特許第6875219号(P6875219)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6875219配筋用スペーサ及び配筋用スペーサを用いた鉄筋支持構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6875219
(24)【登録日】2021年4月26日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】配筋用スペーサ及び配筋用スペーサを用いた鉄筋支持構造
(51)【国際特許分類】
   E04C 5/18 20060101AFI20210510BHJP
【FI】
   E04C5/18 104
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-138755(P2017-138755)
(22)【出願日】2017年7月18日
(65)【公開番号】特開2019-19552(P2019-19552A)
(43)【公開日】2019年2月7日
【審査請求日】2020年4月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】595027099
【氏名又は名称】株式会社ニッケンビルド
(74)【代理人】
【識別番号】100090114
【弁理士】
【氏名又は名称】山名 正彦
(74)【代理人】
【識別番号】100174207
【弁理士】
【氏名又は名称】筬島 孝夫
(72)【発明者】
【氏名】土屋 勝弘
(72)【発明者】
【氏名】藤田 茂
(72)【発明者】
【氏名】中野 道生
【審査官】 松本 隆彦
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭47−005389(JP,B1)
【文献】 特開平10−121660(JP,A)
【文献】 実開昭58−156815(JP,U)
【文献】 特開2013−209838(JP,A)
【文献】 米国特許第08448404(US,B1)
【文献】 韓国公開特許第10−2015−0090659(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04C 5/18
E04B 5/40
E04G 21/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
山部と谷部とが傾斜部を介して交互に連なり略台形の波形断面に屈曲形成された構成のデッキプレート上にコンクリートを打設してコンクリートスラブを構築するに際し、前記谷部に鉄筋を配筋するために用いる配筋用スペーサであって、
1本の線材により、前記山部の上面に載る平坦部と、前記谷部に鉄筋を配筋するための略V字溝部とが交互に屈曲形成され、かつ、当該1本の線材の一端部が、前記山部とその両側に連設される傾斜部の上部とに沿うように屈曲形成され、他端部がフリー状態に形成されていることを特徴とする、配筋用スペーサ。
【請求項2】
前記デッキプレートが、さらに前記山部の両側の傾斜部に当該山部と連設する斜面部と顎部とからなる鉤状段部を備えた構成であるとき、
前記1本の線材の一端部が、前記山部とその両側の鉤状段部の斜面部とに沿うように屈曲形成されていることを特徴とする、請求項1に記載した配筋用スペーサ。
【請求項3】
前記1本の線材の一端部の先端が、前記鉤状段部の顎部へ掛け留め可能な引っ掛け部に屈曲形成されていることを特徴とする、請求項2に記載した配筋用スペーサ。
【請求項4】
前記1本の線材の他端部が、前記平坦部に形成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載した配筋用スペーサ。
【請求項5】
前記平坦部の数が4つで前記略V字溝部の数が3つに屈曲形成されていること、又は前記平坦部の数が3つで前記略V字溝部の数が2つに屈曲形成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載した配筋用スペーサ。
【請求項6】
前記請求項1〜5のいずれかに記載した配筋用スペーサが、敷設された前記デッキプレートの幅方向に一部ラップされた状態で連続的に配設されていること、
