(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1部分の他の一部には前記補助電極の上面の少なくとも一部を露出させる第2コンタクトホールが定義され、前記第1電極部の一部は、前記抵抗制御層に定義された第2コンタクトホールに配置されて前記補助電極と接触することを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
前記抵抗制御層は、前記第1部分から延長され、前記第2発光ユニット及び前記第2電極の間に配置される第2部分をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の表示パネル。
前記抵抗制御層の一部を除去して、前記抵抗制御層に前記補助電極の上面の少なくとも一部を露出させる第2コンタクトホールを形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の表示パネルの製造方法。
前記第2コンタクトホールを形成する段階は、前記抵抗制御層を形成する段階及び前記第2電極を形成する段階の間に遂行されることを特徴とする請求項15に記載の表示パネルの製造方法。
前記第1発光ユニット、前記電荷生成層、及び前記第2発光ユニットは、レーザードリリングを利用して除去されることを特徴とする請求項14に記載の表示パネルの製造方法。
前記第1部分の他の一部は、前記補助電極と接触し、前記第1部分の前記いずれか一部は、前記第1コンタクトホールによって露出される前記電荷生成層の露出面と接触することを特徴とする請求項18に記載の表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は多様な変更を加えることができ、様々な形態を有し得る。特定な実施形態を図面に例示し、本文において詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の開示形態に限定しようとするのではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物、及び代替物を含むとして理解されるべきである。
【0030】
各図面を説明しながら、類似の参照符号を類似の構成要素に対して使用した。添付した図面において、構造物の寸法は本発明の明確性のために実際より拡大して図示したものである。第1、第2等の用語は多様な構成要素を説明するために使用されるが、前記構成要素は前記用語によって限定されてはならない。前記用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみに使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱せず、第1構成要素は第2構成要素と称され、同様に第2構成要素も第1構成要素と称されることができる。単数の表現は文脈上に明確に異なって表現しない限り、複数の表現を含む。
【0031】
本明細書において、‘‘含む’’等の用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組合したことが存在することを表現しようするものであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品、又はこれらを組合したものの存在又は付加可能性を予め排除しないものとして理解されるべきである。また、層、膜、領域、板等の部分が他の部分の‘‘上に’’あるとする場合、これは、他の部分の‘‘直ちに上に’’ある場合のみでなく、その中間にその他の部分がある場合も含む。反対に、層、膜、領域、板等の部分が他の部分の“下部に”あるとする場合、これは、他の部分の‘‘直ちに下に’’ある場合のみでなく、その中間にその他の部分がある場合も含む。
【0032】
以下、添付した図面を参照して本発明の望ましい実施形態をより詳細に説明する。
【0033】
図1は本発明の一実施形態に係る表示装置の概略的な平面図である。
図1を参照すれば、本発明の一実施形態に係る表示装置DDは表示パネルDP、軟性回路基板FPC、及び印刷回路基板PCBを含む。
【0034】
表示パネルDPは表示領域DAに映像を表示する。表示領域DAは印刷回路基板PCBから提供される制御信号及び映像データによって駆動される。
【0035】
表示パネルDPは表示領域DAに配置されるゲートラインGL1乃至GLn、データラインDL1乃至DLm、及びサブ画素SPXを含む。ゲートラインGL1乃至GLnは、例えば第1方向DR1に沿って延長され、第2方向DR2に沿って配列される。データラインDL1乃至DLmはゲートラインGL1乃至GLnと絶縁され、交差する。例えば、データラインDL1乃至DLmは第2方向DR2に沿って延長され、第1方向DR1に沿って配列される。本明細書において、第1及び第2方向DR1、DR2と平行である方向を水平方向とする。
【0036】
平面視において、表示パネルDPの非表示領域NDAは表示領域DAを囲むように定義される。非表示領域NDAにはサブ画素SPXが配置されず、非表示領域NDAには映像が表示されない。非表示領域NDAは表示装置DDのベゼルとして定義される。
【0037】
サブ画素SPXの各々はゲートラインGL1乃至GLnの中の対応するゲートライン及びデータラインDL1乃至DLmの中の対応するデータラインに接続される。
【0038】
サブ画素SPXは第1及び第2方向DR1、DR2に沿ってマトリックス状に配列される。サブ画素SPXはレッド、グリーン、及びブルーのような主要色(primary color)の中のいずれか1つを表示する。サブ画素SPXが表示できるカラーはレッド、グリーン、及びブルーに限定されず、サブ画素SPXはレッド、グリーン、及びブルーカラー以外にホワイト又はイエロー、シアン、及びマゼンタのような2次主要色(secondary primary color)等の多様な色を表示できる。
【0039】
サブ画素SPXは画素PXを構成する。本発明の一例として、4つのサブ画素SPXは1つの画素PXを構成する。しかし、これに限定されず、2つ、3つ、又は5つ以上のサブ画素SPXが1つの画素PXを構成する。
【0040】
画素PXは単位映像を表示する素子であり、表示パネルDPに具備された画素PXの数によって表示パネルDPの解像度が決定される。
