(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記履歴表示制御手段は、前記出発地及び前記目的地のうち先に設定する前記出発地の設定時に、前記出発地及び前記目的地の双方の履歴を、現在地に近い地点から順に前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
前記履歴表示制御手段は、前記一方の地点の設定時に、前記出発地及び前記目的地の双方の履歴を、選択回数が多い地点から順に前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
前記第1優先度決定手段は、前記一方の地点が、過去に検索された前記出発地又は前記目的地と一致する場合、前記過去に検索された前記出発地又は前記目的地と対となる地点の優先度を最も高く決定することを特徴とする請求項1〜5、7〜9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の履歴の表示方法では、出発地及び目的地を設定する際、出発地及び目的地をセットで選択するか、又は移動方向を問わず個別に履歴から選択する必要があるため、操作性が悪く、設定作業が非効率であるという課題がある。例えば、出発地及び目的地の双方の履歴を表示させる方法の場合、出発地及び目的地の過去の検索時の対応関係とは無関係に最近検索した順等で表示されるため、出発地及び目的地のいずれか一方の地点を先に設定した際、その設定とは無関係に他方の地点を改めて手作業で設定する必要があり、設定作業が煩雑で非効率なものとなっている。
また、上記特許文献1記載の技術では、所定のパラメータに係る情報を記憶して統計処理を行う必要があるなど処理が複雑化するうえ、パラメータと無関係に目的地を設定したい場合は手作業で入力する必要があり、やはり設定作業が非効率なものとなるという課題がある。
【0007】
本発明は、経路探索機能に係るユーザの使用感を向上させることが可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の情報処理装置は、
目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内する経路案内処理を実行する情報処理装置において、
前記経路探索に係る出発地及び目的地のうち先に設定するいずれか一方の地点が設定された状態から、他方の地点の設定時に、表示手段に表示させる履歴の表示順に係る優先度を、設定された前記一方の地点との対応関係に基づいて決定する第1優先度決定手段と、
前記出発地及び前記目的地の組み合わせ毎に、他の前記出発地及び前記目的地の組み合わせの表示順に係る優先度を、所定のユーザの選択実績に基づいて決定する第3優先度決定手段と、
前記第3優先度決定手段により決定された優先度に基づいて他の前記出発地及び前記目的地の組み合わせを前記表示手段に表示させる他候補表示制御手段と、
前記出発地及び前記目的地の組み合わせ毎に、前記出発地及び前記目的地間の経路の表示順に係る優先度を、所定のユーザの選択実績に基づいて決定する第2優先度決定手段と、
前記第2優先度決定手段により決定された優先度に基づいて前記出発地及び前記目的地間の経路を前記表示手段に表示させる経路表示制御手段と、
を備えることを特徴とする。
また、本発明の情報処理装置は、
目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内する経路案内処理を実行する情報処理装置において、
前記経路探索に係る出発地及び目的地のうち先に設定するいずれか一方の地点が設定された状態から、他方の地点の設定時に、表示手段に表示させる履歴の表示順に係る優先度を、設定された前記一方の地点との対応関係に基づいて決定する第1優先度決定手段と、
前記出発地及び前記目的地の組み合わせ毎に、他の前記出発地及び前記目的地の組み合わせの表示順に係る優先度を、所定のユーザの選択実績に基づいて決定する第3優先度決定手段と、
前記第3優先度決定手段により決定された優先度に基づいて他の前記出発地及び前記目的地の組み合わせを前記表示手段に表示させる他候補表示制御手段と、
前記一方の地点又は前記他方の地点の設定時に、更に、経由地の履歴を前記表示手段に表示させる経由地表示制御手段と、
を備え、
前記経由地表示制御手段は、前記経由地の履歴を、現在地に近い地点から順に前記表示手段に表示させることを特徴とする。
また、本発明の情報処理装置は、
目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内する経路案内処理を実行する情報処理装置において、
前記経路探索に係る出発地及び目的地のうち先に設定するいずれか一方の地点が設定された状態から、他方の地点の設定時に、表示手段に表示させる履歴の表示順に係る優先度を、設定された前記一方の地点との対応関係に基づいて決定する第1優先度決定手段と、
前記出発地及び前記目的地の組み合わせ毎に、他の前記出発地及び前記目的地の組み合わせの表示順に係る優先度を、所定のユーザの選択実績に基づいて決定する第3優先度決定手段と、
前記第3優先度決定手段により決定された優先度に基づいて他の前記出発地及び前記目的地の組み合わせを前記表示手段に表示させる他候補表示制御手段と、
前記一方の地点又は前記他方の地点の設定時に、更に、経由地の履歴を前記表示手段に表示させる経由地表示制御手段と、
を備え、
前記経由地表示制御手段は、前記経由地の履歴を、選択回数が多い地点から順に前記表示手段に表示させることを特徴とする。
また、本発明の情報処理装置は、
目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内する経路案内処理を実行する情報処理装置において、
前記経路探索に係る出発地及び目的地のうち先に設定するいずれか一方の地点が設定された状態から、他方の地点の設定時に、表示手段に表示させる履歴の表示順に係る優先度を、設定された前記一方の地点との対応関係に基づいて決定する第1優先度決定手段と、
前記出発地及び前記目的地の組み合わせ毎に、他の前記出発地及び前記目的地の組み合わせの表示順に係る優先度を、所定のユーザの選択実績に基づいて決定する第3優先度決定手段と、
前記第3優先度決定手段により決定された優先度に基づいて他の前記出発地及び前記目的地の組み合わせを前記表示手段に表示させる他候補表示制御手段と、
を備え、
前記第1優先度決定手段は、前記一方の地点と距離の近い、過去に検索された前記出発地又は前記目的地から順に、その対となる地点の優先度を高く決定することを特徴とする。
また、本発明の情報処理装置は、
目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内する経路案内処理を実行する情報処理装置において、
前記経路探索に係る出発地及び目的地のうち先に設定するいずれか一方の地点が設定された状態から、他方の地点の設定時に、表示手段に表示させる履歴の表示順に係る優先度を、設定された前記一方の地点との対応関係に基づいて決定する第1優先度決定手段と、
