膜貫通ドメインにより物理的に会合し、発現産物は、N末端からC末端の順に、
5〜20アミノ酸のペプチド、
これに隣接する第1のリンカーペプチド配列、
これに隣接するβ2ミクログロブリン配列、
これに隣接する第2のリンカーペプチド配列、
これに隣接する主要組織適合複合体重鎖配列、
これに隣接する第3のリンカーペプチド配列、
これに隣接する、蛍光タンパク質、または免疫グロブリンFcドメインの配列、
これに隣接する第4のリンカーペプチド配列、
これに隣接する哺乳動物膜貫通ドメイン、
これに隣接するウイルスパッケージング配列
を含む。
【0063】
(i)ウイルス様粒子または(ii)ウイルスの実施形態において、細胞は、レトロウイルストランスフェクションシステムを用いてトランスフェクトする。(i)ウイルス様粒子または(ii)ウイルスの実施形態では、トランスフェクションは、レンチウイルストランスフェクションシステムを使用して実施される。
【0064】
(i)ウイルス様粒子または(ii)ウイルスの実施形態において、レトロウイルストランスフェクションシステムはパッケージングプラスミドを含み、パッケージングプラスミドがその中に、1つ以上のエンベロープタンパク質をコードする1つのオリゴヌクレオチド配列または複数のオリゴヌクレオチド配列の代わりに、
5〜20アミノ酸のペプチドをコードする1つのオリゴヌクレオチド配列または複数のオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する第1のリンカーペプチド配列、
これに隣接するβ2ミクログロブリン配列、
これに隣接する第2のリンカーペプチド配列、
これに隣接する主要組織適合複合体重鎖配列、
これに隣接する第3のリンカーペプチド配列、
これに隣接する蛍光タンパク質または免疫グロブリンFcドメイン、
これに隣接する第4のリンカーペプチド配列、
これに隣接する哺乳動物膜貫通ドメイン
を有する。
【0065】
また、本明細書に記載の細胞から出芽した単離されたウイルスが提供される。出芽したウイルスは、それらが一緒になって細胞の膜の一部を受け入れるか、または細胞の膜の一部に会合されて、その結果、本明細書に記載の発現し膜に配置された構築物に会合される。
【0066】
また、本明細書に記載の細胞から出芽した単離されたウイルス様粒子が提供される。出芽したウイルスは、それらが一緒になって細胞の膜の一部を受け入れるか、または細胞の膜の一部に会合されて、その結果、本明細書に記載の発現し膜に配置された構築物に会合される。
【0067】
実施形態では、ウイルスは、レトロウイルスである。実施形態では、ウイルスはレンチウイルスである。実施形態では、レトロウイルスは、組換え体である。
【0068】
また、本明細書に記載の複数の単離されたウイルスが提供される。実施形態では、当該複数が、それらのコードされた5〜20アミノ酸のペプチドが異なっているウイルスを含む。
【0069】
また、本明細書に記載の複数の単離されたウイルス様粒子が提供される。実施形態では、当該複数が、それらのコードされた5〜20アミノ酸のペプチドが異なっているウイルス様粒子を含む。
【0070】
ウイルスの実施形態では、発現された組換えポリペプチドは、蛍光タンパク質を含む。ウイルスの実施形態では、発現された組換えポリペプチドは、免疫グロブリンFcドメインを含む。ウイルス様粒子の実施形態では、発現された組換えポリペプチドは、蛍光タンパク質を含む。ウイルス様粒子の実施形態では、発現された組換えポリペプチドは、免疫グロブリンFcドメインを含む。
【0071】
また、5'から3'の順に、
リーダーオリゴヌクレオチド配列をコードする配列、
これに隣接する、5〜20アミノ酸のペプチドをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第1のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、β2ミクログロブリン配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第2のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、主要組織適合複合体重鎖配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第3のリンカーペプチド配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、蛍光タンパク質をコードするかまたは免疫グロブリンFcドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第4のリンカーペプチド配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、哺乳動物膜貫通ドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列
を含む、組換え核酸が提供される。
【0072】
実施形態では、組換え核酸は、蛍光タンパク質をコードするオリゴヌクレオチド配列を含む。実施形態では、組換え核酸は、免疫グロブリンFcドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列を含む。実施形態では、哺乳動物膜貫通ドメインは、主要組織適合複合体重鎖膜貫通ドメインである。実施形態では、哺乳動物膜貫通ドメインは、哺乳動物のHLA−A
*0201ドメインと同一のドメインを有する。実施形態では、HLA−A
*0201はヒトである。
【0073】
実施形態では、組換え核酸は、哺乳動物膜貫通ドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列に関して3'側のウイルスパッケージング配列をコードするオリゴヌクレオチドを更に含む。実施形態では、組換え核酸は、ベクターである。実施形態において、組換え核酸は、ウイルスベクターである。実施形態において、組換え核酸は、レトロウイルスベクターである。実施形態では、組換え核酸はレンチウイルスベクターである。実施形態では、組換え核酸ベクターは、プラスミドである。
【0074】
組換え核酸または単離された懸濁適合細胞の実施形態では、異種核酸または組換え核酸は、cDNAを含む。
【0075】
また、5'から3'の順に、
第1のB2Mリーダー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、事前に選択された5〜20アミノ酸のペプチドをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第1のアミノ酸リンカー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、ヒト天然B2Mペプチド配列に同一のアミノ酸配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第2のアミノ酸リンカー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、事前に選択された第2のペプチド配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第3のアミノ酸リンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第2のB2Mリーダー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、MHC重鎖と同一のアミノ酸配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第4のアミノ酸リンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、免疫グロブリンFcドメインと同一のアミノ酸配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第5のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、哺乳動物貫通膜ドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列
