【文献】
OSM Group, China,Fresh Whitening Sunscreen SPF30+ PA+++ Set,Mintel GNPD,2016年 3月,ID#3893327,URL,https://WWW.portal.mintel.com
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔成分(A):HLB6以下のノニオン性界面活性剤〕
成分(A)であるHLB6以下のノニオン性界面活性剤としては、乳化安定性を向上させ、塗布時のべたつきのなさ、肌なじみが良好で、紫外線防御効果を高める観点から、EO鎖を持たないノニオン性界面活性剤が好ましく挙げられ、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びプロピレングリコール脂肪酸エステルから選択される1種又は2種以上のノニオン性界面活性剤がより好ましく挙げられる。これら成分(A)のノニオン性界面活性剤の脂肪酸部分の炭素数は、乳化安定性を向上させ、塗布時のべたつきのなさを良好にする観点から、8〜24が好ましく、12〜22がより好ましい。
成分(A)のノニオン性界面活性剤のHLBは、乳化安定性を向上させ、紫外線防御効果を高める観点から、好ましくは3.0以上、より好ましくは3.5以上、更に好ましくは4.0以上であり、また、好ましくは5.5以下、より好ましくは5.0以下である。
【0011】
ここで、成分(A)のHLB(Hydrophile-Lipophile Balance)は、油−水系で界面活性剤の両液体に対する相対的親和力の比を表す指標であり、グリフィン(GRIFFIN)の定義による、25℃におけるHLBを意味する。グリフィンによるHLBは、J. Soc. Cosm. Chem., 1954, 5:249-256 において定義されている。
【0012】
成分(A)としては、具体的には、ミリスチン酸グリセリル(HLB:3.5)、モノステアリン酸グリセリル(HLB:4.0)、イソステアリン酸グリセリル(HLB:4.0)、オレイン酸グリセリル(HLB:2.5)、モノステアリン酸ソルビタン(HLB:4.7)、モノオレイン酸ソルビタン(HLB:4.3)、モノイソステアリン酸ソルビタン(HLB:5.0)、トリステアリン酸ソルビタン(HLB:2.1)、トリオレイン酸ソルビタン(HLB:1.7)、モノステアリン酸ジグリセリル(HLB:5.0)、モノオレイン酸ジグリセリル(HLB:5.5)、イソステアリン酸ジグリセリル(HLB:5.5)、モノステアリン酸テトラグリセリル(HLB:6.0)、トリステアリン酸ヘキサグリセリル(HLB:2.5)、ペンタステアリン酸デカグリセリル(HLB:3.5)、ペンタイソステアリン酸デカグリセリル(HLB:3.5)、ペンタオレイン酸デカグリセリル(HLB:3.5)、モノステアリン酸プロピレングリコール(HLB:3.5)等が挙げられる。これらのうち、乳化安定性を向上させ、紫外線防御効果を高める観点から、ミリスチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、イソステアリン酸ジグリセリル、ペンタステアリン酸デカグリセリル、ペンタイソステアリン酸デカグリセリル、ペンタオレイン酸デカグリセリル及びモノステアリン酸プロピレングリコールから選択される1種又は2種以上を含むことが好ましく、モノステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン及びモノステアリン酸ジグリセリルから選択される1種又は2種以上を含むことがより好ましく、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン及びモノイソステアリン酸ソルビタンから選択される1種又は2種以上を含むことが更に好ましい。
【0013】
成分(A)の水中油型乳化化粧料中における含有量は、塗布時の肌なじみや延展性を向上させ、塗布時のべたつきを低減する観点より、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上、更により好ましくは0.8質量%以上、特に好ましくは1.2質量%以上であり、また、好ましくは6質量%以下、より好ましくは4.5質量%以下、更に好ましくは4質量%以下、更により好ましくは3.5質量%以下、特に好ましくは2.8質量%以下である。
【0014】
〔成分(B):HLB6超のショ糖脂肪酸エステル〕
成分(B)のショ糖脂肪酸エステルは、食品、化粧料原料に一般に用いられるショ糖脂肪酸エステルであれば特に制限されないが、脂肪酸の平均置換度が2以上であるショ糖脂肪酸エステルが好ましい。置換度が2以上であるショ糖脂肪酸エステルとは、ショ糖の水酸基の水素原子が2つ以上脂肪酸アシル基で置換されたエステルであり、前記の観点から、脂肪酸の平均置換度が2〜6のショ糖脂肪酸エステルがより好ましい。
【0015】
ショ糖脂肪酸エステルの脂肪酸部の炭素数は、塗布時のべたつきを抑制し、延展性を向上させる観点から、好ましくは8以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは12以上であり、また、好ましくは20以下、より好ましくは18以下、更に好ましくは16以下である。
【0016】
ショ糖脂肪酸エステルのHLBは、乳化安定性を向上させ、紫外線防御効果を高める観点から、好ましくは10.0以上、より好ましくは12.0以上、更に好ましくは14.0以上であり、また、好ましくは20.0以下、より好ましくは18.0以下、更に好ましくは17.0以下である。
【0017】
ここで、成分(B)のHLBは、前記グリフィン(GRIFFIN)の定義による。
【0018】
成分(B)としては、具体的には、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル等が挙げられる。これらのうち、塗布時のべたつきを抑制し、延展性を向上させる観点から、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル及びショ糖ステアリン酸エステルから選択される1種又は2種以上を含むことが好ましく、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル及びショ糖パルミチン酸エステルから選択される1種又は2種以上を含むことがより好ましい。これら成分(B)は、いずれか1種を単独で使用することもでき、また2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0019】
市販品としては、リョートーシュガーエステルL−1695、M−1695、M−1696、P−1570、P−1670、S−1570、S−1670、O−1570(以上、三菱化学フーズ社製)等を使用することができる。
【0020】
成分(B)の水中油型乳化化粧料中における含有量は、乳化安定性を向上させ、塗布後のべたつきを抑制し、紫外線防御効果を高める観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上、更に好ましくは0.03質量%以上、更により好ましくは0.08質量%以上、特に好ましくは0.12質量%以上であり、また、好ましくは1.5質量%以下、より好ましくは0.8質量%以下、更に好ましくは0.4質量%以下、更により好ましくは0.35質量%以下、特に好ましくは0.28質量%以下である。
【0021】
本発明において、成分(A)及び(B)以外のノニオン性界面活性剤を含有することができるが、成分(A)及び(B)を含むノニオン性界面活性剤のHLB(以下、混合HLBと記す)は、乳化安定性を向上させ、塗布時のべたつきを抑制し、紫外線防御効果を高める観点から、好ましくは3.0以上、より好ましくは4.0以上、更に好ましくは5.0以上であり、また、好ましくは12.0以下、より好ましくは9.0以下、更に好ましくは7.0以下である。
【0022】
なお、混合HLBは、各ノニオン性界面活性剤のHLB値をその含有質量比率に基づいて加重平均したものであり、次式で求められる。
混合HLB値=Σ (HLBx × Wx)/ΣWx
(HLBx は、ノニオン性界面活性剤XのHLB値を示す。Wx は、ノニオン性界面活性剤Xの質量(g)を示す。)
【0023】
本発明において、成分(A)及び成分(B)の合計含有量は、塗布時の肌なじみと延展性を向上させ、塗布時のべたつきを低減させる観点から、水中油型乳化化粧料中に、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上、更により好ましくは0.8質量%以上、特に好ましくは1.2質量%以上であり、また、好ましくは6質量%以下、より好ましくは4.5質量%以下、更に好ましくは4質量%以下、更により好ましくは3.5質量%以下、特に好ましくは2.8質量%以下である。