前記出発地及び前記目的地の組み合わせ毎に、他の前記出発地及び前記目的地の組み合わせの表示順に係る優先度を、所定のユーザの選択実績に基づいて決定する第3優先度決定手段と、
前記第3優先度決定手段により決定された優先度に基づいて他の前記出発地及び前記目的地の組み合わせを前記表示手段に表示させる他候補表示制御手段と、
を備え、
前記第1優先度決定手段は、前記出発地が設定された状態から、前記目的地の設定時に、前記履歴の表示順に係る優先度に関し、前記出発地及び前記目的地の双方の履歴のうち現在地に近い地点から順に、その対となる地点の優先度を高く決定することを特徴とする。
また、本発明の情報処理装置は、
目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内する経路案内処理を実行する情報処理装置において、
前記経路探索に係る出発地及び目的地のうち先に設定するいずれか一方の地点が設定された状態から、他方の地点の設定時に、表示手段に表示させる履歴の表示順に係る優先度を、設定された前記一方の地点との対応関係に基づいて決定する第1優先度決定手段と、
前記出発地及び前記目的地の組み合わせ毎に、他の前記出発地及び前記目的地の組み合わせの表示順に係る優先度を、所定のユーザの選択実績に基づいて決定する第3優先度決定手段と、
前記第3優先度決定手段により決定された優先度に基づいて他の前記出発地及び前記目的地の組み合わせを前記表示手段に表示させる他候補表示制御手段と、
前記経路探索に係る出発地及び目的地が未設定の状態から、前記一方の地点の設定時に、前記出発地及び前記目的地の双方の履歴を前記表示手段に表示させる履歴表示制御手段と、
を備えることを特徴とする。
また、本発明の情報処理装置は、
目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内する経路案内処理を実行する情報処理装置において、
前記経路探索に係る出発地及び目的地のうち先に設定するいずれか一方の地点が設定された状態から、他方の地点の設定時に、表示手段に表示させる履歴の表示順に係る優先度を、設定された前記一方の地点との対応関係に基づいて決定する第1優先度決定手段と、
前記出発地及び前記目的地の組み合わせ毎に、他の前記出発地及び前記目的地の組み合わせの表示順に係る優先度を、所定のユーザの選択実績に基づいて決定する第3優先度決定手段と、
前記第3優先度決定手段により決定された優先度に基づいて他の前記出発地及び前記目的地の組み合わせを前記表示手段に表示させる他候補表示制御手段と、
を備え、
前記第1優先度決定手段は、前記他方の地点の設定時に、前記表示順に係る優先度を、ユーザ自身の統計情報に基づいて決定することを特徴とする
。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、経路探索機能に係るユーザの使用感を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
[1.構成の説明]
以下、図面を参照しながら、この発明の一実施形態について詳しく説明する。
[1−1.システム構成の説明]
まず、本実施形態に係る情報処理システム1の構成について説明する。
情報処理システム1は、
図1に示すように、情報処理装置としての地図サーバ10及び端末装置20を備えて構成されている。情報処理システム1を構成する各装置は、通信ネットワークNに接続される。通信ネットワークNは、具体的には、インターネットや電気通信事業者等の電話回線網や携帯電話通信網等である。
【0030】
地図サーバ10は、例えば、PC、WS(Work Station)等の情報機器であり、端末装置20からのアクセスに応じて、所定の動作を行う。例えば、地図サーバ10は、端末装置20から通信ネットワークNを介して送信されてきた出発地及び目的地の情報に基づいて経路探索処理を行う。地図サーバ10は、1台で構成されるものとするが、これに限定されるものではなく、複数台の装置から構成されるものとしてもよい。
【0031】
端末装置20は、スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイス、携帯電話機等の各ユーザが所持して使用する携帯型端末機器である。端末装置20には、現在地周辺の地図を表示させる処理や、目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内する処理等を実行するアプリケーション(地図アプリ)や、電車等の公共交通機関を利用した経路探索機能を提供するアプリケーション(乗換案内アプリ)などの、経路探索機能を提供するアプリケーション(以下、経路探索アプリと称する)がインストールされている。端末装置20は、通信ネットワークN(具体的には、端末装置20の通信回線や無線LAN(Local Area Network)等)を用いて、地図サーバ10との間で相互に通信を行う。
【0032】
[1−2.地図サーバの構成の説明]
次に、地図サーバ10の構成について説明する。
地図サーバ10は、制御部11と、操作部12と、表示部13と、記憶部14と、通信部15と、を備えて構成されている。
【0033】
制御部11は、地図サーバ10の動作を中央制御する。具体的には、制御部11は、CPU、ROM、RAMなどを備えて構成され、RAMの作業領域に展開されたROMや記憶部14に記憶されたプログラムデータとCPUとの協働により、地図サーバ10の各部を統括制御する。
【0034】
操作部12は、例えば、文字入力キー、数字入力キー、その他各種機能に対応付けられたキーなどを有するキーボード、マウス等のポインティングデバイスなどを備え、ユーザからの操作入力を受け付けて、操作入力に応じた操作信号を制御部11へと出力する。
表示部13は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)などのディスプレイを備え、制御部11から出力された表示制御信号に基づいた画像を表示画面に表示する。
【0035】
記憶部14は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリなどにより構成され、プログラムデータや各種設定データ等のデータを制御部11から読み書き可能に記憶する。また、記憶部14は、地図データ等を格納している。地図データには、例えば、広域をカバーした地図情報(複数縮尺に対応)、道路情報、施設、海、川等の各種シンボル情報等が記憶されている。
【0036】
通信部15は、通信用IC(Integrated Circuit)及び通信コネクタなどを有する通信インターフェイスであり、制御部11の制御の下、所定の通信プロトコルを用いて通信ネットワークNを介したデータ通信を行う。
【0037】
[1−3.端末装置の構成の説明]
次に、端末装置20の構成について説明する。