を含む異種核酸により形質導入またはトランスフェクトされた、単離された懸濁適合細胞が提供される。
【0076】
実施形態では、事前に選択された第2のペプチド配列は、免疫系のエフェクター分子である。実施形態では、事前に選択された第2のペプチド配列は、検出可能なエピトープである。非限定的な実施例では、検出可能なエピトープは、FLAGエピトープ、または、MYCエピトープである。実施形態では、事前に選択された第2のペプチド配列は、本明細書に記載される蛍光タンパク質である。実施形態では、事前に選択された第2のペプチド配列は、例えば、細胞表面グリカン、または他の翻訳後修飾(例えば、硫酸化)を標的とする自然発生のまたは合成された親和性試薬であり得る。例としては、TNF/TNFRのファミリー(OX40L、ICOSL、FASL、LTA、LTB TRAIL、CD153、TNFSF9、RANKL、TWEAK、TNFSF13、TNFSF13b、TNFSF14、TNFSF15、TNFSF18、CD40LG、CD70)、または、TNF/TNFRファミリーメンバー向けの親和性試薬;免疫グロブリンスーパーファミリーメンバー(VISTA、PD1、PD−L1、PDL2、B71、B72、CTLA4、CD28、TIM3、CD4、CD8、CD19、T細胞受容体鎖、ICOS、ICOSリガンド、HHLA2、ブチロフィリン、BTLA、B7−H3、B7−H4、CD3、CD79a、CD79b、IgSF;CD2、CD58、CD48、CD150、CD229、CD244、ICAM−1を含むCAMS);白血球免疫グロブリン様受容体(LILR)、キラー細胞免疫グロブリン様授与体(KIR))、レクチンスーパーファミリーメンバー、セレクチン、サイトカイン/ケモカイン及びサイトカイン/ケモカイン受容体、成長因子及び成長因子受容体)、接着分子(インテグリン、フィブロネクチン、カドヘリン)、または、マルチスパン内在性膜タンパク質の細胞外ドメイン、または、免疫グロブリンスーパーファミリー及び列挙された遺伝子産物向けの親和性試薬が挙げられるが、それに限定されない。更に、これらの遺伝子産物の活性ホモログ/オルソログは、ウイルス配列(例えば、CMV、EBV)、細菌配列、真菌の配列、真核生物の病原体(例えば、住血吸虫、マラリア原虫、バベシア、アイメリア、タイレリア、トキソプラズマ、アメーバ、リーシュマニア、及びトリパノソーマ)、並びに哺乳動物由来のコード領域が挙げられるが、それらに限定されない。実施形態では、事前に選択された第2のペプチド配列は、T細胞刺激性ドメインであり得るか、またはT細胞抑制ドメインであり得る。実施形態では、事前に選択された第2のペプチド配列は、細胞表面タンパク質の細胞外ドメインであってもよい。
【0077】
また、それに形質導入若しくはトランスフェクトした異種核酸の発現産物を発現する単離された懸濁適合細胞、または、発現産物を発現するそのような細胞の膜結合部分が提供され、その発現産物は組換えポリペプチド構築物を含み、組換えポリペプチド構築物が、(i)第1のアミノ酸リンカー配列、これに隣接するヒト天然B2Mペプチド配列と同一の配列を含むアミノ酸配列、これに隣接する第2のアミノ酸リンカー配列、これに隣接する事前に選択された第2のペプチド配列により結合された、事前に選択された5〜20アミノ酸のペプチドを含み、(i)が、(ii)MHC重鎖の配列、これに隣接する第4のアミノ酸リンカー配列、これに隣接する免疫グロブリンFcドメインと同一のアミノ酸配列、これに隣接する第5のアミノ酸リンカー、これに隣接する哺乳動物膜貫通ドメインを有する、アミノ酸配列に、1つまたは複数のジスルフィド結合により結合されている。実施形態では、事前に選択された第2のペプチド配列、及びその他の成分は、本明細書の他の箇所に記載の通りである。
【0078】
また、5'から3'の順に、
第1のB2Mリーダー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、事前に選択された5〜20アミノ酸のペプチドをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第1のアミノ酸リンカー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、ヒト天然B2Mペプチド配列と同一のアミノ酸配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第2のアミノ酸リンカー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、事前に選択された第2のペプチド配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第3のアミノ酸リンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第2のB2Mリーダー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、MHC重鎖と同一のアミノ酸配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第4のアミノ酸リンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、免疫グロブリンFcドメインと同一のアミノ酸配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第5のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、哺乳動物膜貫通ドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、ウイルスパッケージング配列をコードするオリゴヌクレオチド
を含む異種核酸を含むウイルス、プラスミド、またはウイルスベクターにより形質導入またはトランスフェクトされた、単離された懸濁適合細胞が提供される。ウイルスパッケージング配列またはシグナルは、当該分野で公知であり、また、本明細書に記載されている。実施形態では、第3のアミノ酸リンカーは発現後に自己切断する。自己切断型リンカーは、ウイルスP2Aペプチドとして、本明細書に記載されている。
【0079】