【0024】
また、成分(B)に対する成分(A)の含有質量比〔(A)/(B)〕は、乳化安定性と、紫外線防御効果を向上させる観点から、好ましくは0.5以上、より好ましくは2.0以上、更に好ましくは5.0以上、更により好ましくは7.0以上であり、また、好ましくは20.0以下、より好ましくは16.0以下、更に好ましくは14.0以下、更により好ましくは12.0以下、特に好ましくは11.0以下である。
【0025】
〔成分(C):未処理デンプン及び/又はエーテル化デンプン〕
成分(C)は、未処理デンプン及びエーテル化デンプンからなる群から選択される1種又は2種以上の水溶性高分子である。
デンプンはブドウ糖を単位として数百個から数千個、あるいは数万個の鎖状又は房状に連なった高分子物質であることが知られ、アミロース及びアミロペクチンで構成されている。
【0026】
未処理デンプンとしては、バレイショデンプン、トウモロコシデンプン、モチトウモロコシデンプン、カンショデンプン、タピオカデンプン、コムギデンプン、サゴデンプン、コメデンプン、モチゴメデンプン、アマランサスデンプン等からなる群から選択される1種又は2種以上が挙げられる。塗布時のべたつきを抑制し、乳化安定性を向上させる観点から、バレイショデンプン、トウモロコシデンプン、タピオカデンプン、コメデンプン及びコムギデンプンから選択される1種又は2種以上を含むことが好ましく、バレイショデンプン及びタピオカデンプンから選択される1種又は2種を含むことがより好ましく、バレイショデンプンを含むことが更に好ましい。
【0027】
エーテル化デンプンとしては、カルボキシアルキル化デンプン、ヒドロキシアルキル化デンプン及びカチオン化デンプンからなる群から選択される1種又は2種以上が挙げられる。これらのうち、塗布時のべたつきを抑制し、乳化安定性を向上させる観点から、好ましくはカルボキシアルキル化デンプン及びヒドロキシアルキル化デンプンから選択される1種又は2種以上を含むものであり、より好ましくはカルボキシアルキル基の炭素数が1以上4以下のカルボキシアルキル化デンプン及びヒドロキシアルキル基の炭素数が2以上6以下のヒドロキシアルキル化デンプンから選択される1種又は2種以上を含むものであり、更に好ましくはカルボキシアルキル基の炭素数が1以上3以下のカルボキシアルキル化デンプン及びヒドロキシアルキル基の炭素数が2以上4以下のヒドロキシアルキル化デンプンから選択される1種又は2種以上を含むものである。エーテル化デンプンのエーテル化置換度(デンプンの構成成分であるグルコース単位当たりの官能基数)は、塗布時の延展性、塗布時の肌なじみを向上させる観点から、0.02以上が好ましく、また、0.15以下が好ましく、0.1以下がより好ましい。
これらのエーテル化デンプンは市販されており、バイオスターチH、バイオスターチK5、バイオスターチLT(いずれもヒドロキシプロピルデンプン、日澱化学社製)等が挙げられる。
【0028】
成分(C)としては、塗布時のべたつきを抑え、塗布時の延展性、肌なじみを向上させる観点から、具体的には、バレイショデンプン、トウモロコシデンプン、タピオカデンプン、コメデンプン、コムギデンプン、カルボキシメチルデンプンナトリウム、ヒドロキシエチルデンプン及びヒドロキシプロピルデンプンからなる群から選択される1種又は2種以上を含むことがより好ましく、バレイショデンプン、タピオカデンプン及びヒドロキシプロピルデンプンから選択される1種又は2種を含むものが更に好ましく、バレイショデンプン及びヒドロキシプロピルデンプンから選択される1種又は2種を含むことが更により好ましい。
【0029】
成分(C)の水中油型乳化組成物中における含有量は、乳化安定性を向上させ、塗布時のべたつきを抑制し、塗布時のヨレを抑制して塗布後の仕上がりを良好にする観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.8質量%以上、更に好ましくは1.2質量%以上、更により好ましくは1.5質量%以上であり、また、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3.5質量%以下、更に好ましくは2.8質量%以下、更により好ましくは2.5質量%以下である。
【0030】
〔成分(D):高級アルコール〕
成分(D)の高級アルコールの炭素数は、乳化安定性を向上させ、塗布時のべたつきや肌なじみを良好にし、紫外線防御効果を高める観点から、好ましくは10以上24以下、より好ましくは12以上24以下、更に好ましくは14以上24以下、更により好ましくは20以上24以下である。また、成分(D)は、直鎖及び分岐鎖のいずれであってもよく、飽和及び不飽和のいずれであってもよいが、乳化安定性を向上させ、塗布時のべたつきを抑制する観点から、直鎖又は分岐鎖の飽和高級アルコールであることが好ましく、直鎖飽和高級アルコールであることがより好ましい。
【0031】
具体的には、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナービルアルコール等が挙げられ、いずれかを単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。これらのうち、乳化安定性を向上させ、塗布時のべたつきや肌なじみを良好にする観点から、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール及びベヘニルアルコールから選択される1種又は2種以上を含むことが好ましく、アラキルアルコール及びベヘニルアルコールから選択される1種又は2種を含むことがより好ましく、ベヘニルアルコールを含むことが更に好ましい。
【0032】
成分(D)の水中油型乳化化粧料中における含有量は、塗布時の肌なじみと延展性を向上させ、塗布時のべたつきを低減する観点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上、更により好ましくは1.0質量%以上、特に好ましくは1.6質量%以上であり、また、好ましくは8.0質量%以下、より好ましくは6.0質量%以下、更に好ましくは4.5質量%以下、更により好ましくは4.2質量%以下、特に好ましくは3.5質量%以下である。
【0033】
〔成分(E):油溶性紫外線吸収剤〕
成分(E)の油溶性紫外線吸収剤は、水への溶解性が0.01%未満である紫外線吸収剤である。
具体的には、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸2−エチルヘキシル、サリチル酸トリエタノールアミン等のサリチル酸系;パラアミノ安息香酸、エチルジヒドロキシプロピルパラアミノ安息香酸、グリセリルパラアミノ安息香酸、オクチルジメチルパラアミノ安息香酸、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルへキシル等のパラアミノ安息香酸系;4−(2−β−グルコピラノシロキシ)プロポキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(ユビナールMC80;BASF社製)、ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、2,5−ジイソプロピルケイ皮酸メチル、2,4,6−トリス[4−(2−エチルへキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン(ユビナールT150;BASF社製)、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、p−メトキシハイドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩等のケイ皮酸系;2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−硫酸、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(パルソール1789;DSM ニュートリション ジャパン社製)等のベンゾイルメタン系;オクトクリレン(パルソール340;DSM ニュートリション ジャパン社製)、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル(ソフトシェードDH;味の素社製)、1−(3,4−ジメトキシフェニル)−4,4−ジメチル−1,3−ペンタンジオン、シノキサート、メチル−O−アミノベンゾエート、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(ユビナール A plus;BASF社製)、2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(チノソーブS;BASF社製)、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(チノソーブM;BASF社製)、ジメチコジエチルベンザルマロネート(パルソールSLX;DSMニュートリション社製)が挙げられ、これらから選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。