前記配筋用スペーサの略V字溝部の底部に、前記デッキプレートのスパン方向へ向けた鉄筋が支持されていることを特徴とする、配筋用スペーサを用いた鉄筋支持構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、山部と谷部とが傾斜部を介して交互に連なり略台形の波形断面に屈曲形成された構成のデッキプレート上にコンクリートを打設してコンクリートスラブを構築するに際し、前記谷部に鉄筋を配筋するために用いる配筋用スペーサの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
前記した構成のデッキプレートの谷部に鉄筋(例えば、D13の耐火補強筋)を配筋する技術は、次の2タイプに代表される。
(1)デッキプレートの谷部の上面にコンクリートサイコロ等の単独部材を載置し、その上に鉄筋を設置して支持する工法(以下、単独工法と称す。)。
(2)例えば本出願の図11や特許文献1、2に示したように、デッキプレートの谷部に相当する部位に溝部を形成した1本のバー材(線材)をデッキプレートの幅方向(ヨリ方向)に配置し、当該溝部に鉄筋を設置して支持する工法(以下、バー工法と称す。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭58−156815号公報
【特許文献2】意匠登録第661736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記(1)の単独工法の場合、例えば3万平米程度の床面積が広い大型店舗や倉庫で実施しようとすると、実に3000個前後の単独部材を必要とする。よって、コストが嵩む上に、所定の位置に配置するための手間(労力)が掛かる等、経済性、施工性がわるかった。
【0005】
前記(2)のバー工法の場合、1本のバー材で複数本の鉄筋を支持できるので前記単独部材よりも使用個数(使用本数)を低減できる上に嵩張らず、施工性、経済性、荷扱い性に優れている。
しかし、前記した図11の両端部がフリーなバー材aで実施する場合、デッキプレートbの幅方向への移動(ズリ動き)を拘束できず、よって、位置決めが不安定となるため調整作業を余儀なくされ、作業者の感覚による位置決め調整にバラツキが生じやすい等、施工性、確実性の点で改善すべき課題があった。
また、特許文献1、2の両端部に掛留部を備えたバー材で実施する場合、前記ズリ動きは拘束できるものの、複数のデッキプレートの幅方向への継ぎ足しに伴う誤差(累積誤差)により、一方の掛留部は嵌まっても他方の掛留部は嵌まらない事態が生じる等、新たな課題が生じていた。
【0006】
本発明は、上述した背景技術の課題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、前記単独工法よりも施工性、経済性、荷扱い性に優れたバー工法を採用し、さらに、デッキプレートの幅方向への移動を拘束して位置決め調整作業を無用化でき、かつ、デッキプレートの幅方向への継ぎ足しに伴う誤差が生じても何ら支障なく作業を行うことができる、施工性、確実性に非常に優れた配筋用スペーサ及び配筋用スペーサを用いた鉄筋支持構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る配筋用スペーサは、山部と谷部とが傾斜部を介して交互に連なり略台形の波形断面に屈曲形成された構成のデッキプレート上にコンクリートを打設してコンクリートスラブを構築するに際し、前記谷部に鉄筋を配筋するために用いる配筋用スペーサであって、
1本の線材により、前記山部の上面に載る平坦部と、前記谷部に鉄筋を配筋するための略V字溝部とが交互に屈曲形成され、かつ、当該1本の線材の一端部が、前記山部とその両側に連設される傾斜部の上部とに沿うように屈曲形成され、他端部がフリー状態に形成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した配筋用スペーサにおいて、前記デッキプレートが、さらに前記山部の両側の傾斜部に当該山部と連設する斜面部と顎部とからなる鉤状段部を備えた構成であるとき、
前記1本の線材の一端部が、前記山部とその両側の鉤状段部の斜面部とに沿うように屈曲形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載した発明は、請求項2に記載した配筋用スペーサにおいて、前記1本の線材の一端部の先端が、前記鉤状段部の顎部へ掛け留め可能な引っ掛け部に屈曲形成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載した発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載した配筋用スペーサにおいて、前記1本の線材の他端部が、前記平坦部に形