また、インスタント細胞により産生された(i)ウイルス様粒子または(ii)ウイルスが提供され、そのウイルス様粒子またはウイルスは、それらに結合された細胞膜部分を介して哺乳動物膜貫通ドメインにより物理的に会合され、発現産物は、N末端からC末端の順に、組換えポリペプチド構築物を含み、組換えポリペプチド構築物が、(i)第1のアミノ酸リンカー配列、これに隣接する、ヒト天然B2Mペプチド配列と同一の配列を含むアミノ酸配列、これに隣接する第2のアミノ酸リンカー配列、これに隣接する事前に選択された第2のペプチド配列により結合された、事前に選択された5〜20アミノ酸のペプチドを含み、(i)が、(ii)MHC重鎖の配列、これに隣接する第4のアミノ酸リンカー配列、これに隣接する免疫グロブリFcドメインと同一のアミノ酸配列、これに隣接する第5のアミノ酸リンカー、これに隣接する哺乳動物膜貫通ドメイン、これに隣接するウイルスパッケージング配列を有する、アミノ酸配列に、1つまたは複数のジスルフィド結合により結合されている。(i)ウイルス様粒子、または、(ii)ウイルスの実施形態において、哺乳動物膜貫通ドメインは、主要組織適合複合体重鎖膜貫通ドメインである。実施形態において、異種核酸は更に、哺乳動物膜貫通ドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列に関して3'側のウイルスパッケージング配列をコードするオリゴヌクレオチドを含む。(i)ウイルス様粒子、または(ii)ウイルスの実施形態において、事前に選択された第2のペプチドは、T細胞調節ドメイン、抗体エピトープ、蛍光タンパク質、核酸結合タンパク質、または、同時調節タンパク質である。
【0080】
また、5'から3'の順に、
第1のB2Mリーダー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、事前に選択された5〜20アミノ酸のペプチドをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第1のアミノ酸リンカー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、ヒト天然B2Mペプチド配列と同一のアミノ酸配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第2のアミノ酸リンカー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、事前に選択された第2のペプチド配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第3のアミノ酸リンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第2のB2Mリーダー配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、MHC重鎖と同一のアミノ酸配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第4のアミノ酸リンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、免疫グロブリンFcドメインと同一のアミノ酸配列をコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、第5のリンカーをコードするオリゴヌクレオチド配列、
これに隣接する、哺乳動物膜貫通ドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列
を含む、組換え核酸が提供される。
【0081】
組換え核酸の実施形態では、哺乳動物膜貫通ドメインは、主要組織適合複合体重鎖膜貫通ドメインである。組換え核酸の実施態様において、組換え核酸は更に、哺乳動物膜貫通ドメインをコードするオリゴヌクレオチド配列に関して3'側のウイルスパッケージング配列をコードするオリゴヌクレオチドを含む。
【0082】
また、T細胞と、少なくとも2つの細胞を含む複数の単離された懸濁適合細胞、または、発現産物を発現するそのような細胞の膜結合部分とを接触させる工程であって、細胞または膜結合部分の各々が、それに形質導入またはトランスフェクトした異種核酸の発現産物を発現し、その発現産物の各々が、5〜20アミノ酸のペプチド、これに隣接する第1のリンカーペプチド配列、これに隣接するβ2ミクログロブリン配列、これに隣接する第2のリンカーペプチド配列、これに隣接する主要組織適合複合体重鎖配列、これに隣接する第3のリンカーペプチド配列、これに隣接する蛍光タンパク質または免疫グロブリンFcドメイン、これに隣接する第4のリンカーペプチド配列、これに隣接する哺乳動物膜貫通ドメインを含み、複数の単離された懸濁適合細胞、または膜結合部分がこれらの細胞または膜結合部分の中で、5〜20アミノ酸のペプチドとT細胞が結合することを可能にする条件下で、少なくとも2つの異なるコードされた5〜20アミノ酸のペプチドを発現する、工程、
懸濁適合細胞とまたは膜結合部分と複合体を形成しているT細胞を回収する工程、
懸濁適合細胞からDNAを回収する工程、
回収したDNAを配列決定する工程、
DNAにコードされた5〜20アミノ酸のペプチドを同定して、それによりT細胞エピトープを同定する工程
を含む、T細胞エピドープのを同定する方法が提供される。
【0083】
本明細書に記載の方法においてT細胞を回収する実施形態では複合体を回収する。
【0084】
また、T細胞と、それに形質導入若しくはトランスフェクトした異種核酸の発現産物を各々が発現する、少なくとも2つの細胞を含む複数の単離された懸濁適合細胞、またはその膜結合部分とを接触させる工程であって、その発現産物の各々が、(i)第1のアミノ酸リンカー配列、これに隣接する、ヒト天然B2Mペプチド配列と同一の配列を含むアミノ酸配列、これに隣接する第2のアミノ酸リンカー配列、これに隣接する事前に選択された第2のペプチド配列により結合された、事前に選択された5〜20アミノ酸のペプチドを含み、(i)が、(ii)MHC重鎖の配列、これに隣接する第4のアミノ酸リンカー配列、これに隣接する、免疫グロブリンFcドメインと同一のアミノ酸配列、これに隣接する第5のアミノ酸リンカー、これに隣接する、哺乳動物膜貫通ドメインを有するアミノ酸配列に、1つまたは複数のジスルフィド結合により結合されており、複数の単離された懸濁適合細胞、またはその膜結合部分がこれらの細胞または部分の中で、5〜20アミノ酸のペプチドとT細胞が結合することを可能にする条件下で、少なくとも2つの異なるコードされた5〜20アミノ酸のペプチドを発現する、工程、
懸濁適合細胞とまたは膜結合部分と複合体を形成しているT細胞を回収する工程、
懸濁適合細胞からDNAを回収する工程、
回収したDNAの配列を決める工程、
DNAにコードされた5〜20アミノ酸のペプチドを同定して、それによりT細胞エピトープを同定する工程
を含む、T細胞エピトープを同定する方法が提供される。
【0085】
本方法の実施形態では、複合体を形成しているT細胞は、フローサイトメトリーにより回収される。本方法の実施形態では、複合体を形成しているT細胞は、蛍光活性化細胞選別により回収される。
【0086】
方法の実施形態において、本方法は、配列決定する工程の前に、回収したDNAを増幅する工程を含む。本方法の実施形態において、増幅する工程は、1つ以上のユニバーサルプライマーを用いることにより達成する。本方法の実施形態において、ユニバーサルプライマーの1つ以上は、異種核酸の配列の一部に方向付けられているが、細胞の天然β2ミクログロブリン配列をコードする核酸に相補的ではない。
【0087】