【0034】
これらのうち、塗布時の延展性を良好にし、紫外線防御効果を高める観点から、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジメチコジエチルベンザルマロネート、オクトクリレン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルエステル、2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス〔4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ〕−1,3,5−トリアジン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンから選択される1種又は2種以上を含むことが好ましく、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジメチコジエチルベンザルマロネート、オクトクリレン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルエステル、2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]−フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン及び4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンからなる群から選択される1種又は2種以上を含むことがより好ましい。
【0035】
成分(E)の水中油型乳化化粧料中における含有量は、紫外線防御効果を高め、塗布時の肌なじみの向上、塗布時のべたつきを抑制する観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは2.0質量%以上、更に好ましくは5.0質量%以上、更により好ましくは8.0質量%以上であり、また、好ましくは30.0質量%以下、より好ましくは25.0質量%以下、更に好ましくは20.0質量%以下、更により好ましくは18.0質量%以下である。
【0036】
〔成分(F):スルホン酸基を有する紫外線吸収剤又はその塩〕
成分(F)のスルホン酸基を有する紫外線吸収剤は、具体的には、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、フェニルジベンズイミダゾールテトラスルホン酸、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸等が挙げられる。
これらは市販されており、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸としては、ユビナールMS40(BASF社製);フェニルベンズイミダゾールスルホン酸としては、Eusolex 232(Merck社製)、Neo Heliopan Hydro(Symrise社製);フェニルジベンズイミダゾールテトラスルホン酸としては、Neo Heliopan AP(Symrise社製);テレフタリリデンジカンフルスルホン酸としては、Mexoryl SX(Chimex社製)等が挙げられる。
これらのうち、生体安全性に優れ、良好な紫外線防御効果が得られる観点から、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸及び/又はフェニルジベンズイミダゾールテトラスルホン酸を含むことが好ましく、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸を含むことがより好ましい。
【0037】
成分(F)は、未中和の状態で水への溶解性が低い紫外線吸収剤であるが、塩基性物質によって中和、又は生理学的に許容される塩とすることで水溶性の高いものとなるため、スルホン酸基を有する紫外線吸収剤の塩を用いることが好ましい。成分(F)の中和に用いられる塩基性物質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属水酸化物;トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリエチルアミン、アミノメチルプロパノール、トリスヒドロキシメチルアミノメタン等の有機アミン;アンモニア;アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸が好ましく例示できる。
また、スルホン酸基を有する紫外線吸収剤の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;トリエタノールアミン塩、モノエタノールアミン塩、トリエチルアミン塩、アミノメチルプロパノール塩、トリスヒドロキシメチルアミノメタン塩等の有機アミン塩;アンモニウム塩;アルギニン塩、リジン塩等の塩基性アミノ酸塩が好ましく例示できる。
これらのうち、市場での入手の容易性から、ナトリウム、カリウム、トリエタノールアミン及びアルギニンから選択される1種又は2種以上を含むことが好ましい。
【0038】
成分(F)の水中油型乳化化粧料中におけるスルホン酸換算した含有量は、紫外線防御効果を向上させ、塗布時のべたつきを抑制する観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上、更により好ましくは0.5質量%以上であり、また、好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは8.0質量%以下、更に好ましくは6.0質量%以下、更により好ましくは4.0質量%以下である。
ここで、成分(F)のスルホン酸換算した含有量とは、スルホン酸基が未中和の状態のもの、又は塩をスルホン酸基がSO
3Hのままの状態の化合物に換算した場合の含有量である。
【0039】
本発明において、成分(F)(スルホン酸換算した含有量)に対する成分(C)の含有質量比〔(C)/(F)〕は、塗布時の肌なじみを向上させ、塗布時のヨレを抑制して、仕上がりを向上させる観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.4以上であり、また、好ましくは1.5以下、より好ましくは0.9以下、更に好ましくは0.8以下である。
【0040】
〔成分(G):水〕
本発明の水中油型乳化化粧料には、成分(G)として水を含有する。
成分(G)の水中油型乳化化粧料中における含有量は、乳化安定性及び塗布時の肌なじみを向上させ、塗布時のみずみずしさの観点から、好ましくは40質量%以上、より好ましくは42質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、更により好ましくは55質量%以上であり、また、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、更に好ましくは80質量%以下、更により好ましくは75質量%以下である。
【0041】
〔成分(H):アシルアミノ酸系界面活性剤〕
本発明の水中油型乳化化粧料には、更に成分(H)として、アシルアミノ酸系界面活性剤を含有させることができ、乳化安定性を維持しつつ、成分(A)及び成分(B)の合計含有量を低減することができる。
【0042】
N−アシルアミノ酸を構成するアミノ酸としては、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシン、アラニン、スレオニン、メチルアラニン、サルコシン、リジン、アルギニン等が挙げられる。これらのアミノ酸は、L体、D体又はDL体の何れでもよい。これらのうち1種類を使用してもよいし、上記の群から選ばれる2種以上を混合して使用してもよい。乳化安定性を向上させ、塗布時の肌なじみを良好にする観点から、酸性アミノ酸又は中性アミノ酸が好ましい。具体的には、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシン、アラニンがより好ましく、グルタミン酸が更により好ましい。