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載した発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載した配筋用スペーサにおいて、前記平坦部の数が4つで前記略V字溝部の数が3つに屈曲形成されていること、又は前記平坦部の数が3つで前記略V字溝部の数が2つに屈曲形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載した発明に係る配筋用スペーサを用いた鉄筋支持構造は、前記請求項1〜5のいずれかに記載した配筋用スペーサが、敷設された前記デッキプレートの幅方向に一部ラップされた状態で連続的に配設されていること、
前記配筋用スペーサの略V字溝部の底部に、前記デッキプレートのスパン方向へ向けた鉄筋が支持されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る配筋用スペーサ及び配筋用スペーサを用いた鉄筋支持構造によれば、前記バー工法で実施するので、前記単独工法よりも施工性、経済性、荷扱い性に優れていることに加え、配筋用スペーサの一端部をデッキプレートの山部に掛け留める一方、他端部をデッキプレートに掛け留めないフリー状態で実施する構成なので、デッキプレートの幅方向への移動を拘束して位置決め調整作業を無用化できると共に、デッキプレートの幅方向への継ぎ足しに伴う誤差(累積誤差)が生じても何ら支障なく作業を行うことができる。 よって、施工性、確実性に非常に優れた配筋用スペーサ及び配筋用スペーサを用いた鉄筋支持構造を実現でき、ひいては高品質のコンクリートスラブを構築できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施例1に係る配筋用スペーサを用いた鉄筋支持構造を示した正面図である。
図2】実施例1に係る配筋用スペーサを示した正面図である。
図3】実施例1に係る配筋用スペーサの配設状況を示した斜視図である。
図4】実施例2に係る配筋用スペーサを用いた鉄筋支持構造を示した正面図である。
図5】実施例2に係る配筋用スペーサを示した正面図である。
図6】実施例2に係る配筋用スペーサの配設状況を示した斜視図である。
図7】実施例3に係る配筋用スペーサを用いた鉄筋支持構造を示した正面図である。
図8】実施例3に係る配筋用スペーサを示した正面図である。
図9】実施例3に係る配筋用スペーサの配設状況を示した斜視図である。
図10】A、Bは、配筋用スペーサのバリエーションを示した正面図である。
図11】Aは、従来例に係る配筋用スペーサを用いた鉄筋支持構造を示した正面図であり、Bは、同配筋用スペーサを示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明に係る配筋用スペーサ及び配筋用スペーサを用いた鉄筋支持構造の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0016】
本発明に係る配筋用スペーサ1は、図1図3に示したように、山部と谷部とが傾斜部を介して交互に連なり略台形の波形断面に屈曲形成された構成のデッキプレート10上にコンクリートを打設してコンクリートスラブを構築するに際し、前記谷部に鉄筋11(例えば、耐火補強筋)を配筋するために用いる配筋用スペーサ1である。
この配筋用スペーサ1は、1本の線材(例えば、φ4〜5mm程度の軟鋼線材)により、前記山部の上面に載る平坦部2と、前記谷部に鉄筋11を配筋するための略V字溝部(凹溝部)3とが交互に屈曲形成され、かつ、当該1本の線材の一端部1aが、前記山部とその両側に連設される傾斜部の上部とに沿うように屈曲形成され、他端部1bがフリー状態に形成されていることを特徴とする。
なお、本明細書において「フリー状態」とは、デッキプレートに対して掛け留め可能に形成していない状態を指す。
【0017】
具体的に、前記配筋用スペーサ1は、前記山部と同等長さ又は若干長い平坦部2と前記谷部に鉄筋11を配筋するための略V字溝部3とがデッキプレート10の形態に合わせて交互に屈曲形成され、さらに、その一端部1aを、対応するデッキプレート10の山部を挟み込む(ホールドする)ように屈曲形成され、他端部1bは前記平坦部2に形成された構成で実施されている。前記略V字溝部3は、前記鉄筋11を所定(例えば、谷部から45mm程度)の高さに中空支持できる構造設計でV字に屈曲されている。
【0018】