本方法の実施形態において、哺乳動物膜貫通ドメインは、主要組織適合複合体重鎖膜貫通ドメインである。本方法の実施形態において、T細胞は、対象から得られた末梢T細胞を含む。本方法の実施形態において、対象はヒトである。
【0088】
本方法の実施形態において、本方法は更に、複数の単離された懸濁適合細胞のDNAにおける5〜20アミノ酸のペプチドの存在に比べて回収したDNAでは濃縮されている、DNAをコードする5〜20アミノ酸のペプチドのいずれかを同定して、それにより1つ以上の免疫優性のT細胞エピトープを同定する工程を含む。
【0089】
本方法の実施形態において、本方法は更に、組換え技術によって設計されたT細胞受容体(TCR)発現対照細胞である対照のレベルとT細胞複合体のレベルとを比較する工程を含み、対照を超えるレベルは、免疫優性エピトープを示す。
【0090】
本方法の実施形態では、単離された懸濁適合細胞は、哺乳動物細胞である。実施形態では、単離された懸濁適合細胞は、HEK細胞である。
【0091】
本方法の実施形態において、単離された懸濁適合細胞が使用される。本方法の実施形態において、発現産物を発現する細胞である懸濁適合細胞の単離された膜結合部分が使用される。
【0092】
また、T細胞と、少なくとも2つの細胞を含む複数の単離された懸濁適合細胞、またはこのような細胞の膜部分に会合されるウイルス様粒子若しくはウイルスとを接触させる工程であって、細胞または膜結合部分が、それらに形質導入またはトランスフェクトした異種核酸の発現産物を発現し、その発現産物の各々が、5〜20アミノ酸のペプチド、これに隣接する第1のリンカーペプチド配列、これに隣接するβ2ミクログロブリン配列、これに隣接する第2のリンカーペプチド配列、これに隣接する主要組織適合複合体重鎖配列、これに隣接する第3のリンカーペプチド配列、これに隣接する蛍光タンパク質または免疫グロブリンFcドメイン、これに隣接する第4のリンカーペプチド配列、これに隣接する哺乳動物膜貫通ドメイン、これに隣接するウイルスパッケージング配列を含み、複数の単離された懸濁適合細胞、または細胞の膜部分に会合された複数のウイルス様粒子若しくはウイルスがこれらの細胞、またはウイルス様粒子若しくはウイルスの中で、5〜20アミノ酸のペプチドとT細胞が結合することを可能にする条件下で、少なくとも2つの異なるコードされた5〜20アミノ酸のペプチドを発現する、工程、
複数の懸濁適合細胞と、ウイルス様粒子と、またはウイルスと複合体を形成しているT細胞を回収する工程、
懸濁適合細胞からDNAを回収するか、またはウイルス様粒子若しくはウイルスからRNAを回収する工程、
回収したDNAまたはRNAを配列決定する工程、
DNAまたはRNAにコードされた5〜20アミノ酸のペプチドを同定して、それによりT細胞エピトープを同定する工程
を含む、T細胞エピトープを同定する方法が提供される。
【0093】
また、T細胞と、それに形質導入若しくはトランスフェクトした異種核酸の発現産物を各々が発現する、少なくとも2つの細胞を含む複数の単離された懸濁適合細胞、またはそのような細胞の膜部分に会合したウイルス様粒子若しくはウイルスとを接触させる工程であって、その発現産物の各々が、(i)第1のアミノ酸リンカー配列、これに隣接するヒト天然B2Mペプチド配列と同一の配列を含むアミノ酸配列、これに隣接する第2のアミノ酸リンカー配列、これに隣接する事前に選択された第2のペプチド配列によって結合された、事前に選択された5〜20アミノ酸のペプチドを含み、(i)が、(ii)MHC重鎖の配列、これに隣接する第4のアミノ酸リンカー、これに隣接する、免疫グロブリンFcドメインと同一のアミノ酸配列、これに隣接する第5のアミノ酸リンカー、これに隣接する、哺乳動物膜貫通ドメインを有するアミノ酸配列に、1つまたは複数のジスルフィド結合によって結合されており、複数の単離された懸濁適合細胞、ウイルス様粒子、またはウイルスがそれらの細胞の中で、5〜20アミノ酸のペプチドとT細胞が結合することを可能にする条件下で、少なくとも2つの異なるコードされた5〜20アミノ酸のペプチドを発現する、工程、
懸濁適合細胞と、膜部分に会合したウイルス様粒子と、または膜部分に会合しウイルスと複合体を形成しているT細胞を回収する工程、
懸濁適合細胞からDNAを回収するか、またはウイルス様粒子若しくはウイルスからRNAを回収する工程、
回収したDNAまたはRNAを配列決定する工程、
DNAまたはRNAをコードされた5〜20アミノ酸のペプチドを同定して、それによりT細胞エピトープを同定する工程
を含む、T細胞エピトープを同定する方法が提供される。
【0094】
実施形態では、細胞の膜部分に会合したウイルス様粒子またはウイルスは、そのような細胞から出芽している。
【0095】
本方法の実施形態では、複合体を形成しているT細胞は、フローサイトメトリーにより回収される。本方法の実施形態では、T細胞複合体は、FACSまたは二次抗体染色方法により回収される。実施形態では、二次抗体は、事前に選択された第2のペプチド配列に対して作製されている。
【0096】
実施形態では、本方法は、配列決定する工程の前に、回収したDNAまたはRNAを増幅する工程を含む。実施形態において、増幅する工程は、1つ以上のユニバーサルプライマーを用いて行われる。
【0097】
実施形態では、(i)複合体を形成しているT細胞と、T細胞表面マーカー分子に対して作製された抗体または抗体フラグメントを磁気ビーズの外部表面に結合させた磁気ビーズとを接触させること、および(ii)磁気ビーズを回収するようにビーズに磁場を印加することにより、複合体を形成しているT細胞は回収される。
【0098】
実施形態では、T細胞表面マーカー分子は、CD8分子である。
【0099】
本方法の実施形態では、懸濁適合細胞、またはその膜部分は、構築物を形成する蛍光タンパク質を発現し、複合体を形成しているT細胞は、該蛍光タンパク質の蛍光に基づく蛍光活性化細胞選別により回収される。
【0100】
本方法の実施形態では、ウイルス様粒子またはウイルスは、二次抗体ベースシステムにより回収され、二次抗体は、発現した構築物中のエピトープに対して作製されている。そのようなエピトープの非限定的な例としては、FLAG及びMYCエピトープが挙げられる。
【0101】
記載された本発明の単離された懸濁適合細胞の実施形態では、β2ミクログロブリンは、ヒトβ2ミクログロブリンと同一の配列を有する。単離された懸濁適合細胞の実施形態では、組織適合複合体重鎖配列は、ヒトHLA−A配列と同一の配列を有する。単離された懸濁適合細胞の実施形態では、組織適合複合体重鎖膜貫通ドメインは、ヒト主要組織適合複合体I重鎖膜貫通ドメインと同一の配列を有する。
【0102】
記載された本発明の実施形態では、複数は、少なくとも100個の異なるコードされた5〜20アミノ酸のペプチドを含むことができる。実施形態では、ペプチドは、8、9、10、11、または、12アミノ酸のペプチドである。実施形態では、複数は、少なくとも1000個の異なるコードされた8、9、10、11または12アミノ酸のペプチドを含む。実施形態では、複数は、少なくとも10,000個の異なるコードされた8、9、10、11または12アミノ酸のペプチドを含む。実施形態では、複数は、少なくとも100,000個の異なるコードされた8、9、10、11または12アミノ酸のペプチドを含む。実施形態では、複数、少なくとも1×10
6個の異なるコードされた8、9、10、11または12アミノ酸のペプチドを含む。実施形態では、複数は、少なくとも1×10
7個の異なるコードされた8、9、10、11または12アミノ酸のペプチドを含む。実施形態では、複数は、少なくとも1×10