【0043】
N−アシルアミノ酸を構成するアシル基としては、炭素数8〜22の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖の脂肪酸由来のアシル基が使用できる。例えば、脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、ベヘニン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、硬化牛脂脂肪酸等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を混合して使用することができる。乳化安定性を向上させ、塗布時の肌なじみを向上させる観点から、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸が好ましく、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸がより好ましい。
【0044】
N−アシルアミノ酸の塩としては特に限定されず、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛などの無機塩、あるいはアンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミンや、アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸などの有機塩が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を混合して使用することができる。市場での入手の容易性から、ナトリウム、カリウム、トリエタノールアミン及びアルギニンから選択される1種又は2種以上を含むことが好ましい。
【0045】
成分(H)の具体例としては、乳化安定性を向上させ、塗布時の肌なじみを向上させる観点から、ヤシ油脂肪酸由来アシル化グルタミン酸、パーム油脂肪酸由来アシル化グルタミン酸、ラウロイルアスパラギン酸、ミリストイルグルタミン酸、ラウロイルグルタミン酸、ステアロイルグルタミン酸、及びこれらのアルカリ金属塩等が挙げられ、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム及びステアロイルグルタミン酸ナトリウムから選択される1種又は2種以上を含むことが好ましく、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム及びステアロイルグルタミン酸ナトリウムから選択される1種又は2種を含むことがより好ましく、ステアロイルグルタミン酸ナトリウムを含むことが更に好ましい。
【0046】
成分(H)の水中油型乳化化粧料中における含有量は、乳化安定性、紫外線防御効果及び塗布時の延展性を向上させ、塗布時のべたつきを抑制する観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上、更に好ましくは0.05質量%以上であり、また、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.25質量%以下、更に好ましくは0.15質量%以下である。
【0047】
〔成分(I):炭素数1〜3の1価アルコール〕
本発明の水中油型乳化化粧料には、更に成分(I)として、炭素数1〜3の1価アルコールを含有させることができ、塗布時の延展性を向上させ、塗布時のべたつきを抑制することができる。
炭素数1〜3の1価アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられ、炭素数1〜3の飽和1価アルコールを含むことが好ましく、エチルアルコールを含むことがより好ましい。
【0048】
成分(I)の水中油型乳化化粧料中における含有量は、塗布時の延展性を向上させ、塗布時のべたつきを抑制する観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは12質量%以下である。
【0049】
〔成分(J):多価アルコール〕
本発明の水中油型乳化化粧料には、更に成分(J)として、多価アルコールを含有させることができ、乳化安定性を向上させ、塗布時の肌なじみを向上させることができる。
【0050】
多価アルコールとしては、プロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ヘキシレングリコール、トリメチロールプロパン、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール、マンニトール、グルコース、スクロース、フルクトース、キシリトール、ラクトース、マルチトール、トレハロース等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を用いることができる。
【0051】
これらのうち、保湿効果を向上させ、塗布時の延展性、肌なじみを良好にする観点から、プロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン及びジグリセリンから選択される1種又は2種以上を含むことが好ましく、1,3−ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリンがより好ましく、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン及びジグリセリンから選択される1種又は2種以上を含むことが更に好ましい。
【0052】
更に、前記の観点から、これらの多価アルコールのうち、グリセリン及び/又はジグリセリンと、2価アルコールの1種又は2種以上とを含むことが好ましく、グリセリン及び/又はジグリセリンと、プロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ヘキシレングリコール及びジプロピレングリコールから選ばれる1種又は2種以上とを含むことがより好ましく、グリセリン及び/又はジグリセリンと、1,3−ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、イソプレングリコール及びジプロピレングリコールから選ばれる1種又は2種以上とを含むことが更に好ましく、グリセリンと、1,3−ブチレングリコール及びジプロピレングリコールから選ばれる1種又は2種を含むことが更に好ましい。
【0053】
成分(J)の水中油型乳化化粧料中における含有量は、乳化安定性を向上させ、塗布時の肌なじみの向上の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上であり、また、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは12質量%以下である。
【0054】
〔成分(K):液状油〕
本発明の水中油型乳化化粧料には、更に成分(K)として、液状油(但し、液状の成分(D)及び液状の成分(E)を除く)を含有させることができ、塗布時の延展性及び肌なじみを向上させることができる。
【0055】
液状油(但し、液状の成分(D)及び液状の成分(E)を除く)は、1気圧下、25℃にて流動性を有する状態の油剤である。
具体的には、α−オレフィンオリゴマー、流動イソパラフィン、流動パラフィン、スクワラン、イソヘキサデカン、水添ポリイソブテン等の炭化水素油;トリオクタン酸グリセリル、アボカド油、オリーブ油、ゴマ油、コメヌカ油、サフラワー油、ダイズ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマシ油、綿実油、ミンク油等のトリグリセリド;オレイン酸、イソステアリン酸等の脂肪酸;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、カプリル酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸イソステアリル、オレイン酸イソデシル、イソステアリン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セチル、2−エチルヘキサン酸ステアリル、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリル、イソノナン酸イソノニル、セバシン酸ジイソプロピル、イソステアリン酸プロピレングリコール、安息香酸アルキル(C12〜C15)等のエステル油;ジメチルポリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、フェニルトリメチコン、メチルトリメチコンなどのシリコーン油を挙げることができる。これらは1種又は2種以上用いることができる。