端末装置20は、制御部21と、操作部22と、表示部23と、記憶部24と、現在位置検出部25と、通信部26と、を備えて構成されている。
【0038】
制御部21は、端末装置20の動作を中央制御する。具体的には、制御部21は、CPU、ROM、RAMなどを備えて構成され、RAMの作業領域に展開されたROMや記憶部24に記憶されたプログラムデータとCPUとの協働により、端末装置20の各部を統括制御する。
【0039】
操作部22は、例えば、ホームボタン等からなるキー入力部と、表示部23と一体的に形成されたタッチパネルと、を備え、ユーザからの操作入力を受け付けて、操作入力に応じた操作信号を制御部21へと出力する。
表示部(表示手段)23は、例えば、LCD、有機EL素子を用いたFPD(Flat Panel Display)などのディスプレイを備え、制御部21から出力された表示制御信号に基づいた画像を表示画面に表示する。
【0040】
記憶部24は、例えば、HDD、半導体メモリなどにより構成され、プログラムデータや各種設定データ等のデータを制御部21から読み書き可能に記憶する。また、記憶部24は、表示部23に表示させる履歴の表示順に係る優先度の設定を管理するテーブルT1(
図7参照)を記憶する。
【0041】
現在位置検出部25は、GPSモジュール等を備えて構成されている。GPSモジュールは、GPSアンテナ等を備えて構成される。このGPSアンテナは、地球低軌道に打ち上げられた複数のGPS衛星から送信されるGPS信号を受信する。GPSアンテナは、少なくとも3個のGPS衛星から送信されるGPS信号を受信し、受信したGPS信号に基づいて端末装置20の絶対的な現在位置(緯度、経度)を検出して、制御部21に出力
する。
【0042】
通信部26は、アンテナや通信回路を備え、制御部21による制御の下で外部機器との間の無線通信を行う。具体的には、通信部26は、基地局で中継されることで、通信ネットワークNを介してデータ通信を行う。
【0043】
[2.動作の説明]
次に、本実施形態に係る情報処理システム1の具体的な動作について、
図2のフローチャートを参照して説明する。具体的には、端末装置20が、経路探索に係る出発地及び目的地を設定する処理を説明する。この処理は、端末装置20のユーザにより経路探索アプリが起動されたことを契機として開始される。
【0044】
まず、端末装置20の制御部21は、出発地及び目的地を含む地点を設定するための地点設定画面を表示部23に表示させる(ステップS101)。ここで、地点とは、経路探索に係る地点のことであり、例えば、出発地や目的地、経由地等を含む表現である。以降、本発明では、出発地(目的地、経由地)として設定された地点を、「地点」とも「出発地(目的地、経由地)」とも表記することがある。
【0045】
地点設定画面は、
図3に示すように、出発地を設定するための出発地設定部E11と、目的地を設定するための目的地設定部E12と、出発地からの出発時刻又は目的地への到着時刻を設定するための時刻設定部E13と、経由地を設定するための経由地設定部(図示省略)を地点設定画面上に新たに追加するための経由地追加ボタンE14と、上記の各々の設定に基づく経路探索の実行を指示するための検索ボタンE15と、等により構成されている。
【0046】
次に、制御部21は、ユーザにより出発地又は目的地の設定操作が開始されたか否かを判定する(ステップS102)。具体的には、制御部21は、ユーザにより出発地設定部E11又は目的地設定部E12が選択されたか否かを判定し、出発地設定部E11又は目的地設定部E12が選択されたと判定した場合に、出発地又は目的地の設定操作が開始されたと判定する。なお、本実施形態では、出発地又は目的地のうちステップS102でユーザにより設定操作が開始された方を「一方」、ユーザにより設定操作が開始されていない方を「他方」と称する。
制御部21は、出発地又は目的地の設定操作が開始されたと判定した場合(ステップS102:YES)、次のステップS103へと移行する。
一方、制御部21は、出発地又は目的地の設定操作が開始されていないと判定した場合(ステップS102:NO)、出発地又は目的地の設定操作が開始されるまでステップS102の処理を繰り返す。
【0047】
次に、制御部21は、ユーザにより設定操作が開始された一方(出発地又は目的地)の地点の設定画面を表示部23に表示させる(ステップS103)。具体的には、制御部21は、ユーザにより出発地設定部E11が選択されたと判定した場合、出発地設定画面を表示部23に表示させる。一方、制御部21は、ユーザにより目的地設定部E12が選択されたと判定した場合、目的地設定画面を表示部23に表示させる。
【0048】
出発地設定画面は、
図4に示すように、出発地を手動入力するための出発地入力部E21と、ユーザにより過去に検索された履歴を表示する検索履歴表示部E22と、出発地入力部E21に出発地を入力するための文字入力部E23と、出発地設定画面を閉じて前画面(地点設定画面)に戻るための閉じるボタンE24と、等により構成されている。
【0049】
出発地は、以下の2つの方法により設定される。
その一例は、ユーザが文字入力部E23を操作して出発地入力部E21に所望の地点名(駅名)を入力する方法である。ユーザが出発地入力部E21に所望の地点名を入力すると、検索履歴表示部E22の領域が、地点の候補を表示する領域へと変化する。ユーザは、表示された地点の候補の中から所望の地点を選択することで、出発地を設定することができる、
また、他の例は、検索履歴表示部E22に表示された履歴の中から所望の地点を選択する方法である。履歴には、地点の名称の他、地点の緯度経度の情報が含まれている。
なお、目的地設定画面は、出発地の代わりに目的地を入力(選択)する点を除き、出発地設定画面と同様であるので、説明を省略する。
【0050】
本実施形態では、制御部21は、ステップS103において、出発地設定画面又は目的地設定画面の検索履歴表示部E22に、出発地及び目的地の双方の履歴を表示させる。即ち、制御部21は、経路探索に係る出発地及び目的地が未設定の状態から、出発地及び目的地のうち先に設定するいずれか一方の地点の設定時に、出発地及び目的地の双方の履歴を表示部23に表示させる本発明の履歴表示制御手段として機能する。
図4に示す例では、出発地及び目的地の双方の履歴として、「有楽町」、「新宿」、「渋谷」、「上野」、「六本木」、…が表示されている。
【0051】
次に、制御部21は、ユーザにより設定操作が開始された一方の地点の設定画面においてユーザにより選択された地点(駅)を、上記一方(出発地又は目的地)の地点として設定する(ステップS104)。具体的には、制御部21は、出発地設定画面においてユーザにより選択された地点を、出発地として設定する。一方、制御部21は、目的地設定画面においてユーザにより選択された地点を、目的地として設定する。
【0052】