8個の異なるコードされた8、9、10、11または12アミノ酸のペプチドを含む。
【0103】
単離された懸濁適合細胞、または複数の単離された懸濁適合細胞の実施形態では、コードされたペプチドは九量体(9アミノ酸長)である。
【0104】
記載された本発明の実施形態では、コードされたペプチドは、細胞の細胞外表面上に提示される。
【0105】
実施形態では、組換え核酸はベクターである。実施形態では、ベクターは、ウイルスベクターである。実施形態では、ウイルスベクターは、レンチウイルスベクターである。
【0106】
単離された懸濁適合細胞、複数の懸濁適合細胞、または組換え核酸の実施形態において、核酸はDNAを含む。
【0107】
実施形態において、ユニバーサルプライマーの1つ以上は、異種核酸の配列の一部に方向付けられているが、細胞の天然β2ミクログロブリン配列をコードする核酸に相補的ではない。
【0108】
実施形態において、T細胞は、対象から得られた末梢T細胞を含む。
【0109】
本明細書に記載の方法の実施形態では、対象はヒトである。
【0110】
実施形態では、本方法は、得られた結果と、組換え技術によって設計されたTCR発現対照細胞の結果とを比較する工程を含む。実施形態では、組換え技術によって設計されたTCR発現対照細胞は、HEK細胞である。
【0111】
細胞の実施形態では、β2ミクログロブリンは、ヒトβ2ミクログロブリンと同一の配列を有する。実施形態では、組織適合複合体重鎖配列は、ヒトHLA−A配列と同一の配列を有する。実施形態では、組織適合複合体重鎖膜貫通ドメインは、ヒトの主要組織適合複合体I重鎖膜貫通ドメインと同一の配列を有する。
【0112】
少なくとも2つの異なるコードされた8、9、10、11または12アミノ酸のペプチドを含む、複数の単離された懸濁適合細胞が提供される。
【0113】
同質遺伝子細胞株(細胞1個当たりの単一の組込み)の分野では、実用限界は使用するライブラリーの複雑さと同じである。言い換えれば、反応における細胞数、例えば、10
6〜10
8個に基づいて、スケール変更される
。
【0114】
本発明の実施形態において、β2ミクログロブリンと主要組織適合複合体重鎖との間のリンカーを除去することにより、2つの分離した産物をもたらすことができる。これらは、細胞内で自然に集合する。
【0115】
実施形態では、核酸は以下の配列を含み、
(n)
xは、8、9、10、11または12アミノ酸をコードするヌクレオチド配列であり、xは、それぞれ24、27、30、33、または36ヌクレオチドである:
。実施形態では、24、27、30、33、または36ヌクレオチドは、それぞれ、8、9、10、11、または、12個のコドンまたは等価物で構成されている。
【0116】
実施形態では、組換え核酸は、レンチウイルス送達のためには最大約3000ntである。実施形態では、組換え核酸は、プラスミド送達のためには最大約10,000ntである。
【0117】
実施形態では、核酸は以下の配列をコードするか、または発現産物は以下の配列を含み、X
(n)は、8、9、10、11、または12アミノ酸のペプチド配列であり得る:
。
(n)は、8、9、10、11、または12のいずれか1つ、あるいはその部分範囲であり得る。
【0118】
リーダー配列は、哺乳動物細胞で処理することができる任意のシグナルペプチドを含む。このような配列は、当該分野で公知である。
【0119】
本発明で使用可能な蛍光タンパク質は、GFP、RFP、YFP、mFRUITを含む。任意の核酸コード可能な蛍光タンパク質は、例えば、mPlum、mCherry、tdTomato、mStrawberry、J−Red、DsRed−単量体、mOrange、mKO、mCitrine、Venus、YPet、EYFP、Emerald、EGFP、CyPet、mCFPm、Cerulean、T−Sapphire、GFPを使用することができる。
【0120】
例示的な非限定的B2Mリーダーは、
である。
【0121】
例示的な非限定的B2M配列は、
である。
【0122】
例示的な非限定的MHC重鎖配列は、
である。
【0123】
例示的な非限定的免疫グロブリンFcドメイン配列は、
である。
【0124】
例示的な非限定的ウイルスパッケージング(VP)配列(シグナル)は、
である。一実施形態では、ウイルスパッケージング配列は、8〜20アミノ酸長である。一実施形態では、ウイルスパッケージング配列は、8アミノ酸長である。
【0125】
一実施形態では、非切断型リンカーはそれぞれ独立して5〜40アミノ酸長である。一実施形態では、非切断型リンカーはそれぞれ独立して5〜30アミノ酸長である。一実施形態では、非切断型リンカーはそれぞれ独立して5〜20アミノ酸長である。一実施形態では、非切断型リンカーはそれぞれ20アミノ酸長である。
【0126】
本明細書中で使用される通り、「同一の配列」を有することは、参照配列の確立された機能または既知の機能を妨げることなく、参照配列との95%以上の配列類似性を有することを意味する。実施形態では、同一の配列を有することは、参照配列と完全に同一の配列を有することを意味する。
【0127】
本明細書に記載の種々の要素の組み合わせの全ては、本明細書に示されない限り、または文脈により明らかに矛盾しない限り、本発明の範囲内にある。
【0128】
本発明は、以下の実施例の詳細からより良く理解されるであろう。しかし、当業者は、考察される特定の方法及び結果が、以下の特許請求の範囲により完全に記載される本発明を単に示すものであることを、容易に理解するであろう。
【0129】
実験の詳細
本明細書において、患者試料の高スループットT細胞エピトープマッピングのための候補T細胞エピトープ(「epiCELL」)を提示するための、好ましくは、読み出し用として高感度かつ大量並列型の次世代シーケンシングを用いた新規な哺乳動物細胞ディスプレイプラットフォーム(免疫モニタリング)が記載されている。
【0130】
この手法では、例えば、HEK細胞の表面上にクラスI MHCに関連する多数のT細胞エピトープが提示されるのを可能にするために、新規な膜結合型単鎖ペプチドMHC(sc−pMHC)の哺乳動物細胞ディスプレイプラットフォームの使用に重点が置かれている。これらの発現プールには、非限定的実施例において、カテゴリーA〜Cの病原体の疾患、治療、及び中和に直接関連するそれらのエピトープを同定するために、例えば、健康な患者、感染した患者、治療した患者、免疫化された患者由来のT細胞を投与している。病原体から同定された免疫優性署名は、集合させられて病原体エピトープコレクションを構築し、迅速かつポータブル診断ツールとして使用して全血から直接検出することができる。
【0131】
好ましい戦略は、疾患関連エピトープを直接同定するために、哺乳動物細胞の表面に表示されかつ患者/コホートの特異的な末梢T細胞に対して投与された、sc−pMHC構築物のライブラリーを活用する。
図1に示すように、sc−pMHCベクターのライブラリーはプールされ、HEK293細胞などの懸濁適合細胞に一斉にトランスフェクトされること(または、例えば、レンチウイルスプールの場合、形質導入されること)ができ、このようにしてepiCELLプールが生成される。
【実施例】
【0132】
実施例1