【0056】
これらのうち、塗布時の延展性、肌なじみ、べたつきのなさを良好にする観点から、炭化水素油、シリコーン油及びIOB値が0.05〜0.8のエステル油から選択される1種又は2種以上が好ましい。
なお、IOB値とは、Inorganic/organic balance(無機性/有機性比)の略であって、無機性値の有機性値に対する比率を表す値であり、有機化合物の極性の度合いを示す指標となるものである。IOB値は、具体的には、「IOB値=無機性値/有機性値」として表される。ここで、「無機性値」、「有機性値」のそれぞれについては、例えば、分子中の炭素原子1個について「有機性値」が20、同水酸基1個について「無機性値」が100といったように、各種原子又は官能基に応じた「無機性値」、「有機性値」が設定されており、有機化合物中の全ての原子及び官能基の「無機性値」、「有機性値」を積算することによって、当該有機化合物のIOB値を算出することができる(例えば、藤田著、「化学の領域」第11巻、第10号、第719頁〜第725頁、1957年参照)。
【0057】
特に、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸イソセチル、セバシン酸ジイソプロピル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、安息香酸アルキル(C12〜C15)、イソヘキサデカン、スクワラン、水添ポリイソブテン、フェニルトリメチコン、メチルトリメチコン及びジメチルポリシロキサンから選択される1種又は2種以上を含むことがより好ましい。
【0058】
成分(K)の水中油型乳化化粧料中における含有量は、塗布時の延展性及び肌なじみを向上させる観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上であり、また、好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは8.0質量%以下、更に好ましくは5.0質量%以下である。
【0059】
成分(D)、成分(E)及び成分(K)の水中油型乳化化粧料中における合計含有量は、塗布時の延展性、べたつきのなさ及び肌なじみを良好にさせる観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上であり、また、好ましくは35質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
【0060】
また、成分(D)、成分(E)及び成分(K)の合計含有量に対する成分(E)の含有質量比〔(E)/((D)+(E)+(K))〕は、乳化安定性を向上させ、紫外線防御効果を高める観点から、0.50以上が好ましく、0.55以上がより好ましく、0.60以上が更に好ましく、また、0.95以下が好ましく、0.90以下がより好ましく、0.85以下が更に好ましい。
【0061】
〔その他の任意成分〕
その他、本発明の水中油型乳化化粧料には、成分(H)以外のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、成分(C)以外の増粘剤、金属酸化物、セラミド類、セラミド類似構造物質、金属イオン封鎖剤、中和剤、pH調整剤、酸化防止剤、抗菌剤、防腐剤、制汗剤、薬剤、香料、各種の抽出液等の通常化粧料に用いられる各種の原料を含有することができる。なお、これらの各剤は、各剤としての用途に限られず、目的に応じて他の用途、例えば、制汗剤を香料として使用したり、他の用途との併用として、例えば、制汗剤と香料としての効果を奏するものとして使用することができる。
【0062】
成分(H)以外のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤は、公知のものが使用できるが、皮膚刺激性及び塗布時のべたつきを抑制する観点から、水中油型乳化化粧料中における含有量は、好ましくは2.0質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下、更により好ましくは0.1質量%以下であり、実質的に含有しないことが特に好ましい。
【0063】
〔用途、形態〕
本発明の水中油型乳化化粧料は、塗布時の延展性、肌なじみに優れ、べたつきがないことから、皮膚化粧料として好適に使用することができ、好ましくは頭皮を除く皮膚、より好ましくは顔、身体、手足等のいずれかに塗布して使用することができる。本発明の水中油型乳化化粧料の剤形は任意であり、ローション、乳液、美容液、クリーム、下地料等として調製される。また、本発明の水中油型乳化化粧料は紫外線防御効果に優れていることから、日焼け止め化粧料とすることが好ましい。
【0064】
〔製造方法〕
本発明の水中油型乳化化粧料は、形態に応じて所定の手順により製造することができる。例えば、本発明の水中油型乳化組成物の製造方法は、成分(A)〜(G)、必要により成分(H)〜(K)及びその他の任意成分を共に混合する工程を含んでもよい。
【0065】
また、成分(F)及び成分(G)の一部を混合し、攪拌する工程1と、
成分(A)〜(C)及び成分(G)の残部、必要により成分(H)、成分(J)及びその他の水溶性の任意成分を含有する水相を加熱し、攪拌する工程2と、
成分(D)及び成分(E)、必要により成分(K)及びその他の油溶性の任意成分を含有する油相を加熱し、攪拌する工程3と、
工程2の調製物と工程3の調製物を加熱下で混合して、乳化させる工程4と、
工程4の調製物を冷却する工程5と、
工程5の調製物に、工程1の調製物及び成分(I)、その他の任意成分を添加し、攪拌する工程6を含んでいても良い。
【0066】
工程1において用いる成分(G)の添加量は、成分(F)を十分に溶解させる観点から、成分(F)(スルホン酸換算した含有量)の2質量倍以上であることが好ましく、3質量倍以上であることがより好ましく、また、10質量倍以下であることが好ましく、8質量倍以下であることがより好ましい。
工程2〜4における加熱温度は、各成分を十分に溶解させる観点から、好ましくは50℃以上、より好ましくは55℃以上であり、また、好ましくは90℃以下、より好ましくは85℃以下である。
工程6における工程1の調製物及び成分(I)、その他の任意成分の添加は、工程5の調製物の温度が40℃以下に冷却された際に添加することが好ましく、35℃以下がより好ましく、また、25℃以上が好ましく、30℃以上がより好ましい。
【0067】
工程4において、工程2の調製物と工程3の調製物を混合するのは、乳化安定性を維持する観点から、工程2及び3の調製物を所定の温度まで冷却した後に混合することが好ましい。当該温度としては、前記の観点から、50℃未満が好ましく、30℃以上40℃以下がより好ましい。
上述した実施形態に関し、本発明は、更に以下の組成物を開示する。また、本発明は、更に以下の製造方法を開示する。
【0068】
<1>下記成分(A)〜(G)を含有する水中油型乳化化粧料。
(A)HLB6以下のノニオン性界面活性剤
(B)HLB6超のショ糖脂肪酸エステル
(C)未処理デンプン及び/又はエーテル化デンプン
(D)高級アルコール
(E)油溶性紫外線吸収剤
(F)スルホン酸基を有する紫外線吸収剤又はその塩
(G)水
【0069】
<2>成分(A)のHLB6以下のノニオン性界面活性剤が、好ましくは、EO鎖を持たないノニオン性界面活性剤であって、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びプロピレングリコール脂肪酸エステルから選択される1種又は2種以上のノニオン性界面活性剤がより好ましい前記<1>記載の水中油型乳化化粧料。
<3>成分(A)のノニオン性界面活性剤において、脂肪酸部分の炭素数が、好ましくは、8〜24であって、12〜22がより好ましい前記<2>記載の水中油型乳化化粧料。
<4>成分(A)のノニオン性界面活性剤において、HLBが、好ましくは、3.0以上であって、3.5以上がより好ましく、4.0以上が更に好ましく、5.5以下が好ましく、5.0以下がより好ましい前記<1>〜<3>のいずれ1記載の水中油型乳化化粧料。
【0070】