図1においては1つの画素PXのみを図示し、残る画素に対する図示は省略した。
【0041】
本発明の一例において、表示パネルDPは有機発光表示パネルであり、サブ画素SPXは有機発光素子を含む。
【0042】
表示パネルDPは、例えば第1及び第2方向DR1、DR2と各々平行である一対の長辺及び一対の短辺を有する板形状を有する。本発明の一例において、表示パネルDPの形状は多様に変形され、表示パネルDPは断面から見た時、少なくとも一方向に沿って曲がった形状を有するか、或いは平面視において、少なくとも1つの丸い形状を有するエッジを有する。
【0043】
軟性回路基板FPCは表示パネルDPと印刷回路基板PCBとを互いに連結させる。
図1においては軟性回路基板FPCは1つのみを図示したが、本発明の一例において、軟性回路基板FPCは複数提供され、複数の軟性回路基板FPCは表示パネルDPの縁に一方向に沿って配列される。本発明の一例において、軟性回路基板FPCの個数は多様に変形される。
【0044】
本発明の一例として軟性回路基板FPCは駆動チップDCを含む。駆動チップDCは、例えばテープキャリヤーパッケージ(TCP:Tape Carrier Package)形態にて実装され、データドライバー(図示せず)を具現したチップを含む。駆動チップDCはゲートドライバーを具現したチップをさらに含むこともできる。また、ゲートドライバーは非表示領域NDA内に配置されてもよい。
【0045】
印刷回路基板PCBは表示パネルDPを制御する制御部(図示せず)を含む。制御部は入力映像信号を受信し、データドライバー、ゲートドライバー、及び表示パネルDPのインターフェイス仕様及び駆動モードに合うように入力映像信号のデータフォーマット等を変換して映像データを生成する。制御部は映像データと制御信号とを出力する。映像データは表示領域DAに表示される映像に係る情報を含む。
【0046】
データドライバーは映像データ及び制御信号を各々受信する。データドライバーは制御信号に応答して映像データをデータ電圧に変換し、データ電圧をデータラインDL1乃至DLmに出力する。データ電圧は映像データに対応するアナログ電圧である。
【0047】
印刷回路基板PCBには制御部を具現した多様な電子素子が実装される。例えば、印刷回路基板PCBはキャパシター、抵抗のような受動素子のみならず、集積回路を含むマイクロプロセッサ、メモリチップのような能動素子及びこれらを連結する配線を含む。
【0048】
表示パネルDPは補助電極100をさらに含む。本発明の一例において、補助電極100は平面視において、サブ画素SPXの間に配置される。
【0049】
補助電極100は、例えばグリッド(Grid)形状を有する。補助電極100は複数の第1延長部100_a及び複数の第2延長部100_bを含む。複数の第1延長部100_aは、例えば第1方向DR1に延長され、第2方向DR2に配列される。複数の第2延長部100_bは第2方向DR2に延長され、第1方向DR1に配列される。複数の第1及び第2延長部100_a、100_bは第1及び第2方向DR1、DR2に沿って1つのサブ画素SPX毎に配置されて、1つのサブ画素SPX単位に配置されてもよく、図示しないが、2つ以上のサブ画素SPX単位に配置されてもよい。
【0050】
補助電極100は表示パネルDPに発生するIR Dropを防止する。IR Dropに対しては後述する。
【0051】
図2は本発明の一実施形態に係る表示パネルの平面図であり、
図3は
図2に図示したI−I’に沿って切断した切断面の断面図であり、
図4は
図3に図示した第1コンタクトホールCNT1を拡大した断面図であり、
図5は
図3に図示した第1コンタクトホールCNT1を拡大した平面図である。
【0052】
図2を参照すれば、本発明の一実施形態に係る複数の画素PXの各々は、例えば第1乃至第4サブ画素SPX1乃至SPX4を含む。第1乃至第4サブ画素SPX1乃至SPX4は
図1に図示したサブ画素SPXの一例である。
【0053】
本発明の一例において、第1乃至第4サブ画素SPX1乃至SPX4は、例えば各々レッドサブピクセル、グリーンサブピクセル、ブルーサブピクセル、及びホワイトサブピクセルである。第1乃至第4サブ画素SPX1乃至SPX4の各々は大略、四角形形状を有する。
【0054】
本発明の一例において、表示パネルDPは第1乃至第4サブ画素SPX1乃至SPX4の間に配置される画素定義膜PDLを含む。画素定義膜PDLは第1乃至第4サブ画素SPX1乃至SPX4の間の境界及び複数の画素PXの間の境界を定義する。
【0055】
本発明の一例において、表示パネルDPには第1コンタクトホールCNT1が定義される。第1コンタクトホールCNT1は、例えば第1及び第2延長部100_a、100_bが交差する領域に定義される。
【0056】
図3を参照すれば、表示パネルDPはベース基板BS、画素回路層PC、第1絶縁層IL1、有機発光素子200、抵抗制御層300、及び第2絶縁層IL2を含む。
【0057】
本発明の一例において、ベース基板BSは透明であり、例えばリジッド(Rigid)であるガラス又は柔軟性を有するポリマーからなるか、或いはこれらを含む。
【0058】
画素回路層PCはベース基板BS上に配置される。画素回路層PCは、例えば有機発光素子200を駆動するための回路を含み、少なくとも2つ以上のトランジスタを含む。画素回路層PCは、例えば印加されたゲート信号に応答してターンオンされてデータ電圧を伝達するスイッチングトランジスタと、スイッチングトランジスタから伝達されたデータ電圧に対応する駆動電流を有機発光層OLに供給する駆動トランジスタとを含む。
【0059】
第1絶縁層IL1は画素回路層PC上に配置される。第1絶縁層IL1には画素回路層PCの一部を露出させるコンタクトホールが定義される。第1絶縁層IL1は有機物又は無機物を含む単層又は複層を含む。
【0060】
本発明の一例において、有機発光素子200は第1電極210、第1発光ユニット220、電荷生成層230、第2発光ユニット240、第2電極250を含む。
【0061】
本発明の一例において、第1電極210は第1絶縁層IL1上に配置される。第1電極210の一端は第1絶縁層IL1に形成されたコンタクトホールに配置され、画素回路層PCに接続し、画素回路層PCから駆動電流を受信する。
【0062】