次に、制御部21は、ユーザにより他方(出発地又は目的地のうちステップS102でユーザにより設定操作が開始されていない方)の地点の設定操作が開始されたか否かを判定する(ステップS105)。
制御部21は、他方の地点の設定操作が開始されたと判定した場合(ステップS105:YES)、次のステップS105へと移行する。
一方、制御部21は、他方の地点の設定操作が開始されていないと判定した場合(ステップS105:NO)、他方の地点の設定操作が開始されるまでステップS105の処理を繰り返す。
【0053】
次に、制御部21は、ユーザにより設定操作が開始された他方の地点の設定画面を表示部23に表示させる処理を行う(ステップS106)。
【0054】
具体的には、まず、制御部21は、
図5に示すように、ステップS104で設定された一方(出発地又は目的地)の地点が、ユーザにより過去に検索された履歴(出発地及び目的地の双方の履歴)と一致するか否かを判定する(ステップS201)。
制御部21は、ステップS104で設定された一方の地点がユーザの過去の検索履歴と一致すると判定した場合(ステップS201:YES)、一致した検索履歴と対となる地点の優先度を最も高く設定し(ステップS202)、ステップS203へと移行する。ここで、対となる地点とは、一度に選択された出発地及び目的地の組み合わせが存在する場合の、出発地に対する目的地、目的地に対する出発地のことである。また、優先度とは、出発地設定画面又は目的地設定画面の検索履歴表示部E22に表示させる履歴の表示順に係る優先度のことである。
一方、制御部21は、ステップS104で設定された一方の地点がユーザの過去の検索履歴と一致しないと判定した場合(ステップS201:NO)、ステップS203へと移行する。
【0055】
次に、制御部21は、ステップS104で設定された一方の地点と距離の近い検索履歴から順に、その対となる地点の優先度を高く決定する(ステップS203)。なお、制御部21は、ステップS202で一致した検索履歴と対となる地点の優先度を最も高く設定した場合、一致した検索履歴と対となる地点に次ぐように、距離の近い検索履歴から順にその対となる地点の優先度を高く決定する。
【0056】
次に、制御部21は、優先度が同一の地点が存在するか否かを判定する(ステップS204)。例えば、制御部21は、一致した検索履歴と対となる地点が複数存在する場合や、ステップS104で設定された一方の地点からの距離が同一の複数の地点が存在する場合等に、優先度が同一の地点が存在すると判定する。
制御部21は、優先度が同一の地点が存在すると判定した場合(ステップS204:YES)、新しく検索された順に優先度を高く決定し(ステップS205)、次のステップS206へと移行する。
一方、制御部21は、優先度が同一の地点が存在しないと判定した場合(ステップS204:NO)、ステップS206へと移行する。
【0057】
次に、制御部21は、ユーザにより設定操作が開始された他方(出発地又は目的地)の地点の設定画面を表示部23に表示させ(ステップS206)、
図2のステップS107へと移行する。具体的には、制御部21は、ユーザにより出発地設定部E11が選択されたと判定した場合、出発地設定画面を表示部23に表示させる。一方、制御部21は、ユーザにより目的地設定部E12が選択されたと判定した場合、目的地設定画面を表示部23に表示させる。
制御部21は、ステップS206において、出発地設定画面又は目的地設定画面の検索履歴表示部E22に、上記の優先度に基づいて履歴を表示させる(
図6〜
図8参照)。
【0058】
上記の
図2の処理により、制御部21は、一方の地点が設定された状態から、他方の地点の設定時に、表示部23(検索履歴表示部E22)に表示させる履歴の表示順に係る優先度を、設定された一方の地点との対応関係に基づいて決定する第1優先度決定手段として機能する。
【0059】
次いで、
図2のステップS107では、制御部21は、ユーザにより設定操作が開始された他方の地点の設定画面においてユーザにより選択された地点(駅)を、上記他方(出発地又は目的地)の地点として設定する(ステップS107)。具体的には、制御部21は、出発地設定画面においてユーザにより選択された地点を、出発地として設定する。一方、制御部21は、目的地設定画面においてユーザにより選択された地点を、目的地として設定する。
以上の処理により、経路探索に係る出発地及び目的地を設定することができる。
【0060】
図6に、他方の地点の設定時に、他方の地点の設定画面の検索履歴表示部E22に表示させる履歴の表示順に係る優先度を、設定された一方の地点との対応関係に基づいて決定する処理の概念図を示す。
図6では、ユーザにより出発地として地点P1が設定された状態で、目的地設定画面の検索履歴表示部E22に表示させる履歴の優先度を決定する処理を例示して説明する。
【0061】
図6に示す例では、ステップS104の処理により、出発地として地点P1が設定されている。この地点P1は、ユーザの過去の検索履歴内の地点P11と一致している(地点P1=地点P11)。また、地点P11には、対となる地点として、地点P21が対応付けられている。ユーザの過去の検索履歴には、地点P11の他、地点P1から距離の近い順に、地点P12〜地点P15が存在している。但し、地点P1から地点P13及び地点P14までの距離は、同一となっている。また、地点P12〜地点P15には、対となる
地点として、それぞれ地点P22〜P25が対応付けられている。また、地点P21〜P25には、それぞれ検索日が対応付けられている。
【0062】
図6に示す例では、地点P1と一致した地点P11と対となる地点である地点P21の優先度が、最も高い100に設定されている。また、地点P1から距離の近い順に、その対となる地点の優先度が高く設定されている。具体的には、地点P1から最も距離の近い地点P12と対となる地点P22の優先度が、地点P21に次ぐ90に設定されている。また、地点P1から最も距離の遠い地点P15と対となる地点P25の優先度が、最も低い70に設定されている。一方で、地点P1からの距離が同一の地点P13及び地点P14と対となる地点P23及び地点P24の優先度は、本来であれば同一となるはずである。しかしながら、本実施形態では、優先度が同一の地点が存在する場合、新しく検索された順に優先度を高く決定するため、検索日がより新しい地点P23の優先度(85)が地点P24の優先度(75)よりも高く設定されている。
以上の処理により、他方の地点の設定時に、他方の地点の設定画面の検索履歴表示部E22に表示させる履歴の表示順に係る優先度を、設定された一方の地点との対応関係に基づいて決定することができる。
【0063】
上記の処理により決定された優先度は、端末装置20の記憶部24に記憶される。