<5>成分(A)のノニオン性界面活性剤が、好ましくは、ミリスチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、イソステアリン酸ジグリセリル、ペンタステアリン酸デカグリセリル、ペンタイソステアリン酸デカグリセリル、ペンタオレイン酸デカグリセリル及びモノステアリン酸プロピレングリコールから選択される1種又は2種以上であって、モノステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン及びモノステアリン酸ジグリセリルから選択される1種又は2種以上を含むことがより好ましく、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン及びモノイソステアリン酸ソルビタンから選択される1種又は2種以上を含むことが更に好ましい前記<1>〜<4>のいずれか1記載の水中油型乳化化粧料。
<6>成分(A)の水中油型乳化化粧料中における含有量が、好ましくは、0.1質量%以上であって、0.2質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上が更に好ましく、0.8質量%以上が更により好ましく、1.2質量%以上が特に好ましく、6質量%以下が好ましく、4.5質量%以下がより好ましく、4質量%以下が更に好ましく、3.5質量%以下が更により好ましく、2.8質量%以下が特に好ましい前記<1>〜<5>のいずれか1記載の水中油型乳化化粧料。
【0071】
<7>成分(B)のショ糖脂肪酸エステルにおいて、脂肪酸部の炭素数が、好ましくは、8以上であって、10以上がより好ましく、12以上が更に好ましく、20以下が好ましく、18以下がより好ましく、16以下が更に好ましい前記<1>〜<6>のいずれか1記載の水中油型乳化化粧料。
<8>成分(B)のショ糖脂肪酸エステルにおいて、HLBが、好ましくは、10.0以上であって、12.0以上がより好ましく、14.0以上が更に好ましく、20.0以下が好ましく、18.0以下がより好ましく、17.0以下が更に好ましい前記<1>〜<7>のいずれか1記載の水中油型乳化化粧料。
【0072】
<9>成分(B)のショ糖脂肪酸エステルが、好ましくは、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル及びショ糖ステアリン酸エステルから選択される1種又は2種以上であって、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル及びショ糖パルミチン酸エステルから選択される1種又は2種以上を含むことがより好ましい前記<1>〜<8>のいずれか1記載の水中油型乳化化粧料。
<10>成分(B)の水中油型乳化化粧料中における含有量が、好ましくは、0.01質量%以上であって、0.02質量%以上がより好ましく、0.03質量%以上が更に好ましく、0.08質量%以上が更により好ましく、0.12質量%以上が特に好ましく、1.5質量%以下が好ましく、0.8質量%以下がより好ましく、0.4質量%以下が更に好ましく、0.35質量%以下が更により好ましく、0.28質量%以下が特に好ましい前記<1>〜<9>のいずれか1記載の水中油型乳化化粧料。
【0073】
<11>成分(A)及び(B)を含むノニオン性界面活性剤のHLB(混合HLB)が、好ましくは、3.0以上であって、4.0以上がより好ましく、5.0以上が更に好ましく、12.0以下が好ましく、9.0以下がより好ましく、7.0以下がさらに好ましい前記<1>〜<10>のいずれか1記載の水中油型乳化化粧料。
<12>成分(A)及び成分(B)の合計含有量が、水中油型乳化化粧料中に、好ましくは、0.1質量%以上であって、0.2質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上が更に好ましく、0.8質量%以上が更により好ましく、1.2質量%以上が特に好ましく、6質量%以下が好ましく、4.5質量%以下がより好ましく、4質量%以下が更に好ましく、3.5質量%以下が更により好ましく、2.8質量%以下が特に好ましい前記<1>〜<11>のいずれか1記載の水中油型乳化化粧料。
<13>成分(B)に対する成分(A)の含有質量比〔(A)/(B)〕が、好ましくは0.5以上であって、2.0以上がより好ましく、5.0以上が更に好ましく、7.0以上が更により好ましく、20.0以下が好ましく、16.0以下がより好ましく、14.0以下が更に好ましく、12.0以下が更により好ましく、11.0以下が特に好ましい前記<1>〜<12>のいずれか1記載の水中油型乳化化粧料。
【0074】
<14>成分(C)のうち、未処理デンプンが、好ましくは、バレイショデンプン、トウモロコシデンプン、タピオカデンプン、コメデンプン及びコムギデンプンから選択される1種又は2種以上であって、バレイショデンプン及びタピオカデンプンから選択される1種又は2種を含むことがより好ましく、バレイショデンプンを含むことが更に好ましい前記<1>〜<13>のいずれか1記載の水中油型乳化化粧料。
<15>成分(C)のうち、エーテル化デンプンが、好ましくは、カルボキシアルキル化デンプン及びヒドロキシアルキル化デンプンから選択される1種又は2種以上を含むものであって、カルボキシアルキル基の炭素数が1以上4以下のカルボキシアルキル化デンプン及びヒドロキシアルキル基の炭素数が2以上6以下のヒドロキシアルキル化デンプンから選択される1種又は2種以上がより好ましく、カルボキシアルキル基の炭素数が1以上3以下のカルボキシアルキル化デンプン及びヒドロキシアルキル基の炭素数が2以上4以下のヒドロキシアルキル化デンプンから選択される1種又は2種以上を含むものがさらに好ましい前記<1>〜<13>のいずれか1記載の水中油型乳化化粧料。
【0075】
<16>成分(C)が、好ましくは、バレイショデンプン、トウモロコシデンプン、タピオカデンプン、コメデンプン、コムギデンプン、カルボキシメチルデンプンナトリウム、ヒドロキシエチルデンプン及びヒドロキシプロピルデンプンからなる群から選択される1種又は2種以上を含むことが好ましく、バレイショデンプン、タピオカデンプン及びヒドロキシプロピルデンプンから選択される1種又は2種を含むものがより好ましく、バレイショデンプン及びヒドロキシプロピルデンプンから選択される1種又は2種を含むことが更に好ましい前記<1>〜<15>のいずれか1記載の水中油型乳化化粧料。
<17>成分(C)の水中油型乳化組成物中における含有量が、好ましくは、0.1質量%以上であって、0.8質量%以上がより好ましく、1.2質量%以上が更に好ましく、1.5質量%以上が更により好ましく、5質量%以下が好ましく、3.5質量%以下がより好ましく、2.8質量%以下が更に好ましく、2.5質量%以下が更により好ましい前記<1>〜<16>のいずれか1記載の水中油型乳化化粧料。
【0076】
<18>成分(D)の高級アルコールの炭素数が、好ましくは10以上24以下であって、12以上24以下がより好ましく、14以上24以下が更に好ましく、20以上24以下が更により好ましい前記<1>〜<17>のいずれか1記載の水中油型乳化化粧料。
<19>成分(D)の高級アルコールが、好ましくは、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール及びベヘニルアルコールから選択される1種又は2種以上を含むものであって、アラキルアルコール及びベヘニルアルコールから選択される1種又は2種を含むことがより好ましく、ベヘニルアルコールを含むことが更に好ましい前記<1>〜<18>のいずれか1記載の水中油型乳化化粧料。
<20>成分(D)の水中油型乳化化粧料中における含有量が、好ましくは、0.05質量%以上であって、0.1質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上が更に好ましく、1質量%以上が更により好ましく、1.6質量%以上が特に好ましく、8質量%以下が好ましく、6.0質量%以下がより好ましく、4.5質量%以下が更に好ましく、4.2質量%以下が更により好ましく、3.5質量%以下が特に好ましい前記<1>〜<19>のいずれか1記載の水中油型乳化化粧料。
【0077】