上記構成の配筋用スペーサ1を、前記デッキプレート10の山部に配設する場合、その一端部1aを対応するデッキプレート10の山部に掛け留めて、他端部1bの平坦部2を対応するデッキプレート10の山部の上面に単に載置する。
そうすると、前記配筋用スペーサ1は、他端部1bはフリー状態であっても一端部1aがデッキプレート10の山部を挟み込むように掛け留まっているので、デッキプレート10の幅方向(ヨリ方向)へ外力が作用してもずり動くことはなく、よって、デッキプレート10の幅方向の位置決め調整作業を無用化できる。
また、配筋用スペーサ1の他端部1bは、平坦部2が単に山部に載っているフリー状態で実施されているので、デッキプレート10の幅方向への継ぎ足しに伴う誤差(累積誤差)に全く影響を受けることなくスムーズに山部に載置できる。
【0019】
ちなみに、図1に係るデッキプレート10の寸法は、幅が700mm程度(3山タイプ)、高さ(山高)が75mm程度、山部の平面部の幅寸が112mm程度、谷部の平面部の幅寸が88mm程度、板厚が1.0〜1.6mm程度、全長(スパン長)が1.8〜3.6m程度で実施されている。
なお、前記デッキプレート10の形態(形状、寸法)は勿論この限りではなく、梁材の設置間隔、構造上必要な強度等の構造設計に応じて適宜設計変更される。言い換えると、本発明に係る配筋用スペーサ1が適用可能なデッキプレート10の形態は、前記した略台形の波形断面に屈曲形成された構成であれば、どのような形態であっても適用できる。
例えば、前記デッキプレート10は、近年、打設コンクリートとの定着性を高めるべくエンボス、カギ溝、或いは鉤状段部等の合成機構を施したタイプの需要が高まっているが、本発明に係る配筋用スペーサ1は、前記合成機構を施したデッキプレート(例えば、後述する図4図7図10参照)に対しても適用できるし、前記合成機構を施していないデッキプレート(例えば、図1図11参照)に対しても適用できる。
【0020】
かくして、上記構成の配筋用スペーサ1を用いた鉄筋支持構造は、所定領域の梁間(図示の便宜上省略)に多数敷設された前記デッキプレート10の幅方向に、前記配筋用スペーサ1が、図3に示したように、鉄筋11を配筋するための略V字溝部3が途切れないように、一部ラップされた状態で連続的に配設されている。
そして、前記所定領域に配設した複数の配筋用スペーサ1の略V字溝部3の底部に、前記デッキプレート10のスパン方向へ向けた鉄筋11が支持されて成る。
【0021】
前記配筋用スペーサ1は、その一端部1aを対応するデッキプレート10の山部に掛け止めるだけで自動的に位置決めが可能となるので簡易で良好な配設作業を行うことができる。ちなみに、この配筋用スペーサ1は、図示は省略するが、デッキプレート10のスパン方向に例えば0.5〜1.0m程度のピッチで略平行に配設されている。
また、前記配筋用スペーサ1は、デッキプレート10の山部に掛け止めるだけで自動的に位置決めが行われるので、前記鉄筋11を共通に支持するスパン方向に配設した複数の配筋用スペーサ1(の略V字溝部3)は、スパン方向に沿って見ると重なり合うように一致している。よって、精度が高い鉄筋11の配筋作業を確実に行うことができる。
【0022】
前記構成の鉄筋支持構造を施工した後は、前記鉄筋11と前記配筋用スペーサ1とを適宜鉄線等の結束材で結束し、コンクリートの上面からかぶり厚さ30mm程度の部位に溶接金網、異径鉄筋等のひび割れ拡大防止筋を配設し、しかる後、コンクリートを打設してコンクリートスラブを構築する。
【実施例2】
【0023】
図4図6は、配筋用スペーサ21及び配筋用スペーサ21を用いた鉄筋支持構造の異なる実施例を示している。
この実施例2に係る配筋用スペーサ21は、上記実施例1に係る配筋用スペーサ1と比し、平坦部の数を3つから4つに、略V字溝部の数を2つから3つに増設し、長さもその分長く形成した点、また、前記合成機構を施していないデッキプレート10から前記合成機構を施したデッキプレート20に変更したことに伴い若干設計変更した点、は相違するもののコンセプトは実施例1と同じである。
すなわち、この実施例2に係る配筋用スペーサ21は、上記実施例1と同様に、1本の線材により、デッキプレート20の山部の上面に載る平坦部22と、前記谷部に鉄筋11を配筋するための略V字溝部23とが交互に屈曲形成され、かつ、当該1本の線材の一端部21aが、前記山部とその両側に連設される傾斜部の上部(に形成した斜面部と顎部とからなる鉤状段部20aの当該斜面部)とに沿うように屈曲形成され、他端部21bがフリー状態(平坦部22)に形成されている。
【0024】