図7に、優先度の設定を管理するテーブルT1の一例を示す。テーブルT1は、ユーザの過去の検索履歴内の地点であって、ステップS104で設定された一方の地点と一致する地点を示す「対象地点T11」、対象地点T11と対となる地点を示す「対地点T12」、ユーザの過去の検索履歴内の地点であって、対象地点T11と対とならない地点を示す「非対地点T13」、各非対地点T13の対象地点T11からの距離を示す「対象地点からの距離T14」、非対地点T13の対となる地点を示す「非対地点の対地点T15」、各対地点(対地点T12及び非対地点の対地点T15)の検索日を示す「対地点の検索日T16」、各対地点の優先度を示す「対地点の優先度T17」のフィールドを有する。
【0064】
テーブルT1の対象地点T11が「P11」のレコードには、
図6に示す例の情報がそれぞれ格納されている。例えば、対地点T12が「P21」のレコードからは、対地点(地点P21)の検索日T16が「2015/7/11」であり、対地点(地点P21)の優先度T17が100である旨を読み取ることができる。また、例えば、非対地点T13が「P12」のレコードからは、対象地点(P11)からの距離T14が「10(km)」であり、非対地点(地点P12)の対地点T15が「P22」であり、対地点(地点P22)の検索日T16が「2015/11/8」であり、対地点(地点P22)の優先度T17が90である旨を読み取ることができる。
【0065】
制御部21は、
図6に示す処理等により生成されたテーブルT1を参照して、出発地設定画面又は目的地設定画面の検索履歴表示部E22に、履歴を表示させる。
図8に、対象地点T11が「P11」である場合(
図6に示す例である場合)の目的地設定画面の一例を示す。
図8に示す例では、優先度が地点P21、地点P22、地点P23、地点P24、地点P25の順であるので、検索履歴表示部E22には、上から地点P21、地点P22、地点P23、地点P24、地点P25の順に表示される。
【0066】
制御部21は、上記のように、経路探索に係る出発地及び目的地を設定した後、ユーザによる出発地設定画面又は目的地設定画面の検索ボタンE15の押下操作を検出すると、設定された出発地及び目的地の情報を、通信部26を介して地図サーバ10に送信する。
【0067】
地図サーバ10の制御部11は、端末装置40から送信された出発地及び目的地の情報に基づいて経路探索処理を行う。
【0068】
このとき、制御部11は、出発地及び目的地の組み合わせ毎に、出発地及び目的地間の経路の表示順に係る優先度を、所定のユーザの選択実績に基づいて決定するようにしてもよい。この場合、制御部11は、本発明の第2優先度決定手段として機能する。ここで、所定のユーザとは、全てのユーザであってもよいし、所定の属性(行動履歴やデモグラフィック、興味関心等)を有するユーザであってもよい。
即ち、制御部11は、経路探索処理を行う際、端末装置40から送信された出発地及び目的地間の複数の経路を探索し、探索された複数の経路の表示順に係る優先度を、所定のユーザにより過去に選択された回数が多い順に決定する。
【0069】
例えば、端末装置40から送信された出発地が「品川駅」で目的地が「六本木駅」であった場合、例えば、「品川駅」から京急本線で「大門駅」へと移動し、「大門駅」から都営大江戸線で「六本木駅」へと移動する経路(経路1)や、「品川駅」から山手線で「恵比寿駅」へと移動し、「恵比寿駅」から日比谷線で「六本木駅」へと移動する経路(経路2)、「品川駅」から山手線で「浜松町駅」へと移動し、「浜松町駅」から徒歩で「大門駅」へと移動し、「大門駅」から都営大江戸線で「六本木駅」へと移動する経路(経路3)などが探索される。ここで、各経路の選択回数が、例えば、経路3、経路1、経路2の順に多かった場合、経路3、経路1、経路2の順に優先度を高く決定する。
【0070】
また、制御部11は、経路探索処理を行う際、更に、出発地及び目的地の組み合わせ毎に、他の出発地及び目的地の組み合わせの表示順に係る優先度を、所定のユーザの選択実績に基づいて決定するようにしてもよい。この場合、制御部11は、本発明の第3優先度決定手段として機能する。
即ち、制御部11は、経路探索処理を行う際、更に、端末装置40から送信された出発地及び目的地に係る複数の他の出発地及び目的地の組み合わせを探索し、探索された複数の組み合わせの表示順に係る優先度を、所定のユーザにより過去に選択された回数が多い順に決定する。ここで、他の出発地(目的地)とは、例えば、端末装置40から送信された出発地(目的地)から、徒歩による移動が難なく行える程度の距離(例えば、徒歩10分圏内)にある地点のことである。また、例えば、ある出発地Aからある目的地Bへと向かう人は、更にその目的地Bから次の目的地Cへと向かう傾向がみられるような場合には、出発地B及び目的地Cの組み合わせを、他の出発地及び目的地の組み合わせとしてもよい。
【0071】
例えば、端末装置40から送信された出発地が「有楽町駅」で目的地が「三田駅」であった場合、他の出発地及び目的地の組み合わせの候補として、例えば、出発地が「有楽町駅」で目的地が「田町駅」である組み合わせ(組み合わせ1)、出発地が「日比谷駅」で目的地が「三田駅」である組み合わせ(組み合わせ2)、出発地が「日比谷駅」で目的地が「田町駅」である組み合わせ(組み合わせ3)などが探索される。ここで、各組み合わせの選択回数が、例えば、組み合わせ3、組み合わせ1、組み合わせ2の順に多かった場合、組み合わせ3、組み合わせ1、組み合わせ2の順に優先度を高く決定する。
【0072】
なお、ユーザの選択実績は、例えば、同一条件での統計情報に基づいて算出される。具体的には、ユーザの選択実績は、例えば、日時、曜日、時間帯、天候などが同一条件である場合の統計情報に基づき、所定の算出方法にて算出される。所定の算出方法は、既存の統計手法を適宜用いるものであってよく、例えば、平均値を算出する方法であってもよいし、中央値を算出する方法であってもよい。
【0073】
地図サーバ10の制御部11は、上記の経路探索処理を行った後、上記の優先度を反映した経路探索結果を、通信部15を介して端末装置20に送信する。
次に、端末装置20の制御部21は、優先度を反映した経路探索結果を、表示部23に表示させる。例えば、制御部21は、探索された複数の経路を、優先度の順に表示部23に表示させる。この場合、制御部21は、本発明の経路表示制御手段として機能する。また、制御部21は、探索された経路とは別に、探索された他の出発地及び目的地の組み合わせを、優先度の順に表示部23に表示させる。この場合、制御部21は、本発明の他候補表示制御手段として機能する。なお、他の出発地及び目的地の組み合わせを表示させる際、その組み合わせをユーザが選択操作することで、当該選択された他の出発地及び目的地間の経路を表示させる画面に遷移させるようにしてもよい。この場合、地図サーバ10の制御部11は、優先度を反映した経路探索結果を端末装置20に送信する際、他の出発地及び目的地間の経路の情報を併せて送信するようにするとよい。
【0074】
[3.効果]
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置(地図サーバ10及び端末装置20)は、経路探索に係る出発地及び目的地のうち先に設定するいずれか一方の地点が設定された状態から、他方の地点の設定時に、表示手段(表示部23)に表示させる履歴の表示順に係る優先度を、設定された一方の地点との対応関係に基づいて決定する第1優先度決定手段(制御部21)を備える。