<21>成分(E)の油溶性紫外線吸収剤が、好ましくは、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジメチコジエチルベンザルマロネート、オクトクリレン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルエステル、2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス〔4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ〕−1,3,5−トリアジン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンから選択される1種又は2種以上を含むものであって、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジメチコジエチルベンザルマロネート、オクトクリレン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルエステル、2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]−フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン及び4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンからなる群から選択される1種又は2種以上を含むことがより好ましい前記<1>〜<20>のいずれか1記載の水中油型乳化化粧料。
【0078】
<22>成分(E)の水中油型乳化化粧料中における含有量が、好ましくは、0.5質量%以上であって、2.0質量%以上がより好ましく、5.0質量%以上が更に好ましく、8.0質量%以上が更により好ましく、30.0質量%以下が好ましく、25.0質量%以下がより好ましく、20.0質量%以下が更に好ましく、18.0質量%以下は更により好ましい前記<1>〜<21>のいずれか1記載の水中油型乳化化粧料。
【0079】
<23>成分(F)のスルホン酸基を有する紫外線吸収剤が、好ましくは、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸及び/又はフェニルジベンズイミダゾールテトラスルホン酸を含むものであって、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸を含むことがより好ましい前記<1>〜<22>のいずれか1記載の水中油型乳化化粧料。
<24>成分(F)が、好ましくは、スルホン酸基を有する紫外線吸収剤の塩であって、スルホン酸基を有する紫外線吸収剤のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、有機アミン塩、アンモニウム塩、塩基性アミノ酸塩がより好ましい前記<1>〜<23>のいずれか1記載の水中油型乳化化粧料。
<25>成分(F)の水中油型乳化化粧料中におけるスルホン酸換算した含有量が、好ましくは、0.1質量%以上であって、0.2質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上が更に好ましく、0.5質量%以上が更により好ましく、10.0質量%以下が好ましく、8.0質量%以下がより好ましく、6.0質量%以下が更に好ましく、4.0質量%以下が更により好ましい前記<1>〜<24>のいずれか1記載の水中油型乳化化粧料。
【0080】
<26>成分(F)(スルホン酸換算した含有量)に対する成分(C)の含有質量比〔(C)/(F)〕が、好ましくは、0.1以上であって、0.2以上がより好ましく、0.4以上が更に好ましく、1.5以下が好ましく、0.9以下がより好ましく、0.8以下がさらに好ましい前記<1>〜<25>のいずれか1記載の水中油型乳化化粧料。
【0081】
<27>成分(G)の水の水中油型乳化化粧料中における含有量が、好ましくは、40質量%以上であって、42質量%以上がより好ましく、50質量%以上が更に好ましく、55質量%以上が更により好ましく、90質量%以下が好ましく、85質量%以下がより好ましく、80質量%以下が更に好ましく、75質量%以下が更により好ましい前記<1>〜<26>のいずれか1記載の水中油型乳化化粧料。
【0082】
<28>更に、成分(H)として、アシルアミノ酸系界面活性剤を含有する前記<1>〜<27>のいずれか1記載の水中油型乳化化粧料。
<29>成分(H)のN−アシルアミノ酸系界面活性剤において、N−アシルアミノ酸を構成するアミノ酸が、好ましくは、酸性アミノ酸又は中性アミノ酸であって、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシン、アラニンがより好ましく、グルタミン酸が更に好ましい前記<28>記載の水中油型乳化化粧料。
<30>成分(H)のN−アシルアミノ酸系界面活性剤において、N−アシルアミノ酸を構成するアシル基が、好ましくは、炭素数8〜22の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖の脂肪酸由来のアシル基であって、脂肪酸は、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸が好ましく、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸がより好ましい前記<28>又は<29>記載の水中油型乳化化粧料。
【0083】
<31>成分(H)のN−アシルアミノ酸系界面活性剤が、好ましくは、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム及びステアロイルグルタミン酸ナトリウムから選択される1種又は2種以上を含むものであって、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム及びステアロイルグルタミン酸ナトリウムから選択される1種又は2種を含むことがより好ましく、ステアロイルグルタミン酸ナトリウムを含むことが更に好ましい前記<28>〜<30>のいずれか1記載の水中油型乳化化粧料。
<32>成分(H)の水中油型乳化化粧料中における含有量が、好ましくは、0.01質量%以上であって、0.02質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上が更に好ましく、0.5質量%以下が好ましく、0.25質量%以下がより好ましく、0.15質量%以下が更に好ましい前記<28>〜<31>のいずれか1記載の水中油型乳化化粧料。
【0084】
<33>更に,成分(I)として、炭素数1〜3の1価アルコールを含有する前記<1>〜<32>のいずれか1記載の水中油型乳化化粧料。
<34>成分(I)の炭素数1〜3の1価アルコールとしてが、好ましくは、炭素数1〜3の飽和1価アルコールを含むものであって、エチルアルコールを含むことがより好ましい前記<33>記載の水中油型乳化化粧料。
<35>成分(I)の水中油型乳化化粧料中における含有量が、好ましくは、1質量%以上であって、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上が更に好ましく、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、12質量%以下が更に好ましい前記<33>又は<34>記載の水中油型乳化化粧料。
【0085】
<36>更に、成分(J)として、多価アルコールを含有する前記<1>〜<35>のいずれか1記載の水中油型乳化化粧料。
<37>成分(J)の多価アルコールが、好ましくは、プロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン及びジグリセリンから選択される1種又は2種以上を含むものであって、1,3−ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン及びジグリセリンから選択される1種又は2種以上を含むことがより好ましく、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン及びジグリセリンから選択される1種又は2種以上を含むことが更に好ましい前記<36>記載の水中油型乳化化粧料。
【0086】
<38>成分(J)の多価アルコールが、好ましくは、グリセリン及び/又はジグリセリンと、2価アルコールの1種又は2種以上とを含むものであって、グリセリン及び/又はジグリセリンと、プロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ヘキシレングリコール及びジプロピレングリコールから選ばれる1種又は2種以上とを含むことがより好ましく、グリセリン及び/又はジグリセリンと、1,3−ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、イソプレングリコール及びジプロピレングリコールから選ばれる1種又は2種以上とを含むことが更に好ましく、グリセリンと、1,3−ブチレングリコール及びジプロピレングリコールから選ばれる1種又は2種を含むことが更に好ましい前記<36>記載の水中油型乳化化粧料。