epiCELLプールを、患者由来の末梢T細胞と混合して(標準的なプロトコールを使用して全血試料から精製[26])、TCRと、epiCELLプールによって発現されたそれらの同族sc−pMHCリガンドとが特異的に会合することによって複合体を形成することを可能にする。次いで、例えば、複数の患者の試料を同時に処理するための磁気分離、または単一の試料用のより一般的なフローサイトメトリー選別法により、複合体を回収する。濃縮されたプールメンバー由来のエピトープ配列を、PCR(ユニバーサルプライマーを使用する)により増幅させ、大規模な次世代シークエンシングに供して、取得プロセスにより濃縮されたエピトープを同定する。これらの濃縮されたエピトープにより、免疫優性のT細胞エピトープが直接同定される。更に、所望の場合、その後の検証を、生体外の方法(例えば、サイトカインELISpot、FACS)により、実行することができる[27]。この戦略によって、単一の患者試料から、すべての疾患に関連する免疫優性エピトープを迅速に同定することが可能になる。注目すべきことに、この手法を、インデックス付きのアダプタ、例えば、TruSeq(登録商標)の使用により多重化して、スループットを大幅に向上させてコストを削減することができる(例えば、複数の患者の試料は、NGSフローセルの単一レーン上で実行することができる)。
【0133】
構築物:膜に固定されたクラスI sc−pMHC分子の1つの全体的なデザインは、
図2に示される。簡単に言えば、この構築物は、直後に候補エピトープ(ペプチドとして表示)が続く、プラズマ膜局在化を可能にするための天然ヒトB2Mリーダー配列を用いている。ERでリーダー配列を完全に除去すると、MHC結合ポケット中にペプチドを提示することができる。これは更に、天然B2M分子、ヒトHLA−A02:01対立遺伝子、及びリンカー領域を介して、表面に露出したmCherry発現プロキシに結合している(各リンカーについて
の4個の反復)。全体の構築物を、天然のクラス−I重鎖膜貫通ドメイン(HC TM)を介して膜に保持する。MHCクラス−I分子への抗原性ペプチドの共有結合は、十分に確立されており、生体外及び生体内の両方で非常に有効である[28〜30]。この戦略は、非共有結合ペプチド複合体の交換(交差提示)、特に弱く結合しているものの交換から生じる、意図しないT細胞結合/活性化に関連する困難さを排除する。更に、このモジュール設計は、所定のMHC対立遺伝子に関連する異なるペプチド配列をコードする大きなライブラリーの生成(及びその後の照合)のための高スループットの分子生物学的操作(例えば、クローニング/シークエンシング)に容易に受け入れられる。このプラットフォームは、一本鎖構造の「普遍的」な性質を利用する。このパラダイムでは、ライブラリーの中での唯一の違いは、九量体ペプチド自体をコードする27ヌクレオチドの配列である(例えば、エピトープ)。この非反復配列は、「ユニバーサルプライマー」(
図2において順方向/逆方向として表示)を用いて増幅することができ、かつ、大規模シークエンシング、及びそれに続くT細胞投与後の翻訳によって、容易に識別されることができる[31〜34]。特に、「ユニバーサル」プライマーアニーリングのためのコンセンサス領域を形成するヌクレオチド配列は、内因性B2Mプールからバックグラウンド増幅を回避するために、天然B2Mヌクレオチド配列から離れて改変されている(すなわち、HEK細胞からのB2M)。
【0134】
MHC対照。本発明者らのグループレバレッジの5個の既知病原性のHLA−A02限定エピトープ内の初期実行可能性調査は、5つの独立したウイルス性病原体(サイトメガロウイルスpp65タンパク質残基495〜504[以後CMVと呼ばれる]、インフルエンザマトリックスタンパク質58〜66[FLU]、エプスタイン・バーウイルスBMLF1 259〜267[EBV]、ヒトTリンパ球向性ウイルスタックス11〜19[HTLV]、及び、HIV gag p17 76〜84[HIV])に結合されている。HEK293の安定な細胞株を、
図2に示す天然のヒトクラス−I重鎖膜貫通ドメインを介して膜に固定された表面mCherryの発現プロキシを有するsc−pMHC構築物を担持しているウイルスのレンチウイルス形質導入により作製した。本発明者らの構築物の表面発現を、mCherryのプロキシ発現及び抗mCherryの表面発現をモニタリングする蛍光活性化細胞選別(FACS)を介して検証して(
図3に示されているもの4つ)、そして、構築物が発現して適切に形質膜を標的とすることを立証する。特に、EBV対照ペプチドは、この図の生成後に添加したが、EBVの表面発現プロファイルは、他の4つの対照で観察されるものを反映している(データは図示せず)。
【0135】
このシステムでは、mCherryの表面提示は、変性タンパク質がより頻繁にER/ゴルジに閉じ込められている/保持されているにつれて、MHC構築物の適切な折り畳みの指標となるが[35]、しかしながらMHCの折り畳みの直接評価がもちろん望ましい。HEK293細胞が、自然にHLA及びB2M分子を発現するため、表面B2MまたはHLAを直接染色して適切な折り畳みをモニターすることは困難である。単鎖膜を固定したMHCデザインによって、天然ヒトB2Mの5'非翻訳領域(UTR)を標的とする、適切に折り畳まれた材料shRNAヘアピン(pGIPZクローンVA282[カタログ番号:RHS4430−101098345]がもたらされることを確実にするために、EinsteinのshRNAコア施設によって提供されるノックダウン細胞)を活用して、B2M及びHEK細胞内の表面MHCの内因性発現を下方調節した(B2Mは、MHCのアイソタイプに関係なく、MHC折り畳み/局在化には不可欠であるので、下方制御のために選択した)。この実装には、統合された構築物の持続的な発現を促進するために、5'UTRが含まれていない。
図4で示す通り、天然HLAの95%超を、立体配座依存性の抗MHCクラスI抗体に対する表面染色によりモニターした通り、shRNA戦略を使用して効果的に下方制御した(使用したmAb W6/32は、MHCとB2Mの両方が結合するために適切に折り畳まれていることが必要である[36]。特に、リーダーペプチドの及びエピトープ提示の適切な処理は、MHCの安定性/折りたたみの要件である。)。MHC表面の発現は、ライブラリー(CMV)からの代表的な構築物による形質導入により回復された。まとめると、これは、構築物が適切に局在すること(抗mCherryよりモニターされる通り)、及び十分に折りたたまれていること(抗HLAでモニターした通り、
図4)の両方を示唆する。
【0136】
TCR対照。この実験室内での懸濁適合HEK細胞株の広範囲な使用を考え、当然、HEK細胞を、対照TCR株の生成のために発現宿主として必然的に選択した。HEK293細胞は、TCR遺伝子を内因的に発現せず、また修飾なしにTCR構築物を発現することもできない(本発明者ら自身[データは示されていない]、及び他者により観察される通り[37])。TCRは、不変のCD3鎖分子との複合体の一部として発現される、ジスルフィドで結合した膜固定ヘテロ二量体(α/β鎖)である。CD3鎖はTCRとともに、T細胞受容体複合体として知られるものを形成する。完全な複合体は、適切な発現及び形質膜局在化のために必要とされる。対照TCRの発現を可能にするために、レンチウイルス同時形質導入技術を用いたが、この技術は、1つのレンチウイルス構築物が、種々のウイルス2A「自己切断型」ペプチドで結合された完全なCD3遺伝子カセットを保有し[37](