ベース基板BSには第1領域A1及び第1領域A1から水平方向に離隔される第2領域A2が定義される。第1電極210の他端は第1電極210の一端から延長されて第2領域A2に配置される。
【0063】
補助電極100は第1領域A1に配置される。補助電極100は伝導性物質を含む。補助電極100は透明電極、半透明電極、又は不透明電極(又は反射電極)である。また、補助電極100は単一物質からなる単一層、複数の互いに異なる物質からなる単一層又は複数の互いに異なる物質からなる複数の層を有する層構造を有する。
【0064】
本発明の一例において、補助電極100及び第1電極210上に画素定義膜PDLが配置される。画素定義膜PDLは、例えば補助電極100の縁をカバーし、補助電極100の中央部を露出させる。画素定義膜PDLの一部分は、第1及び第2領域A1、A2の間に配置される。
【0065】
第1領域A1は、例えば露出される補助電極100の中央部に対応して定義される。
【0066】
画素定義膜PDLは、例えば第1電極210の縁をカバーし、第1電極210の中央部を露出させる。第2領域A2は、例えば露出される第1電極210の中央部に対応して定義される。
【0067】
本発明の一例において、第1発光ユニット220は画素定義膜PDL、第1電極210、及び補助電極100上に配置される。第1発光ユニット220は、例えば第1色相を有する第1光を生成する。第1発光ユニット220は複数の有機物層を含む。
【0068】
本発明の一例において、電荷生成層230は第1発光ユニット220上に配置される。電荷生成層230は第1及び第2発光ユニット220、240の間に配置されて第1及び第2発光ユニット220、240に提供される電荷(電子及び/又は正孔)を供給し、供給される電荷の均衡を調節する。
【0069】
本発明の一例において、第2発光ユニット240は電荷生成層230上に配置される。第2発光ユニット240は、例えば第2色相を有する第2光を発光する。第2発光ユニット240は複数の有機物層を含む。
【0070】
本発明の一例において、有機発光素子200は白色有機発光素子である。第1及び第2色相の混合色は、例えば白色であり、互いに捕色関係にある。第1及び第2色相の光は合わせて白色光を生成する。第1及び第2色相は、例えば各々青色及び黄色である。しかし、これに限定されず、第1及び第2色相は赤色又は緑色であってもよい。
【0071】
第2電極250は抵抗制御層300上に配置される。第2電極250は、例えば第1領域A1に配置される第1電極部251及び第1電極部251から延長され、第2領域A2に配置される第2電極部252を含む。より具体的に、平面視において、第1電極部251は補助電極100と重畳され、第2電極部252は第1電極210と重畳される。
【0072】
第2電極250はベース基板BS上に全面的に配置される。したがって、水平方向に沿って第2電極250にはIR Dropが発生し、表示パネルDPの位置により画素PXの輝度が変わる。IR Dropを防止するために、第2電極250は補助電極100と連結される。補助電極100が抵抗制御層300の第1部分310を通じて第2電極250と連結されることによって、第2電極250に発生するIR dropが防止又は減少される。
【0073】
本発明の一例において、抵抗制御層300は第2発光ユニット240、第1乃至第3露出面221、231、241、及び補助電極100の一部上に配置される。本発明の一例において、抵抗制御層300は第1乃至第3部分310、320、330を含む。
【0074】
本発明の一例において、第1部分310の少なくとも一部は第1コンタクトホールCNT1に配置される。
図4及び
図5をさらに参照すれば、第1コンタクトホールCNT1は第1領域A1内に定義され、例えば補助電極100上に定義される。第1コンタクトホールCNT1は第1発光ユニット220、電荷生成層230、及び第2発光ユニット240内に定義されて補助電極100を露出させる。
図4及び
図5においては第1コンタクトホールCNT1及び第1部分310に対する説明及び理解の容易にするために一部の構成要素の図示を省略する。例えば、
図5には抵抗制御層300及び抵抗制御層300上に配置された層を省略している。
【0075】
本明細書において、‘‘コンタクトホールが所定の層内に定義される’’という意味は、所定の層を除去して生成される空間をコンタクトホールとして定義することを意味する。したがって、第1コンタクトホールCNT1は第1発光ユニット220、電荷生成層230、及び第2発光ユニット240が除去されて形成される空いた空間(
図4及び
図5にハッチングにより表示された領域)として定義される。
【0076】
第1コンタクトホールCNT1によって補助電極100の上面の少なくとも一部、第1発光ユニット220の第1露出面221、電荷生成層230の第2露出面231、及び第2発光ユニット240の第3露出面241が露出される。第1部分310の一部が第1コンタクトホールCNT1に配置され、第1乃至第3露出面221、231、241及び補助電極部100の上面に囲まれる領域のみに配置される。
【0077】
第1部分310の一部は電荷生成層230及び第1電極部251の間に配置される。第1部分310の一部の下面は、例えば第1乃至第3露出面221、231、241と接触し、第1部分310の上面は、第1電極部251と接触する。本発明の一例において、第1部分310の他の一部は第1電極部251及び補助電極100の間に配置され、第1電極部251を補助電極100と電気的に連結させる。第1部分310の他の一部の下面は補助電極100と接触する。
【0078】
本発明の一例において、第2部分320は第2領域A2に配置される。第2部分320は第2電極部252下に配置され、第2領域A2内において第2発光ユニット240及び第2電極部252の間に配置される。
【0079】
本発明の一例において、第3部分330は、第1及び第2部分310、320の間に配置され、第1及び第2部分310、320を連結する。第3部分330は画素定義膜PDL上に配置される。
【0080】