従って、本実施形態に係る情報処理装置によれば、経路探索に係る出発地及び目的地の設定作業を容易且つ効率的なものとすることができるので、経路探索機能に係るユーザの使用感を向上させることができる。
【0075】
また、本実施形態に係る情報処理装置は、出発地及び目的地の組み合わせ毎に、出発地及び目的地間の経路の表示順に係る優先度を、所定のユーザの選択実績に基づいて決定する第2優先度決定手段(制御部11)と、第2優先度決定手段により決定された優先度に基づいて出発地及び目的地間の経路を表示手段に表示させる経路表示制御手段(制御部21)と、を備える。
従って、本実施形態に係る情報処理装置によれば、時間や距離といった一般的な判断基準以外に、乗り換えのし易さ等の数字に表せないユーザの本音を経路探索に反映させることができるので、ユーザ満足度の高い経路探索結果を提供することができる。
【0076】
また、本実施形態に係る情報処理装置は、出発地及び目的地の組み合わせ毎に、他の出発地及び目的地の組み合わせの表示順に係る優先度を、所定のユーザの選択実績に基づいて決定する第3優先度決定手段(制御部11)と、第3優先度決定手段により決定された優先度に基づいて他の出発地及び目的地の組み合わせを表示手段に表示させる他候補表示制御手段(制御部21)と、を備える。
従って、本実施形態に係る情報処理装置によれば、ユーザの指定に縛られず他のユーザの選択を反映した有益な経路を提供することができるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0077】
また、本実施形態に係る情報処理装置によれば、所定のユーザの選択実績は、同一条件での統計情報に基づいて算出される。
従って、本実施形態に係る情報処理装置によれば、表示順に係る優先度を決定する際の精度をより高めることができるので、よりユーザ満足度の高い経路探索結果を提供することができる。
【0078】
また、本実施形態に係る情報処理装置によれば、第1優先度決定手段は、一方の地点が、過去に検索された出発地又は目的地と一致する場合、過去に検索された出発地又は目的地と対となる地点の優先度を最も高く決定する。
従って、本実施形態に係る情報処理装置によれば、ユーザが所望する確率が最も高い検索履歴を選択し易くすることができるので、ユーザの検索に係る作業負担を軽減することができる。
【0079】
また、本実施形態に係る情報処理装置によれば、第1優先度決定手段は、一方の地点と距離の近い、過去に検索された出発地又は目的地から順に、その対となる地点の優先度を高く決定する。
従って、本実施形態に係る情報処理装置によれば、ユーザが所望する確率が高い検索履歴を選択し易くすることができるので、ユーザの検索に係る作業負担を更に軽減することができる。
【0080】
また、本実施形態に係る情報処理装置によれば、第1優先度決定手段は、優先度が同一の地点が存在する場合、新しく検索された順に優先度を高く決定する。
従って、本実施形態に係る情報処理装置によれば、ユーザが所望する確率が高い検索履歴を選択し易くすることができるので、ユーザの検索に係る作業負担を更に軽減することができる。
【0081】
また、本実施形態に係る情報処理装置は、経路探索に係る出発地及び目的地が未設定の状態から、一方の地点の設定時に、出発地及び目的地の双方の履歴を表示手段に表示させる履歴表示制御手段(制御部21)を備える。
従って、本実施形態に係る情報処理装置によれば、ユーザが選択する可能性の高い地点を表示させることができるので、経路探索に係る作業効率を向上させることができる。
【0082】
以上、本発明に係る実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0083】
[4.変形例1]
例えば、上記実施形態では、地図アプリや乗換案内アプリなどの経路探索アプリがインストールされた端末装置20と、当該端末装置20と協働して経路探索を行う地図サーバ10と、を利用して経路探索処理を行う構成を例示して説明しているが、これに限定されるものではない。例えば、車両Cに搭載された端末装置と、当該端末装置と協働して経路探索を行うナビゲーションサーバ(以下ナビサーバと称する)と、を利用して経路探索処理を行う構成であっても、本発明を適用することが可能である。
【0084】
[4−1.システム構成の説明]
変形例1に係る情報処理システム1Aは、
図9に示すように、ナビサーバ(情報処理装置)30と、車両Cに搭載された端末装置(情報処理装置)40と、を備えて構成されている。情報処理システム1Aを構成する各装置は、通信ネットワークNに接続される。
【0085】
ナビサーバ30は、例えば、PC、WS等の情報機器であり、端末装置40からのアクセスに応じて、所定の動作を行う。例えば、ナビサーバ30は、端末装置40から通信ネットワークNを介して送信されてきた現在位置(又は出発地)及び目的地の情報に基づいて経路探索処理を行う。ナビサーバ30は、1台で構成されるものとするが、これに限定されるものではなく、複数台の装置から構成されるものとしてもよい。
【0086】
端末装置40は、スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイス、携帯電話機等、車両Cのドライバが所持して使用する携帯型端末機器である。端末装置40には、目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内するカーナビの機能を実現するアプリケーション(以下、カーナビアプリと称する)がインストールされている。端末装置40は、通信ネットワークN(具体的には、端末装置40の通信回線や無線LAN(Local Area Network)等)を用いて、ナビサーバ30との間で相互に通信を行う。
【0087】
[4−2.ナビサーバの構成の説明]
次に、ナビサーバ30の構成について説明する。
ナビサーバ30は、制御部31と、操作部32と、表示部33と、記憶部34と、通信部35と、を備えて構成されている。
【0088】
制御部31は、ナビサーバ30の動作を中央制御する。具体的には、制御部31は、CPU、ROM、RAMなどを備えて構成され、RAMの作業領域に展開されたROMや記憶部34に記憶されたプログラムデータとCPUとの協働により、ナビサーバ30の各部を統括制御する。
【0089】
操作部32は、例えば、文字入力キー、数字入力キー、その他各種機能に対応付けられたキーなどを有するキーボード、マウス等のポインティングデバイスなどを備え、ユーザからの操作入力を受け付けて、操作入力に応じた操作信号を制御部31へと出力する。
表示部33は、例えば、LCDなどのディスプレイを備え、制御部31から出力された表示制御信号に基づいた画像を表示画面に表示する。
【0090】