図5、上部)、第2のレンチウイルス構築物が、単一のP2Aペプチドによって結合されたTCRのα鎖及びβ鎖を担持して、P2Aペプチドが哺乳動物細胞中で最も高い「切断」効率を示すときに化学量論的発現を可能にする、[2]。mCerulean(BLUE)発現プロキシは、β鎖の膜貫通セグメント(
図5、下部)に従う。原理証明の研究は、以上で考察されたHLA分子のために5個の同族TCR(TCR RA14[CMVペプチドに特異的に結合する]、JM22[FLU]、AS01[EBV]、A06[HTLV]、及び1803[HIV])を用いる。構築物の表面発現を、同族MHC五量体染色(
図6、Proimmuneから購入した五量体)により確認された抗TCR、及び抗CD3抗体染色(データは図示せず)並びに活性T細胞複合体形成により確認した。形質導入されていない細胞を陰性対照として使用した。
【0137】
epiCELLスクリーニングプラットフォーム。従来のMHC四量体(またはより最近の五量体)ベースの提示によって、単一のタンパク質に対する結合活性が強化されるが、真核細胞の細胞膜上でクエリータンパク質が発現することにより、抗原密度がより大きくなり、結合活性が顕著により高くなり、かつより微弱なpMHC:TCRの相互作用を検出するためのダイナミックレンジが拡大することが期待される。5個のTCRを個別に発現させて、5個の同族sc−pMHCのepiCELLを補完した。細胞質mCherry(CYTOとして表示)、及び表面発現したmCherryを(MHCなし、STALKとして表示)を、陰性対照として使用した。個体集団及び混合集団のフローサイトメトリー分析によって、同族MHC:TCR対を発現する細胞は、両方提示されるときのみ(
図7)、特定の細胞−細胞間の相互作用を表すシグナルが顕著に増加する(100倍、A06:HTLV相互作用)ことが明示された。次に、2つのepiCELL(CMV及びFLU)はプールされ、独立したTCR保有HEK細胞(JM22のみ)を用いて投与され、かつ、形成された複合体上で選別された。各プールからゲノムDNAを抽出し、エピトープの周りの隣接領域を標的とするユニバーサルプライマーを用いて、PCRの約30サイクル実施した(
図2、上部)。得られたPCRバンドは、
図8(上部)に示され、これらのアンプリコンは、ライブラリー調製(例えば、多重TruSeqでインデックス付けされたアダプタの追加)のために提示し、その後の次世代シークエンシング(NGS)を実施した(イルミナMiSeq)。ライブラリー調製及びシークエンシングは、Einstein Epigenomicsのコア施設で実施した。NGSの実行から得られたFASTQファイルを分析して、エピトープを容易に同定した(
図8、下部)。それぞれでは、観測されたエピトープ配列の絶対数は、本発明者らのQCフィルターを通過する全ての観測されたNGSの読み取りの割合として計算して標準化した。注目すべきは、これらは、ライブラリー内の第1の検証された構築物であったので、CMV及びFLUは、最初のスクリーニングのために選択したことである。
【0138】
更なる実施例において、EBV BMLF1タンパク質を表す全ての重複九量体(約400個のepiCELLの1プール)に対する完全なスクリーンは、EBV感染患者からの免疫優性署名を同定するために調査することができる(35歳未満の成人の約95%がEBV反応性末梢T細胞を維持するため、この対象が選択された)。
【0139】
epiCELLプラットフォームは、ヒト疾患に関連する生体関連T細胞エピトープの全体集合を定義するのに使用することができる。エピトープマッピングのための、次世代シークエンシング(NGS)をベースとするepiCELLプラットフォームは、より大規模な「コンビナトリアル」ライブラリーと組み合わせて、選択したTCRに対するミモトープスクリーニングの拡張を可能にし、それによって親和性/反応速度が変更された結合物質を同定することができ、更に、同時に包括的な適用範囲に匹敵する感度で単一の患者試料内の全ての免疫学的反応性の調査にまで拡大適用することができる。ペプチド抗原エピトープ(及びミモトープ)の同定は、保護及び病理学的免疫応答に関与するクラスIMHC拘束性T細胞の同定、単離、及び調節における重要な第1のステップである。特に、記載される方法は、クラスII(CD4+T細胞)反応性の類似する徹底的な調査に容易に拡大適用/変更することができる。
【0140】
実施例2
この実験では、5個のMHCを保有する全てのepiCELL用のレンチウイルス(CMV、FLU、EBV、HIV、HTLV)を、個別に形質導入し、等しい比率でプールし、4個の同族TCRを有する細胞(RA14、JM22、AS01、A06)に対して別々に投与して、形成された複合体上で選別した。各プールからのゲノムDNAを抽出し、エピトープの周りの隣接領域を標的とするユニバーサルプライマーを用いてPCRの約30サイクル実施した。得られたPCRバンドは、
図9(上部)に示されており、これらのアンプリコンは、ライブラリー調製のために提示し(例えば、多重TruSeq(登録商標)のインデックス付きアダプタの追加)、その後の次世代シークエンシング(NGS)を実施した(イルミナMiSeq)。ライブラリーの調製及びシークエンシングは、アルバート・アインシュタイン医科大学のエピゲノミクスのコア施設で実施した。NGSの実行から得られたFASTQファイルを分析して、エピトープを容易に同定した(
図9、下部)。事前に選別された集団(ライブラリー)内で同定されたエピトープは、16〜23%の範囲内であった(データは図示せず)。TCR投与データセットのそれぞれでは、観察されたエピトープ配列の絶対数は、QCフィルターを通過する全ての観測されたNGS割合として計算して標準化し、事前に選別したプールから採取された平均及び標準偏差パラメータを用いて、Zスコアを計算するために使用した。これらの結果は、epiCELLプラットフォームの有用性を強調し、更には非最適化結合/洗浄プロトコールを使用するスクリーンの頑強性を示す。
【0141】
実施例3
epiCELLの有用性は、単一鎖構築物(Fc融合による二価の提示の有り及び無し)だけではなく、分割構築物(synTac)も含み、それによってepiCELLに関連する複合タンパク質またはペプチド断片の部分提示を可能にするように拡大することができる。また、epiCELLプール由来の断片を含有する小細胞膜(例えば、微小胞、エキソソーム、ウイルス様粒子[VLP]、及びレトロウイルス[例えば、レンチウイルスなど])の使用により、スクリーニングのための反応体積の大幅な減少が可能となっている(これらのウイルス粒子ベースの手法は、しばしば、本明細書において、「ビラトープ」と称される)。これらの発現プール(epiCELLまたはビラトープ)に、健康な患者、感染した患者、治療された患者、免疫を与えられた患者由来のT細胞を投与して、疾患、診断、治療、中和、並びに疾患の進行及び治療応答のモニタリングに直接関連するそれらのエピトープを同定する。
【0142】
例示的な変異体は、直後にリンカーL1を介してB2M分子に共有結合されている候補ペプチドエピトープが続く、天然ヒトB2Mリーダー配列と同一の配列を、引き続き用いている(
図10Aに図示されている)。しかし、3つの新しい構築物は、それらの全体的な構築様式、及び、共有組織が異なる。第1の変異体(
図10A(1)参照)は、従来のepiCELLベースの提示に類似するが、先端のC末端にウイルスパッケージングシグナルが加えられている(例えば、VPとして表示されたGP41エンベロープタンパク質の残基706〜713)。VP配列の存在は、従来のepiCELLベースのスクリーニングの分野では影響がないが、epiCELLプールから出芽したとき、ウイルス様粒子(VLP)またはレトロウイルス(例えば、レンチウイルス)へのパッケージングを可能にする。表面発現した構築物の局所的結合価を高めるために、VP配列で再度終結するFc融合ベースの構築物を使用して(