本発明の一例において、抵抗制御層300は水平漏洩電流が電荷生成層230に流れることを防止する。これとは異なり、抵抗制御層300が省略されて、電荷生成層230及び第1電極部251が直接接触している構造においては、第1電極部251に印加された第1電圧が第1部分310に印加され、水平漏洩電流が電荷生成層230に流れる。水平漏洩電流は、第1部分310から第3部分330を経て第2部分320及び第1電極210に沿って流れる。したがって、水平漏洩電流が第1発光ユニット220を通過する。また、水平漏洩電流によって第2部分320には漏洩電圧がかかる。漏洩電圧は第1部分310に印加された電圧が水平漏洩電流の経路をしたがって電圧分配された電圧である。漏洩電圧は第1電極210に印加された電圧より大きく、第1電圧より低い。
【0081】
水平漏洩電流及び漏洩電圧によって、第1発光ユニット220は不良な発光(以下、不良発光)をする。例えば、第1電極210に‘‘0’’階調に対応される電圧が印加された時、第1発光ユニット220が発光するか、或いは第1電極210に印加された電圧の階調と異なる階調の光を第1発光ユニット220が生成する。
【0082】
本発明の一例において、抵抗制御層300は電荷生成層230及び第1電極部251の間の水平漏洩電流及び漏洩電圧によって有機発光素子200における不良発光の発生を防止するために、電荷生成層230及び第2電極250の間を絶縁させる。より具体的に、抵抗制御層300の一部は電荷生成層230及び第2電極250を完全に絶縁させるか、或は一部絶縁させる。
【0083】
抵抗制御層300が電荷生成層230及び第2電極250を完全絶縁させる場合、第1電極部251から電荷生成層230に水平漏洩電流は流れず、第1部分310に漏洩電圧がかからない。抵抗制御層300が電荷生成層230及び第2電極250を一部絶縁させる場合、臨界電流以下の水平漏洩電流が流れ、第2部分320には臨界電圧以下の漏洩電圧が印加される。漏洩電圧が臨界電圧より小さいか、或いは水平漏洩電流が臨界電流より小さい場合、第1発光ユニット220は発光しない。
【0084】
抵抗制御層300の抵抗は不良発光が防止されるように決定される。抵抗制御層300の抵抗は、例えば電荷生成層230の抵抗より大きい。抵抗制御層300の厚さは、第1電極部251と補助電極100とが電気的に連結され、電荷生成層230と第1電極部251とが絶縁されるように定められる。
【0085】
抵抗制御層300の厚さは1nm乃至10nmである。抵抗制御層300が、第1領域A1内において絶縁機能を有するための範囲の厚さを有することが望ましく、抵抗制御層300が、第2領域A2内において電子注入/輸送機能又は正孔注入/輸送機能を有するための範囲の厚さを有することが望ましい。これに対する詳細な説明は
図10を参照して後述する。上述した内容を要約すれば、本発明の一例において、抵抗制御層300は電荷生成層230及び第2電極250を絶縁させるので、水平漏洩電流による有機発光素子200の不良発光が防止され、有機発光素子200が安定的に駆動される。
【0086】
第1及び第2電極210、250の各々は伝導性物質を含む。より具体的に、第1及び第2電極210、250の各々は透明電極、半透明電極、又は不透明電極(又は反射電極)である。また、第1及び第2電極210、250は単一物質からなされた単一層、複数の互いに異なる物質からなる単一層又は複数の互いに異なる物質からなる複数の層の層構造を有する。
【0087】
本発明の一例において、第1及び第2電極210、250の各々が透明電極又は半透明電極である場合、第1及び第2電極210、250の各々は、例えば光学的に薄い(optically thin)Li、Ca、LiF/Ca、LiF/Al、Al、Mg、BaF、Ba、Ag又はこれらの化合物や混合物(例えば、AgとMgとの混合物)を含むか、或いは透明金属酸化物、例えば、ITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)、ZnO(zinc oxide)、ITZO(indium tin zinc oxide)、Mo、Ti等を含む。
【0088】
本発明の一例において、第1及び第2電極210、250の各々が反射電極である場合、第1及び第2電極210、250の各々は、例えば光学的に厚い(optically thick)Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、LiF/Ca、LiF/Al、Mo、Ti又はこれらの化合物や混合物(例えば、AgとMgとの混合物)を含む。
【0089】
本発明の一例において、有機発光素子200は背面発光形又は前面発光形である。有機発光素子200が背面発光形である場合、第1電極210は透明又は半透明電極であり、第2電極250は反射電極であり、第1電極210を通じて白色光が外部へ放出される。有機発光素子200が前面発光形である場合、第1電極は反射電極であり、第2電極250は透明又は半透明電極であり、第2電極250を通じて白色光が外部へ放出される。
【0090】
本発明の一例において、有機発光素子200は非反転(non−inverted)構造又は反転(inverted)構造を有する。有機発光素子200が非反転構造である場合、第1電極210はアノードであり、第2電極250はカソードであり、第1電極210に印加される電圧は第2電極250に印加される電圧より高い。これとは反対に、有機発光素子200が反転構造である場合、第1電極210はカソードであり、第2電極250はアノードであり、第1電極210に印加される電圧は第2電極250に印加される電圧より低い。
【0091】
図6は本発明の一実施形態に係る表示パネルの断面図である。
図6に図示した表示パネルDPは
図3に図示した表示パネルDPと類似であるので、第1コンタクトホールCNT1及び第1部分310のみ説明し、重複した説明は省略する。
【0092】
図6を参照すれば、画素回路層PCはトランジスタTRを含む。トランジスタTRはゲート電極GE、ソース電極SE、ドレーン電極DE、及び半導体層SLを含む。半導体層SLはベース基板BS上に配置される。半導体層SL上に第1トランジスタ絶縁層TRI1が配置される。第1トランジスタ絶縁層TRI1上に半導体層SLが配置される。半導体層SL上に第2トランジスタ絶縁層TRI2が配置される。ソース電極SE及びドレーン電極DEは第2トランジスタ絶縁層TRI2上に配置され、ドレーン電極DEはソース電極SEと離隔されて配置される。
【0093】
ソース電極SEは第1及び第2トランジスタ絶縁層TRI1、TRI2に定義されたコンタクトホールを通じて半導体層SLの一端と連結され、ドレーン電極DEは第1及び第2トランジスタ絶縁層TRI1、TIR2に定義されたコンタクトホールを通じて半導体層SLの他端と連結される。ドレーン電極DEは第1絶縁層IL1に定義されたコンタクトホールを通じて第1電極210と連結される。