<39>成分(J)の水中油型乳化化粧料中における含有量が、好ましくは、1質量%以上であって、3質量%以上がより好ましく、4質量%以上が更に好ましく、25質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、12質量%以下が更に好ましい前記<36>〜<38>のいずれか1記載の水中油型乳化化粧料。
【0087】
<40>更に、成分(K)として、液状油(但し、液状の成分(D)及び液状の成分(E)を除く)を含有する前記<1>〜<39>のいずれか1記載の水中油型乳化化粧料。
<41>成分(K)の液状油が、好ましくは、炭化水素油、シリコーン油及びIOB値が0.05〜0.8のエステル油から選択される1種又は2種以上であって、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸イソセチル、セバシン酸ジイソプロピル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、安息香酸アルキル(C12〜C15)、イソヘキサデカン、スクワラン、水添ポリイソブテン、フェニルトリメチコン、メチルトリメチコン及びジメチルポリシロキサンから選択される1種又は2種以上を含むことがより好ましい前記<40>記載の水中油型乳化化粧料。
<42>成分(K)の水中油型乳化化粧料中における含有量が、好ましくは、0.1質量%以上であって、0.5質量%以上がより好ましく、1.0質量%以上が更に好ましく、10.0質量%以下が好ましく、8.0質量%以下がより好ましく、5.0質量%以下が更に好ましい前記<40>又は<41>記載の水中油型乳化化粧料。
【0088】
<43>成分(D)、成分(E)及び成分(K)の水中油型乳化化粧料中における合計含有量が、好ましくは、1質量%以上であって、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましく、35質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましい前記<40>〜<42>のいずれか1記載の水中油型乳化化粧料。
<44>成分(D)、成分(E)及び成分(K)の合計含有量に対する成分(E)の含有質量比〔(E)/((D)+(E)+(K))〕が、好ましくは、0.5以上であって、0.55以上がより好ましく、0.60以上が更に好ましく、0.95以下が好ましく、0.90以下がより好ましく、0.85以下が更に好ましい前記<40>〜<43>のいずれか1記載の水中油型乳化化粧料。
【0089】
<45>成分(H)以外のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤の水中油型乳化化粧料中における含有量が、好ましくは、2.0質量%以下であって、1.0質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下が更に好ましく、0.1質量%以下が更により好ましく、実質的に含有しないことが特に好ましい前記<1>〜<44>のいずれか1記載の水中油型乳化化粧料。
<46>日焼け止め化粧料である前記<1>〜<45>のいずれか1記載の水中油型乳化化粧料。
【0090】
<47>成分(A)〜(G)、必要により成分(H)〜(K)及びその他の任意成分を共に混合する工程を含む前記<1>〜<46>のいずれか1記載の水中油型乳化化粧料の製造方法。
<48>成分(F)及び成分(G)の一部を混合し、攪拌する工程1と、
成分(A)〜(C)及び成分(G)の残部、必要により成分(H)、成分(J)及びその他の水溶性の任意成分を含有する水相を加熱し、攪拌する工程2と、
成分(D)及び成分(E)、必要により成分(K)及びその他の油溶性の任意成分を含有する油相を加熱し、攪拌する工程3と、
工程2の調製物と工程に3の調製物を加熱下で混合して、乳化させる工程4と、
工程4の調製物を冷却する工程5と、
工程5の調製物に、工程1の調製物及び成分(I)、その他の任意成分を添加し、攪拌する工程6を含む、前記<1>〜<46>のいずれか1記載の水中油型乳化化粧料の製造方法。
【実施例】
【0091】
実施例1〜12、比較例1〜10
下記製造方法に従って、表1〜2に示す水中油型乳化化粧料を調製し、各種評価を行った。
なお、実施例10〜12は参考例である。
【0092】
〔製造方法〕
工程1:成分25、26及び成分34の一部(成分25の5質量倍)を混合し、均一に分散させる。
工程2:成分1〜10、27、29〜32及び成分34の残量を含む水相を80℃にて加熱溶解させる。
工程3:成分11〜24を含む油相を80℃にて加熱溶解させる。
工程4:工程2及び工程3の調製物を混合し、80℃に保ちながらホモミキサーで乳化させる。
工程5:工程4の調製物を自然冷却させ、35℃まで調製物の温度が下がった際に、工程1の調製物、成分28、33を加え、均一に分散させる。
【0093】
〔評価方法〕
(1)乳化安定性:
50℃で1ヶ月保存した後の試料の外観変化を目視及び顕微鏡で確認し、下記基準に従って評価した。
×:目視により、明らかな外観変化(分離又は析出)が認められる。
△:目視による明らかな外観変化は認められないが、顕微鏡観察により、最大径が200μm以上の合一した乳化粒子が認められる。
○:目視による明らかな外観変化は認められないが、顕微鏡観察により、一部乳化粒子の合一が認められる。ただし、最大径が200μm以上の乳化粒子は認められない。
◎:目視及び顕微鏡観察により、外観変化は認められない。
【0094】
(2)使用感(塗布時の延展性、塗布時のべたつきのなさ、塗布時の肌なじみ):
専門パネラー10名に試料を使用してもらい、「塗布時の延展性」、「塗布時のべたつきのなさ」、「塗布時の肌なじみ」につき、アンケートを行った。以下の評価基準に基づき、評価を行い、10名の平均点を求め、小数点以下を四捨五入して示した。
〔評価基準〕
1:非常に悪い。
2:悪い。
3:どちらとも言えない。
4:良い。
5:非常に良い。
【0095】
(3)紫外線防御効果:
試料をPMMAプレート上に1.3mg/cm
2の塗布量で均一に塗布し、乾燥させた。その後、SPFアナライザー(UV−2000S;Labsphere社製)を用いて、(in vivo)SPF値を測定し、以下の評価基準に基づき評価を行った。
〔評価基準〕
1:in vivo SPF値が0以上、15以下。
2:in vivo SPF値が15超、25以下。
3:in vivo SPF値が25超、35以下。
4:in vivo SPF値が35超、50以下。
5:in vivo SPF値が50超。
【0096】
(4)仕上がり(ヨレのなさ):
専門パネラー10名に対して、試料0.5gを肌にとり、塗りこみ時間1分で前腕部に塗布した際のヨレ(凝集物)の発生状況を確認し、以下の評価基準に基づき評価を行い、A又はBと回答した人数から判定基準に基づき評価した。
〔評価基準〕
A:多くの凝集物が発生している。
B:わずかに凝集物が発生している。
C:凝集物は発生していない。
〔判定基準〕
1:10人中7人以上がA又はBと評価した。
2:10人中5〜6人がA又はBと評価した。
3:10人中3〜4人がA又はBと評価した
4:10人中1〜2人がA又はBと評価した。
5:10人中誰もA又はBと評価しなかった。
【0097】
【表1】
【0098】
【表2】
【0099】
*1:アラトン2121、クローダ社製
〔モノステアリン酸ソルビタン、ヤシ油脂肪酸ショ糖エステルの混合物。
含有比(モノステアリン酸ソルビタン/ヤシ油脂肪酸ショ糖エステル)=9〕
*2:NIKKOL SS−10V、日光ケミカル社製
*3:NIKKOL TS−10V、日光ケミカル社製
*4:リョートーシュガーエステル L−1695、三菱化学フーズ社製
*5:リョートーシュガーエステル M−1696、三菱化学フーズ社製
*6:リョートーシュガーエステル P−1570、三菱化学フーズ社製
*7:馬鈴薯でん粉、東部十勝農産加工農業協同組合連合会社製
*8:バイオスターチH、日澱化学社製
*9:シンタレンK、3Vシグマ社製
*10:エコーガム、DSP五協フード&ケミカル社製
*11:ユビナール MC80、BASF社製
*12:ユビナール T−150、BASF社製
*13:チノソーブS、BASF社製
*14:パルソール 340、DSM ニュートリション社製
*15:ユビナール A PLUS GRANULAR、BASF社製
*16:パルソール SLX、DSM ニュートリション社製
*17:パルソール1789、DSM ニュートリション社製
*18:パルソール EHS、DSM ニュートリション社製
*19:パルソール HMS、DSM ニュートリション社製
*20:シリコーン FK96−10cs、信越化学工業社製
*21:シリコーン FZ−209、東レ・ダウコーニング社製
*22:EUSOLEX 232、メルク社製
*23:アミソフト HS−11P、味の素社製