記憶部34は、例えば、HDD、半導体メモリなどにより構成され、プログラムデータや各種設定データ等のデータを制御部31から読み書き可能に記憶する。また、記憶部34は、地図データ、音声データ等を格納している。地図データには、例えば、広域をカバーした地図情報(複数縮尺に対応)、道路情報、施設、海、川等の各種シンボル情報等が記憶されている。また、音声データには、例えば、経路案内に必要な、単語や文節等からなるメッセージのデータ等が予め記憶されている。
【0091】
通信部35は、通信用IC及び通信コネクタなどを有する通信インターフェイスであり、制御部31の制御の下、所定の通信プロトコルを用いて通信ネットワークNを介したデータ通信を行う。
【0092】
[4−3.端末装置の構成の説明]
次に、端末装置40の構成について説明する。
端末装置40は、制御部41と、操作部42と、表示部43と、音声出力部44と、記憶部45と、現在位置検出部46と、通信部47と、を備えて構成されている。
【0093】
制御部41は、端末装置40の動作を中央制御する。具体的には、制御部41は、CPU、ROM、RAMなどを備えて構成され、RAMの作業領域に展開されたROMや記憶部45に記憶されたプログラムデータとCPUとの協働により、端末装置40の各部を統括制御する。
また、制御部41は、記憶部45に記憶されたカーナビアプリを実行することにより、ナビサーバ30と協働して、カーナビの機能を実現する。具体的には、制御部41は、ドライバによりカーナビアプリが起動され目的地が設定されると、当該目的地の情報及び現在位置検出部46により検出された現在位置情報(出発地が設定された場合は出発地の情報)を、通信部47を介してナビサーバ30に送信する。次に、ナビサーバ30の制御部31は、端末装置40から送信された目的地情報及び現在位置情報(又は出発地情報)に基づいて経路探索処理を行い、経路探索結果を地図データ及び音声データとともに、通信部35を介して端末装置40に送信する。次に、端末装置40の制御部41は、経路探索結果を、表示部43に表示させるとともに、音声出力部44から音声出力させる。これにより、カーナビの機能が実現される。
【0094】
操作部42は、例えば、ホームボタン等からなるキー入力部と、表示部43と一体的に形成されたタッチパネルと、を備え、ユーザからの操作入力を受け付けて、操作入力に応じた操作信号を制御部41へと出力する。
表示部(表示手段)43は、例えば、LCD、有機EL素子を用いたFPDなどのディスプレイを備え、制御部41から出力された表示制御信号に基づいた画像を表示画面に表示する。例えば、表示部43は、制御部41から出力された表示用データ(地図データ等)に基づいて、各種情報(例えば、地図画面やアイコン、経路案内等のナビゲーション用の表示情報、自車の現在位置を示す自車マーク等)を表示する。
【0095】
音声出力部44は、D/A変換器、アンプ、スピーカ等を備えて構成され、制御部41から出力された音声データをアナログの音声信号に変換して音声出力する。
【0096】
記憶部45は、例えば、HDD、半導体メモリなどにより構成され、プログラムデータや各種設定データ等のデータを制御部41から読み書き可能に記憶する。
【0097】
現在位置検出部46は、GPSモジュール、自律航法ユニット等を備えて構成されている。GPSモジュールは、GPSアンテナ等を備えて構成される。このGPSアンテナは、地球低軌道に打ち上げられた複数のGPS衛星から送信されるGPS信号を受信する。GPSアンテナは、少なくとも3個のGPS衛星から送信されるGPS信号を受信し、受信したGPS信号に基づいて車両Cの絶対的な現在位置(緯度、経度)を検出して、制御部41に出力する。
自律航法ユニットは、角度センサ、距離センサ等を備える。角度センサは、車の角速度(単位時間あたりの水平方向への回転角度)を検出して、移動方位の変化量を算出する。距離センサは、車輪の回転に応じて出力されるパルス信号を検出して、車両Cの移動量を算出する。自律航法ユニットは、これら角速度信号および車速パルス信号により、車両Cの相対的な位置変化を算出して制御部41に出力する。
【0098】
通信部47は、アンテナや通信回路を備え、制御部41による制御の下で外部機器との間の無線通信を行う。具体的には、通信部47は、基地局で中継されることで、通信ネットワークNを介してデータ通信を行う。
【0099】
[4−4.動作の説明]
変形例1に係る情報処理システム1Aの具体的な動作は、基本的に、実施形態に係る情報処理システム1Aの具体的な動作(
図2等参照)と同様である。
但し、変形例1では、出発地として、現在位置検出部46により検出された現在位置が自動的に設定されることがあるため、このときの動作を簡潔に説明する。
【0100】
即ち、端末装置40の制御部41は、地点設定画面を表示部23に表示させる(ステップS101)。このとき、既に出発地が設定済みであるため、ステップS102〜ステップS104の処理を省略して、ステップS105へと移行する。次に、制御部41は、目的地の設定操作が開始されたか否かを判定し(ステップS105)、開始されたと判定した場合に、目的地設定画面の表示処理を行う(ステップS106;
図5参照)。次に、制御部41は、目的地設定画面においてユーザにより選択された地点を、目的地として設定する(ステップS107)。
以上の処理により、経路探索に係る出発地及び目的地を設定することができる。
【0101】
[5.その他の変形例]
例えば、上記実施形態及び変形例1では、ステップS104で設定された一方(出発地又は目的地)の地点と距離の近い検索履歴から順に、その対となる地点の優先度を高く決定するようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、端末装置40の制御部41は、出発地が設定された状態から、目的地の設定時に、履歴の表示順に係る優先度に関し、出発地及び目的地の双方の履歴のうち現在位置(現在地)に近い地点から順に、その対となる地点の優先度を高く決定するようにしてもよい。
即ち、出発地は、現在地の近傍の地点が設定されることが多いことから、出発地の代わりに、現在地と距離の近い検索履歴から順に、その対となる地点の優先度を高く決定するようにした場合であっても、同様の効果を期待することができる。
【0102】
以上のように、第1優先度決定手段は、出発地が設定された状態から、目的地の設定時に、履歴の表示順に係る優先度に関し、出発地及び目的地の双方の履歴のうち現在地に近い地点から順に、その対となる地点の優先度を高く決定することで、ユーザが所望する確率が高い検索履歴を選択し易くすることができるので、ユーザの検索に係る作業負担を更に軽減することができる。
【0103】
また、端末装置40の制御部41は、出発地及び目的地のうち先に設定する出発地の設定時に、出発地及び目的地の双方の履歴を、現在地に近い地点から順に表示部43に表示させるようにしてもよい。