ちなみに、図4では、同種のデッキプレート20を2つ継ぎ足したものを例示しており、各デッキプレート20の寸法は、幅が600mm程度(2山タイプ)、高さ(山高)が92mm程度、山部の平面部の幅寸が142mm程度、谷部の平面部の幅寸が100mm程度、板厚が1.0〜1.6mm程度、全長(スパン長)が1.8〜3.6m程度で実施されている。
【0025】
この実施例2に係る配筋用スペーサ21を前記デッキプレート20の山部に配設する場合、上記実施例1と同じ要領で行う。すなわち、配筋用スペーサ21の一端部21aを対応するデッキプレート20の山部に掛け留めて、他端部21bの平坦部22を対応するデッキプレート20の山部の上面に単に載置する。
そうすると、前記配筋用スペーサ21は、他端部21bはフリー状態であっても一端部21aがデッキプレート20の山部を挟み込むように掛け留まっているので、デッキプレート20の幅方向へ外力が作用してもずり動くことはなく、よって、デッキプレート20の幅方向の位置決め調整作業を無用化できる。
また、配筋用スペーサ21の他端部21bは、平坦部22が単に山部に載っているフリー状態で実施されているので、デッキプレート20の幅方向への継ぎ足しに伴う誤差(累積誤差)に全く影響を受けることなくスムーズに山部に載置できる。
【0026】
上記構成の配筋用スペーサ21を用いた鉄筋支持構造も上記実施例1と同様である。すなわち、所定領域の梁間に多数敷設された前記デッキプレート20の幅方向に、前記配筋用スペーサ21が、図6に示したように、鉄筋11を配筋するための略V字溝部23が途切れないように、一部ラップされた状態で連続的に配設されている。
そして、前記所定領域に配設した複数の配筋用スペーサ21の略V字溝部23の底部に、前記デッキプレート20のスパン方向へ向けた鉄筋11が支持されて成る。
【0027】
前記配筋用スペーサ21は、その一端部21aを対応するデッキプレート20の山部に掛け止めるだけで自動的に位置決めが可能となるので簡易で良好な配設作業を行うことができる。
また、前記配筋用スペーサ21は、デッキプレート20の山部に掛け止めるだけで自動的に位置決めが行われるので、当該鉄筋11を共通に支持するスパン方向に配設した複数の配筋用スペーサ21(の略V字溝部23)は、スパン方向に沿って見ると重なり合うように一致している。よって、精度が高い鉄筋11の配筋作業を確実に行うことができる。
【0028】
前記構成の鉄筋支持構造を施工した後は、前記鉄筋11と前記配筋用スペーサ21とを適宜鉄線等の結束材で結束し、コンクリートの上面からかぶり厚さ30mm程度の部位に溶接金網、異径鉄筋等のひび割れ拡大防止筋を配設し、しかる後、コンクリートを打設してコンクリートスラブを構築する。
【実施例3】
【0029】
なお、前記配筋用スペーサ21の一端部21aの先端を、図7図9に示したように、前記鉤状段部20aの顎部へ掛け留め可能な引っ掛け部4に屈曲形成(延設)した配筋用スペーサ21’で実施すると、当該配筋用スペーサ21’の一端部を、より確実に、対応するデッキプレート20の山部に掛け留めることができるので、配筋用スペーサ21’の配設作業に対する確実性、信頼性を更に向上させることができる。
【0030】
以上、実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は図示例の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
例えば、本発明に係る配筋用スペーサは上記実施例1〜3に係る配筋用スペーサ1、21、21’に限らず、図10に例示した配筋用スペーサ31、31’のように、敷設するデッキプレート30、30’の形態に応じて自在に設計変更可能である。ちなみに、図10に係る配筋用スペーサ31、31’は、上記実施例1〜3とは逆に、その一端部31a、31a’をデッキプレート30の左方の山部に掛け留める手法で実施している。
【符号の説明】
【0031】
1 配筋用スペーサ
1a 一端部
1b 他端部
2 平坦部
3 略V字溝部
4 引っ掛け部
10 デッキプレート
11 鉄筋
20 デッキプレート
20a 鉤状段部
21 配筋用スペーサ
21’ 配筋用スペーサ
21a 一端部
21b 他端部
22 平坦部
23 略V字溝部
30 デッキプレート
30’ デッキプレート
30a 鉤状段部
31 配筋用スペーサ
31’ 配筋用スペーサ
31a 一端部
31b 他端部
31a’一端部
31b’他端部
32 平坦部
33 略V字溝部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11