図10A(2)、ヒトIgGl Fc、マウスIgG2a Fcなど)、ウイルスパッケージングを可能にする。表面発現のプロキシ(すなわち、mCherry)を、この変異体から除去しているので、従来の抗体のためのエピトープ(例えば、FLAG、MYC等)を、リンカーL4中に置き、それにより、抗体染色を介して細胞膜の局在化を検出することができるようになっている。現在記載されているこれらの構築物(A.l及びA.2)は、一本鎖構造を利用しており、したがって、スクリーニング目的のために代替タンパク質結合を介してシステムを拡張する能力に制限される。追加のタンパク質またはペプチド結合の包含を介してepiCELLスクリーニングプラットフォームのモジュール性/柔軟性を高めるために、この実験室においてまた開発されたsynTacベースの発現構築物を用いる。簡単に言えば、戦略の基礎的をなすsynTacは、MHC構築物を、ペプチドとタンパク質の両方を様々な末端に(
図10A.(3)及び
図10Bに図示する)に融合することにより、重鎖と軽鎖のそれぞれに分割する。この構築物によって、ペプチドエピトープが軽鎖(B2M)のN末端に共有結合的に融合し、次いで、軽鎖のカルボキシ末端が本発明者らのMODエフェクター分子に延長する、
図10B。このシナリオにおいて、重鎖(HLA分子)は、Fcドメインに融合される。すべての成分は、真核細胞(例えば、HEK、CHO)の産生中に会合して、自己組織化する。特に、2つの鎖は、ジスルフィド結合を介して共有結合的に連結されている(赤線で示す)。この場合のMODは、任意のタンパク質、ペプチド、またはスクリーニングのために必要な他の化学物質であり得る。例としては、二次染色のための抗体のエピトープ(FLAG、MYCなど)、直接蛍光検出のための蛍光タンパク質(GFP、mFruitなど)、核酸結合タンパク質、または、同時調節タンパク質がある。全ての構築物は、天然のクラス−I重鎖膜貫通ドメインを介して細胞膜(TM、これは、任意のヒト、マウス、または他のTMドメインであってよい)に局在化する。ユニバーサルプライマーを使用して、T細胞投与後にこの構築物で見出される非反復27ヌクレオチド配列(九量体ペプチド)を増幅し、それによって、疾患関連エピトープを直接同定する。しかし、5〜20アミノ酸で変動するがそれに限定されていない長さのペプチドは、候補エピトープである。
【0143】
レンチウイルスディスプレイ用epiCELLスクリーニングプラットフォームの拡張:ビラトープ。完全なコンビナトリアルスクリーニングの分野において(例えば、ペプチド配列が完全にランダム化されたとき)、従来のepiCELLを用いたとき、完全なライブラリーの適用範囲を確保にする体積(すなわち、10
9個のエピトープ)は、10〜100ミリリットルの範囲であり得る。この要件は、主として、高濃度(例えば、1mlあたり1千万超の濃度)での乏しい細胞生存性に加えて、epiCELLディスプレイに使用されるHEK細胞の比較的大きなサイズに起因する。レトロウイルス(例えば、レンチウイルス)は、日常的に、エンベロープタンパク質(VSV−Gなど)と共に、特定のウイルスがコードされた遺伝子(ヘルパープラスミドと呼ばれる)を含有するパッケージングプラスミドでのトランスフェクションを介してHEK細胞から生成する。注目すべきことに、これらの細胞から出芽したレトロウイルス粒子は、極端な濃度(1ml当たり10億超の)で安定している。減少した反応体積及び強化された安定性を利用するために、表面発現MHC構築物内で、ウイルスパッケージングシグナル(VP)を活用して、ヘルパープラスミド単独での(エンベローププラスミドの添加なしの)epiCELLプールのトランスフェクション後のウイルス粒子へのパッキングを可能にし、それによって、ペプチドMHCにより出芽レンチウイルスを効果的にシュードタイプ化させる。具体的には、単鎖構築物(
図10A.(2))は、β2ミクログロブリン(B2M)、HLA−A
*0201に結合されたペプチドエピトープから成り、ヒトIgG1 Fcは、第3世代のレンチウイルストランスフェクションシステムのエンベロープ成分と置換した。構築物はまた、(L4リンカー領域に配置された)二次抗体による検出のためのFLAGエピトープタグを含有した。HLA−A
*0201との関連で提示されるペプチドエピトープは、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)由来の
ペプチドエピトープ、またはインフルエンザ(FLU)由来の
ペプチドエピトープのいずれかである。採取したレンチウイルスを、超遠心分離により100倍濃縮して4℃で保存した。各ビラトーププールからのゲノムRNA(DNAとは対照的)は、抽出して、一連の逆転写(RT)を行い、続いて、エピトープの周囲の隣接領域を標的とするユニバーサルプライマーを用いてPCRを約30サイクル実施した。得られたPCRバンドは、
図11Aに示されている。特に、PCRバンドは、最初のRTステップ(レーン1)の存在下でのみ観察され、逆転写酵素を省略したときは(レーン2)、存在せず、それによって、コンピテントな(例えば、RNAを負荷した)レトロウイルスの生成が実証される。これらのアンプリコンは、ライブラリーの調製のために提示され(例えば、多重化TruSeqのインデックス付きアダプタの追加)、及びその後の次世代シークエンシング(NGS)は、epiCELLスクリーニングとのプロセスの互換性を確保するために実施した(illumina MiSeq)。ライブラリー調製及びシークエンシングは、Einstein Epigenomicsのコア施設で実施した。NGSの実行から得られたFASTQファイルを分析して、エピトープを容易に同定した(
図11B)。続いて、以前のepiCELL結合実験と同様に、ビラトープを、特定の、または、無関係のT細胞受容体(TCR)のいずれかでトランスフェクトしたHEK細胞に適合した。余分なビラトープ粒子を細胞から洗浄し、残りの細胞に結合したレンチウイルスは、PE結合抗FLAG抗体を介して検出した。無関係なエピトープではなく、同族体によりシュードタイプ化したビラトープは、特定のペプチドのMHC五量体による染色に匹敵する方法(
図12)で、それぞれのTCR発現HEK細胞に結合し、それによって、特異性、及び、エピトープスクリーニングのためのepiCELLプール由来のビラトープ粒子の特異性及び一般的な有用性が実証された。
【0144】
エピトープマッピングのための現行の次世代シークエンシング(NGS)ベースのepiCELL/ビラトーププラットフォームは、より大きな「コンビナトリアル」ライブラリーと組み合わせて、選択したTCRに対するミモトープスクリーニングの拡張を可能にし、それによって親和性/反応速度が変更された結合物質を同定することができ、更に、同時に、包括的な適用範囲に匹敵する感度で、単一の患者試料内の全免疫学的反応性の調査にまで拡大適用することができる。ペプチド抗原エピトープ(及びミモトープ)の同定は、保護及び病理学的免疫応答に関与するクラスIMHC拘束性T細胞の同定、単離、及び調節において重要である。上述の方法は、クラスII(CD4
+T細胞)反応性の類似する調査に容易に拡大適用される。
【0145】
参考文献