【0094】
トランジスタTRは、例えばゲート電極GEに印加された制御信号に応答して、ソース電極SEに印加された電圧をドレーン電極DEを通じて第1電極210に出力する。
【0095】
補助電極100は第1絶縁層IL1及び第2トランジスタ絶縁層TRI2の間に配置される。
【0096】
本発明の一例において、第1絶縁層IL1に中間コンタクトホールCNT_Mが定義される。中間コンタクトホールCNT_Mは補助電極100の上面を露出させる。第1領域A1に配置された第1及び第2発光ユニット220、240、及び電荷生成層230の一部は中間コンタクトホールCNT_Mの内部に配置される。
【0097】
本発明の一例において、第1コンタクトホールCNT1は中間コンタクトホールCNT_Mの内部に配置された第1及び第2発光ユニット220、240、及び電荷生成層230の一部に定義される。第1コンタクトホールCNT1は補助電極100の上面を露出させる。
【0098】
本発明の一例において、第1部分310は第1コンタクトホールCNT1に配置される。
第1コンタクトホールCNT1によって補助電極100の上面の少なくとも一部、第1発光ユニット220の第1露出面221、電荷生成層230の第2露出面231、及び第2発光ユニット240の第3露出面241が露出される。第1部分310は第1コンタクトホールCNT1に配置されるので、第1部分310は第1乃至第3露出面221、231、241及び第1電極部251の上面に囲まれる領域のみに配置される。
【0099】
第1部分310の一部は電荷生成層230及び第1電極部251の間に配置される。第1部分310の一部の下面は、例えば第1乃至第3露出面221、231、241と接触し、第1部分310の上面は、第1電極部251と接触する。本発明の一例において、第1部分310の他の一部は第1電極部251及び補助電極100の間に配置され、第1電極部251を補助電極100と電気的に連結させる。第1部分310の他の一部の下面は補助電極100と接触する。また、本発明はこれに限定されず、補助電極100は第1及び第2トランジスタ絶縁層TRI1、TRI2の間に配置されてもよい。この場合、第1コンタクトホールCNT1は第1トランジスタ絶縁層TRI1にも定義されて、補助電極100の上面を露出させ、第1部分310は第1コンタクトホールCNT1の内部に配置される。
【0100】
図7は本発明の一実施形態に係る表示パネルの平面図であり、
図8は
図7に図示したII−II’に沿って切断した切断面の断面図である。
図7及び
図8に図示した表示パネルDP及び有機発光素子200は
図2及び
図3に図示した表示パネルDPと類似であるので、第2コンタクトホールCNT2及び電荷生成層230と関連した差異点のみ説明し、重複した説明は省略する。
【0101】
図7を参照すれば、本発明の一例において、表示パネルDPには第2コンタクトホールCNT2がさらに定義される。第2コンタクトホールCNT2は、例えば平面視において、第1コンタクトホールCNT1内に定義される。
【0102】
図8をさらに参照すれば、第2コンタクトホールCNT2は第1領域A1内に定義され、例えば補助電極100上に定義される。第2コンタクトホールCNT2は抵抗制御層300内に定義される。より具体的に、第2コンタクトホールCNT2は第1部分310に定義され、第2コンタクトホールCNT2によって補助電極100の上面の少なくとも一部及び抵抗制御層300の第4露出面301が露出される。
【0103】
本発明の一例において、第1電極部251の少なくとも一部は、第2コンタクトホールCNT2に配置され、第2コンタクトホールCNT2によって露出された補助電極100の少なくとも一部と接触する。
【0104】
本発明の一例において、第2電極250は補助電極100と直接連結されるため、第2電極250及び補助電極100の間において電圧降下が発生しないので、IR−Dropが効果的に防止され、有機発光素子200の電圧−電流特性が改善される。
【0105】
図9は本発明の一実施形態に係る表示装置の断面図である。
図9に図示した表示パネルDPは
図8に図示した表示パネルDPと類似であるので、電荷生成層230と関連した差異点のみ説明し、重複した説明は省略する。
【0106】
図9を参照すれば、本発明の一例において、抵抗制御層300は第2領域A2には配置されない。抵抗制御層300は、例えば平面視において、第2領域A2と重畳せず、離隔される。言い換えれば、第2及び第3部分320、330は省略される。
【0107】
本発明の一例において、抵抗制御層300は第2領域A2内において有機発光素子200の有機層の間に配置されない。したがって、抵抗制御層300は有機発光素子200の電荷均衡又は電圧−電流特性に影響を及ばさない。したがって、例えば、有機発光素子200の電荷均衡を合わせるための有機発光素子200の設計と、水平漏洩電流を防止する抵抗制御層300の設計を独立的に遂行できる。
【0108】
図10は本発明の一実施形態に係る有機発光素子の断面図である。
第1発光ユニット220は第1正孔制御層HCL1、第1発光層EML1、第1電子制御層ECL1を含む。第2発光ユニット240は第2正孔制御層HCL2、第2発光層EML2、第2電子制御層ECL2を含む。
【0109】
第1及び第2発光層EML1、EML2は第1電極210と第2電極250との間に配置される。本発明の一例において、第1及び第2発光層EML1、EML2の各々はホスト物質(host material)及びドーパント物質(dopant material)を含む。第1及び第2発光層EML1、EML2の各々はホスト物質に燐光又は蛍光発光物質をドーパントとして使用して形成される。
【0110】