即ち、出発地は、現在地の近傍の地点が設定されることが多いことから、現在地と距離の近い検索履歴から順に表示させることで、ユーザが選択する確率が高い検索履歴を優先的に表示させることができる。
【0104】
以上のように、履歴表示制御手段は、出発地及び目的地のうち先に設定する出発地の設定時に、出発地及び目的地の双方の履歴を、現在地に近い地点から順に表示手段(表示部43)に表示させることで、出発地の設定に際し、ユーザが所望する確率が高い検索履歴を選択し易くすることができるので、ユーザの検索に係る作業負担を更に軽減することができる。
【0105】
また、端末装置40の制御部41は、出発地又は目的地の設定時に、出発地及び目的地の双方の履歴を、選択回数が多い地点から順に表示部43(検索履歴表示部E22)に表示させるようにしてもよい。
以上のように、履歴表示制御手段は、一方の地点の設定時に、出発地及び目的地の双方の履歴を、選択回数が多い地点から順に表示手段に表示させることで、出発地又は目的地の設定に際し、ユーザが所望する確率が高い検索履歴を選択し易くすることができるので、ユーザの検索に係る作業負担を更に軽減することができる。
【0106】
また、端末装置40の制御部41は、一方の地点又は他方の地点の設定時に、更に、経由地の履歴を表示部43に表示させるようにしてもよい。この場合、制御部41は、本発明の経由地表示制御手段として機能する。
具体的には、まず、制御部41は、出発地又は目的地の設定時に、地点設定画面(
図3参照)において、ユーザにより経由地追加ボタンE14が選択されたと判定した場合に、地点設定画面上に新たに経由地設定部を追加する。次いで、制御部41は、ユーザにより経由地設定部が選択されたと判定した場合に、経由地を設定するための画面(経由地設定画面)を表示部43に表示させる。
【0107】
経由地設定画面は、出発地の代わりに経由地を入力(選択)する点を除き、出発地設定画面(
図4参照)と同様である。制御部41は、経由地設定画面の検索履歴表示部E22に、経由地の履歴を表示させる。このとき、制御部41は、経由地の履歴を、現在地に近い地点から順に表示部43(検索履歴表示部E22)に表示させるようにしてもよい。
即ち、一般に、目的地に向かう際の寄り道は、現在地から近い範囲で行われることが多いことから、現在地と距離の近い検索履歴から順に表示させることで、ユーザが選択する確率が高い検索履歴を優先的に表示させることができる。
【0108】
なお、検索履歴表示部E22に経由地履歴を表示させる際、経由地履歴に加えて、出発地履歴や目的地履歴を併せて表示させるようにしてもよい。
また、検索履歴表示部E22に経由地履歴を表示させる際、履歴の表示順に係る優先度
を、所定のユーザの選択実績に基づいて決定するようにし、上記の優先度に基づいて履歴を表示させるようにしてもよい。
【0109】
以上のように、一方の地点又は他方の地点の設定時に、更に、経由地の履歴を表示手段に表示させる経由地表示制御手段(制御部41)を備え、経由地表示制御手段が、経由地の履歴を、現在地に近い地点から順に表示手段に表示させることで、経由地の設定に際し、ユーザが所望する確率が高い検索履歴を選択し易くすることができるので、ユーザの検索に係る作業負担を更に軽減することができる。
【0110】
また、端末装置40の制御部41は、経由地の履歴を、選択回数が多い地点から順に表示部43(検索履歴表示部E22)に表示させるようにしてもよい。
以上のように、経由地表示制御手段は、経由地の履歴を、選択回数が多い地点から順に表示手段に表示させることで、経由地の設定に際し、ユーザが所望する確率が高い検索履歴を選択し易くすることができるので、ユーザの検索に係る作業負担を更に軽減することができる。
なお、経由地の履歴を、現在地からの近さと選択回数の多さとを所定のウエイトでスコア化し、算出されたスコアに基づいて表示部43に表示させるようにしてもよい。
【0111】
また、端末装置40の制御部41は、出発地及び目的地のうちいずれか一方の地点が設定された状態から、他方の地点の設定時に、履歴の表示順に係る優先度を、ユーザ自身の統計情報に基づいて決定するようにしてもよい。ユーザ自身の統計情報は、例えば、同一条件での統計情報に基づいて算出される。ユーザ自身の統計情報は、例えば、日時、曜日、時間帯、天候などが同一条件である場合の統計情報に基づき、所定の算出方法にて算出される。
この際、先に設定される一方の地点は、出発地が自動的に現在地に設定されるパターンであってもよいし、他方の地点の設定時と同様、履歴の表示順に係る優先度をユーザ自身の統計情報に基づいて決定し、表示させた履歴の中からユーザにより選択させるパターンであってもよい。
【0112】
例えば、平日の朝、出発地として現在地(自宅)、目的地として勤務先を選択することが多いユーザには、出発地として現在地(自宅)を自動的に設定するとともに、目的地の設定時に、勤務先を上位に表示させるようにしてもよい。また、例えば、休日の朝、出発地として現在地(自宅)、目的地としてレジャー施設Aを選択することが多いユーザには、出発地として現在地(自宅)を自動的に設定するとともに、目的地の設定時に、レジャー施設Aを上位に表示させるようにしてもよい。
【0113】
以上のように、第1優先度決定手段は、他方の地点の設定時に、表示順に係る優先度を、ユーザ自身の統計情報に基づいて決定することで、ユーザが所望する確率が高い検索履歴を選択し易くすることができるので、ユーザの検索に係る作業負担を更に軽減することができる。
【0114】
また、上記実施形態では、端末装置20の制御部21が、優先度を決定する処理(第1優先度決定手段)や各種表示制御に係る処理(履歴表示制御手段、経路表示制御手段、他候補表示制御手段)等を行うようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、サーバ装置10の制御部11が、ユーザ毎の検索履歴を記憶しておき、各ユーザによる各種の設定操作(一方の地点又は他方の地点の設定操作等)の情報を都度取得するようにすることで、優先度を決定する処理を行ったり(第1優先度決定手段として機能)、各種情報(履歴、経路、他候補)を端末装置20の表示部23に表示させるための情報を端末装置20に送信して各種表示制御に係る処理を行ったり(履歴表示制御手段、経路表示制御手段、他候補表示制御手段として機能)するようにしてもよい。
【0115】
また、本出願に示す各態様は、方法、プログラムなどとしても把握することができる。方法やプログラムのカテゴリについては、装置のカテゴリで示した「手段」を、例えば、「工程」や「ステップ」のように適宜読み替えるものとする。また、処理やステップの順序は、本出願に直接明記のものに限定されず、順序を変更したり、一部の処理をまとめて若しくは随時一部分ずつ実行するよう変更したりすることができる。
【0116】
その他、地図サーバ、ナビサーバ及び端末装置を構成する各装置の細部構成及び各装置の細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。