ホスト物質は通常的に使用する物質であれば、特別に限定しないが、例えば、Alq3(tris(8−hydroxyquinolino)aluminum)、CBP(4、4’−bis(N−carbazolyl)−1、1’−biphenyl)、PVK(poly(n−vinylcabazole))、ADN(9、10−di(naphthalene−2−yl)anthracene)、TCTA(4、4’、4”−Tris(carbazol−9−yl)−triphenylamine)、TPBi(1、3、5−tris(N−phenylbenzimidazole−2−yl)benzene)、TBADN(3−tert−butyl−9、10−di(naphth−2−yl)anthracene)、DSA(distyrylarylene)、CDBP(4、4’−bis(9−carbazolyl)−2、2’−dimethyl−biphenyl)、MADN(2−Methyl−9、10−bis(naphthalen−2−yl)anthracene)等を使用できる。
【0111】
ホスト物質及びドーパント物質の組合せによって該当層の発光カラーが決定される。例えば、該当層が赤色を発光する時、該当層はPBD:EuDBM3(Phen)(tris(dibenzoylmethanato)phenanthoroline europium)又はペリレン(Perylene)を含む蛍光物質を含む。
【0112】
この時、該当層に含まれるドーパント物質は、例えばPIQIr(acac)(bis(1−phenylisoquinoline)acetylacetonate iridium)、PQIr(acac)(bis(1−phenylquinoline)acetylacetonate iridium)、PQIr(tris(1−phenylquinoline)iridium)及びPtOEP(octaethylporphyrin platinum)のような金属錯化合物(metal complex)又は有機金属錯体(organometallic complex)から選択する。
【0113】
又は、例えば、該当層が緑色を発光する時、該当層はAlq3(tris(8−hydroxyquinolino)aluminum)を含む蛍光物質を含む。この時、該当層に含まれるドーパント物質は例えば、Ir(ppy)3(fac−tris(2−phenylpyridine)iridium)のような金属錯化合物(metal complex)又は有機金属錯体(organometallic complex)から選択する。
【0114】
又は、例えば、該当層が青色を発光する時、該当層はスピロ−DPVBi(spiro−DPVBi)、スピロ−6P(spiro−6P)、DSB(distyryl−benzene)、DSA(distyryl−arylene)、PFO(Polyfluorene)系高分子及びPPV(poly(p−phenylenevinylene)系高分子からなされた群から選択されたいずれか1つを含む蛍光物質を含む。この時、該当層に含まれるドーパント物質は、例えば(4、6−F2ppy)2Irpicのような金属錯化合物(metal complex)又は有機金属錯体(organometallic complex)から選択する。
【0115】
第1発光層EML1は第2発光層EML2に比べて相対的に短い波長を有する光を生成する。第1光は前述したように、青色光であり、大体450nm以上595nm以下の波長範囲を有する。
【0116】
第2光は前述したように、黄色光であり、大体570nm以上590nm以下の波長範囲を有する。
一方、これは例示的に示したことであり、本発明の一実施形態に係る第1及び第2発光層EML1、EML2は多様なカラーの光を生成するように設計でき、いずれか1つの実施形態に限定されない。
【0117】
一方、第1及び第2発光層EML1、EML2は真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法(Langmuir−Blodgett)、インクジェットプリンティング法、レーザープリンティング法、レーザー熱転写法(Laser induced thermal imaging、LITI)等の多様な方法を利用して形成される。
【0118】
電荷生成層230は第1及び第2発光層EML1、EML2の間に配置されて有機発光素子200の電流効率及び光効率を増加させる。電荷生成層230に電圧が印加されれば、酸化−還元反応による錯体の形成によって電荷を生成する。
【0119】
本発明の一例において、電荷生成層230は順次に積層された第1及び第2電荷生成層231’、232’を含む。第1及び第2電荷生成層231’、232’は、例えばN形電荷生成層及びP形電荷生成層である。N形電荷生成層は各々Li、Na、K、又はCsのようなアルカリ金属、又はMg、Sr、Ba、又はRaのようなアルカリ土金属であってドーピングされた有機層を含むが、必ずしもこれに限定されない。P形電荷生成層は各々P形ドーパントが含まれた有機層含むが、必ずしもこれに限定されない。
【0120】
第1正孔制御層HCL1は第1電極210と第1発光層EML1との間に配置される。第2正孔制御層HCL2は電荷生成層230及び第2発光層EML2の間に配置される。
【0121】
第1電極210がアノード電極層として定義される時、第1電極210から注入された正孔は第1正孔制御層HCL1を経由して第1発光層EML1に到達する。電荷生成層230において生成された正孔は第2正孔制御層HCL2を経由して第2発光層EML2に到達する。
【0122】
第1及び第2正孔制御層HCL1、HCL2の各々は正孔注入領域、正孔輸送領域、バッファ領域、及び電子阻止領域の中の少なくともいずれか1つの領域に区分される。第1及び第2正孔制御層HCL1、HCL2の各々は単一物質からなされた単一層、複数の互いに異なる物質からなされた単一層、又は複数の互いに異なる物質からなされた複数の層を含む多層構造を有する。
【0123】
例えば、第1及び第2正孔制御層HCL1、HCL2の各々は正孔注入領域に対応される正孔注入層、正孔輸送領域に対応される正孔輸送層、及び正孔注入機能及び正孔輸送機能を同時に有する単一層の中の少なくともいずれか1つを含む。
【0124】
第1及び第2正孔制御層HCL1、HCL2の各々は正孔注入物質及び正孔輸送物質の中の少なくともいずれか1つにより構成される。正孔注入物質及び正孔輸送物質は各々公知の物質である。
【0125】
正孔輸送物質は、例えばN−フェニルカルバゾール、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール系誘導体、フルオレン(fluorine)系誘導体、TPD(N、N’−bis(3−methylphenyl)−N、N’−diphenyl−[1、1−biphenyl]−4、4’−diamine)、TCTA(4、4’、4”−tris(N−carbazolyl)triphenylamine)等のトリフェニルアミン系誘導体、NPB(N、N’−di(1−naphthyl)−N、N’−diphenylbenzidine)、又はTAPC(4、4’−Cyclohexylidene bis[N、N−bis(4−methylphenyl)benzenamine)等を含むが、これに限定されない。正孔注入層HILは、例えば銅フタロシアニン(copper phthalocyanine)等のフタロシアニン(phthalocyanine)化合物;;DNTPD(N、N’−diphenyl−N、N’−bis−[4−(phenyl−m−tolyl−amino)−phenyl]−biphenyl−4、4’−diamine)、m−MTDATA(4、4’、4”−tris(3−methylphenylphenylamino)triphenylamine)、TDATA(4、4’4”−Tris(N、N−diphenylamino)triphenylamine)、2TNATA(4、4’、4”−tris{N、−(2−naphthyl)−N−phenylamino}−triphenylamine)、PEDOT/PSS(Poly(3、4−ethylenedioxythiophene)/Poly(4−styrenesulfonate))、PANI/DBSA(Polyaniline/Dodecylbenzenesulfonic acid)、PANI/CSA(Polyaniline/Camphor sulfonicacid)、及びNI/PSS((Polyaniline)/Poly(4−styrenesulfonate)) の中の少なくともいずれか1つを含むが、これに限定されない。
【0126】
第1及び第2正孔制御層HCL1、HCL2の各々は第1及び第2発光層EML1、EML2と類似な工程により形成される。例えば、第1及び第2正孔制御層HCL1、HCL2の各々は真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法(Langmuir−Blodgett)、インクジェットプリンティング法、レーザープリンティング法、レーザー熱転写法(Laser induced thermal imaging、LITI)等の多様な方法を利用して形成される。
【0127】
一方、第1及び第2正孔制御層HCL1、HCL2の各々は正孔阻止領域に対応される正孔阻止層を含む。この時、第1及び第2正孔制御層HCL1、HCL2の各々は公知の正孔阻止材料を含む。また、第1及び第2正孔制御層HCL1、HCL2の各々は電荷生成物質をさらに含む。
【0128】
第1電子制御層ECL1は第1発光層EML1及び電荷生成層230の間に配置される。電荷生成層230において生成された電子は第1電子制御層ECL1を経由して第1発光層EML1に到達する。
【0129】
第2電子制御層ECL2は第2発光層EML2及び第2電極250の間に配置される。第2電極250がカソード電極層である時、第2電極250から注入された電子は抵抗制御層300及び第2電子制御層ECL2を経由して第2発光層EML2に到達する。
【0130】
第1及び第2電子制御層ECL1、ECL2の各々は電子注入領域、電子輸送領域、及び正孔遮断領域の中の少なくともいずれか1つの領域に区分される。第1及び第2電子制御層ECL1、ECL2の各々は単一物質からなされた単一層、複数の互いに異なる物質からなされた単一層、又は複数の互いに異なる物質からなされた複数の層を含む多層構造を有する。
【0131】
例えば、第1及び第2電子制御層ECL1、ECL2の各々は電子注入領域に対応される電子注入層、電子輸送領域に対応される電子輸送層、及び電子注入機能及び電子輸送機能を同時に有する単一層の中の少なくともいずれか1つを含む。
【0132】
第1及び第2電子制御層ECL1、ECL2の各々は電子輸送物質及び電子注入物質の中の少なくともいずれか1つを含む。例えば、電子輸送物質はAlq3(Tris(8−hydroxyquinolinato)aluminum)、TPBi(1、3、5−Tri(1−phenyl−1H−benzo[d]imidazol−2−yl)phenyl)、BCP(2、9−Dimethyl−4、7−diphenyl−1、10−phenanthroline)、Bphen(4、7−Diphenyl−1、10−phenanthroline)、TAZ(3−(4−Biphenylyl)−4−phenyl−5−tert−butylphenyl−1、2、4−triazole)、NTAZ(4−(Naphthalen−1−yl)−3、5−diphenyl−4H−1、2、4−triazole)、tBu−PBD(2−(4−Biphenylyl)−5−(4−tert−butylphenyl)−1、3、4−oxadiazole)、BAlq(Bis(2−methyl−8−quinolinolato−N1、O8)−(1、1’−Biphenyl−4−olato)aluminum)、Bebq2(berylliumbis(benzoquinolin−10−olate))、ADN(9、10−di(naphthalene−2−yl)anthracene)及びこれらの混合物を含むが、これに限定されない。
【0133】
また、例えば、電子注入物質はLiF、LiQ(Lithium quinolate)、Li
2O、BaO、NaCl、CsF、Ybのようなランタノイド族金属、又はRbCl、RbIのようなハロゲン化金属、電子輸送物質と絶縁性の有機金属塩(organo metal salt)が混合された物質等であるが、これに限定されない。
【0134】
有機金属塩は、エネルギーバンドギャップ(energy bandgap)が約4eV以上の物質になる。具体的に、例えば有機金属塩は、金属アセテート(metal acetate)、金属ベンゾエート(metal benzoate)、金属アセトアセテート(metal acetoacetate)、金属アセチルアセトネート(metal acetylacetonate)、又は金属ステアレート(stearate)を含む。
【0135】
第1及び第2電子制御層ECL1、ECL2の各々は真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法、インクジェットプリンティング法、レーザープリンティング法、レーザー熱転写法等の多様な方法を利用して形成される。
【0136】
本発明の有機発光素子200はこれに限定されず、多様に変更される。例えば、有機発光素子200は3つの発光ユニットを含み、3つの発光ユニットの間に介在された2つの電荷生成層を含む。このような構造において、抵抗制御層300は2つの電荷生成層と第2電極250とを絶縁させる。
【0137】
本発明の一例において、抵抗制御層300は第2発光ユニット240上に積層される別の構成であるが、本発明はこれに限定されない。本発明の一例において、抵抗制御層300は第2発光ユニット240の構成の機能を遂行する層として具現される。例えば、抵抗制御層300は電子注入領域であり、第2発光ユニット240の第2電子制御層ECL2は電子輸送領域、及び正孔遮断領域を含む。この構造により、抵抗制御層300は第2発光ユニット240の電子注入領域としての機能を遂行する。これと同様に、抵抗制御層300は電子注入領域のみならず、電子輸送領域及び正孔遮断領域である。また、有機発光素子200が反転構造である場合、抵抗制御層300は正孔注入領域、正孔輸送領域、及び電子遮断領域の中のいずれか1つの領域である。
【0138】
抵抗制御層300は、例えばLiQ及びLiFの少なくともいずれか1つを含む。本発明の一例として、非反転構造において抵抗制御層300は電子の注入/輸送を阻止する第1及び第2正孔制御層HCL1、HCL2のホスト材料を含むか、或いは低い電子の電気伝導度を有する第1及び第2電子制御層ECL1、ECL2の材料を含む。したがって、カソードである第1電極部251から注入される電子の阻止によって、水平漏洩電流が効果的に防止される。
【0139】
抵抗制御層300の厚さは1nm乃至10nmである。抵抗制御層300の厚さが1nm未満である場合、第1領域A1(
図3参照)内において電荷生成層230に対する絶縁層としての機能を遂行するのが難しい。抵抗制御層300の厚さが10nmを超過する場合、第2領域A2(
図3参照)内において第2発光ユニット240に対する電子注入/輸送機能を遂行するのが難しい。
【0140】
本発明の一例として、反転構造において抵抗制御層300は正孔の注入/輸送を阻止する第1及び第2電子制御層ECL1、ECL2のホスト材料を含むか、或いは低い正孔伝導度を有する第1及び第2正孔制御層HCL1、HCL2の材料を含む。したがって、アノードである第1電極210から注入される正孔の阻止によって、水平漏洩電流が効果的に防止される。
【0141】
図11乃至
図16は本発明の一実施形態に係る表示パネルの製造方法を説明する断面図である。
図11を参照すれば、ベース基板BS上に画素回路層PCが形成され、画素回路層PC上に第1絶縁層IL1が形成される。第1絶縁層IL1に駆動コンタクトホールCNT_Drが形成される。駆動コンタクトホールCNT_Drによって画素回路層PCの一部が露出される。
【0142】
図12を参照すれば、第1絶縁層IL1上に第1電極210及び補助電極100が形成される。前述したように、第1電極210の一端は第1絶縁層IL1に形成された駆動コンタクトホールCNT_Drに配置され、画素回路層PCと接続される。第1電極210の他端は第1電極210の一端から延長されて第2領域A2に配置される。補助電極100は第1電極210と離隔され、第1領域A1に配置される。
【0143】
図13に図示したように、第1電極210及び補助電極100上に画素定義膜PDLが形成される。以後、第1発光ユニット220、電荷生成層230、及び第2発光ユニット240が順次に画素定義膜PDL、第1電極210、及び補助電極100上に形成される。
【0144】
図14に図示したように、第1領域A1に第1コンタクトホールCNT1が形成される。第1コンタクトホールCNT1は第1補助電極100の一部が露出されるように、第1領域A1内の第1発光ユニット220、電荷生成層230、及び第2発光ユニット240の一部(以下、除去層)を除去することによって生成される。本発明の一例として、除去層はレーザードリリング(Laser Drilling)を利用して除去される。除去層が除去されることによって第1乃至第3露出面221、231、241が形成される。
【0145】
図15に図示したように抵抗制御層300が第2発光ユニット240上に形成される。第1部分310は第1コンタクトホールCNT1に形成され、第1部分310は露出された補助電極100と接触する。
【0146】
以後、
図16に図示したように、抵抗制御層300上に第1電極部251及び第2絶縁層IL2を形成する。
【0147】
図17乃至
図19は本発明の一実施形態に係る表示パネルの製造方法を説明する断面図である。
図17を参照すれば、ベース基板BS上に画素回路層PCから抵抗制御層300までの構成が順次に積層される。画素回路層PCから抵抗制御層300までの積層方法は
図11乃至
図15を参照して説明した製造方法と同一であるので、重複する説明は省略する。
【0148】
図18を参照すれば、抵抗制御層300に第2コンタクトホールCNT2が定義される。第2コンタクトホールCNT2は補助電極100の一部が露出されるように、第1領域A1内の第1部分310の一部の除去によって生成される。本発明の一例として、第1部分310の一部はレーザードリリング(Laser Drilling)を利用して除去される。第1部分310の一部の除去によって第4露出面301が形成される。
【0149】
図19に図示したように第2電極250が抵抗制御層300上に形成される。第1電極部251は第2コンタクトホールCNT2を通じて露出される補助電極100と接触する。第2電極250の上には第2絶縁層IL2が形成される。
【0150】
以上においては本発明の望ましい実施形態を参照して説明したが、該当技術分野における熟練した当業者又は該当技術分野に通常の知識を有する者であれば、後述する特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び技術領域から逸脱しない範囲内において本発明の多様な修正及び変更が可能であることを理解できる。
【0151】
したがって、本発明の技術的範囲は明細書の詳細な説明に記載された内容に限定されず、特許請求の範囲によって定まれなければならない。